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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061847
(43)【公開日】2024-05-08
(54)【発明の名称】プログラム、記録媒体及びゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20240426BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20240426BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20240426BHJP
   A63F 13/798 20140101ALI20240426BHJP
【FI】
A63F13/69 520
A63F13/58
A63F13/79
A63F13/798
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024040064
(22)【出願日】2024-03-14
(62)【分割の表示】P 2023032100の分割
【原出願日】2020-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】門田 侑樹
(57)【要約】
【課題】興趣性のあるゲーム要素の構成を可能ならしめる。
【解決手段】プログラムは、コンピュータに、ゲーム要素の構成に係る構成用情報を取得する処理と、ゲーム要素の構成に用いる素材の組み合わせを選択する処理と、構成用情報に基づいてゲームを実行し、なされた操作入力に基づいてゲームプレイの評価を行う処理と、選択された素材の組み合わせとゲームプレイの評価結果とに基づいて、構成用情報と対応するゲーム要素を構成する処理と、を実行させ、構成されるゲーム要素のパラメータが、ゲームプレイの評価結果に応じて変更される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
ゲーム要素の構成に係る構成用情報を取得する処理と、
ゲーム要素の構成に用いる素材の組み合わせを選択する処理と、
前記構成用情報に基づいてゲームを実行し、なされた操作入力に基づいてゲームプレイの評価を行う処理と、
選択された前記素材の組み合わせと前記ゲームプレイの評価結果とに基づいて、前記構成用情報と対応するゲーム要素を構成する処理と、
を実行させ、
構成されるゲーム要素のパラメータが、前記ゲームプレイの評価結果に応じて変更されるプログラム。
【請求項2】
前記構成されるゲーム要素のパラメータは、第1のパラメータと第2のパラメータとを合算することで導出されるものであり、
前記第1のパラメータが、前記構成されるゲーム要素について固有に定められたパラメータであり、
前記第2のパラメータが、前記ゲームプレイの評価結果に応じて決定されるパラメータである
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記構成用情報には、前記素材の組み合わせを特定する情報が含まれ、
前記構成用情報により特定される前記素材の組み合わせが、ゲーム要素の構成に用いる素材の組み合わせとして選択される
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記構成用情報には、該構成用情報に基づくゲーム要素の構成について、選択が要件づけられた素材の種別を特定する情報が含まれ、
前記選択する処理において、前記構成用情報により特定される種別に属する素材が選択される
請求項2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記選択する処理が、前記素材の組み合わせのうちの少なくとも一部の素材の、同一の種別に属する他の素材への変更を受け付ける処理を含む請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記素材の組み合わせには、第1の素材が含まれ、
前記第2のパラメータがさらに、前記選択された素材の組み合わせのうちの前記第1の素材に応じて決定される
請求項2乃至5のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記構成用情報には、該構成用情報に基づいて構成可能なゲーム要素群を特定する情報が含まれ、
前記構成されるゲーム要素が、前記構成用情報により特定されるゲーム要素群のうちから、前記選択された素材の組み合わせに応じて決定される
請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記素材の組み合わせには、前記第1の素材とは異なる第2の素材が含まれ、
前記構成されるゲーム要素が、前記構成用情報により特定されるゲーム要素群のうちから、前記選択された素材の組み合わせに含まれる前記第2の素材に基づいて決定される
請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
実行される前記ゲームが、前記構成用情報により特定されるゲーム要素群に応じて変更される請求項7または8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記実行されるゲームにおいて評価される操作入力が、前記構成用情報により特定されるゲーム要素群に応じて変更される請求項7乃至9のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項11】
構成されたゲーム要素を格納する処理と、
前記構成用情報について前記構成されたゲーム要素が既に格納されているかを判断する処理を、前記コンピュータにさらに実行させ、
前記構成用情報について前記構成されたゲーム要素が既に格納されていると判断された場合に、前記ゲームプレイの評価結果が該既に格納されているゲーム要素の構成時に行われたゲームプレイの評価結果よりも良好であることを条件として、前記構成用情報と対応するゲーム要素が構成され、該既に格納されているゲーム要素に代えて新たに格納される
請求項1乃至10のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項13】
ゲーム要素の構成に係る構成用情報を取得する取得手段と、
前記ゲーム要素の構成に用いる素材の組み合わせを選択する選択手段と、
前記取得手段により取得された前記構成用情報に基づいてゲームを実行し、なされた操作入力に基づいてゲームプレイの評価を行う評価手段と、
前記選択手段により選択された前記素材の組み合わせと前記評価手段によりなされた前記ゲームプレイの評価結果とに基づいて、前記構成用情報と対応するゲーム要素を構成する構成手段と、
を備え、
前記構成手段により構成されるゲーム要素のパラメータが、前記ゲームプレイの評価結果に応じて変更されるゲーム装置。
【請求項14】
ゲーム要素の構成に係る構成用情報が付されたゲーム用物品と、該ゲーム用物品から前記構成用情報を取得可能に構成されたゲーム装置と、を含むゲーム要素構成システムであって、
前記ゲーム装置は、
前記ゲーム用物品から前記構成用情報を取得する取得手段と、
前記ゲーム要素の構成に用いる素材の組み合わせを選択する選択手段と、
