(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006171
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】ゲームシステム、それに用いるコンピュータプログラム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/58 20140101AFI20240110BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20240110BHJP
【FI】
A63F13/58
A63F13/55
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106809
(22)【出願日】2022-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【弁理士】
【氏名又は名称】小田原 敬一
(72)【発明者】
【氏名】福田 雅志
(72)【発明者】
【氏名】寺尾 啓史
(72)【発明者】
【氏名】惠阪 裕之
(72)【発明者】
【氏名】永井 雄大
(72)【発明者】
【氏名】大谷 明日香
(57)【要約】
【課題】判定値を変化させるための攻撃要素の数と判定値の状態との間に生じ得る齟齬を抑制することができるゲームシステムを提供する。
【解決手段】ゲーム機3は、プレイ結果を判定するための敵判定値ゲージ61Bを味方キャラクタCO1の敵キャラクタCO2、敵ベースオブジェクト53B、及び敵タワーオブジェクト54Bといった攻撃要素への攻撃に応じてゼロに向かって変化させる一方で、所定の回復条件が満たされた場合に回復させるアクションゲームを提供する。ゲーム機3は、敵キャラクタCO2等の攻撃要素のうち敵タワーオブジェクト54Bに対する攻撃が消去条件を満たした場合に、敵タワーオブジェクト54BをフィールドGFから消去することにより敵判定値ゲージ61Bを変化させる対象から除外するとともに、敵判定値ゲージ61Bの最大値を低下させることによりその回復に制限を設ける。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力装置を介して入力されるユーザの指示に沿って動作するキャラクタと、プレイ結果を判定するための判定値を変化させるための複数の攻撃要素と、を含むゲーム画面を表示する表示装置の前記ゲーム画面を通じて、前記判定値を前記キャラクタの各攻撃要素への攻撃に応じて目標値に向かって変化させる一方で、所定の回復条件が満たされた場合に前記目標値から離れる方向に回復させるゲームを提供するゲームシステムであって、
前記複数の攻撃要素のうち特定の攻撃要素に対する攻撃が所定の条件を満たした場合に、前記判定値を変化させる対象から当該特定の攻撃要素を除外する対象除外手段と、
前記特定の攻撃要素が前記判定値を変化させる対象から除外された場合に、前記判定値の回復に制限を設ける制限設定手段と、
を備える、ゲームシステム。
【請求項2】
各攻撃要素には、前記キャラクタの攻撃に応じて前記判定値を変化させる量としての変化量が設定され、
前記特定の攻撃要素の変化量は、他の攻撃要素の変化量と相違している、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
各攻撃要素には、前記キャラクタの攻撃によって変化する耐久値が設定され、
前記所定の条件は、前記特定の攻撃要素に設定される前記耐久値が所定値に至った場合に満たされる耐久条件と、当該耐久条件を満たした後に前記入力装置を介して所定の除外指示が実行された場合に満たされる指示条件と、を含んでいる、請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記耐久値は、前記特定の攻撃要素と前記他の攻撃要素との間で相違している、請求項3に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記ゲーム画面は、前記キャラクタの移動範囲として設定されるフィールドを含み、
前記特定の攻撃要素として、前記フィールドの所定位置に固定されるように配置される所定のオブジェクトが機能する、請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記対象除外手段は、前記所定の条件が満たされた場合に、前記耐久値が所定値に至った前記所定のオブジェクトを前記フィールドから消すことにより前記判定値を変化させる対象から除外する、請求項5に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記ゲームは、前記所定のオブジェクトが前記フィールドから消えた後において当該所定のオブジェクトの前記フィールドへの再出現を制限するように構成される、請求項6に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記制限は、前記回復が一定期間不可となる時期的制限、前記回復の回数が制限される回数的制限、前記判定値の回復量を制限する量的制限、及び前記判定値の最大値の低下若しくは最小値の上昇により回復可能な前記判定値の範囲を小さくする限度的制限の少なくとも一つを含んでいる、請求項1~7のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記ゲームは、前記キャラクタが敵キャラクタと対戦する対戦ゲームとして構成され、
前記複数の攻撃要素は、前記敵キャラクタを含んでいる、請求項1~7のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項10】
前記対戦ゲームには、異なる影響を進行に付与する効果を持つ複数のスキルが用意され、
前記複数のスキルは、前記判定値を回復させる効果を持つ回復スキルを含み、
前記回復条件は、前記敵キャラクタに前記回復スキルが設定されている場合に当該回復スキルの使用により満たされる、請求項9に記載のゲームシステム。
【請求項11】
前記入力装置、及び前記表示装置に接続されるコンピュータを、請求項1~7のいずれか一項に記載のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたコンピュータプログラム。
【請求項12】
入力装置を介して入力されるユーザの指示に沿って動作するキャラクタと、プレイ結果を判定するための判定値を変化させるための複数の攻撃要素と、を含むゲーム画面を表示する表示装置の前記ゲーム画面を通じて、前記判定値を前記キャラクタの各攻撃要素への攻撃に応じて目標値に向かって変化させる一方で、所定の回復条件が満たされた場合に前記目標値から離れる方向に回復させるゲームを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、
前記複数の攻撃要素のうち特定の攻撃要素に対する攻撃が所定の条件を満たした場合に、前記判定値を変化させる対象から当該特定の攻撃要素を除外する対象除外手順と、
前記特定の攻撃要素が前記判定値を変化させる対象から除外された場合に、前記判定値の回復に制限を設ける制限設定手順と、
を実行させる、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置を介して入力されるユーザの指示に沿って動作するキャラクタと、プレイ結果を判定するための判定値を変化させるための複数の攻撃要素と、を含むゲーム画面を表示する表示装置のそのゲーム画面を通じて、判定値をキャラクタの各攻撃要素への攻撃に応じて目標値に向かって変化させる一方で、所定の回復条件が満たされた場合に目標値から離れる方向に回復させるゲームを提供するゲームシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
入力装置を介して入力されるユーザの指示に沿って動作するキャラクタと、プレイ結果を判定するための判定値を変化させるための複数の攻撃要素と、を含むゲーム画面を表示する表示装置のそのゲーム画面を通じて、判定値をキャラクタの各攻撃要素への攻撃に応じて目標値に向かって変化させるゲームを提供するゲームシステムが存在する。例えば、複数の攻撃要素として、城や拠点といったフィールドに固定的に配置されるオブジェクト、或いは敵キャスト(キャラクタ)を利用し、それらへの攻撃を通じてチームゲージを減少させるゲームが知られている(例えば非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】“Wonderland Wars プレイガイド ゲームの遊び方”、[online]、[令和4年6月27日検索]、株式会社セガ、インターネット、<URL:https://wonder.sega.jp/guide/howtoplay/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1のゲームは、いわゆるMOBA(マルチプレイヤオンラインバトルアリーナ)と呼ばれるジャンルのアクションゲームとして構成されている。このゲームでは、キャストの攻撃により拠点が破壊される場合がある。拠点が破壊されると、当然その拠点をそれ以上攻撃することはできない。このため、拠点の破壊によりチームゲージを減らすための攻撃要素の数が少なくなる。一方で、同様のMOBA形式のアクションゲームにおいて、減少したチームゲージの回復が許容される場合がある。このような場合において、拠点の破壊後に回復が実行されると、チームゲージがプレイ開始時の状態まで回復している一方で、チームゲージを減少させるための攻撃要素の数がプレイ開始時よりも少なくなってしまう状況が生じる可能性がある。この場合、チームゲージを減少させるための攻撃要素の数とチームゲージの状態との間にプレイ開始時と比較して齟齬が生じてしまう。このような齟齬により、せっかく拠点を破壊したにもかかわらず却って不利な状況になってしまう可能性がある。この場合、拠点を破壊する時期等に戦略性が要求される。しかし、このような戦略性はゲームの複雑化を招き、初心者等にとってはプレイのハードルにつながってしまう可能性がある。同種の齟齬は、MOBA形式のゲームにかかわらず、判定値を変化させる攻撃要素と、判定値の変化を回復させる要素とが存在すれば生じ得る。
