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特開2024-6183ストーマ装具選定装置及びストーマ装具選定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006183
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】ストーマ装具選定装置及びストーマ装具選定方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/00 20180101AFI20240110BHJP
   A61F 5/452 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
G16H40/00
A61F5/452
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106840
(22)【出願日】2022-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】000151380
【氏名又は名称】アルケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112874
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100147865
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 美和子
(72)【発明者】
【氏名】小林 悠
(72)【発明者】
【氏名】奥山 亘
【テーマコード(参考)】
4C098
5L099
【Fターム(参考)】
4C098AA09
4C098CC24
4C098CC31
4C098CD01
4C098CE11
5L099AA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ストーマ及び該ストーマの周囲の皮膚状態を定量的に評価して、適したストーマ装具のタイプを選定するストーマ装具選定装置及びストーマ装具選定方法を提供する。
【解決手段】ストーマ装具選定装置100は、ストーマ及び該ストーマの周囲の皮膚状態に関する測定情報を取得する第1の取得部と、測定情報と、装具タイプと、が関連付けられている関連付け情報を取得する第2の取得部と、測定情報と、関連付け情報と、の照合により、装具タイプを選定する選定部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストーマ及び該ストーマの周囲の皮膚状態に関する測定情報を取得する第1の取得部と、
前記測定情報と、装具タイプと、が関連付けられている関連付け情報を取得する第2の取得部と、
前記測定情報と、前記関連付け情報と、の照合により、前記装具タイプを選定する選定部と、を備える、ストーマ装具選定装置。
【請求項2】
前記測定情報は、前記ストーマの形状に関する情報、前記ストーマの径に関する情報、皮膚表面からの前記ストーマの高さに関する情報、前記ストーマの周囲の皮膚の硬度に関する情報、前記皮膚の平坦又は凹凸状態に関する情報、前記皮膚の色に関する情報、及び前記皮膚のTEWLに関する情報からなる群より選ばれる1つ以上の情報を含む、
請求項1に記載のストーマ装具選定装置。
【請求項3】
前記関連付け情報を記憶する記憶部と、
選定された前記装具タイプに該当する実際に使用されたストーマ装具に関する情報、及び、前記ストーマ装具の使用結果に関する情報を受け付ける受付部と、をさらに備え、
前記記憶部は、前記受付部が受け付けた情報に基づいて、前記関連付け情報を更新する、
請求項1に記載のストーマ装具選定装置。
【請求項4】
前記測定情報と、前記装具タイプに該当するストーマ装具の情報と、が関連付けられている教師データを用いて、前記記憶部に記憶されている学習モデルに機械学習させる機械学習部をさらに備える、
請求項3に記載のストーマ装具選定装置。
【請求項5】
前記選定部が、前記測定情報と、前記機械学習部により機械学習した前記学習モデルと、を用いて、前記装具タイプ、及び、ストーマ装具を選定する、
請求項4に記載のストーマ装具選定装置。
【請求項6】
皮膚表面に設置されているストーマ及び該ストーマの周囲の皮膚状態を測定した測定情報を前記第1の取得部に出力する測定部をさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のストーマ装具選定装置。
