(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061881
(43)【公開日】2024-05-08
(54)【発明の名称】照明器具、及び照明システム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/19 20200101AFI20240426BHJP
H05B 47/14 20200101ALI20240426BHJP
【FI】
H05B47/19
H05B47/14
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024042564
(22)【出願日】2024-03-18
(62)【分割の表示】P 2019121576の分割
【原出願日】2019-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】岩村 祐輔
(57)【要約】
【課題】照明器具の種別ごとに無線通信部を製造する必要がない照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具1は、光を出射する。照明器具1は、光源部200と、無線通信部300と、制御部140Aとを備える。光源部200は、光を発生する。無線通信部300は、中継器4と無線通信を行う。制御部140Aは、無線通信部300が中継器4から受信する信号に基づいて、光源部200を制御する。制御部140Aは、照明器具1の種別を示す種別情報151Aを無線通信部300に送信する。無線通信部300は、制御部140Aから送信された種別情報151を記憶する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する照明器具であって、
前記光を発生する光源部と、
中継器と無線通信を行う無線通信部と、
前記無線通信部が前記中継器から受信する信号に基づいて、前記光源部を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、制御対象の照明器具を識別するための識別情報を前記無線通信部に送信し、
前記無線通信部は、前記制御部から送信された前記識別情報を記憶する、照明器具。
【請求項2】
前記無線通信部は、前記識別情報を前記中継器へ送信する、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
光を出射する照明器具と、
前記照明器具と無線通信を行う第1中継器と、
前記照明器具を制御する遠隔制御装置と、
前記第1中継器及び前記遠隔制御装置との間で通信を行う第2中継器と
を備え、
前記照明器具は、
前記光を発生する光源部と、
前記第1中継器と無線通信を行う無線通信部と、
前記無線通信部が前記第1中継器から受信する信号に基づいて、前記光源部を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、制御対象の照明器具を識別するための識別情報を前記無線通信部に送信し、
前記無線通信部は、前記制御部から送信された前記識別情報を記憶する、照明システム。
【請求項4】
前記無線通信部は、前記識別情報を前記第1中継器へ送信する、請求項3に記載の照明システム。
【請求項5】
前記第1中継器は、前記識別情報を前記第2中継器へ送信し、
前記第2中継器は、前記識別情報を前記遠隔制御装置へ送信する、請求項4に記載の照明システム。
【請求項6】
前記遠隔制御装置は、前記照明器具を制御する信号を、前記第2中継器を介して前記第1中継器へ送信し、
前記第1中継器は、前記第2中継器から受信した信号を、所定の通信規格に基づいて前記無線通信部へ送信し、
前記所定の通信規格は、前記第1中継器と前記第2中継器との間の通信規格と異なる通信規格である、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具、及び照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信部を搭載した照明器具が開発されている。例えば、特許文献1には、無線通信装置を備える照明器具が開示されている。ところで、照明器具に搭載する無線通信部には、照明器具の種別を示す種別情報を設定する必要がある。
【0003】
照明器具の種別には、例えば、ON-OFFタイプ、調光タイプ、及び調光調色タイプがある。ON-OFFタイプの照明器具は、点灯及び消灯の切り替えのみが可能な照明器具である。調光タイプの照明器具は、点灯及び消灯の切り替えに加えて、調光が可能な照明器具である。調光調色タイプの照明器具は、点灯及び消灯の切り替えと、調光とに加えて、調色が可能な照明器具である。種別情報は、例えば、無線通信部にデフォルト値(固定値)として予め設定される。なお、調光は、照明器具から出射される光の光量を調整する処理である。調色は、照明器具から出射される光の光色(例えば、相関色温度)を調整する処理である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、種別情報を無線通信部にデフォルト値(固定値)として予め設定した場合、照明器具の種別ごとに無線通信部を製造する必要がある。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、照明器具の種別ごとに無線通信部を製造する必要がない照明器具、及び照明システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に開示する照明器具は、光を出射する。当該照明器具は、前記光を発生する光源部と、中継器と無線通信を行う無線通信部と、前記無線通信部が前記中継器から受信する信号に基づいて、前記光源部を制御する制御部とを備える。前記制御部は、前記照明器具の種別を示す種別情報を前記無線通信部に送信する。前記無線通信部は、前記制御部から送信された前記種別情報を記憶する。前記無線通信部は、前記種別情報を前記中継器へ送信する。
【0008】
本願に開示する他の照明器具は、光を出射する。当該照明器具は、前記光を発生する光源部と、中継器と無線通信を行う無線通信部と、前記無線通信部が前記中継器から受信する信号に基づいて、前記光源部を制御する制御部とを備える。前記制御部は、前記照明器具の種別を示す種別情報を前記無線通信部に送信する。前記無線通信部は、前記制御部から送信された前記種別情報を記憶する。前記制御部は、前記制御部に電源が投入された際に、前記種別情報を前記無線通信部に送信する。
【0009】
本願に開示する照明システムは、光を出射する照明器具と、前記照明器具と無線通信を行う第1中継器と、前記照明器具を制御する遠隔制御装置と、前記第1中継器及び前記遠隔制御装置との間で通信を行う第2中継器とを備える。前記照明器具は、前記光を発生する光源部と、前記第1中継器と無線通信を行う無線通信部と、前記無線通信部が前記第1中継器から受信する信号に基づいて、前記光源部を制御する制御部とを備える。前記制御部は、前記照明器具の種別を示す種別情報を前記無線通信部に送信する。前記無線通信部は、前記制御部から送信された前記種別情報を記憶する。前記無線通信部は、前記種別情報を前記第1中継器へ送信する。
【0010】
