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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061928
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】重量計測システム
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/387 20060101AFI20240430BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20240430BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
G01G19/387 Z
G07G1/00 331C
G07G1/12 321E
G07G1/12 331A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169571
(22)【出願日】2022-10-24
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】高田 敦
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142DA04
3E142DA07
3E142FA03
3E142FA41
3E142GA41
3E142KA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】容器に収容物を収容する作業を行う作業者の利便性を向上させる。
【解決手段】容器を含む1または2以上の物体の総重量を計測する計測部と、基準重量を記憶する記憶部と、第1の動作モードおよび第2の動作モードの間で動作モードを切り替える制御部と、を備え、制御部は、第1の動作モードにおいては、容器に物体として新たに収容される収容物を認識した場合に、基準重量および収容物の重量の合計重量と、計測部により収容物の収容後に得られた計測結果とが所定の関係を満たすか否かを判断し、所定の関係が満たされる場合には計測結果に基準重量を更新し、所定の関係が満たされない場合にはエラー処理を制御し、第2の動作モードにおいては、計測部により得られた計測結果が基準重量よりも小さい場合および大きい場合のいずれの場合にも、計測部により得られた計測結果に基準重量を更新する、重量計測システムが提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を含む1または2以上の物体の総重量を計測する計測部と、
基準重量を記憶する記憶部と、
第1の動作モードおよび第2の動作モードの間で動作モードを切り替える制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記第1の動作モードにおいては、前記容器に前記物体として新たに収容される収容物を認識した場合に、前記基準重量および前記収容物の重量の合計重量と、前記計測部により前記収容物の収容後に得られた計測結果とが所定の関係を満たすか否かを判断し、前記所定の関係が満たされる場合には前記計測結果に前記基準重量を更新し、前記所定の関係が満たされない場合にはエラー処理を制御し、
前記第2の動作モードにおいては、前記計測部により得られた計測結果が前記基準重量よりも小さい場合および大きい場合のいずれの場合にも、前記計測部により得られた計測結果に前記基準重量を更新する、
重量計測システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記第2の動作モードにおいて、前記計測結果が前記基準重量よりも小さい場合および大きい場合のいずれの場合にも、容器交換完了条件が満たされた場合に、前記計測結果に前記基準重量を更新する、
請求項1に記載の重量計測システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2の動作モードにおいて、前記計測結果と一致する過去の計測結果が記憶されている場合に、前記計測結果に前記基準重量を更新する、
請求項1に記載の重量計測システム。
【請求項4】
容器を含む1または2以上の物体の総重量を計測する第1の計測部と、
1または2以上の物体の総重量を計測する第2の計測部と、
基準重量を記憶する記憶部と、
第1の動作モードおよび第2の動作モードの間で動作モードを切り替える制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記第1の動作モードにおいては、
前記第1の計測部により得られた第1の計測結果および前記第2の計測部により得られた第2の計測結果の合計結果と前記基準重量とが所定の関係を満たすか否かを判断し、前記所定の関係が満たされない場合にはエラー処理を制御し、
前記第2の動作モードにおいては、前記合計結果が前記基準重量よりも小さい場合および大きい場合のいずれの場合にも、前記合計結果に前記基準重量を更新する、
重量計測システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記第2の動作モードにおいて、前記合計結果が前記基準重量よりも小さい場合および大きい場合のいずれの場合にも、容器交換完了条件が満たされた場合に、前記合計結果に前記基準重量を更新する、
請求項4に記載の重量計測システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2の動作モードにおいて、前記第1の計測結果と一致する前記第1の計測部による過去の計測結果が記憶されている場合に、前記合計結果に前記基準重量を更新する、
請求項4に記載の重量計測システム。
【請求項7】
前記制御部は、容器交換開始条件が満たされた場合に、前記動作モードを前記第1の動作モードから前記第2の動作モードに替える、
請求項1~6のいずれか一項に記載の重量計測システム。
【請求項8】
前記容器交換開始条件は、顧客によって容器交換開始ボタンが押下されたという条件である、
請求項7に記載の重量計測システム。
【請求項9】
前記制御部は、前記容器交換開始条件が満たされた場合に、所定の出力装置によって所定の警告情報が出力されるように前記出力装置を制御する、
請求項7に記載の重量計測システム。
【請求項10】
前記制御部は、前記基準重量を更新した後に、前記動作モードを前記第2の動作モードから前記第1の動作モードに替える、
請求項1~6のいずれか一項に記載の重量計測システム。
【請求項11】
前記容器は、商品が収容される袋である、
請求項1~6のいずれか一項に記載の重量計測システム。
【請求項12】
前記重量計測システムは、決済処理端末である、
請求項1~6のいずれか一項に記載の重量計測システム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重量計測システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、作業者が所望の収容物を容器に収容したことを確認するための技術が知られている。
【0003】
かかる技術の例として、容器を含んだ1または2以上の物体の総重量の計測を行う計測部を備える重量計測システムが知られている。かかる重量計測システムにおいては、計測部によって得られた計測結果と基準重量とが一致することを確認することにより、作業者が所望の収容物を容器に収容したことを確認する。計測結果と基準重量とが一致しない場合には、エラー処理が実行される。
【0004】
かかる重量計測システムにおいて、容器が収容物で満杯になった場合などには、容器に更なる収容物を収容することができないため、容器を交換する必要が生じる。例えば、特許文献1には、作業者によって容器が交換された後、計測部によって得られた計測結果が基準重量よりも小さい場合に、基準重量が計測結果に更新される技術が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012-150841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
