(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062069
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】荷重測定装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/11 20060101AFI20240430BHJP
G01L 5/00 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
A61B5/11 300
G01L5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169827
(22)【出願日】2022-10-24
(71)【出願人】
【識別番号】000150707
【氏名又は名称】長野計器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】春日 啓汰
(72)【発明者】
【氏名】有賀 大貴
(72)【発明者】
【氏名】田中 康久
【テーマコード(参考)】
2F051
4C038
【Fターム(参考)】
2F051AA17
2F051BA07
4C038VA04
4C038VB08
(57)【要約】
【課題】検出精度の低下を抑制できる荷重測定装置を提供すること。
【解決手段】荷重測定装置1は、柱状に形成され、内部に圧力伝達媒体が封入される封入室411が設けられる受圧部材41と、受圧部材41の第1面412側に取り付けられるダイアフラム部42と、一方の端部が封入室411に接続されて内部に圧力伝達媒体が封入される圧力伝達部材43と、圧力伝達部材43の他端部に接続され、圧力伝達媒体を介してダイアフラム部42に付与される荷重を検出する圧力検出器と、受圧部材41およびダイアフラム部42を挟持する第1板状部451および第2板状部452を有する保持部材45と、ダイアフラム部42の変形部421と当接するように形成される当て板部材46と、備え、受圧部材41の第2面413には、第1板状部451に向かって突出する突状部415が形成され、第1板状部451には、突状部415と係合可能な係合孔部453が形成される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状に形成され、内部に圧力伝達媒体が封入される封入室が設けられる受圧部材と、
前記受圧部材の一方の面側に取り付けられるダイアフラム部と、
管状に形成され、一方の端部が前記封入室に接続されて内部に前記圧力伝達媒体が封入される圧力伝達部材と、
前記圧力伝達部材の他端部に接続され、前記圧力伝達媒体を介して前記ダイアフラム部に付与される荷重を検出する圧力検出器と、
前記受圧部材および前記ダイアフラム部を挟持する第1板状部および第2板状部を有する保持部材と、
前記ダイアフラム部の変形部と当接するように形成される当て板部材と、を備え、
前記受圧部材の他方の面には、前記第1板状部に向かって突出する突状部が形成され、
前記第1板状部には、前記突状部と係合可能な係合孔部が形成される
ことを特徴とする荷重測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の荷重測定装置において、
環状に形成され、前記ダイアフラム部の前記受圧部材と当接する面と反対側の面における取付部に当接する押さえ部材を備え、
前記当て板部材は、前記第2板状部に取り付けられ、前記押さえ部材の内周面に当接しない位置で前記ダイアフラム部と当接する
ことを特徴とする荷重測定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の荷重測定装置において、
前記受圧部材の一方の面には、前記ダイアフラム部および前記押さえ部材を収納する収納凹部が形成される
ことを特徴とする荷重測定装置。
【請求項4】
請求項1に記載の荷重測定装置において、
前記受圧部材と前記圧力検出器とは、1本の前記圧力伝達部材により接続される
ことを特徴とする荷重測定装置。
【請求項5】
請求項1に記載の荷重測定装置において、
前記第2板状部には、前記圧力検出器を収納する収納部が形成される
ことを特徴とする荷重測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷重測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、咬合力を測定する咬合力計が知られている(例えば、特許文献1等)。
