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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062004
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】半導体集積回路装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 12/06 20060101AFI20240430BHJP
   H03K 19/096 20060101ALI20240430BHJP
   H03M 1/36 20060101ALI20240430BHJP
   G11C 8/12 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
G06F12/06 515B
H03K19/096 230
H03M1/36
G11C8/12 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169721
(22)【出願日】2022-10-24
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今井 丈晴
【テーマコード(参考)】
5B160
5J022
5J056
【Fターム(参考)】
5B160AA13
5B160MM13
5J022AA06
5J022BA05
5J022CB01
5J022CD03
5J022CF01
5J056CC29
(57)【要約】
【課題】1つの端子でアドレスを設定することができる半導体集積回路装置を提供する。
【解決手段】半導体集積回路装置(1)は、端子(T_A)と、第1端が前記端子に接続され、第2端に第1定電圧が印加されるように構成されたプルアップ抵抗(R1)、又は、第1端が前記端子に接続され、第2端にグラウンド電圧が印加されるように構成されたプルダウン抵抗(R2)のいずか一方である内部抵抗と、前記端子の電圧を、2ビット以上のビット数であるデジタルデータに変換するように構成されたADコンバータ(COMP1~COMP9、R_LD1~R_LD10、2)と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子と、
第1端が前記端子に接続され、第2端に第1定電圧が印加されるように構成されたプルアップ抵抗、又は、第1端が前記端子に接続され、第2端にグラウンド電圧が印加されるように構成されたプルダウン抵抗のいずか一方である内部抵抗と、
前記端子の電圧を、2ビット以上のビット数であるデジタルデータに変換するように構成されたADコンバータと、
を備える、半導体集積回路装置。
【請求項2】
前記内部抵抗はトリミングが可能であるように構成され、
前記トリミングの設定を記憶するように構成された不揮発性記憶部をさらに備える、請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項3】
前記ADコンバータは、
複数の基準電圧を生成するように構成された抵抗ラダー回路と、
前記端子の電圧と前記複数の基準電圧それぞれとを比較するように構成された複数のコンパレータと、
前記複数のコンパレータの各出力を前記デジタルデータに変換するように構成されたエンコーダと、
を含む、請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項4】
前記内部抵抗は、前記プルアップ抵抗であり、
前記第1定電圧と、前記抵抗ラダー回路の第1端に印加される第2定電圧とは、同一の電圧値である、請求項3に記載の半導体集積回路装置。
【請求項5】
前記内部抵抗は、前記プルダウン抵抗であり、
前記端子に前記プルアップ抵抗が外付け接続され、
前記第1定電圧と、前記抵抗ラダー回路の第1端に印加される第2定電圧とは、同一の電圧値である、請求項3に記載の半導体集積回路装置。
【請求項6】
前記エンコーダは、前記端子に所定の電圧が印加された場合に、前記所定の電圧に応じた信号を出力するように構成されている、請求項3~5のいずれか一項に記載の半導体集積回路装置。
【請求項7】