前記取得手段により取得された前記構成用情報に基づいてゲームを実行し、なされた操作入力に基づいてゲームプレイの評価を行う評価手段と、
前記選択手段により選択された前記素材の組み合わせと前記評価手段によりなされた前記ゲームプレイの評価結果とに基づいて、前記構成用情報と対応するゲーム要素を構成する構成手段と、
を備え、
前記構成手段により構成されるゲーム要素のパラメータが、前記ゲームプレイの評価結果に応じて変更されるゲーム要素構成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、記録媒体、ゲーム装置及びゲーム要素構成システムに関し、特にプレイヤによる選択や操作内容に応じてゲーム要素を構成する電子ゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
電子ゲームの中は、複数の素材の合成によって特定のゲーム要素の入手が可能なよう構成されているものもある。特許文献1には、複数の素材を選択して壺内に格納した後、なされた攪拌操作が成功した(最適スピード範囲内の攪拌操作が6秒間継続した)ことを条件として、魔石を生成するゲーム装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-142268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような特定の操作の成否でゲーム要素の構成有無を制御する方式は、構成されるゲーム要素に多様性がなく、長期に行われるゲームプレイにおいてゲーム要素の構成に対するプレイヤの関心が低減し得、結果、ゲームに対する関心をも低減させ得る。
【0005】
本発明は、興趣性のあるゲーム要素の構成を可能ならしめるプログラム、記録媒体、ゲーム装置及びゲーム要素構成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のプログラムは、コンピュータに、ゲーム要素の構成に係る構成用情報を取得する処理と、ゲーム要素の構成に用いる素材の組み合わせを選択する処理と、構成用情報に基づいてゲームを実行し、なされた操作入力に基づいてゲームプレイの評価を行う処理と、選択された素材の組み合わせとゲームプレイの評価結果とに基づいて、構成用情報と対応するゲーム要素を構成する処理と、を実行させ、構成されるゲーム要素のパラメータが、ゲームプレイの評価結果に応じて変更される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、興趣性のあるゲーム要素の構成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム要素構成システムの構成を示した図
図2】本発明の実施形態及び変形例に係るレシピカード200の外観を例示した図
図3】本発明の実施形態及び変形例に係るゲームコンソール100の機能構成を例示したブロック図
図4】本発明の実施形態及び変形例に係るキャラクタのパラメータを説明するための図
図5】本発明の実施形態及び変形例に係るゲームコンソール100において実行されるキャラクタ構成処理を例示したフローチャート
図6】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム要素構成システムで用いられる各種情報のデータ構成を例示した図
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、ゲーム用物品に付された情報を取得可能に構成されたゲームコンソールに、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、ゲーム用物品に付された情報を取得することが可能な任意の機器に適用可能である。
【0011】
《ゲーム要素構成システムの構成》
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム要素構成システムの構成を示した図である。
【0012】
図示されるように、本実施形態に係るゲーム要素構成システムは、本発明に係るゲーム装置としてのゲームコンソール100と、ゲーム用物品としてのレシピカード200とを含む。また図1の例では、ゲームコンソール100の情報提示手段として、表示部120がゲームコンソール100に接続されている。
【0013】
レシピカード200には、ゲームコンソール100で実行される後述のゲームアプリケーションにおいてキャラクタの構成に必要な情報(構成用情報)が付されており、ゲームコンソール100は該構成用情報を取得可能に構成される。レシピカード200への構成用情報の付加は、例えば図2に示されるように、該情報を変換することで得られる2次元コード画像201が、レシピカード200の表面に印刷されることによってなされるものであってよい。なお、レシピカード200への構成用情報の付加態様はこれに限られるものではなく、1次元またはその他の多次元のコードで構成され、可視または不可視の態様で表面に付されるものであっても、レシピカード200に内蔵された記録媒体に格納されるものであってもよい。
【0014】
詳細は後述するが、本実施形態のゲームアプリケーションに係るキャラクタは、レシピカード200から構成用情報が取得されたことを契機として実行される召喚ゲームのゲームプレイを経て、構成されるものとする。即ち、キャラクタは、召喚ゲームの結果として構成されるものと位置づけられている。キャラクタを登場させて進行するゲームでは、多様なキャラクタが設けられていることが興趣性を高めるものであるため、召喚ゲームには多様性を持たせることが好適である。本実施形態のゲームアプリケーションでは、料理(食べ物)には様々な種類が存在し、さらに、その完成までの調理工程に多様性があることに着眼し、召喚ゲームの題材や構成されるキャラクタのモチーフは、料理に関連するものとして説明する。より詳しくは、キャラクタ構成に際して取得される構成用情報を「(料理の)レシピ」を特定する情報、キャラクタ召喚の素材を該レシピで指定される「食材」、召喚ゲームを「調理工程に係るプレイ体験を提供するもの」とし、召喚ゲームを経て構成されるキャラクタは「料理」がモチーフであるものとする。
【0015】
なお、本実施形態ではキャラクタのモチーフや、キャラクタの構成に係る召喚ゲームや素材の題材を「料理」に関連するものとして説明するが、これらのモチーフや題材は、多様性のあるプレイ体験を提供する一例を示したものであり、本発明の実施がこれに限られるものではないことは容易に理解されよう。
【0016】
また本実施形態では構成用情報は、ゲームアプリケーションにおいてゲームに登場させるキャラクタを構成するための情報であるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。構成用情報は、例えばアイテム等の他のゲーム要素の構成に用いられる情報であってもよい。
【0017】
