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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061958
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】位置決めテーブル装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 7/00 20060101AFI20240430BHJP
【FI】
G01B7/00 101H
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169623
(22)【出願日】2022-10-24
(71)【出願人】
【識別番号】000229335
【氏名又は名称】日本トムソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136098
【弁理士】
【氏名又は名称】北野 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100137246
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勝也
(74)【代理人】
【識別番号】100158861
【弁理士】
【氏名又は名称】南部 史
(74)【代理人】
【識別番号】100194674
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 覚史
(72)【発明者】
【氏名】坂井 哲也
【テーマコード(参考)】
2F063
【Fターム(参考)】
2F063AA02
2F063BA21
2F063CA34
2F063DA01
2F063DA05
2F063GA52
(57)【要約】
【課題】小型化およびコンパクト化を図りながら、テーブルの正確な位置決めを行うことができる位置決めテーブル装置を提供する。
【解決手段】位置決めテーブル装置は、ねじ軸およびナットを含むボールねじと、ねじ軸を回転させる動力部と、ナットに取り付けられ、ねじ軸の回転に応じてねじ軸の軸方向に沿って移動可能なテーブルと、テーブルの位置を検知する検知部と、を備える。検知部は、テーブルと共にねじ軸の軸方向に移動するマグネットと、マグネットの位置を検知するホール素子と、ホール素子が取り付けられ、ねじ軸と間隔をあけてねじ軸の軸方向と交差する方向に配置され、ホール素子に繋がる配線が設けられた基板と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ねじ軸およびナットを含むボールねじと、
前記ねじ軸を回転させる動力部と、
前記ナットに取り付けられ、前記ねじ軸の回転に応じて前記ねじ軸の軸方向に沿って移動可能なテーブルと、
前記テーブルの位置を検知する検知部と、を備え、
前記検知部は、
前記テーブルと共に前記ねじ軸の軸方向に移動するマグネットと、
前記マグネットの位置を検知するホール素子と、
前記ホール素子が取り付けられ、前記ねじ軸と間隔をあけて前記ねじ軸の軸方向と交差する方向に配置され、前記ホール素子に繋がる配線が設けられた基板と、を含む、位置決めテーブル装置。
【請求項2】
前記基板は、コネクタ接続により外部と電気的に接続される、請求項1に記載の位置決めテーブル装置。
【請求項3】
前記検知部は、前記マグネットが取り付けられる板状部材をさらに含み、
前記板状部材は、前記テーブルの側面に取り付けられている、請求項1または請求項2に記載の位置決めテーブル装置。
【請求項4】
前記板状部材は、折り曲げられており、
前記マグネットは、前記ホール素子と間隔をあけて対向するように設けられている、請求項3に記載の位置決めテーブル装置。
【請求項5】
前記マグネットは板状であって、前記基板と厚さ方向が同じとなるように配置される、請求項1または請求項2に記載の位置決めテーブル装置。
【請求項6】
前記ホール素子は、前記ねじ軸の軸方向にそれぞれ間隔をあけて複数設けられている、請求項1または請求項2に記載の位置決めテーブル装置。
【請求項7】
前記基板は複数含まれ、
複数の前記基板は、コネクタ接続により電気的に接続されている、請求項1または請求項2に記載の位置決めテーブル装置。
【請求項8】
前記ホール素子によって検知された電気信号を増幅させるアンプ部をさらに含む、請求項1または請求項2に記載の位置決めテーブル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、位置決めテーブル装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スライドテーブルの位置を検出する位置検出手段を備えた小型スライド装置が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に開示の小型スライド装置によると、スライドテーブルに永久磁石を設けることとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-168721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
