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特開2024-61751組織内でのアブレーション針展開のリアルタイム計画および監視の方法およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061751
(43)【公開日】2024-05-08
(54)【発明の名称】組織内でのアブレーション針展開のリアルタイム計画および監視の方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/20 20160101AFI20240426BHJP
   A61B 18/14 20060101ALI20240426BHJP
   A61B 8/12 20060101ALI20240426BHJP
   A61B 17/94 20060101ALN20240426BHJP
【FI】
A61B34/20
A61B18/14
A61B8/12
A61B17/94
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024032047
(22)【出願日】2024-03-04
(62)【分割の表示】P 2022063288の分割
【原出願日】2017-11-13
(31)【優先権主張番号】62/421,669
(32)【優先日】2016-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】508153730
【氏名又は名称】ガイネソニックス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジアユ チェン
(72)【発明者】
【氏名】ヒョンソ チャン
(72)【発明者】
【氏名】エドモンド ミン ワイ チウ
(72)【発明者】
【氏名】アメル ハムディ
(72)【発明者】
【氏名】ハリー クワン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル エー. マンロウ
(57)【要約】
【課題】組織内でのアブレーション針展開のリアルタイム計画及び監視の好適な方法及びシステムを提供すること。
【解決手段】治療プローブの制御ハンドルが1つ以上の治療構造を組織の中に前進及び/又は展開するよう操作される。治療プローブはディスプレイに結合され、治療のための標的組織を含む画像野を示す。仮想治療及び安全境界が画像野の上にオーバーレイされる。境界は針及びタインのための仮想停止位置を含む。プローブハンドル上のジョイスティック又は指向性パッドは1つ以上の治療構造を前進及び/又は展開するためにユーザインターフェースから独立動作可能であり、これら境界のサイズ及び/又は位置を調節するよう操作され得る。プローブ内のセンサは、1つ以上の治療構造のリアルタイム位置を検出し、感知された位置がリアルタイムで表示される。ユーザはディスプレイを観察し、1つ以上の治療構造を表示される仮想停止位置まで展開し得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(相互参照)
本願は、米国仮出願第62/421,669号(2017年11月14日出願)の利益を主張し、上記出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願の主題は、下記出願の主題に関連する:米国特許出願第12/245,567号(2008年10月3日出願)であり、現在の米国特許第8,088,072号(2012年1月3日発行、代理人事件番号31992-709.201);米国特許出願第13/307,304号(2011年11月30日出願)であり、現在の米国特許第8,262,577号(2012年9月11日発行、代理人事件番号31992-709.301);米国特許出願第13/589,975号(2012年8月20日出願)、代理人事件番号31992-709.302);米国特許出願第12/198,861号(2008年8月26日出願)、代理人事件番号31992-711.201);米国特許出願第13/023,383号(2011年2月8日出願)であり、現在の米国特許第8,206,300号(代理人事件番号31992-711.301);米国特許出願第14/989,732号(2016年1月6日出願)、代理人事件番号31992-711.302);米国特許出願第13/484,076号(2012年5月30日出願)、代理人事件番号31992-711.501);米国特許出願第12/712,969号(2010年2月25日出願)であり、現在の米国特許第8,262,574号(2012年9月11日発行、代理人事件番号31992-712.201);米国特許出願第13/589,956号(2012年8月20日出願)、代理人事件番号31992-712.401);米国特許出願第13/801,782号(2013年3月13日出願)、代理人事件番号31992-714.201);および、米国特許出願第13/801,840号(2013年3月13日出願)であり、現在の米国特許第8,992,427号、代理人事件番号31992-714.202);および、米国仮特許出願第62/421,119号(2016年11月11日出願)、代理人事件番号31992-717.101)。上記出願の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
(政府支援研究に関する声明)
なし
【0004】
(発明の分野)
本発明は、概して、医療方法および装置に関する。より具体的には、本発明は、治療される組織の画像上に投影された治療および安全境界を使用して、針の展開を制御する方法およびシステムに関する。
【0005】
患者の体内の器官および組織の現在の医療処置は、多くの場合、エネルギー、治療薬等の送達のために、針または他の細長い本体を使用する。随意に、方法は、治療標的を観察して識別し、治療標的に対する針の位置を追跡するために、超音波画像診断を使用する。
【0006】
本発明にとって特に興味深いこととして、患者の子宮の中の治療プローブまたはデバイスの経膣または腹腔鏡下位置付けに依存する、子宮筋腫の治療が、近年提案されている。高周波または他のエネルギーあるいは治療送達針が、デバイスから筋腫の中へ展開され、エネルギーおよび/または治療物質が、筋腫を切除または治療するために送達される。筋腫の場所を特定し、筋腫内に針を位置付けることを促進するために、治療デバイスは、針を担持する軸方向シャフトに対して略順方向または横方向に調整可能な視野を伴う超音波画像診断アレイを含む。針を可視化し、組織および標的筋腫の中へ指向することができるように、針は、シャフトから視野を横断して前進させられる。
【0007】
患者のために効果的かつ非常に有益であるが、そのような針切除および治療プロトコルは、いくつかの課題に直面する。第1に、針の初期展開は、特に、あまり経験がない医師にとって困難であり得る。医師は、撮像画面上でリアルタイムに組織および標的生体構造を視認することができるが、針が辿るであろう経路を正確に予測し、その最終治療位置を査定することは困難であり得る。針を確かに部分的または完全に後退させ、再展開することができるが、治療が達成される前に必要とされる展開の数を最小限化することが有利であろう。
【0008】
別の課題が、針が展開された後に生じる。針の位置を超音波または他の視覚画像上で観察することができるが、エネルギーまたは他の治療送達に起因する治療容量は、予測することが困難であり得る。初期位置付けと同様に、経験が役立つであろうが、判断および推測を下す必要性を低減させることが望ましいであろう。
【0009】
本願と同一の出願人による、米国特許第8,088,072号は、治療される筋腫または他の組織構造のリアルタイム画像上で安全および治療境界を投影するためのシステムを説明する。単一の針とともに使用されるときに非常に効果的であるが、第‘072号特許のシステムは、共同所有される米国特許第8,206,300号および第8,262,574号で教示されるもの等の複数の針/タインアセンブリとともに使用するために最適化されていない。
【0010】
本願の譲受人に譲渡された米国特許第8,992,427号は、デバイスハンドル上のノブをスライドおよび/または回転させることによって、アブレーション手技を実装するためのシステムを説明する。治療手技中、制御ノブの動作は、多くの場合、準理想的であり得る。例えば、治療手技中の制御ノブの使用は、経験の少ない医師にとって理想的なものほど直感的ではないこともある。治療を実装することにおいて、ユーザは、多くの場合、その注意を、撮像野、多くの場合、治療および安全領域を示すディスプレイのその観察から、制御ハンドルの動作にシフトさせ得る。
【0011】
これらの理由により、エネルギー送達および他の治療プロトコルにおいて、超音波または他の撮像視野内のエネルギー送達および他の針の展開のための改良型システムおよび方法を提供することが望ましいであろう。針アセンブリが治療される標的生体構造に対して適切に位置付けられるであろう可能性を向上させるために、複数の針またはタインの初期展開を支援するであろう情報を治療医師に提供することが、特に有用であろう。また、治療容量を正確に予測することに役立つように、フィードバックを医師に提供することも望ましいであろう。そのような情報は、必要であれば、生体構造を完全に治療する可能性を増加させるために、医師がプローブを再配置することを可能にするはずである。さらに、フィードバックを医師に提供して、敏感な組織構造が損傷されないように、医師が安全境界を査定することを可能にすることが望ましいであろう。全てのそのようなフィードバックまたは他の情報は、好ましくは、針の位置を迅速に予測し、査定し、治療を開始することができるように、超音波または他の撮像画面上で仮想的に提供される。これは、システムコントローラまたはディスプレイ上にデータまたはコマンドを入力する必要性を最小限化しながら、プローブの操作に応答して、フィードバック情報がディスプレイ画面上に提示された場合にさらに望ましく、プローブのそのような操作が、後続の針展開の範囲を制御した停止または他の制限を設定することができる場合に、なおもさらに望ましいであろう。フィードバックに応答して、治療プローブを操作するために直感的制御を伴う治療医師を提供することがさらに望ましいであろう、依然としてさらにシステムコントローラおよびディスプレイならびに治療プローブの両方を伴う一体的制御を伴う治療意医師を提供することが望ましいであろう。完全に治療プローブの抜去および再挿入なく、治療医師が手術野に既に置かれた治療プローブを再位置付けすることを可能にすることが、さらに望ましい。これらの目的のうちの少なくともいくつかは、以降で説明される本発明によって満たされるであろう。
【背景技術】
【0012】
米国特許第8,992,427号(特許文献1)、第8,088,072号、第8,206,300号、および第8,262,574号が、上で説明されており、参照することにより本明細書に組み込まれる。本願と同一の出願人による、米国特許第7,918,795号(特許文献2)は、子宮筋腫の撮像および治療の両方に有用なプローブを説明し、そのプローブは、本願のシステムおよび方法で使用することができ、参照することにより本明細書に組み込まれる。システムにおいて子宮筋腫を治療するために有用なプローブを説明する、他の同一出願人による特許および公開出願は、米国特許第7,874,986号(特許文献3)および第7,815,571号、ならびに米国特許公開第2007/0179380号および第2008/0033493号を含む。また、米国特許第6,050,992号および米国特許公開第2007/0006215号も参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第8,992,427号明細書
【特許文献2】米国特許第7,918,795号明細書
【特許文献3】米国特許第7,874,986号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、組織の中で針構造を展開する方法およびシステムを提供する。針構造は、場合によっては、単一の針を備え得るが、殆どの場合、下でさらに詳細に説明されるように、複数の針または針とタイン(tine)のアセンブリを備えているであろう。針構造は、通常、治療を組織に送達することを目的としており、最も典型的には、高周波エネルギー、プラズマエネルギー、治療超音波エネルギー、マイクロ波エネルギー、熱、低温(低温治療)、または他のエネルギーを送達して、標的組織あるいは組織内の標的生体構造を切除するか、または別様に修正するように構成されている。代替として、または組み合わせて、針構造はまた、薬剤または他の物質送達、細切除去術、または針構造を使用して達成することができる他の組織治療を提供することもできる。