また本実施形態ではゲームアプリケーションにおいて情報取得の対象となるゲーム用物品がレシピカード200であるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。構成用情報が付されるゲーム用物品は、該情報が取得可能に構成された物品であれば、例えばゲーム要素やゲーム要素のモチーフの外観を有するフィギュア等の造形物であってもよい。この場合、構成用情報は、該造形物の底面や所定の面にシールや印字等により付されたパターンから、あるいは該造形物の内部の記録媒体から取得可能であってよい。またゲーム用物品はフィギュアだけでなく、玩具やシール等、任意の物品であってよい。
【0018】
また、本実施形態では構成用情報は実物品であるレシピカード200から取得されるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。構成用情報は、実物品ではなく、ゲームアプリケーション上で入手する仮想物品から取得可能、あるいは、実物品や仮想物品との概念を経ることなく、ゲームアプリケーション上において所定のタイミングで取得可能な情報であってよい。
【0019】
〈ゲームコンソールの機能構成〉
以下、本実施形態のゲームコンソール100の機能構成について、図3のブロック図を参照して説明する。
【0020】
制御部101は、例えばCPUであり、ゲームコンソール100が有する各ブロックの動作を制御する。具体的には制御部101は、例えば記録媒体102に記録されている各ブロックの動作プログラムやゲームアプリケーションに係るプログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。本実施形態ではゲームアプリケーションは、レシピカード200から取得された構成用情報に基づいてキャラクタの構成及び登録を行い、該キャラクタを登場させた対戦ゲームのプレイ体験を提供可能に構成されているものとする。
【0021】
記録媒体102は、例えばゲームコンソール100が有する書き換え可能な内蔵メモリやHDD、あるいは、着脱可能なROMや光学ドライブを介して読み取り可能になる光学ディスクを含むものであってよい、不揮発性の記録装置である。記録媒体102は、各ブロックの動作プログラムだけでなく、各ブロックの動作において必要となる各種パラメータ等の情報を記録する。本実施形態のゲームコンソール100において実行されるゲームアプリケーションのプログラムや各種データ(グラフィックスデータを含む)も、記録媒体102に格納されているものとする。メモリ103は、例えば揮発性メモリであり、各ブロックの動作プログラムやゲームアプリケーションのプログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力された中間データ等を一時的に格納する格納領域としても用いられる。
【0022】
取得部104は、召喚ゲームの実行に先立ってレシピカード200から構成用情報を取得する。本実施形態では構成用情報は、上述したようにコード画像201の態様でレシピカード200に付されているため、ゲームコンソール100が撮像装置を備え、撮像によって構成用情報を取得可能に構成されているものとする。撮像装置は、例えばゲームコンソール100に着脱可能に構成された外付けの機器として備えられるものであってもよいし、後述の操作入力部106を介して情報取得可能なコントローラに内蔵されるものであってもよい。
【0023】
なお、本実施形態のゲームアプリケーションでは、レシピカード200からの構成用情報の取得を撮像により行うものとして説明するが、構成用情報の取得はこれに限られるものではなく、レシピカード200への情報付加方式に応じた手法で取得されるものであってよいことは理解されよう。
【0024】
提示制御部105は、ゲームコンソール100におけるプレイヤへの各種情報提示の制御を司る。本実施形態のゲームコンソール100では、プレイヤへの各種情報提示の手段として、画面(ゲーム画面、その他OSメニュー画面等)表示を行う表示部120を有するものとして説明するが、情報提示の手段はこれらに限られるものではなく、代替あるいは追加が可能であることは言うまでもない。
【0025】
提示制御部105は、例えばGPU等の描画装置を含み、表示部120に表示させるゲーム画面を生成する際には所定の描画処理を行う。具体的には提示制御部105は、ゲームアプリケーションの実行中において、制御部101により行われた処理や命令、操作入力部106を介してなされた操作入力に基づいて適当な演算処理を実行し、ゲームに係る各種ゲーム画面を描画・生成する。生成されたゲーム画面は、ゲームコンソール100に設けられた表示部120に出力されて表示されることでプレイヤに提示される。表示部120は、例えばLCD等のゲームコンソール100に着脱可能に構成された表示装置である。本実施形態では表示部120は、ゲームコンソール100の外部に接続される機器であるものとして説明するが、表示部120はゲームコンソール100に内蔵され、一体となっている表示装置であってもよい。
【0026】
操作入力部106は、例えばタッチパネルやボタン等のゲームコンソール100が有する、あるいは、ゲームコンソール100に有線無線を問わず接続されたコントローラが有するユーザインタフェースである。操作入力部106は、プレイヤによりなされた操作入力を検出すると、該操作入力に対応する制御信号を制御部101に出力する。
【0027】
この他、本実施形態のゲームコンソール100では、本発明に係るゲームアプリケーションのプログラムを実行することで、以下の機能構成も実現される。下記の各種データベース(DB)は、該プログラムの実行により記録媒体102またはメモリ103に展開されたデータによって実現されるものであってよい。
【0028】
食材DB107は、キャラクタを構成する召喚ゲームに係り、召喚の素材である各種食材の情報(食材情報)を管理するデータベースである。1種類の食材について食材DB107で管理される食材情報は、例えば図6(a)に示されるように、該食材を一意に特定する食材ID601に関連付けて、該食材の名称を示す食材名602、召喚ゲームについて該食材が分類されるカテゴリを示すカテゴリID603、該食材の種別を示す種別ID604、及び該食材の希少度を示すレアリティ605を含んで構成されるものであってよい。
【0029】
ここで、本実施形態の召喚ゲームでは、食材に係るカテゴリとして、本発明に係る第1の食材としての、調理の対象である「通常食材」と、第2の食材としての、これら通常食材に調味を施す「調味食材」とが含まれるものとして説明する。また各食材には、肉類、魚類、葉野菜、根菜、調味料等の種別が設けられ、いずれか1つの種別が種別ID604として規定される。また同一カテゴリで同一種別に属する食材であっても、そのレアリティによって異なる食材として食材情報は管理されるものとする。
【0030】
レシピDB108は、キャラクタを構成する際に必要な食材群、構成可能なキャラクタ、及び召喚ゲームの内容を規定する情報(レシピ情報)を管理するデータベースである。1種類のレシピについてレシピDB108で管理されるレシピ情報は、例えば図6(b)に示されるように、該レシピを一意に特定するレシピID611に関連付けて、該レシピについて使用可能な食材を示す使用可能食材情報612、該レシピを用いることで構成可能となるキャラクタ群を示す構成可能キャラクタ情報613、及び該レシピに係る召喚ゲームとして実行される調理ゲームを特定するゲームID614を含んで構成されるものであってよい。
【0031】
