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特開2024-61856積層セラミック電子部品の端子電極形成方法
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  • 特開-積層セラミック電子部品の端子電極形成方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061856
(43)【公開日】2024-05-08
(54)【発明の名称】積層セラミック電子部品の端子電極形成方法
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20240426BHJP
   H01B 1/22 20060101ALI20240426BHJP
   H01B 1/12 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
H01G4/30 201G
H01G4/30 516
H01B1/22 A
H01B1/12 H
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024040959
(22)【出願日】2024-03-15
(62)【分割の表示】P 2018225891の分割
【原出願日】2018-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000186762
【氏名又は名称】昭栄化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100173428
【弁理士】
【氏名又は名称】藤谷 泰之
(74)【代理人】
【識別番号】100091292
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 達哉
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】西岡 信夫
(72)【発明者】
【氏名】橋村 ゆき子
(57)【要約】
【課題】端子電極の中央部およびコーナー部において十分な膜厚を確保しつつ、厚みのばらつきが抑制された端子電極膜の形成に好適に用いることができる積層セラミック電子部品の端子電極用導電性ペーストを提供すること。
【解決手段】本発明の積層セラミック電子部品の端子電極用導電性ペーストは、積層セラミック電子部品の端子電極の形成に用いられるものであって、少なくとも、導電性粉末と、樹脂成分および溶剤からなる有機ビヒクルと、を含み、前記導電性粉末と前記有機ビヒクルの総量を100質量部としたときの前記導電性粉末の含有量が55.0質量部以上85.0質量部以下の範囲内であり、前記樹脂成分の含有量が2.0質量部以上10.0質量部以下の範囲内であり、前記導電性ペーストに対して、周波数1.0Hz、ひずみ量0.004で動的粘弾性測定を行った時の位相差δが30°以上57°以下の範囲内にあることを特徴とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層セラミック電子部品の端子電極の形成に用いられる導電性ペーストであって、
少なくとも、導電性粉末と、樹脂成分および溶剤からなる有機ビヒクルと、を含み、
前記導電性粉末と前記有機ビヒクルの総量を100質量部としたときの前記導電性粉末の含有量が55.0質量部以上85.0質量部以下の範囲内であり、前記樹脂成分の含有量が2.0質量部以上10.0質量部以下の範囲内であり、
前記導電性ペーストに対して、周波数1.0Hz、ひずみ量0.004で動的粘弾性測定を行った時の位相差δが30°以上57°以下の範囲内にあることを特徴とする積層セラミック電子部品の端子電極用導電性ペースト。
【請求項2】
せん断速度0.02s-1における粘度が500Pa・s以上6000Pa・s以下である請求項1に記載の積層セラミック電子部品の端子電極用導電性ペースト。
【請求項3】
せん断速度0.02s-1における粘度が1500Pa・s以上4500Pa・s以下である請求項2に記載の積層セラミック電子部品の端子電極用導電性ペースト。
【請求項4】
前記導電性粉末が銅を含む金属粉末である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品の端子電極用導電性ペースト。
【請求項5】
前記導電性粉末がフレーク状の粉末である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品の端子電極用導電性ペースト。
【請求項6】
前記導電性粉末の平均粒径が0.1μm以上10μm以下である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品の端子電極用導電性ペースト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層セラミックコンデンサ、積層インダクタ、積層型圧電素子等の積層セラミック電子部品の端子電極を形成するための導電性ペーストに関する。
