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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061831
(43)【公開日】2024-05-08
(54)【発明の名称】抗疲労剤
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/175 20160101AFI20240426BHJP
   A61K 31/198 20060101ALI20240426BHJP
   A61P 3/02 20060101ALI20240426BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
A23L33/175
A61K31/198
A61P3/02
A61P43/00 121
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024039547
(22)【出願日】2024-03-14
(62)【分割の表示】P 2022107500の分割
【原出願日】2015-06-25
(71)【出願人】
【識別番号】398028503
【氏名又は名称】株式会社東洋新薬
(72)【発明者】
【氏名】宮元 彩希
(72)【発明者】
【氏名】鍔田 仁人
(72)【発明者】
【氏名】山口 和也
(72)【発明者】
【氏名】高垣 欣也
(57)【要約】
【課題】 疲労軽減効果の高い抗疲労剤を提供すること。
【解決手段】 オルニチン又はその塩と、ビタミンB1などの特定の成分とを有効成分として含有することを特徴とする抗疲労剤である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オルニチン又はその塩と、グリシン、イソロイシン、ロイシン、ヒスチジン及びフェニルアラニンから選ばれる少なくとも1種の遊離アミノ酸を含有する、食品組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗疲労剤に係り、詳しくは、オルニチン又はその塩(以下、単にオルニチン類ということがある)及び特定の他の成分を有効成分とする抗疲労剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の長時間労働や過度のストレスを受ける状況下においては、肉体的・精神的疲労が蓄積しやすく、これら疲労の疲労改善を目的とした薬剤等の開発が盛んに行われている。
【0003】
例えば、オルニチンまたはその塩、およびグルタチオンまたはその塩を有効成分として含有する疲労軽減剤(特許文献1)や、特定の構造式で表されるセサミンなどのジオキサビシクロ〔3.3.0〕オクタン誘導体を有効成分とする抗疲労剤(特許文献2)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】再表2007-142286号公報
【特許文献2】特開2014-193903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、疲労軽減効果の高い抗疲労剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、オルニチンの疲労軽減効果について鋭意調査・研究したところ、オルニチンと特定の他の成分とを組み合わせることにより、高い疲労軽減効果が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。具体的には、オルニチンと、疲労軽減能がほとんどないか、その能力が小さい特定の他の成分を組み合わせることにより、疲労軽減能を相乗的に向上させることができることを見いだした。
【0007】
すなわち、本発明は、オルニチン又はその塩と、下記(a)~(d)からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分とを有効成分として含有することを特徴とする抗疲労剤に関する。
(a)松、及び稲から選ばれる少なくとも1種の植物素材
(b)アスパルテーム、トレハロース、及び還元パラチノースから選ばれる少なくとも1種の甘味剤
(c)グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、及びアンセリンから選ばれる少なくとも1種のアミノ酸類
(d)ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンE、ナイアシン、葉酸、ビタミンK、及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種のビタミン・ミネラル類
【0008】
本発明の抗疲労剤は、オルニチン又はその塩と(a)~(d)からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分とからなる有効成分を添加して得たものであってもよい。
【0009】