【0005】
そこで、本発明は、判定値を変化させるための攻撃要素の数と判定値の状態との間に生じ得る齟齬を抑制することができるゲームシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲームシステムは、入力装置を介して入力されるユーザの指示に沿って動作するキャラクタと、プレイ結果を判定するための判定値を変化させるための複数の攻撃要素と、を含むゲーム画面を表示する表示装置の前記ゲーム画面を通じて、前記判定値を前記キャラクタの各攻撃要素への攻撃に応じて目標値に向かって変化させる一方で、所定の回復条件が満たされた場合に前記目標値から離れる方向に回復させるゲームを提供するゲームシステムであって、前記複数の攻撃要素のうち特定の攻撃要素に対する攻撃が所定の条件を満たした場合に、前記判定値を変化させる対象から当該特定の攻撃要素を除外する対象除外手段と、前記特定の攻撃要素が前記判定値を変化させる対象から除外された場合に、前記判定値の回復に制限を設ける制限設定手段と、を備える、ものである。
【0007】
一方、本発明のコンピュータプログラムは、前記入力装置、及び前記出力装置に接続されるコンピュータを、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0008】
また、本発明の制御方法は、入力装置を介して入力されるユーザの指示に沿って動作するキャラクタと、プレイ結果を判定するための判定値を変化させるための複数の攻撃要素と、を含むゲーム画面を表示する表示装置の前記ゲーム画面を通じて、前記判定値を前記キャラクタの各攻撃要素への攻撃に応じて目標値に向かって変化させる一方で、所定の回復条件が満たされた場合に前記目標値から離れる方向に回復させるゲームを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、前記複数の攻撃要素のうち特定の攻撃要素に対する攻撃が所定の条件を満たした場合に、前記判定値を変化させる対象から当該特定の攻撃要素を除外する対象除外手順と、前記特定の攻撃要素が前記判定値を変化させる対象から除外された場合に、前記判定値の回復に制限を設ける制限設定手順と、を実行させる、ものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一形態に係るゲームシステムの概略構成を示す図。
【
図3】ゲームシステムの制御系の要部を示す機能ブロック図。
【
図6】判定値を変化させる要素を説明するための説明図。
【
図7】判定値の回復に設けられる制限を説明するための説明図。
【
図8】オブジェクト消去処理の手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(全体構成)
以下、本発明の一形態に係るゲームシステムの一例を説明する。まず、
図1を参照して、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を説明する。ゲームシステム1は、センターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワーク5を介して接続可能なクライアント装置としての複数のゲーム機3とを含む。センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
【0011】
ゲーム機3は、ゲームを提供するゲーム装置の一例である。ゲーム機3は、各種のゲーム装置(コンピュータ装置)を含んでいてよく、例えば後述のユーザ端末装置4がゲームを提供する場合、このようなユーザ端末装置4を含んでいてもよいが、
図1の例では商業用(業務用)のゲーム機として構成されている。商業用のゲーム機は、所定のプレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせるゲーム装置である。この種のゲーム機3は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。ゲーム機3は、適宜の場所に設置され得るが、
図1の例では多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗等の適宜の施設6に設置されている。
【0012】
ゲーム機3は、ユーザの指示に沿って動作するキャラクタと、プレイ結果を判定するための判定値を変化させるための複数の攻撃要素と、を含み、その判定値を前記キャラクタの各攻撃要素への攻撃に応じて目標値に向かって変化させる一方で、所定の回復条件が満たされた場合に目標値から離れる方向に回復させるゲームを提供する。このようなゲームは、ロールプレイングゲーム、或いはシミュレーションゲームといった各種のゲームとして提供されてよいが、一例としてアクションゲームとして提供される。ゲームの詳細は、後述する。
【0013】
ゲームシステム1には、ネットワーク5を介してユーザ端末装置4が接続される場合がある。ユーザ端末装置4は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。ユーザ端末装置4として、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、各種のコンピュータ装置が利用されてよいが、
図1の例では据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ4a、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む)のようなモバイル端末装置4bが利用されている。これらのユーザ端末装置4は、各種のコンピュータソフトウエアを実装することにより、センターサーバ2が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。
【0014】
ネットワーク5は、センターサーバ2に対してゲーム機3及びユーザ端末装置4をそれぞれ接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワーク5は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成される。典型的には、WANとしてのインターネット5Aと、センターサーバ2及びゲーム機3のそれぞれとインターネット5Aとを接続するLAN5B、5Cとがルータ5Dを介して接続されることにより構築される。ユーザ端末装置4もアクセスポイント等を介して適宜の構成によりインターネット5Aに接続される。なお、ゲーム機3と施設6のルータ5Dとの間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機3がセンターサーバ2と通信可能に接続されてもよい。センターサーバ2のサーバユニット2A、2B…はLAN5Cに代えて、又は加えてWAN5Aにより、相互に接続される場合もある。
【0015】
センターサーバ2は、ゲーム機3又はそのユーザに対してアクションゲームに関連する各種のゲーム機用サービスを提供する。ゲーム機サービスは、アクションゲームに関連する各種のサービスを含んでいてよいが、一例としてネットワーク5を介してプログラム或いはデータを配信し、更新する配信サービスを含んでいる。センターサーバ2は、このような配信サービスを通じて各ゲーム機3にアクションゲームの提供に必要な各種のプログラム或いはデータを適宜に配信等する。また、アクションゲームが他のユーザと対戦する対戦型のゲームを提供する場合、ゲーム機用サービスには対戦相手のユーザとマッチングするマッチングサービスが含まれる。ゲーム機3は複数のユーザ(例えば対戦相手のユーザ等)に同時にゲームを提供するように構成されてもよいが、一例として一人ずつゲームを提供するように構成される。このため、マッチングサービスを通じて、他のゲーム機3のユーザが対戦相手としてマッチングされる。
【0016】
なお、ゲーム機用サービスは、例えばその他にもゲーム機3からユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証する認証サービス、認証したユーザの利用実績等のデータをゲーム機3から受け取って保存し、或いは保存するデータをゲーム機3に提供するサービスといったサービスを含んでいてよい。さらに、ゲーム機用サービスは、ユーザから料金を徴収する課金サービスを含んでいてもよい。
【0017】
同様に、センターサーバ2は、ネットワーク5を介してユーザ端末装置4のユーザに各種のWebサービスを提供する。Webサービスは、各種のサービスを適宜に含み得るが、例えばゲーム機3が提供するゲームに関する各種の情報を提供する情報サービスを含んでいる。なお、Webサービスは、例えばその他にも各ユーザ端末装置4に各種データ或いはソフトウエアを配信(データ等のアップデートを含む)する配信サービス、ユーザによる情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス、及び各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するサービスといったサービスを含んでいてよい。
【0018】
(ゲーム機の外観)
次に、
図2を参照して、ゲーム機3の外観について説明する。
図2は、ゲーム機3の外観を示す斜視図である。
図2に示すように、ゲーム機3は、筐体10を有している。筐体10の正面(プレイ時にユーザが位置する側)には、表示装置の一例としてのメインモニタ12が配置されている。メインモニタ12は、ゲームのプレイ時にユーザと向かい合うように配置され、プレイ時に各種のゲーム画面を表示する。メインモニタ12は適宜の向きに配置され得るが、
