(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061768
(43)【公開日】2024-05-08
(54)【発明の名称】商品販売データ処理システム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20240426BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
G07G1/12 321L
G07G1/00 301D
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024033343
(22)【出願日】2024-03-05
(62)【分割の表示】P 2020050131の分割
【原出願日】2020-03-19
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】樋口 真吾
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 和希
(57)【要約】
【課題】客が端末を用いて商品登録を行う商品販売データ処理システムについて、会計の状況に応じて適切に稼働できるようにする。
【解決手段】客端末装置に対する精算移行指示に応じて、取引を特定する取引識別情報を含むコード情報を客端末装置にて表示させ、精算装置にて、表示されたコード情報を読み取り、精算装置にて、読み取られたコード情報に含まれる取引識別情報により特定される取引情報に基づく精算情報を取得し、一取引における商品登録から精算までを含む会計についての状況を示す会計状況情報を、客端末装置と精算装置の処理の経過に応じて更新し、読み取られたコード情報に含まれる取引識別情報の取引に対応する会計状況情報に基づき取得された精算情報を利用した精算処理の可否を判定するようにして商品販売データ処理システムを構成する。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
客の操作に応じて商品登録処理を行う客端末装置と、商品登録処理の結果に基づく精算情報を利用して客の操作に応じて精算処理を行う精算装置と、前記客端末装置により行われる商品登録処理の結果を示す取引情報を生成する取引管理装置とを有する商品販売データ処理システムであって、
前記客端末装置に対する精算移行指示に応じて、少なくとも取引を特定する取引識別情報を含むコード情報を前記客端末装置にて表示させるコード情報表示手段と、
前記精算装置にて、表示された前記コード情報を読み取る読取手段と、
前記精算装置にて、前記読取手段によって読み取られたコード情報に含まれる取引識別情報により特定される前記取引情報に基づいて前記取引管理装置が生成し、送信した精算情報を取得する精算情報取得手段と、
前記取引管理装置にて、一取引における商品登録から精算までを含む会計についての状況を示す会計状況情報を、前記客端末装置と前記精算装置の少なくとも一方の処理の経過に応じて更新するにあたり、前記取引情報に商品登録処理の結果が反映済みであって、かつ、精算移行指示後の商品の追加登録の宣言が行われてない第1状況を示す内容から、精算移行指示後の商品の追加登録の宣言が行われた第2状況を示す内容に更新する更新手段と、
前記精算装置にて、前記読取手段により読み取られたコード情報に含まれる取引識別情報により示される取引に対応する精算情報とともに前記精算情報取得手段が前記取引管理装置から取得した会計状況情報に基づいて、前記精算情報取得手段により取得された精算情報を利用した精算処理の可否を判定するにあたり、前記会計状況情報が前記第1状況を示している場合に精算処理が可能であると判定し、前記会計状況情報が前記第2状況を示している場合に精算処理が不可であると判定する精算可否判定手段と
を備える商品販売データ処理システム。
【請求項2】
前記精算装置にて、前記精算可否判定手段により精算処理が不可であると判定された場合に、精算が不可であることに対応する報知を行う報知手段を備える
請求項1に記載の商品販売データ処理システム。
【請求項3】
客の操作に応じて商品登録処理を行う客端末装置と、商品登録処理の結果に基づく精算情報を利用して客の操作に応じて精算処理を行う精算装置と、前記客端末装置により行われる商品登録処理の結果を示す取引情報を生成する取引管理装置とを有する商品販売データ処理システムであって、
前記客端末装置に対する精算移行指示に応じて、少なくとも取引を特定する取引識別情報を含むコード情報を前記客端末装置にて表示させるコード情報表示手段と、
前記精算装置にて、表示された前記コード情報を読み取る読取手段と、
前記精算装置にて、前記読取手段によって読み取られたコード情報に含まれる取引識別情報により特定される前記取引情報に基づいて前記取引管理装置が生成し、送信した精算情報を取得する精算情報取得手段と、
前記取引管理装置にて、一取引における商品登録から精算までを含む会計についての状況を示す会計状況情報を、前記客端末装置と前記精算装置の少なくとも一方の処理の経過に応じて更新するにあたり、前記取引情報に商品登録処理の結果が反映済みであって、かつ、精算移行指示後の商品の追加登録の宣言が行われてない第1状況を示す内容から、精算移行指示後の商品の追加登録の宣言が行われた第2状況を示す内容に更新する更新手段と、
前記取引管理装置にて、前記読取手段により読み取られたコード情報に含まれる取引識別情報により示される取引に対応する会計状況情報に基づいて、前記精算情報取得手段により取得された精算情報を利用した精算処理の可否を判定するにあたり、前記会計状況情報が前記第1状況を示している場合に精算処理が可能であると判定し、前記会計状況情報が前記第2状況を示している場合に精算処理が不可であると判定する精算可否判定手段と
を備える商品販売データ処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売データ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗における買い物においてスマートフォン等を用いて客が商品の登録を行うようにされたセルフ登録システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように客が端末を用いて商品登録を行う商品販売データ処理システムでは、基本的には店員が介在することなく、客が商品登録から精算までの会計に関する操作を行う。このため、商品販売データ処理システムとしては、会計の状況に応じて適切に稼働されることが求められる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、客が端末を用いて商品登録を行う商品販売データ処理システムについて、会計の状況に応じて適切に稼働されるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するための本発明の一態様は、客が利用する客端末装置が商品登録処理を行い、商品登録処理の結果に基づく精算情報を利用して客の操作に応じて精算装置が精算処理を行う商品販売データ処理システムであって、前記客端末装置に対する精算移行指示に応じて、少なくとも取引を特定する取引識別情報を含むコード情報を前記客端末装置にて表示させるコード情報表示手段と、前記精算装置にて、表示された前記コード情報を読み取る読取手段と、前記精算装置にて、前記読取手段によって読み取られたコード情報に含まれる取引識別情報により特定される取引情報に基づく精算情報を取得する精算情報取得手段と、一取引における商品登録から精算までを含む会計についての状況を示す会計状況情報を、前記客端末装置と前記精算装置の少なくとも一方の処理の経過に応じて更新する更新手段と、前記読取手段により読み取られたコード情報に含まれる取引識別情報により示される取引に対応する会計状況情報に基づいて、前記精算情報取得手段により取得された精算情報を利用した精算処理の可否を判定する精算可否判定手段とを備える商品販売データ処理システムである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態におけるショッピングシステムの構成例を示す図である。
【
図2】第1実施形態における精算装置の設置例を示す図である。
【
図3】第1実施形態における精算装置の外観例を示す図である。
【
図4】第1実施形態における精算装置の構成例を示す図である。
【
図5】第1実施形態における客端末装置の構成例を示す図である。
【
図6】第1実施形態における取引管理装置の構成例を示す図である。
【
図7】第1実施形態における顧客情報、店舗情報、カート情報の一例を示す図である。
【
図8】第1実施形態における客端末装置、精算装置、取引管理装置が、一取引の会計に対応して実行する処理手順例を示すシーケンス図である。
【
図9】第1実施形態における、起動画面、商品登録初期画面、商品登録更新画面、コード表示画面の一例を示す図である。
【
図10】第1実施形態における客側表示部にて行われる小計金額の表示、保留商品を報知する表示の一例を示す図である。
【
図11】客端末装置が商品登録情報を一括送信する場合に行われる不正に応じて、客端末装置、精算装置、取引管理装置が実行する手順例を示すフローチャートである。
【
図12】第2実施形態における会計状況の定義例を示す図である。
【
図13】第2実施形態における客端末装置、精算装置、取引管理装置が客端末対応会計に対応して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【
図14】第2実施形態における精算案内報知の態様例を示す図である。
【
図15】第2実施形態における精算不可対応報知の態様例を示す図である。
【
図16】第2実施形態における精算不可対応報知の態様例を示す図である。
【
図17】第2実施形態における精算不可対応報知の態様例を示す図である。
【
図18】第2実施形態における精算不可対応報知の態様例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<第1実施形態>
[ショッピングシステムの構成例]
図1は、本実施形態のショッピングシステム(商品販売データ処理システムの一例)の構成例を示している。同図のショッピンシステムは、例えば、客が購入対象の商品を商品棚から取り出しながら、取りだした商品の登録を、客端末装置50を用いて行い、登録された商品の精算についても、同じ客が精算装置40を用いて行うようにされた会計(客端末対応会計)に対応する。ここでの会計は、商品の登録と、登録された商品の精算とを含み、一取引に対応して行われる手順をいう。
本実施形態のショッピングシステムは、管理装置10、取引管理装置60、精算装置40、客端末装置50、及びクレジットカード決済サーバ70を含む。
【0009】
管理装置10、精算装置40は、店舗内に設置されるものであり、LAN19(有線でも無線でもよい)を介して通信可能に接続されている。管理装置10は、店員が店舗管理等に用いる業務用の端末であり、取引管理装置60と通信可能である。なお、
図1において、4台の精算装置40を図示したが、1店舗内の精算装置40の数については、特に限定されない。
【0010】
