(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061888
(43)【公開日】2024-05-08
(54)【発明の名称】演出制御システム、それに用いるコンピュータプログラム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
A63J 5/02 20060101AFI20240426BHJP
A63F 13/25 20140101ALI20240426BHJP
A63F 13/30 20140101ALI20240426BHJP
A63F 13/49 20140101ALI20240426BHJP
A63F 13/86 20140101ALI20240426BHJP
【FI】
A63J5/02
A63F13/25
A63F13/30
A63F13/49
A63F13/86
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024042966
(22)【出願日】2024-03-19
(62)【分割の表示】P 2019239767の分割
【原出願日】2019-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(72)【発明者】
【氏名】上原 和彦
(72)【発明者】
【氏名】五島 章
(57)【要約】
【課題】ゲームのプレイ状況に応じて演出制御データに基づく制御と手動による制御との間で演出機器の制御を切り替えることができる演出制御システムを提供する。
【解決手段】演出制御システム1は、イベント会場EFにおけるイベントとしてゲーム機4が提供するゲームを使用したゲームイベントが提供される場合に、そのゲームにおいて生じる各プレイ状況に基づく切替条件が満たされるか否か判別する。そして、演出制御システム1は、切替条件が満たされない場合に、演出制御データCDに基づいて演出機器3を制御する一方で、切替条件が満たされる場合に、演出制御データCDに基づく演出機器3の制御としての自動制御の代わりに手動による演出機器3の制御としての手動制御が再開条件が満たされるまで実行されるように、演出機器3の制御を自動制御から手動制御に切り替える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イベント会場に設置される演出機器にネットワークを介して接続され、前記演出機器の制御を実行するための演出制御データに基づいて前記イベント会場における演出を実現するように前記演出機器を制御する演出制御システムであって、
前記イベント会場におけるイベントとしてゲーム機が提供するゲームを使用したゲームイベントが提供される場合に、前記ゲームにおいて生じる各プレイ状況に基づく切替条件が満たされるか否か判別する条件判別手段と、
前記切替条件が満たされない場合に、前記演出制御データに基づいて前記演出機器を制御する機器制御手段と、
前記切替条件が満たされる場合に、前記演出制御データに基づく前記演出機器の制御としての自動制御の代わりに手動による前記演出機器の制御としての手動制御が再開条件が満たされるまで実行されるように、前記演出機器の制御を前記自動制御から前記手動制御に切り替える制御切替手段と、
を備える、演出制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イベント会場に設置される演出機器にネットワークを介して接続され、その演出機器の制御を実行するための演出制御データに基づいてイベント会場における演出を実現するようにその演出機器を制御する演出制御システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
イベント会場に設置される演出機器にネットワークを介して接続され、その演出機器の制御を実行するための演出制御データに基づいてイベント会場における演出を実現するようにその演出機器を制御する演出制御システムが存在する。例えば、このような演出機器、及び演出として、イベント会場に設置された大型表示装置、及びそこに表示されるキャラクタをそれぞれ利用するシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシステムでは、大型表示装置に表示されるキャラクタを利用したイベントがイベント会場において提供されている。一方で、イベント会場では、ゲーム機が提供するゲームを利用したゲームイベントが提供される場合もある。このようなゲームイベントでは、イベント会場においてゲームのプレイ状況に応じた演出が実行されると盛り上がる場合が多い。このため、ゲームのプレイ状況に応じた演出が実現されるように演出機器が人の手で制御される場合もある。しかし、手間がかかるだけでなく、ミスも生じやすい。このため、同様の制御を自動化するシステムへのニーズがある。
【0005】
一方、一部の演出は手動での実現が好ましい場合もある。例えば、イベントが大会形式で実行される場合の表彰式においてライティング等の各種演出は自動化されてもよいが、イベント会場のムード等に応じて臨機応変に実現された方が盛り上がる場合が多い。あるいは、ゲームイベントにおいてゲームとは別に各種のミニライブが挟まれる場合もあるが、このようなミニライブではやはり臨機応変な演出の方が好ましい可能性が高い。
【0006】
そこで、本発明は、ゲームのプレイ状況に応じて演出制御データに基づく制御と手動による制御との間で演出機器の制御を切り替えることができる演出制御システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の演出制御システムは、イベント会場に設置される演出機器にネットワークを介して接続され、前記演出機器の制御を実行するための演出制御データに基づいて前記イベント会場における演出を実現するように前記演出機器を制御する演出制御システムであって、前記イベント会場におけるイベントとしてゲーム機が提供するゲームを使用したゲームイベントが提供される場合に、前記ゲームにおいて生じる各プレイ状況に基づく切替条件が満たされるか否か判別する条件判別手段と、前記切替条件が満たされない場合に、前記演出制御データに基づいて前記演出機器を制御する機器制御手段と、前記切替条件が満たされる場合に、前記演出制御データに基づく前記演出機器の制御としての自動制御の代わりに手動による前記演出機器の制御としての手動制御が再開条件が満たされるまで実行されるように、前記演出機器の制御を前記自動制御から前記手動制御に切り替える制御切替手段と、を備えるものである。
【0008】
一方、本発明のコンピュータプログラムは、前記演出機器に前記ネットワークを介して接続されるコンピュータを、上述の演出制御システムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0009】
また、本発明の制御方法は、イベント会場に設置される演出機器にネットワークを介して接続され、前記演出機器の制御を実行するための演出制御データに基づいて前記イベント会場における演出を実現するように前記演出機器を制御する演出制御システムに組み込まれるコンピュータに、前記イベント会場におけるイベントとしてゲーム機が提供するゲームを使用したゲームイベントが提供される場合に、前記ゲームにおいて生じる各プレイ状況に基づく切替条件が満たされるか否か判別する条件判別手順と、前記切替条件が満たされない場合に、前記演出制御データに基づいて前記演出機器を制御する機器制御手順と、前記切替条件が満たされる場合に、前記演出制御データに基づく前記演出機器の制御としての自動制御の代わりに手動による前記演出機器の制御としての手動制御が再開条件が満たされるまで実行されるように、前記演出機器の制御を前記自動制御から前記手動制御に切り替える制御切替手順と、を実行させるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一形態に係る演出制御システムの概略構成を示す図。
【
図2】演出制御システムの制御系の要部を示す機能ブロック図。
【
図3】ゲームのプレイ状況を利用した会場演出が実現される場合の制御サービスの 一例を説明するための説明図。
【
図4】パブリックビューイング会場として機能するイベント会場において制御サー ビスを通じて実現される会場演出の一例を説明するための説明図。
【
図5】制御切替サービスの一例を説明するための説明図。
【
図6】イベント用サービスの一例を説明するための説明図。
【
図11】対象特定処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図12】演出処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図13】制御切替処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図14】再開処理の手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一形態に係る演出制御システムの一例を説明する。まず、
図1を参照して、本発明の一形態に係る演出制御システムの全体構成を説明する。演出制御システム1は、サーバ装置としてのセンターサーバ2を含んでいる。センターサーバ2には、所定のネットワークNTを介して接続可能なクライアント装置として演出機器3、及びゲーム機4が接続される。センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
【0012】
ネットワークNTは、センターサーバ2に対して演出機器3及びゲーム機4を接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワークNTは、WANとしてのインターネットと、センターサーバ2及び演出機器3、或いはセンターサーバ2及びゲーム機4のそれぞれをインターネットに接続するLANとによって構築されてよい。なお、演出機器3等とLANとの間には、演出機器3等を制御するローカルサーバ等の各種のコンピュータ装置が適宜に介在してもよい。この場合、このようなコンピュータ装置を通じて制御可能な各種の機器が演出機器3等として機能してよい。
【0013】
演出機器3、及びゲーム機4は、いずれも適宜の場所に設置されてよいが、
図1の例ではいずれもイベント会場EFに設置されている。演出機器3は、各種の演出を実現する周知の出力装置、或いはそのような演出に利用される入力装置である。演出機器3は、ネットワークNTに接続可能なネットワーク機器(いわゆるIOT機器)として構成される。演出機器3として適宜の機器が利用されてよいが、
図1の例ではライトユニット3A、スピーカ3B、スモーク装置3C、モニタ3D、及びカメラ3Eが示されている。
【0014】
ライトユニット3Aは、点灯、点滅、消灯、或いは適宜の発色等の照明(光)による各種の視覚的な演出を実行する周知の照明機器である。スピーカ3Bは、各種の音声を再生(出力)することにより聴覚的な演出を実行する周知の音声出力装置である。スモーク装置3Cは、適宜の量のスモーク(煙)を発生させることにより視覚的な演出を実行する周知の装置である。また、モニタ3Dは、各種の画像(演出用、或いは各種情報を含む)を表示する周知の表示装置である。一方、カメラ3Eは、イベントの模様を撮影する周知の光学機器である。このような撮影には、ゲーム機4、或いはそのゲーム機4を通じてゲームをプレイするユーザが含まれる。これらの演出機器3は、いずれもネットワークNTを介してセンターサーバ2によって動作が制御される。
【0015】
なお、演出機器3がコンピュータ装置を介してネットワークNTに接続される場合、これらの演出機器3の動作はコンピュータ装置を介してセンターサーバ2に制御されてもよい。このような制御は各種の周知な技術を通じて実現されてよく、このような各種の技術を通じてコンピュータ装置と演出機器3との間には演出機器3の動作を制御するための適宜のシステムが構築されてよい。例えば、演出機器3の制御は、USITT DMX512-A規格を利用して実現されてもよい。USITT DMX512-A規格は、コントローラに数珠つなぎに接続される各種演出機器3を共通規格の信号を通じて制御する技術である。この場合、コントローラとセンターサーバ2とがネットワークNTを介して接続され、コントローラを介して数珠つなぎの各演出機器3の動作が制御される。以下では、一例として、このようなコントローラを介して演出機器3の制御が実現される場合について説明する。
【0016】
ゲーム機4は、ゲームを提供する装置である。ゲーム機4として、据置型又は携帯型のゲーム機(タブレット、或いはスマートフォンを含む)、或いは据置型又はブック型のパーソナルコンピュータといった個人用途に供される各種のコンピュータ装置が利用されてよいが、
図1の例ではアーケートゲーム機が利用されている。アーケードゲーム機は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として本来店舗等の適宜の施設に設置されるコンピュータ装置である。このため、ゲーム機4は、所定のプレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる商業用(業務用)のゲーム機(有償でゲームを提供するゲーム機)として構成されるが、
図1の例ではイベント会場EFにおいてイベントの一部として無償でゲームのプレイを提供する。ゲーム機4は、イベント用にアクションゲーム、シミュレーションゲーム、ロールプレイングゲーム、タイミングゲーム(音楽ゲーム)等の適宜のゲームを提供してよい。
【0017】
イベント会場EFはイベントが開催される会場である。イベント会場EFでは、適宜のイベントが提供されてよいが、一例として上述のようにゲーム機4が提供するゲームを利用したイベント(以下、ゲームイベントと呼ぶ場合がある)が提供される。演出機器3は、イベント会場EFにおける各種の演出に適用されてよく、そのような演出にはゲーム、或いはゲームイベントを盛り上げるための演出が含まれる。イベント会場EFは一つであってもよいが、一例として複数のイベント会場EFが用意される。これらのイベント会場EFではいずれも共通のイベントが提供される。このため、各イベント会場EFには原則としてゲーム機4が設置されるが、
図1の例ではゲーム機4が設置されないイベント会場EFも示されている。このようなイベント会場EFは、例えばモニタ3D等を通じて配信される他のイベント会場EFのイベントを共有するためのパブリックビューイング会場として機能してよい。各イベント会場EFには各会場の特性に応じて適宜の演出機器3が配置されてよく、例えば各イベント会場EFに設置される演出機器3の種類は全イベント会場EFにおいて統一されていてもよい(全イベント会場EFで演出機器3の種類が一致していてもよい)が、
図1の例では相違している。具体的には、例えばパブリックビューイング会場として機能するイベント会場EFには撮影用のカメラ3Eが設置されていない。つまり、各イベント会場EFに設置される演出機器3の種類はイベント会場EF毎に相違している。
【0018】
センターサーバ2は、演出機器3に対して各種の機器用サービスを提供する。例えば、演出機器3(あるいはコントローラ)がプログラム或いはデータを記憶可能に構成される場合、機器用サービスは、ネットワークNTを介して、このようなプログラム或いはデータを配信し、更新するデータ配信サービスを含んでもよい。このように機器用サービスには、演出機器3に関する各種のサービスが含まれるが、一例として演出機器3を制御する制御サービスが含まれる。制御サービスの詳細は後述する。