図2の例では長辺が上下方向に延びる縦向きに配置されている。メインモニタ12の左右には、二台のスピーカSPがメインモニタ12を挟むように設けられている。
【0019】
また、メインモニタ12の前方には、ユーザとメインモニタ12との間に位置するようにコントロールパネル14が設けられている。ゲーム機3にはゲームにて要求されるプレイ行為に応じて各種の入力装置が適宜に設けられ得るが、
図2の例ではコントロールパネル14がそのような入力装置として機能する。コントロールパネル14には、スティック15、押しボタン16、及びタッチパネル17が設けられる。
【0020】
スティック15は、各種方向を指示する方向操作が実行される操作部材である。押しボタン16は、押す操作が実行される操作部材である。タッチパネル17は、表示装置とタッチセンサとの組合せにより実現される操作部材である。表示装置は各種指示に対応する領域を表示し、タッチセンサはその表示装置の表示面を覆うように配置される。タッチセンサはユーザのタッチ操作の位置に応じた信号を出力する周知の検出装置である。そして、タッチパネル17は、これらにより各領域(各指示)へのタッチ操作に応じた信号を出力するように構成される。コントロールパネル14には、プレイ行為に応じた各種の操作部材が適宜に設けられてよいが、
図2の例ではこれらのスティック15、押しボタン16、及びタッチパネル17が操作部材として設けられている。
【0021】
スティック15、押しボタン16、及びタッチパネル17は、適宜のレイアウトで配置されてよいが、
図2の例では中央のタッチパネル17を挟むように上側に押しボタン16が、下側にスティック15が、それぞれ配置されている。より具体的には、プレイ時において左手でスティック15を操作しつつ、右手でタッチパネル17、或いは押しボタン16への操作を促すように、タッチパネル17の左よりの下側にスティック15が、タッチパネル17の上側の中央付近に押しボタン16が、それぞれ配置されている。なお、ゲーム機3には、例えばその他にもユーザを認証する(例えばIDカードに記録されたIDの情報を取得する)ためのカードリーダ(電子通貨等の適宜の価値を徴収するために使用されてもよい)、プレイ料金を徴収するためのコインセレクタといった各種の付属装置が設けられ得るが、図示は省略した。
【0022】
(制御系の要部)
次に、
図3を参照して、ゲームシステム1の制御系の要部を説明する。まず、センターサーバ2には、制御ユニット21、及び記憶手段としての記憶部22が設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
【0023】
記憶部22は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部22は、一の記憶ユニット内に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部22には、ユーザに各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット21に実行させるコンピュータプログラムの一例として、サーバプログラムPG1が記録される。
【0024】
また、記憶部22には、ゲーム機用サービス等の提供に必要なサーバ用データSDが記憶される。そのようなサーバ用データSDは各種のデータを適宜に含み得るが、
図3の例ではキャラクタデータCD、及び攻撃力データADが示されている。キャラクタデータCDは、アクションゲームに含まれる各キャラクタを管理するためのデータである。各キャラクタは各種のパラメータによって定義される。また、パラメータには、攻撃力やスキルといった各種の要素が適宜に含まれる。キャラクタデータCDでは、例えばこれらのパラメータの内容がキャラクタ毎に記述される。攻撃力データADは、各攻撃要素に対する攻撃オプションが判定値に与える影響(攻撃力)を管理するためのデータである。ゲーム内には各種の攻撃オプションが用意されてよく、それらは判定値を適宜に変化させてよいが、一例として各攻撃オプションとその効果(判定値を変化させる変化量)とは攻撃力データADによって管理される。
【0025】
なお、サーバ用データは、例えばその他にも各種のサービスを実現するための各種のデータを含んでよい。例えば、そのようなデータには、各ユーザのゲーム実績を管理するためのプレイデータ、或いは各ユーザを識別するためのユーザID等の各種IDを管理するためのID管理データが含まれていてよい。また、サーバ用データは、ゲーム用のデータとして、ゲーム画面用の各種の画像を表示するための画像データ、或いは楽曲を含むゲーム用の各種音声を再生するための音声データ等を含んでいてもよい。しかし、それらの図示は省略した。
【0026】
制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのサーバプログラムPG1との組合せによって実現される論理的装置が設けられる。このような論理的装置として適宜の論理的装置が設けられ得るが、
図3の例ではWebサービス管理部23、及びゲーム機サービス管理部24が示されている。Webサービス管理部23は、ユーザ端末装置4に対して上述のWebサービスを実現するための各種処理を実行する論理的装置である。同様に、ゲーム機サービス管理部24は、ゲーム機3に対して上述のゲーム機用サービスを実現するための各種処理を実行する論理的装置である。なお、制御ユニット21には、キーボード等の入力装置、モニタ等の出力装置等が必要に応じて接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
【0027】
一方、ゲーム機3には、コンピュータとしての制御ユニット31と、記憶手段としての記憶部32とが設けられる。制御ユニット31は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の処理を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
【0028】
記憶部32は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部32には、ゲーム等の各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット31に実行させるコンピュータプログラムの一例として、ゲームプログラムPG2が記録される。また、記憶部32には、ゲームの提供に必要なゲームデータGDが記録される。そのようなゲームデータGDには、画像データ、音声データ、或いはID管理データといったゲーム用の各種のデータが適宜に含まれ得るが、
図3の例ではキャラクタデータCD、及び攻撃力データADが示されている。
【0029】
キャラクタデータCD等の各種ゲームデータGDは、適宜の手法により記憶部32に記憶されてよく、例えばゲーム機3にプレインストールされていてもよいし、各種の記録媒体を介して記憶部32に記憶されてもよい。このようにゲームデータGDは適宜の手法により記憶部32に記憶され得るが、一例としてキャラクタデータCD及び攻撃力データADは配信サービスを通じてセンターサーバ2から提供される。
【0030】
制御ユニット31には、制御ユニット31のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのゲームプログラムPG2との組合せによって各種の論理的装置が構成される。そして、それらの論理的装置を通じてゲームの提供に必要な各種の処理(センターサーバ2のゲーム機サービス管理部24が提供するゲーム機用サービスを享受するために必要な処理を含む)が実行されるが、
図3の例では、ゲームに関連する論理的装置として、マッチング部33、及び進行制御部34が示されている。
【0031】
マッチング部33は、マッチングサービスを通じたマッチングに関連する各種の処理を実行する論理的装置である。マッチングサービスは、上述のとおりアクションゲームが対戦型のゲームとして提供される場合に、対戦相手のユーザ(対戦者)をマッチングするために実行される。例えば、マッチング部33は、マッチングサービスを実現するために、センターサーバ2のゲーム機サービス管理部24と協働で対戦者のマッチングに必要な処理を実行する。対戦は適宜の数のユーザによって実行されてよく、例えば複数のユーザをそれぞれ含む複数のチーム(グループ)間において対戦するチーム対戦として実行されてもよい。この場合、マッチング部33が実行する処理には、各チームに属する複数のユーザ(協力者、及び対戦者の両方を含む)をマッチングしたり、チーム分けを実現したりする処理が含まれる。
【0032】
進行制御部34は、ゲームの進行を制御するための各種の処理を実行する論理的装置である。このような処理には、例えばキャラクタ、及び各攻撃要素といった各種の要素を含むゲーム画面を表示するための処理が含まれる。同様に、このような処理には、そのゲーム画面において、それらの表示を制御するための処理が含まれる。具体的には、そのような処理には、コントロールパネル14を介したユーザの指示(操作)に沿って各キャラクタの動作を制御するための処理、各キャラクタの各攻撃要素に対する攻撃等に応じて判定値を増減させる処理といった処理が含まれる。例えば、進行制御部34は、そのような処理の一つとして、オブジェクト消去処理を実行する。オブジェクト消去処理の手順の詳細は後述する。
【0033】
また、ゲーム機3にはアーケードゲーム機として機能するための各種の出力装置、及び入力装置が適宜に設けられる。それらは制御ユニット31に接続され、制御ユニット31によって適宜に制御される。例えば、そのような出力装置には上述のメインモニタ12、及びスピーカSPが、入力装置にはコントロールパネル14が、それぞれ含まれる。制御ユニット31からの出力信号に応じて、メインモニタ12は各種のゲーム画面を表示し、スピーカSPは各種の音声を再生する。
【0034】
