(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061949
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】作業機械
(51)【国際特許分類】
B66D 1/60 20060101AFI20240430BHJP
B66C 23/36 20060101ALI20240430BHJP
B66C 23/26 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
B66D1/60 D
B66C23/36 A
B66C23/26 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169611
(22)【出願日】2022-10-24
(71)【出願人】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】花本 貴博
【テーマコード(参考)】
3F205
【Fターム(参考)】
3F205AA07
3F205AC01
3F205CA03
3F205CB02
3F205DA04
3F205JA10
(57)【要約】
【課題】ウインチを容易に着脱することが可能な作業機械を提供する。
【解決手段】下部走行体2と、下部走行体2の上部に旋回可能に設けられた上部旋回体3と、複数のウインチ5,6が取り付けられたウインチフレーム11と、を有する。ウインチフレーム11は、上部旋回体3を構成する上部フレームの後端部に対して着脱可能である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体と、
前記下部走行体の上部に旋回可能に設けられた上部旋回体と、
一又は複数のウインチが取り付けられたウインチフレームと、
を有し、
前記ウインチフレームは、前記上部旋回体を構成する上部フレームの後端部に対して着脱可能であることを特徴とする作業機械。
【請求項2】
複数の前記ウインチが上下方向に並んで配置されていることを特徴とする請求項1に記載の作業機械。
【請求項3】
前記上部フレームの後端部は、梁部材を有し、
前記ウインチフレームは、前記ウインチフレームが前記上部フレームの後端部に取り付けられた際に、前記梁部材の上に載置される載置フレームを有し、
前記ウインチの下面は、前記載置フレームの上面よりも低いことを特徴とする請求項1又は2に記載の作業機械。
【請求項4】
前記上部フレームの後端部は、前記上部旋回体の左右方向に離隔された一対の梁部材を有し、
前記ウインチフレームが前記上部フレームの後端部に取り付けられた際に、前記一対の梁部材の間に前記ウインチの一部が配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の作業機械。
【請求項5】
前記ウインチフレームは、前記上部旋回体の左右方向に並んで立てて設けられた一対の立板を有し、
前記ウインチは、前記一対の立板に取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の作業機械。
【請求項6】
前記立板は、
内板と、
前記内板よりも前記上部旋回体の左右方向の外側に配置された外板と、
を有することを特徴とする請求項5に記載の作業機械。
【請求項7】
前記ウインチは大径部と小径部とを有し、
前記内板および前記外板の一方は、前記大径部に沿うように配置され、他方は、前記小径部に沿うように配置されることを特徴とする請求項6に記載の作業機械。
【請求項8】
前記上部フレームの後端部は、梁部材を有し、
前記ウインチフレームは、前記ウインチフレームが前記上部フレームの後端部に取り付けられた際に、前記梁部材の上に載置される載置フレームを有し、
前記載置フレームに前記立板が接続されていることを特徴とする請求項5に記載の作業機械。
【請求項9】
前記ウインチは、その径方向の両端部が前記立板にそれぞれ取り付けられており、
前記両端部の一方は、前記ウインチの軸よりも上方、かつ、前記ウインチの軸よりも前方または後方に位置し、
前記両端部の他方は、前記ウインチの軸よりも下方、かつ、前記ウインチの軸よりも前方または後方に位置していることを特徴とする請求項5に記載の作業機械。
【請求項10】
