(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000620
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】搬送装置及び搬送システム
(51)【国際特許分類】
B65G 47/52 20060101AFI20231226BHJP
【FI】
B65G47/52 101B
【審査請求】未請求
【請求項の数】30
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022099392
(22)【出願日】2022-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】391008515
【氏名又は名称】株式会社アイエイアイ
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(72)【発明者】
【氏名】久保 岳士
(72)【発明者】
【氏名】松永 晋悟
(72)【発明者】
【氏名】山田 太郎
(72)【発明者】
【氏名】勝呂 直哉
【テーマコード(参考)】
3F044
【Fターム(参考)】
3F044AB16
3F044AB26
3F044CE03
3F044CE19
3F044CE46
3F044CE47
3F044CE49
(57)【要約】
【課題】製造ラインを容易に形成することができる搬送装置及び搬送システムを提供する。
【解決手段】搬送装置1は、第1搬送アクチュエータ10と、第1搬送アクチュエータ10によって移動可能に設けられている第1乗り継ぎユニット20とを備える。第1乗り継ぎユニット20は、被搬送物を支持するテーブルT(支持部)と共に移動可能に設けられている第1搬送部と、第1搬送部に設置され、テーブルTと第1搬送部とを連結可能に形成され、テーブルTと第1搬送部とを連結することで、第1搬送部によって、テーブルTと共に移動するソレノイド構造部とを有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1搬送アクチュエータと、
前記第1搬送アクチュエータによって移動可能に設けられている第1乗り継ぎユニットと、を備え、
前記第1乗り継ぎユニットは、
被搬送物を支持する支持部と共に移動可能に設けられている第1搬送部と、
前記第1搬送部に設置され、前記支持部と前記第1搬送部とを連結可能に形成され、前記支持部と前記第1搬送部とを連結することで、前記第1搬送部によって、前記支持部と共に移動する第1連結部と、を有する、搬送装置。
【請求項2】
前記第1搬送アクチュエータは、前記第1乗り継ぎユニットが設置されることで、前記第1乗り継ぎユニットと共に移動する第1のアクチュエータ用搬送部を有する、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記第1乗り継ぎユニットは、
前記第1のアクチュエータ用搬送部に設置される第1ユニットハウジングと、
前記第1ユニットハウジングに対して、前記支持部を固定する第1固定部と、を有する、請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記第1乗り継ぎユニットは、
支持部固定用モータと、
前記支持部固定用モータの回転軸の回転運動と共に回転運動する支持部固定用ボールねじ軸と、を有し、
前記第1固定部は、前記支持部固定用ボールねじ軸の回転運動に伴って、前記第1ユニットハウジングに対して前記支持部を固定する固定位置と、前記第1ユニットハウジングに対して前記支持部を固定しない非固定位置との間を移動可能に設けられている、請求項3に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記第1固定部は、前記第1搬送部が移動している間において、前記第1ユニットハウジングに対する前記支持部の固定を解除するように形成されている、請求項3に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記第1固定部は、前記第1搬送アクチュエータによって、前記第1乗り継ぎユニットが移動している間において、前記第1ユニットハウジングに対して前記支持部を固定するように形成されている、請求項3に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記第1搬送部と前記第1固定部とは、前記第1ユニットハウジングに設置される、請求項3に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記第1乗り継ぎユニットは、
支持部移動用モータと、
前記支持部移動用モータの出力軸の回転運動と共に回転運動する支持部移動用ボールねじ軸と、を有し、
前記第1搬送部は、前記支持部移動用ボールねじ軸の回転運動に伴って直線運動する、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項9】
電力受電部と、前記電力受電部に電力を送電することで、前記支持部移動用モータに電力を供給する電力送電部と、を有する電力供給ユニットを備え、
前記電力受電部は、前記第1乗り継ぎユニットに設けられ、
前記第1乗り継ぎユニットは、前記第1搬送アクチュエータに対して、前記電力送電部からの電力が前記支持部移動用モータに供給される第1位置と、前記電力送電部からの電力が前記支持部移動用モータに供給されない第2位置とを移動可能に設けられている、請求項8に記載の搬送装置。
【請求項10】
前記第1連結部は、前記第1搬送部が移動している間において、前記支持部と前記第1搬送部とを連結するように設けられている、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項11】
前記支持部には、前記第1連結部の一部が連結される第1被連結部が形成されている、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項12】
前記第1連結部は、ピンを有し、
前記第1被連結部は、前記ピンが嵌め込まれる孔として形成されている、請求項11に記載の搬送装置。
【請求項13】
前記第1連結部は、
非励磁状態になった場合に、前記ピンを前記第1被連結部に嵌まる位置に移動させるソレノイドを有する、請求項12に記載の搬送装置。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の搬送装置と、
前記搬送装置に隣接して配置される隣接搬送装置と、を備え、
前記隣接搬送装置は、
第2搬送アクチュエータと、
前記第2搬送アクチュエータによって移動可能に設けられている第2乗り継ぎユニットと、を備え、
前記第2乗り継ぎユニットは、
前記支持部と共に移動可能に設けられている第2搬送部と、
前記第2搬送部に設置され、前記支持部と前記第2搬送部とを連結可能に形成され、前記支持部と前記第2搬送部とを連結することで、前記第2搬送部によって前記支持部と共に移動する第2連結部と、を有する、搬送システム。
【請求項15】
前記第2搬送アクチュエータは、前記第2乗り継ぎユニットが設置されることで、前記第2乗り継ぎユニットと共に移動する第2のアクチュエータ用搬送部を有する、請求項14に記載の搬送システム。
【請求項16】
前記第2乗り継ぎユニットは、
前記第2のアクチュエータ用搬送部に設置される第2ユニットハウジングと、
前記第2ユニットハウジングに対して、前記支持部を固定する第2固定部と、を有する、請求項15に記載の搬送システム。
【請求項17】
前記第2固定部は、前記第2搬送部が移動している間において、前記第2ユニットハウジングに対する前記支持部の固定を解除するように形成されている、請求項16に記載の搬送システム。
【請求項18】
前記第2固定部は、前記第2搬送アクチュエータによって、前記第2乗り継ぎユニットが移動している間において、前記第2ユニットハウジングに対して前記支持部を固定するように形成されている、請求項16に記載の搬送システム。
【請求項19】
前記第2搬送部と前記第2固定部とは、前記第2ユニットハウジングに設置される、請求項16に記載の搬送システム。
【請求項20】
前記第2乗り継ぎユニットは、前記第2搬送アクチュエータに対して、外部からの電力が前記第2搬送部を移動させる駆動源に供給される第3位置と、外部からの電力が前記駆動源に供給されない第4位置とを移動可能に設けられている、請求項14に記載の搬送システム。
【請求項21】
前記第2連結部は、前記第2搬送部が移動している間において、前記支持部と前記第2搬送部とを連結するように設けられている、請求項14に記載の搬送システム。
【請求項22】
前記支持部には、前記第2連結部が連結される第2被連結部が形成されている、請求項14に記載の搬送システム。
【請求項23】
前記第1乗り継ぎユニットは、前記支持部を前記第2乗り継ぎユニットへ受け渡し可能に形成されている、請求項14に記載の搬送システム。
【請求項24】