コントロールパネル14には、スティック15、押しボタン16、及びタッチパネル17といった操作部材が設けられる。スティック15は方向操作により指示された方向に応じた信号を、押しボタン16は押す操作が実行された場合に押す操作の実行を示す信号を、それぞれ制御ユニット31に入力する。一方、タッチパネル17は、制御ユニット31からの出力信号に応じて表示装置に各種領域(操作部)を表示するとともに、各領域へのタッチ操作に応じた信号を制御ユニット31に入力する。このため、タッチパネル17は出力装置としても機能する。
【0035】
(ゲームの概要)
次に、
図4~
図7を参照して、ゲームの詳細について説明する。まず
図4~
図6を参照して、ゲームの概要について説明する。アクションゲームは、ユーザがキャラクタを操作するタイプのゲームである。例えば判定値に基づいてミッション達成の有無が判別されるタイプのゲーム等、アクションゲームは一人プレイのゲームとしてプレイされてもよいが、以下では対戦型のゲームとしてプレイされる場合について説明する。また、対戦型のゲームは1対1、1対多、多対多、或いは多対多対多(三つのチームによる対戦)といった適宜の人数でプレイされてよいが、以下では二つのチーム(いずれも同数のユーザが属するチーム)によるチーム対戦(多対多の対戦)としてプレイされる場合について説明する。
【0036】
対戦ゲームは適宜の形式で提供されてよいが、一例として互いの拠点を攻撃し合う、いわゆるMOBA(マルチプレイヤオンラインバトルアリーナ)の要素を含むように提供される。また、拠点への攻撃は適宜に実現されてよいが、一例として複数の攻撃要素への攻撃を通じて実現される。この場合、各攻撃要素への攻撃は判定値に換算され、判定値が目標値に至った場合に拠点が攻略される。つまり、対戦ゲームは、各攻撃要素への攻撃を通じて相手方の拠点を攻略するタイプのゲームとして構成される。
【0037】
図4は、対戦ゲームの概要を説明するための説明図である。
図4の例は、対戦ゲームに構築されるフィールドGFの概要を模式的に示している。フィールドGFはキャラクタの移動範囲として設定される空間である。フィールドGFは適宜に表現されてよいが、
図4の例では仮想三次元空間を演出するように表現されている。フィールドGFには各種のオブジェクトが配置される。そのようなオブジェクトには、各キャラクタ、及び判定値を変化させるための対象としての複数の攻撃要素が含まれる。
図4に示すように、フィールドGFは、例えば、キャラクタCO、ベースオブジェクト53、タワーオブジェクト54、出現ポイント55、及びゲートオブジェクト56を含んでいる。
【0038】
キャラクタCOは、味方キャラクタCO1、及び敵キャラクタCO2を含んでいる。味方キャラクタCO1は味方チームに属するキャラクタCOである。同様に、敵キャラクタCO2は、敵チームに属するキャラクタCOである。
【0039】
ベースオブジェクト53、タワーオブジェクト54、出現ポイント55、及びゲートオブジェクト56は、いずれもフィールドGFの所定位置に固定されるように(移動不可な状態で)配置されるオブジェクトである。例えば、ベースオブジェクト53は、拠点に対応する建造物を示すオブジェクトである。また、タワーオブジェクト54は、タワー型の建造物を示すオブジェクトである。出現ポイント55は、各キャラクタCOの出現位置として機能する装置を示すオブジェクトである。ゲートオブジェクト56は、各キャラクタCOの進行を阻むための建造物を示すオブジェクトである。ゲートオブジェクト56は適宜の位置に配置され得るが、
図4の例ではタワーオブジェクト54への進行を阻むようにそこへの入り口に配置されている。
【0040】
攻撃要素は各種の要素を適宜に含んでいてよく、フィールドGF上の各種のオブジェクトが適宜に攻撃要素として機能してよいが、一例として対戦相手のベースオブジェクト53、タワーオブジェクト54、及びキャラクタCOが攻撃要素として機能する。このため、例えば味方キャラクタCO1は、敵チームのベースオブジェクト53、タワーオブジェクト54、及び敵キャラクタCO2への攻撃を通じて敵チームの拠点攻略を目指す。
【0041】
具体的には、フィールドGFには、自陣フィールドGF1、中間フィールドGF2、及び敵陣フィールドGF3が形成される。自陣フィールドGF1は、味方チーム(ゲーム機3をプレイするユーザの自己のキャラクタCOが属するチーム)の拠点が設けられるフィールドGFである。自陣フィールドGF1には各種のオブジェクトが適宜に設けられ得るが、
図4の例では味方ベースオブジェクト53A、及び味方出現ポイント55Aが設けられている。味方ベースオブジェクト53Aは味方チームの拠点に対応するベースオブジェクト53である。味方出現ポイント55Aは、味方チームに対応する出現ポイント55である。味方チームの各味方キャラクタCO1(コンピュータ制御のNPC、及び各ユーザによって操作されるユーザキャラクタの両方を含む)は、プレイ開始時に味方出現ポイント55Aから所定の順番(例えばマッチング順、ユーザ名順、或いは抽選順等)で出現する。
【0042】
一方、敵陣フィールドGF3は、敵チームの拠点が設けられるフィールドGFである。敵陣フィールドGF3には各種のオブジェクトが適宜に設けられ得るが、
図4の例では敵ベースオブジェクト53B、及び敵出現ポイント55Bが設けられている。敵ベースオブジェクト53Bは敵チームの拠点に対応するベースオブジェクト53である。敵出現ポイント55Bは、敵チームに対応する出現ポイント55である。敵チームの各敵キャラクタCO2(コンピュータ制御のNPC、及び対戦相手の各ユーザに対応するユーザキャラクタの両方を含む)は、プレイ開始時に敵出現ポイント55Bから味方出現ポイント55Aと同様に所定の順番で出現する。
【0043】
中間フィールドGF2は、自陣フィールドGF1と敵陣フィールドGF3との間に位置するフィールドGFである。中間フィールドGF2は適宜に構成されてよいが、
図4の例では第1中間フィールドGF2A、第2中間フィールドGF2B、及び接続フィールドGF2Cを含んでいる。接続フィールドGF2Cは、第1中間フィールドGF2Aと第2中間フィールドGF2Bとの間に設けられ、これらを接続する経路として機能するフィールドGFである。
【0044】
第1中間フィールドGF2Aは、自陣フィールドGF1寄りに設けられる中間フィールドGF2である。第1中間フィールドGF2Aには各種のオブジェクトが適宜に設けられ得るが、
図4の例では味方タワーオブジェクト54A、及び味方ゲートオブジェクト56Aが設けられている。味方タワーオブジェクト54A、及び味方ゲートオブジェクト56Aは、それぞれ味方チームに属するタワーオブジェクト54、及びゲートオブジェクト56である。味方ゲートオブジェクト56Aは、敵キャラクタの進行を阻むように味方タワーオブジェクト54Aに続く経路の入り口に配置される。第1中間フィールドGF2Aはプレイ開始時には味方チームに属し、味方チームにおける対戦の前線として機能する。
【0045】
一方、第2中間フィールドGF2Bは、敵陣フィールドGF3寄りに設けられる中間フィールドGF2である。第2中間フィールドGF2Bには各種のオブジェクトが適宜に設けられ得るが、
図4の例では敵タワーオブジェクト54B、及び敵ゲートオブジェクト56Bが設けられている。敵タワーオブジェクト54B、及び敵ゲートオブジェクト56Bは、それぞれ敵チームに属するタワーオブジェクト54、及びゲートオブジェクト56である。敵ゲートオブジェクト56Bは、味方チームの各キャラクタの進行を阻むように敵タワーオブジェクト54Bに続く経路の入り口に配置される。第2中間フィールドGF2Bはプレイ開始時には敵チームに属し、敵チームにおける対戦の前線として機能する。
【0046】
対戦ゲームにおける味方チームの目標は敵ベースオブジェクト53B(拠点)の攻略である。このため、味方チームは、自陣フィールドGF1に出現した後、敵キャラクタCO2、或いは敵タワーオブジェクト54Bといった攻撃要素、更には敵ゲートオブジェクト56B等の障害を適宜に攻撃しつつ敵陣フィールドGF3の敵ベースオブジェクト53Bを目指すように進行する。同様に、敵チームは自陣フィールドGF1の味方ベースオブジェクト53Aを目指すように進行する。ベースオブジェクト53の攻略は適宜に表現されてよいが、一例として破壊を通じて表現される。そして、敵ベースオブジェクト53Bが破壊(攻略)されると味方チームの勝利、味方ベースオブジェクト53Aが破壊されると味方チームの敗北と、それぞれ判定される。
【0047】
ベースオブジェクト53の攻略(破壊)条件は適宜に設定されてよいが、一例として判定値が目標値に至った後にその目標値に達した側のユーザによって攻略指示が実行されると満たされる。つまり、攻略条件は、判定値に基づく判定値条件と、ユーザ(対戦相手を含む)の指示に基づく指示条件とを含んでいる。攻略指示は適宜に設定され得るが、例えば押しボタン16への押す操作に設定される。同様に、目標値も適宜に設定されてよいが、一例として攻撃結果を判定値に反映する手法に応じて設定される。例えば、判定値が各攻撃要素への攻撃により蓄積されるダメージ量として機能する場合、目標値は最大ダメージ量(例えば100)に設定される。あるいは、その反対に保有する判定値の量が各攻撃要素への攻撃に応じて減少する場合、目標値は最小値(例えばゼロ)に設定される。このように目標値は判定値と各攻撃要素への攻撃結果との関係に応じて適宜に設定され得るが、一例としてゼロに設定される。つまり、判定値には初期保有量が設定される。そして、その判定値がゼロに至った後に押しボタン16に押す操作が実行されるとベースオブジェクト53が破壊され、攻略される。
【0048】
