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特開2024-61993基板型光導波路素子及び光通信装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061993
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】基板型光導波路素子及び光通信装置
(51)【国際特許分類】
G02B 6/12 20060101AFI20240430BHJP
G02B 6/125 20060101ALI20240430BHJP
G02B 6/122 20060101ALI20240430BHJP
G02B 6/42 20060101ALI20240430BHJP
H04B 10/40 20130101ALI20240430BHJP
【FI】
G02B6/12 311
G02B6/125
G02B6/12 321
G02B6/122 311
G02B6/42
H04B10/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169702
(22)【出願日】2022-10-24
(71)【出願人】
【識別番号】309015134
【氏名又は名称】富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】戸田 帆志彦
【テーマコード(参考)】
2H137
2H147
5K102
【Fターム(参考)】
2H137AB06
2H137AB08
2H137AB11
2H137BA52
2H137BA53
2H137BA54
2H137BB02
2H147AB05
2H147AB28
2H147AB29
2H147BA01
2H147BA02
2H147BA05
2H147BB02
2H147BD01
2H147BD02
2H147CA18
2H147DA10
2H147EA05A
2H147EA05B
2H147EA12A
2H147EA12B
2H147EA13A
2H147EA14A
2H147EA14B
5K102PB01
5K102PH31
(57)【要約】
【課題】基本モードの伝搬損失を小さくしながら、不要モードを除去できる小型の基板型光導波路素子等を提供する。
【解決手段】基板型光導波路素子は、基本モードを導波すると共に、前記基本モード以外の不要モードをスラブモードに変換するリブ型の曲げ導波路を有する。更に、基板型光導波路素子は、前記曲げ導波路の外周部に配置され、前記曲げ導波路にて変換された前記スラブモードを前記曲げ導波路から除去する除去部を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基本モードを導波すると共に、前記基本モード以外の不要モードをスラブモードに変換するリブ型の曲げ導波路と、
前記曲げ導波路の外周部に配置され、前記曲げ導波路にて変換された前記スラブモードを前記曲げ導波路から除去する除去部と、
を有することを特徴とする基板型光導波路素子。
【請求項2】
前記曲げ導波路は、
曲率が連続的に変化する緩和曲線に沿うリブ型の光導波路であることを特徴とする請求項1に記載の基板型光導波路素子。
【請求項3】
前記除去部は、
前記曲げ導波路にて変換された前記スラブモードを前記曲げ導波路から光遷移させて放射することで、前記曲げ導波路から前記スラブモードを除去することを特徴とする請求項1に記載の基板型光導波路素子。
【請求項4】
前記除去部は、
前記曲げ導波路にて変換された前記スラブモードを前記曲げ導波路から光遷移させて吸収することで、前記曲げ導波路から前記スラブモードを除去する吸収部であることを特徴とする請求項1に記載の基板型光導波路素子。
【請求項5】
前記除去部は、
前記曲げ導波路の外周部に配置されるスラブに備えられ、前記曲げ導波路のリブから漏れる前記不要モードが前記スラブのスラブ端へ入射する入射進行方向と前記スラブ端の法線とのなす角である入射角が、全反射が生じる閾値である臨界角度以下になるように形成される余剰スラブで構成することを特徴とする請求項3に記載の基板型光導波路素子。
【請求項6】
前記除去部は、
前記余剰スラブの導波路幅がスラブ端に向けて徐々に狭くなるテーパ形状にしたことを特徴とする請求項5に記載の基板型光導波路素子。
【請求項7】
前記除去部の近傍に配置され、前記余剰スラブを伝搬する前記スラブモードを吸収する吸収部を有することを特徴とする請求項5に記載の基板型光導波路素子。
【請求項8】
前記除去部内に配置され、前記余剰スラブを伝搬する前記スラブモードを吸収する吸収部を有することを特徴とする請求項5に記載の基板型光導波路素子。
【請求項9】
前記吸収部は、
前記曲げ導波路の外周部に配置された外側スラブ近傍に配置され、前記曲げ導波路からの前記スラブモードを吸収する吸収体であることを特徴とする請求項4に記載の基板型光導波路素子。
【請求項10】
前記スラブモードは、
前記曲げ導波路の入力部から導波する不要モードが前記曲げ導波路にて変換される第1のスラブモードと、
前記曲げ導波路の出力部から導波する不要モードが前記曲げ導波路にて変換される第2のスラブモードと、を有し、
前記除去部は、
前記第1のスラブモードを放射する第1の放射部と、
前記第2のスラブモードを放射する第2の放射部と、
を有することを特徴とする請求項3に記載の基板型光導波路素子。
【請求項11】
前記吸収部は、
前記曲げ導波路の外周部に配置されたスラブの内、一部の領域がNドープされた前記スラブ、一部の領域がPドープされた前記スラブ、前記スラブ上に配置されたゲルマニウム材、又は前記スラブ上に配置された金属材で構成することを特徴とする請求項4に記載の基板型光導波路素子。
【請求項12】
前記曲げ導波路の入力部に第1の変換部、前記曲げ導波路の出力部に第2の変換部を有し、
前記第1の変換部は、
前記曲げ導波路の入力部に第1のチャネル導波路と接続され、前記第1のチャネル導波路から前記曲げ導波路に向かってスラブ幅が広くなるテーパ導波路であり、
前記第2の変換部は、
前記曲げ導波路の出力部に第2のチャネル導波路と接続され、前記曲げ導波路から前記第2のチャネル導波路に向かってスラブ幅が狭くなるテーパ導波路であることを特徴とする請求項3に記載の基板型光導波路素子。
【請求項13】
基本モードを導波すると共に、前記基本モード以外の不要モードをスラブモードに変換するリブ型の第1の曲げ導波路と、
前記第1の曲げ導波路の外周部に配置され、前記第1の曲げ導波路にて変換された前記スラブモードを前記第1の曲げ導波路から光遷移させ放射することで前記第1の曲げ導波路から前記不要モードを除去する第1の放射部と、
前記第1の放射部の近傍に配置され、前記第1の放射部で放射された前記スラブモードを吸収する第1の吸収部と、
前記基本モードを導波すると共に、前記基本モード以外の不要モードをスラブモードに変換するリブ型の第2の曲げ導波路と、
前記第2の曲げ導波路の外周部に配置され、前記第2の曲げ導波路にて変換された前記スラブモードを前記第2の曲げ導波路から光遷移させ放射することで前記第2の曲げ導波路から前記不要モードを除去する第2の放射部と、
前記第2の放射部の近傍に配置され、前記第2の放射部で放射された前記スラブモードを吸収する第2の吸収部と、を有し、
前記第1の曲げ導波路と前記第2の曲げ導波路の曲げ方向は、光進行方向に対して反対側であり、前記第1の曲げ導波路と前記第2の曲げ導波路との間を接続することでS字の曲げ導波路を形成することを特徴とする基板型光導波路素子。
【請求項14】
光源と、
送信信号を用いて光源からの光を光変調して送信光を送信する光送信器と、
前記光源からの光を用いて受信光から受信信号を受信する光受信器と、
前記光送信器及び前記光受信器内で前記光を導波路する基板型光導波路素子と、を有する光通信装置であって、
前記基板型光導波路素子は、
基本モードを導波すると共に、前記基本モード以外の不要モードをスラブモードに変換するリブ型の曲げ導波路と、
前記曲げ導波路の外周部に配置され、前記曲げ導波路にて変換された前記スラブモードを前記曲げ導波路から除去する除去部と、
を有することを特徴とする光通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板型光導波路素子及び光通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、動画配信サービスなどの普及により、データ通信料が増加の一途をたどっているため、これらを支えるネットワーク通信の大容量化が求められている。そこで、SiPh(Silicon Photonics)は、高密度集積が可能である点から注目を浴びている。SiPh(Silicon Photonics)を用いたPIC(Photonic Integrated Circuit)では、主に導波モードの最低次数のモードである基本モードを通信に使用している。光導波路の基本モードとしては、例えば、TE(Transverse Electric)偏波のTE0モードやTM(Transverse Magnetic)偏波のTM0モードがある。TE偏波の基本モード(TE0)以外のTEのx次のモードはTEx、TM偏波の基本モード(TM0)以外のTMのx次のモードはTMxと表記する。
【0003】
