IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マジック リープ, インコーポレイテッドの特許一覧

特開2024-61855ディスプレイデバイスのサブグリッド較正のための方法およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061855
(43)【公開日】2024-05-08
(54)【発明の名称】ディスプレイデバイスのサブグリッド較正のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20240426BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20240426BHJP
   G09G 5/06 20060101ALI20240426BHJP
   H04N 1/60 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
G09G5/00 X
G09G5/02 B
G09G5/06
H04N1/60
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024040851
(22)【出願日】2024-03-15
(62)【分割の表示】P 2021505632の分割
【原出願日】2019-08-02
(31)【優先権主張番号】62/714,502
(32)【優先日】2018-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】カズノリ タナカ
(72)【発明者】
【氏名】レイ ジャン
(72)【発明者】
【氏名】エチエンヌ グレゴワール グロスマン
(72)【発明者】
【氏名】マーシャル チャールズ キャップス
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ブレイク テイラー
(57)【要約】
【課題】好適なディスプレイデバイスのサブグリッド較正の方法及びシステムを提供する。
【解決手段】ウェアラブルデバイスの較正の方法は、ウェアラブルデバイスを使用して、3つの原色毎に複数のピクセルを伴う画像を表示すること、複数のピクセル毎に、RGB値及びXYZ値を決定することを含む。本方法は、複数のピクセルのサブセットを選択し、グリッド点のグループを形成すること、画像をタイル領域のグループに分割することであって、各タイル領域は、グリッド点を含む、ことを含む。グリッドXYZ値が、対応するタイル領域内の全てのピクセルのXYZ値を平均することに基づいて、グリッド点毎に決定され、グリッドRGB/XYZ変換行列が、グリッド点毎に決定される。本方法はまた、sRGB/XYZ変換行列と、グリッドに関するグリッドRGB/XYZ変換行列の逆行列とを乗算することによって、グリッド点毎に補正行列を決定することを含む。
【選択図】図5B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その内容が、あらゆる目的のために、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2018年8月3日に出願され、「METHOD AND SYSTEM FOR SUBGRID CALIBRATION OF A DISPLAY DEVICE」と題された、米国仮特許出願第62/714,502号の優先権の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、いわゆる「仮想現実」または「拡張現実」体験のためのシステムの開発を促進しており、デジタル的に再現された画像またはその一部が、現実であるように見える、またはそのように知覚され得る様式で、視認者に提示される。仮想現実(VR)シナリオは、典型的には、他の実際の実世界の視覚的入力に対する透過性を伴わずに、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。拡張現実(AR)シナリオは、典型的には、視認者の周囲の実際の世界の可視化に対する拡張としてのデジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。
【0003】
これらのディスプレイ技術において成された進歩にもかかわらず、当技術分野において、拡張現実システム、特に、ディスプレイシステムに関連する、改良された方法、システム、およびデバイスの必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態は、概して、拡張現実システム、特に、ディスプレイシステムを対象とする。本発明のいくつかの実施形態は、VRまたはARデバイス内のウェアラブルディスプレイの較正を対象とする。本明細書に説明されるように、サブグリッド分析が、いくつかの実施形態では、導波管ディスプレイを横断して色度均一性を改良するために利用される。
【0005】
いくつかの実施形態によると、ウェアラブルデバイスを較正するための方法は、ウェアラブルデバイスを使用して、3つの原色毎に複数のピクセルを伴う画像を表示するステップと、複数のピクセル毎に、RGB値およびXYZ値を決定するステップとを含む。本方法は、複数のピクセルのサブセットを選択し、グリッド点のグループを形成するステップと、画像をタイル領域のグループに分割するステップであって、各タイル領域は、グリッド点を含む、ステップとを含む。グリッドXYZ値が、対応するタイル領域内の全てのピクセルのXYZ値を平均するステップに基づいて、グリッド点毎に決定され、グリッドRGB/XYZ(RGB-to-XYZ)変換行列が、グリッド点毎に決定される。本方法はまた、sRGB/XYZ変換行列(sRGB-to-XYZ)と、グリッドに関するグリッドRGB/XYZ変換行列の逆行列とを乗算することによって、グリッド点毎に補正行列を決定するステップを含む。
【0006】
上記の方法のいくつかの実施形態では、本方法はまた、グリッド点に関する補正行列を使用して、グリッド点であるピクセル毎に、補正行列を形成するステップと、隣接するグリッド点の補正行列からの補間によって、グリッド点ではないピクセル毎に、補正行列を形成するステップとを含む。いくつかの実施形態では、補間は、双線形補間を使用して実施される。代替実施形態では、補間は、重心補間を使用して実施される。
【0007】
いくつかの実施形態では、本方法はまた、標的色空間内に定義されるような意図されるコンテンツのためのピクセルに関する色値を受信するステップと、ピクセル毎に、補正行列を受信された色値に適用し、補正された色値を生成するステップと、意図されるコンテンツを表示するために、補正された色値をウェアラブルデバイスに送信するステップとを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、本方法はまた、ガンマを補正された色値に適用するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法はまた、補正された色値をスケーリングダウンし、強度均一性を改良するステップを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、本方法は、標的色空間内に定義されるような意図されるコンテンツのためのピクセルに関する色値を受信するステップと、グリッド点毎に、補正行列を受信された色値に適用し、新しい色値を生成するステップと、隣接するグリッド点に関する新しい色値を使用して、ピクセル毎に、ピクセル色値を補間するステップと、意図されるコンテンツを表示するために、補間される新しい色値をウェアラブルデバイスに送信するステップとを含むことができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、複数のピクセル毎に、RGB値およびXYZ値を決定するステップは、デジタルカメラを使用して、RGB値を捕捉し、RGB値をXYZ値に変換するステップを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、複数のピクセル毎に、RGB値およびXYZ値を決定するステップは、分光放射計を使用して、RGB値およびXYZ値を捕捉するステップを含む。
【0012】
上記の方法のいくつかの実施形態では、本方法は、標的色空間内に定義されるような意図されるコンテンツのためのピクセルに関する色値を受信するステップと、グリッド点毎に、補正行列を受信された色値に適用し、新しい色値を生成するステップと、ピクセル毎に、隣接するグリッド点に関する新しい色値を使用して、ピクセル色値を補間するステップと、意図されるコンテンツを表示するために、補間された新しい色値をウェアラブルデバイスに送信するステップとを含むことができる。
【0013】
いくつかの実施形態によると、ウェアラブルデバイスを較正するための方法は、ウェアラブルディスプレイデバイスによって、3つの原色毎に、画像を表示するステップと、デジタルカラーカメラを使用して、画像をM×N個のピクセル内に捕捉するステップであって、MおよびNは、整数であって、デジタルカラーカメラは、ピクセル毎に、RGB値を提供する、ステップを含む。本方法はまた、RGB値を対応するXYZ値に変換する、カメラ変換行列を使用して、画像のピクセル毎に、RGB値をXYZ値に変換するステップを含む。本方法はまた、K×L個のグリッド点をM×N個のピクセルから選択するステップであって、KおよびLは、MおよびNより小さい整数である、ステップと、画像をK×Lタイル領域に分割するステップであって、各タイル領域は、グリッド点を含む、ステップとを含む。本方法はさらに、対応するタイル領域内の全てのピクセルのXYZ値を平均するステップに基づいて、グリッド点毎に、グリッドXYZ値を決定するステップと、グリッド点毎に、グリッド点におけるRGB値をグリッド点のXYZ値に変換する、グリッドRGB/XYZ変換行列を決定するステップとを含む。本方法はまた、sRGB/XYZ変換行列と、ピクセルに関してグリッドRGB/XYZ変換行列の逆行列とを乗算することによって、ピクセル毎に、補正行列を決定するステップを含む。
【0014】
本方法のいくつかの実施形態では、補正行列は、補正されたディスプレイ-RGB色値をウェアラブルデバイスに提供するように構成される、sRGB/ディスプレイ-RGB補正行列である。
【0015】
いくつかの実施形態では、本方法はまた、標的色空間内に定義されるような意図されるコンテンツのためのピクセルに関する色値を受信するステップと、ピクセルがグリッド点であるかどうかを決定するステップとを含む。ピクセルが、グリッド点である場合、グリッド点に関する補正行列は、ピクセルに関するピクセル補正行列として使用される。ピクセルが、グリッド点ではない場合、ピクセルに関するピクセル補正行列は、隣接するグリッド点における補正行列からの補間によって決定され、補正行列の各行列要素は、隣接するグリッド点における補正行列内の対応する行列要素から補間される。本方法はさらに、ピクセル点に関するピクセル補正行列を受信された色値に適用し、新しい色値を生成するステップと、意図されるコンテンツを表示するために、補正された色値をウェアラブルデバイスに送信するステップとを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、補間は、双線形補間を使用して実施される。いくつかの実施形態では、補間は、重心補間を使用して実施される。
【0017】
