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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061773
(43)【公開日】2024-05-08
(54)【発明の名称】水処理施設の巡回点検方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20240426BHJP
   G16Y 10/35 20200101ALI20240426BHJP
   G16Y 20/30 20200101ALI20240426BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20240426BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20240426BHJP
   B63C 11/26 20060101ALN20240426BHJP
   B63C 11/00 20060101ALN20240426BHJP
【FI】
G06Q50/06
G16Y10/35
G16Y20/30
G16Y40/10
G16Y40/20
B63C11/26
B63C11/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024034285
(22)【出願日】2024-03-06
(62)【分割の表示】P 2020050059の分割
【原出願日】2020-03-19
(71)【出願人】
【識別番号】591030651
【氏名又は名称】水ing株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094226
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100087066
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 隆
(72)【発明者】
【氏名】中溝 真衣
(72)【発明者】
【氏名】五枚橋 遼介
(57)【要約】
【課題】各点検箇所の巡回点検を、効率的且つ確実に行うことができる無人移動ユニットを用いた水処理施設の巡回点検方法を提供すること。
【解決手段】下水処理施設(水処理施設)100の各部の点検を行う無人移動ユニット50を用意する。無人移動ユニット50を、下水処理施設100の巡回点検を行う作業員に同行するように移動させる。無人移動ユニット50に、同行しながら移動したエリアに応じた点検箇所の点検を行わせる。無人移動ユニット50に取り付けられた撮像部59等のデータ取得部が自動制御によって作業員の異常を検出した場合に異常を報知する。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水処理施設の各部の点検を行う無人移動ユニットを準備し、
前記無人移動ユニットは、
情報処理によって前記水処理施設の巡回点検を行う作業員が所定の範囲内に存在することを認識し、当該作業員の近くを自動制御によって同行しながら移動する同行工程と、
前記同行工程によって同行しながら移動したエリアにおいて、予め点検を指示されていた点検箇所のデータを自動制御によって取得して過去に蓄積しておいたデータと照合することで当該点検箇所の点検を行う点検工程と、
前記無人移動ユニットに取り付けられたデータ取得部が自動制御によって前記作業員の異常を検出した場合に当該異常を報知する異常報知工程と、
を行うことを特徴とする水処理施設の巡回点検方法。
【請求項2】
請求項1に記載の水処理施設の巡回点検方法であって、
前記無人移動ユニットは、
前記異常報知工程による異常の報知から所定時間が経過しても異常の状態が解決しない場合に、当該無人移動ユニットが出発した元の場所に自動制御によって自動的に戻る工程、
を行うことを特徴とする水処理施設の巡回点検方法。
【請求項3】
請求項1に記載の水処理施設の巡回点検方法であって、
前記無人移動ユニットは、
前記水処理施設点検中の作業員からの指令により、前記無人移動ユニットの運転を自動運転から当該作業員による手動運転に切り替える工程、
を行うことを特徴とする水処理施設の巡回点検方法。
【請求項4】
請求項1に記載の水処理施設の巡回点検方法であって、
前記無人移動ユニットは、
前記無人移動ユニットに取り付けられたデータ取得部が前記作業員の異常を検出しない場合、または前記作業員の異常が解決した場合であって未だ巡回点検が終了していない場合は、巡回点検が終了するまで、巡回のルートに従って前記同行工程と前記点検工程とを繰り返し自動制御により動作させる工程、
を行うことを特徴とする水処理施設の巡回点検方法。
【請求項5】
請求項1乃至4の内の何れかに記載の水処理施設の巡回点検方法であって、
