(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006182
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】香味油、及び香味油を添加した飲食品
(51)【国際特許分類】
A23D 9/00 20060101AFI20240110BHJP
A23L 35/00 20160101ALI20240110BHJP
A23L 27/00 20160101ALN20240110BHJP
A23L 13/00 20160101ALN20240110BHJP
A23L 13/40 20230101ALN20240110BHJP
A23J 3/00 20060101ALN20240110BHJP
【FI】
A23D9/00 504
A23L35/00
A23L27/00 C
A23L13/00 A
A23L13/40
A23J3/00 502
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106838
(22)【出願日】2022-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】000114318
【氏名又は名称】ミヨシ油脂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】魚住 圭佑
(72)【発明者】
【氏名】富田 佑輔
(72)【発明者】
【氏名】太田 晶
【テーマコード(参考)】
4B026
4B036
4B042
4B047
【Fターム(参考)】
4B026DC01
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(57)【要約】
【課題】畜肉感及び調理感を付与した香味油を提供する。
【解決手段】本発明の香味油は、以下の(A)及び(B)を添加したものである。
(A)酵母由来物、蛋白加水分解物から選ばれる一種以上
(B)香辛料
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(A)及び(B)を添加した、香味油。
(A)酵母由来物、蛋白加水分解物から選ばれる一種以上
(B)香辛料
【請求項2】
さらにビタミンB1を添加した、請求項1に記載の香味油。
【請求項3】
前記香辛料が、ニクズク科、フトモモ科から選ばれる一種以上の植物から得られるものである、請求項1に記載の香味油。
【請求項4】
さらにナッツ由来物を添加した、請求項1に記載の香味油。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の香味油を添加した、飲食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香味油に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向け、世界各国では真に持続可能な食料生産システムの開発に対する関心が高まっており、中でも注目されているのが、「代替肉」や「培養肉」である。ここ最近、フレキシタリアン、ベジタリアン、ビーガン等の多様なライフスタイルに対応した、植物由来の材料を原料とする代替肉や、各種調味料の市場が成長を続けている。
【0003】
特にビーガン市場の成長は著しく、動物性原料を用いずに畜肉感を付与することが強く望まれており、とりわけ畜肉感を付与した調味料は、風味や調理感を容易に付与することができるため、今後ますます需要が高まっていくと予想される。
【0004】
これらの代替肉等を含めた各種飲食品の嗜好性を高めるための調味料として、香味油が知られる。
香味油とは風味油とも呼ばれ、油脂に所望の風味(ネギ、ガーリック等)を付与したものがよく知られている。
【0005】
従来、動物性原料(畜肉、畜肉由来成分、動物性油脂、乳成分、卵等)を用いずに畜肉風味を付与する技術として、鉄イオンと錯体を形成している高度共役複素環と、グルコース等の風味前駆体分子とを含む食品(特許文献1)、食用油脂に、酵母消化物を添加し、加熱して得られる香味油脂(特許文献2)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2016-502867号公報
【特許文献2】国際公開第2018/147326号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1では鉄イオンと錯体を形成している高度共役複素環の調製が煩雑であるという問題があった。特許文献2では、より本物に近い畜肉風味、すなわち畜肉感及び調理感を併せ持つ風味を付与するまでには至っていなかった。
【0008】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、畜肉感及び調理感を付与した香味油を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは鋭意検討した結果、酵母由来物、蛋白加水分解物から選ばれる一種以上、及び香辛料を添加することで上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下を提供する。
【0010】
(1) 以下の(A)及び(B)を添加した、香味油。