ここで、1種類のレシピは、同様の調理工程を経る複数種類の料理に対応付けられているものとする。同様の調理工程を経る複数種類の料理とは、例えばソース焼きそばと塩焼きそば、卵チャーハンとカニチャーハン等の、概して同種の料理として分類される料理群を指す。即ち、これらの料理群は、召喚ゲーム(調理ゲーム)で要求する操作入力が同様である(一部の食材の入れ替えでよい)ため、本実施形態のゲームアプリケーションでは、1種類のレシピ情報でこれらに対応するキャラクタの構成を可能とする。
【0032】
従って、1種類のレシピに係るレシピ情報の使用可能食材情報612は、該レシピにより構成可能な料理(キャラクタのモチーフ)群に使用可能な食材について、そのカテゴリを示すカテゴリID621ごとに、その食材種別である種別ID622を含んで構成される。即ち、1つのレシピ情報に係る召喚ゲームでは、指定のカテゴリ及び種別に属する食材であれば、これを入れ替えてキャラクタを構成することが可能なよう、使用可能食材情報612が構成されている。また構成可能キャラクタ情報613には、使用可能食材情報612に該当する食材の組み合わせ(構成組み合わせ情報631)のそれぞれについて、該組み合わせに基づいて構成されるキャラクタのキャラクタID632が規定されている。本実施形態のゲームアプリケーションでは、1種類の料理に係る食材の組み合わせは、4種類の通常食材と1種類の調味食材によって構成されるものとし、当該組み合わせがいずれであるかによって、構成されるキャラクタが定まる。組み合わせのうちの少なくとも一部の食材を、同一種別の他の食材に変更する、あるいは同一食材のレアリティが異なる食材に変更することで、異なる外観のキャラクタとなるよう構成されているものとする。なお、本実施形態では説明を簡単にするため、使用可能な食材のうち、調味食材がいずれであるかに応じて、異なる外観のキャラクタが構成対象としての決定されるものとして説明する。
【0033】
キャラクタDB109は、召喚ゲームを行うことで構成可能なキャラクタの情報(キャラクタ情報)を管理するデータベースである。1種類のキャラクタについてキャラクタDB109で管理されるキャラクタ情報は、例えば図6(c)に示されるように、キャラクタを一意に特定するキャラクタID641に関連付けて、該キャラクタの名称であるキャラクタ名642、アタッカー、ヒーラー、トリッカー等の後述のバトルゲームでの該キャラクタの役割を示す属性情報643、該キャラクタに係る各種パラメータ(初期値、上限値等)を規定する基本パラメータ情報644、及び該キャラクタの希少度を示すレアリティ645を含んで構成されるものであってよい。
【0034】
召喚ゲームDB110は、レシピごとに定められた調理工程を含んだ召喚ゲームについての情報(召喚ゲーム情報)を管理するデータベースである。1種類の召喚ゲームについて召喚ゲームDB110で管理される召喚ゲーム情報は、例えば図6(d)に示されるように、該召喚ゲームを一意に特定するゲームID651に関連付けて、該召喚ゲームにおいて評価する操作入力やその評価基準を記述した評価基準情報652、及び該召喚ゲームにおける演出提示を記述した演出情報653を含んで構成されるものであってよい。レシピ情報について上述したように、1種類のレシピ情報は、複数種類の料理をモチーフとするキャラクタ群の構成を可能ならしめるよう構成されているが、これらの料理は類似する調理工程を有するものであるため、共通の操作評価及び演出提示を行う召喚ゲームをプレイさせるよう構成されればよい。従って、召喚ゲームDB110において管理される召喚ゲーム情報の各々は、複数種類のキャラクタの構成に際して参照され得る。
【0035】
評価部111は、キャラクタの構成に際して実行される召喚ゲームについて、ゲーム中になされた操作入力の評価を行う。本実施形態のゲームアプリケーションでは、召喚に係るレシピごとに召喚ゲームの内容が規定されるものであるため、評価部111は、実行される召喚ゲームに係る召喚ゲーム情報の評価基準情報652を参照し、評価対象の操作入力及び評価基準を設定した上で、プレイ中の操作入力の評価を行う。
【0036】
進行管理部112は、プレイヤの本実施形態のゲームアプリケーションに係るゲームの進行状況を管理する。詳細は後述するが、本実施形態のゲームアプリケーションでは、キャラクタの構成に係る召喚ゲーム、及び構成したキャラクタを選択可能キャラクタとする対戦ゲームを行うことで、プレイヤに係るゲームプレイの結果が進行情報として蓄積/更新される。
【0037】
進行情報は、例えば図6(e)に示されるように、召喚ゲームにより構成されたキャラクタの情報を蓄積した登録キャラクタ情報661、対戦ゲームにおいて入手されてプレイヤの所有状態となっている食材を示す所有食材情報662を含むものであってよい。所有食材情報662は、食材ごとに、その食材ID671に関連付けて所有数672を管理するものであってよい。
【0038】
また登録キャラクタ情報661は、構成された各キャラクタについて、例えば図6(f)に示されるように、キャラクタを一意に識別する識別情報681に関連付けて、該当のキャラクタID682、キャラクタ名683、属性情報684、召喚ゲームの結果として確定した該キャラクタのパラメータを示すパラメータ情報685、該キャラクタを対戦ゲームに使用することで成長したパラメータの差分を示す成長情報686、及び該キャラクタの構成に用いられたレシピ及び食材の情報である構成情報687(使用されたレシピ情報のレシピID及び使用された食材情報の食材ID群)を管理するよう構成されるものであってよい。識別情報681は、召喚ゲームに際して情報取得がなされたレシピカード200に対応付けて付されるものであり、同一種類のキャラクタであっても異なる識別情報が付されて管理される。従って、登録キャラクタ情報661は、同一種類のキャラクタを複数登録することも可能に構成される。
【0039】
《キャラクタ構成概要》
以下、本実施形態のゲームアプリケーションにおいて、召喚ゲームにより実現されるキャラクタの構成の概要について説明する。
【0040】
上述したように、本実施形態のゲームコンソール100は、ゲームアプリケーションを実行することで、キャラクタの操作を経て進行する対戦ゲームのプレイ体験を提供可能に構成されており、プレイヤは、レシピカード200から情報取得を行わせて召喚ゲームを行うことで、該対戦ゲームに使用可能(登場させることが可能)なキャラクタを増加させることができる。
【0041】
本実施形態のゲームアプリケーションでは、食材を所有していないプレイヤでも好適なゲームプレイが可能なように、構成用情報には少なくとも1種類のキャラクタを生成可能な、通常食材及び調味食材を特定する情報が含まれている。即ち、レシピカード200から構成用情報を取得することで、該キャラクタの構成に必要な食材をプレイヤが保有した状態で召喚ゲームが実行されることになり、必要な食材が不足していることによって召喚ゲームが実行できない状態は回避される。
【0042】