前記第1乗り継ぎユニットは、前記支持部と共に移動する前記第1搬送部が、前記第2乗り継ぎユニットの前記第2搬送部に近接する位置に移動すると、前記第1搬送部から前記第2搬送部へ前記支持部を受け渡すように形成されている、請求項23に記載の搬送システム。
【請求項25】
前記第1搬送アクチュエータによって移動する前記第1乗り継ぎユニットと、前記第2搬送アクチュエータによって移動する前記第2乗り継ぎユニットとが互いに近接する位置に移動すると、前記第1乗り継ぎユニットは、前記支持部を前記第2乗り継ぎユニットへ受け渡すように形成されている、請求項23に記載の搬送システム。
【請求項26】
前記第1乗り継ぎユニットは、
前記第1搬送部を収容する第1ユニットハウジングと、
前記第1ユニットハウジングに対して、前記支持部を固定する第1固定部と、を有し、
前記第2乗り継ぎユニットは、
前記第2搬送部を収容する第2ユニットハウジングと、
前記第2ユニットハウジングに対して、前記支持部を固定する第2固定部と、を有し、
前記第1固定部及び前記第2固定部は、前記第1乗り継ぎユニットが前記支持部を前記第2乗り継ぎユニットへ受け渡すとき、前記第1ユニットハウジング及び前記第2ユニットハウジングに対する前記支持部の固定を解除するように形成されている、請求項23に記載の搬送システム。
【請求項27】
前記第1乗り継ぎユニットが前記支持部を前記第2乗り継ぎユニットへ受け渡すとき、
前記第1乗り継ぎユニット及び前記第2乗り継ぎユニットは、前記第2連結部によって前記第2搬送部に連結され、前記第1連結部による前記第1搬送部の連結が解除されるように構成されている、請求項23に記載の搬送システム。
【請求項28】
前記第1乗り継ぎユニットが移動する第1方向は、前記第1搬送部が移動する第2方向と同一の方向であり、
前記第2乗り継ぎユニットが移動する第3方向は、前記第2搬送部が移動する第4方向と交差する方向である、請求項14に記載の搬送システム。
【請求項29】
前記第1乗り継ぎユニットが移動する第1方向は、前記第1搬送部が移動する第2方向と同一の方向であり、
前記第2乗り継ぎユニットが移動する第3方向は、前記第2搬送部が移動する第4方向と同一の方向である、請求項14に記載の搬送システム。
【請求項30】
前記被搬送物を支持する前記支持部を備える、請求項14に記載の搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置及び搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ベルトコンベアの途中に、搬送アクチュエータとして機能するX軸モジュールが設置されている搬送システムが開示されている。特許文献1に記載の搬送システムでは、ベルトコンベアによって搬送されてきたテーブルをX軸モジュールのX軸可動部(スライダ)の上部で持ち上げて固定し、固定されたテーブルをX軸モジュールのX軸可動部により所定位置まで搬送させて停止させる。そして、作業者やロボットが、テーブルに設置されているワークに対して、適宜、組立作業等を行う。組立作業後、特許文献1に記載の搬送システムが、再び、X軸可動部をX軸モジュールの端部まで移動させてから、テーブルを降下させ、ベルトコンベアに戻すことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のものを用いて、製造ラインを形成する場合、ベルトコンベアと搬送アクチュエータとが必要となるが、ベルトコンベアと搬送アクチュエータとを組み合わせて製造ラインを形成することは容易ではない。
【0005】
本発明は、上述の事情の下になされたもので、製造ラインを容易に形成することができる搬送装置及び搬送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る搬送装置は、
第1搬送アクチュエータと、
前記第1搬送アクチュエータによって移動可能に設けられている第1乗り継ぎユニットと、を備え、
前記第1乗り継ぎユニットは、
被搬送物を支持する支持部と共に移動可能に設けられている第1搬送部と、
前記第1搬送部に設置され、前記支持部と前記第1搬送部とを連結可能に形成され、前記支持部と前記第1搬送部とを連結することで、前記第1搬送部によって、前記支持部と共に移動する第1連結部と、を有する。
【0007】
前記第1搬送アクチュエータは、前記第1乗り継ぎユニットが設置されることで、前記第1乗り継ぎユニットと共に移動する第1のアクチュエータ用搬送部を有していてもよい。
【0008】
前記第1乗り継ぎユニットは、
前記第1のアクチュエータ用搬送部に設置される第1ユニットハウジングと、
前記第1ユニットハウジングに対して、前記支持部を固定する第1固定部と、を有していてもよい。
【0009】
前記第1乗り継ぎユニットは、
支持部固定用モータと、
前記支持部固定用モータの回転軸の回転運動と共に回転運動する支持部固定用ボールねじ軸と、を有し、
前記第1固定部は、前記支持部固定用ボールねじ軸の回転運動に伴って、前記第1ユニットハウジングに対して前記支持部を固定する固定位置と、前記第1ユニットハウジングに対して前記支持部を固定しない非固定位置との間を移動可能に設けられていてもよい。
【0010】
前記第1固定部は、前記第1搬送部が移動している間において、前記第1ユニットハウジングに対する前記支持部の固定を解除するように形成されていてもよい。
【0011】
前記第1固定部は、前記第1搬送アクチュエータによって、前記第1乗り継ぎユニットが移動している間において、前記第1ユニットハウジングに対して前記支持部を固定するように形成されていてもよい。
【0012】
前記第1搬送部と前記第1固定部とは、前記第1ユニットハウジングに設置されていてもよい。
【0013】
前記第1乗り継ぎユニットは、
支持部移動用モータと、
前記支持部移動用モータの出力軸の回転運動と共に回転運動する支持部移動用ボールねじ軸と、を有し、
前記第1搬送部は、前記支持部移動用ボールねじ軸の回転運動に伴って直線運動してもよい。
【0014】
電力受電部と、前記電力受電部に電力を送電することで、前記支持部移動用モータに電力を供給する電力送電部と、を有する電力供給ユニットを備え、
前記電力受電部は、前記第1乗り継ぎユニットに設けられ、
前記第1乗り継ぎユニットは、前記第1搬送アクチュエータに対して、前記電力送電部からの電力が前記支持部移動用モータに供給される第1位置と、前記電力送電部からの電力が前記支持部移動用モータに供給されない第2位置とを移動可能に設けられていてもよい。
【0015】
前記第1連結部は、前記第1搬送部が移動している間において、前記支持部と前記第1搬送部とを連結するように設けられていてもよい。
【0016】
前記支持部には、前記第1連結部の一部が連結される第1被連結部が形成されていてもよい。
【0017】
前記第1連結部は、ピンを有し、
前記第1被連結部は、前記ピンが嵌め込まれる孔として形成されていてもよい。
【0018】
前記第1連結部は、
非励磁状態になった場合に、前記ピンを前記第1被連結部に嵌まる位置に移動させるソレノイドを有していてもよい。
【0019】
本発明の第2の観点に係る搬送システムは、
本発明の第1の観点に係る搬送装置と、
前記搬送装置に隣接して配置される隣接搬送装置と、を備え、
前記隣接搬送装置は、
第2搬送アクチュエータと、
前記第2搬送アクチュエータによって移動可能に設けられている第2乗り継ぎユニットと、を備え、
前記第2乗り継ぎユニットは、
前記支持部と共に移動可能に設けられている第2搬送部と、
前記第2搬送部に設置され、前記支持部と前記第2搬送部とを連結可能に形成され、前記支持部と前記第2搬送部とを連結することで、前記第2搬送部によって前記支持部と共に移動する第2連結部と、を有する。
【0020】
前記第2搬送アクチュエータは、前記第2乗り継ぎユニットが設置されることで、前記第2乗り継ぎユニットと共に移動する第2のアクチュエータ用搬送部を有していてもよい。
【0021】
前記第2乗り継ぎユニットは、
前記第2のアクチュエータ用搬送部に設置される第2ユニットハウジングと、
前記第2ユニットハウジングに対して、前記支持部を固定する第2固定部と、を有していてもよい。
【0022】
前記第2固定部は、前記第2搬送部が移動している間において、前記第2ユニットハウジングに対する前記支持部の固定を解除するように形成されていてもよい。
【0023】
前記第2固定部は、前記第2搬送アクチュエータによって、前記第2乗り継ぎユニットが移動している間において、前記第2ユニットハウジングに対して前記支持部を固定するように形成されていてもよい。
【0024】
前記第2搬送部と前記第2固定部とは、前記第2ユニットハウジングに設置されていてもよい。
【0025】
前記第2乗り継ぎユニットは、前記第2搬送アクチュエータに対して、外部からの電力が前記第2搬送部を移動させる駆動源に供給される第3位置と、外部からの電力が前記駆動源に供給されない第4位置とを移動可能に設けられていてもよい。
