(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006188
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】画像読取装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240110BHJP
B65H 3/52 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
H04N1/00 L
H04N1/00 567M
B65H3/52 330B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106856
(22)【出願日】2022-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小林 稜
【テーマコード(参考)】
3F343
5C062
【Fターム(参考)】
3F343FA03
3F343FC29
3F343FC30
3F343GA02
3F343GB02
3F343GC01
3F343GD01
3F343JD09
3F343JD35
3F343KB05
3F343KB18
3F343KB20
3F343LA04
3F343LC19
3F343LC22
3F343LD10
3F343MA19
3F343MA60
3F343MB04
3F343MB14
3F343MC17
3F343MC30
5C062AA05
5C062AB02
5C062AB17
5C062AB23
5C062AB30
5C062AB31
5C062AB32
5C062AB40
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC15
5C062AC58
(57)【要約】
【課題】分離給紙モード、非分離給紙モードで異なる画像読取設定を用いる場合、ユーザは、分離給紙モードと非分離給紙モードの切り替え操作と画像読取設定の変更をしなくてはならなく、作業ステップ数が多い。
【解決手段】原稿を搬送する搬送部と、搬送方法を切り替えるための切り替え操作部SWと、原稿を読み取る読取部と、読取部が原稿を読み取る際の読取設定を指示する読取方法指示部と、読み取った画像の画像処理設定を判断する画像処理方法判断部と、読取部で読み取った画像を画像処理設定で処理する画像処理部とを備え、切り替え操作部SWの状態に応じて、読取方法指示部により決定される原稿を読み取る方法あるいは、画像処理方法判断部により判断される画像処理設定の少なくとも一方を変更することを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を搬送する搬送部と、
搬送方法を切り替えるための切り替え操作部と、
前記原稿を読み取る読取部と、
前記読取部が前記原稿を読み取る際の読取設定を指示する読取方法指示部と、
読み取った画像の画像処理設定を判断する画像処理方法判断部と、
前記読取部で読み取った画像を前記画像処理設定で処理する画像処理部とを備え、
前記切り替え操作部の状態に応じて、前記読取方法指示部により決定される前記原稿を読み取る方法あるいは、前記画像処理方法判断部により判断される前記画像処理設定の少なくとも一方を変更することを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記切り替え操作部の状態は、状態検知センサによって検知されることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記搬送部によって搬送される前記原稿が積載される載置台を有し、
前記載置台に積載された前記原稿の読み取り終了後、継続して読み取りを実行するか否かをユーザに入力させるダイアログを表示し、前記ダイアログを表示している時は前記切り替え操作部による切り替えを実行できることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記搬送部によって前記原稿を搬送している間、前記読取方法指示部および前記画像処理方法判断部による搬送方法の切り替えを実行しないことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記切り替え操作部は、ユーザによって操作されることを特徴とする請求項1または2に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記切り替え操作部は、前記原稿の前記搬送方法を分離給紙モードと非分離給紙モードに切り替える切替手段であることを特徴とする請求項1または2または5に記載の画像読取装置。
【請求項7】
原稿を搬送する搬送部と、
搬送方法を切り替えるための切り替え操作部と、
前記原稿を読み取る読取部と、
前記読取部が前記原稿を読み取る際の読取設定を指示する読取方法指示部と、
前記読取部で読み取った画像を処理する画像処理部と、
前記画像処理部が画像処理設定を判断する画像処理方法判断部とを備え、
前記切り替え操作部の状態に応じて、前記読取方法指示部により決定される前記原稿を読み取る方法あるいは、前記画像処理方法判断部により判断される前記画像処理設定の少なくとも一方を変更することを特徴とする画像読取システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿を読み取る画像読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の画像読取装置には、原稿台に積載された原稿束を一枚ずつ分離して、給紙する分離給紙モードと、分離せずに給紙する非分離給紙モードを切り替え可能な画像読取装置がある。
【0003】
特許文献1では、読取開始を指示するためのユーザインタフェースを介して設定された原稿の種類に応じて、前記分離給紙モードか前記非分離給紙モードを切り替えている。
【0004】
また、特許文献2では、切り替えレバーを使用者が切り替えるか、接続されたコンピュータ等を使用者が操作して行う指示などにより前記分離給紙モードか前記非分離給紙モードを切り替えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-62468号公報
