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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061947
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】作業用ボックス
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/12 20060101AFI20240430BHJP
【FI】
E04H1/12 302Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169609
(22)【出願日】2022-10-24
(71)【出願人】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】弁理士法人クスノキ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤井 良介
(57)【要約】
【課題】作業用ボックスの床面と設置面との間に生じる高さの差を埋めることが可能な可動式スロープを必要に応じて利用できるようにすること。
【解決手段】内部に作業用空間を有するボックス本体を備える作業用ボックスであって、スロープ部を備える可動式スロープ50と、ボックス本体の床面11bとボックス本体が設置される設置面91との間に可動式スロープを収納可能なスロープ収納部41と、を備え、可動式スロープをスロープ収納部に収納する収納状態と、可動式スロープのスロープ部がボックス本体の入口部に向かう傾斜面を構成するように設置する使用状態と、を選択可能な構成とする。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に作業用空間を有するボックス本体を備える作業用ボックスであって、
スロープ部を備える可動式スロープと、
ボックス本体の床面とボックス本体が設置される設置面との間に可動式スロープを収納可能なスロープ収納部と、を備え、
可動式スロープをスロープ収納部に収納する収納状態と、可動式スロープのスロープ部がボックス本体の入口部に向かう傾斜面を構成するように設置する使用状態と、を選択可能な作業用ボックス。
【請求項2】
可動式スロープは、使用状態における可動式スロープの高さを、収納状態における可動式スロープの高さよりも高くすることが可能な請求項1に記載の作業用ボックス。
【請求項3】
可動式スロープに、使用時に設置面と対向することになる第一支え面と、収納状態において設置面と対向することになる第二支え面と、を備え、
第二支え面を作業用ボックスが設置される設置面と対向するように配置した場合は、可動式スロープの高さがスロープ収納部へ収納できる高さとなり、
第一支え面を作業用ボックスが設置される設置面と対向するように配置した場合は、第二支え面を作業用ボックスが設置される設置面と対向するように配置した場合よりも可動式スロープの高さを高くすることが可能な請求項2に記載の作業用ボックス。
【請求項4】
上下方向に延びる被覆部と、スロープ収納部の入口となるスロープ入口部と、をボックス本体の床面の高さよりも下方に備えるとともに、
可動式スロープは、スロープ部につながるスロープ周縁部を備え、
可動式スロープをスロープ収納部へ収納した場合に、スロープ周縁部でスロープ入口部を覆うことが可能な請求項3に記載の作業用ボックス。
【請求項5】
可動式スロープは、スロープ部に対して回動可能につながるスロープ周縁部を備え、
スロープ周縁部は、使用時にボックス本体に係止可能な係止部を備え、
スロープ周縁部に備えた係止部をボックス本体に係止することで、可動式スロープがボックス本体から離脱することを抑制可能な請求項2から4の何れかに記載の作業用ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業用ボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、外部からの雑音、騒音に影響されずに居住性ある快適な環境のもとで、執務などができる個室筐(作業用ボックス)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-11788号公報
【0004】