(A)酵母由来物、蛋白加水分解物から選ばれる一種以上
(B)香辛料
【0011】
(2) さらにビタミンB1を添加した、(1)に記載の香味油。
【0012】
(3) 前記香辛料が、ニクズク科、フトモモ科から選ばれる一種以上の植物から得られるものである、(1)に記載の香味油。
【0013】
(4) さらにナッツ由来物を添加した、(1)に記載の香味油。
【0014】
(5) (1)から(4)のいずれか1項に記載の香味油を添加した、飲食品。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、畜肉感及び調理感を付与した香味油が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の具体的な実施形態を説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0017】
本発明において「畜肉感」とは、肉類(特に、加熱された肉)を連想させる風味を意味する。
【0018】
本発明において「調理感」とは、牛肉を加熱調理したハンバーグパティを連想させる風味を意味する。
【0019】
本発明の香味油は、良好なロースト感をも有し得る。
本発明において「ロースト感」とは、肉類を直火で加熱したような炙り感を連想させる風味を意味する。
【0020】
本発明の香味油は、良好な重厚感をも有し得る。
本発明において「重厚感」とは、濃厚で厚みのある風味を意味する。
【0021】
本発明の香味油は、良好な甘みをも有し得る。
本発明において「甘み」とは、和牛香と呼ばれるような甘く、コクのある風味を意味する。
【0022】
本発明の香味油は、青臭さをマスキングする効果をも有し得る。
本発明において「青臭さ」とは、大豆をはじめとする植物たん白がもつ不快臭、及び風味の違和感(大豆臭等)を意味する。
【0023】
本発明の香味油は、以下の(A)及び(B)を添加したものである。
(A)酵母由来物、蛋白加水分解物から選ばれる一種以上
(B)香辛料
【0024】
<(A)成分>
本発明に使用される(A)酵母由来物としては、酵母菌体自体(培養物、乾燥物を含む)、酵母エキス、酵母消化物(酵母自己消化物、酵母酵素分解物)等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。酵母由来物は公知のものを使用でき、商業的にも入手可能である。
これらの中でも、特に良好な畜肉感を付与できる観点から、酵母エキスが好ましい。
酵母としては、パン酵母、ビール酵母、清酒酵母、ワイン酵母、醤油酵母、トルラ酵母等が挙げられる。これらの中でも、特に良好な畜肉感を付与できる観点から、トルラ酵母が好ましい。
【0025】
酵母由来物の添加量としては、香味油に畜肉感及び調理感を十分に付与する観点から、香味油の全量を基準として、0.010質量%以上が好ましく、0.050質量%以上がより好ましく、0.10質量%以上がさらに好ましく、0.50質量%以上が特に好ましい。酵母由来物の添加量の上限は特に限定されないが、香味油の力価とコストのバランスの観点から、香味油の全量を基準として、10質量%以下が好ましく、8.0質量%以下がより好ましく、6.0質量%以下がさらに好ましく、5.0質量%以下が特に好ましい。
【0026】
本発明に使用される(A)蛋白加水分解物とは、蛋白質を塩酸分解法、酵素分解法、熱水抽出法等の製法によって分解したものをいう。蛋白質の原料としては、動物由来のもの(乳、ゼラチン等)と植物由来のもの(小麦、大豆、とうもろこし等)があるが、動物性原料を用いずに畜肉感及び調理感を付与することができる観点から、植物由来のものが好ましく、特に良好な畜肉感を付与できる観点から、とうもろこし由来のものが好ましい。蛋白加水分解物は1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0027】
蛋白加水分解物の添加量としては、香味油に畜肉感及び調理感を十分に付与する観点から、香味油の全量を基準として、0.010質量%以上が好ましく、0.050質量%以上がより好ましく、0.10質量%以上がさらに好ましく、0.50質量%以上が特に好ましい。蛋白加水分解物の添加量の上限は特に限定されないが、香味油の力価とコストのバランスの観点から、香味油の全量を基準として、10質量%以下が好ましく、8.0質量%以下がより好ましく、6.0質量%以下がさらに好ましく、5.0質量%以下が特に好ましい。
【0028】
本発明の香味油では、(A)成分として酵母由来物又は蛋白加水分解物を単独で使用するよりも、香味油に畜肉感及び調理感を十分に付与する観点から、併用する方が好ましい。酵母由来物及び蛋白加水分解物を併用する場合、蛋白加水分解物に対する酵母由来物の質量比(酵母由来物/蛋白加水分解物)は、0.01以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.1以上がさらに好ましく、0.3以上が特に好ましい。蛋白加水分解物に対する酵母由来物の質量比の上限は特に限定されないが、10以下が好ましく、8以下がより好ましく、6以下がさらに好ましく、4以下が特に好ましく、2以下が殊更好ましい。
【0029】
<(B)成分>