また、SiPhでは、光導波路の伝搬損失が高くなるため、光導波路の導波路幅を広げることで光導波路の伝搬損失を下げるのが一般的な方法である。しかしながら、導波路幅を広げた場合、基本モード以外のモードである高次のモード、例えば、TE1モードも光導波路に伝搬されてしまうことになる。
【0004】
例えば、導波路幅が500nm、導波路厚が220nmのチャネル型の光導波路に伝搬するモードが、例えば、TE0、TE1及びTM0の3つのモードとなり、TE0を主信号とした場合、TE1及びTM0は本来通信には不必要なモードであることから、これらを不要モードと呼ぶこととする。
【0005】
そこで、不要モードが主信号とともに、基板型光導波路素子内に入力された場合に、基板型光導波路素子内でのモード変換等により、不要モードが主信号に変換されてしまうことがある。その結果、変換された主信号によって基板型光導波路素子が意図しない動作が発生する。
【0006】
モード変換は、例えば、MMI(Multi-Mode Interference)内の導波路や、直線導波路と円弧の導波路との間の導波路内において、導波路構造が不連続となり、その接続点の前後で、伝搬モードの電界分布が光の進行方向にとって不連続となる部分で発生する。このモード変換が生じると、TE0とともにTE1が伝搬している場合、TE1がTE0へと変換される。主信号のTE0と高次モードであるTE1から変換されたTE0は干渉し、それにより波長リップルを生じてしまい、意図通りの動作とならない。従って、基板型光導波路素子を意図した通りに動作させる場合には、不要モードを除去する構造が必要となる。
【0007】
また、不要モードの影響を受ける基板型光導波路素子としては、例えば、1×2カプラがある。
図27は、従来の1×2カプラ100の一例を示す説明図、
図28は、TE1モードの混入量と1×2カプラの分岐比との関係の一例を示す説明図である。
図27に示す1×2カプラ100では、1入力側の入力から主信号のTE0の他に不要モードTE1が入力されると、TE0とTE1とが干渉し、不要モードTE1の混入量εに応じて分岐比が変化する。
図28に示すように、不要モードTE1の混入量εが多くなるに連れて分岐比が徐々に大きくなる。このような1×2カプラ100をMZM(Mach-Zenhnder Modulator)に使用した場合には、分岐比の変動が消光比の劣化等を引き起こし、例えば、送信機の信号品質の劣化に繋がる。
【0008】
また、1×2カプラ100の2入力側から主信号のTE0及び不要モードTE1が入力された場合でも、これら入力されたTE0とTE1とが干渉し合うことで分岐比が変化してしまう。このような不具合は、例えば、2×2カプラの場合も同様の事象が発生する。
【0009】
また、不要モードの影響を受けるデバイスとして、入力から出力に向けて導波路幅が徐々に広くなるテーパ導波路がある。
図29は、従来のテーパ導波路110の一例を示す略平面図、
図30は、
図29に示すB-B線の略断面部分の一例を示す説明図である。
図29に示すテーパ導波路110の入力部111及び出力部112では、TE1とTM0の実効屈折率の大小が入れ替わり、かつ、入力部111と出力部112との間が上下非対称な屈折率断面分布を有する。テーパ導波路110は、チャネル導波路である。
【0010】
図30に示すテーパ導波路110は、SiO
2のボックス層115Bと、ボックス層115B上に配置されたチャネル型のコア113と、ボックス層115B及びコア113上に積層されたSiO
2のクラッド層115Aとを有する。テーパ導波路110では、入力部111から、例えば、TE1が入力された場合、TE1がTM0に変換されることで、出力部112からTM0が出力されることになる。
【0011】
また、光導波路の伝搬損失を低減する方法として、導波路幅を広くする方法が知られている。しかしながら、導波路幅を広げる際にテーパ導波路が使用されており、このテーパ導波路にTE1及びTM0が入力されると、一部がTM0及びTE1にモード変換されることになるため、偏波多重通信を行う光送信機ではクロストークとなり信号品質の劣化につながる。尚、ここでは、チャネル型導波路を例示したが、リブ型の導波路でも同様な事象が起こる。従って、導波路内の不要モードを除去する方法が求められている。
【0012】
不要モードを除去する方法として、リブ型導波路では、リブ型導波路のスラブにドーピングを実施し、ドーピングされたスラブの光吸収により不要モードを除去する方法が知られている。
図31は、従来のリブ型導波路120の一例を示す略断面図である。
図31に示すリブ型導波路120は、ボックス層123Bと、ボックス層123B上に配置されたリブ121及びスラブ122と、リブ121、スラブ122及びボックス層123B上に積層されたクラッド層123Aとを有する。スラブ122は、ドーピングが実施されているため、スラブ122の光吸収により不要モードを除去できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許出願公開第2020/0166702号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2017/0090118号明細書
【特許文献3】特開2017-215526号公報
【特許文献4】特開2004-145184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、従来のリブ型導波路120では、TE1モードの損失が148dB/mmのため、30dBの光損失を与えて、TE1モードの除去効果を得るためには、リブ型導波路120の導波路長を約200um程度の長さにする必要がある。その結果、基板型光導波路素子自体が大型化してしまう。
【0015】
従来のリブ型導波路120では、基本モードの伝搬損失を低下させるべく、導波路幅を広くすると、同一モードであっても、スラブ122へ漏れる光が少なくなるため、不要モードの除去効果が小さくなる。その結果、導波路長を長くする必要があり、低損失化のために導波路幅を広げた効果は打ち消され、基本モードの伝搬損失が大きくなる。
【0016】
一つの側面では、基本モードの伝搬損失を小さくしながら、不要モードを除去できる小型の基板型光導波路素子等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
一つの態様の基板型光導波路素子は、基本モードを導波すると共に、前記基本モード以外の不要モードをスラブモードに変換するリブ型の曲げ導波路を有する。更に、基板型光導波路素子は、前記曲げ導波路の外周部に配置され、前記曲げ導波路にて変換された前記スラブモードを前記曲げ導波路から除去する除去部を有する。
【発明の効果】
【0018】
一つの側面によれば、基本モードの伝搬損失を小さくしながら、不要モードを除去できる小型の基板型光導波路素子等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、実施例1の基板型光導波路素子の構成の一例を示す略平面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すA-A線の略断面部分の一例を示す説明図である。
【
図3A】
図3Aは、曲げ導波路の構成の一例を示す説明図である。
【
図3B】
図3Bは、曲げ導波路内の第3の曲線導波路の一例を示す説明図である。
【
図3C】
図3Cは、曲げ導波路内の第1の曲線導波路及び第2の曲線導波路の一例を示す説明図である。
【
図4A】
図4Aは、余剰スラブなしの場合の基板型光導波路素子のTE1モード入力時の電界分布の一例を示す説明図である。
【
図4B】
図4Bは、余剰スラブありの場合の基板型光導波路素子のTE1モード入力時の電界分布の一例を示す説明図である。
【
図5】
図5は、実施例1の基板型光導波路素子と従来の基板型光導波路素子との比較例を示す説明図である。
【
図6】
図6は、実施例1の他の形態の基板型光導波路素子の構成の一例を示す略平面図である。
【
図7】
図7は、円弧に沿った曲げ導波路の一例を示す説明図である。
【
図8】
図8は、実施例2の基板型光導波路素子の構成の一例を示す略平面図である。
【
図9】
図9は、実施例2の他の形態の基板型光導波路素子の構成の一例を示す略平面図である。
【
図10】
図10は、実施例3の基板型光導波路素子の構成の一例を示す略平面図である。
【
図11A】
図11Aは、実施例3の他の形態の基板型光導波路素子の構成の一例を示す略平面図である。
【
図11B】
図11Bは、実施例3の他の形態の基板型光導波路素子の構成の一例を示す略平面図である。
【
図12】
図12は、実施例4の基板型光導波路素子の構成の一例を示す略平面図である。
【
図13】
図13は、実施例5の基板型光導波路素子の構成の一例を示す略平面図である。
【
図14A】
図14Aは、実施例5の他の形態の基板型光導波路素子の構成の一例を示す略平面図である。
【
図14B】
図14Bは、実施例5の他の形態の基板型光導波路素子の構成の一例を示す略平面図である。
【
図15】
図15は、実施例6の基板型光導波路素子の構成の一例を示す略平面図である。
【
図16A】
図16Aは、吸収部なしの場合の基板型光導波路素子のTE1モード入力時の電界分布の一例を示す説明図である。
【
図16B】
図16Bは、吸収部ありの場合の基板型光導波路素子のTE1モード入力時の電界分布の一例を示す説明図である。
【
図17】
図17は、実施例6の他の形態の基板型光導波路素子の構成の一例を示す略平面図である。