前記水処理施設は、下水処理施設であることを特徴とする水処理施設の巡回点検方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下水処理施設や上水処理施設などの水処理施設に用いて好適な無人移動ユニットを用いた水処理施設の巡回点検方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、水処理施設には、運転状態を把握するための計測器、センサなどが設置され、運転監視・制御などに利用されているが、これら機器の作動状態の確認や保守のための巡回点検は、作業員によって行われていた。また水処理施設は重要な社会インフラであり、施設内の各種建屋の外観点検や大型の処理設備などの劣化、破損状況などを確認することも重要な点検業務として行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-127669号公報
【特許文献2】特開2019-164751号公報
【特許文献3】特開2019-155341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記作業員による水処理施設の巡回点検方法には、以下のような課題があった。
(1)水処理施設は、配管などが複雑に入り組んだ構造のため、作業員が巡回・点検できる場所が限られており、人の目が行き届かない部分も多かった。
【0005】
(2)大規模な水処理施設では、作業員の移動だけでも時間がかかり、細かく点検する時間が取れなかった。
【0006】
(3)特に下水処理施設などでは、硫化水素などの毒性ガス(有害ガス)が発生したり、水槽へ転落したり、機械へ巻き込まれたり、高所での点検作業などの危険がある場所も多く、作業員の安全確保が課題となっていた。
【0007】
(4)作業員の高齢化が進んでおり、作業員の確保が難しいといった社会状況から、この先、限られた人手によって巡回作業を行うことに限界が見えている。
【0008】
(5)一方で、人の代わりに無人の飛行体を用いて水域調査を行う手法などが提唱されている。例えば、特許文献1には、サーモカメラを搭載した飛行体を用いて水流を観測する方法が開示されている。また特許文献2には、画像データ、音声データ、ガス検知データなどのデータを取得する無人移動ユニットが、水処理現場内の機器を巡回点検することが開示されている。また特許文献3には、コントローラから受信した薬品注入量に基づいて、薬品を水槽に注入する無人航空機が開示されている。しかし、上記何れの従来例も、特定の点検項目や作業項目だけを無人の飛行体に行わせるものであった。すなわち、信頼性の担保が必要な水処理施設の維持管理では、人の経験と五感に頼らざるを得ない部分が多く、無人手段に安心して任せられる作業の幅には限界があった。
【0009】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、各点検箇所の巡回点検を、効率的且つ確実に行うことができる無人移動ユニットを用いた水処理施設の巡回点検方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、水処理施設の各部の点検を行う無人移動ユニットを準備し、前記無人移動ユニットは、情報処理によって前記水処理施設の巡回点検を行う作業員が所定の範囲内に存在することを認識し、当該作業員の近くを自動制御によって同行しながら移動する同行工程と、前記同行工程によって同行しながら移動したエリアにおいて、予め点検を指示されていた点検箇所のデータを自動制御によって取得して過去に蓄積しておいたデータと照合することで当該点検箇所の点検を行う点検工程と、前記無人移動ユニットに取り付けられたデータ取得部が自動制御によって前記作業員の異常を検出した場合に当該異常を報知する異常報知工程と、を行うことを特徴とする水処理施設の巡回点検方法にある。
本発明によれば、無人移動ユニットを作業員に同行させるので、作業員が行う巡回点検と、無人移動ユニットが行う巡回転換とを、分担して同時に進めることができ、効率的で安全な巡回点検(単なる点検と点検作業の両者を含む、以下同様)を行うことができる。また限られた人員での巡回点検が可能になる。
水処理施設としては、種々の用途に用いられる水処理施設があるが、上水処理施設、下水処理施設、浸出水処理施設など、規模が大きく且つ当該水処理施設の機器類が複雑に入り組んだ施設に用いて特に効果が大きい。上水処理施設、下水処理施設、浸出水処理施設は、巡回距離が長く、点検項目が多く、動線が複雑で、限られた人員で巡回点検を行うには限界があるため、これらの巡回点検の一部でも自動化できれば人員コストを大幅に低減でき、また安全性も向上する。