位置決めテーブル装置については、小型化を図りながらも、移動するテーブルの正確な位置決めが求められる。また、テーブルの位置を検知するための機構もできるだけコンパクトであることが好ましい。
【0005】
そこで、小型化およびコンパクト化を図りながら、テーブルの正確な位置決めを行うことができる位置決めテーブル装置を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従った位置決めテーブル装置は、ねじ軸およびナットを含むボールねじと、ねじ軸を回転させる動力部と、ナットに取り付けられ、ねじ軸の回転に応じてねじ軸の軸方向に沿って移動可能なテーブルと、テーブルの位置を検知する検知部と、を備える。検知部は、テーブルと共にねじ軸の軸方向に移動するマグネットと、マグネットの位置を検知するホール素子と、ホール素子が取り付けられ、ねじ軸と間隔をあけてねじ軸の軸方向と交差する方向に配置され、ホール素子に繋がる配線が設けられた基板と、を含む。
【発明の効果】
【0007】
上記位置決めテーブル装置によれば、小型化およびコンパクト化を図りながら、テーブルの正確な位置決めを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本開示の実施の形態1における位置決めテーブル装置を示す概略斜視図である。
図2図2は、図1に示す実施の形態1の位置決めテーブル装置を示す概略平面図である。
図3図3は、図1に示す実施の形態1の位置決めテーブル装置を示す概略側面図である。
図4図4は、図1に示す実施の形態1の位置決めテーブル装置を示す概略正面図である。
図5図5は、図1に示す実施の形態1の位置決めテーブル装置の一部を拡大して示す概略斜視図である。
図6図6は、図1に示す位置決めテーブル装置に含まれる検知部の一部を拡大して示す分解斜視図である。
図7図7は、図1に示す位置決めテーブル装置に含まれる検知部の一部を拡大して示す分解斜視図である。
図8図8は、本開示の実施の形態2における位置決めテーブル装置を示す概略斜視図である。
図9図9は、図8に示す実施の形態2の位置決めテーブル装置を示す概略平面図である。
図10図10は、図8に示す実施の形態2の位置決めテーブル装置を示す概略側面図である。
図11図11は、図8に示す実施の形態2の位置決めテーブル装置を示す概略正面図である。
図12図12は、図8に示す実施の形態2の位置決めテーブル装置の一部を拡大して示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態の概要]
本開示の位置決めテーブル装置は、ねじ軸およびナットを含むボールねじと、ねじ軸を回転させる動力部と、ナットに取り付けられ、ねじ軸の回転に応じてねじ軸の軸方向に沿って移動可能なテーブルと、テーブルの位置を検知する検知部と、を備える。検知部は、テーブルと共にねじ軸の軸方向に移動するマグネットと、マグネットの位置を検知するホール素子と、ホール素子が取り付けられ、ねじ軸と間隔をあけてねじ軸の軸方向と交差する方向に配置され、ホール素子に繋がる配線が設けられた基板と、を含む。
【0010】
従来のボールねじを含む位置決めテーブル装置においては、市販のセンサを採用し、センサを取り付けるセンサレールをボールねじの両サイドに配置される機器ベースの側面に取り付けていた。このような位置決めテーブル装置においては、機器ベースの側面にセンサレールを配置する必要があるため、ボールねじの長手方向に直交する方向であるボールねじの幅方向の寸法が増大することとなる。さらに、市販のセンサを用いる場合、検出体であるマグネット(一般的に「ドグ」ということもある。)をセンサレールのさらに外側に取り付ける必要があり、装置全体として小型化を図ることが困難であった。加えて、センサの信号を電気的に伝える配線についても、センサの個数分だけ配線が必要となり、取り回しが煩雑となることが多かった。
【0011】
本開示の位置決めテーブル装置によると、テーブルの位置を検知する検知部は、テーブルに取り付けられたマグネットと、ホール素子と、を含む。そして、ホール素子は、ホール素子に繋がる配線が設けられた基板部に取り付けられているため、基板の厚さを薄くして、位置決めテーブル装置の幅方向の寸法を小さくすることができる。この場合、比較的小さく構成することができるホール素子により、テーブルと共に移動するマグネットの位置を検知しているため、装置構成全体の小型化を図りながら精度よく位置を検知することができる。また、ホール素子に繋がる配線については、基板に設けられているため、配線の取り回しの煩雑さを回避することができる。したがって、このような構成の位置決めテーブル装置によれば、小型化およびコンパクト化を図りながら正確にテーブルの位置決めを行うことができる。ここで、ホール素子とは、ホール効果を利用した磁気センサのことをいう。