【特許文献2】特開2009-16902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術では分離給紙モードで読み取る原稿と非分離給紙モードで読み取る原稿で異なる読取設定を用いる場合、ユーザは読み取る原稿を変更する際に分離給紙モード、非分離給紙モードの切り替え操作と読取設定の変更の両方をしなくてはならない。また、分離給紙モードで読み取る原稿と非分離給紙モードで読み取る原稿において異なる画像処理を用いる場合、画像処理方法も変更する必要なこともある。そのため、ユーザは作業のステップ数が増えてしまう。
【0007】
また、ユーザは読取設定及び画像処理方法を誤って変更してしまう可能性や、分離給紙モードと非分離給紙モードの切り替えを忘れてしまう可能性がある。これらの課題は、分離給紙モードと非分離給紙モードの切り替えに限らず、搬送方法を切り替える他の切り替え操作部であっても同様である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上を鑑み、本発明に係る画像読取装置は、
原稿を搬送する搬送部と、
搬送方法を切り替えるための切り替え操作部と、
前記原稿を読み取る読取部と、
前記読取部が前記原稿を読み取る際の読取設定を指示する読取方法指示部と、
読み取った画像の画像処理設定を判断する画像処理方法判断部と、
前記読取部で読み取った画像を前記画像処理設定で処理する画像処理部とを備え、
前記切り替え操作部の状態に応じて、前記読取方法指示部により決定される前記原稿を読み取る方法あるいは、前記画像処理方法判断部により判断される前記画像処理設定の少なくとも一方を変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
切り替え操作部の状態に応じて原稿を読み取る方法や画像の処理設定を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態1に係る画像読取装置の概略図
【
図2】本発明の実施形態1に係る画像読取装置の制御ユニットのブロック図
【
図3】本発明の実施形態1及び2に係る外部情報処理装置のブロック図
【
図5】本発明の実施形態1に係る画像読取設定ダイアログ
【
図7】本発明の実施形態1に係る継続スキャンダイアログ
【
図8】本発明の実施形態2に係る画像読取装置の概略図
【
図9】本発明の実施形態2に係る画像読取装置の制御ユニットのブロック図
【
図11】本発明の実施形態2に係る継続スキャンダイアログ
【
図12】本発明の実施形態3に係る画像読取装置の上面図
【
図13】本発明の実施形態3に係る画像読取装置の制御ユニットのブロック図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態は例示であり、本発明を各実施形態の内容に限定するものではない。また、以下の各図においては、実施形態の説明に必要ではない構成要素については図から省略する。
【0012】
<実施形態1>
図1を参照して装置について説明する。
図1は分離給紙モードと非分離給紙モードを選択可能な画像読取装置Aの概略図である。
【0013】
画像読取装置Aは、切り替え操作部SWであるレバーが設けられており、切り替え操作部SWの状態によって載置台1に積載された搬送媒体Sを分離給紙モードで搬送するか非分離給紙モードで搬送するかを決定し、画像読取ユニット70にてその画像を読み取り、排出トレイ2に排出する装置である。
【0014】
ここでの分離給紙モードは、搬送媒体Sを1枚ずつ分離しながら給紙するモードであり、非分離給紙モードは、搬送媒体Sを1枚ずつ分離せずに給紙する搬送方法である。以下、分離給紙モードと非分離給紙モードを総称して給紙モードという。
【0015】
切り替え操作部SWをユーザが操作する度に、分離給紙モードでは、分離ローラ12が実線矢印方向に回転駆動するように、駆動力が駆動部3から伝達部6とトルクリミッタ12aを介して伝達され、非分離給紙モードでは、分離ローラ12が破線矢印方向に回転駆動するように、駆動力が駆動部3から伝達部6とトルクリミッタ12aを介して伝達されることで分離給紙モードと非分離給紙モードの搬送方法の切り替えが行われる。切り替える方法はこれに限らない。
【0016】
切替手段である切り替え操作部SWは、本実施例ではレバーを例として挙げているが、ボタンやつまみ等ユーザが直接操作できるものであれば他の形状でもよい。
【0017】
なお、本実施形態では搬送方法の切り替えの例として上記の給紙モードを切り替えることを挙げているが、本発明はこれに限らない。例えば、重送の検知をするかどうかの設定や、搬送媒体のサイズによって搬送方法を切り替えるなどでもよい。
【0018】
画像読取装置Aには、搬送経路RTに沿って搬送媒体Sを給送する給送機構としての第1搬送部10が設けられている。第1搬送部10は本実施形態の場合、送りローラ11と、送りローラ11に対向配置される分離ローラ12を備え、載置台1上の搬送媒体Sを搬送方向D1に搬送する。送りローラ11には、モータ等の駆動部3から伝達部5を介して駆動力が伝達され、図中矢印方向(経路RTに沿って搬送媒体Sを搬送させる正方向とする)に回転駆動される。伝達部5は、例えば電磁クラッチであり、駆動部3からの送りローラ11への駆動力を断続する。
【0019】
駆動部3と送りローラ11を接続する伝達部5は、本実施形態では、通常時において駆動力が伝達される状態とし、搬送媒体Sが逆送した場合に駆動力を遮断する。送りローラ11は伝達部5により駆動力の伝達が遮断されると、自由回転可能な状態となる。なお、このような伝達部5は、送りローラ11を一方向のみに駆動させる場合には設けなくてもよい。
【0020】
送りローラ11に対向配置される分離ローラ12は、搬送媒体Sを1枚ずつ分離するためのローラであり、送りローラ11に対して一定圧で圧接している。この圧接状態を確保するため、分離ローラ12は揺動可能に設けると共に送りローラ11へ付勢されるように構成される。
【0021】
分離ローラ12は、トルクリミッタ12aを介して駆動力が伝達され回転駆動され、トルクリミッタ12aは駆動部3から伝達部6を介して駆動力が伝達されている。駆動部3とトルクリミッタ12aとを接続する伝達部6は、分離給紙時にはトルクリミッタ12aに実線矢印方向に回転駆動するように伝達し、非分離給紙時にはトルクリミッタ12aに破線矢印方向に回転駆動するように伝達する。
【0022】
分離給紙時、分離ローラ12はトルクリミッタ12aを介して駆動力が伝達され、実線矢印方向に回転駆動する。また、分離ローラ12はトルクリミッタ12aにより駆動力伝達が規制されるため、送りローラ11と当接している際は送りローラ11に連れ回りする方向(破線矢印方向)に回転する。これにより、複数の搬送媒体Sが送りローラ11と分離ローラ12との圧接部に搬送されてきた際には、1つを残して2つ以上の搬送媒体Sが下流に搬送されないようにせき止められる。