本発明に使用される(B)香辛料としては、ミント、バジル、マジョラム、オレガノ、セージ、タイム、ローズマリー、しそ、サボリー、レモンバーム、ラベンダー等のシソ科;唐辛子、パプリカ等のナス科;ゴマ等のゴマ科;カモミール、タラゴン、よもぎ等のキク科;こしょう、ヒハツ(ロングペッパー)等のコショウ科;ナツメグ、メース等のニクズク科;ローレル、シナモン等のクスノキ科;スターアニス等のシキミ科;マスタード、わさび、ホースラディッシュ、ルッコラ(ロケットサラダ)等のアブラナ科;フェネグリーク、かんぞう(リカリス)等のマメ科;山椒、花椒、陳皮、ゆず、カフェライム、カレーリーフ等のミカン科;クローブ、オールスパイス等のフトモモ科;ディル、セロリ、キャラウェイ、コリアンダー(パクチー)、クミン、フェンネル、パセリ、アニス、アジョワン、ミツバ等のセリ科;ガーリック、オニオン、エシャロット、ねぎ、ニラ、チャイブ(シブレット)等のユリ科;サフラン等のアヤメ科;ジンジャー(しょうが)、ターメリック、カルダモン、ミョウガ等のショウガ科;バニラ等のラン科;レモングラス等のイネ科等の植物から得られるものが挙げられる。例えば、これらの植物の茎、葉、花、それ以外の部位や、それらの加工物等であってもよい。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、香味油に畜肉感を十分に付与する観点から、ニクズク科、フトモモ科、セリ科、ユリ科が好ましく、ニクズク科、フトモモ科がより好ましい。その中でも、香味油に調理感及びロースト感を十分に付与する観点から、ナツメグが特に好ましい。
【0030】
香辛料の添加量としては、香味油に畜肉感を十分に付与する観点から、香味油の全量を基準として、0.0010質量%以上が好ましく、0.010質量%以上がより好ましく、0.050質量%以上がさらに好ましく、0.10質量%以上が特に好ましい。香辛料の添加量の上限は特に限定されないが、香味油の風味への寄与度の観点から、香味油の全量を基準として、5.0質量%以下が好ましく、3.0質量%以下がより好ましく、1.0質量%以下がさらに好ましい。
【0031】
<油脂>
油脂は、香味油としての風味を付与する対象であり、香味油の基質となる成分である。
油脂としては、通常、食用油脂が用いられる。このような油脂としては、植物性油脂、動物性油脂、合成油脂、加工油脂等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせた調合油として用いてもよい。
【0032】
本発明によれば、動物性原料が全く配合されていなくとも、畜肉感及び調理感を付与することができる。したがって、本発明によれば、油脂として動物性油脂以外のみ(好ましくは植物性油脂及び/又は植物性油脂の加工油脂のみ)を用いた場合であっても、良好な畜肉感及び調理感が付与される。
【0033】
植物性油脂としては、菜種油、ヤシ油、パーム油、ヒマワリ油、大豆油、コーン油、ゴマ油、シソ油、亜麻仁油、落花生油、紅花油、高オレイン酸紅花油、高オレイン酸ヒマワリ油、綿実油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、ボラージ油、オリーブ油、米ぬか油、小麦胚芽油、カカオ脂、パーム核油及び藻類油等が挙げられる。
【0034】
動物性油脂としては、魚油(マグロ、サバ、イワシ、カツオ、ニシン等に由来する油脂)、豚脂、牛脂、乳脂、羊脂、鶏油等が挙げられる。
【0035】
合成油脂としては、中鎖脂肪酸油、ジアシルグリセロール等が挙げられる。
【0036】
加工油脂としては、上記の油脂に対して所望の処理を施した油脂であってもよい。このような処理としては、分別(例えば分別乳脂低融点部、パームスーパーオレイン等の分別油)、硬化、エステル交換反応等が挙げられる。油脂に対しては、1又は2以上の処理を施してもよい。
【0037】
油脂は、1種単独の場合はそれ自体が、また調合する場合は油脂全体として、油脂に対して十分な風味を付与する観点から、油脂の融点は50℃以下が好ましい。その中でも常温(25℃)で液状の油脂を好ましく使用できる。
【0038】
本発明の香味油において、油溶性成分の配合量としては、特に限定されないが、十分な流動性を有する観点から、香味油の全量を基準として、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。ここで油溶性成分とは、油脂と、油脂に溶解する成分のことである。
【0039】
<その他の成分>
本発明において、香味油には、本発明の効果を阻害しない範囲で、飲食品等に配合される公知の食品及び食品添加物等をその他の成分として配合できる。
本発明において、その他の成分は、特に限定されず、動物性原料(畜肉、畜肉由来成分、動物性油脂、乳成分、卵等)を配合してもよいが、本発明によれば、動物性原料が全く配合されていなくても畜肉感及び調理感を付与し得ることから、持続可能な食料生産システムに適応する観点では動物性原料はなるべく少ないことが好ましく、動物性原料が全く配合されていないことが特に好ましい。
【0040】
本発明の香味油では、さらにビタミンB1を添加することが好ましい。ビタミンB1はチアミンとも呼ばれ、水溶性ビタミンに分類される。ビタミンB1はいずれの形態であってもよいが、塩形態(チアミン塩酸塩等)が好ましい。
【0041】