前記エンコーダは、前記端子にグラウンド電圧が印加された場合に、前記グラウンド電圧に応じた信号を出力するように構成されている、請求項3~5のいずれか一項に記載の半導体集積回路装置。
【請求項8】
前記複数のコンパレータそれぞれは、チョッパ型コンパレータであり、
前記チョッパ型コンパレータに設けられるNMOSトランジスタであるスイッチのゲートにブート電圧を供給するように構成されたブートストラップ回路をさらに備える、請求項3~5のいずれか一項に記載の半導体集積回路装置。
【請求項9】
前記端子と前記ADコンバータとの間に設けられるフィルタ回路をさらに備える、請求項3~5のいずれか一項に記載の半導体集積回路装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書中に開示されている発明は、半導体集積回路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば図1に示すメモリシステムが存在する。図1に示す従来のメモリシステムは、マイクロコンピュータ101と、半導体集積回路装置であるEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)102_1及び102_2と、を備える。マスター装置であるマイクロコンピュータ101と、それぞれスレーブ装置であるEEPROM102_1及び102_2とは、I2Cバスによって接続される。なお、マイクロコンピュータ101には、I2Cバスによって最大8個のEEPROM102_1~102_8(EEPROM102_3~102_8は不図示)が接続可能である。以下の説明では、EEPROM102_1~102_8を区別する必要が無い場合には、EEPROM102と称することがある。
【0003】
EEPROM102は、自己のアドレス端子T_A0~T_A2に印加されている電圧のレベル(HIGHレベル又はLOEレベル)によって自己のアドレスを認識する。EEPROM102は、アドレス端子T_A0~T_A2以外に、I2C通信用の端子T_SCL及びT_SDAと、端子T_Vcc、T_GND、及びT_WPと、を備える。マイクロコンピュータ101は、I2C通信用の端子T_SCL及びT_SDAを備える。
【0004】
EEPROM102_1は、自己のアドレス端子T_A2にLOWレベルの電圧が印加され、自己のアドレス端子T_A1にLOWレベルの電圧が印加され、自己のアドレス端子T_A0にLOWレベルの電圧が印加されるため、自己のアドレスを000と認識する。
【0005】
EEPROM102_2は、自己のアドレス端子T_A2にLOWレベルの電圧が印加され、自己のアドレス端子T_A1にLOWレベルの電圧が印加され、自己のアドレス端子T_A0にHIGHレベルの電圧が印加されるため、自己のアドレスを001と認識する。
【0006】
マイクロコンピュータ101から出力される通信データに含まれるスレーブアドレス内の3ビットデジタルデータとアドレスが一致するEEPROM102が、マイクロコンピュータ101と通信を行う。すなわち、マイクロコンピュータ101は、通信を行うEEPROM102を、スレーブアドレス内の3ビットデジタルデータによって選択することができる。
【0007】
なお、上記に関連する従来技術の一例としては、特許文献1を挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005-175326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
例えばEEPROMがDRAM(Dynamic Random Access Memory)モジュールに搭載される場合、EEPROMに関する機能以外の機能を割り当てることができるDRAMモジュールの端子数を増やすために、EEPROMの端子数の減少要求がある。
【0010】
EEPROM等の半導体集積回路装置は、端子数が多いパッケージでは基板の実装面積が大きくなってしまうため、端子数の減少要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書中に開示されている半導体集積回路装置は、端子と、第1端が前記端子に接続され、第2端に第1定電圧が印加されるように構成されたプルアップ抵抗、又は、第1端が前記端子に接続され、第2端にグラウンド電圧が印加されるように構成されたプルダウン抵抗のいずか一方である内部抵抗と、前記端子の電圧を、2ビット以上のビット数であるデジタルデータに変換するように構成されたADコンバータと、を備える。