【0023】
搬送媒体Sが封筒や折りたたんだシート、ステープラーで綴じられたシートなどの場合、複数のシートが重なった状態で、かつ重なったシートの少なくとも一部が分離できない状態になっているため、これを分離しようとするとシートの破損を招く場合がある。これを防ぐために、本実施形態では、シートを分離せずに搬送しながら読み取る非分離給紙モードで動作することが可能である。この時、重送検知センサ40は重送の検出を行わない。
【0024】
非分離給紙時、分離ローラ12は、トルクリミッタ12aを介して駆動力が伝達され、破線矢印方向に回転駆動する。また、分離ローラ12はトルクリミッタ12aにより駆動力伝達が規制されるため、送りローラ11と当接している際は送りローラ11に連れ回りする方向(破線矢印方向)に回転する。これにより、搬送媒体Sに分離作用を及ぼさずに給紙することができる。
【0025】
なお、本実施形態では分離ローラ12と送りローラ11とで分離機構を構成したが、このような分離機構は必ずしも設けなくてもよく、搬送経路RTに搬送媒体Sを1つずつ順次給送する給送機構であればよい。また、分離機構を設ける場合においては、分離ローラ12のような構成の代わりに、搬送媒体Sに摩擦力を付与する分離パッドを送りローラ11に圧接させて、同様の分離作用を持たせるようにしてもよい。
【0026】
第1搬送部10の搬送方向下流側にある搬送機構としての第2搬送部20は、駆動ローラ21と、駆動ローラ21に従動する従動ローラ22とを備え、第1搬送部10から搬送されてきた搬送媒体Sをその下流側へ搬送する。駆動ローラ21にはモータ等の駆動部4から駆動力が伝達され、図中矢印方向に回転駆動される。従動ローラ22は駆動ローラ21に対して一定圧で圧接し、駆動ローラ21に連れ回る。この従動ローラ22は、バネ等の付勢ユニット(不図示)によって駆動ローラ21に対して付勢された構成としてもよい。
【0027】
このような第2搬送部20よりも搬送方向下流側にある第3搬送部30は、駆動ローラ31と、駆動ローラ31に従動する従動ローラ32とを備え、第2搬送部20から搬送されてきた搬送媒体Sを排出トレイ2へ搬送する。つまり、この第3搬送部30は排出機構として機能する。駆動ローラ31にはモータ等の駆動部4から駆動力が伝達され、図中矢印方向に回転駆動される。従動ローラ32は駆動ローラ31に対して一定圧で圧接し、駆動ローラ31に連れまわる。この従動ローラ32は、バネ等の付勢ユニット(不図示)によって駆動ローラ31に対して付勢された構成としてもよい。
【0028】
第1搬送部10と第2搬送部20との間に配置される重送検知センサ40は、静電気等で紙などの搬送媒体S同士が密着し、重送状態で第1搬送部10を通過してきた場合に、これを検出するためのシートの挙動や状態を検出する検出センサの一例である。重送検知センサ40としては、種々のものが利用可能であるが本実施形態の場合には超音波センサであり、超音波の発信部41とその受信部42とを備え、紙等の搬送媒体Sが重送されている場合と1つずつ搬送されている場合とで、搬送媒体Sを通過する超音波の減衰量が異なることを原理として重送を検出する。
【0029】
媒体載置検出センサ9、第1媒体検出センサ50、第2媒体検出センサ60であるレジストセンサについて説明をする。
【0030】
第1媒体検出センサ50は第2搬送部20よりも上流側で、第1搬送部10よりも下流側に配置された検出センサ(シートの挙動や状態を検出するセンサ)としての一例である。第1搬送部10により搬送される搬送媒体Sの位置、詳細には、第1媒体検出センサ50の検出位置に搬送媒体Sの端部が到達又は通過したか否かを検出する。第1媒体検出センサ50としては、種々のものが利用可能であるが、本実施形態の場合には光学センサであり、発光部51とその受光部52とを備え、搬送媒体Sの到達又は通過により受光強度(受光量)が変化することを原理として搬送媒体Sを検出する。
【0031】
本実施形態の場合、搬送媒体Sの先端が第1媒体検出センサ50で検出されると、搬送媒体Sが重送検知センサ40により重送を検出可能な位置に到達しているように、上記の第1媒体検出センサ50は重送検知センサ40の近傍においてその下流側に設けられている。
【0032】
なお、この第1媒体検出センサ50は、上記の光学センサに限定されず、例えば、搬送媒体Sの端部が検知できるセンサ(イメージセンサ等)を用いてもよいし、経路RTに突出したレバー型のセンサでもよい。
【0033】
第2媒体検出センサ60は画像読取ユニット70よりも上流側で、第2搬送部20よりも下流側に配置された下流側の検出センサとしての一例であり、第2搬送部20により搬送される搬送媒体Sの位置を検出する。第2媒体検出センサ60としては、種々のものが利用可能であるが、本実施形態の場合、第1媒体検出センサ50と同様に光センサであり、発光部61と受光部62とを備え、搬送媒体Sの到達又は通過により受光強度(受光量)が変化することを原理として搬送媒体Sを検出する。
【0034】
媒体載置検出センサ9はシートの状態を検出するセンサであり、搬送媒体Sが載置台1に残っているか否かを検出する。なお、本実施形態では、第2搬送部20の搬送方向上流側と下流側のそれぞれに第1媒体検出センサ50、第2媒体検出センサ60を配置したが、何れか一方だけでもよい。
【0035】
画像読取装置Aは、第2搬送部20と第3搬送部30との間に配置される画像読取ユニット70によって画像の読み取りを行う。これを、読取部とする。
【0036】
画像読取ユニット70は、例えば、光学的に走査し電気信号に変換して画像データとして読み取るものであり、内部にLED等の光源、イメージセンサ、レンズアレー等を備えている。本実施形態の場合、画像読取ユニット70は搬送経路RTの両側に一つずつ配置されており(71、72)、搬送媒体Sの表裏面を読み取る。
【0037】
しかし、搬送経路RTの片側にのみ一つ配置して、搬送媒体Sの片面のみを読み取る構成としてもよい。また、本実施形態では、画像読取ユニット70を搬送経路RTの両側に対向配置した構造としているが、例えば、経路RTの方向に間隔をあけて配置してもよい。
【0038】
図2を参照して制御部8について説明する。
図2は画像読取装置Aの制御部8のブロック図である。
【0039】
CPU81は、制御部8としての機能を持ち、記憶部82、通信部83、アクチュエータ84、インターフェース部85、センサ86、切り替え操作部SWと接続している。