【
図18】
図18は、実施例7の基板型光導波路素子の構成の一例を示す略平面図である。
【
図19】
図19は、曲げ吸収体ありの場合の基板型光導波路素子のTE1モード入力時の電界分布の一例を示す説明図である。
【
図20A】
図20Aは、実施例7の他の形態の基板型光導波路素子の構成の一例を示す略平面図である。
【
図20B】
図20Bは、実施例7の他の形態の基板型光導波路素子の構成の一例を示す略平面図である。
【
図20C】
図20Cは、実施例7の他の形態の基板型光導波路素子の構成の一例を示す略平面図である。
【
図21】
図21は、実施例8の基板型光導波路素子の構成の一例を示す略平面図である。
【
図22】
図22は、実施例9の基板型光導波路素子の構成の一例を示す略平面図である。
【
図23】
図23は、実施例9の他の形態の基板型光導波路素子の構成の一例を示す略平面図である。
【
図24】
図24は、実施例10の基板型光導波路素子の構成の一例を示す略平面図である。
【
図25A】
図25Aは、実施例11の基板型光導波路素子の構成の一例を示す略平面図である。
【
図25B】
図25Bは、他の形態の基板型光導波路素子の構成の一例を示す略平面図である。
【
図26】
図26は、本実施例の基板型光導波路素子を内蔵した光通信装置の一例を示す説明図である。
【
図27】
図27は、従来の1×2カプラの一例を示す説明図である。
【
図28】
図28は、TE1モードの混入量と1×2カプラの分岐比との関係の一例を示す説明図である。
【
図29】
図29は、従来のテーパ導波路の一例を示す略平面図である。
【
図31】
図31は、従来のリブ型導波路の一例を示す略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づいて、本願の開示する基板型光導波路素子等の実施例を詳細に説明する。尚、本実施例により、開示技術が限定されるものではない。また、以下に示す各実施例は、矛盾を起こさない範囲で適宜組み合わせても良い。
【実施例0021】
図1は、実施例1の基板型光導波路素子1の構成の一例を示す略平面図、
図2は、
図1に示すA-A線の略断面部分の一例を示す説明図である。
図1に示す基板型光導波路素子1は、リブ型の曲げ導波路2と、曲げ導波路2の外周部に配置された幅広の余剰スラブ11とを有する。リブ型の曲げ導波路2は、基本モードを導波すると共に、基本モード以外の不要モードをスラブモードに変換する。尚、説明の便宜上、曲げ導波路2を導波するモードをTE0,TE1とし、主信号モードをTE0とした場合、不要モードをTE1とする。余剰スラブ11は、曲げ導波路2の外周部に配置され、曲げ導波路2にて変換されたスラブモードを曲げ導波路2から光遷移させることで、曲げ導波路2から不要モードを除去する除去部としての機能も有する。
【0022】
図2に示すリブ型の曲げ導波路2は、ボックス層5Aと、ボックス層5A上に配置されたリブ2A及びスラブ3と、リブ2A、スラブ3及びボックス層5A上に積層されたクラッド層5Bとを有する非対称リブ型導波路構造である。リブ2Aのリブ厚は、スラブ3のスラブ厚に比較して厚く、例えば、220nmであるのに対し、スラブ厚は、例えば、90nmである。曲げ導波路2は、入力部20Aから出力部20Bへと信号光を導波するリブ型の光導波路である。曲げ導波路2は、主に基本モード以外のモードをスラブモードに変換する。尚、主信号モードは、曲げ導波路2のリブ2Aに電界が集中しているのに対し、高次モードは、曲げ導波路2のスラブ3に電界が集中している。このスラブ3に電界が集中している高次モードをスラブモードとする。
【0023】
曲げ導波路2内のスラブ3は、リブ2Aの内周部に配置された内側スラブ3Aと、リブ2Aの外周部に配置された外側スラブ3Bとを有する。余剰スラブ11は、通常のリブ型導波路の外側スラブ3Bのスラブ幅に比較して広くしたスラブである。
【0024】
余剰スラブ11は、曲げ導波路2にて変換されたスラブモードを余剰スラブ11内で伝搬させ、曲げ導波路2から不要モードを除去する除去部4である。
【0025】
例えば、不要モードのうち、リブ2Aに電界が集まっているモード、例えば、TE1は、基本モードよりも光の閉じ込めが弱い。そこで、曲げ導波路2では、急峻な曲げ構造であるため、TE1がリブ2Aに閉じ込め切れなくなり、TE1がスラブモード(スラブを伝搬するより高次のモード)に変換される。つまり、曲げ導波路2では、リブ2Aにある不要モードTE1をスラブモードへと変換することになる。
【0026】
図3Aは、曲げ導波路2の構成の一例を示す説明図である。
図3Aに示す曲げ導波路2は、第1のクロソイド曲線に沿う第1の曲線導波路2A11と、第2のクロソイド曲線に沿う第2の曲線導波路2A12と、円弧に沿う第3の曲線導波路2A13と、を有する。曲げ導波路2は、第1の曲線導波路2A11と第2の曲線導波路2A12との間を第3の曲線導波路2A13で接続することで構成する。つまり、曲げ導波路2は、曲率が連続的に変化する緩和曲線に沿うリブ型の光導波路である。
【0027】
図3Bは、曲げ導波路2内の第3の曲線導波路2A13の一例を示す説明図である。第3の曲線導波路2A13は、
図3Bに示す円弧の曲線導波路である。第3の曲線導波路2A13は、導波路中心を通る円が半径Rの円弧に沿うリブ型の曲線導波路である。
【0028】
図3Cは、曲げ導波路2内の第1の曲線導波路2A11及び第2の曲線導波路2A12の一例を示す説明図である。第1の曲線導波路2A11及び第2の曲線導波路2A12は、クロソイド曲線に沿うリブ型の曲線導波路である。クロソイド曲線(A,R)のポリゴンは、
図3Cに示すPinnerとPouterで囲まれた点の集合である。PinnerとPouterは(数式1)で定義する。
【0029】
【0030】
Pcenter=(X,Y)は(数式2)の通りである。
【0031】
【0032】
そして、クロソイド曲線に使用する角度θ0は(数式3)で算出する。
【0033】
【0034】
(数式1)、(数式2)及び(数式3)に基づき、円弧の第3の曲線導波路2A13に応じたクロソイド曲線を計算し、円弧及びクロソイド曲線を含む緩和曲線に沿ってリブ型の曲げ導波路2のリブ2Aをボックス層5A上に配置する。
【0035】
従って、緩和曲線に沿ったリブ2Aは、曲率が連続的に変化するため、出力部20Bでのモードミスマッチが小さく、基本モードの損失を低減できると共に、高次モード除去の効率が高くなる。
【0036】
余剰スラブ11は、曲げ導波路2内のリブ2Aの外周部に配置される外側スラブ3Bに形成される。更に、余剰スラブ11は、リブ2Aから漏れる不要モードが余剰スラブ11のスラブ端へ入射する入射進行方向X1とスラブ端の法線X2とのなす角である入射角が、全反射が生じる閾値である臨界角度以下になるように形成される。
【0037】
図4Aは、余剰スラブ11なしの場合の基板型光導波路素子のTE1モード入力時の電界分布の一例を示す説明図である。リブ型の曲げ導波路の内側スラブ及び外側スラブのスラブ幅は、断面構造の連続性を保つため、一定幅で固定されるのが一般的である。余剰スラブ11なしの曲げ導波路2では、リブに閉じ込められている不要モード(TE1)が一時的にスラブモードに変換されるものの、スラブ端で反射する。更に、そのスラブモードが導波路進行方向へと向かい、不要モード(TE1)に変換されリブ型の曲げ導波路2を再び伝搬する。その結果、余剰スラブ11なしの曲げ導波路のみでは、不要モード(TE1)を除去できる量は少ない。
【0038】
そこで、曲げ導波路2の外周部に余剰スラブ11を配置することで、曲げ導波路2で一時的にスラブモードに変換された信号光を導波路進行方向へ反射することを防ぎ、そのスラブ端にて除去(放射)する。
図4Bは、余剰スラブ11ありの場合の基板型光導波路素子1のTE1モード入力時の電界分布の一例を示す説明図である。余剰スラブ11ありの曲げ導波路2では、リブ2Aに閉じ込められている不要モードが一時的にスラブモードに変換されるものの、スラブ端が余剰スラブ11にあるため、スラブモードはそのスラブ端にて放射する。スラブモードが放射されることで、曲げ導波路2からスラブモードを除去できる。その結果、曲げ導波路2の導波路進行方向へのスラブモードの進行を抑制して、そのスラブモードが不要モード(TE1)に変換されリブ型の曲げ導波路2を再び伝搬することを防止できる。
【0039】
また、リブ2Aと並走するスラブ3は、曲げを有していないため、スラブ3上を伝搬するスラブモードは余剰スラブ11に直進し、曲げ導波路2の導波路進行方向へ伝搬せず、不要モードを除去できる。
【0040】
余剰スラブ11にあるスラブ端により、リブ2A内を進行する不要モードは放射されることになる。リブ2A内を進行する不要モードが放射されることで、不要モードがリブ型の曲げ導波路2を伝搬することを防止できる。また、不要モードは、スラブ端にて、導波路外へ放射される。
【0041】
また、曲げ導波路2の内周部に配置された内側スラブ3Aもスラブ幅が通常の内側スラブに比較して広くなっている。
【0042】
図5は、実施例1の基板型光導波路素子1と従来の基板型光導波路素子との比較例を示す説明図である。従来の基板型光導波路素子は、導波する信号光の波長を1.55μm、製造誤差なし、スラブ厚を150nm、コア厚を220nmとし、リブからTE1を37dB削減する場合、248nmの導波路長が必要になる。
【0043】