【0015】
本発明の方法およびシステムは、患者の子宮内の筋腫を治療するために特に好適であり得、針構造および撮像変換器、典型的には、超音波撮像変換器を担持する、治療プローブが、経膣的または経頸管的に子宮に導入され、または他の場合においては、子宮または他の器官、もしくは組織標的の外部の中へ、かつそれを通して腹腔鏡下で導入される。治療プローブは、下でさらに詳細に説明されるように、切除エネルギーを筋腫に送達するように子宮内で操作され得る。本発明の殆どの実施形態では、針構造は、実際の組織の中の針の実際の展開に先立って、組織のリアルタイム画像上で「仮想的に」展開される。組織内の治療および/または安全境界もまた、針構造の実際の展開に先立っておよび/またはその間、決定され、随意に調整されるであろう。多くの実施形態では、針構造の実際の位置が、追跡され得、対応する治療および安全境界が、画面上にリアルタイムで投影され得る。多くの実施形態では、針構造の展開と表示される治療および安全境界の調節の両方は、治療プローブのハンドルを用いて制御される。治療が開始される前に治療および安全境界をチェックすることができる。
【0016】
本発明の方法およびシステムはさらに、仮想画像を使用して仮想展開のパラメータが選択されると、針構造が実際に、仮想展開構成に合致する場所および/またはパターンで実際の組織の中に展開され得ることを規定する。システムは、子宮内の治療プローブおよび/または針構造の位置を追跡し得、したがって、治療医師によって治療プローブが移動させられ、針構造が前進させられると、組織のリアルタイム画像上に投影され得る治療および安全境界が計算および/または更新されることを可能にする。治療プローブハンドル上の1つ以上の制御要素は、表示される治療および安全境界を移動させる、平行移動させる、拡大する、縮小する、または別様に調節する、もしくは再位置付けするように操作され得る。多くの実施形態では、1つ以上の制御要素は、典型的には、治療および安全境界内であるであろう、針展開に対するユーザ所望限界および/またはユーザ定義展開パターンに対応する1つ以上の「停止」位置を確立するように操作され得る。治療領域および/または安全境界は、ユーザ定義「停止」位置、ならびにシステムコントローラに供給される、またはそれによって発生され得る、エネルギー送達データに基づいて、システムによって計算され得る。治療領域および/または安全性境界が、治療される生体構造に対してリアルタイム画像上に適切に確立され、位置付けられると、医師は、治療プローブを定位置に保持し、典型的には、初期撮像および治療の設定位相中、治療プローブの中に事前に設定されている、その「停止」位置に到達するまで、制御ハンドルを使用して、針構造を展開し得る。場合によっては、医師が治療プローブ上の制御を使用して画面上で治療および/または安全境界を操作すると、停止部を自動的に設定することができる。代替実施形態では、医師は、仮想投影を予見することなく、リアルタイムで安全および/または治療境界を視認しながら、治療プローブを操作し、針構造を前進させ得る。
【0017】
例示的実施形態では、少なくとも1本の主要または中心針が、治療プローブから展開され、複数のタインまたは二次針が、主要または中心針から展開されるであろう。殆どの場合、その中心軸に沿って治療プローブのシャフトから遠位に展開される、単一の主要針があろう。次いで、複数のタインが、遠位に分岐するパターンで単一の針から前進させられるであろう。他の実施形態では、複数の針またはタインが、主要または中心針を使用することなく、治療プローブから前進させられ得る。そのような場合において、針またはタインは、典型的には、遠位に前進させられると3次元アレイに拡張または分岐するであろう。
【0018】
撮像され、後に治療され得る、例示的な解剖学的特徴は、筋腫、腫瘍、被包性組織塊、偽被包性組織塊等を含む。本発明にとって特に興味深いこととして、治療プローブは、子宮の中に位置付けられ得、針構造は、子宮の子宮筋層組織内に位置する筋腫に近接する、または筋腫内の場所に展開され得る。そのような場合において、本明細書で説明されるエネルギー媒介治療によって損傷され得る、子宮筋層および/または他の敏感な解剖学的特徴を包囲する漿膜を撮像することも望ましいであろう。
【0019】
本明細書で使用されるように、治療領域は、(仮想「停止部」によって設定されるような、または針構造が展開されるとリアルタイムで計算されるようないずれかの)針構造展開構成と、システムコントローラによって設定されるか、またはそれに入力される、エネルギー送達パラメータとに基づいて、システムコントローラによって計算される、またはユーザによって確立される、治療境界によって画定される。選択された場所において選択されたパターンで展開される針構造によって送達される、エネルギーまたは他の治療は、切除または他の治療結果を達成するように、標的組織を効果的に治療するであろう。下で説明されるように、したがって、治療領域が、システムのリアルタイム画像ディスプレイ上で見られるような治療される生体構造を少なくとも部分的に包囲するように、治療プローブならびに針構造停止部および/または実際の針構造を操作することが望ましいであろう。
【0020】
本明細書でさらに使用されるように、安全領域は、システムによって計算される、またはユーザによって確立される、安全境界によって画定される。治療領域と同様に、安全境界は、医師によって治療プローブ上で設定または調整された針構造の仮想「停止部」、実際の針構造の位置、および/またはシステムコントローラに入力されるか、またはそれによって設定されるエネルギー送達パラメータに基づいて、ユーザによって計算もしくは確立される。安全境界は、組織を損傷する危険性が低減されるか、または完全に排除される、組織治療領域の境界を超える、最小閾値距離に安全境界が設定されるであろうという点で、治療境界とは異なるであろう。
【0021】
本発明の第1の側面では、組織の中で針構造を展開する方法は、治療される組織の表面近傍に、例えば、子宮の子宮筋層にわたる子宮壁に隣接して、展開可能な針構造を有する治療プローブを位置付けるステップを含む。典型的には、治療プローブによって担持される超音波アレイ等の撮像変換器を使用して、組織のリアルタイム画像が提供され、コントローラに接続されたディスプレイ上に投影され得る。リアルタイム画像は、筋腫等の治療される解剖学的特徴を含む。治療領域および安全領域のうちの少なくとも1つが、針構造の展開に先立って、リアルタイム画像上に投影され得る。次いで、治療領域および/または安全領域の境界のサイズおよび/また配置が、依然として針構造の展開に先立って、リアルタイム画像上で調整され得る。治療領域および/または安全領域の境界が、治療される生体構造に対してリアルタイム画像上で適切に位置付けられた後に、針構造は、境界が調整された後に投影された治療/安全境界内で治療を提供するように、治療プローブから組織の中へ展開され得る。
【0022】
治療領域および/または安全領域の境界は、いくつかの方法で移動させるか、または調整することができる。第1に、医師による医療プローブの手動移動は、画面上に投影された治療/安全境界に対して、画面上に投影された組織および生体構造のリアルタイム画像を移動させるであろう。画面上に投影された治療および/または安全境界の位置が、針構造の計算された位置に依存し得るため、治療プローブ自体の移動が、リアルタイム画像内で計算された針位置を移動させるであろうことが理解されるであろう。子宮の中の治療プローブのそのような全体移動に加えて、リアルタイム画像上に投影された治療または安全領域の位置は、例えば、治療プローブの制御ハンドル上のジョイスティックまたは指向性パッドを手動で操作することによって、治療プローブ上の制御によって調節されることができる。治療プローブは、1つ以上のセンサを備え、直接、針/タインのためのスライドおよび/または針/タインのためのシャフトの平行移動位置を検出し得る。例えば、針/タインは、加えて、針/タインの位置情報を提供し得る、1つ以上のサーボを使用して、平行移動させられ得る。針およびタインの位置は、それによって、システムコントローラによって決定および追跡され、治療および/または安全境界の位置を計算するために使用されることができる。
【0023】
他の実施形態では、治療および/または安全境界の位置およびサイズはまた、キーボード、ジョイスティック、マウス、タッチパネル、タッチスクリーン等の適切なインターフェースを使用して、コントローラ、ディスプレイ画面上、および/または治療プローブ制御ハンドル外で調節され得る。治療および/または安全境界が、画面上に適切に(仮想的に)位置付けられると、コントローラは、治療プローブ上の針構造の展開を制御することができる。例えば、コントローラは、サーボモータを治療プローブ上に位置付け、針/タインを位置付け得る。
【0024】
治療および/または安全境界の位置および/またはサイズが調整されている間、仮想針場所情報をリアルタイム画像上に投影することができる。例えば、針場所情報は、針先端の投影された位置または他の針位置情報を示すようにリアルタイム画像上に投影された、複数の基準またはマーカを備えていることができる。他の場合においては、(但し、実際の展開に先立って)組織を通って進行するにつれて、針の長さの完全な画像を投影することが可能であろう。針場所情報は、当然ながら、好ましくは、投影された標的位置が調節されているとき、更新され、針展開後に針があろう場所を医師が認めることを可能にするであろう。さらに、治療および安全境界に基づく針/タインに関する仮想停止部が、ユーザに、針/タインが展開されるべき範囲を示すために表示され得る。
【0025】
本発明の別の側面では、組織中の解剖学的特徴を治療するためのシステムは、リアルタイム画像ディスプレイと、治療プローブと、制御ハンドルとを備えている。治療プローブは、展開可能針構造および撮像変換器を担持し得、変換器は、リアルタイム画像ディスプレイに接続可能である。制御ハンドル上の制御要素は、リアルタイム画像ディスプレイ上に投影された治療および/または安全領域の位置およびサイズのうちの少なくとも1つを制御するように操作され得る。
【0026】
例示的な針構造は、針と、針から前進させられ得る複数のタインとを備え得る。タインは、それらが針から前進させられるにつれて、遠位に発散するパターンをとり得る。
【0027】
治療システムは、随意に、エネルギーを針構造に送達するために治療プローブに接続可能である、コントローラをさらに備え得る。制御ハンドルに加え、コントローラは、ユーザが、コントローラによって送達されるエネルギーレベルに基づいて、投影された治療サイズおよび/または投影された安全領域サイズを制御することを可能にするように構成され得る。
【0028】
本発明のさらなる側面では、撮像および治療送達システムは、近位端と、遠位端を有する撮像シャフトと、遠位端における撮像変換器とを備えている、撮像構成要素を備え得る。遠位端および近位端を有する針シャフトと、シャフト上または内に相互に配置される針構造とを備えている、針構成要素は、撮像シャフトに取り外し可能に付着するように構成され得、シャフトは、それぞれの軸が平行である状態で並んで位置する。
【0029】
具体的例では、撮像シャフト上の撮像変換器は、撮像シャフトの遠位端において旋回可能に取り付けられ、針シャフトの遠位端は、針シャフトが撮像シャフトに取り付けられるときに、旋回可能に取り付けられた撮像変換器の近位に配置され得る。針シャフト内の針構造は、典型的には、針シャフトの軸に沿って遠位に往復し、撮像変換器は、針シャフトが撮像シャフトに取り付けられるときに、針シャフトの軸から離れて旋回する。撮像構成要素はさらに、撮像シャフトの近位端に取り付けられる撮像ハンドル区分を備え得、針構成要素はさらに、針シャフトの近位端に取り付けられる針ハンドル区分を備え得る。そのような実施形態では、撮像ハンドル区分および針ハンドル区分は、典型的には、針シャフトが撮像シャフトに取り付けられるときに、完全なハンドルを形成し得る。撮像ハンドル区分は、通常、タイン針構造を前進させるための機構を含む、撮像変換器を外部撮像ディスプレイおよび針ハンドル区分と接続するように構成される回路を保持する、内部を有し、撮像ハンドル区分は、通常、撮像シャフトに対して撮像変換器を旋回するための機構をさらに備えている。
【0030】