【請求項7】
ストーマ及び該ストーマの周囲の皮膚状態に関する測定情報を取得することと、
前記測定情報と、装具タイプと、が関連付けられている関連付け情報を取得することと、
前記測定情報と、前記関連付け情報と、の照合により、前記装具タイプを選定することと、を含む、ストーマ装具選定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はストーマ装具選定装置及びストーマ装具選定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
便や尿の排泄を自らの意志により制御できない場合や、消化器系又は泌尿器系器官の疾患がある場合に、外科的手術を行って腸管や尿管を体表まで導き体表面にストーマが造設されることがある。ストーマが造設された人は、ストーマからの排泄物を一時的に収容できるパウチをストーマに装着する必要がある。また、その他の疾患で体表面に開孔や傷を有する人も、ドレナージなどにより排出された排泄物を処理するために、ストーマ装具を開孔や傷の周囲に装着する必要がある。
【0003】
ストーマ及び該ストーマの周囲の皮膚状態には個人差がある。そのため、個人にとって最適なストーマ装具が選定されることが求められている。
【0004】
例えば特許文献1では、「利用者に関する利用者情報に基づいて看護又は介護に関する複数種類の支援用品のうちから適合する支援用品を検索する支援用品検索装置であって、支援用品に関する支援用品情報が支援用品毎に登録されたデータベースと、前記利用者情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記利用者情報と、前記データベースに登録された前記支援用品情報とを照合する照合手段と、前記照合手段の照合結果に基づいて、適合する支援用品の前記支援用品情報を前記データベースから抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された前記支援用品情報を提示する提示手段とを備え、前記利用者情報には、専門家による分析に基づいて特定された利用者に関する特定情報が含まれ、前記支援用品情報には、専門家による分析に基づいて特定された支援用品に関する特定情報が含まれ、前記抽出手段は、前記利用者情報に含まれる特定情報と同一の特定情報を含む前記支援用品情報を前記データベースから抽出する、ことを特徴とする支援用品検索装置」が開示されている。
【0005】
例えば特許文献2では、「患者のストーマ及び/又はストーマ周囲の形状を評価するオストミー案内板であって、遠位面と、凸状の突出部を有する近位面と、上記凸状の突出部における開口とを備え、ここでオストミー案内板は、ストーマ上方に開口を配置した状態で患者の皮膚に配置するのに適する、オストミー案内板」が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2018-205789号公報
【特許文献2】特開2017-192739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来、皮膚・排泄ケア認定看護師(WOCナース)が、実際にストーマを目視したりストーマの周囲の皮膚を触診したりして評価することで、ストーマ装具のタイプを選定している。
【0008】
この評価が属人的であるため、評価に技術や経験を必要とする。また、ストーマ装具のタイプを選定できる者がWOCナースに限られる。
【0009】
そこで、本発明は、ストーマ及び該ストーマの周囲の皮膚状態を定量的に評価して、適したストーマ装具のタイプを選定するストーマ装具選定装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ストーマ及び該ストーマの周囲の皮膚状態に関する測定情報を取得する第1の取得部と、測定情報と、装具タイプと、が関連付けられている関連付け情報を取得する第2の取得部と、測定情報と、関連付け情報と、の照合により、装具タイプを選定する選定部と、を備える、ストーマ装具選定装置を提供する。
測定情報は、ストーマの形状に関する情報、ストーマの径に関する情報、皮膚表面からのストーマの高さに関する情報、ストーマの周囲の皮膚の硬度に関する情報、皮膚の平坦又は凹凸状態に関する情報、皮膚の色に関する情報、及び皮膚のTEWLに関する情報からなる群より選ばれる1つ以上の情報を含む。
