(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061922
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】サーバ、プログラム及び注文仲介方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20240430BHJP
【FI】
G06Q30/06 312
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166192
(22)【出願日】2022-10-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】306022513
【氏名又は名称】日鉄エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100217249
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 耕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221279
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健吾
(74)【代理人】
【識別番号】100207686
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 恭宏
(74)【代理人】
【識別番号】100224812
【弁理士】
【氏名又は名称】井口 翔太
(72)【発明者】
【氏名】脇田 直弥
(72)【発明者】
【氏名】松岡 祐一
(72)【発明者】
【氏名】佐野 慎
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 俊志
(72)【発明者】
【氏名】眞鍋 光弘
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB53
5L049BB53
(57)【要約】
【課題】鉄骨の注文者とファブリケータとを仲介する。
【解決手段】特徴情報取得部は、注文情報に対応する鉄骨が用いられる案件の特徴を示す案件特徴情報と、各ファブリケータの特徴を示すファブ特徴情報と、を取得する。選択部は、各ファブリケータの中から複数の募集ファブリケータを、各ファブリケータの所在地によらずに選択する。注文情報送信部は、複数の募集ファブリケータに注文情報を送信する。受注情報受信部は、注文情報が示す注文を受けることを示す受注情報を、複数の募集ファブリケータの一部である複数の候補ファブリケータから受信する。候補提示部は、各候補ファブリケータを示す候補ファブリケータ情報の少なくとも一部を注文者に提示する。サーバは、選択部が特徴情報取得部の処理の結果に基づき上記の選択する処理と、候補提示部が特徴情報取得部の処理の結果に基づき上記の提示する処理と、のうち少なくとも一方の処理を行う。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄骨を注文する注文者及び鉄骨を製造する複数のファブリケータと、ネットワーク経由で通信するサーバであって、
前記注文者から鉄骨の注文を示す注文情報を受信する注文情報受信部と、
前記注文情報に対応する鉄骨が用いられる案件の特徴を示す案件特徴情報と、前記複数のファブリケータのそれぞれの特徴を示すファブ特徴情報と、を取得する特徴情報取得部と、
前記複数のファブリケータの中から複数の募集ファブリケータを、前記複数のファブリケータのそれぞれの所在地によらずに選択する選択部と、
前記選択部により選択される前記複数の募集ファブリケータに前記注文情報を送信する注文情報送信部と、
前記注文情報が示す注文を受けることを示す受注情報を、前記複数の募集ファブリケータの一部である複数の候補ファブリケータから受信する受注情報受信部と、
前記複数の候補ファブリケータのそれぞれを示す複数の候補ファブリケータ情報の少なくとも一部を前記注文者に提示する候補提示部と、
を備え、
前記選択部が前記特徴情報取得部の処理の結果に基づき前記複数の募集ファブリケータを選択する処理と、前記候補提示部が前記特徴情報取得部の処理の結果に基づき前記一部を前記注文者に提示する処理と、のうち少なくとも一方の処理を行う、
ことを特徴とするサーバ。
【請求項2】
前記案件特徴情報は、前記複数のファブリケータの能力であって前記案件の建築に求められる能力を示す案件能力情報を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記案件特徴情報は、前記鉄骨の用途に関する案件用途情報を含む、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記ファブ特徴情報は、前記案件が建築されるエリアであって前記複数のファブリケータのそれぞれが対応可能なエリアを示すファブエリア情報を含む、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のサーバ。
【請求項5】
前記ファブ特徴情報は、前記複数のファブリケータのそれぞれのファブ評価情報を含む、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のサーバ。
【請求項6】
前記案件特徴情報及び前記ファブ特徴情報を表示部に表示させる表示制御部、
を更に備えることを特徴とする請求項1または2に記載のサーバ。
【請求項7】
前記候補ファブリケータに関する候補ファブリケータ情報と、前記案件特徴情報と、前記ファブ特徴情報とを関連付けて表示部に表示させる表示制御部、
を更に備えることを特徴とする請求項1または2に記載のサーバ。
【請求項8】
前記案件特徴情報と前記ファブ特徴情報とに基づき、前記案件と前記複数のファブリケータのそれぞれの相性の程度を示すマッチングポイントを算出する算出部と、
前記算出部により算出されるマッチングポイントのそれぞれと、前記複数のファブリケータのそれぞれと、を関連付けて表示部に表示させる表示制御部、
を更に備えることを特徴とする請求項1または2に記載のサーバ。
【請求項9】
鉄骨を注文する注文者及び鉄骨を製造する複数のファブリケータと、ネットワーク経由で通信するサーバのコンピュータを、
前記注文者から鉄骨の注文を示す注文情報を受信する注文情報受信部、
前記注文情報に対応する鉄骨が用いられる案件の特徴を示す案件特徴情報と、前記複数のファブリケータのそれぞれの特徴を示すファブ特徴情報と、を取得する特徴情報取得部、
前記複数のファブリケータの中から複数の募集ファブリケータを、前記複数のファブリケータのそれぞれの所在地によらずに選択する選択部、
前記選択部により選択される前記複数の募集ファブリケータに前記注文情報を送信する注文情報送信部、
前記注文情報が示す注文を受けることを示す受注情報を、前記複数の募集ファブリケータの一部である複数の候補ファブリケータから受信する受注情報受信部、
前記複数の候補ファブリケータのそれぞれを示す複数の候補ファブリケータ情報の少なくとも一部を前記注文者に提示する候補提示部、
として機能させ、
前記選択部が前記特徴情報取得部の処理の結果に基づき前記複数の募集ファブリケータを選択する処理と、前記候補提示部が前記特徴情報取得部の処理の結果に基づき前記一部を前記注文者に提示する処理と、のうち少なくとも一方の処理を行う、
プログラム。
【請求項10】
鉄骨を注文する注文者と鉄骨を製造する複数のファブリケータとの仲介をするコンピュータの注文仲介方法であって、
前記コンピュータが、
前記注文者から鉄骨の注文を示す注文情報を受信する注文情報受信ステップと、
前記注文情報に対応する鉄骨が用いられる案件の特徴を示す案件特徴情報と、前記複数のファブリケータのそれぞれの特徴を示すファブ特徴情報と、を取得する特徴情報取得ステップと、
前記複数のファブリケータの中から複数の募集ファブリケータを、前記複数のファブリケータのそれぞれの所在地によらずに選択する選択ステップと、
前記選択ステップにおいて選択される前記複数の募集ファブリケータに前記注文情報を送信する注文情報送信ステップと、
前記注文情報が示す注文を受けることを示す受注情報を、前記複数の募集ファブリケータの一部である複数の候補ファブリケータから受信する受注情報受信ステップと、
前記複数の候補ファブリケータのそれぞれを示す複数の候補ファブリケータ情報の少なくとも一部を前記注文者に提示する候補提示ステップと、
を含む処理を実行し、
前記選択ステップにおいて前記特徴情報取得ステップの処理の結果に基づき前記複数の募集ファブリケータを選択する処理と、前記候補提示ステップにおいて前記特徴情報取得ステップの処理の結果に基づき前記一部を前記注文者に提示する処理と、のうち少なくとも一方の処理を行う、
注文仲介方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ、プログラム及び注文仲介方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゼネコンなどの建設会社は、建築に用いる鉄骨を調達するにあたって、ファブリケータに鉄骨の製造を依頼する。鉄骨の製造の依頼は、通常、見積もりのために正式図面ができる前になされるため、ファブリケータは依頼内容に基づいて予め将来の製造スケジュールを確保しておく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、建築プロジェクトの遅延等によって製造スケジュールの変更が頻繁に生じるため、ファブリケータには繁忙期と閑散期とが生じやすい。また、建設会社は、地場コミュニティのファブリケータが製造スケジュールを確保できない場合に、依頼先のファブリケータを探すことが困難である。
本発明の目的は、鉄骨の注文者とファブリケータとを仲介することができるサーバ、プログラム及び注文仲介方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、サーバは、鉄骨を注文する注文者及び鉄骨を製造する複数のファブリケータと、ネットワーク経由で通信するサーバであって、前記注文者から鉄骨の注文を示す注文情報を受信する注文情報受信部と、前記注文情報に対応する鉄骨が用いられる案件の特徴を示す案件特徴情報と、前記複数のファブリケータのそれぞれの特徴を示すファブ特徴情報と、を取得する特徴情報取得部と、前記複数のファブリケータの中から複数の募集ファブリケータを、前記複数のファブリケータのそれぞれの所在地によらずに選択する選択部と、前記選択部により選択される前記複数の募集ファブリケータに前記注文情報を送信する注文情報送信部と、前記注文情報が示す注文を受けることを示す受注情報を、前記複数の募集ファブリケータの一部である複数の候補ファブリケータから受信する受注情報受信部と、前記複数の候補ファブリケータのそれぞれを示す複数の候補ファブリケータ情報の少なくとも一部を前記注文者に提示する候補提示部と、を備え、前記選択部が前記特徴情報取得部の処理の結果に基づき前記複数の募集ファブリケータを選択する処理と、前記候補提示部が前記特徴情報取得部の処理の結果に基づき前記一部を前記注文者に提示する処理と、のうち少なくとも一方の処理を行う。
【発明の効果】
【0006】
上記態様によれば、鉄骨の注文者とファブリケータとを仲介することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施形態に係る鉄骨注文システムを示す概略図である。
【
図2】第1の実施形態に係る鉄骨注文システムによる仲介の流れを示す概略シーケンス図である。
【
図3】第1の実施形態に係るサーバの構成を示すブロック図である。
【
図4】第1の実施形態に係る注文情報入力画面の一例を示す図である。
【
図5】第1の実施形態に係る相見積画面の例を示す図である。
【
図6】第1の実施形態に係る端末装置の構成を示すブロック図である。
【
図7】第1の実施形態に係るサーバの動作を示す第1のフローチャートである。
【
図8】第1の実施形態に係るサーバの動作を示す第2のフローチャートである。
【
図9】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【
図10】第2の実施形態に係るサーバ100の構成を示すブロック図である。
【
図13】第2の実施形態に係る相見積画面の例を示す図である。
【
図14】注文者端末200Aに表示される見積確認画面の例を示す図である。
【
図15】第2の実施形態に係るサーバ100の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〈第1の実施形態〉
《鉄骨注文システム1の構成》
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
図1は、第1の実施形態に係る鉄骨注文システム1を示す概略図である。
鉄骨注文システム1は、建設会社や商社などの鉄骨の注文者と、鉄骨を製造するファブリケータとの小ロットの鉄骨の取引の仲介を行う。小ロットの鉄骨とは、300トン未満の鉄骨をいう。鉄骨注文システム1は、サーバ100と、複数の注文者端末200Aと、複数のファブリケータ端末200Bとを備える。サーバ100は、プラットフォーマによって運営される。注文者端末200Aは、注文者が保有し、注文者によって操作される端末装置200である。ファブリケータ端末200Bは、ファブリケータが保有し、ファブリケータによって操作される端末装置200である。サーバ100は、ネットワーク経由で注文者端末200A及びファブリケータ端末200Bと通信する。鉄骨注文システム1は、所在地によらず、注文者及びファブリケータの登録を受け付ける。つまり、鉄骨注文システム1は、広域(例えば、全国)のファブリケータ及び広域(例えば、全国)の注文者を対象に仲介を行う。
【0009】
《仲介手順の概略》
図2は、第1の実施形態に係る鉄骨注文システム1による仲介の流れを示す概略シーケンス図である。