特許文献1では、ダイアフラム部に付与される咬合力を、圧力伝達部に封入される圧力伝達媒体により圧力検出器に伝達することで、圧力検出器により咬合力を検出できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、ダイアフラム部を上アーム部で保持し、下アームに設けた当て板でダイアフラムを潰すことにより、内部圧力伝達媒体により圧力検出器に伝達している。しかし、ダイアフラム部はアテイタに対して大きく、全面で押されるわけではない。そのため、圧力伝達部に封入される圧力媒体により、ダイアフラム部においては押圧されて潰される部分と、潰されたことで内圧が上昇して圧力媒体が逃げることで膨張する部分と、が存在してしまうことから、圧力検出器による咬合力の検出精度が低下してしまうといったおそれがあった。
また、特許文献1では、上アーム部および下アーム部の後端同士を結合しており、ダイアフラム部と当て板部とが位置決めされているわけではないので、上アーム部および下アーム部に対するダイアフラム部の位置がずれてしまうおそれがある。そうすると、ダイアフラム部に対して咬合力が付与される位置がずれてしまうため、圧力検出器による咬合力の検出精度が低下してしまうといったおそれがあった。
【0005】
本発明の目的は、検出精度の低下を抑制できる荷重測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の荷重測定装置は、柱状に形成され、内部に圧力伝達媒体が封入される封入室が設けられる受圧部材と、前記受圧部材の一方の面側に取り付けられるダイアフラム部と、管状に形成され、一方の端部が前記封入室に接続されて内部に前記圧力伝達媒体が封入される圧力伝達部材と、前記圧力伝達部材の他端部に接続され、前記圧力伝達媒体を介して前記ダイアフラム部に付与される荷重を検出する圧力検出器と、前記受圧部材および前記ダイアフラム部を挟持する第1板状部および第2板状部を有する保持部材と、前記ダイアフラム部の変形部と当接するように形成される当て板部材と、を備え、前記受圧部材の他方の面には、前記第1板状部に向かって突出する突状部が形成され、前記第1板状部には、前記突状部と係合可能な係合孔部が形成されることを特徴とする。
【0007】
本発明では、圧力伝達媒体が封入される封入室が設けられる受圧部材およびダイアフラム部を第1板状部および第2板状部により挟持することで、保持している。この際、受圧部材の他方の面に形成される突状部が、第1板状部に形成される係合孔部に係合するので、第1板状部を有する保持部材に対して、受圧部材および当該受圧部材に取り付けられるダイアフラム部が位置決めされる。これにより、保持部材に対して受圧部材およびダイアフラム部がずれてしまうことを抑制できるので、ダイアフラム部の位置がずれることで圧力検出器の検出精度が低下してしまうことを抑制できる。
さらに、ダイアフラム部が柱状とされた受圧部材に取り付けられるので、ダイアフラム部に付与される荷重を逃がすことなく、受圧部材に伝達することができる。そのため、ダイアフラム部に付与される荷重を、受圧部材および圧力伝達媒体を介して圧力検出器に伝達する際のロスを抑制することができる。
【0008】
本発明の荷重測定装置において、環状に形成され、前記ダイアフラム部の前記受圧部材と当接する面と反対側の面における取付部に当接する押さえ部材を備え、前記当て板部材は、前記第2板状部に取り付けられ、前記押さえ部材の内周面に当接しない位置で前記ダイアフラム部と当接することが好ましい。
この構成では、ダイアフラム部の受圧部材と当接する面と反対側の面における取付部に当接する押さえ部材を備えるので、変形部が受けた荷重が取付部に伝わって逃げてしまうことを抑制できる。
【0009】
本発明の荷重測定装置において、前記受圧部材の一方の面には、前記ダイアフラム部および前記押さえ部材を収納する収納凹部が形成されることが好ましい。
この構成では、ダイアフラム部および押さえ部材は、受圧部材に設けられる収納凹部に収納されるので、受圧部材に対してずれてしまうことを抑制できる。
【0010】
本発明の荷重測定装置において、前記受圧部材と前記圧力検出器とは、1本の前記圧力伝達部材により接続されることが好ましい。
この構成では、受圧部材と圧力検出器とを接続する圧力伝達部材は1本のみであるので、例えば、2本以上の管状の伝達部材で両者が接続される場合に比べて、圧力伝達媒体の量を削減することができる。
【0011】
本発明の荷重測定装置において、前記第2板状部には、前記圧力検出器を収納する収納部が形成されることが好ましい。
この構成では、第2板状部に圧力検出器を収納するための収納部が形成されるので、圧力検出器を収納するスペースを別途設ける必要がない。そのため、荷重測定装置を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係る荷重測定装置の概略を示す斜視図。
【
図2】前記実施形態の荷重測定装置の概略を示す分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施形態]
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の荷重測定装置1の概略を示す斜視図であり、
図2は、本実施形態の荷重測定装置1の概略を示す分解斜視図である。なお、本実施形態の荷重測定装置1は、被測定者の口腔内において咬合力を測定する咬合力計として構成されている。