客端末装置50は、顧客(当該店舗の会員である買物客等、以下、単に客とも記載する)によって操作されるものである。客端末装置50は、一般的な、通信機能や撮像機能(カメラ)に加えて、商品に付されるバーコードをスキャンして商品コードを読み取る、つまり商品に付されるバーコードを認識する認識機能を備える。なお、客端末装置50が備える認識機能は、商品コードを読み取ることができるものであればよく、読み取った商品コードがいずれの商品の商品コードであるかを認識できるものでなくてもよい。つまり、客端末装置50は、撮像機能によって撮像されている撮像画像(スルー画像として取得している画像)内にオブジェクトとしてバーコードが存在する場合に、当該バーコードから商品コードを読み取ることができるようになっていればよい。
このような客端末装置50は、顧客が所有するスマートフォンやタブレット端末等であってよい。客端末装置50としてのスマートフォンやタブレット端末等には、本実施形態のショッピングシステムに対応して商品登録を行う機能を有するショッピングアプリケーションがインストールされる。
【0011】
なお、客端末装置50は、上記のように顧客が所有するものに代えて、店舗側が貸与するものであってもよい。店舗側が貸与する客端末装置50の場合には、例えば、ショッピングカートに取り付けられたうえで顧客が操作するようにされたものとして提供されてよい。
【0012】
また、客端末装置50は、商品(例えばバーコードの付された周辺部分)を撮像し(例えばシャッターを切り)、撮像画像(画像データ)を生成する。客端末装置50は、操作者である顧客の操作に従ってシャッターを切る撮像であってもよいが、本実施形態では、客端末装置50自身の判断によりシャッターを切る撮像であることが好ましい。
【0013】
また、客端末装置50は、画像(スルー画像、撮像画像)から特徴点を抽出し、撮像対象(オブジェクト等)を認識する画像認識技術を備えていてもよい。例えば、客端末装置50は、画像認識技術を用いて、撮像した商品を特定(推定)してもよい。
【0014】
精算装置40は、精算方法として少なくとも現金による支払いが可能な精算装置である。精算装置40は、取引管理装置60と通信可能に構成される。なお、精算装置40は、例えば管理装置10の中継を介することにより、取引管理装置60と通信可能なようにされてもよい。
【0015】
取引管理装置60は、本実施形態のショッピングシステムに対応して行われる取引を管理する。
【0016】
クレジットカード決済サーバ70は、精算装置40、客端末装置50等からのクレジットカード決済要求の送信に応じて、クレジットカードに対応する決済処理を実行する。
【0017】
[精算装置について]
図2は、精算装置40の設置例を示す図である。
図2(A)は、精算装置40等を客側から見た斜視図である。
図2(B)は、精算装置40等を店員側から見た斜視図である。
図2(A)に示すように客側から見て精算装置40の右側にカウンタが置かれている。
【0018】
図3は、精算装置40の外観例を示す図である。
図3(A)は、精算装置40を客側から見た斜視図である。
図3(B)は、精算装置40を店員側から見た斜視図である。
図4は、精算装置40の構成例を示す図である。
図3及び
図4において、同一部分には同一符号を付している。
【0019】
以下、
図3を参照しつつ、
図4に示した精算装置40の構成例を説明する。精算装置40は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、ハードディスク404と、客側表示部405と、客側スキャナ部406と、カード決済部408と、釣銭機409と、店員側表示部410と、キー操作部411と、店員側スキャナ部412と、印刷部413と、音声出力部414と、通信部415とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
【0020】
CPU401は、中央演算処理装置であり、ROM402に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、精算装置40の動作を制御する。
ROM402は、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPU401が利用する各種の情報を記憶する。
【0021】
RAM403は、読み出し書き込みメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM403は、ROM402やハードディスク404から読み出した情報、外部から取得した情報、処理において生成した情報等を記憶する。
【0022】
ハードディスク404は、種々の情報を記憶する。ハードディスク404は、例えば、ROM402に代えて、CPU401が実行するプログラム等を記憶してもよい。また、RAM403に代えて、ROM402から読み出した情報、外部から取得した情報、処理において生成した情報等を記憶してもよい。
【0023】
客側表示部405は、客用のタッチディスプレイであり、客に種々の情報を表示するとともに、客から種々の入力を受け付ける。
客側スキャナ部406は、客用のスキャナ部であり、例えば、商品に付されているバーコードをスキャンし、商品コードを読み取る。また、客側スキャナ部406は、お会計券(登録商標)に印刷されているコード(バーコード、2次元コード等)をスキャンし、精算に必要な情報を読み取ってもよい。また、客側スキャナ部406は、客端末装置50の表示部に表示されるコード(2次元コード等)をスキャンし、精算に必要な情報を読み取ってもよい。
【0024】
なお、客側スキャナ部406は、客が商品を登録する際に用いられるが、客は他の方法によって商品を登録してもよい。例えば、客側表示部405に、商品に対応するプリセットキー(商品を注文するボタン)が表示されている場合、客は、当該プリセットキーを操作(押下)し、商品を登録してもよい。
【0025】
カード決済部408は、各種カード(クレジットカード、交通系カード等のプリペイドカード等)による決済機構である。本実施形態のカード決済部408は、カード認識部(読取部)や表示部や操作部を備えるが、少なくとも、カード認識部を備えるものであればよい。なお、カード認識部は、直接的には決済(精算)に使用しない各種カード(例えば、会員カード、ポイントカード等)を認識してもよい。
【0026】
釣銭機409(現金決済部)は、現金による決済機構であり、紙幣や硬貨の投入口、紙幣や硬貨の排出口を有し、投入口への投入金額を算出し、投入金額と買上金額の差分である釣銭金額を算出し、釣り銭を排出口から排出する。なお、当該釣銭機409は、客側に向けられており、客が操作するものである。なお、紙幣や硬貨が投入口に投入された場合にはセンサによって検出(投入があった旨の検出、金種別の枚数の検出等)される。
【0027】
つまり、釣銭機409は、精算装置40において、登録された商品の代金を現金(貨幣)にて決済するときに使用される。釣銭機409は、紙幣を投入するための紙幣投入口、硬貨を投入するための硬貨投入口、紙幣を放出するための紙幣放出口、硬貨を放出するための硬貨放出口、投入又は放出される貨幣を計数する計数部、投入口又は放出口と収納部の間の貨幣の搬送機構、上述したセンサなどを有する。なお、紙幣投入口及び硬貨投入口は、預り金投入口とも称される。紙幣放出口及び硬貨放出口は、釣銭放出口とも称される。なお、紙幣投入口と紙幣放出口は共通であってもよく、また、硬貨投入口と硬貨放出口は共通であってもよい。
【0028】
また、釣銭機409は、閉店処理時に補充された貨幣を計数し、収納部に収納する。また、釣銭機409は、閉店処理時に出金する貨幣を計数し、釣銭放出口から放出する。閉店処理とは、閉店後や開店前などに釣銭機409内に収納されている金額(現金在高/現金在高)を基準金額に調整する処理である。
【0029】
店員側表示部410は、店員用のタッチディスプレイであり、店員に種々の情報を表示するとともに、店員から種々の入力を受け付ける。
キー操作部411は、各種のキー(ボタン)から構成され、店員から種々の入力を受け付ける。
店員側スキャナ部412は、店員用のスキャナ部であり、例えば、商品に付されているバーコードをスキャンし、商品コードを読み取る。また、店員側スキャナ部412は、店員の名札に付されたバーコード等をスキャンし、店員コードを読み取る。
【0030】
なお、店員側スキャナ部412は、店員が商品を登録する際に用いられるが、店員は他の方法によって商品を登録してもよい。例えば、キー操作部411に、商品に対応するキー(例えば、スポーツ新聞に対応するキー等)が配置されている場合、店員は、当該キーを操作(押下)し、当該商品を登録してもよい。また、店員側表示部410に、商品に対応するプリセットキーが表示されている場合、店員は、当該プリセットキーを操作し、当該商品を登録してもよい。
【0031】
印刷部413は、各種媒体(レシート、お会計券等)を印刷、発行する。印刷部413は、店員側から客側、客側から店員側に向き(媒体発行口の方向)を回転自在に変更である。印刷部413の向きは、手動で変更してもよいし、例えば後述の動作モードの移行(切替)に応じて自動的に変更(メカ的に制御等)してもよい。なお、印刷部413の向きの正誤をセンサなどで検出してもよい。
【0032】
音声出力部414は、音声を出力する。例えば、音声出力部414は、音声ガイダンス等を出力する。
通信部415は、他装置(他の精算装置40や管理装置10)との通信を実行する。
【0033】
なお、本実施形態の精算装置40は、稼働モードとして、客端末対応会計のもとでの精算処理を行うように設定される客端末対応精算モードと、それぞれ異なる3パターンの会計(商品登録、精算)に対応する3つの会計モード(第1~第3会計モード)との、計4つの稼働モードの間で切り替えが可能とされている。
第1会計モードは、店員が精算装置40に対して商品登録操作と精算とに対応する操作とを行うようにされる稼働モードである。第2会計モードは、店員が精算装置40に対して商品登録操作を行い、客が同じ精算装置40に対して精算に対応する操作を行うようにされる稼働モードである。第3会計モードは、客が商品登録操作と精算に対応する操作とを精算装置40に対して行うようにされる稼働モードである。
これにより、本実施形態のショッピングシステムを導入した店舗では、複数の精算装置40のうちの一部について、客端末対応精算モードを設定することにより、客端末対応精算に対応し、他の精算装置40については、例えば第1会計モードもしくは第2会計モードを設定することにより、店員が客と応対して会計を行うようにすることができる。なお、他の精算装置40において第3会計モードが設定されたものが含まれていてもよい。
【0034】
[客端末装置の構成例]
図5は、客端末装置50の構成例を示している。同図の客端末装置50は、CPU501、記憶部502、RAM503、表示部504、操作部505、撮像部506、及びネットワーク対応通信部507を備える。
CPU501は、中央演算処理装置であり、記憶部502に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、客端末装置50の動作を制御する。
記憶部502は、CPU501の補助記憶装置であって、プログラムをはじめとしてCPU501が利用する各種の情報を記憶する。
RAM503は、CPU501の主記憶装置である。
表示部504は、CPU501の表示制御に応じて画像を表示する。表示部504は、画面に対する操作が可能なタッチパネルとして構成されてよい。
操作部505は、客端末装置50に備えられる各種操作子や客端末装置50に接続される各種の入力デバイスなどを一括して示す。