前記立板の上部は、前記上部旋回体の後部に向かって切り欠かれていることを特徴とする請求項5に記載の作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウインチを備えた作業機械に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数のウインチが上下に重ねて配置された作業機械が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、作業機械は、作業現場で分解され、トレーラ等で次の作業現場まで輸送されて、再度組み立てられる。そして、輸送時の重量を低減させるために、ウインチを取り外す場合がある。
【0005】
しかし、特許文献1では、ウインチが上部旋回体に組み込まれており、分解が容易でない。また、ウインチを吊り上げる際に、ウインチを支持する構造物が邪魔となり、ウインチを容易に吊り上げることができない。
【0006】
本発明の目的は、ウインチを容易に着脱することが可能な作業機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、下部走行体と、前記下部走行体の上部に旋回可能に設けられた上部旋回体と、一又は複数のウインチが取り付けられたウインチフレームと、を有し、前記ウインチフレームは、前記上部旋回体を構成する上部フレームの後端部に対して着脱可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、一又は複数のウインチが取り付けられたウインチフレームが、上部旋回体を構成する上部フレームの後端部に対して着脱可能である。よって、ウインチフレームを上部フレームの後端部に取り付けることで、一又は複数のウインチを上部旋回体に取り付けることができる。一方、ウインチフレームを上部フレームの後端部から取り外すことで、一又は複数のウインチを上部旋回体から取り外すことができる。これにより、ウインチを容易に着脱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】
図1の要部Aの拡大図であり、カウンタウエイトを取り外した状態を示す図である。
【
図3】
図2の分解図であり、ウインチフレームを取り外した状態を示す図である。
【
図4】
図2の分解図であり、ウインチを取り外した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0011】
(クレーンの構成)
本実施形態の作業機械は、伸縮可能な伸縮ブームを備えた伸縮ブーム式クレーン(クレーン)である。クレーン1の斜視図である
図1に示すように、クレーン1は、クローラ式の下部走行体2の上部に上部旋回体3が旋回可能に搭載された(設けられた)構成となっている。なお、下部走行体2は、クローラ以外の移動手段(例えばホイール)を備えていてもよい。
【0012】
クレーン1は、伸縮ブーム4と、複数のウインチ(第1ウインチ5、第2ウインチ6)と、カウンタウエイト8と、を有している。
【0013】
伸縮ブーム4は、伸縮可能であり、上部旋回体3に起伏可能および着脱可能に取り付けられている。伸縮ブーム4の先端からは、フック(図示せず)が吊り下げられている。なお、クレーン1は、伸縮しないブームを備えていてもよい。なお、
図1では、伸縮ブーム4が倒伏された状態を図示している。
【0014】
ウインチは、フックを巻上げ又は巻下げるためのものである。ウインチは、ドラムや油圧モータ等が一対のフレームに固定されて構成されている。本実施形態では、第1ウインチ5および第2ウインチ6が上部旋回体3の後部にそれぞれ配置されている。なお、第3ウインチが上部旋回体3の前部に配置されていてもよい。
【0015】
カウンタウエイト8は、上部旋回体3の後部に搭載されている。
【0016】
なお、上部旋回体3の「前部」とは、伸縮ブーム4を倒伏させる際に、伸縮ブーム4の先端が平面視で移動する方向の端部を指し、上部旋回体3の「後部」とは、上部旋回体3の旋回中心を基準に上部旋回体3の前部と反対側の端部を指す。
図1において、図中右方が前方であり、図中左方が後方である。
【0017】
図1の要部Aの拡大図である
図2に示すように、クレーン1は、ウインチフレーム11を有している。ウインチフレーム11には、第1ウインチ5および第2ウインチ6が取り付けられている。なお、