【0012】
上記位置決めテーブル装置において、基板は、コネクタ接続により外部と電気的に接続されてもよい。このようにすることにより、基板と外部との電気的な接続において、配線の取り回し等の煩雑さが解消されることになり、基板と外部との電気的な接続を簡易な構成で実現することができる。したがって、よりコンパクト化を図ることができる。
【0013】
上記位置決めテーブル装置において、検知部は、マグネットが取り付けられる板状部材をさらに含んでもよい。板状部材は、テーブルの側面に取り付けられていてもよい。このようにすることにより、板状部材を介してマグネットをテーブルに取り付けることができ、ホール素子およびマグネットの配置の自由度を高めることができる。したがって、よりユーザーのニーズに応じた位置決めテーブル装置の構成とすることが容易となる。
【0014】
上記位置決めテーブル装置において、板状部材は、折り曲げられていてもよい。マグネットは、ホール素子と間隔をあけて対向するように設けられていてもよい。このようにすることにより、より適切なホール素子とマグネットとの距離関係を図ることができ、より精度よくテーブルの位置決めを行うことができる。
【0015】
上記位置決めテーブル装置において、マグネットは板状であって、基板と厚さ方向が同じとなるように配置されてもよい。このようにすることにより、基板の厚さ方向の長さ寸法を小さくすることができる。したがって、小型化を図ることが容易になる。
【0016】
上記位置決めテーブル装置において、ホール素子は、ねじ軸の軸方向にそれぞれ間隔をあけて複数設けられていてもよい。このようにすることにより、ねじ軸の軸方向においてテーブルの位置を高精度に制御することができる。したがって、位置決めテーブル装置におけるテーブルの位置決めを高精度に行うことができる。
【0017】
上記位置決めテーブル装置において、基板は複数含まれてもよい。複数の基板は、コネクタ接続により電気的に接続されていてもよい。このようにすることにより、複数の基板の電気的な接続をより簡易な構成で実現することができる。この場合、テーブルの位置の検知が必要な箇所に基板を配置し、それぞれをコネクタ接続することにより、各基板を電気的に接続する配線の取り回しを不要にして、よりコンパクト化を図ることができる。
【0018】
上記位置決めテーブル装置は、ホール素子によって検知された電気信号を増幅させるアンプ部をさらに含んでもよい。このようにすることにより、ホール素子により検知した電気信号を適切な電気信号のレベルに増幅し、検出可能とすることによりテーブルの位置を検知することができる。したがって、ホール素子およびマグネットの小型化を図りながら、より高精度なテーブルの位置決めを行うことができる。
【0019】
[実施形態の具体例]
次に、本開示の位置決めテーブル装置の具体的な実施の形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
【0020】
(実施の形態1)
まず、本開示の実施の形態である実施の形態1について説明する。図1は、本開示の実施の形態1における位置決めテーブル装置を示す概略斜視図である。なお、図1および以下に示す図において、X方向は、位置決めテーブル装置の幅方向である短手方向を示し、Y方向は、位置決めテーブル装置の長手方向(後述するねじ軸の軸方向)を示し、Z方向は、位置決めテーブル装置の高さ方向を示す。X方向、Y方向およびZ方向はそれぞれ、直交している。図2は、図1に示す実施の形態1の位置決めテーブル装置を示す概略平面図である。図2は、図1中の矢印IIの向きに位置決めテーブル装置を見た場合を示す。図3は、図1に示す実施の形態1の位置決めテーブル装置を示す概略側面図である。図3は、図1中の矢印IIIの向きに位置決めテーブル装置を見た場合を示す。図4は、図1に示す実施の形態1の位置決めテーブル装置を示す概略正面図である。図4は、図1中の矢印IVの向きに位置決めテーブル装置を見た場合を示す。図5は、図1に示す実施の形態1の位置決めテーブル装置の一部を拡大して示す概略斜視図である。図6および図7はそれぞれ、図1に示す位置決めテーブル装置に含まれる検知部の一部を拡大して示す分解斜視図である。図6図7は、それぞれ異なる向きから見た図である。
【0021】