【発明の効果】
【0012】
本明細書中に開示されている半導体集積回路装置によれば、1つの端子でアドレスを設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、従来のメモリシステムの一構成例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係るEEPROMの構成を示す図である。
図3図3は、実施形態に係るEEPROMの構成を示す図である。
図4図4は、実施形態に係るEEPROMの構成を示す図である。
図5図5は、コンパレータの一構成例を示す図である。
図6図6は、プルダウン抵抗の抵抗値とアドレスとの関係を示す図である。
図7図7は、プルダウン抵抗の抵抗値を図6に示す8種類それぞれに設定した場合における、プルアップ抵抗の抵抗値とアドレス端子の電圧との関係を示す図である。
図8図8は、プルアップ抵抗の一構成例を示す図である。
図9図9は、プルアップ抵抗の他の構成例を示す図である。
図10図10は、実施形態に係るEEPROMの起動シーケンスを示す図である。
図11図11は、実施形態に係るEEPROMの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図2図4は、実施形態に係るEEPROMの構成を示す図である。図2は、EEPROM1のアドレス端子T_Aにプルダウン抵抗R2が外付け接続されている状態を示す図である。図3は、EEPROM1のアドレス端子T_Aに所定の電圧VDDが印加されている状態を示す図である。図4は、EEPROM1のアドレス端子T_Aにグラウンド電圧が印加されている状態を示す図である。
【0015】
EEPROM1は、半導体集積回路装置の一例である。半導体集積回路装置は、半導体集積回路を、樹脂にて構成された筐体(パッケージ)内に封入することで形成された電子部品である。半導体集積回路装置の筐体に複数の端子が露出して設けられている。
【0016】
EEPROM1は、プルアップ抵抗R1と、フィルタ回路F1と、ADコンバータA1と、データ処理部3と、不揮発性記憶部4と、アドレス端子T_Aと、I2C通信用の端子T_SCL及びT_SDAと、端子T_Vcc、T_GND、及びT_WPと、を備える。
【0017】
プルアップ抵抗R1の第1端は、アドレス端子T_Aに接続される。プルアップ抵抗R1の第2端に、電源電圧Vccの分圧VDDが印加される。図2では、プルダウン抵抗R2の第1端はアドレス端子T_Aに接続され、プルダウン抵抗R2の第2端にグラウンド電圧が印加される。
【0018】
ADコンバータA1は、アドレス端子T_Aの電圧VAを、3ビットのデジタルデータD1に変換する。
【0019】
データ処理部3は、デジタルデータD1に基づきEEPROM1のアドレスを認識する。データ処理部3は、マイクロコンピュータ等の外部装置と通信を行い、不揮発性記憶部4に対してデータの書き込み及び読み出しを実行する。
【0020】
不揮発性記憶部4は、複数のメモリセル(トランジスタセル)を含み、データを不揮発的に記憶する。
【0021】
フィルタ回路F1は、アドレス端子T_AとADコンバータA1との間に設けられる。フィルタ回路F1は、抵抗及びコンデンサによって構成されるローパスフィルタである。フィルタ回路F1が設けられることで、アドレス端子T_Aに高周波ノイズが流入することでアドレスが誤認識されることを防止することができる。
【0022】
EEPROM1は、1つのアドレス端子T_Aでアドレスを設定することができる。したがって、例えばEEPROM1がDRAMモジュールに搭載される場合、EEPROMに関する機能以外の機能を割り当てることができるDRAMモジュールの端子数を増やすことができる。また、EEPROM1は、アドレス端子T_Aが1つであるため、端子数が少ないパッケージとなり、各内部部品を実装する基板の実装面積を小さくすることができる。
【0023】
本実施形態では、ADコンバータA1は、フラッシュ型ADコンバータである。フラッシュ型ADコンバータは、ロジック制御が容易であり、ノイズ及び干渉の影響が少ないという利点を有する。なお、本実施形態とは異なり、ADコンバータA1は、フラッシュ型以外の構成であってもよい。
