IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ JFEスチール株式会社の特許一覧

特開2024-6186電気Zn-Ni合金めっき鋼板の製造方法
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006186
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】電気Zn-Ni合金めっき鋼板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C25D 5/26 20060101AFI20240110BHJP
   C25D 3/56 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
C25D5/26 G
C25D3/56 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106854
(22)【出願日】2022-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184859
【弁理士】
【氏名又は名称】磯村 哲朗
(74)【代理人】
【識別番号】100123386
【弁理士】
【氏名又は名称】熊坂 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100196667
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100130834
【弁理士】
【氏名又は名称】森 和弘
(72)【発明者】
【氏名】土本 和明
(72)【発明者】
【氏名】松田 武士
(72)【発明者】
【氏名】武田 玄太郎
(72)【発明者】
【氏名】松岡 佳史
【テーマコード(参考)】
4K023
4K024
【Fターム(参考)】
4K023AB01
4K023AB29
4K023BA06
4K024AA19
4K024AB01
4K024BA03
4K024BB02
4K024BB18
4K024CA01
4K024CA03
4K024CA04
4K024CA06
4K024CA10
4K024CB14
4K024DA03
4K024DA04
4K024GA04
4K024GA16
(57)【要約】
【課題】成形加工用として一般的に使用されるダル原板(算術平均粗さRaが0.5μm以上2.5μm以下を想定)を下地とする電気Zn-Ni合金めっき鋼板の外観を冷延鋼板の外観により近くするために、電気Zn-Ni合金めっき鋼板の金属光沢を高めることを目的とする。そのための製造技術を開発する。
【解決手段】Zn2+を0.25mol/L以上0.5mol/L以下含有し、Ni2+を0.5mol/L以上1.0mol/L以下含有し、かつNi2+/Zn2+比(モル比)が1.5以上2.5以下である、pHが1.0以上2.0以下のめっき浴中で、算術平均粗さRaが0.5μm以上2.5μm以下の鋼板を陰極とし、鋼板とめっき液の相対流速を4m/秒以上、電流密度が10A/dm以上30A/dm以下、浴温40℃以上70℃以下で電解処理し、鋼板表面にNi含有率が10質量%以上16質量%以下、鏡面光沢度(60°)が60以上、めっき付着量が片面当たり15g/m以上のZn-Ni合金めっき層を形成する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
めっき浴中で算術平均粗さRaが0.5μm以上2.5μm以下の鋼板を陰極として電解処理することにより、鋼板表面にNi含有率が10質量%以上16質量%以下、鏡面光沢度(60°)が60以上、めっき付着量が片面当たり15g/m以上のZn-Ni合金めっき層を形成する電気Zn-Ni合金めっき鋼板の製造方法であって、
Zn2+を0.25mol/L以上0.5mol/L以下含有し、Ni2+を0.5mol/L以上1.0mol/L以下含有し、かつ、Ni2+/Zn2+比(モル比)が1.5以上2.5以下である、pHが1.0以上2.0以下のめっき浴を用い、
鋼板とめっき液の相対流速を4m/秒以上、電流密度が10A/dm以上30A/dm以下、浴温40℃以上70℃以下で電解することを特徴とする電気Zn-Ni合金めっき鋼板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸性めっき浴中において鋼板を陰極として電解処理することにより、鋼板表面にZn-Ni合金めっき層を形成する電気Zn-Ni合金めっき鋼板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気亜鉛系めっき鋼板としては電気亜鉛めっき鋼板と電気Zn-Ni合金めっき鋼板が代表的であり、家電・家具建材・自動車用途を中心に広く使用されている。