本願に開示する照明システムにおいて、前記第1中継器は、前記種別情報を前記第2中継器へ送信してもよい。前記第2中継器は、前記種別情報を前記遠隔制御装置へ送信してもよい。
【0011】
本願に開示する照明システムにおいて、前記遠隔制御装置は、前記照明器具を制御するための制御画面を表示する表示部と、前記種別情報に基づいて、前記制御画面のレイアウトを調整する表示制御部とを備えていてもよい。
【0012】
本願に開示する他の照明システムは、光を出射する照明器具と、前記照明器具と無線通信を行う第1中継器と、前記照明器具を制御する遠隔制御装置と、前記第1中継器及び前記遠隔制御装置との間で通信を行う第2中継器とを備える。前記照明器具は、前記光を発生する光源部と、前記第1中継器と無線通信を行う無線通信部と、前記無線通信部が前記第1中継器から受信する信号に基づいて、前記光源部を制御する制御部とを備える。前記制御部は、前記照明器具の種別を示す種別情報を前記無線通信部に送信する。前記無線通信部は、前記制御部から送信された前記種別情報を記憶する。前記制御部は、前記制御部に電源が投入された際に、前記種別情報を前記無線通信部に送信する。
【0013】
本願に開示する更に他の照明システムは、光を出射する照明器具と、前記照明器具と無線通信を行う第1中継器と、前記照明器具を制御する遠隔制御装置と、前記第1中継器及び前記遠隔制御装置との間で通信を行う第2中継器とを備える。前記照明器具は、前記光を発生する光源部と、前記第1中継器と無線通信を行う無線通信部と、前記無線通信部が前記第1中継器から受信する信号に基づいて、前記光源部を制御する制御部とを備える。前記制御部は、前記照明器具の種別を示す種別情報を前記無線通信部に送信する。前記無線通信部は、前記制御部から送信された前記種別情報を記憶する。前記遠隔制御装置は、前記照明器具を制御する信号を、前記第2中継器を介して前記第1中継器へ送信する。前記第1中継器は、前記第2中継器から受信した信号を、所定の通信規格に基づいて前記無線通信部へ送信する。前記所定の通信規格は、前記第1中継器と前記第2中継器との間の通信規格と異なる通信規格である。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る照明器具、及び照明システムによれば、照明器具の種別ごとに無線通信部を製造する必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態に係る照明システムを示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る第1照明器具の構成を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る第1照明制御部、第1記憶部、及び無線通信部の構成を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る起動処理を示すシーケンス図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る第2照明器具の構成を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る第3照明器具の構成を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係るブリッジの構成を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る遠隔制御装置の構成を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る照明制御画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されない。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合がある。また、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0017】
まず、
図1を参照して、本実施形態に係る照明システム100について説明する。
図1は、本実施形態に係る照明システム100を示す図である。
図1に示すように、照明システム100は、複数の照明器具1、ブリッジ4、ルータ5、及び遠隔制御装置6を備える。照明システム100は、例えば、複数の照明器具1が設置される住宅で使用される。照明器具1は、例えば、シーリングライトのような天井直付け灯、又はダウンライトのような埋め込み灯である。
【0018】
本実施形態において、照明システム100は、3つの照明器具1を備える。具体的には、照明システム100は、第1照明器具1A、第2照明器具1B、及び第3照明器具1Cを備える。
【0019】
第1照明器具1A、第2照明器具1B、及び第3照明器具1Cは、互いに種別が異なる。具体的には、第1照明器具1Aは、ON-OFFタイプの照明器具である。したがって、第1照明器具1Aは、点灯及び消灯の切り替えのみ可能である。第2照明器具1Bは、調光タイプの照明器具である。したがって、第2照明器具1Bは、点灯及び消灯の切り替えに加えて、調光が可能である。第3照明器具1Cは、調光調色タイプの照明器具である。したがって、第3照明器具1Cは、点灯及び消灯の切り替えと、調光とに加えて、調色が可能である。
【0020】
ブリッジ4は、第1照明器具1A、第2照明器具1B、及び第3照明器具1Cの各々と、ルータ5との間で、データの中継を行う。具体的には、ブリッジ4は、第1照明器具1A、第2照明器具1B、及び第3照明器具1Cの各々との間で無線通信を行う。また、ブリッジ4は、ケーブルを介してルータ5と接続しており、ケーブルを介してルータ5と通信を行う。なお、
図1は、ブリッジ4と第2照明器具1Bとが通信を行っている状態を例示している。
【0021】
詳しくは、ブリッジ4は、第1照明器具1A、第2照明器具1B、及び第3照明器具1Cの各々との間で、第1通信規格に準拠した無線通信を行う。第1通信規格は、例えば、シリアル通信規格であり得る。具体的には、第1通信規格は、ZIGBEE(登録商標)のような近距離無線規格であり得る。第1通信規格は、所定の通信規格の一例である。
【0022】
ブリッジ4は、ルータ5との間で、第1通信規格とは異なる第2通信規格に準拠した通信を行う。第2通信規格は、例えば、シリアル通信規格であり得る。具体的には、第2通信規格は、イーサネット(登録商標)であり得る。
【0023】
ブリッジ4は、第1照明器具1A、第2照明器具1B、又は第3照明器具1Cから受信した信号(第1通信規格に準拠した信号)を、所定の第1規則にしたがって、第2通信規格に準拠した信号に変換して、ルータ5へ送信する。また、ブリッジ4は、ルータ5から受信した信号(第2通信規格に準拠した信号)を、所定の第2規則にしたがって、第1通信規格に準拠した信号に変換して、第1照明器具1A、第2照明器具1B、又は第3照明器具1Cへ送信する。ブリッジ4は、「中継器」及び「第1中継器」の一例である。
【0024】
ルータ5は、ブリッジ4と遠隔制御装置6との間でデータの中継を行う。具体的には、ルータ5は、遠隔制御装置6との間で、第1通信規格及び第2通信規格とは異なる第3通信規格に準拠した無線通信を行う。第3通信規格は、例えばWi-Fi(登録商標)のような無線LAN(Local Area Network)規格である。