具体的には、敵ベースオブジェクト53Bの破壊(攻略)には、まず判定値をゼロにする必要がある。このため、味方チームには、敵キャラクタCO2、敵ベースオブジェクト53B、或いは敵タワーオブジェクト54Bといった攻撃要素への攻撃が要求される。一方で、敵キャラクタCO2、敵ベースオブジェクト53B、或いは敵タワーオブジェクト54Bには、それぞれ異なる耐久力(耐久値)が設定される。耐久力は敵キャラクタCO2、敵ベースオブジェクト53B、或いは敵タワーオブジェクト54Bといった各攻撃要素の攻略に必要な攻撃量に相当する値である。これらには一律の耐久力が設定されてよいが、一例としてそれぞれ異なる耐久力が設定される。このため、敵キャラクタCO2、敵ベースオブジェクト53B、及び敵タワーオブジェクト54Bは、それぞれに対応する耐久力に相当する攻撃が与えられると攻略される。この攻略は適宜に表現され得るが、一例として消失(破壊)により表現される。つまり、敵キャラクタCO2、敵ベースオブジェクト53B、及び敵タワーオブジェクト54Bは耐久値に相当する攻撃を受けると、フィールドGFから消える。
【0049】
フィールドGFから消えた攻撃要素の再出現(フィールドGFへの復活)は適宜に許容されてよく、例えば一律に制限されてもよい(一律に再出現不可とされてもよい)が、一例として敵キャラクタCO2のみ許容され、敵ベースオブジェクト53B、及び敵タワーオブジェクト54Bにおいて制限される。つまり、一度消失した敵ベースオブジェクト53B、及び敵タワーオブジェクト54BはフィールドGFに復活することはないが、敵キャラクタCO2については敵出現ポイント55Bから再出現する。フィールドGFに設置される敵出現ポイント55Bの数は固定的であってもよいが、一例として可変的である。具体的には、味方タワーオブジェクト54Aが攻略されるとその位置に敵出現ポイント55Bが追加される。この場合、自陣フィールドGF1により近い第1中間フィールドGF2Aに敵キャラクタCO2が再出現し、不利益が生じる。このため、味方チームには味方タワーオブジェクト54Aの攻略阻止が要求される。
【0050】
また、敵キャラクタCO2、敵ベースオブジェクト53B、或いは敵タワーオブジェクト54Bが攻略されると、敵チームの判定値を減少させるが、その減少量(変化量)は攻撃要素毎に相違する。つまり、敵キャラクタCO2、敵ベースオブジェクト53B、或いは敵タワーオブジェクト54Bにはそれぞれ異なる減少量が関連付けられ、攻略された攻撃要素に応じてその攻撃要素に関連付けられる減少量だけ判定値が減少する。この減少量は適宜に設定されてよく、例えば耐久力と無関係に設定されてもよいが、一例として耐久力がそのまま減少量として機能する。つまり、敵キャラクタCO2、敵ベースオブジェクト53B、或いは敵タワーオブジェクト54Bが攻略されると、それぞれに設定された耐久力の量が判定値から減少される。このような関係に従って味方チームは敵ベースオブジェクト53Bの攻略を目指す。また、敵チームは同様の関係に従って味方ベースオブジェクト53Aの攻略をめざす。一例として対戦ゲームは、このように構成される。
【0051】
図5は、対戦画面の一例を模式的に示す図である。対戦画面60は、対戦ゲームにおいて対戦を実現するためのゲーム画面である。対戦画面60は、
図4の例の仮想三次元空間の一部を仮想カメラで撮影した撮影結果として描画される。
図5に示すように、対戦画面60は、フィールドGFと、判定値ゲージ61と、キャラクタ拡大画像62と、スキル表示領域63と、時間表示領域64と、を含んでいる。フィールドGFは
図4の例の仮想三次元空間の一部に対応する。フィールドGFは仮想三次元空間の適宜の部分を含み得るが、
図5の例では自陣フィールドGF1の一部、及び第1中間フィールドGF2Aを含んでいる。また、フィールドGFには、味方キャラクタCO1、敵キャラクタCO2、ボム67、味方ベースオブジェクト53A、味方タワーオブジェクト54A、味方出現ポイント55A、及び味方ゲートオブジェクト56Aが配置されている。
【0052】
味方キャラクタCO1、敵キャラクタCO2、味方ベースオブジェクト53A、味方タワーオブジェクト54A、味方出現ポイント55A、及び味方ゲートオブジェクト56Aは上述のとおりである。味方タワーオブジェクト54A、味方ゲートオブジェクト56A、味方キャラクタCO1、及び敵キャラクタCO2には、いずれにも耐久力ゲージ68が表示される。耐久力ゲージ68は、それぞれに設定された耐久力の残量を示すゲージである。
図5の例では耐久力ゲージ68において耐久力の残量がドット柄で表示されている。タワーオブジェクト54、ゲートオブジェクト56、及びキャラクタCOの耐久力、及びその残量は、このような耐久力ゲージ68を通じて案内される。
【0053】
ボム67は爆弾を示す画像である。各キャラクタは適宜に各攻撃要素を攻撃してよく、そのための各種の攻撃行動を実行し得るが、その攻撃行動には例えば爆弾をフィールドGFに設置する設置行動が含まれる。ボム67はその設置行動によって設置された爆弾を示している。ボム67は、設置後から一定時間経過後に爆発し、所定範囲にダメージ(耐久力を減少される効果)を与える。ゲーム内には適宜の種類の爆弾が用意されてよく、
図5の例では一種類の爆弾に対応するボム67が示されているが、一例として複数種類の爆弾が用意される。
【0054】
判定値ゲージ61は判定値の残量を示すゲージである。判定値ゲージ61は、味方判定値ゲージ61A、及び敵判定値ゲージ61Bを含んでいる。味方判定値ゲージ61Aは味方チームの拠点(味方ベースオブジェクト53A)に設定される判定値の残量を、及び敵判定値ゲージ61Bは敵チームの拠点(敵ベースオブジェクト53B)に設定される判定値の残量を、それぞれ示す判定値ゲージ61である。
図5の例では、味方判定値ゲージ61A、及び敵判定値ゲージ61Bのいずれにおいても判定値の残量がドット柄で表示されている。
【0055】
キャラクタ拡大画像62は自己のキャラクタCOを拡大して示す画像である。スキル表示領域63は自己のキャラクタCOが所有するスキルを案内するための領域である。スキルは、異なる影響を進行に付与する効果を持つ特性の一つである。対戦ゲームには複数のキャラクタCO、及び複数のスキルが用意され、各キャラクタCOはそれぞれ異なるスキルを所有する。各キャラクタCOのスキルの数は適宜であってよいが、一例として最大三つに設定される。このため、スキル表示領域63は三つのスキルがそれぞれ表示されるべき三つのスロット63aを含んでいる。スキルは無条件に使用可能であってもよいが、一例として解放条件が満たされた場合に解放され、使用可能になる。解放条件はスキル毎に設定される。そして、解放済のスキルが各スロット63aに表示される。
図5の例では、三つのスロット63aのうち左端の一つのスロット63aにのみスキル(“2ボム”)が表示され、残り二つのスロット63aは未解放の状態(“スキル1”等)を示している。この場合、その左端のスロット63aに表示されているスキルのみが使用可能である。ただし、実際のスキルの使用にはクールタイムやプレイ状況等適宜の条件が要求されてよい。
【0056】
時間表示領域64は、対戦時間の残り時間を示す領域である。対戦ゲームはいずれかの拠点が攻略されるまで無期限にプレイされてもよいが、一例として所定の対戦時間が設定される。時間表示領域64にはその残り時間が表示される。時間表示領域64は適宜に残り時間を表示してよいが、
図5の例では残りの秒数を示す“300”の数字が表示され、カウントダウンを通じて残り時間が表示される。なお、対戦時間内にいずれの拠点も攻略されていない場合、判定値の残量が多い方が勝者と、少ない方が敗者と判定される。一方で、判定値の残量が等しい場合には引き分けと判定される。
【0057】
図6は、判定値を変化させる要素を説明するための説明図である。判定値の量は上述のとおり敵キャラクタCO2、敵ベースオブジェクト53B、敵タワーオブジェクト54Bといった攻撃要素が攻略されると減少するが、ゲームには攻撃要素を攻略(攻撃)するための攻撃方法として複数の攻撃オプションが用意される。
図6の(A)は攻撃オプション(攻撃の種類)とその効果(判定値の減少量)との関係の一例を示している。
図6の(A)に示すように、各キャラクタの攻撃は判定値の減少に与える効果(減少量)の相違する複数種類の攻撃を含んでいる。例えば、複数種類の攻撃は、“敵タワー破壊”、“第1特殊ボム”、“第2特殊ボム”、“第3特殊ボム”、“第4特殊ボム”、“通常ボム(近い)”、“通常ボム(近い)”、“敵キル”、及び“敵事故”を含んでいる。これらはいずれも設置行動に伴うボム67(爆弾)による攻撃であるが、
図6の例では攻撃の対象、ボム67の種類、及び対象との距離といった要素で攻撃が分類されている。
【0058】
“敵タワー破壊”は敵タワーオブジェクト54Bを破壊(攻略)する攻撃である。“第1特殊ボム”、“第2特殊ボム”、“第3特殊ボム”、及び“第4特殊ボム”は通常の設置行動で設置されるボム67とは別の特殊な爆弾による敵ベースオブジェクト53Bへの攻撃である。具体的には、これらは順に第1特殊爆弾、第2特殊爆弾、第3特殊爆弾、及び第4特殊爆弾をそれぞれ用いた攻撃である。“通常ボム(近い)”、及び“通常ボム(遠い)”はいずれも通常のボム67(通常の設置行動によって設置される爆弾)による敵ベースオブジェクト53Bへの攻撃であるが、ボム67の設置位置から敵ベースオブジェクト53Bまでの距離が相違する。具体的には、通常のボム67がダメージを与える所定範囲は一例として中心範囲とその周辺の周辺範囲とに分類され、 “通常ボム(近い)”は敵ベースオブジェクト53Bが中心範囲(比較的近く)に、“通常ボム(遠い)”は敵ベースオブジェクト53Bが周辺範囲(比較的遠く)に、それぞれ位置する場合の攻撃である。“敵キル”はボム67で敵キャラクタCO2を攻略する攻撃である。一方、“敵事故”は敵キャラクタCO2の事故による攻略を示す攻撃である。ボム67のダメージは敵、及び味方の区別なく付与される。このため、敵キャラクタCO2が設置したボム67で敵キャラクタCO2が攻略されてしまう場合がある。“敵事故”は、このような味方チームの攻撃以外の理由で敵キャラクタCO2が攻略される場合を示している。
【0059】
“敵タワー破壊”、“第1特殊ボム”、“第2特殊ボム”、“第3特殊ボム”、“第4特殊ボム”、“通常ボム(近い)”、“通常ボム(近い)”、“敵キル”、及び“敵事故”の各攻撃には適宜の減少量が設定されていてよいが、