レシピカード200に付された構成用情報は、例えば図6(g)に示されるように、該レシピカード200に固有に付与された識別情報691に関連付けて、該レシピカード200を使用した際に使用されるレシピ情報のレシピID692、実行される召喚ゲームについてデフォルトで設定される食材を示すデフォルト食材情報693を含んで構成されるものであってよい。即ち、各レシピカード200に付される構成用情報は、1種類のレシピを特定し、該レシピに係る召喚ゲームにて要求される種別の食材の情報を少なくとも含んで構成されているものとする。換言すれば、レシピカード200には、構成用情報が取得されたことを条件として実行される召喚ゲームに必要な食材の種別のそれぞれについて1種類の食材、計5種のデフォルトの食材(4種の普通食材及び1種の調味食材)が付されており、プレイヤは構成用情報を取得させることで、これらの食材を所有した状態に、ゲームの進行を遷移させることができる。なお、本実施形態ではレシピDB108においてレシピ情報が管理されているため、構成用情報はレシピID692及びデフォルト食材情報693を含んで構成されるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではなく、レシピ情報に相当する情報が構成用情報に含まれるよう構成されるものであってもよい。
【0043】
レシピカード200から構成用情報が取得されたことを条件として実行される召喚ゲームは、基本的には、必要な種別の食材について、該構成用情報のデフォルト食材情報693で指定される食材が選択された状態で実行される。上述したように、召喚ゲームによっていずれのキャラクタが構成されるかは、選択された食材の組み合わせによって決定される。このため、レシピカード200から構成用情報を取得して行われる召喚ゲームで構成されるキャラクタは、基本的には、該当のレシピ情報の構成可能キャラクタ情報613で規定されるキャラクタ群のうち、構成用情報のデフォルト食材情報693の食材の組み合わせに対応するキャラクタとなる。本実施形態のゲームアプリケーションでは、説明を簡単にするため、構成可能キャラクタ情報613で規定される異なる外観のキャラクタ群のうち、選択された調味食材カテゴリの食材に応じたキャラクタが構成されるものとして説明する。
【0044】
なお、レシピカード200の構成用情報に付されるデフォルト食材情報693には、該当するレシピ情報の使用可能食材情報612で規定される条件を満たす(カテゴリID621及び種別ID622が同一)食材の情報が含められていればよく、その組み合わせは複数種類存在してよい。
【0045】
食材の組み合わせが決定された後、該当のレシピ情報に基づいて召喚ゲームが実行される。召喚ゲームでプレイ体験が提供される調理工程は、構成するキャラクタのモチーフがいずれの料理であるかに応じて異なって設定されるものであり、制御部101は、レシピ情報のゲームID614に対応する召喚ゲーム情報に基づいて召喚ゲームの制御を行う。換言すれば、召喚ゲームの内容及び評価方法は、取得された構成用情報により指定されるレシピ情報で構成可能なキャラクタ群ごとに定められている。
【0046】
召喚ゲームは、対応付けられた料理に応じた調理演出の提示に伴い、調理工程に応じた特定の操作入力の入力機会を設け、該入力機会になされた操作入力の評価を行うことで進行する。調理工程に応じた操作入力の評価は、例えば複数回設けられた所定の入力タイミングに、適合する操作部材に対してどれだけ正確なタイミングで操作入力がなされたかを評価する、所謂リズムゲームのような方式で行われるものであってよい。あるいは、ゲームコンソール100に接続された操作入力機器(コントローラ等)が加速度センサやジャイロセンサ等を備え、該操作入力機器の動きを検出可能な態様では、評価される操作入力は、該操作入力機器を用いて行われた、調理動作を模したモーション入力であってもよい。調理工程に応じた操作入力は、モチーフである料理(召喚ゲーム情報)ごとに異なっており、例えば焼きそばであればヘラの返し動作、チャーハンであれば鍋のあおり動作等が評価対象の操作入力に設定されるものであってよい。
【0047】
召喚ゲームのプレイ完了後、召喚ゲームの結果とともに、構成されたキャラクタの提示がなされる。ここで、召喚ゲームの結果提示は、例えばゲームプレイ全体の評価結果を100点満点のスコアで示す方式や、所定数の段階評価とする方式を採用するものであってよい。また結果提示には、構成されたキャラクタのパラメータの提示が含まれるものであってよい。
【0048】
本実施形態のゲームアプリケーションでは、構成されるキャラクタのパラメータ(対戦ゲームに用いられた場合の該キャラクタの能力を数値化したもの)は、該キャラクタ固有の基本パラメータ、召喚ゲームに際して用いられた食材の組み合わせ、及び召喚ゲームの評価結果に基づいて決定されるものとして説明する。パラメータは、例えば体力、攻撃力、守備力、回復力等の項目が含まれるものであってよいが、以下では説明を簡単にするため、体力のみを例にその決定態様を説明する。体力以外の項目のパラメータについても、例えば、構成されるキャラクタの属性に応じた項目について、食材の組み合わせや評価結果に応じて基本パラメータからの変更が行われるものであってよい。なお、本実施形態では好適なプレイ体験を提供すべく、基本パラメータの値は担保され、食材の組み合わせや評価結果に基づくパラメータの変更は、対戦ゲームの進行を有利にせしめる方向にのみ行われるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。
【0049】
キャラクタのパラメータは、本発明に係る第1のパラメータとしての、該キャラクタを用いた対戦ゲームのゲームプレイによって変化する(成長する)現在値と、第2のパラメータとしての、対戦ゲームのゲームプレイによらずに定まる上限値とを含んで構成され、このうちの後者が召喚ゲームのプレイ内容に応じて変動するよう制御される。現在値については、レシピカード200から初めて構成用情報が取得されてキャラクタが構成される際に、キャラクタ固有の初期値が割り当てられるものであってよい。以下、構成されるキャラクタの体力パラメータの上限値の決定について、図4を参照して説明する。
【0050】
図4に示されるように、構成されるキャラクタについては、該キャラクタに固有に定められた基本パラメータの基礎体力値401をベースに上限値が決定される。即ち、基礎体力値401は、召喚ゲームの評価結果によらず、キャラクタについて担保される上限値である。基礎体力値401は、キャラクタごとに定められ、該キャラクタのキャラクタ情報の基本パラメータ情報644にて管理される。本実施形態のゲームアプリケーションでは、1種類のレシピ情報に基づいて構成可能なキャラクタ群のうちのいずれのキャラクタが構成されるかは、選択された食材の組み合わせのうちの調味食材に応じて決定されるため、基礎体力値401は、食材の組み合わせに応じて変化するパラメータとの側面も有する。
【0051】
このような基礎体力値401で定まる上限値に対して、以下の2種類の体力値が上乗せされることで、構成されるキャラクタの最終的な体力上限値が決定される。
【0052】
食材分体力値402は、食材の組み合わせに含まれる通常食材に応じて定まる上限値の上乗せ分である。食材分体力値402は、例えば通常食材カテゴリの食材のレアリティに応じて決定されるものであってよく、4種類の通常食材のレアリティに応じた値(レアリティが高い(希少)ほど大きい値)の合計によって導出される。即ち、食材分体力値402は、食材の組み合わせに応じて変化するパラメータである。
【0053】
