IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スタンレー電気株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-導光板及びその製造方法 図1
  • 特開-導光板及びその製造方法 図2
  • 特開-導光板及びその製造方法 図3
  • 特開-導光板及びその製造方法 図4
  • 特開-導光板及びその製造方法 図5
  • 特開-導光板及びその製造方法 図6
  • 特開-導光板及びその製造方法 図7
  • 特開-導光板及びその製造方法 図8
  • 特開-導光板及びその製造方法 図9
  • 特開-導光板及びその製造方法 図10
  • 特開-導光板及びその製造方法 図11
  • 特開-導光板及びその製造方法 図12
  • 特開-導光板及びその製造方法 図13
  • 特開-導光板及びその製造方法 図14
  • 特開-導光板及びその製造方法 図15
  • 特開-導光板及びその製造方法 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062003
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】導光板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20240430BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
F21S2/00 455
F21V8/00 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169719
(22)【出願日】2022-10-24
(71)【出願人】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100011
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 省三
(72)【発明者】
【氏名】沖 庸次
(72)【発明者】
【氏名】宮本 隆志
(72)【発明者】
【氏名】ゴー リングウェイ
【テーマコード(参考)】
3K244
【Fターム(参考)】
3K244AA01
3K244BA08
3K244BA11
3K244BA48
3K244CA05
3K244EA02
3K244EA12
3K244EC03
3K244EC14
3K244EC28
3K244EC29
3K244LA02
(57)【要約】
【課題】光取り出し効率が高くかつ輝度むらを少なくした、光源を側面に有するサイドエッジ型面照明装置用の導光板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】配光制御面Scontから見た凹部の曲面状傾斜面11は配光制御面Scontに投影される輪郭形状が長さWの弦H1と矢高L1を有する第1の円弧形状をなし、配光制御面Scontから見た凹部の曲面状傾斜面12は長さWの弦H1と矢高L2を有する第2の円弧形状をなしている。L1>L2であり、長さWと矢高L1で規定される第1の円弧形状は長さWと矢高L2で規定される第2の円弧形状より大きい。つまり、第1の円弧形状の曲率は第2の円弧形状の曲率より大きい。入光面Sinに投影された曲面状傾斜面11の輪郭形状及び反入光面Sin’に投影された曲面状傾斜面12の輪郭形状は長さWの弦H2と導光板100の配光制御面Scontからの深さdで規定される第3の円弧形状をなしている。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板形状を有し、前記平板の端面に入光面、前記平板の主面を出光面、前記出光面の反対側の主面を配光制御面、前記入光面に反対側に位置する端面を反入光面とする導光板であって、
前記配光制御面には凹状に疑似半紡錘型反射ドットが設けられており、
前記疑似半紡錘型反射ドットは、
前記入光面側に設けられた第1の曲面状傾斜面と、
前記第1の曲面状傾斜面に対して前記反入光面側に設けられ、前記第1の曲面状傾斜面に結合した第2の曲面状傾斜面と
を具備し、
前記配光制御面から見て前記第1の曲面状傾斜面は第1の円弧形状をなし、
前記配光制御面から見て前記第2の曲面状傾斜面は第2の円弧形状をなし、
前記入光面から見て前記第1の曲線状傾斜面は第3の円弧形状をなし、
前記反入光面から見て前記第2の曲線状傾斜面は前記第3の円弧形状をなしている導光板。
【請求項2】
平板形状を有し、前記平板の端面に入光面、前記平板の主面を出光面、前記出光面の反対側の主面を配光制御面、前記入光面に反対側に位置する端面を反入光面とする導光板であって、
前記配光制御面には凸状に疑似半紡錘型反射ドットが設けられており、
前記疑似半紡錘型反射ドットは、
前記反入光面側に設けられた第1の曲面状傾斜面と、
前記第1の曲面状傾斜面に対して前記入光面側に設けられ、前記第1の曲面状傾斜面に結合した第2の曲面状傾斜面と
を具備し、
前記配光制御面から見て前記第1の曲面状傾斜面は第1の円弧形状をなし、
前記配光制御面から見て前記第2の曲面状傾斜面は第2の円弧形状をなし、
前記反入光面から見て前記第1の曲線状傾斜面は第3の円弧形状をなし、
前記入光面から見て前記第2の曲線状傾斜面は前記第3の円弧形状をなしている導光板。
【請求項3】
前記第1の円弧形状の矢高は、前記第2の円弧形状の矢高より大きい請求項1または2に記載の導光板。
【請求項4】
前記第1の曲線状傾斜面の前記配光制御面の法線に対する角度θ1とし、前記第2の曲線状傾斜面の前記配光制御面の法線に対する角度θ2としたとき、
θ1>θ2
である請求項1または2に記載の導光板。
【請求項5】
θ1は30°~89°であり、θ2は0°~60°である請求項4に記載の導光板。
【請求項6】