ストーマ装具選定装置は、関連付け情報を記憶する記憶部と、選定された装具タイプに該当する実際に使用されたストーマ装具に関する情報、及び、ストーマ装具の使用結果に関する情報を受け付ける受付部と、をさらに備えてよい。記憶部は、受付部が受け付けた情報に基づいて、関連付け情報を更新してよい。
ストーマ装具選定装置は、測定情報と、装具タイプに該当するストーマ装具の情報と、が関連付けられている教師データを用いて、記憶部に記憶されている学習モデルに機械学習させる機械学習部をさらに備えてよい。
選定部が、測定情報と、機械学習部により機械学習した学習モデルと、を用いて、装具タイプ、及び、ストーマ装具を選定してよい。
ストーマ装具選定装置は、皮膚表面に設置されているストーマ及び該ストーマの周囲の皮膚状態を測定した測定情報を第1の取得部に出力する測定部をさらに備えてよい。
また、本発明は、ストーマ及び該ストーマの周囲の皮膚状態に関する測定情報を取得することと、測定情報と、装具タイプと、が関連付けられている関連付け情報を取得することと、測定情報と、関連付け情報と、の照合により、装具タイプを選定することと、を含む、ストーマ装具選定方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ストーマ及び該ストーマの周囲の皮膚状態を定量的に評価して、適したストーマ装具のタイプを選定できる。なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係るストーマ装具選定装置100の構成例を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係る選定部3の処理の一例を示すフローチャートである。
図3】本発明の一実施形態に係るストーマ装具選定装置を実現するコンピュータ30の構成例を示すブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係るストーマ装具選定装置100の構成例を示すブロック図である。
図5】本発明の一実施形態に係る受付部7が表示する画面の一例である。
図6】本発明の一実施形態に係るストーマ装具選定装置100の構成例を示すブロック図である。
図7】本発明の一実施形態に係るストーマ装具選定装置100の構成例を示すブロック図である。
図8】本発明の一実施形態に係るストーマ装具選定方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が限定されることはない。また、本発明は、下記の実施例及びその変形例のいずれかを組み合わせることができる。
【0014】
以下の実施形態の説明において、略平行、略直交のような「略」を伴った用語で構成を説明することがある。例えば、略平行とは、完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行である、すなわち、完全に平行な状態から例えば数%程度ずれた状態を含むことも意味する。他の「略」を伴った用語についても同様である。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
【0015】
特に断りがない限り、図面において、「上」とは図中の上方向又は上側を意味し、「下」とは、図中の下方向又は下側を意味し、「左」とは図中の左方向又は左側を意味し、「右」とは図中の右方向又は右側を意味する。また、図面については、同一又は同等の要素又は部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0016】
以下の順に説明する。
1.第1の実施形態(ストーマ装具選定装置の例1)
2.第2の実施形態(ストーマ装具選定装置の例2)
3.第3の実施形態(ストーマ装具選定装置の例3)
4.第4の実施形態(ストーマ装具選定装置の例4)
5.第5の実施形態(ストーマ装具選定方法の例)
【0017】
<1.第1の実施形態(ストーマ装具選定装置の例1)>
本発明の一実施形態に係るストーマ装具選定装置は、ストーマ及び該ストーマの周囲の皮膚状態に関する測定情報を取得する第1の取得部と、測定情報と、装具タイプと、が関連付けられている関連付け情報を取得する第2の取得部と、測定情報と、関連付け情報と、の照合により、装具タイプを選定する選定部と、を備える。
【0018】
本発明の一実施形態に係るストーマ装具選定装置の構成例について図1を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るストーマ装具選定装置100の構成例を示すブロック図である。
【0019】