いくつかの実施形態では、本方法はまた、受信された色値を線形化するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法はまた、ガンマを新しい色値に適用するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法はまた、グリッド点色値をスケーリングダウンし、強度均一性を改良するステップを含む。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態によると、ウェアラブルディスプレイデバイスを較正するためのシステムは、ウェアラブルディスプレイデバイスによって画像ディスプレイを捕捉するように配置される、デジタルカラーカメラを含む。デジタルカラーカメラは、画像の複数のピクセル毎に、RGB値を提供するように構成される。本システムはまた、カメラによって提供されるRGB値をXYZ値に変換するための第1のプロセッサを有する。第1のプロセッサはまた、複数のピクセルのサブセットを選択し、グリッド点のグループを形成するステップと、画像をタイル領域のグループに分割するステップであって、各タイル領域は、グリッド点を含む、ステップとのために構成される。第1のプロセッサはまた、対応するタイル領域内の全てのピクセルのXYZ値を平均するステップに基づいて、グリッド点毎に、グリッドXYZ値を決定するステップと、グリッド点毎に、グリッドRGB/XYZ変換行列を決定するステップとのために構成される。さらに、第1のプロセッサは、sRGB/XYZ変換行列と、ピクセルに関してグリッドRGB/XYZ変換行列の逆行列とを乗算することによって、ピクセル毎に、補正行列を決定するステップのために構成される。
【0019】
いくつかの実施形態では、本システムはさらに、隣接するグリッド点の補正行列からの補間によって、グリッド点ではないピクセル毎に、補正行列を形成するように構成される。
【0020】
いくつかの実施形態では、本システムはさらに、標的色空間内に定義されるような意図されるコンテンツのためのピクセルに関する色値を受信するステップと、グリッド点に関するピクセル補正行列を受信された色値に適用し、新しい色値を生成するステップと、意図されるコンテンツを表示するために、補正された色値をウェアラブルデバイスに送信するステップとのために構成される。
【0021】
いくつかの実施形態によると、ウェアラブルデバイスを較正するための方法は、ウェアラブルデバイスを使用して、3つの原色毎に複数のピクセルを伴う画像を表示するステップと、複数のピクセル毎に、RGB値およびXYZ値を決定するステップとを含むことができる。本方法は、ピクセル毎に、ピクセルRGB/XYZ変換行列を決定するステップを含む。さらに、本方法は、sRGB/XYZ変換行列と、ピクセルに関するピクセルRGB/XYZ変換行列の逆行列とを乗算することによって、ピクセル毎に、補正行列を決定することができる。補正をディスプレイに適用するために、本方法は、標的色空間内に定義されるような意図されるコンテンツに関するピクセル毎に、色値を受信するステップと、ピクセル毎に、補正行列を受信された色値に適用し、補正された色値を生成するステップと、意図されるコンテンツを表示するために、補正された色値をウェアラブルデバイスに送信するステップとを含む。
【0022】
例えば、いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイスを較正するための方法は、ウェアラブルデバイスを使用して、3つの原色毎に複数のピクセルを伴う画像を表示するステップと、複数のピクセル毎に、RGB値およびXYZ値を決定するステップとを含むことができる。本方法は、ピクセル毎に、ピクセルRGB/XYZ変換行列を決定するステップを含む。さらに、本方法は、sRGB/XYZ変換行列と、ピクセルに関するピクセルRGB/XYZ変換行列の逆行列とを乗算することによって、ピクセル毎に、補正行列を決定することができる。補正をディスプレイに適用するために、本方法は、標的色空間内に定義されるような意図されるコンテンツに関するピクセル毎に、色値を受信するステップと、ピクセル毎に、補正行列を受信された色値に適用し、補正された色値を生成するステップと、意図されるコンテンツを表示するために、補正された色値をウェアラブルデバイスに送信するステップとを含む。
【0023】
従来の技法に優る多数の利点が、本発明の方法によって達成される。例えば、本発明の実施形態は、低コストデジタルカラーカメラを使用して、ウェアラブルディスプレイデバイスを較正するための、方法およびシステムを提供する。本発明の実施形態は、デジタルカメラ特有RGB色空間からCIE XYZ色空間への変換モデルを決定するための、方法およびシステムを提供する。変換モデルは、次いで、仮想画像の絶対色度および輝度を測定するために、デジタルカラーカメラに適用されることができる。較正された低コストデジタルカメラは、多数のウェアラブルディスプレイデバイスの較正のために、大量生産環境において使用されることができる。さらに、本発明の実施形態は、導波管ディスプレイを横断して色度均一性を改良するために、サブグリッド分析のための方法およびシステムを提供する。さらに、グリッド毎補正の複雑性およびコストを低減させ得る、画像タイル化技法が、提供される。
【0024】
本発明のこれらおよび他の実施形態は、その利点および特徴の多くとともに、下記のテキストおよび添付の図と併せて、さらに詳細に説明される。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
ウェアラブルデバイスを較正するための方法であって、前記方法は、
前記ウェアラブルデバイスを使用して、3つの原色毎に複数のピクセルを伴う画像を表示することと、
前記複数のピクセル毎に、RGB値およびXYZ値を決定することと、
前記複数のピクセルのサブセットを選択し、グリッド点のグループを形成することと、
前記画像をタイル領域のグループに分割することであって、各タイル領域は、グリッド点を含む、ことと、
対応するタイル領域内の全てのピクセルのXYZ値を平均することに基づいて、グリッド点毎に、グリッドXYZ値を決定することと、
グリッド点毎に、グリッドRGB/XYZ変換行列を決定することと、
sRGB/XYZ変換行列と、前記グリッド点に関する前記グリッドRGB/XYZ変換行列の逆行列とを乗算することによって、グリッド点毎に、補正行列を決定することと
を含む、方法。
(項目2)
前記グリッド点に関する前記補正行列を使用して、グリッド点であるピクセル毎に、補正行列を形成することと、
隣接するグリッド点の補正行列からの補間によって、グリッド点ではないピクセル毎に、補正行列を形成することと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記補間は、双線形補間を使用して実施される、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記補間は、重心補間を使用して実施される、項目2に記載の方法。
(項目5)
標的色空間内に定義されるような意図されるコンテンツに関するピクセル毎に、色値を受信することと、
ピクセル毎に、前記補正行列を受信された色値に適用し、補正された色値を生成することと、
前記意図されるコンテンツを表示するために、前記補正された色値を前記ウェアラブルデバイスに送信することと
をさらに含む、項目2に記載の方法。
(項目6)
受信された色値を線形化することをさらに含む、項目5に記載の方法。
(項目7)
ガンマを補正された色値に適用することをさらに含む、項目5に記載の方法。
(項目8)
補正された色値をスケーリングダウンすることをさらに含む、項目5に記載の方法。
(項目9)
標的色空間内に定義されるような意図されるコンテンツに関するピクセル毎に、色値を受信することと、
グリッド点毎に、前記補正行列を受信された色値に適用し、前記グリッド点に関する新しい色値を生成することと、
隣接するグリッド点に関する新しい色値から補間することによって、グリッド点ではないピクセル毎に、新しい色値を生成することと、
前記意図されるコンテンツを表示するために、前記新しい色値を前記ウェアラブルデバイスに送信することと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記複数のピクセル毎に、RGB値およびXYZ値を決定することは、デジタルカメラを使用して、RGB値を捕捉し、前記RGB値をXYZ値に変換することを含む、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記複数のピクセル毎に、RGB値およびXYZ値を決定することは、分光放射計を使用して、RGB値およびXYZ値を捕捉することを含む、項目1に記載の方法。
(項目12)
ウェアラブルデバイスを較正するための方法であって、
ウェアラブルディスプレイデバイスによって、3つの原色毎に、画像を表示することと、
デジタルカラーカメラを使用して、前記画像をM×N個のピクセル内に捕捉することであって、MおよびNは、整数であり、前記デジタルカラーカメラは、ピクセル毎に、RGB値を提供する、ことと、
RGB値を対応するXYZ値に変換するカメラ変換行列を使用して、前記画像のピクセル毎に、前記RGB値をXYZ値に変換することと、
K×L個のグリッド点を前記M×N個のピクセルから選択することであって、KおよびLは、MおよびNより小さい整数である、ことと、
前記画像をK×Lタイル領域に分割することであって、各タイル領域は、グリッド点を含む、ことと、
対応するタイル領域内の全てのピクセルのXYZ値を平均することに基づいて、グリッド点毎に、グリッドXYZ値を決定することと、
グリッド点毎に、前記グリッド点におけるRGB値を前記グリッド点のXYZ値に変換するグリッドRGB/XYZ変換行列を決定することと、
sRGB/XYZ変換行列と、前記ピクセルに関して前記グリッドRGB/XYZ変換行列の逆行列とを乗算することによって、ピクセル毎に、補正行列を決定することと
を含む、方法。
(項目13)
前記補正行列は、補正されたディスプレイ-RGB色値を前記ウェアラブルデバイスに提供するように構成されるsRGB/ディスプレイ-RGB補正行列である、項目12に記載の方法。
(項目14)
標的色空間内に定義されるような意図されるコンテンツのためのピクセルに関する色値を受信することと、
前記ピクセルがグリッド点であるかどうかを決定することと、
前記ピクセルがグリッド点である場合、前記グリッド点に関する前記補正行列を前記ピクセルに関するピクセル補正行列として使用することと、
前記ピクセルが、グリッド点ではない場合、
隣接するグリッド点における補正行列からの補間によって、前記ピクセルに関するピクセル補正行列を決定することであって、前記補正行列の各行列要素は、隣接するグリッド点における補正行列内の対応する行列要素から補間される、ことと、
前記ピクセルに関する前記ピクセル補正行列を受信された色値に適用し、新しい色値を生成することと、
前記意図されるコンテンツを表示するために、前記新しい色値を前記ウェアラブルデバイスに送信することと
をさらに含む、項目12に記載の方法。
(項目15)
前記補間は、双線形補間を使用して実施される、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記補間は、重心補間を使用して実施される、項目14に記載の方法。
(項目17)
受信された色値を線形化することをさらに含む、項目14に記載の方法。
(項目18)
ガンマを前記新しい色値に適用することをさらに含む、項目14に記載の方法。
(項目19)
前記新しい色値をスケーリングダウンすることをさらに含む、項目14に記載の方法。
(項目20)
ウェアラブルディスプレイデバイスを較正するためのシステムであって、前記システムは、
前記ウェアラブルディスプレイデバイスによって表示される画像を捕捉するように配置されるデジタルカラーカメラであって、前記デジタルカラーカメラは、前記画像の複数のピクセル毎に、RGB値を提供するように構成される、デジタルカラーカメラと、