前記疑似半紡錘型反射ドットの幅は5μm~75μmである請求項1または2に記載の導光板。
【請求項7】
前記疑似半紡錘型反射ドットの深さ又は高さは1μm~10μmである請求項1または2に記載の導光板。
【請求項8】
請求項1または2に記載の導光板の製造方法であって、
金型に、前記疑似半紡錘型反射ドットの複数個に相当する複数の凹ドットを形成して凹ドット金型を機械加工するための凹ドット金型機械加工工程を具備する導光板の製造方法。
【請求項9】
前記凹ドット金型機械加工工程は切削バイト及び該切削バイトを駆動する圧電素子装置を用いる請求項8に記載の導光板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示(LCD)装置等に用いられ、光源を側面に有するサイドエッジ型面照明装置用の導光板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LCD装置の面照明装置として薄型化、軽量化の点で優れたサイドエッジ型面照明装置が広く用いられている。
【0003】
図12は一般的なサイドエッジ型面照明装置を示す図である。
【0004】
図12において、サイドエッジ型面照明装置Uは、導光板100、及び発光ダイオード(LED)素子等よりなる光源200によって構成され、たとえばLCDパネル300を照明する。導光板100は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の透光性材料よりなり、光源200が設けられた入光面Sin、LCDパネル300に対向した出光面Sout、出光面Soutの反対側に位置する配光制御面Scont及び入光面Sinの反対側に位置する反入光面Sin’を有する。光源200から光R1は導光板100の配光制御面Scontに設けられた反射ドット100aで反射され、その反射光R2で出光面SoutからLCDパネル300を照明する。
【0005】
図13は第1の従来の導光板を用いたサイドエッジ型面照明装置を示し、(A)は全体断面図、(B)は(A)の三角型反射ドットの斜視図である(参照:特許文献1)。
【0006】
図13の(A)においては、導光板101の配光制御面Scontに側面視で三角型の凹部である三角型反射ドット101aが設けられている。光源200からの光R1は導光板101の三角型反射ドット101aの傾斜面1011で反射され、その反射光R2で出光面SoutからLCDパネル300を照明する。また、図13の(B)に示すように、三角型反射ドット101aは、平面の組み合わせから構成され、2つの傾斜面1011、1012、2つの側面1013、1014を有する。
【0007】
図14は第2の従来の導光板を用いたサイドエッジ型面照明装置を示し、(A)は全体断面図、(B)は(A)の丸型反射ドットの斜視図である。
【0008】
図14の(A)においては、導光板102の配光制御面Scontに円錐台形型の凹部である丸型反射ドット102aが設けられている。光源200からの光R1は導光板102の丸型反射ドット102aの傾斜面1022で反射し、その反射光R2で出光面SoutからLCDパネル300を照明する。また、図14の(B)に示すように、丸型反射ドット102aは、円錐台形状をなしており、円形底面1021及びその円周上に設けられた傾斜面1022を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009-81094号公報(特許第5066741号公報)
【特許文献2】特開2011-51285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、図13に示す第1の従来の導光板101においては、図15の(A)に示すごとく、傾斜面1011は光源200からの光R1の反射面として有効な領域として作用するが、傾斜面1012は光源200と反対側に位置しているので、傾斜面1012は光R1が入光しにくく、反射面としての機能を期待できない無効な領域となる。また、図15の(B)に示すごとく、光源200の光R1が側面1013、1014に入光しても、その反射光R2’はLCDパネル300に向かわない。従って、光源200の光R1の利用効率が低く、つまり、光取り出し効率の向上に改善の余地がある。また、図15の(C)に示すごとく、傾斜面1011は平面的であるため、光源200からの光R1が、特にR1a、R1b、R1cの複数経路を持つ場合、傾斜面1011で反射してLCDパネル300へ向かう反射光R2a、R2b、R2cを拡散するように制御することが出来ず、輝度むらの原因となるという課題もある。さらに、三角型反射ドット101aは直線状をなしているので、LCDパネル300の直線的要素、例えば配線パターンと干渉してモワレが生じ易いという課題もある。
【0011】
上記モワレが生じやすい課題は、特に、フロントライト式の表示装置において問題視されている。バックライト式の表示装置の場合、導光板とLCDパネルとの間に光拡散シートを挟むことでモワレ等の見栄えに悪影響を及ぼす要素を目立たない様にすることが可能である。しかし、フロントライト式の場合、光を拡散させてしまうと、LCDパネルの表示すらも見えにくくしてしまう。よってフロントライト式の表示装置の場合には、モワレの発生を抑えるように対策をする事が好ましい。
【0012】