注文者は、注文者端末200Aを操作し、サーバ100に鉄骨の注文情報を送信する(ステップS1)。注文情報には、少なくとも鉄骨の数量計算に用いる図面と見積条件とが含まれる。初回の注文情報の送信は、通常、建築物の依頼者との金額交渉に用いる見積書を作成するために、建築物の依頼を受注する前に行われる。したがって、初回の注文情報に含まれる図面は、通常、概算図面である。
【0010】
サーバ100は、注文情報を受信すると、注文情報に含まれる図面と見積条件とに基づいて鉄骨の数量と単価を計算し、注文情報に係る鉄骨の料金を示す見積情報を生成する(ステップS2)。サーバ100は、生成した見積情報を注文者端末200Aに送信する(ステップS3)。つまり、概算図面に基づく見積情報の作成はサーバ100によってなされるため、ファブリケータは概算図面に基づく見積情報の作成を行わなくてよい。注文者は、契約するファブリケータを決定することなく見積情報を得ることができるため、ファブリケータの選択の自由を確保することができる。また、注文情報に含まれる図面が概算図面である場合、サーバ100は、当該注文情報をファブリケータに提示しない。これにより、ファブリケータは事前に不確定なスケジュールを確保しておく必要がない。
【0011】
注文者は、図面を更新するたびに、注文者端末200Aを操作して注文情報を更新し、サーバ100に送信する(ステップS4)。サーバ100は、受信した注文情報に基づいて見積情報を生成し(ステップS5)、注文者端末200Aに送信する(ステップS6)。なお、サーバ100は、注文者端末200Aへ見積情報を送信するたびに、注文者に対して見積情報の生成に係る手数料を課金する。その後、注文者が依頼者から建築物の依頼を受注し、正式図面が完成すると、注文者は、注文者端末200Aを操作し、正式図面を含む注文情報をサーバ100に送信する(ステップS7)。
【0012】
サーバ100は、注文情報を受信すると、注文情報に含まれる図面と見積条件とに基づいて鉄骨の数量と単価を計算し、注文情報に係る鉄骨の料金を示す見積情報を生成する(ステップS8)。次に、サーバ100は、受信した注文情報及び生成した見積情報を、予め登録されたファブリケータに提示する(ステップS9)。ファブリケータは、鉄骨注文システム1に登録するために年会費を支払う必要がある。ファブリケータは、ファブリケータ端末200Bを操作し、サーバ100にアクセスすることで、注文情報及び見積情報を閲覧することができる。
【0013】
ファブリケータは、提示された注文情報及び見積情報に基づいて当該注文の受注を希望するか否かを決定する。ファブリケータは、受注しない場合、当該見積情報に対するアクションをせず放置する。他方、ファブリケータは、受注を希望する場合、ファブリケータ端末200Bを操作し、提示された見積情報に含まれる単価をファブリケータが希望する単価に修正し(ステップS10)、修正された見積情報を含む受注情報をサーバ100に送信する(ステップS11)。つまり、ファブリケータは、図面から鉄骨の数量を計算する必要がなく、鉄骨の単価を修正するだけで見積情報を生成することができる。したがって、ファブリケータは、当該注文情報に対する受注を逸したとしても、発生する作業が少ないため、鉄骨注文システム1の利用に対するデメリットが少ない。なお、小ロットの鉄骨の取引においては、材料費に対する人件費等の割合が大きくなるため、鉄骨の単価はファブリケータによってばらつきが生じやすい。
【0014】
サーバ100は、複数のファブリケータ(候補ファブリケータ)から受注情報を受信すると、受注情報を受信したファブリケータの中から、評価がよいファブリケータ、建築現場に所在地が近いファブリケータ及び見積額が安いファブリケータを、注文者に推薦するファブリケータとして抽出する(ステップS12)。サーバ100は、抽出したファブリケータの受注情報を、当該ファブリケータの評価とともに注文者端末200Aに提示する(ステップS13)。
【0015】
注文者は、提示された情報に基づいて鉄骨を注文するファブリケータ(契約ファブリケータ)を決定する。注文者は、注文者端末200Aを操作し、注文先に決定したファブリケータをサーバ100に通知する(ステップS14)。サーバ100は、注文先に決定されたファブリケータのファブリケータ端末200Bに注文の確定を通知する(ステップS15)。このときサーバ100は、注文者及びファブリケータに対して、プラットフォーマが提供する保証契約を提示し、当該保証契約を締結するか否かの入力を受け付ける。サーバ100は、注文先の決定に伴い、発注者に仲介手数料を課金する。
【0016】
ファブリケータは、正式図面の完成後に注文を受注できるため、概算図面時点で受注する場合と比較して、受注から鉄骨の製造開始までの期間を短くすることができる。したがって、ファブリケータは、スケジュールの揺らぎを抑えることができる。またファブリケータは、閑散期に、すぐに着手可能な鉄骨の製造注文を受け入れることができる。
その後、ファブリケータによる鉄骨の納品が完了すると、サーバ100はファブリケータ端末200Bから必要に応じて料金の精算情報を受信し(ステップS16)、精算情報を注文者端末200Aに送信する(ステップS17)。これにより、注文者とファブリケータとの間で鉄骨の商取引が成立する。なお、鉄骨の所有権は、ファブリケータと注文者との間で直接的に受け渡され、サーバ100を運営するプラットフォーマは、ファブリケータから鉄骨の所有権を譲り受けない。取引の完結後、サーバ100は、注文者端末200Aからファブリケータの評価を示す個別評価情報を受信し、またファブリケータ端末200Bから注文者の評価を示す個別評価情報を受信する(ステップS18)。これにより、サーバ100は、注文者及びファブリケータの評価情報を更新する。
【0017】
このように、第1の実施形態に係る鉄骨注文システム1によれば、注文の受注から製作開始までの期間が短いため、ファブリケータは閑散期の発生を抑えることができる。また鉄骨注文システム1によれば、注文者は広域(例えば、全国)のファブリケータの中から注文先のファブリケータを容易に選定することができる。
【0018】
《サーバ100の構成》
以下、鉄骨注文システム1の詳細な構成について説明する。
図3は、第1の実施形態に係るサーバ100の構成を示すブロック図である。サーバ100は、登録受付部101、ユーザデータベース102、支払確認部103、設定部104、請求部105、注文情報受信部106、算出部107、概算見積送信部108、注文情報送信部109、受注情報受信部110、候補提示部111、候補選択部112、契約提示部113、通知部114、精算処理部115、評価受付部116を備える。
【0019】
登録受付部101は、注文者端末200A及びファブリケータ端末200Bから鉄骨注文システム1の利用登録を受け付ける。例えば、登録受付部101は、法人名、所在地、担当者名、注文者かファブリケータかの区分、口座情報、メールアドレス、パスワードを含む利用登録情報の入力を受け付ける。登録受付部101は、入力された利用登録情報をユーザデータベース102に記録する。口座情報は、クレジットカード、銀行、決済サービスなどの口座を示すものであってよい。なお、登録受付部101は、利用登録情報の入力画面などに、鉄骨注文システム1の利用ルールを表示させる。利用ルールは、例えば鉄骨の精算のルールや、問題解決のルールなどが挙げられる。鉄骨の精算のルールは、例えば、概算見積に係る鉄骨数量と実績数量の誤差が所定値を超える場合に精算を受け付け、誤差が所定値を超えない場合に精算を受け付けないことなどが挙げられる。
【0020】
ユーザデータベース102は、利用登録情報と、当該利用登録情報に係る利用者の登録状態と、評価情報と、入金状態とを関連付けて記憶する。登録状態は、未登録及び登録の何れかの値をとる。例えば、サーバ100を運営するプラットフォーマは利用者の登録時に当該利用者の調査を行い、当該利用者を評価し、評価結果を示す評価情報をユーザデータベース102に記録する。評価情報は、例えば5段階評価を示す数値によって表されてよい。また評価情報は、利用者の特徴を説明する文字列を含んでいてもよい。入金状態は、利用者による年会費の入金がなされているか否かを示す。なお、注文者は、利用登録情報の入力の後、プラットフォーマによって確認がなされることによって登録される。他方、ファブリケータは、利用登録情報の入力の後、プラットフォーマによる確認がなされ、かつ年会費が支払われることによって登録となる。注文者は年会費の支払いを行わないため、注文者に係る入金状態はNULLであってよい。
【0021】
請求部105は、鉄骨注文システム1の利用者に利用料金を請求する。
具体的には、請求部105は、利用登録情報がユーザデータベース102に登録されたファブリケータに、年会費を請求する。また、請求部105は、概算見積送信部108が注文者に概算見積情報を送信したときに、当該注文者に概算見積書の作成手数料を請求する。また、請求部105は、注文者が鉄骨の注文するファブリケータを決定したときに、当該注文者に紹介手数料を請求する。また、請求部105は、ユーザが契約提示部113によって提示された保証契約を締結したときに、ユーザに保証料を請求する。
請求部105は、例えば、ユーザデータベース102に記録された口座情報に基づいて課金情報を生成し、請求処理を実行する。
【0022】
支払確認部103は、ファブリケータによる年会費の支払いがなされたか否かを判定する。すなわち、支払確認部103は、利用登録情報が示す口座情報が示す口座からの入金の有無を判定する。支払確認部103は、入金の判定結果に基づいてユーザデータベース102が記憶する入金状態を更新する。支払確認部103は、ファブリケータによる年会費の支払いがなされていない場合に、ユーザデータベース102の登録状態を未登録に書き換える。
【0023】
設定部104は、注文者端末200Aからのアクセスに応じて、注文者端末200Aに鉄骨の注文情報の入力画面を表示させる。
図4は、第1の実施形態に係る注文情報入力画面の一例を示す図である。入力画面には、プロジェクト名、建設地の所在地、工期、建方開始日、受注条件、見積条件、図面、及び当該図面が概算図面であるか正式図面であるかの区分を入力するための入力フォームが含まれる。見積条件は、例えば作図条件、材料条件、加工条件、防錆条件、評価管理条件、現場対応条件、書類条件などを含む。作図条件の例としては、工作図の作成の要否、合番図の作成の要否、仮設図面の作成の要否などが挙げられる。材料条件の例としては、鉄骨部材の種類、材料調達の要否、メーカー指定の有無などが挙げられる。加工条件の例としては、機械加工の有無、埋込金物の有無、曲げ加工の有無などが挙げられる。防錆条件の例としては、下地処理の種類、下塗りの有無、特殊塗装の有無などが挙げられる。評価管理条件の例としては、各種立合検査の要否などが挙げられる。現場対応条件の例としては、合番の要否、鳶作業の要否、鍛冶作業の要否などが挙げられる。書類条件の例としては、各種要領書、計画書、報告書の要否などが挙げられる。見積条件は、例えばチェックボックスやプルダウンメニューによって選択可能に表示されてよい。受注条件は、鉄骨の作成を受注可能なファブリケータの条件を示す。受注条件は、例えばファブリケータのグレードや評価などを表す。また見積条件は、チャットボット等による対話型の入力システムによって入力されてよい。
図面は、ビットマップデータやベクタデータで表された二次元の図面であってもよいし、CAD(Computer Aided Design)データやBIM(Building Information Modeling)データによって表された三次元の図面であってもよい。
【0024】
注文情報受信部106は、注文者端末200Aによって入力された注文情報を受信する。なお、注文情報受信部106は、注文情報に含まれる概算図面であるか正式図面であるかの区分が正式図面であることを示す場合、注文が確定されたものとして扱う。つまり、注文情報受信部106は、注文者から注文情報の確定を受け付ける確定部の一例である。
【0025】
算出部107は、注文情報に含まれる図面及び見積条件に基づいて、鉄骨の種類別の数量及び単価を算出する。例えば、算出部107は、以下の手順で鉄骨の種類別の数量及び単価を算出する。
算出部107は、図面から詳細部分を推定し、推定された詳細部分に基づいて鉄骨の種類別の数量を算出する。算出部107は、例えば図面及び見積条件に含まれる材料条件を入力とし、種類別の数量を出力とするモデルによって、鉄骨の種類別の数量を算出する。算出部107は、決定した鉄骨の種類別の数量に基づいて鉄骨の溶接量を推定する。算出部107は、推定した溶接量と1ピースあたりの鉄骨の重量と加工条件とから鉄骨の加工難度を推定する。算出部107は、鉄骨の市況価格と加工難度と見積条件とに基づいて鉄骨の種類別の単価を算出する。
概算見積送信部108は、算出部107が算出した鉄骨の種類別の数量及び単価に基づく概算見積情報を生成し、注文情報を送信した注文者端末200Aに送信する。
【0026】
注文情報送信部109は、注文情報に含まれる図面の区分が正式図面である場合に、当該注文情報、及び算出部107が算出した鉄骨の種類別の数量及び単価を示す概算見積情報を、ユーザデータベース102が記憶するファブリケータ宛に送信する。概算見積情報は、例えばCSVデータによって表される。例えば、注文情報送信部109は、ファブリケータのメールアドレスに注文情報を添付した電子メールを送信してもよいし、注文情報の閲覧画面へアクセスするためのURLが記載された電子メールをファブリケータのメールアドレスに送信してもよい。また、注文情報送信部109は、ファブリケータ端末200Bがサーバ100にアクセスしたときに、注文情報の閲覧画面をファブリケータ端末200Bに送信してもよい。
【0027】