【0040】
CPU81は記憶部82に記憶されたプログラムを実行することにより、画像読取装置A全体の制御を行う。記憶部82は例えばRAM等から構成される。
【0041】
画像読取装置Aは、ユーザが
図1における切り替え操作部SWを切替手段として操作することによって分離給紙モードと非分離給紙モードを切り替える機能を持っている。CPU81は切り替え操作部SWが操作されたことを不図示の状態検知センサが検知すると、検知した結果を記憶部82へ記憶する。
【0042】
CPU81は、切り替え操作部SWがユーザによって操作され、給紙モードが切り替わるたびに記憶部82に現在の給紙モードを上書き保存する。但し、画像読取中に給紙モードが変更されるのを防ぐために、CPU81は、画像読取装置Aが画像読取を開始してから、画像読取を終了またはエラーにより中断されるまで記憶部82へ現在の給紙モードの保存を停止する。
【0043】
詳しくは後述するが、CPU81は読取方法指示部としても機能し、画像読取ユニットに読取設定を指示する。また、画像処理方法判断部としても機能し、画像処理設定を判断する。また、CPU81は、読み取った画像を判断した処理設定で処理をする画像処理部としても機能する。
【0044】
通信部83は、外部装置との情報通信を行うインターフェースである。通信部83としては、例えば、USBインターフェースやSCSIインターフェースを挙げることができる。また、このような有線通信のインターフェースの他、通信部83は無線通信のインターフェースとしてもよく、有線通信、無線通信の双方のインターフェースを備えていてもよい。
【0045】
インターフェース部85はアクチュエータ84やセンサ86とのデータの入出力を行うI/Oインターフェースである。アクチュエータ84には、駆動部3、駆動部4、伝達部5、伝達部6等が含まれる。センサ86には、重送検知センサ40、媒体載置検出センサ9及び第1媒体検出センサ50及び第2媒体検出センサ60、画像読取ユニット70等が含まれる。
【0046】
外部情報処理装置90は通信部83を介して画像読取装置Aを制御する情報処理装置である。外部情報処理装置90には画像読取装置Aを制御するためのスキャナドライバや画像キャプチャアプリケーションがインストールされており、これらにより画像読取装置Aに搬送媒体Sを読み取らせ、読取画像を受信することが可能となっている。画像読取装置Aと外部情報処理装置90とで実施形態1の画像読取システムを構成している。本実施形態では、外部情報処理装置90としてPCを用いることにする。また、画像読取システムを構成する形はこれに限らず、外部情報処理装置90が画像読取装置Aの中に構成されていても良い。
【0047】
図3を参照して、
図2の外部情報処理装置90を説明する。
図3は、画像読取装置Aと接続している外部情報処理装置90のブロック図である。
【0048】
CPU91は記憶部92に記憶されたプログラムを実行することにより、外部情報処理装置全体の制御を行う。
【0049】
記憶部92は例えばRAM等から構成されており、コンピュータープログラムや後述通信部から受信したデータ等が格納されている。
【0050】
操作部93は、例えば、キーボードやマウス等で構成され、ユーザはこの操作部93を操作することで、各種の指示をCPU91に対して入力することができる
【0051】
通信部94は、画像読取装置との情報通信を行うインターフェースである。通信部94としては、例えば、USBインターフェースやSCSIインターフェースを挙げることができる。また、このような有線通信のインターフェースの他、通信部94は無線通信のインターフェースとしてもよく、有線通信、無線通信の双方のインターフェースを備えていてもよい。
【0052】
表示部95は、CRTや液晶画面などで構成されており、CPU91による処理結果を画像や文字などをもって表示することができる。
【0053】
図4は本実施形態における読取処理のフローであり、
図5は、画像読取装置Aの画像読取設定を行うダイアログである。
【0054】
まず、ユーザは
図5に示すダイアログを用いて、分離給紙モードと非分離給紙モードの画像読取設定を設定する(ステップ100)。
【0055】
このダイアログは外部情報処理装置90の表示部95に表示される。本実施形態では、画像読取設定に読取設定と画像処理設定が含まれるものとし、特に読取設定として読み取り面が、画像処理設定として表裏結合が含まれているものとする。
【0056】
ユーザは操作部93を操作し、
図5の読み取り面選択ボタン301で各給紙モード時における読み取り面を設定することができる。読み取り面は両面と片面を選択することできる。また、
図5の表裏結合チェックボックス302にチェックすると各給紙モードで読み取った画像に対し、表裏結合の可否を設定することができる。
【0057】
表裏結合について
図6を用いて説明する。
図6(a)は、画像読取ユニット71で、
図6(b)は、画像読取ユニット72で読み取った画像データである。
【0058】
図5の表裏結合チェックボックス302にチェックした場合、読み取った画像データである
図6(a)と
図6(b)を画像結合し、
図6(c)に示す画像データを生成して出力する。
図5の表裏結合チェックボックス302をしない場合(表裏結合をしない場合)、読み取った画像データ、
図6(a)と
図6(b)を画像結合せずにそのまま出力する。
【0059】
なお、本実施形態の表裏結合チェックボックス302は、読み取り面選択ボタン301で両面が選択されている時のみチェックすることが可能である。これにより、片面時の表裏結合が行われないようにしている。
【0060】
本実施形態では、分離給紙モード時には、読み取り面を片面、表裏結合をせず、非分離給紙モード時には、読み取り面を両面、表裏結合を行う画像読取設定を例に説明する。
【0061】
なお、本実施形態では、読取設定の例を読み取り面、画像処理設定の例を表裏結合としたが必ずしもこの設定である必要はない。例えば、読取設定は、搬送媒体のサイズ、読取解像度、カラーモード等があってもよく、読み取り面の設定がなくてもよい。また、画像処理設定には、傾き補正、ノイズ除去等があってもよく、表裏結合の処理はなくてもよい。
【0062】
ユーザが操作部93を操作し、
図5のスキャンボタン303を押すと、CPU91は分離給紙モードと非分離給紙モードの両方の画像読取設定を記憶部92に記憶する。
【0063】