上記無人移動ユニットとしては、例えば、飛行型ドローン、水中ドローン、ラジコン船、ラジコン車、自動運転可能な車両、歩行型ロボット、その他の種々の自走可能手段、または、これらの移動機能を組み合わせた水陸両用、水空両用、空陸両用、水陸空両用自走可能手段などが挙げられ、自律制御可能な移動体であれば、何れかに限定されるものではない。しかし、本発明の実施に当たっては、高所の点検が可能な点や、水処理施設内の階段の昇降をせずに済む点や、速達性がある点で、飛行型ドローンがより適している。
また上記無人移動ユニットは地図情報を備え、当該地図情報と点検ルートとを照合し、点検ルートの安全性を確認しながら巡回点検を行うようにすることが好適である。
また同行する作業員が異常事態(倒れる、タンク内に落ちるなど)に陥った際に、上記無人移動ユニットが連絡役になることで、他の作業員、管理棟(監視室)に知らせ、早急に対応することが可能になる。これによって、大きな水処理施設でも一人作業が可能になる。作業員の異常事態を検出する手段としては、例えば、無人移動ユニットに2つのカメラ(撮像手段)を取り付けておき、一方のカメラによって施設の点検を行い、もう一方のカメラによって作業員を監視し、作業員が転倒して動かなくなったなどの異常事態を検出する。作業員の異常事態を検出すると、その旨を他の作業員や管理棟に無線などを介して通知したり、警報音を発したり、当該無人移動ユニット自体が他の作業員や管理棟の所に移動して異常事態であることを通知したりする。
【0011】
また本発明は、上記特徴に加え、前記無人移動ユニットは、前記異常報知工程による異常の報知から所定時間が経過しても異常の状態が解決しない場合に、当該無人移動ユニットが出発した元の場所に自動制御によって自動的に戻る工程、を行うことを特徴としている。
【0012】
また本発明は、上記特徴に加え、前記無人移動ユニットは、前記水処理施設点検中の作業員からの指令により、前記無人移動ユニットの運転を自動運転から当該作業員による手動運転に切り替える工程、を行うことを特徴としている。
【0013】
また本発明は、上記特徴に加え、前記無人移動ユニットは、前記無人移動ユニットに取り付けられたデータ取得部が前記作業員の異常を検出しない場合、または前記作業員の異常が解決した場合であって未だ巡回点検が終了していない場合は、巡回点検が終了するまで、巡回のルートに従って前記同行工程と前記点検工程とを繰り返し自動制御により動作させる工程、を行うことを特徴としている。
【0014】
また本発明は、上記特徴に加え、前記水処理施設は、下水処理施設であることを特徴としている。
設置面積が広く、危険な場所が多く、限られた人員で幅広い巡回点検が要求される下水処理施設では、特に作業の効率化、安全性の確保の面で効果が高い。
【0015】
前記無人移動ユニットは、前記点検によってデータを取得するデータ取得部と、前記データ取得部で得られたデータを他の機器に送信する通信部と、を備えることが好ましい。
他の機器としては、例えば、同行する作業員の携帯端末や、管理棟の管理装置などが考えられる。インターネットなどのネットワーク経由で他の機器に送信しても良い。
無人移動ユニットによって、点検データを取得し、このデータを例えば上記同行する作業員の携帯端末や、管理棟の管理装置などに送信することができる。これによって、無人移動ユニットで多くの点検項目を分担でき、人員の負荷を低減できる。
また上記無人移動ユニットは、さらに前記取得したデータを蓄積しておくデータ蓄積部(記憶部)を有する構成とすることが好ましい。データは、無人移動ユニットの記憶部に蓄積する代わりに、ネットワーク上のクラウドに蓄積しておいても良い。また上記データ蓄積部で蓄積した過去の情報と、上記データ取得部で点検取得したリアルタイム情報とを照合し、両者の差が所定の閾値外にある場合は、警告を出す構成としても良い。これによって、容易且つ迅速に点検箇所の異常を見出すことができる。
また無人移動ユニットは、さらに音声アシスタント機構を有することが好ましい。音声アシスタント機構は、音声認識技術と自然言語処理技術とを組み合わせて、話し言葉による問いかけや要求に対して、適切に回答したり、動作したりする機構をいう。これによって、作業員と無人移動ユニットとが会話でき、作業員と無人移動ユニットの分担作業をさらに効率的に安全に行うことができる。
【0016】
前記無人移動ユニットによる点検箇所は、前記作業員による点検が難しい点検箇所と、前記作業員による点検の代理が可能な点検箇所の内の少なくとも何れか1つであることが好ましい。
作業員による点検が難しい点検箇所とは、例えばタンクの上部などの高所、橋の外側面、有害ガスが充満したり、酸欠したりする恐れのあるエリアなどがある。
本発明によれば、作業員による点検が難しい点検箇所を無人移動ユニットが代行することで、安全性が維持できる。また作業員も点検はできるがその代わりに点検してほしい点検箇所などを無人移動ユニットが点検するので、作業員の負荷を低減でき、限られた人員で巡回点検を行うことができる。
【0017】
前記無人移動ユニットは、過去に得た情報と、リアルタイム情報と、将来予測情報とを元にして、前記作業員による点検の内容を誘導することが好ましい。
