(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062015
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】自動弁装置
(51)【国際特許分類】
A62C 35/68 20060101AFI20240430BHJP
E21F 5/02 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
A62C35/68
E21F5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169742
(22)【出願日】2022-10-24
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002169
【氏名又は名称】彩雲弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】剣持 竜介
【テーマコード(参考)】
2E189
【Fターム(参考)】
2E189MB01
2E189MB05
2E189MB06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】設置の工事期間を短くすることができる自動弁装置を提供する。
【解決手段】自動弁本体4が格納箱2に格納されて、建造物に設置される自動弁装置1であって、前記自動弁本体4の下部に接続される一次側接続管5に支持部材7が設けられ、前記支持部材7が前記格納箱2の下部に固定される架台3に固定されて、前記自動弁本体4、前記一次側接続管5、前記格納箱2及び前記架台3が一体化される固定構造を有ることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動弁本体が格納箱に格納されて、建造物に設置される自動弁装置であって、
前記自動弁本体下部に接続される一次側接続管に支持部材が設けられ、
前記支持部材が前記格納箱下部に固定される架台に固定されて、前記自動弁本体、前記一次側接続管、前記格納箱及び前記架台が一体化される固定構造を有することを特徴とする自動弁装置。
【請求項2】
前記架台は、前記自動弁本体、前記一次側配管及び前記格納箱の荷重を支持可能な強度を有することを特徴とする請求項1に記載の自動弁装置。
【請求項3】
前記格納箱には、前記自動弁本体に接続される排水手段からの排水を受ける排水受け部が固定される支持部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の自動弁装置。
【請求項4】
装置組立時、前記架台下部には、仮架台が設けられることを特徴とする請求項1に記載の自動弁装置。
【請求項5】
前記仮架台は、前記架台下方に突出する前記一次側接続管の下端部が空中に浮くほどに、装置全体を嵩上げ可能な高さを有することを特徴とする請求項4に記載の自動弁装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動弁本体が格納箱に格納されて、建造物に設置される自動弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、道路トンネル(以下、単に「トンネル」という)には、防災設備として、消火器や消火栓等の消火設備に加えて、水噴霧設備が設けられることがある。
【0003】
水噴霧設備は、トンネルの天井や側壁上方等の高所に設置される水噴霧ヘッドを備えると共に、水噴霧ヘッドに水を供給する縦方向の配管の途中に設置される自動弁装置を備え、火災発生時、自動弁本体の弁が開いて、水噴霧ヘッドから水を散水し、延焼の防止、構造物(天井や壁等)の保護等を行う。
【0004】
この種の水噴霧設備において、自動弁装置は、自動弁本体が格納される格納箱を備える(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、自動弁装置をトンネルに設置する際、格納箱への格納作業は、現場で行われている。そのため、自動弁装置を設置するのに長時間を要し、工事期間が長くなるという問題があった。特に、開通済みで稼働中のトンネルに自動弁装置を設置する場合、通行止め等の交通規制の必要があるため、工事期間の長さの問題による影響は大きい。
【0007】
この発明は、上記の事情に鑑み、設置の工事期間を短くできる自動弁装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、自動弁本体が格納箱に格納されて、建造物に設置される自動弁装置であって、前記自動弁本体下部に接続される一次側接続管に支持部材が設けられ、前記支持部材が前記格納箱下部に固定される架台に固定されて、前記自動弁本体、前記一次側接続管、前記格納箱及び前記架台が一体化される固定構造を有することを特徴とする自動弁装置である。