【0019】
同様に、センターサーバ2は、ネットワークNTを介してゲーム機4に各種のゲーム機用サービスを提供する。ゲーム機用サービスは、ゲーム機4にイベント用の指示を実行したりイベント用のデータを要求(取得)したりするイベント用サービスを含んでいる。イベント用サービスの詳細は後述する。なお、ゲーム機サービスには、ゲーム機4が対戦型のゲーム、或いは協力型のゲームを提供する場合において他のゲーム機4のユーザを対戦者、或いは協力者としてマッチングするマッチングサービスが含まれてよい。また、ゲーム機用サービスは、例えばその他にもゲーム機4からユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証するサービスを含んでいてよい。同様に、認証したユーザの利用実績等のデータをゲーム機4から受け取って保存し、或いは保存するデータをゲーム機4に提供するサービスを含んでいてもよい。さらに、ゲーム機用サービスは、ユーザから料金を徴収する課金サービス等を含んでいてもよい。
【0020】
次に、
図2を参照して演出制御システム1の制御系の要部を説明する。まず、センターサーバ2には、制御ユニット21、及び記憶手段としての記憶部22が設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
【0021】
記憶部22は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部22は、一の記憶ユニット内に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部22には、ユーザに各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット21に実行させるコンピュータプログラムの一例として、プログラムPG1が記録される。また、記憶部22には、各種のサービスの提供に必要なサーバ用データ23が記憶される。そのようなサーバ用データ23は、機器用サービス、或いはゲーム機用サービスの提供に必要な各種のデータを含んでいるが、
図2の例ではそのような各種のデータの一種として、演出制御データCD、イベントデータED、演出データSD、及び機器管理データMDが示されている。
【0022】
演出制御データCDは、演出機器3の動作(演出)を制御するためのデータである。一方、演出データSDは、演出機器3に実行させるべき動作(演出)を決定するためのデータである。つまり、演出データSDは演出機器3に実行させるべき動作の決定に、演出制御データCDはそこで決定された動作を演出機器3に指示するために、それぞれ使用される。イベントデータEDは、イベントの進行を管理するためのデータである。機器管理データMDは、各イベント会場EFに設置された演出機器3の種類を管理するためのデータである。演出制御データCD、イベントデータED、演出データSD、及び機器管理データMDの詳細は後述する。なお、サーバ用データ23は、その他にも各種のサービスを実現するための各種のデータを含んでよい。例えば、そのようなデータには、ユーザID等の各種IDを管理するためのID管理データ、各ユーザのゲーム実績を管理するためのプレイデータ、或いはゲーム画面用の各種の画像を表示するための画像データ、ゲーム用の各種のBGMを再生するためのBGMデータ等が含まれてよい。しかし、それらの図示は省略した。
【0023】
制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG1との組合せによって実現される論理的装置として、機器用サービス管理部24、及びゲーム機用サービス管理部25が設けられる。機器用サービス管理部24は、演出機器3に対して上述の機器用サービスを実現するための各種処理を実行する。このような処理には、制御サービスを実現するための処理が含まれる。具体的には、機器用サービス管理部24は、このような処理として、例えば演出処理、制御切替処理、及び再開処理を実行する。一方、ゲーム機用サービス管理部25は、ゲーム機4に対して各種のゲーム機用サービスを実現するための各種の処理を実行する。このような処理には、イベント用サービスを実現するために処理が含まれる。具体的には、ゲーム機用サービス管理部25は、このような処理として、例えば対象特定処理を実行する。演出処理、制御切替処理、再開処理、対象特定処理の手順の詳細は後述する。
【0024】
制御ユニット21には、例えばその他にもキーボード等の入力装置、モニタ等の出力装置等が必要に応じて接続され得る。同様に、制御ユニット21には、上述の演出機器3も直接的、或いは適宜のコンピュータ装置を介して間接的に接続され得るが、
図2の例では制御ユニット21にはコントローラDCが接続され、コントローラDCを介して演出機器3が接続されている。この場合、制御ユニット21は、コントローラDCを介して演出機器3の制御を実行するように構成される。つまり、制御ユニット21は各種制御の指示をコントローラDCに出力し、その指示に従ってコントローラDCが演出機器3の制御を実行する。
【0025】
一方、ゲーム機4には、コンピュータとしての制御ユニット41と、記憶手段としての記憶部42とが設けられる。制御ユニット41は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の処理を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
【0026】
記憶部42は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部42には、ユーザにゲームを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット41に実行させるコンピュータプログラムの一例として、プログラムPG2が記録される。また、記憶部42には、ゲームの提供(ゲーム機用サービスを利用するものを含む)に必要なゲームデータGDが記録される。ゲームデータGDにはゲームの提供に必要な各種のデータが含まれるが、
図2の例ではその一種として演出データSDが示されている。演出データSDは、ゲーム機4において生成され、適宜にセンターサーバに提供されるが、一例として上述のイベント用サービスを介して、ゲーム機4からセンターサーバ2に提供される。なお、ゲームデータGDには、例えばその他にも画像データ、BGMデータ、ID管理データ、或いはプレイデータ等のゲームの提供に必要な各種のデータが含まれてよい。これらは、例えば上述の配信サービスを通じてセンターサーバ2から配信され、適宜に記憶部42に記憶されてよい。しかし、これらの図示は省略した。
【0027】
制御ユニット41には、制御ユニット41のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG2との組合せによって各種の論理的装置が構成される。そして、それらの論理的装置を通じてゲームの提供に必要な各種の処理が実行されるが、これらに関連する論理的装置として、
図2の例では画像制御部43、及びデータ管理部44が示されている。画像制御部43は、各種の画像を表示するための各種の処理を行う論理的装置である。そのような処理には、ゲーム用のゲーム画面を表示するための処理が含まれる。一方、データ管理部44は、記憶部42に記録される各種データの管理に関する各種の処理を行う論理的装置である。このような処理には、演出データSDを生成する処理、及び演出データSDをセンターサーバ2に提供する処理が含まれる。例えば、データ管理部44は、このような処理の一つとして演出処理をセンターサーバ2と協働で実行する。
【0028】
また、ゲーム機4には、ゲーム機4の種類に応じて適宜に各種の出力装置、及び入力装置が設けられてよいが、
図2の例では出力装置としてモニタ47、及びスピーカSPが、入力装置としてコントロールパネル46が、それぞれ示されている。モニタ37、及びスピーカSPは、それぞれ各種の画像(ゲーム画面を含む)を表示するための周知の表示装置、及び音声を再生するための周知の音声再生装置である。同様に、コントロールパネル46は商業用のゲーム機4に設けられる周知の入力装置であり、一般的に押釦スイッチ等の各種の操作部を有している。コントロールパネル46は、このような操作部に対するユーザの操作(プレイ行為)に応じた信号を制御ユニット41に出力する。
【0029】
次に、
図3~
図5を参照して、制御サービスの詳細について説明する。制御サービスは、演出機器3を制御して各種演出を実現するためのサービスである。イベント会場EFでは制御サービスを通じてイベント用の各種の演出(以下、会場演出と呼ぶ場合がある)が実現されるが、以下ではゲーム機4が提供するゲームのプレイ状況に応じた会場演出が実行される場合について説明する。
【0030】
図3は、ゲームのプレイ状況を利用した会場演出が実現される場合の制御サービスの一例を説明するための説明図である。ゲーム機4は上述のように適宜のゲームを提供してよいが、以下では一例として対戦型のゲームを提供する場合について説明する。また、適宜の数のゲーム機4が各イベント会場EFに設置されてよいが、
図3の例では対戦型のゲームの対戦に使用される二台のゲーム機4が示されている。具体的には、
図3の例は、二人のユーザUがこれらの同じイベント会場EFの二台のゲーム機4を介して対戦する対戦型のゲームのプレイにおいて一方が優勢の場合、他方が優勢の場合、対戦が終了した場合の三種類の会場演出を上から順に示している。制御サービスはゲームのプレイ状況に応じて各種の会場演出を実現してよいが、このような各種の会場演出には
図3の例の三種類の会場演出が含まれる。
図3に示すように、これらの三種類の会場演出のいずれにおいても、センターサーバ2はイベント会場EFのゲーム機4から提供される演出データSDに基づいて演出機器3を制御することにより制御サービスを実現している。
【0031】
具体的には、イベント会場EFに設置されるゲーム機4には、第1ゲーム機4A、及び第2ゲーム機4Bの二台のゲーム機4が含まれる。これらのゲーム機4A、4Bはいずれも互いのユーザが対戦する対戦型のゲームを提供する。ゲームイベントは、第1ユーザU1、及び第2ユーザU2の二人のユーザUがこれらのゲーム機4A、4Bを介して互いに対戦型のゲームにおいて対戦する対戦イベントを含んでいる。
図3の例において一番上のイベント会場EFは、このような対戦イベントで第1ユーザU1が優勢の場合を示している。この場合、二台のゲーム機4A、4Bの両方等、適宜に演出データSDが提供されてもよい(例えばいずれか一台のゲーム機4がホストとして機能し、このホスト役のゲーム機4が両方、或いはいずれか一方の演出データSDを提供する場合を含む)が、少なくとも第1ユーザU1に対応する第1ゲーム機4A(ホスト役のゲーム機4を介して提供する場合を含む)から演出データSDがセンターサーバ2に提供される。その演出データSDには、第1ユーザU1に優勢なプレイ状況を示す情報が記述されている。そして、センターサーバ2は、その演出データSDに基づいて第1ユーザU1に優勢なプレイ状況に対応した会場演出(以下、第1会場演出と呼ぶ場合がある)を実現する。
【0032】
このような第1会場演出は、イベント会場EFに設置される各種の演出機器3を通じて適宜に実現されてよいが、
図3の例ではイベント会場EFに設置されるライトユニット3A、スピーカ3B、及びモニタ3Dを通じて実現されている。具体的には、イベント会場EFには、演出機器3として、ライトユニット3A、スピーカ3B、スモーク装置3C、モニタ3D、及びカメラ3Eが設置されているが、
図3の例ではこれらのうち比較的第1ユーザU1の近くに位置する演出機器3が演出を実行するようにセンターサーバ2によって制御されている。例えば、ライトユニット3Aには4つのライトが設けられているが、これらのうち第1ユーザU1側(左側)に位置する二つのライト(左の二つ)のみが点灯している。同様に、それらのライトの更に左に位置するスピーカ3Bが音声を再生している。これらの点灯及び音声は、各種の配色、各種の点滅等、或いは各種の楽曲、音声等といった第1ユーザU1の優勢を演出する各種の態様を通じて実現されてよい。
【0033】
また、モニタ3Dには、第1ゲーム機4A、及び第2ゲーム機4Bのゲーム画面、或いはカメラ3Eが撮影した第1ユーザU1及び第2ユーザU2のプレイの模様といった各種の画像が適宜に表示され得るが、
図3の例ではこのようなゲーム画面等の表示は省略されている。一方で、モニタ3Dには、“第1ユーザ優勢”という第1ユーザU1が優勢の状況を伝える情報が提示されている。モニタ3Dには、第1ユーザU1の優勢を表現する各種の演出が表示されるが、
図3の例ではこのような文字情報が表示されている。また、このような文字情報として、第2ユーザU2の劣勢等、相対的に第1ユーザU1の優勢を伝える各種の情報が使用されてよいが、
図3の例では直接的な表現が使用されている。第1ユーザが優勢の場合、このようなそのプレイ状況を示す会場演出が制御サービスを通じて実現される。
【0034】
同様に、
図3の例において真ん中のイベント会場EFは、対戦イベントにて第2ユーザU2が優勢の場合を示している。この場合も、一番上のイベント会場EFの場合と同様に、二台のゲーム機4A、4Bの両方等、適宜に演出データSDが提供されてもよいが、少なくとも第2ユーザU2に対応する第2ゲーム機4B(ホスト役のゲーム機4を介して提供する場合を含む)から演出データSDがセンターサーバ2に提供される。その演出データSDには、第2ユーザU2に優勢なプレイ状況を示す情報が記述されている。そして、センターサーバ2は、演出データSDに基づいてその第2ユーザU2に優勢なプレイ状況に対応した会場演出(以下、第2会場演出と呼ぶ場合がある)を実現する。第2会場演出も第1会場演出と同様に適宜に実現されてよいが、
図3の例ではイベント会場EFの演出機器3のうち比較的第2ユーザU2の近くに位置する演出機器3の演出により実現されている。例えば、ライトユニット3Aの4つのライトのうち第2ユーザU2側(右側)に位置する二つのライト(右の二つ)のみが点灯している。また、それらのライトの更に右に位置するスモーク装置3Cがスモークを発生させている。さらに、モニタ3Dにも第1会場演出の場合と同様に第2ユーザU2の優勢を伝える文字情報として“第2ユーザ優勢”の情報が提示されている。第2ユーザが優勢の場合、このようにそのプレイ状況を示す会場演出が制御サービスを通じて実現される。
【0035】
一方、
図3の例において一番下のイベント会場EFは、対戦イベントにて対戦が終了した場合を示している。この場合、勝者或いは敗者を演出するために二台のゲーム機4のうちのいずれか一方からのみ演出データSDがセンターサーバ2に提供されてもよいが、
図3の例では二台のゲーム機4の両方(ホスト役のゲーム機4が提供する場合を含む)から演出データSDが提供されている。各演出データSDには、勝敗等の対戦結果を示す各種の情報が記述される。センターサーバ2は、それらの演出データSDに基づいて勝者或いは敗者のみを演出する会場演出(優勢の場合の会場演出と同様でもよいし、相違していてもよい)を実現してもよいし、それらの両方の会場演出を順番に(時差的に)実現してもよい。あるいは、センターサーバ2は、例えば、勝者(二台一組の複数組のゲーム機4が同じイベント会場EFに設置されている場合には各組の勝者)のみにスポットライトを当てる会場演出等、勝者用の演出或いは敗者用の演出とは全く異なる特別の演出を実現してもよく、このように適宜に会場演出を実現してよいが、