本発明のなおもさらなる側面では、組織の中で針から複数のタインを展開する方法は、治療される解剖学的特徴を含む、組織のリアルタイム画像をディスプレイ上に提供するステップを含む。針は、典型的には、遠位方向に、解剖学的特徴に近接して組織に貫通させられ、タインは、針からさらに組織の中へ展開され得る。前の実施形態と同様に、タインは、典型的には、治療される組織の量を増加させるように、針から遠位に前進させられると半径方向に分岐する。治療境界および安全境界のうちの少なくとも1つが、タイン展開に応答してディスプレイ上に投影され得る。ディスプレイ上に投影された治療および/または安全境界のサイズおよび/または形状を変化させるように、タイン展開の範囲を調整することができる。治療プローブ内の1つ以上のセンサによって示されるように、実際の針およびタイン展開の位置が、提供され得、実際に展開された針およびタイン構成を使用して、後続の治療が安全かつ効果的の両方であろうことに医師が満足するまで、リアルタイム画像上に安全および/または治療境界を位置付け、かつ再配置するために、依拠することができる。実際の針およびタイン展開に加えて、当然ながら、投影された治療および/または安全境界はまた、以前に議論された仮想境界の投影と類似する様式で、治療の意図された出力および時間の長さに依存するであろう。許容サイズおよび/または安全境界が達成された後、治療がタインを通して送達され得る。特定の実施形態では、タインの展開は、針およびタインを展開するために使用される治療プローブ上の針/タイン展開機構の中のセンサを介して追跡され得る。そのような場合において、針を貫通させることは、組織に貫通させられた治療プローブから針を前進させることを含むであろう。通常、ディスプレイ上で投影された安全および/または治療境界を決定することにおいてに、治療プローブからの針展開の範囲も依拠されるであろう。
【0031】
本発明のなおもさらなる側面では、組織中の解剖学的特徴を治療するためのシステムは、コントローラに接続されるリアルタイムディスプレイを備えている。システムは、治療境界または安全境界のうちの少なくとも1つのサイズをディスプレイ上に投影し、調節し得る。コントローラおよびディスプレイに接続可能である、展開可能な針構造および撮像変換器を有する、治療プローブが、提供され得る。治療プローブは、治療プローブハンドル上のコントローラおよび/または制御要素に接続され、それによって駆動され得る、少なくとも1つのサーボ駆動モータを担持し得る。制御要素および/またはコントローラは、サーボモータを駆動して、治療境界によって画定される領域にわたって効果的であり得、安全境界を有意に超えて拡張し得ない治療を提供するよう針構造を位置付けるように構成され得る。
【0032】
システムの具体的実施形態では、針構造は、針と、遠位に分岐するパターンで針から前進可能な複数のタインとを備え得る。少なくとも1つのサーボモータは、針を駆動する第1のサーボモータと、複数のタインを駆動する第2のサーボモータとを備え得る。システムは、通常、ユーザがディスプレイ上で治療および/または安全境界のサイズおよび/または位置を仮想的に調整することを可能にするように構成される、ユーザインターフェースを備えている。場合によっては、以前に説明されたように、インターフェースは、治療プローブハンドルの制御要素等、治療プローブ自体の上にあり得る。他の場合においては、インターフェースは、針構造を実際に位置付けることに先立って、ユーザが針構造を仮想的に位置付けることを可能にするように、コントローラに接続される、より従来的なキーボード、マウス、ローラボール、タッチスクリーン、音声起動等を備え得る。なおも他の実施形態では、治療プローブは、針構造を位置付けるためのサーボモータおよび/または針構造が展開された範囲を検出するためのセンサを備え得る。そのような場合において、ユーザは、(安全および/または治療境界の仮想投影を生成することなく)サーボを使用して針構造を位置付け、投影された安全および/または治療境界がシステムコントローラによって計算および投影されるにつれて、それらを観察し得る。全ての場合において、システムは、針構造の展開が安全および/または治療境界の要件を満たすことが確認された後のみ、エネルギーまたは他の治療を送達するために使用することができる。
【0033】
本発明のなおもさらなる側面では、組織を治療する方法が、提供される。例示的組織治療方法は、明確に異なる計画およびリアルタイム監視ステップを含み得る。計画位相では、ユーザは、アブレーションのための安全性および/または治療境界の表示されるグラフィカル表現を制御し得る。これらの境界は、スイッチ、ジェスチャ、音声制御等の任意の数の入力デバイスを用いて制御され得る。針およびタインの標的深度は、計画位相の間に確立され、グラフィカル計画ガイドとしてディスプレイ上に示され得る。例示的実施形態では、安全性および/または治療に関する境界は、プローブのハンドル上のジョイスティックまたは指向性パッドを介して制御される。本明細書に説明されるアブレーションデバイスの多くは、2つの段階、すなわち、針展開のための1つの段階と、タインの展開のための1つの段階とを備えている。多くの場合、アブレーションデバイスの針は、展開されたタインの所望の幾何学形状が、治療中、変更されず、グラフィカルガイドが、無効にされないように、タインが展開される前に、所望の深度まで組織の中に前進させられ、前進させられた針の位置を維持することが望ましくあり得る。計画位相は、ユーザが、浅いがより広い組織アブレーションをより深くかつより狭いアブレーションに対してトレードオフすることを可能にし得る。
【0034】
展開位相中、治療プローブ内のセンサは、導入器針、タイン、および/またはその個別の展開シャフトのリアルタイム位置を監視し得、ディスプレイコンソールは、検出された位置および展開の進行度を表示し得る。針および/またはタインの展開が、計画された値に合致すると、システムは、視覚、聴覚、触知、または他のフィードバック等によって、合致をユーザに示すことができる。例示的実施形態では、針および/またはタインに対応するディスプレイマーカは、表示されるグラフィカル計画ガイドと整合および/または重複され得る。ユーザが、針および/またはタインを計画された深度を越えて継続して展開する場合、システムは、エラーを示し、ユーザに、針および/またはタインを後退させるように命令し得る。例えば、システムは、視覚的警告を表示し得る、もしくは安全性境界の外側にあるように、針および/またはタインに対応するディスプレイマーカを示し得る。多くの実施形態では、システムは、グラフィカル計画ガイドと針およびタインの表示されるリアルタイム位置をリンクさせ、針およびタインの検出されたリアルタイム位置に応答して、グラフィカル計画ガイドを表示し得る。いくつかの実施形態では、システムは、ユーザが、システムによって保定され得る位置センサへの調節を入力することを可能にする。
【0035】
いくつかの実施形態では、計画段階は、随意に、省略され、グラフィカル計画ガイドが、導入器針およびタインのリアルタイム位置を反映することができる。グラフィカル計画ガイドの深度は、導入器針展開の深度を反映させ得、グラフィカル計画ガイドのサイズは、電極展開を反映させ得る。センサ入力への調節は、ユーザによって入力され得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、計画および監視制御スイッチ(例えば、ジョイスティックまたは指向性パッド(すなわち、D-パッド))は、ユーザインターフェース要素として作用し、特徴またはメニュー選択およびカーソル図面等の典型的にはマウスまたはキーボードによって実施される機能を実施する。
【0037】
治療プローブは、1つ以上のセンサを備え、デバイスハンドルに対する針、タイン、および/またはその個別の展開シャフトのうちの1つ以上のものの位置を検出し得る。センサは、いくつか例を挙げると、線形ポテンショメータ、磁気センサ、LVDTセンサ、パルスエンコーダ等の任意のタイプの位置センサであり得る。センサは、導入器針場所に対する、またはデバイスの治療プローブハンドルに対する、運動を感知し得る。同一または異なるタイプのセンサが、針、タイン、および/またはその個別の展開シャフトのために使用され得る。
【0038】
本発明のなおもさらなる側面では、針構造を組織内で展開する方法が、提供される。針構造を組織内で展開するための例示的方法は、治療されるべき解剖学的特徴を含む組織のリアルタイム画像をコントローラに接続されたディスプレイ上に提供することを含み得る。展開可能針構造を有する、治療プローブはさらに、治療プローブが解剖学的特徴の近傍に位置付けられるにつれて表示され得る。加えて、治療領域または安全領域のうちの少なくとも1つは、リアルタイム画像上に投影され得る。方法はさらに、リアルタイム画像上の治療領域および/または安全領域の投影された画像の投影された境界のサイズまたは位置のうちの少なくとも1つを調節することを含み得る。投影された境界のサイズおよび/または位置を調節することは、いくつかの事例では、治療プローブのハンドルの第1のユーザインターフェースのユーザ調節を含み得る。さらに、展開可能針構造は、針構造が治療プローブから展開されているとき、リアルタイム画像上に表示され得る。方法を実践することにおいて、針構造は、治療プローブおよび組織に対して位置付けられ、投影された境界が調節された後、投影された境界内で治療を提供し得、治療プローブは、組織内の解剖学的特徴の近傍に位置付けられ得る。加えて、針構造は、治療プローブのハンドルの第2のユーザインターフェースのユーザ調節によって、治療プローブから展開され得る。いくつかの実施形態では、投影された境界のサイズまたは位置のうちの少なくとも1つは、針が治療プローブおよび組織に対して位置付けられ、治療を提供した後、再調節される。
【0039】
いくつかの実施形態では、治療プローブのハンドルの第1のユーザインターフェースは、ジョイスティックまたは指向性パッドを備え得る。随意に、投影された境界と関連付けられたパラメータが、ジョイスティックまたは指向性パッドを調節することによって調節され得る。例えば、投影された境界のサイズおよび/または位置を調節することは、投影された境界のサイズを調節することを含み得、投影された境界のサイズは、ジョイスティックまたは指向性パッドが第1の方向に押され、投影された境界を拡大すること、またはジョイスティックまたは指向性パッドが第1の方向と反対の第2の方向に押され、投影された境界を縮小することのうちの1つ以上のものによって調節される。別の例として、投影された境界のサイズおよび/または位置を調節することは、投影された境界の位置を調節することを含み得、投影された境界の位置は、ジョイスティックまたは指向性パッドが第3の方向に押され、投影された境界を前進させること、またはジョイスティックまたは指向性パッドが第3の方向と反対の第4の方向に押され、投影された境界を後退させることのうちの1つ以上のものによって調節される。典型的には、ジョイスティック、指向性パッド、または他のユーザインターフェースは、投影された境界のサイズおよび/または位置が、調節されているとき、治療プローブのハンドルに対して静止したままであろう。代替として、または加えて、投影された境界の位置は、治療プローブを解剖学的特徴に対して手動で再位置付けすることによって調節され得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、治療プローブのハンドルはさらに、針構造および針構造から前進可能な複数のタインのうちの1つ以上のものを展開するための第2のユーザインターフェースを備え得る。第2のユーザインターフェースは、治療プローブのハンドルの1つ以上のスライダ機構を備え得る。例示的治療プローブは、代替として、または加えて、針構造から前進可能な複数のタインを備え得る。そのような事例では、方法はさらに、複数のタインが展開されているとき、複数のタインのリアルタイム位置を検出することと、検出されたリアルタイム位置に応答して、複数のタインをリアルタイム画像上に表示することとを含み得る。本明細書に説明される方法では、治療領域または安全領域のうちの少なくとも1つをリアルタイム画像上に投影することは、複数のタインのための1つ以上のタイン停止インジケータをリアルタイム画像上に投影することを含み得る。複数のタインは、複数のタインの仮想表現がタイン停止インジケータと出会うように前進させられ得る。多くの実施形態では、ハンドルの第1のユーザインターフェースは、複数のタインがそのように前進させられた後、タイン停止インジケータの位置を調節するように調節される。典型的には、複数のタインのための1つ以上のタイン停止インジケータは、治療されるべき解剖学的特徴内に位置付けられる。いくつかの実施形態では、方法はさらに、治療プローブのサーボモータを駆動し、複数のタインを展開することを含み得る。いくつかの実施形態では、複数のタインをリアルタイム画像上に表示することは、複数のタインのリアルタイム位置を検出することと、検出されたリアルタイム位置に応答して、複数のタインの仮想表現を表示することとを含み得る。そのような事例では、複数のタインの仮想表現の位置はさらに、リアルタイムで更新され得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、方法はさらに、エネルギーを複数のタインを通して送達し、解剖学的特徴を治療することを含み得る。そのような事例では、方法はさらに、治療電力または治療時間のうちの少なくとも1つを制御し、組織治療の範囲を治療領域および/または安全領域内に限定することを含み得る。いくつかの実施形態では、方法はさらに、エネルギーを針構造を通して送達し、解剖学的特徴を治療することを含む。そのような事例では、方法はさらに、治療電力または治療時間のうちの少なくとも1つを制御し、組織治療の範囲を治療領域および/または安全領域内に限定することを含み得る。いくつかの実施形態では、治療領域または安全領域のうちの少なくとも1つをリアルタイム画像上に投影することは、針構造のための1つ以上の針停止インジケータをリアルタイム画像上に投影することを含み得る。1つ以上の針停止インジケータは、治療されるべき解剖学的特徴の近傍またはその中にあるように構成され得る。針構造は、針構造の仮想表現が1つ以上の針停止インジケータと出会うように前進させられ得る。ハンドルのユーザインターフェースは、針構造がそのように前進させられた後、針停止インジケータの位置を調節するように調節され得る。いくつかの実施形態では、方法はさらに、治療プローブのサーボモータを駆動し、針構造を展開することを含み得る。方法を実践することにおいて、針構造をリアルタイム画像上に表示することは、針構造のリアルタイム位置を検出することと、検出されたリアルタイム位置に応答して、針構造の仮想表現を表示することとを含み得る。いくつかの実施形態では、方法はさらに、針構造の仮想表現の位置をリアルタイムで更新することを含み得る。