図1に示されるとおり、本発明の一実施形態に係るストーマ装具選定装置100は、第1の取得部1と、第2の取得部2と、選定部3と、記憶部4と、表示部5と、制御部6と、を備えることができる。
【0020】
第1の取得部1は、ストーマ及び該ストーマの周囲(特に約4cm以内の範囲。以下同じ)の皮膚状態に関する測定情報を取得する。これにより、ストーマ及び該ストーマの周囲の皮膚状態を定量的に評価できる。
【0021】
測定情報は、ストーマの形状に関する情報、ストーマの径に関する情報、皮膚表面からのストーマの高さに関する情報、ストーマの周囲の皮膚の硬度に関する情報、皮膚の平坦又は凹凸状態に関する情報、皮膚の色に関する情報、及び皮膚のTEWL(Transepidermal Water Loss、経皮水分蒸散量)に関する情報からなる群より選ばれる1つ以上の情報を含む。
【0022】
その他、第1の取得部1は、ストーマの種類(例えばコロストミー、イレオストミー、ウロストミーなど)に関する情報や、ストーマからの排泄物の性状(例えば水様便、有形便など)に関する情報を取得してもよい。
【0023】
記憶部4は、第1の取得部1が取得した測定情報と、装具タイプと、が関連付けられている関連付け情報を記憶する。関連付け情報は、例えばデータベースやデータテーブルなどが用いられることにより実現できる。この関連付け情報について表1を参照しつつ説明する。表1は、本発明の一実施形態に係る関連付け情報の一例である。
【表1】
【0024】
表1に示されるとおり、例えば、「ストーマの形状」「ストーマの径」「ストーマの高さ」などの項目に応じた測定情報と、「A」「B」「C」などの装具タイプと、が関連付けられている。
【0025】
この関連付け情報は、例えばCSV(Comma Separated Value)形式で記憶されてもよいし、XML(Extensible Markup Language)形式で記憶されてもよい。
【0026】
さらに記憶部4は、装具タイプと、装具タイプに該当するストーマ装具と、が関連付けられている関連付け情報を記憶することができる。この関連付け情報について表2を参照しつつ説明する。表2は、本発明の一実施形態に係る関連付け情報の一例である。
【表2】
【0027】
表2に示されるとおり、例えば、「A」「B」「C」などの装具タイプと、「○○シリーズ ×××××」などのストーマ装具と、が関連付けられている。
【0028】
第2の取得部2は、記憶部4を参照して、測定情報と、装具タイプと、が関連付けられている関連付け情報を取得する。
【0029】
選定部3は、測定情報と、関連付け情報と、の照合により、装具タイプを選定する。この選定の処理について図2を参照しつつ説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る選定部3の処理の一例を示すフローチャートである。
【0030】
図2に示されるとおり、選定部3は、第1の取得部1が取得した測定情報が、以下のステップS11~S14のすべての判定条件においてYesとなった場合に、「平面型装具」タイプを選定する(ステップS17)。
【0031】
ステップS11:ストーマが10mm以上突出している。
ステップS12:ストーマの周囲の皮膚平坦度が平坦又は山型である。
ステップS13:ストーマの周囲の皮膚の皺が浅い又は無い。
ステップS14:ストーマの周囲の皮膚の硬度が硬い。
【0032】
選定部3は、測定情報に含まれる「皮膚表面からのストーマの高さに関する情報」に基づいて、ステップS11の判定条件にしたがって判定する。選定部3は、測定情報に含まれる「皮膚の平坦又は凹凸状態に関する情報」に基づいて、ステップS12及びS13の判定条件にしたがって判定する。選定部3は、測定情報に含まれる「ストーマの周囲の皮膚の硬度に関する情報」に基づいて、ステップS14の判定条件にしたがって判定する。
【0033】
選定部3は、ステップS11において、ストーマが10mm以上突出していないとき(ステップS11:No)、以下のステップS16~S18を判定する。選定部3は、以下のステップS11~S14のすべての判定条件においてYesとなった場合に、「凸型はめ込み具内蔵型装具(凸部が浅い)」タイプを選定する(ステップS19)。
【0034】
ステップS16:ストーマの周囲の皮膚平坦度が平坦又は山型である。
ステップS17:ストーマの周囲の皮膚の皺が浅い又は無い。
ステップS18:ストーマの周囲の皮膚の硬度が硬い。
【0035】
選定部3は、ステップS16~S18のいずれかの判定条件においてNoとなった場合に、「凸型はめ込み具内蔵型装具(凸部が深い)」タイプを選定する(ステップS20)。