第1のプロセッサであって、前記第1のプロセッサは、
前記デジタルカラーカメラによって提供されるRGB値をXYZ値に変換することと、
前記複数のピクセルのサブセットを選択し、グリッド点のグループを形成することと、
前記画像をタイル領域のグループに分割することであって、各タイル領域は、グリッド点を含む、ことと、
対応するタイル領域内の全てのピクセルのXYZ値を平均することに基づいて、グリッド点毎に、グリッドXYZ値を決定することと、
グリッド点毎に、グリッドRGB/XYZ変換行列を決定することと、
sRGB/XYZ変換行列と、前記ピクセルに関する前記グリッドRGB/XYZ変換行列の逆行列とを乗算することによって、グリッド点毎に、補正行列を決定することと
を行うように構成される、第1のプロセッサと
を備える、システム。
(項目21)
前記システムはさらに、隣接するグリッド点の補正行列からの補間によって、グリッド点ではないピクセル毎に、補正行列を形成するように構成される、項目20に記載のシステム。
(項目22)
前記システムはさらに、
標的色空間内に定義されるような意図されるコンテンツのためのピクセルに関する色値を受信することと、
前記グリッド点に関するピクセル補正行列を受信された色値に適用し、新しい色値を生成することと、
前記意図されるコンテンツを表示するために、前記新しい色値を前記ウェアラブルディスプレイデバイスに送信することと
を行うように構成される、項目20に記載のシステム。
(項目23)
ウェアラブルデバイスを較正するための方法であって、前記方法は、
前記ウェアラブルデバイスを使用して、3つの原色毎に複数のピクセルを伴う画像を表示することと、
前記複数のピクセル毎に、RGB値およびXYZ値を決定することと、
ピクセル毎に、ピクセルRGB/XYZ変換行列を決定することと、
sRGB/XYZ変換行列と、前記ピクセルに関する前記ピクセルRGB/XYZ変換行列の逆行列とを乗算することによって、ピクセル毎に、補正行列を決定することと、
標的色空間内に定義されるような意図されるコンテンツに関するピクセル毎に、色値を受信することと、
ピクセル毎に、前記補正行列を受信された色値に適用し、補正された色値を生成することと、
前記意図されるコンテンツを表示するために、前記補正された色値を前記ウェアラブルデバイスに送信することと
を含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、いくつかの実施形態による、例示的拡張現実眼鏡の斜視図である。
【0026】
図2図2は、いくつかの実施形態による、例示的拡張現実眼鏡の上面図である。
【0027】
図3図3は、本発明のいくつかの実施形態による、デジタルまたは仮想画像を視認者に提示するために使用され得る、視認光学系アセンブリ(VOA)内の光経路を図示する、概略図である。
【0028】
図4A図4Aは、CIE1931色空間色度略図を図示する、略図である。
【0029】
図4B図4Bは、本発明のいくつかの実施形態による、ウェアラブルデバイスを較正するための方法を図示する、簡略化された概略図である。
【0030】
図5A図5Aは、本発明のいくつかの実施形態による、ウェアラブルデバイスを較正するためのシステムを図示する、簡略化された概略図である。
【0031】
図5B図5Bは、本発明の別の実施形態による、ウェアラブルデバイスを較正するためのシステムを図示する、簡略化された概略図である。
【0032】
図5C図5Cは、本発明のいくつかの実施形態による、デジタルカラーカメラを特性評価するためのシステムを図示する、簡略化されたブロック図である。
【0033】
図6図6は、本発明のいくつかの実施形態による、ウェアラブルデバイスの色較正を実施するための方法を図示する、フローチャートである。
【0034】
図7A図7Aは、本発明のいくつかの実施形態による、ディスプレイ画像野内のピクセルを図示する、簡略化された略図である。
【0035】
図7B図7Bは、本発明のいくつかの実施形態による、ディスプレイ画像野内のタイル状領域を図示する、簡略化された略図である。
【0036】
図7C図7Cは、本発明のいくつかの実施形態による、ディスプレイ画像野の一部を図示する、簡略化された略図である。
【0037】
図8図8は、本発明のいくつかの実施形態による、ディスプレイデバイスを較正する方法を図示する、フローチャートである。
【0038】
図9図9は、本発明のいくつかの実施形態による、グリッド点ではないピクセル点に関する補正行列の補間を図示する、簡略化された略図である。
【0039】
図10図10および11は、本発明のいくつかの実施形態による、上記に説明される方法を使用した較正結果の実施例を図示する、略図である。
図11図10および11は、本発明のいくつかの実施形態による、上記に説明される方法を使用した較正結果の実施例を図示する、略図である。
【0040】
図12図12は、本明細書に説明される実施形態による、コンピュータシステムを図示する、簡略化された概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明の実施形態は、ウェアラブルディスプレイデバイスの較正において使用するためのデジタルカメラの特性評価を対象とする。
【0042】
本来のモードで動作される、ディスプレイは、意図される色を示さない場合がある。典型的には、本デバイスは、赤色、緑色、および青色の3つのチャネルまたは原色を使用して、色を出力し得る。しかし、それらのチャネルのために使用される、3つの原色が、標的色空間(例えば、sRGB)によって使用されるものと異なり得るため、ディスプレイデバイスは、通常、3×3行列を有し、デバイスに送信されると、元々意図される色を出力するであろうように、ディスプレイの赤色、緑色、および青色のために、3つのsRGB値を3つの数に色度的に変換する。ディスプレイデバイス内で使用されるLEDは、光学系を通したそのスペクトル通過後、標的の色空間のものと異なる原色だけではなく、色度(x,y)および強度(Y)の両方における色偏移も有し、ディスプレイ上の場所に応じて、色変化を変動させ得る。例えば、ウェアラブルデバイスによって表示される色は、非均一であり得る。例えば、導波管ディスプレイを含む、ウェアラブルデバイスでは、光学コンポーネントは、色スペクトルを狭め、および/または色スペクトルを偏移させ得る。さらに、色偏移は、ユーザのこめかみ側から鼻側でも生じ得る。色変動はまた、他の要因によっても生じ得る。したがって、ピクセル毎に、較正および補正を適用し、視野にわたって均一出力色を取得することが望ましい。
【0043】
図1は、いくつかの実施形態による、例示的ウェアラブルディスプレイデバイス100の斜視図である。本実施例では、ウェアラブルディスプレイデバイス100は、一対の拡張現実眼鏡であることができる。図1に示されるように、ウェアラブルディスプレイデバイス100は、左導波管接眼レンズ120Lおよび右導波管接眼レンズ120Rを支持する、フレーム110を含むことができる。各導波管接眼レンズ120Lおよび120Rは、入力結合格子(ICG)121と、直交瞳エクスパンダ(OPE)122と、射出瞳エクスパンダ(EPE)123とを含むことができる。入力結合格子は、入力結合ポートとも称される。入力結合格子(ICG)121、直交瞳エクスパンダ(OPE)122、および射出瞳エクスパンダ(EPE)123は、好適な回折光学要素(DOE)であることができる。例えば、それらは、光学導波管上に形成される、格子の形態をとることができる。ある実施形態によると、接眼レンズ毎に、単一導波管を提供するのではなく、各接眼レンズは、異なる色に関して、かつ異なる屈折力EPEを伴って、複数の光学導波管のスタックを有することができる。EPEは、ユーザの眼位置130から視認され得る、画像を投影するように構成される。
【0044】
図1では、画像光または走査光ビームであり得る、入射光が、各接眼レンズ120L、120RのICG(121)上に入射することができる。各ICG121は、入射光を、OPE領域122に向かう方向に伝搬する、誘導モードに結合する。接眼レンズは、全内部反射(TIR)によって、画像光を伝搬する。各接眼レンズ120L、120RのOPE領域122はまた、接眼レンズ120L、120R内を伝搬する画像光の一部を結合し、EPE領域123に向かって再指向する、回折要素を含むことができる。EPE領域123は、各接眼レンズ120L、120R内を伝搬する光の一部を結合し、接眼レンズ層120の平面から外向き方向に視認者の眼位置130に向かって指向する、回折要素を含む。本方式では、画像が、視認者によって視認され得る。
【0045】
入射光は、3つの原色、すなわち、青色(B)、緑色(G)、および赤色(R)における光を含み得る。
【0046】
いくつかの用途では、接眼レンズは、2自由度で走査される、コリメートされた光を受け取ることができる。各瞬間入射角(または入射角の小範囲)は、角度的に定義されたピクセルに対応する。いくつかの実施形態では、光は、仮想オブジェクトをシミュレートするように構成されることができ、これは、ある距離に、例えば、視認者から0.5メートル~1メートル離れてあるように現れることができる。
【0047】
図2は、いくつかの実施形態による、例示的ウェアラブルディスプレイデバイス200の上面図である。本実施例では、ウェアラブルディスプレイデバイス200は、一対の拡張現実眼鏡であることができる。図2に示されるように、ウェアラブルディスプレイデバイス200は、フレーム210と、接眼レンズ220とを含むことができる。各接眼レンズは、図1における接眼レンズ120Lおよび120Rに類似することができ、ICGと、OPEと、EPEとを含むことができるが、これらは、上面図では不可視である。ウェアラブルディスプレイデバイス200はまた、スキャナ筐体230を含むことができ、これは、入射光源からの仮想画像を形成する(例えば、無限遠に)ための走査ミラーを含むことができる。いくつかの実施形態では、ICGは、光を受光するための入力ポートとして使用される。接眼レンズによって形成される画像は、ユーザの眼位置240から視認されることができる。拡張現実眼鏡はまた、左および右スピーカ250と、カメラ260とを有することができる。
【0048】
上記に説明されるように、入射光は、3つの原色、すなわち、青色(B)、緑色(G)、および赤色(R)における光を含み得る。いくつかの実施形態では、入射光内の光ビームは、光学コンバイナ内で組み合わせられる。VRおよびAR用途のためのウェアラブルデバイスに関して、システム内の光学コンバイナは、コンパクトかつ軽量であることが望ましい。
【0049】
図3は、本発明のいくつかの実施形態による、デジタルまたは仮想画像を視認者に提示するために使用され得る、視認光学系アセンブリ(VOA)内の光経路を図式的に図示する。VOAは、プロジェクタ301と、視認者の眼の周囲に装着され得る、接眼レンズ300とを含む。いくつかの実施形態では、プロジェクタ301は、赤色LEDのグループと、緑色LEDのグループと、青色LEDのグループとを含んでもよい。例えば、プロジェクタ301は、実施形態によると、2つの赤色LEDと、2つの緑色LEDと、2つの青色LEDとを含んでもよい。接眼レンズ300は、1つ以上の接眼レンズ層を含んでもよい。プロジェクタ301はまた、LCOS(シリコン上液晶)-SLM(空間光変調器)と反射性コリメータおよびプロジェクタ中継等の種々の光学要素とを含むことができる。一実施形態では、接眼レンズ300は、3つの接眼レンズ層、すなわち、3つの原色、赤色、緑色、および青色毎に1つの接眼レンズ層を含む。別の実施形態では、接眼レンズ300は、6つの接眼レンズ層、すなわち、仮想画像を1つの深度平面に形成するために構成される、3つの原色毎に1セットの接眼レンズ層と、仮想画像を別の深度平面に形成するために構成される、3つの原色毎に別のセットの接眼レンズ層とを含んでもよい。他の実施形態では、接眼レンズ300は、3つ以上の異なる深度平面のために、3つの原色毎に、3つ以上の接眼レンズ層を含んでもよい。各接眼レンズ層は、平面導波管層を備え、内部結合格子307と、直交瞳エクスパンダ(OPE)領域308と、射出瞳エクスパンダ(EPE)領域309とを含んでもよい。