ここで、記憶部92には分離給紙モードと非分離給紙モードの画像読取設定を記憶する記憶領域が予め設けられているものとし、CPU91は、分離給紙モードの画像読取設定と、非分離給紙モードの画像読取設定を記憶部92に各々保存する。
【0064】
記憶部92への記憶が行われると、CPU91は通信部94を介し、記憶部92に記憶された分離給紙モードと非分離給紙モードの両方の画像読取設定を画像読取装置Aに送信する(ステップ101)。
【0065】
通信部83を介して画像読取設定を受信したCPU81は、受信した画像読取設定を記憶部82に保存する。
【0066】
ここで、記憶部82には分離給紙モードと非分離給紙モードの画像読取設定を記憶する領域が予め設けられているものとし、CPU81は、受信した分離給紙モードの読取設定と、非分離給紙モードの読取設定を記憶部82に各々保存する。
【0067】
続けてCPU91により、外部情報処理装置90は通信部94を介し画像読取装置Aに読取開始指示を送信する(ステップ102)。
【0068】
CPU81は、切り替え操作部SWがユーザによって操作され、給紙モードが切り替わるたびに記憶部82に現在の給紙モードを上書き保存し続けており、通信部83を介し読取開始指示を受信すると、切り替え操作部SWの現在の給紙モードを記憶部82に保存することを停止する(ステップ103)。これにより画像読取中に給紙モードが変更されることがなくなり、安定して画像読取を行うことができる。
【0069】
CPU81は、読取開始指示を受信すると、記憶部82に保存されている現在の給紙モードを確認する(ステップ104)。
【0070】
記憶部82に記憶されている給紙モードが分離給紙モードの場合、分離給紙を行い(ステップ105)、非分離給紙モードの場合、非分離給紙を行う(ステップ114)。
【0071】
分離給紙モードの場合、CPU81はインターフェース部85を介しアクチュエータ84により
図1における分離ローラ12を実線矢印方向に回転駆動させ、分離給紙を行うように指示し、搬送媒体Sを1枚ずつ分離する。(ステップ105)搬送媒体Sが一枚ずつ分離したことを確認するため、CPU81は、インターフェース部85を介して重送検知センサ40を駆動し、重送検知を行う(ステップ106)。
【0072】
重送検知センサ40によって重送が検知された場合(ステップ106:YES)、CPU81は、インターフェース部85へ第1、第2、第3搬送部に搬送媒体Sの搬送を中止するよう指示を送る(ステップ108)。その後、CPU81は、通信部83を介して外部情報処理装置90に重送によるエラーが発生したことを通知する(ステップ109)。
【0073】
なお、搬送を中止するのではなく、第1搬送部10による後続搬送媒体Sの取り込みを停止して、重送状態にある搬送媒体Sをそのまま排出するようにしてもよい。
【0074】
通信部94を介し重送によるエラーが発生したことを通知された外部情報処理装置90は、ユーザへ重送によるエラーが発生したことを不図示のダイアログに表示する(ステップ110)。
【0075】
重送検知センサ40によって重送が検知されなかった場合(ステップ106:NO)、CPU81は、切り替え操作部SWの現在の給紙モードを記憶部82に保存することを開始し、記憶部82の記憶領域から分離給紙モードの読取設定を呼び出す。CPU81は、呼び出した読取設定に合わせてインターフェース部85を介し画像読取ユニット70で画像の読み取りを行う(ステップ111)。これにより画像読取中に給紙モードが変更されることがなくなり、安定して画像読取を行うことができる。
【0076】
また、この時CPU81は、切り替え操作部SWの現在の給紙モードを確認し、記憶部82に記憶されている給紙モードを更新する。
【0077】
本実施形態では、読取設定として読み取り面を例にしており、分離給紙モード時の読み取り面は片面としている。そのため、CPU81は、画像読取ユニット71で読み取るように指示する。
【0078】
画像読取装置Aはステップ111後、読取動作を終了する。
【0079】
CPU81は読み取られた画像データを記憶部82へ一時記憶し、記憶部82の記憶領域から分離給紙モードの画像処理設定を呼び出す。このとき、CPU81は、画像処理方法判断部として機能し、画像処理設定を判断する(ステップ112)。
【0080】
本実施形態では、画像処理設定として表裏結合を例にしており、分離給紙モード時は表裏結合を行わず読み取り面の設定を片面にしているため、CPU81は表裏結合を行わないと判断し、分離読取を終了する(ステップ112:NO)。読み取り面の設定を両面にし、表裏結合を行うと設定した場合、CPU81は、表裏結合を行う(ステップ113)。
【0081】
次に、記憶部82に記憶されている給紙モードが非分離給紙モードの場合(ステップ114)の説明をする。
【0082】
CPU81が読取開始指示を受信し、記憶部82に記憶されている給紙モードが非分離給紙モードの場合(ステップ114)、CPU81はインターフェース部85へ分離ローラ12を破線矢印方向に回転駆動させ、分離給紙しないように指示し搬送媒体Sを給送する。
【0083】
CPU81は、記憶部82の記憶領域から非分離給紙モードの読取設定を読み取り、インターフェース部85を介し画像読取ユニット70へ読み取った読取設定に合わせた指示を行う(ステップ115)。
【0084】
本実施形態では、読取設定として読み取り面を例にしており、非分離給紙モード時は読み取り面を両面と設定した。このとき、CPU81は読取方法指示部として機能し、画像読取ユニット71、72の両方で読み取るように指示する。
【0085】
CPU81は、読み取った画像データを記憶部82へ一時記憶し、記憶部82の記憶領域から非分離給紙モードの画像処理設定を呼び出す。
【0086】
本実施形態では、画像処理設定として表裏結合を例にしており、非分離給紙モード時は表裏結合を行うと設定しているため、CPU81は表裏結合を行うと判断する(ステップ116:YES)。
【0087】
CPU81は、表裏結合を行うと判断すると、画像読取ユニット71で読み取った画像データと画像読取ユニット72で読み取った画像データの結合を行い、記憶部82に記憶し、非分離読取を終了する(ステップ117)。
【0088】
読み取りを終えたあと、CPU81は、記憶部82に記憶されている画像データを通信部83を介し外部情報処理装置90へ送信する(ステップ118)。
【0089】
その後、CPU81は、インターフェース部85の媒体載置検出センサ9を用いて、搬送媒体Sが載置台1に残っているか判定する(ステップ119)。
【0090】