【0003】
電気亜鉛系めっき鋼板は、電気めっき法で製造されるために外観が均一で美麗であることが特徴であるが、その外観に対しては常に改善要求がある。
【0004】
電気Znめっき鋼板は薄膜の化成処理を行って使用される場合が多く、電気Znめっき鋼板本来の白色外観が最終製品外観となる場合が主流である。従って、めっき外観としては白色度を高める検討が多くなされてきた。
【0005】
特許文献1には電気亜鉛めっき浴に亜鉛よりも電気化学的に貴であり、かつ鉄よりも貴であるSn、Mo、Crの一種以上の金属イオンを添加して電気亜鉛めっきを行い、亜鉛めっきの白色度を高める技術が開示されている。
【0006】
電気Zn-Ni合金めっき鋼板は電気亜鉛めっき鋼板に比較して優れた耐食性を持ち、自動車や家電用途を中心に広く用いられている。電気Zn-Ni合金めっき鋼板は電気亜鉛めっき鋼板に比べて白色度がかなり低く、電気亜鉛めっき鋼板と同様な外観を求められることは無いため、白色度の向上要求は無い。
【0007】
一方で、電気Zn-Ni合金めっき鋼板は電気亜鉛めっき鋼板に比べて金属光沢度が高く、冷延鋼板により近い外観を呈する。自動車や家電用途では電気Zn-Ni合金めっき鋼板と冷延鋼板を混合して使用する場合が多くあり、その多くは塗装を施されて使用される。塗装を施す場合、塗装後外観は塗装前の表面光沢度の影響を強く受ける。従って、最終製品での外観均一性の観点から、電気Zn-Ni合金めっき鋼板の外観をより冷延鋼板の外観により近くするために、更なる金属光沢の向上要求が潜在的に存在する。
【0008】
しかしながら、電気Zn-Ni合金めっき鋼板の外観、特に、金属光沢度を高めようとする先行技術は見出されていない。
【0009】
外観に関しては、めっき付着量が片面当たり約5g/m以下であれば高い光沢度の電気Zn-Niめっき鋼板を得る事が可能であるが、付着量増加にともない光沢度が低下するため、実際に用いられるめっき付着量15g/m以上の領域では、一例として挙げられる目標値の光沢度60以上の高光沢の実現は困難であった。
【0010】
金属光沢を向上させるためには、めっき下地鋼板の表面粗度を小さくすることが有効であることが知られている。電気Zn-Ni合金めっきは冷延鋼板にめっきされる場合がほとんどだが、冷延鋼板の下地としてはブライト原板とダル原板の二種類に分類されることが多い。表面粗度の小さいブライト原板を用いて通常の製造方法で製造した電気Zn-Ni合金めっき鋼板は冷延鋼板と同等の金属光沢度を示す。しかしながら、ブライト原板を用いた場合は、表面粗度が小さすぎるためにプレス成型時等で鋼板の摩擦係数が小さくなり過ぎで成形が困難となり、成形を施される用途では実用的ではない。
【0011】
従って、電気Zn-Ni合金めっき鋼板の主要な用途である成形が行われる用途では、冷延鋼板の場合はダル原板を使用することが前提となる。
【0012】
一方、めっきの表面の光沢度を上げる方法として、有機物を主とする光沢剤をめっき浴に添加する技術が広く行われている。しかしながら、有機物等の光沢剤は微量の添加で光沢度を大きく変化させる場合が多く、安定した外観を得るためには、光沢剤濃度制御が極めて煩雑である。また、光沢剤はめっき皮膜内部応力を高めて、成型時のめっき密着性を低下させる場合も多く、電気Zn-Ni合金めっき鋼板の製造には不適である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2006-316329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
成形加工用として一般的に使用されるダル原板(表面の算術平均粗さRaが0.5~2.5μmを想定)を下地とする電気Zn-Ni合金めっき鋼板の外観を冷延鋼板の外観により近くするために、電気Zn-Ni合金めっき鋼板の金属光沢を高めることを目的とする。そのための製造技術を開発する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、Zn-Ni合金めっき浴を用いて電気めっきを行う方法において、鋼板にめっき液を特定の流速で接触させ、特定の電流密度でめっきすることで、ダル原板を用いてもめっき鋼板表面の金属光沢度が大きく向上することを見出した。通常のダル原板の表面粗さは、算術平均粗さRaが0.5μm以上2.5μm以下の範囲であることが多い。
【0016】
使用するZn-Ni合金めっき浴は常用されるめっき浴が使用可能である。Zn-Ni合金めっきは、合金のNi含有率10質量%以上16質量%以下の領域で最も耐食性が良好となると考えられているため、そのような組成の合金を得るために、めっき浴中のZn2+濃度は0.25mol/L以上0.5mol/L以下とする。めっき浴中のNi2+濃度は0.5mol/L以上1.0mol/L以下とする。同時に、めっき浴中のNi2+濃度/めっき浴中のZn2+濃度比(モル比)は1.5以上2.5以下とする必要がある。