【背景技術】
【0002】
積層セラミックコンデンサ、積層インダクタ、積層型圧電素子等の積層セラミック電子部品は、一般に、以下のようにして製造される。
【0003】
まず、チタン酸バリウム系セラミック等の誘電体セラミックグリーンシート上に、内部電極用導電性ペーストを所定のパターンで印刷する。その後、このシートを複数枚積み重ね、圧着して、セラミックグリーンシートと内部電極ペースト層とが交互に積層された未焼成の積層体を得る。得られた積層体を所定の形状のチップに切断することで積層素体を得る。なお、積層素体は、この時点で高温焼成される場合もあれば、この時点では焼成されず、後に端子電極用導電性ペーストを用いて形成される端子電極ペースト層とともに同時焼成される場合もある。本明細書においては、そのどちらの場合であっても、端子電極ペースト層を形成する前の状態の積層体を「積層素体」という。
【0004】
その後、端子電極用導電性ペーストが焼成タイプである場合は、導電性粉末、バインダー樹脂、有機溶剤および必要に応じて添加されるガラスフリットを構成成分とする端子電極用導電性ペーストを、積層素体の内部電極の露出する端面に、浸漬法によって端子電極ペースト層を形成した後、乾燥し、さらに高温で焼成して端子電極を形成する。また、端子電極用導電性ペーストが非焼成タイプの場合は、導電性粉末、熱や光等の活性エネルギーによって硬化する熱硬化性樹脂や感光性樹脂等を用いたバインダー樹脂および有機溶剤を主成分とする端子電極用導電性ペーストを、前記と同様に浸漬法によって端子電極ペースト層を形成した後に、活性エネルギーを印加(加熱等)することによって当該ペーストを硬化させて端子電極を形成する。
【0005】
さらに、この後、端子電極上には、必要に応じてニッケル、スズ等のめっき層を、電気めっき等により形成することもある。
【0006】
内部電極材料としては、従来、パラジウム、銀-パラジウム、白金等の貴金属が用いられていたが、省資源やコストダウン等の要求があり、特に焼成タイプにおいては、パラジウム、銀-パラジウムの焼成時の酸化膨張に起因するデラミネーション、クラックの発生防止等の要求があることから、近年ではニッケル、コバルト、銅等の卑金属を用いるのが主流になっている。このため、端子電極材料としても、従来の銀や銀-パラジウムに替わって、卑金属内部電極と良好な電気的接続を形成しやすい銅、ニッケル、コバルト、またはこれらの合金が用いられてきている。
【0007】
ところで、浸漬法で端子電極ペースト層を形成する場合、積層素体端面の中央部付近のペースト層が厚くなりやすいという問題がある。そこで、積層素体の端面に形成された端子電極ペースト層の端面を、平面板に押し当てることによって端子電極ペースト層を整形し、端子電極の寸法や形状を調整するブロット処理が広く一般的に行われている。(特許文献1)
【0008】
1回のブロット処理では整形が不十分な場合もあるため、複数回のブロット処理を行う例(特許文献2)や、浸漬用の導電性ペースト層とは別にブロット処理用の導電性ペースト層を準備する例(特許文献3)等も知られている。
【0009】
しかしながら、従来では、端子電極の中央部およびコーナー部において十分な膜厚を確保しつつ、厚みが均一な端子電極膜を得ることが困難な場合があった。このような場合、端子電極膜に切れ等を生じ、安定的に良好な導電性を得ることが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2010-206135号公報
【特許文献2】特開2012-28465号公報
【特許文献3】特開2001-345240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、端子電極の中央部およびコーナー部において十分な膜厚を確保しつつ、厚みのばらつきが抑制された端子電極膜の形成に好適に用いることができる積層セラミック電子部品の端子電極用導電性ペーストを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このような目的は、下記(1)~(6)に記載の本発明により達成される。
(1) 積層セラミック電子部品の端子電極の形成に用いられる導電性ペーストであって、
少なくとも、導電性粉末と、樹脂成分および溶剤からなる有機ビヒクルと、を含み、
前記導電性粉末と前記有機ビヒクルの総量を100質量部としたときの前記導電性粉末の含有量が55.0質量部以上85.0質量部以下の範囲内であり、前記樹脂成分の含有量が2.0質量部以上10.0質量部以下の範囲内であり、
前記導電性ペーストに対して、周波数1.0Hz、ひずみ量0.004で動的粘弾性測定を行った時の位相差δが30°以上57°以下の範囲内にあることを特徴とする積層セラミック電子部品の端子電極用導電性ペースト。
【0013】
(2) せん断速度0.02s-1における粘度が500Pa・s以上6000Pa・s以下である上記(1)に記載の積層セラミック電子部品の端子電極用導電性ペースト。