図1、
図2に示すように、荷重測定装置1は、ケース2と、回路部3と、検出部4と、を備えている。
【0014】
[ケース2]
ケース2は、樹脂製で、回路部3や検出部4を収納する部材である。本実施形態では、ケース2は、第1ケース21と、第2ケース22と、第3ケース23と、カバー継手24と、を有する。
なお、ケース2は、上記構成に限られるものではなく、例えば、金属製でもよく、あるいは、樹脂と金属を含んで構成されていてもよい。
【0015】
第1ケース21は、第2ケース22と一対となって略有底角筒状となるように形成されている。本実施形態では、第1ケース21には、後述する液晶部33と対応する位置に、開口部211が形成されている。
なお、第1ケース21および第2ケース22は、略有底角筒状のように角張ることに限られるものではなく、例えば、略有底筒状とされていてもよい。
【0016】
第2ケース22は、前述したように、第1ケース21と一対となって略有底角筒状となるように形成されている。そして、第1ケース21および第2ケース22は、回路部3と検出部4の一部とを収納可能に構成されている。
また、本実施形態では、第2ケース22には、第1ケース21と対向する側と反対側の背面側に電池収納部221が形成されている。さらに、第2ケース22は、電池収納部221を覆うカバー部材222を有する。そして、当該電池収納部221には、後述する電源基板32と電池Bとが収納されている。本実施形態では、電池収納部221は、コイン型の電池Bを収納可能に構成されている。ただし、電池収納部221は、上記構成に限られるものではなく、例えば、円筒状の電池や角形の電池を収納可能に構成されていてもよい。
【0017】
第3ケース23は、基端側が大径とされた略有底角筒状となるように形成されている。そして、第3ケース23は、検出部4の一部を収納可能に構成されている。より具体的には、第3ケース23は、検出部4の先端側に配置される受圧部材41やダイアフラム部42(
図3)等を収納可能に構成されている。これにより、被測定者は、第3ケース23の先端側を咬むことによって、咬合力を測定できるように構成されている。すなわち、第3ケース23の先端側は被咬部(測定部)として構成されている。
本実施形態では、被測定者は、通常、咬合力を測定する際、第3ケース23を覆うディスポーザブルケース(図示略)を使用する。すなわち、被測定者は、ディスポーザブルケースで覆われた状態の第3ケース23の被咬部を咬むことで咬合力を測定する。
なお、第3ケース23は、上記構成に限られるものではなく、例えば、先端側と基端側とが同径とされていてもよく、あるいは、先端側に比べて基端側が小径とされていてもよい。また、第3ケース23は、略有底角筒状のように角張ることに限られるものではなく、例えば、略有底筒状とされていてもよい。
【0018】
カバー継手24は、後述する検出部4の保持部材45を保持する部材である。本実施形態では、カバー継手24は、第1ケース21および第2ケース22の先端側の開口部分、すなわち、第3ケース23と接続される箇所に取り付けられ、保持部材45を挟持することで、保持部材45を固定するように構成されている。
【0019】
[回路部3]
回路部3は、検出部4から出力された検出信号を入力して、測定値を表示するように構成されている。本実施形態では、回路部3は、制御基板31と、電源基板32と、液晶部33と、コネクタ部材34と、信号伝達部材35と、を備える。
【0020】
制御基板31は、荷重測定装置1による咬合力の測定を制御する基板である。本実施形態では、制御基板31は、信号伝達部材35により検出部4と電気的に接続されている。これにより、検出部4で検出された検出信号が信号伝達部材35を介して制御基板31に入力される。さらに、制御基板31は、コネクタ部材34により液晶部33と電気的に接続されている。そのため、制御基板31は、検出部4から出力された検出信号に応じた信号を液晶部33に出力することにより、液晶部33に咬合力の測定結果を表示させることができるように構成されている。
【0021】
電源基板32は、前述したように第2ケース22の電池収納部221に収納され、電池Bと電気的に接続されている。さらに、電源基板32は、図示略の電力伝達部材を介して制御基板31に接続されている。これにより、電源基板32は、制御基板31を介して液晶部33や検出部4に電力を供給できるように構成されている。
【0022】
液晶部33は、所謂液晶ディスプレイとして構成され、咬合力の測定値を表示するように構成されている。本実施形態では、前述したように、液晶部33は制御基板31から出力された信号を入力して、検出部4で検出した検出信号に応じた測定値を表示するように構成されている。なお、液晶部33は、上記構成に限られるものではなく、例えば、色によって咬合力を表示するように構成されていてもよい。
【0023】