【0009】
この発明において、前記支持部材は、前記自動弁本体及び前記一次側配管の荷重を支持可能な強度を有するものとすることができる。また、前記架台は、前記自動弁本体、前記一次側配管及び前記格納箱の荷重を支持可能な強度を有するものとすることができる。また、前記格納箱には、前記自動弁本体に接続される排水手段からの排水を受ける排水受け部が固定される支持部が設けられるものとすることができる。また、装置組立時、前記架台下部には、仮架台が設けられるものとすることができる。また、前記仮架台は、前記架台下方に突出する前記一次側接続管の下端部が空中に浮くほどに、装置全体を嵩上げ可能な高さを有するものとすることができる。また、前記架台下部には、設置時、前記仮架台に代えて、前記架台下部と装置設置面にそれぞれ固定される固定部材が設けられるものとすることができる。
【発明の効果】
【0010】
この発明においては、現場への設置の前に、予め、工場等において、自動弁本体、一次側接続管、格納箱及び架台をユニット化して組み立てておくことができる。そのため、従来は現場で行われていた作業を現場では行う必要をなくしたり、減らしたりすることができる。すなわち、現場での作業時間を短くすることができる。
【0011】
したがって、この発明によれば、設置の工事期間を短くできる自動弁装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】この発明の自動弁装置の実施形態の一例を示したものであり、自動弁装置がユニット化されて組み立てられ、架台下部に、組立時に設けられる仮架台が設けられている状態の正面図である。
【
図2】同上の自動弁装置の架台下部に、設置時に設けられる固定部材が仮架台に代えて設けられている状態の
図1に相当する正面図である。
【
図3】同上の自動弁装置の一次側接続管を単体で示したものであり、(a)が正面図であり、(b)が上面図である。
【
図4】同上の自動弁装置の架台を単体で示したものであり、(a)が正面図であり、(b)が上面図であり、(c)が(b)の一部拡大図である。
【
図5】
図1に示した仮架台を単体で示したものであり、(a)が上面図であり、(b)が側面図であり、(c)が正面図である。
【
図6】
図2に示した固定部材を単体で示したものであり、(a)が上面図であり、(b)が背面図であり、(c)が側面図であり、(d)が正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
この発明の自動弁装置の実施形態について、トンネルの水噴霧設備における自動弁装置に適用する場合を例として、
図1乃至6を参照しつつ説明する。なお、この発明は、格納箱に格納されて建造物に設置される自動弁装置であれば、トンネルに設置されるもの以外にも適用することは可能である。
【0014】
[水噴霧設備]
水噴霧設備は、トンネルの天井や側壁上方等の高所に設置される水噴霧ヘッドを備えると共に、水噴霧ヘッドに水を供給する縦方向の配管の途中に設置される自動弁装置を備え、火災発生時、自動弁本体の弁が開いて、水噴霧ヘッドから水を散水し、延焼の防止、構造物(天井や壁等)の保護等を行う。
【0015】
[自動弁装置]
水噴霧設備において、自動弁装置は、下方に位置する縦方向の一次側配管(基端側が給水源側に至る)と、上方に位置する縦方向の二次側配管(末端側が水噴霧ヘッド側に至る)に接続されると共に、自動弁本体が格納箱に格納されて、トンネルの側壁に沿って設置される。この発明の自動弁装置は、そのような水噴霧設備が備える自動弁装置として用いることができるものである。
【0016】
図1乃至6は、この発明の自動弁装置の実施形態の一例を示したものであり、
図1は、自動弁装置がユニット化されて組み立てられ、架台下部に、組立時に設けられる仮架台が設けられている状態を、
図2は、
図1の自動弁装置の架台下部に、設置時に設けられる固定部材が仮架台に代えて設けられている状態を、
図3は、一次側接続管単体を、
図4は、架台単体を、
図5は、仮架台単体を、
図6は、固定部材を、それぞれ示している。
【0017】
・装置全体
自動弁装置1は、格納箱2と、格納箱2下部に固定される架台3と、格納箱2内に格納される自動弁本体4と、自動弁本体4下部に接続される一次側接続管5と、自動弁本体4上部に接続される二次側接続管6等を備える(
