(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061937
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】ラベル投入装置
(51)【国際特許分類】
B65B 61/20 20060101AFI20240430BHJP
B65B 23/02 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
B65B61/20
B65B23/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169587
(22)【出願日】2022-10-24
(71)【出願人】
【識別番号】000162238
【氏名又は名称】共和機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 雅樹
(72)【発明者】
【氏名】中谷 公一
【テーマコード(参考)】
3E043
3E056
【Fターム(参考)】
3E043AA01
3E043BA19
3E043DA09
3E043EA20
3E056AA06
3E056BA04
3E056BA20
3E056CA04
3E056CA11
3E056DA05
3E056EA02
3E056EA05
3E056FE12
3E056GA07
3E056HA10
(57)【要約】
【課題】ラベルの種類やロット変更の際に、装置の微妙な調整を抑制でき、給紙性能の安定性向上を可能とする、ラベル投入装置を提供する。
【解決手段】ラベル投入装置1は、複数のラベルLの平面が縦方向に配置されるラベルセット部12と、複数のラベルからラベルを給紙送り方向に送りだすベルト状の給紙部13と、複数のラベルLを給紙部13の方向へ押力調整可能な重ね送り防止機構14と、給紙部13から送られる紙送出方向を規定する紙送り方向ガイド15と、給紙部13よりも送り速度が速い引取り保持ローラ16と、引き取り保持ローラ16で引き取られたラベルLの終端が通過したか否かを検知する終端検知部17と、引取り保持ローラ16から送りだされ落下されたラベルを保持する投入待機部18と、投入待機部18の下方開口を塞ぐ位置と、ラベルLを容器に投入する際に該下方開口を塞がない位置に可動する開口蓋部19と、投入待機部18にラベルLが保持されているか否かを検知する待機ラベル検知部20とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム本体、
複数のラベルの平面が縦方向に配置されるラベルセット部と、
前記ラベルセット部に載置された複数のラベルからラベルを給紙送り方向に送りだすベルト状の給紙部と、
前記複数のラベルのその他方平面側から前記給紙部の方向へ押力調整可能な重ね送り防止機構と、
前記給紙部から送られる紙送出方向を規定する紙送り方向ガイドと、
前記給紙部よりも送り速度が速い引取り保持ローラと、
前記引き取り保持ローラで引き取られたラベルの終端が通過したか否かを検知する終端検知部と、
前記引取り保持ローラから送りだされ落下されたラベルを保持する投入待機部と、
前記投入待機部の下方開口を塞ぐ位置と、前記ラベルを容器に投入する際に該下方開口を塞がない位置に可動する開口蓋部と、
前記投入待機部に前記ラベルが保持されているか否かを検知する待機ラベル検知部と、
容器(EP)に充填されている卵あるいは容器(EP)が所定位置にあるか否かを検知する容器検知部と、
通過したか否かを検知する容器検知部と、
前記終端検知部、前記待機ラベル検知部および前記容器検知部からの検知情報に基づいて、前記給紙部の動作と、前記引取り保持ローラの動作と、前記開口蓋部の動作とを制御する制御部と、を備える、
ラベル投入装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記引取り保持ローラでラベルを保持していない状態において、前記給紙部でラベルを送り出し、前記引取り保持ローラに送り渡すように、前記給紙部および前記引取り保持ローラを制御する第一制御部と、
前記終端検知部がラベル終端の通過を検知した場合に、紙送りを停止させるように前記給紙部の動作を制御し、かつ前記引取り保持ローラでラベルを保持させるように前記引取り保持ローラの動作を制御する第二制御部と、
前記待機ラベル検知部がラベルが存在していないことを検知しかつ前記引取り保持ローラでラベルが保持されている場合に、前記引取り保持ローラで保持されているラベルを送り出し、前記投入待機部に落下させるように、前記引取り保持ローラの動作を制御する第三制御部と、