撮像部506は、CPU401の制御に応じて撮像を行う。また、本実施形態の撮像部506は、2次元コードを処理するコードリーダにおいて2次元コードを読み取る部位としても機能させることができる。
ネットワーク対応通信部507は、無線によりネットワーク経由で通信を行う部位である。ネットワーク対応通信部507により、客端末装置50は、取引管理装置60と通信可能となる。
【0035】
[取引管理装置の構成例]
図6は、取引管理装置60の構成例を示している。同図の取引管理装置60は、CPU601、記憶部602、RAM603、及びネットワーク対応通信部604を備える。
CPU601は、中央演算処理装置であり、記憶部602に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、取引管理装置60の動作を制御する。
記憶部602は、CPU561の補助記憶装置であって、プログラムをはじめとしてCPU501が利用する各種の情報を記憶する。
RAM603は、CPU601の主記憶装置である。
ネットワーク対応通信部604は、ネットワーク経由で通信を行う部位である。
【0036】
取引管理装置60の記憶部602は、顧客情報、店舗情報、商品情報、カート情報を記憶する。
【0037】
[取引管理装置が記憶する情報について]
記憶部602が記憶する顧客情報は、個々の顧客を管理するための情報である。取引管理装置60は、顧客登録時に顧客情報を生成する(ある顧客の顧客情報が記憶されることを以って当該顧客の顧客登録がなされたと解してもよい)。また、取引管理装置60は、カート情報等に基づいて、顧客情報を適宜更新する。取引管理装置60は、例えば毎日所定時刻にカート情報を参照し、顧客情報を更新してもよい。
【0038】
図7(A)は、取引管理装置60の記憶部602が記憶する顧客情報の一例を示している。同図の顧客情報は、顧客識別情報、顧客名、顧客登録日、キャンセル情報、顧客ランク、ポイント数等を含む。
顧客識別情報は、顧客を一意に識別する識別情報である。
なお、顧客識別情報は、例えば本実施形態のショッピングアプリケーションがインストールされる際に、インストールされたショッピングアプリケーションごとに固有に割り当てられるアプリケーション識別情報であってもよい。アプリケーション識別情報は、例えばインストールされたショッピングアプリケーションごとに固有に(例えば、シーケンシャルに)付される番号であってよい。あるいは、アプリケーション識別情報は、ショッピングアプリケーションがインストールされた客端末装置50に固有の端末識別情報であってもよい。端末識別情報は、例えば客端末装置50のユーザである客に割り当てられた電話番号や、MAC(Media Access Control)アドレス等のように客端末装置50のハードウェアに固有となるように付されるハードウェア識別情報であってよい。
顧客名は、顧客の氏名やニックネームなどである。顧客登録日は、顧客登録した日時である。キャンセル情報は、登録後における登録商品のキャンセルに関する情報である。顧客ランクは、顧客の購入実績に応じたランクである。なお、新規の顧客の顧客情報の生成時には、顧客識別情報、顧客名、顧客登録日は生成されるが、実際の取引(商品登録)の開始前であるため、他の情報(キャンセル情報等)は生成されない。
【0039】
取引管理装置60は、例えば、顧客登録の際(例えば、客端末装置50が外部(例えば、アプリケーション全般を提供する所定のサーバ、当該取引管理装置60)から取引管理装置60によるショッピングサービスを利用するためショッピングアプリケーションをダウンロード又はインストールする際)に顧客識別情報を生成し、記憶する。また、取引管理装置60は、例えば、顧客登録の際に、客端末装置50を用いて、登録フォーム(入力フォーム)の氏名欄に入力された情報を取得し、顧客名として記憶する。また、取引管理装置60は、例えば、顧客登録の際の現在日時を取得し、顧客登録日として記憶する。
【0040】
なお、取引管理装置60は、自装置内の記憶部に顧客情報を記憶することに代えて又は加えて他の装置(取引管理装置60がアクセス可能なファイルサーバ等)に顧客情報の一部または全部を記憶してもよい。
【0041】
図7(B)は、取引管理装置60の記憶部602が記憶する店舗情報の一例を示している。同図の店舗情報は、店舗識別情報、店舗名(支店名)、店舗特定情報1、店舗特定情報2を含む。
店舗識別情報は、店舗を一意に識別する識別情報である。
図7(B)に示した店舗識別情報は、店(屋号)もしくは企業のコードと、支店のコードとから構成される。
店舗名は、店舗の名称である。
図7(B)に示した店舗名は、店(屋号)もしくは企業と、支店名とから構成される。
店舗特定情報1は、取引する店舗(商品の売買が行われる店舗)を特定するための2次元コード(QRコード(登録商標)等)の情報である。
店舗特定情報2は、取引する店舗を特定するための店舗の位置情報(GPS情報)である。
なお、
図7(B)に示した例では、店舗識別情報と店舗特定情報1とは異なるが、店舗識別情報と店舗特定情報1とは同一であってもよい。
【0042】
なお、取引管理装置60は、外部(各店舗を統括する本部のサーバ(不図示)等)から店舗情報等を取得し、記憶してもよい。また、取引管理装置60は、自装置内の記憶部に店舗情報を記憶することに代えて又は加えて他の装置(取引管理装置60がアクセス可能なファイルサーバ等)に店舗情報の一部または全部を記憶してもよい。
【0043】
商品情報は、例えば店舗の管理装置10から取得した情報であり、店舗にて販売する商品についての情報である。1つの商品の商品情報には、商品コード(商品識別子)、商品名、価格等の情報が含まれる。
【0044】
カート情報は、個々の取引を管理するための情報である。取引管理装置60は、取引の開始時にカート情報を生成する。また、取引管理装置60は、取引の進行にあわせて(商品が登録される度に)、カート情報を更新する(カート情報に商品が記憶されることを以って当該商品の登録がなされたと解してもよい)。
【0045】
図7(C)は、取引管理装置60の記憶部602が記憶するカート情報の一例である。
同図のカート情報は、カート識別情報、取引開始日時、取引終了日時、顧客識別情報、登録商品情報、保留商品情報、キャンセル情報等を含む。
【0046】
なお、会計状況情報は、後述する第2実施形態に対応する情報であることから、ここでの説明を省略する。
【0047】
カート識別情報は、カート情報を一意に識別する識別情報である。例えば、カート識別情報は、店舗識別情報と、日付と、シリアル番号(例えば店舗別日付別のシリアル番号)とを含む。
取引開始日時は、取引の開始日時である。取引開始日時は、例えば、当該カート情報の生成日時であってよい。なお、取引開始日時は、1品目の商品の登録日時(
図7(C)中の登録商品情報(登録商品1)を記憶した日時)としてもよい。カート情報の生成日時と1品目の商品の登録日時とを別々に両方記憶してもよい。
【0048】
取引終了日時は、取引の終了日時である。例えば、取引開始日時は、精算日時であってよい。顧客識別情報は、当該取引の顧客を識別する顧客識別情報である。なお、カート情報の生成時には、カート識別情報、取引開始日時、顧客識別情報は生成されるが、実際の取引(商品登録)の開始前であるため、他の情報(取引終了日時等)は生成されない。精算日時は、精算開始日時であってもよいし、精算終了日時であってもよい。取引終了日時として、精算開始日時と精算終了日時とを別々に両方記憶してもよい。
【0049】
登録商品情報(計)は、商品が登録されるごとに更新される情報である。登録商品情報(計)は、品数(商品数)、概算小計金額(例えば値引き等が反映される前の小計金額)、小計金額等を含む。登録商品情報(登録商品1)は、1品目の商品の登録情報である。登録商品情報(登録商品2)は、2品目の商品の登録情報である。なお、
図7(C)に示す例では、登録商品情報(登録商品3)~登録商品情報(登録商品5)の図示を省略している。登録商品情報(登録商品N;Nは整数)は、商品コード、品名(商品名)、価格等を含む。
【0050】
登録商品情報(登録商品N)は、当該N品目の商品の登録日時を含むものであってもよい。つまり、取引管理装置60は、登録商品情報として、当該登録商品の登録日時を記憶してもよい。各商品の登録日時は、タイムサービス等のサービス適用の要否や適用後の効果の判断材料としても用いてもよい。
【0051】
保留商品情報(計)は、保留商品(後述)が登録されるごとに更新される情報である。保留商品情報(計)は、保留商品の品数(商品数)、保留商品のうちのNON-PLU(「NO-FILE」とも称する)の品数、保留商品のうちの読取NG(要不正操作確認)の品数等を含む。
【0052】
NON-PLUとは、店舗においてバーコードもしくは商品コードのスキャンは成功したが(商品コードを読み取ることができたが)、商品コードが商品情報に記憶されていない、商品(商品情報未登録の商品)を示す。
なお、本願の明細書、図面等における「NON-PLU」、「NO-FILE」、「NONファイル」等の記載は、いずれも上記のような商品情報未登録の商品を示す。
【0053】
読取NGとは、店舗において商品コードのスキャンが失敗したこと(商品コードを読み取ることができなかったこと)、又は、店舗において商品コードのスキャンが失敗した商品のことである。つまり、読取NGとは、例えば画像認識技術により一定時間商品を撮像しているがバーコード認識に至らない場合を判別できる場合にタイムアウト処理すること、タイムアウト処理された商品である。例えば、パッケージのシワ等やバーコード印字のカスレや汚れにより正しくバーコードを取得(認識)できない場合に読取NGと判断される。また、バーコードを読んだフリしてカゴへ投入する不正操作を検出した場合にも読取NGと判断される。なお、客端末装置50は、センサ(例えば、ジャイロセンサや加速度センサや距離センサ等)を備え、当該客端末装置50がバーコード読取中(具体的には、バーコードの読み取りのため、当該客端末装置50が傾けられている状況であり、かつ、当該客端末装置50一定距離先に物品(商品)が存在している状況)を検出可能である。そして、所定時間内にバーコードが読み取れなかった場合(バーコード読取中が所定時間継続したがバーコードを読み取れなかった場合)は、タイムアウト処理として、保留商品(読取NG)としている。
【0054】
保留商品情報(保留商品1)は、1品目の保留商品の情報である。保留商品情報(保留商品2)は、2品目の保留商品の情報である。保留商品情報(保留商品3)は、3品目の保留商品の情報である。
【0055】
保留商品情報(保留商品N;Nは整数)は、保留商品種別(当該保留商品がNON-PLUであるか読取NGであるかを示す情報)を含む。また、保留商品情報(保留商品N)は、保留商品種別がNON-PLUである場合には、商品コード含む。また、保留商品情報(保留商品N)は、保留商品種別が読取NGである場合には、読取NG時に撮像された画像データを含む。
例えば、N品目の商品がNON-PLUによる保留商品である場合には、保留商品情報(保留商品N)は、保留商品種別「1(NON-PLU)」、商品コードを含む。また、N品目の商品が読取NGの保留商品である場合には、保留商品情報(保留商品N)は、保留商品種別「2(読取NG)」、画像データを含む。
【0056】