一方、評価分体力値403は、召喚ゲームのプレイ内容の評価結果に応じて定まる上限値の上乗せ分である。評価分体力値403は、召喚ゲーム中にプレイヤによってなされた操作入力について、評価部111が評価を行うことで導出された評価結果に応じて決定されるものであり、例えば100点満点のスコアに対して所定の係数を乗じることによって決定される値であってよい。即ち、評価分体力値403は、ゲームプレイの評価結果に応じて変化するパラメータであって、良好な評価結果であるほど大きく設定されるパラメータである。
【0054】
従って、本実施形態のゲームアプリケーションでは、このような基礎体力値401、食材分体力値402及び評価分体力値403の合計によって、構成されるキャラクタの体力の上限値が決定されるため、プレイヤは食材の組み合わせや召喚ゲームのゲームプレイによって多様なキャラクタを構成することができる。
【0055】
なお、本実施形態のゲームアプリケーションでは、プレイヤの好適な興趣体験を担保すべく、召喚ゲームの結果に失敗がないものとして説明する。即ち、構成用情報に基づくキャラクタの構成は、召喚ゲームの結果如何によらず行われるものとし、プレイヤは1回の召喚ゲームのゲームプレイについて、少なくとも基本パラメータに準じたキャラクタを構成することができる。
【0056】
このようにしてパラメータが確定すると、構成されたキャラクタについて登録キャラクタ情報が構成され、進行情報に含めて格納される。登録キャラクタ情報に用いられる識別情報681は、例えばレシピカード200から取得された構成用情報の識別情報691が用いられてよい。また登録キャラクタ情報のパラメータ情報685は、上記決定された現在値及び上限値を含めて構成される。
【0057】
《キャラクタ構成処理》
以下、本実施形態のゲームコンソール100においてキャラクタ構成に係る実行されるキャラクタ構成処理について、図5のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記録媒体102に記憶されている対応するゲームアプリケーションのプログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本キャラクタ構成処理は、例えばゲームアプリケーションの実行中に、レシピカード200に基づいたキャラクタの構成に係るメニューが選択された際に開始されるものとして説明する。
【0058】
S501で、制御部101は、今般のキャラクタ構成に係る構成用情報が取得されたか否かを判断する。本ステップの判断は、取得部104がレシピカード200から構成用情報を取得したか否かに応じて行われるものであってよい。制御部101は、構成用情報が取得されたと判断した場合は処理をS502に移し、取得されていないと判断した場合は本ステップの処理を繰り返す。
【0059】
S502で、制御部101は、取得された構成用情報のレシピID692に対応するレシピ情報をレシピDB108から読み出す。
【0060】
S503で、制御部101は、取得された構成用情報のデフォルト食材情報693に基づいて、今回のキャラクタ構成に用いられる食材の組み合わせを選択する。また制御部101は、レシピ情報の構成可能キャラクタ情報613を参照し、決定した食材の組み合わせによって構成されるキャラクタ(対象キャラクタ)を特定する。
【0061】
S504で、制御部101は、レシピ情報のゲームID614に対応する召喚ゲーム情報を召喚ゲームDB110から読み出し、該情報を参照して召喚ゲームを実行する。召喚ゲームの実行中、提示制御部105は制御部101の制御の下、召喚ゲーム情報の演出情報653に基づいて召喚ゲームの演出提示を行う。また召喚ゲームの実行中、評価部111は制御部101の制御の下、召喚ゲーム情報の評価基準情報652に基づいて、なされた操作入力の評価を行う。このとき、提示制御部105は、今回の召喚ゲームについて必要な操作入力の入力方法についての通知を、演出に含めて提示するものであってよい。制御部101は、召喚ゲームが終了すると処理をS505に移す。
【0062】
S505で、制御部101は、対象キャラクタについて管理されるキャラクタ情報、用いられた食材の組み合わせの情報、及び実行された召喚ゲームの評価結果に基づいて、対象キャラクタのパラメータを決定する。より詳しくは、制御部101は、対象キャラクタのパラメータの現在値を、該キャラクタのキャラクタ情報の基本パラメータ情報644に規定される初期値の情報に基づいて決定する。また制御部101は、対象キャラクタのパラメータの最大値を、対象キャラクタについて管理されるキャラクタ情報、用いられた食材の組み合わせの情報、及び実行された召喚ゲームの評価結果に基づいて決定する。
【0063】
S506で、制御部101は、S505において決定したパラメータの情報を含めて対象キャラクタの登録キャラクタ情報を構成し、進行管理部112で管理される進行情報の登録キャラクタ情報661に登録させる。このとき、登録キャラクタ情報の識別情報681には、取得された構成用情報の識別情報691が用いられるものであってよい。
【0064】
S507で、提示制御部105は制御部101の制御の下、構成した対象キャラクタの情報とともに召喚ゲームの評価結果を提示し、本キャラクタ構成処理を完了する。
【0065】
《ゲーム処理》
また、本実施形態のゲームアプリケーションでは、このように構成されたキャラクタを使用して、プレイヤは対戦ゲームをプレイすることができる。なお、当該対戦ゲームは、本発明に特有の処理を行うものではないため詳細な説明を割愛し、概要のみを以下に説明する。
【0066】
対戦ゲームは、プレイヤについて登録されているキャラクタのうちから、所定の条件を満たす(例えば所定数以下、所定コスト以下等)キャラクタが使用キャラクタとして選択されたことを条件として開始される。対戦ゲームの内容は、使用キャラクタが登場し、登録されたパラメータ情報685に基づいて進行制御が行われるものであれば、どのようなものであってもよい。
【0067】
対戦ゲームをプレイすることで、使用キャラクタの各々は、プレイ結果に基づいて成長するものとする。これにより、使用キャラクタの現在値が(上限値の範囲で)上昇し、使用キャラクタに係る登録キャラクタ情報の成長情報686が上昇後の値に更新される。
【0068】
また対戦ゲームには、新たな食材の入手機会が設けられるものであってもよい。上述したように、登録キャラクタ情報には構成情報687として、構成に用いられた食材の情報が含まれており、構成後もその情報を閲覧可能に構成されているものとする。対戦ゲーム中に入手した食材は、例えば登録済みのキャラクタの構成に用いられた食材の一覧を閲覧する画面にて、一覧中の食材に代えて適用可能(使用可能な種別の食材であることが条件)に構成されるものであってよい。即ち、特定の食材の組み合わせに基づく召喚ゲームを経て登録されたキャラクタについて、プレイヤが該組み合わせを変更する(カスタマイズする)ことが可能に構成されるものであってよい。組み合わせが変更された際には、構成時に参照されたレシピ情報の構成可能キャラクタ情報613において、変更後の食材の組み合わせに対応したキャラクタへの変更や、キャラクタ変更に伴うパラメータ変更(初期値、上限値の変更)が行われるものであってよい。このように構成することで、キャラクタ構成に係る興趣性をさらに増大させることができる。
【0069】
