IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 本田技研工業株式会社の特許一覧 ▶ アイシン精機株式会社の特許一覧

特開2024-62073制御装置、制御方法、及び制御プログラム
<>
  • 特開-制御装置、制御方法、及び制御プログラム 図1
  • 特開-制御装置、制御方法、及び制御プログラム 図2
  • 特開-制御装置、制御方法、及び制御プログラム 図3
  • 特開-制御装置、制御方法、及び制御プログラム 図4
  • 特開-制御装置、制御方法、及び制御プログラム 図5
  • 特開-制御装置、制御方法、及び制御プログラム 図6
  • 特開-制御装置、制御方法、及び制御プログラム 図7
  • 特開-制御装置、制御方法、及び制御プログラム 図8
  • 特開-制御装置、制御方法、及び制御プログラム 図9
  • 特開-制御装置、制御方法、及び制御プログラム 図10
  • 特開-制御装置、制御方法、及び制御プログラム 図11
  • 特開-制御装置、制御方法、及び制御プログラム 図12
  • 特開-制御装置、制御方法、及び制御プログラム 図13
  • 特開-制御装置、制御方法、及び制御プログラム 図14
  • 特開-制御装置、制御方法、及び制御プログラム 図15
  • 特開-制御装置、制御方法、及び制御プログラム 図16
  • 特開-制御装置、制御方法、及び制御プログラム 図17
  • 特開-制御装置、制御方法、及び制御プログラム 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062073
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法、及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/06 20060101AFI20240430BHJP
   B60W 40/02 20060101ALI20240430BHJP
   B60W 50/10 20120101ALI20240430BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20240430BHJP
   G08G 1/14 20060101ALI20240430BHJP
   B60R 99/00 20090101ALI20240430BHJP
【FI】
B60W30/06
B60W40/02
B60W50/10
G08G1/16 C
G08G1/14 A
B60R99/00 330
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169833
(22)【出願日】2022-10-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 潤之
(72)【発明者】
【氏名】藤原 達朗
(72)【発明者】
【氏名】早川 和孝
(72)【発明者】
【氏名】乾 陽司
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA21
3D241BB02
3D241CC01
3D241CC08
3D241CC17
3D241CE01
3D241CE02
3D241CE04
3D241CE05
3D241DB02Z
3D241DC35Z
3D241DC50Z
3D241DD11Z
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF14
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL09
5H181LL17
(57)【要約】
【課題】登録駐車位置の検出結果がユーザに示されるまで時間を短縮し、ユーザビリティを向上させることが可能な制御装置、制御方法、及び制御プログラムを提供する。
【解決手段】車両10の演算部52は、車両10の外界の認識データを取得する外界認識部55と、認識データに基づいて車両10の駐車候補位置の検出を行う駐車候補位置検出部56と、駐車候補位置のうち車両10の駐車位置の選択を車両10のユーザから受け付ける受付部57と、を備える。駐車候補位置検出部56は、未登録の駐車候補位置を検出する第1検出処理と、登録済みの駐車候補位置を検出する第2検出処理と、を実行可能であり、ユーザによる操作に基づいて第1検出処理を開始し、車両10の移動中に車両10の移動速度vが所定速度V1以下になったことに基づいて第1検出処理を停止し、第1検出処理の停止に基づいて第2検出処理を開始する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の制御装置であって、
前記移動体の外界の認識データを取得する外界認識部と、
前記認識データに基づいて前記移動体の駐車候補位置の検出を行う駐車候補位置検出部と、
前記駐車候補位置のうち前記移動体の駐車位置の選択を前記移動体のユーザから受け付ける受付部と、を備え、
前記駐車候補位置検出部は、
未登録の駐車候補位置を検出する第1検出処理と、登録済みの駐車候補位置を検出する第2検出処理と、を実行可能であり、
前記ユーザによる操作に基づいて前記第1検出処理を開始し、
前記移動体の移動中に前記移動体の移動速度が所定速度以下になったことに基づいて前記第1検出処理を停止し、
前記第1検出処理の停止に基づいて前記第2検出処理を開始する、
制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記駐車候補位置検出部は、
前記第2検出処理を開始した後に、前記移動速度が所定速度以上になったことと、前記移動体の移動距離が所定距離以上になったことと、の少なくともいずれかに基づいて前記第2検出処理を停止し、
前記第2検出処理の停止に基づいて前記第1検出処理を再開する、
制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の制御装置であって、
前記駐車候補位置検出部は、
前記移動体の移動中に前記移動体の移動速度が第1速度以下になったことに基づいて前記第1検出処理を停止し、
前記第2検出処理を開始した後に、前記移動速度が前記第1速度より高い第2速度以上になったことに基づいて前記第2検出処理を停止する、
制御装置。
【請求項4】
請求項2に記載の制御装置であって、
前記駐車候補位置検出部は、
前記第1検出処理を再開した後に、前記移動体の停止に基づいて前記第1検出処理を停止し、
前記第1検出処理の停止に基づいて前記第2検出処理を再開する、
制御装置。
【請求項5】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記受付部は、
前記第1検出処理に基づいて前記未登録の駐車候補位置が検出された場合、前記未登録の駐車候補位置を表示して前記駐車位置の選択を前記ユーザから受け付け、
前記第2検出処理に基づいて前記登録済みの駐車候補位置が検出された場合、前記登録済みの駐車候補位置を表示して前記駐車位置の選択を前記ユーザから受け付ける、
制御装置。
【請求項6】
請求項5に記載の制御装置であって、
前記受付部は、前記第1検出処理に基づいて前記未登録の駐車候補位置が検出され、かつ前記第2検出処理に基づいて前記登録済みの駐車候補位置が検出された場合、前記未登録の駐車候補位置及び前記登録済みの駐車候補位置を異なる態様で表示する、
制御装置。
【請求項7】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記ユーザにより選択された前記駐車位置に前記移動体を駐車させるための駐車制御を行う駐車制御部をさらに備える、
制御装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の制御装置であって、
前記第1検出処理は、駐車枠の検出と、空き駐車スペースの検出と、の少なくともいずれかに基づいて前記未登録の駐車候補位置を検出する処理であり、