他方、図14に示す第2の従来の導光板102においては、図16に示すごとく、光源200側の傾斜面1022―1は光源200からの光R1の反射面として有効な領域として作用するが、光源200側と反対側の傾斜面1022-2は光源200と反対側に位置しているので、傾斜面1022-2は光R1が入光しにくく、反射面としての機能を期待できない無効な領域となる。また、円形底面1021の存在のために、無効な領域がさらに大きくなる。従って、光源200の光R1の利用効率が低く、つまり、取り出し効率が低く、かつ平面視で円型反射ドット102の専有面積が大きくなり、導光板102の透過率が小さくなるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の課題を解決するために、本発明に係る導光板は、平板形状を有し、平板の端面に入光面、平板の主面を出光面、出光面の反対側の主面を配光制御面、入光面に反対側に位置する端面を反入光面とする導光板であって、配光制御面には凹状に疑似半紡錘型反射ドットが設けられており、疑似半紡錘型反射ドットは、入光面側に設けられた第1の曲面状傾斜面と、第1の曲面状傾斜面に対して反入光面側に設けられ、第1の曲面状傾斜面に結合した第2の曲面状傾斜面とを具備し、配光制御面から見て第1の曲面状傾斜面は第1の円弧形状をなし、配光制御面から見て第2の曲面状傾斜面は第2の円弧形状をなし、入光面から見て第1の曲線状傾斜面は第3の円弧形状をなし、反入光面から見て第2の曲線状傾斜面は第3の円弧形状をなし、第1の円弧形状の曲率は第2の円弧形状の曲率より大きいものである。
【0014】
また、本発明に係る導光板の製造方法は、上述の導光板の製造方法であって、金型に、疑似半紡錘型反射ドットの複数個に相当する複数の凹ドットを形成して凹ドット金型を機械加工するための凹ドット金型機械加工工程を具備するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、光の取り出し効率低下を抑制しつつ、反射ドット形成による透過率低下を低減した導光板が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る導光板の実施の形態を含むサイドエッジ型面照明装置を示す断面図である。
図2図1の疑似半紡錘型反射ドットの詳細を示し、(A)は斜視図、(B)は配光制御面から見た平面図、(C)は側面図、(D)は入光面から見た前面図、(E)は反入光面から見た後面図である。
図3図1の導光板の効果を説明するための図である。
図4図1の導光板1の配光制御面側の疑似半紡錘型反射ドットの配置を示し、(A)は上面図、(B)はY方向ピッチの変化を示すグラフ、(C)はY方向ピッチを示す。
図5図13の丸型反射ドットによる導光板と図1の疑似半紡錘型反射ドットによる導光板との輝度を比較したシミュレーションを説明する図であって、(A)は入光面から反入光面までの出射光の輝度分布を示し、(B)はドットの深さは4μmと同一であることを示し、(C)は導光板平面視におけるドットの配置を示す。
図6図1の導光板の製造方法を説明するための図である。
図7図1の精密ロール機械加工工程を説明するための図である。
図8図1の導光板の配光分布を説明するための図であって、(A)は極座標表示、(B)は2次元表示である。
図9図1のサイドエッジ型面照明装置の変更例を示す断面図である。
図10図9の疑似半紡錘型反射ドットの詳細を示し、(A)は斜視図、(B)は配光制御面から見た平面図、(C)は側面図、(D)は入光面から見た前面図、(E)は反入光面から見た後面図である。
図11図9の導光板の製造方法を説明するための図である。
図12】一般的なサイドエッジ型面照明装置を示す全体斜視図である。
図13】第1の従来の導光板を含むサイドエッジ型面照明装置を示し、(A)は全体斜視図、(B)は(A)の三角型反射ドットの拡大斜視図である。
図14】第2の従来の導光板を含むサイドエッジ型面照明装置を示し、(A)は全体斜視図、(B)は(A)の丸型反射ドットの拡大斜視図である。
図15図13の導光板の課題を説明するための図である。
図16図14の導光板の課題を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は本発明に係る導光板の実施の形態を含むサイドエッジ型面照明装置を示す断面図である。
【0018】
図1において、導光板1の配光制御面Scontに側面視で非対称の疑似半紡錘型の凹部である疑似半紡錘型反射ドット1aが設けられている。すなわち、疑似半紡錘型反射ドット1aは非対称の入光面Sin側の曲面状傾斜面11及び反入光面Sin’側の曲面状傾斜面12よりなる。光源200からの光R1は疑似半紡錘型反射ドット1aの曲面状傾斜面11で反射され、その反射光R2で出射面SoutからLCDパネル300を照明する。
【0019】
図1の疑似半紡錘型反射ドット1aの詳細を図2を参照して説明する。尚、図2において、(A)は斜視図、(B)は配光制御面から見た平面図、(C)は側面図、(D)は入光面から見た前面図、(E)は反入光面から見た後面図である。
【0020】
図2の(A)、(B)に示すように、配光制御面Scontから見た凹部の曲面状傾斜面11は、配光制御面Scontに投影される輪郭形状が長さ(疑似半紡錘型反射ドットにおける長手方向の幅)Wの弦H1と矢高(円弧の深さ)L1を有する第1の円弧形状をなし、また、配光制御面Scontから見た凹部の曲面状傾斜面12は長さWの弦H1と矢高L2を有する第2の円弧形状をなしている。この場合、L=L1+L2は疑似半紡錘型反射ドット1aの入光面Sin側から見た奥行きである。ここで、L1>L2であり、従って、長さWと矢高L1で規定される第1の円弧形状は長さWと矢高L2で規定される第2の円弧形状より大きい。つまり、第1の円弧形状の曲率は第2の円弧形状の曲率より大きい。また、図2の(C)は、疑似半紡錘型反射ドット1aを入光面Sinに垂直な面(導光板1の側面)に投影された輪郭形状である。図2の(C)において、曲面状傾斜面11の輪郭線の配光制御面Scontの法線に対する角度をθ1とし、曲面状傾斜面12の輪郭線の配光制御面Scontの法線に対する角度をθ2とすれば、θ1>θ2である。尚、第1、第2の円弧形状は三日月状、半月状等も含む。
【0021】