かかる重量計測システムにおいて、計測結果が基準重量よりも大きい場合には、基準重量が計測結果に更新されない。そのため、交換前後の容器の重量はほとんど同じであるものの、容器交換前よりも容器交換後のほうが収容物の重量が大きい場合などには、計測部によって得られた計測結果と基準重量とが一致しなくなるため、エラー処理が実行されてしまう。したがって、容器に所望の収容物を収容する作業を行う作業者の利便性が低い。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、容器に収容物を収容する作業を行う作業者の利便性を向上させることが可能な、新規かつ改良された技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、容器を含む1または2以上の物体の総重量を計測する計測部と、基準重量を記憶する記憶部と、第1の動作モードおよび第2の動作モードの間で動作モードを切り替える制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1の動作モードにおいては、前記容器に前記物体として新たに収容される収容物を認識した場合に、前記基準重量および前記収容物の重量の合計重量と、前記計測部により前記収容物の収容後に得られた計測結果とが所定の関係を満たすか否かを判断し、前記所定の関係が満たされる場合には前記計測結果に前記基準重量を更新し、前記所定の関係が満たされない場合にはエラー処理を制御し、前記第2の動作モードにおいては、前記計測部により得られた計測結果が前記基準重量よりも小さい場合および大きい場合のいずれの場合にも、前記計測部により得られた計測結果に前記基準重量を更新する、重量計測システムが提供される。
【0009】
前記制御部は、前記第2の動作モードにおいて、前記計測結果が前記基準重量よりも小さい場合および大きい場合のいずれの場合にも、容器交換完了条件が満たされた場合に、前記計測結果に前記基準重量を更新してもよい。
【0010】
前記制御部は、前記第2の動作モードにおいて、前記計測結果と一致する過去の計測結果が記憶されている場合に、前記計測結果に前記基準重量を更新してもよい。
【0011】
また、上記課題を解決するために本発明の別の観点によれば、容器を含む1または2以上の物体の総重量を計測する第1の計測部と、1または2以上の物体の総重量を計測する第2の計測部と、基準重量を記憶する記憶部と、第1の動作モードおよび第2の動作モードの間で動作モードを切り替える制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1の動作モードにおいては、前記第1の計測部により得られた第1の計測結果および前記第2の計測部により得られた第2の計測結果の合計結果と前記基準重量とが所定の関係を満たすか否かを判断し、前記所定の関係が満たされない場合にはエラー処理を制御し、前記第2の動作モードにおいては、前記合計結果が前記基準重量よりも小さい場合および大きい場合のいずれの場合にも、前記合計結果に前記基準重量を更新する、重量計測システムが提供される。
【0012】
前記制御部は、前記第2の動作モードにおいて、前記合計結果が前記基準重量よりも小さい場合および大きい場合のいずれの場合にも、容器交換完了条件が満たされた場合に、前記合計結果に前記基準重量を更新してもよい。
【0013】
前記制御部は、前記第2の動作モードにおいて、前記第1の計測結果と一致する前記第1の計測部による過去の計測結果が記憶されている場合に、前記合計結果に前記基準重量を更新してもよい。
【0014】
前記制御部は、容器交換開始条件が満たされた場合に、前記動作モードを前記第1の動作モードから前記第2の動作モードに替えてもよい。
【0015】
前記容器交換開始条件は、顧客によって容器交換開始ボタンが押下されたという条件であってもよい。
【0016】
前記制御部は、前記容器交換開始条件が満たされた場合に、所定の出力装置によって所定の警告情報が出力されるように前記出力装置を制御してもよい。
【0017】
前記制御部は、前記基準重量を更新した後に、前記動作モードを前記第2の動作モードから前記第1の動作モードに替えてもよい。
【0018】
前記容器は、商品が収容される袋であってもよい。
【0019】
前記重量計測システムは、決済処理端末であってもよい。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明によれば、容器に収容物を収容する作業を行う作業者の利便性を向上させることが可能な技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1の実施形態に係る重量計測システム1の外観を示す図である。
図2】端末本体11の機能構成例を示すブロック図である。
図3】同実施形態に係る重量計測システム1の動作例を示すフローチャートである。
図4】基準重量設定処理(S10)の詳細な動作例を示すフローチャートである。
図5】重量チェック処理(S20)の詳細な動作例を示すフローチャートである。
図6】基準重量再設定処理(S40)の詳細な動作例を示すフローチャートである。
図7】本発明の第2の実施形態に係る重量計測システム2の外観を示す図である。
図8】同実施形態に係る重量計測システム2の動作例を示すフローチャートである。
図9】基準重量設定処理(S60)の詳細な動作例を示すフローチャートである。
図10】重量監視タスクの詳細な動作例を示すフローチャートである。
図11】重量チェック処理(S80)の詳細な動作例を示すフローチャートである。
図12】基準重量再設定処理(S90)の詳細な動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0023】
(0.概要)
まず、本発明の実施形態に係る概要について説明する。上記したように、本発明の実施形態においては、容器に収容物を収容する作業を行う作業者の利便性を向上させることが可能な重量計測システムについて主に説明する。
【0024】
以下の説明においては、収容物が商品である場合、かつ、容器が商品を収容可能な袋(以下、「買い物袋」とも言う。)である場合を主に想定する。しかし、後にも説明するように、収容物は、商品に限定されないし、容器も、買い物袋に限定されない。例えば、買い物袋は、店舗において顧客に提供されるレジ袋であってもよいし、レジ袋以外の袋(例えば、顧客が持参する袋など)であってもよい。
【0025】
さらに、以下の説明においては、作業者が顧客である場合、かつ、重量計測システムが、顧客に商品を販売する店舗(例えば、小売店など)に設置される決済処理端末である場合を主に想定する。しかし、後にも説明するように、作業者は、顧客に限定されないし、重量計測システムも、決済処理端末に限定されない。例えば、決済処理端末は、顧客によって操作が入力されるセルフレジ端末装置であってもよい。
【0026】
(既存技術)
ここで、既存技術について簡単に説明する。一般に、顧客は、決済処理端末を用いて商品の会計を行うに際して、まず買い物袋を決済処理端末にセットする。そして、顧客は、商品に付された商品識別情報(以下、「商品コード」とも言う。)を決済処理端末のスキャナに読み取らせ、その商品を買い物袋に収容する。決済処理端末は、スキャナによって読み取られた商品コードに紐づけられた商品単価に基づく会計処理を実行する。
【0027】
このとき、商品コードをスキャナに読み取らせずに商品を買い物袋に収容してしまう不正な会計が行われてしまう可能性がある。かかる不正な会計を防止するため、買い物袋を含んだ1または2以上の物体の総重量を計測し、スキャナによって商品コードが読み取られた場合には、スキャナによって商品コードが読み取られた商品が買い物袋に新たに収容されることによる計測結果の増加を確認し、その他の場合には、計測結果が変化しないことを確認する技術が知られている。
【0028】
しかし、買い物袋に商品が収まらなくなってしまう場合なども想定される。かかる場合に、顧客は、商品収容用の買い物袋を、現在まで使用していた買い物袋から新たな買い物袋に交換する。このとき、新たな買い物袋に商品が収容されていない場合などには、計測結果が減少してしまうため、エラー処理が実行されてしまう。例えば、エラー処理において、顧客は、決済処理端末から買い物袋に商品を戻すように指示されてしまう。
【0029】
ここで、商品収容用の買い物袋の交換を可能にするための技術として、商品コードが読み取られる前に、買い物袋の重量と買い物袋に収容されている商品の重量との総重量を基準重量として測定しておく既存技術(例えば、特許文献1に記載の技術)が存在する。
【0030】
既存技術において、商品コードが読み取られる前に、基準重量よりも測定結果が小さくなった場合には、買い物袋が交換されたとして測定結果に基準重量が更新される。そして、商品コードが読み取られた後には、更新後の基準重量と計測結果とが一致しない場合に、エラー処理が実行される。
【0031】
一方、既存技術において、商品コードが読み取られる前に、基準重量よりも測定結果が大きくなったとしても、基準重量が更新されずに、エラー処理が実行される。例えば、基準重量よりも測定結果が大きくなる例としては、交換前後の買い物袋の重量はほとんど変わらないものの、買い物袋の交換前よりも買い物袋の交換後のほうが買い物袋に収容されている商品の重量が大きくなる場合など(例えば、商品コードが既に読み取られた商品が収容された買い物袋への交換が行われる場合など)が挙げられる。したがって、既存技術では、顧客の利便性が低くなってしまう。
【0032】