【0025】
詳しくは、ルータ5は、ブリッジ4から受信した信号(第2通信規格に準拠した信号)を、所定の第3規則にしたがって、第3通信規格に準拠した信号に変換して、遠隔制御装置6へ送信する。また、ルータ5は、遠隔制御装置6から受信した信号(第3通信規格に準拠した信号)を、所定の第4規則にしたがって、第2通信規格に準拠した信号に変換して、ブリッジ4へ送信する。ルータ5は、「第2中継器」の一例である。
【0026】
遠隔制御装置6は、ユーザによって操作されて、第1照明器具1A、第2照明器具1B、又は第3照明器具1Cを制御する。具体的には、遠隔制御装置6は、第1照明器具1A、第2照明器具1B、又は第3照明器具1Cを制御する指令を、ルータ5及びブリッジ4を介して、第1照明器具1A、第2照明器具1B、又は第3照明器具1Cに送信する。遠隔制御装置6は、例えばスマートフォンのような携帯端末である。
【0027】
詳しくは、ユーザは、遠隔制御装置6を操作して、第1照明器具1Aの点灯及び消灯を制御することができる。また、ユーザは、遠隔制御装置6を操作して、第2照明器具1Bの点灯、消灯、及び調光を制御することができる。更に、ユーザは、遠隔制御装置6を操作して、第3照明器具1Cの点灯、消灯、調光、及び調色を制御することができる。遠隔制御装置6は、ユーザによって操作されると、ユーザの操作に対応する信号をルータ5へ送信する。
【0028】
遠隔制御装置6からルータ5へ送信される信号は、第3通信規格に準拠した信号である。また、遠隔制御装置6からルータ5へ送信される信号は、指令情報を含む。指令情報は、制御対象の照明器具1に対する指令を示す。遠隔制御装置6からルータ5へ送信される信号は、更に、
図3を参照して説明する種別情報151及び識別情報152を含む。
【0029】
制御対象の照明器具1は、第1照明器具1A、第2照明器具1B、及び第3照明器具1Cのいずれかである。種別情報151は、制御対象の照明器具1の種別を示す。識別情報152は、制御対象の照明器具1を識別するための情報である。複数の照明器具1にはそれぞれ、互いに異なる識別情報152が割り当てられる。識別情報152は、例えばアドレスである。
【0030】
指令は、例えば、点灯指令、消灯指令、調光指令、又は調色指令である。点灯指令は、制御対象の照明器具1に対して点灯を命じる指令である。消灯指令は、制御対象の照明器具1に対して消灯を命じる指令である。調光指令は、制御対象の照明器具1に対して調光を命じる指令である。具体的には、調光指令は、照明器具1から出射される光の光量を、指定された光量に変更することを命じる指令である。調光指令は、指定された光量を示す光量情報を含む。調色指令は、制御対象の照明器具1に対して調色を命じる指令である。具体的には、調色指令は、照明器具1から出射される光の光色を、指定された光色に変更することを命じる指令である。調色指令は、指定された光色を示す光色情報を含む。
【0031】
ルータ5は、遠隔制御装置6から受信した信号(第3通信規格に準拠した信号)を、第2通信規格に準拠した信号に変換して、ブリッジ4へ送信する。ブリッジ4は、ルータ5から受信した信号(第2通信規格に準拠した信号)を、第1通信規格に準拠した信号に変換して、第1照明器具1A、第2照明器具1B、又は第3照明器具1Cに送信する。
【0032】
詳しくは、ブリッジ4は、ルータ5から受信した信号に含まれる識別情報152に基づいて、通信先の照明器具1を決定する。より具体的には、ブリッジ4は、識別情報152を示す信号をブロードキャストする。そして、第1照明器具1A、第2照明器具1B、又は第3照明器具1Cからの返信信号に基づいて、通信先の照明器具1を決定する。ブリッジ4は、決定した照明器具1へ、指令情報、種別情報151、及び識別情報152を含む信号を送信する。この結果、制御対象の照明器具1が、ユーザの操作に応じて制御される。なお、以下の説明において、指令情報、種別情報151、及び識別情報152を含む信号を、「指令信号」と記載する場合がある。
【0033】
続いて
図2を参照して、第1照明器具1Aを説明する。
図2は、本実施形態に係る第1照明器具1Aの構成を示す図である。
図2に示すように、第1照明器具1Aは、第1入力端子11a、第2入力端子11b、整流回路110、平滑回路120、定電流回路130、第1照明制御部140A、第1記憶部150A、スイッチ部160、光源部200、及び無線通信部300を備える。
【0034】
第1入力端子11a及び第2入力端子11bは、外部の交流電源Aに電気的に接続する。整流回路110は、第1入力端子11a及び第2入力端子11bを介して、交流電源Aと電気的に接続する。整流回路110は、交流電源Aから供給された交流電圧を整流する。整流後の交流電圧は、平滑回路120及び第1照明制御部140Aに入力される。本実施形態において、整流回路110は、全波整流回路111を有する。なお、整流回路110は、全波整流回路111に限定されない。整流回路110は、半波整流回路であってもよい。
【0035】
平滑回路120は、整流後の交流電圧を平滑化する。したがって、整流回路110及び平滑回路120により、交流電源Aから供給された交流電圧が直流電圧に変換される。換言すると、整流回路110及び平滑回路120は、交流電圧に基づいて直流電圧を生成する。直流電圧は、定電流回路130に入力される。本実施形態において、平滑回路120は、ダイオード121及びコンデンサ122を有する。コンデンサ122は、例えば、電解コンデンサである。なお、平滑回路120において、ダイオード121は省略されてもよい。
【0036】
定電流回路130は、平滑回路120から入力された直流電圧に基づいて、定電流を生成する。定電流回路130によって生成された定電流は、光源部200に供給される。
【0037】
光源部200は、定電流回路130から供給された定電流に基づいて、光を発生する。具体的には、光源部200は、光源210を有する。光源210は、光を発する。光源210は、1つ又は複数の発光素子211を有する。
図4は、直列に接続された2つの発光素子211を例示している。例えば、光源210は、発光素子211として、白色LED(Light Emitting Diode)を有する。光源210は、例えば、SMD(surface mount device)素子、又はCOB(chip on board)素子である。
【0038】
スイッチ部160は、光源部200の点灯及び消灯を切り替える。具体的には、スイッチ部160は、スイッチ素子161を有する。スイッチ素子161は、発光素子211と直列に接続される。スイッチ素子161がオン状態になると、発光素子211に定電流が流れて、発光素子211が発光する。スイッチ素子161がオフ状態になると、発光素子211への定電流の供給が遮断されて、発光素子211の発光が停止する。スイッチ素子161は、例えば、半導体スイッチであり得る。本実施形態では、スイッチ素子161は、NchMOSFETである。
【0039】
無線通信部300は、同じ通信規格に準拠した通信機器と無線通信可能である。本実施形態において、無線通信部300は、ブリッジ4との間で第1通信規格に準拠した通信を行う。無線通信部300は、例えばZIGBEE(登録商標)のような近距離無線規格に準拠した無線通信を行う。無線通信部300は、例えば、無線LANアダプタである。
【0040】