コネクタ部材34は、前述したように、制御基板31と液晶部33とを電気的に接続させるための部材である。本実施形態では、コネクタ部材34は、所謂導電ゴムタイプのコネクタとして構成されている。ただし、コネクタ部材34は、上記構成に限られるものではなく、樹脂および金属から構成される一般的にコネクタとして構成されていてもよく、制御基板31と液晶部33とを電気的に接続可能に構成されていればよい。
【0024】
信号伝達部材35は、所謂電気配線であり、前述したように検出部4と制御基板31とを電気的に接続させるように構成されている。これにより、信号伝達部材35を介して検出部4からの検出信号を制御基板31に入力させるとともに、制御基板31から検出部4に電力を供給できるように構成されている。
【0025】
[検出部4]
図3は、検出部4の要部の概略を示す分解斜視図であり、
図4は、検出部4の要部の概略を示す断面図であり、
図5は、検出部4の要部の概略を示す拡大断面図である。
図3~
図5に示すように、検出部4は被測定者の咬合力を検出し、当該咬合力に応じた検出信号を出力するように構成されている。本実施形態では、検出部4は、受圧部材41と、ダイアフラム部42と、圧力伝達部材43と、圧力検出器44と、保持部材45と、当て板部材46と、押さえ部材47と、封入管部材48と、を備える。
【0026】
受圧部材41は、検出部4の先端側、すなわち、第3ケース23の被咬部に対応する位置に配置され、被測定者が被咬部を咬んだ際の圧力を受圧する部材である。本実施形態では、受圧部材41は、柱状に形成され、内部に圧力伝達媒体が封入される封入室411が設けられている。そして、当該封入室411は、圧力伝達部材43を介して圧力検出器44と接続されている。これにより、ダイアフラム部42に付与される荷重は、封入室411に封入された圧力伝達媒体を介して、圧力検出器44に伝達されるように構成されている。
【0027】
また、受圧部材41は、第1面412と、当該第1面412とは反対側の第2面413を有する。そして、受圧部材41の第1面412には、ダイアフラム部42および押さえ部材47が取り付けられている。より具体的には、受圧部材41の第1面412には、ダイアフラム部42および押さえ部材47が収納される収納凹部414が形成されている。そして、ダイアフラム部42および押さえ部材47は、当該収納凹部414に収納されることで、受圧部材41の第1面412に取り付けられている。
ここで、本実施形態では、ダイアフラム部42が、柱状とされた受圧部材41に取り付けられる。そうすると、柱状とされた受圧部材41は、例えば、薄板状とされる場合に比べて変形しにくいので、ダイアフラム部42に付与された荷重を逃がすことなく受けることができる。そのため、ダイアフラム部42に付与される荷重を、受圧部材41および圧力伝達媒体を介して圧力検出器44に伝達する際のロスを抑制することができる。
【0028】
また、本実施形態では、受圧部材41の第2面413には、後述する保持部材45の第1板状部451に向かって突出する突状部415が形成されている。当該突状部415の機能の詳細については、後述する。
【0029】
ダイアフラム部42は、薄膜状に形成され、前述したように受圧部材41の収納凹部414に収納されることで、受圧部材41の第1面412に取り付けられている。本実施形態では、ダイアフラム部42は、変形部421と、取付部422と、を備える。
変形部421はダイアフラム部42の中央部分に位置し、荷重を受けて変形する箇所である。取付部422は、変形部421の周囲に位置し、受圧部材41の収納凹部414および押さえ部材47に挟持される箇所である。
そして、本実施形態では、変形部421は、受圧部材41および当て板部材46と当接するように構成されている。これにより、ダイアフラム部42が荷重を受けた際に、変形部421が変形することで受圧部材41に荷重が伝達される。この際、後述するように、取付部422は押さえ部材47によって押さえられて変形を抑制されるので、ダイアフラム部42が受けた荷重が取付部422に伝達されることを抑制できる。そのため、圧力伝達媒体を介して圧力検出器44に伝達する際のロスを抑制できる。
【0030】
圧力伝達部材43は、管状に形成され、一方の端部が受圧部材41の封入室411に接続され、他方の端部が圧力検出器44に接続されている。そして、圧力伝達部材43の内部には圧力伝達媒体が封入されている。これにより、圧力伝達部材43は、内部に封入された圧力伝達媒体を介して、受圧部材41が受けた圧力を圧力検出器44に伝達するように構成されている。
ここで、本実施形態では、受圧部材41および圧力検出器44は、1本の圧力伝達部材43により接続されている。これにより、例えば、2本以上の管状の伝達部材で受圧部材41および圧力検出器44が接続される場合に比べて、圧力伝達媒体の量を削減することができ、検出精度を向上することができる。
【0031】
圧力検出器44は、圧力伝達媒体を介して伝達された圧力を検出し、当該圧力に応じた検出信号を出力する部材である。本実施形態では、圧力検出器44は、継手部441と、検出部材442と、を備える。