これに対して、実施例1の基板型光導波路素子1は、導波する信号光の波長を1.55μm、製造誤差なし、スラブ厚を90nm、コア厚を220nmとし、リブ2AからTE1を37dB削減する場合、39nmの導波路長で済む。つまり、リブ2AからTE1を37dB削減する場合には、導波路長が39μmで済むため、従来技術に比較して導波路長を短くすることで基板型光導波路素子1の小型化に寄与できる。
【0044】
実施例1の基板型光導波路素子1では、曲げ導波路2で不要モードをスラブモードに変換し、余剰スラブ11を用いてスラブモードを水平方向に放射して曲げ導波路2から不要モードを除去する。その結果、従来に比較して導波路長を短くして小型化を図ることができる。
【0045】
基板型光導波路素子1は、曲げ導波路2が、曲率が連続的に変化する緩和曲線に沿ったリブ型導波路であるため、曲げ導波路2を導波する不要モードをスラブモードに変換できる。基本モードの曲げ導波路2における損失が小さく、出力部20Bでのモードミスマッチも小さくなり基本モードの損失を低減できる。また、出力部20Bにおけるモードミスマッチが小さくなった結果、基本モードの不要モードへの変換が抑制され、不要モード除去の効率が高くなる。
【0046】
尚、
図1に示す基板型光導波路素子1内の余剰スラブ11の形状は限定されるものではなく、適宜変更可能である。
図6は、実施例1の他の形態の基板型光導波路素子1Aの構成の一例を示す略平面図である。
図6に示す基板型光導波路素子1A内の余剰スラブ11Aは、
図1に示す基板型光導波路素子1の余剰スラブ11に比較して長くする構造にした。余剰スラブ11Aは、曲げ導波路2内のリブ2Aの外周部に配置される外側スラブ3Bに形成される。そして、余剰スラブ11Aは、リブ2Aから漏れる不要モードが余剰スラブ11Aのスラブ端へ入射する入射進行方向とスラブ端の法線とのなす角である入射角が、全反射が生じる閾値である臨界角度以下になるように形成する。
【0047】
基板型光導波路素子1Aでは、従来の導波路長に比較して導波路長を短くすることで小型化できる。更に、基板型光導波路素子1Aでは、余剰スラブ11Aで不要モードを含むスラブモードが水平方向に放射されることになるため、曲げ導波路2から不要モードを除去できる。
【0048】
尚、実施例1の曲げ導波路2は、緩和曲線に沿ったリブ型の曲げ導波路2を例示したが、円弧に沿った曲げ導波路2Bでも良く、適宜変更可能である。しかしながら、曲げ導波路を円弧に沿った場合には若干の問題がある。
図7は、円弧に沿った曲げ導波路2Bの一例を示す説明図である。円弧に沿った曲げ導波路2Bのリブ2Aでは、出力部20Bでのモードミスマッチが緩和曲線の場合よりも大きくなるため、基本モードの損失が生じる。
【0049】
高次モードは、リブ2Aへの光閉じ込めが基本モード(TE0等)に比較して弱いため、急峻な曲げ導波路を通過すると、基本モード(TE0)に比較して伝搬損失が大きくなる。しかしながら、円弧に沿った曲げ導波路2Bでは、円弧に沿った曲げ導波路2B3と直線導波路2B1及び2B2との間の曲率が異なることで電界ミスマッチが発生する。例えば、円弧の曲げ半径を15um、信号光の波長を1550nmの場合、曲率の不連続部(電界ミスマッチ)でTE0からTE1への変換率が-25.3dBになる。その結果、電界ミスマッチによって、基本モードTE0が不要モードTE1にモード変換されるため、基本モードの伝搬損失が生じると共に、高次モード除去の効率が低くなる。
【0050】
そこで、実施例1では、円弧ではなく、緩和曲線に沿ったリブ型の曲げ導波路2を有するため、曲率が連続的に変化し、曲率の不連続部を無くすことで、基本モードの伝搬損失および高次モード除去の効率が改善されることになる。しかしながら、円弧に沿った曲げ導波路2Bの外周部に余剰スラブ11を配置した場合でも、不要モードを曲げ導波路2Bから除去できることは言うまでもない。
【0051】
尚、実施例1の基板型光導波路素子1は、余剰スラブ11のスラブ端の導波路幅が一定の同一幅で構成する場合を例示した。しかしながら、余剰スラブ11のスラブ端の導波路幅が不要モードの放射方向に対して徐々に狭くなるテーパ導波路にしても良く、その実施の形態につき、実施例2として以下に説明する。尚、実施例1の基板型光導波路素子1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
【実施例0052】
図8は、実施例2の基板型光導波路素子1Bの構成の一例を示す略平面図である。
図8に示す基板型光導波路素子1Bの余剰スラブ11Bと実施例1の基板型光導波路素子1の余剰スラブ11とが異なるところは、余剰スラブ11Bのスラブ端の導波路幅が不要モードの放射方向に対して徐々に狭くなるテーパ導波路にした点にある。
【0053】
テーパ導波路の余剰スラブ11Bは、スラブ端に向かって導波路幅が徐々に狭くなっているので、スラブ端におけるスラブモードの反射量が少なくなる。従って、スラブモードの反射光を抑制しながら、そのスラブモードが不要モード(TE1)に変換されリブ型の曲げ導波路2を再び伝搬することを防止できる。
【0054】
尚、実施例2の基板型光導波路素子1Bの余剰スラブ11Bは、
図8に示す形状に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
図9は、実施例2の他の形態の基板型光導波路素子1B1の構成の一例を示す略平面図である。尚、
図8に示す基板型光導波路素子1Bと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図9に示す基板型光導波路素子1B1は、リブ2Aの外周部の外側スラブ3Bに配置された余剰スラブ11B1を有する。余剰スラブ11B1は、スラブ端の導波路幅がスラブモードの放射方向に対して徐々に狭くなるテーパ導波路である。
【0055】
テーパ導波路の余剰スラブ11Bは、スラブ端に向かって導波路幅が徐々に狭くなっているので、スラブ端におけるスラブモードの反射量が少なくなる。従って、スラブモードの反射光を抑制しながら、そのスラブモードが不要モード(TE1)に変換されリブ型の曲げ導波路2を再び伝搬することを防止できる。
【0056】
尚、実施例1の基板型光導波路素子1の余剰スラブ11は、不要モードをスラブ端から導波路外へ放射する場合を例示したが、導波路外に放射された不要モードが導波路外の他の素子に影響を与える場合も考えられる。そこで、このような事態に対処すべく、その実施の形態につき、実施例3として以下に説明する。
【実施例0057】
図10は、実施例3の基板型光導波路素子1Cの構成の一例を示す略平面図である。尚、実施例1の基板型光導波路素子1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図10に示す基板型光導波路素子1Cと
図1に示す基板型光導波路素子1とが異なるところは、余剰スラブ11のスラブ端近傍に吸収体12を配置した点にある。吸収体12は、余剰スラブ11のスラブ端から導波路外へ放射される不要モードを吸収する。吸収体12は、例えば、Si構造体、Nドープの部材、Pドープの部材、ゲルマニウムや金属等で構成する。
【0058】
余剰スラブ11にあるスラブ端により、リブ2A内を進行する不要モードは放射されることになる。リブ2A内を進行する不要モードが放射されることで、不要モードがリブ型の曲げ導波路2を伝搬することを防止できる。余剰スラブ11のスラブ端近傍に吸収体12を配置したので、スラブ端から放射された不要モードを吸収する。
【0059】
実施例3の基板型光導波路素子1Cでは、余剰スラブ11のスラブ端近傍に光の吸収体12を配置したので、余剰スラブ11で放射された不要モードによる他の素子への影響を抑止できる。
【0060】
尚、
図10に示す基板型光導波路素子1Cは、余剰スラブ11のスラブ端の近傍に吸収体12を配置する場合を例示したが、余剰スラブ11の形状が限定されるものではなく、適宜変更可能である。
図11Aは、実施例3の他の形態の基板型光導波路素子1C1の構成の一例を示す略平面図である。
図11Aに示す基板型光導波路素子1C1は、余剰スラブ11Aのスラブ端近傍に配置された吸収体12を有する。
【0061】
基板型光導波路素子1C1では、余剰スラブ11Aのスラブ端近傍に光の吸収体12を配置したので、余剰スラブ11Aで放射された不要モードによる他の素子への影響を抑止できる。
【0062】
図11Bは、実施例3の他の形態の基板型光導波路素子1C2の構成の一例を示す略平面図である。
図11Bに示す基板型光導波路素子1C2は、テーパ導波路の余剰スラブ11Bのスラブ端近傍に配置された吸収体12を有する。
【0063】
基板型光導波路素子1C2では、余剰スラブ11Bのスラブ端近傍に光の吸収体12を配置したので、余剰スラブ11Bで放射された不要モードによる他の素子への影響を抑止できる。
【0064】
尚、実施例2の基板型光導波路素子1Bでは、スラブ端がテーパ導波路の余剰スラブ11Bを有する場合を例示したが、これに限定されるものではなく、適宜変更可能である。従って、その実施の形態につき、実施例4として以下に説明する。
【実施例0065】
図12は、実施例4の基板型光導波路素子1Dの構成の一例を示す略平面図である。