図1及び2参照)。そして、トンネルに設置される際に、図示は省略するが、一次側接続管5が下方に位置する縦方向の一次側配管(基端側が給水源に至る。図示省略)に接続され、二次側接続管6が上方に位置する縦方向の二次側配管(末端側が水噴霧ヘッドに至る。図示省略)に接続される。
【0018】
なお、二次側接続管6については、省略することもできる。すなわち、二次側接続管6を備えるものとはせずに、自動弁本体4の二次側接続部分に直接、二次側外部配管が接続されるものとしてもよい。
【0019】
・一体化構造
一次側接続管5には、支持部材7が固定されて設けられる(
図1乃至3参照)。支持部材7は、格納箱2の下部に固定される架台3に固定される(
図1及び2参照)。すなわち、自動弁装置1は、自動弁本体4と、一次側接続管5と、二次側接続管6と、格納箱2と、架台3とが一体化される固定構造を有する。
【0020】
これにより、現場での設置の前に、予め、工場等において、格納箱2、架台3、自動弁本体4、一次側接続管5及び二次側接続管6をユニット化して組み立てておくことができる。そのため、従来は現場で行われていた作業を現場では行う必要をなくしたり、減らしたりすることができる。すなわち、現場での作業時間を短くすることができ、設置の工事期間を短くすることができる。
【0021】
また、前記のように、格納箱2、架台3、自動弁本体4、一次側接続管5及び二次側接続管6をユニット化して組み立てたとしても、自動弁本体4、一次側接続管5及び二次側接続管6等の重量物の荷重が格納箱2にかからないようにすることができ、それら重量物の荷重によって格納箱2に歪み等の変形が生じないようにすることができる。
【0022】
・各構成部分の具体例
・・付属部品
ここで、自動弁装置1は、各種付属部品をさらに備える。付属部品には、自動弁本体4に設けられる、パイロット弁15(電動弁)、圧力スイッチ16、排水弁17等や、格納箱2に設けられる、パネルヒータ(図示省略)、端子箱18、排水受け部19等が含まれる(
図1及び2参照)。
【0023】
それら付属部品の取り付け作業や、配線(パイロット弁15、圧力スイッチ16、パネルヒータ等の電気部品の配線)の端子箱18との結線作業も、予め、工場等で行っておくことができる。すなわち、格納箱2、架台3、自動弁本体4、一次側接続管5及び二次側接続管6と共に、それら付属部品もユニット化しておくことができる。
【0024】
・・格納箱
格納箱2は、前面側が開閉可能な箱状の形状を有する(
図1及び2参照)。自動弁本体4は、格納箱2内に、一次側接続管5と二次側接続管6が接続されて、両者が上下に縦立する状態で格納される(
図1及び2参照)。
【0025】
格納箱2の底板2aには、中央部分に、一次側接続管5が貫通する切り欠き2dが設けられる(
図4(b)の仮想線部分参照)。さらに、底板2aには、左右両端内側部分(左右両端より若干内側の部分)に、架台3と後記で説明する仮架台10又は固定金具11との固定作業をする際の作業口になる切り欠き2eも設けられる(
図4(b)の仮想線部分参照)。
【0026】
また、格納箱2の底板2aには、左右両端部分に架台3との固定部分が設けられ、その固定部分にボルト挿通孔2aaが設けられる(
図4(c)の仮想線部分参照)。さらに、底板2aには、排水受け部19を支持する支持部20が設けられる(
図1及び2参照)。
【0027】
なお、格納箱2の背板2cには、内面に、前記のヒータ(図示書略)や端子箱18が設けられる(
図1及び2参照)。
【0028】
・・自動弁本体
自動弁本体4は、下部に一次側接続管5との接続部分を有すると共に、上部に二次側接続管6との接続部分を有する。図示の例の場合、下部の接続部分に一次側接続管5がハウジング継手8によって接続され、上部の接続部分に二次側接続管6がフランジ継手9によって接続される(
図1及び2参照)。
【0029】
・・一次側接続管
一次側接続管5は、組み立てられた状態で、格納箱2の底板2aを貫通し、下端部5aが架台3を越えて、その下方に突出する長さを有する(
図1及び2参照)。
【0030】
・・支持部材
支持部材7は、一次側接続管5の側部に、左右一対をなして設けられ、それぞれ、架台3との固定部分が設けられる固定板7aと、固定板7aを補強する補強板7bを有する(
図1乃至3参照)。固定板7aは、一次側接続管5の側部に略水平になる向きで固定されて、架台3との固定部分に上下方向のボルト挿通孔7aaが設けられ、補強板7bは、一次側接続管5の側部と、固定板7bの上部に略垂直になる向きで固定される(
図1乃至3参照)。
【0031】