無線通信部300は、ブリッジ4から指令信号を受信する。具体的には、
図1を参照して説明したように、無線通信部300は、ブリッジ4から、指令情報として消灯指令又は点灯指令を含む信号を受信する。無線通信部300は、ブリッジ4から指令信号を受信すると、第4通信規格に準拠した信号に変換して、第1照明制御部140Aへ送信する。第4通信規格は、例えばUART規格又はI2C規格に準拠したシリアル通信規格であり得る。
【0041】
第1照明制御部140Aは、例えば、CPU(Central Processing
Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)のようなプロセッサを有する。あるいは、第1照明制御部140Aは、MCU(Micro Controller Unit)のようなプロセッサを有してもよい。
【0042】
第1照明制御部140Aは、第1入力端子11a及び第2入力端子11bが交流電源Aに電気的に接続されて、第1照明制御部140Aに電源が投入されると、無線通信部300を起動させる起動処理を実行する。起動処理については、
図4を参照して後述する。
【0043】
第1照明制御部140Aは、無線通信部300から、点灯指令を含む信号を受信すると、光源部200が点灯するようにスイッチ部160を制御する。詳しくは、第1照明制御部140Aは、スイッチ素子161をオン状態にする。この結果、光源部200から光が発生する。本実施形態の第1照明制御部140Aは、スイッチ素子161であるNchMOSFETのゲート端子を制御して、スイッチ素子161をオン状態にする。
【0044】
第1照明制御部140Aは、無線通信部300から、消灯指令を含む信号を受信すると、光源部200が消灯するようにスイッチ部160を制御する。詳しくは、第1照明制御部140Aは、スイッチ素子161をオフ状態にする。この結果、光源部200が消灯する。本実施形態の第1照明制御部140Aは、スイッチ素子161であるNchMOSFETのゲート端子を制御して、スイッチ素子161をオフ状態にする。
【0045】
第1記憶部150Aは、各種データを記憶する。また、第1記憶部150Aは、第1照明プログラムを記憶する。第1照明プログラムは、第1照明制御部140Aが実行する処理を規定する。第1記憶部150Aは、例えば、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)のような半導体メモリを有する。
【0046】
なお、第1照明制御部140AがMCUを有する場合、第1記憶部150Aは省略されてもよい。この場合、MCUが各種データ及び第1照明プログラムを記憶する。
【0047】
続いて
図3を参照して、第1照明制御部140A、第1記憶部150A、及び無線通信部300について更に説明する。
図3は、本実施形態に係る第1照明制御部140A、第1記憶部150A、及び無線通信部300の構成を示す図である。
【0048】
図3に示すように、第1記憶部150Aは、種別情報151及び識別情報152を記憶する。種別情報151は、照明器具1の種別を示す。具体的には、第1記憶部150Aは、種別情報151として、第1種別情報151Aを記憶する。第1種別情報151Aは、第1照明器具1Aの種別を示す。詳しくは、第1種別情報151Aは、ON-OFFタイプを示す。
【0049】
図3に示すように、無線通信部300は、アンテナ31、送受信部32、通信制御部33、及び記憶部34を備える。アンテナ31は、ブリッジ4から無線信号を受信する。無線信号は、RF(Radio Frequency)帯の信号である。
【0050】
送受信部32は、アンテナ31が受信した無線信号をデジタル信号に復調する。また、送受信部32は、通信制御部33からデジタル信号を受信する。送受信部32は、通信制御部33から受信したデジタル信号を無線信号に変調する。この結果、アンテナ31からブリッジ4へ無線信号が送信される。
【0051】
通信制御部33は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)のようなロジック回路を有する。通信制御部33は、送受信部32が復調したデジタル信号を、
図2を参照して説明した第4通信規格に準拠した信号に変換して、第1照明制御部140Aへ送信する。この結果、第1照明制御部140Aに指令信号が送信される。なお、通信制御部33は、CPU、MPU、又はMCUのようなプロセッサを有してもよい。
【0052】
記憶部34は、通信プログラムを記憶する。通信プログラムは、通信制御部33が実行する処理を規定する。また、記憶部34は、各種データを記憶する。本実施形態において、記憶部34は、種別情報151及び識別情報152を記憶する。記憶部34は、例えば、EEPROM(登録商標)のような書き換え可能な不揮発性メモリである。
【0053】
種別情報151は、
図4を参照して後述する起動処理時に、記憶部34に記憶される。第1照明器具1Aに搭載される無線通信部300の記憶部34には、種別情報151として、第1種別情報151Aが記憶される。
【0054】
識別情報152は、例えば、
図4を参照して後述する起動処理の実行後に記憶部34に記憶される。具体的には、第1照明制御部140Aが第1記憶部150Aから識別情報152を読み出して、識別情報152を示す信号を通信制御部33へ送信し、通信制御部33が、識別情報152を記憶部34に記憶させる。
【0055】
通信制御部33は、種別情報151及び識別情報152を示す信号がブリッジ4へ送信されるように、送受信部32を制御する。具体的には、通信制御部33は、種別情報151及び識別情報152を示すデジタル信号を送受信部32へ送信する。送受信部32は、通信制御部33から受信したデジタル信号を無線信号に変調する。この結果、アンテナ31からブリッジ4へ、種別情報151及び識別情報152を示す信号が送信される。以下、種別情報151と識別情報152とを併せて「設定情報」と記載する場合がある。また、設定情報示す信号を、「設定信号」と記載する場合がある。
【0056】
設定信号をブリッジ4へ送信する処理である設定信号送信処理は、
図4を参照して後述する起動処理の後に実行される。あるいは、ブリッジ4が、無線通信部300に対して、種別情報151及び識別情報152の送信を要求した際に、設定信号送信処理は実行される。あるいは、無線通信部300とブリッジ4とが互いを認証する処理を実行する際に、設定信号送信処理は実行される。
【0057】
続いて
図3及び
図4を参照して、第1照明制御部140A及び通信制御部33が実行する起動処理を説明する。
図4は、本実施形態に係る起動処理を示すシーケンス図である。起動処理は、第1照明制御部140Aに電源が投入される度に実行される。
【0058】
図4に示すように、第1照明制御部140Aに電源が投入されると、第1照明制御部140Aは通信制御部33に起動を命じる(ステップ(a))。この結果、通信制御部33が起動する。
【0059】
通信制御部33は、起動すると、第1照明制御部140Aに、起動したことを通知する(ステップ(b))。第1照明制御部140Aは、通信制御部33が起動したことを確認すると、第1記憶部150Aから種別情報151を読み出し、通信制御部33に種別情報151を示す信号を送信する(ステップ(c))。具体的には、第1照明制御部140Aは、通信制御部33に第1種別情報151Aを示す信号を送信する。通信制御部33は、種別情報151(第1種別情報151A)を示す信号を受信すると、種別情報151(第1種別情報151A)を記憶部34に記憶させる。