【0026】
前記第2連結部は、前記第2搬送部が移動している間において、前記支持部と前記第2搬送部とを連結するように設けられていてもよい。
【0027】
前記支持部には、前記第2連結部が連結される第2被連結部が形成されていてもよい。
【0028】
前記第1乗り継ぎユニットは、前記支持部を前記第2乗り継ぎユニットへ受け渡し可能に形成されていてもよい。
【0029】
前記第1乗り継ぎユニットは、前記支持部と共に移動する前記第1搬送部が、前記第2乗り継ぎユニットの前記第2搬送部に近接する位置に移動すると、前記第1搬送部から前記第2搬送部へ前記支持部を受け渡すように形成されていてもよい。
【0030】
前記第1搬送アクチュエータによって移動する前記第1乗り継ぎユニットと、前記第2搬送アクチュエータによって移動する前記第2乗り継ぎユニットとが互いに近接する位置に移動すると、前記第1乗り継ぎユニットは、前記支持部を前記第2乗り継ぎユニットへ受け渡すように形成されていてもよい。
【0031】
前記第1乗り継ぎユニットは、
前記第1搬送部を収容する第1ユニットハウジングと、
前記第1ユニットハウジングに対して、前記支持部を固定する第1固定部と、を有し、
前記第2乗り継ぎユニットは、
前記第2搬送部を収容する第2ユニットハウジングと、
前記第2ユニットハウジングに対して、前記支持部を固定する第2固定部と、を有し、
前記第1固定部及び前記第2固定部は、前記第1乗り継ぎユニットが前記支持部を前記第2乗り継ぎユニットへ受け渡すとき、前記第1ユニットハウジング及び前記第2ユニットハウジングに対する前記支持部の固定を解除するように形成されていてもよい。
【0032】
前記第1乗り継ぎユニットが前記支持部を前記第2乗り継ぎユニットへ受け渡すとき、
前記第1乗り継ぎユニット及び前記第2乗り継ぎユニットは、前記第2連結部によって前記第2搬送部に連結され、前記第1連結部による前記第1搬送部の連結が解除されるように構成されていてもよい。
【0033】
前記第1乗り継ぎユニットが移動する第1方向は、前記第1搬送部が移動する第2方向と同一の方向であり、
前記第2乗り継ぎユニットが移動する第3方向は、前記第2搬送部が移動する第4方向と交差する方向であってもよい。
【0034】
前記第1乗り継ぎユニットが移動する第1方向は、前記第1搬送部が移動する第2方向と同一の方向であり、
前記第2乗り継ぎユニットが移動する第3方向は、前記第2搬送部が移動する第4方向と同一の方向であってもよい。
【0035】
前記被搬送物を支持する前記支持部を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0036】
本発明においては、製造ラインを容易に形成することができる搬送装置及び搬送システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の実施の形態に係る搬送システムの斜視図である。
【
図2】実施の形態に係る搬送装置の分解斜視図である。
【
図3】実施の形態に係る搬送装置の平面図(その1)である。
【
図4】実施の形態に係る第1乗り継ぎユニット及びテーブルの斜視図である。
【
図5】実施の形態に係る第1乗り継ぎユニットの分解斜視図である。
【
図6】実施の形態に係る第1乗り継ぎユニットの内部の構造を説明するための平面図である。
【
図7】実施の形態に係る第1乗り継ぎユニットの分解斜視図である。
【
図8】実施の形態に係る第1乗り継ぎユニットのソレノイド構造部の構造を説明するための第1乗り継ぎユニットの分解斜視図である。
【
図9】実施の形態に係る第1乗り継ぎユニットのソレノイド構造部の斜視図である。
【
図10】実施の形態に係る第1乗り継ぎユニットのソレノイド構造部の分解斜視図である。
【
図11】実施の形態に係る第1乗り継ぎユニットの第1固定部、第1固定部用搬送部、及びテーブル固定用モータの斜視図である。
【
図12】実施の形態に係る第1乗り継ぎユニットの第1固定部、第1固定部用搬送部、及びテーブル固定用モータの分解斜視図である。
【
図13】実施の形態に係る第1乗り継ぎユニットの第1固定部の側面図である。
【
図14】実施の形態に係る第1乗り継ぎユニットの第1固定部の機能を説明するための断面図である。
【
図15】実施の形態に係る隣接搬送装置の分解斜視図である。
【
図16】実施の形態に係る第2乗り継ぎユニットの分解斜視図である。
【
図17】実施の形態に係る第2乗り継ぎユニットのソレノイド構造部の分解斜視図である。
【
図18】実施の形態に係る第2乗り継ぎユニットの第2固定部、第2固定部用搬送部、及びテーブル固定用モータの分解斜視図である。
【
図19】実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するための平面図(その1)である。
【
図20】実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するための平面図(その2)である。
【
図21】実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するための斜視図(その1)である。
【
図22】実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するための斜視図(その2)である。
【
図23】実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するための平面図(その3)である。
【
図24】実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するための斜視図(その3)である。
【
図25】(A)は、実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するための斜視図(その4)である。(B)は、実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するための斜視図(その5)である。
【
図26】(A)は、実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するための側面図(その1)である。(B)は、実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するための側面図(その2)である。(C)は、実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するための側面図(その3)である。
【
図27】実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するための斜視図(その6)である。
【
図28】実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するために、第1乗り継ぎユニットを簡略して示した平面図(その1)である。
【
図29】実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するために、第1乗り継ぎユニットを簡略して示した平面図(その2)である。
【
図30】実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するための斜視図(その7)である。
【
図31】実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するための平面図(その4)である。
【
図32】実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するために、第1乗り継ぎユニットを簡略して示した平面図(その3)である。
【
図33】実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するための斜視図(その8)である。
【
図34】実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するための断面図(その1)である。
【
図35】実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するための断面図(その2)である。
【
図36】実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するための斜視図(その9)である。
【
図37】実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するために、第2乗り継ぎユニットを簡略して示した平面図(その1)である。
【
図38】実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するための断面図(その3)である。
【
図39】実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するための断面図(その4)である。