支持部材7は、架台3に固定されて、一次側接続管5を支持し、併せて、自動弁本体4と二次側接続管6等を支持する。そのため、固定板7aに加えて、補強板7bが設けられると共に、各固定部分(固定板7aと補強板7bの、互いの固定部分と、一次側接続管5の側部との固定部分)が溶接等により強固に固定される。
【0032】
なお、支持部材7は、一次側接続管5の側部に、左右いずれか一方の側にのみ設けられるものとしてもよいが、左右両方に設けられるものとした方が支持構造をより安定的なものとすることができる。また、左右一対に代えて、前後一対をなして設けられるものとしてもよいし、前後左右に一対ずつ、すなわち、4方向に設けられるものとしてもよい。
【0033】
・・架台
架台3には、上部に、格納箱2が固定されると共に、支持部材7が固定されて、工場等での組立時、格納箱2、自動弁本体4、一次側接続管5及び二次側接続管等の荷重が作用することになる。そのため、架台3は、それらの荷重を支持可能な強度を有するものとして設けられる。
【0034】
架台3は、図示の例の場合、そのような強度を有する枠状の構造をなすものとして設けられ、格納箱2の形状に対応する上面視四角形の形状をなす外枠部3aと、外枠部3aの中央部分の上部側に、前後方向に架設される上段ブリッジ部3bと、外枠部3aの左右両端内側部分(左右両辺部分より若干内側の部分)の下部側に、前後方向に架設される下段ブリッジ部3cからなる。なお、上段ブリッジ部3bと下段ブリッジ部3bは、ひとつのチャンネル材によって構成されている。
【0035】
この架台3の枠状の構造を構成する構成材としては、アングル材、チャンネル材等の鋼材を用いることができる。
【0036】
そして、外枠部3aの上部側左右両端部分(左右両辺部分)に、格納箱2との固定部分が設けられ、その固定部分に上下方向のボルト挿通孔3aaが設けられ、また、上段ブリッジ部3bに、支持部材7との固定部分が設けられ、その固定部分に上下方向のボルト挿通孔3baが設けられる(
図4(b)参照)。
【0037】
格納箱2を架台3に固定する際には、ボルト(図示省略)を上方から、格納箱2のボルト挿通孔2aaと架台3のボルト挿通孔3aaに挿通して、その下面(裏面)側でナット3abと螺合させ(
図4(a)参照)、互いに締め付けて固定する。また、支持部材7を架台3に固定する際には、同様に、ボルト(図示省略)を上方から、支持部材7のボルト挿通孔7aaと架台3のボルト挿通孔3baに挿通して、その下面(裏面)側でナット3bbと螺合させ(
図4(a)参照)、互いに締め付けて固定する。
【0038】
ここで、架台3のボルト挿通孔3aa、3baと下面側で螺合するナット3ab、3bbは、予め、下面側に溶接等により固定されるものとするのが好適である(
図4(a)参照)。それにより、ボルトとの螺合、締め付けの作業を容易に行うことができる。
【0039】
なお、架台3の下部には、工場等での組立時には、後記で説明する仮架台10が固定され、現場での設置時には、仮架台10に代えて、後記で説明する固定金具11が固定される。下段ブリッジ部3cには、仮架台10又は固定金具11との固定部分が設けられ、その固定部分に上下方向のボルト挿通孔3caが設けられる(
図4(b)参照)。
【0040】
・・仮架台
工場等での組立時、架台3の下部には、仮架台10が固定されて設けられる(
図1参照)。
【0041】
仮架台10には、工場等での組立時、格納箱2、架台3、自動弁本体4、一次側接続管5、二次側接続管6等の荷重が作用する。そのため、仮架台10は、それらの荷重を支持可能な強度を有するものとして設けられる。
【0042】
仮架台10は、図示の例の場合、架台3下部の左右両端内側に左右一対をなして固定されるものとして設けられる(
図1参照)。
【0043】
図示の例の場合、それぞれ、側面視四角形の枠状の構造を有し(
図5(b)参照)、上部部材10aに、架台3との固定部分が設けられ、その固定部分に上下方向のボルト挿通孔10aaが設けられる(
図5(a)参照)。
【0044】
架台3に仮架台10を固定する際には、ボルト(図示省略)を下方から、仮架台10のボルト挿通孔10aaと架台3のボルト挿通孔3caに挿通して、その上面(表面)側でナット(図示省略)と螺合させ、互いに締め付けて固定する。
【0045】
そして、仮架台10は、架台3の下方に突出する一次側接続管5の下端部5aの突出寸法を超える高さを有し、その下端部5aが空中に浮くほどに、装置全体の嵩上げが可能な高さを有する(
図1参照)。これにより、工場等での組立時において、一次側接続管5の下端部5aが接地しない状態にして、組立作業を行うことができる。また、組立後の保管時、運搬時等においても、そのような状態にしておくことができる。
【0046】