【0036】
表示部5は、選定部3により選定された装具タイプに該当するストーマ装具(例えば製品名など)を表示する。表2に示されるように、装具タイプと、装具タイプに該当するストーマ装具と、が関連付けられていることにより、表示部5がストーマ装具を表示できる。表示部5は、一つのストーマ装具を表示してもよいし、選定された装具タイプに該当する複数のストーマ装具を表示してもよい。
【0037】
制御部6は、ストーマ装具選定装置100が備えるそれぞれの構成要素の動作を制御する。
【0038】
本発明の一実施形態に係るストーマ装具選定装置は、プログラム及びコンピュータの協業により実現できる。本発明の一実施形態に係るストーマ装具選定装置の実現に用いられるコンピュータのハードウェア構成について図3を参照しつつ説明する。図3は、本発明の一実施形態に係るストーマ装具選定装置を実現するコンピュータ30の構成例を示すブロック図である。
【0039】
図3に示されるとおり、コンピュータ30は、構成要素として、CPU31、メモリ32、記憶部33、及び表示部34などを備えることができる。それぞれの構成要素は、例えばデータの伝送路としてのバスで接続されている。
【0040】
CPU31は、コンピュータ30のそれぞれの構成要素を制御する。あるいは、CPU31は、例えば、第1の取得部1、第2の取得部2、選定部3、及び制御部6などとして機能することができる。この第1の取得部1、第2の取得部2、選定部3、及び制御部6などはプログラムにより実現されることができる。このプログラムは、CPU31に読み込まれることにより、コンピュータ30に実行させることができる。
【0041】
メモリ32は、例えば、CPU31により実行されるプログラムやデータなどを一時的に記憶することができる。メモリ32は、例えばRAM(Random Access Memory)などが用いられることにより実現できる。
【0042】
記憶部33は、CPU31の処理に必要な様々なデータを記憶する。記憶部33は、例えばストレージデバイスなどが用いられることにより実現できる。記憶部4は、記憶部4として機能することができる。
【0043】
表示部34は、ユーザに対して情報を表示する。表示部34は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)又はOLED(Organic Light-Emitting Diode)などが用いられることにより実現できる。表示部34は、表示部5として機能することができる。
【0044】
図示を省略するが、コンピュータ30は通信部をさらに備えていてよい。通信部は、例えば、インターネット、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、モバイル通信網、電話回線通信網、Bluetooth(登録商標)、NFC、又は、その他の有線若しくは無線通信を用いる通信網を介して通信する機能を有する。
【0045】
コンピュータ30は、例えばスマートフォン端末、タブレット端末、携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistant)、PC(Personal Computer)、サーバ、又はウェアラブル端末(HMD:Head Mounted Display、メガネ型HMD、時計型端末、バンド型端末等)でありうる。
【0046】
本発明の一実施形態に係る運動器機能評価方法を実現するプログラムは、コンピュータ30のほかのコンピュータ装置又はコンピュータシステムに格納されてもよい。この場合、コンピュータ30は、このプログラムが有する機能を提供するクラウドサービスを利用することができる。このクラウドサービスとして、例えばSaaS(Software as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)等が挙げられる。
【0047】
さらにこのプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、Programmable ROM(PROM)、Erasable PROM(EPROM)、フラッシュROM、Random Access Memory(RAM))を含む。また、上記プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、上記プログラムをコンピュータに供給できる。
【0048】
本発明の第1の実施形態に係るストーマ装具選定装置について説明した上記の内容は、技術的な矛盾が特にない限り、本発明の他の実施形態に適用できる。