搬送媒体Sが載置台1に残っていると判定された場合(ステップ119:YES)、ステップ104に戻り、次の搬送媒体の読み取りを行う。
【0091】
搬送媒体Sが載置台1に残っていないと判定された場合(ステップ119:NO)、CPU81は通信部83を介し外部情報処理装置90へ読取終了を通知する(ステップ120)。
【0092】
続けて、CPU81は、切り替え操作部SWの現在の給紙モードを記憶部82に保存することを開始する(ステップ121)。
【0093】
また、CPU81は、切り替え操作部SWの現在の給紙モードを確認し、記憶部82に記憶されている給紙モードを更新する。
【0094】
外部情報処理装置90は通信部94を介し読取終了を受け取ると、
図7に示した読み取りを継続するか否かを問い合わせるためのダイアログを表示する。
【0095】
ユーザが操作部93を操作し、
図7の継続ボタン305を押すと
図7の表示を終了し、
図4のステップ101に戻る(ステップ122:YES)。キャンセルボタン306を押すと
図7の表示を終了し、読取処理を終了する(ステップ122:NO)。
【0096】
なお、
図7が表示されているときには、ステップ122で切り替え操作部SWの現在の給紙モードを記憶部82へ記憶することが開始されている。したがって、ユーザが切り替え操作部SWを操作することで、次の原稿束を分離給紙モードと非分離給紙モードのどちらで読み取るか選択し、最初の給紙モードから変更することが可能である。
【0097】
また、原稿を搬送している間は、搬送方法の切り替えは実行しない。
【0098】
以上説明したように、実施形態1では、切り替え操作部SWの状態に応じた、読取設定と画像処理設定の両方をあらかじめ設定することで、ユーザは切り替え操作部SWの制御のみで分離給紙モード時の読取設定と画像処理設定から非分離給紙モード時の読取設定と画像処理設定へ切り替えることが可能となる。
【0099】
実施形態1では、読取処理のフローの中で画像読取設定を設定しているが(ステップ100)、これに限らず基本的にそれぞれの給紙モードに対応した画像読取設定をあらかじめ行い、読み取り開始指示が送信されたときに(ステップ102)、切り替え操作部SWの状態に対応した給紙モードで読み取りが実行されてもよい。
【0100】
また、ステップ121で記憶部82に給紙モードの保存を開始しているが、これに限らず、読取動作(ステップ115)の完了後であればいつでも良い。
【0101】
<実施形態2>
実施形態1は画像読取装置に切り替え操作部SWを設けて、分離給紙モードと非分離給紙モードを切り替えた。しかし、従来の画像読取装置には特許文献1のようにユーザインタフェースを介して分離給紙モードと非分離給紙モードの切り替えを行う場合もある。
【0102】
そこで、本実施形態では、画像読取装置Aに切り替え操作部SWを設けず、ユーザインタフェースを介して分離給紙モードと非分離給紙モードを切り替える場合の実施形態を説明する。実施形態1と同様の部分については説明を省略する。
【0103】
図8を参照して装置について説明する。
図8は、分離給紙モードと非分離給紙モードを切り替え可能な画像読取装置Bの概略図である。
【0104】
画像読取装置Bは、外部情報処理装置90から送られてくるデータに応じて、載置台1に積載された搬送媒体Sを分離給紙モードで搬送するか非分離給紙モードで搬送するかを決定し、画像読取ユニット70にてその画像を読み取り、排出トレイ2に排出する装置である。
【0105】
図9は画像読取装置Bの制御部8のブロック図である。
【0106】
外部情報処理装置90は、実施形態1と同様の構成であり、本実施形態では、外部情報処理装置90としてPCを用いることにする。
【0107】
図10は本実施形態における読取処理のフローである。
【0108】
図10における、ステップ200の画像読取設定を行うダイアログである
図5の給紙モード選択ボタン304は、ユーザが分離給紙モードか非分離給紙モードか、どちらの画像読取設定を画像読取装置Bへ送信するかを選択するラジオボタンである。ユーザが
図3にある操作部93を操作し、
図5のスキャンボタン303を押すと、CPU91は分離給紙モードと非分離給紙モードの両方の画像読取設定と
図5の給紙モード選択ボタン304で選択された給紙モードの情報を記憶部92に記憶する。
【0109】
ここで、外部情報処理装置90の記憶部92には分離給紙モードと非分離給紙モードの画像読取設定を記憶する記憶領域が予め設けられているものとし、CPU91は、分離給紙モードの画像読取設定と、非分離給紙モードの画像読取設定を記憶部92に各々保存する。
【0110】
また、記憶部92には給紙モードを記憶する記憶領域が予め設けられているものとし、CPU91は、
図5の給紙モード選択ボタン304で選択された給紙モードを給紙モード用の記憶領域に保存する。記憶部92への記憶が行われると、ステップ201に進む。
【0111】
実施形態2では、分離給紙モード時は、読み取り面を片面に設定し表裏結合をせず、非分離給紙モード時は、読み取り面を両面に設定し表裏結合を行うとする。
【0112】
CPU91は、記憶部92の給紙モード用の記憶領域から
図5の給紙モード選択ボタン304で選択された給紙モードを読み取る(ステップ201)。
【0113】
CPU91は、給紙モードを読み取った際、記憶部92に記憶されている給紙モードが分離給紙モードの場合、通信部94を介し、記憶部92に記憶された分離給紙モードの画像読取設定を画像読取装置Bへ送信する(ステップ202)。記憶部92に記憶されている給紙モードが非分離給紙モードの場合、非分離給紙モードの画像読取設定を送信する。
【0114】
ここで、記憶部82には画像読取設定を記憶する領域が予め設けられているものとし、画像読取設定を受信したCPU81は、受信した画像読取設定を画像読取設定用の記憶領域に記憶する。
【0115】
CPU91は通信部94を介し画像読取装置Bに分離給紙モードが選択されたことを送信する(ステップ203)。
【0116】
このときCPU81は、通信部83を介し分離給紙モードが選択されたことと分離給紙モードの画像読取設定を受信すると、記憶部82へ受信した分離給紙モードが選択されたことと画像読取設定を保存する。
【0117】
ここで、記憶部82には選択された給紙モードを記憶する領域が予め設けられているものとし、CPU81は、分離給紙モードが選択されたことを給紙モード用の記憶領域に記憶する。
【0118】
なお、本実施形態でCPU91は給紙モードと画像読取設定を別々に送信したが画像読取設定に給紙モードの情報を含めて送信するようにしてもよい。CPU91は、通信部94を介し画像読取装置Bに読取開始指示を送信する(ステップ204)。