さらに、かかる既存技術においては、顧客が買い物袋に収容された商品を動かしただけでも、基準重量よりも測定結果が小さくなってしまい、基準重量が小さくなるように更新されてしまうことがある。このとき、顧客が、商品コードが読み取られた商品だけを買い物袋に収容しているにも関わらず、基準重量よりも計測結果が大きくなってしまい、エラー処理が実行されてしまう。したがって、既存技術では、顧客の利便性が低くなってしまう。
【0033】
そこで、本発明の実施形態においては、買い物袋に商品を収容する作業を行う顧客の利便性を向上させることが可能な技術について主に説明する。
【0034】
より具体的に、本発明の実施形態においては、交換前後の買い物袋の重量はほとんど変わらないものの、買い物袋の交換前よりも買い物袋の交換後のほうが買い物袋に収容されている商品の重量が大きくなる場合などにおいて、計測結果に基準重量が更新されるとともに、エラー処理が実行されてしまう可能性が低減される。したがって、本発明の実施形態によれば、顧客の利便性が向上するという効果が奏される。
【0035】
さらに、本発明の実施形態においては、買い物袋の交換を開始するための条件(以下、「袋交換開始条件」とも言う。)が満たされた場合に、基準重量が更新される。換言すると、顧客が買い物袋に収容された商品を動かしたとしても、袋交換開始条件が満たされない限りは、基準重量が小さくなるように更新されない。これにより、商品コードが読み取られた商品だけを買い物袋に収容しているにも関わらず、基準重量よりも計測結果が大きくなってしまう可能性が低減され、エラー処理が実行されてしまう可能性が低減される。したがって、本発明の実施形態によれば、顧客の利便性が向上するという効果が奏される。
【0036】
なお、以下の説明では、袋交換開始条件が、顧客によって袋交換開始ボタンが押下されるという条件である場合について主に説明する。しかし、後においても説明するように、袋交換開始条件は、かかる場合に限定されない。
【0037】
以上、本発明の実施形態に係る概要について説明した。
【0038】
(1.第1の実施形態)
続いて、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0039】
(1.1.重量計測システムの構成例)
まず、図1および図2を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る重量計測システムの構成例について説明する。
【0040】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る重量計測システムの外観を示す図である。図1に示されるように、本発明の第1の実施形態に係る重量計測システム1は、端末本体11と、籠載置台13と、袋重量計測部14と、フック17とを備える。本発明の第1の実施形態において、重量計測システム1は、決済処理端末として機能する。特に、本発明の第1の実施形態において、重量計測システム1は、顧客によって操作が入力されるセルフレジ端末装置として機能する。
【0041】
籠載置台13は、籠12が載置される台である。図1に示された例では、顧客によって選択された商品12-2が顧客によって籠12に入れられ、商品12-2が入れられた籠12が顧客によって籠載置台13の上に載置されている。なお、籠12に入れられている商品12-2は、商品に付された商品コードがスキャナ部22によってまだ読み取られていない商品である。
【0042】
袋重量計測部14は、買い物袋が載置される台であり、袋重量計測部14の上に載置された買い物袋を含む1または2以上の物体の総重量を計測する計測部の例として機能する。すなわち、当該1または2以上の物体には、買い物袋が含まれる他、買い物袋に収容された1または2以上の商品が含まれ得る。袋重量計測部14は、端末本体11と接続されており、計測結果を端末本体11に出力する。
【0043】
なお、不正な会計が行われていない場合には、買い物袋に収容された1または2以上の商品はすべて、商品に付された商品コードがスキャナ部22によって読み取られた商品である。商品コードが読み取られた商品には、単価が顧客によって手入力された商品(例えば、野菜または果物など)も含まれ得る。一方、不正な会計が行われている場合には、買い物袋に収容された1または2以上の商品は、商品に付された商品コードがスキャナ部22によって読み取られていない商品を含んでいる可能性がある。
【0044】
フック17は、買い物袋が引っ掛けられる部材である。
【0045】
端末本体11は、コンピュータによって実現され、重量計測システム1の本体として機能する。図1に示されるように、端末本体11は、操作表示部21と、スキャナ部22と、レシート排出口23と、クレジットカード挿入口44と、入金口45と、出金口46とを備える。
【0046】
操作表示部21は、顧客に対して画面を提示する表示部としての機能と、画面に対する顧客からの操作を受け付ける操作部としての機能を有する。表示部は、ディスプレイによって構成され得る。また、操作部は、ディスプレイに積層されたタッチパネルによって構成され得る。
【0047】
スキャナ部22は、顧客によって商品に付された商品コードがかざされると、商品コードを読み取る。なお、図1に示された例では、スキャナ部22が端末本体11に固定されている。しかし、スキャナ部22は、顧客によって動かすことが可能なスキャナ部に置き換えられてもよい。
【0048】
レシート排出口23は、会計処理の完了後にレシートが排出される排出口である。クレジットカード挿入口44は、顧客がクレジットカードによる支払いを行いたい場合に、顧客によってクレジットカードが挿入される挿入口である。入金口45は、顧客によって現金が投入される投入口である。図1に示された例では、入金口45が、紙幣が投入される紙幣入金口と硬貨が投入される硬貨入金口との両方の機能を有するが、紙幣入金口と硬貨入金口とは別々に設けられていてもよい。出金口46は、釣銭などを顧客に排出する排出口である。図1に示された例では、出金口46が、紙幣を排出する紙幣出金口と硬貨を排出する硬貨出金口との両方の機能を有するが、紙幣出金口と硬貨出金口とは別々に設けられていてもよい。
【0049】
図2は、端末本体11の機能構成例を示すブロック図である。端末本体11は、制御部26と、レシート印刷部23-2と、記憶部24と、入金処理部45-2と、操作表示部21と、出金処理部46-2と、クレジットカード読取部44-2と、決済処理部25と、スキャナ部22とを備える。
【0050】
操作表示部21は、図1に示された操作表示部21と同じ構成である。同様に、スキャナ部22は、図1に示されたスキャナ部22と同じ構成である。
【0051】
レシート印刷部23-2は、用紙に印字を行ってレシート排出口23から排出されるレシートを作成する。決済処理部25は、商品コードに紐づけられた商品単価の合計金額に基づく決済処理を実行する。クレジットカード読取部44-2は、クレジットカード挿入口44から挿入されたクレジットカードを読み取る。
【0052】
入金処理部45-2は、入金口45を介した現金の入金処理を実行する。出金処理部46-2は、出金口46を介した釣銭などの出金処理を実行する。
【0053】
記憶部24は、商品に関する情報を商品データベース(以下、「商品DB」とも言う。)として記憶している。具体的に、商品DBは、商品を識別するための情報である商品コードと、商品名と、商品1個あたりの価格である商品単価と、商品1個あたりの重量とが紐づけられて構成されている。例えば、記憶部24は、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブまたはフラッシュメモリなどのメモリによって構成されてよい。
【0054】
制御部26は、端末本体11の内部の各構成を制御する機能を有する。制御部26は、第1の動作モード(以下、「重量チェックモード」とも言う。)と第2の動作モード(以下、「袋交換モード」とも言う。)との間で動作モードを切り替える。なお、重量チェックモードおよび袋交換モードそれぞれについては、後に詳細に説明する。
【0055】
例えば、制御部26は、プロセッサを含み、ROM(Read Only Memory)により記憶されているプログラムがプロセッサによりRAMに展開されて実行されることにより、その機能が実現され得る。このとき、当該プログラムを記録した、コンピュータに読み取り可能な記録媒体も提供され得る。プロセッサによる演算に必要なデータは、記憶部24によって適宜記憶される。
【0056】
以上、本発明の第1の実施形態に係る重量計測システム1の構成例について説明した。
【0057】
(1.2.重量計測システムの動作例)
図3図6を参照しながら(適宜図1および図2も参照しながら)、本発明の第1の実施形態に係る重量計測システム1の動作例について説明する。図3は、本発明の第1の実施形態に係る重量計測システム1の動作例を示すフローチャートである。
【0058】