図1図2図3図4図5図6および図7を参照して、本開示の実施の形態1に係る位置決めテーブル装置10aは、ねじ軸12aおよびナット13aを含むボールねじ11aと、ねじ軸12aを回転させる動力部としてのモータ14aと、ナット13aに取り付けられ、ねじ軸12aの回転に応じてねじ軸12aの軸方向に沿って移動可能なテーブル(スライドテーブル)18aと、テーブル18aの位置を検知する検知部21aと、を含む。ねじ軸12aの軸方向は、図1等に示すY方向である。ナット13aは、図示しないボールを介してねじ軸12aに取り付けられている。ねじ軸12aは、ねじ軸12aの軸方向の端部を支持する第1支持部15aと、図示しないベアリングを内蔵し、第1支持部15aと軸方向の反対側に位置する端部を支持する第2支持部16aとによって支持されている。なお、第1支持部15aの構成については、ラジアルベアリングを含む構成であってもよいし、ベアリングを含まず、ねじ軸12aの端部がフリーとなるよう支持する構成であってもよい。ボールねじ11aは、長手方向である軸方向を直線運動方向として、ねじ軸12aの回転によりナット13aを直線運動させる。テーブル18aは、ナット13aに取り付けられているため、ねじ軸12aの回転によりナット13aと共に軸方向に直線運動を行う。すなわち、テーブル18aは、ねじ軸12aを回転させることにより、ねじ軸12aの長手方向に沿って直線運動を行う。ねじ軸12aの回転の向きを逆向きとすることにより、テーブル18aを直線往復運動させることができる。なお、モータ14aは、第2支持部16aによって支持されるねじ軸12aの軸方向の端部に接続されている。
【0022】
次に、検知部21aの構成について説明する。検知部21aは、マグネット22aと、複数のホール素子23a、ホール素子24a、ホール素子25a、ホール素子26aと、基板27a、基板28aと、を含む。本実施形態においては、4つのホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aと、2つの基板(第1基板)27a、基板(第2基板)28aと、を含む。リミットセンサとして機能するホール素子(第1ホール素子)23a、原点前センサとして機能するホール素子(第2ホール素子)24a、原点センサとして機能するホール素子(第3ホール素子)25a、リミットセンサとして機能するホール素子(第4ホール素子)26aはそれぞれ、マグネット22aの位置を検知する。具体的には、マグネット22aの磁気を検知して、マグネット22aが各ホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aが設けられた位置に近接したことを検知する。
【0023】
また、検知部21aはさらに、ケーブル配線(第1ケーブル配線)31aと、ケーブル配線(第2ケーブル配線)32aと、アンプ部33aと、6芯構成のケーブル34aと、を含む。検知部21aのうち、マグネット22aを除いた構成は、センサユニットを構成する。本実施形態において、検知部21aは、複数のホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aと、複数の基板(第1基板)27a、基板(第2基板)28aと、を含む。例えば、第1基板27aおよび第2基板28aは、共にプリント基板である。
【0024】
第1基板27aおよび第2基板28aはそれぞれ、ねじ軸12aと間隔をあけてねじ軸12aの軸方向と交差する方向、具体的には、ねじ軸12aの軸方向と直交する方向に配置されている。本実施形態においては、第1基板27aおよび第2基板28aはそれぞれ、ねじ軸12aとX方向に間隔をあけて配置されている。第1基板27aおよび第2基板28aは、矢印IIIで示す向きから見て、ねじ軸12aと重なるように配置されている。第1基板27aと第2基板28aとは、軸方向に間隔をあけて配置されている。第1基板27aは、第1支持部15a側に配置されている。第2基板28aは、第2支持部16a側に配置されている。第1基板27aおよび第2基板28aは、第1支持部15aおよび第2支持部16aに取り付けられ、軸方向に延びる側板17aにそれぞれ取り付けられている。
【0025】
第1基板27aには、第1ホール素子23aが取り付けられている。第1基板27aには、第1ホール素子23aに繋がる配線が設けられている。第2基板28aには、第2ホール素子24aと、第3ホール素子25aと、第4ホール素子26aとが取り付けられている。第2ホール素子24a、第3ホール素子25aおよび第4ホール素子26aは、Y方向、すなわち、ねじ軸12aの軸方向に間隔をあけて取り付けられている。具体的には、軸方向において最も第1ホール素子23aに近い位置に第2ホール素子24aが配置され、第1ホール素子23aから最も遠い位置に第4ホール素子26aが配置される。第2基板28aには、第2ホール素子24a、第3ホール素子25aおよび第4ホール素子26aに繋がる配線が設けられている。なお、本実施形態においては、4つのホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aは、X方向の外向き、すなわち、それぞれ外側に露出するように取り付けられている。
【0026】