【0014】
(3) せん断速度0.02s-1における粘度が1500Pa・s以上4500Pa・s以下である上記(2)に記載の積層セラミック電子部品の端子電極用導電性ペースト。
【0015】
(4) 前記導電性粉末が銅を含む金属粉末である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の積層セラミック電子部品の端子電極用導電性ペースト。
【0016】
(5) 前記導電性粉末がフレーク状の粉末である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の積層セラミック電子部品の端子電極用導電性ペースト。
【0017】
(6) 前記導電性粉末の平均粒径が0.1μm以上10μm以下である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の積層セラミック電子部品の端子電極用導電性ペースト。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、端子電極の中央部およびコーナー部において十分な膜厚を確保しつつ、厚みのばらつきが抑制された端子電極膜の形成に好適に用いることができる積層セラミック電子部品の端子電極用導電性ペーストを提供することできる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施例1の導電性ペーストを用いて形成された端子電極付近の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
図2】比較例1の導電性ペーストを用いて形成された端子電極付近の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
図3】比較例2の導電性ペーストを用いて形成された端子電極付近の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明について、好適な実施形態に基づいて詳細に説明するが、本発明の範囲は、当該実施形態に限定されるものではない。
【0021】
[積層セラミック電子部品の端子電極用導電性ペースト]
本発明の積層セラミック電子部品の端子電極用導電性ペーストは、例えば、積層セラミックコンデンサ、積層インダクタ、積層型圧電素子等の積層セラミック電子部品の端子電極の形成に用いられる導電性ペーストである。
【0022】
本発明の積層セラミック電子部品の端子電極用導電性ペーストは、少なくとも、導電性粉末と、樹脂成分および溶剤からなる有機ビヒクルと、を含む。
【0023】
そして、導電性粉末と、樹脂成分および溶剤からなる有機ビヒクルとの総量を100質量部としたとき、導電性粉末の含有量が55.0質量部以上85.0質量部以下の範囲内であり、樹脂成分の含有量が2.0質量部以上10.0質量部以下の範囲内であり、かつ、周波数1.0Hz、ひずみ量0.004で動的粘弾性測定を行った時の位相差δが30°以上57°以下の範囲内にあることを特徴とする。
【0024】
このような構成により、端子電極の中央部およびコーナー部において十分な膜厚を確保しつつ、厚みのばらつきが抑制された端子電極膜の形成に好適に用いることができる積層セラミック電子部品の端子電極用導電性ペーストを提供することができる。
【0025】
なお、動的粘弾性測定時の温度は、25℃とすることができる。動的粘弾性の測定は、レオメーター(例えば、TA instrument社製、AR2000)を用いて行うことができる。また、コーンプレートとしては、例えば、コーン径40mm、コーン角度2°のものを用いることができる。
【0026】
これに対し、上記のような条件を満たさない場合には、満足のいく結果が得られない。
例えば、導電性粉末の含有量が前記下限値未満であると、焼成後に十分な膜厚が確保できなくなり、高い導電性が得られなくなる。
【0027】
また、導電性粉末の含有量が前記上限値を超えたり、樹脂成分の含有量が前記下限値未満であると、ペースト中における導電性粉末を含む無機成分の分散性が低下し、ペーストの印刷性が低下する。
【0028】
また、樹脂成分の含有量が前記上限値を超えると、特に焼成タイプのペーストの場合、焼成時にカーボン残渣が生じやすくなり、その結果として導電性が低下する。
【0029】
また、前記位相差δが前記下限値未満であると、導電性ペーストのレベリング性が悪化し、端子電極の厚みのばらつきを十分に抑制することが困難となる。
【0030】
また、前記位相差δが前記上限値を超えると、端子電極のコーナー部での膜厚を十分に確保することが困難となる。
【0031】
なお、以下の説明では、「積層セラミック電子部品の端子電極用導電性ペースト」のことを、単に「導電性ペースト」とも言う。
【0032】
<金属粉末>
本発明に係る導電性ペーストは導電性粉末を含んでいる。
【0033】