【0060】
通信制御部33は、記憶部34に種別情報151(第1種別情報151A)を記憶させた後、記憶部34から種別情報151(第1種別情報151A)を読み出し、種別情報151(第1種別情報151A)を示す信号を第1照明制御部140Aに送信して(ステップ(d))、起動処理を終了する。
【0061】
第1照明制御部140Aは、通信制御部33から受信した種別情報151(第1種別情報151A)が、第1記憶部150Aに記憶されている種別情報151(第1種別情報151A)と一致することを確認して、起動処理を終了する。
【0062】
続いて
図5を参照して、第2照明器具1Bを説明する。但し、第1照明器具1Aと異なる要素を中心に説明し、第1照明器具1Aと同様の要素については、詳細な説明を割愛する。
【0063】
図5は、本実施形態に係る第2照明器具1Bの構成を示す図である。
図5に示すように、第2照明器具1Bは、第1入力端子11a、第2入力端子11b、整流回路110、平滑回路120、定電流回路130、第2照明制御部140B、第2記憶部150B、スイッチ部160、光源部200、及び無線通信部300を備える。第2照明器具1Bは、第2照明制御部140Bが実行する処理が、第1照明器具1Aと異なる。
【0064】
第2記憶部150Bは、第2照明プログラムを記憶する。第2照明プログラムは、第2照明制御部140Bが実行する処理を規定する。また、第2記憶部150Bは、第1記憶部150Aと同様に、種別情報151を記憶する。具体的には、第2記憶部150Bは、種別情報151として、第2種別情報151Bを記憶する。第2種別情報151Bは、第2照明器具1Bの種別を示す。詳しくは、第2種別情報151Bは、調光タイプを示す。なお、第2記憶部150Bは、第1記憶部150Aと同様に、第2照明器具1Bに割り当てられた識別情報152を更に記憶している。
【0065】
第2照明制御部140Bは、光源部200の点灯時に、PWM信号をスイッチ素子161に入力する。PWM信号の周波数は、例えば、100Hz以上200Hz以下である。PWM信号をスイッチ素子161に入力することで、スイッチ素子161がターンオンとターンオフとを繰り返す。したがって、光源部200は、1秒間に100回以上200回以下、点灯及び消灯を繰り返す。なお、PWM信号の周波数が100Hz以上200Hz以下であることにより、人の目には、残像効果によって光源部200が連続点灯しているように見える。
【0066】
第2照明制御部140Bは、第1入力端子11a及び第2入力端子11bが交流電源Aに電気的に接続されて、第2照明制御部140Bに電源が投入されると、第1照明制御部140Aと同様に、
図4を参照して説明した起動処理を実行する。この結果、第2照明器具1Bの無線通信部300に、種別情報151(第2種別情報151B)が記憶される。
【0067】
また、第2照明制御部140Bは、第1照明制御部140Aと同様に、識別情報152を第2記憶部150Bから読み出して、識別情報152を示す信号を無線通信部300へ送信する。この結果、第2照明器具1Bの無線通信部300に識別情報152が記憶される。
【0068】
第2照明制御部140Bは、無線通信部300から、点灯指令を含む信号を受信すると、スイッチ部160を制御して、光源部200を点灯させる。具体的には、第2照明制御部140Bは、PWM信号をスイッチ素子161に入力して、光源210から光を発生させる。
【0069】
詳しくは、第2照明器具1Bに対して送信される点灯指令は、点灯の命令に加えて、光量情報を含む。第2照明制御部140Bは、光量情報に基づいてPWM信号のデューティ比を調整する。具体的には、第2照明制御部140Bは、PWM信号の各パルスのON期間の長さを調整する。ON期間の長さは、PWM信号の1周期においてスイッチ素子161をオン状態にする期間の長さを示す。点灯指令から取得した光量情報に基づいてPWM信号のデューティ比を調整することにより、点灯時に光源部200から発生する光の光量を、
図1を参照して説明した遠隔制御装置6からの指令に対応する光量に制御することができる。
【0070】
第2照明制御部140Bは、無線通信部300から、消灯指令を含む信号を受信すると、光源部200が消灯するようにスイッチ部160を制御する。詳しくは、第2照明制御部140Bは、PWM信号のスイッチ素子161への入力を停止して、スイッチ素子161をオフ状態にする。
【0071】
第2照明制御部140Bは、無線通信部300から、調光指令を含む信号を受信すると、調光指令から光量情報を取得して、光源部200から発生する光の光量を調整する。具体的には、第2照明制御部140Bは、調光指令から取得した光量情報に基づいて、PWM信号のデューティ比を調整することにより、光源部200から発生する光の光量を調整する。
【0072】
詳しくは、第2照明制御部140Bは、光源部200から発生する光の光量を減少させる場合、PWM信号のデューティ比を小さくする。換言すると、PWM信号の各パルスのON期間の長さを短くする。一方、第2照明制御部140Bは、光源部200から発生する光の光量を増加させる場合、PWM信号のデューティ比を大きくする。換言すると、PWM信号の各パルス信号のON期間の長さを長くする。なお、以下の説明において、光源部200から発生する光の光量を、「光源部200の光量」と記載する場合がある。
【0073】
第2照明器具1Bの無線通信部300は、第1照明器具1Aの無線通信部300と同様に、
図3を参照して説明したアンテナ31、送受信部32、通信制御部33、及び記憶部34を備える。
【0074】
第2照明器具1Bの無線通信部300は、第2照明制御部140Bから起動を命じられると、
図4を参照して説明した起動処理を実行する。したがって、無線通信部300は、種別情報151(第2種別情報151B)を記憶する。また、第2照明器具1Bの無線通信部300は、第1照明器具1Aの無線通信部300と同様に、設定信号送信処理を実行する。
【0075】
続いて
図6を参照して、第3照明器具1Cを説明する。但し、第1照明器具1A及び第2照明器具1Bと異なる要素を中心に説明し、第1照明器具1A及び第2照明器具1Bと同様の要素については、詳細な説明を割愛する。
【0076】
図6は、本実施形態に係る第3照明器具1Cの構成を示す図である。
図6に示すように、第3照明器具1Cは、第1入力端子11a、第2入力端子11b、整流回路110、平滑回路120、定電流回路130、第3照明制御部140C、第3記憶部150C、スイッチ部160、光源部200、及び無線通信部300を備える。第3照明器具1Cは、スイッチ部160及び光源部200の構成が第1照明器具1A及び第2照明器具1Bと異なる。また、第3照明器具1Cは、第3照明制御部140Cが実行する処理が、第1照明器具1A及び第2照明器具1Bと異なる。
【0077】
第3照明器具1Cの光源部200は、第1光源210a及び第2光源210bを有する。第1光源210a及び第2光源210bは、互いに光色が異なる光を発する。
【0078】
具体的には、第1光源210aは、第1光色の光を発生する。詳しくは、第1光源210aは、1つ又は複数の第1発光素子211aを有する。