ところで、作業用ボックスは通常、移動可能とするためにキャスターや高さ調整部を備えており、作業用ボックスを設置する個所の面である設置面と作業用ボックス内部に設けられた床面との間には段差ができる。したがって、利用者によっては使いづらいことがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより、解決を試みた。本発明が解決しようとする課題は、作業用ボックスの床面と設置面との間に生じる高さの差を埋めることが可能な可動式スロープを必要に応じて利用できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、内部に作業用空間を有するボックス本体を備える作業用ボックスであって、スロープ部を備える可動式スロープと、ボックス本体の床面とボックス本体が設置される設置面との間に可動式スロープを収納可能なスロープ収納部と、を備え、可動式スロープをスロープ収納部に収納する収納状態と、可動式スロープのスロープ部がボックス本体の入口部に向かう傾斜面を構成するように設置する使用状態と、を選択可能な作業用ボックスとする。
【0007】
また、可動式スロープは、使用状態における可動式スロープの高さを、収納状態における可動式スロープの高さよりも高くすることが可能な構成とすることが好ましい。
【0008】
また、可動式スロープに、使用時に設置面と対向することになる第一支え面と、収納状態において設置面と対向することになる第二支え面と、を備え、第二支え面を作業用ボックスが設置される設置面と対向するように配置した場合は、可動式スロープの高さがスロープ収納部へ収納できる高さとなり、第一支え面を作業用ボックスが設置される設置面と対向するように配置した場合は、第二支え面を作業用ボックスが設置される設置面と対向するように配置した場合よりも可動式スロープの高さを高くすることが可能な構成とすることが好ましい。
【0009】
また、上下方向に延びる被覆部と、スロープ収納部の入口となるスロープ入口部と、をボックス本体の床面の高さよりも下方に備えるとともに、可動式スロープは、スロープ部につながるスロープ周縁部を備え、可動式スロープをスロープ収納部へ収納した場合に、スロープ周縁部でスロープ入口部を覆うことが可能な構成とすることが好ましい。
【0010】
また、可動式スロープは、スロープ部に対して回動可能につながるスロープ周縁部を備え、スロープ周縁部は、使用時にボックス本体に係止可能な係止部を備え、スロープ周縁部に備えた係止部をボックス本体に係止することで、可動式スロープがボックス本体から離脱することを抑制可能な構成とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、作業用ボックスの床面と設置面との間に生じる高さの差を埋めることが可能な可動式スロープを必要に応じて利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態の作業用ボックスの斜視図である。ただし、可動式スロープはスロープ収納部に収納している。
図2】可動式スロープをスロープ収納部に収納した状態を作業用ボックスの底面側から見た図である。
図3図1に示す作業用ボックスの扉を外し、可動式スロープをスロープ収納部から引き出した状態を示す斜視図である。
図4図3に示す可動式スロープの斜視図である。ただし、第二支え面となるスロープ部を作業用ボックスが設置される設置面と対向するように配置した状態を斜め上方から見た図である。
図5図3に示す可動式スロープをボックス本体に接続した例を示す図である。
図6図5に示す状態において、ボックス本体と可動式スロープのつながりが分かるように断面を切った状態を示した図である。
図7図5に示す状態において、ボックス本体と可動式スロープが係止していることが分かるように断面を切った状態を表す図である。
図8】可動式スロープの設置の仕方により実施形態の可動式スロープの高さに違いが生ずることを表す図である。(a)は可動式スロープをスロープ収納部に収納した状態を表している。(b)は(a)に示す状態から可動式スロープを水平方向に引き出した状態を表している。(c)は可動式スロープをボックス本体11の入口部11aに向かう傾斜面を構成するように設置した状態を表している。