図2では、カウンタウエイト8を図示していない。また、ウインチフレーム11に取り付けられるウインチの数は1個でも3個以上でもよい。
【0018】
ウインチフレーム11は、底板21と、前立板22と、立板23と、を有している。底板21には、カウンタウエイト8が載置される。前立板22は、底板21の前端(図中右端)において、上部旋回体3の左右方向に沿って立てて設けられている。立板23は、底板21から立てて設けられ、前立板22に接続されている。立板23は、上部旋回体3の左右方向に並んで一対設けられている。
【0019】
一対の立板23は、後述する載置フレーム24を挟んで、上部旋回体3の前後方向に沿って立てて設けられている。一対の立板23には、第1ウインチ5および第2ウインチ6が取り付けられている。第1ウインチ5および第2ウインチ6は、上下方向に並んで配置されている。また、第2ウインチ6の上方において、一対の立板23には、シーブ7が取り付けられている。
【0020】
ここで、立板23の上部は、一対の立板23同士の内側に折り曲げられている。これにより、シーブ7が取り付けられる、一対の立板23の上部同士の間隔は、一対の立板23の下部同士の間隔よりも狭くされている。シーブ7は、第1ウインチ5および第2ウインチ6から繰り出され、第1ウインチ5および第2ウインチ6に巻き取られるロープを配策するために、左右方向にスライドする。一対の立板23の上部同士の間隔を狭くすることで、シーブ7がスライドする範囲が規定されている。
【0021】
底板21、前立板22、および、立板23で立体構造を構成することで、ウインチフレーム11の剛性を確保することができる。
【0022】
図2の分解図である
図3に示すように、上部旋回体3は、上部フレーム12を有している。この上部フレーム12の上に、エンジン(図示せず)などが搭載される。上部フレーム12は、その後端部に、一対の梁部材31を有している。一対の梁部材31は、上部旋回体3の左右方向に離隔されている。なお、
図3では、ウインチフレーム11を図示していない。ウインチフレーム11は、上部フレーム12の後端部(一対の梁部材31)に対して着脱可能である。ウインチフレーム11は、一対の梁部材31にボルト32(
図6参照)で固定される。ウインチフレーム11の底板21は、梁部材31の下面付近の高さに配置される。
【0023】
図2の分解図である
図4に示すように、ウインチフレーム11は、載置フレーム24を有している。なお、
図4では、第1ウインチ5および第2ウインチ6を図示していない。載置フレーム24は、ウインチフレーム11が上部フレーム12に取り付けられた際に、一対の梁部材31の上に跨って載置される。載置フレーム24には、第1ウインチ5の下部を配置するための切り欠き24aが形成されている。切り欠き24aは、一対の梁部材31同士の間に形成され、上部旋回体3の前部(図中右方)に向かって切り欠かれている。
【0024】
図4に示すように、載置フレーム24に立板23が接続されている。具体的には、上部旋回体3の左右方向における載置フレーム24の両端に、立板23がそれぞれ接続されている。これにより、ウインチ(第1ウインチ5および第2ウインチ6)に作用するロープ張力を、立板23から載置フレーム24を介して一対の梁部材31に効率良く伝えることができる。よって、立板23や梁部材31の板厚を必要以上に厚くする必要がないとともに、立板23の前後方向の面積を小さく抑え、梁部材31の前後方向の長さを短く抑えることができる。その結果、上部旋回体3の後端部の大きさを小さく抑え、上部旋回体3の旋回半径を小さく抑えることができる。
【0025】
一対の立板23の各々は、内板23aと、外板23bとを有している。外板23bは、内板23aよりも上部旋回体3の左右方向の外側に配置されている。内板23aおよび外板23bには、第1ウインチ5および第2ウインチ6が収まるくぼみが形成されている。
【0026】
ここで、第1ウインチ5および第2ウインチ6の各々は、大径部と小径部とを有している。大径部は、例えば減速機であり、小径部は、例えばモータである。小径部は、大径部よりも外側に位置している。内板23aには、大径部が収まるくぼみが形成されている。内板23aは、大径部に沿うように配置される。外板23bには、小径部が収まるくぼみが形成されている。外板23bは、小径部に沿うように配置される。なお、小径部が大径部よりも外側に位置した構成について説明したが、大径部が小径部よりも外側に位置した構成であってもよい。この場合、内板23aは、小径部に沿うように配置され、外板23bは、大径部に沿うように配置される。