前記投入待機部に保持されているラベルを、開口から下方に落下させるように、前記開口蓋部の動作を制御する第四制御部と、
を有する、
請求項1に記載のラベル投入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル投入装置に関する。特に、容器内にラベルを投入する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ラベル群のうち先頭位置にあるラベルが当接され、この先頭位置にあるラベルを取り出すための取り出しローラと、この取り出しローラに対して前記ラベル群を当接させる押圧力を付与する押圧力付与部材と、前記取り出しローラにより取り出されたラベルを包装容器へとガイドし、かつ、包装容器への投入通路を開閉可能なガイド機構と、包装容器が所定位置に搬送されてきたことが検出されると、前記投入通路を開いてラベルを投入させ、前記ラベル検出手段によりラベル無しが検出されると、次のラベルを取り出すべく前記取り出しローラを作動させる制御機構を備えることを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
卵容器の内に封入されるラベルは、寸法、表面状態、紙質、厚み等が統一されていないこともあり、従来のラベル投入装置では、ラベル種類を変更する都度、微妙な調整が必要であり、給紙性能の安定性向上が課題であった。
【0005】
本開示は、ラベルの種類やロット変更の際に、装置の微妙な調整を抑制でき、給紙性能の安定性向上を可能とする、ラベル投入装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のラベル投入装置は、容器の種類、形状、容器内充填物の種類、投入位置に応じて、装置各構成要素の寸法、ラベル投入方向などを変更してもよい。
【0007】
ラベル投入装置(1)は、
容器搬送部(70)の上方に設定されるフレーム本体(11)、
複数のラベル(L)の平面が縦方向(鉛直方向あるいは略鉛直方向)に配置されるラベルセット部(12)と、
前記ラベルセット部(12)に載置された複数のラベルからラベルを給紙送り方向に送りだすベルト状の給紙部(13)と、
前記給紙部(13)を駆動する第一駆動部(M1)と、
前記複数のラベル(L)のその他方平面側から前記給紙部(13)の方向(送り出しロール)へ押力調整可能な重ね送り防止機構(14)と、
前記給紙部(13)から送られる紙送出方向を規定する紙送り方向ガイド(15)と、
前記給紙部よりも送り速度が速い引取り保持ローラ(16)と、
前記引取り保持ローラ(16)を駆動する第二駆動部(M2)と、
前記引き取り保持ローラ(16)で引き取られたラベル(L)の終端が通過したか否かを検知する終端検知部(17)と、
前記引取り保持ローラ(16)から送りだされ落下されたラベルを保持する投入待機部(18)と、
前記投入待機部(18)の下方開口を塞ぐ位置と、ラベル(L)を容器に投入する際に該下方開口を塞がない位置に可動する開口蓋部(19)と、
前記開口蓋部(19)を駆動する第三駆動部(M3)と、
前記投入待機部(18)にラベル(L)が保持されているか否かを検知する待機ラベル検知部(20)と、
容器(EP)に充填されている卵あるいは容器(EP)が所定位置にあるか否かを検知する容器検知部(21)と、
前記終端検知部(17)、前記待機ラベル検知部(20)および前記容器検知部(21)からの検知情報に基づいて、前記第一駆動部(M1)および前記給紙部(13)の動作と、前記第二駆動部(M2)および前記引取り保持ローラ(16)の動作と、前記第三駆動部(M3)および前記開口蓋部(19)の動作とを制御する、制御部(50)と、
を備える。
【0008】
前記制御部(50)は、
前記引取り保持ローラ(16)でラベル(L)を保持していない状態において、前記給紙部(13)でラベル(L)を送り出し、前記引取り保持ローラ(16)に送り渡すように、前記給紙部(13)および前記引取り保持ローラ(16)を制御する第一制御部(51)と、
前記終端検知部(17)がラベル終端の通過を検知した場合に、紙送りを停止させるように前記給紙部(13)の動作を制御し、かつ前記引取り保持ローラ(16)でラベル(L)を保持させるように前記引取り保持ローラ(16)の動作を制御する第二制御部(52)と、
前記待機ラベル検知部(20)がラベルが存在していないことを検知しかつ前記引取り保持ローラ(16)でラベル(L)が保持されている場合に、前記引取り保持ローラ(16)で保持されているラベル(L)を送り出し、前記投入待機部(18)に落下させるように、前記引取り保持ローラ(16)の動作を制御する第三制御部(53)と、