【
図40】実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するための斜視図(その10)である。
【
図41】実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するために、第2乗り継ぎユニットを簡略して示した平面図(その2)である。
【
図42】実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するための斜視図(その11)である。
【
図43】(A)は、実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するための側面図(その4)である。(B)は、実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するための側面図(その5)である。(C)は、実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するための側面図(その6)である。
【
図44】実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するための平面図(その5)である。
【
図45】実施の形態に係る搬送システムの動作を説明するための平面図(その6)である。
【
図46】実施の形態に係る搬送装置の平面図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態に係る搬送装置1及び搬送システム100について、図を用いて説明する。なお、理解を容易にするために、XYZ座標を設定し、適宜参照する。
【0039】
搬送システム100は、例えば、工場で使用される製造ラインの一部として組み込まれ、工業製品の部品などの被搬送物(ワーク)の搬送に用いられる装置である。搬送システム100は、
図1に示すように、本実施の形態においては、搬送装置1と、搬送装置1と同等の機能、構造を有する隣接搬送装置2と、被搬送物であるワークを支持するテーブルT(支持部)とを備える。
【0040】
搬送装置1は、
図2に示すように、第1搬送アクチュエータ10と、第1乗り継ぎユニット20とを備える。また、搬送装置1は、第1搬送アクチュエータ10及び第1乗り継ぎユニット20に加えて、
図3に示すように、電力供給ユニット70を備える。
【0041】
第1搬送アクチュエータ10は、
図2に示すように、アクチュエータ用搬送部11(第1のアクチュエータ用搬送部)がY軸方向に往復運動するスライダタイプの直動アクチュエータである。第1搬送アクチュエータ10は、アクチュエータ用搬送部11と、モータ12と、ボールねじ軸とボールねじナットとを有するボールねじ(図示なし)と、アクチュエータハウジング13と、折返しユニット14とを備える。
【0042】
アクチュエータ用搬送部11は、第1乗り継ぎユニット20が設置されることで、第1乗り継ぎユニット20と共に+Y方向及び-Y方向の双方向に移動させるためのスライダである。本実施の形態においては、アクチュエータ用搬送部11は、ボールねじナットとは別体に形成され、アクチュエータ用搬送部11にボールねじナットが組み付けられている。しかしながら、これに限られない。アクチュエータ用搬送部11は、ボールねじナットと一体的に形成されていてもよい。アクチュエータ用搬送部11は、ボールねじ軸の回転運動に伴って、+Y方向及び-Y方向の双方向に移動する。
【0043】
モータ12は、例えば、ステッピングモータやサーボモータであり、モータ本体、出力軸、ロータ、ステータ、エンコーダ、これらを覆うモータハウジングを有している。モータ本体には、アクチュエータケーブルが接続されており、このアクチュエータケーブルを経由して外部から電力が供給される。モータ本体に電力が供給されることによって、モータ本体のロータが回転する。このロータの回転運動は、出力軸に出力される。これにより、出力軸は回転する。また、アクチュエータケーブルは、モータ本体への外部からの制御信号の入力等にも用いられる。なお、本実施の形態では、モータ本体は、エンコーダを有するモータであるが、これに限られない。これら以外のモータであってもよい。例えば、エンコーダを有さないモータであってもよい。
【0044】
アクチュエータハウジング13は、アクチュエータ用搬送部11及びボールねじを収納することで、これらの各部材を保護する。アクチュエータハウジング13は、ベアリングを有することで、ボールねじ軸を回転可能に支持する。
【0045】
折返しユニット14は、図示しないベルトと、当該ベルトを収納するベルト収容部とを有する。ベルトは、モータ12の出力軸の回転運動を、ボールねじのボールねじ軸に伝達する。モータ12の出力軸が回転することにより、出力軸の回転運動が、ベルトを介して、ボールねじ軸に伝達される。そして、ボールねじ軸が回転することにより、ボールねじナットが、アクチュエータ用搬送部11と共に直線運動する。この折返しユニット14は、アクチュエータハウジング13に固定されている。折返しユニット14には、モータ12が固定されている。
【0046】
第1乗り継ぎユニット20は、
図1及び
図3を参照するとわかるように、搬送装置1から隣接搬送装置2にテーブルTを受け渡したり、それとは逆に隣接搬送装置2から搬送装置1にテーブルTを受け渡したりするために用いられる。この第1乗り継ぎユニット20は、
図4に示すように、第1搬送部21と、テーブル移動用モータ22(支持部移動用モータ)とを有する。さらに、第1乗り継ぎユニット20は、
図5及び
図6に示すように、テーブル移動用ボールねじ軸23(支持部移動用ボールねじ軸)と、ベルト24と、ソレノイド構造部25(第1連結部)と、第1ユニットハウジング26と、第1固定部用搬送部27と、テーブル固定用モータ28(支持部固定用モータ)と、テーブル固定用ボールねじ軸29(支持部固定用ボールねじ軸)と、第1固定部F1とを有する。
【0047】
第1搬送部21は、
図7に示すように、テーブルTと共にY軸方向に直線運動可能に設けられているスライダである。第1搬送部21は、ボールねじナットとして構成されており、テーブル移動用ボールねじ軸23の回転運動に伴って、+Y方向及び-Y方向の双方向に移動するように形成されている。本実施の形態においては、第1搬送部21は、ボールねじナットとして構成されているが、これに限られない。第1搬送部21は、ボールねじナットと別体に形成されて、第1搬送部21にボールねじナットが組み付けられていてもよい。また、第1搬送部21は、第1ユニットハウジング26に収容されつつ設置されている。
【0048】
テーブル移動用モータ22(支持部移動用モータ)は、例えば、ステッピングモータやサーボモータであり、モータ本体、出力軸、ロータ、ステータ、エンコーダ、これらを覆うモータハウジングを有している。モータ本体には、電力供給ユニット70(
図3参照)を経由して、外部から電力が供給される。モータ本体に電力が供給されることによって、モータ本体のロータが回転する。このロータの回転運動は、出力軸に出力される。これにより、出力軸は回転する。また、本実施の形態においては、電力供給ユニット70は、モータ本体への制御信号の入力等にも用いられる。なお、本実施の形態では、モータ本体は、エンコーダを有するモータであるが、これに限られない。これら以外のモータであってもよい。例えば、エンコーダを有さないモータであってもよい。
【0049】
テーブル移動用ボールねじ軸23(支持部移動用ボールねじ軸)は、テーブル移動用モータ22の出力軸の回転運動と共に回転運動するように設けられている。
【0050】
ベルト24は、テーブル移動用モータ22の出力軸の回転運動を、テーブル移動用ボールねじ軸23に伝達する。テーブル移動用モータ22の出力軸が回転することにより、テーブル移動用モータ22の出力軸の回転運動が、ベルト24を介して、テーブル移動用ボールねじ軸23に伝達される。そして、テーブル移動用ボールねじ軸23が回転することにより、第1搬送部21がY軸方向に沿って直線運動する。
【0051】
ソレノイド構造部25(第1連結部)は、
図8及び
図9に示すように、第1搬送部21に設置、固定されることで、テーブルTと第1搬送部21とを連結可能に形成されている。そして、ソレノイド構造部25は、テーブルTと第1搬送部21とを連結することで、第1搬送部21によってテーブルTと共に移動する。ソレノイド構造部25は、
図9及び
図10に示すように、ピン25aと、ソレノイド25bと、ピンジョイント25cと、ピン駆動基部25dと、ピンスライドガイド部材25eと、ガイドピン25f、25gと、スプリング25hとを有する。
【0052】
ピン25aは、ピン駆動基部25dに対して+Z方向及び-Z方向の双方向に移動可能に配置されている。これにより、ピン25aは、その+Z側の先端が、テーブルTに形成されている孔Taに嵌め込まれるように設けられている。
【0053】