【0032】
継手部441は、圧力伝達部材43と検出部材442とを接続させる所謂継手部材である。検出部材442は、所謂圧力センサーであり、圧力伝達媒体の圧力を検出可能に構成されている。
また、検出部材442は、信号伝達部材35を介して制御基板31と電気的に接続されている。すなわち、検出部材442は、信号伝達部材35の他端部に接続されている。これにより、検出部材442で検出した圧力に応じた検出信号が制御基板31に出力される。
【0033】
保持部材45は、受圧部材41、ダイアフラム部42、当て板部材46、および、押さえ部材47を保持する部材である。前述したように、保持部材45は、カバー継手24に挟持された状態で第1ケース21にビス留めされることで、第1ケース21および第2ケース22に固定されている。本実施形態では、保持部材45は、第1板状部451および第2板状部452を備える。
【0034】
第1板状部451は、金属製の板状部材であり、受圧部材41の第2面413と当接するように配置されている。そして、本実施形態では、第1板状部451には、受圧部材41の第2面413に形成された突状部415に対応する位置に係合孔部453が形成されている。そして、当該係合孔部453に突状部415が挿入されることで、第1板状部451に対して受圧部材41が係合されている。これにより、第1板状部451に対して受圧部材41が、受圧部材41の厚さ方向と直交する方向にずれてしまうことを抑制できる。そのため、受圧部材41およびダイアフラム部42の位置がずれることで、圧力検出器44の検出精度が低下してしまうことを抑制できる。
【0035】
第2板状部452は、金属製の板状部材であり、受圧部材41、ダイアフラム部42、および、当て板部材46を挟んで第1板状部451とは反対側に配置されている。換言すると、第1板状部451および第2板状部452とで、受圧部材41、ダイアフラム部42、および、当て板部材46挟持するように構成されている。そして、本実施形態では、第1板状部451および第2板状部452は、基端側で溶接されて固定されている。これにより、第1板状部451に対する第2板状部452の位置がずれてしまうことを抑制できる。なお、上記構成に限られるものではなく、第1板状部451および第2板状部452は、接着剤等により固定されていてもよい。
【0036】
また、本実施形態では、第2板状部452には、圧力検出器44を収納する収納部454が形成されている。これにより、圧力検出器44を収納するためのスペースを別途設ける必要がないので、荷重測定装置1を小型化することができる。
【0037】
当て板部材46は、ダイアフラム部42を挟んで、受圧部材41とは反対側に配置されており、前述したように、ダイアフラム部42の変形部421と当接するように構成されている。本実施形態では、当て板部材46は、変形部421における受圧部材41と当接する面とは反対側の面の全面と当接するように構成されている。これにより、ダイアフラム部42が荷重を受けた際に、その荷重を逃がすことなく受圧部材41に伝えることができる。
また、本実施形態では、当て板部材46は保持部材45の第2板状部452に溶接されて固定されている。これにより、当て板部材46が第2板状部452に対してずれてしまうことを抑制できる。すなわち、本実施形態では、第1板状部451および第2板状部452が溶接されて固定された上で、受圧部材41およびダイアフラム部42が第1板状部451に位置決めされ、当て板部材46が第2板状部452に位置決めされている。そのため、第1板状部451、受圧部材41、ダイアフラム部42、当て板部材46、および、第2板状部452の位置関係がずれることがないので、受圧部材41、ダイアフラム部42、および、当て板部材46の位置関係がずれることで検出精度が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、上記構成に限られるものではなく、例えば、当て板部材46は第2板状部452に対して接着剤等により固定されていてもよい。
【0038】
[押さえ部材47]
押さえ部材47は、環状に形成され、前述したように、ダイアフラム部42の取付部422に当接するように構成されている。より具体的には、押さえ部材47は、ダイアフラム部42の取付部422における受圧部材41に当接する面とは反対側の面に当接するように構成されている。これにより、押さえ部材47および受圧部材41によりダイアフラム部42の取付部422を挟持することで、受圧部材41に対してダイアフラム部42を固定することができる。より具体的には、受圧部材41の収納凹部414にダイアフラム部42を固定することができる。
【0039】
ここで、本実施形態では、押さえ部材47は、内周面が当て板部材46に当接しないように位置している。換言すると、当て板部材46は、押さえ部材47の内周面に当接しない位置でダイアフラム部42の取付部422に当接している。これにより、押さえ部材47によってダイアフラム部42の取付部422が変形してしまうことを抑制できる。すなわち、ダイアフラム部42の変形部421が受けた荷重が取付部422に伝わって逃げてしまうことを抑制することができる。