図3の例では第1ゲーム機4Aの演出データSDに基づく演出(以下、第1演出と呼ぶ場合がある)及び第2ゲーム機4Bの演出データSDに基づく演出(以下、第2演出と呼ぶ場合がある)を合成した会場演出(以下、第3会場演出と呼ぶ場合がある)を実現する。
【0036】
センターサーバ2は、第1演出及び第2演出として適宜の演出を採用してよく、第3会場演出としてこれらを更に適宜に合成した演出を実行してよい。例えば、第1ユーザU1が勝利した場合には、センターサーバ2は第1演出として勝者の演出を、第2演出として敗者の演出をそれぞれ採用し、それらを組み合わせた合成により第3会場演出を実現してもよい。この場合において、例えばライトユニット3Aの演出、或いはスピーカ3Bの演出等、重複する(競合する)演出が生じるときには、センターサーバ2は所定の規則に基づいて勝者の演出等のいずれか一方の演出(例えば順位等のその他の優越が設定される場合も同様)に優先順位をつけ、そちらの演出を優先しつつ重複する演出の演出程度を変更(例えばライトの演出であれば配色をより華やかな色に変更したり明るさを強くしたり、或いはスピーカ3Bの演出であれば音楽をより賑やかな楽曲に変更したり音量をあげたり)してよい。このようにセンターサーバ2は、第3会場演出として第1演出及び第2演出を適宜に合成した各種の演出を実行してよいが、
図3の例では第1演出及び第2演出として第1ユーザU1が優勢の場合の演出及び第2ユーザが優勢の場合の演出を採用し、これらを組み合わせた合成により第3会場演出を実現している。
【0037】
具体的には、第1ユーザU1が優勢の場合に演出を実現するスピーカ3Bから音声が再生され、かつ第2ユーザU2が優勢の場合に演出を実現するスモーク装置3Cがスモークを発生させている。同様に、第1ユーザU1が優勢の場合に点灯する二つのライト、及び第2ユーザU2が優勢の場合に点灯する二つのライトがともに点灯し、結果的にライトユニット3Aの4つのライトの全てが点灯している。一方、モニタ3Dにも対戦結果に対応する各種の文字情報の一例として第1ユーザU1が優勢の場合とも第2ユーザU2が優勢の場合とも異なる、“おめでとう”という勝者を祝福する情報が表示されている。第3会場演出は、第1演出及び第2演出の単なる組み合わせにより実現されてもよいが、一例として単なる組み合わせではなく、このようにモニタ3Dの表示等、適宜に修正が加えられた合成により実現される。対戦が終了した場合、このように第1演出及び第2演出の合成により比較的華やかな会場演出が制御サービスを通じて実現される。この例において第1ゲーム機4A、及び第2ゲーム機4Bが本発明の二以上のゲーム機として機能する。また、第1演出及び第2演出が本発明の複数の対応演出として機能する。さらに、イベント会場EF、及び第3会場演出が、本発明の一つのイベント会場、及び調整後演出としてそれぞれ機能する。
【0038】
図4は、パブリックビューイング会場として機能するイベント会場EF(以下、PBイベント会場EFと略して呼ぶ場合がある)において制御サービスを通じて実現される会場演出の一例を説明するための説明図である。PBイベント会場EFは、例えばゲーム機4が設置されない等、イベント会場EF(以下、通常イベント会場EFと呼ぶ場合がある)と各種設備が異なっている。このため、通常イベント会場EFにおいて実現可能な演出とPBイベント会場EFにおいて実現可能な演出とは相違する可能性がある。また、PBイベントEFに限らず、通常イベント会場EF間においても各イベント会場EFの構造的な特性等により各種設備が相違している可能性はある。さらに、同じ設備の通常イベント会場EF間でも、参加者の特性、或いは環境的な特性(例えば許可される音量が環境によって相違する等)等に応じて異なる会場演出が要請される場合もある。制御サービスでは、このような相違が考慮され、イベント会場EF毎の特性に応じた会場演出が実現される。例えばPBイベント会場EFでは通常イベント会場EFと異なる会場演出が実現されるようにイベント会場EF毎に各種演出機器3が制御される。以下では、
図4を参照し、このような相違の一例としてPBイベント会場EFと通常イベント会場EFとの間の会場演出の相違について説明する。
【0039】
図4の例は、
図3の例において第2会場演出が実行される場合のPBイベント会場EFにおける会場演出を示している。この場合、
図4に示すように、センターサーバ2は、通常イベント会場EFの第2ゲーム機4Bから取得した演出データSDに基づいて、PBイベント会場EFにおいて通常イベント会場EFとは異なる、独自の会場演出を実現する。
【0040】
具体的には、
図3の例と同様に、まずセンターサーバ2には第2ゲーム機4Bから演出データSDが提供される。センターサーバ2は、一台のサーバユニット等により適宜に構成されてよいが、上述のように複数のサーバユニット2A、2B…によって構成され、通常イベント会場EF及びPBイベント会場EFにそれぞれ対応する第1サーバユニット2A、及び第2サーバユニット2Bを含んでいる。これらのうち、第2ゲーム機4Bから提供される演出データSDは第1サーバユニット2Aが取得する。第1サーバユニット2A(センターサーバ2)は、演出データSDを取得すると通常イベント会場EFにおいて上述のような第2会場演出を実現する。さらに、第1サーバユニット2Aは、その取得した演出データSDを第2サーバユニット2Bに提供する。第2サーバユニット2Bは、演出データSDを取得すると、その演出データSDに基づいてPBイベント会場EFにおいて独自の会場演出を実現する。
【0041】
具体的には、PBイベント会場EFは上述のように通常イベント会場EFと各種設備が異なっている可能性があるため、第2サーバユニット2BはPBイベント会場EFにおいてそこに設置された演出機器3に応じた演出を実現する。PBイベント会場EFには通常イベント会場EFと比べて各種の相違が生じ得るが、
図3の例ではゲーム機4及びカメラ3Eを除き、同様の演出機器3が設置されている。このため、PBイベント会場EFでも、イベント会場EFとほぼ同様の会場演出が実現可能である。
【0042】
一方で、PBイベント会場EFには、ユーザUもゲーム機4も存在しておらず、これらの位置に応じた演出を実現する必要はない。むしろ、ゲーム機4等が存在していないからこそ、それを補うような派手な演出が好ましい場合もある。このため、PBイベント会場EFにおいて各種の独自の会場演出が実現されてよいが、
図3の例では、上述の第2会場演出とは異なり、ライトユニット3Aの全ライトが点灯し、スピーカ3B及びスモーク装置3Cも演出を実行する会場演出が実現されている。この場合、ライトの配色は第2会場演出におけるライトの配色と一致していてもよいし、相違していてもよい。例えば、第2会場演出及び第1会場演出においてライトの配色が一致している場合等、点灯だけでは第2ユーザU2の優勢か第1ユーザU1の優勢か区別できない場合、ライトは第2会場演出とは異なる、第2ユーザU2を示す独自の配色により点灯してもよい。スピーカ3Bが再生する音声、及びスモーク装置3Cが生じさせるスモークについても同様である。
【0043】
一方、モニタ3Dには、第2会場演出と同様にカメラ3Eの撮影結果等の各種の画像が表示され得る。PBイベント会場EFでは、ゲーム機4等が存在しないため、このような画像の重要性は特に高いが、
図4の例では
図3の例と同様にこれらの画像の表示は省略され、“第2ユーザ優勢”という第2ユーザU2の優勢を伝える、第2会場演出と同様の情報が表示されている。一例として、このように制御サービスでは、各イベント会場EFの設備が考慮され、その設備に応じた独自の会場演出が適宜に実現される。
【0044】
図5は、制御サービスに含まれる制御切替サービスの一例を説明するための説明図である。制御切替サービスは、イベント会場EFの演出機器の制御をセンターサーバ2が実行する自動制御からイベントの運営者等の適宜の管理者が手動で実行する手動制御に切り替えるためのサービスである。イベント状況によっては、自動制御よりも手動制御の方が好ましい場合がある。このような場合にセンターサーバ2は制御切替サービスを介して自動制御から手動制御に切替を実行する。センターサーバ2は、プレイ状況に基づく管理者による指示等の各種の条件に応じて適宜に手動制御の要否を判断してよいが、一例として切替条件を利用して、その要否を判断する。
【0045】
切替条件は、各種の要件を適宜に含んでよいが、一例としてイベント会場EFにおいてゲームイベントがイベントスケジュールに沿って実行される場合にそのスケジュールに含まれる各予定、或いは演出データSDに含まれる情報を要件に含んでいる。具体的には、切替条件は、ゲームイベントにおけるゲームのプレイ状況がイベントスケジュールに含まれる各予定のうちの特定の予定に該当する場合に満たされる。あるいは、切替条件は、ゲームイベントを提供中のゲーム機4から提供される演出データSDに切替時期と判断可能な特定の情報が含まれる場合に満たされる。そして、センターサーバ2は切替条件が満たされる場合に自動制御から手動制御への切替を実行する。
図5の例は、このような切替条件を利用して手動制御への切替が実行される場合の制御切替サービスの一例を示している。
図5に示すように、この場合、センターサーバ2は、制御切替サービスを実現するために、イベントデータED、或いは演出データSDを参照して自動制御と手動制御との間の切替を実行する。
【0046】
具体的には、イベントデータEDはイベントに関連する各種の予定(スケジュール)を管理してよく、そのような各種の予定の情報を含んでいてよいが、
図5の例ではゲーム機4が提供する対戦ゲームの対戦予定、及びそれらの対戦間等の各種の時期に介在する司会予定の情報を含んでいる。センターサーバ2は、このようなイベントデータEDを参照し、次の予定が対戦予定に該当する場合には自動制御を通じて会場演出を実現する。センターサーバ2は、このような会場演出として適宜の演出を実行し得るが、
図5の例では上下に位置する二つのイベント会場EFのうち、上側のイベント会場EFが示すように、
図3の例に示すような第1会場演出を実現している。
【0047】
一方、センターサーバ2は、イベントデータEDを参照し、次の予定が司会予定(特定の予定の一例)に該当する場合には、自動制御から手動制御への切替を実行する。あるいは、センターサーバ2は、演出データSDを参照し、自動制御から手動制御への切替時期と判断される場合に同様の切替を実行する。演出データSDは、簡易的なプログラム(いわゆるスクリプト)、或いはプログラム用のデータ等の各種の形式で構成されてよい。このため、演出データSDに含まれる各種の情報が切替時期と判断可能な特定の情報として機能し得るが、一例として簡易プログラムの場合の切替指示、データの場合の切替時期に対応するプレイ状況を示す情報がそのような特定の情報として機能する。そして、このような特定の情報が演出データSDに含まれている場合に、センターサーバ2は手動制御への切替を実行する。
【0048】
自動制御から手動制御に切り替えられた場合、イベント会場EFでは手動制御が許可(許容)される。つまり、演出機器3の制御として自動制御の代わりに手動制御が実行される。手動制御は適宜に実現されてよいが、
図5の例ではコントローラDCに接続される(センターサーバ2と同様に適宜の技術により接続されてよいが、一例として各種のケーブルを利用した有線接続により接続される)ブック型のパーソナルコンピュータ5を介して実現される。つまり、イベントの管理者Oがブック型のパーソナルコンピュータ5に演出指示を実行し、コントローラDCがその指示に沿った演出を実行するように演出機器3を制御する。例えば、対戦結果の公表等は司会が行う場合が多く、発表の都合等により適宜に演出時期を調整する必要がある。具体的には、例えば優勝者の発表時には発表前に若干の溜めを設けた方が盛り上がる場合も多いが、このような溜めの時間には会場の雰囲気、或いは司会者の個性等を反映した方が好ましい傾向にある。イベントの管理者Oは、このような雰囲気等に応じてより好ましい時期に各種の会場演出が実現されるように演出機器3の制御を実行する。
【0049】
また、イベント会場EFでは、手動制御を通じて適宜の会場演出が実現され得るが、
図5の例では下側のイベント会場EFが示すように、各種の演出機器3のうちライトユニット3A及びスピーカ3Bを利用した演出が実行されている。具体的には、イベント会場EFの管理者によりライトユニット3Aの点灯、及びスピーカ3Bにより音声の再生が指示され、結果的にライトユニット3Aの全ライトが点灯し、スピーカ3Bが指示に応じた音声を再生している。また、モニタ3Dにも、カメラ3Eの撮影結果、或いはゲーム画面等の各種の画像等が表示され得るが、
図5の例ではこれらは省略され、同様の手動制御により司会予定を示す“解説中”の文字情報が表示されている。
【0050】
センターサーバ2は、制御切替サービスの一部として各種の条件に応じて適宜に手動制御から自動制御への切替(自動制御の再開)を実行してよいが、一例として再開条件が満たされた場合に自動制御が再開するように再度自動制御から手動制御への切替を実行する。再開条件は、例えば切替条件と同様に適宜の予定、或いは演出データの適宜の情報に基づいて満たされてよく、例えば司会予定が終了した場合(次回の予定が対戦予定の場合でもよい)、若しくは演出データに自動制御への切替時期と判断可能な情報が含まれる場合に満たされる。制御サービスは、このような制御切替サービスを含んでいる。
【0051】
次に、
図6を参照して、イベント用サービスの詳細について説明する。イベント用サービスは、イベント用の指示及びデータとして各種の指示を実行したり各種のデータを取得したりしてよいが、以下では演出データSDの提供が指示され、その取得が実行される場合について説明する。演出データSDの提供の指示は省略されてもよく、例えばイベント会場EFにおける全ゲーム機4から演出データSDを無条件に取得するようにイベント用サービスは構成されてもよいが、一例として一部のゲーム機4に提供の指示を実行するように構成される。
図6の例は、このような指示が実行される場合のイベント用サービスの一例を示している。この場合、
図6に示すように、センターサーバ2は、演出データSDを提供すべき一部のゲーム機4を特定するための対象特定用のデータを参照し、イベント会場EFの一部のゲーム機4に演出データSDの提供を指示する。そして、センターサーバ2は、これらの一部のゲーム機4から取得した演出データSDに基づいて上述の制御サービスを実現する。
【0052】
具体的には、制御サービスの内容等に応じて各種のデータが適宜に対象識別データとしての対象特定用のデータとして機能してよいが、
図6の例ではイベントデータED、演出データSD、及び機器管理データMDが機能している。イベントデータEDでは上述のように各種の予定が管理されてよく、それらの各種の予定が特定用の情報として適宜に一部のゲーム機4の特定に使用されてよいが、一例として対戦予定の情報が一部のゲーム機4の特定に使用される。より具体的には、各ゲーム機4が対戦ゲームを提供する場合、リーグ戦形式、或いはトーナメント形式等の各種の形式(手法)で対戦が実現されてよいが、イベントデータEDには各形式に基づく対戦者、或いは対戦用のゲーム機4を示す情報が対戦予定の情報の一部として記述される。そして、このような対戦用のゲーム機4、或いは対戦者が使用するゲーム機4が一部のゲーム機4として機能する。つまり、センターサーバ2は、対戦予定の情報を参照し、次回の対戦において対戦に使用される複数のゲーム機4(1対1の対戦の場合は二台、複数の対戦が実行される場合、或いはグループ対戦が実行される場合は二台以上のゲーム機4)を一部のゲーム機4として特定し、これらの複数のゲーム機4に演出データSDの提供を指示する。