導電性粉末の構成材料としては、例えば、銀、金、白金、銅、パラジウム、ニッケル、タングステン、亜鉛、錫、鉄、コバルトや、これらのうち少なくとも1種を含む合金等が挙げられる。導電性粉末としては、前記材料のうち2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0034】
中でも、導電率や取り扱い易さ等の観点から、導電性粉末は、銀、銅のうち少なくとも一方を含む粉末、例えば、銀粉末や銅粉末であるのが好ましく、銅を含む金属粉末であるのがより好ましい。
【0035】
これにより、導電性ペーストを用いて形成される端子電極において、より優れた導電性が得られる。また、導電性粉末が銅を含む金属粉末である場合、生産コストの点からも有利である。
【0036】
なお、導電性粉末としては、金属粉末のほかに、例えば、酸化物、ガラス、セラミック等の無機粉末に金属を被覆した複合粉末や、金属粉末表面に酸化物、ガラス、セラミックや他の金属を被覆した複合粉末を用いてもよい。
【0037】
また、必要に応じて、導電性粉末は、金属粉末を有機金属化合物や界面活性剤、脂肪酸類等で表面処理したものであってもよい。
【0038】
また、導電性粉末としては、例えば、用途によっては、導電性を備えたカーボンや導電性樹脂等の金属以外の導電性材料で構成されたものを用いてもよい。
【0039】
導電性粉末の形状としては、例えば、球状、フレーク状、粒状等、種々の形状が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、フレーク状であるのが好ましい。
【0040】
フレーク状であることによって、導電性粉末の比表面積が大きくなり、ペースト印刷時のダレ等を抑制しやすくなる他、特に非焼成の硬化タイプのペーストの場合には、導電性粉末同士の接触面積が増え、高導電性にも寄与する。
【0041】
なお、本明細書において、球状とは、長径/短径の比率が2以下の粒子の形状をいう。また、フレーク状とは、長径/短径の比率が2超の形状をいう。
【0042】
導電性粉末の平均粒径(D50)は、0.1μm以上10μm以下の範囲内であるのが好ましく、0.3μm以上5μm以下の範囲であるのがより好ましく、0.5μm以上3μm以下の範囲内であるのがさらに好ましい。
これにより、導電性ペーストの焼結性や印刷性をより向上させることができる。
【0043】
なお、本明細書において、平均粒径(D50)とは、特に断りのない限り、レーザ式粒度分布測定装置を用いて測定した粒度分布の重量基準の積算分率50%値を指し、例えば、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置LA-960(HORIBA社製)を用いた測定により求めることができる。
【0044】
なお、導電性ペーストの導電性や焼結性の調整のため、導電性の超微粒子(例えば、粒径が0.04μm以下の粒子)を少量含有させてもよい。ただし、当該超微粒子の含有量は、導電性粉末全体の含有量を100質量部としたとき、3.0質量部以下であるのが好ましく、1.0質量部以下であるのがより好ましい。
【0045】
導電性ペースト中における導電性粉末と有機ビヒクルの総量を100質量部としたときの、金属粉末の含有量は、55.0質量部以上85.0質量部以下の範囲内であればよいが、67.0質量部以上82.0質量部以下の範囲内であるのが好ましく、70.0質量部以上81.0質量部以下の範囲内であるのがより好ましい。
これにより、前述した本発明による効果がより顕著に発揮される。
【0046】
<有機ビヒクル>
本発明に係る導電性ペーストは、樹脂成分および溶剤からなる有機ビヒクルを含んでいる。
【0047】
(樹脂成分)
有機ビヒクルを構成する樹脂成分としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート等の(メタ)アクリル樹脂、ブチラール樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、ロジンエステル類、スチレン系樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、多官能性アクリレートや多官能性メタアクリレートモノマー等の感光性モノマー等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂が好ましい。
【0048】
これらの樹脂を使用した場合には、ペースト全体の分散性がさらに向上し、塗布厚膜のばらつきがより効果的に抑制され、結果としてコーナー部の膜厚をより好適に確保しやすくなる。
【0049】
導電性ペースト中において、樹脂成分は、溶解状態、分散状態のいずれの形態で含まれていてもよい。
【0050】
また、導電性ペースト中における導電性粉末と有機ビヒクルの総量を100質量部としたときの、樹脂成分の含有量は、2.0質量部以上10.0質量部以下であればよいが、3.0質量部以上7.0質量部以下であるのが好ましく、4.0質量部以上6.3質量部以下であるのがより好ましい。