以上説明したように、本実施形態のゲーム装置によれば、興趣性のあるゲーム要素の構成が可能になる。より詳しくは、本実施形態のゲーム装置は、構成するゲーム要素を素材の組み合わせに基づいて決定しつつ、ゲーム要素の構成に係り構成用情報に基づいて実行されるゲームのゲームプレイの評価結果に応じて、構成するゲーム要素のパラメータを変更するよう制御することで、多様なゲーム要素の構成機能を提供することができる。
【0070】
[変形例1]
上述した実施形態では、対戦ゲームにて対応する食材を入手した場合に、構成後のキャラクタの食材の組み合わせを変更できる態様について説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、食材の組み合わせの変更については、再度の召喚ゲームの実行を要件づけるものとしてもよい。即ち、1つのレシピカード200について、該レシピカード200に付された構成用情報に基づく召喚ゲームは、複数回、あるいは回数制限なく実行可能に構成されるものであってもよい。このようにすることで、プレイヤは、レシピカード200に予め設定されているデフォルトの食材の組み合わせと異なる食材の組み合わせで召喚ゲームをプレイし、キャラクタの構成を行うことができる。
【0071】
また、食材の組み合わせの変更は、キャラクタの構成後に限定して行われるものである必要はない。例えば、レシピカード200から構成用情報を取得して召喚ゲームを行う際に、プレイヤからの少なくとも一部の食材の変更に係る操作入力を受け付けるよう構成されるものであってもよい。即ち、上述の実施形態のキャラクタ構成処理では、構成用情報のデフォルト食材情報693で規定されるデフォルトの食材の組み合わせが選択される態様であったところ、構成用情報の取得の後に、このうちの少なくとも一部の食材を、該当のレシピについて選択可能な種別に属する、プレイヤが所有している他の食材に変更することが可能に構成される。
【0072】
ところで、食材の組み合わせ変更に係り再度の召喚ゲームのプレイを要件とすると、ゲームプレイの評価結果が、先に行われた召喚ゲームよりも良好でなくなる可能性もある。このような場合に、再度の召喚ゲームを経て構成されるキャラクタのパラメータが、構成済みであった組み合わせ変更前のキャラクタのパラメータよりも低下してしまうことは、プレイヤの関心を低減させ得る。
【0073】
故に、ゲームプレイの評価結果に基づくパラメータ上乗せ分(例えば評価分体力値403)については、先に行われた召喚ゲームよりも良好な評価結果であった場合にのみ、該パラメータ上乗せ分を更新するよう構成されるものであってよい。またこの他、構成済みのキャラクタについては、対戦ゲームでの使用によってキャラクタが成長している可能性もあるため、同一の識別情報に係るレシピカード200について再度の召喚ゲームを行う場合には、構成済みのキャラクタの成長情報686は引き継がれるよう構成されるものであってもよい。換言すれば、キャラクタを構成済みのレシピカード200について再度の召喚ゲームを実行する場合には、先に構成されたキャラクタの召喚ゲーム及び対戦ゲームの結果に応じた変動要素については担保されるものであってよい。
【0074】
このため、キャラクタ構成処理が実行された際には、取得した構成用情報と対応するキャラクタの情報が進行管理部112の管理する進行情報に存在するか否か、即ち、取得した構成用情報の識別情報691と同一の識別情報681を有する登録キャラクタ情報が存在するかの判断が行われればよい。このとき、取得した構成用情報と対応するキャラクタの情報が進行管理部112の管理する進行情報に存在する場合には、該登録キャラクタ情報のパラメータ情報685のうちの評価結果に基づく上乗せ分及び成長情報686がメモリ103に格納され、前者は新たな召喚ゲームの評価結果に応じて変更の有無が判断され、後者は新たな登録キャラクタ情報を構成する際に代入されるよう制御されればよい。そして新たに構成された登録キャラクタ情報が、同レシピカード200について先に構成された登録キャラクタ情報に代えて進行情報に格納されればよい。
【0075】
また、プレイヤに繰り返しの食材の入手を強いることは好適ではないため、1つのレシピカード200に基づいて構成されたキャラクタについて少なくとも一部の食材の組み合わせが変更された後は、該レシピカード200について再度の召喚ゲームが実行される際に、該変更後の食材の組み合わせについては再度の食材の入手を必要とすることなく選択されるものとしてもよい。即ち、デフォルトの食材の組み合わせから少なくとも一部の食材を変更して召喚ゲームを実行した後は、同一のレシピカード200について再度の召喚ゲームが実行される場合に、デフォルトの食材の組み合わせではなく、先に変更された食材の組み合わせが選択される(維持される)よう構成されるものであってよい。つまり、レシピカード200に付された構成用情報で規定されるものとは異なる食材の組み合わせが、プレイヤの選択操作を要することなく選択される。
【0076】
このため、構成されるキャラクタのレアリティが低減するような食材の組み合わせについては、再度の召喚ゲームを実行できないよう構成してもよい。即ち、レアリティの高い食材を組み合わせに用いれば、構成されるキャラクタのレアリティも上昇し得るところ、レアリティの低い食材にこれを変更可能としてしまうことで、次回の召喚ゲームの実行の際に該変更前のレアリティの高い食材が失われることにもなり得るため、構成されるキャラクタのレアリティが低減するような食材への変更はできないよう、制御されるものであってよい。またゲームの興趣性や公平性を担保すべく、上位ランクのレアリティのキャラクタについては、デフォルト食材情報693に規定されている場合を除いて、その1つ低位のレアリティのキャラクタが構成されていることを要件とするものであってもよい。
【0077】
なお、対戦ゲームを有利に進行せしめるようなキャラクタを構成可能なレシピカード200が不正に流通することで、対戦ゲームの興趣性や公平性が担保されない状況に至り得るため、召喚ゲームの再度の実行に際しては、レシピカード200からの構成用情報の取得を要するものとしてもよい。あるいは、レシピカード200の使用権限を同一のプレイヤに限定するよう、例えば外部サーバ等にプレイヤの識別情報とレシピカード200の識別情報とが関連付けて管理され、召喚ゲームの実行の都度、権限を有するか否かの判断を行う構成としてもよい。
【0078】
なお、本実施形態では、食材の組み合わせの変更がなされる場合に再度の召喚ゲームが実行される態様について主に説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。上述したように、構成されるキャラクタのパラメータは召喚ゲームのゲームプレイの評価結果に応じて変動する要素を含むものであるため、1つのレシピカードに付された構成用情報に基づく召喚ゲームは、同一の食材の組み合わせであっても繰り返し実行可能に構成されるものであってよい。このように構成することで、プレイヤの召喚ゲームのプレイ機会が増え、ゲームプレイ練度も上昇し得るため、所望する状態のパラメータを有するキャラクタをより構成しやすいプレイ体験を提供することができる。
【0079】
[変形例2]