受注情報受信部110は、ファブリケータ端末200Bから注文情報が示す鉄骨の注文の受注を希望する受注情報を受信する。受注情報には、正式見積情報が含まれる。正式見積情報は、注文情報送信部109が送信した概算見積情報のうち単価部分をファブリケータにて書き換えたデータである。つまり、正式見積情報は、算出部107が算出した単価を補正するための単価補正情報の一例である。また正式見積情報は、鉄骨の受注価格を示す受注価格情報の一例である。なお、受注情報は必ずしもすべてのファブリケータから受信されない。例えば繁忙期のために受注できないファブリケータは受注情報を送信しない。以下、受注情報を送信したファブリケータを候補ファブリケータともいう。
【0028】
候補提示部111は、受注情報受信部110が受信した受注情報が一定数に達したときに、又は注文情報を受信してから一定期間が経過したときに、受信した複数の受注情報と、ユーザデータベース102が記憶する情報とに基づいて、複数の候補ファブリケータの中から3つの推薦ファブリケータを抽出する。例えば、候補提示部111は、以下の手順で推薦ファブリケータを抽出する。
候補提示部111は、受注情報に含まれる正式見積情報が示す受注価格、ファブリケータの所在地から建築現場までの距離、及びファブリケータの評価のそれぞれをスコアに変換する。スコアは受注価格が安いほど高く、所在地から建築現場までの距離が短いほど高く、ファブリケータの評価が高いほど高い値である。スコアは例えば候補ファブリケータを母集団とする標準偏差によって求めてよい。候補提示部111は、スコアの合計値が所定の閾値以上である候補ファブリケータ、またはスコアが上位の所定数以内の候補ファブリケータの中から、受注価格のスコアが最も高いもの、距離のスコアが最も高いもの、及び評価のスコアが最も高いものを、それぞれ推薦ファブリケータとして抽出する。
つまり、候補提示部111は、複数の候補ファブリケータ情報のうち、他の候補ファブリケータより所在地が建築現場に近い候補ファブリケータに係る候補ファブリケータ情報、他の候補ファブリケータよりも受注価格が安い候補ファブリケータに係る候補ファブリケータ情報、及び他の候補ファブリケータよりも評価が高い候補ファブリケータに係る候補ファブリケータ情報を、抽出する。
【0029】
候補提示部111は、抽出した推薦ファブリケータに係る受注情報及び評価情報を、比較可能に提示する相見積画面を注文者端末200Aに送信する。
図5は、第1の実施形態に係る相見積画面の例を示す図である。
図5に示すように、相見積画面には、3つの推薦ファブリケータの所在地、評価及び受注価格が並べて表示される。また受注価格は、項目ごとに3つの推薦ファブリケータが提示する単価及び金額が並べて表示される。
【0030】
候補選択部112は、注文者端末200Aから、3つの推薦ファブリケータのうち鉄骨を注文する契約ファブリケータの選択を受け付ける。注文者端末200Aは、
図5に示す相見積画面において、所望のファブリケータに関連付けられた発注ボタンを押下することで、契約ファブリケータを選択する。
【0031】
通知部114は、各候補ファブリケータに、鉄骨の注文の受注の可否を通知する。具体的には、通知部114は、候補提示部111が3つの推薦ファブリケータを抽出したときに、抽出されなかった候補ファブリケータに、注文を受注できない旨を通知する。また通知部114は、候補選択部112が契約ファブリケータの選択を受け付けたときに、選択されなかった推薦ファブリケータに、注文を受注できない旨を通知する。また通知部114は、候補選択部112が契約ファブリケータの選択を受け付けたときに、推薦ファブリケータに、注文を受注した旨を通知する。
【0032】
契約提示部113は、候補選択部112によって契約ファブリケータが選択された場合に、注文者及び契約ファブリケータに、注文に関する保証契約情報を提示する。保証契約は、注文者または契約ファブリケータであるユーザとプラットフォーマとの間で締結される契約であって、ユーザ間で債務の支払いがなされないときにプラットフォーマが支払いの義務を負う契約である。契約提示部113は、ユーザから提示した補償契約情報が示す保証契約を締結するか否かを受け付ける。
【0033】
精算処理部115は、ファブリケータ端末200Bから製作した鉄骨の実績数量を示す実績情報を受信する。精算処理部115は、実績情報が示す実績数量と算出部107が算出した数量との誤差が所定値を超える場合に、ファブリケータ端末200Bから精算後の料金を示す精算情報の入力を受け付ける。他方、精算処理部115は、実績情報が示す実績数量と算出部107が算出した数量との誤差が所定値を超えない場合に精算情報を受け付けない。
【0034】
評価受付部116は、注文者から契約ファブリケータの評価を示す個別評価情報の入力を受け付ける。また評価受付部116は、契約ファブリケータから注文者の評価を示す個別評価情報の入力を受け付ける。個別評価情報は、例えば5段階評価を示す数値によって表されてよい。また評価情報は、利用者の特徴を説明する文字列を含んでいてもよい。評価受付部116は、受信した個別評価情報に基づいてユーザデータベース102が記憶する評価情報を更新する。例えば、評価受付部116は、個別評価情報が示す数値の平均値を求めることで評価情報を更新する。また例えば、評価受付部116は、個別評価情報に含まれる文字列を、評価情報に係る文字列に追記する。
【0035】
《端末装置200の構成》
図6は、第1の実施形態に係る端末装置の構成を示すブロック図である。注文者端末200A及びファブリケータ端末200Bは、サーバ100と通信する端末装置200である。端末装置200は、受信部201、表示制御部202、入力部203、送信部204を備える。受信部201は、サーバ100からデータを受信する。表示制御部202は、受信部201がサーバ100から受信した情報をLCDパネルやタッチパネルなどの表示装置に表示させる。入力部203は、キーボード、マウス、タッチパネルなどの入力装置を介して、ユーザによる入力操作を受け付ける。送信部204は、入力部203に入力されたデータをサーバ100に送信する。
【0036】
《鉄骨注文システム1の動作》
図7は、第1の実施形態に係るサーバ100の動作を示す第1のフローチャートである。
図8は、第1の実施形態に係るサーバ100の動作を示す第2のフローチャートである。注文者が注文者端末200Aを操作し、サーバ100にアクセスすると、設定部104は、注文情報の入力画面データを生成し、注文者端末200Aに送信する(ステップS101)。注文者端末200Aの受信部201がサーバ100から注文情報の入力画面データを受信すると、表示制御部202は表示装置に
図4に示すような注文情報の入力画面を表示させる。注文者端末200Aの入力部203は注文者から注文情報の入力を受け付ける。注文者の操作によって入力画面の見積依頼ボタンが押下されると、注文者端末200Aの送信部204は注文情報をサーバ100に送信する。
【0037】
サーバ100の注文情報受信部106は、注文情報を受信すると(ステップS102)、注文情報に含まれる概算図面であるか正式図面であるかの区分が正式図面であることを示すか否かを判定する(ステップS103)。
【0038】
区分が概算図面を示す場合(ステップS103:NO)、算出部107は、ステップS102で受信した注文情報に含まれる図面及び見積条件に基づいて、鉄骨の種類別の数量及び単価を算出する(ステップS104)。概算見積送信部108は、ステップS104で算出した鉄骨の種類別の数量及び単価に基づく概算見積情報を生成する(ステップS105)。概算見積送信部108は、生成した概算見積情報を、注文者端末200Aに送信する(ステップS106)。このとき、請求部105は、ユーザデータベース102から注文者の口座情報を読み出し、当該口座情報に基づいて見積情報の生成に係る手数料の請求処理を行う(ステップS107)。
【0039】
注文者端末200Aの受信部201がサーバ100から概算見積情報を受信すると、表示制御部202は受信した概算見積情報を表示装置に表示させる。これにより、注文者は、ファブリケータを選定することなく鉄骨の概算見積を得ることができる。なお、注文情報の区分が概算図面を示す場合、サーバ100は、ファブリケータ端末200Bに注文情報を提示しない。
【0040】
他方、注文情報の区分が正式図面を示す場合(ステップS103:YES)、算出部107は、ステップS102で受信した注文情報に含まれる図面及び見積条件に基づいて、鉄骨の種類別の数量及び単価を算出する(ステップS108)。注文情報送信部109は、ステップS108で算出した鉄骨の種類別の数量及び単価に基づく概算見積情報を生成する(ステップS109)。注文情報送信部109は、生成した概算見積情報と、ステップS102で受信した注文情報と、注文者の評価情報とを、ユーザデータベース102において登録状態が登録を示し、かつ注文情報に含まれる受注条件を満たすファブリケータに送信する(ステップS110)。このとき、注文情報送信部109は、さらに正式図面に基づいて生成された工作図を、注文情報とともにファブリケータに送信してもよい。例えば、サーバ100は、プラットフォーマが作成した工作図のアップロードを受け付け、アップロードされた工作図をファブリケータに送信する。これにより、ファブリケータは、受注の確約のない案件について工作図を作成する必要がなくなる。
【0041】
ファブリケータ端末200Bの受信部201が、概算見積情報、注文情報及び評価情報を受信すると、表示制御部202は、受信した概算見積情報、注文情報及び評価情報を表示装置に表示させる。ファブリケータは、表示された情報に基づいて、注文情報が示す鉄骨の注文の受注を希望するか否かを判断する。ファブリケータは、受注を希望する場合、概算見積情報が示す単価を修正することで正式見積情報を生成する。ファブリケータ端末200Bの送信部204は、正式見積情報を含む受注情報をサーバ100に送信する。
【0042】
サーバ100がステップS110で注文情報を複数のファブリケータ端末200Bに送信すると、受注情報受信部110は、ファブリケータ端末200Bからの受注情報の受信を待機する(ステップS111)。受注情報受信部110は、受信した受注情報が一定数に達したか否かを判定する(ステップS112)。受注情報が一定数に達していない場合(ステップS112:NO)、受注情報受信部110は、ステップS110で注文情報を送信した日付から一定期間が経過しているか否かを判定する(ステップS113)。注文情報の送信から一定期間が経過していない場合(ステップS113:NO)、ステップS111に戻り注文情報の受信を待機する。
【0043】
他方、受信した受注情報が一定数に達した場合(ステップS112:YES)、または注文情報を送信した日付から一定期間が経過した場合(ステップS113:YES)、候補提示部111は、受信した複数の受注情報と、ユーザデータベース102が記憶する情報とに基づいて、受注情報に係る候補ファブリケータごとに、受注価格、所在地から建築現場までの距離、及び評価のスコアを算出する(ステップS114)。候補提示部111は、算出したスコアに基づいて、スコアの合計値が所定の閾値以上である候補ファブリケータを抽出する(ステップS115)。候補提示部111は、抽出した候補ファブリケータの中から、受注価格のスコアが最も高いもの、距離のスコアが最も高いもの、及び評価のスコアが最も高いものを、それぞれ推薦ファブリケータとして抽出する(ステップS116)。候補提示部111は、ステップS116で抽出した推薦ファブリケータに係る受注情報及び評価情報に基づいて相見積画面データを生成し、注文者端末200Aに送信する(ステップS117)。
【0044】
通知部114は、ステップS116で抽出されなかった候補ファブリケータのファブリケータ端末200Bに、注文を受注できない旨を通知する(ステップS118)。なお、ステップS118以降に受注情報受信部110が新たに受注情報を受信した場合、通知部114はその内容によらず、受注情報の送信元のファブリケータ端末200Bに注文を受注できない旨を通知する。
【0045】
注文者端末200Aの受信部201が相見積画面データを受信すると、表示制御部202は
図5に示すような相見積画面を表示装置に表示させる。これにより、注文者は、受注価格、所在地から建築現場までの距離、及び評価のそれぞれの観点からファブリケータを選定することができる。注文者が、
図5に示す発注ボタンのうち、選定したファブリケータに関連付けられたものを押下すると、送信部204は選定されたファブリケータの情報を含む選定情報をサーバ100に送信する。
【0046】
候補選択部112は、注文者端末200Aから選定情報を受信する(ステップS119)。通知部114は、契約ファブリケータのファブリケータ端末200Bに選定情報が示す選定結果を通知する(ステップS120)。つまり、通知部114は、選定情報が示す契約ファブリケータに注文を受注した旨を通知する。つまり、契約ファブリケータは、鉄骨の注文を受ける受注者の一例である。他方、通知部114は、ステップS116で抽出した推薦ファブリケータのうち、契約ファブリケータに選定されなかったものに注文を受注できない旨を通知する。
【0047】
契約提示部113は、注文者端末200A及び契約ファブリケータのファブリケータ端末200Bに、保証契約情報を送信する(ステップS121)。注文者端末200A及びファブリケータ端末200Bの受信部201が保証契約情報を受信すると、表示制御部202は受信した保証契約情報を表示装置に表示させる。注文者及びファブリケータは、プラットフォーマと保証契約を締結するか否かを判断し、判断結果をサーバ100に送信する。契約提示部113は、注文者端末200A及びファブリケータ端末200Bから保証契約を締結するか否かを示す保証諾否情報を受信する(ステップS122)。請求部105は、各保証諾否情報が保証契約を締結することを示すか否かを判定する(ステップS123)。保証契約を締結することを示す場合(ステップS123:YES)、請求部105は、補償契約を締結するユーザの口座情報に基づいてユーザへの保証料の請求処理を実行する(ステップS124)。なお、契約提示部113は、契約ファブリケータに対し、注文に係る鉄骨を配送する配送業者の情報を提示し、プラットフォーマに配送業者の手配を依頼するか否かの入力を受け付けてもよい。通常、配送業者の手配はファブリケータが行うため、これによってファブリケータの手間を省くことができる。