図2の(D)に示すように、入光面Sinから見た曲面状傾斜面11、すなわち入光面Sinに投影された曲面状傾斜面11の輪郭形状は長さWの弦H2と導光板1の配光制御面Scontからの深さdとで規定される第3の円弧形状をなし、また、図2の(E)に示すように、反入光面Sin’から見た曲面状傾斜面12、すなわち反入光面Sin’に投影された曲面状傾斜面12の輪郭形状も長さWの弦H2を有する深さdで規定される同一の第3の円弧形状をなしている。尚、第3の円弧形状は三日月状、半月状等を含む。
【0022】
配光制御面Scontに投影された第1の円弧形状は、弦H1から深さ方向(導光板の入光面Sinに平行な方向)に形成された第3の円弧形状まで滑らかに接続された曲面を有し、これが曲面状傾斜面11を構成している。同様に、配光制御面Scontに投影された第2の円弧形状は、弦H2(弦H1と同じ)から深さ方向(導光板の入光面Sinに平行な方向)に形成された第3の円弧形状まで滑らかに接続された曲面を有し、これが曲面状傾斜面12を構成している。
【0023】
図2に示すように、曲面状傾斜面11、12の結合体である疑似半紡錘型反射ドット1aは次のごとく定義される。
W:曲面状傾斜面11、12の配光制御面Scontに投影される輪郭形状弦H1の長さ
d:曲面状傾斜面11、12の導光板1の配光制御面Scontからの深さ
θ1:曲面状傾斜面11の配光制御面Scontの法線に対する傾斜角
θ2:曲面状傾斜面12の配光制御面Scontの法線に対する傾斜角
但し、θ1>θ2
このように、疑似半紡錘型反射ドット1aは4つのパラメータW、d、θ1、θ2及び条件θ1>θ2によって定義される。この場合、好ましくは、
W=5~75μm、たとえば30μm
d=1~10μm、たとえば4μm
θ1=30~89°、たとえば55°
θ2=0~60°、たとえば10°
である。W、dが小さ過ぎると、加工精度によるばらつきが大きく、輝度むらが発生し易くなり、W、dが大き過ぎると、反射ドットが目視され、導光板用途、特にフロントライト用導光板として好ましくない。また、θ1が30°未満であると、曲面状傾斜面11によって反射されて出射面へ向かう光が少なくなってしまうことがある。ほか、θ1が90°のときには、反射ドットを構成しない。さらに、θ2が60°を超えると、導光板1の透明度が低下する事があるため、好ましくない。
【0024】
尚、曲面状傾斜面11、12の矢高L1、L2は近似的に次式で与えられる。
L1=d・tanθ1
L2=d・tanθ2
従って、疑似半紡錘型反射ドット1aは4つのパラメータW、d、L1、L2及び条件L1>L2によっても定義できる。
【0025】
図3図1の疑似半紡錘型反射ドット1aの効果を説明するための図である。
【0026】
図3の(A)に示すごとく、曲面状傾斜面11は光源200からの光R1の反射面として有効な領域として作用し、曲面状傾斜面12は光源200と反対側に位置しているので、光源200の光R1は入射しにくく、無効な領域となるが、曲面状傾斜面12は曲面状傾斜面11より小さいので、無効な領域は小さい。また、図3の(B)に示すごとく、三角型反射ドット101の場合のような側面は存在しない。従って、光源200の光R1の利用効率が高く、つまり、光の取り出し効率が高くなる。さらに、三角型反射ドット101と比べて、直線状の構成要素が少ないため、LCDパネル300にモワレが生じにくい。
【0027】
また、丸型反射ドット102aの場合のような円形底面1021が存在しないので、疑似半紡錘型反射ドット1aの占有面積は小さい。従って、丸型反射ドット102aに比べ占有面積が小さい疑似半紡錘型反射ドット1aを形成することによって、導光板の輝度を丸型反射ドット102aを形成した従来の導光板と同等程度に保ちながらも透過率の高い導光板を実現できる。
【0028】
また、図3の(B)に示すごとく、光源200からの光が特にR1a、R1b、R1cの複数経路を持つ場合、曲面状傾斜面11で反射してLCDパネル300へ向かう反射光R2a、R2b、R2cが拡散するように制御することができるため、輝度むらを軽減できる。
【0029】
図4図1の導光板1の配光制御面側の疑似半紡錘型反射ドットの配置を説明するための図であって、(A)は上面図、(B)はY方向ピッチを示すグラフ、(C)はY方向ピッチを示す。
【0030】
図4の(A)において、複数の疑似半紡錘型反射ドット1aを配置する場合、入光面Sinから反入光面Sin’にかけて光源200の光R1が弱くなるので、ドット密度を図4の(B)、(C)のY方向ピッチに従って小さくすることによって到達する光R1を入光面Sinから反入光面Sin’にかけて均一にする。この場合、Y方向において、ドットが1つ前のドットの陰にならないようにX方向の位置をずらしてある。尚、この場合、千鳥配置としてもよい。また、Y方向ピッチを変化させる代りに、疑似半紡錘型反射ドット1aのZ方向深さdを変化させたり、矢高(=L1+L2)を変化させたりしてもよい。Z方向深さdを変化させたり、矢高Lを変化させたりする場合には、局所的に配光特性が変化しないように、疑似半紡錘型反射ドットは相似形とする。
【0031】
図5図13の丸型反射ドットによる導光板と図1の疑似半紡錘型反射ドットによる導光板との輝度を比較したシミュレーションを説明する図であって、(A)は入光面Sinから反入光面Sin’までの出射光の輝度分布を示し、(B)はドットの深さは4μmと同一であることを示し、(C)は導光板平面視におけるドットの配置を示す。(A)において双方の導光板の輝度がおよそ一致する区間である入光面Sinから20[mm]地点から170[mm]地点の間で比較を行うと、反射ドット1個当たりのパターン面積A[mm]については、丸型反射ドット102aでは7.68×10-4[mm]であり、疑似半紡錘型反射ドット1aでは1.39×10-4[mm]であり、また、同一エリア(B=1574[mm])内のドット数(N)については、丸型反射ドット102aでは66563[mm]であり、疑似半紡錘型反射ドット1aでは225438[mm]であった。従って、面積率(このエリア内に占める反射ドットの割合)=A×N÷Bについては、丸型反射ドット102aでは3.25%であり、疑似半紡錘型反射ドット1aでは1.99%であった。すなわち、疑似半紡錘型反射ドット1aは、丸型反射ドット102aに比較して、ドット形成面積に対する光取り出し効率が高く、導光板の輝度を従来と同等程度に保ちながら透過率の高い導光板を実現できる。