前記第2検出処理は、前記ユーザが過去に前記登録済みの駐車候補位置を登録した際の前記認識データの特徴点と、現在の前記認識データの特徴点と、の比較に基づいて前記登録済みの駐車候補位置を検出する処理である、
制御装置。
【請求項9】
移動体の外界の認識データを取得する外界認識部と、前記認識データに基づいて前記移動体の駐車候補位置の検出を行う駐車候補位置検出部と、前記駐車候補位置のうち前記移動体の駐車位置の選択を前記移動体のユーザから受け付ける受付部と、を備える、移動体の制御装置による制御方法であって、
前記制御装置のプロセッサが、
未登録の駐車候補位置を検出する第1検出処理と、登録済みの駐車候補位置を検出する第2検出処理と、を実行可能とし、
前記ユーザによる操作に基づいて前記第1検出処理を開始し、
前記移動体の移動中に前記移動体の移動速度が所定速度以下になったことに基づいて前記第1検出処理を停止し、
前記第1検出処理の停止に基づいて前記第2検出処理を開始する、
制御方法。
【請求項10】
移動体の外界の認識データを取得する外界認識部と、前記認識データに基づいて前記移動体の駐車候補位置の検出を行う駐車候補位置検出部と、前記駐車候補位置のうち前記移動体の駐車位置の選択を前記移動体のユーザから受け付ける受付部と、を備える、移動体の制御装置の制御プログラムであって、
前記制御装置のプロセッサに、
未登録の駐車候補位置を検出する第1検出処理と、登録済みの駐車候補位置を検出する第2検出処理と、を実行可能とし、
前記ユーザによる操作に基づいて前記第1検出処理を開始し、
前記移動体の移動中に前記移動体の移動速度が所定速度以下になったことに基づいて前記第1検出処理を停止し、
前記第1検出処理の停止に基づいて前記第2検出処理を開始する、
処理を実行させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、制御方法、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、交通参加者の中でも脆弱な立場にある人々にも配慮した持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する取り組みが活発化している。この実現に向けて自動運転技術に関する研究開発を通して交通の安全性や利便性をより一層改善する研究開発に注力している。
【0003】
従来、駐車スペースを検出し、検出した駐車スペースに車両を自動的に移動させて駐車させる自動駐車制御が知られている。また、指定された駐車スペースを予め登録しておき、その登録した駐車スペースを検出して車両を自動的に移動させて駐車させる自動駐車制御が知られている。特許文献1には、第1指示を受信すると自動駐車の開始時から終了時までに取得される画像データに基づいて車両周囲の特徴点情報を取得して、特徴点情報を駐車位置と関連付けて記憶し、第2指示を受信すると画像データに基づいて実特徴点情報を取得して、記憶されている特徴点情報と実特徴点情報とに基づいて自動駐車を実行する制御装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-117128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車両の駐車時において自動駐車モードが選択されると、単に空いている駐車スペースを検出する空き駐車位置検出と、事前に特定の駐車スペースとして登録された駐車スペースを検出する登録駐車位置検出との両検出を行う場合がある。この場合、まず空き駐車位置検出を開始し、例えば車両が停車すると空き駐車位置検出を終了して登録駐車位置検出を開始する自動駐車モードがある。しかしながら、この自動駐車モードの場合、車両が停車しないと登録駐車位置検出が開始されないため、登録駐車位置の検出結果がユーザに示されるまで時間が掛かってしまうという欠点がある。したがって、駐車位置の検出に関しては改良の余地がある。
【0006】
本発明は、登録駐車位置の検出結果がユーザに示されるまで時間を短縮し、ユーザビリティを向上させることが可能な制御装置、制御方法、及び制御プログラムを提供することを目的とする。そして、延いては持続可能な輸送システムの発展に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
移動体の制御装置であって、
前記移動体の外界の認識データを取得する外界認識部と、
前記認識データに基づいて前記移動体の駐車候補位置の検出を行う駐車候補位置検出部と、
前記駐車候補位置のうち前記移動体の駐車位置の選択を前記移動体のユーザから受け付ける受付部と、を備え、
前記駐車候補位置検出部は、
未登録の駐車候補位置を検出する第1検出処理と、登録済みの駐車候補位置を検出する第2検出処理と、を実行可能であり、
前記ユーザによる操作に基づいて前記第1検出処理を開始し、
前記移動体の移動中に前記移動体の移動速度が所定速度以下になったことに基づいて前記第1検出処理を停止し、
前記第1検出処理の停止に基づいて前記第2検出処理を開始する、
制御装置である。
【0008】
本発明は、
移動体の外界の認識データを取得する外界認識部と、前記認識データに基づいて前記移動体の駐車候補位置の検出を行う駐車候補位置検出部と、前記駐車候補位置のうち前記移動体の駐車位置の選択を前記移動体のユーザから受け付ける受付部と、を備える、移動体の制御装置による制御方法であって、
前記制御装置のプロセッサが、
未登録の駐車候補位置を検出する第1検出処理と、登録済みの駐車候補位置を検出する第2検出処理と、を実行可能とし、
前記ユーザによる操作に基づいて前記第1検出処理を開始し、
前記移動体の移動中に前記移動体の移動速度が所定速度以下になったことに基づいて前記第1検出処理を停止し、
前記第1検出処理の停止に基づいて前記第2検出処理を開始する、
制御方法である。
【0009】
本発明は、
移動体の外界の認識データを取得する外界認識部と、前記認識データに基づいて前記移動体の駐車候補位置の検出を行う駐車候補位置検出部と、前記駐車候補位置のうち前記移動体の駐車位置の選択を前記移動体のユーザから受け付ける受付部と、を備える、移動体の制御装置の制御プログラムであって、
前記制御装置のプロセッサに、
未登録の駐車候補位置を検出する第1検出処理と、登録済みの駐車候補位置を検出する第2検出処理と、を実行可能とし、
前記ユーザによる操作に基づいて前記第1検出処理を開始し、
前記移動体の移動中に前記移動体の移動速度が所定速度以下になったことに基づいて前記第1検出処理を停止し、
前記第1検出処理の停止に基づいて前記第2検出処理を開始する、
処理を実行させるための制御プログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、登録駐車位置の検出結果がユーザに示されるまで時間を短縮し、ユーザビリティを向上させることが可能な制御装置、制御方法、及び制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態の制御装置を搭載した車両の一例を示す側面図である。
図2図1に示す車両の上面図である。
図3図1に示す車両の内部構成を示すブロック図である。
図4】車両の外界認識データにより生成される俯瞰画像の一例を示す図である。
図5】指定駐車位置に対する周辺の特徴点を示した図である。
図6】記憶部に登録される指定駐車位置のマップの一例を示す図である。
図7】演算部による駐車候補位置の検出処理の一例を示すフローチャートである。
図8】自動駐車時における車両の移動速度の変化と駐車候補位置の検出モードの変化との関係を示す図である。
図9】自動駐車時の時間t1で表示される俯瞰画像を示す図である。
図10】自動駐車時の時間t2で表示される俯瞰画像を示す図である。
図11】自動駐車時の時間t3で表示される俯瞰画像を示す図である。
図12】自動駐車時の時間t4で表示される俯瞰画像を示す図である。
図13図9の俯瞰画像に対応する3次元画像を示す図である。
図14図12の俯瞰画像に対応する3次元画像を示す図である。