また、請求部105は、注文者の口座情報に基づいて、注文者への紹介手数料の請求処理を実行する(ステップS125)。なお、請求部105は、注文者に加えて、又は注文者に代えて、契約ファブリケータに手数料の請求処理を実行してもよい。また、請求部105は、契約ファブリケータから配送業者の手配の依頼を受け付けた場合に、契約ファブリケータに配送手数料の請求処理を実行してもよい。
【0048】
その後、契約ファブリケータは注文者との契約に基づいて鉄骨を製作し、注文者に納品する。なお、注文者は、契約ファブリケータから鉄骨が納入されたときに、サーバ100に契約ファブリケータが製作した鉄骨が不適合品であるか否かを示す情報を送信してよい。鉄骨が不適合品であるとの情報をサーバ100が受信した場合、プラットフォーマは納入された鉄骨の調査を行う。鉄骨が不適合品であり、かつ保証契約を締結している場合、プラットフォーマは保証契約に従って保証債務を履行する。すべての鉄骨の納品が完了すると、契約ファブリケータは、鉄骨の実績数量を積算する。ファブリケータ端末200Bの入力部203は実績数量の入力を受け付け、送信部204は入力された実績数量を示す実績情報をサーバ100に送信する。
【0049】
サーバ100の精算処理部115は、ファブリケータ端末200Bから実績情報を受信する(ステップS126)。精算処理部115は、実績情報が示す実績数量と算出部107が算出した計算数量との誤差が所定値を超えるか否かを判定する(ステップS127)。実績数量と計算数量との誤差が所定値を超える場合(ステップS127:YES)、精算処理部115は、ステップS111で受信した正式見積情報と誤差とに基づいて精算情報を生成し、注文者端末200Aに送信する(ステップS128)。他方、実績数量と計算数量との誤差が所定値を超えない場合(ステップS127:NO)、精算処理部115は、鉄骨の精算をしない旨をファブリケータ端末200Bに通知する(ステップS129)。
【0050】
評価受付部116は、注文者から契約ファブリケータの評価を示す個別評価情報の入力を受け付ける。また評価受付部116は、契約ファブリケータから注文者の評価を示す個別評価情報の入力を受け付ける(ステップS130)。評価受付部116は、受信した個別評価情報に基づいてユーザデータベース102が記憶する注文者及び契約ファブリケータの評価情報を更新する(ステップS131)。
【0051】
《作用・効果》
このように、第1の実施形態に係る鉄骨注文システム1によれば、サーバ100は、注文者から注文情報を受信して複数のファブリケータに送信する。またサーバ100は、複数のファブリケータの少なくとも一部である複数の候補ファブリケータから受信し、候補ファブリケータの情報を注文者に提示する。これにより、注文者は、鉄骨注文システム1に登録された広域(例えば、全国)のファブリケータから鉄骨を注文可能なファブリケータを知ることができる。また、例えばファブリケータは、鉄骨注文システム1に登録された広域(例えば、全国)の注文者から鉄骨の注文を受けることができる。つまり、鉄骨注文システム1によれば、ファブリケータは閑散期において鉄骨の注文を受けることができ、注文者は、容易に依頼先のファブリケータを探すことができる。
【0052】
また第1の実施形態に係る鉄骨注文システム1によれば、サーバ100は、複数の候補ファブリケータから受信した複数の候補ファブリケータ情報のうち、他の候補ファブリケータより所在地が建築現場に近いもの、他の候補ファブリケータよりも受注価格が安いもの、及び他の候補ファブリケータよりも評価が高いものを注文者に提示する。これにより、注文者は、価格、場所及び評価の異なる視点に基づいてファブリケータを選定することができる。
【0053】
また第1の実施形態に係る鉄骨注文システム1によれば、サーバ100は、注文者から注文を受けるファブリケータが満たすべき受注条件の設定を受け付け、複数のファブリケータのうち受注条件を満たすファブリケータに注文情報を送信する。これにより、鉄骨注文システム1は、注文者の要求を満たすファブリケータを提示することができ、また受注条件を満たさないファブリケータに無駄な作業を発生させない。
【0054】
また第1の実施形態に係る鉄骨注文システム1によれば、サーバ100は、注文情報が含まれる図面に基づいて鉄骨の数量及び単価を算出する。これにより、サーバ100は概算見積情報を自動的に生成することができる。
【0055】
また第1の実施形態に係る鉄骨注文システム1によれば、注文情報が鉄骨の見積条件を示す見積条件情報を含み、サーバ100は、見積条件情報を用いて数量及び単価を算出する。これにより、鉄骨注文システム1は、情報の漏れによって鉄骨の数量及び単価の概算が実際とかけ離れたものとなることを防ぐことができる。
【0056】
また第1の実施形態に係る鉄骨注文システム1によれば、サーバ100は、ファブリケータ端末200Bから自動算出した鉄骨の数量に基づく精算を受け付ける。これにより、見積に係る数量が実績と異なる場合にも、ファブリケータに損失が生じないようにすることができる。またサーバ100は、自動算出した鉄骨の数量と実績数量との誤差が所定値を超える場合に精算を受け付け、誤差が所定値を超えない場合に精算を受け付けない。これにより、鉄骨注文システム1は、細かな誤差に基づく清算の発生による注文者の手間が生じることを防止することができる。
【0057】
第1の実施形態に係る鉄骨注文システム1は、ファブリケータ端末200Bから自動算出された単価を補正した正式見積情報を含む受注情報を受信する。これにより、ファブリケータは、図面に基づいて鉄骨の数量を計算する必要がなく、単価を補正することで容易に見積情報を生成することができる。
【0058】
また、第1の実施形態に係る鉄骨注文システム1によれば、サーバ100は、注文情報に含まれる図面が正式図面情報である場合に、注文情報を複数のファブリケータに送信し、図面が概算図面情報である場合に注文情報をファブリケータに送信しない。これにより、ファブリケータは鉄骨作成の受注前に不確定なスケジュールを確保しておく必要がない。
【0059】
また、第1の実施形態に係る鉄骨注文システム1によれば、サーバ100は、図面情報に基づいて鉄骨の溶接量を求め、鉄骨の加工難度を推定し、加工難度に基づいて鉄骨の単価を算出する。これにより、サーバ100は鉄骨の種類に応じて適切に単価を算出することができる。
【0060】
また、第1の実施形態に係る鉄骨注文システム1によれば、サーバ100は、数量及び単価を自動算出した場合に、注文者に手数料を請求する。またサーバ100は、ファブリケータから年会費の支払いを受け付け、年会費を支払った複数のファブリケータに、注文情報を送信する。これにより、鉄骨注文システム1は、プラットフォーマの収益を適切に創出することができる。
【0061】
また、第1の実施形態に係る鉄骨注文システム1によれば、サーバ100は、注文者から注文情報の確定を受け付け、注文者によって確定された注文情報をファブリケータ端末200Bに送信する。これにより、ファブリケータは構想段階や企画段階ではなく、設計が完了した段階で注文情報を取得することができる。設計が完了した段階で鉄骨の注文を受注することで、受注から鉄骨の生産開始までの期間を短くすることができる。つまりファブリケータは、閑散期に、直ぐに生産に着手できる鉄骨の注文を受けることができる。
【0062】
また、第1の実施形態に係る鉄骨注文システム1によれば、サーバ100は注文者からファブリケータの評価を受け付け、ファブリケータから注文者の評価を受け付ける。またサーバ100は、注文者に、候補ファブリケータ情報と共に評価情報を提示する。これにより、注文者は過去の評価を参照しながらファブリケータを選定することができる。
【0063】
また、第1の実施形態に係る鉄骨注文システム1によれば、サーバ100は、候補ファブリケータ情報とともに、当該候補ファブリケータ情報が示すファブリケータから送信された見積情報を提示する。これにより、注文者は提示された見積情報を参照しながらファブリケータを選定することができる。特に、第1の実施形態によれば、サーバ100は、複数の候補ファブリケータ別の見積情報を比較可能に提示する。これにより、注文者は候補ファブリケータの相見積を実現することができる。
【0064】
また、第1の実施形態に係る鉄骨注文システム1によれば、サーバ100は、注文者から、複数の候補ファブリケータのうち鉄骨を注文する契約ファブリケータの選択を受け付けたときに、保証契約情報を提示し、前記保証契約を締結するか否かを受け付ける。これにより、注文者及びファブリケータは、信用リスクを回避することができる。
【0065】
また、第1の実施形態に係る鉄骨注文システム1によれば、サーバ100は、複数の候補ファブリケータのうち、候補ファブリケータ情報が注文者に提示されなかったものに、注文者に選定されなかったことを通知する。これにより、候補ファブリケータ情報を注文者に提示されなかったファブリケータは、受注できなかったことをすぐに知ることができ、受注成立の待ち時間を短くすることができる。
【0066】
また、第1の実施形態に係る鉄骨注文システム1は、300トンよりも少ない小ロットの鉄骨の取引を扱う。小ロットの鉄骨は、材料費に対する人件費等の割合が大きくなるため、鉄骨の単価はファブリケータによってばらつきが生じやすい。したがって、鉄骨注文システム1は、小ロットの鉄骨の取引を扱うことで、注文者に様々なファブリケータの選択肢を提示することができる。
【0067】
また、第1の実施形態に係る鉄骨注文システム1のサーバ100を運営する主体は、鉄骨の所有権を譲り受けない。これにより、プラットフォーマは在庫リスクを負うことを防ぐことができる。
【0068】
〈実施形態の他の例〉
以上、図面を参照して一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、様々な設計変更等をすることが可能である。すなわち、実施形態の他の例においては、上述の処理の順序が適宜変更されてもよい。また、一部の処理が並列に実行されてもよい。
上述した実施形態に係るサーバ100は、単独のコンピュータによって構成されるものであってもよいし、サーバ100の構成を複数のコンピュータに分けて配置し、複数のコンピュータが互いに協働することでサーバ100として機能するものであってもよい。
【0069】
上述した実施形態に係るサーバ100は、注文情報に含まれる図面に基づいて自動的に鉄骨の数量及び単価を算出するが、これに限られない。例えば、実施形態の他の例に係るサーバ100は、プラットフォーマから図面に基づいて手作業で算出された鉄骨の数量及び単価の入力を受け付けてもよい。また、上述した実施形態に係るサーバ100は、受注情報に基づいて自動的に推薦ファブリケータを抽出するが、これに限られない。例えば、実施形態の他の例に係るサーバ100は、受信した受注情報をプラットフォーマに提示し、プラットフォーマから推薦ファブリケータの選択を受け付けてもよい。
【0070】
上述した実施形態に係るサーバ100は、複数の候補ファブリケータのうち、所在地、受注価格、及び評価の観点から3つの候補ファブリケータを抽出するが、これに限られない。例えば、実施形態の他の例に係るサーバ100は、所在地、受注価格、及び評価のうち2つの観点に基づいて2つの候補ファブリケータを抽出してもよい。また実施形態の他の例に係るサーバは、他の基準に基づいて推薦ファブリケータを抽出してもよい。
また実施形態の他の例に係るサーバ100は、すべての候補ファブリケータに係る候補ファブリケータ情報を注文者端末200Aに提示してもよい。このとき、注文者端末200Aは、受信したすべての候補ファブリケータ情報を表示してもよいし、注文者端末200Aにて受注価格、所在地から建築現場までの距離、及び評価のそれぞれの観点から候補ファブリケータ情報を抽出し、またはソートして表示してもよい。
【0071】
上述した実施形態に係るサーバ100は、注文者から受注条件の設定を受け付けるが、これに限られない。例えば実施形態の他の例に係るサーバ100は、予め受注条件を定めておいてもよい。例えば、サーバ100は、評価情報が5段階評価の3ポイント以上のファブリケータにのみ、注文情報を送信してもよい。
【0072】
上述した実施形態に係るサーバ100は、受注情報が一定数に達した場合または注文情報を送信した日付から一定期間が経過した場合に、候補ファブリケータの抽出を行うが、これに限られない。例えば、実施形態の他の例に係るサーバ100は、注文者から推薦ファブリケータの提示要求を受け付けた場合に、候補ファブリケータの抽出を行ってもよい。また実施形態の他の例に係るサーバ100は、注文者から予め受注締切日の指定を受け付け、当該受注締切日が満了した時点で候補ファブリケータの抽出を行ってもよい。
【0073】
上述した実施形態に係るファブリケータ端末200Bは、正式見積情報を含む受注情報をサーバ100に送信するが、これに限られない。例えば実施形態の他の例に係るファブリケータ端末200Bは、概算見積情報と正式見積情報との差分を示す補正情報をサーバ100に送信してもよい。この場合、サーバ100は補正情報と概算見積情報とに基づいて正式見積情報を生成し、生成した正式見積情報を注文者端末200Aに送信する。
【0074】
〈コンピュータ構成〉
図9は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ50は、プロセッサ51、メインメモリ53、ストレージ55、インタフェース57を備える。
上述のサーバ100及び端末装置200は、それぞれコンピュータ50に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ55に記憶されている。プロセッサ51は、プログラムをストレージ55から読み出してメインメモリ53に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、プロセッサ51は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ53に確保する。プロセッサ51の例としては、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、マイクロプロセッサなどが挙げられる。