【0053】
センターサーバ2から演出データSDの提供が指示された場合、複数のゲーム機4は適宜に演出データSDを提供してよく、例えば常時全ての複数のゲーム機4が演出データSDを提供してもよいし、プレイ状況が有利な状況等の特定の状況においてのみその特定の状況に該当するゲーム機4だけが演出データSDを提供してもよい。他の対象特定用のデータが一部のゲーム機4の特定、及びそのゲーム機4への指示に使用される場合も同様である。
【0054】
一方、演出データSDは、演出データSDの提供対象が既に決定されているときに、その提供対象のゲーム機4のうちから更に一部のゲーム機4の特定が必要な適宜の場合に使用される。例えば、トーナメント形式における一回戦を実行する複数のゲーム機4が演出データSDの提供対象として既に一部のゲーム機4として特定されている場合において、これらのゲーム機4のうち有利な状況でプレイを進めているゲーム機4の特定に使用されてもよい。演出データSDは、その他にも各種のプレイ状況に対応する適宜のゲーム機4の特定に使用されてよいが、一例として一回戦を実行する複数のゲーム機4のうち勝者に対応するゲーム機4(対戦者)の特定に使用される。
【0055】
演出データSDは、上述のように各種の形式で構成されてよい。このため、演出データSDに含まれる各種の情報が一部のゲーム機4の特定に使用され得るが、一例として勝者の演出を指示する情報、或いは対戦の勝利を示す情報が一部のゲーム機4の特定に使用される。また、特定された更に一部のゲーム機4には、適宜に演出データSDの提供が要求されてもよく、例えば更に詳細な情報を含む演出データSD(情報量が相違する演出データSD)が要求されてもよいが、一例として同様の情報を含む演出データSDの提供の継続が要求される。結果として、センターサーバ2は、演出データSDを参照し、一回戦の勝者に対応するゲーム機4を特定し、それらのゲーム機4に対して次回の対戦(例えば二回戦)においても継続して演出データSDが提供されるように演出データSDの提供を指示する。
【0056】
また、機器管理データMDは各イベント会場EFの演出機器3の種類を管理するための各種の情報を適宜に含んでよく、これらの各種の情報が各種の一部のゲーム機4の特定に適宜に使用されてよい。例えば、機器管理データMDは各演出機器3の位置の情報を含んでいてもよく、この場合、この位置の情報、及び各ゲーム機4の位置を管理するデータに基づいて特定の演出機器3に近いゲーム機4が一部のゲーム機4として特定されてもよい。このようなゲーム機4の位置を管理するデータとして、機器管理データMDとは別のデータが利用されてもよいし、機器管理データMDが利用されてもよいが、一例として機器管理データMDが各ゲーム機4の位置の情報を含む場合において、この位置の情報が特定用の情報として機能する。さらに、この位置の情報は各種のゲーム機4の特定に適宜に使用されてよいが、一例としてカメラ3Eの撮影範囲に含まれるゲーム機4の特定に使用される。つまり、センターサーバ2は、カメラ3Eの撮影結果、及び機器管理データMDを参照し、カメラ3Eの撮影範囲に含まれるゲーム機4を一部のゲーム機4として特定し、これらに演出データSDの提供を指示する。
【0057】
これらのイベントデータED、演出データSD、及び機器管理データMDに基づいて適宜のゲーム機4が一部のゲーム機4として特定されてよい。例えば、一部のゲーム機4として、同じイベント会場EF内のゲーム機4だけなく、複数のイベント会場EFが用意される場合には異なるイベント会場EFにそれぞれ設置される複数のゲーム機4が特定されてもよい。このように適宜のゲーム機4が一部のゲーム機4として特定されてよいが、
図6の例では異なるイベント会場EFの各ゲーム機4が一部のゲーム機4として特定される場合、及び同じイベント会場EFの各ゲーム機4が一部のゲーム機4として特定される場合の両方が示されている。
【0058】
具体的には、
図6の例は、一部のゲーム機4として特定される一台のゲーム機4をそれぞれ含む二つのイベント会場EF(以下、上二つのイベント会場EFと呼ぶ場合がある)、及び一部のゲーム機4として特定される二台のゲーム機4を含む一つのイベント会場EF(以下、下のイベント会場EFと呼ぶ場合がある)を上から順に示している。例えば異なるイベント会場EFに設置される複数のゲーム機4を介して複数のユーザUが対戦してもよく、この場合、対戦者、及びその対戦者が使用するゲーム機4は複数のイベント会場EFに跨がるように位置し、異なるイベント会場EF間において対戦が実現される。上二つのイベント会場EFはいずれも複数のゲーム機4を含んでいるが、それらの一台ずつがそれぞれ対戦において使用される。つまり、上二つのイベント会場EFは、対戦イベントにおいて互いに対戦する二台のゲーム機4をそれぞれ含んでいる。このため、センターサーバ2は、例えばイベントデータED、或いは演出データSDに基づいて、これらの上二つのイベント会場EFにそれぞれ位置する二つのゲーム機4(上のイベント会場EFの左端のゲーム機4、及び真ん中のイベント会場EFの左から二番目のゲーム機4)を一部のゲーム機4として特定する。そして、センターサーバ2は、これらのゲーム機4に演出データSDの提供を指示する。
【0059】
一方、下のイベント会場EFも複数のゲーム機4を含んでいるが、それらのうちカメラ3Eの撮影範囲CRには真ん中付近の二台のゲーム機4だけが含まれている。換言すれば、複数のゲーム機4のうち真ん中付近の二台のゲーム機4だけを撮影するように、カメラ3Eの撮影範囲CRが制御されている。この場合、センターサーバ2は、例えばカメラ3Eの撮影範囲CR、及び機器管理データMDに基づいて、これらの二台のゲーム機4を一部のゲーム機4として特定する。具体的には、センターサーバ2は、まずカメラ3Eの撮影条件に基づいて撮影範囲CRを判別する。次にセンターサーバ2は、その撮影範囲CRに含まれる位置の情報が機器管理データMDに記述されているゲーム機4(真ん中付近の二台のゲーム機4)を一部のゲーム機4として特定する。そして、センターサーバ2は、これらのゲーム機4に演出データSDの提供を指示する。
【0060】
さらに、センターサーバ2は、これらの一部のゲーム機4から取得した演出データSDに基づいて上述のような会場演出を適宜に実行してよく、そのような会場演出には一部のゲーム機4にライトユニット3A等を通じてスポットを当てる演出が含まれてよいが、ゲーム機4にライト等の演出機器が設けられている場合には、そのような一部のゲーム機4の演出機器を更に制御してもよい。つまり、会場演出は演出機器3に限定されず、各種の機器を通じて実現されてよく、そのような機器にはゲーム機4が含まれてもよい。このようなゲーム機4の制御は適宜に実行されてよいが、一例としてセンターサーバ2はスポットと同様の効果を生じさせるために、一部のゲーム機4に該当することを示す(あるいは強調する)演出を実行するように一部のゲーム機4の演出機器を制御する。一例として、これらのような演出データSDの提供指示、及びその取得を実現するようにイベント用サービスは構成される。
【0061】
次に、演出データSD、演出制御データCD、イベントデータED、及び機器管理データMDの詳細について説明する。演出機器3に実行させるべき演出は上述のように対戦予定等の各種のプレイ状況に応じて決定される。このため、演出データSDは、このようなプレイ状況に関連する各種の情報を含んでいる。
図7は、演出データSDの構成の一例を示す図である。演出データSDは、上述のように簡易的プログラムとして構成されてもよいが、
図7の例ではプログラム用のデータとして構成される場合が示されている。この場合、
図7に示すように、演出データSDは、ゲームのプレイ状況を対戦者(ユーザU)毎に関連づけて管理する演出レコードSDRを含んでいる。また、このような管理を実現するために、演出レコードSDRは、例えば“ユーザ”、“キャラクタ”、“アクション”、及び“状況”の情報を含んでいる。
【0062】
“ユーザ”は、ゲームをプレイ中のユーザU(対戦者)を特定するための情報である。“ユーザ”には、各ユーザUを特定可能な適宜の情報が記述されてよいが、一例として各ユーザUを識別するためにユーザU毎にユニークなユーザIDの情報が記述される。このようなユーザIDは、イベント用のユーザ名、又はイベントに限定されたイベント用のユーザ番号であってもよい。あるいは、各種施設に設置されたゲーム機4をプレイする場合に使用されるユーザID(イベントに限定されず、各ユーザUを識別するID)が存在する場合には、そのようなユーザIDが使用されてもよい。
【0063】
“キャラクタ”は、ゲームのプレイ中に登場するキャラクタを特定するための情報である。“キャラクタ”には、各キャラクタを特定可能な適宜の情報が記述されてよいが、一例として各キャラクタを識別するためにキャラクタ毎にユニークなキャラクタIDの情報が記述される。また、“キャラクタ”には、プレイ中のゲームに登場する適宜のキャラクタ(複数のキャラクタでもよい)に対応するキャラクタIDの情報が記述されてよいが、一例としてキャラクタを介してユーザUがゲームをプレイする場合にそのようなキャラクタ(いわゆるプレイヤキャラクタとしてユーザUに対応するキャラクタ)に対応するキャラクタIDの情報が記述される。
【0064】
“アクション”は、各ユーザUのキャラクタを介したアクション(行動)を特定するための情報である。“アクション”には、キャラクタが実行する各種のアクションを特定する適宜の情報が記述されてよいが、一例として各キャラクタが行った技等の動作、或いはそのような技等の実現のためにユーザUが実行した操作を示す情報が記述される。
【0065】
“状況”は、プレイ中のゲームにおける状況を特定するための情報である。“状況”には、プレイ状況(少なくとも会場演出に関連する状況)を特定するための各種の情報が記述されてよい。例えば、このような情報として、ゲームが複数のステージに分かれている場合のステージ数(選択形式の場合は選択されたステージでもよい)、野球ゲームの場合のイニング数、サッカーゲーム等のボールの位置に応じて攻守が切り替わるゲームにおけるボールの位置、得点数、或いはHP(ヒットポイント)等の対戦に関連する価値が存在する場合はその残量の情報が適宜に記述されてよい。また、対戦結果(順位、或いは劣勢、優勢等の優劣を含む)は、得点等から適宜に判断されてもよいし、それとは別に、或いはそれらの代わりに、対戦結果の情報がそのような情報として利用されてもよい。“状況”には、会場演出の要請に応じて、これらの情報が適宜に記述される。演出レコードSDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。そして、これらの情報は、各種の会場演出等のために適宜に使用される。この例において“状況”に記述されるプレイ状況の情報が本発明の演出情報、或いはプレイ情報として機能する。
【0066】
一方、演出データSDは簡易的なプログラムとして構成されてもよく、その場合には上述の“ユーザ”、“キャラクタ”、“アクション”、及び“状況”の情報は、例えばスクリプト形式で記述される。スクリプト形式のデータは周知の技術であるが、プログラムと同様にコンピュータ用のコンパイルプロセスが省略される(適宜にバックグラウンド等において処理され、少なくともそのように見える)ように実行されるデータである。スクリプト形式のデータの場合、このようなコンパイルプロセスの省略が可能なため、比較的複雑な指示をより早期に実現することができる。このため、比較的複雑なプレイ状況を演出に反映することができる。演出データSDは、このようなスクリプト形式のデータ、或いは単なるデータ等の各種の形式が適宜に使い分けられるように生成されてもよい。例えば、シンプルなプレイ状況に対応するシンプルな会場演出が実行される場合には通常のデータとして、より複雑な状況及び会場演出が実行される場合にはスクリプト形式のデータとして、それぞれ生成されてもよい。
【0067】
なお、演出データSDは、上述の情報に限定されず、会場演出の要請等に応じて適宜の情報を管理してよい。例えば、上述の情報の一部は省略されてもよいし、或いは反対にその他の各種の情報が追加されてもよい。例えば、“ユーザ”の情報の代わりに、或いは上述の“ユーザ”の情報として、各ゲーム機4(各ユーザUが使用するもの)に対応する後述の筐体IDが使用されてもよい。同様に、例えば、対戦型のゲームにおける対戦者の情報(例えば対戦者のユーザID、或いはこのような対戦者若しくはそのゲーム機4を特定するために対戦者のユーザID等を管理する対戦(試合)毎にユニークな対戦者ID等)の情報が含まれていてもよい。また、例えば、演出データSDを介して会場演出の指示はゲーム機4が実行してもよく、この場合には演出データSDは、後述の“演出種類”の情報(演出制御データCDに含まれる情報)等、演出を指示する情報を含んでいてもよい。この場合、このような“演出種類”の情報等の演出を指示する情報が本発明の演出情報として機能する。また、例えばイベント用サービスにおいて一部のゲーム機4の特定に演出データSDが使用される場合、演出データSDは提供元のゲーム機4を特定するための筐体ID等の情報を含んでいてよい。この場合において、演出データSDの“状況”の情報、及びその筐体IDの情報が本発明の対応情報、及びゲーム機識別情報としてそれぞれ機能する。
【0068】
図8は、演出制御データCDの構成の一例を示す図である。演出制御データCDは演出機器3の演出を制御するための各種の情報を適宜に含んでいてよいが、
図8の例は各イベント会場EFにおいて実現される演出が所定の単位の演出機器3に分けられ、その単位(種類)毎に管理される場合の演出制御データCDの一例を示している。また、演出制御データCDは、例えば演出データSDの構成(例えば簡易プログラムであるか、単なるデータであるかといった構成)等に応じて適宜に構成されてよいが、
図8の例は演出データSDが単なるデータとして構成される場合の演出制御データCDの一例を示している。この場合、
図8に示すように、演出制御データCDは、イベント会場EF毎に演出機器3を所定の単位に分けて演出の種類として管理する演出制御レコードCDRを含んでいる。また、このような管理を実現するために、演出制御レコードCDRは、例えば“会場ID”、“演出種類”、“対象機器”、“演出詳細”、及び“適用条件”の情報を含んでいる。
【0069】
“会場ID”は、複数のイベント会場EFが存在する場合に各イベント会場EFを識別するためにイベント会場EF毎にユニークな会場IDを示す情報である。“演出種類”は、各演出機器3を通じて実行されるべき演出(会場演出)の種類を特定するための情報である。“演出種類”には、このような情報として適宜の情報が記述されてよいが、一例として各演出を識別するために演出の種類毎にユニークな演出IDの情報が記述される。“対象機器”は、各演出の種類を実現するための演出機器3を特定するための情報である。“対象機器”には、このような情報として適宜の情報が記述されてよいが、一例として各演出機器3の種類(例えばライトユニット3A、スピーカ3B等)を識別するために演出機器3の種類毎にユニークな機器IDの情報が記述される。
【0070】