図9】実施形態の可動式スロープの主要部分の長さなどの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に発明を実施するための形態を示す。図1乃至図5に示されていることから理解されるように、実施形態の作業用ボックス1は、内部に作業用空間を有するボックス本体11を備えている。また、この作業用ボックス1は、スロープ部51を備える可動式スロープ50と、ボックス本体11の床面11bとボックス本体11が設置される設置面91との間に可動式スロープ50を収納可能なスロープ収納部41と、を備え、可動式スロープ50をスロープ収納部41に収納する収納状態と、可動式スロープ50のスロープ部51がボックス本体11の入口部11aに向かう傾斜面を構成するように設置する使用状態と、を選択可能としている。このため、作業用ボックス1の床面11bと設置面91との間に生じる高さの差を埋めることが可能な可動式スロープ50を必要に応じて利用することが可能となる。なお、可動式スロープ50を利用する場合、車いすやキャリーケースの利用者が作業用ボックス1を使用しやすくなる。
【0014】
作業用ボックス1は、通信装置や照明機器、机、椅子などを備え、内部で人が作業するために利用されるものが典型的である。図1に示す作業用ボックス1は、骨格をなすフレーム11fにパネル11gなどを取り付けて直方体状に構成されたボックス本体11を備えるものであり、内部に作業用空間を有する。この作業用ボックス1は、ボックス本体11の入口部11aに取り付けられた扉12を開くことで、利用者の出入りが可能となる。
【0015】
実施形態の作業用ボックス1は、ボックス本体11の入口部11aと設置面91の高さが異なることになる。ボックス本体11の入口部11aと設置面91の段差を解消することができるようにするために、実施形態の作業用ボックス1は可動式スロープ50が備えられている。この可動式スロープ50は、ボックス本体11への取り付け及び取り外しが可能なものであり、可動式スロープ50を利用することも利用しないこともできるようにしている。
【0016】
また、実施形態の作業用ボックス1は、可動式スロープ50を利用しない場合に、可動式スロープ50を収納できるように、スロープ収納部41を設けている。このスロープ収納部41はボックス本体11の床面11bとボックス本体11が設置される設置面91との間としており、ボックス本体11の設置のために確保が必要な空間を利用して可動式スロープ50を収納することができる。
【0017】
また、実施形態の作業用ボックス1は床面11bに換気口11cを備えるとともに、作業用ボックス1の上部に第二の換気口11dを備えている。また、第二の換気口11dに隣接して換気ファンも備えており、作業用ボックス1の床面11b側から吸入した空気を作業用ボックス1の上部から排出することができるようにしている。なお、換気口や換気ファンなどの配置はこの例に限る必要はないが、作業用ボックス1の上部から排気できる構成とすることが好ましい。
【0018】
この例では、床面11b側に換気口11cを設けているため、スロープ収納部41に可動式スロープ50を収納した場合に、可動式スロープ50が吸気を妨げないようにするのが好ましい。例えば、床面11b側に設けた換気口11cの真下には可動式スロープ50が配置されないようにしたり、可動式スロープ50と床部の底面との間に空気が移動できる経路を確保したりすれば、スロープ収納部41に収納しても、可動式スロープ50が吸気を妨げないようにすることができる。図2及び図3に示す例では、スロープ収納部41は床面11b側に設けた換気口11cの真下から水平方向にずれた位置にスロープ収納部41を備えている。
【0019】
ところで、実施形態の可動式スロープ50は、傾斜面となるスロープ部51を備えている。また、この可動式スロープ50は、スロープ部51が傾斜面となるように配置する場合にスロープ部51を支える部分となる脚部52を備えている。また、図4に示す可動式スロープ50は脚部52の端部に、使用時に設置面91と対向することになる第一支え面52aを備えている。実施形態においては、収納時はスロープ部51よりも第一支え面52aが上方となる向きで可動式スロープ50が収納されるようにしているため、可動式スロープ50を使用する場合には、引き出した後に上下をひっくり返して使用することになる(図3から図5参照)。
【0020】
また、実施形態では、可動式スロープ50がボックス本体11から離脱することを抑制するため、可動式スロープ50がボックス本体11と係止できるようにしている。このため、使用時に可動式スロープ50がボックス本体11と接続している状態を確保することができる。
【0021】