また、本発明の抗疲労剤は、オルニチン又はその塩と他の有効成分との配合質量比が、0.5:1~70:1の範囲であることが好ましい。また、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、又は液剤であることが好ましい。
【0010】
さらに、本発明は、上記抗疲労剤を摂取させることを特徴とする疲労軽減方法(ただし、医療行為を除く)に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の抗疲労剤によれば、高い疲労軽減効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の抗疲労剤(オルニチン+植物素材)を適用した場合のマウス筋芽細胞株の細胞生存率を示す図である。左のグラフが、植物素材として松を用いたものであり、右のグラフが、植物素材として稲(米ぬか)を用いたものである。
図2】本発明の抗疲労剤(オルニチン+甘味剤)を適用した場合のマウス筋芽細胞株の細胞生存率を示す図である。左上のグラフが、甘味剤としてアスパルテームを用いたものであり、右上のグラフが、甘味剤としてトレハロースを用いたものであり、左下のグラフが、甘味剤として還元パラチノースを用いたものである。
図3】本発明の抗疲労剤(オルニチン+アミノ酸類)を適用した場合のマウス筋芽細胞株の細胞生存率を示す図である。左上のグラフが、アミノ酸類としてグルタミンを用いたものであり、右上のグラフが、アミノ酸類としてグルタミン酸を用いたものであり、左下のグラフが、アミノ酸類としてグリシンを用いたものであり、右下のグラフが、アミノ酸類としてヒスチジンを用いたものである。
図4】本発明の抗疲労剤(オルニチン+アミノ酸類)を適用した場合のマウス筋芽細胞株の細胞生存率を示す図である。左上のグラフが、アミノ酸類としてイソロイシンを用いたものであり、右上のグラフが、アミノ酸類としてロイシンを用いたものであり、左下のグラフが、アミノ酸類としてリジン-塩酸塩を用いたものであり、右下のグラフが、アミノ酸類としてメチオニンを用いたものである。
図5】本発明の抗疲労剤(オルニチン+アミノ酸類)を適用した場合のマウス筋芽細胞株の細胞生存率を示す図である。左上のグラフが、アミノ酸類としてフェニルアラニンを用いたものであり、右上のグラフが、アミノ酸類としてチロシンを用いたものであり、左下のグラフが、アミノ酸類としてアンセリンを用いたものである。
図6】本発明の抗疲労剤(オルニチン+ビタミン・ミネラル類)を適用した場合のマウス筋芽細胞株の細胞生存率を示す図である。左上のグラフが、ビタミン類としてビタミンB1を用いたものであり、右上のグラフが、ビタミン類としてビタミンB6を用いたものであり、左下のグラフが、ビタミン類としてビタミンB12を用いたものであり、右下のグラフが、ビタミン類としてビタミンEを用いたものである。
図7】本発明の抗疲労剤(オルニチン+ビタミン・ミネラル類)を適用した場合のマウス筋芽細胞株の細胞生存率を示す図である。左上のグラフが、ビタミン類としてナイアシンを用いたものであり、右上のグラフが、ビタミン類として葉酸を用いたものであり、左下のグラフが、ビタミン類としてビタミンKを用いたものである。
図8】本発明の抗疲労剤(オルニチン+ビタミン・ミネラル類)を適用した場合のマウス筋芽細胞株の細胞生存率を示す図であり、ミネラル類として亜鉛を用いたものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の抗疲労剤は、オルニチン又はその塩と、下記(a)~(d)からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分(以下、他成分ということがある)とを有効成分として含有することを特徴とする。
【0014】
本発明の抗疲労剤は、肉体的な疲労、及び肉体的疲労に起因する精神的疲労を軽減することができるものであり、具体的には、疲労の予防、改善を行うことができる。すなわち、本発明の抗疲労剤を作業前に摂取することにより、摂取後の作業において疲労の発生が抑制される(疲れにくくする)疲労予防効果が得られると共に、作業後に摂取することにより、作業により生じた疲労を改善(回復)する疲労改善効果が得られる。また、睡眠中に筋肉疲労を軽減することにより、睡眠中のリラックス効果が得られる。
【0015】
[オルニチン]
本発明の抗疲労剤の有効成分となるオルニチンとしては、L-オルニチンであってもよく、D-オルニチンであってもよいが、L-オルニチンであることが好ましい。オルニチンは、化学合成により得られたもの、発酵に得られたもの等、その製造方法は問わない。また、オルニチンの塩としては、薬学的に許容される塩であれば特に制限されるものではなく、例えば、無機酸塩、有機酸塩、金属塩を挙げることができる。オルニチンは、医薬品、試薬等として市販されており、これらの市販品を用いることができる。
【0016】
[他成分]
【0017】
(a)植物素材
本発明の抗疲労剤においては、オルニチン又はその塩と共に、有効成分として、松、及び稲から選ばれる少なくとも1種の植物素材を用いることが好ましい。