ビタミンB1の添加量としては、香味油に畜肉感及び調理感を十分に付与する観点から、香味油の全量を基準として、0.0010質量%以上が好ましく、0.0050質量%以上がより好ましく、0.010質量%以上がさらに好ましく、0.050質量%以上が特に好ましい。ビタミンB1の添加量の上限は特に限定されないが、香味油の力価とコストのバランスの観点から、香味油の全量を基準として、5.0質量%以下が好ましく、3.0質量%以下がより好ましく、1.0質量%以下がさらに好ましい。
【0042】
本発明の香味油では、さらにナッツ由来物を添加することが好ましい。ナッツ由来物としては、ナッツ類自体や、ナッツ類の加工物等が挙げられる。ナッツ類としては、ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツ、クリ、アーモンド、クルミ(胡桃)、ピーカンナッツ(ペカンナッツ)、銀杏、ココナッツ、カシューナッツ、ブラジルナッツ、ピスタチオ、松の実、ひまわりの種、かぼちゃの種、スイカの種、ゴマ(胡麻)等が挙げられ、ナッツ類の加工物としては、ナッツ類の抽出物(オイル、エキス)やそれらを粉末化したもの等が挙げられる。
【0043】
ナッツ由来物の添加量としては、香味油に重厚感や甘みを付与する観点から、香味油の全量を基準として、0.010質量%以上が好ましく、0.050質量%以上がより好ましく、0.10質量%以上がさらに好ましく、0.50質量%以上が特に好ましい。ナッツ由来物の添加量の上限は特に限定されないが、香味油の風味への寄与度の観点から、香味油の全量を基準として、15質量%以下が好ましく、10質量%以下が好ましく、8.0質量%以下がより好ましく、6.0質量%以下がさらに好ましい。
【0044】
本発明の香味油では、さらにスモークフレーバーを添加することが好ましい。スモークフレーバーとしては、燻製油、くん液等が挙げられる。
【0045】
スモークフレーバーを添加する場合、スモークフレーバーの添加量としては、香味油に畜肉感、調理感、及びロースト感を十分に付与する観点から、香味油の全量を基準として、0.010質量%以上が好ましく、0.050質量%以上がより好ましく、0.10質量%以上がさらに好ましく、0.30質量%以上が特に好ましい。スモークフレーバーの添加量の上限は特に限定されないが、香味油の風味への寄与度の観点から、香味油の全量を基準として、10質量%以下が好ましく、8.0質量%以下がより好ましく、6.0質量%以下がさらに好ましい。
【0046】
本発明の香味油では、さらに糖質を添加することができる。糖質としては、単糖類(グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、キシロース等)、二糖類(ラクトース(乳糖)、スクロース、マルトース、トレハロースなど)等の糖類;フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖(4’-ガラクトシルラクトース)、キシロオリゴ糖、ビートオリゴ糖(ラフィノース)、大豆オリゴ糖(ラフィノース、スタキオース)、乳果オリゴ糖(ラクトスクロース)等)等のオリゴ糖;デキストリン類(デキストリン、マルトデキストリン、イソマルトデキストリン(分岐マルトデキストリン)、水あめ、粉あめ、シクロデキストリン、分岐シクロデキストリン、焙焼デキストリン、高分子デキストリン、難消化性デキストリン等)、イヌリン類(イヌリン、イヌリン分解物、アガベイヌリン等)、増粘多糖類(LMペクチン、HMペクチン、プルラン、グアーガム、グアーガム分解物、キサンタンガム、アラビアガム、ガティガム、ネイティブジェランガム、脱アシル化ジェランガム、ローカストビーンガム、タラガム、ガラクトマンナン、グルコマンナン、コンニャクマンナン、カードラン、カラギーナン、カラヤガム、カシアガム、タマリンドシードガム、トラガントガム、フェヌグリークガム、サイリウムシードガム、スクシノグリカン、ラムザンガム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、PGA(アルギン酸プロピレングリコールエステル)、大豆多糖類、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、寒天、フコイダン、ポルフィラン、ラミナラン)、澱粉、加工澱粉(エーテル化処理したカルボキシメチルデンプン、ヒドロキシプロピルデンプンや、エステル化処理したリン酸デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、酢酸デンプンや、湿熱処理デンプン、酸処理デンプン、架橋処理デンプン、α化処理デンプン、難消化性デンプン等)、レジスタントスターチ、イソマルツロース、ポリデキストロース、難消化性グルカン、アラビノガラクタン等の多糖類;エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、還元イソマルツロース、マンニトール等の糖アルコール;等、及びこれらを含む食品(メープルシロップ、アガベシロップ等)が例示される。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、香味油の加熱工程におけるメイラード反応を促進し、香味油に畜肉感及び調理感を十分に付与する観点から、還元糖(グルコース、フルクトース、キシロース等)が好ましく、グルコースが特に好ましい。