第1ケーブル配線31aは、第1基板27aと第2基板28aとを電気的に接続する。第1ケーブル配線31aは、軸方向(Y方向)において第1基板27aと第2基板28aとの間に配置される。第1基板27aは、コネクタ接続により第1ケーブル配線31aと接続されている。第2基板28aは、コネクタ接続により第1ケーブル配線31aと接続されている。
【0027】
検知部21aに含まれるアンプ部33aは、図1等に示す実施形態においては、何にも取り付けられていないが、位置決めテーブル装置10aを構成する筐体等、他の部材に取り付けられていてもよい。アンプ部33aは、各ホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aによって検知された電気信号を増幅させる。第2ケーブル配線32aは、第2基板28aとアンプ部33aとを電気的に接続する。第2基板28aは、コネクタ接続により第2ケーブル配線32aと接続される。アンプ部33aは、コネクタ接続により第2ケーブル配線32aと接続される。アンプ部33aには、各ホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aによって検知された電気信号が入力される。アンプ部33aは、各ホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aによって検知された電気信号を増幅させる。アンプ部33aから外部への出力には、ケーブル34aが利用される。
【0028】
次に、マグネット22aの構成について説明する。マグネット22aは、板状であって、マグネット22aの厚さ方向に見て矩形状である。マグネット22aは、基板(第1基板)27aと厚さ方向が同じとなるように配置されている。マグネット22aは、マグネット22aと各ホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aとの隙間が、第1基板27aと第2基板28aとで同じになるように配置されている。
【0029】
検知部21aは、板状部材19aをさらに含む。板状部材19aは、金属板であって、折り曲げられて形成されている。板状部材19aは、テーブル18aの側面にボルトにより取り付けられている。板状部材19aは折り曲げられており、軸方向に見て各ホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aと間隔をあけてX方向の外側に配置される取り付け部20aが設けられている。すなわち、板状部材19aは、折り曲げられており、マグネット22aは、ホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aと間隔をあけて対向するように設けられている。取り付け部20aの内側、すなわち、軸方向に見て各ホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aと対向する側にマグネット22aが取り付けられている。マグネット22aと各ホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aとは接触せず、X方向に間隔をあけている。軸方向において、各ホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aは、マグネット22aが近接したことを検知することにより、テーブル18aの軸方向の位置を検知する。
【0030】
本開示の位置決めテーブル装置10aによると、テーブル18aの位置を検知する検知部21aは、テーブル18aに取り付けられたマグネット22aと、ホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aと、を含む。そして、ホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aは、ホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aに繋がる配線が設けられた基板(第1基板)27aおよび基板(第2基板)28aに取り付けられているため、基板(第1基板)27aおよび基板(第2基板)28aの厚さを薄くして、位置決めテーブル装置10aの幅方向の寸法を小さくすることができる。この場合、比較的小さく構成することができるホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aにより、テーブル18aと共に移動するマグネット22aの位置を検知しているため、装置構成全体の小型化を図りながら精度よく位置を検知することができる。また、ホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aに繋がる配線については、基板(第1基板)27aおよび基板(第2基板)28aに設けられているため、配線の取り回しの煩雑さを回避することができる。したがって、このような構成の位置決めテーブル装置10aによれば、小型化およびコンパクト化を図りながら正確にテーブル18aの位置決めを行うことができる。