これにより、前述した本発明による効果がより顕著に発揮される。
【0051】
(溶剤)
有機ビヒクルを構成する溶剤としては、例えば、水、炭化水素系、アルコール類、エーテル類、エステル類、ケトン類またはグリコール類等が挙げられ、より具体的には、トルエン、ベンゼン、オクタノール、デカノール、テルピネオール、テルピネオールアセテート、ジヒドロテルピネオール、ジヒドロテルピネオールアセテート、カルビトール、ブチルカルビトール、セロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトールアセテート、セロソルブアセテート、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0052】
また、導電性ペースト中における導電性粉末と有機ビヒクルの総量を100質量部としたときの、溶剤の含有量は、特に限定されないが、5.0質量部以上40.0質量部以下であるのが好ましく、12.0質量部以上22.0質量部以下であるのがより好ましく、14.0質量部以上20.0質量部以下であるのがさらに好ましい。
【0053】
導電性ペースト中における導電性粉末と有機ビヒクルの総量を100質量部としたときの、有機ビヒクルの含有量は、特に限定されないが、10.0質量部以上45.0質量部以下であるのが好ましく、14.4質量部以上29.0質量部以下であるのがより好ましく、17.4質量部以上25.3質量部以下であるのがさらに好ましい。
【0054】
<その他の成分>
本発明の導電性ペーストには、その他、必要に応じてガラス粉末や可塑剤、分散剤、界面活性剤等が配合されてもよい。また焼結挙動の制御等を目的として、種々の無機粉末や有機金属化合物が配合されてもよい。
【0055】
一例として、焼結を促進させるために、ガラス粉末、金属酸化物等の無機バインダーや、焼成中にこれらを生成しうる前駆体としての有機金属化合物が配合され得る。また、焼結を遅らせたり、焼成収縮率を調整するために、金属酸化物粉末やセラミック粉末、例えば、基板と同種の材料を含むセラミック粉末、ガラス-セラミック粉末、金属酸化物粉末等の無機粉末やこれらの前駆体化合物が配合され得る。
【0056】
ガラス粉末としては、例えば、BaO-ZnO-B系、BaO-ZnO系、BaO-SiO系、BaO-ZnO-SiO系、BaO-B-SiO系、ZnO-B系、BaO-CaO-Al系、PbO-B-SiO-Al系、PbO-B-ZnO系、Bi-B-SiO系といった組成のもの等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0057】
本発明の導電性ペーストは、常法により、各材料を混合、混練し、導電性粉末を有機ビヒクル中に均一に分散させることにより調製される。
【0058】
前述したように、本発明の導電性ペーストは、周波数1.0Hz、ひずみ量0.004で動的粘弾性測定を行った時の位相差δが30°以上57°以下の範囲内にある。
【0059】
前記のような範囲の位相差δは、例えば、構成材料の条件を調整することにより、実現することができる。特に、導電性ペーストの構成成分としての導電性粉末、有機ビヒクルが、前述したような好ましい条件を満足することにより、前記のような範囲の位相差δを好適に実現することができる。
【0060】
前記位相差δは、30°以上57°以下の範囲内であればよいが、33°以上54°以下の範囲内であるのが好ましく、36°以上49°以下の範囲内であるのがより好ましい。
これにより、前述した本発明による効果がより顕著に発揮される。
【0061】
また、本発明の導電性ペーストは、せん断速度0.02s-1における粘度が、500Pa・s以上6000Pa・s以下の範囲内であるのが好ましく、1500Pa・s以上4500Pa・s以下の範囲内であるのがより好ましい。
これにより、前述した本発明による効果がより顕著に発揮される。
【0062】
なお、粘度測定時の温度は、25℃とすることができる。また、粘度の測定は、レオメーター(例えば、TA instrument社製、AR2000)を用いて行うことができる。また、コーンプレートとしては、例えば、コーン径40mm、コーン角度2°のものを用いることができる。
【0063】
以上説明したような本発明に係る導電性ペーストによれば、端子電極の中央部およびコーナー部において十分な膜厚を確保しつつ、厚みのばらつきが抑制された端子電極膜を好適に形成することができる。
【0064】
[積層セラミック電子部品の端子電極の形成]
次に、前述した本発明に係る導電性ペーストを用いた積層セラミック電子部品の端子電極の形成について説明する。
【0065】
まず、チタン酸バリウム系セラミック等の誘電体セラミックで構成された層と、内部電極層とが、交互に積層された積層素体を用意する。
【0066】
積層素体としては、内部電極用導電性ペーストを所定のパターンで印刷することにより形成された内部電極層を有する誘電体セラミックグリーンシートを複数枚積み重ね、圧着することにより得られたものを用いることができる。