【0047】
糖質を添加する場合、糖質の添加量としては、香味油の加熱工程におけるメイラード反応を促進し、香味油に畜肉感及び調理感を十分に付与する観点から、香味油の全量を基準として、0.0010質量%以上が好ましく、0.0050質量%以上がより好ましく、0.010質量%以上がさらに好ましく、0.050質量%以上が特に好ましく、0.10質量%以上が殊更好ましい。糖質の添加量の上限は特に限定されないが、香味油の風味への寄与度の観点から、香味油の全量を基準として、10質量%以下が好ましく、8.0質量%以下が好ましく、6.0質量%以下がより好ましく、4.0質量%以下がさらに好ましい。
【0048】
上記以外にその他の成分として配合できる食品としては、茶葉、野菜、果物、香味食用油(ねぎ油、ラー油、花椒油、オニオンオイル、ガーリックオイル、しょうがオイル、マッシュルームオイル、ポルチーニ茸オイル、トリュフオイル、メンマオイル、椎茸オイル、ワサビオイル、ゆずオイル、焦がししょうゆオイル等)、ヴァージンオリーブオイル、ヴァージンコーンオイル等が挙げられる。
その他の成分として配合できる食品添加物としては、乳化剤、酸化防止剤、シリコーン、色素、香料、ビタミンB1以外のビタミン類、pH調整剤等が挙げられる。
【0049】
上記のような食品及び食品添加物の種類や量は、得ようとする効果等に応じて適宜設定できる。このような食品及び食品添加物を本発明において香味油とともに配合することで、例えば、風味や色調の調整効果、酸化劣化の抑制効果、機能の向上効果等を奏し得る。
【0050】
本発明の香味油に含まれる水分量は、日持ち向上の観点から、香味油全体に対して5.0質量%以下が好ましく、3.0質量%以下がより好ましく、1.0質量%以下がさらに好ましく、0.50質量%以下が特に好ましい。なお、香味油に含まれる水分としては、香味油に配合する水だけでなく、香味油に配合する水以外の原料から移行される水分も含まれる。
なお、本発明における香味油の水分は、「基準油脂分析試験法2.1.3.4-2013 水分(カールフィッシャー法)」により測定することができる。
【0051】
<香味油の製造方法>
本発明の香味油は、(A)酵母由来物、蛋白加水分解物から選ばれる一種以上と、(B)香辛料を添加したものである。
本発明の香味油において(A)成分、(B)成分を「添加した」とは、その製造工程における手順を問わない。
例えば、(A)成分と(B)成分を油脂に添加してもよい。また(A)成分と(B)成分を油脂に添加後、別途の油脂をさらに添加してもよい。
あるいは、(A)成分を油脂に添加し、それとは別に、(B)成分を別途の油脂に添加し、その後にこれらを混合してもよい。例えば、(A)成分を油脂に添加し、適宜に加熱、水分除去、固形分除去等を行って香味油1を製造し、それとは別に、(B)成分を別途の油脂に添加し、適宜に加熱、水分除去、固形分除去等を行って香味油2を製造し、香味油1と香味油2を混合して本発明の香味油としてもよい。
本発明の香味油を製造する際に、(A)成分、(B)成分を添加後、加熱、水分除去、固形分除去等を行う場合、その製造工程における手順を問わない。(A)成分と(B)成分を添加する際には、当該成分はそれ自体であってもよく、あるいは下記香味油の製造方法-2から香味油の製造方法-4までのように当該成分を他の成分、特に水に添加したものであってもよい。
香味油に添加する態様は、特に限定されず、例えば浸漬、混合等であってよい。
(A)成分及び(B)成分以外のその他の成分を添加する場合、下記香味油の製造方法-4における油溶性成分のように加熱工程の後であってもよい。
【0052】
本発明の香味油は、各成分を、撹拌機等を用いて適宜混合撹拌することで得られる。成分の混合順序等は特に限定されない。加熱工程を行う場合には、少なくとも(A)成分及び(B)成分を添加した後に行う。香味油の製造方法としては、例えば以下の例が挙げられる。
【0053】
(香味油の製造方法-1)
各成分を油脂に直接添加後、混合撹拌し、加熱する工程を経た後、室温まで冷却する。
【0054】
(香味油の製造方法-2)
各成分を油脂に直接添加後、混合撹拌し、加熱する工程を経た後、固形分及び水分を除去し、室温まで冷却する。
【0055】
(香味油の製造方法-3)
各成分の内、油溶性成分は油脂に添加し(油相部)、水溶性成分及び油不溶性成分は水に添加し(水相部)、前記油相部と前記水相部を混合撹拌し、加熱する工程を経た後、室温まで冷却する。
【0056】
(香味油の製造方法-4)
各成分の内、油溶性成分は油脂に添加し(油相部)、水溶性成分及び油不溶性成分は水に添加し(水相部)、前記油相部と前記水相部を混合撹拌し、加熱する工程を経た後、固形分及び水分を除去し、室温まで冷却する。
【0057】
(香味油の製造方法-5)
各成分の内、水溶性成分及び油不溶性成分は水に添加し(水相部)、基質となる油脂部(油相部)と前記水相部を混合撹拌し、加熱する工程を経た後、油溶性成分を添加する。その後、固形分及び水分を除去し、室温まで冷却する。
【0058】
水溶性成分及び油不溶性成分は水に添加後、油脂と混合する方が、良好な畜肉感及び調理感を得る点で好ましい。水溶性成分及び油不溶性成分を水に添加する場合における、水溶性成分及び油不溶性成分に対する水の質量比(水/水溶性成分及び油不溶性成分)としては、油脂に対して十分な風味を付与する観点から、0.001以上100以下が好ましく、0.005以上50以下がより好ましく、0.01以上10以下がさらに好ましく、0.05以上5以下が特に好ましく、0.1以上1以下が殊更好ましい。