同様に、“演出詳細”は、演出の種類毎に各演出機器3が実行すべき演出(動作)を特定するための情報である。“演出詳細”には、このような情報として適宜の情報が記述されてよいが、一例として適宜のパラメータの情報が記述される。具体的には、例えば、“演出種類”に第1会場演出を特定する情報が記述される場合には、“対象機器”にライトユニット3A、スピーカ3B、及びモニタ3Dを特定する情報が記述される。そして、“演出詳細”には、ライトユニット3Aの左側の二つのライトを示す数値、それの点灯を示す数値、その配色を示す数値、及びその強さを示す数値がパラメータの情報として記述される。また、スピーカ3Bから再生すべき楽曲を示す数値、及びそれの音量を示す数値もパラメータの情報として“演出詳細”に記述される。同様に、モニタ3Dに表示すべき画像を示す数値(例えばゲーム画面を示す数値、カメラ3Eの撮影結果を示す数値、或いは“第1ユーザ優勢”等の各種定型文を示す数値等)、及びその表示態様を示す数値(位置、範囲、その他の画像との組み合わせの場合にはレイアウト等を示す数値等)もパラメータの情報として“演出詳細”に記述される。つまり、“演出種類”及び“対象機器”の情報により各演出機器3が所定の単位で分けられ、その単位に応じた具体的な演出が“演出詳細”によって定義される。第2会場演出等のその他の演出が実行される場合も同様に記述される。
【0071】
一方、第3会場演出等の複数の演出の合成に対応する演出の場合には、そのような合成に対応する演出が別途個別に“演出種類”、“対象機器”、及び“演出詳細”によって定義されてもよいが、一例として“演出種類”に第1会場演出及び第2会場演出といった合成対象の演出種類を示す情報が記述される。この場合、“対象機器”、及び“演出詳細”の情報は省略されてもよいし、第1会場演出及び第2会場演出の組み合わせに対応する情報が記述されてもよい。
【0072】
“適用条件”は、各演出の種類が適用(実行)されるべき適用条件を示す情報である。“適用条件”には、会場演出の要請等に応じて各種の条件を示す情報が適宜に記述されてよいが、例えば第1ユーザU1が一定以上の得点差をつけた場合(優勢な状況の一例)、サッカー等の球技であればボールを所有している場合(優勢な状況の他の例)、格闘型のゲームであれば体力(例えばHP)リード、或いは対戦が終了した場合等の特定のプレイ状況を示す情報が記述される。また、例えば体力リード等の状況は、更に体力大幅リード等の細かい状況に分けられてもよい。さらに、例えば通常イベント会場EFに関連づけられる“適用条件”として体力大幅リードが、PBイベント会場EFに関連づけられる“適用条件”として体力リードが、それぞれ記述されていてもよい。つまり、イベント会場EF毎に異なる適用条件が関連づけられていてもよい。そして、“状況”に体力値の残量の情報が記述された共通の演出データSDに応じてイベント会場EF毎に異なる会場演出が実現されてよい。上述のようにイベント会場EFの特性に応じてイベント会場EF毎に異なる会場演出が実現される場合があるが、それはこのような“適用条件”の相違を介して実現されてよい。この場合、イベント会場EF毎の異なる(より細やかな)会場演出が、このような“適用条件”(演出制御データCD)を介して同じ演出データSDによって実現される。つまり、演出制御データCDは“適用条件”を介してイベント会場EF毎の会場演出の相違を吸収する役割、そのイベント会場EF毎の異なる会場演出を定義する役割、及びその異なる会場演出の実現を指示する役割を果たしてよい。一方、演出データSDはそのような“状況”の共通のプレイ状況を介して、異なる会場演出を決定するための根拠を伝える役割を果たしてよい。
【0073】
演出制御レコードCDRには、上述の情報が相互に関連付けられるように記録されている。そして、これらの情報は、各種の会場演出を実現する演出機器3の制御のために適宜に使用される。なお、演出制御データCDは、上述の情報に限定されず、会場演出の要請等に応じて適宜の情報を管理してよい。例えば、上述の情報の一部は省略されてもよいし、或いは反対にその他の各種の情報が追加されてもよい。例えば、イベント会場EFが一つの場合は“会場ID”の情報は省略されてもよい。また、例えば、演出データSDが“演出種類”の情報を含む場合等、演出データSDによって特定の種類の演出が指示される場合には、“適用条件”の情報は省略されてもよい。この例において“会場ID”に記述される会場IDの情報が本発明の会場識別情報として機能する。また、演出データSDが特定の演出を指示する情報を含まない場合において、この例の“適用条件”に記述されるプレイ状況(特定のプレイ状況)の情報、及び“演出種類”に記述される演出の種類(あるいは、“対象機器”及び“演出詳細”を更に含む、これらの組み合わせ)が、本発明の演出情報、及び対応演出として、それぞれ機能する。一方、演出データSDが特定の演出を指示する情報を含む場合、この例の“演出種類”に記述される演出の種類の情報、及び“対象機器”に記述される機器IDの情報と“演出詳細”に記述されるパラメータの情報との組み合わせが、本発明の演出情報、及び対応演出として、それぞれ機能する。
【0074】
図9は、イベントデータEDの構成の一例を示す図である。イベントデータEDはイベントの進行に関連する各種の予定を管理してよいが、
図9の例では切替条件がイベントスケジュールの各予定を要件に含む場合において、このような各予定を管理する場合のイベントデータEDの一例が示されている。この場合、
図9に示すように、イベントデータEDは、イベント毎の各予定を管理するためのイベントレコードEDRを含んでいる。また、このような管理を実現するために、イベントレコードEDRは、例えば“イベントID”、“会場ID”、“予定”、“対象”、及び“進捗”の情報を含んでいる。
【0075】
“会場ID”は上述の会場IDを示す情報である。“イベントID”は、各イベントを識別するためにイベント毎にユニークなイベントIDを示す情報である。“予定”は、各イベントに含まれる各種の予定を特定するための情報である。イベント会場EFのイベントにはゲームイベントが含まれ、ゲームイベントはゲームのプレイ状況に応じて進行する。このため、イベントの予定には、ゲームのプレイ状況に対応するプレイ状況予定が含まれる。この場合、“予定”には、このようなプレイ状況予定を特定するための情報が記述される。具体的には、例えばトーナメント形式の対戦イベントが実行される場合、“予定”には、一回戦、二回戦、準決勝、決勝、並びに司会等の各プレイ状況予定を特定する情報が記述される。この場合、一回戦、二回戦、準決勝、或いは決勝等の対戦を示すプレイ状況予定、及び司会を示すプレイ状況予定が上述の対戦予定、及び司会予定としてそれぞれ機能する。“予定”には、これらの予定を特定するために適宜の情報が記述されてよいが、一例として一回戦、二回戦等の各予定を識別するために予定毎にユニークな予定IDの情報が記述される。
【0076】
一方、“対象”は、各予定の対象として使用されるべき対象を特定するための情報である。イベント会場EFでは各種のイベントが実行されてよく、その各種のイベントの予定が適宜にイベントデータEDにて管理されてよいが、以下ではそのようなイベントとしてゲームイベントの予定(プレイ状況予定)が管理される場合について説明する。この場合、“対象”には、各予定の対象として各ゲーム機4を特定するための情報が記述される。例えば、順決勝に対応する予定には準決勝において対戦する各ゲーム機4を特定する情報が記述される。一回戦等の場合も同様である。一方、司会に対応する予定の場合には“対象”には対象なしを示す情報が記述されてもよいし、司会を示す情報が記述されてもよい。また、“対象”には、各ゲーム機4を特定するための情報として適宜の情報が記述されてよいが、一例として各ゲーム機4を識別するためにゲーム機4毎にユニークな筐体IDの情報が記述される。
【0077】
“進捗”は、イベントデータEDに含まれる各予定のうち、現在進行中の予定を特定するための情報である。“進捗”には、このような情報として適宜の情報が記述されてよいが、一例として既に終了した(実施済み)予定、現在進行中の予定、及び未実施の予定の少なくとも三つを区別する情報が記述される。そして、“進捗”の情報により、イベントデータEDの“予定”に記述される各予定が、これらの実施済み、進行中、或いは未実施のいずれに属するか管理される。イベントレコードEDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。そして、これらの情報は、演出切替サービス等の各種サービスの提供のために適宜に使用される。
【0078】
なお、イベントデータEDは、上述の情報に限定されず、演出切替サービスの要請等に応じて適宜の情報を管理してよい。例えば、上述の情報の一部は省略されてもよいし、或いは反対にその他の各種の情報が追加されてもよい。この例において“進捗”に記述される情報が本発明の進捗情報として機能する。また、“予定”に記述される予定のうちプレイ状況予定に対応する情報が本発明のプレイ状況予定として機能する。さらに、“予定”に記述されるプレイ状況予定のうち司会予定の次の対戦予定に対応する情報が本発明の所定のプレイ状況予定として機能する。一方、イベント用サービスを通じて一部のゲーム機4の特定にイベントデータEDが使用される場合においてこの例の“予定”に記述される情報、“対象”に記述される筐体IDの情報が本発明の対応情報、及びゲーム機識別情報としてそれぞれ機能する。
【0079】
図10は、機器管理データMDの構成の一例を示す図である。機器管理データMDは、上述のようにイベント会場EFに設置された演出機器3を管理するために各種の情報を含み得える。このため、機器管理データMDは、複数のイベント会場EFが存在する場合において各イベント会場EFで実現可能な演出(例えばスモーク装置3Cが存在するイベント会場EFではスモークの演出が可能であるし、スポットライトが存在するイベント会場EFでは特定のゲーム機4にスポットを当てる演出が可能であるといったイベント会場EF毎の演出)の管理に使用される。
図10の例は、機器管理データMDが更にイベント会場EFにおける各ゲーム機4の位置の管理に使用される場合を示している。この場合、
図10に示すように、機器管理データMDは、イベント会場EF毎に設置された演出機器3を管理するための機器管理レコードMDRを含んでいる。また、このような管理を実現するために、機器管理レコードMDRは、“会場ID”、“設置機器”、“筐体ID”、及び“配置”の情報を含んでいる。
【0080】
“会場ID”、及び“筐体ID”は、上述の会場ID、及び筐体IDをそれぞれ示す情報である。また、“設置機器”は、各イベント会場EFに設置される演出機器3を特定するための情報である。“設置機器”には、このような情報として適宜の情報が記述されてよいが、一例としてライトユニット3A、スピーカ3Bといった各演出機器3を特定するために演出機器3の種類毎にユニークな機器IDの情報が記述される。“配置”は、各ゲーム機4の位置を特定するための情報である。“配置”には、このような情報として適宜の情報が記述されてよいが、一例としてイベント会場EFにおける所定範囲(例えばゲーム機4が設置されるステージ)に座標を設定した場合の座標を示す情報が記述される。機器管理レコードMDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。そして、これらの情報は、イベント用サービス等の各種サービスの提供のために適宜に使用される。なお、機器管理データMDは、上述の情報に限定されず、イベント用サービスの要請等に応じて適宜の情報を管理してよい。例えば、上述の情報の一部は省略されてもよいし、或いは反対にその他の各種の情報が追加されてもよい。また、イベント用サービスを通じて一部のゲーム機4の特定に機器管理データMDが使用される場合において、この例の“配置”に記述される位置の情報、及び“筐体ID”に記述される筐体IDの情報が本発明の対応情報、及びゲーム機識別情報としてそれぞれ機能する。
【0081】
次に、
図11~
図14を参照して、対象特定処理、演出処理、制御切替処理、及び再開処理について説明する。対象特定処理は、イベント会場EFに設置された各種機器のうち指示対象の機器を特定するための処理である。このような機器としてイベント会場EFに設置される適宜の機器が利用されてよいが、
図11の例はゲーム機4が利用される場合の対象特定処理を示している。より具体的には、
図11の例は、演出データSDの提供対象の特定、及びその特定の指示が実行される場合の対象特定処理の一例を示している。この場合、演出データSDの提供対象の特定を指示する所定の操作が実行された場合等の適宜の開始条件が満たされた場合に、ゲーム機用サービス管理部25は
図11の対象特定処理を開始し、まず対象特定用のデータを取得する(ステップS101)。対象特定用のデータとして各種のデータが機能し得るが、一例としてイベントデータED、演出データSD、及び機器管理データMDが機能する。このため、ゲーム機用サービス管理部25は、これらのイベントデータED、演出データSD、或いは機器管理データMDを対象特定用のデータとして取得する。以下ではイベントデータEDを対象特定用のデータとして取得する場合について説明する。
【0082】
続いてゲーム機用サービス管理部25は、ステップS101で取得したイベントデータEDを参照し、次回の予定を判別する(ステップS102)。具体的には、ゲーム機用サービス管理部25は、イベントデータEDの“予定”及び“進捗”の情報を参照して、この判別を実現する。次にゲーム機用サービス管理部25は、その特定した予定の対象として機能するゲーム機4を特定する(ステップS103)。各予定の対象は適宜に管理されてよいが、一例としてイベントデータEDの“対象”の情報を介して管理される。このため、ゲーム機用サービス管理部25は、このような対象の特定をイベントデータEDの“対象”の情報を参照して実現する。具体的には、ゲーム機用サービス管理部25は、イベントデータEDの“対象”にて特定されるゲーム機4を、ステップS102で特定した予定の対象のゲーム機4として特定する。この場合において、ゲーム機用サービス管理部25は、複数のイベント会場EFが存在するときには、“会場ID”を参照し、対象のゲーム機4が設置される各イベント会場EFを更に特定してもよい。
【0083】
続いてゲーム機用サービス管理部25は、ステップS104で特定したゲーム機4に演出データSDの提供を指示する(ステップS104)。そして、この指示の後に、ゲーム機用サービス管理部25は今回の対象特定処理を終了する。これにより、イベント会場EF(複数のイベント会場EFの場合は複数のイベント会場EF)に設置される複数のゲーム機4のうちから、演出データSDの提供対象が対象特定用のデータに基づいて特定される。より具体的には、イベントデータEDによって管理される予定のうち次回の予定に対応するゲーム機4が演出データSDの提供対象として特定される。そして、これらに演出データSDの提供が実際に指示される。結果として、イベント用サービスが実現される。
【0084】
演出処理は、演出データSDに基づいて会場演出を実現するための処理である。ゲーム機4は、例えばゲームのプレイ状況が特定の状況に該当する場合等の各種の条件に応じて適宜に演出データSDを生成してよいが、
図12の例はセンターサーバ2から指示があったゲーム機4がゲーム中において所定の周期で演出データSDを生成する場合の演出処理を示している。また、
図12の例は、例えば対戦中の二台のゲーム機4等、対象特定処理を通じて複数のゲーム機4が特定され、それらに演出データSDの提供が指示されている場合の演出処理を示している。なお、
図12の例では、ゲーム機4の制御ユニット31によって主として実行される処理がゲーム機4として、センターサーバ2の制御ユニット21によって主として実行される処理がセンターサーバ2として、それぞれ示されている。