図15】演算部による駐車候補位置の検出処理の変形例を示すフローチャートである。
図16】演算部による駐車候補位置の検出処理の変形例を示すフローチャートである。
図17】変形例における車両の移動速度の変化と駐車候補位置の検出モードの変化との関係を示す図である。
図18】変形例における車両の移動距離の変化と移動速度の変化と駐車候補位置の検出モードの変化との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の制御装置、制御方法、及び制御プログラムの一実施形態を、添付図面に基づいて説明する。なお、図面は、符号の向きに見るものとする。また、本明細書等では説明を簡単かつ明確にするために、前後、左右、上下の各方向は、図1及び図2に示す車両10の運転者から見た方向に従って記載し、図面には、車両10の前方をFr、後方をRr、左方をL、右方をR、上方をU、下方をD、として示す。
【0013】
<本発明の移動体制御装置を搭載した車両10>
図1は、本発明の制御装置を搭載した車両10の側面図である。図2は、図1に示した車両10の上面図である。車両10は、本発明の移動体の一例である。
【0014】
車両10は、駆動源(図示略)と、駆動源の動力によって駆動される駆動輪及び転舵可能な転舵輪を含む車輪と、を有する自動車である。本実施形態では、車両10は、左右一対の前輪及び後輪を有する四輪の自動車である。車両10の駆動源は、例えば電動機である。なお、車両10の駆動源は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関であってもよいし、電動機と内燃機関との組み合わせであってもよい。また、車両10の駆動源は、左右一対の前輪を駆動してもよいし、左右一対の後輪を駆動してもよいし、左右一対の前輪及び後輪の四輪を駆動してもよい。前輪及び後輪は、双方が転舵可能な転舵輪であってもよいし、いずれか一方が転舵可能な転舵輪であってもよい。
【0015】
車両10は、さらにサイドミラー11L,11Rを備える。サイドミラー11L,11Rは、車両10の前席ドアの外側に設けられた、運転者が後方及び後側方を確認するためのミラー(バックミラー)である。サイドミラー11L,11Rは、それぞれ垂直方向に延びる回転軸によって車両10の本体に固定されており、この回転軸を中心に回転することにより開閉可能である。
【0016】
車両10は、さらに前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rを備える。前方カメラ12Frは、車両10の前方に設けられ、車両10の前方を撮像するデジタルカメラである。後方カメラ12Rrは、車両10の後方に設けられ、車両10の後方を撮像するデジタルカメラである。左側方カメラ12Lは、車両10の左のサイドミラー11Lに設けられ、車両10の左側方を撮像するデジタルカメラである。右側方カメラ12Rは、車両10の右のサイドミラー11Rに設けられ、車両10の右側方を撮像するデジタルカメラである。
【0017】
<車両10の内部構成>
図3は、図1に示した車両10の内部構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、車両10は、センサ群16と、ナビゲーション装置18と、制御ECU(Electronic Control Unit)20と、EPS(Electric Power Steering)システム22と、通信部24と、を有する。車両10は、さらに駆動力制御システム26と、制動力制御システム28と、を有する。
【0018】
センサ群16は、制御ECU20による制御に用いられる各種の検出値を取得する。センサ群16には、前方カメラ12Frと、後方カメラ12Rrと、左側方カメラ12Lと、右側方カメラ12Rとが含まれる。また、センサ群16には、前方ソナー群32aと、後方ソナー群32bと、左側方ソナー群32cと、右側方ソナー群32dとが含まれる。また、センサ群16には、車輪センサ34a,34bと、車速センサ36と、操作検出部38とが含まれる。
【0019】
前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rは、車両10の周辺を撮像することにより、車両10の外界を認識するための外界認識データ(例えば、周辺画像)を取得する。前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、右側方カメラ12Rによって撮像される周辺画像は、それぞれ前方画像、後方画像、左側方画像、右側方画像と称される。左側方画像と右側方画像とによって構成される画像を側方画像と称してもよい。
【0020】
前方ソナー群32aと、後方ソナー群32bと、左側方ソナー群32cと、右側方ソナー群32dとは、車両10の周辺に音波を発射すると共に、他物体からの反射音を受信する。前方ソナー群32aは、例えば4つのソナーを含む。前方ソナー群32aを構成するソナーは、車両10の左斜め前方、前方左側、前方右側及び右斜め前方にそれぞれ設けられている。後方ソナー群32bは、例えば4つのソナーを含む。後方ソナー群32bを構成するソナーは、車両10の左斜め後方、後方左側、後方右側及び右斜め後方にそれぞれ設けられている。左側方ソナー群32cは、例えば2つのソナーを含む。左側方ソナー群32cを構成するソナーは、車両10の左側部前方及び左側部後方にそれぞれ設けられている。右側方ソナー群32dは、例えば2つのソナーを含む。右側方ソナー群32dを構成するソナーは、車両10の右側部前方及び右側部後方にそれぞれ設けられている。
【0021】
車輪センサ34a,34bは、車両10の車輪の回転角度を検出する。車輪センサ34a,34bは、角度センサによって構成されていてもよいし、変位センサによって構成されていてもよい。車輪センサ34a,34bは、車輪が所定角度回転する毎に検出パルスを出力する。車輪センサ34a,34bから出力される検出パルスは、車輪の回転角度及び車輪の回転速度の算出に用いられる。車輪の回転角度に基づいて、車両10の移動距離が算出される。車輪センサ34aは、例えば、左後輪の回転角度θaを検出する。車輪センサ34bは、例えば、右後輪の回転角度θbを検出する。
【0022】
車速センサ36は、車両10の車体の速度、すなわち車速Vを検出し、検出した車速Vを制御ECU20に出力する。車速センサ36は、例えば、トランスミッションのカウンタシャフトの回転に基づいて車速Vを検出する。
【0023】
操作検出部38は、操作入力部14を用いて行われるユーザによる操作内容を検出し、検出した操作内容を制御ECU20に出力する。操作入力部14には、例えばサイドミラー11L,11Rの開閉状態を切り替えるサイドミラースイッチや、シフトレバー(セレクトレバーやセレクタ)など各種のユーザインタフェースが含まれる。
【0024】
ナビゲーション装置18は、例えばGPS(Global Positioning System)を用いて車両10の現在位置を検出すると共に、目的地までの経路をユーザに案内する。ナビゲーション装置18は、地図情報データベースが備えられた不図示の記憶装置を有する。
【0025】
ナビゲーション装置18には、タッチパネル42と、スピーカ44とが備えられている。タッチパネル42は、制御ECU20の入力装置及び表示装置として機能する。スピーカ44は、車両10のユーザ(搭乗者)に対して各種の案内情報を音声で出力する。
【0026】
タッチパネル42は、制御ECU20に対する各種の指令を入力することができるように構成されている。例えば、ユーザは、タッチパネル42を介して、車両10の移動支援に関する指令を入力することが可能である。移動支援には、車両10の駐車支援及び出庫支援が含まれる。また、タッチパネル42は、制御ECU20の制御内容に関する各種の画面を表示するように構成されている。例えば、タッチパネル42には、車両10の移動支援に関する画面が表示される。具体的には、タッチパネル42には、車両10の駐車支援を要求する駐車支援ボタンや出庫支援を要求する出庫支援ボタンが表示される。駐車支援ボタンには、制御ECU20の自動操舵による駐車を要求する自動駐車ボタンや、運転者の操作で駐車する際の補助を要求する補助駐車ボタンが含まれる。出庫支援ボタンには、制御ECU20の自動操舵による出庫を要求する自動出庫ボタンや、運転者の操作で出庫する際の補助を要求する補助出庫ボタン含まれる。なお、タッチパネル42以外の構成要素、例えばスマートフォンやタブレット端末等の情報端末を入力装置又は表示装置として用いるようにしてもよい。