【0050】
依然として図3を参照すると、プロジェクタ301は、画像光を接眼レンズ300内の内部結合格子307上に投影する。内部結合格子307は、プロジェクタ301からの画像光を平面導波管層の中に結合し、OPE領域308に向かう方向に伝搬させる。導波管層は、全内部反射(TIR)によって、画像光を水平方向に伝搬する。接眼レンズ300のOPE領域308はまた、導波管層内を伝搬する画像光の一部を結合し、EPE領域309に向かって再指向する、回折要素を含む。EPE領域309は、導波管層内を伝搬する画像光の一部を結合し、接眼レンズ300の平面と略垂直な方向に視認者の眼302に向かって指向する、回折要素を含む。本方式では、プロジェクタ301によって投影された画像が、視認者の眼302によって視認され得る。
【0051】
上記に説明されるように、プロジェクタによって生成された画像光は、3つの原色、すなわち、青色(B)、緑色(G)、および赤色(R)における光を含み得る。そのような画像光は、各構成色における画像光が接眼レンズ内の個別の導波管層に結合され得るように、構成色に分離されることができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイスによって表示される色は、眼位置における眼プロキシカメラを用いて、ウェアラブル出力を測定することによって、較正され、標的ディスプレイ値と比較されることができる。測定は、より大きいFOV(視野)で行われることができ、カメラのほぼ完全FOVであることができる。デジタルカラーカメラは、RGB空間内の色を測定する。色のヒト知覚を表すために、カメラのRGB空間内のデータは、カメラのRGB空間から、例えば、CIE1931色空間内に定義されるような眼のXYZ空間または他の絶対色空間に変換されることができる。いったんウェアラブルデバイスの出力が、絶対色空間内で説明されることができると、調節が、色に適用され、所望の仮想画像、例えば、画像全体にわたって均一白色を取得することができる。
【0053】
図4Aは、CIE1931色空間色度略図を図示する、略図である。CIE XYZ色空間は、平均視力を伴う人物に可視の全ての色感覚を包含する。CIE XYZ(三刺激値)は、色のデバイス不変量表現である。これは、多くの他の色空間が定義される、標準的基準としての役割を果たす。図4Aでは、点401は、国際照明委員会(CIE)によって定義された一般に使用される標準的発光源である、D65(またはCIE標準的発光源D65)を示す。これは、世界の異なる部分内の野外における標準的照明条件を描写するために使用される。図4Aはまた、sRGB色空間402を図示する。sRGB(標準的赤緑青)色空間は、モニタ、プリンタ、およびインターネット上で使用するために、Hewlett PackardおよびMicrosoftが1996年に協働で作成した、RGB色空間である。これは、その後、標準化され、多くの場合、画像のための「デフォルト」色空間となっている。しかしながら、他の色空間もまた、本明細書に説明される実施形態と併用されることができることを理解されたい。
【0054】
図4Bは、本発明のいくつかの実施形態による、ウェアラブルディスプレイデバイスを較正するための方法を図示する、簡略化された概略図である。図4Bでは、ウェアラブルディスプレイデバイス400は、図1において上記で図示される例示的ウェアラブルディスプレイデバイス100に類似する。本実施例では、ウェアラブルディスプレイデバイス400は、拡張現実用途のための一対の眼鏡であることができる。図4に示されるように、ウェアラブルディスプレイデバイス400は、左導波管接眼レンズ420Lおよび右導波管接眼レンズ420Rを支持する、フレーム410を含むことができる。各導波管接眼レンズ420Lおよび420Rは、入力結合格子(ICG)421と、直交瞳エクスパンダ(OPE)422と、射出瞳エクスパンダ(EPE)423とを含むことができる。入力結合格子は、入力結合ポートとも称され得る。入力結合格子(ICG)421、直交瞳エクスパンダ(OPE)422、および射出瞳エクスパンダ(EPE)423は、好適な回折光学要素(DOE)であることができる。例えば、それらは、光学導波管上に形成される、格子の形態をとることができる。各接眼レンズは、異なる色に関する、かつ異なる屈折力EPEを伴う、複数の光学導波管のスタックを有することができる。EPEは、ユーザの眼位置430から視認され得る、画像を投影するように構成される。
【0055】
本発明の実施形態では、ウェアラブルデバイス400の較正のために、デジタルカラーカメラ431および432が、ユーザの眼位置430に配置される、または位置付けられる、すなわち、ユーザの眼がウェアラブルデバイスの使用の間に位置するであろう場所に位置付けられる。いくつかの実施形態では、分光放射計が、ディスプレイデバイスの表示される画像光を測定し、CIE XYZ色空間等の絶対色空間内の出力色を決定するために使用されることができる。しかしながら、分光放射計は、多くの場合、図4Bに示されるように、ウェアラブルデバイスの測定のために嵩張りすぎる。さらに、分光放射計はまた、高価であって、多数のウェアラブルディスプレイデバイスの較正のための大量生産環境におけるその使用を限定する。さらに、いくつかの方法は、白色光入力を使用して、白色のみを較正する。したがって、従来のシステムおよび方法は、フィールドシーケンシャルカラーディスプレイを使用したウェアラブルデバイスの較正のために好適ではない。
【0056】
故に、本発明のいくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイスによって表示される色は、眼位置に位置する、眼プロキシカメラとも称される、低コストデジタルカラーカメラを用いて、ウェアラブル出力を測定することによって、較正されることができる。故に、眼プロキシカメラは、本発明の実施形態では、大量生産環境に実装され得る、色測定デバイスとして使用される。デジタルカラーカメラは、RGB空間内における色測定を提供する。色のヒト知覚を表すために、カメラのRGB空間内のデータが、カメラのRGB空間から、例えば、CIE1931色空間内に定義されるような眼のXYZ空間にマッピングされる。いったんウェアラブルデバイスの出力が、絶対色空間内で説明されると、調節が、入力色データに適用され、仮想画像内の所望の色を取得することができる。
【0057】
図5Aは、本発明のいくつかの実施形態による、ウェアラブルデバイスを較正するためのシステムを図示する、簡略化された概略図である。図5Bは、本発明の別の実施形態に従って図示されるある機能を伴う、較正システム500を図示する、簡略化された概略図である。図5Aおよび5Bに示されるように、較正システム500は、片眼と関連付けられる、ウェアラブルデバイスの片側を測定するために実装される。第2の眼を試験するためのシステムの拡張は、当業者に明白となるであろう。較正システム500は、眼プロキシカメラ510と、較正ワークステーション520と、GPU530とを含むことができる。較正ワークステーションは、第1のプロセッサとも称され、GPU(グラフィック処理ユニット)は、第2のプロセッサとも称される。いくつかの実施形態では、第1および第2のプロセッサは、同一コンピュータシステムの一部であることができる。
【0058】
図5Aおよび5Bを参照すると、較正されるべきウェアラブルデバイス550は、眼プロキシカメラ510に光学的に結合される。眼プロキシカメラ510の出力は、較正ワークステーション520に提供される。グリッド点毎に、補正行列TRAを有する、較正ワークステーションからの出力は、入力としてGPU530に提供される。GPU530は、標的色空間内に定義されるような意図されるコンテンツのためのピクセルに関する色値を受信し、グリッド点毎に、補正行列を受信された色値に適用し、新しい色値を生成するように構成される。さらに、GPUは、隣接するグリッド点に関する新しい色値を使用して、ピクセル毎に、ピクセル色値を補間するように構成されることができる。GPUはまた、意図されるコンテンツを表示するために、新しい色値をウェアラブルデバイスに送信する。
【0059】
眼プロキシカメラ510は、デジタルカラーカメラであることができる。例えば、低コストで小型の商業用および産業用のカラーカメラが、使用されることができる。較正の間、カメラは、ステーション内のウェアラブルデバイスに隣接して配設されることができる。2つのカメラが、図4Bに図示されるように、並行して、または同時に、左および右眼に関するウェアラブルデバイスのディスプレイ出力を測定するために、並列に使用されてもよい。例証を簡略化するために、1つのみのカメラ510が、ウェアラブルデバイス550からある共役距離に位置付けられて示される。ウェアラブルデバイス550の位置は、カメラに対して異なる位置に偏移され、ユーザの眼位置、瞳孔間距離、および移動の変化等に伴って可能性として考えられる色偏移を考慮することができる。単に、実施例として、ウェアラブルデバイス550は、3つの側方場所、すなわち、-3、0、および+3mmに偏移されるように示される。加えて、カメラに対するウェアラブルデバイスの相対的角度もまた、変動され、付加的較正条件を提供することができる。
【0060】
ウェアラブルデバイス550は、LEDまたはレーザ等の1つ以上の光源(画像光源とも称される)を含むことができる。いくつかの実施形態では、LCOSプロジェクタが、ディスプレイ画像を提供するために使用されることができる。LCOSプロジェクタは、ウェアラブルデバイス550の中に構築されることができる。しかしながら、図5Aおよび5Bでは、LCOS552は、例証目的および明確性のために、ウェアラブルデバイス550の外側に示される。較正の間、画像光は、フィールドシーケンシャルカラー順序、例えば、赤色画像、緑色画像、および青色画像のシーケンスにおいて、ウェアラブルデバイス550によって投影される。フィールドシーケンシャルカラーシステムでは、原色情報は、連続画像内で伝送され、これは、少なくとも部分的に、連続画像をカラー写真に融合させるヒト視覚系に依拠する。眼プロキシカメラ510は、カメラのRGB色空間内のピクセルとして画像を捕捉し、データを較正ワークステーション520に提供する。
【0061】
意図されるコンテンツのためのウェアラブルデバイス550内のピクセルに関する色値は、例えば、コンテンツプロバイダによって、標的色空間内に定義される。本明細書に説明される実施例では、コンテンツは、sRGB(標準的赤緑青)色空間内の色値に規定される。しかしながら、他の色空間も、コンテンツを定義するために使用されることができ、本明細書に提供される説明が、適用可能であることを理解されたい。
【0062】
本明細書に説明される実施例では、較正ワークステーション520は、カメラのRGB空間内の画像データをCIE XYZ色空間に変換するように構成される。いくつかの実施形態では、較正ワークステーション520は、カメラのRGB空間内の画像と、分光放射計のXYZ空間内の対応する測定値とを捕捉することができる。分光放射計は、例えば、積分球からの光のスペクトルおよび/またはCIE XYZ値を捕捉することができる。いくつかの実施形態では、分光放射計は、xyY値を測定し、CIE XYZ値を導出することができる。分光放射計はまた、スペクトルまたはXYZ値をCIE XYZ(CIE XYZ色空間)、CIE xyY(CIE xyY色空間)、CIE LUV(CIE 1976 L*、u*、v*色空間)、CIE Lab(CIE L*a*b*色空間)、またはLCh(CIEL*C*h*色空間)、またはある他の適切な絶対色空間に変換することができる。