図6は、直列に接続された2つの第1発光素子211aを例示している。第1光色の光は、例えば、相関色温度2700ケルビンの光(暖色の光)である。第2光源210bは、第1光色と異なる第2光色の光を発生する。詳しくは、第2光源210bは、1つ又は複数の第2発光素子211bを有する。
図6は、直列に接続された2つの第2発光素子211bを例示している。第2光色の光は、例えば、相関色温度5000ケルビンの光(寒色の光)である。
【0079】
第3照明器具1Cのスイッチ部160は、第1スイッチ素子161a及び第2スイッチ素子161bを有する。第1スイッチ素子161aは、第1光源210aに直列に接続される。第2スイッチ素子161bは、第2光源210bに直列に接続される。
【0080】
第3照明制御部140Cは、光源部200の点灯時に、スイッチ部160を制御して、光源部200から発生する光の光量及び光色を調整する。具体的には、第3照明制御部140Cは、光源部200の点灯時に、第1スイッチ素子161aに入力する第1PWM信号と、第2スイッチ素子161bに入力する第2PWM信号とのうちの少なくとも一方を生成する。
【0081】
第1スイッチ素子161aに第1PWM信号が入力されると、第1光源210aから第1光色の光が発生する。したがって、第3照明制御部140Cは、第1PWM信号と第2PWM信号とのうち、第1PWM信号のみを生成することにより、光源部200から発生する光の光色を第1光色に調整することができる。なお、以下の説明において、光源部200から発生する光の光色を、「光源部200の光色」と記載する場合がある。
【0082】
第2スイッチ素子161bに第2PWM信号が入力されると、第2光源210bから第2光色の光が発生する。したがって、第3照明制御部140Cは、第1PWM信号と第2PWM信号とのうち、第2PWM信号のみを生成することにより、光源部200の光色を第2光色に調整することができる。
【0083】
また、第3照明制御部140Cは、第1PWM信号のデューティ比を調整して、第1光色の光の光量を調整することができる。したがって、第3照明制御部140Cは、光源部200から第1光色の光を発生させる際に、第1PWM信号のデューティ比を調整して、光源部200の光量を調整することができる。
【0084】
第3照明制御部140Cは、第2PWM信号のデューティ比を調整して、第2光色の光の光量を調整することができる。したがって、第3照明制御部140Cは、光源部200から第2光色の光を発生させる際に、第2PWM信号のデューティ比を調整して、光源部200の光量を調整することができる。
【0085】
第1スイッチ素子161aに第1PWM信号が入力されるとともに、第2スイッチ素子161bに第2PWM信号が入力されると、第1光源210aから第1光色の光が発生するとともに、第2光源210bから第2光色の光が発生する。したがって、第3照明制御部140Cが、第1PWM信号及び第2PWM信号を生成すると、光源部200から、第1光色の光と第2光色の光とが混合された光が発生する。以下、第1光色の光と第2光色の光とが混合された光を「混光」と記載する場合がある。
【0086】
第3照明制御部140Cは、第1PWM信号及び第2PWM信号のデューティ比を調整して、混光の光量(光源部200の光量)を調整することができる。また、第3照明制御部140Cは、第1PWM信号及び第2PWM信号のデューティ比を調整して、混光の光色(光源部200の光色)を調整することができる。具体的には、第3照明制御部140Cは、第1PWM信号及び第2PWM信号のデューティ比を調整して、第1光色の光の光量と、第2光色の光の光量との比率を調整する。この結果、混光の光色が調整される。
【0087】
第3記憶部150Cは、第3照明プログラムを記憶する。第3照明プログラムは、第3照明制御部140Cが実行する処理を規定する。また、第3記憶部150Cは、第1記憶部150A及び第2記憶部150Bと同様に、種別情報151を記憶する。具体的には、第3記憶部150Cは、種別情報151として、第3種別情報151Cを記憶する。第3種別情報151Cは、第3照明器具1Cの種別を示す。詳しくは、第3種別情報151Cは、調光調色タイプを示す。なお、第3記憶部150Cは、第1記憶部150A及び第2記憶部150Bと同様に、第3照明器具1Cに割り当てられた識別情報152を更に記憶している。
【0088】
第3照明制御部140Cは、第1入力端子11a及び第2入力端子11bが交流電源Aに電気的に接続されて、第3照明制御部140Cに電源が投入されると、第1照明制御部140A及び第2照明制御部140Bと同様に、
図4を参照して説明した起動処理を実行する。この結果、第3照明器具1Cの無線通信部300に、種別情報151(第3種別情報151C)が記憶される。
【0089】
また、第3照明制御部140Cは、第1照明制御部140A及び第2照明制御部140Bと同様に、識別情報152を第3記憶部150Cから読み出して、識別情報152を示す信号を無線通信部300へ送信する。この結果、第3照明器具1Cの無線通信部300に識別情報152が記憶される。
【0090】
第3照明制御部140Cは、無線通信部300から、点灯指令を含む信号を受信すると、スイッチ部160を制御して、光源部200を点灯させる。詳しくは、第3照明器具1Cに対して送信される点灯指令は、点灯の命令に加えて、光量情報及び光色情報を含む。例えば、光源部200から混光を発生させる場合、第3照明制御部140Cは、第1PWM信号及び第2PWM信号を生成する。また、第3照明制御部140Cは、点灯指令から取得した光量情報及び光色情報に基づいて、第1PWM信号及び第2PWM信号のデューティ比を調整する。この結果、光源部200の光色及び光量が、
図1を参照して説明した遠隔制御装置6からの指令に対応する光色及び光量に制御される。
【0091】
第3照明制御部140Cは、無線通信部300から、消灯指令を含む信号を受信すると、光源部200が消灯するようにスイッチ部160を制御する。例えば、光源部200から混光が発生している場合、第3照明制御部140Cは、第1PWM信号の第1スイッチ素子161aへの入力と、第2PWM信号の第2スイッチ素子161bへの入力とを停止して、第1スイッチ素子161a及び第2スイッチ素子161bをオフ状態にする。
【0092】
第3照明制御部140Cは、無線通信部300から、調光指令を含む信号を受信すると、調光指令から光量情報を取得して、光源部200の光量を調整する。例えば、光源部200から混光が発生している場合、第3照明制御部140Cは、調光指令から取得した光量情報に基づいて、第1PWM信号及び第2PWM信号のデューティ比を調整することにより、光源部200の光量を調整する。
【0093】
第3照明制御部140Cは、無線通信部300から、調色指令を含む信号を受信すると、調色指令から光色情報を取得して、光源部200の調色を調整する。
【0094】
例えば、混光の光色を調整する場合、第3照明制御部140Cは、調色指令から取得した光色情報に基づいて、第1PWM信号及び第2PWM信号のデューティ比を調整することにより、光源部200の光色を調整する。
【0095】
また、調色指令から取得した光色情報が第1光色を示す場合、第3照明制御部140Cは、第1PWM信号と第2PWM信号とのうち、第1PWM信号のみを生成して、光源部200の光色を第1光色に調整する。