【0067】
積層素体は、通常、上記の圧着後に、所定の形状チップに切断されたものである。
積層素体は、後述する端子電極ペースト層の形成に先立って、焼成処理が施されたものであってもよいし、焼成処理が施されていないものであってもよい。すなわち、積層素体を構成する内部電極層は、端子電極ペースト層の形成時において、ペースト状をなすものであってもよい。
【0068】
その後、積層素体の内部電極の露出する端面に、本発明に係る導電性ペーストを浸漬法によって付与して端子電極ペースト層を形成する。
【0069】
上記のようにして形成される端子電極ペースト層は、通常、積層素体端面の中央部付近のペースト層が厚くなりやすい。そこで、積層素体の端面に形成された端子電極ペースト層を、平面板に押し当てることによって端子電極ペースト層を整形し、端子電極の寸法や形状を調整するブロット処理を行う。
【0070】
ブロット処理は、例えば、複数回行ってもよい。また、積層素体の端面に形成された端子電極ペースト層を、平面板に押し当てた後、平面板から引き離す前に、端子電極ペースト層と平面板とを相対的に摺動させてもよい。より具体的には、例えば、積層素体の端面に形成された端子電極ペースト層を、平面板に押し当てた後、平面板から引き離す前に、端子電極ペースト層が設けられた積層素体を、平面板の面方向に相対的に移動させてもよい。
【0071】
上記のようなブロット処理の後、端子電極ペースト層を焼成したり、活性化エネルギーにより硬化させることによって、端子電極を形成する。
【0072】
例えば、端子電極用導電性ペーストが焼成タイプである場合は、積層素体に形成された端子電極ペースト層を乾燥し、さらに、焼成して端子電極を形成する。このとき、積層素体が端子電極ペースト層の形成に先立って焼成処理が施されていないものである場合、すなわち、積層素体を構成する内部電極層がペースト状をなすものである場合、この焼成により、端子電極ペースト層とともに、内部電極層も焼成される。
【0073】
また、端子電極用導電性ペーストが非焼成タイプである場合は、積層素体に形成された端子電極ペースト層に対し、端子電極用導電性ペースト中に含まれる硬化性樹脂に応じたエネルギーを付与することにより端子電極ペースト層を硬化させる。より具体的には、端子電極用導電性ペーストが硬化性樹脂として熱硬化性樹脂を含む場合には、熱エネルギーを付与することにより、端子電極用導電性ペーストが硬化性樹脂として感光性樹脂を含む場合には、光(UV等)を照射することにより、端子電極ペースト層を硬化させることができる。
【0074】
端子電極ペースト層の乾燥温度は、特に限定されないが、例えば、100℃以上200℃以下とすることができる。
【0075】
また、端子電極ペースト層の焼成温度(ピーク温度)も、特に限定されないが、一例としては、600℃以上900℃以下である。
【0076】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されない。
【実施例0077】
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0078】
[1]導電性ペーストの製造
(実施例1~9および比較例1~5)
導電性粉末、樹脂成分、溶剤および添加剤を、それぞれ、表1に示した成分、配合比で混合し、三本ロールミルで混練して導電性ペーストを製造した。
【0079】
なお、表1中に記されている符号は以下の通りである。
〔導電性粉末A〕昭栄化学工業製Cu-018(平均粒径2.3μmの球状銅粉)
〔導電性粉末B〕昭栄化学工業製Cu-521F(平均粒径2.8μmのフレーク状銅粉)
〔導電性粉末C〕昭栄化学工業製Cu-513F(平均粒径6.7μmのフレーク状銅粉)
〔導電性粉末D〕昭栄化学工業製Ag-026(平均粒径1.6μmの球状銀粉)
〔導電性粉末E〕昭栄化学工業製Ag-540(平均粒径10μmのフレーク状銀粉)
〔樹脂成分A〕三菱レイヨン製ダイヤナールMB-2677(アクリル樹脂)
〔樹脂成分B〕三菱レイヨン製ダイヤナールBR-105(アクリル樹脂)
〔樹脂成分C〕綜研化学製MR260IBM(アクリル樹脂)
〔樹脂成分D〕ハーキュレス製N4(エチルセルロース)
〔樹脂成分E〕ハーキュレス製N50(エチルセルロース)
〔樹脂成分F〕DIC製スーパーベッカサイト1001(フェノール樹脂)
〔樹脂成分G〕昭和ワニス製K-2030(アルキッド樹脂)
〔樹脂成分H〕KOREA CNC製RS-20ニトロセルロース
〔溶剤A〕ターピネオール
〔溶剤B〕ジプロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル(DPNP)
〔溶剤C〕ブチルカルビトール
〔添加剤〕楠本化成製HIPLAAD-ET7020(チクソ剤)
【0080】
【表1】
【0081】
[2]動的粘弾性測定