前記投入待機部(18)に保持されているラベル(L)を、開口から下方に落下させるように、前記開口蓋部(19)の動作を制御する第四制御部(54)と、
を有していてもよい。
前記第四制御部(54)は、容器検知部(21)で容器を検知した後、蓋を開けラベル(L)を容器へ投下し、所定時間後に閉じるように制御してもよく、待機ラベル検知部(20)でラベルを検知しない信号を受けてから蓋を閉じるように制御してもよい。
【0009】
前記ラベルセット部(12)は、複数のラベル(L)を載置するラベル載置部(121)と、水平回転軸の周りに自由回転する上方回転支持部(122)と、上方回転支持部(122)から下方に延設されるアーム部(123)と、アーム部(123)に設けられ、前記ラベル(L)のその他方平面側に接触し該その他平面方向に押圧する錘部(124)と、を有していてもよい。
前記ラベルセット部(12)は、給紙部(13)のベルト状平面と平行で、かつ紙送出し方向に位置する片側壁部(125)をさらに有していてもよい。
【0010】
前記給紙部(13)は、一対のロールに掛け渡たされた弾性体の無端ベルトローラであってもよく、大径のロールの表面に弾性体が巻かれた垂直軸の周りに回転する回転式給紙ローラを有して構成されていてもよい。
弾性体は、ゴム製であってもよく、ラベルに接触する面に、直線凸状パターン、網目パターン、菱形パターン、格子状パターンなどの凹凸面が形成されていてもよい。
【0011】
前記重ね送り防止機構(14)は、ラベル面に当接可能な当接部(141)と、当接部(141)に延設される支持部(142)と、当接部(141)がラベル面に対し押圧力を与えるために支持部(142)に作用する付勢部(143)と、を有していてもよい。
当接部(141)のラベル(L)と接触する表面は、弾性体、フェルト、コルクラバー(ラバーコルクとも称される。)などの滑り止めの機能を備えていてもよい。
当接部(141)は、給紙部(13)の送出し方向のロールの曲面に沿った曲面を有してもよい。
【0012】
前記紙送り方向ガイド(15)は、侵入方向から紙送り方向へのガイド方向が、例えば、60度から120度の範囲で予め設定された固定式ガイドでもよく、侵入方向から紙送り方向へのガイド方向が変更可能で0度(角度を変更しない方向)から180度(折り返す方向)の範囲で調整可能な可動式ガイドであってもよい。
前記紙送り方向ガイド(15)は、給紙部から引取り保持ローラまでのラベルの送り方向をガイドし、ラベルが給紙部から出て、引取り保持ローラへ渡すためのガイド機構であり、少なくとも紙送り方向に応じた壁部を有する。
【0013】
前記引取り保持ローラ(16)は、例えば、一対のローラであってもよい。一対のローラは、垂直軸の周りに回転する駆動ロールおよび従動ロール、両方が駆動ロールで構成されていてもよい。
【0014】
第一、第二、第三駆動部(M1、M2、M3)は、例えば、モータ、ソレノイド、エアシリンダー、駆動軸、伝達部、減速機などを有していてもよい。第一、第二、第三駆動部(M1、M2、M3)は、1つのモータを兼用してあってもよい。第一、第二駆動部(M1、M2)は、1つのモータを兼用してあってもよく、第三駆動部は、ソレノイド、エアシリンダなどを有して構成されていてもよい。
【0015】
前記終端検知部(17)、前記待機ラベル検知部(20)および/または前記容器検知部(21)は、例えば、投光受光式光電式センサ(赤外線センサなど)、近接センサ(静電式センサなど)、撮像検出器(エリアセンサ、ラインセンサなど)で構成されていてもよい。
【0016】
前記投入待機部(18)は、少なくとも下方に開口(181)を備え、例えば、ラベルのサイズに合わせた薄い箱型構造でもよく、ラベルの両平面(表面、裏面)の側にガイド部が設けられた構造であってもよい。
前記投入待機部(18)は、待機ラベル検知部(20)による検出が可能なように開口或いは切欠き部(183)が側壁あるいはガイド部(180)に設けられていてもよい。
【0017】
前記開口蓋部(19)は、前記投入待機部(18)の下方にある開口を塞ぐ蓋構造であり、第三駆動部(M3)により、スイング式あるはスライド式で動作する構造であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】ラベル投入装置の外観の一例を示す図である。
【
図2】ラベル投入装置の構成の一例を説明する図である。
【
図3】ラベル投入装置の構成の一例を説明する図である。
【