【0049】
<2.第2の実施形態(ストーマ装具選定装置の例2)>
本発明の一実施形態に係るストーマ装具選定装置は、選定された装具タイプに該当する実際に使用されたストーマ装具に関する情報、及び、ストーマ装具の使用結果に関する情報を受け付ける受付部と、をさらに備え、記憶部は、受付部が受け付けた情報に基づいて、関連付け情報を更新することができる。
【0050】
本発明の一実施形態に係るストーマ装具選定装置の構成例について図4を参照しつつ説明する。図4は、本発明の一実施形態に係るストーマ装具選定装置100の構成例を示すブロック図である。
【0051】
図4に示されるとおり、本発明の一実施形態に係るストーマ装具選定装置100は、受付部7をさらに備えることができる。受付部7は、選定部3により選定された装具タイプに該当する実際に使用されたストーマ装具に関する情報、及び、ストーマ装具の使用結果に関する情報を受け付ける。このことについて図5を参照しつつ説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る受付部7が表示する画面の一例である。
【0052】
図5に示されるとおり、受付部7は、選定部3により選定された装具タイプに該当する実際に使用されたストーマ装具に関する情報(例えば製品名など)を受け付ける。ユーザは、例えばタッチパネルやマウスポインタなどを介して、実際に使用したストーマ装具に関する情報をリストボックス71により選択する。
【0053】
また、受付部7は、ストーマ装具の使用結果に関する情報(例えば排泄物の漏れの有無など)を受け付ける。ユーザは、例えばタッチパネルやマウスポインタなどを介して、ストーマ装具の使用結果が「異常なし」であるか「排泄物の漏れあり」であるかをボタン72により選択する。
【0054】
なお、受付部7が受け付ける手段はリストボックスやボタンに限られない。受付部7は、例えば情報を複数列挙して、ラジオボタンの選択などにより情報を受け付けてもよい。
【0055】
記憶部4は、受付部が受け付けた情報に基づいて、関連付け情報を更新する。これにより、選定部3による選定の精度を向上させることができる。
【0056】
本発明の第2の実施形態に係るストーマ装具選定装置について説明した上記の内容は、技術的な矛盾が特にない限り、本発明の他の実施形態に適用できる。
【0057】
<3.第3の実施形態(ストーマ装具選定装置の例3)>
本発明の一実施形態に係るストーマ装具選定装置は、測定情報と、装具タイプに該当するストーマ装具の情報と、が関連付けられている教師データを用いて、記憶部に記憶されている学習モデルに機械学習させる機械学習部をさらに備えることができる。
【0058】
本発明の一実施形態に係るストーマ装具選定装置の構成例について図6を参照しつつ説明する。図6は、本発明の一実施形態に係るストーマ装具選定装置100の構成例を示すブロック図である。
【0059】
図6に示されるとおり、本発明の一実施形態に係るストーマ装具選定装置100は、機械学習部8をさらに備えることができる。機械学習部8は、測定情報と、装具タイプに該当するストーマ装具の情報と、が関連付けられている教師データを用いて、記憶部4に記憶されている学習モデルに機械学習させる。
【0060】
選定部3は、測定情報と、機械学習部8により機械学習した学習モデルと、を用いて、装具タイプ、及び、ストーマ装具を選定する。これにより、選定部3の精度が向上する。
【0061】
「機械学習」とは、あるデータの中から一定の規則を発見し、その規則に基づいて未知のデータに対する推測及び予測等を実現する学習手法の一つである。機械学習については公知の技術を用いることができ、その機能を備えたコンピュータ及び学習モデルなどを用いることにより実現できる。
【0062】
学習モデルは特に限定されないが、例えば、ID3やランダムフォレストなどの決定木学習、相関ルール学習などが用いられてよい。あるいは、人工ニューラルネットワーク(ANN:Artificial Neural Network)、ディープニューラルネットワーク(DNN:Deep Neural Network)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)、再帰型ニューラルネットワーク(RNN:Recurrent Neural Network)など、各種のニューラルネットワークが用いられてよい。あるいは、遺伝的プログラミング(GP:Genetic Programming)、帰納論理プログラミング(ILP:Inductive Logic Programming)、ファジィアルゴリズム、進化的アルゴリズム(EA:Evolutionary Algorithm)、強化学習(Reinforcement Learning)、サポートベクターマシン(SVM:Support Vector Machine)、クラスタリング(Clustering)、ベイジアンネットワーク(Bayesian Network)などが用いられてよい。さらには、これらの手法を組み合わせたものや、これらを深層学習(Deep Learning)の技術を用いて発展させたものであってもよい。