【0027】
なお、「駐車」は、例えば「パーキング」と同義である。例えば、「駐車」は、乗員の乗り降りを伴う停止であり、交通信号等での一時的な停止は除く。また、「駐車位置」とは移動体を停止させる位置、すなわちパーキングする位置のことである。
【0028】
制御ECU20は、入出力部50と、演算部52と、記憶部54とを有する。演算部52は、例えばCPU(Central Processing Unit)によって構成される。演算部52は、記憶部54に記憶されているプログラムに基づいて各部を制御することにより各種の制御を行う。また、演算部52は、入出力部50を介して、制御ECU20に接続される各部との間で信号を入出力する。演算部52は、本発明の制御装置の一例である。
【0029】
演算部52は、車両10の外界認識データを取得する外界認識部55と、車両10の駐車候補位置を検出する駐車候補位置検出部56と、駐車候補位置のうちのユーザによる駐車位置の選択を受け付ける受付部57と、選択された駐車位置に車両10を駐車させる駐車制御部58と、を有する。
【0030】
外界認識部55は、前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rによって撮像された車両10の周辺画像(外界認識データ)を各カメラから取得する。外界認識部55は、ソナー群32a~32d又はレーダによって取得された車両10の外界認識データを取得することも可能である。
【0031】
駐車候補位置検出部56は、外界認識データに基づいて、車両10を駐車させる駐車候補位置の検出を行う。駐車候補位置検出部56は、未登録の駐車候補位置を検出する未登録候補検出処理と、登録済みの駐車候補位置を検出する登録済候補検出処理と、を実行可能である。未登録候補検出処理は、本発明の第1検出処理である。登録済候補検出処理は、本発明の第2検出処理である。
【0032】
未登録候補検出処理は、外界認識データから検出される認識スペースにおいて、車両10を駐車させることが可能な駐車候補位置を検出する処理である。未登録候補検出処理では、例えば、駐車枠を認識する枠線認識や、空き駐車スペースを認識する空間認識等により駐車スペースを検出する。駐車枠とは、車両を駐車させるために駐車場に表示される白線枠等のことである。空き駐車スペースとは、単に車両を駐車させることが可能な状態で存在する空間等のことである。
【0033】
登録済候補検出処理は、外界認識データから検出される認識スペースにおいて、ユーザにより過去に指定駐車位置として登録された登録済み駐車候補位置を検出する処理である。指定駐車位置とは、ユーザにとって特定の駐車位置のこと、例えば、ユーザの車両10を頻繁に駐車する機会が多い駐車スペースのことをいう。指定駐車位置には、例えば、月極の駐車場や、自宅の駐車場や、駐車頻度の高いコインパーキング等が含まれる。登録済候補検出処理では、ユーザが過去に登録済みの駐車候補位置を登録した際の外界認識データの特徴点と、現在の外界認識データの特徴点と、を比較することにより登録済みの駐車候補位置を検出する。
【0034】
駐車候補位置検出部56は、ユーザによる駐車制御の開始操作に基づいて未登録候補検出処理を開始し、車両10の移動中に車両10の移動速度が所定速度以下になったことに基づいて未登録候補検出処理を停止し、未登録候補検出処理の停止に基づいて登録済候補検出処理を開始する。駐車制御の開始操作とは、例えば、車両10の自動駐車を開始させる自動駐車モードを起動することである。車両10の移動速度とは、例えば、駐車スペースを探すために駐車施設内を車両10が走行しているときの速度である。所定速度とは、例えば、5~10[km/h]である。
【0035】
駐車候補位置検出部56は、登録済候補検出処理を開始した後に、車両10の移動速度が所定速度以上になったことに基づいて登録済候補検出処理を停止し、登録済候補検出処理の停止に基づいて未登録候補検出処理を再開する。また、駐車候補位置検出部56は、登録済候補検出処理を開始した後に、車両10の移動距離が所定距離以上になったことに基づいて登録済候補検出処理を停止し、登録済候補検出処理の停止に基づいて未登録候補検出処理を再開してもよい。
【0036】
駐車候補位置検出部56は、車両10の移動中に車両10の移動速度が第1速度以下になったことに基づいて未登録候補検出処理を停止し、登録済候補検出処理を開始した後に、車両10の移動速度が第1速度より高い第2速度以上になったことに基づいて登録済候補検出処理を停止し、登録済候補検出処理の停止に基づいて未登録候補検出処理を再開してもよい。第1速度とは、例えば、5~10[km/h]である。
【0037】
駐車候補位置検出部56は、未登録候補検出処理を再開した後に、車両10の停止に基づいて未登録候補検出処理を停止し、未登録候補検出処理の停止に基づいて登録済候補検出処理を再開する。
【0038】
駐車候補位置検出部56は、ユーザから指定された所定の駐車位置を指定駐車位置として記憶部54に登録する。駐車候補位置検出部56は、登録する指定駐車位置に対して、車両10の外界認識データにおける特徴点を対応させて登録する。特徴点を検出するための外界認識データは、前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rによって撮像される車両10の周辺の周辺画像である。指定駐車位置は、車両10の周辺画像における特徴点を含むマップとして記憶部54に登録されている。
【0039】
駐車候補位置検出部56は、現在検出されている駐車候補位置に対する外界認識データの特徴点と、ユーザが過去に登録した指定駐車位置に対する外界認識データの特徴点とを比較して、特徴点の一致率が閾値以上であると判定した場合に、現在検出されている駐車候補位置を登録済みの駐車候補位置として判定する。
【0040】
受付部57は、タッチパネル42に表示された駐車候補位置の中からユーザの選択によって選択された駐車候補位置を車両10の駐車位置として受け付ける。受付部57は、未登録候補検出処理に基づいて未登録の駐車候補位置が検出された場合、未登録の駐車候補位置をタッチパネル42に表示して駐車位置の選択をユーザから受け付ける。また、受付部57は、登録済候補検出処理に基づいて登録済みの駐車候補位置が検出された場合、登録済みの駐車候補位置をタッチパネル42に表示して駐車位置の選択をユーザから受け付ける。受付部57は、未登録候補検出処理に基づいて未登録の駐車候補位置が検出され、かつ登録済候補検出処理に基づいて登録済みの駐車候補位置が検出された場合、未登録の駐車候補位置及び登録済みの駐車候補位置を異なる態様でタッチパネル42に表示する。異なる態様とは、例えば、異なる表示色、異なる表示線の太さ等が含まれる。
【0041】
駐車制御部58は、ステアリング110の操作を駐車制御部58の制御によって自動で行う自動操舵による車両10の自動駐車支援を行う。自動操舵の支援では、アクセルペダル(図示せず)、ブレーキペダル(図示せず)及び操作入力部14の操作が自動で行われる。また、駐車制御部58は、アクセルペダル、ブレーキペダル及び操作入力部14の操作を運転者が行って車両10を手動駐車させる際の補助駐車支援を行う。
【0042】
例えば、駐車制御部58は、前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rによって取得された車両10の外界認識データと、ユーザによる駐車位置の選択とに基づいて、選択された駐車候補位置に車両10を駐車させる自動駐車制御及び補助駐車制御を行う。