重量計測システム1において、制御部26は、顧客による会計開始動作を検出すると、その顧客に対する取引を開始する。例えば、制御部26は、所定のセンサ(例えば、カメラなど)によって端末本体11に顧客が近づいたことが検出されたことを、会計開始動作として検出してもよい。あるいは、制御部26は、操作表示部21に対して顧客がタッチしたことが操作表示部21によって検出されたことを、会計開始動作として検出してもよい。制御部26は、基準重量設定処理(S10)を実行する。
【0059】
ここで、本発明の第1の実施形態において、基準重量は、袋重量計測部14によって得られる計測結果の比較の基準となる重量である。すなわち、本発明の第1の実施形態において、基準重量は、袋重量計測部14によって得られる計測結果が適正な範囲内であるか否かを判断するために使用される。基準重量は、記憶部24によって記憶される。続いて、図4を参照しながら、基準重量設定処理(S10)の詳細について説明する。
【0060】
図4は、基準重量設定処理(S10)の詳細な動作例を示すフローチャートである。図4に示されるように、制御部26は、買い物袋をフック17にセットすることを顧客に促す指示を、袋セット指示として操作表示部21に表示させる(S11)。
【0061】
なお、この時点においてフック17にセットされる買い物袋には、何も商品が収容されていないことが主に想定される。しかし、この時点においてフック17にセットされる買い物袋には、商品コードがスキャナ部22によって既に読み取られた商品が収容されていてもよい。さらに、制御部26は、袋セット完了ボタンを操作表示部21に表示させる。
【0062】
顧客は、買い物袋をフック17にセットし終わらない間は、袋セット完了ボタンを押下しない。このとき、制御部26は、袋セット完了ボタンが押下されていないと判断し(S12において「NO」)、S13に動作を移行させる。そして、制御部26は、タイムアウトが生じたか否かを判断する(S13)。ここで、タイムアウトは、所定のタイミングからの経過時間が所定の時間に達することを意味し得る。例えば、所定のタイミングは、袋セット指示または袋セット完了ボタンを操作表示部21に表示させたタイミングであってもよい。
【0063】
制御部26は、タイムアウトが生じていない場合には(S13において「NO」)、S12に動作を移行させる。一方、制御部26は、タイムアウトが生じた場合には(S13において「YES」)、エラー処理を制御する(S14)。例えば、エラー処理は、操作表示部21によるエラー内容(例えば、買い物袋がセットされなかったことを示すメッセージなど)の表示であってもよい。なお、制御部26は、エラー処理を制御した後、袋セット完了ボタンが押下された場合には、S12において「YES」と判断された場合と同様に、S15に動作を移行させてもよい。
【0064】
一方、顧客は、買い物袋をフック17にセットし終わった場合には、袋セット完了ボタンを押下する。このとき、制御部26は、袋セット完了ボタンが押下されたと判断し(S12において「YES」)、袋重量計測部14によって袋セット完了ボタンの押下後に得られた計測結果を袋重量計測部14から取得する(S15)。
【0065】
そして、制御部26は、袋重量計測部14から取得した計測結果を基準重量に設定する(S16)。以上により、制御部26は、基準重量設定処理(S10)を終了し、S18(図3)に動作を移行させる。
【0066】
図3に戻って説明を続ける。制御部26は、動作モードを重量チェックモードに設定し、スキャナ部22による商品コードの読み取り待ちを行う(S18)。
【0067】
制御部26は、顧客によって商品に付された商品コードがスキャナ部22にかざされず、スキャナ部22によって商品コードが読み取られない場合には(S19において「NO」)、S31に動作を移行させる。
【0068】
一方、制御部26は、顧客によって商品に付された商品コードがスキャナ部22にかざされ、スキャナ部22によって商品コードが読み取られた場合には(S19において「YES」)、すなわち、袋重量計測部14によって計測される物体として、買い物袋に新たに収容される商品を認識した場合には、重量チェック処理(S20)に動作を移行させる。続いて、図5を参照しながら、重量チェック処理(S20)の詳細について説明する。
【0069】
図5は、重量チェック処理(S20)の詳細な動作例を示すフローチャートである。図5に示されるように、制御部26は、商品DBからスキャナ部22によって読み取られた商品コードに紐づけられた商品の重量を取得する(S21)。そして、制御部26は、取得した商品の重量と基準重量との合計重量を算出する(S23)。
【0070】
制御部26は、スキャナ部22による商品コードの読み取り後に袋重量計測部14によって得られた計測結果を取得する(S24)。そして、制御部26は、算出した合計重量と計測結果とを比較し、合計重量と計測結果とが所定の関係を満たすか否かを判断する(S25)。
【0071】
なお、所定の関係には、合計重量と計測結果とが一致するという関係が含まれてもよいし、合計重量と計測結果とが一致するという関係の他、合計重量と計測結果との差が基準値以下であるという関係が含まれてもよい。基準値はあらかじめ決められていてもよい。
【0072】
さらに、合計重量と計測結果とを比較することは、計測結果から商品の重量を差し引いた重量と基準重量とを比較することと同義であり、計測結果から基準重量を差し引いた重量と商品の重量とを比較することとも同義である。
【0073】
制御部26は、合計重量と計測結果とが所定の関係を満たさないと判断した場合には(S25において「NO」)、タイムアウトが生じたか否かを判断する(S26)。ここで、タイムアウトは、所定のタイミングからの経過時間が所定の時間に達することを意味し得る。例えば、所定のタイミングは、商品コードが読み取られたタイミングであってもよい。
【0074】
制御部26は、タイムアウトが生じていない場合には(S26において「NO」)、操作表示部21に警告を表示させ(S27)、S24に動作を移行させる。例えば、操作表示部21によって表示される警告は、商品コードが読み取られた商品を買い物袋に収容することを促す指示であってもよい。
【0075】
一方、制御部26は、タイムアウトが生じた場合には(S26において「YES」)、エラー処理を制御する(S28)。例えば、エラー処理は、操作表示部21によるエラー内容(例えば、商品コードが読み取られた商品が買い物袋に収容されなかったことを示すメッセージなど)の表示であってもよい。なお、制御部26は、エラー処理を制御した後、改めて取得し直した計測結果と合計重量とが所定の関係を満たす場合には、S25において「YES」と判断された場合と同様に、S29に動作を移行させてもよい。
【0076】
スキャナ部22によって商品コードが読み取られた商品を顧客が買い物袋に収容した後には、合計重量と計測結果とが所定の関係を満たすようになる。制御部26は、合計重量と計測結果とが所定の関係を満たすと判断した場合には(S25において「YES」)、計測結果に基準重量を更新する(S29)。以上により、制御部26は、重量チェック処理(S20)を終了し、S30(図3)に動作を移行させる。
【0077】
図3に戻って説明を続ける。制御部26は、商品情報登録処理(S30)を実行する。より詳細に、制御部26は、スキャナ部22によって読み取られた商品コードを、購入商品リストに追加することにより、商品情報登録処理(S30)を実行する。制御部26は、袋交換開始ボタンおよび決済開始ボタンを操作表示部21に表示させる。ここで、袋交換開始ボタンは、買い物袋の交換開始時に顧客が押下するためのボタンである。決済開始ボタンは、決済開始時に顧客が押下するためのボタンである。
【0078】
制御部26は、袋交換開始ボタンが顧客によって押下されたか否かを判断する(S31)。例えば、顧客は、フック17にセットされている買い物袋が商品で満杯になってしまった場合などには、袋交換開始ボタンを押下する。制御部26は、袋交換開始ボタンが顧客によって押下されたと判断した場合には(S31において「YES」)、動作モードを重量チェックモードから袋交換モードに切り替え、基準重量再設定処理(S40)に動作を移行させる。続いて、図6を参照しながら、基準重量再設定処理(S40)の詳細について説明する。
【0079】
図6は、基準重量再設定処理(S40)の詳細な動作例を示すフローチャートである。制御部26は、キャンセルボタンを操作表示部21に表示させる。ここで、キャンセルボタンは、買い物袋の交換をキャンセルするためのボタンである。図6に示されるように、制御部26は、袋交換開始ボタンが押下された後に袋重量計測部14によって得られた計測結果を取得する(S41)。続いて、制御部26は、取得した計測結果と基準重量とが一致するか否かを判断する(S42)。
【0080】
例えば、顧客がフック17にセットされている買い物袋を新たな買い物袋に交換していない場合などには、計測結果と基準重量とが一致したままとなる。制御部26は、計測結果と基準重量とが一致すると判断した場合には(S42において「YES」)、顧客によってキャンセルボタンが押下されたか否かを判断する(S43)。
【0081】