なお、取引管理装置60は、自装置内の記憶部にカート情報を記憶することに代えて又は加えて他の装置(取引管理装置60がアクセス可能なファイルサーバ等)にカート情報の一部または全部を記憶してもよい。
【0057】
[客端末対応会計に対応する処理手順例]
図8のシーケンス図は、客端末装置50、精算装置40、及び取引管理装置60が、一取引の客端末対応会計に対応して実行する処理手順例を示している。
具体的には、
図8は、ある店舗に、ある顧客が来店し、当該店舗に陳列されている商品を登録し、登録した商品の精算が完了するまでにおける、当該顧客の客端末装置50、当該店舗に設置された精算装置40、データセンタ等の外部に設置された取引管理装置60の夫々の処理の一例を示したものである。
【0058】
ステップS1:客端末装置50は、店舗を特定する情報(店舗特定情報)を取得する。例えば、店舗の入口付近に当該店舗を特定するための2次元コードを表示(2次元コードを表示画面に出力、2次元コードを印刷した媒体を貼付等)しておき、来店した顧客が、客端末装置50で2次元コードをスキャンする(読み取る)ことにより、客端末装置50は店舗特定情報を取得してもよい。なお、来店した顧客がショッピングアプリケーションを起動させると、起動画面として2次元コードのスキャンを該顧客に指示する画面を表示するようにしてもよいし、来店した顧客が客端末装置50で2次元コードをスキャンすると、ショッピングアプリケーションが起動し、起動画面として取引管理装置60に接続中である旨を該顧客に報知する画面を表示するようにしてもよい。
【0059】
また例えば、店舗は所在地で特定されるため、来店した顧客が、店舗において客端末装置50で位置情報(GPS情報)を取得してもよい(すなわち、店舗特定情報として当該店舗の位置情報を取得してもよい)。なお、来店した顧客がショッピングアプリケーションを起動させると、位置情報を取得し、起動画面として取引管理装置60に接続中である旨を該顧客に報知する画面を表示するようにしてもよい。位置情報から複数店舗が検出され1つに特定できない場合には、選択画面を表示し顧客に選択させるようにしてもよい。もしくは強制的に2次元コードを取得させるモードに切り替えてもよい。
【0060】
図9(A)は、客端末装置50の表示部504にて表示される、ショッピングアプリケーションの起動画面の一例を示している。同図の起動画面においては、店舗名が表示されている。この店舗名は、当該ステップS1により取得された店舗特定情報に基づいて表示されたものである。
客は、買い物のために商品登録を開始させる場合には、起動画面において配置される取引開始指示ボタンBT10を操作する。
取引開始指示ボタンBT10が操作されたことに応じて、客端末装置50は、取得された店舗特定情報と顧客識別情報とを含む取引開始要求を取引管理装置60に送信する。取引開始要求は、上記のように客端末装置50に対する客の操作に応じて送信されてもよいし、特に操作を受け付けることなく、店舗特定情報が取得されたことに応じて送信が実行されるようにしてもよい。
顧客識別情報については、顧客登録の際(客端末装置50にショッピングアプリケーションをダウンロード又はインストールする際)に、客端末装置50を用いて登録フォームの氏名欄に入力された情報が取引管理装置60の顧客情報に記憶されてよいが、取引管理装置60に加え、客端末装置50の記憶部にも記憶しておいてもよい。なお、店舗が特定された場合には(後述する商品登録初期画面を取得したときには)、当該店舗の店舗名や実施中のサービス(その日に配布されているチラシ情報)、利用可能なクーポン情報を画面(商品登録初期画面又は商品登録初期画面とは別の画面)に表示してもよい。なお、サービスやクーポンの情報は、例えば画面情報として取引管理装置60から取得してもよい。
【0061】
また、送信先の情報(取引管理装置60のアドレス)についても、顧客登録の際(客端末装置50にショッピングアプリケーションをダウンロード又はインストールする際)に取得し、客端末装置50の記憶部に記憶しておいてもよい。なお、2次元コードをスキャンする態様とする場合には、店舗特定情報に加え、送信先の情報についても2次元コード化しておき、客端末装置50で2次元コードをスキャンすることにより、客端末装置50は店舗特定情報とともに送信先の情報も取得してもよい。
【0062】
ステップS2:客端末装置50から取引開始要求として顧客識別情報及び店舗特定情報を受信した取引管理装置60は、当該取引のカート情報を生成する。なお、カート情報は、生成された初期状態では、カート識別情報、取引開始日時、顧客識別情報は格納されるが、実際の取引(商品登録)の開始前であるため、他の情報(取引終了日時、商品情報(登録商品情報、保留商品情報)等)は格納されていない。
【0063】
取引管理装置60は、上述したように、
図7(B)に示したような店舗情報を記憶しているため、客端末装置50から取引開始要求として店舗特定情報を受信(顧客識別情報も受信するが)した場合、受信した店舗特定情報が2次元コードであった場合には、店舗特定情報1を参照して店舗識別情報を取得し、受信した店舗特定情報が位置情報(GPS情報)であった場合には店舗特定情報2を参照して店舗識別情報を取得する。なお、取引管理装置60は、客端末装置50から受信した店舗特定情報が店舗識別情報を2次元コード化したものであった場合には、そのまま取得すればよい。
【0064】
つまり、客端末装置50から取引開始要求として顧客識別情報及び店舗特定情報を受信した取引管理装置60は、客端末装置50から受信した店舗特定情報から店舗識別情報を取得し、さらに、現在日付を取得し、シリアル番号を発行(採番)し、店舗識別情報と現在日付とシリアル番号とを結合させて、カート情報内のカート識別情報として記憶する。また、客端末装置50から取引開始要求として店舗特定情報や顧客識別情報を受信した取引管理装置60は、現在日時を取得し、カート情報内の取引開始日時(生成日時)として記憶する。また、客端末装置50から取引開始要求として店舗特定情報や顧客識別情報を受信した取引管理装置60は、客端末装置50から受信した顧客識別情報をカート情報内の顧客識別情報として記憶する。
【0065】
ステップS3:当該取引のカート情報を生成した取引管理装置60は、商品登録初期画面情報(初期画面である商品登録画面の画面情報)を生成し、客端末装置50に送信する。具体的には、取引管理装置60は、例えば、商品登録初期画面情報を生成し、生成した商品登録初期画面情報をカート識別情報とともに客端末装置50に送信する。
【0066】
ステップS4:取引管理装置60からカート識別情報及び商品登録初期画面情報を受信した客端末装置50は、カート識別情報を記憶するとともに、登録画面を表示部に表示する。具体的には、客端末装置50は、例えば
図9(B)に示すような商品登録初期画面を表示する。
【0067】
ステップS5:顧客の操作により客端末装置50は、商品に付されたバーコードをスキャンし、商品コードを読み取る。なお、同図では、バーコードのスキャンは成功したものとする。ステップS5~ステップS9は、商品に付されたバーコードをスキャンするごとに繰り返し実行される。
【0068】
バーコードを取得した客端末装置50は、カート識別情報と、スキャンによって得られた商品コードを含む商品登録情報を、取引管理装置60に送信する。
【0069】
ステップS6:客端末装置50から商品登録情報(カート識別情報及び商品コード)を受信した取引管理装置60は、受信された商品登録情報に含まれていたカート識別情報から当該取引のカート情報を特定する。
【0070】
ステップS7:取引管理装置60は、特定したカート情報内の商品データを更新する。具体的には、取引管理装置60は、受信された商品登録情報にN品目としての商品コードが含まれていた場合には、特定したカート情報において、当該商品コードを登録商品情報(登録商品N)の商品コードとして記憶し、当該商品コードに対応する品名及び価格を商品情報から取得し、登録商品情報(登録商品N)の商品及び価格として記憶する。また、取引管理装置60は、特定したカート情報において、登録商品情報(計)を更新する。
【0071】
ステップS8:カート情報内の商品データを更新した取引管理装置60は、商品登録更新画面情報(登録した商品が追加された更新画面である商品登録画面の画面情報)を生成し、客端末装置50に送信する。具体的には、取引管理装置60は、例えば、客端末装置50において
図9(C)に示すような商品登録更新画面が表示されるような商品登録更新画面情報を生成し、生成した商品登録更新画面情報をカート識別情報とともに客端末装置50に送信する。
【0072】
なお、
図9(C)に示した商品登録画面(商品登録更新画面)は、3品目の商品として「〇〇食パン」が登録された後に客端末装置50に表示されるものである。つまり、取引管理装置60は、1品目として「〇〇ヨーグルト」をカート情報に格納したときには、客端末装置50において「〇〇ヨーグルト」が表示されるような商品登録更新画面情報を生成し、生成した商品登録更新画面情報をカート識別情報とともに客端末装置50に送信し、2品目として「〇〇チョコレート」をカート内に記憶したときには、客端末装置50において「〇〇ヨーグルト」と「〇〇チョコレート」とが表示されるような商品登録更新画面情報を生成し、生成した商品登録更新画面情報をカート識別情報とともに客端末装置50に送信し、3品目として「〇〇食パン」をカート情報に格納したときには、
図9(C)に示すように、客端末装置50において「〇〇ヨーグルト」と「〇〇チョコレート」と「〇〇食パン」とが表示されるような商品登録更新画面情報を生成し、生成した商品登録更新画面情報をカート識別情報とともに客端末装置50に送信する。
【0073】
ステップS9:取引管理装置60からカート識別情報及び商品登録更新画面情報を受信した客端末装置50は、登録画面に商品を追加する。具体的には、客端末装置50は、例えば
図9(C)に示すような商品登録更新画面を表示する。なお、上述したように、
図9(C)に示した商品登録画面(商品登録更新画面)は、3品目の商品として「〇〇食パン」が登録された後に客端末装置50に表示されるものである。
【0074】
ステップS10:客端末装置50は、顧客の操作として精算移行指示操作を受け付ける。例えば、
図9(C)に示した「お会計へ進む」ボタンのタッチを受け付ける。
【0075】
ステップS11:精算移行指示を受け付けた客端末装置50は、2次元コードを生成する。つまり、客端末装置50は、当該客端末装置50による買上商品について精算処理を実行するために必要となる情報(例えば、カート識別情報)を2次元コード化する。2次元コードを生成した客端末装置50は、生成した2次元コードを表示部に表示する。例えば、
図9(D)に示したような2次元コードを表示したコード表示画面を表示部に表示する。
【0076】
ステップS12:精算装置40は、客端末装置50の表示部に表示されている2次元コードをスキャンする(読み取る)。例えば、精算装置40は、顧客によって客側スキャナ部406による認識範囲内に向けられた客端末装置50の表示部に表示されている2次元コードをスキャンする。
【0077】
ステップS13:客端末装置50の表示部に表示されている2次元コードを読み取った精算装置40は、取引管理装置60に小計金額の算出を要求する。例えば、精算装置40は、小計金額の算出を要求する算出要求(小計算出要求情報)を2次元コードから取得したカート識別情報とともに取引管理装置60に送信する。
【0078】