ソレノイド25bは、ソレノイドコイルと、ソレノイドコイルに対して移動可能に設けられているプランジャ25b-1(移動体)とを有する。ソレノイド25bは、電力供給ユニット70(
図2参照)によって励磁状態となった場合に、プランジャ25b-1は、ソレノイドコイルに+Y方向に引き寄せられている。この場合、ピン25aは、その先端が、テーブルTに形成されている孔Taに嵌まっていない位置に配置される。そして、ソレノイド25bは、ソレノイドコイルが非励磁状態になった場合に、プランジャ25b-1の動作に伴って、ピン25aを移動させて、テーブルTに形成されている孔Taにピン25aを嵌め込む。これにより、ソレノイド構造部25は、テーブルTと第1搬送部21とを連結する。
【0054】
ピンジョイント25cは、ソレノイド25bのプランジャ25b-1と、ピン25aとを機械的に連結する部材である。ピンジョイント25cは、ピン25c-1及びワッシャ25c-2によって、ソレノイド25bのプランジャ25b-1に固定されている。また、ピンジョイント25cには、長孔25c-3が形成されている。長孔25c-3は、その長手方向がY軸方向に対して傾斜するように形成されている。この長孔25c-3には、ガイドピン25fの一方の端部(-X側の端部)が摺動可能に挿入されている。
【0055】
ピン駆動基部25dは、ピン25aを支持する部材である。ピン駆動基部25dは、
図10に示すように、2つのリニアブッシュ25a-1を有し、リニアブッシュ25a-1を介して、ピン25aを支持する。また、
図9に示すように、ピン駆動基部25dには、ボルト25d-2が挿入される孔が形成されている。この孔にボルト25d-2が挿入されて締結されることで、ソレノイド構造部25は、第1搬送部21に設置される。
【0056】
ピンスライドガイド部材25eには、
図10に示すように、溝が形成されている。この溝には、ガイドピン25fの他方の端部(+X側の端部)が配置されている。
【0057】
ガイドピン25fは、ピンジョイント25cと共に、ソレノイド25bのプランジャ25b-1と、ピン25aとを機械的に接続する部材である。ガイドピン25fは、ピン25aの下端に形成されている貫通孔に挿通されることで、ピン25aに取り付けられている。
【0058】
ガイドピン25gは、ピン駆動基部25dに形成されている孔にリニアブッシュ25g-1を介して嵌め込まれている。ガイドピン25gは、セットスクリュー25g-2によってピンジョイント25cに固定されている。これにより、ピンジョイント25cは、ピン駆動基部25dに対してY軸方向に円滑に移動できるように配置される。
【0059】
スプリング25hは、本実施の形態では、引張コイルばねである。このスプリング25hは、ピンジョイント25cとピン駆動基部25dとに引っ掛けられている。スプリング25hは、その引張力により、ピンジョイント25cをピン駆動基部25dに引き寄せる。
【0060】
このように構成されているソレノイド構造部25は、
図8を参照するとわかるように、第1搬送部21が移動している間において、テーブルTと第1搬送部21とを連結することで、テーブルTを第1搬送部21と共に移動させるように設けられている。
【0061】
第1ユニットハウジング26は、
図5及び
図7に示すように、第1乗り継ぎユニット20の各構成部品(第1搬送部21、テーブル移動用モータ22、テーブル移動用ボールねじ軸23、ベルト24、ソレノイド構造部25、第1固定部用搬送部27、テーブル固定用モータ28、テーブル固定用ボールねじ軸29)を収容して保護する。第1ユニットハウジング26は、
図2に示すように、アクチュエータ用搬送部11に固定されつつ設置されている。
【0062】
第1固定部用搬送部27は、
図11及び
図12に示すように、Y軸方向に直線運動可能に設けられているスライダである。第1固定部用搬送部27には、ボールねじナットが組み付けられており、テーブル固定用ボールねじ軸29の回転運動に伴って、+Y方向及び-Y方向の双方向に移動するように形成されている。また、第1固定部用搬送部27には、プレートPが固定されている。
【0063】
テーブル固定用モータ28(支持部固定用モータ)は、例えば、ステッピングモータやサーボモータであり、モータ本体、出力軸28a、ロータ、ステータ、エンコーダ、これらを覆うモータハウジングを有している。モータ本体には、電力供給ユニット70(
図2参照)を経由して、外部から電力が供給される。モータ本体に電力が供給されることによって、モータ本体のロータが回転する。このロータの回転運動は、出力軸28aに出力される。これにより、出力軸28aは回転する。また、本実施の形態においては、電力供給ユニット70は、モータ本体への制御信号の入力等にも用いられる。なお、本実施の形態では、モータ本体は、エンコーダを有するモータであるが、これに限られない。これら以外のモータであってもよい。例えば、エンコーダを有さないモータであってもよい。
【0064】
テーブル固定用ボールねじ軸29(支持部固定用ボールねじ軸)は、テーブル固定用モータ28の出力軸28aの回転運動と共に回転運動するように設けられている。テーブル固定用ボールねじ軸29には、テーブル固定用モータ28の出力軸28aの回転運動を、テーブル固定用ボールねじ軸29に伝達するベルトが取り付けられている。テーブル固定用モータ28の出力軸28aが回転することにより、テーブル固定用モータ28の出力軸28aの回転運動が、ベルトを介して、テーブル固定用ボールねじ軸29に伝達される。そして、テーブル固定用ボールねじ軸29が回転することにより、第1固定部用搬送部27がY軸方向に沿って直線運動する。
【0065】
第1固定部F1は、
図2に示すように、第1搬送アクチュエータ10によって、第1乗り継ぎユニット20がY軸方向に移動している間において、第1ユニットハウジング26に対して、テーブルTを固定するために用いられる。第1固定部F1は、第1ユニットハウジング26に設置されている。第1固定部F1は、
図11に示すように、XZ断面が略T字形状に形成されている。また、第1固定部F1は、昇降可能(Z軸方向に移動可能)に設けられており、下降することにより、第1ユニットハウジング26に対してテーブルTを固定する。この第1固定部F1は、昇降用ピンPa、Pbが形成されているプレートPによって、第1固定部用搬送部27に接続されている。また、第1固定部F1には、
図12及び
図13に示すように、長孔F1a、F1bが形成されている。長孔F1a、F1bは、その長手方向の一部がY軸方向に対して傾斜するように形成されている。この長孔F1a、F1bには、昇降用ピンPa、Pbが摺動可能に挿入されている。
【0066】
また、第1固定部F1には、
図14に示すように、その上端(+Y側の端部)から+X方向及び-X方向に張り出されるように形成されているフランジF1cが設けられている。フランジF1cは、テーブルTに形成されている被嵌込溝Tcに下方(-Z方向)に抜けないように嵌め込まれる。
【0067】
このように構成されている第1固定部F1は、
図12及び
図14に示すように、テーブル固定用ボールねじ軸29の回転運動に伴って、第1ユニットハウジング26に対してテーブルTを固定する固定位置と、第1ユニットハウジング26に対してテーブルTを固定しない非固定位置との間を移動可能(昇降運動可能)に設けられている。そして、第1固定部F1は、
図4を参照するとわかるように、第1搬送部21が移動している間において、第1ユニットハウジング26に対するテーブルTの固定を解除するように形成されている。また、第1固定部F1は、
図2を参照するとわかるように、第1搬送アクチュエータ10によって、第1乗り継ぎユニット20が移動している間において、第1ユニットハウジング26に対するテーブルTを固定するように形成されている。これにより、テーブルTは、第1搬送アクチュエータ10によって、第1乗り継ぎユニット20と共に安定して移動することができる。
【0068】
また、第1固定部F1は、テーブルTの受け渡しの際に、第1ユニットハウジング26に対するテーブルTの固定を解除するように形成されている。
【0069】
電力供給ユニット70は、
図3に示すように、無線電力送電部71と、無線電力受電部72とを有する。
【0070】
無線電力送電部71は、無線電力受電部72に無線で電力を送電することで、第1乗り継ぎユニット20の電力供給対象(
図4に示すテーブル移動用モータ22、ソレノイド構造部25、及びテーブル固定用モータ28)に電力を供給する。
【0071】
無線電力受電部72は、第1乗り継ぎユニット20と共に移動できるように、第1乗り継ぎユニット20に固定されている。無線電力受電部72は、第1乗り継ぎユニット20と共に移動して、無線電力送電部71に接近した場合に無線電力送電部71から電力を受ける。
【0072】