【0075】
プログラムは、コンピュータ50に発揮させる機能の一部を実現するためのものであってもよい。例えば、プログラムは、ストレージに既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせ、または他の装置に実装された他のプログラムとの組み合わせによって機能を発揮させるものであってもよい。なお、実施形態の他の例においては、コンピュータ50は、上記構成に加えて、または上記構成に代えてPLD(Programmable Logic Device)などのカスタムLSI(Large Scale Integrated Circuit)を備えてもよい。PLDの例としては、PAL(Programmable Array Logic)、GAL(Generic Array Logic)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)が挙げられる。この場合、プロセッサ51によって実現される機能の一部または全部が当該集積回路によって実現されてよい。このような集積回路も、プロセッサの一例に含まれる。
【0076】
ストレージ55の例としては、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ55は、コンピュータ50のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インタフェース57または通信回線を介してコンピュータ50に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ50に配信される場合、配信を受けたコンピュータ50が当該プログラムをメインメモリ53に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ55は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0077】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、当該プログラムは、前述した機能をストレージ55に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0078】
〈第2の実施形態〉
次に、第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態では、上述した第1の実施形態で説明した内容については、適宜説明を省略する。また、第2の実施形態、及び上述した第1の実施形態を組み合わせることも可能である。
【0079】
第1の実施形態では、価格、距離、評価の観点から抽出したファブリケータを注文者端末200Aに提示する例について説明した(
図7のS115~S118)。第2の実施形態では、案件(プロジェクト)の特徴とファブリケータの特徴とに基づくマッチングによって抽出したファブリケータを注文者端末200Aに提示する例について説明する。
【0080】
図10は、第2の実施形態に係るサーバ100の構成を示すブロック図である。サーバ100は、
図3に示した構成に加えて、特徴情報取得部121と、選択部122と、表示制御部123とを備える。
【0081】
特徴情報取得部121は、案件特徴情報と、ファブ特徴情報とを取得する。まず、案件特徴情報について説明する。案件特徴情報は、注文情報受信部106が受信した注文情報に対応する鉄骨が用いられる案件の特徴を示す情報である。特徴情報取得部121は、注文情報から案件特徴情報を取得する。ここで、
図11を用いて、案件特徴情報について詳述する。
【0082】
図11は、案件特徴情報の一例を示す図である。
図11に示すように、案件特徴情報は、「案件名」と、「住所」と、「案件能力情報」と、「案件用途情報」と、の各項目を含む。各項目には、注文者から受け付けた注文情報に基づく内容が入力される。
「案件名」は、案件(物件)の名称であり、例えば、プロジェクト名を示す。
「住所」は、案件(物件)の住所であり、具体的には、建設地の所在地を示す。
【0083】
「案件能力情報」は、案件の建築に求められる各ファブリケータの能力を示す情報である。具体的には、「案件能力情報」は、「特殊材料」と、「防食」と、「クレーン能力」との各項目を含む。各項目には、該当する場合に「1」が入力され、該当しない場合に「0」が入力される。
「特殊材料」は、所定のグレードレベル以上の鋼材が含まれるか否かを示す。
「防食」は、特殊な防食仕様の鋼材が含まれるか否かを示す。
「クレーン能力」は、一製品あたりの重量が所定重量以上であるか否かを示す。
【0084】
「案件用途情報」は、鉄骨の用途に関する情報であり、「工事種別」と、「物件種別」と、「構造種別」と、「設計事務所」との各項目を含む。各項目には、該当する場合に「1」が入力され、該当しない場合に「0」が入力される。
「工事種別」は、公共工事および民間工事のうちいずれか一方を示す。
「物件種別」は、工場、倉庫、事務所、店舗、超高層などを含む各種種別のうちいずれかを示す。
「構造種別」は、物件の構造的特徴を示し、例えば、S造(鉄骨造)、SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)、手溶接などの各種構造のうち、いずれかを示す。
「設計事務所」は、監理の厳しい設計事務所であるか否かを示す。
【0085】
次に、ファブ特徴情報について説明する。ファブ特徴情報は、複数のファブリケータのそれぞれの特徴を示す情報である。ファブ特徴情報は、ユーザデータベース102に、ファブリケータごとに記憶されている。特徴情報取得部121は、ユーザデータベース102から、各ファブリケータのファブ特徴情報を取得する。ここで、
図12を用いて、ファブ特徴情報について詳述する。
【0086】
図12は、ファブ特徴情報の一例を示す図である。
図12に示すように、案件特徴情報は、「ファブ名」と、「ファブ能力情報」と、「ファブエリア情報」と、「ファブ評価情報」と、の各項目を含む。なお、「ファブ名」と、「ファブエリア情報」と、「ファブ能力情報」と、「ファブ評価情報」のうち「ファブ用途情報」とは、ファブリケータの初期登録時にファブリケータによって入力される。また、「ファブ評価情報」のうち「ファブレベル情報」は、注文者やプラットフォーマによる評価結果に応じて適宜更新される。また、「ファブ評価情報」のうち「ファブ用途情報」についても、当該評価結果に応じて適宜更新される。
【0087】
「ファブ名」は、ファブリケータの名称を示す。
「ファブ能力情報」は、建築におけるファブリケータの能力を示す情報である。具体的には、「ファブ能力情報」は、「特殊材料」と、「防食」と、「クレーン能力」との各項目を含む。各項目には、スコアが入力される。当該スコアは、例えば、対応不可を示す「0」と、対応可能を示す「1」とのうち、いずれか一方である。ただし、当該スコアは、対応可能であることの度合いに応じた複数の値(例えば、0(対応不可)~4(得意)といった5つの値)を取り得るようにしてもよい。
「特殊材料」は、所定のグレードレベル以上の鋼材に対応できるか否かを示す。
「防食」は、特殊な防食仕様に対応できるか否かを示す。
「クレーン能力」は、一製品あたりの重量が所定重量以上に対応できるか否かを示す。
【0088】
「ファブエリア情報」は、ファブリケータが対応可能なエリアの情報を示す。「ファブエリア情報」は、「鳶・鍛冶工ネットワーク」と、「現場溶接ネットワーク」との各項目を含む。
「鳶・鍛冶工ネットワーク」は、ファブリケータが手配する鳶や鍛冶工の対応可能なエリアを示す。なお、ファブリケータが手配する鳶や鍛冶工は、ファブリケータが直接管理する鳶や鍛冶工に限らず、ファブリケータの下請けや外注先の鳶や鍛冶工を含む。
「現場溶接ネットワーク」は、ファブリケータが手配する溶接工の対応可能なエリアを示す。なお、ファブリケータが手配する溶接工は、ファブリケータが直接管理する溶接工に限らず、ファブリケータの下請けや外注先の溶接工を含む。
【0089】
「ファブ評価情報」は、「ファブ用途情報」と、「ファブレベル情報」との項目を含む。
「ファブ用途情報」は、ファブリケータが対応できる鉄骨の用途に関する情報である。「ファブ用途情報」は、「工事種別」と、「物件種別」と、「構造種別」と、「設計事務所」との各項目を含む。各項目には、スコアが入力される。当該スコアは、例えば、不適切を示す「50」と、適切を示す「100」とのうち、いずれか一方である。ただし、当該スコアの段階は、3段階以上としてもよい。また、当該スコアは、「50」および「100」といった値とすることに限らず、「0(対応不可)」および「1(対応可能)」といった値としてもよい。
「工事種別」は、公共工事および民間工事のそれぞれについて対応可能であるか否かを示す。
「物件種別」は、工場、倉庫、事務所、店舗、超高層などを含む各種種別のそれぞれについて対応可能であるか否かを示す。
「構造種別」は、物件の構造的特徴を示し、例えば、S造(鉄骨造)、SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)、手溶接など各種構造のそれぞれについて対応可能であるかを示す。
「設計事務所」は、「特定事務所」と、「普通事務所」とを含む。「特定事務所」は、監理の厳しい設計事務所に対応できるか否かを示す。「普通事務所」は、特定事務所に比べて監理の厳しくない通常の設計事務所に対応できるか否かを示す。
【0090】
「ファブレベル情報」は、注文者からの評価等に基づくファブリケータのレベルを示す情報である。「ファブレベル情報」は、「取り纏め力」と、「厳守レベル」と、「品質レベル」と、「柔軟性」と、「ストックヤード」との項目を含む。各項目に入力されるスコアは、例えば、レベルに応じて、「30」(対応:可)、「60」(対応:良)、「100」(対応:優)といった3段階で表される。ただし、当該スコアの段階は、2段階としてもよいし、4段階以上としてもよい。また、当該スコアは、「30」、「60」、「100」といった値に限らず、例えば、「0」(対応:可)、「1」(対応:良)、「2」(対応:優)といった値としてもよい。
「取り纏め力」は、ファブリケータの工作図を取り纏める能力を示す。
「厳守レベル」は、ファブリケータが納期を遵守するための自社管理の実施能力を示す。
「品質レベル」は、ファブリケータが図面通りに鉄骨を製作する製作能力を示す。
「柔軟性」は、ファブリケータが図面の進捗が多少遅れても柔軟に工程を調整することができる調整能力を示す。
「ストックヤード」は、資材や製品の保管場所の大きさ等の保管能力を示す。
【0091】
次に、第2の実施形態において、注文情報の送信先となる募集ファブリケータの選択について説明する。選択部122は、複数のファブリケータのそれぞれの所在地によらずに、複数のファブリケータの中から複数の募集ファブリケータを選択する。選択部122は、特徴情報取得部121の処理の結果によって取得される案件特徴情報とファブ特徴情報とに基づいて、複数の募集ファブリケータを選択する。まず、選択部122は、複数のファブリケータの中から、注文情報の送信先とはしないファブリケータの特定(足切り)を行う。足切りは、ファブ能力情報に基づく足切り(第1の足切り)と、ファブエリア情報に基づく足切り(第2の足切り)とを含む。なお、本実施形態において、第1の足切りと第2の足切りとの両方を行うようにしているが、いずれか一方のみを行うようにしてもよい。
【0092】
まず、ファブ能力情報に基づく足切り(第1の足切り)について説明する。選択部122は、案件特徴情報のうちの案件能力情報と、ファブ特徴情報のうちのファブ能力情報とに基づいて、ファブリケータの足切りを行う。具体的には、選択部122は、案件特徴情報のうちの案件能力情報が示す項目(「特殊材料」、「防食」、および「クレーン能力」)と、複数のファブリケータのそれぞれのファブ特徴情報のうちのファブ能力情報が示す項目(「特殊材料」、「防食」、および「クレーン能力」)とを比較する。選択部122は、各ファブリケータについて、各項目をそれぞれ比較することにより、各項目のうち、少なくともいずれか一つの項目が満たないファブリケータを足切りする。
【0093】
例えば、
図11に示す案件能力情報のように、「特殊材料」が「1」、「防食」が「1」、「クレーン能力」が「1」であるとする。また、
図12に示すファブ能力情報のように、「特殊材料」が「1」、「防食」が「1」、「クレーン能力」が「0」であるとする。この場合、案件に対してファブリケータの「クレーン能力」が満たされていないため、当該ファブリケータは足切りの対象となる。
【0094】
次に、ファブエリア情報に基づく足切り(第2の足切り)について説明する。選択部122は、注文情報から得られる案件の住所が、鳶・鍛冶工ネットワークが示すエリアに含まれない場合に、当該ファブリケータを足切りする。選択部122は、注文情報から得られる案件の住所が、現場溶接ネットワークが示すエリアに含まれない場合に、当該ファブリケータを足切りする。なお、鳶や鍛冶工は、ファブリケータによって手配されることに限らず、注文者自身で手配される場合もある。この場合、選択部122は、鳶・鍛冶工ネットワークに基づく足切りを行わない。同様に、現場溶接工は、注文者自身で手配される場合もある。この場合、選択部122は、現場溶接ネットワークに基づく足切りを行わない。なお、鳶や鍛冶工等を注文者自身で手配するか否かを示す情報は、注文情報に含まれることとする。
【0095】
次に、算出部107によるマッチングポイントの算出について説明する。算出部107は、案件特徴情報とファブ特徴情報とに基づき、マッチングポイントを算出する。マッチングポイントは、案件と複数のファブリケータのそれぞれの相性の程度を示す数値である。マッチングポイントは、第1マッチングポイントと、第2マッチングポイントとを含む。まず、第1マッチングポイントの算出について説明する。第1マッチングポイントの算出には、例えば、ファブ用途情報(