【0042】
本発明のさらに別の側面では、組織内の解剖学的特徴を治療するためのシステムが、提供され得る。システムは、ハンドル、プローブ本体、および解剖学的特徴を治療するためにプローブ本体から展開可能な針構造を備えている、治療プローブと、治療プローブに結合され、リアルタイム画像を表示し、展開された針構造および治療領域または安全領域のうちの少なくとも1つをリアルタイム画像上に投影するように構成される、リアルタイムディスプレイとを備え得、ハンドルは、治療領域または安全領域のうちの少なくとも1つの1つ以上の境界のサイズまたは位置のうちの1つ以上のものを調節するための第1のユーザインターフェースを備えている。多くの実施形態では、第1のユーザインターフェースの位置は、1つ以上の境界のサイズまたは位置のうちの1つ以上のものが調節されているとき、ハンドルに対して静止したままである。
【0043】
いくつかの実施形態では、治療プローブは、針構造から展開可能な複数のタインを備え得る。そのような事例では、リアルタイムディスプレイは、複数のタインの検出された位置に応答して、複数のタインの仮想表現を表示するように構成され得る。随意に、治療プローブは、複数のタインの位置を検出するための1つ以上のセンサを備え得る。いくつかの実施形態では、システムのリアルタイムディスプレイは、複数のタインのための1つ以上のタイン停止インジケータを示すように構成され得る。ハンドルの第1のユーザインターフェースは、複数のタインの仮想表現が1つ以上のタイン停止インジケータと出会うように、複数のタインが展開された後、1つ以上のタイン停止インジケータを再位置付けするために調節されるように構成され得る。代替として、または加えて、治療プローブのハンドルはさらに、複数のタインを展開するための第2のユーザインターフェースを備え得る。そのような事例では、第2のユーザインターフェースは、スライド機構を備え得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、治療プローブのハンドルはさらに、針構造を展開するための第2のユーザインターフェースを備え得る。そのような事例では、第2のユーザインターフェースは、スライド機構を備え得る。いくつかの実施形態では、システムの治療プローブは、複数のタインを駆動するためのサーボを備え得る。代替として、または加えて、治療プローブは、針構造を駆動するためのサーボを備え得る。いくつかの実施形態では、システムのリアルタイムディスプレイは、針構造の検出された位置に応答して、針構造の仮想表現を表示するように構成され得る。そのような事例では、治療プローブは、針構造の位置を検出するための1つ以上のセンサを備え得る。代替として、または加えて、システムのリアルタイムディスプレイは、針構造のための1つ以上の針停止インジケータを示すように構成され得る。いくつかの実施形態では、ハンドルの第1のユーザインターフェースは、針構造の仮想表現が針停止インジケータと出会うように、針構造が展開された後、針停止インジケータを再位置付けするために調節されるように構成される。いくつかの実施形態では、第1のユーザインターフェースは、治療領域または安全領域の境界の位置またはサイズのうちの1つ以上のものを調節するように構成され得る。調節は、種々の手段を通して取り扱われ得る。例えば、第1のユーザインターフェースは、ジョイスティックまたは指向性パッドを治療プローブのハンドル上に備え得る。ジョイスティックまたは指向性パッドは、第1の方向に押され、投影された境界を拡大するように構成され得、第1の方向と反対の第2の方向に押され、投影された境界を縮小するように構成され得る。随意に、ジョイスティックまたは指向性パッドは、第3の方向に押され、投影された境界を前進させるように構成され得、いくつかの事例ではさらに、第3の方向と反対の第4の方向に押され、投影された境界を後退させるように構成され得る。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
治療構造を組織内で展開する方法であって、前記方法は、
治療されるべき解剖学的特徴を含む前記組織のリアルタイム画像をコントローラに接続されたディスプレイ上に提供することと、
プローブが前記解剖学的特徴の近傍に位置付けられているとき、展開可能治療構造を有する前記プローブを表示することと、
治療領域または安全領域のうちの少なくとも1つを前記リアルタイム画像上に投影することと、
前記リアルタイム画像上の前記治療領域および/または安全領域の前記投影された画像の投影された境界のサイズまたは位置のうちの少なくとも1つを調節することであって、前記投影された境界のサイズおよび/または位置を調節することは、前記プローブのハンドル上の第1のユーザインターフェースのユーザ調節を含む、ことと、
前記治療構造が前記プローブから展開されているとき、前記展開可能治療構造を前記リアルタイム画像上に表示することと
を含み、
前記治療構造は、前記投影された境界が調節された後、前記投影された境界内で治療を提供するために前記プローブおよび前記組織に対して位置付けられ、
前記プローブは、前記組織内の前記解剖学的特徴の近傍に位置付けられ、前記治療構造は、前記プローブのハンドル上の第2のユーザインターフェースのユーザ動作によって、前記プローブから展開され、前記第2のユーザインターフェースを調節することによる前記プローブからの前記治療構造の展開は、前記投影された境界の前記サイズおよび/または位置を調節するための前記第1のユーザインターフェースの前記調節から独立している、方法。
(項目2)
治療を提供するために前記治療構造が前記プローブおよび前記組織に対して位置付けられた後、前記投影された境界のサイズまたは前記位置のうちの少なくとも1つを再調節することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記投影された境界の位置は、前記プローブを前記解剖学的特徴に対して手動で再位置付けすることによって調節される、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記プローブの前記ハンドルの前記第1のユーザインターフェースは、ジョイスティックまたは指向性パッドを備えている、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記投影された境界の前記サイズおよび/または位置を調節することは、前記投影された境界の前記サイズを調節することを含み、前記投影された境界の前記サイズは、前記ジョイスティックまたは指向性パッドが第1の方向に押され、前記投影された境界を拡大すること、または、前記ジョイスティックまたは指向性パッドが前記第1の方向と反対の第2の方向に押され、前記投影された境界を縮小することのうちの1つ以上によって調節される、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記ジョイスティックまたは指向性パッドは、前記投影された境界の前記サイズおよび/または位置が調節されているとき、前記プローブの前記ハンドルに対して静止したままである、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記投影された境界の前記サイズおよび/または位置を調節することは、前記投影された境界の前記位置を調節することを含み、前記投影された境界の前記位置は、前記ジョイスティックまたは指向性パッドが第3の方向に押され、前記投影された境界を前進させること、または、前記ジョイスティックまたは指向性パッドが前記第3の方向と反対の第4の方向に押され、前記投影された境界を後退させることのうちの1つ以上によって調節される、項目4に記載の方法。
(項目8)
前記ジョイスティックまたは指向性パッドは、前記投影された境界の前記サイズおよび/または位置が調節されているとき、前記プローブのハンドルに対して静止したままである、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記プローブの前記ハンドル上の前記第2のユーザインターフェースは、前記治療構造に結合された1つ以上のスライダ機構を備えている、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記治療構造は、針構造を備えている、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記治療プローブは、前記針構造から前進可能な複数のタインをさらに備え、前記方法は、前記複数のタインが展開されているとき、前記複数のタインのリアルタイム位置を検出することと、前記検出されたリアルタイム位置に応答して、前記複数のタインの仮想表現を前記リアルタイム画像上に表示することとをさらに含む、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記治療領域または前記安全領域のうちの前記少なくとも1つを前記リアルタイム画像上に投影することは、前記複数のタインのための1つ以上のタイン停止インジケータを前記リアルタイム画像上に投影することを含む、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記複数のタインの前記仮想表現が前記タイン停止インジケータと出会うように、前記複数のタインを前進させることをさらに含む、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記複数のタインが、前記複数のタインの前記仮想表現が前記タイン停止インジケータと出会うように前進させられた後、前記ハンドルの前記第1のユーザインターフェースを調節し、前記タイン停止インジケータの位置を調節することをさらに含む、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記複数のタインのための前記1つ以上の停止位置は、治療されるべき解剖学的特徴内にあるように構成されている、項目12に記載の方法。
(項目16)
前記治療プローブのサーボモータを駆動し、前記複数のタインを展開することをさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目17)
前記複数のタインを前記リアルタイム画像上に表示することは、前記複数のタインのリアルタイム位置を検出することと、前記検出されたリアルタイム位置に応答して、前記複数のタインの仮想表現を表示することとを含む、項目11に記載の方法。
(項目18)
前記複数のタインの前記仮想表現の位置をリアルタイムで更新することをさらに含む、項目17に記載の方法。
(項目19)
エネルギーを前記複数のタインを通して送達し、前記解剖学的特徴を治療することをさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目20)