【0119】
通信部83を介し読み取り開始の指示を受信したCPU81は、記憶部82の給紙モード用の記憶領域から選択された給紙モードを確認する(ステップ205)。記憶部82に記憶されている給紙モードが分離給紙モードの場合、分離給紙を行い(ステップ206)、非分離給紙モードの場合、非分離給紙を行う(ステップ214)。
【0120】
CPU81からの給紙モードの切り替え指示によって、駆動部3から分離ローラ12への駆動を切り、分離ローラ12の回転方向を変えるようになっている。
【0121】
ステップ207~ステップ213とステップ215~ステップ221は
図4のステップ106~ステップ113、ステップ115~ステップ121と同じであるため、説明は省略する。
【0122】
それぞれの給紙モードで画像を読み取った後、外部情報処理装置90は通信部94を介し読取終了を受け取ると、
図11のダイアログを表示する。
【0123】
ユーザが操作部93を操作し、
図11の給紙モード選択ボタン307で次の原稿束を分離給紙モードか非分離給紙モードかどちらの読取設定で読み取るか選択することが可能である。ユーザが継続ボタン305を押すと
図11の表示を終了し、給紙モード選択ボタン307で選択された給紙モードを記憶部92の給紙モード用の記憶領域に上書き保存する。その後、
図10のステップ201に戻る。ユーザが操作部93を操作し、キャンセルボタン306を押すと
図11の表示を終了し、読取処理を終了する(ステップ222)。
【0124】
以上説明したように、実施形態2では、分離給紙モードと非分離給紙モードの読取設定と画像処理設定の両方をあらかじめ決定することで、ユーザは外部情報処理装置90の操作のみで分離給紙モード時の読取設定と画像処理設定から非分離給紙モード時の読取設定と画像処理設定へと切り替えることが可能となった。
【0125】
<実施形態3>
実施形態1では、切り替え操作部SWを設けたが、切り替え操作部SWを必ずしも設ける必要はなく、画像読取装置の別の機構を用いて分離給紙モードと非分離給紙モードを切り替えてもよい。そこで、実施形態3では、載置台1の原稿を固定する
図12に示す規制部1aに切り替え操作部SWと同様の機能を持たせて、原稿の幅によって分離給紙モードと非分離給紙モードを切り替える場合の実施形態を説明する。実施形態1と同様の部分については省略する。
【0126】
実施形態3で示す構成は、例えば、一般的なA4サイズの書類と、その書類に紐づく個人を特定する為に、A4サイズより小さいパスポートや通帳等の冊子状の構成をとる文書の画像を次々に読み取らなければならない作業を行う際に、非常に有用である。
【0127】
この場合、冊子状の構成を取る文書については、画像を読み取る際に、非分離モードで搬送する必要がある。
【0128】
実施形態3での画像読取装置を画像読取装置Cとする。
図12を参照して載置台1について説明する。
図12は、画像読取装置Cの上面図である。
【0129】
画像読取装置Cは、載置台1の搬送媒体Sを固定する規制部1aによって載置台1に積載された搬送媒体Sを分離給紙モードで搬送するか非分離給紙モードで搬送するかを決定し、画像読取ユニット70にてその画像を読み取り、排出トレイに排出する装置である。画像読取装置Cは、
図8の画像読取装置Bと同様の機能と構成を備えている。
【0130】
規制部1aは、配置される搬送媒体Sの大きさに合わせて搬送方向D1に対して直交する方向にスライド可能に載置台1に取り付けられている。
【0131】
規制部1aは分離給紙モードと非分離給紙モードを切り替える機能を持っており、ユーザが規制部1aを操作する度に分離給紙モードと非分離給紙モードを切り替えが行われる。
【0132】
給紙モードの切り替え機能は、例えば以下の構成により実現することができる。
【0133】
画像読取装置Cは規制部1aの場所を検出する為の不図示のセンサを備えており、後述するCPU81が不図示のセンサを監視することにより、規制部1aの場所を特定する。
【0134】
CPU81は、予め規定された値と特定された規制部1aの場所を比較し、規制部1aの場所が
図12におけるA4サイズを示す線よりも内側にあると判定した場合は、非分離給紙モードと判定し、A4サイズを示す線よりも外側にあると判定した場合は、分離給紙モードと判定する。
【0135】
図13を参照して
図8の制御部8について説明する。
図13は、画像読取装置Cの制御部8のブロック図である。
【0136】
CPU81は、制御部8としての機能を持ち、記憶部82、通信部83、アクチュエータ84、インターフェース部85,センサ86、規制部1aと接続している。
【0137】
画像読取装置Cは、
図12における規制部1aを操作することによって分離給紙モードと非分離給紙モードを切り替える機能を持っている。CPU81は、規制部1aの場所を検出するための不図示のセンサを監視し、規制部1aの場所を特定する。CPU81は、前述のように、予め規定された値と規制部1aの場所を比較することにより、分離給紙モードと非分離給紙モードを判定する。CPU81は、判定した結果を記憶部82へ記憶する。
【0138】
CPU81は、規制部1aが操作され、給紙モードが切り替わるたびに記憶部82に現在の給紙モードを上書き保存する。但し、画像読取中に給紙モードが変更されるのを防ぐために、後述するようにCPU81は、画像読取装置Cが画像読取を開始してから、画像読取を終了またはエラーにより中断されるまで記憶部82へ現在の給紙モードの保存を停止する。
【0139】
外部情報処理装置90は、実施形態1と同様の構成であり、実施形態3では、外部情報処理装置90としてPCを用いることにする。
【0140】
図4を参照して本実施形態における読取処理のフローについて説明する。ステップ104~ステップ109、ステップ111~ステップ117、ステップ119、122は実施形態1と同じであるため、説明を省略する。
【0141】
実施形態3では、実施形態1と同様に分離給紙モード時には、読み取り面を片面、表裏結合をしない。非分離給紙モード時には、読み取り面を両面、表裏結合を行う。
【0142】
CPU81は、通信部83を介し読取開始指示を受信すると、規制部1aの現在の給紙モードを記憶部82に保存することを停止する(ステップ103)。
【0143】
ステップ110で、CPU81は、規制部1aの現在の給紙モードを記憶部82に保存することを開始する。
【0144】
また、CPU81は、規制部1aの場所から給紙モードを判定し、記憶部82に記憶されている給紙モードを更新する。