図12)が用いられる。
【0096】
図11に示す案件用途情報のように、例えば、工事種別が公共工事であり、物件種別が工場であり、構造種別がSRC造であり、設計事務所が特定事務所であるとする。また、
図12に示すファブ用途情報のように、公共工事のスコアが「50」であり、倉庫のスコアが「100」、SRC造のスコアが「50」、特定事務所のスコアが「50」であるとする。この場合、算出部107は、案件用途情報に対応するファブ用途情報の各スコアを加算することにより、「50+100+50+50=250」の第1マッチングポイントを算出する。なお、算出部107による第1マッチングポイントの算出は、加算に限らず、例えば、乗算としてもよい。また、算出部107は、各項目の重要度に応じて、一部のスコアに係数を乗じるなどの重み付けをして、第1マッチングポイントを算出してもよい。
【0097】
選択部122は、算出部107によって算出された第1マッチングポイントに基づいて、複数(例えば10)の募集ファブリケータを選択する。具体的には、選択部122は、第1マッチングポイントの高い(閾値以上の)複数のファブリケータを募集ファブリケータとして選択する。
【0098】
次に、注文情報の送信および受注情報の受信について説明する。注文情報送信部109は、選択部122により選択される複数の募集ファブリケータに注文情報を送信する。受注情報受信部110は、注文情報が示す注文を受けることを示す受注情報を、複数の募集ファブリケータの一部である複数の候補ファブリケータから受信する。
【0099】
次に、取引対象となるファブリケータ情報の注文者への提示について説明する。候補提示部111は、複数の候補ファブリケータのそれぞれを示す複数の候補ファブリケータ情報の少なくとも一部を注文者に提示する。本実施形態において、候補提示部111は、特徴情報取得部121の処理の結果によって取得される情報(案件特徴情報とファブ特徴情報)に基づいて、上記一部を注文者に提示する。例えば、候補提示部111は、算出部107によって算出されたマッチングポイント(第2マッチングポイント)に基づいて、複数の候補ファブリケータのうち一部を特定して、注文者に提示する。具体的には、候補提示部111は、複数の候補ファブリケータのうち、第2マッチングポイントの高い(閾値以上の)一部を特定して、注文者に提示する。第2マッチングポイントの算出には、例えば、ファブレベル情報(
図12参照)が用いられる。
【0100】
図12に示すファブレベル情報のように、例えば、取り纏め力のスコアが「100」であり、厳守レベルのスコアが「30」、品質レベルのスコアが「100」、柔軟性のスコアが「60」、ストックヤードのスコアが「60」であるとする。この場合、算出部107は、各スコアを加算することにより「100+30+100+60+60=350」の第2マッチングポイントを算出する。なお、第2マッチングポイントの算出は、加算に限らず、例えば、乗算としてもよい。また、算出部107は、各項目の重要度に応じて、一部のスコアに係数を乗じるなどの重み付けをして、第2マッチングポイントを算出してもよい。
【0101】
このように、本実施形態において、第2マッチングポイントはファブレベル情報に基づいて算出され、一方で、第1マッチングポイントはファブ用途情報に基づいて算出される。すなわち、両者は、異なる情報に基づいて算出される。言い換えれば、募集ファブリケータ(注文情報を送信する段階で)については、建築に求められる能力や鉄骨の用途に基づいて選択される一方で、注文者に提示する一部のファブリケータについては、取り纏め力や厳守レベルなどの注文者の嗜好に基づいて選択される。このため、ファブリケータを提示する段階では、一定の条件をクリアしたファブリケータ(第1マッチングポイントをクリアしたファブリケータ)の中から、注文者の嗜好を反映させたファブリケータを注文者に提示することができるようになっている。すなわち、注文者にとって好適なファブリケータを提示することができるようになっている。
【0102】
次に、表示制御部123による注文者端末200Aの表示の制御について説明する。表示制御部123は、案件特徴情報およびファブ特徴情報を、注文者端末200Aが備える表示部に表示させる。例えば、表示制御部123は、募集ファブリケータに関する募集ファブリケータ情報と、案件特徴情報と、ファブ特徴情報とを関連付けて表示部に表示させる。また、表示制御部123は、算出部107により算出される各ファブリケータのマッチングポイントのそれぞれと、複数のファブリケータのそれぞれと、を関連付けて表示部に表示させる。ここで、第2の実施形態に係る注文者端末200Aの画面例について、
図13を例に挙げて説明する。
【0103】
図13は、第2の実施形態に係る相見積画面の例を示す図である。
図13に示すように、注文者端末200Aの表示部300には相見積画面が表示されている。相見積画面は、案件別に表示される画面である。相見積画面には、複数の候補ファブリケータ情報310(310a、310b、310c)が表示されている。候補ファブリケータ情報310は、それぞれ、ファブ評価情報311(311a、311b、311c)を含む。ファブ評価情報311は、ファブレベル情報(ファブ特徴情報)に基づく第2マッチングポイントを、さらに所定のマーク(★)の数(例えば、1~4つ)によって4段階で表したものである。また、相見積画面において、項目欄312に示す「工場製作費」は、案件特徴情報に含まれる物件種別(工場)を示している。すなわち、相見積画面は、案件特徴情報と、候補ファブリケータ情報310と、ファブ特徴情報としてのファブ評価情報311とが関連付けて表示されている。
【0104】
また、相見積画面において、注文者から所定の画面切替え操作を受け付けることにより、表示制御部123は、ファブ能力情報、ファブエリア情報、ファブ評価情報(ファブ用途情報およびファブレベル情報)のうち、受け付けた操作に応じた画面を表示させることも可能である。例えば、ファブ評価情報の画面への切替え操作を受け付けた場合、表示制御部123は、ファブ評価情報を表示させることが可能である。具体的には、ファブレベル情報の画面への切替えを受け付けた場合、ファブレベル情報(例えば、取り纏め力「100」、厳守レベル「30」など)を表示させることが可能である。これにより、注文者は、ファブ特徴情報を詳細に把握することができる。このため、提示された候補ファブリケータのうち、例えば、第2マッチングポイントが高くないファブリケータが表示されていたとしても、注文者は、ファブ評価情報等の詳細な画面を閲覧することができる。これにより、例えば、取り纏め力を重要視する注文者は、取り纏め力を確認して、発注先のファブリケータを選ぶことができる。
【0105】
図14は、注文者端末200Aに表示される見積確認画面の例を示す図である。
図14に示す見積確認画面は、例えば、
図13に示す相見積画面において、注文者から所定の画面切替え操作を受け付けることにより遷移する。
図14に示すように、注文者端末200Aの表示部300には、案件特徴情報としてのプロジェクト名(案件名)と、住所とを含む。なお、プロジェクト名や住所の他にも、注文者から所定の画面切替え操作を受け付けることにより、表示部300には、案件用途情報や案件能力情報を表示させることも可能である。例えば、案件用途情報の画面への切替え操作を受け付けた場合、表示制御部123は、案件用途情報を表示させることが可能であり、具体的には、案件の工事種別、物件種別、構造種別、設計事務所を表示させることが可能である。これにより、注文者は、案件用途情報を確認することができる。
【0106】
また、
図13に示す相見積画面と、
図14に示す見積依頼中画面とは、一の画面に同時に表示させることも可能である。例えば、相見積画面と見積確認画面とを並べて表示させることも可能であるし、一方の画面に多方の画面を重畳表示させることも可能である。
【0107】
《鉄骨注文システム1の動作》
図15は、第2の実施形態に係るサーバ100の動作を示すフローチャートである。注文情報受信部106が注文者端末200Aから正式図面情報を含む注文情報を受信すると(ステップS201)、特徴情報取得部121は、注文情報から、案件特徴情報を取得する(ステップS202)。そして、特徴情報取得部121は、取得した案件特徴情報から案件能力情報を抽出し(ステップS203)、ユーザデータベース102から、ファブリケータごとに案件能力情報に応じたファブ能力情報を取得する(ステップS204)。
【0108】
そして、選択部122は、案件能力情報と、ファブ能力情報とに基づいて、ファブリケータの足切り(第1の足切り)を行う(ステップS205)。次に、特徴情報取得部121は、案件特徴情報から案件の住所情報を抽出し(ステップS206)、第1の足切り後の各ファブリケータについて、ユーザデータベース102から、ファブエリア情報(鳶・鍛冶工ネットワークおよび現場溶接ネットワーク)を取得する(ステップS207)。
【0109】
そして、選択部122は、住所情報と、ファブエリア情報とに基づいて、ファブリケータの第2の足切りを行う(ステップS208)。次に、特徴情報取得部121は、案件特徴情報から案件用途情報を抽出し(ステップS209)、第2の足切り後の各ファブリケータについて、ユーザデータベース102からファブ用途情報を取得する(ステップS210)。
【0110】
そして、算出部107は、案件用途情報とファブ用途情報とに基づいて、具体的には、案件用途情報に対応するファブ用途情報の各スコアを加算することにより、第1マッチングポイントを算出する(ステップS211)。次に、選択部122は、第1マッチングポイントに基づいて、複数(例えば10)の募集ファブリケータを選択する(ステップS212)。そして、注文情報送信部109は、複数の募集ファブリケータのそれぞれのファブリケータ端末200Bに注文情報を送信する(ステップS213)。
【0111】
受注情報受信部110は、ファブリケータ端末200Bからの受注情報の受信を待機する(ステップS214)。受注情報受信部110は、受信した受注情報が一定数(例えば5)に達したか否かを判定する(ステップS215)。受注情報が一定数に達していない場合(ステップS215:NO)、受注情報受信部110は、注文情報を送信してから一定期間が経過したか否かを判定する(ステップS216)。注文情報を送信してから一定期間が経過していない場合(ステップS216:NO)、ステップS214に戻り、注文情報の受信を待機する。
【0112】
受信した受注情報が一定数に達した場合(ステップS215:YES)、または注文情報を送信してから一定期間が経過した場合(ステップS216:YES)、特徴情報取得部121は、受注情報の送信元である各候補ファブリケータについて、ユーザデータベース102からファブレベル情報を取得する(ステップS217)。
【0113】
そして、算出部107は、ファブレベル情報の各スコアを加算することにより、第2マッチングポイントを算出する(ステップS218)。次に、候補提示部111は、第2マッチングポイントに基づいて、相見積画面データの送信先となる複数(例えば3)のファブリケータを特定する(ステップS219)。そして、候補提示部111は、特定したファブリケータに係る受注情報に基づいて相見積画面データを生成し、注文者端末200Aに送信する(ステップS220)。さらに、通知部114は、候補ファブリケータのうち、注文者への送信先として特定されなかった候補ファブリケータのファブリケータ端末200Bに、注文を受注できない旨を通知し(ステップS221)、
図8のステップS119に進む。
【0114】
《作用・効果》
このように、第2の実施形態に係る鉄骨注文システム1によれば、サーバ100は、複数のファブリケータの中からそれぞれの所在地によらずに選択した複数の募集ファブリケータに注文情報を送信し、複数の募集ファブリケータの一部である複数の候補ファブリケータから受注情報を受信し、複数の候補ファブリケータ情報の少なくとも一部を注文者に提示する。また、サーバ100は、案件特徴情報(
図11)およびファブ特徴情報(
図12)に基づき複数の募集ファブリケータを選択する処理と、案件特徴情報およびファブ特徴情報に基づき前記一部を注文者に提示する処理とを行う。これにより、注文者とファブリケータとの間で取引実績のない場合でも、案件特徴情報とファブ特徴情報とのマッチングによって最適なファブリケータを提示することができる。したがって、注文者は、注文先となる最適なファブリケータを選ぶことができる。このように、第2の実施形態によれば、鉄骨の注文者とファブリケータとを好適に仲介することができる。
【0115】
また、第2の実施形態に係る鉄骨注文システム1によれば、案件特徴情報は、複数のファブリケータの能力であって案件の建築に求められる能力を示す案件能力情報(
図11)を含む。これにより、案件の建築に求められる能力を備えていないファブリケータを、注文者との取引対象から除外(第1の足切り)することができ、よって、案件の建築に求められる能力を備える好適なファブリケータを注文者に提示することができる。
【0116】
また、第2の実施形態に係る鉄骨注文システム1によれば、案件特徴情報は、鉄骨の用途に関する案件用途情報(
図11)を含む。これにより、鉄骨の用途に応じた好適なファブリケータを注文者に提示することができる。
【0117】
また、第2の実施形態に係る鉄骨注文システム1によれば、ファブ特徴情報は、案件が建築されるエリアであって複数のファブリケータのそれぞれが対応可能なエリアを示すファブエリア情報を含む。これにより、案件に対応できないエリアで業務を行うファブリケータを、注文者との取引対象から除外(第2の足切り)することができる。したがって、案件に対応可能なエリアで業務を行う好適なファブリケータを注文者に提示することができる。
【0118】
また、第2の実施形態に係る鉄骨注文システム1によれば、ファブ特徴情報は、複数のファブリケータのそれぞれのファブ評価情報を含む。これにより、評価の高いファブリケータを注文者に提示することができる。