ステップS14:客端末装置50からカート識別情報及び小計算出要求情報を受信した取引管理装置60は、カート識別情報から当該取引のカート情報を特定する。
【0079】
ステップS15:カートを特定した取引管理装置60は、特定したカート情報に対応するカート情報に含まれる登録商品情報における価格等の情報を利用して、小計金額を算出する。
【0080】
ステップS16:小計金額を算出した取引管理装置60は、カート情報を更新(小計金額(算出後小計金額)を記憶)するとともに、算出した小計金額を示す小計情報をカート識別情報とともに精算装置40に送信する。
【0081】
ステップS17:取引管理装置60からカート識別情報及び小計情報を受信した精算装置40は、客側表示部405に、例えば
図10(A)に示すような小計金額を表示する。
【0082】
ステップS18:客側表示部405に小計金額を表示した精算装置40は、支払い(精算)を実行する。具体的には、精算装置40は、決済種別の選択を受け付ける。現金の場合には、預り金の投入を受け付けて、釣り銭金額を算出し、釣り銭がある場合には、釣り銭を放出するとともに、レシートを発行する。また、精算装置40は、精算が完了した場合には、精算完了情報をカート情報とともに取引管理装置60に送信し、取引管理装置60は当該カートの取引終了日時(精算日時)を記憶する。
【0083】
なお、客端末装置50は、商品をスキャンした後に商品コードを取引管理装置60に送信するが(S5)、当該店舗(来店して商品登録初期画面を表示したときの店舗)内においてスキャンした商品以外の商品(例えば、他の店舗に移動してスキャンした商品等)について商品コードを送信しないようにしてもよい。例えば、客端末装置50は、来店時(又は商品登録初期画面の表示時)に位置情報(GPS情報)を取得し、記憶する。また、客端末装置50は、個々の商品をスキャンしたときに位置情報を取得し、商品のスキャン時に取得した位置情報と来店時(又は商品登録初期画面の表示時)に取得した位置情報とを比較する。そして、客端末装置50は、両者が一致(または略一致)した場合には当該商品の商品コードの取引管理装置60への送信を許可し、一致(または略一致)しなかった場合には当該商品の商品コードの取引管理装置60への送信を禁止してもよい。
これにより、不適切な商品登録(例えば、他の店舗等において生成されたカートに対する商品登録等)を防止することができる。
【0084】
精算装置40は、上述のように商品コードの送信を禁止した場合には、商品のスキャン後にエラーメッセージ(例えば、「〇〇店舗内ではないため、登録ができません」)を客側表示部405に表示してもよい。また、精算装置40は、上記メッセージを客側表示部405に代えて又は加えて店員側表示部410に表示してもよい。
【0085】
また、精算装置40は、客端末装置50の表示部に表示されている2次元コードを読み取った後に取引管理装置60に小計金額の算出を要求するが(S13)、当該店舗内においてスキャンした商品以外の商品(例えば、他の店舗でスキャンした商品等)について小計金額の算出を要求しないようにしてもよい。例えば、精算装置40は、当該店舗の店舗識別情報を参照し(自精算装置40内に当該店舗の店舗識別情報を記憶し参照してもよいし、アクセス可能な他の装置内に記憶されている店舗識別情報を参照してもよい)、客端末装置50の表示部に表示されている2次元コードを読み取ったときに、当該2次元コードから得られるカート識別情報と、当該店舗の店舗識別情報とを比較する。そして、精算装置40は、カート識別情報に含まれる店舗識別情報(
図7(B)のカート識別情報の構成を参照)が、当該店舗の店舗識別情報を含む構成である場合には小計金額の算出の要求を許可し、当該店舗の店舗識別情報を含む構成でない場合には小計金額の算出の要求を禁止してもよい。
これにより、不適切な精算(例えば、他の店舗等において商品登録された商品の精算等)を防止することができる。
【0086】
精算装置40は、上述のように小計金額の要求を禁止した場合には、2次元コードの読取後にエラーメッセージ(例えば、「〇〇店舗以外の商品を含むため、精算ができません」)を客側表示部405に表示してもよい。また、精算装置40は、上記メッセージを客側表示部405に代えて又は加えて店員側表示部410に表示してもよい。
【0087】
なお、
図8の例では、取引管理装置60が小計金額を算出するようにされている。しかしながら、例えば、精算装置40が、取引管理装置60からカート情報を取得し、取得されたカート情報に基づいて、小計金額を算出するようにされてよい。あるいは、取引管理装置60が管理装置10にカート情報を送信して小計金額の算出を要求し、管理装置10が受信されたカート情報を利用して小計金額を算出し、算出された小計金額を、取引管理装置60を経由して精算装置40に送信するようにされてよい。
【0088】
なお、取引管理装置60は、精算処理に際して、該当顧客についての顧客情報やカート情報に基づいて、顧客のこれまで商品についてのキャンセル状況を確認し、不正に対する警告を行うべきか否かについて判定してよい。警告を行うべきと判定した場合、取引管理装置60は、例えば精算装置40に警告のための報知を実行させてよい。
【0089】
また、取引管理装置60は、精算処理に際して、カート情報に含まれる商品情報のうちに、保留商品が含まれているか否かについて判定し、保留商品が含まれている場合、精算装置40に保留商品の修正指示を要求してよい。保留商品の修正指示の要求を受けた精算装置40は、
図10(B)に示すように、保留商品がある旨を報知する表示を行う。報知を確認した店員は、保留商品の修正として、保留商品に対応する価格の入力や保留商品のキャンセル等の操作を行う。
【0090】
<第2実施形態>
[概要]
続いて、第2実施形態について説明する。先の第1実施形態においては、客端末装置50にて商品のコード情報がスキャンされて商品コードの読み取りが行われるごとに、客端末装置50が読み取った商品コードを取引管理装置60に送信するようにされていた。つまり、第1実施形態においては、客端末装置50にて商品コードの読み取りに応じた商品登録処理が実行されるごとに、当該商品登録処理により得られた商品コードを含む商品登録情報を取引管理装置60に送信する。この場合、取引管理装置60は、客端末装置50から商品登録情報が受信される都度、商品登録情報に含まれていたカート識別情報により特定されたカート情報に、商品登録情報に含まれていた商品コードに対応する登録商品情報を格納していくようにする。
【0091】
これに対して、本実施形態においては、客端末装置50は、一取引における商品登録処理によって取得された商品コードを、精算移行指示の操作が行われるまで、送信することなく記憶しておくようにする。そして、客端末装置50は、精算移行指示の操作が行われたことに応じて、これまで記憶していた1以上の商品コードを含む商品登録情報を、取引管理装置60に送信するようにされる。取引管理装置60は、受信された商品登録情報に含まれていたカート識別情報により特定されたカート情報に、商品登録情報に含まれていた1以上の商品コードごとに対応する登録商品情報を格納する。つまり、本実施形態における客端末装置50は、商品登録情報について、精算移行指示に応じて一括送信を行うようにされる。
このように、客端末装置50が精算移行指示に応じて商品登録情報の一括送信を行うようにした場合には、客端末装置50と取引管理装置60との間での通信回数を削減することができるため、客端末装置50における処理負荷の軽減や消費電力の削減を図ることができる。また、客端末装置50と取引管理装置60との間でのトラフィック量の削減も図ることができる。
【0092】
[不正について]
しかしながら、上記のように、客端末装置50が商品登録情報を一括送信するようにされた場合には、商品登録処理ごとに商品登録情報を都度送信していた場合と異なり、悪意ある客が以下のような不正を行うことが可能となる。
【0093】
図11は、客端末装置50が商品登録情報を一括送信するようにされた場合において行われる不正に応じて、客端末装置50、精算装置40、取引管理装置60が実行する手順例を示している。
ステップS1001:客端末装置50は、例えば、客による取引開始指示操作(取引開始指示ボタンBT10に対する操作)に応じて取引開始要求を取引管理装置60に送信する。
ステップS1002:取引管理装置60は、ステップS1001により送信された取引開始要求の受信に応じてカート情報を生成する。
ステップS1003:取引管理装置60は、ステップS1002により生成されたカート情報を示すカート識別情報を客端末装置50に送信する。
【0094】
ステップS1004:客端末装置50は、表示部504にて商品登録画面を表示させる。
ステップS1005:客が1つ目の商品として、商品Aを登録する操作(商品Aのコードをコードリーダ(撮像部506)により読み取らせる操作)を行った。この商品Aを登録する操作に応じて、客端末装置50は、商品Aについての商品登録処理を実行する。これにより、客端末装置50は、商品Aの商品コードを取得し、取得された商品Aの商品コードを記憶する。
ステップS1006:次に、客が2つ目の商品として、商品Bを登録する操作を行った。この商品Bを登録する操作に応じて、客端末装置50は、商品Bについての商品登録処理を実行する。これにより、客端末装置50は、商品Bの商品コードを取得し、取得された商品Bの商品コードを記憶する。
【0095】
ステップS1007:客は、商品Bを登録する操作の後に、精算移行指示操作を行った。客端末装置50は、精算移行指示操作を受け付ける。
ステップS1008:ステップS1007により精算移行指示操作を受け付けた客端末装置50は、ステップS1005により登録された商品Aの商品コードとステップS1006により登録された商品Bの商品コードとを含む商品登録情報を取引管理装置60に送信する。
ステップS1009:取引管理装置60は、ステップS1008により送信された商品登録情報の受信に応じて、ステップS1002により生成されたカート情報を更新する。つまり、取引管理装置60は、ステップS1008により送信された商品登録情報に含まれる商品A、商品Bの商品コードに対応する、商品A、商品Bそれぞれの商品情報をカート情報に格納する。
【0096】
ステップS1010:また、ステップS1007により精算移行指示操作が行われたことに応じて、客端末装置50は、2次元コードを生成し、生成された2次元コードによるコード表示画面を、表示部504に表示させる。表示されたコード表示画面における2次元コードはステップS1003により送信されたカート識別情報を示す。
ステップS1011:ここで、不正を行おうとしている客は、ステップS1010により2次元コードが表示された画面の画像(画面画像)を、客端末装置50が有するスクリーンショットの機能により画像データとして客端末装置50に保存させる操作を行う。
ステップS1012:客は、上記のように2次元コードの画面画像を客端末装置50に保存させると、客端末装置50に対して商品追加宣言操作を行う。商品追加宣言操作は、精算移行指示操作を行って一旦は商品登録を完了させたが、例えば登録し忘れていた商品のあることに気が付いたような場合に対応して、再び客端末装置50を商品登録が可能な状態に戻す操作である。商品追加宣言操作は、例えば
図9(D)に示されるコード表示画面にて配置された「お買い物に戻る」ボタンBT20に対する操作であってよい。
客端末装置50は、客により行われた商品追加宣言操作を受け付け、商品登録が可能な状態に遷移する。この際、表示部504においては商品登録画面が表示される。