図6】別実施形態のラベル投入装置の構成の一例を説明する図である。
【
図7】別実施形態の紙粉除去用ブラシの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施形態1)
図1にラベル投入装置1の外観の一例を示す。
図2から
図5において具体的な構成おとび動作を説明する。
ラベル投入装置1は、フレーム本体11、ラベルセット部12、給紙部13、重ね送り防止機構14、紙送り方向ガイド15、引取り保持ローラ16、終端検知部17、投入待機部18、開口蓋部19、待機ラベル検知部20、容器検知部21、制御部50を備える。以下において詳細に説明する。
【0020】
フレーム本体11は、容器搬送部70の上方に設定される。フレーム本体11は、
図1によれば、平面矩形状であるが、これに制限されない。フレーム本体11は、容器搬送部70のフレームに対し、固定式あるいは可搬式で設置してもよい。容器搬送部70は、容器EPをその蓋を開けた状態で搬送し、その搬送方向に対する容器EPの方向は特に制限されない。本実施形態では、搬送方向に対し蓋部が先頭で充填された卵が後に配置された状態で搬送される。
【0021】
ラベルセット部12は、複数のラベルLの束を、その平面が縦方向(鉛直方向あるいは略鉛直方向)に配置されるための構造を備える。
ラベルセット部12は、複数のラベルLを載置するラベル載置部121と、水平回転軸の周りに自由回転する上方回転支持部122と、上方回転支持部122から下方に延設されるアーム部123と、アーム部123に設けられ、ラベルLのその他方平面側に接触し該その他平面方向に押圧する錘部124とを有する。本実施形態において、可動する側壁1241が設けられ、錘部124の押圧力で、ラベルLの束の面に向かって移動可能となっている。
ラベルセット部12は、給紙部13のベルト状平面と平行で、かつ紙送出し方向に位置する片側壁部125を有する。
【0022】
図3にラベルセット部12と給紙部13の配置と構造について説明する。
上方回転支持部122の位置と、錘部124のラベル平面に接する箇所の位置とを結ぶ第一仮想線L1と、上方回転支持部122の回転軸から水平線に垂直に延びる第二仮想線L2とで形成される角度(θ)が、例えば、30度から-10度まで可動するように、上方回転支持部122で軸支された状態でアーム部123と錘部124が自重で動く。この構造により、ラベルLが順次給紙されてラベル数が減少しラベルの束の厚みが小さくなるに従い、角度(θ)も減少し、重力作用による押圧力も減少する。
ベルト状の給紙部13のラベルLと接触する箇所の位置から鉛直に延設される第三仮想線L3と、第一仮想線L1との間隔W1は、アーム部123を鉛直に配置したときの上方回転支持部122の回転軸を通る鉛直方向の第四仮想線L4と、アーム部123を鉛直に配置したときの錘部124の先端を通る鉛直方向の第五仮想線L5との間隔W2よりも小さいように構成される。間隔W1が0あるいは第三仮想線L3よりも左側に上方回転支持部122の回転軸が配置されてもいてもよい。このように構成することで、錘部124が動くことができ、錘部124がベルト状の給紙部13あるいはラベルセット部12の側壁125に側壁1241を間に介して接触しても押圧力が生じるような配置関係となる。
【0023】
給紙部13は、ラベルセット部12に載置された複数のラベルからラベルを給紙送り方向に送りだすベルト状の構造である。
給紙部13は、一対のロール131、132に掛け渡たされた弾性体の無端ベルト133を有する。第一駆動部M1は、駆動ロール131を駆動する。
無端ベルト133は、複数のラベルLの束の一方平面側に接触する。
無端ベルト133は、回転方向(ラベル送り出し方向)と直交する方向に複数の溝を有していてもよい。複数の溝によって形成される凹凸が、ラベルLを送るための摩擦力を高める効果がある。また、無端ベルト133に接触するように紙粉除去用ブラシ(
図7、1331)を設けて、紙粉を除去するように構成してもよい。紙粉除去用ブラシ1331は、固定式でもよいが、回転式でもよい。回転式の場合は、無端ベルト133が停止中に紙粉除去用ブラシ1331が回転するように制御することで紙粉除去の効果が高まる。別実施形態として、無端ベルト133の紙粉を除去するために、周期的にエアブロワーでエア飛ばし除去を行ってもよく、バキューマーで吸引してもよい。エアブロー処理あるいは吸引処理は、ラベル送り動作及びラベル投入動作(ラベルの束をセットする動作)を行っていないタイミングで実施されることが望ましい。
【0024】
重ね送り防止機構14は、複数のラベルLの束のその他方平面側から給紙部13の方向(送り出しロール132)へ押力調整可能な構造である。