例えば、昨日の騒音レベルに比べ、本日の騒音レベルが大きくなっていたような場合は、そのことを音声などで同行する作業員に知らせ、これによって点検するように誘導する。その他にも、建屋の壁のひび割れ状態の変化や、ポンプ温度の変化など、種々の情報に基づいて、作業員による点検の内容を誘導することができる。
すなわち、無人移動ユニットが、過去に得た情報、リアルタイム情報、将来予測情報を元にして、作業員の点検作業を誘導することで、点検作業の効率が上がる。また、危険を予知して誘導することで、作業員の安全を確保できる。
【0018】
この無人移動ユニットには、他の付属部品を取り付ける接合部を備えておくことが好ましい。接合部には、傘を取り付けて同行する作業員の上にかざしたり、薬品タンクを取り付けて散布させたり、フロート(浮き輪、浮舟)を装着して万一沈殿池などに墜落しても水没しないようにしたりする。傘を作業員にかざした場合、作業員は傘を持つ必要が無くなるので、雨が降っていても、または強い日差しの中でも、両手で作業ができるようになり、作業の効率化、安全性の向上などを図ることができる。
またこの無人移動ユニットには、照明機構を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、各点検箇所の巡回点検を、効率的且つ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】水処理施設用運転管理システム1の概略構成図である。
図2】無人移動ユニット50の概略側面図である。
図3】水処理施設の巡回点検方法の一例を示す無人移動ユニット50の動作フロー図である。
図4】下水処理施設100の一例を示す概略平面図である。
図5】巡回点検方法の1具体例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる水処理施設の巡回点検方法を適用する水処理施設用運転管理システム1の概略構成図である。同図に示すように、運転管理システム1は、例えば下記する管理棟230に設置される管理装置10と、下記する水処理施設100の点検や運転調整を行う作業員が所持する携帯端末30と、管理装置10又は携帯端末30によって操作される無人移動ユニット50とを具備して構成されている。
【0022】
管理装置10は、例えば卓上型のコンピュータ(タブレット端末などでも良い)によって構成され、制御部11と、各種プログラムやデータなどを記憶する記憶部13と、各種情報を表示する表示部15と、各種操作を行う操作部17と、通信部19とを具備している。制御部11は、記憶部13が記憶しているプログラムやデータなどを用いて、管理装置10の動作を制御する。記憶部13は、当該管理装置10を動作させる各種プログラムやデータの他に、前記携帯端末30や無人航空機50から入手される各種データなども記憶する。表示部15は、各種水処理施設用の管理画面や、前記携帯端末30や無人移動ユニット50から送信された映像やデータなどを表示する。表示部15としてタッチパネルを用いた場合は、表示部15が操作部17を兼用する。操作部17は、当該管理装置10に各種の指示などを入力する入力手段であり、例えばキーボードや上記タッチパネルやその他の機器(マウスなど)によって構成される。通信部19は、携帯端末30や無人移動ユニット50とデータの送受信を行う。
【0023】
携帯端末30は、例えば携帯型のコンピュータ(例えばタブレット端末、スマートホン、ノートパソコンなど)によって構成され、制御部31と、各種プログラムやデータなどを記憶する記憶部33と、各種情報を表示する表示部35と、各種操作を行う操作部37と、通信部39とを具備している。制御部31は、記憶部33が記憶しているプログラムやデータなどを用いて、携帯端末30の動作を制御する。記憶部33は、当該携帯端末30を動作させる各種プログラムやデータの他に、前記管理装置10から送られてきた施設の点検や運転調整を指示する指示データ、無人移動ユニット50から送られてきた点検データなども記憶する。記憶部33には、音声アシスタント機構を構成するプログラムやデータも記憶されている。表示部35は、前記管理装置10からの指示内容や無人移動ユニット50からの点検データなどを表示する。表示部35としてタッチパネルを用いた場合は、表示部35が操作部37を兼用する。操作部37は、当該携帯端末30に各種の指示などを入力する入力手段であり、例えばキーボードや上記タッチパネルやその他の機器(マウスなど)によって構成される。通信部39は、管理装置10や無人移動ユニット50とデータの送受信を行う。
【0024】
図2は無人移動ユニット50の概略側面図である。図1図2に示すように、無人移動ユニット50は、この例では遠隔操縦や自動制御によって飛行できる航空機(ドローン)を用いており、制御部51と、記憶部53と、運転部55と、通信部57と、カメラによって撮影を行う撮像部59と、ガス検知部61と、音検知部63と、試料採取部65とを具備している。撮像部59とガス検知部61と音検知部63と試料採取部65は、点検によってデータを取得するデータ取得部を構成する。