【0032】
図1の疑似半紡錘型反射ドット1aの導光板1の製造に使用する金型の製造方法としては、ダイヤモンドバイトを圧電素子装置に取付けて凹ドットを金型に形成する超精密機械加工法を利用できる(参照:特許文献2)。この方法は、反射ドット1aの表面を鏡面とすることができるため、疑似半紡錘型反射ドット1aによる正確な配光制御ができるようになる。また、製造装置がフォトリソ加工に使用する装置らと比べて安価である。
【0033】
図6図1の導光板の製造方法を説明するための図である。
【0034】
始めに、図6の(A)に示す超精密ロール機械加工工程を参照すると、銅、黄銅等のめっきを施した円筒状の金型601を回転させ、ダイヤモンドバイト602を圧電素子装置(FTS)603で上下深さ方向に移動させて疑似半紡錘型反射ドット1aに相当する凹ドットを形成する。これにより、凹ドット金型601を得る。図7に示すダイヤモンドバイト602、圧電素子装置603は精密旋盤、精密平板切削装置等の加工機に用いられてもよい。
【0035】
次に、図6の(B)に示す樹脂シート反転工程を参照すると、凹ドット金型601の凹ドットを親としてドット反転して凸ドット樹脂シート604を得る。
【0036】
次に、図6の(C)に示す電鋳反転工程を参照すると、凸ドット樹脂シート604を親として電鋳反転して凹ドット樹脂シート605を得る。
【0037】
次に、図6の(D)に示す電鋳反転工程を参照すると、凹ドット樹脂シート605を親として電鋳反転して凸ドット樹脂シート606を得る。尚、凸ドット樹脂シート606を複数得ることによってスタンパー化(量産パターン化)する。
【0038】
次に、図6の(E)に示すロール金型化工程を参照すると、凸ドット樹脂シート606を金型に巻くことにより凸ドット金型607を得る。
【0039】
最後に、図6の(F)を参照すると、凸ドット金型607を用いて導光板1の配光制御面Scontに複数個の疑似半紡錘型反射ドット1aを同時に形成する。
【0040】
図6に示す製造方法によれば、ダイヤモンドバイト602による微細な切削によって凹ドット金型601の凹ドット面は三次元の鏡面となり、これを用いた凹ドット導光板1の疑似半紡錘型反射ドット1aも鏡面となり、光を精度よく配光できる。また、圧電素子装置603は電気的制御を行うことによってダイヤモンドバイト602を深さ方向へ往復させることができ、回転している金型601に対してダイヤモンドバイト602が高速で凹ドットを彫り込むことが可能である。そのため、短時間で金型601の凹ドット加工ができる。
【0041】
図8図1の疑似半紡錘型反射ドット1aを用いた導光板の配光分布を示し、(A)は極座標表示、(B)は2次元表示である。
【0042】
図8から分るように、曲面状傾斜面11の角度θ1を55°、58°、60°、65°と変化させると、配光特性が変化することが分る。特に、製造方法において、ダイヤモンドバイト602の刃物角を変更することや、切削方向に直交する方向への傾きを変更する事によって、曲面上傾斜面11の角度θ1を変化させる事が可能であり、これにより配光特性を変化させることができる。そのため、要求事項に応じたバックライトの効率化が可能である。
【0043】
例えば、θ1が大きいほど反入光面Sin’側へ配光特性が変化するので、アイポイントがY方向において導光板中央直上より反入光面Sin’側に設定される場合は、θ1を大きく設定することで反射光R2を反入光面Sin’側へより多く出射でき、アイポイントにおける表示装置の視認性を向上させることが可能である。
【0044】
反対に、アイポイントがY方向において導光板中央直上より入光面Sin側に設定される場合は、θ1を小さく設定することで反射光R2を入光面Sin側へより多く出射でき、アイポイントにおける表示装置の視認性を向上させることが可能である。
【0045】
より好ましくは、θ1は大きい方が反射率が高いため、想定されるアイポイントがY方向において導光板中央直上から外れている場合には、光源200と入光面Sinの位置はY方向におけるアイポイントの位置する方向と反対方向の側面に設定すると光の利用効率が向上する。
【0046】
また、Y方向において光源に近い反射ドットの曲面状傾斜面11の角度θ1Aを大きく、アイポイント直下領域に近い反射ドットの曲面状傾斜面11の角度θ1Bをθ1Aより小さく、Y方向においてアイポイント直下領域以降に位置する反射ドットの曲面状傾斜面11の角度θ1Cをθ1Bより小さくする事によって、表示装置のアイポイントに向けて配光を集中させる事も可能である。
【0047】
反対に、Y方向において光源に近い反射ドットの曲面状傾斜面11の角度θ1Aを小さく、アイポイント直下領域に近い反射ドットの曲面状傾斜面11の角度θ1Bをθ1Aより大きく、Y方向においてアイポイント直下領域以降に位置する反射ドットの曲面状傾斜面11の角度θ1Cをθ1Bより大きくする事によって、表示装置の視野角を高める事も可能である。
【0048】
図9図1の導光板の変更例を含むサイドエッジ型面照明装置を示す断面図である。
【0049】
図9において、導光板1’の配光制御面Scontに側面視で非対称の疑似半紡錘型の凸部である疑似半紡錘型反射ドット1’aが設けられている。すなわち、疑似半紡錘型反射ドット1’aは非対称の反入光面Sin’側の凸部の曲面状傾斜面11及び入光面Sin側の凸部の曲面状傾斜面12よりなる。光源200からの光R1は疑似半紡錘型反射ドット1’aの曲面状傾斜面11で反射され、その反射光R2で出射面SoutからLCDパネル300を照明する。
【0050】