【0096】
同様に、調色指令から取得した光色情報が第2光色を示す場合、第3照明制御部140Cは、第1PWM信号と第2PWM信号とのうち、第2PWM信号のみを生成して、光源部200の光色を第2光色に調整する。
【0097】
第3照明器具1Cの無線通信部300は、第1照明器具1A及び第2照明器具1Bの無線通信部300と同様に、
図3を参照して説明したアンテナ31、送受信部32、通信制御部33、及び記憶部34を備える。
【0098】
第3照明器具1Cの無線通信部300は、第3照明制御部140Cから起動を命じられると、
図4を参照して説明した起動処理を実行する。したがって、無線通信部300は、種別情報151(第3種別情報151C)を記憶する。また、第3照明器具1Cの無線通信部300は、第1照明器具1A及び第2照明器具1Bの無線通信部300と同様に、設定信号送信処理を実行する。
【0099】
続いて
図7を参照して、ブリッジ4の構成を説明する。
図7は、本実施形態に係るブリッジ4の構成を示す図である。
図7に示すように、ブリッジ4は、無線通信部41、有線通信部42、制御部43、及び記憶部44を備える。
【0100】
無線通信部41は、同じ通信規格に準拠した通信機器と無線通信可能である。本実施形態において、無線通信部41は、第1照明器具1A、第2照明器具1B、及び第3照明器具1Cとの間で第1通信規格に準拠した通信を行う。無線通信部41は、例えばZIGBEE(登録商標)のような近距離無線規格に準拠した無線通信を行う。無線通信部41は、例えば、無線LANアダプタである。なお、
図7は、無線通信部41と第2照明器具1Bとが通信を行っている状態を例示している。
【0101】
有線通信部42は、同じ通信規格に準拠した通信機器と通信可能である。本実施形態において、有線通信部42は、ケーブルを介して、ルータ5との間で第2通信規格に準拠した通信を行う。有線通信部42は、例えば、イーサネット(登録商標)のようなシリアル通信用のアダプタである。
【0102】
制御部43は、例えば、CPU又はMPUのようなプロセッサを有する。あるいは、制御部43は、MCUのようなプロセッサを有してもよい。記憶部44は、各種データを記憶する。また、記憶部44は、ブリッジプログラムを記憶する。ブリッジプログラムは、制御部43が実行する処理を規定する。記憶部44は、例えば、RAM及びROMのような半導体メモリを有する。制御部43は、ブリッジプログラムを実行することにより、無線通信部41、有線通信部42、及び記憶部44を制御する。
【0103】
例えば、制御部43は、有線通信部42がルータ5から受信したデータを、無線通信部41から第1照明器具1A、第2照明器具1B、又は第3照明器具1Cへ送信させる。この結果、有線通信部42が受信した第2通信規格に準拠する信号が、第1通信規格に準拠する信号に変換されて、第1照明器具1A、第2照明器具1B、又は第3照明器具1Cへ送信される。
【0104】
同様に、制御部43は、無線通信部41が第1照明器具1A、第2照明器具1B、又は第3照明器具1Cから受信したデータを、有線通信部42からルータ5へ送信させる。この結果、無線通信部41が受信した第1通信規格に準拠する信号が、第2通信規格に準拠する信号に変換されて、ルータ5へ送信される。
【0105】
なお、制御部43がMCUを有する場合、記憶部44は省略されてもよい。この場合、MCUが各種データ及びブリッジプログラムを記憶する。また、制御部43は、プロセッサに替えて、FPGA又はASICのようなロジック回路によって構成されてもよい。
【0106】
本実施形態において、無線通信部41は、第1照明器具1A、第2照明器具1B、及び第3照明器具1Cの各々から設定信号を受信する。制御部43は、設定信号から設定情報(種別情報151及び識別情報152)を取得して記憶部44に記憶させる。制御部43は、記憶部44に設定情報を記憶させた後、有線通信部42からルータ5へ設定信号を送信させる。この結果、ルータ5から、
図1を参照して説明した遠隔制御装置6へ、設定信号が送信される。
【0107】
また、有線通信部42は、ルータ5から指令信号を受信する。制御部43は、有線通信部42がルータ5から指令信号を受信すると、第1照明器具1A、第2照明器具1B、及び第3照明器具1Cのうちから、通信先の照明器具1を決定する。そして、制御部43は、決定した通信先の照明器具1へ指令信号を送信するように、無線通信部41を制御する。
【0108】
続いて
図8を参照して、遠隔制御装置6の構成を説明する。
図8は、本実施形態に係る遠隔制御装置6の構成を示す図である。
図8に示すように、遠隔制御装置6は、無線通信部61、表示部62、入力部63、表示制御部64、及び記憶部65を備える。
【0109】
無線通信部61は、同じ通信規格に準拠した通信機器と無線通信可能である。本実施形態において、無線通信部61は、ルータ5との間で、第3通信規格に準拠した通信を行う。無線通信部61は、例えば、Wi-Fi(登録商標)のような無線LAN規格に準拠した無線通信を行う。無線通信部61は、例えば、無線LANアダプタである。
【0110】
表示部62は、各種画面を表示する。表示部62は、例えば液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイのようなディスプレイである。本実施形態において、表示部62は、
図9を参照して説明する照明制御画面Gを表示する。入力部63は、ユーザの操作を入力する。本実施形態において、入力部63は、タッチセンサである。タッチセンサは、表示部62の表示面に重畳される。したがって、表示部62及び入力部63は、タッチパネルを構成する。
【0111】
表示制御部64は、CPU又はMPUのようなプロセッサを有する。記憶部65は、各種データを記憶する。また、記憶部65は、照明制御用のアプリケーションを記憶する。照明制御用のアプリケーションは、操作画面情報651を含む。記憶部65は、例えば、RAM及びROMのような半導体メモリを有する。
【0112】
本実施形態において、無線通信部61は、ルータ5から設定信号を受信する。表示制御部64は、無線通信部61が受信した設定信号から設定情報(種別情報151及び識別情報152)を取得して記憶部65に記憶させる。
【0113】
また、表示制御部64は、照明制御用のアプリケーションを実行することにより、
図9を参照して説明する照明制御画面Gを表示部62に表示させる。詳しくは、操作画面情報651は、照明制御画面Gのレイアウトに関する情報を含む。表示制御部64は、種別情報151に基づいて、照明制御画面Gのレイアウトを調整する。換言すると、表示制御部64は、照明制御画面Gのレイアウトを、種別情報151に対応するレイアウトに調整する。
【0114】
表示制御部64は、照明制御画面Gの表示中に入力部63に入力された操作に基づいて、照明器具1を制御する指令情報を生成する。そして、表示制御部64は、無線通信部61からルータ5へ指令信号を送信させる。
【0115】
続いて
図8及び
図9を参照して照明制御画面Gを説明する。
図9は、本実施形態に係る照明制御画面Gの一例を示す図である。