【0017】
めっき浴pH、めっき浴温度は常用される範囲内で、合金のNi含有率10質量%以上16質量%以下となる条件を選択する。めっき浴pHは1.0以上2.0以下の範囲である。めっき浴温度は40℃以上70℃以下の範囲である。
【0018】
めっき浴には、Zn2+、Ni2+以外に電導度補助剤等の添加剤を添加してもよい。
【0019】
上記の様に、めっき浴としては通常のめっき浴を使用可能であるが、通常のめっき条件では、光沢度に優れるZn-Ni合金めっきは得ることができない。
【0020】
めっき鋼板の光沢度等のめっき外観に影響を及ぼす主なめっき条件としては、めっき浴中の鋼板表面でのめっき液の流動状況、めっき電流密度が考えられる。
【0021】
代表的なZn-Ni合金めっき条件としては、めっき浴中の鋼板表面でのめっき液の流動状況が、鋼板とめっき液の相対流速で評価して0.5~2m/秒、めっき電流密度が50~100A/dmである。これらの条件では高い光沢度のZn-Ni合金めっきは得ることができない。
【0022】
しかしながら、鋼板とめっき液の相対流速を、通常は選択されない4m/秒以上、めっき電流密度を通常の下限値未満の10A/dm以上30A/dm以下とすることで光沢度に優れるZn-Ni合金めっきを得ることができることを見出した。
【0023】
なお、算術平均粗さRaは、鋼板の算術平均粗さRa(μm)はJIS B 0633:2001(ISO 4288:1996)に従い測定することが出来る。
【0024】
鏡面光沢度は、市販の光沢度計、例えば、日本電色製ハンディ光沢度計PG-1Mを用いて測定することができる。測定は標準的な角度60°で行うのが好ましい(Gs(60°))。Zn-Ni合金めっき付着量は、耐食性の観点から片面当たり15g/m以上が必要である。
【0025】
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]めっき浴中で算術平均粗さRaが0.5μm以上2.5μm以下の鋼板を陰極として電解処理することにより、鋼板表面にNi含有率が10質量%以上16質量%以下、鏡面光沢度(60°)が60以上、めっき付着量が片面当たり15g/m以上のZn-Ni合金めっき層を形成する電気Zn-Ni合金めっき鋼板の製造方法であって、
Zn2+を0.25mol/L以上0.5mol/L以下含有し、Ni2+を0.5mol/L以上1.0mol/L以下含有し、かつNi2+濃度/Zn2+濃度比(モル比)が1.5以上2.5以下である、pHが1.0以上2.0以下のめっき浴を用い、
鋼板とめっき液の相対流速を4m/秒以上、電流密度が10A/dm以上30A/dm以下、浴温40℃以上70℃以下で電解することを特徴とする電気Zn-Ni合金めっき鋼板の製造方法。
【発明の効果】
【0026】
本発明により、鋼板としてダル原板を用いても、冷延鋼板の外観に近い鏡面光沢度(60°)が60以上の高光沢度の電気Zn-Ni合金めっき鋼板を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0028】
算術平均粗さRaが0.5μm以上2.5μm以下の鋼板を、必要に応じて脱脂、酸洗、水洗の前処理を行った後に、電気Zn-Ni合金めっき浴中で鋼板を陰極として電解を行い、電気Zn-Ni合金めっき層を形成させ、その後水洗乾燥を行う。
【0029】
電気Zn-Ni合金めっき浴としては、Zn2+を0.25mol/L以上0.5mol/L以下含有し、Ni2+を0.5mol/L以上1.0mol/L以下含有し、かつNi2+濃度/Zn2+濃度比(モル比)が1.5以上2.5以下、pHが1.0以上2.0以下、のめっき浴を用い、鋼板とめっき液の相対流速を4m/秒以上、電流密度が10A/dm以上30A/dm以下で電解する。
【0030】
Zn-Ni合金めっきは、Ni含有率10質量%以上16質量%以下の領域が最も耐食性が良いことが知られており、10質量%以上16質量%以下で製造する必要がある。
【0031】
上記めっき浴を用い、鋼板とめっき液の相対流速4m/秒以上、電流密度10A/dm以上30A/dm以下で電解をすることで、片面当たりのめっき付着量が15g/m以上の付着量においても、光沢度60以上の高光沢の電気Zn-Niめっき鋼板が得られる。このメカニズムは定かではないが、下記可能性が考えられる。ここで、鋼板とめっき液の相対流速とは、動いている鋼板のある地点から見ためっき液の流速である。めっき液の流速は、鋼板-アノード電極間にめっき液を供給する噴流ノズルの吐出流速、鋼板に対する噴流ノズルの配置などを含めた計算から求めることができる。一般的に亜鉛系電気めっきでは鋼板進行方向と逆向きにめっき液を噴射する噴流ノズルを設置することが多い。その場合、簡易的には相対流速は、噴流ノズル出口噴射速度(めっき液吐出流量/ノズル出口断面積)と鋼板速度の和により算出することができる。