【0027】
ウインチフレーム11を後方から見た図である
図5にも示すように、内板23aと外板23bとは、接続板25で接続されている。ここで、
図4に示すように、立板23の上部には、切り欠き23cが形成されている。切り欠き23cは、上部旋回体3の後部(図中左方)に向かって切り欠かれている。接続板25は、この切り欠き23cに沿ってくの字に折り曲がっている。
【0028】
内板23aと外板23bとの間隔を最大限に広げることで、立板23の剛性を高めることができる。よって、立板23を必要以上に大きくする必要がないので、上部旋回体3の後端部の大きさを小さく抑えることができる。これにより、上部旋回体3の旋回半径を小さくすることができる。
【0029】
図1に示すように、カウンタウエイト8は、分割ウエイト41と、後部ウエイト42とを有している。分割ウエイト41および後部ウエイト42は、ウインチフレーム11に搭載されている。
【0030】
分割ウエイト41は、上部旋回体3の左右方向におけるウインチフレーム11の両端部にそれぞれ配置されている。本実施形態において、分割ウエイト41は、上下方向に積み重ねられた2個のウエイトで構成されている。2個のウエイトは、互いに嵌合する凹凸によって互いにずれないようにされている。なお、分割ウエイト41は、上部旋回体3の左右方向におけるウインチフレーム11の両端部のどちらか一方にのみ配置されていてもよい。
【0031】
第1ウインチ5および第2ウインチ6は、分割ウエイト41の側方に配置されている。具体的には、第1ウインチ5および第2ウインチ6は、上部旋回体3の左右方向におけるウインチフレーム11の中央部に配置されている。第1ウインチ5および第2ウインチ6の両側に、分割ウエイト41がそれぞれ配置されている。
【0032】
後部ウエイト42は、ウインチフレーム11の後端部に配置されている。後部ウエイト42の外面は、平面視において、外側に向かって凸状で、且つ、弧状である。なお、後部ウエイト42の外面は、平面視において、外側に向かって凸状で、且つ、折れ線状であってもよい。
【0033】
図4に示すように、ウインチフレーム11は、底板21から上方に突出する突起部材51を有している。分割ウエイト41の底面には、突起部材51が嵌る凹部が形成されている。突起部材51に凹部を嵌め、両者をボルト止めすることで、分割ウエイト41が位置ずれしないようにすることができる。
【0034】
また、
図1に示すように、クレーン1は、接続部材9を有している。接続部材9は、前立板22(
図4参照)と、後部ウエイト42の上面とを接続している。接続部材9により、分割ウエイト41の上方への動き、および、分割ウエイト41の前後方向の動きが規制される。なお、分割ウエイト41の上面にも接続部材9が接続されていてよい。
【0035】
上述したように、ウインチフレーム11は、上部フレーム12の後端部に対して着脱可能である。よって、ウインチフレーム11を上部フレーム12の後端部に取り付けることで、第1ウインチ5および第2ウインチ6を上部旋回体3に取り付けることができる。一方、ウインチフレーム11を上部フレーム12の後端部から取り外すことで、第1ウインチ5および第2ウインチ6を上部旋回体3から取り外すことができる。これにより、ウインチを容易に着脱することができる。
【0036】
また、複数のウインチ(第1ウインチ5および第2ウインチ6)が上下方向に並んで配置されている。複数のウインチを上下方向に並べて配置することで、複数のウインチを配置するスペースを、上部旋回体3の前後方向および左右方向に小さくすることができる。これにより、上部旋回体3の後端部の大きさを小さくすることができる。
【0037】
上部旋回体3の後部の側面図である
図6に示すように、第1ウインチ5の下面は、載置フレーム24の上面よりも低い。よって、ウインチフレーム11を上部フレーム12の後端部に取り付けた際に、ウインチ(第1ウインチ5および第2ウインチ6)が配置される位置を低くすることができる。よって、大型のウインチや複数のウインチを搭載した場合であっても、上部旋回体3の後端部の全高を低く抑えることができる。なお、