【0063】
本発明においては、測定情報と、装具タイプに該当するストーマ装具の情報と、が関連付けられているデータセットを教師データとして学習モデルに教師あり学習をさせることができる。
【0064】
あるいは、例えば強化学習が用いられてもよい。強化学習とは、ソフトウェアが現在の状態を観測して取るべき行動(本発明における装具タイプ及びストーマ装具の選定)を決定する問題を扱う機械学習の一種である。エージェント(本発明における学習モデル)は、行動を試行錯誤して強化学習することにより、価値が最も高くなるときの行動を決定できる。
【0065】
強化学習を実現するための手法として、例えばモンテカルロ法、動的計画法、SARSA(state-action-reward-state-action)、あるいはQ学習(Q-learning)などが用いられることができる。
【0066】
本発明においては、選定部3が装具タイプを選定した後に、例えば図5に示されるように、その装具タイプが適切か否かの情報を受付部7が受け付けることにより、学習モデルが強化学習できる。
【0067】
本発明の第3の実施形態に係るストーマ装具選定装置について説明した上記の内容は、技術的な矛盾が特にない限り、本発明の他の実施形態に適用できる。
【0068】
<4.第4の実施形態(ストーマ装具選定装置の例4)>
本発明の一実施形態に係るストーマ装具選定装置は、皮膚表面に設置されているストーマ及び該ストーマの周囲の皮膚状態を測定した測定情報を第1の取得部に出力する測定部をさらに備えることができる。
【0069】
本発明の一実施形態に係るストーマ装具選定装置の構成例について図7を参照しつつ説明する。図7は、本発明の一実施形態に係るストーマ装具選定装置100の構成例を示すブロック図である。
【0070】
図7に示されるとおり、本発明の一実施形態に係るストーマ装具選定装置100は、測定部9をさらに備えることができる。測定部9は、皮膚表面に設置されているストーマ及び該ストーマの周囲の皮膚状態を測定した測定情報を第1の取得部1に出力する。
【0071】
なお、測定部9と第1の取得部1とは、例えば情報通信ネットワークなどを介して接続されていてもよい。
【0072】
従来、正円又は非正円などのストーマの形状は、WOCナースが目視して評価している。本発明によれば、ストーマの形状に関する情報は、測定部9として例えば3Dスキャナなどが用いられることにより取得できる。測定部9は、ストーマの形状に関する情報を取得できる。
【0073】
従来、ストーマの径及び皮膚表面からのストーマの高さは、WOCナースがノギスなどで測定して評価している。本発明によれば、ストーマの径に関する情報、及び、皮膚表面からのストーマの高さに関する情報は、測定部9として例えば3Dスキャナなどが用いられることにより取得できる。測定部9は、ストーマの径に関する情報、及び、皮膚表面からのストーマの高さに関する情報を取得できる。
【0074】
従来、ストーマの周囲の皮膚の硬度は、WOCナースが触診して評価している。本発明によれば、ストーマの周囲の皮膚の硬度に関する情報は、測定部9として例えば硬度計などが用いられることにより取得できる。測定部9は、ストーマの周囲の皮膚の硬度に関する情報を取得できる。
【0075】
従来、ストーマの周囲の皮膚の平坦又は凹凸状態は、WOCナースが目視して評価している。本発明によれば、ストーマの周囲の皮膚の平坦又は凹凸状態に関する情報は、測定部9として例えば3Dスキャナなどが用いられることにより取得できる。測定部9は、ストーマの周囲の皮膚の平坦又は凹凸状態に関する情報を取得できる。特に、測定部9は、ストーマの周囲の手術創、瘢痕、骨突出、局所的膨隆、凹凸、皺などの有無及び程度を取得できる。また、測定部9は、ストーマの周囲の皮膚平坦度が山型、平坦型、陥凹型のいずれであるかを取得できる。
【0076】