図12に示す基板型光導波路素子1D内の余剰スラブ11Bは、入力不要モードを放射する第1の放射部11B2と、反射光不要モードを放射する第2の放射部11Cとを有する。入力不要モードは、曲げ導波路2を入力する基本モード以外の不要モードである第1のスラブモードである。反射光不要モードは、曲げ導波路2を出力する基本モードの反射光である第2のスラブモードである。第1の放射部11B2は、曲げ導波路2で変換されたスラブモード内の不要モードを放射することで、曲げ導波路2のリブ2A内を導波する不要モードを除去する。第2の放射部11Cは、曲げ導波路2の出力部20Bからの反射光のうち、不要モードを放射することで、反射光の不要モードも除去できる。
【0066】
実施例4の基板型光導波路素子1Dの余剰スラブ11は、第1の放射部11B2及び第2の放射部11Cを配置したので、入力光不要モード及び反射光不要モードをスラブ端の導波路外へ放射する。その結果、曲げ導波路2内で主信号に対する不要モードや反射光の影響を抑制できる。
【0067】
尚、
図1に示す基板型光導波路素子1内のリブ2Aの内周部の内側スラブ3Aを配置する場合を例示したが、これに限定されるものではなく、内側スラブ3Aを別形状にしても良く、適宜変更可能である。従って、その実施の形態につき、実施例5として以下に説明する。
【実施例0068】
図13は、実施例5の基板型光導波路素子1Eの構成の一例を示す略平面図である。尚、実施例1の基板型光導波路素子1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図13に示す基板型光導波路素子1E内のリブ2Aの内側スラブ3Aは、リブ2Aの入力部20A付近の第1の内側スラブ3A1と、リブ2Aの出力部20B付近の第2の内側スラブ3A2と、切欠きスラブ3A3とを有する。切欠きスラブ3A3は、第1の内側スラブ3A1と第2の内側スラブ3A2との間の内側スラブ3Aを切り欠いて形成される。
【0069】
内側スラブ3Aは、第1の内側スラブ3A1と切欠きスラブ3A3との間の不連続点と、切欠きスラブ3A3と第2の内側スラブ3A2との間の不連続点とを有する。内側スラブ3A内に2箇所の不連続点を形成することで内周側スラブに電界を持つ不要モードの損失を増加させる。
【0070】
実施例5の基板型光導波路素子1Eでは、リブ2A内に高次の不要モードが入力した場合、曲げ導波路2にて変換されたスラブモードを曲げ導波路2の外周部に配置された外側スラブ3Bに光遷移させ、余剰スラブ11にあるスラブ端により不要モードを放射する。更に、曲げ導波路2の内周部に配置された内側スラブ3A内の不連続点で不要モードの損失を増加させる。その結果、内側スラブ3Aからも、曲げ導波路2内の不要モードを除去できる。
【0071】
尚、実施例5の基板型光導波路素子1Eの内側スラブ3Aは切欠きスラブ3A3を形成する場合を例示したが、これに限定されるものではない。
図14Aは、実施例5の他の形態の基板型光導波路素子1E1の構成の一例を示す略平面図である。尚、
図13に示す基板型光導波路素子1Eと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図14Aに示す基板型光導波路素子1E1内の内側スラブ3A内の切欠きスラブ3A3には、Si構造体31を配置する。Si構造体31は、曲げ導波路2内のリブ2Aの内周部に配置された内側スラブ3Aに漏れる不要モードを放射する。その結果、内側スラブ3Aからも、曲げ導波路2内の不要モードを除去できる。
【0072】
図14Bは、実施例5の他の形態の基板型光導波路素子1E2の構成の一例を示す略平面図である。尚、
図13に示す基板型光導波路素子1Eと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図14Bに示す基板型光導波路素子1E2内の内側スラブ3A内の切欠きスラブ3A3に吸収体14を配置する。吸収体14は、例えば、Nドープの部材、Pドープの部材、ゲルマニウムや金属等の部材で構成する。吸収体14は、曲げ導波路2内のリブ2Aの内周部に配置された内側スラブ3Aから放射する不要モードを吸収する。その結果、内側スラブ3Aからも、曲げ導波路2内の不要モードを除去できる。しかも、放射された不要モードによる導波路外の素子に対する影響を抑制できる。
【0073】
尚、
図11Aに示す基板型光導波路素子1C1内の曲げ導波路2のリブ2Aの外周部に配置された余剰スラブ11Aのスラブ端に吸収体12を配置する場合を例示したが、これに限定されるものではなく、その実施の形態につき、実施例6として以下に説明する。
【実施例0074】
図15は、実施例6の基板型光導波路素子1Fの構成の一例を示す略平面図である。尚、実施例の基板型光導波路素子1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図15に示す基板型光導波路素子1Fは、曲げ導波路2のリブ2Aの外周部に配置された余剰スラブ11A内に吸収部15を配置した点にある。吸収部15は、余剰スラブ11Aの領域の内、例えば、Nドープされた領域、Pドープされた領域、ゲルマニウムが配置された領域や金属が配置された領域等で構成する。
【0075】
余剰スラブ11Aにあるスラブ端により、リブ2A内を進行する不要モードは放射されることになる。リブ2A内を進行する不要モードが放射されることで、不要モードがリブ型の曲げ導波路2を伝搬することを防止できる。余剰スラブ11A内に吸収部15を配置したので、スラブ端に到達し、放射される前に不要モードを吸収することで、不要モードの他の素子への影響を抑制する。その結果、余剰スラブ11Aが不要モードを水平方向へ放射させる際に、その放射方向に他の導波路や素子が存在する場合、他の導波路や他の素子への影響を抑止できる。
【0076】
図16Aは、吸収部15なしの場合の基板型光導波路素子のTE1モード入力時の電界分布の一例を示す説明図である。余剰スラブ11Aありの曲げ導波路では、リブに閉じ込められている不要モードが一時的にスラブモードに変換され、スラブ端が余剰スラブ11Aにあるため、余剰スラブ11Aのスラブ端で不要モードを放射する。その結果、不要モードが余剰スラブ11Aのスラブ端で放射されることになるため、曲げ導波路の導波路進行方向への不要モードの進行を抑制して不要モードがリブ型の曲げ導波路2を伝搬することを防止できる。
【0077】
これに対して、
図16Bは、吸収部15ありの場合の基板型光導波路素子1FのTE1モード入力時の電界分布の一例を示す説明図である。余剰スラブ11Aありの曲げ導波路2では、リブ2Aに閉じ込められている不要モードが一時的にスラブモードに変換され、スラブ端が余剰スラブ11Aにあるため、余剰スラブ11Aのスラブ端で不要モードを放射する。しかも、余剰スラブ11A内に配置された吸収部15は、余剰スラブ11Aを伝搬する不要モードを吸収する。その結果、吸収部15なしの基板型光導波路素子に比較して、曲げ導波路2の導波路進行方向への不要モードの進行を顕著に抑制して不要モードがリブ型の曲げ導波路2を伝搬することを防止できる。
【0078】
実施例6の基板型光導波路素子1Fでは、余剰スラブ11A内に吸収部15を配置したので、不要モードの放射光による導波路外の他の導波路や他の素子への影響を回避できる。
【0079】
尚、
図15に示す基板型光導波路素子1Fは、余剰スラブ11A内に吸収部15を配置する場合を例示したが、内側スラブ3Aの形状が限定されるものではなく、適宜変更可能である。
図17は、実施例6の他の形態の基板型光導波路素子1F1の構成の一例を示す略平面図である。
図17に示す基板型光導波路素子1F1は、曲げ導波路2の内周部に配置された内側スラブ3A5のスラブ幅を狭くした。
【0080】
基板型光導波路素子1F1では、余剰スラブ11A内の吸収部15を用いて、導波路外への他の素子等へのクロストークを抑制できる。
【0081】
尚、実施例6の基板型光導波路素子1Fは余剰スラブ11A内に吸収部15を配置する場合を例示したが、これに限定されるものではなく、曲げ導波路2の外周部近傍に吸収体を配置しても良く、その実施の形態につき、実施例7として以下に説明する。
【実施例0082】
図18は、実施例7の基板型光導波路素子1Gの構成の一例を示す略平面図である。
図18に示す基板型光導波路素子1Gは、曲げ導波路2の外周部の近傍に曲げ吸収体16を配置する。曲げ吸収体16は、光を吸収する、例えば、Nドープの材料、Pドープの材料、ゲルマニウムや金属等の材料で構成する。尚、曲げ吸収体16は、曲げ導波路2を導波する主信号モードの電界がかからない位置に配置する必要がある。更に、基板型光導波路素子1Gは、曲げ導波路2の内周部に配置された内側スラブ3A5のスラブ幅を狭くしている。
【0083】
図19は、曲げ吸収体16ありの場合の基板型光導波路素子1GのTE1モード入力時の電界分布の一例を示す説明図である。曲げ導波路2では、リブ2Aに閉じ込められている不要モードが一時的にスラブモードに変換され、スラブモードに変換された不要モードを曲げ導波路2の外周部に配置された曲げ吸収体16で吸収する。その結果、曲げ導波路2の導波路進行方向への不要モードの進行を抑制して、不要モードがリブ型の曲げ導波路2を伝搬することを防止できる。
【0084】
実施例7の基板型光導波路素子1Gでは、曲げ導波路2の外周部の近傍に曲げ吸収体16を配置したので、曲げ導波路2からの不要モードを吸収することで、不要モードがリブ型の曲げ導波路2を伝搬することを防止できる。更に、基板型光導波路素子1Gでは、曲げ導波路2の外周部の近傍に曲げ吸収体16を配置したので、導波路外への他の素子等へのクロストークを抑制できることは勿論のこと、基板型光導波路素子1Gの小型化に寄与できる。