【0018】
これらの植物素材は、葉、茎、根、花、実、幹、枝等、植物のいずれの部位であってもよく、植物素材そのもの(乾燥物を含む)の他、その粉砕物、搾汁、抽出物等の植物素材処理物を用いることができる。粉砕物としては、粉末、顆粒等が挙げられる。絞汁や抽出物は、液状であってもよいが、ペースト状や乾燥粉末として用いることもできる。抽出物は、適当な溶媒を用いて抽出することに得ることができ、溶媒としては、例えば、水(熱水)、エタノール、含水エタノールを用いることができる。これらの植物素材は、市販されているものを使用することができる。
【0019】
松としては、例えば、フランス海岸松(Pinus Martima)、カラマツ、クロマツ、アカマツ等を挙げることができ、これらの中でも、プロアントシアニジンが豊富に含まれるフランス海岸松(Pinus Martima)が好ましい。本発明の植物素材として用いる部位としては樹皮が好ましく、この松樹皮から得られる抽出物が特に好ましい。この抽出物には、プロアントシアニジンの他、オリゴメリックプロアントシアニジンが高濃度で含まれており、例えば、抽出物の乾燥質量に対してオリゴメリックプロアントシアニジンを20質量%以上含むものが好ましい。
【0020】
稲は、イネ科イネ属の植物である。本発明の植物素材として用いる部位としては、玄米の外皮や胚が好ましく、具体的には、玄米を精白する際に副産物として得られる米ぬかを用いることが好ましい。稲の種類としては、特に制限はなく、ジャポニカ種、インディカ種等を挙げることができる。
【0021】
(b)甘味剤
本発明の抗疲労剤においては、オルニチン又はその塩と共に、有効成分として、アスパルテーム、トレハロース、及び還元パラチノースから選ばれる少なくとも1種の甘味剤を用いることが好ましい。本発明の甘味剤は、甘味を呈するものを意味し、甘味料としての使用目的に限定されない。
【0022】
(c)アミノ酸類
本発明の抗疲労剤においては、オルニチン又はその塩と共に、有効成分として、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、及びアンセリンから選ばれる少なくとも1種のアミノ酸類(塩を含む)を用いることが好ましい。塩としては、例えば、ナトリウム塩、塩酸塩等を挙げることができる。
【0023】
(d)ビタミン・ミネラル類
本発明の抗疲労剤においては、オルニチン又はその塩と共に、有効成分として、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンE、ナイアシン、葉酸、ビタミンK、及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種のビタミン・ミネラル類を用いることが好ましい。なお、本発明のミネラル類としての亜鉛は、亜鉛を含む化合物の形態を含む。
【0024】
本発明の抗疲労剤は、オルニチン又はその塩と所定の他成分とを含有し、抗疲労に用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物のいずれかに抗疲労の機能がある旨を表示したものが本発明の範囲に含まれる。例えば、医薬品(医薬部外品を含む)や、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等の所定機関より効能の表示が認められた機能性食品などのいわゆる健康食品や、飼料等を挙げることができる。いわゆる健康食品においては、「続く疲れに」、「毎日の疲れに」、「肉体的、精神的な高いパフォーマンスをサポート」、「疲れの改善」、「ストレスの改善」、「睡眠の改善」、「眠りを良くする」、「疲れやすい方に」等を表示したものを例示することができる。本発明の抗疲労剤は、上記の効果が気になる人であれば性別や年齢に関係なく摂取することができるが、本発明の抗疲労剤の効果をより有効に享受することができることから、疾病者を除く健常者が摂取することが望ましい。また、睡眠中に筋肉疲労を軽減することにより、睡眠中のリラックス効果が得られることから、夜に摂取することが望ましく、睡眠前に摂取することがさらに望ましい。
【0025】
本発明の抗疲労剤の形態としては、例えば、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、液剤、粒状剤、棒状剤、板状剤、ブロック状剤、固形状剤、丸状剤、ペースト状剤、クリーム状剤、カプレット状剤、ゲル状剤、チュアブル状剤、スティック状剤等を挙げることができる。これらの中でも、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、液剤の形態が特に好ましい。具体的には、サプリメントや、ペットボトル、缶、瓶等に充填された容器詰飲料や、水(湯)、牛乳、果汁、青汁等に溶解して飲むためのインスタント粉末飲料、インスタント顆粒飲料を例示することができる。これらは食事の際などに手軽に飲用しやすく、また嗜好性を高めることができるという点で好ましい。
【0026】
本発明の抗疲労剤におけるオルニチン及び他成分(有効成分)の含有量としては、その効果の奏する範囲で適宜含有させればよい。