図6では、カウンタウエイト8を図示していない。
【0038】
また、
図6に示すように、ウインチフレーム11が上部フレーム12に取り付けられた際に、一対の梁部材31の間に第1ウインチ5の一部が配置される。一対の梁部材31の間に第1ウインチ5の一部を配置することで、梁部材31の剛性を確保しながら、第1ウインチ5が配置される空間を確保することができる。
【0039】
また、
図2に示すように、第1ウインチ5および第2ウインチ6は、一対の立板23に取り付けられている。ウインチを一対の立板23に取り付けることで、複数のウインチを上下方向に並んで配置することができる。
【0040】
また、
図2に示すように、内板23aは、ウインチ(第1ウインチ5および第2ウインチ6)の大径部に沿うように配置され、外板23bは、ウインチの小径部に沿うように配置される。内板23aおよび外板23bの両方を大径部に沿うように配置する場合に比べて、外板23bの面積(特に曲げが作用する前後方向の面積)を大きくできる。その結果、外板23bの強度を向上させることができるので、立板23の強度を向上させることができる。立板23の強度を向上させることができるので、ウインチに作用するロープ張力を効率良く上部フレーム12(
図3参照)に伝えることができる。また、立板23の強度を向上させることができるので、立板23の板厚を必要以上に厚くする必要がないとともに、立板23の前後方向の面積を小さく抑えることができる。よって、上部旋回体3の後端部の大きさを小さく抑え、上部旋回体3の旋回半径を小さく抑えることができる。
【0041】
また、
図6に示すように、第1ウインチ5は、その径方向の両端部が立板23(内板23a)にそれぞれ取り付けられている。立板23に取り付けられた両端部の一方は、第1ウインチ5の軸よりも上方、かつ、第1ウインチ5の軸よりも前方に位置し、両端部の他方は、第1ウインチ5の軸よりも下方、かつ、第1ウインチ5の軸よりも後方に位置している。このような位置で、第1ウインチ5の両端部を立板23に取り付けることで、梁部材31の断面高さを十分に確保しながら、第1ウインチ5を低く搭載することができる。第2ウインチ6についても同様である。
【0042】
なお、第1ウインチ5において、立板23に取り付けられた両端部の一方は、第1ウインチ5の軸よりも上方、かつ、第1ウインチ5の軸よりも後方に位置し、両端部の他方は、第1ウインチ5の軸よりも下方、かつ、第1ウインチ5の軸よりも前方に位置していてもよい。第2ウインチ6についても同様である。
【0043】
また、
図6に示すように、立板23の上部は、上部旋回体3の後部に向かって切り欠かれている。そのため、切り欠かれた部分に物を配置しやすい。よって、
図6に示すように、エンジンフードなどのメンテナンス扉61を開口した際に、メンテナンス扉61が収まるスペースを確保することができる。
【0044】
また、
図6に示すように、第2ウインチ6の軸は、メンテナンス扉61の上面よりも低い位置に位置している。このように、第2ウインチ6を低く搭載することができるので、上部旋回体3の後端部の全高を低く抑えることができる。
【0045】
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係るクレーン1によると、第1ウインチ5および第2ウインチ6が取り付けられたウインチフレーム11が、上部旋回体3を構成する上部フレーム12の後端部に対して着脱可能である。よって、ウインチフレーム11を上部フレーム12の後端部に取り付けることで、第1ウインチ5および第2ウインチ6を上部旋回体3に取り付けることができる。一方、ウインチフレーム11を上部フレーム12の後端部から取り外すことで、第1ウインチ5および第2ウインチ6を上部旋回体3から取り外すことができる。これにより、ウインチを容易に着脱することができる。
【0046】
また、
図2に示すように、複数のウインチ(第1ウインチ5および第2ウインチ6)が上下方向に並んで配置されている。複数のウインチを上下方向に並べて配置することで、複数のウインチを配置するスペースを、上部旋回体3の前後方向および左右方向に小さくすることができる。これにより、上部旋回体3の後端部の大きさを小さくすることができる。
【0047】
また、