上述した実施形態では、食材のカテゴリには「通常食材」と「調味食材」とが存在し、レシピカード200には対応するレシピに使用可能な種別の食材の組み合わせの情報が付されているものとして説明したが、この他に、レシピカード200の有する構成用情報のデフォルト食材情報693には含められない、例えば「隠し味食材」のカテゴリの食材がさらに設けられていてもよい。隠し味食材カテゴリの食材は、対戦ゲームによってのみ入手可能であり、構成済みのキャラクタについて食材の組み合わせの変更を行う場合に、食材の組み合わせに追加可能に構成されるものであってよい。
【0080】
隠し味食材については、食材の組み合わせに追加された場合に食材に係るパラメータの上乗せ分に考慮されるだけでなく、例えばキャラクタ名に対して「通り名(二つ名)」を付加する等の更なる効果をもたせるよう構成することで、多様性を拡充し、より興趣性の高いキャラクタ構成を実現できる。
【0081】
なお、隠し味食材は、キャラクタ構成において選択が必須ではない食材として扱われ、レシピ情報の構成可能キャラクタ情報613には、隠し味食材を含む食材の組み合わせと含まない食材の組み合わせとについて、構成されるキャラクタが規定されるものとする。
【0082】
[その他の実施形態]
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形・変更が可能である。また本発明に係るゲーム装置は、1以上のコンピュータを該ゲーム装置として機能させるプログラムによっても実現可能である。該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されることにより、あるいは電気通信回線を通じて、提供/配布することができる。
【符号の説明】
【0083】
100:ゲームコンソール、101:制御部、102:記録媒体、103:メモリ、104:取得部、105:提示制御部、106:操作入力部、107:食材DB、108:レシピDB、109:キャラクタDB、110:召喚ゲームDB、111:評価部、112:進行管理部、120:表示部、200:レシピカード、201:コード画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-04-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
第1のゲームのプレイ結果に基づいて、前記第1のゲームとは異なる第2のゲームに使用されるゲーム要素を構成する処理と、
前記構成されたゲーム要素を格納する処理と、
前記構成されたゲーム要素が既に格納されているか否かを判断する処理と、
を実行させ、
前記構成されるゲーム要素のパラメータ前記第1のゲームのプレイ結果に応じて変更される確定パラメータと、構成後に当該ゲーム要素を使用して実行される前記第2のゲームのゲームプレイに応じて変化する変動パラメータと、を含み、
前記構成されたゲーム要素が既に格納されていると判断された場合に、当該既に格納されているゲーム要素の前記変動パラメータを引き継いでゲーム要素が構成され、当該既に格納されているゲーム要素に代えて新たに格納されるプログラム。
【請求項2】
前記構成されたゲーム要素が既に格納されていると判断された場合に、前記第1のゲームのプレイ結果が当該既に格納されているゲーム要素の構成時に行われた前記第1のゲームのプレイ結果よりも優位であることを条件として、当該既に格納されているゲーム要素の前記変動パラメータを引き継いでゲーム要素が構成され、当該既に格納されているゲーム要素に代えて新たに格納される請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記構成されるゲーム要素の前記確定パラメータは、前記第2のゲームに使用されるパラメータである請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記構成されるゲーム要素の前記確定パラメータは、第1のパラメータと第2のパラメータとを合算することで導出されるものであり、
前記第1のパラメータが、前記構成されるゲーム要素について固有に定められたパラメータであり、
前記第2のパラメータが、前記第1のゲームのプレイ結果に応じて決定されるパラメータである
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第2のゲームは対戦ゲームである請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
ゲーム要素の構成に用いる素材の組み合わせを選択する処理をさらに実行し、
前記構成する処理において、前記選択された前記素材の組み合わせと前記第1のゲームのプレイ結果とに基づいてゲーム要素が構成され、
前記素材は、前記第2のゲームにおいて入手機会が設けられる
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
請求項1乃至のいずれか1項に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項8】
第1のゲームのプレイ結果に基づいて、前記第1のゲームとは異なる第2のゲームに使用されるゲーム要素を構成する構成手段と、
前記構成手段により構成されたゲーム要素を格納する格納手段と、
前記構成されたゲーム要素が既に格納されているか否かを判断する判断手段と、
を備え、
前記構成手段により構成されるゲーム要素のパラメータ前記第1のゲームのプレイ結果に応じて変更される確定パラメータと、構成後に当該ゲーム要素を使用して実行される前記第2のゲームのゲームプレイに応じて変化する変動パラメータと、を含み、
前記構成手段は、前記判断手段により前記構成されたゲーム要素が既に格納されていると判断された場合に、当該既に格納されているゲーム要素の前記変動パラメータを引き継出ゲーム要素を構成し、当該既に格納されているゲーム要素に代えて前記格納手段に新たに格納させるゲーム装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明のプログラムは、コンピュータに、ゲーム要素の構成に係る構成用情報を取得する処理と、ゲーム要素の構成に用いる素材の組み合わせを選択する処理と、構成用情報に基づいてゲームを実行し、なされた操作入力に基づいてゲームプレイの評価を行う処理と、選択された素材の組み合わせとゲームプレイの評価結果とに基づいて、構成用情報と対応するゲーム要素を構成する処理と、を実行させ、構成されるゲーム要素のパラメータが、ゲームプレイの評価結果に応じて変更される。
また本発明の別の態様に係るプログラムは、コンピュータに、第1のゲームのプレイ結果に基づいて、第1のゲームとは異なる第2のゲームに使用されるゲーム要素を構成する処理と、構成されたゲーム要素を格納する処理と、構成されたゲーム要素が既に格納されているか否かを判断する処理と、を実行させ、構成されるゲーム要素のパラメータは、第1のゲームのプレイ結果に応じて変更される確定パラメータと、構成後に当該ゲーム要素を使用して実行される第2のゲームのゲームプレイに応じて変化する変動パラメータと、を含み、構成されたゲーム要素が既に格納されていると判断された場合に、当該既に格納されているゲーム要素の変動パラメータを引き継いでゲーム要素が構成され、当該既に格納されているゲーム要素に代えて新たに格納される。