【0085】
この場合、
図12に示すように、各ゲーム機4(データ管理部44)は所定の周期で
図12の演出処理を開始し、まず演出データSDを生成する(ステップS201)。続いて各ゲーム機4は、その生成した演出データSDをセンターサーバ2に送信する(ステップS202)。そして、その送信の後に各ゲーム機4は今回の演出処理を終了する。
【0086】
一方、センターサーバ2(機器用サービス管理部24)は、各ゲーム機4から演出データSDが送信されると(あるいは、更に演出機器3の制御が自動制御の状態である場合に)
図12の演出処理を開始し、まずその演出データSDを取得する(ステップS301)。続いてセンターサーバ2は、その演出データSDに基づいて演出を適用(実行)するための適用条件が満たされるか否か判別する(ステップS302)。例えば所定のアクション時に特定の会場演出を実現する等、実現されるべき演出の要請に応じて演出データSDに含まれる各種の情報が適用条件の要件として使用されてよく、そのような情報に基づいて適宜に適用条件が満たされるか否か(演出付加の可否)判別されてよいが、一例として“状況”の情報が適用条件の要件として使用される。具体的には、センターサーバ2は、演出データSDの“状況”の情報及び演出制御データCDの“適用条件”の情報を参照し、プレイ中のゲームの状況(“状況”に記述の状況)が演出を実行すべき特定の状況(“適用条件”に記述の条件)に該当するか否か判別する。この際にセンターサーバ2は、ゲームの状況が特定の状況に該当しない場合に適用条件が満たされないと、ゲームの状況が特定の状況に該当する場合に適用条件が満たされると、それぞれ判別する。そして、センターサーバ2は適用条件が満たされない場合(ゲームの状況が特定の状況に該当しない場合)、以降の処理をスキップして今回の演出処理を終了する。
【0087】
一方、適用条件が満たされる(ゲームの状況が特定の状況に該当する)場合、センターサーバ2は、演出機器3を通じて実現されるべき演出を判別する(ステップS303)。この判別は、ステップS302で参照された“適用条件”に基づいて実現される。具体的には、センターサーバ2は、プレイ中のゲームの状況が対応する“適用条件”に演出制御データCDにおいて関連づけられる“演出種類”、“対象機器”、及び“演出詳細”の情報を特定し、それらによって実現される演出(“演出種類”に対応する演出の種類)を実現されるべき演出として判別する。また、複数のイベント会場EFが存在している場合には、センターサーバ2は、演出制御データCDの“会場ID”の情報を参照し、このような判別をイベント会場EF毎に実行する。
【0088】
続いてセンターサーバ2は、調整条件が満たされるか否か判別する(ステップS304)。調整条件は、実現対象の演出の要請等に応じて適宜に構成されてよいが、一例として演出データSDに基づく演出(ステップS303で特定された演出)が複数のゲーム機4間において競合する場合、或いは重複する場合に満たされる。このため、センターサーバ2は、ステップS303で特定した演出が、他の演出データSDに基づく演出と競合するか否か、或いは重複するか否か判別する。
【0089】
具体的には、センターサーバ2は、ステップS303で特定した演出を実現するための演出機器3が、他の演出データSDに基づく演出を実現するための演出機器3と同じ場合、或いは演出時期が一致する場合に競合、或いは重複すると判別する。例えば、サッカーゲームにおいてボールを持つユーザUの演出(以下、ボール用演出と呼ぶ場合がある)、及びゴール数(得点数)が多いユーザUの演出(以下、優勢用演出と呼ぶ場合がある)の両方が“適用条件”で特定され、同時に適用される場合、これらの演出は重複すると判断される。また、これらのボール用演出及び優勢用演出において必要な演出機器3が重複している場合、これらの演出は競合すると判断される。あるいは、一方の勝利の場合において一方の優勢な状況、他方の劣勢な状況、及び対戦結果に対応する状況の複数が“適用条件”で特定される場合もある。この場合、これらに対応する演出が同時に要求されると考えられるため、演出の重複或いは競合と判断されてもよい。
【0090】
調整条件が満たされる(演出間の競合、或いは重複が存在する)場合、センターサーバ2は、それらの調整条件を満たす演出(競合、或いは重複する演出)を調整する(ステップS305)。この調整は、演出時期をずらす、いずれか一方を優先するといった具合に適宜に実現されてよいが、一例としてそれらの演出を合成することにより実現される。具体的には、例えば演出制御データCDの“演出種類”に記述される第1演出及び第2演出の情報に基づいて第1演出及び第2演出の合成により、
図3の例の第3会場演出が実現される場合、センターサーバ2は、この調整により第1演出及び第2演出を合成する。また、センターサーバ2は、モニタ3Dの表示を所定の規則に従って適宜に調整する。これらにより、センターサーバ2は、
図3の例の第3会場演出を実現する。
【0091】
あるいは、例えば上述のボール用演出及び優勢用演出として、スモーク装置3Cによるスモークの発生、及びスピーカ3Bによる所定の音声の再生がそれぞれ“演出種類”の情報等により特定される場合、これらが合成され、スモークの発生及び所定の音声の再生の両方を実行する演出にステップS303の演出(スモークの発生、或いは所定の音声の再生のいずれか一方に対応する演出)が調整される。また、ボール用演出及び優勢用演出として、これらのスモークの発生及び所定の音声の再生に加えて、ライトユニット3Aによるライトの点灯が両方の演出用に特定される場合、その点灯が同じ配色であれば照明の明るさ(照度を示すパラメータ)を二倍にする、別々の配色でればそれらを混ぜた色の配色にする、といった具合に所定の規則に従って適宜に調整される。また、優勢な状況、他方の劣勢な状況、及び対戦結果に対応する状況の複数が特定される場合も、合成、或いは所定の基準に基づくいずれか一つの選択等により適宜に調整されてもよい。
【0092】
一方、調整条件が満たされない(演出間の競合、或いは重複が存在しない)場合、或いはステップS305の調整の後に、センターサーバ2はステップS303で特定した演出、或いはステップS305で調整した調整後(例えば合成後)の演出を実行するように演出機器3を制御する(ステップS306)。複数のイベント会場EFが存在する場合、センターサーバ2は、このような演出が各イベント会場EFにおいて実行されるように、この制御をイベント会場EF毎に実行する。また、この制御は、各演出機器3の制御がコントローラDCを介して実現される場合、コントローラDCに実行対象の演出(ステップS303で特定した演出、或いはステップS305で調整した調整後の演出)を指示することにより実現される。さらに、コントローラDCが実行対象の演出を定義する演出制御データCDに基づいて各演出機器3を制御する場合、センターサーバ2はその実行対象の演出を示す“演出種類”等の情報が記述された演出制御レコードCDR(例えば“適用条件”等の不要な部分を除く一部であってもよい)を含むように、演出制御データCDをコントローラDCに送信することにより、この制御を実現する。この場合、センターサーバ2は、ステップS305において演出の調整の一部として調整後の演出に対応する演出制御レコードCDRを含む演出制御データCDを生成してもよい。そして、このような制御の後に、センターサーバ2は今回の演出処理を終了する。
【0093】
図12の手順により、提供対象のゲーム機4によって所定の周期で演出データSDが生成され、センターサーバ2に提供される。そして、その演出データSDに基づいて、センターサーバ2によって演出実行の可否が判断され、適宜に演出が実行される。具体的には、ゲームのプレイ状況が特定の状況に該当する場合にはその状況に対応する演出が実現されるようにイベント会場EFの演出機器3が制御される。また、演出データSDに基づく演出が競合したり重複したりする場合には、それらの競合等する演出が調整され、調整後の演出を実現するように演出機器3が制御される。
【0094】
制御切替処理は、演出機器3の制御を自動制御から手動制御に切り替えるための処理である。自動制御から手動制御へ切り替えるための条件として各種の条件が採用されてよいが、
図13の例は上述の切替条件が採用される場合の制御切替処理を示している。また、切替条件はイベントデータED及び演出データSDの適宜の情報を要件に含み、これらの情報に基づいて適宜に満たされてよいが、
図13の例は切替条件がイベントデータEDの情報を要件に含む場合を示している。機器用サービス管理部24は、例えばゲーム機4から演出データSDが提供される毎に
図13の制御切替処理を開始し、まずその演出データSDを取得する(ステップS401)。
【0095】
続いて機器用サービス管理部24は、更新条件が満たされるか否か判別する(ステップS402)。更新条件は、例えば管理者Oによる指示(例えば司会予定の到来を示すフラグ、或いは司会予定の差し込みを示すフラグ等を介した更新指示)が実行された場合等の各種の場合に満たされてよく、イベントデータEDを更新するために適宜に満たされてよいが、一例としてゲームのプレイ状況が更新対象の状況に該当する場合に満たされる。また、ゲームにおける各種の状況が更新対象の状況として適宜に利用されてよいが、一例として対戦終了に対応する状況が利用される。具体的には、演出データSDの“状況”が対戦終了に該当する場合に更新条件は満たされる。このため、機器用サービス管理部24は、ステップS402において演出データSDの“状況”が対戦終了に該当するか否か判別する。そして、更新条件が満たされない場合(対戦終了に該当しない場合)、機器用サービス管理部24は以降の処理をスキップして今回の制御切替処理を終了する。
【0096】
一方、更新条件が満たされる場合(対戦終了に該当する場合)、機器用サービス管理部24はイベントデータEDを更新する(ステップS403)。具体的には、機器用サービス管理部24は、イベントデータEDの“予定”のうち、進行中の対戦に対応する“予定”の“進捗”の情報を進行中から実施済みの情報に、その進行中だった“予定”の次の“予定”の“進捗”の情報を未実施から進行中に、それぞれ“変更(更新)する。続いて機器用サービス管理部24は、切替条件が満たされるか否か判別する(ステップS404)。切替条件はイベントデータEDの各予定に基づいて適宜に満たされてよいが、一例として上述のようにイベントデータEDの“予定”に記述される次回の予定(今回の更新で未実施から進行中に“進捗”の情報が変化した予定)が司会に該当する場合に満たされる。このため、機器用サービス管理部24は、イベントデータEDの“予定”及び“進捗”を参照し、次回の予定(ステップS403の更新に伴い進行中に変化した予定)が司会に該当するか否か判別する。そして、切替条件が満たされない場合(次回の予定が司会に該当しない場合)、機器用サービス管理部24は以降の処理をスキップして今回の制御切替処理を終了する。
【0097】
一方、切替条件が満たされる場合(次回の予定が司会に該当する場合)、機器用サービス管理部24は自動制御から手動制御への切替を実行する(ステップS405)。例えば、機器用サービス管理部24は、コントローラDCを介して各演出機器3の制御を実行する場合、自動制御から手動制御に各演出機器3の制御を切り替えるようにコントローラDCに指示することにより、この切替を実現する。そして、この切替の後に機器用サービス管理部24は今回の制御切替処理を終了する。これにより、各演出機器3の演出が自動制御から手動制御への切替が切替条件に応じて実現される。より具体的には、イベントデータEDに基づいて次回の予定が司会に該当する場合に、このような自動制御から手動制御への切替が実行される。換言すれば、制御切替サービスが実現される。
【0098】
再開処理は、演出機器3の制御を手動制御から自動制御に切り替えるための処理である。自動制御は、一例として再開条件が満たされた場合に再開される。再開条件は、自動制御の再開のための各種の条件に基づいて適宜に満たされてよいが、一例として司会の後に対戦(ゲームのプレイ)が再開された場合に満たされる。対戦の再開も、例えばイベントの管理者Oによる再開指示(所定の再開操作の実行)等の各種の情報に基づいて適宜に判断されてよいが、一例として演出データSDの“状況”の情報に基づいて判断される。
図14の例は、このような演出データSDに基づいて自動制御の再開の可否が判断される場合の再開処理を示している。
【0099】
機器用サービス管理部24は、演出機器3の制御が手動制御の状態において演出データSDを取得すると
図14の再開処理を開始し、まず再開条件が満たされるか否か判別する(ステップS501)。再開条件は、一例として上述のとおりプレイ状況が対戦に該当する場合に満たされる。このため、機器用サービス管理部24は、演出データSDの“状況”の情報を参照し、ゲームのプレイ状況が対戦に該当するか否か判別することにより、この判別を実現する。
【0100】
再開条件が満たされない(プレイ状況が対戦に該当しない)場合、機器用サービス管理部24は現在の手動制御を維持する(ステップS502)。一方、再開条件が満たされる(プレイ状況が対戦に該当する)場合、機器用サービス管理部24は演出機器3の制御を手動制御から自動制御に切り替える(ステップS503)。換言すれば、機器用サービス管理部24は自動制御が再開されるように演出機器3の制御を切り替える。具体的には、例えば、コントローラDCを介して各演出機器3の制御が実行される場合、機器用サービス管理部24は手動制御から自動制御に各演出機器3の制御を切り替えるようにコントローラDCに指示することにより、この切替を実現する。そして、ステップS502の後、或いはステップS503で切替を実行した後に、機器用サービス管理部24は今回の再開処理を終了する。これにより、手動制御から自動制御への切替、換言すれば自動制御の再開が再開条件に応じて実現される。より具体的には、演出データSDに基づいてゲームのプレイ状況が対戦に該当する(換言すれば司会から対戦に変化した)場合に、このような自動制御の再開が実現される。
【0101】
以上に説明したように、この形態によれば、ゲームのプレイ状況に応じた各種の情報を含む演出データSDがゲーム機4において生成され、適宜にセンターサーバ2に提供される。例えば、このような情報として“状況”の情報を含む演出データSDが生成され、センターサーバ2に提供される。センターサーバ2は、その演出データSDを取得し、“状況”の情報に関連づけられる演出を演出制御データCDに基づいて実現可能な複数の演出から判別する。具体的には、センターサーバ2は、“状況”に記述されたプレイ状況に対応するプレイ状況が記述された“適用条件”を特定し、その“適用条件”に対応する演出の種類(“演出種類”等によって特定される演出)を“状況”に関連づけられる演出として判別する。つまり、センターサーバ2は、“状況”に“適用条件”を介して関連づけられる演出を実行対象の演出として判別する。そして、センターサーバ2は、その演出が実現されるように、実際に各イベント会場EFの演出機器3を制御する。このため、演出データSDの“状況”の情報を介して演出機器3の演出にプレイ状況が反映される。これにより、ゲームのプレイ状況に応じて演出機器3の演出を制御することができる。
【0102】