図9の疑似半紡錘型反射ドット1’aの詳細を図10を参照して説明する。尚、図10において、(A)は斜視図、(B)は配光制御面から見た平面図、(C)は側面図、(D)は入光面から見た前面図、(E)は反入光面から見た後面図である。
【0051】
図10の(A)、(B)に示すように、配光制御面Scontから見た凸部の曲面状傾斜面11’は、配光制御面Scontに投影される輪郭形状が長さ(疑似半紡錘型反射ドットにおける長手方向の幅)Wの弦H1と矢高(円弧の深さ)L1を有する第1の円弧形状をなし、また、配光制御面Scontから見た凸部の曲面状傾斜面12’は長さWの弦H1と矢高L2を有する第2の円弧形状をなしている。この場合、L=L1+L2は疑似半紡錘型反射ドット1’aの入光面Sin側から見た奥行きである。ここで、L1>L2であり、従って、長さWと矢高L1で規定される第1の円弧形状は長さWと矢高L2で規定される第2の円弧形状より大きい。つまり、第1の円弧形状の曲率は第2の円弧形状の曲率より大きい。また、図10の(C)は、疑似半紡錘型反射ドット1’aを入光面Sinに垂直な面(導光板1’の側面)に投影された輪郭形状である。図10の(C)において、曲面状傾斜面11’の輪郭線と配光制御面Scontの法線に対する角度をθ1とし、曲面状傾斜面12’の輪郭線と配光制御面Scontの法線に対する角度をθ2とすれば、θ1>θ2である。尚、第1、第2の円弧形状は三日月状、半月状等も含む。
【0052】
図10の(D)に示すように、反入光面Sin’から見た曲面状傾斜面11’、すなわち反入光面Sin’に投影された曲面状傾斜面11’の輪郭形状は長さWの弦H2と導光板1’の配光制御面Scontからの高さhで規定される第3の円弧形状をなし、また、図10の(E)に示すように、入光面Sinから見た曲面状傾斜面12’、すなわち入光面Sinに投影された曲面状傾斜面12’の輪郭形状も長さWの弦H2を有する高さhで規定される同一の第3の円弧形状をなしている。尚、第3の円弧形状は三日月状、半月状等を含む。
【0053】
図10に示すように、曲面状傾斜面11’、12’の結合体である疑似半紡錘型反射ドット1’aも次のごとく定義される。
W:曲面状傾斜面11’、12’の配光制御面Scontに投影される輪郭形状弦H1の長さ
h:曲面状傾斜面11’、12’の導光板1’の配光制御面Scontからの高さ
θ1:曲面状傾斜面11’の配光制御面Scontの法線に対する傾斜角
θ2:曲面状傾斜面12’の配光制御面Scontの法線に対する傾斜角
但し、θ1>θ2
このように、疑似半紡錘型反射ドット1’aも4つのパラメータW、h、θ1、θ2及び条件θ1>θ2によって定義される。この場合、好ましくは、
W=5~75μm、たとえば30μm
h=1~10μm、たとえば4μm
θ1=30~89°、たとえば55°
θ2=0~60°、たとえば10°
である。W、hが小さ過ぎると、加工精度によるばらつきが大きく、輝度むらが発生し易くなり、W、hが大き過ぎると、反射ドットが目視され、導光板用途、特にフロントライト用導光板として好ましくない。また、θ1が30°未満であると、曲面状傾斜面11’によって反射され出射面へ向かう光が少なくなってしまう事がある。ほか、θ1が90°のときには、反射ドットを構成しない。さらに、θ2が60°を超えると、導光板1’の透明度が低下する事があるため、好ましくない。
【0054】
尚、曲面状傾斜面11’、12’の矢高L1、L2は近似的に次式で与えられる。
L1=h・tanθ1
L2=h・tanθ2
従って、疑似半紡錘型反射ドット1’aは4つのパラメータW、h、L1、L2及び条件L1>L2によっても定義できる。
【0055】
図9の疑似半紡錘型反射ドット1’aも図1の疑似半紡錘型反射ドット1aの効果と同様の効果を有する。
【0056】
図11図9の導光板の製造方法を説明するための図である。図11においては、図6の製造方法に比較して、電鋳反転工程が少ない。つまり、1つの電鋳反転工程のみである。
【0057】
始めに、図11の(A)に示す超精密ロール機械加工工程を参照すると、銅、黄銅等のめっきを施した円筒状の金型601を回転させ、ダイヤモンドバイト602を圧電素子装置(FTS)603で上下深さ方向に移動させて疑似半紡錘型反射ドット1’aに相当する凹ドットを形成する。これにより、凹ドット金型601を得る。
【0058】
次に、図11の(B)に示す樹脂シート反転工程を参照すると、凹ドット金型601の凹ドットを親としてドット反転して凸ドット樹脂シート604を得る。
【0059】
次に、図11の(C)に示す電鋳反転工程を参照すると、凸ドット樹脂シート604を親として電鋳反転して凹ドット樹脂シート605を得る。尚、凹ドット樹脂シート605を複数得ることによってスタンパー化(量産パターン化)する。
【0060】
次に、図11の(D)に示すロール金型化工程を参照すると、凹ドット樹脂シート605を金型に巻くことにより凹ドット金型607’を得る。
【0061】
最後に、図11の(E)を参照すると、凹ドット金型607’を用いて導光板1’の配光制御面Scontに複数個の疑似半紡錘型反射ドット1’aを同時に形成する。
【0062】
尚、本発明は上述の実施の形態の自明の範囲内でいかなる変更にも適用し得る。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明に係る導光板は、LCD装置のバックライトの導光板に加えて、フロントライト用導光板、例えばLCD装置のみならず電気泳動ディスプレイ用にも利用できる。また、ドットの光学斜面形状を変更することによってバックライトとしても利用できる。さらに、看板用の文字、絵柄等のサインを光らせたり、また、光を正面方向にも配光することができるので、自動車等の照明装置にも利用できる。
【符号の説明】
【0064】
U:サイドエッジ型面照明装置
100、101、102、1、1’:導光板
in:入光面
out:出光面
cont:配光制御面