制御部26は、顧客によってキャンセルボタンが押下されたと判断した場合には(S43において「YES」)、基準重量再設定処理(S40)を終了し、S18(図3)に動作を移行させる。制御部26は、顧客によってキャンセルボタンが押下されなかったと判断した場合には(S43において「NO」)、S46に動作を移行させる。
【0082】
一方、顧客がフック17にセットされている買い物袋を新たな買い物袋に交換した場合などには、計測結果と基準重量とが一致しなくなる。制御部26は、計測結果と基準重量とが一致しないと判断した場合には(S42において「NO」)、袋交換完了ボタンを操作表示部21に表示させる(S44)。換言すると、制御部26は、計測結果が基準重量よりも小さい場合および大きい場合のいずれの場合にも、袋交換完了ボタンを操作表示部21に表示させる。ここで、袋交換完了ボタンは、買い物袋の交換の完了時に顧客が押下するためのボタンである。
【0083】
なお、制御部26は、計測結果と基準重量とが一致しないと判断した場合に、直ちに買い物袋の交換が完了したとみなして、S48に動作を移行させてもよい。しかし、計測結果と基準重量とが一致しなくなったとしても、買い物袋の交換作業が継続している可能性もある。そのため、顧客によって袋交換完了ボタンが押下された場合に、買い物袋の交換が完了したとみなすことにより、買い物袋の交換が完了したタイミングがより正確に把握され得る。
【0084】
顧客は、買い物袋の交換を継続している場合には、袋交換完了ボタンをまだ押下しない。制御部26は、顧客によって袋交換完了ボタンが押下されなかったと判断した場合には(S45において「NO」)、タイムアウトが生じたか否かを判断する(S46)。ここで、タイムアウトは、所定のタイミングからの経過時間が所定の時間に達することを意味し得る。例えば、所定のタイミングは、袋交換開始ボタンを操作表示部21に表示させたタイミングであってもよい。
【0085】
制御部26は、タイムアウトが生じていない場合には(S46において「NO」)、S41に動作を移行させる。一方、制御部26は、タイムアウトが生じた場合には(S46において「YES」)、エラー処理を制御する(S47)。例えば、エラー処理は、操作表示部21によるエラー内容(例えば、買い物袋の交換がされなかったことを示すメッセージなど)の表示であってもよい。なお、制御部26は、エラー処理を制御した後、袋交換完了ボタンが押下された場合には、S45において「YES」と判断された場合と同様に、S48に動作を移行させてもよい。
【0086】
一方、制御部26は、袋交換完了ボタンが押下されたと判断した場合には(S45において「YES」)、計測結果に基準重量を更新する(S48)。以上により、制御部26は、基準重量再設定処理(S40)を終了し、動作モードを袋交換モードから重量チェックモードに切り替え、S18(図3)に動作を移行させる。
【0087】
図3に戻って説明を続ける。制御部26は、袋交換開始ボタンが顧客によって押下されなかったと判断した場合には(S31において「NO」)、決済開始ボタンが押下されたか否かを判断する(S50)。
【0088】
顧客は、籠12に商品が残っている場合などには、決済開始ボタンを押下せずに、籠12から商品を取り出し、商品に付された商品コードの読み取り作業に移る。制御部26は、決済開始ボタンが押下されなかったと判断した場合には(S50において「NO」)、S18に動作を移行させる。
【0089】
一方、顧客は、籠12に商品が残っておらず、決済を開始させたい場合などには、決済開始ボタンを押下する。制御部26は、決済開始ボタンが押下されたと判断した場合には(S50において「YES」)、決済処理(S51)を決済処理部25に実行させる。より詳細に、制御部26は、決済処理(S51)として、購入商品リストに追加された1または複数の商品コードに紐づけられた商品単価の合計金額に基づく決済処理を決済処理部25に実行させる。
【0090】
制御部26は、決済処理が終了すると、その顧客に対する取引を終了する。そして、制御部26は、次の顧客による会計開始動作を検出すると、当該次の顧客に対する取引も同様に実行する。
【0091】
以上、本発明の第1の実施形態に係る重量計測システム1の動作例について説明した。
【0092】
(1.3.効果)
以上に説明したように、本発明の第1の実施形態によれば、袋交換開始ボタンが押下された後に袋重量計測部14によって得られた計測結果が基準重量よりも小さい場合および大きい場合のいずれの場合にも、計測結果に基準重量が更新されるとともに、エラー処理が実行されてしまう可能性が低減される。したがって、本発明の第1の実施形態によれば、顧客の利便性が向上するという効果が奏される。
【0093】
例えば、袋重量計測部14によって得られた計測結果が基準重量よりも大きい場合としては、フック17にセットされた買い物袋を、商品コードの読み取りが終わった商品が収容された買い物袋に交換する場合などが挙げられる。例えば、顧客が、商品コードの読み取りが終わった冷凍食品が収容された買い物袋を、フック17から外して他の買い物袋をフック17にセットしたものの、籠12にまだ冷凍食品が入っていることに気づいた場合に、フック17にセットされている買い物袋を、フック17から外した買い物袋に戻すことも可能となる。
【0094】
さらに、本発明の第1の実施形態においては、顧客によって袋交換開始ボタンが押下された場合に、基準重量が更新される。換言すると、顧客が買い物袋に収容された商品を動かしたとしても、顧客によって袋交換開始ボタンが押下されない限りは、基準重量が小さくなるように更新されない。これにより、商品コードが読み取られた商品だけを買い物袋に収容しているにも関わらず、基準重量よりも計測結果が大きくなってしまう可能性が低減され、エラー処理が実行されてしまう可能性が低減される。したがって、本発明の第1の実施形態によれば、顧客の利便性が向上するという効果が奏される。
【0095】
このように、顧客にとっては買い物袋の交換をしやすくなる。そのため、複数枚の買い物袋に分けて商品を収容する必要がありそうな場合に、買い物袋の交換作業が煩雑であるためにレジにて会計を済ませていた顧客も、セルフレジ端末装置を用いて会計を済ませることが多くなることが期待される。顧客によるセルフレジ端末装置の利用率向上は、小売店における人件費の低減、人的リソース確保の困難さからの解放という重要な意味を持つ。
【0096】
さらに、本発明の第1の実施形態においては、基準重量およびスキャナ部22によって読み取られた商品コードに紐づけられた商品の重量の合計重量と、袋重量計測部14によりその商品コードの読み取り後に得られた計測結果とが所定の関係を満たすか否かが判断される。そして、所定の関係が満たされない場合にはエラー処理が実行される。これによって、商品コードが読み取られていない商品を買い物袋に収容してしまう不正な会計が防止され得る。
【0097】
以上、本発明の第1の実施形態が奏する効果について説明した。
【0098】
(2.第2の実施形態)
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0099】
(2.1.重量計測システムの構成例)
まず、本発明の第2の実施形態に係る重量計測システムの構成例について説明する。なお、本発明の第2の実施形態に係る端末本体11の機能構成は、本発明の第1の実施形態に係る端末本体11の機能構成とほぼ同様である。したがって、本発明の第2の実施形態においても、本発明の第1の実施形態に係る端末本体11の機能構成例を示すブロック図を参照する。
【0100】
図7は、本発明の第2の実施形態に係る重量計測システムの外観を示す図である。図7に示されるように、本発明の第2の実施形態に係る重量計測システム2は、籠載置台13(図1)の代わりに籠重量計測部51を備える点が、本発明の第1の実施形態に係る重量計測システム1と主に異なる。したがって、以下では、籠重量計測部51と籠重量計測部51と関係する各構成について主に説明し、他の構成の詳細な説明は省略する。
【0101】
籠重量計測部51は、籠12が載置される台であり、籠重量計測部51の上に載置された1または2以上の物体の総重量を計測する。1または2以上の物体には、籠が含まれる他、籠に入れられた1または2以上の商品が含まれ得る。籠重量計測部51は、端末本体11と接続されており、計測結果を端末本体11に出力する。なお、籠重量計測部51は、第2の計測部の例として機能する。このとき、袋重量計測部14が、第1の計測部の例として機能する。
【0102】
以上、本発明の第2の実施形態に係る重量計測システム2の構成例について説明した。
【0103】
(2.2.重量計測システムの動作例)
図8図12を参照しながら(適宜図7および図2も参照しながら)、本発明の第2の実施形態に係る重量計測システム2の動作例について説明する。図8は、本発明の第2の実施形態に係る重量計測システム2の動作例を示すフローチャートである。
【0104】