【0025】
制御部51は、記憶部53が記憶しているプログラムやデータなどを用いて、無人移動ユニット50の動作を制御する。記憶部53は、当該無人移動ユニット50を動作させる各種プログラムやデータの他に、前記管理装置10や携帯端末30から送られてきた各種指示データなどを記憶する。また記憶部53は、撮像部59などのデータ取得部によって取得したデータを蓄積するデータ蓄積部である。また記憶部53には、音声アシスタント機構を構成するプログラムやデータも記憶されている。記憶部53には、撮像部59などのデータ取得部が取得したデータの他、地図情報、過去の点検データや施設の工事情報や施設の各機器の情報など、過去に得た情報を蓄積する。なお、データ蓄積部は、無人移動ユニット50自体の記憶部53とは別に取り付けた、例えばSDカードやHDD(ハードディスクドライブ)としてもよく、また撮像部59を構成するカメラに設置しても良い。さらにデータ蓄積部は、クラウドサーバに設けても良い。
【0026】
運転部55は、無人移動ユニット50の有する複数のプロペラ67などを自動制御し、またGPS機能を有して自己の位置を検知することで、所望のルートで所望の位置に所望の速度で自動飛行可能に運転制御する。通信部57は、管理装置10や携帯端末30とデータの送受信を行う。
【0027】
撮像部59は、点検の際に画像や動画を撮影する複数のカメラによって構成されている。各カメラは、それぞれ所望の方向に向きを変えることができ、これによって必要な個所の撮影を行うことができる。例えば複数のカメラは、同行する作業員と点検箇所とを同時に別々に撮影する。カメラは通常の画像や動画を撮影するもののほか、赤外線カメラであっても良い。ガス検知部61は、有害ガス(硫化水素や水素等)、酸素などのガスを検知するセンサである。音検知部(集音器)63は、機器の発する異音などの音(音声を含む)を検知するものである。試料採取部65は、例えば、コップ状の容器を具備し、これによって例えば各種水槽内の試料(水など)の採取を行うものである。図示はしていないが、データ取得部としては、上記以外に、水質を測定・検出するセンサ類や、赤外線センサの他、レーザー照射器や超音波を用いた計測器なども挙げられる。
【0028】
また図2に示すように、無人移動ユニット50には、これを水面上に浮揚させるためのフロート69が取り付けられている。フロート69は、無人移動ユニット50に接合部71によって着脱自在に取り付けられるものである。フロート69によって無人移動ユニット50を水面上に浮揚させた状態で、試料採取部65によって水槽内などの試料が採取できる。また無人移動ユニット50が水槽内などに不時着した場合でも、無人移動ユニット50は水没しない。
【0029】
この例では、付属品として、フロート69を接合部71によって無人移動ユニット50に取り付けたが、フロート69以外の各種付属品を取り付け可能な接合部を別途装着しても良い。接合部の形状は、孔や凹凸、鉤状のものなどがある。接合部は無人移動ユニット50に直接設けられていても良いし、外付けのものであっても良い。接合部と接合する各種付属部品としては、傘や、薬品を入れたバケツ(袋を含む容器)や、アームや、上記フロート69などがある。無人移動ユニット50に傘を取り付けることで、雨天や雪の日も作業員は両手を使って点検が可能になる。また薬品を入れたバケツを無人移動ユニット50に取り付けることにより、薬品を散布させることが可能となる。また無人移動ユニット50に取り付けたアームにより、高所にあるスイッチを押したり、ゴミや埃を払ったりすることができる。
【0030】
無人移動ユニット50は、作業員による点検が難しい項目、例えば危険度が高くて人が入れないと予測された箇所の点検項目や、人の目が届かない場所の点検項目などを取得するのに用いて好適である。またもちろん、無人移動ユニット50は、作業員によっても点検できるが、その代理が可能な項目を点検などするのに用いても、作業員の負担を軽減でき、好適である。無人移動ユニット50は、さらに照明機構(図示せず)を有していても良い。照明機構を有することで、夜間点検にも用いることが可能になる。
【0031】