in’:反入光面
200:光源
300:液晶表示(LCD)パネル
1a、1’a:疑似半紡錘型反射ドット
11、12、11’、12’:曲面状傾斜面
601:凹ドット金型
602:ダイヤモンドバイト
603:圧電素子装置
604:凸ドット樹脂シート
605:凹ドット樹脂シート
606:凸ドット樹脂シート
607:凸ドット金型
607’:凹ドット金型
100a:反射ドット
101a:三角型反射ドット
1011、1012:傾斜面
1013、1014:側面
102a:丸型反射ドット
1021:円形底面
1022:傾斜面
R1:入射光
R2:反射光
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2023-10-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
透光性平板を有し、前記平板の端面に入光面、前記平板の主面を出光面、前記出光面の反対側の主面を配光制御面、前記入光面に反対側に位置する端面を反入光面とする導光板であって、
前記配光制御面には凹状に疑似半紡錘型反射ドットが設けられており、
前記疑似半紡錘型反射ドットは、
前記入光面側に設けられた第1の曲面状傾斜面と、
前記第1の曲面状傾斜面に対して前記反入光面側に設けられ、前記第1の曲面状傾斜面に結合した第2の曲面状傾斜面と
を具備し、
前記配光制御面から見て前記第1の曲面状傾斜面は第1の円弧形状をなし、
前記配光制御面から見て前記第2の曲面状傾斜面は第2の円弧形状をなし、
前記入光面から見て前記第1の曲線状傾斜面は第3の円弧形状をなし、
前記反入光面から見て前記第2の曲線状傾斜面は前記第3の円弧形状をなしている導光板。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項2】
透光性平板を有し、前記平板の端面に入光面、前記平板の主面を出光面、前記出光面の反対側の主面を配光制御面、前記入光面に反対側に位置する端面を反入光面とする導光板であって、
前記配光制御面には凸状に疑似半紡錘型反射ドットが設けられており、
前記疑似半紡錘型反射ドットは、
前記反入光面側に設けられた第1の曲面状傾斜面と、
前記第1の曲面状傾斜面に対して前記入光面側に設けられ、前記第1の曲面状傾斜面に結合した第2の曲面状傾斜面と
を具備し、
前記配光制御面から見て前記第1の曲面状傾斜面は第1の円弧形状をなし、
前記配光制御面から見て前記第2の曲面状傾斜面は第2の円弧形状をなし、
前記反入光面から見て前記第1の曲線状傾斜面は第3の円弧形状をなし、
前記入光面から見て前記第2の曲線状傾斜面は前記第3の円弧形状をなしている導光板。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
図12において、サイドエッジ型面照明装置Uは、導光板100、及び発光ダイオード(LED)素子等よりなる光源200によって構成され、たとえばLCDパネル300を照明する。導光板100は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の透光性材料よりなる平板であって、光源200が設けられた入光面Sin、LCDパネル300に対向した出光面Sout、出光面Soutの反対側に位置する配光制御面Scont及び入光面Sinの反対側に位置する反入光面Sin’を有する。光源200から光R1は導光板100の配光制御面Scontに設けられた反射ドット100aで反射され、その反射光R2で出光面SoutからLCDパネル300を照明する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
上述の課題を解決するために、本発明に係る導光板は、透光性平板を有し、平板の端面に入光面、平板の主面を出光面、出光面の反対側の主面を配光制御面、入光面に反対側に位置する端面を反入光面とする導光板であって、配光制御面には凹状に疑似半紡錘型反射ドットが設けられており、疑似半紡錘型反射ドットは、入光面側に設けられた第1の曲面状傾斜面と、第1の曲面状傾斜面に対して反入光面側に設けられ、第1の曲面状傾斜面に結合した第2の曲面状傾斜面とを具備し、配光制御面から見て第1の曲面状傾斜面は第1の円弧形状をなし、配光制御面から見て第2の曲面状傾斜面は第2の円弧形状をなし、入光面から見て第1の曲線状傾斜面は第3の円弧形状をなし、反入光面から見て第2の曲線状傾斜面は第3の円弧形状をなし、第1の円弧形状の曲率は第2の円弧形状の曲率より大きいものである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
図4の(A)において、複数の疑似半紡錘型反射ドット1aを配置する場合、X方向ピッチを一定値たとえば0.154mmとする一方、入光面Sinから反入光面Sin’にかけて光源200の光R1が弱くなるので、図4(A)、(B)に示すごとく、Y方向ピッチを漸次小さくすることによってドット密度を大きくして到達する光R1を入光面Sinから反入光面Sin’にかけて均一にする。この場合、図4の(C)に示すごとく、Y方向において、ドットが1つ前のドットの陰にならないようにX方向の位置をずらしてある。尚、この場合、千鳥配置としてもよい。また、Y方向ピッチを変化させる代りに、疑似半紡錘型反射ドット1aのZ方向深さdを変化させたり、矢高(=L1+L2)を変化させたりしてもよい。Z方向深さdを変化させたり、矢高Lを変化させたりする場合には、局所的に配光特性が変化しないように、疑似半紡錘型反射ドットは相似形とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