本発明の第2の実施形態に係る重量計測システム2においても、本発明の第1の実施形態に係る重量計測システム1と同様に、制御部26は、顧客による会計開始動作を検出すると、その顧客に対する取引を開始する。制御部26は、基準重量設定処理(S60)を実行する。
【0105】
ここで、本発明の第2の実施形態において、基準重量は、袋重量計測部14によって得られる計測結果と籠重量計測部51によって得られる計測結果との合計結果の比較の基準となる重量である。すなわち、本発明の第2の実施形態において、基準重量は、袋重量計測部14によって得られる計測結果と籠重量計測部51によって得られる計測結果との合計結果が適正な範囲内であるか否かを判断するために使用される。基準重量は、記憶部24によって記憶される。続いて、図9を参照しながら、基準重量設定処理(S60)の詳細について説明する。
【0106】
図9は、基準重量設定処理(S60)の詳細な動作例を示すフローチャートである。図9に示されるように、制御部26は、籠を籠重量計測部51に載置することを顧客に促す指示を、籠載置指示として操作表示部21に表示させる(S61)。
【0107】
なお、この時点において籠重量計測部51に載置される籠には、スキャナ部22によって読み取られていない商品コードが付された商品が入っていることが主に想定される。さらに、制御部26は、籠載置完了ボタンを操作表示部21に表示させる。
【0108】
顧客は、籠を籠重量計測部51に載置しない間は、籠載置完了ボタンを押下しない。このとき、制御部26は、籠載置完了ボタンが押下されていないと判断し(S62において「NO」)、S63に動作を移行させる。そして、制御部26は、タイムアウトが生じたか否かを判断する(S63)。ここで、タイムアウトは、所定のタイミングからの経過時間が所定の時間に達することを意味し得る。例えば、所定のタイミングは、籠載置指示または籠載置完了ボタンを操作表示部21に表示させたタイミングであってもよい。
【0109】
制御部26は、タイムアウトが生じていない場合には(S63において「NO」)、S62に動作を移行させる。一方、制御部26は、タイムアウトが生じた場合には(S63において「YES」)、エラー処理を制御する(S64)。例えば、エラー処理は、操作表示部21によるエラー内容(例えば、籠が載置されなかったことを示すメッセージなど)の表示であってもよい。なお、制御部26は、エラー処理を制御した後、籠載置完了ボタンが押下された場合には、S62において「YES」と判断された場合と同様に、S65に動作を移行させてもよい。
【0110】
一方、顧客は、籠を籠重量計測部51に載置し終わった場合には、籠載置完了ボタンを押下する。このとき、制御部26は、籠載置完了ボタンが押下されたと判断し(S62において「YES」)、籠重量計測部51によって籠載置完了ボタンの押下後に得られた計測結果を籠重量計測部51から取得する(S65)。続いて、S11に動作が移行される。S11~S15は、本発明の第1の実施形態に係るS11~S15と同様に実行される。
【0111】
S15が実行されると、制御部26は、二つの計測結果、すなわち、S65において籠重量計測部51から取得した計測結果と、S15において袋重量計測部14から取得した計測結果との合計結果を算出し、算出した合計結果を基準重量に設定する(S66)。以上により、制御部26は、基準重量設定処理(S60)を終了し、S70(図8)に動作を移行させる。
【0112】
図8に戻って説明を続ける。制御部26は、重量監視タスクを起動する(S70)。続いて、図10を参照しながら、重量監視タスクの詳細について説明する。
【0113】
図10は、重量監視タスクの詳細な動作例を示すフローチャートである。図10に示されるように、制御部26は、基準重量再設定処理(S90)の実行中であるか否かを判断する(S71)。
【0114】
制御部26は、基準重量再設定処理(S90)の実行中であると判断した場合には(S71において「YES」)、S72に動作を移行させずに、S71に再度動作を移行させる。制御部26がS72に動作を移行させないのは、基準重量再設定処理(S90)の実行中には、顧客による買い物袋の交換が行われているために、籠重量計測部51から取得した計測結果と、袋重量計測部14から取得した計測結果との合計結果が基準重量から変化するのを許容する必要があるためである。
【0115】
一方、制御部26は、基準重量再設定処理(S90)の実行中ではないと判断した場合には(S71において「NO」)、袋重量計測部14によって得られた計測結果を袋重量計測部14から取得する(S72)。さらに、制御部26は、籠重量計測部51によって得られた計測結果を籠重量計測部51から取得する(S73)。制御部26は、二つの計測結果、すなわち、S72において袋重量計測部14から取得した計測結果と、S73において籠重量計測部51から取得した計測結果との合計結果を算出する(S74)。
【0116】
制御部26は、算出した合計結果と基準重量とが所定の関係を満たすか否かを判断する(S75)。なお、所定の関係には、合計結果と基準重量とが一致するという関係が含まれてもよいし、合計結果と基準重量とが一致するという関係の他、合計結果と基準重量との差が基準値以下であるという関係が含まれてもよい。基準値はあらかじめ決められていてもよい。
【0117】
制御部26は、合計結果と基準重量とが所定の関係を満たすと判断した場合には(S75において「YES」)、籠に入っていた商品を買い物袋に収容せずに他の場所に移動させてしまう不正な会計、または、籠に入っていなかった商品を買い物袋に収容してしまうといった不正な会計が顧客によって行われていないと判断し、S71に動作を移行させる。
【0118】
一方、制御部26は、合計結果と基準重量とが所定の関係を満たさないと判断した場合には(S75において「NO」)、タイムアウトが生じたか否かを判断する(S76)。ここで、タイムアウトは、所定のタイミングからの経過時間が所定の時間に達することを意味し得る。例えば、所定のタイミングは、合計結果と基準重量とが所定の関係を満たさないと最初に判断されたタイミングであってもよい。
【0119】
制御部26は、タイムアウトが生じていない場合には(S76において「NO」)、S71に動作を移行させる。一方、制御部26は、タイムアウトが生じた場合には(S76において「YES」)、エラー処理を制御する(S77)。例えば、エラー処理は、操作表示部21によるエラー内容(例えば、籠から取り出された商品が買い物袋に収容されていないことを示すメッセージなど)の表示であってもよい。
【0120】
なお、制御部26は、エラー処理を制御した後、合計結果と基準重量とが所定の関係を満たし始めた場合には、S75において「YES」と判断された場合と同様に、S71に動作を移行させてもよい。なお、図10に示した重量監視タスクは、S70において起動された後には停止されるまで常時実行される。
【0121】
図8に戻って説明を続ける。続いて、S18に動作が移行される。S18は、本発明の第1の実施形態に係るS18と同様に実行される。ただし、本発明の第2の実施形態において、制御部26は、袋重量計測部14によって得られた計測結果を袋重量計測部14から取得し、重量チェック処理用に記憶部24に記憶させておく。
【0122】
本発明の第1の実施形態と同様に、制御部26は、顧客によって商品に付された商品コードがスキャナ部22にかざされず、スキャナ部22によって商品コードが読み取られない場合には(S19において「NO」)、S31に動作を移行させる。
【0123】
一方、制御部26は、顧客によって商品に付された商品コードがスキャナ部22にかざされ、スキャナ部22によって商品コードが読み取られた場合には(S19において「YES」)、すなわち、袋重量計測部14によって計測される物体として、買い物袋に新たに収容される商品を認識した場合には、重量チェック処理(S80)に動作を移行させる。続いて、図11を参照しながら、重量チェック処理(S80)の詳細について説明する。
【0124】
図11は、重量チェック処理(S80)の詳細な動作例を示すフローチャートである。本発明の第1の実施形態と同様に、制御部26は、商品DBからスキャナ部22によって読み取られた商品コードに紐づけられた商品の重量を取得する(S21)。
【0125】
続いて、制御部26は、籠重量計測部51による計測結果に変化があったか否かを判断する(S81)。より詳細に、制御部26は、S18において商品コードの読み取り前に取得された、籠重量計測部51による計測結果から、商品コードの読み取り後に取得された、籠重量計測部51による計測結果が変化したか否かを判断する。
【0126】
スキャナ部22によって商品コードが読み取られた商品が、籠から取り出された商品でない場合などには、籠重量計測部51による計測結果が変化しないことが想定される。制御部26は、籠重量計測部51による計測結果に変化がないと判断した場合には(S81において「NO」)、タイムアウトが生じたか否かを判断する(S82)。ここで、タイムアウトは、所定のタイミングからの経過時間が所定の時間に達することを意味し得る。例えば、所定のタイミングは、スキャナ部22によって商品コードが読み取られたタイミングであってもよい。