前記各実施例および各比較例の導電性ペーストについて、レオメーター(AR2000:TA instrument社製)を用いた測定により、粘度および位相差δを求めた。コーンプレートとしては、コーン径40mm、コーン角度2°のものを使用した。温度条件は、25℃に設定した。粘度については、せん断速度0.02s-1、2s-1、20s-1において、それぞれ測定を行った。また、位相差δについては、周波数1.0Hzで、ひずみ量0.004、0.04、0.4で、それぞれ測定を行った。
【0082】
[3]積層セラミック電子部品の製造
以下のようにして、前記各実施例および各比較例の導電性ペーストを用いて、端子電極層を有する、積層セラミック電子部品としての積層セラミックコンデンサを製造した。
【0083】
まず、チタン酸バリウム系セラミック誘電体グリーンシートと、ニッケル内部電極との積層体を、高温で焼結して得られた、平面寸法が3.2mm×2.5mmで厚みが2.5mmの積層素体を用意した。
【0084】
一方、前記導電性ペーストを用いて、平板上に、膜厚500μmの導電性ペースト層を形成した。
【0085】
次に、積層素体を、前記導電性ペースト層に向けて、降下速度500μm/sで降下させ、前記積層素体のニッケル内部電極が露出した端面を浸漬させ、100μm/sで引き上げることによって、前記積層素体端面に端子電極ペースト層を形成した。
【0086】
次に、前記積層素体を平面板の近くに移動させ、前記積層素体端面と平面板との間に250μmのクリアランスを残した状態で、前記端子電極ペースト層を前記平面板に対して500μm/sで降下させた。そして、前記端子電極ペースト層が前記平面板に接触したまま、前記積層素体を500μm/sで前記平面板の平面に平行な方向へ8mm移動させた後、500μm/sで前記積層素体を前記平面板から引き上げた。
【0087】
次に、熱風式乾燥機中150℃で10分間保持して乾燥させ、さらに、ベルト式マッフル炉で、ピーク温度での保持時間が10分間、焼成の開始から終了まで1時間の条件で焼成して端子電極を形成し、積層セラミックコンデンサを得た。
【0088】
なお、導電性粉末に銅粉末を用いた実施例1~7および各比較例では、焼成雰囲気の全域(脱バインダーゾーンおよび焼成ゾーン)を5ppmの酸素を含む窒素雰囲気とし、ピーク温度を780℃に設定し、導電性粉末に銀粉末を用いた実施例8、9では、焼成雰囲気の全域(脱バインダーゾーンおよび焼成ゾーン)を大気雰囲気とし、ピーク温度を800℃に設定した。
【0089】
[4]評価
前記各実施例および各比較例で得られた積層セラミックコンデンサについて、端子電極付近の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。
【0090】
実施例1の導電性ペーストを用いて形成された端子電極付近の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図1に示し、比較例1の導電性ペーストを用いて形成された端子電極付近の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図2に示し、比較例2の導電性ペーストを用いて形成された端子電極付近の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図3に示す。
これらの図中、aは端子電極付近の全体図であり、bはaの左コーナー部の拡大図であり、cはaの中央部の拡大図であり、dはaの右コーナー部の拡大図である。
【0091】
前記各実施例および各比較例で得られた積層セラミックコンデンサについて、走査型電子顕微鏡(SEM)写真から、端子電極の中央部(図1図3のc参照)の膜厚(中央膜厚、Tt)、端子電極の左コーナー部(図1図3のb参照)および右コーナー部(図1図3のd参照)の膜厚の平均値(Tc[μm])を求め、これらの結果から、中央膜厚(Tt[μm])に対するコーナー膜厚(Tc[μm])の比Tc/Tt(C/T比)を求めた。
【0092】
総合評価として、「中央膜厚(Tt)が10μm以上であり、Tc/Ttが0.8以上かつ膜厚が凹凸のない均一であるもの」を“○”とし、「中央膜厚(Tt)が10μm以上であり、Tc/Ttが0.5以上0.8未満かつ膜厚が凹凸のない均一であるもの」または「中央膜厚(Tt)が8μm以上10μm未満であり、Tc/Ttが0.8以上かつ膜厚が凹凸のない均一であるもの」を“△”とし、それ以外を“×”とした。
これらの結果を、粘度、位相差のデータとともに、表2にまとめて示す。
【0093】
【表2】
【0094】
表2から明らかなように、本発明では、端子電極の中央部およびコーナー部において十分な膜厚を確保しつつ、厚みのばらつきが抑制された端子電極膜を好適に形成することができた。
【0095】