【0097】
ステップS1013:商品追加宣言操作を行って商品登録画面を表示させると、客は3つ目の商品として、商品Cを登録する操作を行った。この商品Cを登録する操作に応じて、客端末装置50は、商品Cの商品コードを取得し、取得された商品Cの商品コードを記憶する。
【0098】
ステップS1014:商品Cを登録した客は、ここで精算移行指示操作によりコード表示画面を表示させるのではなく、ステップS1011により保存させた画面画像を表示部504にて表示させる。
ステップS1015:そして、客は、そのまま精算装置40に赴き、精算装置40に、ステップS1014により表示させた画面画像における2次元コードを読み取らせる。
【0099】
ステップS1016:ステップS1015により2次元コードを読み取った精算装置40は、取引管理装置60に精算情報要求を送信する。
ステップS1017:取引管理装置60は、ステップS1016により送信された精算情報要求に含まれるカート識別情報が示すカート情報を特定する。
ステップS1018:取引管理装置60は、特定されたカート情報に基づいて、精算情報を生成する。精算情報は、例えば、精算装置40にて精算処理が行われた際に発行するレシートに印刷される内容を含む情報であってよい。つまり、精算情報は、登録された商品の内訳、合計金額等の情報が含まれてよい。取引管理装置60は、生成された精算情報を精算装置40に送信する。
ステップS1019:精算装置40は、ステップS1018により送信された精算情報を利用して精算処理を実行する。精算処理として、精算装置40は、客が指定した決済種別に応じて支払いを完了させる。決済種別として現金による決済が指定された場合には、精算装置40は、客からの入金の操作を受け付け、入金された金額(預かり金額)と商品の合計金額との差額に応じた釣銭を排出させる制御を行う。また、決済種別としてクレジットカードが指定された場合には、クレジットカードから読み取ったカード情報を、例えば取引管理装置60経由(取引管理装置60を経由しなくともよい)でクレジットカード決済サーバ70に送信し、クレジットカードによる決済が行われるようにする。また、精算装置40は、精算処理結果が反映されたレシートを発行させる。
【0100】
上記の手順では、カート情報には、商品A、商品Bに対応する商品情報は格納されているが、商品Cに対応する商品情報は格納されていない。このため、買い物かごには、商品A、商品B、商品Cの3つが入っているのにも関わらず、客が支払った金額は、商品A、商品Bに対応する金額のみとなる。つまり、この場合には、客は、あたかも商品A、商品B、商品Cを全て商品登録したようにみせかけて、商品A、商品B、商品Cを持ち出したが、実は商品A、商品Bに対応する金額しか支払っていないという不正が行われたものである。
この場合、客は商品Cのコードを実際に客端末装置50に読み取らせる操作を行っていることから、商品Cについて、客端末装置50にコード情報を読み取らせることなく買い物かごにいれて持ち出そうとする場合よりも不正が発覚しにくい。
このような不正は、第1実施形態のように、商品登録が行われるごとに商品登録情報を客端末装置50から取引管理装置60に送信する場合には行えない。しかしながら、客端末装置50が、精算移行指示操作が行われたことに応じて商品登録情報を一括送信するようにされた場合には、上記のような不正が可能となる。
そこで、本実施形態においては、客端末装置50が、精算移行指示操作が行われたことに応じて商品登録情報を一括送信するようにされたうえで、以下に説明するようにして、
図11に示されるような不正の防止が図られるようにする。
【0101】
[本実施形態における不正防止の構成]
本実施形態においては、取引管理装置60において、取引ごとの会計状況を管理するようにされる。ここでの会計状況は、一取引における商品登録と精算とを含む会計についての状況をいう。
図12は、会計状況の定義例を示している。会計状況は、6つの状況に分類される。6つの状況ごとに定義値「0」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」が対応付けられる。
定義値「0」は、カート情報は生成されているが、カート情報内に商品情報が格納されていないとの会計状況を示す。このような会計状況は、客が客端末装置50に対して取引開始指示操作を行ってから、商品登録操作を行ったか否かにかかわらず、精算移行指示操作が行われるまでの間の状況に対応する。
定義値「1」は、カート情報内に少なくとも1つの商品情報が格納されており、かつ、取引管理装置60が精算情報を未だ精算装置40に送信していない(精算装置40が精算情報を取得していない)との会計状況を示す。このような会計状況は、正当な客の行為としては、1以上の商品登録を行ったうえで精算移行指示操作を行ったことでコード表示画面を表示させた段階の状態に対応する。
定義値「2」は、商品追加登録中であるとの会計状況を示す。このような会計状況は、正当な客の行為としては、客が客端末装置50に対して商品追加宣言操作を行ってから、客端末装置50上での追加の商品についての商品登録操作を行ったか否かにか関わらず、未だ精算移行指示操作を行っていない状態に対応する。
定義値「3」は、カート情報内に少なくとも1つの商品情報が格納されており、かつ、取引管理装置60が精算情報を精算装置40に送信済み(精算装置40が精算情報を取得済み)との会計状況を示す。このような会計状況は、正当な客の行為としては、客端末装置50にて表示させたコード表示画面を精算装置40に読み取らせる操作を行ったが、未だ精算装置40での精算は完了していない状態に対応する。
定義値「4」は、会計完了との会計状況を示す。このような会計状況は、正当な客の行為としては、精算装置40での精算を終了させた状態に対応する。
定義値「5」は、会計キャンセル済みとの会計状況を示す。このような会計状況は、正当な客の行為としては、客端末装置50にて表示させたコード表示画面を精算装置40に読み取らせる操作を行って、一旦は精算処理が開始されたが、会計キャンセルを指示する操作、あるいは精算装置40の異常などにより、精算装置40で会計がキャンセルされた状態に対応する。他に精算装置40で会計がキャンセルされる場合としては、例えば精算装置40にて精算処理が開始されてから所定時間を経過しても精算処理が完了せずにタイムアウトとなった場合を挙げることができる。また、他に精算装置40で会計がキャンセルされる場合として、例えば精算装置40にて精算処理が開始された後において、精算処理が完了していない状態のもとで、精算装置40が精算を行っていた客を検出できなくなった場合を挙げことができる。このようにタイムアウトとなったり、客を検出できなくなったりする状況は、例えば客が精算を完了させずに精算装置40から立ち去ることにより生じる。なお、精算装置40による客の検出は、例えば精算装置40で精算を行う際に客位置する場所での客の存在を検出するセンサの出力に基づいて行うようにされてよい。この場合の客の存在を検出するセンサは、例えば人感センサや撮像装置(カメラ)等であってよい。
【0102】
取引管理装置60は、上記のように定義された会計状況を示す会計状況情報を、取引ごとに対応付けて管理する。具体例として、取引管理装置60は、
図7(C)に示されるように、カート情報に会計状況情報を含めるようにされてよい。会計状況情報は、対応の取引についての現在における会計状況を示す定義値を示す。
【0103】
図13のフローチャートは、本実施形態の客端末装置50、精算装置40、取引管理装置60が、客端末対応会計に対応して実行する処理手順例を示している。
まず、客端末装置50の処理手順例について説明する。
ステップS101:客端末装置50は、例えばショッピングアプリケーションの起動に応じて、店舗特定情報を取得する。ステップS102における店舗特定情報の取得は、
図8のステップS1と同様にして行われてよい。
ステップS102:客端末装置50は、ステップS101により店舗特定情報が取得されると、起動画面(
図9(A))を表示し、客による取引開始指示操作(取引開始指示ボタンBT10に対する操作)を受け付ける。
ステップS103:客端末装置50は、ステップS102にて取引開始指示操作を受け付けたことに応じて、取引管理装置60に取引開始要求を送信する。
ステップS104:客端末装置50は、ステップS103により送信した取引開始要求に応じて取引管理装置60から送信されたカート識別情報を受信したことに応じて、受信されたカート識別情報を記憶したうえで、表示部504にて登録画面を表示させる。
【0104】
ステップS105:登録画面が表示された状態のもとで、客端末装置50は、商品登録操作が行われたか否かについて判定する。ここでの商品登録は、客の操作によって、コードリーダによるバーコードの読み取りが行われたことにより、客端末装置50が読み取られたバーコードから商品コードを取得することである。
ステップS106:ステップS105にて商品登録操作の行われたことが判定されると、客端末装置50は、コードリーダにより読み取られたバーコードから商品コードを取得する。
ステップS107:客端末装置50は、ステップS106により取得された商品コードを含めるようにして、今回の取引に応じて自己が記憶する商品登録情報を更新する。
ステップS108:客端末装置50は、商品登録画面において、今回登録された商品を追加して表示させる。
【0105】
ステップS109:ステップS108の処理の後、あるいはステップS105にて商品登録操作の行われなかったことが判定された場合、客端末装置50は、精算移行指示操作が行われたか否かについて判定する。
【0106】
ステップS110:ステップS109にて精算移行指示操作が行われたと判定された場合、客端末装置50は、現在において自己が記憶する商品登録情報を取引管理装置60に送信する。
当該ステップS110により送信される商品登録情報は、最後のステップS104による商品登録画面の表示後におけるステップS106、S107の処理により商品コードが含められたものとなる。また、商品登録情報は、ステップS104に対応して受信されたカート識別子を含む。
ステップS111:また、客端末装置50は、精算移行指示操作が行われたことに応じて、ステップS104にて受信したカート識別情報を示す2次元コードを生成し、生成された2次元コードを含むコード表示画面を表示部504にて表示させる。
【0107】
ステップS112:客端末装置50は、コード表示画面を表示させた状態のもとで、商品追加宣言操作が行われたか否かについて判定する。
ステップS113:商品追加宣言操作が行われた場合、客端末装置50は、商品追加宣言操作が行われたことを通知する商品追加通知を、取引管理装置60に送信する。ステップS113の処理の後はステップS104に処理が戻されることで、再び商品登録画面が表示されて商品登録操作が可能な状態となる。
【0108】
ステップS114:客が、商品追加宣言操作を行うことなく、ステップS111により表示された2次元コードを精算装置40に読み取らせたことによっては、後述するように、精算装置40が取引管理装置60に精算情報を要求し(ステップS302)、取引管理装置60が要求に応じて精算装置40に精算情報を送信する(ステップS211)。取引管理装置60は、精算装置40に精算情報を送信すると、会計状況情報の定義値を「3」に設定する。また、客端末装置50は、ステップS111により2次元コードを表示させたことに応じて、取引管理装置60に対して会計状況問合せを送信する。取引管理装置60は、会計状況問合せの受信に応じて会計状況情報を送信する。