【0085】
尚、実施例7の基板型光導波路素子1Gでは、曲げ導波路2の外周部の近傍に曲げ吸収体16を配置する場合を例示したが、曲げ導波路2の内周部の内側スラブ3Aの形状を変更しても良い。
図20Aは、実施例7の他の形態の基板型光導波路素子1G1の構成の一例を示す略平面図である。尚、
図18に示す基板型光導波路素子1Gと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図20Aに示す基板型光導波路素子1G1内の曲げ導波路2の内周部の内側スラブ3Aは、曲げ導波路2の入力部20A付近の第1の内側スラブ3A1と、曲げ導波路2の出力部20B付近の第2の内側スラブ3A2と、切欠きスラブ3A3とを有する。切欠きスラブ3A3は、第1の内側スラブ3A1と第2の内側スラブ3A2との間の内側スラブを切り欠いて形成される。
【0086】
内側スラブ3Aは、第1の内側スラブ3A1と切欠きスラブ3A3との間の不連続点と、切欠きスラブ3A3と第2の内側スラブ3A2との間との不連続点とを有する。内側スラブ3A内に不連続点を形成する。その結果、曲げ導波路2の内周側スラブに電界を持つ不要モードの損失を増加させる。
【0087】
基板型光導波路素子1G1では、曲げ導波路2内に高次の不要モードが入力した場合、曲げ導波路2の外周部に配置された曲げ吸収体16で不要モードを吸収する。更に、曲げ導波路2の内周部に配置された内側スラブ3A内の不連続点で不要モードの損失を増加させる。その結果、内側スラブ3Aからも、曲げ導波路2内の不要モードを除去できる。
【0088】
尚、実施例7の基板型光導波路素子1Gでは、曲げ導波路2の外周部の近傍に曲げ吸収体16を配置する場合を例示したが、曲げ吸収体16の代わりに、曲げ導波路2の外周部の外側スラブ3Bの一部に吸収部15Aを配置しても良い。
図20Bは、実施例7の他の形態の基板型光導波路素子1G2の構成の一例を示す略平面図である。尚、
図18に示す基板型光導波路素子1Gと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図20Bに示す基板型光導波路素子1G2内の曲げ導波路2の外周部の外側スラブ3Bは、通常のスラブ幅に比較して広くした拡張スラブ3B1である。拡張スラブ3B1の一部はドーピングにより吸収部15Aにしている。
【0089】
図18に示す基板型光導波路素子1Gでは、曲げ導波路2の外周部の近傍に曲げ吸収体16を配置したので、曲げ吸収体16では屈折率が変化する。そのため、曲げ吸収体16とリブ型の曲げ導波路2との間に光が閉じ込められる現象が生じて高次モードの損失が低下してしまう。これに対して、
図20Bに示す基板型光導波路素子1G2では、入力した初段ではドーピングによる屈折率変化がないため、他の実施例同様、曲げ導波路2にて不要モードをスラブモードに変換できる。
【0090】
曲げ導波路2は、不要モードをスラブモードに変換し、変換されたスラブモードが直進して吸収部15Aに到達し、そのスラブ端へ反射することになる。その結果、反射したスラブモードは吸収部15Aを通過して吸収することで、高次モードを除去できる。
【0091】
また、
図20Cは、実施例7の他の形態の基板型光導波路素子1G3の構成の一例を示す略平面図である。
図20Bに示す基板型光導波路素子1G2と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図20Cに示す基板型光導波路素子1G3は、拡張スラブ3B1の吸収体15Aの外側に吸収体12を配置する。
【0092】
拡張スラブ3B1にあるスラブ端により、リブ2A内を進行する不要モードは放射されることになる。リブ2A内を進行する不要モードが放射されることで、不要モードがリブ型の曲げ導波路2を伝搬することを防止できる。拡張スラブ3B1のスラブ端近傍に吸収体12を配置したので、スラブ端から放射された不要モードを吸収する。
【0093】
その結果、基板型光導波路素子1G3では、拡張スラブ3B1のスラブ端近傍に光の吸収体12を配置したので、拡張スラブ3B1で放射された不要モードによる他の素子への影響を抑止できる。
【0094】
尚、
図12に示す基板型光導波路素子1Dの余剰スラブ11は、入力不要モードを放射する第1の放射部11B2と、反射光不要モードを放射する第2の放射部11Cとを有する場合を例示した。しかしながら、これに限定されるものでは、その実施の形態につき、実施例8として以下に説明する。
【実施例0095】
図21は、実施例8の基板型光導波路素子1Hの構成の一例を示す略平面図である。尚、
図12に示す基板型光導波路素子1Dと
図21に示す基板型光導波路素子1Hとが異なるところは、第1の放射部11B2の代わりに第1の吸収体16A1を配置すると共に、第2の放射部11Cの代わりに第2の吸収体16A2に配置する点にある。
【0096】
第1の吸収体16A1は、余剰スラブ11のスラブ端に配置されている。第1の吸収体16A1は、曲げ導波路2で変換されるスラブモードの入力不要モードを吸収する。第2の吸収体16A2は、余剰スラブ11のスラブ端に配置されている。第2の吸収体16A2は、曲げ導波路2の出力段から接続される後段の他の素子から反射される反射光不要モードを吸収する。
【0097】
実施例8の基板型光導波路素子1Hでは、第1の吸収体16A1を用いて入力不要モードを吸収するため、入力不要モードの放射方向にある導波路外の他の素子に対するクロストーク等の影響を抑制できる。更に、基板型光導波路素子1Hでは、第2の吸収体16A2を用いて曲げ導波路2の出力段から接続される後段の他の素子から反射される反射光不要モードを吸収するため、反射光不要モードの放射方向にある導波路外の他の素子に対するクロストーク等の影響を抑制できる。
【実施例0098】
図22は、実施例9の基板型光導波路素子1Jの構成の一例を示す略平面図である。
図22に示す基板型光導波路素子1Jは、第1の光導波路素子30Aと、第2の光導波路素子30Bとを有する。第1の光導波路素子30Aは、第1の曲げ導波路2A1と、第1の曲げ導波路2A1の内周部に配置された第1の内側スラブ3A11と、第1の曲げ導波路2A1の外周部に配置された第1の外側スラブ3B11と、を有する。第1の光導波路素子30Aは、第1の外側スラブ3B11に配置された第1の余剰スラブ11A11と、第1の余剰スラブ11A11のスラブ端側に配置された第1の吸収部15A11と、を有する。第1の曲げ導波路2A1は、光の進行方向の右側にカーブする曲げ導波路である。第1の余剰スラブ11A11は、第1の曲げ導波路2A1で変換されるスラブモードの不要モードを水平方向に伝搬する。更に、第1の吸収部15A11は、第1の余剰スラブ11A11を伝搬する不要モードを吸収する。尚、第1の吸収部15A11は、第1の余剰スラブ11A11の領域の内、光を吸収する、例えば、Nドープの領域、Pドープの領域、ゲルマニウムや金属等が配置された領域で構成する。
【0099】
第2の光導波路素子30Bは、第2の曲げ導波路2A2と、第2の曲げ導波路2A2の内周部に配置された第2の内側スラブ3A12と、第2の曲げ導波路2A2の外周部に配置された第2の外側スラブ3B12と、を有する。第2の光導波路素子30Bは、第2の外側スラブ3B12に配置された第2の余剰スラブ11B11と、第2の余剰スラブ11B11のスラブ端側に配置された第2の吸収部15B11と、を有する。第2の曲げ導波路2A2は、光の進行方向の左側にカーブする曲げ導波路である。第2の余剰スラブ11B11は、第2の曲げ導波路2A2で変換されるスラブモードの不要モードを水平方向に伝搬する。更に、第2の吸収部15B11は、第2の余剰スラブ11B11を伝搬する不要モードを吸収する。尚、第2の吸収部15B11は、第2の余剰スラブ11B11の領域の内、光を吸収する、例えば、Nドープの領域、Pドープの領域、ゲルマニウムや金属等が配置された領域で構成する。
【0100】
基板型光導波路素子1Jは、第1の曲げ導波路2A1と第2の曲げ導波路2A2との間を接続することでS字の曲げ導波路を形成する。つまり、第1の余剰スラブ11A11及び第1の吸収部15A11は、第1の曲げ導波路2A1の光進行方向の左側の電界の不要モードを放射して吸収する。更に、第2の余剰スラブ11B11及び第2の吸収部15B11は、第2の曲げ導波路2A2の光進行方向の右側の電界の不要モードを放射して吸収する。
【0101】
実施例9の基板型光導波路素子1Jは、S字の曲げ導波路の両側の電界の不要モードを吸収する。その結果、S字の曲げ導波路の導波路進行方向への不要モードの進行を抑制して、不要モードがリブ型の曲げ導波路を伝搬することを防止できる。
【0102】
尚、実施例9の基板型光導波路素子1Jは、第1の光導波路素子30Aと第2の光導波路素子30Bとで構成する場合を例示したが、これに限定されるものではなく、適宜変更可能である。
図23は、実施例9の他の形態の基板型光導波路素子1J1の構成の一例を示す略平面図である。
図23に示す基板型光導波路素子1J1は、第1の曲げ導波路2A1と、第2の曲げ導波路2A2と、第3の曲げ導波路2A3と、第4の曲げ導波路2A4とを有する。
【0103】
第1の曲げ導波路2A1は、光進行方向の右側のカーブを有する。第2の曲げ導波路2A2は、光進行方向の左側のカーブを有する。第3の曲げ導波路2A3は、光進行方向の右側のカーブを有する。第4の曲げ導波路2A4は、光進行方向の左側のカーブを有する。