重ね送り防止機構14は、ラベル面に当接可能な当接部141と、当接部141に延設される支持部142と、当接部141がラベル面に対し押圧力を与えるために支持部142に作用する付勢部143とを有する。当接部141のラベルLと接触する表面は、コルクラバーで形成し、滑り止め機能を備えている。当接部141は、給紙部13のラベル送出し方向のロールの曲面に沿った曲面を有する。
【0025】
紙送り方向ガイド15は、給紙部13から送られる紙送出方向を規定する。本実施形態において、紙送り方向ガイド15は、侵入方向から紙送り方向へのガイド方向が90度に変更するように、平面視で進入直線部と中間曲線部と送り出し直線部の壁面図を備える。
【0026】
引取り保持ローラ16は、給紙部13よりも送り速度が速く設定される。垂直軸の周りに回転する駆動ロールおよび従動ロールで構成され、第二駆動部M2は、駆動ロールを駆動する。
【0027】
終端検知部17は、引き取り保持ローラ16で引き取られたラベルLの終端が通過したか否かを検知する。
【0028】
投入待機部18は、引取り保持ローラ16から送りだされ落下されたラベルを保持する。本実施形態の投入待機部18は、薄い箱型構造のガイド部180と、下方開口181とを有する。待機ラベル検知部20によるラベル検出が可能なように切欠き部183がガイド部180に形成されている。
【0029】
開口蓋部19は、投入待機部18の下方開口181を塞ぐ位置と、ラベルLを容器EPに投入する際に該下方開口181を塞がない位置に可動する。第三駆動部M3は、開口蓋部19を駆動する。本実施形態において、第三駆動部M3は、ソレノイドを有して構成されており、開口蓋部19の両端の支持アーム(不図示)を動作させて、下方開口181を蓋する原位置と、下方開口181の開口を形成する(蓋をしない)位置とを切り替える。
【0030】
待機ラベル検知部20は、投入待機部18にラベルLが保持されているか否かを検知する。容器検知部21は、所定位置で容器EPが通過したか否かを検知する。検知信号に基づいて、搬送速度からラベル投入位置に搬送され、ラベル投入のタイミングが制御部で演算される。
【0031】
制御部50は、終端検知部17、ラベル保持検知部20および容器検知部21からの検知情報に基づいて、第一駆動部M1および給紙部13の動作と、第二駆動部M2および引取り保持ローラ16の動作と、第三駆動部M3および開口蓋部19の動作とを制御する。
【0032】
制御部50は、各種制御を実行する。第一制御部51は、引取り保持ローラ16でラベルLを保持していない状態において、給紙部13でラベルLを送り出し、引取り保持ローラ16に送り渡すように、給紙部13および引取り保持ローラ16を制御する。
第二制御部52は、終端検知部17がラベル終端の通過を検知した場合に、紙送りを停止させるように給紙部13の動作を制御し、かつ引取り保持ローラ16でラベルLを保持させるように引取り保持ローラ16の動作を制御する。
第三制御部53は、待機ラベル検知部20がラベルLが存在していないことを検知しかつ引取り保持ローラ16でラベルLが保持されている場合に、引取り保持ローラ16で保持されているラベルLを送り出し、投入待機部18に落下させるように、引取り保持ローラ16の動作を制御する。
第四制御部54は、投入待機部18に保持されているラベルLを、下方開口181から下方に落下させるように、開口蓋部19の動作を制御する。
第四制御部54は、容器検知部21で容器EPに充填されている卵あるいは容器EPを検知した後、開口蓋部19を動作させて下方開口181を開けてラベルLを容器EPへ投下し、所定時間後に閉じるように制御してもよく、待機ラベル検知部20でラベルLを検知しない信号を受けてから開口蓋部19を動作させて下方開口18を閉じるように制御してもよい。
各制御部は、例えば、プロセッサやメモリなどのハードウエアと、制御内容を記述するプログラムとの協働で実現されていてもよく、専用回路、ファームウエアの組み合わせで実現されていてもよく、クラウド型、オンプレミス型のサーバや、汎用コンピュータで実現されていてもよい。
【0033】
(動作フロー)
図5に全体の動作フローを示す。
引取り保持ローラでラベルを保持していない場合に、引取り保持ローラおよび給紙部の駆動ローラ131の回転を開始する(S1:給紙工程)。ラベルLは1枚ずつ送られ、重ね送り防止機構14で確実に1枚ずつ送る。送られたラベルLは、紙送り方向ガイド15の面にあたりながら、90度方向変換され、引取り保持ローラ16で挟持されて送られる。