【0027】
一般的には、本発明の抗疲労剤が医薬品やサプリメント(錠剤,カプセル剤)の場合には、有効成分が乾燥質量換算で全体の0.01~100質量%含まれていることが好ましく、0.1~85質量%含まれていることがより好ましく、0.5~70質量%含まれていることがさらに好ましい。
【0028】
本発明の抗疲労剤が容器詰飲料(液剤)である場合には、有効成分が乾燥質量換算で全体の0.01~10質量%含まれていることが好ましく、0.03~6質量%含まれていることがより好ましく、0.05~4質量%含まれていることがさらに好ましい。
【0029】
また、本発明の抗疲労剤がインスタント粉末飲料(粉末剤)、インスタント顆粒飲料(顆粒剤)である場合には、有効成分が乾燥質量換算で全体の1~100質量%含まれていることが好ましく、5~90質量%含まれていることがより好ましく、10~80質量%含まれていることがさらに好ましい。
【0030】
本発明の効果をより有効に発揮させるためには、有効成分が乾燥質量換算で本発明の抗疲労剤全体(水分を除く)の80%以上含まれていることが好ましく、90%以上含まれていることがより好ましく、95%以上含まれていることがさらに好ましく、100%であることが特に好ましい。さらに、本発明の抗疲労剤が成分(a)~(d)のいずれかを含有する場合、その含有される成分は、本発明における有効成分のみで構成されることが好ましい。すなわち、本発明の抗疲労剤が例えば成分(a)(植物素材)を含む場合には、松、稲以外の植物素材を含まないように構成することが好ましい。
【0031】
本発明の抗疲労剤の摂取量としては特に制限はないが、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、1日当たりの有効成分の摂取量が、100mg/日以上となるように摂取することが好ましく、200mg/日以上となるように摂取することがより好ましく、300mg/日以上となるように摂取することがさらに好ましい。その上限は特に制限されないが、例えば、2g/日であり、好ましくは3g/日である。本発明の抗疲労剤は、1日の摂取量が前記摂取量となるように、1つの容器に、又は例えば2~3の複数の容器に分けて、1日分として収容することができる。
【0032】
オルニチン類及び他成分の配合質量比としては、乾燥質量換算で、0.5:1~70:1の範囲であることが好ましく、0.75:1~60:1の範囲であることがより好ましく、1:1~60:1の範囲であることがさらに好ましく、1:1~50:1の範囲であることが特に好ましい。オルニチン類及び他成分の配合比が、上記範囲であることにより、本発明の効果をより有効に発揮することができる。
【0033】
本発明の抗疲労剤は、必要に応じて、経口用として許容される添加剤や、有効成分以外の成分を添加して、公知の製剤方法によって製造することができる。
【0034】
また、本発明の抗疲労剤としては、有効成分を含有する抗疲労用食品の他、食品に対して有効成分を添加して得た抗疲労用食品を挙げることができ、例えば、通常の食品(天然の食品を含む)に比して本発明の有効成分含有量を増加させた食品や、本発明の有効成分を通常含まない食品に対して有効成分を添加したものを挙げることができる。有効成分の添加は、それぞれの成分を別々に添加してもよいし、同時に添加してもよく、また、有効成分以外の他の成分と共に添加してもよい。
【0035】
本発明の抗疲労用食品としては、例えば、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料、スムージー、青汁等の飲料;アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、中華麺、即席麺等の麺類;飴、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子、パン等の菓子類;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳、ヨーグルト等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及びその加工食品;ソース、醤油等の調味料;カレー、シチュー、親子丼、お粥、雑炊、中華丼、かつ丼、天丼、牛丼、ハヤシライス、オムライス、おでん、マーボドーフ、餃子、シューマイ、ハンバーグ、ミートボール、各種ソース、各種スープ等のレトルトパウチ食品などを挙げることができる。
【0036】
本発明の疲労軽減方法としては、上記説明した本発明の抗疲労剤を摂取させることを特徴とするが、医療行為は含まれない。本発明の抗疲労剤は、上記の効果が気になる人であれば性別や年齢に関係なく摂取させることができるが、本発明の抗疲労剤の効果をより有効に享受することができることから、疾病者を除く健常者に摂取させることが望ましい。また、睡眠中に筋肉疲労を軽減することにより、睡眠中のリラックス効果が得られることから、夜に摂取させることが望ましく、睡眠前に摂取させることがさらに望ましい。本発明の方法としては、例えば、レストラン等の飲食店において、本発明の抗疲労用食品を提供することにより、疲労軽減を図る方法を挙げることができる。