治療電力または治療時間のうちの少なくとも1つを制御し、前記組織治療の範囲を前記治療領域および/または安全領域内に限定することをさらに含む、項目19に記載の方法。
(項目21)
エネルギーを前記治療構造を通して送達し、前記解剖学的特徴を治療することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目22)
治療電力または治療時間のうちの少なくとも1つを制御し、前記組織治療の範囲を前記治療領域および/または安全領域内に限定することをさらに含む、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記プローブのサーボモータを駆動し、前記治療構造を展開することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目24)
前記治療領域または前記安全領域のうちの少なくとも1つを前記リアルタイム画像上に投影することは、前記治療構造のための1つ以上の停止位置を前記リアルタイム画像上に投影することを含む、項目1に記載の方法。
(項目25)
前記治療構造のための前記1つ以上の停止位置は、治療されるべき解剖学的特徴の近傍またはその中にあるように構成されている、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記治療構造を前記リアルタイム画像上に表示することは、前記治療構造のリアルタイム位置を検出することと、前記検出されたリアルタイム位置に応答して、前記治療構造の仮想表現を表示することとを含む、項目24に記載の方法。
(項目27)
前記治療構造の前記仮想表現の位置をリアルタイムで更新することをさらに含む、項目26に記載の方法。
(項目28)
前記治療構造の前記仮想表現が前記針停止インジケータと出会うように、前記治療構造を前進させることをさらに含む、項目26に記載の方法。
(項目29)
前記針構造の前記仮想表現が前記針停止インジケータと出会うように、前記針構造が前進させられた後、前記ハンドルの前記第1のユーザインターフェースを調節し、前記針停止インジケータの位置を調節することをさらに含む、項目28に記載の方法。
(項目30)
組織内の解剖学的特徴を治療するためのシステムであって、前記システムは、
ハンドル、プローブ本体、および前記解剖学的特徴を治療するために前記プローブ本体から展開可能な治療構造を備えているプローブと、
前記プローブに結合されたリアルタイムディスプレイと
を備え、
前記リアルタイムディスプレイは、リアルタイム画像を表示し、前記展開された治療構造と治療領域または安全領域のうちの少なくとも1つとを前記リアルタイム画像上に投影するように構成され、
前記ハンドルは、前記治療領域または安全領域のうちの少なくとも1つの1つ以上の境界のサイズまたは位置のうちの1つ以上のものを調節するための第1のユーザインターフェースを備え、
前記ハンドルは、前記治療構造を前記プローブから展開するための第2のユーザインターフェースを備え、前記第2のユーザインターフェースを調節することによる前記プローブからの前記治療構造の展開は、前記投影された境界の前記サイズおよび/または位置を調節するための前記第1のユーザインターフェースの前記調節から独立している、
システム。
(項目31)
前記治療構造は、針構造を備えている、項目30に記載のシステム。
(項目32)
前記プローブは、前記針構造から展開可能な複数のタインをさらに備えている、項目31に記載のシステム。
(項目33)
前記リアルタイムディスプレイは、前記複数のタインの検出された位置に応答して、前記複数のタインの仮想表現を表示するように構成されている、項目32に記載のシステム。
(項目34)
前記治療プローブは、前記複数のタインの位置を検出するための1つ以上のセンサを備えている、項目33に記載のシステム。
(項目35)
前記リアルタイムディスプレイは、前記複数のタインのための1つ以上のタイン停止インジケータを示すように構成されている、項目32に記載のシステム。
(項目36)
前記ハンドルの前記第1のユーザインターフェースは、前記複数のタインの前記仮想表現が前記1つ以上のタイン停止インジケータと出会うように、前記複数のタインが展開された後、前記1つ以上のタイン停止インジケータを再位置付けするために調節されるように構成されている、項目35に記載のシステム。
(項目37)
前記治療プローブは、前記複数のタインを駆動するためのサーボを備えている、項目32に記載のシステム。
(項目38)
前記第2のユーザインターフェースは、前記治療構造に結合された1つ以上のスライド機構を備えている、項目30に記載のシステム。
(項目39)
前記治療プローブは、前記治療構造を駆動するためのサーボを備えている、項目30に記載のシステム。
(項目40)
前記リアルタイムディスプレイは、前記治療構造の検出された位置に応答して、前記治療構造の仮想表現を表示するように構成されている、項目30に記載のシステム。
(項目41)
前記治療プローブは、前記治療構造の位置を検出するための1つ以上のセンサを備えている、項目40に記載のシステム。
(項目42)
前記リアルタイムディスプレイは、前記針構造のための停止インジケータを示すように構成されている、項目40に記載のシステム。
(項目43)
前記ハンドルの前記第1のユーザインターフェースは、前記治療構造の前記仮想表現が前記停止インジケータと出会うように、前記治療構造が展開された後、前記停止インジケータを再位置付けするために調節されるように構成されている、項目42に記載のシステム。
(項目44)
前記第1のユーザインターフェースは、前記治療プローブのハンドル上のジョイスティックまたは指向性パッドを備えている、項目30に記載のシステム。
(項目45)
前記ジョイスティックまたは指向性パッドは、第1の方向に押され、前記投影された境界を拡大するように構成され、前記ジョイスティックまたは指向性パッドは、前記第1の方向と反対の第2の方向に押され、前記投影された境界を縮小するように構成されている、項目44に記載のシステム。
(項目46)
前記ジョイスティックまたは指向性パッドは、第3の方向に押され、前記投影された境界を前進させるように構成され、前記ジョイスティックまたは指向性パッドは、前記第3の方向と反対の第4の方向に押され、前記投影された境界を後退させるように構成されている、項目44に記載のシステム。
【0045】
(参照による引用)
本明細書で記述される全ての出版物、特許、および特許出願は、各個別出版物、特許、および特許出願が、参照することにより組み込まれるように具体的かつ個別に示された場合と同一の程度に、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
本発明の新規特徴は、添付の請求項に詳細に記載される。本発明の特徴および利点のより深い理解は、本発明の原理が利用される例証的実施形態を記載する下記の発明を実施するための形態と、付随の図面とを参照することによって得られるであろう。
【0047】
図1図1は、システムコントローラと、画像ディスプレイと、展開可能針構造および撮像変換器を有する、治療プローブとを備えている本発明のシステムの概略図である。
【0048】
図2図2は、本発明の治療プローブの斜視図である。
【0049】
図3図3は、複数部分が切断され、複数部分が拡大された、針構成要素から分離されたプローブの撮像構成要素を図示する、図2の治療プローブの図である。
【0050】
図3A図3Aは、撮像構成要素の遠位端に接続されている、針構成要素の遠位端を図示する。
【0051】
図4図4は、本発明の治療プローブの概略図を図示する。
【0052】
図5図5は、子宮筋層内の筋腫を撮像するように子宮腔に導入された治療プローブの遠位部分を図示する。
【0053】
図6A図6A、7A、8A、9A、10A、および11Aは、本発明の原理による、治療プローブを使用して治療および安全境界が調整されている際のリアルタイム画像ディスプレイの「スクリーンショット」を図示する。
【0054】
図6B図6B、7B、8B、9B、10B、および11Bは、図10A-15Aのリアルタイム画像上の治療および安全境界の投影画像の再配置に対応するハンドルの操作を図示する。
【0055】
図7A図6A、7A、8A、9A、10A、および11Aは、本発明の原理による、治療プローブを使用して治療および安全境界が調整されている際のリアルタイム画像ディスプレイの「スクリーンショット」を図示する。
【0056】
図7B図6B、7B、8B、9B、10B、および11Bは、図10A-15Aのリアルタイム画像上の治療および安全境界の投影画像の再配置に対応するハンドルの操作を図示する。
【0057】
図8A図6A、7A、8A、9A、10A、および11Aは、本発明の原理による、治療プローブを使用して治療および安全境界が調整されている際のリアルタイム画像ディスプレイの「スクリーンショット」を図示する。
【0058】
図8B図6B、7B、8B、9B、10B、および11Bは、図10A-15Aのリアルタイム画像上の治療および安全境界の投影画像の再配置に対応するハンドルの操作を図示する。
【0059】
図9A図6A、7A、8A、9A、10A、および11Aは、本発明の原理による、治療プローブを使用して治療および安全境界が調整されている際のリアルタイム画像ディスプレイの「スクリーンショット」を図示する。
【0060】
図9B図6B、7B、8B、9B、10B、および11Bは、図10A-15Aのリアルタイム画像上の治療および安全境界の投影画像の再配置に対応するハンドルの操作を図示する。
【0061】
図10A図6A、7A、8A、9A、10A、および11Aは、本発明の原理による、治療プローブを使用して治療および安全境界が調整されている際のリアルタイム画像ディスプレイの「スクリーンショット」を図示する。
【0062】
図10B図6B、7B、8B、9B、10B、および11Bは、図10A-15Aのリアルタイム画像上の治療および安全境界の投影画像の再配置に対応するハンドルの操作を図示する。
【0063】
図11A図6A、7A、8A、9A、10A、および11Aは、本発明の原理による、治療プローブを使用して治療および安全境界が調整されている際のリアルタイム画像ディスプレイの「スクリーンショット」を図示する。
【0064】
図11B図6B、7B、8B、9B、10B、および11Bは、図10A-15Aのリアルタイム画像上の治療および安全境界の投影画像の再配置に対応するハンドルの操作を図示する。
【0065】
図12図12A、12B、12C、および12Dは、基準およびマーカが針先端の場所に対応するリアルタイム画像上の基準およびマーカの提供を図示する。
【0066】
図13図13は、本発明に従って組織を治療する方法のフローチャートを図示する。
【0067】
図14図14は、針位置を追跡するために針追跡データが使用されるシステム図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0068】
図1で図示されるように、本発明の原理に従って構築されるシステム10は、システムコントローラ12と、撮像ディスプレイ14と、治療プローブ16とを含み得る。システムコントローラ12は、典型的には、治療パラメータおよび撮像パラメータの両方が従来的な様式で設定されることを可能にする、マイクロプロセッサベースのコントローラであろう。ディスプレイ14は、通常、コントローラ12とともに共通エンクロージャ18に含まれるであろうが、別個のエンクロージャの中で提供することができる。治療プローブ16は、撮像コード24によってコントローラ12に接続され得る、撮像変換器20を含み得る。コントローラ12は、治療コード22を介して、電力を治療プローブ16に供給し得る。治療プローブ16はまた、いくつか挙げると、制御信号、フィードバック信号、位置信号、またはステータス信号のうちの1つ以上のものを提供するため等、治療コード22を介して、コントローラ12と通信し得る。コントローラ12は、典型的には、治療医師が、キーボード、タッチスクリーン、制御パネル、マウス、ジョイスティック、指向性パッド(すなわち、D-パッド)等のコントローラ12に、情報を入力するためのインターフェースをさらに含むであろう。随意に、タッチパネルが、撮像ディスプレイ14の一部であり得る。コントローラ12によって治療プローブ16に送達されるエネルギーは、高周波(RF)エネルギー、マイクロ波エネルギー、治療プラズマ、加熱、低温(低温療法)、または任意の他の従来のエネルギー媒介治療法であり得る。代替として、または加えて、治療プローブ16は、薬剤または他の治療薬を治療される組織生体構造に送達するように適合することができる。いくつかの実施形態では、プローブ16は、超音波システムに、および別個の高周波(RF)発生器に差し込まれる。インターフェースラインが、超音波システムおよびRF発生器を接続する。