また、イベント用サービスを通じて演出データSDの提供対象のゲーム機4が複数のゲーム機4の一部に限定される場合、イベント会場EFの演出に反映されるべきプレイ状況を一部のゲーム機4のものに制限することができる。具体的には、イベントデータED等の対象特定用データに基づいて複数のゲーム機4のうちイベント会場EFにおいて生じ得る各イベント状況(ゲームにおけるプレイ状況に加えて、カメラ3Eの撮影状況等のイベント会場EFに生じ得る各種の状況)に関連する一部のゲーム機4が特定され、その一部のゲーム機4からゲームのプレイ状況に応じた各種情報を含む演出データSDが取得される。そして、その各種情報に応じた演出が実現されるように実際に各イベント会場EFの演出機器3が制御される。つまり、各イベント状況に関連する一部のゲーム機4が特定され、その一部のゲーム機4のプレイ状況が演出データSDを介して演出機器3の演出に反映される。
【0103】
具体的には、各イベント会場EFの複数のゲーム機4のうち対戦する二台のゲーム機4だけが特定され、その二台のゲーム機4のプレイ状況が演出データSDの“状況”の情報を介して会場演出に反映される。あるいは、複数のゲーム機4のうちカメラ3Eの撮影範囲CRに含まれるゲーム機4、つまりカメラ3Eが撮影しているゲーム機4が一部のゲーム機4として特定され、会場演出に反映される。このため、これらの一部のゲーム機4におけるゲームのプレイ状況に応じて演出機器の演出を制御することができる。結果として、例えばこれらの対戦中の二台のゲーム機4、あるいはカメラ3Eに撮影されるゲーム機4のプレイにスポットを当てる(注意を向けさせる)ことができる。
【0104】
また、センターサーバ2は、複数のイベント会場EFが存在する場合には、上述のような演出をイベント会場EF毎に実現する。具体的には、イベント会場EF毎に設置された演出機器3、及びそれによって実現可能な演出が演出制御データCDを介して管理される。そして、センターサーバ2は、その演出制御データCDを参照しつつ、イベント会場EF毎に実行対象の演出を特定し、実際にその演出を実現する。これにより、各イベント会場EFに応じた演出を実現することができる。例えば、PBイベント会場EFは、通常イベント会場EFと演出機器3等の設備も異なり、結果的に要求される演出も異なる場合が多い。このような場合にもPBイベント会場EFに設置の演出機器3に基づいて、パブリックビューイング会場に求められる、独自の演出を実現することができる。
【0105】
さらに、制御切替サービスが提供される場合、演出機器3の制御を切替条件に応じて自動制御から手動制御に切り替えることができる。切替条件はプレイ状況に基づく条件である。このため、切替条件を介してプレイ状況を自動制御から手動制御への切替に反映することができる。具体的には、例えば対戦等の比較的演出を予め企画しやすい状況においては演出機器3の自動制御が実現される。一方、司会等の臨機応変な演出が比較的要求される状況においては切替条件が満たされ、自動制御から手動制御に演出機器3の制御が切り替えられる。このようにゲームのプレイ状況に応じて自動制御と手動制御との間で演出機器の制御を切り替えることができる。また、手動制御への切替後は再開条件が満たされるまで手動制御が維持されるが、イベントデータEDの予定等のプレイ状況を再開条件が利用する場合には、自動制御の再開にもプレイ状況を反映することができる。結果として、比較的自動制御に向くプレイ状況においては自動制御を、比較的手動制御が好ましいプレイ状況においては手動制御を、それぞれ実現することができる。
【0106】
以上の形態において、センターサーバ2の機器用サービス管理部24が、
図12の処理を実行することにより本発明のデータ取得手段、演出判別手段、及び機器制御手段として機能する。具体的には、機器用サービス管理部24が
図12のステップS301の処理を実行することによりデータ取得手段として、ステップS303の処理を実行することにより演出判別手段として、ステップS306の処理を実行することにより機器制御手段として、それぞれ機能する。また、センターサーバ2のゲーム機用サービス管理部25が、
図11のステップS103の処理を実行することにより本発明の対象特定手段として機能する。さらに、機器用サービス管理部24が
図13の制御切替処理を実行することにより本発明の条件判別手段、制御切替手段、及び情報取得手段として機能する。具体的には、機器用サービス管理部24が
図13のステップS401の処理を実行することにより情報取得手段として、ステップS404の処理を実行することにより条件判別手段として、ステップS405の処理を実行することにより制御切替手段として、それぞれ機能する。
【0107】
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上述の形態では、会場演出として第1会場演出等の一方のユーザUの優勢を伝える演出が実現されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、ゲーム機4がサッカー或いはテニス等の球技を仮想的に実現するゲームを提供する場合、このようなボールの位置を示すような演出が会場演出として実現されてもよい。具体的には、例えば、テニスゲームの場合、
図3の例において第1ユーザU1から第2ユーザU2にボールが打ち返されたときには、第1ユーザU1から徐々に第2ユーザU2に向かうボールの位置を演出するように左から徐々に右に向かって点灯するライトが移動する演出が実現されてもよい。この場合、演出データSDは、例えば“状況”の情報として、或いはその他の情報として、ボールの位置を示す情報(例えばゲーム内におけるボールの座標データ)を含んでいてもよい。
【0108】
また、上述の形態では、イベント用サービスの一例として、演出データSDの提供指示、及び取得が示されている。しかし、イベント用サービスは、このような形態に限定されない。上述のとおり、イベント用サービスは、ゲーム機4を利用してイベントに関連する処理を実行する各種のサービスを含んでいてよい。例えば、上述のように会場演出用の機器にゲーム機4が含まれる(会場演出の一部として各ゲーム機4が利用される)場合、換言すれば各ゲーム機4が演出機器の一部として機能する場合、会場演出を実現するための各ゲーム機4に対する各種の制御がイベント用サービスを通じて実現されてよい。各ゲーム機4はイベント用サービスを通じて各種の会場演出を実現してよいが、例えば各ゲーム機4のモニタ47(モニタ47がゲーム画面用とは別に会場演出用のモニタを含む場合はそのモニタでもよい)を通じて各種の情報を提供する演出が実現されてもよい。具体的には、例えば、次回の対戦に使用されるゲーム機4は、対戦結果(プレイ状況)及びイベントデータEDに基づいて特定される次回の対戦者(ユーザU)を示す情報を、モニタ47を通じて提示してもよい。
【0109】
また、例えばイベントデータED等を介して初回の対戦者(あるいは対戦用のゲーム機4)が管理される場合、次回の対戦者の情報には、この初回の対戦者の情報が含まれてもよい。このため、ゲームのプレイ状況にはプレイ中及びプレイ後の状況はもちろん、プレイ前の状況が含まれていてもよい。この場合、例えば、プレイ前の状況には初回等の対戦前を示す状況が含まれる。同様に、このようなプレイ前の状況を示す情報には、例えば次回(初回を含む)の対戦(例えば1回戦の初回、或いは1回戦の第3試合等)に使用されるゲーム機4を示す情報(イベント会場EF内におけるその配置位置を示す情報を含む)、次回の対戦が実行されるイベント会場EF(複数存在している場合)を示す情報、或いは次回の対戦開始時間を示す情報等が含まれてよい。つまり、各ゲーム機4は、会場演出の一部として、これらの次回のゲーム機4を示す情報(例えば次回のゲーム機4に番号が付与されている場合はその番号、或いは次回のゲーム機4までのルートを示すマップ等)等がモニタ47に提示されてよい。
【0110】
さらに、例えば、次回のゲーム機4を示す情報が提示される場合等、イベント会場EFに設置される複数のゲーム機4の一部(例えば今回の対戦の勝者のゲーム機4等)だけが会場演出(情報の提示)に使用される場合、そのような一部のゲーム機4がイベント用サービスを通じて特定されてよい。具体的には、例えば、イベントデータEDによって初回の対戦相手、対戦開始時間(及びそれに対応するゲーム機4)等が管理されている場合には、そのようなイベントデータEDに基づく一部のゲーム機4の特定、及びその一部のゲーム機4への制御がイベント用サービスを通じて実現されてよい。同様に、例えば、各ゲーム機4の位置が機器管理データMDによって管理される場合には、そのような機器管理データMDに基づくルートの特定、及びその提示がイベント用サービスを通じて実現されてもよい。あるいは、同様の制御等は、各ゲーム機4が演出機器の一部として位置づけられるように機器制御サービスを通じて実現されてもよい。イベント会場EFが複数存在したり、イベント会場EF内に、複数台で一組となっている多数組のゲーム機4が存在したりする場合、対戦を行うユーザ∪がどこで対戦を行えばよいかわからなくなる可能性がある。このような場合、迷った結果対戦開始時刻に間に合わずに失格となってしまう可能性もある。同様に、観覧者が観覧を所望する対戦がどこで行われているかがわかりにくい場合もある。上述のようなイベント用サービス等により、ユーザ∪や観覧者に対する適切な案内を実現することができる。
【0111】
また、上述の形態のセンターサーバ2の役割(各種処理等)の全部或いは一部を他のシステム(ゲーム機4、コントローラDC、及びブック型のパーソナルコンピュータ5を含む)が実行してもよい。つまり、本発明の演出制御システムは、各種の他のシステムを適宜に含んでいてもよい。一方で、センターサーバ2(他のシステムがセンターサーバ2として機能する場合を含む)のみが本発明の演出制御システムとして機能してもよい。あるいは、各イベント会場EFに設置されたパーソナルコンピュータ5等がローカルサーバとして機能し、センターサーバ2の役割の全部を担ってもよい。つまり、適宜のローカルサーバがセンターサーバ2として機能してもよい。この場合において、そのようなローカルサーバでは、それが設置されるイベント会場EF用にカスタマイズされた演出制御データCD等、つまりそのイベント会場EFに対応する演出制御レコードCDR等のみ(“会場ID”の情報が省略されてもよい)の各種データが使用されてよい(イベント会場EFのコントローラDC等に提供される各種データも同様)。
【0112】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0113】
本発明の演出制御システムは、イベント会場(EF)に設置される演出機器(3)にネットワーク(NT)を介して接続され、前記演出機器の制御を実行するための演出制御データ(CD)に基づいて前記イベント会場における演出を実現するように前記演出機器を制御する演出制御システム(1)であって、前記イベント会場におけるイベントとしてゲーム機(4)が提供するゲームを使用したゲームイベントが提供される場合に、前記ゲームにおいて生じる各プレイ状況に基づく切替条件が満たされるか否か判別する条件判別手段(24)と、前記切替条件が満たされない場合に、前記演出制御データに基づいて前記演出機器を制御する機器制御手段(24)と、前記切替条件が満たされる場合に、前記演出制御データに基づく前記演出機器の制御としての自動制御の代わりに手動による前記演出機器の制御としての手動制御が再開条件が満たされるまで実行されるように、前記演出機器の制御を前記自動制御から前記手動制御に切り替える制御切替手段(24)と、を備えるものである。
【0114】
本発明によれば、演出制御データに基づく演出機器の自動制御が実現される一方で、切替条件が満たされる場合にはそのような自動制御から手動制御に演出機器の制御が切り替えられる。切替条件はプレイ状況に基づく条件である。このため、切替条件を介してプレイ状況を自動制御から手動制御への切替に反映することができる。これにより、ゲームのプレイ状況に応じて自動制御(演出制御データに基づく制御)と手動制御(手動による制御)との間で演出機器の制御を切り替えることができる。
【0115】
切替条件は、プレイ状況に基づく適宜の条件として構成されてよい。例えば、プレイ状況に対応する情報が取得される場合、切替条件はその情報に基づいて満たされるか否か判別される条件として構成されてもよい。あるいは、切替条件は、プレイ状況が反映される他の情報に基づいて満たされるか否か判別する条件として構成されてもよい。つまり、切替条件は、プレイ状況に対応する情報を直接的に使用する条件として構成されてもよいし、他の情報を介して間接的に使用する条件として構成されてもよい。
【0116】
具体的には、例えば、本発明の演出制御システムの一態様として、前記ゲーム機にネットワーク(NT)を介して接続され、前記ゲームの各プレイ状況に応じたプレイ情報を前記ゲーム機から取得する情報取得手段(24)を備え、前記条件判別手段は、前記プレイ情報に基づいて前記切替条件が満たされるか否か判別する態様が採用されてもよい。また、この態様において、前記切替条件は、前記ゲームイベントがイベントスケジュールに含まれる各予定に沿って進行し、かつ前記イベントスケジュールが各プレイ状況に応じた予定としてのプレイ状況予定を含む場合に、当該プレイ状況予定を要件に含み、前記条件判別手段は、前記イベントスケジュールの各予定と現在進行中の予定を特定するための進捗情報とが関連づけられるように記述されたイベントデータ(ED)に基づいて次回のプレイ状況予定が特定のプレイ状況予定に該当する場合に前記切替条件が満たされると判別してもよい。
【0117】
自動制御の再開は適宜に実現されてよい。このため、再開条件として各種の条件が採用されてよい。例えば、再開条件は、イベントの運営者等の各種使用者から再開指示が実行された場合に満たされてもよい。あるいは、例えば、イベントデータを使用する本発明の態様において、前記再開条件は、前記次回のプレイ状況予定が前記自動制御を再開すべき所定のプレイ状況予定に該当する場合に満たされてもよい。この場合、自動制御の再開にもプレイ状況を反映することができる。
【0118】
一方、本発明のコンピュータプログラム(PG1)は、前記演出機器に前記ネットワークを介して接続されるコンピュータ(21)を、上述の演出制御システムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0119】
また、本発明の制御方法は、イベント会場(EF)に設置される演出機器(3)にネットワーク(NT)を介して接続され、前記演出機器の制御を実行するための演出制御データ(CD)に基づいて前記イベント会場における演出を実現するように前記演出機器を制御する演出制御システム(1)に組み込まれるコンピュータ(21)に、前記イベント会場におけるイベントとしてゲーム機(4)が提供するゲームを使用したゲームイベントが提供される場合に、前記ゲームにおいて生じる各プレイ状況に基づく切替条件が満たされるか否か判別する条件判別手順と、前記切替条件が満たされない場合に、前記演出制御データに基づいて前記演出機器を制御する機器制御手順と、前記切替条件が満たされる場合に、前記演出制御データに基づく前記演出機器の制御としての自動制御の代わりに手動による前記演出機器の制御としての手動制御が再開条件が満たされるまで実行されるように、前記演出機器の制御を前記自動制御から前記手動制御に切り替える制御切替手順と、を実行させるものである。これらのコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本発明の演出制御システムを実現することができる。
【0120】
(参考例1)