上述のように構成されている電力供給ユニット70において、無線電力送電部71は、第1搬送アクチュエータ10の+Y側の端部近傍に配置されている。そして、無線電力受電部72は、第1乗り継ぎユニット20と共に移動できるように、第1乗り継ぎユニット20に固定されている。これにより、第1乗り継ぎユニット20は、第1搬送アクチュエータ10に対して、無線電力送電部71からの電力が第1乗り継ぎユニット20の電力供給対象に供給可能な位置(第1位置)と、無線電力送電部71からの電力が電力供給対象に供給されない位置(第2位置)とを移動可能に設けられる。
【0073】
隣接搬送装置2は、
図1及び
図3に示すように、第2搬送アクチュエータ30と、第2乗り継ぎユニット40と、第2搬送アクチュエータ30の近傍に設置されている電力供給ユニット80を備える。
【0074】
第2搬送アクチュエータ30は、第1搬送アクチュエータ10と同等のものであり、アクチュエータ用搬送部31(第2のアクチュエータ用搬送部)がX軸方向に往復運動するスライダタイプの直動アクチュエータである。第2搬送アクチュエータ30は、
図15に示すように、アクチュエータ用搬送部31と、モータ32と、ボールねじ軸とボールねじナットとを有するボールねじ(図示なし)と、アクチュエータハウジング33と、折返しユニット34とを備える。
【0075】
第2乗り継ぎユニット40は、第1乗り継ぎユニット20と同等のものであり、搬送装置1から隣接搬送装置2にテーブルTを受け渡したり、それとは逆に隣接搬送装置2から搬送装置1にテーブルTを受け渡したりするために用いられる。第2乗り継ぎユニット40は、
図16に示すように、第2搬送部41と、テーブル移動用モータ42(支持部移動用モータ)と、テーブル移動用ボールねじ軸43(支持部移動用ボールねじ軸)と、ベルト44と、ソレノイド構造部45(第2連結部)と、第2ユニットハウジング46と、第2固定部用搬送部47と、テーブル固定用モータ48(支持部固定用モータ)と、テーブル固定用ボールねじ軸49(支持部固定用ボールねじ軸)と、第2固定部F2とを有する。
【0076】
第2搬送部41は、第2ユニットハウジング46に収容されつつ設置されている。
【0077】
ソレノイド構造部45(第1連結部)は、
図17に示すように、ピン45aと、ソレノイド45bと、ピンジョイント45cと、ピン駆動基部45dと、ピンスライドガイド部材45eと、ガイドピン45f、45gと、スプリング45hとを有する。
【0078】
ピン45aは、その+Z側の先端が、テーブルTに形成されている孔Tbに嵌め込まれるように設けられている。
【0079】
ソレノイド45bは、ソレノイドコイルと、ソレノイドコイルに対して移動可能に設けられているプランジャ45b-1(移動体)とを有する。ソレノイド45bは、ソレノイドコイルが非励磁状態になった場合に、プランジャ45b-1の動作に伴って、ピン45aを移動させて、テーブルTに形成されている孔Tbにピン45aを嵌め込む。これにより、ソレノイド構造部45は、テーブルTと第2搬送部41とを連結する。
【0080】
ピンジョイント45cには、長孔45c-3が形成されている。
【0081】
このように構成されているソレノイド構造部45は、
図16を参照するとわかるように、第2搬送部41が移動している間において、テーブルTと第2搬送部41とを連結することで、テーブルTを第2搬送部41と共に移動させるように設けられている。
【0082】
第2固定部F2は、
図16に示すように、昇降可能(Z軸方向に移動可能)に設けられている。第2固定部F2は、第2ユニットハウジング46に設置されている。第2固定部F2には、
図18に示すように、長孔F2a、F2bが形成されている。長孔F2a、F2bは、その長手方向の一部がY軸方向に対して傾斜するように形成されている。この長孔F2a、F2bには、昇降用ピンPa、Pbが摺動可能に挿入されている。
【0083】
このように構成されている第2固定部F2は、
図16に示すように、テーブル固定用ボールねじ軸49の回転運動に伴って、第2ユニットハウジング46に対してテーブルTを固定する固定位置と、第2ユニットハウジング46に対してテーブルTを固定しない非固定位置との間を移動可能(昇降運動可能)に設けられている。そして、第2固定部F2は、第2搬送部41が移動している間において、第2ユニットハウジング46に対するテーブルTの固定を解除するように形成されている。また、第2固定部F2は、
図15を参照するとわかるように、第2搬送アクチュエータ30によって、第2乗り継ぎユニット40が移動している間において、第2ユニットハウジング46に対するテーブルTを固定するように形成されている。これにより、テーブルTは、第2搬送アクチュエータ30によって、第2乗り継ぎユニット40と共に安定して移動することができる。
【0084】
また、第2固定部F2は、テーブルTの受け渡しの際に、第2ユニットハウジング46に対するテーブルTの固定を解除するように形成されている。
【0085】
電力供給ユニット80は、
図19に示すように、無線電力送電部81と、無線電力受電部82とを有する。
【0086】
無線電力送電部81は、無線電力受電部82に無線で電力を送電することで、第2乗り継ぎユニット40の電力供給対象(
図16に示すテーブル移動用モータ42、ソレノイド構造部45、及び、テーブル固定用モータ48)に電力を供給する。
【0087】
無線電力受電部82は、第2乗り継ぎユニット40と共に移動できるように、第2乗り継ぎユニット40に固定されている。無線電力受電部82は、第2乗り継ぎユニット40と共に移動して、無線電力送電部81に接近した場合に無線電力送電部81から電力を受ける。
【0088】
上述のように構成されている電力供給ユニット80において、無線電力送電部81は、第2搬送アクチュエータ30の-X側の端部近傍に配置されている。そして、無線電力受電部82は、第2乗り継ぎユニット40と共に移動できるように、第2乗り継ぎユニット40に固定されている。これにより、第2乗り継ぎユニット40は、第2搬送アクチュエータ30に対して、無線電力送電部81からの電力が第2乗り継ぎユニット40の電力供給対象(駆動源)に供給可能な第3位置と、無線電力送電部81からの電力が電力供給対象(駆動源)に供給されない第4位置とを移動可能に設けられる。
【0089】
テーブルT(支持部)は、
図1及び
図3に示すように、搬送システム100が搬送する被搬送物であるワークを支持する部品である。そして、テーブルTは、ワークと共に、第1乗り継ぎユニット20から第2乗り継ぎユニット40に乗り継ぐことで、搬送システム100によって搬送装置1から隣接搬送装置2に搬送される。
図12及び
図3に示すように、テーブルTの+Z側の上面は、ワークが載置される平滑な平面に形成されている。テーブルTの-Z側の下面には、孔Ta(第1被連結部)と、孔Tb(第2被連結部)と、被嵌込溝Tcとが形成されている。また、テーブルTの側面や下面には、第1ユニットハウジング26及び第2ユニットハウジング46の面状を転動することで、テーブルTを円滑に移動させるための複数のローラが設けられている。
【0090】
上述のように構成された搬送システム100におけるテーブルT及び被搬送物を搬送する動作について、図を参照しつつ説明する。
【0091】
先ず、モータ12のモータ本体に電力が供給されることによって、
図1及び
図2に示すように、モータ12の出力軸が回転する。出力軸が回転すると、出力軸の回転力が、折返しユニット14のベルトを介して、第1搬送アクチュエータ10のボールねじ軸に伝達され、これにより、このボールねじ軸も回転する。第1搬送アクチュエータ10のボールねじ軸が回転すると、
図19及び
図20の矢印A1に示すように、アクチュエータ用搬送部11は、+Y方向に直線運動をする。この結果、アクチュエータ用搬送部11に設置されている第1乗り継ぎユニット20が、+Y方向に直線運動をする。
【0092】
このとき、
図21に示すように、第1乗り継ぎユニット20においては、ソレノイド構造部25のピン25aが、テーブルTの孔Taに嵌まっている。これにより、
図22に示すように、ソレノイド構造部25は、テーブルTと第1搬送部21とを連結している。また、第1固定部F1は、
図21に示すように、-Z方向に下降しており、第1ユニットハウジング26に対してテーブルTを固定している。さらに、第1乗り継ぎユニット20は、
図19及び
図20を参照するとわかるように、無線電力送電部71からの電力を無線電力受電部72が受けることができない位置(第2位置)に配置されている。
【0093】
アクチュエータ用搬送部11が+Y方向に直線運動をしていくと、
図23及び
図24に示すように、やがて、第1乗り継ぎユニット20は、電力供給ユニット70の無線電力送電部71から無線電力受電部72が電力を受ける可能な位置である第1位置まで移動する。また、第1乗り継ぎユニット20は、第1搬送アクチュエータ10によって移動することで、第2搬送アクチュエータ30によって移動する第2乗り継ぎユニット40に近接する位置に移動する。
【0094】
また、第1乗り継ぎユニット20が第1位置まで移動することで、テーブル固定用モータ28のモータ本体に電力が供給される。これにより、