【0031】
本実施形態においては、基板(第1基板)27aおよび基板(第2基板)28aは、コネクタ接続により外部と電気的に接続されている。よって、基板(第1基板)27aおよび基板(第2基板)28aと外部との電気的な接続において、配線の取り回し等の煩雑さが解消されることになり、基板(第1基板)27aおよび基板(第2基板)28aと外部との電気的な接続を簡易な構成で実現することができる。したがって、よりコンパクト化を図ることができる。
【0032】
本実施形態においては、検知部21aは、マグネット22aが取り付けられる板状部材19aを含む。板状部材19aは、テーブル18aの側面に取り付けられている。よって、板状部材19aを介してマグネット22aをテーブル18aに取り付けることができ、ホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aおよびマグネット22aの配置の自由度を高めることができる。したがって、よりユーザーのニーズに応じた位置決めテーブル装置10aの構成とすることが容易となる。また、板状部材19aは、折り曲げられており、マグネット22aは、ホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aと間隔をあけて対向するように設けられている。よって、より適切なホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aとマグネット22aとの距離関係を図ることができ、より精度よくテーブル18aの位置決めを行うことができる。
【0033】
本実施形態においては、マグネット22aは板状であって、基板と厚さ方向が同じとなるように配置されている。よって、基板(第1基板)27aおよび基板(第2基板)28aの厚さ方向の長さ寸法を小さくすることができる。したがって、小型化を図ることが容易になる。
【0034】
本実施形態においては、ホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aは、ねじ軸12aの軸方向にそれぞれ間隔をあけて複数設けられている。よって、ねじ軸12aの軸方向においてテーブル18aの位置を高精度に制御することができる。したがって、位置決めテーブル装置10aにおけるテーブル18aの位置決めを高精度に行うことができる。
【0035】
本実施形態においては、基板(第1基板)27aおよび基板(第2基板)28aは複数含まれており、複数の基板(第1基板)27aおよび基板(第2基板)28aは、コネクタ接続により電気的に接続されている。よって、複数の基板(第1基板)27aおよび基板(第2基板)28aの電気的な接続をより簡易な構成で実現することができる。この場合、テーブル18aの位置の検知が必要な箇所に基板(第1基板)27aおよび基板(第2基板)28aを配置し、それぞれをコネクタ接続することにより、各基板(第1基板)27aおよび基板(第2基板)28aを電気的に接続する配線の取り回しを不要にして、よりコンパクト化を図ることができる。
【0036】
本実施形態においては、位置決めテーブル装置10aは、ホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aによって検知された電気信号を増幅させるアンプ部33aを含む。よって、ホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aにより検知した電気信号を適切な電気信号のレベルに増幅し、検出可能とすることによりテーブル18aの位置を検知することができる。したがって、ホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aおよびマグネット22aの小型化を図りながら、より高精度なテーブル18aの位置決めを行うことができる。
【0037】
本実施形態においては上記したように、4つのホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aは、X方向の外向き、すなわち、それぞれ外側に露出するように取り付けられている。よって、基板(第1基板)27aおよび基板(第2基板)28aのそれぞれの裏側にホール素子を保護するカバーを取り付けることができ、ホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aが破損するリスクを低減することができる。また、検知部21aを一体物としてアッセンブリの一つの部品として取り扱うことができる。また、コネクタ接続を容易とし、配線作業をしやすくすることができる。
【0038】
(実施の形態2)