図6の例では順に“500”、“500”、“350”、“200”、“200”、“100”、“50”、“20”、及び“5”がそれぞれ関連付けられている。この場合、“敵タワー破壊”、“第1特殊ボム”、“第2特殊ボム”、“第3特殊ボム”、“第4特殊ボム”、“通常ボム(近い)”、“通常ボム(近い)”、“敵キル”、及び“敵事故”の各攻撃によって判定値は、それぞれ500ポイント、500ポイント、350ポイント、200ポイント、200ポイント、100ポイント、50ポイント、20ポイント、及び5ポイント順に減少する。これらの攻撃の種類(攻撃オプション)とその効果(減少量)との関係は適宜に管理されてよいが、一例として攻撃力データADによって管理される。
【0060】
一方、対戦ゲームでは判定値の回復が許容される。具体的には、判定値は、所定の回復条件が満たされた場合に回復する。つまり、回復条件の具備に伴う回復により目標値(例えばゼロ)から離れる(例えば増える)方向に判定値の量は変化する。判定値の量は減少する一方であってもよいが、一例としてこのように回復が許容される。この場合、対戦ゲームには各種の回復要素が適宜に設けられていてよい。例えば回復用のアイテム、回復用のオブジェクト(例えば回復の泉のようにそこに到達すると回復するオブジェクト)といった各種の要素が回復要素として設けられてよく、回復用のアイテムの使用、回復用のオブジェクトへの到達といった適宜の状況によって回復条件は満たされてよい。つまり、対戦ゲームには回復要素に基づく各種の回復方法が用意される。
図6の(B)はそのような回復方法と回復量との関係の一例を示している。
【0061】
図6の(B)に示すように、判定値の回復方法には回復用のスキルが含まれる。具体的には、各キャラクタのために用意される複数のスキルには回復用のスキルが含まれる。このような回復用のスキルは適宜に用意されてよいが、
図6の例では“第1スキル”~“第6スキル”までの六つのスキルが用意されている。これらの回復用のスキルは各キャラクタによって適宜に所有されてよいが、一例として沢山の爆弾を設置可能なボマー、近距離攻撃が得意なアタッカ、遠距離攻撃が得意なシュータ、守備や妨害といった支援系の行動が得意なブロッカといった役割のいずれかが各キャラクタCOに割り当てられ、回復用のスキルはそれらの役割のうちブロッカの役割を担う各キャラクタCOによって所有される。
【0062】
具体的には、“第1スキル”~“第6スキル”は、第1スキル~第6スキルの使用により判定値を回復させる回復方法である。これらの場合、第1スキル~第6スキルの使用によって回復条件が満たされる。そして、これらの“第1スキル”~“第6スキル”には、順に“360”、“360”、“340”、“110”、“90”、及び“40”の回復量が設定される。この場合、第1スキル~第6スキルのスキルが使用されると、それぞれ360ポイント、360ポイント、340ポイント、110ポイント、90ポイント、及び40ポイント、順に判定値の残量が回復する。これらの各スキルとその効果(回復量)との関係は適宜に管理されてよいが、一例としてキャラクタデータCDによって管理される。
【0063】
また、第1スキル~第6スキルはブロッカの役割の各キャラクタCOによって適宜に所有されてよく、例えば各キャラクタCOに一つずつ付与されてもよいが、一例として回復量が比較的少ない第5スキル、及び第6スキルは同じキャラクタCOによって重複的に所有される。つまり、各回復用のスキルの一部では、同じキャラクタCOによる重複的な所有が許容される。この例において第1スキル~第6スキルが本発明の複数のスキルとして機能する。また、これらの各スキルが、本発明の回復スキルとして機能する。
【0064】
(回復の制限)
続いて
図7を参照して、回復の制限について説明する。上述のとおり判定値の量は所定の回復方法によって回復可能であるが、その回復には制限が設けられる場合がある。
図7は、判定値の回復に設けられる制限を説明するための説明図である。
図7の例では、プレイ開始時、味方タワーオブジェクト54Aが破壊された時(タワー破壊時)、及び回復制限時の三種類のタイミングにおける味方判定値ゲージ61A、及び敵判定値ゲージ61Bが簡略化されて時系列順に示されている。また、味方チームの判定値の残量が味方判定値ゲージ61Aにおいて左斜線で、敵チームの判定値の残量が敵判定値ゲージ61Bにおいて右斜線で、それぞれ示されている。この場合、
図7のプレイ開始時において示すように、プレイ開始時には味方判定値ゲージ61A、及び敵判定値ゲージ61Bはいずれも判定値が最大量(最大値)の状態にセットされる。
【0065】
一方、判定値は敵キャラクタCO2、タワーオブジェクト54、或いはベースオブジェクト53といった判定値と関連付けられた攻撃要素への攻撃に応じて減少する。このため、
図7のタワー破壊時において示すように、味方タワーオブジェクト54Aが破壊されると、そこに関連付けられた減少量(例えば500ポイント)だけ判定値が減少する。
図7の例では、破壊された味方タワーオブジェクト54Aがバツ印で、減少量が白塗りで、それぞれ示されている。
【0066】
味方タワーオブジェクト54Aが破壊されると、その味方タワーオブジェクト54AはフィールドGFから消える。敵キャラクタCO2はフィールドGFに存在しないオブジェクトを攻撃することはできない。また、一度消失したタワーオブジェクト54はフィールドGFに再出現しない。このため、味方タワーオブジェクト54Aが破壊されると、その味方タワーオブジェクト54Aは敵キャラクタCO2の攻撃対象(判定値を減少させる対象)から除外され、敵キャラクタCO2が判定値を減少させるためのオプション(手段、数、種類等)は少なくなる。
【0067】
味方タワーオブジェクト54Aが破壊されてもフィールドGFには、例えば味方キャラクタCO1、或いは味方ベースオブジェクト53Aが攻撃要素として残っている。このため、敵チームはこれらへの攻撃を通じて味方チームの判定値の残量を減少させることができる。ただし、例えば味方キャラクタCO1の攻略による減少量は味方タワーオブジェクト54Aの破壊に伴う減少量の25分の1に過ぎない20ポイントである。敵チームの敵タワーオブジェクト54Bが残っている場合、味方チームには敵タワーオブジェクト54Bの破壊というキャラクタの攻略よりも25倍強力な攻撃オプションが存在する。この状態で例えば回復用のスキルの発動に伴い味方チームの判定値が最大値まで回復すると、味方判定値ゲージ61Aはプレイ開始時の状態に戻る。敵判定値ゲージ61Bも最大値であれば判定値は双方ともにプレイ開始時の状態と変わらないが、敵チームの攻撃オプションから強力なオプションが一つ失われているため、敵チームに不利益が生じる可能性がある。このため、タワーオブジェクト54が破壊された場合(複数の攻撃要素のうち比較的強力な攻撃オプションとして機能するものが判定値を減少させる対象から除外された場合)、判定値の回復に制限が設けられる。
【0068】
具体的には、
図7の回復制限時において示すように、タワーオブジェクト54が破壊されると、判定値の最大値(上限値)を低下させる(ゼロに近づける)制限が設定される。判定値の回復には各種の制限が適宜に設けられてよく、例えば判定値の回復が一定期間不可(スキルの使用不可、アイテムの使用不可等)となる時期的制限、回復の回数が制限される回数的制限、判定値の回復量を制限する(例えば通常時の半分程度に回復量を低下させる等)量的制限といった制限が設けられてよいが、一例としてこのような上限的制限が設けられている。また、このような上限的制限は最小値が変化する場合を含む回復可能な判定値の範囲を小さくするための各種の限度に関する制限であるが、
図7の例では最大値を低下させる制限として実現されている。この場合、味方タワーオブジェクト54Aが破壊されると、味方チームの判定値の最大値(上限値)に制限がかかり、低下する。この制限(低下)を示すように味方判定値ゲージ61Aの最大値にも低下が生じる。
図7の例では、回復制限時の味方判定値ゲージ61Aにおいて最大値の低下部分(制限)が破線で示されている。
【0069】
より具体的には、判定値ゲージ61では判定値の残量が適宜に表示されよく、例えば左端が最大値を、右端がゼロを、それぞれ示してもよいが、
図7の例では右端が最大値を、左端がゼロをそれぞれ示している。そして、回復制限時において、味方判定値ゲージ61Aでは右端(最大値)が破線の分だけ左側(ゼロの方向)に移動(低下)している。この場合、仮に回復用のスキルが使用されても、味方判定値ゲージ61Aは移動後の右端の位置までしか回復しない。このため、敵チームと比較して破線の分(低下分)だけ判定値の最大値に差が生じ、この差により不利益の発生が抑制される。この例においてタワーオブジェクト54が、本発明の特定の攻撃要素、及び所定のオブジェクトとして機能する。また、例えば敵キャラクタCO2等のタワーオブジェクト54以外の攻撃要素が、本発明の他の攻撃要素として機能する。
【0070】
最大値の低下量(制限量)は適宜に設定されてよく、例えばプレイ状況、時期、抽選といった各種の条件によって変動する変動量(タワーオブジェクト54の耐久力より大きくても小さくてもよい)として設定されてもよいが、一例として固定値に設定される。同様に、固定値も適宜に設定されてよく、例えばタワーオブジェクト54の耐久力より大きくても小さくてもよいが、一例として耐久力と同じ値に設定される。また、最大値の低下(制限)の期間は適宜でよく、例えば今回の対戦内の一定期間であっても、キャラクタの攻略数等の各種のプレイ状況に応じて特定される期間であってもよいが、一例として今回の対戦が終了するまでの期間に設定される。つまり、タワーオブジェクト54が破壊されると、判定値の最大値に制限が設定され、今回の対戦が終了するまでタワーオブジェクト54の耐久力の分だけ判定値の最大値が低下する。判定値の回復の制限は適宜に設定されてよいが、一例としてタワーオブジェクト54(特定の攻撃要素)が攻略(消去)された場合にその攻略されたチームの判定値に上述のような制限が設定される。