従来、ストーマの周囲の皮膚の色(例えば、かぶれ、発赤、色素沈着など)は、WOCナースが目視して評価している。本発明によれば、ストーマの周囲の皮膚の色に関する情報は、測定部9として例えばカメラなどが用いられることにより取得できる。測定部9は、ストーマの周囲の皮膚の色に関する情報を取得できる。
【0077】
また、本発明によれば、ストーマの周囲の皮膚のTEWL(経皮水分蒸散量)に関する情報は、測定部9として例えば経皮水分蒸散量測定器などが用いられることにより取得できる。測定部9は、ストーマの周囲の皮膚のTEWLを取得できる。
【0078】
本発明の第4の実施形態に係るストーマ装具選定装置について説明した上記の内容は、技術的な矛盾が特にない限り、本発明の他の実施形態に適用できる。
【0079】
<5.第5の実施形態(ストーマ装具選定方法の例)>
本発明の一実施形態に係るストーマ装具選定装置は、ストーマ及び該ストーマの周囲の皮膚状態に関する測定情報を取得することと、測定情報と、装具タイプと、が関連付けられている関連付け情報を取得することと、測定情報と、関連付け情報と、の照合により、装具タイプを選定することと、を含む。
【0080】
本発明の一実施形態に係るストーマ装具選定方法について図8を参照しつつ説明する。図8は、本発明の一実施形態に係るストーマ装具選定方法の一例を示すフローチャートである。
【0081】
図8に示されるとおり、本発明の一実施形態に係るストーマ装具選定方法は、ストーマ及び該ストーマの周囲の皮膚状態に関する測定情報を取得すること(ステップS1)と、測定情報と、装具タイプと、が関連付けられている関連付け情報を取得すること(ステップS2)と、測定情報と、関連付け情報と、の照合により、装具タイプを選定すること(ステップS3)と、を含む。
【0082】
本発明の第5の実施形態に係るストーマ装具選定方法について説明した上記の内容は、技術的な矛盾が特にない限り、本発明の他の実施形態に適用できる。
【0083】
また、本発明は、以下の構成をとることもできる。
[1]
ストーマ及び該ストーマの周囲の皮膚状態に関する測定情報を取得する第1の取得部と、
前記測定情報と、装具タイプと、が関連付けられている関連付け情報を取得する第2の取得部と、
前記測定情報と、前記関連付け情報と、の照合により、前記装具タイプを選定する選定部と、を備える、ストーマ装具選定装置。
[2]
前記測定情報は、前記ストーマの形状に関する情報、前記ストーマの径に関する情報、皮膚表面からの前記ストーマの高さに関する情報、前記ストーマの周囲の皮膚の硬度に関する情報、前記皮膚の平坦又は凹凸状態に関する情報、前記皮膚の色に関する情報、及び前記皮膚のTEWLに関する情報からなる群より選ばれる1つ以上の情報を含む、
[1]に記載のストーマ装具選定装置。
[3]
前記関連付け情報を記憶する記憶部と、
選定された前記装具タイプに該当する実際に使用されたストーマ装具に関する情報、及び、前記ストーマ装具の使用結果に関する情報を受け付ける受付部と、をさらに備え、
前記記憶部は、前記受付部が受け付けた情報に基づいて、前記関連付け情報を更新する、
[1]又は[2]に記載のストーマ装具選定装置。
[4]
前記測定情報と、前記装具タイプに該当するストーマ装具の情報と、が関連付けられている教師データを用いて、前記記憶部に記憶されている学習モデルに機械学習させる機械学習部をさらに備える、
[3]に記載のストーマ装具選定装置。
[5]
前記選定部が、前記測定情報と、前記機械学習部により機械学習した前記学習モデルと、を用いて、前記装具タイプ、及び、ストーマ装具を選定する、
[4]に記載のストーマ装具選定装置。
[6]
皮膚表面に設置されているストーマ及び該ストーマの周囲の皮膚状態を測定した測定情報を前記第1の取得部に出力する測定部をさらに備える、[1]から[5]のいずれか一つに記載のストーマ装具選定装置。
[7]
ストーマ及び該ストーマの周囲の皮膚状態に関する測定情報を取得することと、
前記測定情報と、装具タイプと、が関連付けられている関連付け情報を取得することと、
前記測定情報と、前記関連付け情報と、の照合により、前記装具タイプを選定することと、を含む、ストーマ装具選定方法。
【符号の説明】
【0084】
100 ストーマ装具選定装置
1 第1の取得部
2 第2の取得部
3 選定部
4 記憶部
5 表示部
6 制御部
7 受付部
71 リストボックス
72 ボタン
8 機械学習部
9 測定部
S1 測定情報を取得すること
S2 関連付け情報を取得すること
S3 装具タイプを選定すること

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8