【0032】
電気Zn-Ni合金めっきにおいては、Zn-Ni合金が、鋼板とめっき液との界面のめっき液pHが上昇する過程を経て析出することが知られている。相対流速が通常の電気Zn-Ni合金めっき製造時より明確に高いことで、鋼板表面凹凸の凸部は常に新たなpHの低いめっき液にさらされるためにめっき液pHが上昇しにくく、凹部のめっき液pHが上昇しやすいと考えられる。そのため、Zn-Ni合金は凹部に優先的に析出し、表面の平滑性が向上することで、光沢度が上昇していることが考えられる。
【0033】
このため、鋼板とめっき液の相対流速は、4m/秒以上とする必要がある。4m/秒を下回ると、高い光沢度を得る事ができない。鋼板とめっき液の相対流速の上限は、めっき液を供給するポンプなど設備費の観点から、10m/秒以下が望ましい。
【0034】
Zn-Ni合金めっき付着量は、耐食性の観点から片面当たりの15g/m以上が必要だが、付着量の増加は製造コスト増加につながるため80g/m以下が好ましい。
【0035】
溶液中のZn2+は0.25mol/L以上0.5mol/L以下、Ni2+は0.5mol/L以上1.0mol/L以下含有する必要がある。所定濃度以下では、ZnとNi2+供給が不足し、光沢度60以上の電気Zn-Niめっきを形成することができない。所定濃度を超えると、めっき浴の維持にコストがかかってしまう。浴中のNi2+濃度/Zn2+濃度比(モル比)は1.5以上2.5以下とする必要がある。1.5より低い、もしくは2.5を超えるとNi含有率10質量%以上16質量%以下のめっきが得られない。酸性溶液のpHは1.0以上2.0以下とする。pHが1.0未満では水素ガス発生量が増えてしまい、電解効率が低下してしまう。pHが2.0を超えると、浴の電導度が高くなり、電力費が増大してしまう。
【0036】
電流密度は10A/dm以上30A/dm以下とする必要がある。電流密度10A/dm未満では、Niが優先的に析出するため、Ni含有率10質量%以上16質量%以下のめっきを得る事ができない。電流密度30A/dmを超えると、光沢度が低下してしまう。
【0037】
めっき浴温は40℃以上70℃以下とする必要がある。その機構は明確ではないが、めっき浴温が40℃未満または70℃超では鏡面光沢度(60°)が60未満となる。
【0038】
めっき浴には、硫酸ナトリウムや硫酸カリウムなど電導度補助剤を添加してもよい。
めっき処理後、水洗、乾燥を行う。水洗、乾燥の方法は特に限定されず、一般的な方法を採用可能である。なお、用途によっては、めっき層上に無機もしくは有機皮膜を形成してもよい。
【実施例0039】
以下、本発明を実施例により説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
【0040】
板厚0.6mmの冷延鋼板を陰極として、表1に示すめっき浴中で、表1に示すめっき条件で電解処理した。次に、水洗を行った後、乾燥した。
【0041】
上記により得られた電気Zn-Ni合金めっき鋼板に対し、以下の評価を行った。
(1)めっき付着量およびめっき皮膜のNi含有率の評価
電気Zn-Ni合金めっき鋼板から採取した試験片(サイズ:50mm×50mm)について、そのめっき層を塩酸で溶解し、Zn付着量、Ni付着量をICP発光分析装置により測定した。めっき付着量はZn付着量とNi付着量の合計値で、片面当たりの付着量として示した。皮膜中のNi含有率をNi付着量/(Ni付着量+Zn付着量)により算出した。そして、このNi含有率に基づいて、以下の基準で評価を行った。
○:Ni含有率が10質量%以上16質量%以下
×:Ni含有率が10質量%未満、若しくは16質量%超
(2)光沢度の評価
電気Zn-Ni合金めっき鋼板から採取した試験片(サイズ:150mm×50mm)について、日本電色製ハンディ光沢度計PG-1Mを用いて、角度60°で測定し、以下の基準で評価を行った。
○:60以上
×:60未満
得られた結果を表1に示した。
【0042】
【表1】
【0043】
表1に示すように、本発明の要件を満たす発明例は全て、Ni含有率は10質量%以上16質量%以下であり、光沢度は60以上であった。
【0044】
これに対して、本発明の要件を満たさない比較例はいずれも、Ni含有率が10質量%以上16質量%以下でないか、光沢度が60未満か、あるいはその両方であり、目的とする性能を示さなかった。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の電気Zn-Ni合金めっき鋼板は、耐食性に優れるNi含有率10質量%以上16質量%以下と、めっき付着量15g/m以上でありながら、鏡面光沢度60以上の金属光沢を有することから、耐食性と光沢度を要求される用途分野で有用なめっき鋼板である。