【実施例0037】
以下、本発明を実施例に基づき説明する。
[実施例1]
(1)マウス筋芽細胞株C2C12を、5×10cells/wellとなるよう96well plateへ播種した。
(2)一晩、前培養し、培養上清除去後、下記表1及び表2に示すようにサンプル添加を行った。
【0038】
各サンプルは、以下のように調製した。
各サンプルを5mg/mL(もしくは1.28mg/mL)となるよう10%FBS-DMEMへ溶解し、1h転倒撹拌後、フィルタリングを行ったものを原液とした。ただし、疎水性サンプルは、50mg/mLとなるようDMSOへ溶解したものを原液とした。
【0039】
調製した原液を10%FBS-DMEMにてさらに希釈し、目的の終濃度の2倍濃度となるよう調整した。疎水性サンプルは、目的の終濃度の2倍濃度かつ1%DMSO-10%FBS-DMEMとなるよう調整した。
【0040】
オルニチンについては、市販されるL-オルニチン塩酸塩を用いた。オルニチンと共に用いる他成分としては、表3~表6に示す物質を用いた。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
(3)サンプル添加より24時間後、Cell Counting Kit-8を用いて細胞生存率を測定した。この際、DMEM培地:WST-8溶液=20:1となるよう試薬調整を行った。
【0044】
培養上清除去後、PBSにて各wellを1回洗浄し、PBSを除去した後、上記WST-8調製液を150μLずつ分注した。発色次第(約15分後)、450nmの吸光度を測定した。
【0045】
その結果を表3~表6、及び図1図8に示す。図中の各グラフは、左から、「コントロール(添加なし)」、「オルニチン(O)の単独添加」、「他成分の単独添加」、「オルニチン+他成分添加」の結果を表す。また、グラフ下部の説明における数値は、サンプル濃度を示し、例えば、図1の左のグラフの「O_0.25」は、オルニチン0.25(μg/mL)を示す。添加成分の濃度単位は、すべてのグラフにおいて、μg/mLである。
【0046】
【表3】
【0047】
松については、フランス海岸松の樹皮の熱水抽出物(乾燥粉末)を用いた。
稲(米ぬか)については、市販品を用いた。
ヨモギについては、生葉の微粉砕末を用いた。
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】
【表6】
【0051】
表3~表6、及び図1図8に示すように、オルニチンと、本発明の特定の他成分とを組み合わせることにより、筋細胞が相乗的に活発化した。したがって、本発明の抗疲労剤によれば、疲労をより有効に軽減することができる。
【0052】
[実施例2](錠剤の製造)
下記成分からなるタブレットを製造した。
【0053】
L-オルニチン塩酸塩 130mg(オルニチンとして100mg)
フラクトオリゴ糖 20mg
松樹皮抽出物 10mg
アルギニン 20mg
イソロイシン 5mg
ロイシン 5mg
リジン 2mg
ビタミンE 1mg
二酸化ケイ素 30mg
シェラック 20mg
【0054】
上記錠剤は、一日に5~10粒を噛まずに水と共に服用する。
【0055】
[実施例3](カプセル剤の製造)
下記混合物400mgをソフトカプセルに封入し、カプセル剤を製造した。
【0056】
L-オルニチン塩酸塩 260mg(オルニチンとして200mg)
アルギニン 60mg
リジン 8mg
葉酸 10mg
ビタミンB1 10mg
ナイアシン 10mg
グリセリン脂肪酸エステル 5mg
二酸化ケイ素 37mg
【0057】
上記カプセル剤は、一日に5粒を噛まずに水と共に服用する。
【0058】
[実施例4](顆粒剤の製造)
下記成分を混合して常法により顆粒剤(3000mg)を製造した。
【0059】
L-オルニチン塩酸塩 2600mg(オルニチンとして2000mg)
米ぬか抽出物 200mg
グルタミン 60mg
グルタミン酸 40mg
ビタミンB12 10mg
グルコン酸亜鉛 5mg
乳糖 50mg
難消化性デキストリン 25mg
ショ糖脂肪酸エステル 10mg
【0060】
上記顆粒剤は、一日に1包を水などと共に服用する。
【0061】
[実施例5](液剤の製造)
下記成分からなる液剤(100mL)を製造した。
【0062】
アスパルテーム 500mg
トレハロース 400mg
L-オルニチン塩酸塩 400mg
松樹皮抽出物 100mg
ナイアシン 60mg
葉酸 50mg
ビタミンC 50mg
ビタミンB12 30mg
クエン酸 20mg
香料 適量
水 残部
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の抗疲労剤は、疲労軽減効果を有し、経口剤として用いることができることから、本発明の産業上の有用性は高い。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8