【0063】
図5Cは、本発明のいくつかの実施形態による、デジタルカラーカメラを特性評価するためのシステムを図示する、簡略化されたブロック図である。図5Cに示されるように、較正システム560は、光源521と、スペクトル修正デバイス522と、積分球523と、デジタルカラーカメラ524と、分光放射計525と、較正ワークステーション520とを含むことができる。積分球523は、ディスプレイデバイスの実施例であって、他の種類のディスプレイデバイスもまた、使用されることができる。分光放射計525は、色測定デバイスの実施例であって、他のタイプの色測定デバイスも、分光放射計525の代わりに使用されることができる。システム560は、デジタルカラーカメラによって捕捉された各表示される色、すなわち、RGB値と、絶対色空間内の色測定値、例えば、XYZ値との間の変換モデルを決定するように構成される。変換モデルは、フィールドシーケンシャルカラー仮想画像内で使用される、3つの原色毎に、変換行列または方程式を含む。
【0064】
光源521およびスペクトル修正デバイス522は、ウェアラブルデバイス内の仮想画像の中の光ビームを表すスペクトル性質を有する、原色の入力光ビームで、積分球523を照明するように構成される。デジタルカラーカメラ524は、ディスプレイデバイスの画像を捕捉し、画像から、原色に関するRGB値を決定する。分光放射計525は、ディスプレイデバイスにおける各対応する原色と関連付けられる、色測定値、例えば、XYZ値を決定し、それによって、絶対色空間内の色測定値を入手する。較正ワークステーション520は、RGB値と、異なる照明条件を表す訓練サンプルから決定される、色測定値とを使用して、原色毎に、変換モデルを決定するように構成される。
【0065】
図5Cでは、光源521は、原色の光ビームを生成するために、LEDまたはレーザを含むことができる。代替として、原色の光ビームは、異なる光色を提供するようにフィルタリングされ得る、白色光源を含む、モノクロメータから生成されることができる。いくつかの実施形態では、LEDは、異なる明度レベルまたはグレーレベルで光を放出するように構成されることができる。ある実施形態では、LEDは、スケール0~255内の最高グレーレベル255で構成される。異なる動作条件におけるデジタルカラーカメラを特性評価するために、スペクトル多様性を伴う広範な訓練サンプルのセットが、異なるLEDを使用することによって、生成されることができる。例えば、ダイの異なるビンからのLEDが、選択されることができる。さらに、光源521は、LEDの温度を変化させ得る、例えば、10mA、50mA、または100mA等のLED電流レベルにおいて、LEDの放出電力を変動させ得る、コントローラを含むことができる。コントローラはまた、種々のデューティサイクル、例えば、0~1.0におけるパルス幅変調(PWM)に伴って、LEDを変調させることができる。PWMパルシングは、LEDの熱特性を変化させることができる。さらに、多様性を追加するために、外れ値訓練サンプルは、異なる色のLEDの組み合わせによって生成されることができる。例えば、修正された赤色の訓練サンプルは、少量の緑色および青色と混合された赤色光で取得されることができる。色混合は、例えば、緑色に関して1.0PWMデューティサイクルと、赤色および青色に関して0.05~0.2PWMデューティサイクルとを用いて、PWM制御によって達成されることができる。さらに下記に説明されるように、余剰色を原色に追加することは、変換行列を決定するための算出プロセスの安定性を改良することができる。訓練サンプルの付加的多様性は、訓練セットの一部を回帰プロシージャのために除外し、異なる部分を別の回帰プロシージャのために除外することによって取得されることができる。
【0066】
上記に説明されるように、ウェアラブルデバイスは、導波管および回折コンポーネント等の種々の光学コンポーネントを含むことができる。これらの光学コンポーネントは、光ビームスペクトルを修正することができる。ウェアラブルデバイス内の出力光をエミュレートし得る、入力光ビームを提供するために、ウェアラブルデバイスのスペクトル性質が、特性評価される。スペクトル修正デバイス522は、光ビームを光源521から受光し、ウェアラブルデバイスの仮想画像内の光のスペクトルを表す、光ビームを生成するように構成される。例えば、スペクトル修正デバイス522は、入力光ビームの中心放出波長および帯域幅を変化させることができる。実施形態に応じて、スペクトル修正デバイス522は、レンズシステム、フィルタ、および拡散器等を含むことができる。例えば、ダイクロイックフィルタが、LEDスペクトルをさらに狭め、飽和を増加させるために使用されることができる。さらに、フィルタは、異なる色の帯域幅を狭めるために使用されることができる。ある場合には、ダイクロイックフィルタを回転させるステップが、例えば、異なる色のための異なる傾斜角度に位置付けられるフィルタを用いて、スペクトル波長を調整し、ウェアラブル出力をより良好に模倣するために使用されることができる。
【0067】
図5Cでは、積分球523は、ディスプレイデバイスの実施例である。代替として、投影画面等の他のディスプレイデバイスもまた、使用されることができる。積分球は、中空球状空洞から成る、光学コンポーネントであって、その内部は、拡散白色反射性コーティングで被覆され、入力および出力ポートのための小孔を伴う。その関連性質は、均一散乱または拡散効果である。積分球は、電力を節約するが、空間情報を破壊する、拡散器と見なされ得る。図5Cに示されるように、システム560は、積分球523をディスプレイデバイスとして使用する。積分球は、光ビームをスペクトル修正デバイス522から受光するための入力ポート527と、デジタルカラーカメラ524および分光放射計525による測定のための出力光を提供するための出力ポート528とを有することができる。代替として、投影画面はまた、ディスプレイデバイスとして使用されることができる。
【0068】
デジタルカラーカメラ524は、デジタル画像をN×M個のピクセルのアレイ内に捕捉する。具体的実施形態では、デジタルカラーカメラ524は、1400×960個のピクセルを有することができる。ピクセル内の色情報は、カメラのRGB色空間内に表される。例えば、赤色光が、光源521から放出されるとき、デジタルカメラ524内のセンサは、積分球における光を感知することができ、カメラのRGB色空間内の各ピクセルにおける赤色、緑色、青色(Rr,Gr,Br)の値を捕捉することができる。同様に、緑色の入力に関して、RGBデータ(Rg,Gg,Bg)が、ピクセル毎に捕捉される。さらに、青色の入力に関して、RGBデータ(Rb,Gb,Bb)が、ピクセル毎に捕捉される。
【0069】
システム560では、較正ワークステーション520は、訓練サンプルを、カメラのRGB空間内の捕捉された画像と、分光放射計のXYZ空間内の対応する分光放射計測定値とから組み立てるように構成される。較正ワークステーション520は、有線または無線接続を通して、分光放射計525およびデジタルカメラ524に結合される。さらに下記に説明されるように、多様な訓練サンプルのセットが、光源およびスペクトルを変動させることによって、集められることができる。較正ワークステーション520は、次いで、変換方法を適用し、RGB訓練データからXYZ訓練データへの変換モデルを生成する。最小二乗法、線形回帰、多項式回帰、またはニューラルネットワーク等の種々の変換方法が、使用されることができる。加えて、k-分割交差検証および一個抜き交差検証等の方法もまた、変換ロバスト性および正確度をさらに最適化するために使用されることができる。
【0070】
例えば、赤色に関する訓練サンプルでは、カメラは、カメラによって感知される赤色、緑色、および青色光を表す、(Rr,Gr,Br)の形態において、カメラのRGB空間内の画像を捕捉する。実施形態に応じて、カメラの全てのピクセルまたはピクセルのサブセットからのRGBデータが、訓練セット内に含まれることができる。いくつかの実施形態では、積分球からの出力が実質的に均一であるため、画像毎に、全てのピクセルにわたるRGB値が、使用される。赤色、緑色、および青色光成分に関するXYZ空間内の(Xr,Yr,Zr)の形態における対応する分光放射計測定値が、分光放射計によって生成される。変換行列Mredが、以下の性質を伴う赤色のための訓練サンプルによって導出されることができる。
【化1】

式中、kr1、kr2、およびkr3は、赤色に関する随意の最適化パラメータである。
【0071】
類似プロシージャは、原色毎に、行われることができる。例えば、変換行列Mgrnは、以下のように、緑色のための訓練サンプルに関して導出される。
【化2】

式中、kg1、kg2、およびkg3は、緑色に関する随意の最適化パラメータである。
【0072】
同様に、変換行列Mbluは、以下のように、青色のための訓練サンプルに関して導出される。
【化3】

式中、kb1、kb2、およびkb3は、青色に関する随意の最適化パラメータである。
【0073】
較正ワークステーション520はまた、測定された値および意図される色空間に基づいて、色値に対する補正を決定するように構成される。GPU530は、その補正を色値上に適用するように構成されることができ、これは、次いで、ウェアラブルデバイスに送信される。
【0074】
ウェアラブルディスプレイデバイスのピクセル毎補正を実施するために、補正行列が、ピクセル毎に使用される。いくつかの実施形態では、プロセスは、以下のように行われることができる。ピクセル点毎に、第1の行列NPMが、上記に説明される行列Mred、Mgrn、およびMbluに基づいて、形成されることができ、これは、原色、赤色、緑色、および青色毎に、その場所におけるディスプレイのRGB値からCIE XYZ値に変換する。3×3NPM行列の実施例が、下記に示される。
【化4】
【0075】
次に、コンテンツ色がsRGB空間内に提供されると仮定して、sRGB(標準的赤緑青)値(またはコンテンツのために仮定される別の標的色空間)からCIE XYZ値に変換する、第2の行列NPMが、決定されることができる。変換行列NPMの実施例は、既知のデータから導出されることができる、またはパブリックドメインに見出され得る。3×3NPM行列の実施例は、下記に示される。
【化5】
【0076】
次に、補正行列、すなわち、変換行列(TRA)が、固定sRGB/XYZ行列NPMをそのグリッド点に関するディスプレイのRGB/XYZ行列NPMの逆行列によって乗算することによって、決定されることができる。
【化6】
【0077】
ピクセル毎に決定された補正行列TRAを用いることで、sRGBコンテンツ値[R
]は、本デバイスが正しい画像を表示するための修正または補正されたRGBコンテンツ値[R]に変換されることができる。本変換は、以下のように示される。
【化7】
【0078】
いくつかの実装では、ディスプレイデバイスの全てのピクセルのためにピクセル毎補正を実施することが望ましい。しかしながら、ピクセル毎に較正プロセスを行うことは、メモリリソースの負担となり得る。したがって、本発明の他の実施形態では、より低い解像度の補正が、画像内の総ピクセルの数より少ない補正点を使用することによって、適用されることができる。例えば、ピクセルのサブセットが、算出のためのグリッド点として選択されることができる。別の実施例として、タイル領域またはタイル矩形が、画像全体にわたって平面充填し、各1つがグリッド点上に中心合わせされるように形成されることができる。ある実施例では、81×61個のグリッド点が、角から角まで均一にディスプレイに及ぶように選択されることができる。他の実施例では、41×21個のグリッド点、21×16個のグリッド点、または他の値が、使用されることができる。各タイル領域にわたって、カラーチャネル毎に個々のXYZ値の平均が、求められる。平均XYZ値は、グリッド点および関連付けられるタイル領域に関して指定される。したがって、本実施例では、チャネル毎に、それぞれ、XYZ値に対応する、3つのセットの81×61個の点が存在する。