始めに、図6の(A)に示す超精密ロール機械加工工程及び図7の(A)、(B)を参照すると、銅、黄銅等のめっきを施した円筒状の金型601を回転させ、ダイヤモンドバイト602を圧電素子装置(FTS)603で図7の(B)の矢印で示すごとく上下深さ方向に移動させて疑似半紡錘型反射ドット1aに相当する凹ドットを形成する。これにより、凹ドット金型601を得る。図7の(A)に示すダイヤモンドバイト602、圧電素子装置603は精密旋盤、精密平板切削装置等の加工機を用いてもよい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
図8から分るように、曲面状傾斜面12の角度θ2を10°と固定し、曲面状傾斜面11の角度θ1を55°、58°、60°、65°と変化させると、配光特性が変化することが分る。特に、製造方法において、ダイヤモンドバイト602の刃物角を変更することや、切削方向に直交する方向への傾きを変更する事によって、曲面上傾斜面11の角度θ1を変化させる事が可能であり、これにより配光特性を変化させることができる。そのため、要求事項に応じたバックライトの効率化が可能である。いずれの場合も、配光分布は丸型反射ドット102aを用いた場合の配光分布より優れている。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
図10の(D)に示すように、入光面S in から見た曲面状傾斜面12’、すなわち入光面S in に投影された曲面状傾斜面12’の輪郭形状は長さWの弦H2と導光板1’の配光制御面Scontからの高さhで規定される第3の円弧形状をなし、また、図10の(E)に示すように、反入光面S in から見た曲面状傾斜面11’、すなわち反入光面S in に投影された曲面状傾斜面11’の輪郭形状も長さWの弦H2を有する高さhで規定される同一の第3の円弧形状をなしている。尚、第3の円弧形状は三日月状、半月状等を含む。
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正の内容】
図4
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正の内容】
図5
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正の内容】
図6
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正の内容】
図7
【手続補正13】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正の内容】
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-02-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
透光性平板を有し、前記平板の端面に入光面、前記平板の主面を出光面、前記出光面の反対側の主面を配光制御面、前記入光面に反対側に位置する端面を反入光面とする導光板であって、
前記配光制御面には凹状に疑似半紡錘型反射ドットが設けられており、
前記疑似半紡錘型反射ドットは、
前記入光面側に設けられた第1の曲面状傾斜面と、
前記第1の曲面状傾斜面に対して前記反入光面側に設けられ、前記第1の曲面状傾斜面に結合した第2の曲面状傾斜面と
を具備し、
前記配光制御面から見て前記第1の曲面状傾斜面は第1の円弧形状をなし、
前記配光制御面から見て前記第2の曲面状傾斜面は第2の円弧形状をなし、
前記入光面から見て前記第1の曲状傾斜面は第3の円弧形状をなし、
前記反入光面から見て前記第2の曲状傾斜面は前記第3の円弧形状をなしており、
前記第2の曲面状傾斜面が前記第1の曲面状傾斜面より小さい導光板。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項2】
透光性平板を有し、前記平板の端面に入光面、前記平板の主面を出光面、前記出光面の反対側の主面を配光制御面、前記入光面に反対側に位置する端面を反入光面とする導光板であって、
前記配光制御面には凸状に疑似半紡錘型反射ドットが設けられており、
前記疑似半紡錘型反射ドットは、
前記反入光面側に設けられた第1の曲面状傾斜面と、
前記第1の曲面状傾斜面に対して前記入光面側に設けられ、前記第1の曲面状傾斜面に結合した第2の曲面状傾斜面と
を具備し、
前記配光制御面から見て前記第1の曲面状傾斜面は第1の円弧形状をなし、
前記配光制御面から見て前記第2の曲面状傾斜面は第2の円弧形状をなし、
前記反入光面から見て前記第1の曲状傾斜面は第3の円弧形状をなし、
前記入光面から見て前記第2の曲状傾斜面は前記第3の円弧形状をなしており、
前記第2の曲面状傾斜面が前記第1の曲面状傾斜面より小さい導光板。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項4】
前記第1の曲状傾斜面の前記配光制御面の法線に対する角度θ1とし、前記第2の曲状傾斜面の前記配光制御面の法線に対する角度θ2としたとき、
θ1>θ2
である請求項1または2に記載の導光板。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
上述の課題を解決するために、本発明に係る導光板は、透光性平板を有し、平板の端面に入光面、平板の主面を出光面、出光面の反対側の主面を配光制御面、入光面に反対側に位置する端面を反入光面とする導光板であって、配光制御面には凹状に疑似半紡錘型反射ドットが設けられており、疑似半紡錘型反射ドットは、入光面側に設けられた第1の曲面状傾斜面と、第1の曲面状傾斜面に対して反入光面側に設けられ、第1の曲面状傾斜面に結合した第2の曲面状傾斜面とを具備し、配光制御面から見て第1の曲面状傾斜面は第1の円弧形状をなし、配光制御面から見て第2の曲面状傾斜面は第2の円弧形状をなし、入光面から見て第1の曲状傾斜面は第3の円弧形状をなし、反入光面から見て第2の曲状傾斜面は第3の円弧形状をなしており、第2の曲面状傾斜面が第1の曲面状傾斜面より小さいものである。