【0069】
ここで図2および3を参照すると、治療プローブ16は、針構成要素26と、撮像構成要素28とを備え得る。針構成要素26および撮像構成要素28は、使用のために相互に取り外し可能に取り付けられ得る、別個のユニットまたはアセンブリとして構築され得る。使用後、針構成要素26が、分離され得、典型的には、廃棄されるであろう一方で、撮像構成要素28は、再利用のために滅菌され得る。治療プローブ16は、図2では、その完全組立構成で示され、図3では、その解体構成で示されている。本発明の他の実施形態では、針構成要素26および撮像構成要素28は、単一の統合ハンドルユニットに組み込むことができる。針構成要素26は、制御要素30をその上側表面上に有する、ハンドル部分27を備え得る。制御要素30は、ジョイスティック、指向性パッド(すなわち、D-パッド)、または他のユーザインターフェースを備え得る。制御要素30は、ハンドル部分27上にあるように図示されるが、治療プローブ16上の任意の場所に位置し得ることを理解されたい。例えば、制御要素30は、ハンドル部分27に沿って任意の場所(例えば、遠位端、近位端の近傍の、またはその間のある場所)に位置し得る。別の例として、制御要素は、治療プローブの側(例えば、タインスライド40の遠位にまたは近位)上に位置し得る。別の例として、制御要素は、撮像構成要素28上に位置し得る。随意に、制御要素は、下向きに面し得る。特定の例が、与えられているが、制御要素は、全体を通して説明されるシステムの任意の構成要素または要素上に位置し得る。例えば、制御要素は、治療プローブ16上に位置しなくてもよく、共通エンクロージャ18、コントローラ12、および/またはディスプレイの一部として提供される、もしくはそこに結合され得る。いくつかの事例では、制御要素は、有線および/または無線接続を介してシステムに結合される、独立型ユニットとして提供され得る。制御要素30は、コントローラ12と通信し、ディスプレイ14を調節する、治療パラメータを調節する、ディスプレイ14上に示される標的領域および/または安全領域のサイズおよび/または位置を調節する、および/または下でより詳細に説明されるように、他の機能を実施し得る。随意に、制御要素30は、ユーザが、マーキングまたはラインを描き、着目領域を識別またはドキュメント化することを可能にし得る(例えば、本明細書で議論される手技の間)。例えば、マーキングまたはラインは、制御要素が操作され、マーキングを描くにつれて、表示される画像上に作成され得る。随意に、制御要素30は、本明細書で議論される手技中、ユーザが、コントローラ12と相互作用し、および/またはそれを制御し、情報源(例えば、MRI画像および/または臨床/人工知能データベース)にアクセスすることを可能にし得、これは、手技品質を改良することに役立ち得る。例えば、情報源のアクセスは、制御要素が操作され、メニューアイテムをナビゲートするにつれて、本開示に説明されるメニューアイテムを用いて行われてもよい。いくつかの事例では、メニューアイテムは、制御要素が操作され、情報源にアクセスする(例えば、メニューアイテムを介して)につれて、表示される画像上でアクセスされ得る。
【0070】
針56は、針シャフト34から展開され、針56および随意のタイン57は、例えば、その全開示が参照することにより本明細書に組み込まれる、共同所有米国特許第8,992,427、8,206,300号および第8,262,574号で以前に説明されたように構築され得る、針構造をともに形成し得る。
【0071】
針構成要素26のハンドル部分27はさらに、生理食塩水または他の流体が、針シャフト34を通して、子宮等の治療されている組織中の標的領域の中へ注入されることを可能にする、流体注入ポート32を含み得る。針ハンドル27はまた、針スライド36と、針解放部38と、針56およびタイン57を展開するために使用されるタインスライド40とを含み得る。針スライド36は、前方にスライドされ、針56を前進させ得、後方にスライドされ、針56を後退させ得る。タインスライド40は、前方にスライドされ、タイン57を前進させ得、後方にスライドされ、タイン57を後退させ得る。いくつかの実施形態では、針56およびタイン57は、針57およびタイン57を作動させるように構成される、ハンドル部分27の本体内の1つ以上のサーボに結合され得、針56およびタイン57は、制御要素30および/またはコントローラ12を動作させることによって作動され得る。多くの実施形態では、針56は、タイン57が展開され得る前に、最初に展開されなければならない。撮像コード24は、以前に説明されたように、コントローラ12への接続のために撮像構成要素28のハンドル部分27の近位端において取り付け可能であり得る。
【0072】
撮像構成要素28は、ハンドル部分29と、撮像シャフト44とを備え得る。図3の破線で示されるように、撮像変換器20を下向きに偏向させるために、ハンドル部分29上の偏向レバー46を後退させ得る。針構成要素解放レバー48が、針構成要素26のハンドル部分27の底面上のフック52に係合する、一対のラッチ50に連結される。針構成要素26は、最初に、図3Aに示されるように、撮像シャフト44上のフック60の下の針シャフト34上の一対のウィング58(そのうちの1つだけが図3に示されている)を捕捉することによって、撮像構成要素28に解放可能に取り付けられ得る。次いで、フック52がラッチ50に係合して治療プローブ16の完全なアセンブリを形成するように、針ハンドル部分27の底面が、撮像ハンドル部分29の上面を覆って下げられてもよく、ハンドル部分はともに、手技で使用するために完全なハンドルを形成する。使用後、針構成要素解放レバー48は、ラッチ50からフック52を解放するために引かれてもよく、ハンドル部分27および29が分離されることを可能にする。
【0073】
使用時に、下でさらに詳細に説明されるように、制御要素30は、システム10のディスプレイ14上に投影された仮想治療領域のサイズを位置決めする(平行移動させる)、かつ調節することの両方のために使用され得る。制御要素30は、例えば、画像上の治療/安全領域の位置を平行移動させるために、前方(上)に押圧され、かつ後方(下)に押圧され得る。制御要素30は、左および/または右に押圧され、治療/安全領域の境界のサイズを調節し得る。例えば、制御要素30は、左に押圧され、境界を縮小させ得る一方、制御要素30は、右に押圧され、境界を拡大させ得る。治療/安全領域の仮想境界が、リアルタイム画像上に設定されると、針およびタインは、停止部によって推奨されるように、その移動がユーザによって止められるまで、針スライド36およびタインスライド40を移動させることによって、対応する展開位置に自動的に前進させられ得る。治療/安全領域の位置はまた、医師が標的組織内で治療プローブ16を保持する場所にも依存し得る。したがって、スライド36および40を使用した針56およびタイン57の前進は、針/タインの前進が完了するまで停止部が設定される時間から、治療プローブ位置が安定して保たれる場合のみ、標的組織内の針およびタインの適切な配置をもたらすであろう。
【0074】
好ましい実施形態では、制御要素30はまた、治療プロトコル中、送達の長さおよび/または電力を調節するように操作され得る。例えば、制御要素30は、異なる制御メニューを境界の調節のためのものから選択するように押圧され得、選択可能メニューのうちの1つは、上/下に押圧し、電力送達のための時間長を調節し、左/右に押圧し、送達される電力の量を調節すること等によって、電力送達パラメータが調節されることを可能にし得る。別のメニューは、針56およびタイン57が針構成要素26のハンドル構成要素27内の1つ以上のサーボを使用して関節運動される、実施形態におけるように、制御要素30を動作させることによって、針56およびタイン57を展開するためのメニューを備え得る。さらに別のメニューは、制御要素30がディスプレイ14上のカーソルを移動させることを可能にするように選択され得る。したがって、制御要素30は、タインが前進させられた程度だけでなく、標的組織に送達されているエネルギーの量にも基づいて、治療/安全領域を仮想的に定寸するために使用され得る。
【0075】
随意に、制御要素はまた、マーキングを行うように操作され得る(例えば、ディスプレイ上で)。例えば、本明細書に説明される手技または治療中、ユーザは、制御要素30を利用して、着目領域をマーキングし、識別し、および/またはドキュメント化し得る。マーキング、識別、および/またはドキュメント化は、いくつかの事例では、ディスプレイ14を用いて実装され得る。例えば、制御要素30は、(例えば、手技中、リアルタイムで)ディスプレイユニット上に表示される着目領域をマーキングするために利用され得る(例えば、ドット、ライン、形状、円形、多角形等を用いて)。行われたマーキングは、いくつかの事例では、さらなる使用のために、保存または記録され得る。随意に、マーキング、識別、またはドキュメント化は、上で実質的に説明されるように、別のメニューを選択することによって、制御要素によって実装され得る。代替として、マーキングは、下でさらに説明されるように、上で説明される所与のメニューを選択している間、制御ユニットによって実装されるように利用可能であり得る。
【0076】
随意に、制御要素はまた、情報源にアクセスするように操作され得る。情報源は、いくつかの事例では、本明細書に説明される手技を補助および/または改良するためにアクセスされ得る。情報源は、限定ではないが、磁気共鳴画像診断(MRI)画像、臨床データベース、および/または人工知能データベースを含み得る。例えば、本明細書に説明される手技または治療中、ユーザは、制御要素30を利用して、情報源にアクセスし得る。アクセスは、いくつかの事例では、ディスプレイ14上で実装され得る。例えば、制御要素30は、関連情報をディスプレイ14上に表示するために利用され得る、情報源にアクセスするために利用され得る。随意に、情報源のアクセスは、自動的または半自動的に、ディスプレイ上の情報を分析し、本明細書に説明される手技または治療を改良することに役立つ、アルゴリズムを実装し得る。随意に、情報源のアクセスは、上で実質的に説明されるように、別のメニューを選択することによって、制御要素によって実装され得る。代替として、情報源のアクセスは、下でさらに説明されるように、上で説明される所与のメニューを選択している間、制御ユニットによって実装されるように利用可能であり得る。
【0077】
いくつかの事例では、所与のメニューは、制御要素30が本明細書に説明される複数の機能性を提供するために提供(または選択)され得る。例えば、制御要素30は、機能性(例えば、仮想治療領域のサイズを位置決めし(平行移動させ)、調節する、治療プロトコルの間の送達の長さおよび/または電力を調節する、針およびタインを展開する、ディスプレイ上のカーソルを移動させる、マーキングを行う、情報源にアクセスする等)のうちの2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、またはそれを上回るものを単一メニュー内に提供し得る。例えば、制御要素30は、種々の機構(例えば、移動可能、回転可能、押下可能等)を備え得る。第1の機構は、第1の機能性を制御し得る一方、第2の機構は、第2の機能性を制御し得る。例えば、制御要素の移動は、仮想治療領域のサイズを位置決めおよび/または調節し得る一方、制御要素の回転は、治療プロトコルの間の送達の長さおよび/または電力を調節し得る。別の例として、制御要素の移動は、ディスプレイ上のカーソルの移動を可能にし得る一方、制御要素の押下は、制御要素がマーキングまたはラインを描き、着目領域を識別またはドキュメント化することを可能にし得る。
【0078】