【0040】
封入管部材48は、管状に形成され、一方の端部が圧力検出器44の継手部441に接続され、他方の端部は封止されている。当該封入管部材48は、荷重測定装置1を製造する際に、受圧部材41の封入室411や圧力伝達部材43に圧力伝達媒体を封入する際に用いられる。このため、圧力伝達媒体を封入した後は、前述したように端部が封止される。
【0041】
以上のような本実施形態では、次の効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、圧力伝達媒体が封入される封入室411が設けられる受圧部材41およびダイアフラム部42を第1板状部451および第2板状部452により挟持することで、保持している。この際、受圧部材41の第2面413に形成される突状部415が、第1板状部451に形成される係合孔部453に係合するので、第1板状部451を有する保持部材45に対して、受圧部材41および当該受圧部材41に取り付けられるダイアフラム部42が位置決めされる。これにより、保持部材45に対して受圧部材41およびダイアフラム部42がずれてしまうことを抑制できるので、ダイアフラム部42の位置がずれることで圧力検出器44の検出精度が低下してしまうことを抑制できる。
さらに、ダイアフラム部42が柱状とされた受圧部材41に取り付けられるので、ダイアフラム部42に付与される荷重を逃がすことなく、受圧部材41に伝達することができる。そのため、ダイアフラム部42に付与される荷重を、受圧部材41および圧力伝達媒体を介して圧力検出器44に伝達する際のロスを抑制することができる。
【0042】
(2)本実施形態では、ダイアフラム部42の取付部422における受圧部材41と当接する面と反対側の面における取付部422に当接する押さえ部材47を備えるので、ダイアフラム部42が受けた荷重が取付部422に伝わって逃げてしまうことを抑制できる。
【0043】
(3)本実施形態では、ダイアフラム部42および押さえ部材47は、受圧部材41に設けられる収納凹部414に収納されるので、受圧部材41に対してずれてしまうことを抑制できる。
【0044】
(4)本実施形態では、受圧部材41と圧力検出器44とを接続する圧力伝達部材43は1本のみであるので、例えば、2本以上の管状の伝達部材で両者が接続される場合に比べて、圧力伝達媒体の量を削減することができる。
【0045】
(5)本実施形態では、第2板状部452に圧力検出器44を収納するための収納部454が形成されるので、圧力検出器44を収納するスペースを別途設ける必要がない。そのため、荷重測定装置1を小型化することができる。
【0046】
[変形例]
なお、本発明は前述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0047】
前記実施形態では、受圧部材41と圧力検出器44とを接続する圧力伝達部材43は1本のみで構成されていたが、これに限定されない。例えば、受圧部材および圧力検出器を接続する管状の伝達部材が2本以上設けられていてもよい。
【0048】
前記実施形態では、第2板状部452に圧力検出器44を収納するための収納部454が形成されていたが、これに限定されない。例えば、圧力検出器を収納するためのスペースを第1ケースおよび第2ケースに設けていてもよい。
【0049】
前記実施形態では、制御基板31は、測定値を表示するための信号を液晶部33に出力していたが、これに限定されない。例えば、荷重測定装置は、測定値を表示するための信号を外部の装置に対して、有線や無線により出力する信号出力部を備えていてもよい。
【0050】
前記実施形態では、荷重測定装置1は、被測定者の口腔内において咬合力を測定する咬合力計として構成されていたが、これに限定されない。例えば、荷重測定装置1は、被測定者の口腔内において舌圧を測定する舌圧測定装置として構成されていてもよく、あるいは、質量を測定する電子はかりとして構成されていてもよく、荷重を測定する装置に適用できる。
【符号の説明】
【0051】
1…荷重測定装置、2…ケース、3…回路部、4…検出部、21…第1ケース、22…第2ケース、23…第3ケース、24…カバー継手、31…制御基板、32…電源基板、33…液晶部、34…コネクタ部材、35…信号伝達部材、41…受圧部材、42…ダイアフラム部、43…圧力伝達部材、44…圧力検出器、45…保持部材、46…当て板部材、47…押さえ部材、48…封入管部材、211…開口部、221…電池収納部、222…カバー部材、411…封入室、412…第1面、413…第2面、414…収納凹部、415…突状部、421…変形部、422…取付部、441…継手部、442…検出部材、451…第1板状部、452…第2板状部、453…係合孔部、454…収納部、B…電池。