【0071】
(ゲーム機の処理)
次に、
図8を参照して、オブジェクト消去処理の手順について説明する。オブジェクト消去処理は、所定の消去条件を満たしたタワーオブジェクト54をフィールドGFから消去するための処理である。消去条件は適宜に設定されてよく、例えばオブジェクトの種類にかかわらず一律の条件が適用されてもよいが、一例としてオブジェクトの種類に応じて設定される。例えば、ベースオブジェクト53の消去条件には上述の攻略条件が適用される。つまり、上述の判定値条件、及び指示条件が満たされると消去条件が満たされる。また、その他の攻撃要素のうちキャラクタCO、或いはゲートオブジェクト56といったタワーオブジェクト54以外のオブジェクトには耐久条件のみが適用される。耐久条件は各オブジェクトの耐久力がゼロ(所定値の一例)になった場合に満たされる条件である。つまり、その他の攻撃要素のうちタワーオブジェクト54以外のオブジェクトでは耐久力がゼロに至った場合に消去条件が満たされる。これらの消去条件が満たされると、進行制御部34はこれらのオブジェクトを消去するための処理(オブジェクト消去処理とは別の処理)を実行する。
【0072】
一方、タワーオブジェクト54の消去条件は、耐久条件及び指示条件を含んでいる。耐久条件は上述のとおりであり、タワーオブジェクト54の耐久力がゼロ(所定値の一例)になった場合に満たされる。指示条件は攻略条件と同様である。つまり、耐久力がゼロに至った後に押しボタン16に押す操作が実行されると、タワーオブジェクト54の消去条件が満たされる。この場合、進行制御部34は、押しボタン16に押す操作が実行されると
図8のオブジェクト消去処理を開始し、まず敵タワーオブジェクト54Bの消去条件を満たすか否か判別する(ステップS101)。消去条件は上述のとおり耐久力がゼロに至った後に押しボタン16に押す操作が実行されると満たされる。このため、進行制御部34は、敵タワーオブジェクト54Bの耐久力の残量(例えばテーブル等を通じてゲームデータGDの一部として適宜に管理される)がゼロに至っている場合に消去条件は満たされると、ゼロに至っていない場合に消去条件は満たされないと、それぞれ判別する。
【0073】
消去条件が満たされない場合(ステップS101:No)、つまり敵タワーオブジェクト54Bの耐久力がゼロに至っていない場合、進行制御部34は以降の処理をスキップして今回のオブジェクト消去処理を終了する。一方、消去条件が満たされる場合(ステップS102:Yes)、つまり敵タワーオブジェクト54Bの耐久力がゼロに至っている場合、進行制御部34は敵タワーオブジェクト54Bを消去する(ステップS102)。つまり、進行制御部34は、フィールドGFから消すことにより判定値を減少させる対象から敵タワーオブジェクト54Bを除外する。この消去には適宜の破壊演出が含まれる。
【0074】
続いて進行制御部34は、判定値の残量を減少させる(ステップS103)。具体的には、進行制御部34は、まず攻撃力データADを参照し、敵タワーオブジェクト54Bの攻略(破壊)に関連付けられる減少量(例えば
図6参照)を判別する。そして、進行制御部34は、その判別した減少量だけ敵チームの判定値の残量を減少させるとともに、その減少を判定値ゲージ61に反映する。つまり、進行制御部34は、判定値の残量が減少するように敵判定値ゲージ61Bの残量表示を更新する。
【0075】
次に進行制御部34は、敵チームの判定値の回復に制限を設定する(ステップS104)。例えば、この制限は上述のとおり上限値制限によって実現される。このため、進行制御部34は、敵チームの判定値(敵判定値ゲージ61B)の最大値を敵タワーオブジェクト54Bの耐久力の分だけ低下させることにより回復可能な判定値の最大値に制限を設定する。そして、この制限の設定の後に進行制御部34は今回のオブジェクト消去処理を終了する。なお、敵チームがユーザの場合、対戦相手のゲーム機3に反映されるように
図8の処理結果は適宜に対戦相手のゲーム機3に共有される。つまり、
図8の処理結果はセンターサーバ2を介して適宜に他のゲーム機3に提供される。
【0076】
図8の手順により、耐久条件等を含む消去条件に応じてフィールドGFから敵タワーオブジェクト54Bが消去される。つまり、攻略された敵タワーオブジェクト54BがフィールドGFから消え、敵チームの判定値を減少させる対象(攻撃要素)から除外される。さらに、敵タワーオブジェクト54BがフィールドGFから消える(攻撃要素から除外される)と、敵チームの判定値の回復に制限が設定される。具体的には、敵タワーオブジェクト54Bが攻略(破壊)されると、敵チームの判定値、つまり敵判定値ゲージ61Bの最大値が敵タワーオブジェクト54Bの耐久力の分だけ低下する。つまり、判定値の回復可能な最大値(上限値)に制限が設定される。この例においてタワーオブジェクト54の消去条件が本発明の所定の条件として機能する。また、押しボタン16を押す操作が本発明の所定の除外指示として機能する。
【0077】
以上に説明したように、この形態によれば、敵タワーオブジェクト54Bが所定の消去条件を満たし、フィールドGFから消えて判定値を変化させる対象から除外されると、敵チームの判定値の回復に制限が設けられる。具体的には、敵判定値ゲージ61B(判定値)の最大値が敵タワーオブジェクト54Bの耐久力の分だけ低下し、回復の上限が低下する。敵タワーオブジェクト54Bが破壊された後には敵判定値ゲージ61Bに影響を与える攻撃要素の数がプレイ開始時よりも少なくなる。このため、その後の回復によりフィールドGF上の攻撃要素(判定値を減少させるための対象)の数と判定値の状態との間に齟齬が生じる可能性があるが、このような制限を利用してそのような齟齬を抑制することができる。これにより、回復に制限が設けられない場合に比べて、ゲームの複雑化を抑制でき、ひいては初心者のプレイを促進することができる。
【0078】
以上の形態において、ゲーム機3の進行制御部34が、
図8の手順を実行することにより本発明の対象除外手段、及び制限設定手段として機能する。具体的には、進行制御部34が、
図8のステップS102を実行することにより対象除外手段として、ステップS104を実行することにより制限設定手段として、それぞれ機能する。
【0079】
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。また、本発明は、上述の形態、及び以下の変形等が施された形態に含まれる各種の技術的手段が適宜に組み合わされて得られる形態にて実施されてもよい。例えば、上述の形態では、判定値は各キャラクタCOの攻撃要素への攻撃を通じて減少するように変化している。つまり、判定値は初期の最大値から目標値としてのゼロに向かって変化している。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。判定値の変化は適宜に実現されてよい。例えば、判定値は、ダメージを蓄積する蓄積型として構成されてもよい。つまり、判定値は、初期値のゼロから目標値としての最大値(初期値、及び最大値は適宜に設定されてよい)に向かって増加するように変化してもよい。この場合、回復用のスキルにより判定値はゼロに近づくように減少する。
【0080】
上述の形態では、判定値は判定値ゲージ61を通じて表示されている。しかし、判定値の表示は適宜に実現されてよい。例えば、判定値は具体的な数字として表示されてもよい。あるいは、判定値の途中経過の表示(案内)は省略され、ベースオブジェクト53の破壊条件が満たされた場合等、適宜の状況のみが案内されてもよい。さらに、判定値の案内は音声等、視覚以外の手法によって案内されてもよい。
【0081】
また、上述の形態では、
図8の処理をゲーム機3が単独で実行している。結果として、ゲーム機3の単体が本発明のゲームシステムとして機能している。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、ゲーム機3の役割の全部或いは一部をセンターサーバ2が実行してもよい。このため、例えばセンターサーバ2単体(複数のサーバ装置の組み合わせにより実現される場合を含む)が本発明のゲームシステムとして機能してもよい。あるいは、ゲーム機3の役割を適宜にセンターサーバ2が分担し、ゲームシステム1が本発明のゲームシステムとして機能してもよい。一方、センターサーバ2の役割の全部をゲーム機3が担う場合、センターサーバ2は省略されてもよい。
【0082】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0083】
本発明のゲームシステムは、入力装置(14)を介して入力されるユーザの指示に沿って動作するキャラクタ(CO1)と、プレイ結果を判定するための判定値(61B)を変化させるための複数の攻撃要素(CO2、53B、54B)と、を含むゲーム画面(60)を表示する表示装置(12)の前記ゲーム画面を通じて、前記判定値を前記キャラクタの各攻撃要素への攻撃に応じて目標値に向かって変化させる一方で、所定の回復条件が満たされた場合に前記目標値から離れる方向に回復させるゲームを提供するゲームシステム(3)であって、前記複数の攻撃要素のうち特定の攻撃要素(54B)に対する攻撃が所定の条件を満たした場合に、前記判定値を変化させる対象から当該特定の攻撃要素を除外する対象除外手段(34)と、前記特定の攻撃要素が前記判定値を変化させる対象から除外された場合に、前記判定値の回復に制限を設ける制限設定手段(34)と、を備える、ものである。
【0084】
本発明によれば、特定の攻撃要素が所定の条件を満たし、判定値を変化させる対象から除外されると、判定値の回復に制限が設けられる。このため、所定の条件が満たされた後の回復により判定値を変化させる攻撃要素の数と判定値の状態との間に生じ得る齟齬を抑制することができる。これにより、回復に制限が設けられない場合に比べて、ゲームの複雑化を抑制でき、ひいては初心者のプレイを促進することができる。なお、判定値は限度なく増加、或いは減少してもよい。このため、目標値の用語は、増加(プラス)或いは減少(マイナス)といった判定値の変化方向を含む。つまり、最大値、最小値、或いはそれらの適宜の中間値といった限定された数値のみならず、増加方向、或いは減少方向といった単なる変化方向が目標値として利用されてもよい。