【0127】
制御部26は、タイムアウトが生じていない場合には(S82において「NO」)、S81に動作を移行させる。一方、制御部26は、タイムアウトが生じた場合には(S82において「YES」)、エラー処理を制御する(S83)。例えば、エラー処理は、操作表示部21によるエラー内容(例えば、籠に入っている商品以外の商品に付された商品コードが読み取られたことを示すメッセージなど)の表示であってもよい。
【0128】
なお、制御部26は、エラー処理を制御した後、籠重量計測部51による計測結果に変化が生じた場合には、S81において「YES」と判断された場合と同様に、S84に動作を移行させてもよい。
【0129】
続いて、制御部26は、袋重量計測部14によって得られた計測結果を、袋重量計測部14から取得する。そして、制御部26は、袋重量計測部14によって得られた計測結果の増加重量を算出する(S84)。より詳細に、制御部26は、S18において商品コードの読み取り前に取得された、袋重量計測部14による計測結果を基準とした、商品コードの読み取り後に取得された、袋重量計測部14による計測結果の増加重量を算出する。
【0130】
そして、制御部26は、S21において取得した商品の重量と、S84において算出した袋重量計測部14によって得られた計測結果の増加重量とを比較し、商品の重量と袋重量計測部14によって得られた計測結果の増加重量とが所定の関係を満たすか否かを判断する(S85)。
【0131】
なお、所定の関係には、商品の重量と増加重量とが一致するという関係が含まれてもよいし、商品の重量と増加重量とが一致するという関係の他、商品の重量と増加重量との差が基準値以下であるという関係が含まれてもよい。基準値はあらかじめ決められていてもよい。
【0132】
制御部26は、商品の重量と増加重量とが所定の関係を満たさないと判断した場合には(S85において「NO」)、S26に動作を移行させる。S26~S28は、本発明の第1の実施形態に係るS26~S28と同様に実行されてよい。
【0133】
スキャナ部22によって商品コードが読み取られた商品を顧客が買い物袋に収容した後には、商品の重量と増加重量とが所定の関係を満たすようになる。制御部26は、商品の重量と増加重量とが所定の関係を満たすと判断した場合には(S85において「YES」)、重量チェック処理(S80)を終了し、S30(図8)に動作を移行させる。
【0134】
図8に戻って説明を続ける。続いて、S30に動作が移行される。S30は、本発明の第1の実施形態に係るS30と同様に実行される。
【0135】
本発明の第1の実施形態と同様に、制御部26は、袋交換開始ボタンが顧客によって押下されたか否かを判断する(S31)。制御部26は、袋交換開始ボタンが顧客によって押下されたと判断した場合には(S31において「YES」)、動作モードを重量チェックモードから袋交換モードに切り替え、基準重量再設定処理(S90)に動作を移行させる。続いて、図12を参照しながら、基準重量再設定処理(S90)の詳細について説明する。
【0136】
図12は、基準重量再設定処理(S90)の詳細な動作例を示すフローチャートである。制御部26は、キャンセルボタンを操作表示部21に表示させる。ここで、キャンセルボタンは、買い物袋の交換をキャンセルするためのボタンである。本発明の第1の実施形態と同様に、制御部26は、袋交換開始ボタンが押下された後に袋重量計測部14によって得られた計測結果を取得する(S41)。
【0137】
さらに、本発明の第2の実施形態においては、制御部26は、袋交換開始ボタンが押下された後に籠重量計測部51によって得られた計測結果を取得する(S91)。制御部26は、二つの計測結果、すなわち、S41において袋重量計測部14から取得した計測結果と、S91において籠重量計測部51から取得した計測結果との合計結果を算出する(S92)。
【0138】
制御部26は、算出した合計結果と基準重量とが一致するか否かを判断する(S93)。例えば、顧客がフック17にセットされている買い物袋を新たな買い物袋に交換していない場合などには、合計結果と基準重量とが一致したままとなる。制御部26は、合計結果と基準重量とが一致すると判断した場合には(S93において「YES」)、S43に動作を移行させる。一方、制御部26は、合計結果と基準重量とが一致しないと判断した場合には(S93において「NO」)、S44に動作を移行させる。
【0139】
S43~S47は、本発明の第1の実施形態に係るS43~S47と同様に実行されてよい。なお、制御部26は、合計結果と基準重量とが一致しないと判断した場合に(S93において「NO」)、直ちに買い物袋の交換が完了したとみなして、S94に動作を移行させてもよい。
【0140】
本発明の第2の実施形態において、制御部26は、袋交換完了ボタンが押下されたと判断した場合には(S45において「YES」)、合計結果に基準重量を更新する(S94)。以上により、制御部26は、基準重量再設定処理(S90)を終了し、動作モードを袋交換モードから重量チェックモードに切り替え、S18(図8)に動作を移行させる。
【0141】
図8に戻って説明を続ける。制御部26は、袋交換開始ボタンが顧客によって押下されなかったと判断した場合には(S31において「NO」)、S50に動作を移行させる。S50およびS51は、本発明の第1の実施形態に係るS50およびS51と同様に実行されてよい。
【0142】
制御部26は、決済処理が終了すると、その顧客に対する取引を終了する。そして、制御部26は、次の顧客による会計開始動作を検出すると、当該次の顧客に対する取引も同様に実行する。
【0143】
以上、本発明の第2の実施形態に係る重量計測システム2の動作例について説明した。
【0144】
(2.3.効果)
以上に説明したように、本発明の第2の実施形態によれば、本発明の第1の実施形態が奏する効果と同様の効果を奏し得る。
【0145】
さらに、本発明の第2の実施形態においては、袋重量計測部14により得られた計測結果と籠重量計測部51により得られた計測結果との合計結果と、基準重量とが、所定の関係を満たすか否かが判断される。そして、所定の関係が満たされない場合にはエラー処理が実行される。これによって、籠に入っていた商品を買い物袋に収容せずに他の場所に移動させてしまう不正な会計、または、籠に入っていなかった商品を買い物袋に収容してしまうといった不正な会計が防止され得る。
【0146】
以上、本発明の第2の実施形態が奏する効果について説明した。
【0147】
(3.まとめ)
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0148】
(3.1.重量チェックに関する変形例)
本発明の第1の実施形態では、重量チェック処理(S20)において、合計重量と計測結果とが所定の関係を満たしたとしても(S25において「YES」)、決済処理(S51)が実行されるまでの間に、買い物袋に収容された商品が顧客によって不正に取り出されてしまう可能性がある。したがって、例えば、制御部26は、このような買い物袋からの不正な取り出しを検出するために、決済開始ボタンが押下された後(S50において「YES」)、かつ、決済処理(S51)の前などに、重量チェック処理(S20)を行ってもよい。
【0149】
(3.2.袋交換開始条件に関する変形例)
本発明の第1の実施形態および本発明の第2の実施形態では、顧客によって袋交換開始ボタンが押下されるという条件が満たされた場合に(S31において「YES」)、基準重量が更新される場合について主に説明した。しかし、袋交換開始ボタンが押下されるという条件は、袋交換開始条件の一例に過ぎない。したがって、袋交換開始ボタンが押下されるという条件は、他の袋交換開始条件に置き換えられてもよい。
【0150】
例えば、所定のセンサ(例えば、カメラなど)によって顧客の画像データが検出される場合が想定される。かかる場合には、袋交換開始条件は、画像データに基づいて顧客が買い物袋の交換を行っていることが推定されたという条件であってもよい。ここで、顧客が買い物袋の交換を行っていることを推定する手法は限定されない。一例として、制御部26は、機械学習によって生成された学習済みのモデルと画像データとに基づいて、顧客が買い物袋の交換を行っているか否かを推定してもよい。
【0151】
あるいは、何も商品が入っていない買い物袋がフック17に取り付けられるという前提がある場合には、袋交換開始条件は、袋重量計測部14による計測結果が所定の重量よりも小さくなったという条件であってもよい。なお、所定の重量としては、一般的な買い物袋の重量として想定され得る重量があらかじめ設定されていてもよい。
【0152】