【0024】
フラッシュ型ADコンバータであるADコンバータA1は、コンパレータCOMP1~COMP9と、抵抗R_LD1~R_LD10によって構成される抵抗ラダー回路と、エンコーダ2と、を含む。
【0025】
上記の抵抗ラダー回路の第1端に電源電圧Vccの分圧VDDが印加され、上記の抵抗ラダー回路の第2端にグラウンド電圧が印加される。上記の抵抗ラダー回路は、2つの抵抗間の接続ノードそれぞれにそれぞれ値が異なる複数の基準電圧VREF1~VREF9を発生させる。
【0026】
プルアップ抵抗R1の第1端に印加される電源電圧Vccの分圧VDDと、抵抗R_LD1~R_LD10によって構成される抵抗ラダー回路の第1端に印加される電源電圧Vccの分圧VDDとは、同一の電圧値である。したがって、例えば電源電圧Vccが温度の影響などによって変動したとしても、アドレス端子T_Aの電圧VAと複数の基準電圧VREF1~VREF9とが同じように電圧変動の影響を受ける。このため、ADコンバータA1は、精度良くプルダウン抵抗R2の抵抗値を読み取ることができる。したがって、高精度の定電圧回路または定電流回路が不要となり、ADコンバータA1を簡単な回路構成で実現することができる。
【0027】
コンパレータCOMPk(kは1以上9以下の任意の自然数)は、アドレス端子T_Aの電圧VAと基準電圧VREFkとを比較する。図5は、コンパレータCOMPkの一構成例を示す図である。図5に示す構成例のコンパレータCOMPkは、スイッチSW1~SW3と、インバータINV1~INV3と、を含む、チョッパ型コンパレータである。スイッチSW1はクロック信号CLK1によって制御され、スイッチSW2はクロック信号CLK2によって制御される。クロック信号CLK1及びCLK2は、スイッチSW1及びSW2が同時にオン状態にならないように調整される。スイッチSW3は、Nチャネル型のMOS電界効果トランジスタであり、インバータINV1に並列接続される。EEPROM1は、スイッチSW3にゲート信号を供給するブートストラップ回路B1を備える。ブートストラップ回路B1は、例えば電源電圧Vccの分圧VDDを受け取り、電源電圧Vccの分圧VDDを昇圧したブート電圧をゲート信号のHIGHレベルとして用いる。ブートストラップ回路B1からスイッチSW3にゲート信号を供給することで、スイッチSW3のオン抵抗を小さくすることができる。
【0028】
エンコーダ2は、コンパレータCOMP1~COMP9の各出力を3ビットのデジタルデータD1に変換する。図6は、プルダウン抵抗R2の抵抗値と3ビットのデジタルデータD1(アドレス)との関係を示す図である。図6の関係から分かる通り、プルダウン抵抗R2の抵抗値によってEEPROM1のアドレスを設定することができる。
【0029】
図7は、プルダウン抵抗R2の抵抗値を図6に示す8種類それぞれに設定した場合における、プルアップ抵抗R1の抵抗値とアドレス端子T_Aの電圧VAとの関係を示す図である。図7の関係から分かる通り、プルアップ抵抗R1の抵抗値を60kΩに設定すると、プルダウン抵抗R2の抵抗値の設定を順次切り替えていった場合のアドレス端子T_Aの電圧VAの変化量が等しくなり、アドレスが誤認識され難くなる。したがって、本実施形態では、プルアップ抵抗R1の抵抗値は60kΩに設定されている。
【0030】
プルダウン抵抗R2の部品ばらつき或いはプルアップ抵抗R1の製造プロセスばらつきを補正できるように、プルアップ抵抗R1は、トリミングが可能な構成である。
【0031】
図8は、プルアップ抵抗R1の一構成例を示す図である。プルアップ抵抗R1は、抵抗R11~R14と、Pチャネル型のMOS(Metal Oxide Semiconductor)電界効果トランジスタQ1~Q3と、を備える。抵抗R11及びMOS電界効果トランジスタQ1の直列回路と、抵抗R12及びMOS電界効果トランジスタQ2の直列回路と、抵抗R13及びMOS電界効果トランジスタQ3の直列回路とが並列接続されることで、並列回路が構成される。そして、当該並列回路が、抵抗R14に直列接続される。
【0032】