図3は本発明にかかる無人移動ユニット50を用いた水処理施設の巡回点検方法の一例を示す動作フロー図、図4は巡回を行う水処理施設の内の下水処理施設100の一例を示す概略平面図である。ここではまず、下水処理施設100の概略について説明する。図4に示すように、下水処理施設100は、大きなゴミを取り除き、土砂類を沈殿させる沈砂池110と、沈砂池110の水を移送するポンプ棟15と、下水に含まれる沈み易い汚れを沈殿させる最初沈殿池130と、下水と微生物の入った汚泥に空気を送り込んで下水中の汚れを微生物によって分解する反応槽(反応タンク)150と、反応槽150で生成された汚泥(活性汚泥)の塊を沈殿させて上澄み(処理水)と汚泥に分離する最終沈殿池170と、処理水を塩素消毒して河川や海に放流する消毒施設190と、汚泥濃縮棟や消化槽や脱硫塔やガスタンクや汚泥脱水機室などを有して汚泥濃縮後に当該汚泥から消化ガスを取り出して固形化処理する汚泥処理施設210と、を具備して構成されている。また下水処理施設100には、当該下水処理施設100の管理を行う管理棟230が設置されている。前記管理装置10は、例えばこの管理棟230内に設置される。なお、下水処理施設によっては、さらに消毒施設190の下流側に、水質改善施設として、砂ろ過設備、オゾン発生設備、オゾン酸化設備などを設ける場合もある。
【0032】
そして、前記携帯端末30を携帯した作業員は、管理棟230から出発する。このとき作業員は、同時に無人移動ユニット50を操作するコントローラを併せて携帯しても良い。そして作業員は、携帯端末30に表示される指示案内に従って、あるいは自身の意思で、前記下水処理施設100内の巡回点検ルートを移動していく。その際、無人移動ユニット50は飛行しながら当該作業員に同行する(ステップ1-1)。なお、この無人移動ユニット50を、下水処理施設100の巡回点検を行う作業員に同行するように移動させるステップ1-1を実行する制御部51などを同行手段とする。作業員は一人でも良いし、複数人でも良い。複数人の場合は手分けして巡回点検を行えばよい。また一人の作業員に同行する無人移動ユニット50が複数台であっても良い。この場合も複数台の無人移動ユニット50は分担して点検を行えばよい。
【0033】
無人移動ユニット50の同行は自動で行うが、場合によっては作業員の手動で行っても良い。また自動と手動を適宜切り替えて行うこともできる。例えば、無人移動ユニット50の自動制御によって、作業員に所定の間隔を維持して移動させることもできる。逆に、無人移動ユニット50が巡回点検の経路を自動制御で先導して進み、これに作業員がついていくようにすることもできる。作業員にその位置を確認できる発信器やマーカーなどを取り付けて、これを無人移動ユニット50が認識することで作業員が所定の範囲内に存在することを確認したり、無人移動ユニット50がカメラによって作業員を認識することで作業員が所定の範囲内(例えば3m~10mくらい離れた範囲内)に存在することを確認したりすればよい。もし作業員が当該範囲から外れた場合は、無人移動ユニット50は当該範囲内に入るように自動制御すればよい。また何らかのトラブルで自動制御中の無人移動ユニット50が通常の巡回ルートから外れた時には、作業員による手動操作で通常の巡回ルートに引き戻すことができる。また無人移動ユニット50に予め地図情報を蓄積しておき、危険ルートを回避しながら移動させるように構成しても良い。地図情報と過去情報を組み合わせることで、より詳細な点検が可能になる。
【0034】
次に、無人移動ユニット50は、同行して移動したエリアにおいて、予め点検を指示されていた点検箇所を飛行しながら点検する(ステップ1-2)。なおこの無人移動ユニット50に、同行して移動したエリアに応じた点検箇所の点検を行わせるステップ1―2を実行する制御部51などを点検手段とする。このとき無人移動ユニット50は、自動運転によって点検するが、場合によっては作業員の手動操作によって点検しても良い。また自動運転する場合は、管理装置10や携帯端末30からの無線による指示で行っても良い。作業員が施設点検作業中に機器の異常を感じた場合には、自動操作から手動操作に切り替えることでより詳細な点検を行うことができる。無人移動ユニット50による点検によってデータ取得部が取得したデータは、通信部57から通信によって、下水処理施設100内の管理棟230にある管理装置10に転送される。転送先は、当該管理装置230の他に、施設外にある管理装置(本社や拠点のコンピュータなど)や、携帯端末30であっても良い。
【0035】
無人移動ユニット50は、上記撮像部59などのデータ取得部によって、周囲の状況や機器の数値などを画像や映像やその他のデータとして取得する(リアルタイム情報)。取得したデータを上記記憶部53などのデータ蓄積部に予め蓄積しておいたデータ(過去に得た情報、過去情報)と照合する。照合した結果、何らかの異常が認められた場合、例えば作業員の携帯端末30に警告を表示し、作業員による点検作業を誘導する。また照合した結果から将来的に危険が生じる又は異常値になることが予測される場合(将来予測情報)もその旨を作業員の携帯端末30に表示する。警告は、携帯端末30への画面表示で行うが、その代わりにまたはそれと共に、無人移動ユニット50の音声アシスタント機構が警告音声を流すようにしても良い。
【0036】