【0104】
基板型光導波路素子1J1は、第1の曲げ導波路2A1の外周部、すなわち、光進行方向の左側に配置された第1の外側スラブ3B21と、第1の外側スラブ3B21に配置された第1の余剰スラブ11A21と、を有する。基板型光導波路素子1J1は、第1の曲げ導波路2A1の内周部、すなわち、光進行方向の右側に配置された第1の内側スラブ3A21を有する。基板型光導波路素子1J1は、第2の曲げ導波路2A2の外周部、すなわち、光進行方向の右側に配置された第2の外側スラブ3B22と、第2の外側スラブ3B22に配置された第2の余剰スラブ11A22と、を有する。基板型光導波路素子1J1は、第2の曲げ導波路2A2の内周部、すなわち、光進行方向の左側に配置された第2の内側スラブ3A22を有する。
【0105】
基板型光導波路素子1J1は、第3の曲げ導波路2A3の外周部、すなわち、光進行方向の右側に配置された第3の外側スラブ3B23と、第3の外側スラブ3B23に配置された第3の余剰スラブ11A23と、を有する。基板型光導波路素子1J1は、第3の曲げ導波路2A3の内周部、すなわち、光進行方向の左側に配置された第3の内側スラブ3A23を有する。基板型光導波路素子1J1は、第4の曲げ導波路2A4の外周部、すなわち、光進行方向の左側に配置された第4の外側スラブ3B24と、第4の外側スラブ3B24に配置された第4の余剰スラブ11A24と、を有する。基板型光導波路素子1J1は、第4の曲げ導波路2A4の内周部、すなわち、光進行方向の右側に配置された第4の内側スラブ3A24を有する。
【0106】
第1の曲げ導波路2A1と第2の曲げ導波路2A2との間を接続し、第2の曲げ導波路2A2と第3の曲げ導波路2A3との間を接続し、第3の曲げ導波路2A3と第4の曲げ導波路2A4との間を接続することで、S字状の曲げ導波路を形成する。基板型光導波路素子1J1は、S字状の曲げ導波路の左側の電界の不要モードを吸収する第1の吸収部15A12と、S字状の曲げ導波路の右側の電界の不要モードを吸収する第2の吸収部15A13とを有する。
【0107】
第1の吸収部15A12は、光進行方向の左側に配置された第1の余剰スラブ11A21、第2の内側スラブ3A22、第3の内側スラブ3A23及び第4の余剰スラブ11A24のスラブ端に配置されている。更に、第2の吸収部15A13は、光進行方向の右側に配置され、第2の余剰スラブ11A22、第3の余剰スラブ11A23及び第4の内側スラブ3A24のスラブ端に配置されている。
【0108】
つまり、第1の余剰スラブ11A21、第4の余剰スラブ11A24及び第1の吸収部15A12は、曲げ導波路の光進行方向の左側の電界の不要モードを放射して吸収する。更に、第2の余剰スラブ11A22、第3の余剰スラブ11A23及び第2の吸収部15A13は、曲げ導波路の光進行方向の右側の電界の不要モードを放射して吸収する。
【0109】
基板型光導波路素子1J1は、曲げ導波路の両側の電界の不要モードを吸収する。その結果、曲げ導波路の導波路進行方向への不要モードの進行を抑制して、不要モードと主信号モードとの光の再結合を防止できる。
【0110】
尚、
図23に示す基板型光導波路素子1J1は、4個の曲げ導波路を例示したが、4個に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【実施例0111】
図24は、実施例10の基板型光導波路素子1Kの構成の一例を示す略平面図である。尚、
図15に示す基板型光導波路素子1Fと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図24に示す基板型光導波路素子1Kと
図15に示す基板型光導波路素子1Fとが異なるところは、リブ型の曲げ導波路2の入力部20Aに配置された第1の変換部32Aと、リブ型の曲げ導波路2の出力部20Bに配置された第2の変換部32Bと有する点にある。
【0112】
第1の変換部32Aは、リブ型の曲げ導波路2の入力部20Aにチャネル導波路31Aと接続されている。第1の変換部32Aは、チャネル導波路31Aからリブ型の曲げ導波路2に向かって徐々にスラブ幅が広くなるテーパ導波路である。第2の変換部32Bも、リブ側の曲げ導波路2の出力部20Bにチャネル導波路31Bと接続されている。第2の変換部32Bは、リブ側の曲げ導波路2からチャネル導波路31Bに向かって徐々にスラブ幅が狭くなるテーパ導波路である。
【0113】
第1の変換部32A及び第2の変換部32Bは、チャネル導波路でのTM0とTE1の実効屈折率の大小関係と、リブ型導波路でのTM0とTE1の大小関係とが逆転し、さらに上下非対称な導波路構造であるため、モード変換を可能とする変換構造である。例えば、TE0、TE1及びTM0の3つのモードを考えると、導波路幅500nm、厚み220nmのチャネル導波路の実効屈折率の大小関係は、TE0>TM0>TE1である。導波路幅500nm、厚み220nm及びスラブ厚90nmのリブ型導波路の実効屈折率の大小関係はTE0>TE1>TM0であり、チャネル導波路に入力されたTM0は、リブ導波路では、TE0モードへと変換される。
【0114】
第1の変換部32Aは、チャネル導波路31AからのTM0をTE1に変換する。そして、リブ型の曲げ導波路2は、TE1が入力されると、TE1が不要モードとして余剰スラブ11Aを伝搬し、吸収部15で吸収する。更に、リブ型の曲げ導波路2は、TE1の不要モードを除去できる。そして、第2の変換部32Bは、曲げ導波路2から入力するTE1が少なくなるため、曲げ導波路2の出力段で接続するチャネル導波路31Bに伝搬するTM0を除去できる。更に、チャネル導波路31Bを導波するTE1の高次モードは、スラブモードへ変換し、スラブモードも同様に除去できる。従って、曲げ導波路2の出力段で接続するチャネル導波路31Bでは、不要モードを除去できる。
【実施例0115】
図25Aは、実施例11の基板型光導波路素子1Lの構成の一例を示す略平面図である。尚、
図6に示す基板型光導波路素子1Aと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図25Aに示す基板型光導波路素子1Lと
図6に示す基板型光導波路素子1Aとが異なるところは、余剰スラブ11Aのスラブ端に接続するテーパ構造の余剰スラブ11B3と、余剰スラブ11B3に接続する導波路11Mと、を有する点にある。更に、異なるところは、導波路11Mと接続するPD(Photo Diode)17を有する点にある。
【0116】
余剰スラブ11Aは、曲げ導波路2で変換されたスラブモードの不要モードを水平方向に伝搬する。余剰スラブ11B3は、余剰スラブ11Aのスラブ端から導波路11Mに向けて導波路幅が徐々に狭くなるテーパ導波路である。
【0117】
導波路11Mは、余剰スラブ11B3からの不要モードをPD17に入力する。そして、PD17は、導波路11Mからの不要モードを終端することになる。その結果、不要モードがリブ型の曲げ導波路2を伝搬することの防止に加えて、入力部20Aへの反射を低減する効果がある。
【0118】
尚、
図11Bに示す基板型光導波路素子1C2では、テーパ導波路の余剰スラブ11Bのスラブ端近傍に配置された吸収体12を有する場合を例示したが、余剰スラブ11Bの内部に吸収部15を配置しても良く、適宜変更可能である。
図25Bは、他の形態の基板型光導波路素子1C3の構成の一例を示す略平面図である。尚、
図11Bに示す基板型光導波路素子1C2と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図25Bに示す基板型光導波路素子1C3は、余剰スラブ11Bの内部に吸収部15を配置した。
【0119】
基板型光導波路素子1C3では、余剰スラブ11Bの内部に吸収部15を配置すると共に、余剰スラブ11Bのスラブ端近傍に光の吸収体12を配置したので、余剰スラブ11Bで放射された不要モードによる他の素子への影響を抑止できる。
【0120】
尚、吸収部15を作成するためには、Siにドーピングする工程や、金属等を形成する必要があり、費用や時間がかかる。これらの工程を省くと、低コスト化や作成時間の短縮が期待できる。しかし、上記工程の有無により、構造を変えるのは、それぞれでマスクを作成するなど、時間や、コストがかかる。基板型光導波路素子では、除去部4や吸収部15を併用することは勿論のこと、吸収部15の代わりに、除去部4の外側に吸収体12を配置しても良く、適宜変更可能である。
【0121】
尚、実施例1乃至11の基板型光導波路素子1は光通信装置50に内蔵できる。
図26は、本実施例の基板型光導波路素子1を内蔵した光通信装置50の一例を示す説明図である。
図26に示す光通信装置50は、出力側の光ファイバ及び入力側の光ファイバと接続する。光通信装置50は、DSP(Digital Signal Processor)51と、光源52と、光送信器53と、光受信器54とを有する。DSP51は、デジタル信号処理を実行する電気部品である。DSP51は、例えば、送信データの符号化等の処理を実行し、送信データを含む電気信号を生成し、生成した電気信号を光送信器53に出力する。また、DSP51は、受信データを含む電気信号を光受信器54から取得し、取得した電気信号の復号等の処理を実行して受信データを得る。
【0122】