図6に示すように、第1ウインチ5の下面は、載置フレーム24の上面よりも低い。よって、ウインチフレーム11を上部フレーム12の後端部に取り付けた際に、ウインチ(第1ウインチ5および第2ウインチ6)が配置される位置を低くすることができる。よって、大型のウインチや複数のウインチを搭載した場合であっても、上部旋回体3の後端部の全高を低く抑えることができる。
【0048】
また、
図6に示すように、ウインチフレーム11が上部フレーム12の後端部に取り付けられた際に、一対の梁部材31の間に第1ウインチ5の一部が配置される。一対の梁部材31の間に第1ウインチ5の一部を配置することで、梁部材31の剛性を確保しながら、第1ウインチ5が配置される空間を確保することができる。
【0049】
また、
図2に示すように、ウインチ(第1ウインチ5および第2ウインチ6)は、一対の立板23に取り付けられている。ウインチを一対の立板23に取り付けることで、複数のウインチを上下方向に並んで配置することができる。
【0050】
また、
図5に示すように、立板23は、内板23aと、内板23aよりも上部旋回体3の左右方向の外側に配置された外板23bと、を有している。内板23aと外板23bとの間隔を最大限に広げることで、立板23の剛性を高めることができる。よって、立板23を必要以上に大きくする必要がないので、上部旋回体3の後端部の大きさを小さく抑えることができる。これにより、上部旋回体3の旋回半径を小さくすることができる。
【0051】
また、
図2に示すように、内板23aは、ウインチ(第1ウインチ5および第2ウインチ6)の大径部に沿うように配置され、外板23bは、ウインチの小径部に沿うように配置される。内板23aおよび外板23bの両方を大径部に沿うように配置する場合に比べて、外板23bの面積(特に曲げが作用する前後方向の面積)を大きくできる。その結果、外板23bの強度を向上させることができるので、立板23の強度を向上させることができる。立板23の強度を向上させることができるので、ウインチに作用するロープ張力を効率良く上部フレーム12に伝えることができる。また、立板23の強度を向上させることができるので、立板23の板厚を必要以上に厚くする必要がないとともに、立板23の前後方向の面積を小さく抑えることができる。よって、上部旋回体3の後端部の大きさを小さく抑え、上部旋回体3の旋回半径を小さく抑えることができる。
【0052】
また、
図4に示すように、載置フレーム24に立板23が接続されている。これにより、ウインチ(第1ウインチ5および第2ウインチ6)に作用するロープ張力を、立板23から載置フレーム24を介して梁部材31に効率良く伝えることができる。よって、立板23や梁部材31の板厚を必要以上に厚くする必要がないとともに、立板23の前後方向の面積を小さく抑え、梁部材31の前後方向の長さを短く抑えることができる。その結果、上部旋回体3の後端部の大きさを小さく抑え、上部旋回体3の旋回半径を小さく抑えることができる。
【0053】
また、
図6に示すように、ウインチ(第1ウインチ5および第2ウインチ6)の立板23への取り付け位置である両端部の一方は、ウインチの軸よりも上方、かつ、ウインチの軸よりも前方に位置し、両端部の他方は、ウインチの軸よりも下方、かつ、ウインチの軸よりも後方に位置している。このような位置で、ウインチの両端部を立板23に取り付けることで、梁部材31の断面高さを十分に確保しながら、ウインチを低く搭載することができる。
【0054】
また、
図6に示すように、立板23の上部は、上部旋回体3の後部に向かって切り欠かれている。そのため、切り欠かれた部分に物を配置しやすい。よって、例えば、エンジンフードなどのメンテナンス扉61を開口した際に、メンテナンス扉61が収まるスペースを確保することができる。
【0055】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0056】
1 クレーン(作業機械)
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 伸縮ブーム
5 第1ウインチ
6 第2ウインチ
7 シーブ
8 カウンタウエイト
9 接続部材
11 ウインチフレーム
12 上部フレーム
21 底板
22 前立板
23 立板
24 載置フレーム
25 接続板
31 梁部材
32 ボルト
41 分割ウエイト
42 後部ウエイト
51 突起部材
61 メンテナンス扉