【0059】
加熱工程における加熱温度としては、油脂に対して十分な風味を付与する観点から、50℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましく、90℃以上がさらに好ましく、100℃以上が特に好ましい。加熱工程における加熱温度の上限は特に限定されないが、好ましくない風味(劣化臭等)が生じにくい観点から、260℃以下が好ましく、240℃以下がより好ましく、220℃以下がさらに好ましく、200℃以下が特に好ましい。
【0060】
加熱工程における加熱時間としては、油脂に対して十分な風味を付与する観点から、1分以上が好ましく、10分以上がより好ましく、30分以上がさらに好ましく、60分以上が特に好ましい。加熱工程における加熱温度の上限は特に限定されないが、香味油に焦げ臭が生じにくい観点から、240分以下が好ましく、200分以下がより好ましく、160分以下がさらに好ましい。
【0061】
本発明の香味油を製造する際には、脱水処理することが、香味油の日持ち向上の点で好ましい。脱水処理は、加熱工程と同時に、及び/又は加熱工程の後に行う。脱水処理する方法としては、加熱蒸発、遠心分離、減圧加熱、減圧乾燥、静置分離、吸湿剤等が挙げられる。
【0062】
本発明の香味油を製造する際には、固形分を除去することが、香味油のハンドリング性や口当たりが良好になる点で好ましい。固形分の除去は、加熱工程の後に行う。固形分を除去する方法としては、濾過、遠心分離、デカンテーション等が挙げられる。
【0063】
<香味油の用途>
本発明の香味油の用途は特に限定されず、従来知られる香味油の代替物等として使用したり、任意の調味料(従来知られる香味油等)と組み合わせて使用したりすることができる。
【0064】
本発明の香味油は、任意の飲食品に添加でき、該香味油を添加された飲食品等に対し、良好な畜肉感及び調理感を付与できる。
したがって、本発明として、該香味油を添加した、飲食品(好ましくは、肉代替食品)も提供する。
【0065】
本発明の香味油を添加し得る飲食品等としては、特に限定されないが、油脂を使用して作製する各種惣菜(フライ食品等)、製菓、製パン、スープ、ソース等が挙げられる。
また、本発明の香味油は、そのまま飲食品に使用することもできるが、香味油を各種形態の油脂(フライ油、マーガリン、ファットスプレッド、ショートニング、食用油脂、水中油型乳化物(濃縮乳、ホイップクリーム、マヨネーズ等)、粉末油脂、ドレッシング等)に添加した後、飲食品の原料としても使用することができる。
【0066】
本発明の香味油の飲食品への添加量としては、飲食品に畜肉感及び調理感を十分に付与する観点から、飲食品の全量を基準として、0.10質量%以上が好ましく、0.50質量%以上がより好ましく、1.0質量%以上がさらに好ましく、3.0質量%以上が特に好ましく、5.0質量%以上が殊更好ましい。本発明の香味油の飲食品への添加量の上限は特に限定されないが、40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましく、25質量%以下が特に好ましく、20質量%以下が殊更好ましい。
【0067】
本発明によれば、動物性原料が全く配合されていなくとも、良好な畜肉感及び調理感を付与することができる。したがって、本発明によれば、動物性の食品(畜肉等)及び食品添加物(動物性エキス等の畜肉由来成分)を含まない場合であっても、良好な畜肉感及び調理感が付与される。
さらに、本発明によれば、肉代替食品、ソース類(パスタソース、カレーソース等)、調味料等に対して良好な甘みを付与し得るうえ、材料由来の臭い(大豆臭等)を抑制し得る。
【0068】
本発明において「肉代替食品」とは、植物性原料(豆類(大豆、エンドウ豆、ヒヨコマメ、ソラマメ等)、米、穀物等)を主原料として用いた任意の食品を包含する。
本発明における肉代替食品は、本発明の効果を付与しやすいという観点から、動物性原料(畜肉、畜肉由来成分、動物油脂、乳成分、卵等)を全く含まないものが好ましい。
【0069】
肉代替食品としては、豆腐ハンバーグ、植物たん白加工食品(ハンバーグ様食品、シューマイ様食品、餃子様食品、中華まん様食品、フィレ肉様食品(焼肉、炒め物)、パスタソース、キーマカレー)等が挙げられる。
【実施例0070】
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、表中の配合は質量%を示す。表1A、表1B、及び表2における製造方法の番号は、前記した香味油の製造方法の欄における番号に該当する。
【0071】
<試験1:香味油の作製及び評価>
以下の方法で香味油を作製し、その評価を行った。
【0072】
(香味油の作製)
以下の方法で、香味油を作製した。
(1)表1A、表1B、及び表2に示す原料の内、(A1)酵母由来物(ビール酵母消化物、トルラ酵母エキス)、(A2)蛋白加水分解物(とうもろこし由来、大豆由来)、(B)香辛料(クローブ、ナツメグ、オールスパイス)、ビタミンB1は、これらを用いる場合には水に分散させた後、菜種油に添加した。なお、実施例12では前記原料を直接菜種油に添加した。