不揮発性記憶部4は、プルアップ抵抗R1のトリミングの設定を記憶する。具体的には、不揮発性記憶部4は、MOS電界効果トランジスタQ1~Q3の各ゲート信号のレベルを記憶する。データ処理部3は、不揮発性記憶部4によって記憶されているプルアップ抵抗R1のトリミングの設定に基づき、MOS電界効果トランジスタQ1~Q3を制御する。
【0033】
プルアップ抵抗R1は例えば図9に示すような構成にすることもできるが、図9に示す構成の場合、複数のMOS電界効果トランジスタがオンになると、プルアップ抵抗R1の抵抗値に対して複数のMOS電界効果トランジスタのオン抵抗が及ぼす影響が大きくなってしまう。したがって、プルアップ抵抗R1は、図8に示すような構成の方が望ましい。
【0034】
エンコーダ2は、図3に示すようアドレス端子T_Aに所定の電圧VDDが印加された場合に、所定の電圧VDDに応じた信号S1を出力する。これにより、EEPROM1の出荷テストが容易になる。図3に示すようアドレス端子T_Aに所定の電圧VDDが印加された場合、コンパレータCOMP1~COMP9の各出力は全てLOWレベルになる。エンコーダ2は、コンパレータCOMP1~COMP9の各出力は全てLOWレベルであれば、信号S1を出力する。信号S1は、例えば電源電圧Vccと同一の電圧値であるアナログ電圧信号である。
【0035】
エンコーダ2は、図4に示すようアドレス端子T_Aにグラウンド電圧が印加された場合に、グラウンド電圧に応じた信号S2を出力する。これにより、EEPROM1の出荷テストが容易になる。図4に示すようアドレス端子T_Aにグラウンド電圧が印加された場合、コンパレータCOMP1~COMP9の各出力は全てHIGHレベルになる。エンコーダ2は、コンパレータCOMP1~COMP9の各出力は全てHIGHレベルであれば、信号S2を出力する。信号S2は、例えばグラウンド電圧と同一の電圧値であるアナログ電圧信号である。
【0036】
図10は、EEPROM1の起動シーケンスを示す図である。EEPROM1は、端子T_Vccへの電源電圧Vccの供給が開始されると、電源オフ状態から電源オン状態に移行し、内部の発振器を用いてクロック信号CLKを生成する。EEPROM1は、クロック信号CLKに基づき動作する。
【0037】
電源オフ状態から電源オン状態への移行後に、EEPROM1は、まずイネーブル信号ENをHIGHレベルにする。プルアップ抵抗R1と電源電圧Vccの分圧VDDが印加される印加端との間、アドレス端子T_Aとグラウンド電位が印加される印加端との間、及び抵抗R_LD10と電源電圧Vccの分圧VDDが印加される印加端との間それぞれには、イネーブル/ディセーブル切替用スイッチが設けられる。当該イネーブル/ディセーブル切替用スイッチは、イネーブル信号ENがHIGHレベルであるときにオンになり、イネーブル信号ENがLOWレベルであるときにオフになる。
【0038】
イネーブル信号ENがHIGHレベルになると、コンパレータCOMP1~COMP9は、アドレス端子T_Aの電圧VAをサンプリングする。その後、コンパレータCOMPkは、アドレス端子T_Aの電圧VAと基準電圧VREFkとを比較する。コンパレータCOMPkの比較動作が終了した後、イネーブル信号ENはHIGHレベルからLOWレベルに切り替わる。
【0039】
<その他>
本開示の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。これまでに説明してきた各種の実施形態は、矛盾のない範囲で適宜組み合わせて実施してもよい。以上の実施形態は、あくまでも、本開示の実施形態の例であって、本開示ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。
【0040】
上述した実施形態では、EEPROM1は、プルアップ抵抗R1が内部抵抗であり、プルダウン抵抗R2が外付け接続される構成であったが、図11に示すように、プルダウン抵抗R2が内部抵抗であり、プルアップ抵抗R1が外付け接続される構成であってもよい。図11に示す構成では、プルダウン抵抗R2はトリミングが可能であり、当該トリミングの設定が不揮発性記憶部4に記憶されることが望ましい。また、プルアップ抵抗R1の第1端に印加される電圧は、抵抗R_LD1~R_LD10によって構成される抵抗ラダー回路の第1端に印加される電圧と同一の電圧値であることが望ましい。
【0041】