そこで、客端末装置50は、取引管理装置60から受信した会計状況情報の定義値が「3」であるか否かを判定する。会計状況情報の定義値が「3」でない場合には、ステップS112に処理が戻される。
【0109】
ステップS115:ステップS114にて会計状況情報の定義値が「3」であると判定された場合には、ステップS111により表示された2次元コードを精算装置40に読み取らせたことに応じて、精算装置40が精算を開始可能な状態となっていることを意味する。
そこで、客端末装置50は、精算案内報知を行う。精算案内報知は、
図14に示すようにして、表示部504にて表示により行われてよい。同図においては、コード表示画面上で、客に精算装置40にて精算を行ってもらうことを案内するメッセージを示すメッセージウィンドウWD2が重畳して表示された態様を示している。
【0110】
次に、取引管理装置60の処理手順例について説明する。
ステップS201:取引管理装置60は、ステップS103により客端末装置50から送信された取引開始要求を受信したことに応じて、カート情報を生成する。
ステップS202:また、取引管理装置60は、ステップS201により生成されたカート情報における会計状況情報の定義値について「0」を設定する。
ステップS203:また、取引管理装置60は、ステップS201により生成されたカート情報に付与したカート識別情報を客端末装置50に送信する。
【0111】
ステップS204:取引管理装置60は、ステップS110により客端末装置50から送信される商品登録情報が受信されたか否かについて判定する。
ステップS205:商品登録情報が受信された場合、取引管理装置60は、自己が記憶するカート情報のうち、商品登録情報に含まれるカート識別子により特定されたカート情報を更新する。つまり、取引管理装置60は、特定されたカート情報に、受信された商品登録情報に含まれる商品コードが対応する商品情報を格納する。
ステップS206:取引管理装置60は、ステップS205によりカート情報に商品情報を格納したことに応じて、会計状況情報の定義値を「1」に設定する。
【0112】
ステップS207:取引管理装置60は、ステップS113により客端末装置50から送信される商品追加通知が受信されたか否かについて判定する。
ステップS208:商品追加通知が受信された場合、取引管理装置60は、会計状況情報の定義値を「2」に設定する。
【0113】
ステップS209:ステップS208の処理の後、あるいはステップS207にて商品追加通知が受信されないと判定された場合、取引管理装置60は、ステップS302により精算装置40から送信される精算情報要求が受信されたか否かについて判定する。
精算情報要求が受信されない場合には、ステップS204に処理が戻される。
ステップS210:精算情報要求が受信された場合、取引管理装置60は、自己が記憶するカート情報のうち、受信された精算情報要求に含まれるカート識別子により示されるカート情報を特定する。
ステップS211:取引管理装置60は、ステップS210により特定したカート情報を利用して、精算情報を生成する。そのうえで、取引管理装置60は、生成された精算情報と、ステップS210により特定したカート情報に格納されていた会計状況情報を精算装置40に送信する。
ステップS212:ステップS211により精算情報を送信したことに応じて、取引管理装置60は、ステップS210により特定したカート情報に格納される会計状況情報の定義値を「3」に設定する。
ステップS213:取引管理装置60は、ステップS212により定義値を「3」に設定した会計状況情報を、ステップS210により特定されたカート情報に格納されるアプリケーション識別情報(顧客識別情報)のショッピングアプリケーションがインストールされた客端末装置50に送信する。
【0114】
ステップS214:ステップS212の処理の後、取引管理装置60は、精算装置40からステップS307により送信される精算終了通知と、ステップS308により送信される会計キャンセル通知とのいずれかが受信されるのを待機する。
ステップS215:精算終了通知が受信された場合、取引管理装置60は、ステップS210により特定したカート情報に格納される会計状況情報の定義値を「4」に設定する。
ステップS216:一方、会計キャンセル通知が受信された場合、取引管理装置60は、ステップS210により特定したカート情報に格納される会計状況情報の定義値を「5」に設定する。
【0115】
次に、精算装置40の処理手順例について説明する。
ステップS301:精算装置40は、客により客端末装置50に表示させたコード表示画面における2次元コードを読み取らせる操作が行われたことに応じて、2次元コードの読み取りを行う。精算装置40は、2次元コードを読み取ったことにより、2次元コードにより示されるカート識別情報を取得する。
ステップS302:精算装置40は、ステップS301により取得されたカート識別情報を含む精算情報要求を取引管理装置60に送信する。
【0116】
ステップS303:ステップS302により送信した精算情報要求に応じて、取引管理装置60は、ステップS211により精算情報と会計状況情報とを送信する。そこで、精算装置40は、取引管理装置60から受信した会計状況情報の定義値に基づいて、精算が可能であるか否かについて判定する。具体的に、精算装置40は、受信された会計状況情報の定義値が「1」であれば精算可能であると判定し、「1」以外である場合には精算不可であると判定する。
【0117】
同図の客端末装置50の処理手順によれば、正当な客は、商品登録を終えて精算に移行する場合には、必ず、精算移行指示操作を行ってコード表示画面を表示させる。精算移行指示操作が行われることによっては、ステップS110により客端末装置50から取引管理装置60に商品登録情報が送信される。この点は、商品追加宣言操作を行って登録商品を追加した場合も同様であり、登録商品を追加し終えて精算に移行しようとする際には、客は精算移行指示操作を行うことになる。
なお、商品追加宣言操作を行ったが、商品を登録しなかった場合であっても、精算に移行するには、精算移行指示操作を行うことになる。このように商品追加宣言操作を行ったが商品を登録しなかった場合、精算移行指示操作が行われたことに応じて客端末装置50ステップS110により送信する商品登録情報は、例えば追加の商品がないことを示す情報とすればよい。そして、取引管理装置60は、商品登録情報が受信されたことに応じて、会計状況情報の定義値を「1」に設定する。
このため、客が正当な手順で2次元コードを精算装置40に読み取らせた場合には、ステップS211により取引管理装置60から送信される会計状況情報の定義値は「1」であることになる。
従って、ステップS211により取引管理装置60から送信された会計状況情報の定義値が「1」以外である場合には、何らかの不正が行われた可能性がある。例えば
図11により説明した不正を客が行った場合、取引管理装置60は、商品追加通知を受信したことに応じて、会計状況情報の定義値を「2」に設定したが、その後、商品登録情報を受信することなく、精算装置40から精算情報要求を受信する。この場合、取引管理装置60は、ステップS211にて定義値が「2」の会計状況情報を送信することとなり、ステップS303では精算不可であると判定される。
なお、会計状況情報の定義値が「1」以外である場合としては、例えばシステムの動作に何らかの異常が発生した可能性もある。いずれにせよ、会計状況情報の定義値が「1」以外である場合には、このまま精算処理に移行させることは適切でないということになるため、ステップS303においては精算不可であると判定してよい。
【0118】
ステップS304:ステップS303にて精算不可であると判定された場合、精算装置40は、精算処理に移行せずに、精算不可であることに対応する報知(精算不可対応報知)を行う。
精算装置40における精算不可対応報知は、客と店員とのいずれかに向けて行われてもよいし、客と店員との双方に向けて行われてもよい。客向けの精算不可対応報知は客側表示部405にて表示によって行われてよい。店員向けの精算不可対応報知は店員側表示部410にて表示によって行われてよい。また、精算不可対応報知は、さらに店舗にて備えられる管理装置10等の業務用の端末にて行われるようにされてよい。管理装置10は、例えば店舗における客端末装置50や精算装置40の稼働状況を表示するアシストモニタ等であってもよい。また、業務用の端末としては、他に店員が携帯する端末であってもよい。
【0119】
また、精算不可対応報知の内容は、受信された会計状況情報の定義値に応じて変更されてよい。
例えば、定義値が「0」、「2」等の場合には、精算不可対応報知として、客に精算移行指示操作を行ってコード表示画面を表示してもらい、改めて2次元コードの読み取りをしてもらうことを案内するようにされてよい。
図15は、定義値が「0」、「2」等の場合に客側表示部405にて表示される、客向けの精算不可対応報知の態様例を示している。同図に示される精算不可対応報知は、客側表示部405にて表示される待機画面におけるメッセージエリアAR10において、「アプリの「お会計へ進む」ボタンを押し、スマホ画面に表示されたQRコードを読み取らせてください。」とのメッセージを表示するものである。
定義値が「3」の場合には、精算不可対応報知として、今回読み取った2次元コードは、既に過去に精算装置40にて読み取り済みであるために受付不可であることを知らせるようにされてよい。
図16は、定義値が「3」等の場合に客側表示部405にて表示される、客向けの精算不可対応報知の態様例を示している。同図に示される精算不可対応報知は、客側表示部405にて表示される待機画面におけるメッセージエリアAR10において、「このQRコードは既に読み取られています。」とのメッセージを表示するものである。
定義値が「4」の場合には、精算不可対応報知として、今回読み取った2次元コードに対応する取引の会計は既に完了しているために受け付け不可であることを知らせるようにされてよい。
図17は、定義値が「4」等の場合に客側表示部405にて表示される、客向けの精算不可対応報知の態様例を示している。同図に示される精算不可対応報知は、客側表示部405にて表示される待機画面におけるメッセージエリアAR10において、「このお取引は精算済みです。」とのメッセージを表示するものである。
定義値が「5」の場合には、精算不可対応報知として、今回読み取った2次元コードに対応する取引の会計については既にキャンセルされているために受け付け不可であることを知らせるようにされてよい。
図18は、定義値が「5」等の場合に客側表示部405にて表示される、客向けの精算不可対応報知の態様例を示している。同図に示される精算不可対応報知は、客側表示部405にて表示される待機画面におけるメッセージエリアAR10において、「このお取引はキャンセル済みです。」とのメッセージを表示するものである。
また、ステップS303にて精算不可であると判定された場合には、客による不正かシステムの異常が発生している可能性があることから、精算装置40は、ステップS304による精算対応不可報知として、店員を呼び出すための報知を行うようにされてよい。
【0120】
ステップS305:ステップS303にて精算可能であると判定された場合、精算装置40は、精算処理を開始する。