【0043】
EPSシステム22は、舵角センサ100と、トルクセンサ102と、EPSモータ104と、レゾルバ106と、EPS ECU108と、を有する。舵角センサ100は、ステアリング110の舵角θstを検出する。トルクセンサ102は、ステアリング110に加わるトルクTQを検出する。
【0044】
EPSモータ104は、ステアリング110に連結されたステアリングコラム112に対して駆動力又は反力を付与することにより、乗員によるステアリング110の操作支援や駐車支援時の自動操舵を可能とする。レゾルバ106は、EPSモータ104の回転角度θmを検出する。EPS ECU108は、EPSシステム22の全体の制御を司る。EPS ECU108には、入出力部(図示せず)と、演算部(図示せず)と、記憶部(図示せず)とが備えられている。
【0045】
通信部24は、他の通信装置120との間で無線通信を行うことを可能とするものである。他の通信装置120とは、基地局や、他車両の通信装置や、車両10の搭乗者が所持するスマートフォン等の情報端末などである。
【0046】
駆動力制御システム26には、駆動ECU130が備えられている。駆動力制御システム26は、車両10の駆動力制御を実行する。駆動ECU130は、不図示のアクセルペダルに対するユーザによる操作に基づいて、不図示のエンジン等を制御することによって、車両10の駆動力を制御する。
【0047】
制動力制御システム28には、制動ECU132が備えられている。制動力制御システム28は、車両10の制動力制御を実行する。制動ECU132は、不図示のブレーキペダルに対するユーザによる操作に基づいて、不図示のブレーキ機構等を制御することによって、車両10の制動力を制御する。
【0048】
<指定駐車位置の登録>
次に、ユーザによって登録される車両10の指定駐車位置について図4から図6を参照して説明する。
【0049】
図4は、前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rによって取得された車両10の外界認識データにより生成される俯瞰画像60(合成画像)の一例を示す図である。俯瞰画像60は、例えば、車両10のタッチパネル42上に表示される。図4に示す俯瞰画像60には、駐車場Pと、複数の植栽(障害物)61a~61fが撮像されている。車両10のユーザは、駐車場Pにおける障害物61a~61f側に設定されている駐車領域62を月極駐車場として借りている。なお、駐車場Pの前に停車されている車両は、車両10を上方から見た様子を示す画像であり、予め生成(撮像)されて記憶部54等に記憶されている車両画像63である。
【0050】
ユーザは、例えば、タッチパネル42上をタッチ操作することによる手動設定により、駐車領域62を指定駐車位置64として設定することができる。指定駐車位置64の手動設定は、タッチパネル42上に表示される矩形状の破線枠64aをタッチ操作により移動させ、図4に示すように駐車領域62を破線枠64aで囲むように設定する。これにより、駐車領域62を囲むように設定した破線枠64aが指定駐車位置64として設定される。
【0051】
図5は、図4に示す指定駐車位置64に対する周辺の特徴点を示した図である。指定駐車位置64が設定されると、前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rにより取得された外界認識データにおいて、指定駐車位置64に対する特徴点が駐車候補位置検出部56によって検出される。例えば、図5に示すように、指定駐車位置64に対する特徴点として、指定駐車位置64の周囲に存在する障害物61a~61fの位置を示す障害物特徴点65a~65f等が駐車候補位置検出部56によって検出される。なお、図5では、車両10が指定駐車位置64に駐車されている状態を示す。
【0052】
図6は、記憶部54に登録される指定駐車位置64のマップの一例を示す図である。指定駐車位置64に対する特徴点(障害物特徴点65a~65f)が検出されると、指定駐車位置64は、図6に示すように、検出された障害物特徴点65a~65fと設定された指定駐車位置64との関連を示すマップMとして記憶部54に登録される。
【0053】
<自動駐車時における演算部52の処理>
次に、自動駐車時の演算部52による駐車候補位置の検出処理について説明する。図7は、演算部52による駐車候補位置の検出処理の一例を示すフローチャートである。演算部52は、タッチパネル42に表示される自動駐車ボタンがタッチ操作されると、図7に示す処理を開始する。自動駐車ボタンは、例えば、車両10を駐車させようとするユーザが駐車場の近くに到着したときにユーザによってタッチ操作される。
【0054】
先ず、演算部52の駐車候補位置検出部56は、車両10の自動駐車を開始させるための自動駐車開始操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS11)。自動駐車開始操作とは、例えば、タッチパネル42に表示される自動駐車ボタンのタッチ操作である。
【0055】
ステップS11において、自動駐車開始操作を受け付けていない場合(ステップS11:No)には、駐車候補位置検出部56は、ステップS11の処理を繰り返す。ステップS11において、自動駐車開始操作を受け付けた場合(ステップS11:Yes)には、駐車候補位置検出部56は、車両10の移動速度が第1速度以下であるか否かを判定する(ステップS12)。第1速度とは、例えば、5~10[km/h]である。
【0056】
ステップS12において、車両10の移動速度が第1速度以下ではない場合、すなわち、車両10が駐車施設内を第1速度よりも速い速度で移動している場合(ステップS12:No)には、駐車候補位置検出部56は、駐車場内の空間/白線の検出、すなわち、車両10を駐車させることが可能な空きスペース等を検出する未登録候補検出処理を開始する(ステップS13)。駐車候補位置検出部56は、前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rによって撮像された周辺画像に基づいて空間/白線の検出を行う。
【0057】
次に、駐車候補位置検出部56は、ステップS13の検出処理で空間/白線を検出することができたか否か、すなわち、車両10を駐車可能な未登録の駐車候補位置を検出することができたか否かを判定する(ステップS14)。
【0058】
ステップS14において、未登録の駐車候補位置を検出できた場合(ステップS14:Yes)には、演算部52の受付部57は、検出した未登録の駐車候補位置をタッチパネル42に表示する(ステップS15)。
【0059】
次に、駐車候補位置検出部56は、車両10の移動速度が第1速度以下であるか否かを判定する(ステップS16)。一方、ステップS14において、未登録の駐車候補位置を検出できなかった場合(ステップS14:No)には、駐車候補位置検出部56は、そのままステップS16に進み、車両10の移動速度が第1速度以下であるか否かを判定する。
【0060】
ステップS16において、車両10の移動速度が第1速度以下ではない場合(ステップS16:No)には、駐車候補位置検出部56は、ステップS14に戻り各処理を実行する。ステップS16において、車両10の移動速度が第1速度以下である場合(ステップS16:Yes)には、駐車候補位置検出部56は、駐車場内の空間/白線の検出、すなわち、未登録候補検出処理を停止する(ステップS17)。
【0061】
次に、駐車候補位置検出部56は、駐車候補位置のメモリ検出、すなわち、登録済みの駐車候補位置を検出する登録済候補検出処理を開始する(ステップS18)。一方、ステップS12において、車両10の移動速度が第1速度以下である場合、すなわち、駐車施設内を移動している車両10の速度が第1速度以下である場合(ステップS12:Yes)には、駐車候補位置検出部56は、そのままステップS18に進み、登録済候補検出処理を開始する。
【0062】