他の実施の形態である実施の形態2について説明する。図8は、本開示の実施の形態2における位置決めテーブル装置を示す概略斜視図である。図9は、図8に示す実施の形態2の位置決めテーブル装置を示す概略平面図である。図9は、図8中の矢印IXの向きに位置決めテーブル装置を見た場合を示す。図10は、図8に示す実施の形態2の位置決めテーブル装置を示す概略側面図である。図10は、図8中の矢印Xの向きに位置決めテーブル装置を見た場合を示す。図11は、図8に示す実施の形態2の位置決めテーブル装置を示す概略正面図である。図11は、図8中の矢印XIの向きに位置決めテーブル装置を見た場合を示す。図12は、図8に示す実施の形態2の位置決めテーブル装置の一部を拡大して示す概略斜視図である。実施の形態2における位置決めテーブル装置は、基本的には実施の形態1の場合と同様の構成を有し、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態2の位置決めテーブル装置は、板状部材が折り曲げられていない点において、実施の形態1の場合とは異なっている。
【0039】
図8図9図10図11および図12を参照して、実施の形態2の位置決めテーブル装置10bにおいて、テーブル18aの側面に折り曲げられていない板状部材19bが取り付けられており、この板状部材19bにマグネット22aが取り付けられている。また、実施の形態1の場合と異なり、ホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aは、実施の形態1の場合とX方向において逆の向きに取り付けられている。すなわち、各ホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aは、実施の形態1で示す基板(第1基板)27aおよび基板(第2基板)28aに取り付けられる向きと逆の向きに取り付けられている。各ホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aは、移動するテーブル18aの側面に取り付けられた板状部材19bと対向する側に配置されている。なお、本実施形態においては、4つのホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aは、X方向の内向き、すなわち、それぞれねじ軸12側に向くように取り付けられている。
【0040】
このようにすることにより、位置決めテーブル装置10bの幅方向(X方向)の長さ寸法をさらに小さくすることができる。したがって、より小型化を図ることができる。
【0041】
本実施形態においては上記したように、4つのホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aは、X方向の内向き、すなわち、それぞれねじ軸12側に向くように取り付けられている。よって、ホール素子(第1ホール素子)23a、ホール素子(第2ホール素子)24a、ホール素子(第3ホール素子)25a、ホール素子(第4ホール素子)26aが外部要因により破損するリスクを低減することができる。また、板状部材19bを折り曲げずに構成することができ、コストダウンを図ることができる。
【0042】
(他の実施の形態)
なお、上記実施の形態においては、ねじ軸は、真っ直ぐに長手方向に延びることとしたが、これに限らず、ねじ軸は、円弧状に延びる構成としてもよい。この場合、軸方向は円弧状に延びる方向となる。また、テーブルは、回転テーブルであってもよい。すなわち、位置決めテーブル装置は、回転テーブルの位置決めを行う装置であってもよい。
【0043】
また、上記の実施の形態においては、ホール素子は、合計4つ備えることとしたが、これに限らず、1つまたは2つ、3つであってもよいし、5つ以上備えることとしてもよい。基板についても、1つであってもよいし、3つ以上備えることとしてもよい。
【0044】
なお、上記の実施の形態において、マグネットは、板状部材であることとしたが、マグネットは、円板状であってもよく、シートタイプのマグネットであってもよい。
【0045】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0046】
10a,10b 位置決めテーブル装置、11a ボールねじ、12a ねじ軸、13a ナット、14a モータ、15a 第1支持部、16a 第2支持部、17a 側板、18a テーブル、19a,19b 板状部材、20a 取り付け部、21a 検知部、22a マグネット、23a ホール素子(第1ホール素子)、24a ホール素子(第2ホール素子)、25a ホール素子(第3ホール素子)、26a ホール素子(第4ホール素子)、27a 基板(第1基板)、28a 基板(第2基板)、31a 第1ケーブル配線、32a 第2ケーブル配線、33a アンプ部、34a ケーブル
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図12