ステップS306:精算処理が開始されて以降において、客は今回の取引についての会計のキャンセルを指示する操作(会計キャンセル操作)を行うことができる。あるいは、精算装置40が、精算処理中において何らかの障害が発生して精算処理を完了できなくなった状態となった場合に、会計をキャンセルするようにされてもよい。
会計がキャンセルとなった場合には、精算処理は完了することなく途中で終了される。また、客は、登録した商品については店舗に戻すようにされる。そこで、精算装置40は、精算処理中において、会計キャンセルとなったか否かについて判定する。
ステップS307:会計キャンセルとならずに精算処理が終了した場合、精算装置40は、取引管理装置60に精算終了通知を送信する。
ステップS308:会計キャンセルとなった場合、精算装置40は、取引管理装置60に会計キャンセル通知を送信する。
【0121】
<変形例>
以下、本実施形態の変形例について説明する。以下に説明する変形例は、適宜、組み合わされてよい。
[第1変形例]
図13に示される処理では、会計状況情報に基づく精算可否の判定を精算装置40にて行うようにされている。これに対して、本変形例では、取引管理装置60が、会計状況情報に基づく精算可否の判定を行い、判定結果を精算装置40に送信するようにされてよい。
また、上記実施形態における会計状況情報は、会計状況に応じた定義値を示す情報とされていた。これに対して、会計状況情報は、例えばカート情報生成、商品登録情報受信、商品追加通知受信、精算情報送信、精算終了通知受信、会計キャンセル通知受信等についての履歴を示す情報であってもよい。
【0122】
[第2変形例]
本変形例では、客端末装置50が、一取引に対応して登録した商品の商品コードを含む2次元コードを表示する。これにより、例えば、障害が発生して精算装置40と取引管理装置60との間での通信が不可となってしまった場合であっても、精算装置40が商品マスタを取得できる環境でありさえすれば、客端末装置50にて表示されたコード表示画面の2次元コードを読み取ることで、精算情報を生成し、精算処理を実行できる。
そのうえで、客端末装置50にて表示する2次元コードには、有効期限としての日時を含めるようにされる。これにより、例えば
図11に例示した手順での不正が行われた場合において、スクリーンショット機能により保存した画面画像を表示させて精算装置40にて読み取らせた際に、2次元コードにおいて示されている有効期限を現在日時が経過していれば、精算装置40が精算不可であると判定することができる。これにより、
図11に例示した手順での不正が防止される。
また、取引管理装置60が、自己が管理するカート情報ごとに有効期限としての日時を設定してもよい。この場合には、例えば
図11に例示した手順での不正が行われたことに応じて、精算装置40が、スクリーンショット機能により画面画像として保存された2次元コードを読み取って取引管理装置60に精算情報要求を送信する。取引管理装置60は、2次元コードが示すカート識別情報に対応するカート情報を検索し、検索されたカート情報に設定された有効期限を確認する。取引管理装置60は、検索されたカート情報に設定された有効期限を現在日時が経過していた場合には、精算装置40による精算が不可であると判定し、精算装置40に精算不可の通知を行うことができる。
【0123】
[第3変形例]
例えば客端末装置50がGPS、店舗内の無線LANアクセスポイントとの通信、もしくはビーコンとの通信等の少なくともいずれか1つを利用して自己の位置を取得するようにされてよい。そのうえで、本変形例の客端末装置50は、精算装置40から一定距離の範囲内に客端末装置50が存在していることを条件として、2次元コード(コード表示画面)を表示するようにされてよい。このようにすれば、例えば不正を行おうとする客が、スクリーンショット機能により2次元コードの画面画像を保存させるには、精算装置40の近傍にまで移動してくる必要があることから、不正の抑止効果が得られる。
【0124】
[第4変形例]
また、本変形例の客端末装置50と精算装置40は、例えばNFC(Near Field Communication)等の所定の近距離無線通信が可能なようにされてよい。そのうえで、客端末装置50は、精算装置40と近距離無線通信により接続されていることを条件として、2次元コードを表示するようにされてよい。この場合、客端末装置50は、精算装置40と近距離無線通信により接続されている状態のもとで客が精算移行指示操作を行ったことに応じて2次元コードを表示させてもよいし、近距離無線通信により接続されたことをトリガとして2次元コードを表示させてよい。このようにしても、第3変形例と同様に不正の抑止効果が高まる。
【0125】
[第5変形例]
また、例えばショッピングアプリケーションが動作する客端末装置50は、少なくとも表示部204にコード表示画面を表示させているときには、スクリーンショットによる画像保存を禁止する機能を有するようにされてよい。
【0126】
[第6変形例]
図7(A)、
図7(C)に示されるようにカート情報は、顧客識別情報によって、顧客情報に登録された顧客と対応付けられている。そこで、本変形例では、例えば、取引管理装置60が、会計状況情報の定義値が例えば「2」であるなど、所定値であることに起因して精算不可と判定された取引のカート情報に対応付けられた顧客については、精算不可と判定されたことのない他の顧客と区別できるように管理してよい。
【0127】
[第7変形例]
上記実施形態の取引管理装置60としての機能が例えば精算装置40において備えられるようにして、
図13の処理手順による精算可否の判定機能が、客端末装置50と精算装置40とによって実現されるように構成されてよい。
【0128】
[第8変形例]
なお、第1実施形態のように、客端末装置50が商品のコード情報のスキャンを行うごとに商品登録情報を取引管理装置60に送信する構成においても、一取引における会計の状況を示す会計状況情報により、取引ごとの会計状況が管理されるようにしてよい。
【0129】
<実施形態の総括>
[技術分野]
本発明は、商品販売データ処理システムに関する。
[背景技術]
店舗における買い物においてスマートフォン等を用いて客が商品の登録を行うようにされたセルフ登録システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2016-219034号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
上記のように客が端末を用いて商品登録を行う商品販売データ処理システムでは、基本的には店員が介在することなく、客が商品登録から精算までの会計に関する操作を行う。このため、商品販売データ処理システムとしては、会計の状況に応じて適切に稼働されることが求められる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、客が端末を用いて商品登録を行う商品販売データ処理システムについて、会計の状況に応じて適切に稼働されるようにすることを目的とする。
[課題を解決するための手段]
(1)以上説明したように、本実施形態の一態様は、客が利用する客端末装置(50)が商品登録処理を行い、商品登録処理の結果に基づく精算情報を利用して客の操作に応じて精算装置(40)が精算処理を行う商品販売データ処理システムであって、前記客端末装置に対する精算移行指示に応じて、少なくとも取引を特定する取引識別情報を含むコード情報を前記客端末装置にて表示させるコード情報表示手段と、前記精算装置にて、表示された前記コード情報(例えば、2次元コード)を読み取る読取手段と、前記精算装置にて、前記読取手段によって読み取られたコード情報に含まれる取引識別情報により特定される取引情報(例えば、カート情報)に基づく精算情報を取得する精算情報取得手段と、一取引における商品登録から精算までを含む会計についての状況を示す会計状況情報を、前記客端末装置と前記精算装置の少なくとも一方の処理の経過に応じて更新する更新手段と、前記読取手段により読み取られたコード情報に含まれる取引識別情報により示される取引に対応する会計状況情報に基づいて、前記精算情報取得手段により取得された精算情報を利用した精算処理の可否を判定する精算可否判定手段(例えば、ステップS303の処理)とを備える商品販売データ処理システムである。
そのうえで、(1)の商品販売データ処理システムは、例えば、前記客端末装置に対する前記精算移行指示に応じて、一取引においてその時点までに行われた全ての商品登録処理の結果を一括して取引情報に反映させる管理手段を備えてもよい。
【0130】
上記構成によれば、例えば本実施形態のショッピングシステムのもとで、一取引における商品登録から精算までを含む会計についての状況を示す会計状況情報を得ることができる。このような会計状況情報が得られることにより、ショッピングシステムを会計の状況に応じて適切に稼働させることが可能となる。
また、上記構成においては、会計状況情報に基づいて精算の可否が判定される。これにより、会計状況が適正でない場合には精算処理が実行されないようにすることが可能となるものであり、この点でも、上記構成によっては、ショッピングシステムの会計の状況に応じて適切に稼働させることができる。
【0131】
(2)本実施形態の一態様は、(1)に記載の商品販売データ処理システムであって、前記精算可否判定手段は、前記会計状況情報が、前記取引情報に商品登録処理の結果が反映済みであって、かつ、前記精算情報取得手段が前記精算情報を未だ取得していない(例えば、取引管理装置60が精算情報を未だ送信していない)正常状態(例えば、定義値が「1」の状態)を示す場合に精算が可能であると判定し、正常状態以外の状態を示す場合には精算が不可であると判定する。
【0132】
先に示した(1)の構成により、客が通常の手順で客端末装置50により商品登録を行ったうえで精算移行指示操作を行い、客端末装置50にて表示させた2次元コードを精算装置40が読み取った段階では、精算装置40は、取引管理装置60にて定義値が「1」の会計状況情報を取得することになる。このため、(2)の構成によっては、例えば、客が通常とは異なる手順で表示させた2次元コードを精算装置40が読み取った場合には、精算装置40は、「1」以外の定義値を示す会計状況情報を取得することから、精算が行えないようにすることができる。
【0133】
(3)本実施形態の一態様は、(1)または(2)に記載の商品販売データ処理システムであって、前記精算可否判定手段により精算処理が不可であると判定された場合に、会計状況情報に応じた報知を行う報知手段を備える。
【0134】
上記構成によれば、店員と客のいずれか、あるいは双方に向けて、精算処理が不可と判定の根拠とされた会計状況情報の内容に応じて、適切な内容を報知することが可能となる。
【0135】
なお、上記各実施形態における上述の管理装置10、精算装置40、客端末装置50、取引管理装置60などとしての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、上記の管理装置10、精算装置40、客端末装置50、取引管理装置60などとしての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0136】
1 POSシステム、10 管理装置、40 精算装置、50 客端末装置、60 取引管理装置、70 クレジットカード決済サーバ