次に、駐車候補位置検出部56は、ステップS18の検出処理で駐車候補位置のメモリ検出をすることができたか否か、すなわち、登録済みの駐車候補位置を検出することができたか否かを判定する(ステップS19)。
【0063】
ステップS19において、登録済みの駐車候補位置を検出できた場合(ステップS19:Yes)には、受付部57は、検出した登録済みの駐車候補位置をタッチパネル42に表示する(ステップS20)。
【0064】
次に、駐車候補位置検出部56は、駐車候補位置検出の検出終了条件を満たしたか否かを判定する(ステップS21)。一方、ステップS19において、登録済みの駐車候補位置を検出できなかった場合(ステップS19:No)には、駐車候補位置検出部56は、そのままステップS21に進み、駐車候補位置検出の検出終了条件を満たしたか否かを判定する。検出終了条件とは、例えば、タッチパネル42に表示された未登録の駐車候補位置又は登録済みの駐車候補位置をユーザが選択したこと、本検出処理を終了させる検出終了操作が行われたこと、登録済み駐車候補位置が検出されたこと等である。
【0065】
ステップS21において、登録済み駐車候補位置検出の検出終了条件を満たしていない場合(ステップS21:No)には、駐車候補位置検出部56は、ステップS19に戻り各処理を実行する。ステップS21において、登録済み駐車候補位置検出の検出終了条件を満たした場合(ステップS21:Yes)には、駐車候補位置検出部56は、本検出処理を終了する。なお、本検出処理における任意のステップで検出終了条件を満たした場合も駐車候補位置検出部56は本検出処理を終了する。
【0066】
次に、図8から図12を参照して、車両10の移動速度と駐車候補位置の検出との関係について説明する。図8は、自動駐車時における車両10の移動速度の変化と演算部52による駐車候補位置の検出モードの変化との関係を示す図である。
【0067】
駐車施設において車両10のユーザが例えば自動駐車ボタンを押下すると自動駐車制御が開始される。車両10の走行レンジは例えばドライブレンジに設定しておく。ユーザがブレーキを踏んでいる場合はブレーキを解除する。車両10が移動し始めると、演算部52の駐車候補位置検出部56は、先ず、車両10を駐車させることが可能な空きスペースを検出する未登録候補検出処理を開始する。
【0068】
例えば、車両10が駐車候補位置を検出するために移動を開始した後、その移動速度が例えば図8に示す移動速度vのように変化したとする。車両10の移動速度vが第1速度V1よりも速いとき、例えば、時間t1及び時間t2のときには、駐車候補位置検出部56は、駐車候補位置の検出モードDMを空間/白線検出のモードに設定して未登録候補検出処理を実行する。
【0069】
また、車両10の移動速度vが遅くなり第1速度V1以下になると、すなわち、図8における時間t2から時間t3の間のように移動速度vが第1速度V1以下になると、駐車候補位置検出部56は、駐車候補位置の空間/白線検出のモードを停止し、メモリ検出のモードを開始する。
【0070】
駐車候補位置検出部56は、車両10の移動速度vが第1速度V1以下になったとき、例えば、時間t3及び時間t4のときには、駐車候補位置の検出モードDMをメモリ検出のモードに設定して登録済候補検出処理を実行する。
【0071】
図9は、車両10の自動駐車時に車両10のタッチパネル42に表示される俯瞰画像60の一例を示す図である。図9の俯瞰画像60は、図8の時間t1における駐車候補位置の検出状況を示す画像である。図9に示すように、俯瞰画像60には、駐車場Pと、駐車場Pの周囲に存在する複数の植栽(障害物)61a~61fと、駐車位置を探しながら駐車施設内を矢印Aの方向へ移動する車両10が撮像されている。時間t1では車両10の移動速度vは第1速度V1よりも速い(図8参照)移動速度である。このため、駐車候補位置検出部56は、空間/白線を検出する未登録候補検出処理を実行する。駐車候補位置検出部56は、図9の状況における未登録候補検出処理において、左前方の駐車場P内に未登録の駐車候補位置71を検出する。受付部57は、検出された未登録の駐車候補位置71を図9に示すような例えば矩形状の形態として表示する。これにより、表示された未登録の駐車候補位置71が車両10を自動駐車させる駐車位置として選択可能な駐車候補位置となる。
【0072】
図10の俯瞰画像60は、図8の時間t2における駐車候補位置の検出状況を示す画像である。図10に示すように、時間t2の車両10は、時間t1の車両10(図9参照)と比較すると矢印A方向へ前進した位置に移動している。時間t2における車両10の移動速度vは時間t1のときと同様に第1速度V1よりも速い(図8参照)移動速度である。このため、駐車候補位置検出部56は、空間/白線を検出する未登録候補検出処理を継続して実行する。前進した車両10は障害物61c~61fが存在する位置よりも矢印Aの方向の位置まで進んでいる。このため、駐車候補位置検出部56は、図10の状況における未登録候補検出処理において、駐車場P内に未登録の駐車候補位置71に加え、障害物61a~61fに近い領域の駐車スペースとして未登録の駐車候補位置72を検出する。受付部57は、検出された未登録の駐車候補位置72を駐車候補位置71と同様に矩形状の形態として図10に表示する。これにより、表示された未登録の駐車候補位置71及び未登録の駐車候補位置72が車両10を自動駐車させる駐車位置として選択可能な駐車候補位置となる。
【0073】
図11の俯瞰画像60は、図8の時間t3における駐車候補位置の検出状況を示す画像である。図11に示すように、時間t3の車両10は、時間t2の車両10(図10参照)と比較すると矢印A方向へさらに前進した位置に移動している。時間t3における車両10の移動速度vは時間t2のときの移動速度vよりも遅くなり第1速度V1以下(図8参照)の移動速度vになっている。このため、駐車候補位置検出部56は、登録済みの駐車候補位置(例えば、破線で示す駐車候補位置73)を検出する登録済候補検出処理を開始する。
【0074】
図12の俯瞰画像60は、図8の時間t4における駐車候補位置の検出状況を示す画像である。図12に示すように、時間t4の車両10は、時間t3の車両10(図11参照)と比較すると矢印A方向へさらに前進した位置に移動している。時間t4における車両10の移動速度vは時間t3のときと同様に第1速度V1以下(図8参照)の移動速度である。このため、駐車候補位置検出部56は、登録済みの駐車候補位置を検出する登録済候補検出処理を継続して実行する。駐車候補位置検出部56は、図12の状況における登録済候補検出処理において、駐車場P内に登録済みの駐車候補位置73を検出する。受付部57は、検出された登録済みの駐車候補位置73を図12に示すような例えば実線の矩形状の形態として表示する。図12に示す登録済み駐車候補位置73は、例えば、ユーザにより過去に指定駐車位置64(図6参照)として登録された登録済み駐車候補位置に相当する。これにより、表示された登録済みの駐車候補位置73が車両10を自動駐車させる駐車位置として選択可能な駐車候補位置となる。本例の検出処理では、未登録の駐車候補位置71,72及び登録済みの駐車候補位置73が検出されるので、これら3つの駐車候補位置が車両10の駐車位置として選択可能な駐車候補位置となる。受付部57は、未登録の駐車候補位置71,72を例えば細い実線の矩形状の駐車候補位置として表示し、登録済みの駐車候補位置73を例えば太い実線の矩形状の駐車候補位置として表示する。
【0075】
次に、図13及び図14を参照して、自動駐車時における駐車候補位置の検出処理でタッチパネル42に表示される画像例について説明する。上記図9から図12では、駐車候補位置71~73がタッチパネル42に俯瞰画像60として表示される場合について説明したが、例えば、図13及び図14に示すように、駐車候補位置71~73は3次元画像で表示されてもよい。
【0076】
図13に示す画像は、図9の俯瞰画像60に対応する3次元画像80である。すなわち、図13の3次元画像80は、車両10の移動速度vが第1速度V1よりも速い時間t1(図8参照)における駐車候補位置の検出状況を示す画像である。3次元画像80には、未登録候補検出処理において検出された未登録の駐車候補位置71が車両10から見て左方向に表示されている。