図4に示す可動式スロープ50は、スロープ部51につながるスロープ周縁部53を備えており、このスロープ周縁部53に、ボックス本体11に係止可能な係止部53aを備える構成としている。図4に示すスロープ周縁部53は、スロープ部51に対して回動可能につながっているものであり、図4に示す状態から回動させて図5及び図6に示すようにスロープ周縁部53をボックス本体11の入口部11aと接続させる。この際、ボックス本体11に設けられた溝11eに対して、スロープ周縁部53に備えた係止部53aを嵌めることで、可動式スロープ50がボックス本体11と接続している状態を維持するようにしている(図6及び図7参照)。なお、図7に示す例では、フレーム11fの一部に溝11e部を設けるようにしているため、溝11eに対して、スロープ周縁部53に備えた係止部53aを嵌める作業が外部から行いやすいものとなっている。
【0022】
この例から理解されるように、可動式スロープ50は、スロープ部51に対して回動可能につながるスロープ周縁部53を備え、スロープ周縁部53は、使用時にボックス本体11に係止可能な係止部53aを備え、スロープ周縁部53に備えた係止部53aをボックス本体11に係止することで、可動式スロープ50がボックス本体11から離脱することを抑制可能である構成とするのが好ましい。なお、スロープ部51に対して回動可能につながるスロープ周縁部53に係止部53aを備えていることから、スロープ周縁部53に複数の役割をもたせることが可能となる。
【0023】
また、ボックス本体11の高さが予定と多少異なった状態で設定されていても、係止部53aに高さはスロープ周縁部53の回動角度で調整することが可能となるため、その差を埋めることが可能となり得る。
【0024】
ところで、可動式スロープ50はボックス本体11の床面11bとボックス本体11が設置される設置面91との間に設けられるスロープ収納部41に収納可能でありつつ、可動式スロープ50のスロープ部51がボックス本体11の入口部11aに向かうように設置することを可能とするものである。このため、可動式スロープ50は、使用状態における可動式スロープ50の高さを、収納状態における可動式スロープ50の高さよりも高くすることが可能な構成とするのが好ましい。このようにすれば、スロープ収納部41に収納可能でありつつ、可動式スロープ50の高さが不足することを解消することが可能となる。
【0025】
例えば、可動式スロープ50に、使用時に設置面91と対向することになる第一支え面52aと、収納状態において設置面91と対向することになる第二支え面と、を備え、第二支え面を作業用ボックス1が設置される設置面91と対向するように配置した場合は、可動式スロープ50の高さがスロープ収納部41へ収納できる高さとなり、第一支え面52aを作業用ボックス1が設置される設置面91と対向するように配置した場合は、第二支え面を作業用ボックス1が設置される設置面91と対向するように配置した場合よりも可動式スロープ50の高さを高くすることが可能な構成とするのが好ましい。このような構成とすれば、可動式スロープ50の向きを変更するだけでスロープ収納部41へ収納可能な状態と使用可能な状態との切り替えができるため、作業性が良くなる。また、スロープ収納部41へ収納可能な状態と使用可能な状態との切り替えができる作業用ボックス1を簡易な構造で構成することができる。
【0026】
実施形態では、スロープ部51を第二支え面とすることが可能であるため、これを例により詳しく説明をする。図8に示す例では「A」は第二支え面としてスロープ部51を利用する場合の可動式スロープ50の高さである。「B」は作業用ボックス1の床面11bの裏側(床部の底面)の設置面91からの高さである。「C」は作業用ボックス1の床面11bの設置面91からの高さである。「D」は第一支え面52aを用いて可動式スロープ50を設置した場合の可動式スロープ50の高さである。
【0027】
スロープ収納部41に可動式スロープ50が収納できるようにするため、A<Bとなるようにする。また、床面11bと床面11bの裏側との関係性からB<Cとなる。つまり、この場合、A<B<Cの関係となる。また、可動式スロープ50と床面11bとの関係からCとDは同じ若しくは近似とするのが好ましい。なお、実用的に問題ない範囲であればDはCよりやや短くても長くても構わない。
【0028】
ところで、スロープ周縁部53を回動可能とする場合、可動式スロープ50のスロープ周縁部53が略垂直に立設している状態を維持させるために、スロープ周縁部53の回動を規制する回動規制部材56を設けるようにしてもよい。図9に示す例では、回動規制部材56の端部にマグネット56aを備える構成としている。回動規制部材56に備えたマグネット56aを磁力を用いてスロープ部51に対して固定することで、スロープ周縁部53を略垂直に立設させることが維持できる。また、力を掛ければ、マグネット56aをスロープ部51から外すことができるため、スロープ周縁部53とスロープ部51がなす角度を変更することができる。