(2)攪拌しながら表1A、表1B、及び表2に記載の加熱条件に従って加熱した。
(3)表1A、表1B、及び表2に示す原料の内、ナッツ由来物、燻製油を用いる場合には(2)に添加した。
(4)(3)を濾過し、固形分及び水分を除去した。
(5)(4)で得られた香味油を室温まで冷却し、以下の試験に供した。
【0073】
(香味油の評価)
各香味油における、畜肉感、調理感、ロースト感、重厚感、及び甘みのそれぞれについて、以下に基づき官能評価を行った。
【0074】
なお、官能評価は、下記のように選抜されたパネルによって行った。
パネル候補に対し、五味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)の識別テスト、味の濃度差識別テスト、食品の味の識別テスト、基準嗅覚テストを実施し、その各々のテストで適合と判定された10名をパネルとして選抜した。
また、評価を実施するにあたり、パネル全体で討議し、各評価項目の特性に対してすり合わせを行って、各パネルが共通認識を持つようにした。また、官能評価におけるパネルの偏りを排除し、評価の精度を高めるために、サンプルの試験区番号や内容はパネルに知らせず、ランダムに提示した。
[官能評価]
表1A及び表1Bに記載の香味油についてパネル10名で官能評価をおこない、喫食時の「畜肉感」、「調理感」、「ロースト感」、「重厚感」、「甘み」の強度を、参考例1を1点、焼成した牛100%パティを10点とした場合の点数で評価し、その平均値を求めた。なお、畜肉感及び調理感は○以上、ロースト感及び重厚感は△以上を合格とした。その結果を表1A及び表1B中の「評価」の項に示す。
【0075】
(評価基準)畜肉感
◎++:平均値が7点以上
◎+:平均値が6点以上7点未満
◎:平均値が4点以上6点未満
○:平均値が3点以上4点未満
×:平均値が3点未満
【0076】
(評価基準)調理感
◎++:平均値が7点以上
◎+:平均値が6点以上7点未満
◎:平均値が4点以上6点未満
○:平均値が3点以上4点未満
×:平均値が3点未満
【0077】
(評価基準)ロースト感
◎+:平均値が7点以上
◎:平均値が6点以上7点未満
○:平均値が4点以上6点未満
△:平均値が3点以上4点未満
×:平均値が3点未満
【0078】
(評価基準)重厚感
◎+:平均値が7点以上
◎:平均値が6点以上7点未満
○:平均値が4点以上6点未満
△:平均値が3点以上4点未満
×:平均値が3点未満
【0079】
【0080】
【0081】
[官能評価]
表2に記載の香味油についてパネル10名で官能評価をおこない、喫食時の「畜肉感」、「調理感」、「ロースト感」、「重厚感」、「甘み」の強度を、実施例9を1点、焼成した牛100%パティを5点とした場合の点数で評価し、その平均値を求めた。その結果を表2中の「評価」の項に示す。
【0082】
(評価基準)畜肉感
◎+:平均値が3.5点以上
◎:平均値が2.0点以上3.5点未満
○:平均値が1.0点以上2.0点未満
【0083】
(評価基準)調理感
◎+:平均値が3.5点以上
◎:平均値が2.0点以上3.5点未満
○:平均値が1.0点以上2.0点未満
【0084】
(評価基準)ロースト感
◎+:平均値が3.5点以上
◎:平均値が2.0点以上3.5点未満
○:平均値が1.0点以上2.0点未満
【0085】
(評価基準)重厚感
◎+:平均値が3.5点以上
◎:平均値が2.0点以上3.5点未満
○:平均値が1.0点以上2.0点未満
【0086】
(評価基準)甘み
◎+:平均値が3.5点以上
◎:平均値が2.0点以上3.5点未満
○:平均値が1.0点以上2.0点未満
【0087】
【0088】
<試験2:大豆ハンバーグの作製及び評価>
実施例17、比較例1、菜種油の内いずれかの香味油20質量%、及びパーム油80質量%を混合し、大豆ハンバーグ用香味油を調製した。配合を表3に示す。
粉末状大豆たん白40g、メチルセルロース8g、菜種油40gを混合し、そこに氷水312gを加えて、カッターミキサーで十分に攪拌し、大豆カードを作製した。
次いで、粒状大豆たん白72gを144gの水で戻し、そこへ、大豆カード219g、大豆ハンバーグ用香味油100g、ソテーオニオン60g、食塩4g、香辛料1gを加え、粘りが出るまでよく捏ね合わせて生地を作製した。
生地を50gずつに成形し、180℃に設定したコンベクションオーブンで15分焼成した。焼成後、半分にカットしたものを試験に供した。
【0089】
[官能評価]
作製した大豆ハンバーグについてパネル10名で官能評価をおこない、喫食時の「畜肉感」、「ロースト感」、「重厚感」、「甘み」、「大豆臭のマスキング」の強度を、菜種油20質量%及びパーム油80質量%を混合したもの(参考例2)を基準とし、それよりも各項目において強く感じる(大豆臭のマスキングにおいては、大豆臭を弱く感じる)人数を求めた。なお、各項目において△以上を合格とした。その結果を表3中の「評価」の項に示す。
【0090】
(評価基準)畜肉感
◎:10名中、9名以上が強く感じると回答した。
○:10名中、7名以上8名以下が強く感じると回答した。
△:10名中、5名以上6名以下が強く感じると回答した。
×:10名中、4名以下が強く感じると回答した。
【0091】
(評価基準)ロースト感
◎:10名中、9名以上が強く感じると回答した。