【0077】
図14に示す画像は、図12の俯瞰画像60に対応する3次元画像80である。すなわち、図14の3次元画像80は、車両10の移動速度vが第1速度V1以下の時間t4(図8参照)における駐車候補位置の検出状況を示す画像である。3次元画像80には、時間t4における登録済候補検出処理で検出された登録済みの駐車候補位置73と、時間t1における未登録候補検出処理で検出された未登録の駐車候補位置71と、時間t2における未登録候補検出処理で検出された未登録の駐車候補位置72が車両10から見て左方向に表示されている。
【0078】
以上説明したように、演算部52の駐車候補位置検出部56は、ユーザによる車両10の駐車開始操作に基づいて未登録の駐車候補位置を検出する未登録候補検出処理を開始し、車両10の移動中に車両10の移動速度vが第1速度V1以下になったことに基づいて未登録候補検出処理を停止し、未登録候補検出処理の停止に基づいて登録済みの駐車候補位置を検出する登録済候補検出処理を開始する。この構成によれば、登録済候補検出処理を開始する車両10の移動速度を引き上げて、車両10の移動中に登録済候補検出処理を開始することが可能となる。これにより、車両10の駐車制御の早い段階で第2検出処理を開始することができるので、登録済候補検出処理が完了してその処理結果が通知されるまでの時間を短縮することができ、ユーザビリティが向上する。
【0079】
また、演算部52の受付部57は、未登録候補検出処理に基づいて未登録の駐車候補位置が検出された場合、その未登録の駐車候補位置をタッチパネル42に表示して駐車位置の選択をユーザから受け付け、登録済候補検出処理に基づいて登録済みの駐車候補位置が検出された場合、その登録済みの駐車候補位置を未登録の駐車候補位置とは異なる態様でタッチパネル42に表示して駐車位置の選択をユーザから受け付ける。このため、表示された未登録の駐車候補位置と登録済の駐車候補位置をユーザが容易に区別することが可能になり、所望の駐車候補位置を間違いなく選択することができ、ユーザビリティが向上する。
【0080】
<駐車候補位置の検出処理の変形例>
次に、自動駐車時の演算部52による駐車候補位置の検出処理の変形例について説明する。図15及び図16は、演算部52による駐車候補位置の検出処理の変形例を示すフローチャートである。演算部52は、タッチパネル42に表示される自動駐車ボタンがタッチ操作されると、図15に示す処理を開始する。
【0081】
図15に示すように、本変形例において、ステップS21からステップS30までの各処理は、図7で説明した検出処理のステップS11からステップS20までの各処理と同様の処理である。このため、ステップS21からステップS30までの説明は省略する。
【0082】
ステップS30において登録済みの駐車候補位置が表示されると、駐車候補位置検出部56は、車両10の移動速度が第2速度以上であるか否か、又は、第1速度以下での車両10の移動距離が予め定められた所定距離以上になったか否かを判定する(ステップS31)。第2速度は第1速度よりも高い速度である。所定距離とは例えば〇〇mである。また、ステップS29において、登録済みの駐車候補位置を検出できなかった場合(ステップS29:No)には、駐車候補位置検出部56は、そのままステップS31に進み、車両10の移動速度が第2速度以上であるか否か、又は、第1速度以下での車両10の移動距離が予め定められた所定距離以上になったか否かを判定する。
【0083】
ステップS31において、車両10の移動速度が第2速度以上ではない、且つ、第1速度以下での車両10の移動距離が所定距離以上になっていない場合(ステップS31:No)には、駐車候補位置検出部56は、ステップS29に戻り各処理を実行する。ステップS31において、車両10の移動速度が第2速度以上である、又は、第1速度以下での車両10の移動距離が所定距離以上である場合(ステップS31:Yes)には、駐車候補位置検出部56は、駐車候補位置のメモリ検出、すなわち、登録済候補検出処理を停止する(ステップS32)。
【0084】
次に、ステップS32のメモリ検出の停止に基づいて、駐車候補位置検出部56は、駐車場内の空間/白線の検出、すなわち、未登録候補検出処理を開始(再開)する(ステップS33)。
【0085】
次に、駐車候補位置検出部56は、ステップS33の検出処理で空間/白線を検出することができたか否か、すなわち、未登録の駐車候補位置を検出することができたか否かを判定する(ステップS34)。
【0086】
ステップS34において、未登録の駐車候補位置を検出できた場合(ステップS34:Yes)には、受付部57は、検出した未登録の駐車候補位置をタッチパネル42に表示する(ステップS35)。
【0087】
次に、駐車候補位置検出部56は、車両10の移動速度がゼロであるか否か、すなわち、車両10が停止したか否かを判定する(ステップS36)。一方、ステップS34において、未登録の駐車候補位置を検出できなかった場合(ステップS34:No)には、駐車候補位置検出部56は、そのままステップS36に進み、車両10の移動速度がゼロであるか否か判定する。
【0088】
ステップS36において、車両10の移動速度がゼロではない場合(ステップS36:No)には、駐車候補位置検出部56は、ステップS34に戻り各処理を実行する。ステップS36において、車両10の移動速度がゼロである場合(ステップS36:Yes)には、駐車候補位置検出部56は、駐車場内の空間/白線の検出、すなわち、未登録候補検出処理を停止する(ステップS37)。
【0089】
なお、ステップS38からステップS41までの各処理は、図7で説明したステップS18からステップS21までの各処理と同様の処理である。このため、ステップS18からステップS21までの説明は省略する。
【0090】
<メモリ検出と空間/白線検出の切り替わり>
次に、上述した駐車候補位置の検出処理の変形例における駐車候補位置のメモリ検出(登録済候補検出処理)と空間/白線検出(未登録候補検出処理)の切り替わりについて図17及び図18を参照して説明する。図17は、駐車候補位置の検出処理の変形例における車両10の移動速度vの変化と駐車候補位置の検出モードDMの変化との関係を示す図である。
【0091】
車両10が駐車候補位置を検出するために移動を開始した後、その移動速度が例えば図17に示す移動速度vのように変化したとする。車両10の移動速度vが第1速度V1よりも速いとき、例えば、時間t11のときには、駐車候補位置検出部56は、駐車候補位置の検出モードDMを空間/白線検出のモードに設定して未登録候補検出処理を実行する。
【0092】
車両10の移動速度vが遅くなり例えば時間t12のように第1速度V1以下になると、駐車候補位置検出部56は、駐車候補位置の空間/白線検出のモードを停止し、メモリ検出のモード(登録済候補検出処理)を開始する。
【0093】
時間t12で車両10の移動速度vが第1速度V1以下になった後、例えば、破線で囲む期間P1のように短い期間に繰り返して移動速度vが変動したとする。この場合、駐車候補位置検出部56は、変動した移動速度vが例えば時間t13及び時間t14のように第1速度V1を超えたとしても、駐車候補位置の検出モードDMをメモリ検出のモードのまま維持して、空間/白線検出のモードへは切り替えない。そして、例えば、車両10の移動速度vが図17における時間t15のように第1速度V1よりも高い例えば第2速度V2以上になった場合に、駐車候補位置検出部56は、駐車候補位置のメモリ検出のモードを停止し、空間/白線検出のモード(未登録候補検出処理)を開始する。
【0094】
同様に、時間t15で車両10の移動速度vが第2速度V2以上になった後、例えば、破線で囲む期間P2のように短い期間に繰り返して移動速度vが変動したとする。この場合にも、駐車候補位置検出部56は、変動した移動速度vが例えば時間t16及び時間t17のように第2速度V2を下回ったとしても、駐車候補位置の検出モードDMを空間/白線検出のモードのまま維持して、メモリ検出のモードへは切り替えない。