【0079】
これらの実施形態では、グリッド点毎に決定される補正行列TRAを用いることで、sRGBコンテンツ値[R]が、本デバイスが正しい画像を表示するための修正または補正されたRGBコンテンツ値[R]に変換されることができる。本変換は、以下のように行われる。
【化8】

これは、意図されるsRGB値(ある場所におけるピクセルに関する)を、ディスプレイに送信されると、元々意図される色を実際にもたらすであろう、値に変換するであろう、行列である。光は、それを減少させるようにのみ変調され得るため、行列は、色度が、意図されるものであって、輝度が、非補正色の輝度より低いであろう、そのグリッド点において達成される最大限であり得る値であるように設計されることに留意されたい。これは、線形変換であって、入射データは、線形であるため、全ての色は、そのグリッド点において最大限に達成され得る輝度に比例して変換されるであろう。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態では、ディスプレイデバイス内の色補正は、以下のように行われることができる。所与のピクセルに関して、デバイスは、標的色空間、例えば、sRGB内に定義されるような意図される色(r,g,b)を受信する。これは、コンテンツの意図である。ガンマまたはトーンマッピングがデータに適用されている場合、データは、線形化される。そのコンテンツピクセルが、あるグリッド点に該当することが起こる場合、そのグリッド点に関する補正行列が、(r,g,b)に適用され、新しい色値のセットを形成する。コンテンツピクセルが、グリッド点上にない場合、補正行列は、近隣のグリッド点における行列を使用して、補正行列の各要素を補間することによって形成される。新しい色値のセットが、次いで、補正行列を使用して形成される。ガンマが、本デバイスがそれを予期する場合、新しい色値に適用されることができる。新しい色値のセットは、次いで、画像を表示するために、デバイスに送信される。
【0081】
補正行列を形成する実施例は、以下のように説明されることができる。最初に、ピクセル毎に本デバイス上の赤色のフル画面(1,0,0)が、デバイス上に示される。結果として生じる画像の部分毎に、xyY値(色度および輝度)が、決定される。本データ収集は、緑色および青色カラーチャネルに関しても繰り返される。画像の解像度は、少なくとも所望の最終グリッド解像度(例えば、81×61)と同程度であるべきである。分光放射計が、xyY値を決定するために使用されることができる。代替として、色カメラが、使用されることができ、そのセンサは、xyY値がセンサのRGB出力から算出され得るように較正される。
【0082】
行列のグリッドに関して、上記で取得されるxyY画像より低い解像度が、使用される場合、タイル矩形またはタイル領域が、画像全体にわたって平面充填し、各1つが、グリッド点上に中心合わせされるように形成されることができる(例えば、角から角まで均一にディスプレイに及ぶ、81×61個の点)。チャネル毎の値は、各タイル矩形にわたって平均され、平均は、XYZ空間内で行われる(カメラr,g,bデータから変換される)。XYZデータは、続いて、xyYデータに変換される。したがって、チャネル毎に、結果は、それぞれ、x、y、およびYに対応する、3つのセットの81×61個の点となるであろう。
【0083】
グリッド点毎に、その場所におけるディスプレイのRGBをXYZに変換する、行列が、形成されることができる。固定sRGB/XYZ行列が、算出されることができ(デバイスから独立して)、その行列は、そのグリッド点に関するディスプレイのRGB/XYZ行列の逆行列に乗算され、sRGB/ディスプレイ-RGB行列を形成する。これは、ディスプレイに送信されると、元々意図される色を実際にもたらすであろう、意図されるsRGB値(ある場所におけるピクセルに関する)を値に変換するであろう、補正行列である。
【0084】
デバイスを較正するために、以下のプロセスが、行われることができる。最初に、所与のピクセルに関して、標的空間(r,g,b)に定義されるような意図される色が、受信される。これは、コンテンツの意図である。データは、ガンマまたはトーンマッピングが適用されている場合、線形化されることができる。本明細書に説明される色算出は、線形空間内の数を使用する。そのコンテンツピクセルが、あるグリッド点に該当することが起こる場合、(r,g,b)上のそのグリッド点に関する補正行列を使用して、新しい色値のセットを得る。グリッド点上に該当しない場合、補正行列の各要素は、近隣のグリッド点における行列の補間によって決定されることができる。近隣のグリッド点の選択は、双線形、重心等の補間方法に依存するであろう。本補間される補正行列は、グリッド点ではない、ピクセルのために使用される。補間は、行列の要素毎に行われ、最終行列は、色を修正するために使用される。次に、ガンマが、本デバイスがそれを予期する場合、新しい色値に適用されることができる。本時点で、新しい色値のセットは、デバイスに送信されることができる。
【0085】
いくつかの実施形態では、較正方法は、出力の強度をより均一にするための付加的プロセスを含むことができる。上記に説明される方法は、色を補正し、グリッド点における標的のための原色および意図される白色点に合致させる。その結果、そのグリッド点に関する全ての他の色は、その白色点に関連してスケーリングされるであろう。加えて、フィールドの強度を均一にするために、行列は、任意のグリッド点においてある比率だけスケーリングダウンされることができる。本比率は、予期される値(xyYデータおよびそれから計算される較正行列を使用して計算することによって)と意図される強度との間となるであろう。例えば、行列は、所望の均一性レベルを超える(1,1,1)sRGB入力に関する値を生産する場合、スケーリングダウンされる。例えば、点において予期される値が、較正後、(1,1,1)の入力に関して(0.8,0.8,0.8)であって、明度が、単に、ピークレベルの0.4に設定される場合、行列は、その点に関して2分の1スケーリングダウンされることができ、したがって、最終出力値は、(0.4,0.4,0.4)となるであろう。
【0086】
いくつかの実施形態では、較正は、ウェアラブルデバイスの複数の深度平面および異なる側のために行われることができる。例えば、均一性較正では、これらのプロセスは、4つの仮想画像(例えば、左近距離、左遠距離、右近距離、右遠距離)毎に、別個に行われることができ、次いで、各深度平面および側のXYZ情報が、可能な限り同一色(色度)および明度(輝度)に近くなるようにそれらの画像を平衡するために使用されることができる。
【0087】
図6は、本発明のいくつかの実施形態による、ウェアラブルデバイスの色較正を実施するための方法を図示する、簡略化されたフローチャートである。図6に示されるように、ウェアラブルデバイスを較正するための方法600は、ウェアラブルディスプレイデバイスによって、3つの原色毎に、画像を表示するステップ(610および620)を含む。本方法はまた、デジタルカラーカメラを使用して、画像をM×N個のピクセル内に捕捉するステップを含み、MおよびNは、整数である。デジタルカラーカメラは、ピクセル毎に、RGB値を提供する。本方法はさらに、RGB値を対応するXYZ値に変換する、カメラ変換行列を使用して、画像のピクセル毎に、RGB値をXYZ値に変換するステップ(630)を含む。
【0088】
本方法はさらに、640において、K×L個のグリッド点をM×N個のピクセルから選択するステップであって、KおよびLは、MおよびNより小さい整数である、ステップと、画像をK×Lタイル領域に分割するステップであって、各タイル領域は、グリッド点を含む、ステップとを含む。グリッド点毎に、グリッドXYZ値が、対応するタイル領域内の全てのピクセルのXYZ値を平均するステップに基づいて決定される。650では、グリッドRGB/XYZ変換行列が、グリッド点におけるRGB値をグリッド点のグリッドXYZ値に変換するように、グリッド点毎に決定される。660では、sRGB/ディスプレイ-RGB補正行列が、sRGB/XYZ変換行列と、グリッド点に関するピクセルRGB/XYZ変換行列(NPM)の逆行列とを乗算することによって、グリッド点毎に決定される。
【0089】
いくつかの実施形態では、本方法は、ウェアラブルデバイスの1つ以上の深度平面のために、原色、すなわち、赤色、緑色、および青色毎に行われる。これらのステップのうちのいくつかは、下記にさらに詳細に説明される。
【0090】
610および620では、画像は、ウェアラブルディスプレイデバイスによって、3つの原色毎に表示される。ディスプレイデバイスの本来のRGB原色をsRGBに変換するために、3×3行列が、色を本来の原色からXYZに変換するCIE色メトリック方法のために使用される。白色点を規定するために、行列は、XYZから所与の白色点を伴うsRGB原色に変換するように形成される。赤色、緑色、および青色フル画像を前提として、表示される画像内の異なるエリアが、検査され、ディスプレイのそのピクセル点の本来の色を識別する。
【0091】
方法600における640では、K×L個のグリッド点が、M×N個のピクセルから選択され、KおよびLは、MおよびNより小さい整数である。画像野は、K×L個のタイル領域に分割され、各タイル領域は、グリッド点を含む。図7Aおよび7Bは、グリッド点の選択およびタイル領域の形成を図示する。
【0092】
図7Aは、本発明のいくつかの実施形態による、ディスプレイ画像野内のピクセルを図示する、簡略化された略図である。図7Aに示されるように、画像野700は、列挙されるピクセルを含む。図7Aの実施例では、M+1行およびN+1列内に配列される、(M+1)×(N+1)個のピクセルが存在し、各ピクセルは、(1,1)から(M,N)まで標識される。例えば、第1の行は、ピクセル(1,1)、(1,2)、(1,3)、...、(1,N-3)、(1,N-2)、(1,N-1)、および(1,N)を含み、第1の列は、ピクセル(1,1)、(2,1)、(3,1)、...、(M-2,1)、(M-1,1)、および(M,1)を含む。
【0093】
ディスプレイのピクセル毎補正を実施するために、変換行列は、ピクセル毎に決定される必要がある。しかしながら、そのようなタスクは、広範な演算能力、ハードウェアおよびソフトウェアリソースを要求し、時間がかかるであろう。したがって、本発明のいくつかの実施形態では、補正行列は、全てのピクセルのサブセットに関して算出される。例えば、グリッド点のグループが、補正行列を算出するために選択されることができる。図7Aはまた、ディスプレイ画像野のピクセル内のグリッド点選択の実施例を図示する。図7Aは、陰影付きピクセル内のK×L個のグリッド点を示し、KおよびLは、MおよびN未満の整数である。例えば、グリッド点(1,1)は、ピクセル(1,1)、グリッド点(1,2)は、ピクセル(1,4)、グリッド点(1,3)は、ピクセル(1,7)、...、グリッド点(1,L-1)は、ピクセル(1,N-3)、およびグリッド点(1,L)は、ピクセル(1,N)等である。同様に、グリッド点(2,1)は、ピクセル(4,1)、グリッド点(3,1)は、ピクセル(7,1)、...であって、グリッド点(K,1)は、ピクセル(M,1)である。さらに、本実施例では、グリッド点(K,L)は、ピクセル(M,N)である。
【0094】