光源52は、例えば、レーザダイオード等を備え、所定の波長の光を発生させて光送信器53及び光受信器54へ供給する。光送信器53は、DSP51から出力される電気信号によって、光源52から供給される光を変調し、得られた送信光を光ファイバに出力する基板型光導波路素子である。光送信器53は、光源52から供給される光が導波路を伝搬する際に、この光を光変調器へ入力される電気信号によって変調することで、送信光を生成する。
【0123】
光受信器54は、光ファイバから光信号を受信し、光源52から供給される光を用いて受信光を復調する。そして、光受信器54は、復調した受信光を電気信号に変換し、変換後の電気信号をDSP51に出力する。光送信器53及び光受信器54内では、光を導波する基板型光導波路素子1を内蔵する。
【0124】
光通信装置50内の基板型光導波路素子1では、曲げ導波路2で変換されたスラブモードの不要モードを余剰スラブ11や吸収部15等で除去する。その結果、基本モードの伝搬損失を小さくしながら、不要モードを除去できる。更に、不要モードがリブ型の曲げ導波路2を伝搬することを防止できる。
【0125】
尚、説明の便宜上、曲げ導波路と除去部との間に他の光導波路を配置しても良い。また、曲げ導波路と吸収部(吸収体)との間に他の光導波路を配置しても良い。
【0126】
また、基板型光導波路素子1の除去部は、曲げ導波路2内の不要モードを除去する場合を例示したが、曲げ導波路2内の不要モードを全て除去してもいいし、曲げ導波路2内の不要モードを削減しても良く、適宜変更可能である。
【0127】
尚、説明の便宜上、曲げ導波路は、コア及びクラッドがSiO2で形成されるPLCや、InP導波路、GaAs導波路、SiN(Silicon Nitride)導波路、LiNbO3(ニオブ酸リチウム)導波路でも良く、適宜変更可能である。コアがSiやSi3N4、下部クラッドがSiO2、上部クラッドがSiO2、空気若しくはSiN等であるSi導波路でも良く、適宜変更可能である。Si導波路やSiN導波路の場合、比屈折率差が大きいことから、光の閉じ込めが強く、それによって小さいRでも低損失な曲げ導波路が実現することで、基板型光導波路素子を小型化できる。
【0128】
以上、本実施例を含む実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0129】
(付記1)基本モードを導波すると共に、前記基本モード以外の不要モードをスラブモードに変換するリブ型の曲げ導波路と、
前記曲げ導波路の外周部に配置され、前記曲げ導波路にて変換された前記スラブモードを前記曲げ導波路から除去する除去部と、
を有することを特徴とする基板型光導波路素子。
【0130】
(付記2)前記曲げ導波路は、
曲率が連続的に変化する緩和曲線に沿うリブ型の光導波路であることを特徴とする付記1に記載の基板型光導波路素子。
【0131】
(付記3)前記除去部は、
前記曲げ導波路にて変換された前記スラブモードを前記曲げ導波路から光遷移させて放射することで、前記曲げ導波路から前記スラブモードを除去することを特徴とする付記1に記載の基板型光導波路素子。
【0132】
(付記4)前記除去部は、
前記曲げ導波路にて変換された前記スラブモードを前記曲げ導波路から光遷移させて吸収することで、前記曲げ導波路から前記スラブモードを除去する吸収部であることを特徴とする付記1に記載の基板型光導波路素子。
【0133】
(付記5)前記除去部は、
前記曲げ導波路の外周部に配置されるスラブに備えられ、前記曲げ導波路のリブから漏れる前記不要モードが前記スラブのスラブ端へ入射する入射進行方向と前記スラブ端の法線とのなす角である入射角が、全反射が生じる閾値である臨界角度以下になるように形成される余剰スラブで構成することを特徴とする付記3に記載の基板型光導波路素子。
【0134】
(付記6)前記除去部は、
前記余剰スラブの導波路幅がスラブ端に向けて徐々に狭くなるテーパ形状にしたことを特徴とする付記5に記載の基板型光導波路素子。
【0135】
(付記7)前記除去部の近傍に配置され、前記余剰スラブを伝搬する前記スラブモードを吸収する吸収部を有することを特徴とする付記5に記載の基板型光導波路素子。
【0136】
(付記8)前記除去部内に配置され、前記余剰スラブを伝搬する前記スラブモードを吸収する吸収部を有することを特徴とする付記5に記載の基板型光導波路素子。
【0137】
(付記9)前記吸収部は、
前記曲げ導波路の外周部に配置された外側スラブ近傍に配置され、前記曲げ導波路からの前記スラブモードを吸収する吸収体であることを特徴とする付記4に記載の基板型光導波路素子。
【0138】
(付記10)前記スラブモードは、
前記曲げ導波路の入力部から導波する不要モードが前記曲げ導波路にて変換される第1のスラブモードと、
前記曲げ導波路の出力部から導波する不要モードが前記曲げ導波路にて変換される第2のスラブモードと、を有し、
前記除去部は、
前記第1のスラブモードを放射する第1の放射部と、
前記第2のスラブモードを放射する第2の放射部と、
を有することを特徴とする付記3に記載の基板型光導波路素子。
【0139】
(付記11)前記曲げ導波路の内周部に配置された内側スラブを切り欠くことで、前記内側スラブに光の不連続点を配置したことを特徴とする付記3に記載の基板型光導波路素子。
【0140】
(付記12)前記除去部内に配置され、前記余剰スラブを伝搬する前記スラブモードを吸収する吸収部を有することを特徴とする付記5に記載の基板型光導波路素子。
【0141】
(付記13)前記曲げ導波路と前記除去部との間に配置された他の導波路を有することを特徴とする付記3に記載の基板型光導波路素子。
【0142】
(付記14)前記吸収部は、
前記曲げ導波路の外周部に配置された外側スラブ近傍に配置され、前記曲げ導波路からの前記スラブモードを吸収する吸収体であることを特徴とする付記4に記載の基板型光導波路素子。
【0143】
(付記15)前記吸収部は、
前記曲げ導波路の外周部に配置されたスラブの内、一部の領域がNドープされた前記スラブ、一部の領域がPドープされた前記スラブ、前記スラブ上に配置されたゲルマニウム材、又は前記スラブ上に配置された金属材で構成することを特徴とする付記4に記載の基板型光導波路素子。
【0144】
(付記16)前記曲げ導波路と前記吸収部との間に配置された光の導波路を有することを特徴とする付記4に記載の基板型光導波路素子。
【0145】
(付記17)前記曲げ導波路の入力部に第1の変換部、前記曲げ導波路の出力部に第2の変換部を有し、
前記第1の変換部は、
前記曲げ導波路の入力部に第1のチャネル導波路と接続され、前記第1のチャネル導波路から前記曲げ導波路に向かってスラブ幅が広くなるテーパ導波路であり、
前記第2の変換部は、
前記曲げ導波路の出力部に第2のチャネル導波路と接続され、前記曲げ導波路から前記第2のチャネル導波路に向かってスラブ幅が狭くなるテーパ導波路であることを特徴とする付記3に記載の基板型光導波路素子。
【0146】
(付記18)基本モードを導波すると共に、前記基本モード以外の不要モードをスラブモードに変換するリブ型の第1の曲げ導波路と、
前記第1の曲げ導波路の外周部に配置され、前記第1の曲げ導波路にて変換された前記スラブモードを前記第1の曲げ導波路から光遷移させ放射することで前記第1の曲げ導波路から前記不要モードを除去する第1の放射部と、
前記第1の放射部の近傍に配置され、前記第1の放射部で放射された前記スラブモードを吸収する第1の吸収部と、
前記基本モードを導波すると共に、前記基本モード以外の不要モードをスラブモードに変換するリブ型の第2の曲げ導波路と、
前記第2の曲げ導波路の外周部に配置され、前記第2の曲げ導波路にて変換された前記スラブモードを前記第2の曲げ導波路から光遷移させ放射することで前記第2の曲げ導波路から前記不要モードを除去する第2の放射部と、
前記第2の放射部の近傍に配置され、前記第2の放射部で放射された前記スラブモードを吸収する第2の吸収部と、を有し、
前記第1の曲げ導波路と前記第2の曲げ導波路の曲げ方向は、光進行方向に対して反対側であり、前記第1の曲げ導波路と前記第2の曲げ導波路との間を接続することでS字の曲げ導波路を形成することを特徴とする基板型光導波路素子。
【0147】
(付記19)光源と、
送信信号を用いて光源からの光を光変調して送信光を送信する光送信器と、
前記光源からの光を用いて受信光から受信信号を受信する光受信器と、
前記光送信器及び前記光受信器内で前記光を導波路する基板型光導波路素子と、を有する光通信装置であって、
前記基板型光導波路素子は、
基本モードを導波すると共に、前記基本モード以外の不要モードをスラブモードに変換するリブ型の曲げ導波路と、
前記曲げ導波路の外周部に配置され、前記曲げ導波路にて変換された前記スラブモードを前記曲げ導波路から除去する除去部と、
を有することを特徴とする光通信装置。
【符号の説明】
【0148】
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H 基板型光導波路素子
2 曲げ導波路
4 除去部
11 余剰スラブ
11B2 第1の放射部
11C 第2の放射部
12 吸収体
15 吸収部
【手続補正書】
【提出日】2024-01-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
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