点検作業は、作業員と無人移動ユニット50が分担して行うが、例えば作業員でもできる作業を無人移動ユニット50に分担させても良い。また作業員が近づくことができない場所は無人移動ユニット50に点検させる。作業員が近づくことができない場所とは、物理的に近づくことが不可能な場所だけでなく、高所や水面上や積雪・凍結場所などの近づくことが難しい場所も含まれる。点検内容としては、高所にある機器の数値データの取得や、高所の清掃などがある。また水槽内の水位や汚泥界面を計測する場合、無人移動ユニット50を水面(界面)上まで移動させ、レーザーセンサや超音波センサで水面や界面を計測することもできる。また水面にゴミが浮いていた場合、無人移動ユニット50の接合部に取り付けたアームなどによって、ゴミを掻き寄せることもできる。また建物の壁の浮きは、浮いている部分の温度がその周囲の温度とは違うので、赤外線カメラなどによってこれを計測することができる。さらに、積雪・凍結場所の点検内容としては、積雪・凍結状態の目視、データ取得、雪や氷柱落とし、などが考えられる。
【0037】
一方、作業員が実施した方が良い点検として、動作的な点検がある。例えば、蓋やバルブの開閉など、無人移動ユニット50で行うことが困難、もしくは無人移動ユニット50に行わせようとするとコストや時間がかかる作業は作業員が実施した方が良い。また無人移動ユニット50が何らかの異常を検知した後の対応を作業員に実施させても良い。このような場面では、例えば、管理棟の作業員と連絡を取り合って、作業に必要な道具や備品などを、無人移動ユニット50に運搬させても良い。また、作業員の移動先の現場で、その近傍範囲は作業員が五感で点検し、遠方の範囲は無人移動ユニット50が状況確認を行うように分担させても良い。また場合によっては、点検を無人移動ユニット50と作業員の両者で行って、判定の精度を高めても良い。
【0038】
ところで、下水処理施設100では、硫化水素などの有害ガスの発生が懸念される。そのため、同行している無人移動ユニット50のガス検知部61が、有害ガスを検知したら警告を出力するようにする。その際、作業員は操縦方法を自動から手動に切り替え、点検ルートに無人移動ユニット50を先行させることにより、安全性を確保するようにしても良い。無人移動ユニット50は異常個所の周囲を自在に移動したり、その場で所定時間待機して情報収集することができるため、異常発生場所の特定や異常の広がりの把握、生じうる事態を予測することも可能である。
【0039】
次に、必要に応じて、無人移動ユニット50は、作業員の有する携帯端末30とデータ交信を行う(ステップ1-3)。交信の内容は、携帯端末30から無人移動ユニット50に点検を指示したり、無人移動ユニット50から携帯端末30に点検の結果を通知したりすることである。無人移動ユニット50による点検とその通知には、作業員の体温の測定とその通知も含まれる。体温が高い場合は、熱中症や疾病などの可能性があるので、これを通知して作業員の安全を確保する。
【0040】
また、無人移動ユニット50と作業員との交信には、音声アシスタント機構を用いても良い。作業員が携帯端末30又は無人移動ユニット50の音声アシスタント機構に音声で特定の単語を入力すると、音声アシスタント機構は、記憶部(データ蓄積部)33,53や通信部39,57などを用いて回答を返す。また、音声アシスタント機構は所定の音声に反応し、照明のオン/オフや、データの取得開始/終了なども行う。音声アシスタント機構があれば、作業員は記録用紙と筆記用具とを持たずに点検することができる。また非常の際に音声アシスタント機構に喋るだけで管理装置10に警報を出力することもできる。
【0041】
次に、作業員に異常があるか否かを判断する(ステップ1―4)。作業員の異常とは、例えば上述したように体温が上昇(熱中症や体調不良など)した場合や、倒れて動かなくなった場合や、水槽内に落ちてしまった場合などである。無人移動ユニット50は作業員を監視しておくことで、このような各種のアクシデントを発見することができる。
【0042】
そして作業員に異常が発見された場合(ステップ1-4の「Y」)は、これを管理装置10や、場合によっては巡回している他の作業員が所持する携帯端末30などに報知する(ステップ1-5)。また無人移動ユニット50が有する図示しないスピーカ機構を用いて、作業員の周囲で警報音を発するようにして、作業員のいる位置を周囲に伝えるようにしても良い。
【0043】
次に、上記異常を報知してから所定時間が経過しても異常の状態が解決しないような場合(ステップ1-6の「N」)は、例えば無人移動ユニット50は管理棟230に自動的に戻るようにしても良い(ステップ1-8)。また異常が解決するまで、または他の装置からの指示があるまで、現地に留まるように構成しても良い。
【0044】
次に、上記ステップ1-4において作業員に異常がない場合(ステップ1-4の「N」)、または上記作業員の異常が解決した場合(ステップ1-6の「Y」)であって、未だ巡回点検が終了していない場合(ステップ1-7の「N」)は、無人移動ユニット50は巡回のルートに従って次の点検箇所に、作業員と共に移動して行き、巡回点検を進めていく(ステップ1-1~ステップ1-7)。