終端検知部17は、ラベルLの終端を検知したか否かを判断する(S2)。
ラベルの終端を検知したら、給紙部13の駆動ローラ131の回転を停止する(S3:給紙停止工程)。
引取り保持ローラ16の回転を停止し、ラベルLを保持する(S4:ラベル保持工程)。
待機ラベル検知部20は、投入待機部18にラベルLが存在していないことを検知したかを判断する(S5)。
投入待機部18にラベルLが存在していない場合に、引取り保持ローラ16を回転し、ラベルLを送り出し、投入待機部18に落下させる。投入待機部18の中にラベルLを待機させる(S6:ラベル待機工程)
引取り保持ローラ16の回転を停止する(S7:給紙待機工程)。その後、S1へ戻る。
容器検知部21は、容器(EP)に充填されている卵あるいは容器EPが所定位置にあるか否かを検知する容器検知部(21)と、
を検知したか否かを判断する(S8)。
容器EPを検知した場合に、所定時間経過後に、開口蓋部19を動作させ、待機しているラベルLを落下させ、容器EPに投入する(S9:蓋開・ラベル投入工程)。
ラベルLの落下速度を予め演算されており、その演算結果に対応して所定時間経過後に、開口蓋部19を動作させ開口181を閉じる(S10:蓋復帰工程)。その後、S5へ戻る。
【0034】
(投入動作フロー)
図4A、4B、4Cで投入フローを説明する。
図4Aにおいて、容器検知部21で容器EPに充填されている卵あるいは容器EPが所定位置(ラベル投入装置より搬送方向上流の検知位置)にあるか否かを検知する。検知後、所定時間経過して、容器EPが投入待機部18および開口蓋部19の下に位置したタイミングで、開口蓋部19を動作させる(
図4B、4C)。開口181からラベルLが落下し、容器EPの所定位置(本実施形態では、卵列間の間)に投入される。これらタイミングの時間設定は、予め演算され、実験によって検証されてもよい。ラベルLを落下させ、開口蓋部19を復帰させるタイミングも予め演算によって求められ、実験によって検証されてもよい。
【0035】
(別実施形態)
(1)
図6の別実施形態では、投入待機部18の下方開口181から落下するラベルLの落下方向をガイドする投入ガイド部187を備えていてもよい。投入ガイド部187は、側面視で直線状でもよく、湾曲状でもよい。ラベルの横幅サイズに合わせた面積の1つの部材で構成されていてもよく、複数の短冊状のガイド片で構成されていてもよい。投入ガイド部187は、下方開口181の開口部から延設されていてもよい。投入ガイド部187は、下方開口181を基準にして、搬送方向上流側に設けられていてもよく、その下流側に設けられていてもよく、その両方側に設けられていてもよく、形状やサイズが異なっていてもよい。
(2)給紙部13から保持ローラ16にラベルLが移動する経路中にラベルLに接触するように除電ブラシを配置してもよい。
(3)給紙部13が一定時間動作しても終端検知部17がラベルLを検知しない場合に、給紙不良またはラベル切れと判定し、警報部(例えば、スピーカ、ライトなど)にて警報を発してもよい。
(4)引取り保持ローラ16が一定時間回転しても終端検知部17がラベルLの終端を検知しない場合には、ラベル送り異常と判断して、警報部(例えば、スピーカ、ライトなど)にて警報を発してもよい。
(5)ラベルセット部12は、ラベル数が減少したことを検知するラベル残量検知部を有していてもよい。ラベル残量検知部には、光電センサ、近接スイッチ、リミットスイッチなどを用いることができる。ラベル残量が少なくなった際にラベルを補充するように警報部(例えば、スピーカ、ライトなど)にて警報を発することで、ラベル切れによるライン停止やラベル抜け不良品の発生を防止することができる。
(6)ラベル投入装置1は、さらに製造数量表示部と、製造数量カウント部とを備えていてもよい。卵パックの製造数量として、そのカウント値を製造数量表示部に表示させてもよい。卵パックの製造数量としては、第三駆動部の動作回数、容器検知部21の検知回数、待機ラベル検知部20の検知回数のいずれか、もしくはこれらを組み合わせて計数してもよい。更に、製造予定数量設定管理部を追加し、製造数量が製造予定数量(予め設定されている数値)に達したら製造予定数量達成の旨の出力をしてもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 ラベル投入装置
11 フレーム本体
12 ラベルセット部
13 給紙部
14 重ね送り防止機構
15 紙送り方向ガイド
16 引取り保持ローラ
17 終端検知部
18 投入待機部
19 開口蓋部
20 待機ラベル検知部
21 容器検知部
EP 容器