上述した実施形態では、ADコンバータA1は、3ビットのADコンバータであったが、3ビットに限定されることはなく複数ビットのADコンバータであればよい。すなわち、ADコンバータA1から出力されるデジタルデータD1のビット数は3ビットに限定されることはなく、複数ビットであればよい。
【0042】
上述した実施形態では、EEPROMを例に挙げて説明したが、半導体集積回路装置はEEPROM以外であってもよい。
【0043】
<付記>
上述の実施形態にて具体的構成例が示された本開示について付記を設ける。
【0044】
本開示の半導体集積回路装置(1)は、端子(T_A)と、第1端が前記端子に接続され、第2端に第1定電圧が印加されるように構成されたプルアップ抵抗(R1)、又は、第1端が前記端子に接続され、第2端にグラウンド電圧が印加されるように構成されたプルダウン抵抗(R2)のいずか一方である内部抵抗と、前記端子の電圧を、2ビット以上のビット数であるデジタルデータに変換するように構成されたADコンバータ(COMP1~COMP9、R_LD1~R_LD10、2)と、を備える構成(第1の構成)である。
【0045】
上記第1の構成の半導体集積回路装置において、前記内部抵抗はトリミングが可能であるように構成され、前記トリミングの設定を記憶するように構成された不揮発性記憶部(4)をさらに備える構成(第2の構成)であってもよい。
【0046】
上記第1又は第2の構成の半導体集積回路装置において、前記ADコンバータは、複数の基準電圧を生成するように構成された抵抗ラダー回路(COMP1~COMP9)と、前記端子の電圧と前記複数の基準電圧それぞれとを比較するように構成された複数のコンパレータ(R_LD1~R_LD10)と、前記複数のコンパレータの各出力を前記デジタルデータに変換するように構成されたエンコーダ(2)と、を含む構成(第3の構成)であってもよい。
【0047】
上記第3の構成の半導体集積回路装置において、前記内部抵抗は、前記プルアップ抵抗であり、前記第1定電圧と、前記抵抗ラダー回路の第1端に印加される第2定電圧とは、同一の電圧値である構成(第4の構成)であってもよい。
【0048】
上記第3の構成の半導体集積回路装置において、前記内部抵抗は、前記プルダウン抵抗であり、前記端子に前記プルアップ抵抗が外付け接続され、前記第1定電圧と、前記抵抗ラダー回路の第1端に印加される第2定電圧とは、同一の電圧値である構成(第5の構成)であってもよい。
【0049】
上記第3~第5いずれかの構成の半導体集積回路装置において、前記エンコーダは、前記端子に所定の電圧が印加された場合に、前記所定の電圧に応じた信号を出力するように構成されている構成(第6の構成)であってもよい。
【0050】
上記第3~第6いずれかの構成の半導体集積回路装置において、前記エンコーダは、前記端子にグラウンド電圧が印加された場合に、前記グラウンド電圧に応じた信号を出力するように構成されている構成(第7の構成)であってもよい。
【0051】
上記第3~第7いずれかの構成の半導体集積回路装置において、前記複数のコンパレータそれぞれは、チョッパ型コンパレータであり、前記チョッパ型コンパレータに設けられるNMOSトランジスタであるスイッチ(SW3)のゲートにブート電圧を供給するように構成されたブートストラップ回路(B1)をさらに備える構成(第8の構成)であってもよい。
【0052】
上記第3~第8いずれかの構成の半導体集積回路装置において、前記端子と前記ADコンバータとの間に設けられるフィルタ回路(F1)をさらに備える構成(第9の構成)であってもよい。
【符号の説明】
【0053】
1、102、102_1~102_8 EEPROM
2 エンコーダ
3 データ処理部
4 不揮発性記憶部
101 マイクロコンピュータ101
A1 ADコンバータ
B1 ブートストラップ回路
COMP1~COMP9 コンパレータ
F1 フィルタ回路
INV1~INV3 インバータ
Q1~Q3 MOS電界効果トランジスタ
R1 プルアップ抵抗
R2 プルダウン抵抗
R11~R14、R_LD1~R_LD10 抵抗
SW1~SW3 スイッチ
T_A、T_A0~T_A2 アドレス端子
T_SCL、T_SDA、T_Vcc、T_GND、T_WP 端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11