なお、仮架台10の構成材としても、アングル材、チャンネル材等の鋼材を用いることができる。
【0047】
・・排水受け部の支持部
格納箱2には、底板2aに、前記の通り、自動弁本体2に接続される排水弁17からの排水を受ける排水受け部19の支持部20が設けられる(
図1及び2参照)。支持部20は、底板2a上に縦立して設けられ、排水受け部19の漏斗部19a下部に設けられるパイプ部19bがパイプクランプ等の固定部材により固定されて、排水受け部19を支持、固定する(
図1及び2参照)。
【0048】
工場等での組立時、排水受け部19の支持部20への固定作業もしておけば、格納箱2、架台3、自動弁本体4、一次側接続管5及び二次側接続管6と共に、排水受け部19もユニット化しておくことができる。
【0049】
なお、排水受け部19のパイプ部19bも、組み立てられた状態で、格納箱2の底板2aを貫通し、その下端部が架台3を越えて、その下方に突出する長さを有するが(
図1及び2参照)、仮架台10は、パイプ19bの下端部の下方への突出寸法を超える高さも有する。すなわち、パイプ19bの下端部も空中に浮くほどに、装置全体の嵩上げが可能な高さを有する(
図1参照)。
【0050】
・・固定金具(固定部材の一例)
架台3の下部には、現場での設置時、架台3の下部に固定される仮架台10に代えて、固定金具11(固定部材の一例)が固定される(
図2参照)。
【0051】
固定金具11は、図示の例の場合、仮架台10を取り外した自動弁装置1が仮架台10の取り付けに使用されていた架台3下部の左右両端内側のボルト挿通孔3caの部分に左右一対をなして固定されるものとして設けられる(
図2参照)。
【0052】
図示の例の場合、それぞれ、側面視三角形の枠状の形状を有し(
図6(c)参照)、上部部材11aに、架台3との固定部分が設けられ、その固定部分に上下方向のボルト挿通孔11aaが設けられる(
図6(a)参照)。また、上部部材11aから略直角に下方に連続する後部部材11bに、トンネルの壁面等の、現場における自動弁装置1の取付面との固定部分が設けられ、その固定部分に前後方向のボルト挿通孔11baが設けられる(
図6(b)参照)。
【0053】
トンネルの壁面等に固定する際には、壁面に埋設されるボルト(図示省略)を後方から、固定金具11のボルト挿通孔11baに挿通して、その内面側でナット(図示省略)と螺合させ、互いに締め付けて固定する。
【0054】
架台3に固定金具11を固定する際には、仮架台10と同様、ボルト(図示省略)を下方から、固定金具11のボルト挿通孔11aaと架台3のボルト挿通孔3caに挿通して、その上面(表面)側でナット(図示省略)と螺合させ、互いに締め付けて固定する。
【0055】
なお、固定金具11の構成材としても、アングル材、チャンネル材等の鋼材を用いることができる。
【0056】
・・位置調整機能
架台3のボルト挿通孔3caは、前後方向の長孔として(
図4(c)参照)、固定金具11の上部部材11aに設けられるボルト挿通孔11aaは、左右方向の長孔として(
図6(a)参照)、固定金具11の後部部材11bに設けられるボルト挿通孔11baは、上下方向の長孔として(
図6(b)参照)、それぞれ設けられる。
【0057】
すなわち、架台3は、固定金具11に対して前後方向と左右方向に位置調整可能に固定され、固定金具11は、トンネルの壁面等に対して上下方向に位置調整可能に固定される。
【0058】
これにより、自動弁装置1は、前記のようにユニット化された状態でも、現場での設置時、架台3と固定金具11との間で、前後、左右、上下の3方向に位置を調整することができ、格納箱2が監査路と平行になるように、もしくは水平になるように設置をすることができる。
[構成の変更例]
以上、この発明の実施形態の一例を説明したが、この発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で構成の変更等が可能である。
【符号の説明】
【0059】
1:自動弁装置 2:格納箱 2a:底板 2aa:ボルト挿通孔
2c:背板 2d:切り欠き(中央部分) 2e(左右部分)
3:架台 3a:外枠部 3aa:ボルト挿通孔 3ab:ナット
3b:上段ブリッジ部(中央部分) 3ba:ボルト挿通孔
3bb:ナット 3c:下段ブリッジ部(左右部分)
3ca:ボルト挿通孔 4:自動弁本体 5:一次側接続管 5a:下端部
6:二次側接続管 7:支持部材 7a:固定板 7aa:ボルト挿通孔
7b:補強板 8:ハウジング継手 9:フランジ継手 10:仮架台
11:固定金具 15:パイロット弁 16:圧力スイッチ 17:排水弁
18:端子箱 19:排水受け部 20:支持部