【0085】
各攻撃要素への攻撃は判定値を適宜に変化させてよい。例えば、各攻撃要素への攻撃が判定値を変化させる量は、抽選、或いはプレイ状況等に応じて決定されてもよい。あるいは、各攻撃要素には判定値を変化させる変化量が事前に設定されていてもよい。この変化量は可変的であっても固定的であってもよい。また、各攻撃要素に設定される変化量は一律であっても相違していてもよい。具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、各攻撃要素には、前記キャラクタの攻撃に応じて前記判定値を変化させる量としての変化量が設定され、前記特定の攻撃要素の変化量は、他の攻撃要素の変化量と相違していてもよい。
【0086】
判定値を変化させる対象から除外するための所定の条件として、各種の条件が適宜に利用されてよい。例えば、攻撃の正否を判別する条件が所定の条件として利用され、特定の攻撃要素への攻撃が成功すると、その攻撃要素が判定値を変化させる対象から除外されてもよい。あるいは、各攻撃要素には耐久値(キャラクタの場合は体力に相当)が設定され、その耐久値がゼロ(耐久値が攻撃により減少する場合の最小値の一例)、或いは100(耐久値が攻撃により増加する場合の最大値の一例)といった所定値に至った場合に所定の条件が満たされてもよい。この場合において、耐久値は適宜に設定されてよく、例えば攻撃要素間において一律であってもよいし、攻撃要素間において相違していてもよい。また、所定の条件は、ユーザによって特別の指示が実行された場合に満たされてもよい。さらに、それらの各種の条件が適宜に組み合わされた条件が所定の条件として利用されてもよい。具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、各攻撃要素には、前記キャラクタの攻撃によって変化する耐久値が設定され、前記所定の条件は、前記特定の攻撃要素に設定される前記耐久値が所定値に至った場合に満たされる耐久条件と、当該耐久条件を満たした後に前記入力装置を介して所定の除外指示が実行された場合に満たされる指示条件と、を含んでいてもよい。また、この場合において、前記耐久値は、前記特定の攻撃要素と前記他の攻撃要素との間で相違していてもよい。
【0087】
各攻撃要素としてゲームに含まれる各種の要素が適宜に利用されてよい。例えば、ゲームに各種オブジェクトを含むフィールドが用意される場合、それらの各種オブジェクトが適宜に各攻撃要素として利用されてよい。例えば、家、ビル、塔、或いは城といった各種建造物に対応するオブジェクト(フィールドの所定位置に固定的に配置される移動不可なオブジェクト)、各種動物に対応するオブジェクト、車、バイクといった各種乗り物に対応するオブジェクト、或いは各種キャラクタ(動物や乗り物等がキャラクタとして機能する場合のそれらを含む)が各攻撃要素として利用されてよい。例えば、本発明の一態様において、前記ゲーム画面は、前記キャラクタの移動範囲として設定されるフィールド(GF)を含み、前記特定の攻撃要素として、前記フィールドの所定位置に固定されるように配置される所定のオブジェクト(54B)が機能してもよい。
【0088】
判定値を変化させる対象からの除外はゲーム画面において適宜に表現されてよい。例えば、特定の攻撃要素が判定値を変化させる対象から除外されると、ゲーム画面においてその特定の攻撃要素は非アクティブな状況を示す半透明等で表示されてもよい。あるいは、判定値を変化させる対象から除外された特定の攻撃要素もそのままの表示でゲーム画面に残り、単に判定値を変化させる対象から除外されてもよい。つまり、特定の攻撃要素は所定の条件を満たした後において攻撃されても判定値を変化させない存在としてゲーム画面に残っていてもよい。あるいは、所定の条件を満たした特定の攻撃要素はゲーム画面から消失してもよい。つまり、ゲーム画面からの消失により判定値を変化させる対象からの除外が表現されてもよい。具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記対象除外手段は、前記所定の条件が満たされた場合に、前記耐久値が所定値に至った前記所定のオブジェクトを前記フィールドから消すことにより前記判定値を変化させる対象から除外してもよい。
【0089】
特定の攻撃要素が所定の条件の具備によりゲーム画面から消失した後において、その特定の攻撃要素のゲーム画面への再出現(復活)は許容されてもよい。この場合、再出現後において制限は解除されても、維持されてもよい。あるいは、ゲーム画面から消失した特定の攻撃要素のゲーム画面への再出現は許容されなくてもよい。例えば、特定の攻撃要素として所定のオブジェクトが利用される本発明の態様において、前記ゲームは、前記所定のオブジェクトが前記フィールドから消えた後において当該所定のオブジェクトの前記フィールドへの再出現を制限するように構成されてもよい。
【0090】
判定値の回復には各種の制限が適宜に設定されてよい。例えば、判定の回復には、所定の条件の具備の後において判定値の回復が一定期間不可となる制限、或いは回復の回数に関する制限、判定値を回復させる量に関する制限といった制限が設定されてもよい。また、例えば判定値の最大値、或いは最小値を変化させることにより判定値の回復可能な範囲を小さくする限度的な制限が判定値の回復に設定されてもよい。具体的には、本発明のゲームシステムの一態様において、前記制限は、前記回復が一定期間不可となる時期的制限、前記回復の回数が制限される回数的制限、前記判定値の回復量を制限する量的制限、及び前記判定値の最大値の低下若しくは最小値の上昇により回復可能な前記判定値の範囲を小さくする限度的制限の少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0091】
ゲームは適宜に構成されてよい。例えば、ゲームは、アクションゲーム、ロールプレイングゲーム、或いはシミュレーションゲームといった形式で提供されてもよい。また、ゲームは、例えば判定値に基づいてミッション達成の可否を判定する形式等、一人でプレイするタイプのゲームとして構成されてもよいし、複数のユーザ(コンピュータが適宜にユーザの代わりを実行する場合を含む)でプレイするタイプのゲームとして構成されてもよい。複数のユーザでプレイされる場合、それらのユーザは対戦者として機能しても、協力者として機能してもよい。このため、ゲームには敵キャラクタが含まれていても含まれていなくてもよい。敵キャラクタが登場する場合、その敵キャラクタは複数の攻撃要素の一つとして機能しても機能しなくてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記ゲームは、前記キャラクタが敵キャラクタ(CO2)と対戦する対戦ゲームとして構成され、前記複数の攻撃要素は、前記敵キャラクタを含んでいてもよい。
【0092】
回復条件として各種の条件が適宜に利用されてよい。例えば、回復条件は、所定時間経過する毎に満たされ、判定値は時間経過とともに徐々に回復してもよい。あるいは、判定値は特定のアイテムの使用に伴い回復してもよい。つまり、回復条件は特定のアイテムの使用により満たされてもよい。また、判定値はキャラクタに設定される特定のスキルの使用に伴い回復してもよい。つまり、回復条件は特定のアイテムの使用により満たされてもよい。具体的には、例えば、ゲームに敵キャラクタが登場する本発明の一態様において、前記対戦ゲームには、異なる影響を進行に付与する効果を持つ複数のスキルが用意され、前記複数のスキルは、前記判定値を回復させる効果を持つ回復スキルを含み、前記回復条件は、前記敵キャラクタに前記回復スキルが設定されている場合に当該回復スキルの使用により満たされてもよい。
【0093】
一方、本発明のコンピュータプログラム(PG2)は、前記入力装置、及び前記出力装置に接続されるコンピュータ(31)を、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0094】
また、本発明の制御方法は、入力装置(14)を介して入力されるユーザの指示に沿って動作するキャラクタ(CO1)と、プレイ結果を判定するための判定値(61B)を変化させるための複数の攻撃要素(CO2、53B、54B)と、を含むゲーム画面(60)を表示する表示装置(12)の前記ゲーム画面を通じて、前記判定値を前記キャラクタの各攻撃要素への攻撃に応じて目標値に向かって変化させる一方で、所定の回復条件が満たされた場合に前記目標値から離れる方向に回復させるゲームを提供するゲームシステム(3)に組み込まれるコンピュータ(31)に、前記複数の攻撃要素のうち特定の攻撃要素(54B)に対する攻撃が所定の条件を満たした場合に、前記判定値を変化させる対象から当該特定の攻撃要素を除外する対象除外手順と、前記特定の攻撃要素が前記判定値を変化させる対象から除外された場合に、前記判定値の回復に制限を設ける制限設定手順と、を実行させる、ものである。本発明のコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。
【符号の説明】
【0095】
3 ゲーム機(ゲームシステム)
12 メインモニタ(表示装置)
14 コントロールパネル(入力装置)
31 制御ユニット(コンピュータ)
34 進行制御部(対象除外手段、制限設定手段)
60 対戦画面(ゲーム画面)
53B 敵ベースオブジェクト(攻撃要素)
54B 敵タワーオブジェクト(攻撃要素、特定の攻撃要素)
61B 敵判定値ゲージ(判定値)
GF フィールド
CO1 味方キャラクタ(キャラクタ)
CO2 敵キャラクタ(攻撃要素、他の攻撃要素)
PG2 ゲームプログラム(コンピュータプログラム)