あるいは、商品DBにおいて商品コードに商品の体積が紐づけられている場合なども想定される。かかる場合には、袋交換開始条件は、スキャナ部22によって商品コードが読み取られた商品の体積の合計値が、買い物袋が収容可能な体積に達したという条件であってもよい。なお、買い物袋が収容可能な体積としては、一般的な買い物袋が収容可能な体積として想定され得る体積があらかじめ設定されていてもよい。
【0153】
(3.3.袋交換完了条件に関する変形例)
本発明の第1の実施形態および本発明の第2の実施形態では、顧客によって袋交換完了ボタンが押下されるという条件が満たされた場合に(S45において「YES」)、基準重量が更新される場合について主に説明した。しかし、袋交換完了ボタンが押下されるという条件は、袋交換完了条件の一例に過ぎない。したがって、袋交換完了ボタンが押下されるという条件は、他の袋交換開始条件に置き換えられてもよい。
【0154】
例えば、所定のセンサ(例えば、カメラなど)によって顧客の画像データが検出される場合が想定される。かかる場合には、袋交換完了条件は、画像データに基づいて顧客が買い物袋の交換を完了させたことが推定されたという条件であってもよい。ここで、顧客が買い物袋の交換を完了させたことを推定する手法は限定されない。一例として、制御部26は、機械学習によって生成された学習済みのモデルと画像データとに基づいて、顧客が買い物袋の交換を完了させたか否かを推定してもよい。
【0155】
あるいは、袋交換完了条件は、袋重量計測部14による計測結果が変化しない時間が所定の時間以上継続したという条件であってもよい。
【0156】
(3.4.買い物袋の交換に関する変形例)
本発明の第1の実施形態および本発明の第2の実施形態では、基準重量再設定処理(S40およびS90)の実行中に、買い物袋に商品コードが読み取られていない商品を収納させる不正な行為が顧客によってなされる可能性がある。そこで、制御部26は、袋交換開始ボタンが押下された場合に、所定の出力装置によって所定の警告情報が出力されるように出力装置を制御してもよい。
【0157】
例えば、制御部26は、端末本体11に接続された出力装置によって所定の警告情報が出力されるように出力装置を制御してもよい。このとき、出力装置は、表示装置などであってもよく、制御部26は、表示装置(例えば、ランプなど)を点灯させることにより警告情報を表示装置に出力させてもよい。あるいは、出力装置は、スピーカなどであってもよく、制御部26は、スピーカに警告音を出力させることにより警告情報をスピーカに出力させてもよい。
【0158】
例えば、出力装置は、端末本体11ごとに店舗内に設置されていてもよい。かかる場合には、店舗内の担当者(例えば、レジ担当者または監視担当者など)に、買い物袋の交換を行おうとする顧客の存在を気づかせることができる。あるいは、出力装置は、端末本体11とネットワークを介して接続された端末の出力装置であってもよい。かかる場合には、端末の出力装置に、交換開始ボタンが押下された端末本体11の識別番号を出力させることにより、監視担当者に、買い物袋の交換を行おうとする顧客がどこに存在するかを知覚させることができる。
【0159】
(3.5.交換後の買い物袋に関する変形例)
本発明の第1の実施形態および本発明の第2の実施形態において、交換後の新たな買い物袋には、商品コードが既に読み取られた商品が収容されていてもよい。これについては上記において少し言及した。
【0160】
より詳細に説明すると、本発明の第1の実施形態において、制御部26は、袋重量計測部14による過去の計測結果を記憶部24に記憶させておいてもよい。例えば、制御部26は、取引が開始してから終了するまでの間、袋交換完了ボタンが押下される度に(S45において「YES」)、S48における更新前の基準重量を、過去の計測結果として記憶部24に記憶させてもよい。
【0161】
そして、制御部26は、S41において袋重量計測部14によって取得された現在の計測結果と基準重量とが一致しない場合に(S42において「NO」)、現在の計測結果が所定の重量以下である場合には、S44に動作を移行させてよい。なお、所定の重量としては、一般的な買い物袋の重量として想定され得る重量があらかじめ設定されていてもよい。一方、制御部26は、S41において袋重量計測部14によって取得された現在の計測結果と基準重量とが一致しない場合に(S42において「NO」)、現在の計測結果が所定の重量よりも大きい場合には、現在の計測結果と一致する過去の計測結果が記憶部24に記憶されているか否かを判断してもよい。
【0162】
制御部26は、現在の計測結果と一致する過去の計測結果が記憶部24に記憶されている場合に、S44に動作を移行させてよい。一方、制御部26は、現在の計測結果が一般的な買い物袋の重量として想定され得る重量として設定された重量とも、記憶部24に記憶された過去の計測結果のいずれとも一致しない場合に、エラー処理を制御してもよい。これによって、商品コードが読み取られていない商品が収容された買い物袋への交換が行われてしまうことが防止され得る。
【0163】
また、本発明の第2の実施形態において、制御部26は、袋重量計測部14による過去の計測結果を、過去の計測結果として記憶部24に記憶させておいてもよい。例えば、制御部26は、取引が開始してから終了するまでの間、袋交換完了ボタンが押下される度に(S45において「YES」)、S41において取得された袋重量計測部14による計測結果を、過去の計測結果として記憶部24に記憶させてもよい。
【0164】
そして、制御部26は、S92において算出された現在の合計結果と基準重量とが一致しない場合に(S93において「NO」)、S41において袋重量計測部14によって取得された現在の計測結果が所定の重量以下である場合には、S44に動作を移行させてよい。一方、制御部26は、S92において算出された現在の合計結果と基準重量とが一致しない場合に(S93において「NO」)、S41において袋重量計測部14によって取得された現在の計測結果が所定の重量よりも大きい場合には、現在の計測結果と一致する過去の計測結果が記憶部24に記憶されているか否かを判断してもよい。
【0165】
制御部26は、現在の計測結果と一致する過去の計測結果が記憶部24に記憶されている場合に、S44に動作を移行させてよい。一方、制御部26は、現在の計測結果が一般的な買い物袋の重量として想定され得る重量として設定された重量とも、記憶部24に記憶された過去の計測結果のいずれとも一致しない場合に、エラー処理を制御してもよい。これによって、商品コードが読み取られていない商品が収容された買い物袋への交換が行われてしまうことが防止され得る。
【0166】
(3.6.収容物に関する変形例)
本発明の第1の実施形態および本発明の第2の実施形態において、収容物は、商品に限定されないし、容器も、買い物袋に限定されない。これについては上記において少し言及した。
【0167】
より詳細に説明すると、収容物は、作業者によって運搬される物体であればよい。例えば、本発明の第1の実施形態および本発明の第2の実施形態は、作業者が倉庫から部品を取り出し、取り出した部品を袋に詰め、作業現場に袋ごと部品を運搬して部品交換を行う場合などにも適用され得る。すなわち、収容物は、部品などであってもよい。このとき、容器は、部品が詰められる袋であってもよい。
【0168】
(3.7.重量監視タスクに関する変形例)
本発明の第2の実施形態においては、袋重量計測部14による計測結果と籠重量計測部51による計測結果との合計結果と、基準重量とが所定の関係を満たすか否かの判断に関する処理(S72~S77)が常時行われる場合を主に想定した。しかし、処理(S72~S77)が行われるタイミングは、かかる場合に限定されない。
【0169】
例えば、制御部26は、籠重量計測部51による計測結果に変化がないと判断した場合に(S81において「NO」)、処理(S72~S77)を行ってもよい。このとき、S72において取得される計測結果と、S81において使用される、商品コードの読み取り後に取得された計測結果とは同じであってもよい。また、S73において取得される計測結果と、S84において使用される、商品コードの読み取り後に取得された計測結果とは同じであってもよい。
【0170】
なお、本発明の第2の実施形態において、重量チェック処理(S80)は必須ではない。本発明の第2の実施形態においては、処理(S72~S77)が行われることによって、袋重量計測部14による計測結果と籠重量計測部51による計測結果との合計結果と、基準重量とが所定の関係を満たすことが求められる。そのため、重量チェック処理(S80)が実行されない場合であっても、個体によって重量差がある同一種の商品が存在する場合に対して不正な会計を防ぐことが可能である。
【符号の説明】
【0171】
1、2 重量計測システム
11 端末本体
13 籠載置台
14 袋重量計測部
17 フック
21 操作表示部
22 スキャナ部
24 記憶部
25 決済処理部
26 制御部
51 籠重量計測部


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12