上述のとおり特許文献1のシステムでは、大型表示装置に表示されるキャラクタを利用したイベントがイベント会場において提供されている。一方で、イベント会場では、ゲーム機が提供するゲームを利用したゲームイベントが提供される場合もある。このようなゲームイベントでは、イベント会場においてゲームのプレイ状況に応じた演出が実行されると盛り上がる場合が多い。このため、ゲームのプレイ状況に応じた演出が実現されるように演出機器が人の手で制御される場合もある。しかし、手間がかかるだけでなく、ミスも生じやすい。このため、同様の制御を自動化するシステムへのニーズがあるが、特許文献1のシステムではこのようなゲームのプレイ状況に応じた演出は考慮されていない。
【0121】
そこで、以下に例示する態は、ゲームのプレイ状況に応じて演出機器の演出を制御することができる演出制御システム等を提供することを目的とする。
【0122】
本参考例の演出制御システムは、イベント会場(EF)に設置される演出機器(3)にネットワーク(NT)を介して接続され、前記イベント会場における演出を実現するように前記演出機器を制御する演出制御システム(1)であって、前記イベント会場におけるイベントとしてゲーム機(4)が提供するゲームを使用したゲームイベントが提供される場合に、前記ゲーム機にネットワーク(NT)を介して接続され、前記演出の基礎となるべき情報として前記ゲームにおいて生じる各プレイ状況に応じた演出情報を含む演出データ(SD)を前記ゲーム機から取得するデータ取得手段(24)と、前記演出情報と前記演出機器が実現可能な複数種類の演出のうち前記演出情報に対応する各プレイ状況において実行されるべき演出としての対応演出とが関連づけられるように記述された演出制御データ(CD)に基づいて、前記演出情報に対応する前記対応演出を判別する演出判別手段(24)と、前記対応演出を実行するように前記演出機器を制御する機器制御手段(24)と、を備えるものである。
【0123】
本参考例によれば、ゲームのプレイ状況に応じた演出情報を含む演出データが取得され、その演出情報に関連づけられる対応演出が演出制御データに基づいて複数の演出から判別される。そして、その対応演出が実現されるように実際に演出機器が制御される。つまり、演出情報を介して演出機器の演出にプレイ状況が反映される。これにより、ゲームのプレイ状況に応じて演出機器の演出を制御することができる。
【0124】
イベント会場の数は適宜でよい。例えば、単数、或いは複数の演出機器が一つのイベント会場にのみ設けられていてもよいし、複数の演出機器が複数のイベント会場に設けられていてもよい。複数の演出機器が複数のイベント会場に設けられる場合において、各イベント会場に一つずつ演出機器が設けられてもよいし、各イベント会場に複数ずつ演出機器が設けられてもよい。結果として、各イベント会場間において演出可能な演出の種類が相違していてもよい。この場合、全イベント会場において共通に実現可能な演出が対応演出として統一的に実現されてもよいし、各イベント会場において異なる演出が実現されてもよい。例えば、本参考例の演出制御システムの一態様において、前記演出制御データには、前記対応演出をそれぞれ実現するための複数の演出機器、及び当該複数の演出機器が設置される複数のイベント会場が存在する場合に、各イベント会場に設置される演出機器に応じて前記対応演出がイベント会場毎に相違するように、各イベント会場を識別するための会場識別情報が更に前記対応演出と関連づけられるように記述され、前記演出判別手段は、前記演出制御データに基づいてイベント会場毎に前記対応演出を判別し、前記機器制御手段は、各イベント会場において各イベント会場に対応する前記対応演出が実行されるように各演出機器を制御してもよい。この場合、各イベント会場に応じた演出を実現することができる。
【0125】
ゲーム機はイベント会場に設置されていてもよいし、それとは別の会場に設置されていてもよい。また、ゲーム機は一台であってもよいし、複数台であってもよい。複数のゲーム機がゲームイベントに利用される場合、それらの一台のゲーム機から演出データが提供され、その一台のゲーム機に対応する演出データに基づいて対応演出が判別されてもよい。あるいは、複数のゲーム機から演出データが提供され、その演出データに基づいて対応演出が判別されてもよい。この場合において、複数のゲーム機にそれぞれ対応する複数の演出データに基づいて一つの対応演出が実行されてもよいし、複数の演出データにそれぞれ対応する複数の対応演出が実行されてもよい。また、一つの対応演出が実行される場合、或いは複数の対応演出が競合等する場合には、対応演出は適宜に調整されてもよい。
【0126】
例えば、イベント会場毎に対応演出が用意される態様において、前記データ取得手段は、前記ゲーム機が複数のゲーム機を含む場合に、前記演出データを前記複数のゲーム機のうちの二以上のゲーム機(4A、4B)から取得し、前記演出判別手段は、前記演出情報に対応する前記対応演出として一つのイベント会場(EF)において前記二以上のゲーム機にそれぞれ対応する複数の対応演出が判別される場合に、当該複数の対応演出を調整後演出に調整し、前記機器制御手段は、前記対応演出として前記調整後演出が実行されるように前記一つのイベント会場に設置された演出機器(3)を制御してもよい。また、この態様において、前記演出判別手段は、前記調整後演出として、前記複数の対応演出が合成された演出、及び前記複数の対応演出を順に実行する演出のいずれか一方を利用してもよい。
【0127】
演出データは適宜に構成されてよい。例えば、演出データは、プログラム用の単なるデータとして構成されてもよいし、簡易的なプログラムとして構成されてもよい。例えば、本参考例の一態様において、前記データ取得手段は、前記ゲーム機から前記演出データとしてスクリプト形式のデータを取得してもよい。この場合、比較的複雑なプレイ状況を演出に反映することができる。
【0128】
一方、本参考例のコンピュータプログラム(PG1)は、前記演出機器、及び前記ゲーム機にネットワーク(NT)を介して接続されるコンピュータ(21)を、上述の演出制御システムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0129】
また、本参考例の制御方法は、イベント会場(EF)に設置される演出機器(3)にネットワーク(NT)を介して接続され、前記イベント会場における演出を実現するように前記演出機器を制御する演出制御システム(1)に組み込まれるコンピュータ(21)に、前記イベント会場におけるイベントとしてゲーム機(4)が提供するゲームを使用したゲームイベントが提供される場合に、前記ゲーム機にネットワーク(NT)を介して接続され、前記演出の基礎となるべき情報として前記ゲームにおいて生じる各プレイ状況に応じた演出情報を含む演出データ(SD)を前記ゲーム機から取得するデータ取得手順と、前記演出情報と前記演出機器が実現可能な複数種類の演出のうち前記演出情報に対応する各プレイ状況において実行されるべき演出としての対応演出とが関連づけられるように記述された演出制御データ(CD)に基づいて、前記演出情報に対応する前記対応演出を判別する演出判別手順と、前記対応演出を実行するように前記演出機器を制御する機器制御手順と、を実行させるものである。これらのコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本発明の演出制御システムを実現することができる。
【0130】
(参考例2)
上述のとおり特許文献1のシステムでは、大型表示装置に表示されるキャラクタを利用したイベントがイベント会場において提供されている。一方で、イベント会場では、ゲーム機が提供するゲームを利用したゲームイベントが提供される場合もある。このようなゲームイベントでは、イベント会場においてゲームのプレイ状況に応じた演出が実行されると盛り上がる場合が多い。このため、ゲームのプレイ状況に応じた演出が実現されるように演出機器が人の手で制御される場合もある。しかし、手間がかかるだけでなく、ミスも生じやすい。このため、同様の制御を自動化するシステムへのニーズがある。さらに、ゲームイベントとして複数のゲーム機が利用される場合があり、イベント会場の演出にはそれらのゲーム機の一部におけるプレイ状況だけが反映されるべき場合もある。特許文献1のシステムでは、このようなゲームのプレイ状況に応じた演出はもちろん、プレイ状況を利用するべき一部のゲーム機の判別は考慮されていない。
【0131】
そこで、以下に例示する態様は、複数のゲームのうちの一部のゲーム機におけるゲームのプレイ状況に応じて演出機器の演出を制御することができる演出制御システム等を提供することを目的とする。
【0132】
本参考例の演出制御システムは、イベント会場(EF)に設置される演出機器(3)にネットワーク(NT)を介して接続され、前記イベント会場における演出を実現するように前記演出機器を制御する演出制御システム(1)であって、前記イベント会場におけるイベントとして複数のゲーム機(4)がそれぞれ提供するゲームを使用したゲームイベントが提供される場合に、前記ゲームイベントに関連して前記イベント会場において生じる各イベント状況に対応する対応情報と各ゲーム機を識別するためのゲーム機識別情報とが関連づけられるように記述された対象識別データ(ED、SD、MD)に基づいて、前記複数のゲーム機のうち各イベント状況に関連する一部のゲーム機(4)を特定する対象特定手段(25)と、前記複数のゲーム機にネットワーク(NT)を介して接続され、前記演出の基礎となるべき情報として前記ゲームにおいて生じる各プレイ状況に応じた演出情報を含む演出データ(SD)を前記一部のゲーム機から取得するデータ取得手段(24)と、前記演出情報に応じた前記演出が実行されるように前記演出機器を制御する機器制御手段(24)と、を備えるものである。
【0133】
本参考例によれば、対象識別データに基づいて複数のゲーム機のうちイベント会場において生じ得る各イベント状況に関連する一部のゲーム機が特定され、その一部のゲーム機からゲームのプレイ状況に応じた演出情報を含む演出データが取得される。そして、その演出情報に応じた演出が実現されるように実際に演出機器が制御される。つまり、各イベント状況に関連する一部のゲーム機が特定され、その一部のゲーム機のプレイ状況が演出情報を介して演出機器の演出に反映される。これにより、複数のゲーム機のうちの一部のゲーム機におけるゲームのプレイ状況に応じて演出機器の演出を制御することができる。なお、一部のゲーム機として二台以上のゲーム機が特定される場合において、それらのゲーム機のプレイ状況に応じた演出は適宜に実現されてよい。例えば、それらのプレイ状況に応じた演出として一つの演出が予め用意されている場合にはその演出が実現されてもよい。あるいは、それらのプレイ状況に応じて複数の演出が競合する場合には、それらが適宜に調整されてもよい。
【0134】
対象識別データには各種の情報が記述されてよく、それに基づいて適宜に一部のゲーム機が特定されてよい。例えば、対象識別データにはゲームに生じ得る各プレイ状況とそのプレイ状況に関連する一部のゲーム機とを関連づける情報が記述され、それに基づいてプレイ状況に応じた一部のゲーム機が特定されてもよい。あるいは、対象識別データには各ゲーム機の位置を特定する情報が記述され、その情報に基づいて例えばカメラの撮影範囲等の所定範囲に位置するゲーム機が一部のゲーム機として特定されてもよい。また、例えば、本参考例の演出制御システムの一態様において、前記対象識別データ(ED)には、前記演出が前記イベントの各予定を管理するためのイベントスケジュールに沿って実行される場合に、前記対応情報として各予定を特定する情報が記述され、前記対象特定手段は、前記対象識別データに基づいて前記イベントの各予定に関連するゲーム機を前記一部のゲーム機として特定してもよい。
【0135】
イベントスケジュールには各種の予定が含まれてよい。例えば、協力型のゲームがプレイされる場合においてそのプレイの開始時期が予定として記述されていてもよい。そして、そのゲームを協力してプレイする複数のゲーム機が一部のゲーム機として特定されてもよい。あるいは、対応情報としてイベントスケジュールの各予定が利用される態様において、前記イベントスケジュールは、前記ゲームとして二台のゲーム機間において対戦する対戦型のゲームが提供される場合に、各予定として前記二台のゲーム機(4)の対戦予定を含み、前記対象特定手段は、前記対戦予定に基づいて前記二台のゲーム機を前記一部のゲーム機として特定してもよい。
【0136】
イベント会場の数は適宜でよい。例えば、単数、或いは複数の演出機器が一つのイベント会場にのみ設けられていてもよいし、複数の演出機器が複数のイベント会場に設けられていてもよい。複数の演出機器が複数のイベント会場に設けられる場合において、各イベント会場に一つずつ演出機器が設けられてもよいし、各イベント会場に複数ずつ演出機器が設けられてもよい。結果として、各イベント会場間において演出可能な演出の種類が相違していてもよい。この場合、全イベント会場において共通に実現可能な演出が対応演出として統一的に実現されてもよいし、各イベント会場において異なる演出が実現されてもよい。例えば、本参考例の演出制御システムの一態様において、前記対象識別データには、前記演出をそれぞれ実現する複数の演出機器、及び当該複数の演出機器が設置される複数のイベント会場が存在する場合に、当該複数のイベント会場をそれぞれ識別するための会場識別情報が更に前記対応情報と関連づけられるように記述され、前記対象特定手段は、前記会場識別情報に基づいて各イベント状況に関連するイベント会場を更に特定してもよい。
【0137】
一方、本参考例のコンピュータプログラム(PG1)は、前記演出機器、及び前記ゲーム機にネットワーク(NT)を介して接続されるコンピュータ(21)を、上述の演出制御システムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0138】
また、本参考例の制御方法は、イベント会場(EF)に設置される演出機器(3)にネットワーク(NT)を介して接続され、前記イベント会場における演出を実現するように前記演出機器を制御する演出制御システム(1)に組み込まれるコンピュータ(21)に、前記イベント会場におけるイベントとして複数のゲーム機(4)がそれぞれ提供するゲームを使用したゲームイベントが提供される場合に、前記ゲームイベントに関連して前記イベント会場において生じる各イベント状況に対応する対応情報と各ゲーム機を識別するためのゲーム機識別情報とが関連づけられるように記述された対象識別データ(ED、SD、MD)に基づいて、前記複数のゲーム機のうち各イベント状況に関連する一部のゲーム機(4)を特定する対象特定手順と、前記複数のゲーム機にネットワーク(NT)を介して接続され、前記演出の基礎となるべき情報として前記ゲームにおいて生じる各プレイ状況に応じた演出情報を含む演出データ(SD)を前記一部のゲーム機から取得するデータ取得手順と、前記演出情報に応じた前記演出が実行されるように前記演出機器を制御する機器制御手順と、を実行させるものである。これらのコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本参考例の演出制御システムを実現することができる。
【符号の説明】
【0139】
1 演出制御システム
2 センターサーバ
3 演出機器
4 ゲーム機
21 制御ユニット(コンピュータ)
24 機器用サービス管理部(データ取得手段、演出判別手段、機器制御手段、条件判別手段、制御切替手段、情報取得手段)
25 ゲーム機用サービス管理部(対象特定手段)
CD 演出制御データ
ED イベントデータ
MD 機器管理データ
SD 演出データ
EF イベント会場
NT ネットワーク
PG1 プログラム(コンピュータプログラム)