【0119】
また、第2の実施形態に係る鉄骨注文システム1によれば、サーバ100は、案件特徴情報(
図14の案件名や住所)及びファブ特徴情報(
図13のファブ評価情報311)を表示部300に表示させる。これにより、注文者にとって、案件とファブリケータとのマッチングの程度が把握しやすくなり、注文者によるファブリケータの選択を好適に支援することができる。
【0120】
また、第2の実施形態に係る鉄骨注文システム1によれば、サーバ100は、候補ファブリケータに関する候補ファブリケータ情報310(
図13)と、案件特徴情報と、ファブ特徴情報とを関連付けて表示部300に表示させる。これにより、注文者は、案件特徴情報とファブ特徴情報とに基づいてファブリケータが提示されている理由を把握しやすくなる。したがって、注文者によるファブリケータの選択をより好適に支援することができる。
【0121】
また、第2の実施形態に係る鉄骨注文システム1によれば、サーバ100は、案件特徴情報とファブ特徴情報とに基づき複数のファブリケータのマッチングポイント(
図13のファブ評価情報311)をそれぞれ算出し、各マッチングポイントと、複数のファブリケータとを関連付けて表示部300に表示させる。これにより、注文者は、案件に対して相性の良いファブリケータを把握しやすくなる。したがって、注文者によるファブリケータの選択をより好適に支援することができる。
【0122】
〈第2の実施形態の変形例〉
次に、第2の実施形態の変形例について列挙する。なお、以下の変形例では、上述した第1の実施形態および第2の実施形態で説明した内容については、適宜説明を省略する。また、以下の各変形例のそれぞれと、上述した第1の実施形態と、第2の実施形態とを組み合わせることも可能である。
【0123】
〈変形例1〉
上述した第2の実施形態では、案件特徴情報およびファブ特徴情報が、選択部122による複数の募集ファブリケータの選択に係る処理と、候補提示部111による注文者へのファブリケータ情報の提示に係る処理との両方に用いられる例について説明した。変形例1では、案件特徴情報およびファブ特徴情報が、当該選択に係る処理と、当該提示に係る処理とのうち、少なくとも一方の処理に用いられるようにしてもよい。このようにしても、案件特徴情報とファブ特徴情報とのマッチングによって、注文者に適切なファブリケータを提示することができる。
【0124】
〈変形例2〉
上述した第2の実施形態では、注文者端末200Aに表示される相見積画面において、ファブ評価情報311として、★マークを表示する例について説明した。変形例2では、ファブ評価情報311を、★マークに代えて又は加えて表示する他の態様について説明する。変形例2において、ファブ評価情報311は、第2マッチングポイントを示す数値そのもの(例えば「350」)で表されてもよい。また、ファブ評価情報311は、第1マッチングポイントによって表されてもよい。この場合、第1マッチングポイントは、所定のマーク(例えば、★マーク)の数によって複数段階で表されてもよいし、第1マッチングポイントを示す数値そのもので表されてもよい。このようにしても、注文者にとって、案件とファブリケータとのマッチングの程度が把握しやすくなり、注文者によるファブリケータの選択を好適に支援することができる。
【0125】
〈変形例3〉
上述した第2の実施形態では、第1マッチングポイントの算出において、ファブ用途情報(
図12)を用いる例について説明した。変形例3では、第1マッチングポイントの算出において、他の情報を用いる例について説明する。例えば、第1マッチングポイントの算出において、ファブ用途情報に代えて又は加えて、ファブレベル情報(
図12)を用いるようにしてもよい。また、第1マッチングポイントの算出において、例えば、ファブ用途情報として、ファブリケータの住所情報を用いるようにしてもよい。ファブリケータの住所は、初期登録されている。算出部107は、ファブリケータの住所と案件の住所とを取得して、両者の距離に応じたスコア(例えば、「50」または「100」)を得るようにする。例えば、当該スコアは、両者の距離が所定距離未満であれば「100」とし、所定距離以上であれば「50」とすればよい。算出部107は、当該スコアを加味して第1マッチングポイントを算出してもよい。このようにすれば、募集ファブリケータとして、案件の所在地から近いファブリケータを選択しやすくすることができる。したがって、注文者に適切なファブリケータを提示することができる。
【0126】
〈変形例4〉
上述した第2の実施形態では、第2マッチングポイントの算出において、ファブレベル情報(
図12)を用いる例について説明した。変形例4では、第2マッチングポイントの算出において、他の情報を用いる例について説明する。例えば、第2マッチングポイントの算出において、ファブレベル情報に代えて又は加えて、ファブ用途情報(
図12)を用いるようにしてもよい。また、第2マッチングポイントの算出において、例えば、ファブレベル情報として、ファブリケータの住所情報を用いるようにしてもよい。ファブリケータの住所は、初期登録されている。算出部107は、ファブリケータの住所と案件の住所とを取得して、両者の距離に応じたスコア(例えば、「30」、「60」または「100」)を得るようにする。例えば、当該スコアは、両者の距離が第1所定距離未満であれば「100」とし、第1所定距離以上かつ第2所定距離未満であれば「60」とし、第2所定距離以上であれば「30」とすればよい。なお、第1所定距離は、第2所定距離よりも小さい値である。算出部107は、当該スコアを加味して第2マッチングポイントを算出してもよい。このようにすれば、注文者に提示するファブリケータとして、案件の所在地から近いファブリケータを提示しやすくすることができる。したがって、注文者に適切なファブリケータを提示することができる。
【符号の説明】
【0127】
1…鉄骨注文システム 100…サーバ 101…登録受付部 102…ユーザデータベース 103…支払確認部 104…設定部 105…請求部 106…注文情報受信部 107…算出部 108…概算見積送信部 109…注文情報送信部 110…受注情報受信部 111…候補提示部 112…候補選択部 113…契約提示部 114…通知部 115…精算処理部 116…評価受付部 121…特徴情報取得部 122…選択部 123…表示制御部 200…端末装置 200A…注文者端末 200B…ファブリケータ端末 201…受信部 202…表示制御部 203…入力部 204…送信部 300…表示部 50…コンピュータ 51…プロセッサ 53…メインメモリ 55…ストレージ 57…インタフェース
【手続補正書】
【提出日】2023-03-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄骨を注文する注文者及び鉄骨を製造する複数のファブリケータと、ネットワーク経由で通信するサーバであって、
前記注文者から鉄骨の注文を示す注文情報を受信する注文情報受信部と、
前記注文情報に対応する鉄骨が用いられる案件の特徴を示す案件特徴情報と、前記複数のファブリケータのそれぞれの特徴を示すファブ特徴情報と、を取得する特徴情報取得部と、
前記複数のファブリケータの中から複数の募集ファブリケータを、前記複数のファブリケータのそれぞれの所在地によらずに、前記案件特徴情報及び前記ファブ特徴情報の少なくともいずれかに基づいて選択する選択部と、
前記選択部により選択される前記複数の募集ファブリケータに前記注文情報を送信する注文情報送信部と、
前記注文情報が示す注文を受けることを示す受注情報を、前記複数の募集ファブリケータの一部である複数の候補ファブリケータから受信する受注情報受信部と、
前記複数の候補ファブリケータのそれぞれを示す複数の候補ファブリケータ情報の少なくとも一部を前記注文者に提示する候補提示部と、
を備える、
ことを特徴とするサーバ。
【請求項2】
鉄骨を注文する注文者及び鉄骨を製造する複数のファブリケータと、ネットワーク経由で通信するサーバであって、
前記注文者から鉄骨の注文を示す注文情報を受信する注文情報受信部と、
前記注文情報に対応する鉄骨が用いられる案件の特徴を示す案件特徴情報と、前記複数のファブリケータのそれぞれの特徴を示すファブ特徴情報と、を取得する特徴情報取得部と、
前記複数のファブリケータの中から複数の募集ファブリケータを、前記複数のファブリケータのそれぞれの所在地によらずに所在地以外の情報に基づいて選択する選択部と、
前記選択部により選択される前記複数の募集ファブリケータに前記注文情報を送信する注文情報送信部と、
前記注文情報が示す注文を受けることを示す受注情報を、前記複数の募集ファブリケータの一部である複数の候補ファブリケータから受信する受注情報受信部と、
前記複数の候補ファブリケータのそれぞれを示す複数の候補ファブリケータ情報の少なくとも一部を前記案件特徴情報及び前記ファブ特徴情報の少なくともいずれかに基づいて前記注文者に提示する候補提示部と、
を備える、
ことを特徴とするサーバ。
【請求項3】
前記所在地以外の情報は、前記複数のファブリケータのそれぞれの利用登録情報である、
ことを特徴とする請求項2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記案件特徴情報は、前記複数のファブリケータの能力であって前記案件の建築に求められる能力を示す案件能力情報を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ。
【請求項5】
前記案件特徴情報は、前記複数のファブリケータの能力であって前記案件の建築に求められる能力を示す案件能力情報を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載のサーバ。
【請求項6】
前記案件特徴情報は、前記鉄骨の用途に関する案件用途情報を含む、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項7】
前記ファブ特徴情報は、前記案件が建築されるエリアであって前記複数のファブリケータのそれぞれが対応可能なエリアを示すファブエリア情報を含む、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項8】
前記ファブ特徴情報は、前記複数のファブリケータのそれぞれのファブ評価情報を含む、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項9】
前記案件特徴情報及び前記ファブ特徴情報を前記注文者の端末の表示部に表示させる表示制御部、
を更に備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項10】
前記候補ファブリケータに関する候補ファブリケータ情報と、前記案件特徴情報と、前記ファブ特徴情報とを関連付けて、前記注文者の端末の表示部に表示させる表示制御部、
を更に備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項11】
前記案件特徴情報と前記ファブ特徴情報とに基づき、前記案件と前記複数のファブリケータのそれぞれの相性の程度を示すマッチングポイントを算出する算出部と、
前記算出部により算出されるマッチングポイントのそれぞれと、前記複数のファブリケータのそれぞれと、を関連付けて、前記注文者の端末の表示部に表示させる表示制御部、
を更に備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項12】
鉄骨を注文する注文者及び鉄骨を製造する複数のファブリケータと、ネットワーク経由で通信するサーバのコンピュータを、
前記注文者から鉄骨の注文を示す注文情報を受信する注文情報受信部、
前記注文情報に対応する鉄骨が用いられる案件の特徴を示す案件特徴情報と、前記複数のファブリケータのそれぞれの特徴を示すファブ特徴情報と、を取得する特徴情報取得部、
前記複数のファブリケータの中から複数の募集ファブリケータを、前記複数のファブリケータのそれぞれの所在地によらずに、前記案件特徴情報及び前記ファブ特徴情報の少なくともいずれかに基づいて選択する選択部、
前記選択部により選択される前記複数の募集ファブリケータに前記注文情報を送信する注文情報送信部、
前記注文情報が示す注文を受けることを示す受注情報を、前記複数の募集ファブリケータの一部である複数の候補ファブリケータから受信する受注情報受信部、
前記複数の候補ファブリケータのそれぞれを示す複数の候補ファブリケータ情報の少なくとも一部を前記注文者に提示する候補提示部、
として機能させる、
プログラム。
【請求項13】
鉄骨を注文する注文者及び鉄骨を製造する複数のファブリケータと、ネットワーク経由で通信するサーバのコンピュータを、
前記注文者から鉄骨の注文を示す注文情報を受信する注文情報受信部、
前記注文情報に対応する鉄骨が用いられる案件の特徴を示す案件特徴情報と、前記複数のファブリケータのそれぞれの特徴を示すファブ特徴情報と、を取得する特徴情報取得部、
前記複数のファブリケータの中から複数の募集ファブリケータを、前記複数のファブリケータのそれぞれの所在地によらずに所在地以外の情報に基づいて選択する選択部、
前記選択部により選択される前記複数の募集ファブリケータに前記注文情報を送信する注文情報送信部、
前記注文情報が示す注文を受けることを示す受注情報を、前記複数の募集ファブリケータの一部である複数の候補ファブリケータから受信する受注情報受信部、
前記複数の候補ファブリケータのそれぞれを示す複数の候補ファブリケータ情報の少なくとも一部を前記案件特徴情報及び前記ファブ特徴情報の少なくともいずれかに基づいて前記注文者に提示する候補提示部、
として機能させる、
プログラム。
【請求項14】
鉄骨を注文する注文者と鉄骨を製造する複数のファブリケータとの仲介をするコンピュータの注文仲介方法であって、
前記コンピュータが、
前記注文者から鉄骨の注文を示す注文情報を受信する注文情報受信ステップと、