図25に示すように、テーブル固定用モータ28の出力軸28aが回転する。出力軸28aが回転すると、出力軸28aの回転力が、ベルトを介してテーブル固定用ボールねじ軸29に伝達され、このテーブル固定用ボールねじ軸29も回転する。テーブル固定用ボールねじ軸29が回転すると、第1固定部用搬送部27は、例えば、矢印A2に示すように、-Y方向に直線運動をする。この結果、第1固定部用搬送部27に固定されているプレートPも-Y方向に直線運動をする。
【0095】
プレートPが-Y方向に直線運動をすると、
図25及び
図26に示すように、プレートPに形成されている昇降用ピンPa、Pbが、第1固定部F1に形成されている長孔F1a、F1b内を摺動することで、第1固定部F1が+Z方向へ上昇する。この結果、
図27に示すように、第1固定部F1は、第1ユニットハウジング26に対するテーブルTの固定を解除する。なお、このときは、ピン25aはテーブルTの孔Taに嵌まっている。
【0096】
次に、テーブル移動用モータ22のモータ本体に電力供給ユニット70から電力が供給され、
図28に示すように、テーブル移動用モータ22の出力軸が回転する。出力軸が回転すると、出力軸の回転力が、ベルト24を介して、テーブル移動用ボールねじ軸23に伝達され、これにより、このテーブル移動用ボールねじ軸23も回転する。テーブル移動用ボールねじ軸23が回転すると、
図29及び
図30の矢印A3に示すように、第1搬送部21は、例えば、+Y方向に直線運動をする。この結果、第1搬送部21に連結されているテーブルTが+Y方向に直線運動をする。テーブルTが+Y方向に直線運動をしていくと、やがて、テーブルTは、
図31に示すように、その一部が、隣接搬送装置2の第2乗り継ぎユニット40の上方を覆う位置まで移動する。また、このテーブルTと共に移動する第1搬送部21は、第2乗り継ぎユニット40の第2搬送部41に近接する位置に移動する。
【0097】
このとき、第1乗り継ぎユニット20は、電力供給ユニット70の無線電力送電部71から無線電力受電部72が電力を受ける可能な位置である位置(第1位置)に配置される。なお、
図32に示すように、本実施の形態において、テーブルT又は第1搬送部21の移動開始位置から停止位置までのY軸方向における長さL2は、テーブル移動用ボールねじ軸43の全長L1のおよそ1/2の長さである(L2≒1/2×L1)。
【0098】
テーブルTが+Y方向に直線運動をすると、
図33に示すように、電力供給ユニット70からソレノイド構造部25にも電力が供給されて、ソレノイド構造部25のソレノイドコイルが通電する。すると、ソレノイド25bが励磁状態となり、
図34及び
図35の矢印A4に示すように、プランジャ25b-1は、スプリング25hの引張力に抗して、+Y方向に引き寄せられる。そして、ガイドピン25fがピンジョイント25cの長孔25c-3内を摺動することで、ピン25aが下降する。この結果、
図36に示すように、ピン25aがテーブルTの孔Taから外れる。そして、ソレノイド構造部25は、テーブルTと第1搬送部21との連結を解除する。
【0099】
図37に示すように、第1乗り継ぎユニット20側において、ソレノイド構造部25がテーブルTと第1搬送部21との連結を解除すると、第2乗り継ぎユニット40側において、ソレノイド構造部45のソレノイド45bが非励磁状態となり、
図38及び
図39に示すように、プランジャ45b-1は、-Y方向に引き寄せられなくなる。すると、プランジャ45b-1は、スプリング45hの引張力によって+Y方向に移動する。そして、ガイドピン45fがピンジョイント45cの長孔45c-3内を摺動することで、ピン45aが上昇する。この結果、
図40に示すように、ピン45aがテーブルTの孔Tbに嵌り込む。ソレノイド構造部45は、テーブルTと第2搬送部41とを連結する。
【0100】
なお、本実施の形態においては、
図37に示すように、ソレノイド構造部45によるテーブルTと第2搬送部41との連結は、第1乗り継ぎユニット20のソレノイド構造部25によるテーブルTと第1搬送部21との連結の解除と同時に行われている。しかしながら、これに限られない。ソレノイド構造部45によるテーブルTと第2搬送部41との連結は、第1乗り継ぎユニット20のソレノイド構造部25によるテーブルTと第1搬送部21との連結の解除の後に行われてもよい。この場合、第1乗り継ぎユニット20から第2乗り継ぎユニット40へのテーブルTの円滑な乗り継ぎの観点から、第1乗り継ぎユニット20のソレノイド構造部25によるテーブルTと第1搬送部21との連結の解除から、ソレノイド構造部45によるテーブルTと第2搬送部41との連結までの時間は短い方が望ましい。
【0101】
ソレノイド構造部25がテーブルTと第1搬送部21との連結を解除すると共に、ソレノイド構造部45がテーブルTと第2搬送部41とを連結することで、第1乗り継ぎユニット20から第2乗り継ぎユニット40へのテーブルTの受け渡しが完了する。
【0102】
次に、
図41に示すように、テーブル移動用モータ42のモータ本体に電力供給ユニット80から電力が供給され、テーブル移動用モータ42の出力軸が回転する。出力軸が回転すると、出力軸の回転力が、ベルト44を介して、テーブル移動用ボールねじ軸43に伝達され、これにより、このテーブル移動用ボールねじ軸43も回転する。テーブル移動用ボールねじ軸43が回転すると、第2搬送部41は、例えば、+Y方向に直線運動をする。この結果、第2搬送部41に連結されているテーブルTが、+Y方向に直線運動をする。テーブルTが+Y方向に直線運動をしていくと、やがて、テーブルTは、第2ユニットハウジング46に対して第2固定部F2に固定されることが可能な固定可能位置まで移動する。本実施の形態において、テーブルT又は第2搬送部41の移動開始位置(受け渡し完了位置)からこの固定可能位置までのY軸方向における長さL4は、テーブル移動用ボールねじ軸43の全長L3のおよそ1/2の長さである(L4≒1/2×L3)。
【0103】
テーブルTが第2ユニットハウジング46に対して第2固定部F2に固定されることが可能な固定可能位置まで移動すると、
図42に示すように、テーブル固定用モータ48のモータ本体に電力が供給される。これにより、テーブル固定用モータ48の出力軸48aが回転する。出力軸48aが回転すると、出力軸48aの回転力が、ベルトを介してテーブル固定用ボールねじ軸49に伝達され、このテーブル固定用ボールねじ軸49も回転する。テーブル固定用ボールねじ軸49が回転すると、第2固定部用搬送部47は、例えば、-Y方向に直線運動をする。この結果、第2固定部用搬送部47に固定されているプレートPも-Y方向に直線運動をする。
【0104】
プレートPが-Y方向に直線運動をすると、
図43に示すように、プレートPに形成されている昇降用ピンPa、Pbが、第2固定部F2に形成されている長孔F2a、F2b内を摺動することで、第2固定部F2が-Z方向に移動することで降下する。この結果、
図44に示すように、第2固定部F2は、第2ユニットハウジング46に対してテーブルTを固定する。
【0105】
次に、
図45に示すように、モータ32のモータ本体に電力が供給されることによって、モータ32の出力軸が回転する。出力軸が回転すると、出力軸の回転力が、折返しユニット34のベルトを介して、第2搬送アクチュエータ30のボールねじ軸に伝達され、これにより、このボールねじ軸も回転する。第2搬送アクチュエータ30のボールねじ軸が回転すると、アクチュエータ用搬送部31は、例えば、+X方向に直線運動をする。この結果、アクチュエータ用搬送部31に設置されている第2乗り継ぎユニット40が、テーブルTと共に+X方向に直線運動をする。
【0106】
アクチュエータ用搬送部31が+X方向に直線運動をしていくと、やがて、第2乗り継ぎユニット40は、電力供給ユニット80の無線電力送電部81から無線電力受電部82が電力を受けることが可能な位置(第1位置)から、無線電力送電部81から無線電力受電部82が電力を受けることができない位置(第2位置)に移動する。
【0107】
以上により、搬送システム100におけるテーブルTの搬送が完了する。
【0108】
以上、説明したように、本実施の形態に係る搬送システム100において、
図1及び
図3に示すように、搬送装置1は、第1搬送アクチュエータ10に加えて、第1乗り継ぎユニット20を備える。同様に、隣接搬送装置2は、第2搬送アクチュエータ30に加えて、第2乗り継ぎユニット40を備える。そして、第1乗り継ぎユニット20は、テーブルTを第2乗り継ぎユニット40へ受け渡し可能に形成されている。このため、搬送システム100においては、第1搬送アクチュエータ10及び第2搬送アクチュエータ30と異なる構造の装置、例えば、ベルトコンベアなどを使用することなく、搬送装置1から隣接搬送装置2にテーブルTを受け渡すことが可能になる。この結果、本実施の形態に係る搬送装置1及び搬送システム100は、テーブルTに支持される被搬送物を用いた製造ラインを容易に形成することができる。
【0109】