図9に示すように、表示制御部64は、照明制御画面Gを表示部62に表示させる。具体的には、表示制御部64は、操作画面情報651、識別情報152、及び種別情報151に基づいて、照明制御画面Gを作成する。本実施形態の照明制御画面Gは、第1制御画面G1、第2制御画面G2、及び第3制御画面G3を含む。
【0116】
第1制御画面G1は、第1照明器具1Aを制御するための画面である。第1制御画面G1は、点灯消灯操作部71を含む。表示制御部64は、操作画面情報651と、第1照明器具1Aの識別情報152と、第1種別情報151Aとに基づいて、第1制御画面G1を作成する。
【0117】
点灯消灯操作部71は、消灯又は点灯を指令するためのボタンである。ユーザは、第1制御画面G1の点灯消灯操作部71を操作することにより、第1照明器具1Aに対して点灯又は消灯を指令することができる。具体的には、表示制御部64は、第1制御画面G1の点灯消灯操作部71が操作されると、無線通信部61からルータ5へ指令信号を送信させる。ここで、指令信号は、第1照明器具1Aの識別情報152と、第1種別情報151Aと、消灯指令又は点灯指令とを含む。この結果、第1照明器具1Aが点灯又は消灯する。
【0118】
第2制御画面G2は、第2照明器具1Bを制御するための画面である。第2制御画面G2は、点灯消灯操作部71と、調光操作部72とを含む。表示制御部64は、操作画面情報651と、第2照明器具1Bの識別情報152と、第2種別情報151Bとに基づいて、第2制御画面G2を作成する。
【0119】
調光操作部72は、光量を指定するためのスライダーを有する。ユーザは、第2制御画面G2の調光操作部72を操作することにより、第2照明器具1Bから出射される光の光量を調整することができる。具体的には、表示制御部64は、第2制御画面G2の調光操作部72が操作されると、無線通信部61からルータ5へ指令信号を送信させる。ここで、指令信号は、第2照明器具1Bの識別情報152と、第2種別情報151Bと、調光指令とを含む。この結果、第2照明器具1Bから出射される光の光量が調整される。
【0120】
第3制御画面G3は、第3照明器具1Cを制御するための画面である。第3制御画面G3は、点灯消灯操作部71と、調光操作部72と、調色操作部73とを含む。表示制御部64は、操作画面情報651と、第3照明器具1Cの識別情報152と、第3種別情報151Cとに基づいて、第3制御画面G3を作成する。
【0121】
調色操作部73は、光色を指定するためのスライダーを有する。ユーザは、第3制御画面G3の調色操作部73を操作することにより、第3照明器具1Cから出射される光の光色を調整することができる。具体的には、表示制御部64は、第3制御画面G3の調色操作部73が操作されると、無線通信部61からルータ5へ指令信号を送信させる。ここで、指令信号は、第3照明器具1Cの識別情報152と、第3種別情報151Cと、調色指令とを含む。この結果、第3照明器具1Cから出射される光の光色が調整される。
【0122】
以上、本発明の実施形態について説明した。本実施形態によれば、第1照明制御部140A~第3照明制御部140Cへの電源投入時に、無線通信部300に種別情報151が記憶される(設定される)。したがって、無線通信部300に種別情報151を予め設定する必要がない。よって、本実施形態によれば、照明器具1の種別ごとに無線通信部300を製造する必要がなくなる。
【0123】
また、本実施形態によれば、照明制御画面Gのレイアウトが、照明器具1の種別に対応するレイアウトに調整される。例えば、第1制御画面G1は、ON-OFFタイプの照明器具1に対応するため、点灯消灯操作部71と、調光操作部72と、調色操作部73とのうち、点灯消灯操作部71のみを含む。したがって、本実施形態によれば、例えばON-OFFタイプの照明器具1に対して調色又は調光を指示するような誤操作の入力を防止することができる。
【0124】
また、本実施形態によれば、照明器具1の第1入力端子11a及び第2入力端子11bに交流電源Aを電気的に接続すると、無線通信部300に種別情報151が記憶される(設定される)。したがって、照明器具1をオフィス等に設置する作業者は、照明器具1の第1入力端子11a及び第2入力端子11bに交流電源Aを電気的に接続した後に、無線通信部300に種別情報151を設定する作業を行う必要がない。よって、作業者の負担を軽減できる。
【0125】
なお、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。
【0126】
例えば、本発明による実施形態では、照明システム100は、3つの種別の照明器具1を備えたが、照明システム100は、2つの種別の照明器具1を備えてもよいし、1つの種別の照明器具1のみを備えてもよい。
【0127】
例えば、本発明による実施形態では、照明システム100は、3つの照明器具1を備えたが、照明システム100が備える照明器具1の数は3つに限定されない。照明システム100は、2つ、又は4つ以上の照明器具を備え得る。
【0128】
また、本発明による実施形態では、ブリッジ4とルータ5とがケーブルを介して通信を行ったが、ブリッジ4とルータ5とは無線通信を行ってもよい。
【0129】
また、本発明による実施形態では、ルータ5と遠隔制御装置6とが無線通信を行ったが、ルータ5と遠隔制御装置6とはケーブルを介して通信を行ってもよい。
【0130】
本発明による実施形態では、第1通信規格と第2通信規格とが異なる通信規格であったが、第1通信規格と第2通信規格とは同じ通信規格であってもよい。
【0131】
また、本発明による実施形態では、遠隔制御装置6は、スマートフォンのような携帯端末であったが、遠隔制御装置6は、携帯端末に限定されない。遠隔制御装置6は、照明制御プログラムを実行できる情報処理装置であればよく、例えば、デスクトップPC(Parsonal Computa)のような固定端末であってもよい。
【0132】
また、本発明による実施形態では、光源部200は、白色LEDのようなLED素子を有したが、光源部200は、発光する素子を有すればよく、例えば、有機EL素子を有してもよい。
【0133】
また、本発明による実施形態では、スイッチ部160はNchMOSFETを有したが、スイッチ部160は、電流の供給及び遮断を制御できる素子を有すればよく、例えば、PchMOSFETを有してもよい。
【0134】
また、本発明による実施形態では、起動処理は、通信制御部33が種別情報151を送信する処理(ステップ(d))を含むが、ステップ(d)は省略されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本発明は、例えば、照明器具の分野に有用である。あるいは、本発明は、例えば、照明システムの分野に有用である。
【符号の説明】
【0136】
1 :照明器具
1A :第1照明器具
1B :第2照明器具
1C :第3照明器具
4 :ブリッジ(中継器、第1中継器)
5 :ルータ(第2中継器)
6 :遠隔制御装置
62 :表示部
64 :表示制御部
100 :照明システム
140A :第1照明制御部(制御部)
140B :第2照明制御部(制御部)
140C :第3照明制御部(制御部)
151 :種別情報
151A :第1種別情報
151B :第2種別情報
151C :第3種別情報
200 :光源部
300 :無線通信部
G1 :第1制御画面
G2 :第2制御画面
G3 :第3制御画面