図7Bは、本発明のいくつかの実施形態による、ディスプレイ画像野内のタイル状領域を図示する、簡略化された略図である。図7Bに示されるように、画像ディスプレイフィールドは、タイル状領域に分割され、複数のピクセルを伴うそれぞれは、グリッド点と関連付けられる。以下、すなわち、グリッド点(i,j)と関連付けられる、タイル(1,1)、タイル(1,2)、タイル(1,3)、タイル(2,1)、タイル(3,1)、タイル(K,1)、タイル(K,2)、およびタイル(i,j)等のタイル領域が、図7Bに示される。
【0095】
方法600を継続すると、650では、グリッドRGB/XYZ変換行列が、グリッド点におけるRGB値をグリッド点のグリッドXYZ値に変換するように、グリッド点毎に決定される。いくつかの実施形態では、平均XYZが、グリッド点に関するXYZとして使用される。行列は、グリッド点の測定されたRGBを対応するタイル領域の平均XYZに変換するように決定される。
【0096】
660では、(sRGB/ディスプレイ-RGB)補正行列が、sRGB/XYZ変換行列と、グリッド点に関するピクセルRGB/XYZ変換行列(NPM)の逆行列とを乗算することによって、グリッド点毎に決定される。
【0097】
図7Cは、本発明のいくつかの実施形態による、ディスプレイ画像野の一部を図示する、簡略化された略図である。図7Cは、グリッド点毎に、補正行列を示し、ここでは、グリッド点は、それが常駐する、ピクセル場所によって識別され、例えば、T(i,j)は、ピクセル(i,j)に関する補正行列を表し、これは、グリッド点として選択されている。グリッド点に関する補正行列は、下記に説明されるように、ディスプレイデバイスを較正するための基礎を形成する。
【0098】
図8は、本発明のいくつかの実施形態による、ディスプレイデバイスを較正する方法を図示する、フローチャートである。図8に示されるように、ディスプレイデバイスを較正する方法800は、810において、標的色空間内に定義されるような意図されるコンテンツのためのピクセルに関する色値を受信するステップを含む。820では、データは、ガンマまたはトーンマッピングが適用されている場合、線形化される。830では、ピクセルが、グリッド点であるかどうかが決定される。ピクセルが、グリッド点である場合、840において、上記で決定されたようなグリッド点に関する補正行列が、受信された色値に適用され、補正された色値を生成する。ピクセルが、グリッド点ではない場合、850において、ピクセル補正行列は、隣接するグリッド点における補正行列からの補間によって、ピクセル点に関して決定される。ここでは、補正行列の各行列要素は、隣接するグリッド点における補正行列内の対応する行列要素から補間される。860では、ピクセルに関するピクセル補正行列は、受信された色値に適用され、新しい色値を生成する。870では、ガンマは、必要な場合、新しい色値に適用される。880では、新しい色値は、意図されるコンテンツを表示するために、デバイスに送信される。これらのステップのうちのいくつかは、下記にさらに詳細に説明される。
【0099】
方法800の810では、色値は、標的色空間に定義されるような意図されるコンテンツのためのピクセルに関して受信される。例えば、コンテンツプロバイダからのピクセルに関する色値は、絶対色空間、例えば、sRGB色空間内に規定されてもよい。例えば、sRGB色空間内では、白色は、(1 1 1)として規定され、赤色は、(1 0 0)として規定される等となる。
【0100】
840では、ピクセルが、グリッド点である場合、上記で決定されたようなグリッド点に関する補正行列は、受信された色値に適用され、補正された色値を生成する。グリッド点毎に決定される補正行列TRAを用いることで、sRGBコンテンツ値[R]は、デバイスによって正しい画像を表示するために使用されるための修正されたRGBコンテンツ値[R]に変換されることができる。本変換は、以下のように行われることができる。
【化9】
【0101】
850では、ピクセルが、グリッド点ではない場合、ピクセル補正行列は、隣接するグリッド点における補正行列からの補間によって、ピクセル点に関して決定される。ここでは、補正行列の各行列要素は、隣接するグリッド点における補正行列内の対応する行列要素から補間される。補間プロセスについてのさらなる詳細は、図9を参照して下記に説明される。
【0102】
図9は、本発明のいくつかの実施形態による、グリッド点ではないピクセル点に関する補正行列の補間を図示する、簡略化された略図である。図7は、行IからI+m2および列JからJ+n2に及ぶ、ディスプレイアレイの一部を示す。行および列記号(I,J)、(I,J+n2)、(I+m2,J)、および(I+m2,J+n2)を伴う、4つのピクセルが、図7A-7Cに関連して上記に説明されるように、特性評価のために使用されるグリッド点である。上記に説明されるように、グリッド点ピクセルはそれぞれ、対応する補正行列TまたはTRAを有する。
【化10】

例えば、ピクセル(I,J)は、補正行列T(I,J)を有し、ピクセル(I,J+n2)は、補正行列T(I,J+n2)を有し、ピクセル(I+m2,J)は、補正行列T(I+m2,J)を有し、ピクセル(I+m2,J+n2)は、補正行列T(I+m2,J+n2)を有する。
【0103】
ピクセル毎補正を実施するために、補正行列は、グリッド点ではないピクセル毎に決定される必要がある。例えば、図9では、ピクセル(I,J+n1)、(I+m1,J)、(I+m1,J+m1)、(I+m2,J+m1)は、グリッド点ではない。本発明の実施形態では、これらのピクセルに関する行列は、近隣のグリッド点における値に基づいて、変換行列の各要素を決定するための補間方法を使用して、導出されることができる。双線形、重心等の補間方法または他の方法も、使用されることができる。双線形方法を使用した処理は、下記に説明される。
【0104】
t(I,J)が、グリッド点ピクセル(I,J)に関する補正行列T(I,J)の要素を表すとし、t(I,J)は、補正行列T(I,J)の行列要素Trr、Trg、Trb、Tgr、…等のいずれかを表すとする。双線形方法を使用して、非グリッド点ピクセル(I,J+n1)に関するt(I,J+n1)は、グリッド点ピクセル(I,J)における対応する値t(I,J)およびグリッド点ピクセル(I,J+n2)におけるt(I,J+n2)から補間されることができる。例えば、非グリッド点ピクセル(I,J+n1)に関する行列要素t(I,J+n1)は、以下のように表されることができる。
【化11】

上記の方程式は、以下に簡略化されることができる。
【化12】
【0105】
補正行列T(I,J+n1)の全ての行列要素は、同様に決定されることができ、補正行列T(I,J+n1)は、以下のように表されることができる。
【化13】
【0106】
同様に、補正行列T(I+m2,J+n1)は、双線形補間を使用して決定され、以下のように表されることができる。
【化14】

さらに、補正行列T(I+m1,J+n1)は、双線形補間を使用して、T(I,J+n1)およびT(I+m2,J+n1)からの4つの隣接するグリッド点から決定されることができる。
【化15】
【0107】
図8のウェアラブルデバイスを較正するための方法800に戻って参照すると、860では、ピクセルに関するピクセル補正行列が、受信された色値に適用され、新しい色値を生成する。これらの実施形態では、グリッド点毎に決定される補正行列TRAを用いることで、sRGBコンテンツ値[R]は、本デバイスが正しい画像を表示するための修正されたRGBコンテンツ値[R]に変換されることができる。本変換は、以下のように行われる。
【化16】

式中、
【化17】
【0108】
ピクセル毎補正のために、補正行列は、ピクセル毎に決定される。例えば、sRGBコンテンツ値[R]は、赤色に関して[100]であり得る。補正プロセスでは、sRGBコンテンツ値[R]は、本デバイスが正しい画像を表示するために、新しい色値、すなわち、修正されたRGBコンテンツ値[R]、例えば、[0.9、0.2、0.3]に変換され得る。
【0109】
図10および11は、本発明のいくつかの実施形態による、上記に説明される方法を使用した較正結果の実施例を図示する、略図である。図10は、較正を伴わない、ウェアラブルディスプレイデバイスからの画像にわたる白色のエミュレートされた出力を示す。赤色、緑色、および青色の陰影は、画像の異なる領域内に存在することが分かる。図11は、上記に説明される方法を使用して較正後の、白色のエミュレートされた出力の実施例を示す。色が、標的に関する原色および意図される白色点に合致するように補正されていることが分かる。暗度における変動は、強度における非均一性によって生じ、これは、ある範囲外のピクセル点の強度のスケーリングダウン等の較正方法を使用して対処されることができる。
【0110】
上記に説明される実施形態では、ウェアラブルディスプレイデバイスによって生成された画像光は、3つの原色、すなわち、青色(B)、緑色(G)、および赤色(R)における光を含み得る。ウェアラブルディスプレイデバイスはまた、ディスプレイシステムの天然(最大飽和)源色の混合物である、「原」色を有し得る。例えば、少量の緑色と赤色を混合し、あまり飽和していない赤色原色をディスプレイ内に作成することが望ましくあり得る。これは、赤色LEDのフィールドシーケンシャル周期の間、緑色LEDをオンにすることによって遂行されることができる。これはまた、余剰緑色輝度を緑カラーフィールドシーケンシャル色周期に追加することによって、より高いLCOSグレーレベルを利用することによって、または緑色周期の間、LED屈折力を増加させることによって遂行されることができる。本「混合原色」はまた、白色に近い色(ほぼ等量の赤色、緑色、青色)を有し得る。これらの場合、カメラは、「混合原色」に関するカメラRGBから絶対XYZへの変換モデルを決定することによって、上記に説明される同一様式で較正されることができる。
【0111】
図12は、本明細書に説明される実施形態による、コンピュータシステム1200を図示する、簡略化された概略図である。図12に図示されるようなコンピュータシステム1200は、本明細書に説明されるようなウェアラブルデバイス100等のデバイスの中に組み込まれてもよい。図12は、種々の実施形態によって提供される方法のステップの一部または全部を実施し得る、コンピュータシステム1200の一実施形態の概略化された例証を提供する。図12は、種々のコンポーネントの一般化された例証を提供するためだけに意図され、そのいずれかまたは全てが、必要に応じて利用されてもよいことに留意されたい。図12は、したがって、広義には、個々のシステム要素が比較的に分離された様式または比較的により統合された様式において実装され得る状況を図示する。
【0112】
コンピュータシステム1200は、バス1205を介して電気的に結合されることができる、または必要に応じて別様に通信し得る、ハードウェア要素を備えるように示される。ハードウェア要素は、限定ではないが、デジタル信号処理チップ、グラフィック加速プロセッサ、および/または同等物等の、1つ以上の汎用プロセッサおよび/または1つ以上の特殊目的プロセッサを含む、1つ以上のプロセッサ1210と、限定ではないが、マウス、キーボード、カメラ、および/または同等物を含むことができる、1つ以上の入力デバイス1215と、限定ではないが、ディスプレイデバイス、プリンタ、および/または同等物を含むことができる、1つ以上の出力デバイス1220とを含んでもよい。
【0113】