また、本実施の形態に係る搬送システム100において、搬送装置1は、隣接搬送装置2と同等の構造を有する。このため、本実施の形態においては、同一の装置を並べることで、製造ラインを容易に形成することができる。また、製造ラインを構成する搬送装置1又は隣接搬送装置2の組み替えも容易に行うことができる。
【0110】
また、本実施の形態に係る搬送システム100では、第1搬送アクチュエータ10と第2搬送アクチュエータ30との間にベルトコンベアが配置されているものに比べて、テーブルT又は被搬送物の停止位置の精度を向上させることができる。ひいては、搬送システム100を用いた作業効率、作業精度を向上させることができる。
【0111】
また、本実施の形態においては、製造ラインを構成する装置の配置の自由度を向上させることができる。
【0112】
また、本実施の形態においては、第1乗り継ぎユニット20は、
図21に示すように、第1ユニットハウジング26に対して、テーブルTを固定する第1固定部F1を有する。このため、搬送システム100は、第1乗り継ぎユニット20に対してテーブルTを固定しつつ、第1乗り継ぎユニット20を移動させることができる。これにより、搬送システム100は、テーブルT及びそれに支持される被搬送物を安定して移動させることができる。
【0113】
同様に、第2乗り継ぎユニット40は、
図44に示すように、第2ユニットハウジング46に対して、テーブルTを固定する第2固定部F2を有する。このため、搬送システム100は、第2乗り継ぎユニット40に対してテーブルTを固定しつつ、第2乗り継ぎユニット40を移動させることができる。これにより、搬送システム100は、テーブルT及びそれに支持される被搬送物を安定して移動させることができる。
【0114】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態によって限定されるものではない。
【0115】
例えば、本実施の形態に係る搬送システム100では、
図46に示すように、第2搬送アクチュエータ30に対して第2乗り継ぎユニット40が移動する第3方向D3は、第2ユニットハウジング46に対して第2搬送部41が移動する第4方向D4と直交する方向である。しかしながら、これに限られない。
図47に示す変形例1に係る搬送システム100Aのように、第3方向D3は、第4方向D4と同一の方向であってもよい。また、
図48に示す変形例2に係る搬送システム100Bのように、第3方向D3は、第4方向D4と同一の方向や直交する方向以外の交差する方向であってもよい。
【0116】
同様に、第1搬送アクチュエータ10に対して第1乗り継ぎユニット20が移動する第1方向D1は、第1ユニットハウジング26に対して第1搬送部21が移動する第2方向D2と同一の方向であるが、これに限られない。第1方向D1は、第2方向D2と直交する方向を含む交差する方向であってもよい。
【0117】
電力供給ユニット70は、
図24に示すように、無線電力送電部71と、無線電力受電部72とを有する。そして、無線電力受電部72は、線を使わずに、無線電力送電部71からの電力が供給される。しかしながら、これに限られない。電力供給ユニット70は、有線で電力を送電する電力送電部と、有線で電力を受電する電力受電部とを有していてもよい。ただし、製造ラインを容易に形成することができる観点から、電力供給ユニット70は、無線で電力を送受電する無線電力送電部71及び無線電力受電部72を有している方が好ましい。
【0118】
また、上記実施の形態では、電力供給ユニット80は、
図42に示すように、無線電力送電部81と、無線電力受電部82とを有する。そして、無線電力受電部82は、線を使わずに、無線電力送電部81からの電力が供給される。しかしながら、これに限られない。電力供給ユニット80は、有線で電力を送電する電力送電部と、有線で電力を受電する電力受電部とを有していてもよい。ただし、製造ラインを容易に形成することができる観点から、電力供給ユニット80は、無線で電力を送受電する無線電力送電部81及び無線電力受電部82を有している方が好ましい。
【0119】
また、上記実施の形態に係る搬送システム100は、搬送装置1と隣接搬送装置2との2つの装置を備える。しかしながら、これに限られず、搬送システム100が有する装置の数は任意であり、搬送システム100の被搬送物の種類や製造方法に合わせて、装置の数を適宜変更することができる。例えば、
図49に示す変形例3のように、搬送システム100Cは、搬送装置1及び隣接搬送装置2に加えて第3の搬送装置3を備えていてもよい。この場合、第3の搬送装置3は、搬送装置1と同様に、第3搬送アクチュエータ50と、第3乗り継ぎユニット60と、無線電力送電部91及び無線電力受電部92を有する電力供給ユニット90とを備える。また、隣接搬送装置2においては、電力供給ユニット80は2つの無線電力送電部81を有する。2つの無線電力送電部81は、第2搬送アクチュエータ30の-X側及び+X側の両方の端部近傍に配置されている。
【0120】
また、
図50に示す変形例4のように、搬送システム100Dは、搬送装置1を含む4つ以上の装置を備えていてもよい。
【0121】
また、上記実施の形態では、
図8に示すように、テーブルTには、ソレノイド構造部25(第1連結部)のピン25aが嵌め込まれる孔Ta(第1被連結部)が形成されている。そして、ピン25aが孔Taに嵌め込まれることで、ソレノイド構造部25は、テーブルTと第1搬送部21とを連結する。しかしながら、ソレノイド構造部25の連結に関する構造は、これに限られない。テーブルTと第1搬送部21とを連結することができる構造であれば、上記実施の形態以外の構造であってもよい。
【0122】
また、上記実施の形態では、
図40に示すように、テーブルTには、ソレノイド構造部45(第2連結部)のピン45aが嵌め込まれる孔Tb(第2被連結部)が形成されている。そして、ピン45aが孔Tbに嵌め込まれることで、ソレノイド構造部45は、テーブルTと第2搬送部41とを連結する。しかしながら、ソレノイド構造部45の連結に関する構造は、これに限られない。テーブルTと第2搬送部41とを連結するができる構造であれば、上記実施の形態以外の構造であってもよい。
【0123】
また、
図3に示すように、隣接搬送装置2は、搬送装置1に対して隣り合っていたり、接近して配置されていたりすればよく、必ずしも搬送装置1に接触して配置されていなくてもよい。
【0124】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0125】
1:搬送装置
2:隣接搬送装置
3:第3の搬送装置
10:第1搬送アクチュエータ
11:(第1の)アクチュエータ用搬送部
12:モータ
13:アクチュエータハウジング
14:折返しユニット
20:第1乗り継ぎユニット
21:第1搬送部
22:テーブル移動用モータ(支持部移動用モータ)
23:テーブル移動用ボールねじ軸(支持部移動用ボールねじ軸)
24:ベルト
25:ソレノイド構造部(第1連結部)
25a:ピン
25a-1:リニアブッシュ
25b:ソレノイド
25b-1:プランジャ
25c:ピンジョイント
25c-1:ピン
25c-2:ワッシャ
25c-3:長孔
25d:ピン駆動基部
25d-2:ボルト
25e:ピンスライドガイド部材
25f、25g:ガイドピン
25g-1:リニアブッシュ
25g-2:セットスクリュー
25h:スプリング
26:第1ユニットハウジング
27:第1固定部用搬送部
28:テーブル固定用モータ(支持部固定用モータ)
28a:出力軸(回転軸)
29:テーブル固定用ボールねじ軸(支持部固定用ボールねじ軸)
30:第2搬送アクチュエータ
31:(第2の)アクチュエータ用搬送部
32:モータ
33:アクチュエータハウジング
34:折返しユニット
40:第2乗り継ぎユニット
41:第2搬送部
42:テーブル移動用モータ(支持部移動用モータ)
43:テーブル移動用ボールねじ軸(支持部移動用ボールねじ軸)
44:ベルト
45:ソレノイド構造部(第2連結部)
45a:ピン
45b:ソレノイド
45b-1:プランジャ
45c:ピンジョイント
45c-3:長孔
45d:ピン駆動基部
45f、45g:ガイドピン
45h:スプリング
46:第2ユニットハウジング
47:第2固定部用搬送部
48:テーブル固定用モータ
48a:出力軸(回転軸)
49:テーブル固定用ボールねじ軸(支持部固定用ボールねじ軸)
50:第3搬送アクチュエータ
60:第3乗り継ぎユニット
70、80、90:電力供給ユニット
71、81、91:無線電力送電部
72、82、92:無線電力受電部
100:搬送システム
F1:第1固定部
F1a、F1b:長孔
F1c:フランジ
F2:第2固定部
F2a、F2b:長孔
P:プレート
Pa、Pb:昇降用ピン
T:テーブル(支持部)
Ta:孔(第1被連結部)
Tb:孔(第2被連結部)
Tc:被嵌込溝
D1:第1方向
D2:第2方向
D3:第3方向
D4:第4方向
A1、A2、A3、A4:矢印
L1、L3:全長
L2、L4:長さ