図4は、治療プローブ16の針構成要素26の略図を示す。図4に示されるように、針構成要素26は、1つ以上の針位置センサ37と、1つ以上のタイン位置センサ41とを備え得る。針位置センサ37は、針展開シャフト34のハンドル端部部分に結合され得る。スライド36による針56の前進および後退は、それによって、針位置センサ37によって追跡されることができる。針位置センサ37は、針展開シャフト34のための位置信号を発生させ得、これは、治療コード22を通して、コントローラ12に送信され得、そこから、針56の位置が、決定されることができる。同様に、タイン位置センサ41は、針展開シャフト34内に配置されるタイン展開シャフトのハンドル端部部分に結合され得る。スライド40によるタイン57の前進および後退は、それによって、針位置センサ37によって追跡されることができる。タイン位置センサ41は、タイン展開シャフトのための位置信号を発生させ得、これは、治療コード22を通して、コントローラ12に送信され得、そこから、タイン56の位置が、決定されることができる。針位置センサ37およびタイン位置センサ41は、いくつか挙げると、線形エンコーダ、線形ポテンショメータ、磁気センサ、線形可変差動変圧器(LVDT)センサ、加減抵抗器センサ、またはパルスエンコーダ等の任意のタイプの位置センサを備え得る。針56および/またはタイン57の位置は、位置センサ37、41およびコントローラ12によってリアルタイムで追跡され得る。計算された治療および安全境界は、針56およびタイン57の位置が追跡されるにつれて、ディスプレイユニット14上で表示および調節され、随意に、移動させられる場合、更新され得る。代替として、または組み合わせて、針56およびタイン57は、加えて、針56およびタイン57に関する位置情報を提供し得る、1つ以上のサーボモータを使用して平行移動させられ得る。
【0079】
医師は、制御要素30を調節し、所望に応じて、視覚ディスプレイ14上に示されるべき治療/安全領域の境界を位置特定し得る。
【0080】
方法およびシステムの特定の利点は、制御要素30を操作する(前方/後方、左/右に押圧する)ことにより、リアルタイム画像に対して(またはリアルタイム画像内で)境界を移動させること、または腫瘍にわたって治療境界を得るために治療プローブ16全体を操作し、敏感な生体構造から離して安全境界を保つことにより、標的生体構造に対してリアルタイム画像全体を移動させることのいずれかによって、医師が標的生体構造にわたって治療/安全境界を操作できることである。したがって、医師は、任意の針を患者組織の中へ前進させる前に、仮想標的インターフェースを使用して、切除が効果的かつ安全であろうことを事前に確認することができる。
【0081】
ここで図5を参照すると、本発明のシステム10は、子宮壁UW(子宮内膜)の下にあり、漿膜壁SWによって包囲される、子宮U内の子宮筋層Mの中に位置する筋腫Fを治療するために使用することができる。治療プローブ16は、経膣的および経頸管的に(または代替として、腹腔鏡下で)子宮に導入することができ、撮像変換器20は、破線によって示される視野内で筋腫を撮像するために展開することができる。
【0082】
筋腫が図6Aに示されるようにディスプレイ14上に位置すると、ハンドル構成要素27上の制御要素30が、治療境界TBおよび安全境界SBの場所を特定し、定寸するために使用されることができる。最初に、図6Aに示されるように、仮想境界線TBおよびSBは、筋腫を覆って位置付けられても、筋腫を治療するように適切に定寸されてもいないこともあり、制御要素30は、図6Bに示されるように、中立位置に位置し得る。実際の針およびタイン展開に先立って、医師は、適切な治療のために境界TBおよびSBを位置付けるとともに、定寸することを所望するであろう。撮像変換器20がすでに子宮壁UWに対して位置付けられていると、治療および安全境界TBおよびSBを前進させる1つの方法は、図7Bに示されるように、制御要素30を矢印Uの方向に前方に押圧すること等によって、制御要素30を操作することによって、境界を前方に移動させることである。本操作は、治療および安全境界TBおよびSBを軸線ALに沿って前方に移動させ得る。本操作はまた、図7Aに示されるように仮想境界をリアルタイム画像ディスプレイ14上に生じさせ、筋腫の画像にわたって移動させ得る。治療および安全境界TBおよびSBが、後退される必要がある場合、制御要素30は、図7Bに示されるように、制御要素30を矢印Dの方向に後方に押圧すること等によって操作され得る。
【0083】
しかしながら、図7Aに示されるように、境界が筋腫の画像にわたって拡張しないため、治療境界TBのサイズは、筋腫を治療するためには不十分である場合がある。したがって、図8Bに示されるように、制御要素30を矢印R+の方向に右に押圧すること等によって、制御要素30を操作することによって、治療境界TBを拡大することが必要であり得る。これは、図8Aに示されるように、治療境界TBおよび安全境界SBの両方を拡大させ得る。ここで、拡大された仮想治療境界TBは、筋腫を治療するために十分であり得る、安全境界SBは、同様に図8Aに示されるように、漿膜壁SWにわたって拡張している。したがって、治療が、子宮を包囲する、より敏感な組織に影響を及ぼすであろう危険性があり、仮想安全境界SBが、図9Bに示されるように、制御要素30を矢印L-の方向に左に押圧すること等によって、再び、制御要素30を反対方向に操作することによって、後退される必要がある。この操作は、図9Aに示されるように、安全および治療境界SBおよびTBの両方のサイズを低減させ得、医師は、治療境界TBがリアルタイム画像ディスプレイ上の筋腫を完全に包囲するため、治療が効果的となり、安全境界SBがリアルタイム画像ディスプレイ上で子宮筋層M内に位置し、漿膜壁SWを横断しないため、治療が安全であろうという確証を有し得る。
【0084】
治療プローブ16を安定して保ちながら、次いで、医師は、図10Bに示されるように、針スライド36を前進させ、図10Aに示されるように、針56を筋腫Fの中へ拡張させる。図10Aの説明図は、患者の中に存在する物理的プローブに対応し得る、治療プローブ16の表現を含む。図10Aの残りの部分は、標的ディスプレイ14上に存在する画像に対応する。治療および安全境界TB、SBは、針56に関する仮想停止インジケータまたは基準142を決定し得る。標的ディスプレイ14は、針56、多くの場合、針56の先端に関する位置インジケータ140を含み得る。ある場合には、仮想停止インジケータまたは基準142の位置は、治療および安全境界TBおよびSBのサイズおよび位置と相関し得る。他の場合には、仮想停止インジケータまたは基準142の位置は、治療および安全境界TBおよびSBに対して独立して調節され得る。針56は、針位置インジケータ140が停止基準142に重複するまで前進させられ得る。多くの実施形態では、停止基準142は、重複が生じた後、針位置インジケータ140と「ロック」され得る。従来の治療プローブでは、針構造の前進は、機械的停止部を用いて中止され、これは、針構造が完全に前進させられ後、調節されることができない。本発明では、停止基準142は、針構造の停止のための仮想ガイドであって、針56が停止基準142の初期位置まで前進させられた後でも、さらに調節されることができる。
【0085】
標的ディスプレイ14は、図11Aに示されるように、タイン57、多くの場合、タイン56の先端に関する位置インジケータ144を含み得る。治療および安全境界TBおよびSBはまた、図10Aに示されるように、タイン57に関する複数の仮想停止インジケータまたは基準144を決定し得る。多くの実施形態では、タインの位置は、図11Bに示されるように、針位置センサ37から、標的ディスプレイ14上のタイン位置インジケータ143によって示されるために決定され得る。ある場合には、仮想停止インジケータまたは基準144の位置は、治療および安全境界TBおよびSBのサイズおよび位置と相関し得る。他の場合には、仮想停止インジケータまたは基準144の位置は、治療および安全境界TBおよびSBに対して独立して調節され得る。従来の治療プローブでは、複数のタインの前進は、機械的停止部を用いて中止され、これは、複数のタインが完全に前進させられた後、調節されることができない。本発明では、停止基準144は、複数のタインの停止のための仮想ガイドであって、複数のタイン57が停止基準144の初期位置まで前進させられた後でも、さらに調節されることができる。
【0086】
針位置インジケータ140と停止基準142の重複によって示されるように、針56が完全に展開された後、タイン57は、図11Bに示されるように、タイン位置インジケータ143がタインに関する停止基準144と重複するまで、タインスライド40を前進させることによって展開され得る。随意に、治療プローブ16は、中心軸の周囲で回転させられ(典型的には、針56の軸と整合させられ)、治療および安全境界TB、SBが筋腫を中心とする全ての視野の平面にあることを確認し得る。ディスプレイ14は、治療および安全境界TBおよびSBの位置を標的筋腫Fおよび漿膜壁SWに対してリアルタイムで示し得る。タインは、図11Aに示されるように構成され得、電力が、仮想治療境界TBによって描写される境界内で治療を達成するために、タイン57(および随意に針56)に供給されることができる。再度、図11Aは、ディスプレイ14上に存在するであろう仮想画像、ならびに治療プローブ16の物理的存在の両方を混合し得る。
【0087】
ここで図12Aから12Dを参照すると、コントローラ12は、画像ディスプレイ14上に基準およびマーカを表示するようにプログラムすることができ、基準およびマーカは、「仮想」針および/またはタイン上の特定の場所を表す。例えば、図12Aに示されるように、マーカ142は、針56上の所望の位置、例えば、それに対しておよびそこからタインが発散することが意図される、針56の先端が前進することが意図され得る場所を表し得る。追加のマーカ140が、提供され得、これは、針56の実際の先端をリアルタイムで表す。複数の追加のマーカ143が、図11Aに示されるように、タインの先端を表し得る。そのような基準またはマーカの使用は、実際の針56およびタイン57が正しく展開されていることを医師が確認することに役立ち得る。医師は、展開中に実際の針56およびタイン57のリアルタイム画像を観察することができるはずであり、関連先端は、針先端が、マーカ140と142の重複によって示されるように、マーカ142に到達し、タイン先端が、マーカ143と144(または代替として、下で説明されるように、図12B-12Dにおける代替標的146および148)の重複によって示されるように、マーカ144に衝打するまで移動するはずである。
【0088】
図12Bは、タイン57の先端を表す基準が、各タインの遠位先端の一連の可能性として考えられる位置を表す、弧146として描写されることを除いて、図12Aに類似する。そのような追加の情報は、治療の正確性および安全上の危険性の両方を決定するときに、医師にとって有用であり得る。図12Bに示されるように、各弧は、論理上の電極展開長に等しい半径を有する。図12Cに示されるように、弧148は全て、先端142に位置する起点から測定される、同一の半径を有する。最終的に、図12Dでは、図12Cの弧は、医師による使用のためにより明確な視覚的表現を提示することを意図している、連続弧に接合される。
【0089】
医師または他のユーザは、前の実施形態について説明されるように、制御要素30以外のインターフェースを使用して、ディスプレイ画面14上で治療境界TBおよび/または安全境界SBを仮想的に位置付け得る。例えば、治療および/または安全境界TBおよびSBは、キーボード、マウス、ローラボール、タッチスクリーン、音声起動、またはコンピュータおよび他のディスプレイとともに使用される任意の他の従来のインターフェースを使用して、子宮生体構造のリアルタイム画像を有するディスプレイ画面上に位置付けられ得る。仮想治療および/または安全境界TBおよびSBは、組織中のシャフトの画像を使用してシステムによって追跡することができる、針シャフト34の実際の位置に対して設定されるであろう。医師が仮想治療および/または安全境界TBおよびSBの配置に満足した後、次いで、医師は、システムコントローラ12が針構成要素筐体27内のセンサ37および41を通して前進を監視している間、針56を手動で前進させることができる。視覚、可聴、または他の手段を通して、システムは、針56が適切な距離だけ前進させられたときに医師に警告することができる。針を係止した後、次いで、ユーザは、コントローラ12がセンサ37および41を介してそれらの位置を監視し得る間、タイン57を手動で前進させることができる。システムは、再度、タイン57が仮想治療および/または安全境界TBおよびSBの制限内で適切な量だけ展開されたときに医師に警告し得る。次いで、システム12は、治療が開始し得ることを医師に警告することができる。
【0090】
図13は、本発明に従って組織を治療する方法1300を示す。本明細書に説明されるシステムおよびデバイスは、ステップとそのサブステップの任意の組み合わせを含む、方法1300を実装するために使用され得る。
【0091】
ステップ1301では、リアルタイムディスプレイ、例えば、上で説明されるディスプレイ14が、提供され得る。
【0092】
ステップ1306では、治療領域TRが、本明細書に説明されるように表示され得る。
【0093】
ステップ1311では、安全領域SRが、本明細書に説明されるように表示され得る。
【0094】