【0145】
なお、ステップ118で送信される画像は、ステップ100にて分離給紙モード時には読み取り面を片面にし、表裏結合をしないと画像読取設定を設定したため、表裏の画像が結合されることなく、片面の画像だけが出力される。非分離給紙モード時には読み取り面を両面にし、表裏結合を行うと画像読取設定を設定したため、表裏両面の画像が結合され、一つのイメージとして出力される。
【0146】
ステップ121で、CPU81は、規制部1aの現在の給紙モードを記憶部82に保存することを開始する。また、CPU81は、規制部1aの場所から給紙モードを判定し、記憶部82に記憶されている給紙モードを更新する。
【0147】
外部情報処理装置90は通信部94を介し読取終了を受け取る(ステップ120)と、
図7に示した読み取りを継続するか否かを問い合わせるためのダイアログを表示する。
【0148】
図7が表示されるときには、ステップ121で規制部1aの現在の給紙モードを記憶部82へ記憶することが開始されている。そのため、ユーザが規制部1aを操作することで、次の原稿束を分離給紙モードと非分離給紙モードのどちらで読み取るか選択することが可能である。
【0149】
以上説明したように、本実施形態では、規制部1aの状態に応じた、読取設定と画像処理設定を決定することで、ユーザは規制部1aの制御のみで分離給紙モード時の読取設定と画像処理設定からと非分離給紙モード時の読取設定と画像処理設定へ切り替えることが可能となった。
【0150】
なお、本実施形態では、不図示のセンサによって規制部1aの位置を検出し、予め規定されている値と比較することで、給紙モードを判定していたが、予め規定されている値を外部情報処理装置90から指定されることにより決定されてもよい。
【0151】
予め規定されている値を外部情報処理装置90から指定することによって、本実施形態では、原稿サイズがA4サイズ以下であれば、非分離給紙モードとしていたが、サイズを変更することが可能となる。
【0152】
また、本実施形態では、規制部1aが所定位置よりも内側に位置していた場合、非分離給紙モードとしたが、判定を逆にしてもよい。更に、給紙モードの判定を有効にするか否かを決める選択機能を設けてもよい。その場合は、選択機能が有効の時の規制部1aの位置に応じて給紙モードが確定される。
【0153】
なお、実施形態1、2、3では、読取設定と画像処理設定の両方を切り替えるとしたが、読取設定と画像処理設定のうち少なくとも一方を切り替えるように変更してもよい。
【0154】
従って、分離給紙モードで読み取る原稿と非分離給紙モードで読み取る原稿で異なる読取設定または画像処理設定を用いる場合、ユーザは給紙モードの切り替えの際に読取設定及び画像処理設定を誤って変更してしまう可能性を低減することができる。
【0155】
また、ユーザは分離給紙モード、非分離給紙モードを切り替える作業と読取設定及び画像処理設定を変更するという二つの作業から分離給紙モード、非分離給紙モードを切り替えるだけとなり、給紙モード切り替え時の作業ステップ数を軽減することができる。
【0156】
実施形態1及び3では、読取開始時に分離給紙モードと非分離給紙モードの両方の読取設定を画像読取装置に送信したが、どちらか一方の読取設定を送信するようにしてもよい。
【0157】
例えば、
図4のステップ101において、外部情報処理装置90が通信部94を介して画像読取装置から記憶部82に記憶されている給紙モードを取得し、取得した給紙モードに応じた画像読取設定を画像読取装置に送信すればよい。
【0158】
また、実施形態1、2、3では、重送エラー後に読取処理を終了するようにしていたが、再び読み取りを開始できるようにしてもよい。
【0159】
例えば、実施形態1及び3では、
図4のステップ110の後、
図4のステップ122に戻り、
図7のダイアログを表示することで、継続して読み取りを再開させ、実施形態2では、
図10のステップ211の後、
図10のステップ225に戻り、
図11のダイアログを表示することで、継続して読み取りを再開させるようにしてもよい。
【0160】
また、実施形態1、2、3では分離給紙モードの時は重送検知をし、非分離給紙モード時は重送検知をしないようしていたが、ユーザが重送検出の可否を選択できるようにしてもよい。例えば、重送検知のON/OFFを切り替えるスイッチを読取設定を設定するダイアログ内に設け、ユーザに選択させるようにしてもよい。
【0161】
分離給紙モードで読み取る原稿と非分離給紙モードで読み取る原稿が混在している搬送媒体Sを読み取る場合、実施形態1、2、3では分離給紙モードの時は重送検知をし、非分離給紙モード時は重送検知をしないようにしていたため、重送エラーが発生してしまう。そこで、分離給紙モードで読み取る原稿と非分離給紙モードで読み取る原稿が混在している搬送媒体Sに対応するようにしてもよい。
【0162】
例えば、実施形態1、2、3では、載置台1に搬送媒体Sが残っていない場合のみ表示部95に
図7または
図11のような継続ダイアログが表示されていたが、搬送媒体Sのうち一枚読み取る度に継続ダイアログを表示するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0163】
A 画像読取装置
B 画像読取装置
C 画像読取装置
S 搬送媒体
SW 切り替え操作部
1 載置台
1a 規制部
2 排出トレイ
3、4 駆動部
5、6 伝達部
8 制御部
9 媒体載置検出センサ
10 第1搬送部
11 送りローラ
12 分離ローラ
12a トルクリミッタ
20 第2搬送部
21 駆動ローラ
22 従動ローラ
30 第3搬送部
31 駆動ローラ
32 従動ローラ
40 重送検知センサ
50 第1媒体検出センサ
51 発光部
52 受光部
60 第2媒体検出センサ
61 発光部
62 受光部
70~72 画像読取ユニット
81 CPU
82 記憶部
83 通信部
84 アクチュエータ
85 インタ-フェース部
86 センサ
90 外部情報処理装置
91 外部情報処理装置のCPU
92 外部情報処理装置の記憶部
93 外部情報処理装置の操作部
94 外部情報処理装置の通信部
95 外部情報処理装置の表示部
100~122 フローチャートのステップ
200~222 フローチャートのステップ
301 読み取り面選択ボタン
302 表裏結合チェックボックス302
303 スキャンボタン
304 給紙モード選択ボタン
305 継続ボタン
306 キャンセルボタン
307 給紙モード選択ボタン