○:10名中、7名以上8名以下が強く感じると回答した。
△:10名中、5名以上6名以下が強く感じると回答した。
×:10名中、4名以下が強く感じると回答した。
【0092】
(評価基準)重厚感
◎:10名中、9名以上が強く感じると回答した。
○:10名中、7名以上8名以下が強く感じると回答した。
△:10名中、5名以上6名以下が強く感じると回答した。
×:10名中、4名以下が強く感じると回答した。
【0093】
(評価基準)甘み
◎:10名中、9名以上が強く感じると回答した。
○:10名中、7名以上8名以下が強く感じると回答した。
△:10名中、5名以上6名以下が強く感じると回答した。
×:10名中、4名以下が強く感じると回答した。
【0094】
(評価基準)大豆臭のマスキング
◎:10名中、9名以上が大豆臭を弱く感じると回答した。
○:10名中、7名以上8名以下が大豆臭を弱く感じると回答した。
△:10名中、5名以上6名以下が大豆臭を弱く感じると回答した。
×:10名中、4名以下が大豆臭を弱く感じると回答した。
【0095】
【0096】
<試験3:カレーの作製及び評価>
実施例17、比較例1の内いずれかの香味油20質量%、及び菜種油80質量%を混合し、カレー用香味油を調製した。参考例3は菜種油100質量%をカレー用香味油とした。配合を表4に示す。
市販のベジタブルカレーにカレー用香味油を2質量%添加し、試験に供した。
【0097】
[官能評価]
作製したカレーをパネル10名で官能評価をおこない、喫食時の「畜肉感」、「ロースト感」、「重厚感」、「甘み」の強度を、菜種油のみ(参考例3)を基準とし、それよりも各項目において強く感じる人数を求めた。なお、各項目において△以上を合格とした。
各カレーは、喫食時の「畜肉感」、「ロースト感」、「重厚感」、「甘み」の強度を評価した。その結果を表4中の「評価」の項に示す。
【0098】
(評価基準)畜肉感
◎:10名中、9名以上が強く感じると回答した。
○:10名中、7名以上8名以下が強く感じると回答した。
△:10名中、5名以上6名以下が強く感じると回答した。
×:10名中、4名以下が強く感じると回答した。
【0099】
(評価基準)ロースト感
◎:10名中、9名以上が強く感じると回答した。
○:10名中、7名以上8名以下が強く感じると回答した。
△:10名中、5名以上6名以下が強く感じると回答した。
×:10名中、4名以下が強く感じると回答した。
【0100】
(評価基準)重厚感
◎:10名中、9名以上が強く感じると回答した。
○:10名中、7名以上8名以下が強く感じると回答した。
△:10名中、5名以上6名以下が強く感じると回答した。
×:10名中、4名以下が強く感じると回答した。
【0101】
(評価基準)甘み
◎:10名中、9名以上が強く感じると回答した。
○:10名中、7名以上8名以下が強く感じると回答した。
△:10名中、5名以上6名以下が強く感じると回答した。
×:10名中、4名以下が強く感じると回答した。
【0102】
【0103】
<試験4:大豆ミート焼肉の作製及び評価>
実施例17、比較例1の内いずれかの香味油20質量%、及びパーム油80質量%を混合し、焼肉用香味油を調製した。参考例4は菜種油100質量%を焼肉用香味油とした。配合を表5に示す。
フィレタイプの組織状大豆たん白を沸騰したお湯で加熱して水戻しした。フライパンに焼肉用香味油を20g入れ、水戻しした大豆たん白100gを炒めた。醤油、酒、みりんを合わせたタレを30g添加し、水気がなくなるまで加熱し、試験に供した。
【0104】
[官能評価]
作製した大豆ミート焼肉についてパネル10名で官能評価をおこない、喫食時の「畜肉感」、「ロースト感」、「重厚感」、「甘み」、「大豆臭のマスキング」の強度を、菜種油のみ(参考例4)を基準とし、それよりも各項目において強く感じる人数を求めた。なお、各項目において△以上を合格とした。その結果を表5中の「評価」の項に示す。
【0105】
(評価基準)畜肉感
◎:10名中、9名以上が強く感じると回答した。
○:10名中、7名以上8名以下が強く感じると回答した。
△:10名中、5名以上6名以下が強く感じると回答した。
×:10名中、4名以下が強く感じると回答した。
【0106】
(評価基準)ロースト感
◎:10名中、9名以上が強く感じると回答した。
○:10名中、7名以上8名以下が強く感じると回答した。
△:10名中、5名以上6名以下が強く感じると回答した。
×:10名中、4名以下が強く感じると回答した。
【0107】
(評価基準)重厚感
◎:10名中、9名以上が強く感じると回答した。
○:10名中、7名以上8名以下が強く感じると回答した。
△:10名中、5名以上6名以下が強く感じると回答した。
×:10名中、4名以下が強く感じると回答した。
【0108】
(評価基準)甘み
◎:10名中、9名以上が強く感じると回答した。
○:10名中、7名以上8名以下が強く感じると回答した。
△:10名中、5名以上6名以下が強く感じると回答した。
×:10名中、4名以下が強く感じると回答した。
【0109】
(評価基準)大豆臭のマスキング
◎:10名中、9名以上が大豆臭を弱く感じると回答した。
○:10名中、7名以上8名以下が大豆臭を弱く感じると回答した。
△:10名中、5名以上6名以下が大豆臭を弱く感じると回答した。
×:10名中、4名以下が大豆臭を弱く感じると回答した。
【0110】