ステップ1316では、治療領域TRおよび安全領域SRが、標的組織と重複し得る。例えば、本重複は、図6Aに示されるように、治療プローブ16を子宮壁UWおよび標的筋腫Fに向かって前進させることによって達成され得る。
【0095】
ステップ1321では、針およびタインに関する標的基準が、ディスプレイ14上等に表示され得る。これらの標的基準は、図10A、11A、および12A-12Dに関して上で説明されるように、治療領域TRまたは安全領域SRのうちの1つ以上のもの内に位置付けられ得る。
【0096】
ステップ1331では、針が、図10Aに関して上で説明されるように、前進させられ、その個別の標的基準に合致し得る。合致されると、ユーザは、ディスプレイ上に示されるように、針のさらなる前進または後退が、それぞれ、標的基準も同様に前進または後退させるように、制御要素30または他のユーザインターフェースを動作させ、基準を示す針位置と針標的基準をロックし得る。このように、療法用標的面積は、針の位置と合致され、適宜、典型的には、リアルタイムで調節され得る。基準を示す針位置が、針標的基準とロックされると、治療領域TRおよび/または安全領域SRのサイズおよび/または位置も同様に、リアルタイムで調節され得る。
【0097】
ステップ1336では、タインが、前進させられ、図11Aに関して上で説明されるように、その個別の標的基準に合致し得る。基準を示す針位置が、針標的基準とロックされても、治療領域TRおよび/または安全領域SRのサイズおよび/または位置は、依然として、同様に調節され得る。
【0098】
ステップ1341では、治療領域TRの位置が、本明細書に説明されるように、制御要素30または他のユーザインターフェースを操作または動作させること等によって調節され得る。
【0099】
ステップ1346では、安全領域SRの位置が、本明細書に説明されるように、制御要素30または他のユーザインターフェースを操作または動作させること等によって調節され得る。
【0100】
ステップ1351では、治療領域TRのサイズが、本明細書に説明されるように、制御要素30または他のユーザインターフェースを操作または動作させること等によって調節され得る。
【0101】
ステップ1356では、安全領域SRのサイズが、本明細書に説明されるように、制御要素30または他のユーザインターフェースを操作または動作させること等によって調節され得る。
【0102】
ステップ1361では、標的組織が、治療領域TRおよび安全領域SRが所望に応じて定寸され、位置付けられ、針およびタインがその所望の位置まで位置付けられると、治療プローブ16を用いて等、アブレートされる。
【0103】
上記ステップは、多くの実施形態による、患者内の組織を治療する方法1300を示すが、当業者は、本明細書に説明される教示に基づいて、多くの変形例を認識するであろう。ステップは、異なる順序で完了され得る。ステップは、追加または削除され得る。ステップのいくつかは、サブステップを備え得る。ステップの多くは、治療に有益である回数だけ繰り返され得る。
【0104】
ここで図14を参照すると、本発明のシステムおよび方法は、治療プローブの針構成要素のハンドル構成要素内の位置センサの使用等、内部針追跡に依拠し得る。位置センサは、組織内の針およびタインのリアルタイム位置を追跡および/または決定し得る。次いで、安全かつ効果的な治療を達成することができるように、針が境界内に留まっているかどうかを決定するために、システムコントローラによってリアルタイムデータに依拠することができる。
【0105】
本発明の好ましい実施形態が、本明細書で示され、説明されているが、そのような実施形態は、一例のみとして提供されることが当業者に明白となるであろう。ここで、本発明から逸脱することなく、多数の変形例、変更、および置換が、当業者に想起されるであろう。本明細書で説明される本発明の実施形態の種々の代替案が、本発明を実践することにおいてに採用され得ることを理解されたい。下記の請求項が、本発明の範囲を画定し、これらの請求項およびそれらの均等物の範囲内の方法および構造が、それによって対象とされることが意図される。
図1
図2
図3
図3A
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2024-03-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイを作動させるための方法であって、前記方法は、
コントローラに接続された前記ディスプレイ上にリアルタイム画像を提供することと、
展開可能な治療構造を有するプローブを表示することと、
治療領域または安全領域のうちの少なくとも1つの画像を前記リアルタイム画像上に投影することと、
前記ディスプレイが、前記リアルタイム画像上で、前記治療領域または安全領域の前記投影された画像の投影された境界のサイズおよび位置の両方を調節することであって、前記投影された境界の前記サイズおよび位置の両方を調節することは、前記プローブのハンドル上の第1のユーザインターフェースのユーザ調節に基づき、前記第1のユーザインターフェースは、タッチパネル、タッチスクリーン、ジョイスティックまたは指向性パッドを備えており、前記投影された境界の前記サイズは、前記タッチパネル、タッチスクリーン、ジョイスティックまたは指向性パッドが第1の方向に作動させられ、前記投影された境界を拡大すること、または、前記タッチパネル、タッチスクリーン、ジョイスティックまたは指向性パッドが第2の方向に作動させられ、前記投影された境界を縮小することのうちの1つ以上によって調節され、前記投影された境界の前記位置は、前記タッチパネル、タッチスクリーン、ジョイスティックまたは指向性パッドが第3の方向に作動させられ、前記投影された境界を前進させること、または、前記タッチパネル、タッチスクリーン、ジョイスティックまたは指向性パッドが第4の方向に作動させられ、前記投影された境界を後退させることのうちの1つ以上によって調節される、ことと、
前記治療構造が前記プローブから展開されると、前記展開可能な治療構造の仮想表現を前記リアルタイム画像上に表示することと
を含み、
前記治療構造は、前記プローブの前記ハンドル上の第2のユーザインターフェースのユーザ作動によって、前記プローブから展開され、前記第2のユーザインターフェースを調節することによる前記プローブからの前記治療構造の展開は、前記投影された境界の前記サイズおよび位置を調節するための前記第1のユーザインターフェースの調節から独立している、方法。
【請求項2】
前記ディスプレイが、前記治療構造が展開された後、前記投影された境界の前記サイズまたは前記位置のうちの少なくとも1つを再調節することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記投影された境界の位置は、前記プローブを手動で再位置付けすることによって調節される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の方向は、前記第1の方向と反対である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ジョイスティックまたは指向性パッドは、前記投影された境界の前記サイズおよび位置が調節されているとき、前記プローブの前記ハンドルに対して静止したままである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第4の方向は、前記第3の方向と反対である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記プローブの前記ハンドル上の前記第2のユーザインターフェースは、前記治療構造に結合された1つ以上のスライダ機構を備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記治療構造は、針構造を備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記治療プローブは、前記針構造から前進可能な複数のタインをさらに備え、
前記複数のタインが展開されているとき、前記複数のタインのリアルタイム位置を検出することと、前記検出されたリアルタイム位置に応答して、前記複数のタインの仮想表現を前記リアルタイム画像上に表示することとをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記治療領域または前記安全領域のうちの前記少なくとも1つの前記画像を前記リアルタイム画像上に投影することは、前記複数のタインのための1つ以上の推奨されるタイン停止インジケータを前記リアルタイム画像上に投影することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記複数のタインの前記仮想表現が前記タイン停止インジケータと整合されるように前記複数のタインが前進させられた後、前記ディスプレイが、前記ハンドルの前記第1のユーザインターフェースの調節に基づいて前記推奨されるタイン停止インジケータの位置を調節することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記1つ以上の推奨されるタイン停止インジケータは、前記タインの1つ以上の推奨される停止位置に対応する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記複数のタインを前記リアルタイム画像上に表示することは、前記複数のタインのリアルタイム位置を検出することと、前記検出されたリアルタイム位置に応答して、前記複数のタインの仮想表現を表示することとを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のタインの前記仮想表現の位置をリアルタイムで更新することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記治療領域または前記安全領域のうちの前記少なくとも1つの前記画像を前記リアルタイム画像上に投影することは、前記治療構造のための1つ以上の停止位置基準を前記リアルタイム画像上に投影することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記治療構造を前記リアルタイム画像上に表示することは、前記治療構造のリアルタイム位置を検出することと、前記検出されたリアルタイム位置に応答して、前記治療構造の前記仮想表現を表示することとを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記治療構造の前記仮想表現の位置をリアルタイムで更新することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記治療構造の前記仮想表現が前記リアルタイム画像上で前記治療構造のための前記1つ以上の停止位置基準を満たすように前記治療構造が前進させられた後、前記ディスプレイが、前記ハンドルの前記第1のユーザインターフェースの調節に基づいて前記1つ以上の停止位置基準の位置を調節することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記治療構造の前記仮想表現が前記リアルタイム画像上で前記治療構造のための前記1つ以上の停止位置基準を満たすとき、視覚フィードバックを提供することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記治療構造の前記仮想表現が前記リアルタイム画像上で前記治療構造のための前記1つ以上の停止位置基準を満たすとき、聴覚フィードバックを提供することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記治療構造の前記仮想表現が前記リアルタイム画像上で前記治療構造のための前記1つ以上の停止位置基準を満たすとき、触覚フィードバックを提供することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記ハンドルには、機械的停止部が存在しない、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記ディスプレイは、前記第1のユーザインターフェースの作動に基づいてメニューを表示すること、前記第1のユーザインターフェースの作動に基づいてカーソルを描くこと、前記第1のユーザインターフェースの作動に基づいて前記カーソルを移動させること、前記第1のユーザインターフェースの作動に基づいて前記画面にマークを描くこと、または、前記第1のユーザインターフェースの作動に基づいて線を描くことを行うように構成される、請求項1に記載の方法。
【外国語明細書】