コンピュータシステム1200はさらに、限定ではないが、ローカルおよび/またはネットワークアクセス可能記憶装置を備えることができ、および/または、限定ではないが、プログラム可能である、フラッシュ更新可能である、および/または同等物であることができる、ディスクドライブ、ドライブアレイ、光学記憶デバイス、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)等のソリッドステート記憶デバイス、および/または読取専用メモリ(「ROM」)を含むことができる、1つ以上の非一過性記憶デバイス1225を含む、および/またはそれと通信してもよい。そのような記憶デバイスは、限定ではないが、種々のファイルシステム、データベース構造、および/または同等物を含む、任意の適切なデータ記憶を実装するように構成されてもよい。
【0114】
コンピュータシステム1200はまた、限定ではないが、Bluetooth(登録商標)デバイス、802.11デバイス、WiFiデバイス、WiMaxデバイス、セルラー通信設備等、および/または同等物等のモデム、ネットワークカード(無線または有線)、赤外線通信デバイス、無線通信デバイス、および/またはチップセットを含むことができる、通信サブシステム1219を含み得る。通信サブシステム1219は、1つ以上の入力および/または出力通信インターフェースを含み、データが、一実施例として挙げるために以下に説明されるネットワーク、すなわち、他のコンピュータシステム、テレビ、および/または本明細書に説明される任意の他のデバイス等のネットワークと交換されることを可能にしてもよい。所望の機能性および/または他の実装懸念に応じて、ポータブル電子デバイスまたは類似デバイスは、通信サブシステム1219を介して、画像および/または他の情報を通信してもよい。他の実施形態では、ポータブル電子デバイス、例えば、第1の電子デバイスは、コンピュータシステム1200、例えば、電子デバイスの中に入力デバイス1215として組み込まれてもよい。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム1200はさらに、作業メモリ1235を備え、これは、上記に説明されるようなRAMまたはROMデバイスを含むであろう。
【0115】
コンピュータシステム1200はまた、種々の実施形態によって提供されるコンピュータプログラムを備え得る、および/または本明細書に説明されるような他の実施形態によって提供される方法を実装し、および/またはシステムを構成するように設計され得る、1つ以上のアプリケーションプログラム1245等のオペレーティングシステム1240、デバイスドライバ、実行可能ライブラリ、および/または他のコードを含む、作業メモリ1235内に現在位置するものとして示される、ソフトウェア要素を含むことができる。単に、一例として、上記に議論される方法に関して説明される1つ以上のプロシージャは、コンピュータまたはコンピュータ内のプロセッサによって実行可能なコードおよび/または命令として実装され得、ある側面では、次いで、そのようなコードおよび/または命令は、説明される方法に従って1つ以上の動作を実施するように汎用コンピュータまたは他のデバイスを構成および/または適合するために使用されることができる。
【0116】
これらの命令および/またはコードのセットは、上記に説明される記憶デバイス1225等の非一過性コンピュータ可読記憶媒体上に記憶されてもよい。ある場合には、記憶媒体は、コンピュータシステム1200等のコンピュータシステム内に組み込まれ得る。他の実施形態では、記憶媒体は、コンピュータシステムと別個である、例えば、コンパクトディスク等の可撤性媒体である、および/または記憶媒体が、汎用コンピュータをその上に記憶される命令/コードを用いてプログラム、構成、および/または適合するために使用され得るように、インストールパッケージ内に提供され得る。これらの命令は、コンピュータシステム1200によって実行可能である、実行可能コードの形態をとり得る、および/または、例えば、種々の概して利用可能なコンパイラ、インストールプログラム、圧縮/解凍ユーティリティ等のいずれかを使用したコンピュータシステム1200上へのコンパイルおよび/またはインストールに応じて、次いで、実行可能コードの形態をとる、ソースおよび/またはインストール可能コードの形態をとり得る。
【0117】
実質的な変形例が、具体的要件に従って構成されてもよいことが、当業者に明白となるであろう。例えば、カスタマイズされたハードウェアもまた、使用され得る、および/または特定の要素が、ハードウェア、アプレット等のポータブルソフトウェアを含む、ソフトウェア、または両方内に実装され得る。さらに、ネットワーク入力/出力デバイス等の他のコンピューティングデバイスへの接続も、採用されてもよい。
【0118】
上記に述べられたように、一側面では、いくつかの実施形態は、コンピュータシステム1200等のコンピュータシステムを採用し、本技術の種々の実施形態による方法を実施してもよい。一式の実施形態によると、そのような方法のプロシージャの一部または全部は、プロセッサ1210が、オペレーティングシステム1240の中に組み込まれ得る、1つ以上の命令の1つ以上のシーケンス、および/または作業メモリ1235内に含有される、アプリケーションプログラム1245等の他のコードを実行することに応答して、コンピュータシステム1200によって実施される。そのような命令は、記憶デバイス1225のうちの1つ以上のもの等の別のコンピュータ可読媒体から作業メモリ1235の中に読み取られてもよい。単に、一例として、作業メモリ1235内に含有される命令のシーケンスの実行は、プロセッサ1210に、本明細書に説明される方法の1つ以上のプロシージャを実施させ得る。加えて、または代替として、本明細書に説明される方法の一部は、特殊ハードウェアを通して実行されてもよい。
【0119】
用語「機械可読媒体」および「コンピュータ可読媒体」は、本明細書で使用されるとき、機械を具体的方式で動作させるデータを提供することに関わる、任意の媒体を指す。コンピュータシステム1200を使用して実装される、ある実施形態では、種々のコンピュータ可読媒体は、実行のための命令/コードをプロセッサ1210に提供する際に関わり得る、および/またはそのような命令/コードを記憶および/または搬送するために使用され得る。多くの実装では、コンピュータ可読媒体は、物理的および/または有形記憶媒体である。そのような媒体は、不揮発性媒体または揮発性媒体の形態をとってもよい。不揮発性媒体は、例えば、記憶デバイス1225等の光学および/または磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、限定ではないが、作業メモリ1235等の動的メモリを含む。
【0120】
一般的形態の物理的および/または有形コンピュータ可読媒体は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、可撓性ディスク、ハードディスク、磁気テープ、または任意の他の磁気媒体、CD-ROM(コンパクトディスク読取専用メモリ)、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、孔のパターンを伴う任意の他の物理的媒体、RAM、PROM、EPROM(消去可能プログラマブル読取専用メモリ)、FLASH(登録商標)-EPROM(消去可能プログラマブル読取専用メモリ)、任意の他のメモリチップまたはカートリッジ、またはコンピュータが命令および/またはコードを読み取ることができる、任意の他の媒体を含む。
【0121】
種々の形態のコンピュータ可読媒体が、実行のための1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスをプロセッサ1210に搬送する際に関わってもよい。単に、一例として、命令は、最初に、遠隔コンピュータの磁気ディスクおよび/または光学ディスク上で搬送されてもよい。遠隔コンピュータは、命令をその動的メモリの中にロードし、コンピュータシステム1200によって受信および/または実行される伝送媒体を経由して、命令を信号として送信し得る。
【0122】
通信サブシステム1219および/またはそのコンポーネントは、概して、信号を受信し、バス1205が、次いで、信号および/または信号によって搬送されるデータ、命令等を作業メモリ1235に搬送し得、そこから、プロセッサ1210が、命令を読み出し、実行する。作業メモリ1235によって受信された命令は、随意に、プロセッサ1210による実行前または後のいずれかにおいて、非一過性記憶デバイス1225上に記憶されてもよい。
【0123】
上記に議論される方法、システム、およびデバイスは、実施例である。種々の構成は、必要に応じて、種々のプロシージャまたはコンポーネントを省略、代用、または追加してもよい。例えば、代替構成では、本方法は、説明されるものと異なる順序で実施されてもよく、および/または種々の段階は、追加される、省略される、および/または組み合わせられてもよい。また、ある構成に関して説明される特徴は、種々の他の構成において組み合わせられてもよい。構成の異なる側面および要素は、類似様式で組み合わせられてもよい。また、技術は、進歩するものであって、したがって、要素の多くは、実施例であって、本開示の範囲または請求項を限定するものではない。
【0124】
具体的詳細が、実装を含む、例示的構成の完全な理解を提供するために説明に与えられる。しかしながら、構成は、これらの具体的詳細を伴わずに実践されてもよい。例えば、周知の回路、プロセス、アルゴリズム、構造、および技法は、構成を曖昧にすることを回避するために、不必要な詳細を伴わずに示されている。本説明は、例示的構成のみを提供し、請求項の範囲、可用性、または構成を限定するものではない。むしろ、構成の前述の説明は、当業者に説明される技法を実装するための有効な説明を提供するであろう。種々の変更が、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、要素の機能および配列に行われてもよい。
【0125】
また、構成は、概略フローチャートまたはブロック図として描写される、プロセスとして説明され得る。それぞれ、シーケンシャルプロセスとして動作を説明し得るが、動作の多くは、並行して、または同時に実施されることができる。加えて、動作の順序は、再配列されてもよい。プロセスは、図内に含まれない付加的ステップを有してもよい。さらに、本方法の実施例は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、または任意のそれらの組み合わせによって実装されてもよい。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、またはマイクロコード内に実装されるとき、必要タスクを実施するためのプログラムコードまたはコードセグメントは、記憶媒体等の非一過性コンピュータ可読媒体内に記憶されてもよい。プロセッサは、説明されるタスクを実施してもよい。
【0126】
いくつかの例示的構成が説明されたが、種々の修正、代替構造、および均等物が、本開示の精神から逸脱することなく、使用されてもよい。例えば、前述の要素は、より大きいシステムのコンポーネントであってもよく、他のルールが、本技術の用途に優先する、または別様にそれを修正してもよい。また、いくつかのステップは、前述の要素が検討される前、間、または後に行われてもよい。故に、前述の説明は、請求項の範囲を束縛するものではない。
【0127】
本明細書および添付の請求項で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈によって明確に別様に示されない限り、複数参照を含む。したがって、例えば、「ユーザ」の言及は、複数のそのようなユーザを含み、「プロセッサ」の言及は、1つ以上のプロセッサおよび当業者に公知のその均等物等の言及を含む。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11
図12
【外国語明細書】