【0045】
そして、全ての巡回点検が終了すると、ステップ1-7からステップ1-8に移行し、無人移動ユニット50は作業員と共に管理棟230に戻る。これによって、一連の巡回点検作業が完了する。
【0046】
次に、作業員が緊急時の際の無人移動ユニット50の役割についてまとめて説明する。無人移動ユニット50は、作業員の緊急時、作業員の様子を周囲に知らせる連絡役となる。作業員の緊急時とは、上述のように熱中症や体調不良などで身体に異常が生じた場合や、転倒などによって倒れた場合や、水槽内に落下した場合などの他、溢水や倒木など作業員が一人で点検作業をすることが困難となった場合や、点検場所が遠方の際に積雪で戻れなくなった場合なども含まれる。
【0047】
無人移動ユニット50は、上記のように、撮像部59などのデータ取得部で作業員の様子を画像や動画、サーモグラフィーデータとして取得し、通信部57を介して管理棟230の管理装置10に送信する。管理棟230にいる別の作業員は、送られてきた作業員の様子を見て、異常があるか否かを常時確認できる。無人移動ユニット50は、上述のようにして取得した作業員の様子に異常が認められた場合、直ちに警告を出力する。作業員の様子が異常であるか否かは、追跡対象としていた作業員が消えた(転倒した)場合や、予め作業員の平熱の閾値をデータ蓄積部に蓄積しておき、サーモグラフィーデータがそれを超えた場合などが挙げられる。また、警告の出し方としては、通信部57を介して管理棟230の管理装置10にアラートを表示する方法や、異常のある作業員の近くで無人移動ユニット50の図示しない音声出力部(搭載又は外付けスピーカ)から作業員の異常を知らせる音声を流す方法などがある。
【0048】
なお、作業員が緊急時の場合、作業員による無人移動ユニット50の制御ができなくなるため、無人移動ユニット50の墜落や行方不明が懸念される。そこで、予め無人移動ユニット50のデータ蓄積部に蓄積しておいた地図情報を元に飛行ルートを入力しておくことで、無人移動ユニット50を自動で元の場所(管理棟230)に戻すように構成しておくことが好ましい。これにより、仮に上記無人移動ユニット50による緊急時の報知が失敗した場合でも、無人移動ユニット50が単独で管理棟230に戻ってきたということは作業員に何らかの異常が生じたと推定できることを、管理棟230にいる他の作業員に気付かせることができる。
【0049】
図5は、本発明にかかる巡回点検方法の1具体例を示す概略図である。同図に示す例においては、作業員S1と無人航空機50が、建物T1の点検を行う場合をイメージしている。この例の場合、作業員S1は設備の残塩確認のために取水を行っている。取水した水の残塩確認の結果は、例えば携帯する携帯端末30にそのデータを入力する。無人移動ユニット50は、撮像部59によって作業員S1を監視している(矢印Y1)。また無人移動ユニット50を作業員S1が手動操作する場合は、作業員は携帯端末30の他にコントローラC1を所持する。なおコントローラC1の機構を携帯端末30に持たせても良い。
【0050】
作業員S1による作業は、上記以外に、例えば、(1)建物T1外周や建物T1内のメータの目視確認、(2)施錠確認、(3)水漏れ確認、(4)操作ボタンやバルブなどの確認・調整作業、(5)薬品の補充作業などがある。一方、無人移動ユニット50による作業は、上記以外に、例えば、(1)建物T1の外壁に悪影響を与える植物の確認、(2)外壁や屋根のひび割れ確認、(3)雪下ろしが必要な厚さまで屋根に雪が積もっていないかの確認、(4)屋外の高所や狭い所の水漏れ点検、などがある。また無人移動ユニット50に棒状部材などの器具を取り付けることによって、雪下ろしや氷柱落としを行わせることもできる。
【0051】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や構成であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。また、上記記載及び各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、上記記載及び各図の記載内容は、その一部であっても、それぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は上記記載及び各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0052】
100 下水処理施設(水処理施設)
50 無人移動ユニット
S1 作業員
53 記憶部(データ蓄積部)
57 通信部
59 撮像部(データ取得部)
61 ガス検知部(データ取得部)
63 音検知部(データ取得部)
65 試料採取部(データ取得部)
図1
図2
図3
図4
図5