【0029】
なお、回動規制部材56はマグネット56aを用いてスロープ周縁部53に対して固定させるようにしても良い。この場合、マグネット56aは「回動規制部材56とスロープ周縁部53の固定」と「回動規制部材56とスロープ部51の固定」の双方に利用してもよいし、どちらか一方だけに利用しても良い。
【0030】
ところで、実施形態の作業用ボックス1は、移動可能とするために、底部にキャスター1aを備えている(図2参照)。実施形態では底部の四隅の各々にキャスター1aを備えているが、キャスター1aの数は4つに限る必要はない。
【0031】
また、実施形態の作業用ボックス1はキャスター1aを用いて移動した後にしっかりと支えることができるようにするため、上下方向の長さを調整可能な高さ調整部1bを備えている。実施形態では、底部の四隅の各々にレベルフットと言われる高さ調整部1bを備えているが、高さ調整部1bの数は4つに限る必要はない。
【0032】
なお、作業用ボックス1にキャスター1aも高さ調整部1bも備える場合には、キャスター1aを利用して作業用ボックス1を移動させる際には、高さ調整部1bの下端がキャスター1aの下端よりも上方に位置するようにさせればよく、所望の位置に作業用ボックス1を移動させた後で、高さ調整部1bの下端がキャスター1aの下端と同じ若しくはキャスター1aの下端よりも下方に位置するようにさせればよい。
【0033】
このように、ボックス本体11の床面11bよりも下方には、キャスター1aなどが備えられるが、作業用ボックス1の外観をすっきりとさせるためには、これらが見えないようにするのが好ましい。ただし、ボックス本体11の床面11bとボックス本体11が設置される設置面91との間に可動式スロープ50を収納可能なスロープ収納部41を備えるようにすることとの両立を考えると、単純に矩形状の枠でボックス本体11の床面11bよりも下方を覆ってしまうというわけにはいかない。
【0034】
そこで、実施形態では、上下方向に延びる被覆部71と、スロープ収納部41の入口となるスロープ入口部41aと、をボックス本体11の床面11bの高さよりも下方に備えるとともに、可動式スロープ50は、スロープ部51につながるスロープ周縁部53を備え、可動式スロープ50をスロープ収納部41へ収納した場合に、スロープ周縁部53でスロープ入口部41aを覆うことが可能な構成としている。このため、スロープ収納部41を利用できるようにしつつ、美観の向上や異物の侵入の抑制などが可能となる。
【0035】
ところで、図9に示すことから理解されるように、実施形態では可動式スロープ50を側面視した状態において、スロープ部51の両端と、脚部52のうちスロープ部51から最も離れている個所となる部分で鈍角三角形を構成することができるように構成されている。鈍角をなす角は鈍角三角形を構成する頂点のうちスロープ部51から最も離れている個所となる部分に位置する角Yである。このため、鈍角三角形を構成する頂点のうちスロープ部51の両端の部分に位置する角Xと角Zについては鋭角となる。
【0036】
このような構成とするため、図9に示す例では、スロープ部51が構成する辺の長さEよりも第一支え面52aを含む辺の長さFが短く、残りの辺の長さGが第一支え面52aを含む辺の長さFよりも短くなるように構成している。
【0037】
また、スロープ部51の端部のうち、第一支え面52aを含む辺と接しない端部(スロープ部51が構成する辺と残りの辺が接する端部)には、スロープ周縁部53を回動可能に支える部分となる軸が備えられており、実施形態では、この軸を構成するためにヒンジ54が備えられている。
【0038】
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。例えば、金属を用いた可動式スロープではなく、樹脂などを用いた可動式スロープとすることも可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 作業用ボックス
11 ボックス本体
11a 入口部
11b 床面
41 スロープ収納部
50 可動式スロープ
51 スロープ部
52a 第一支え面
91 設置面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9