前記注文情報に対応する鉄骨が用いられる案件の特徴を示す案件特徴情報と、前記複数のファブリケータのそれぞれの特徴を示すファブ特徴情報と、を取得する特徴情報取得ステップと、
前記複数のファブリケータの中から複数の募集ファブリケータを、前記複数のファブリケータのそれぞれの所在地によらずに、前記案件特徴情報及び前記ファブ特徴情報の少なくともいずれかに基づいて選択する選択ステップと、
前記選択ステップにおいて選択される前記複数の募集ファブリケータに前記注文情報を送信する注文情報送信ステップと、
前記注文情報が示す注文を受けることを示す受注情報を、前記複数の募集ファブリケータの一部である複数の候補ファブリケータから受信する受注情報受信ステップと、
前記複数の候補ファブリケータのそれぞれを示す複数の候補ファブリケータ情報の少なくとも一部を前記注文者に提示する候補提示ステップと、
を含む処理を実行する、
注文仲介方法。
【請求項15】
鉄骨を注文する注文者と鉄骨を製造する複数のファブリケータとの仲介をするコンピュータの注文仲介方法であって、
前記コンピュータが、
前記注文者から鉄骨の注文を示す注文情報を受信する注文情報受信ステップと、
前記注文情報に対応する鉄骨が用いられる案件の特徴を示す案件特徴情報と、前記複数のファブリケータのそれぞれの特徴を示すファブ特徴情報と、を取得する特徴情報取得ステップと、
前記複数のファブリケータの中から複数の募集ファブリケータを、前記複数のファブリケータのそれぞれの所在地によらずに所在地以外の情報に基づいて選択する選択ステップと、
前記選択ステップにおいて選択される前記複数の募集ファブリケータに前記注文情報を送信する注文情報送信ステップと、
前記注文情報が示す注文を受けることを示す受注情報を、前記複数の募集ファブリケータの一部である複数の候補ファブリケータから受信する受注情報受信ステップと、
前記複数の候補ファブリケータのそれぞれを示す複数の候補ファブリケータ情報の少なくとも一部を前記案件特徴情報及び前記ファブ特徴情報の少なくともいずれかに基づいて前記注文者に提示する候補提示ステップと、
を含む処理を実行する、
注文仲介方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明の一態様によれば、サーバは、鉄骨を注文する注文者及び鉄骨を製造する複数のファブリケータと、ネットワーク経由で通信するサーバであって、前記注文者から鉄骨の注文を示す注文情報を受信する注文情報受信部と、前記注文情報に対応する鉄骨が用いられる案件の特徴を示す案件特徴情報と、前記複数のファブリケータのそれぞれの特徴を示すファブ特徴情報と、を取得する特徴情報取得部と、前記複数のファブリケータの中から複数の募集ファブリケータを、前記複数のファブリケータのそれぞれの所在地によらずに、前記案件特徴情報及び前記ファブ特徴情報の少なくともいずれかに基づいて選択する選択部と、前記選択部により選択される前記複数の募集ファブリケータに前記注文情報を送信する注文情報送信部と、前記注文情報が示す注文を受けることを示す受注情報を、前記複数の募集ファブリケータの一部である複数の候補ファブリケータから受信する受注情報受信部と、前記複数の候補ファブリケータのそれぞれを示す複数の候補ファブリケータ情報の少なくとも一部を前記注文者に提示する候補提示部と、を備える。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
300トン未満の小ロットの鉄骨を注文する注文者及び鉄骨を製造する複数のファブリケータと、ネットワーク経由で通信するサーバであって、
前記注文者から鉄骨の注文を示す注文情報を受信する注文情報受信部と、
前記注文情報に対応する鉄骨が用いられる案件の特徴を示す案件特徴情報と、前記複数のファブリケータのそれぞれの特徴を示すファブ特徴情報と、を取得する特徴情報取得部と、
前記複数のファブリケータの中から複数の募集ファブリケータを、前記複数のファブリケータのそれぞれの所在地によらずに、前記案件特徴情報及び前記ファブ特徴情報の少なくともいずれかに基づいて選択する選択部と、
前記選択部により選択される前記複数の募集ファブリケータに前記注文情報を送信する注文情報送信部と、
前記注文情報が示す注文を受けることを示す受注情報を、前記複数の募集ファブリケータの一部である複数の候補ファブリケータから受信する受注情報受信部と、
前記複数の候補ファブリケータのそれぞれを示す複数の候補ファブリケータ情報の少なくとも一部を前記注文者に提示する候補提示部と、
を備える、
ことを特徴とするサーバ。
【請求項2】
300トン未満の小ロットの鉄骨を注文する注文者及び鉄骨を製造する複数のファブリケータと、ネットワーク経由で通信するサーバであって、
前記注文者から鉄骨の注文を示す注文情報を受信する注文情報受信部と、
前記注文情報に対応する鉄骨が用いられる案件の特徴を示す案件特徴情報と、前記複数のファブリケータのそれぞれの特徴を示すファブ特徴情報と、を取得する特徴情報取得部と、
前記複数のファブリケータの中から複数の募集ファブリケータを、前記複数のファブリケータのそれぞれの所在地によらずに前記複数のファブリケータのそれぞれの利用登録情報に基づいて選択する選択部と、
前記選択部により選択される前記複数の募集ファブリケータに前記注文情報を送信する注文情報送信部と、
前記注文情報が示す注文を受けることを示す受注情報を、前記複数の募集ファブリケータの一部である複数の候補ファブリケータから受信する受注情報受信部と、
前記複数の候補ファブリケータのそれぞれを示す複数の候補ファブリケータ情報の少なくとも一部を前記案件特徴情報及び前記ファブ特徴情報の少なくともいずれかに基づいて前記注文者に提示する候補提示部と、
を備える、
ことを特徴とするサーバ。
【請求項3】
前記案件特徴情報は、前記複数のファブリケータの能力であって前記案件の建築に求められる能力を示す案件能力情報を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ。
【請求項4】
前記案件特徴情報は、前記複数のファブリケータの能力であって前記案件の建築に求められる能力を示す案件能力情報を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載のサーバ。
【請求項5】
前記案件特徴情報は、前記鉄骨の用途に関する案件用途情報を含む、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項6】
前記ファブ特徴情報は、前記案件が建築されるエリアであって前記複数のファブリケータのそれぞれが対応可能なエリアを示すファブエリア情報を含む、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項7】
前記ファブ特徴情報は、前記複数のファブリケータのそれぞれのファブ評価情報を含む、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項8】
前記案件特徴情報及び前記ファブ特徴情報を前記注文者の端末の表示部に表示させる表示制御部、
を更に備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項9】
前記候補ファブリケータに関する候補ファブリケータ情報と、前記案件特徴情報と、前記ファブ特徴情報とを関連付けて、前記注文者の端末の表示部に表示させる表示制御部、
を更に備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項10】
前記案件特徴情報と前記ファブ特徴情報とに基づき、前記案件と前記複数のファブリケータのそれぞれの相性の程度を示すマッチングポイントを算出する算出部と、
前記算出部により算出されるマッチングポイントのそれぞれと、前記複数のファブリケータのそれぞれと、を関連付けて、前記注文者の端末の表示部に表示させる表示制御部、
を更に備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項11】
300トン未満の小ロットの鉄骨を注文する注文者及び鉄骨を製造する複数のファブリケータと、ネットワーク経由で通信するサーバのコンピュータを、
前記注文者から鉄骨の注文を示す注文情報を受信する注文情報受信部、
前記注文情報に対応する鉄骨が用いられる案件の特徴を示す案件特徴情報と、前記複数のファブリケータのそれぞれの特徴を示すファブ特徴情報と、を取得する特徴情報取得部、
前記複数のファブリケータの中から複数の募集ファブリケータを、前記複数のファブリケータのそれぞれの所在地によらずに、前記案件特徴情報及び前記ファブ特徴情報の少なくともいずれかに基づいて選択する選択部、
前記選択部により選択される前記複数の募集ファブリケータに前記注文情報を送信する注文情報送信部、
前記注文情報が示す注文を受けることを示す受注情報を、前記複数の募集ファブリケータの一部である複数の候補ファブリケータから受信する受注情報受信部、
前記複数の候補ファブリケータのそれぞれを示す複数の候補ファブリケータ情報の少なくとも一部を前記注文者に提示する候補提示部、
として機能させる、
プログラム。
【請求項12】
300トン未満の小ロットの鉄骨を注文する注文者及び鉄骨を製造する複数のファブリケータと、ネットワーク経由で通信するサーバのコンピュータを、
前記注文者から鉄骨の注文を示す注文情報を受信する注文情報受信部、
前記注文情報に対応する鉄骨が用いられる案件の特徴を示す案件特徴情報と、前記複数のファブリケータのそれぞれの特徴を示すファブ特徴情報と、を取得する特徴情報取得部、
前記複数のファブリケータの中から複数の募集ファブリケータを、前記複数のファブリケータのそれぞれの所在地によらずに前記複数のファブリケータのそれぞれの利用登録情報に基づいて選択する選択部、
前記選択部により選択される前記複数の募集ファブリケータに前記注文情報を送信する注文情報送信部、
前記注文情報が示す注文を受けることを示す受注情報を、前記複数の募集ファブリケータの一部である複数の候補ファブリケータから受信する受注情報受信部、
前記複数の候補ファブリケータのそれぞれを示す複数の候補ファブリケータ情報の少なくとも一部を前記案件特徴情報及び前記ファブ特徴情報の少なくともいずれかに基づいて前記注文者に提示する候補提示部、
として機能させる、
プログラム。
【請求項13】
300トン未満の小ロットの鉄骨を注文する注文者と鉄骨を製造する複数のファブリケータとの仲介をするコンピュータの注文仲介方法であって、
前記コンピュータが、
前記注文者から鉄骨の注文を示す注文情報を受信する注文情報受信ステップと、
前記注文情報に対応する鉄骨が用いられる案件の特徴を示す案件特徴情報と、前記複数のファブリケータのそれぞれの特徴を示すファブ特徴情報と、を取得する特徴情報取得ステップと、
前記複数のファブリケータの中から複数の募集ファブリケータを、前記複数のファブリケータのそれぞれの所在地によらずに、前記案件特徴情報及び前記ファブ特徴情報の少なくともいずれかに基づいて選択する選択ステップと、
前記選択ステップにおいて選択される前記複数の募集ファブリケータに前記注文情報を送信する注文情報送信ステップと、
前記注文情報が示す注文を受けることを示す受注情報を、前記複数の募集ファブリケータの一部である複数の候補ファブリケータから受信する受注情報受信ステップと、
前記複数の候補ファブリケータのそれぞれを示す複数の候補ファブリケータ情報の少なくとも一部を前記注文者に提示する候補提示ステップと、
を含む処理を実行する、
注文仲介方法。
【請求項14】
300トン未満の小ロットの鉄骨を注文する注文者と鉄骨を製造する複数のファブリケータとの仲介をするコンピュータの注文仲介方法であって、
前記コンピュータが、
前記注文者から鉄骨の注文を示す注文情報を受信する注文情報受信ステップと、
前記注文情報に対応する鉄骨が用いられる案件の特徴を示す案件特徴情報と、前記複数のファブリケータのそれぞれの特徴を示すファブ特徴情報と、を取得する特徴情報取得ステップと、
前記複数のファブリケータの中から複数の募集ファブリケータを、前記複数のファブリケータのそれぞれの所在地によらずに前記複数のファブリケータのそれぞれの利用登録情報に基づいて選択する選択ステップと、
前記選択ステップにおいて選択される前記複数の募集ファブリケータに前記注文情報を送信する注文情報送信ステップと、
前記注文情報が示す注文を受けることを示す受注情報を、前記複数の募集ファブリケータの一部である複数の候補ファブリケータから受信する受注情報受信ステップと、
前記複数の候補ファブリケータのそれぞれを示す複数の候補ファブリケータ情報の少なくとも一部を前記案件特徴情報及び前記ファブ特徴情報の少なくともいずれかに基づいて前記注文者に提示する候補提示ステップと、
を含む処理を実行する、
注文仲介方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明の一態様によれば、サーバは、300トン未満の小ロットの鉄骨を注文する注文者及び鉄骨を製造する複数のファブリケータと、ネットワーク経由で通信するサーバであって、前記注文者から鉄骨の注文を示す注文情報を受信する注文情報受信部と、前記注文情報に対応する鉄骨が用いられる案件の特徴を示す案件特徴情報と、前記複数のファブリケータのそれぞれの特徴を示すファブ特徴情報と、を取得する特徴情報取得部と、前記複数のファブリケータの中から複数の募集ファブリケータを、前記複数のファブリケータのそれぞれの所在地によらずに、前記案件特徴情報及び前記ファブ特徴情報の少なくともいずれかに基づいて選択する選択部と、前記選択部により選択される前記複数の募集ファブリケータに前記注文情報を送信する注文情報送信部と、前記注文情報が示す注文を受けることを示す受注情報を、前記複数の募集ファブリケータの一部である複数の候補ファブリケータから受信する受注情報受信部と、前記複数の候補ファブリケータのそれぞれを示す複数の候補ファブリケータ情報の少なくとも一部を前記注文者に提示する候補提示部と、を備える。