なお、表2からすれば、2s-1および20s-1の粘度は、本発明の作用効果との相関がみられず、また、ひずみ量0.04、0.4の位相差δも本発明の作用効果との相関がみられなかった。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-03-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、導電性粉末と、樹脂成分および溶剤からなる有機ビヒクルと、を含み前記導電性粉末と前記有機ビヒクルの総量を100質量部としたときの前記導電性粉末の含有量が55.0質量部以上85.0質量部以下の範囲内であり、前記樹脂成分の含有量が2.0質量部以上10.0質量部以下の範囲内であり前記導電性ペーストに対して、周波数1.0Hz、ひずみ量0.004で動的粘弾性測定を行った時の位相差δが30°以上57°以下の範囲内にある導電性ペーストを準備する工程と、
誘電体セラミックで構成された層と内部電極層とが交互に積層された積層素体を用意した後、前記内部電極層が露出する前記積層素体の端面に前記導電性ペーストを浸漬法により付与する工程と、
前記端面に形成された前記導電性ペーストによるペースト層を平面板に押し当てて整形した後、当該ペースト層を焼成または硬化させて端子電極を形成する工程を備える積層セラミック電子部品の端子電極形成方法
【請求項2】
前記整形により前記端子電極の寸法や形状を調整する請求項1に記載の積層セラミック電子部品の端子電極形成方法。
【請求項3】
前記ペースト層を、前記平面板に押し当てた後、前記平面板から引き離す前に前記積層素体を前記平面板の面方向に相対的に移動させる請求項1または2に記載の積層セラミック電子部品の端子電極形成方法。
【請求項4】
前記導電性ペーストのせん断速度0.02s-1における粘度が500Pa・s以上6000Pa・s以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品の端子電極形成方法
【請求項5】
前記導電性粉末が銅を含む金属粉末である請求項1ないしのいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品の端子電極形成方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、積層セラミックコンデンサ、積層インダクタ、積層型圧電素子等の積層セラミック電子部品の端子電極の形成方法に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本発明の目的は、端子電極の中央部およびコーナー部において十分な膜厚を確保しつつ、厚みのばらつきが抑制された端子電極膜形成することができる積層セラミック電子部品の端子電極形成方法を提供することにある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
このような目的は、下記(1)~()に記載の本発明により達成される。
(1) 少なくとも、導電性粉末と、樹脂成分および溶剤からなる有機ビヒクルと、を含み前記導電性粉末と前記有機ビヒクルの総量を100質量部としたときの前記導電性粉末の含有量が55.0質量部以上85.0質量部以下の範囲内であり、前記樹脂成分の含有量が2.0質量部以上10.0質量部以下の範囲内であり前記導電性ペーストに対して、周波数1.0Hz、ひずみ量0.004で動的粘弾性測定を行った時の位相差δが30°以上57°以下の範囲内にある導電性ペーストを準備する工程と、
誘電体セラミックで構成された層と内部電極層とが交互に積層された積層素体を用意した後、前記内部電極層が露出する前記積層素体の端面に前記導電性ペーストを浸漬法により付与する工程と、
前記端面に形成された前記導電性ペーストによるペースト層を平面板に押し当てて整形した後、当該ペースト層を焼成または硬化させて端子電極を形成する工程を備える積層セラミック電子部品の端子電極形成方法
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
(2) 前記整形により前記端子電極の寸法や形状を調整する上記(1)に記載の積層セラミック電子部品の端子電極形成方法。
(3) 前記ペースト層を、前記平面板に押し当てた後、前記平面板から引き離す前に前記積層素体を前記平面板の面方向に相対的に移動させる上記(1)または(2)に記載の積層セラミック電子部品の端子電極形成方法。
前記導電性ペーストのせん断速度0.02s-1における粘度が500Pa・s以上6000Pa・s以下である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の積層セラミック電子部品の端子電極形成方法
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
) 前記導電性粉末が銅を含む金属粉末である上記(1)ないし()のいずれかに記載の積層セラミック電子部品の端子電極形成方法。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
本発明によれば、端子電極の中央部およびコーナー部において十分な膜厚を確保しつつ、厚みのばらつきが抑制された端子電極膜形成することができる積層セラミック電子部品の端子電極形成方法を提供することできる。