【0095】
図18は、駐車候補位置の検出処理の変形例における車両10の移動距離Lの変化と移動速度vの変化と駐車候補位置の検出モードDMの変化との関係を示す図である。
【0096】
車両10が駐車候補位置を検出するために移動を開始した後、その移動速度が例えば図18に示す移動速度vのように変化し、移動による車両10の移動距離が例えば図18に示す移動距離Lのように変化したとする。車両10の移動速度vが第1速度V1よりも速いとき、例えば、時間t21のときには、駐車候補位置検出部56は、駐車候補位置の検出モードDMを空間/白線検出のモードに設定して未登録候補検出処理を実行する。
【0097】
車両10の移動速度vが遅くなり例えば時間t22のように第1速度V1以下になると、駐車候補位置検出部56は、駐車候補位置の空間/白線検出のモードを停止し、メモリ検出のモード(登録済候補検出処理)を開始する。
【0098】
時間t22で車両10の移動速度vが第1速度V1以下になった後、第1速度V1以下の移動速度vでメモリ検出のモード(登録済候補検出処理)が継続したとする。その場合、メモリ検出のモードでの車両10の移動距離Lが例えば図18における時間t23のように所定距離L1以上になると、駐車候補位置検出部56は、駐車候補位置のメモリ検出のモードを停止し、空間/白線検出のモード(未登録候補検出処理)を開始する。すなわち、駐車候補位置検出部56は、車両10の移動速度vが第1速度V1を超えていなくても、車両10の移動距離Lが所定距離L1以上になった場合、駐車候補位置のメモリ検出のモードを停止し、空間/白線検出のモードを開始する。
【0099】
そして、空間/白線検出のモード(未登録候補検出処理)を開始した後に、車両10の移動速度vが例えば図18における時間t24のようにゼロになる(車両10が停車する)と、駐車候補位置検出部56は、駐車候補位置の空間/白線検出のモードを停止し、メモリ検出のモード(登録済候補検出処理)を開始する。
【0100】
このように、変形例における演算部52の駐車候補位置検出部56は、車両10の移動中に車両10の移動速度vが第1速度V1以下になったことに基づいて未登録候補検出処理を停止し、登録済候補検出処理を開始した後に、車両10の移動速度が第1速度V1より高い第2速度V2以上になったことに基づいて登録済候補検出処理を停止し、登録済候補検出処理の停止に基づいて未登録候補検出処理を再開する。この構成によれば、登録済候補検出処理中における車両10の移動速度vに基づいて未登録候補検出処理を再開することができるため、登録済みの駐車候補位置が検出されなかったときに未登録の駐車候補位置を探し直すことも可能になり、ユーザビリティがさらに向上する。また、第2速度V2を第1速度V1よりも高くすることで車両10の移動速度の小さな変動に応じて登録済候補検出処理が停止してしまうことを防止することができる。
【0101】
また、駐車候補位置検出部56は、車両10の移動中に車両10の移動速度vが第1速度V1以下になったことに基づいて未登録候補検出処理を停止し、登録済候補検出処理を開始した後に、車両10の移動距離Lが所定距離L1以上になったことに基づいて登録済候補検出処理を停止し、登録済候補検出処理の停止に基づいて未登録候補検出処理を再開する。この構成によれば、登録済候補検出処理中における車両10の移動距離Lが長くなったときに未登録候補検出処理を再開することが可能となるため、例えば車両10の移動速度vが変動しないような場合でも移動距離Lに基づいて未登録候補検出処理を再開できるのでユーザビリティがさらに向上する。
【0102】
また、駐車候補位置検出部56は、登録済候補検出処理を停止して未登録候補検出処理を再開した後に、車両10の停止に基づいて未登録候補検出処理を停止し、未登録候補検出処理の停止に基づいて登録済候補検出処理を再開する。この構成によれば、車両10の移動速度vが第1速度V1以下になったことに基づく登録済候補検出処理は既に実行済みであるため、未登録候補検出処理を再開した後は、未登録候補検出処理を停止して登録済候補検出処理を再開するための移動速度vを第1速度V1に引き上げなくてもユーザビリティは確保されている。
【0103】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
【0104】
例えば、上記実施形態では、駐車制御部58の自動操舵によって車両10を自動駐車する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、運転者の操作によって車両10を駐車させる際の補助を行う駐車支援に本発明を適用するようにしてもよい。
【0105】
また、上記実施形態では、制御ECU20が俯瞰画像60等を車両10のタッチパネル42に表示する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、制御ECU20は、通信部24を介して、車両10の搭乗者が所持する情報端末(例えばスマートフォン等)の表示画面上に俯瞰画像60等を表示するようにしてもよい。
【0106】
また、上記実施形態では、指定駐車位置に関する特徴点を含むマップなどの情報を車両10の記憶部54に登録する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、車両10と通信可能に接続される情報端末やサーバ等の他装置の記憶部にこれらの情報を登録するようにしてもよい。
【0107】
また、上記実施形態では、移動体を車両(四輪の自動車)とした例を説明したが、これに限らない。例えば、二輪車、セグウェイ等の車両であってもよい。さらに、本発明の思想は、車両に限らず、駆動源を備えて駆動源の動力により移動可能なロボット、船舶、航空機などにも適用することができる。
【0108】
なお、前述した実施形態で説明した制御方法は、予め用意された制御プログラムをコンピュータで実行することにより実現できる。本制御プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録され、記憶媒体から読み出されることによって実行される。また、本制御プログラムは、フラッシュメモリ等の非一過性の記憶媒体に記憶された形で提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介して提供されてもよい。本制御プログラムを実行するコンピュータは、制御装置に含まれるものであってもよいし、制御装置と通信可能なスマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータ等の電子機器に含まれるものでもあってもよいし、これら制御装置及び電子機器と通信可能なサーバ装置に含まれるものであってもよい。
【0109】
また、本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
【0110】
(1) 移動体(車両10)の制御装置(演算部52)であって、
前記移動体の外界の認識データを取得する外界認識部(外界認識部55)と、
前記認識データに基づいて前記移動体の駐車候補位置の検出を行う駐車候補位置検出部(駐車候補位置検出部56)と、
前記駐車候補位置のうち前記移動体の駐車位置の選択を前記移動体のユーザから受け付ける受付部(受付部57)と、を備え、
前記駐車候補位置検出部は、
未登録の駐車候補位置を検出する第1検出処理と、登録済みの駐車候補位置を検出する第2検出処理と、を実行可能であり、
前記ユーザによる操作に基づいて前記第1検出処理を開始し、
前記移動体の移動中に前記移動体の移動速度が所定速度以下になったことに基づいて前記第1検出処理を停止し、
前記第1検出処理の停止に基づいて前記第2検出処理を開始する、
制御装置。
【0111】
(1)によれば、登録済みの駐車候補位置を検出する第2検出処理を開始する移動速度を引き上げる(移動体の移動中に第2検出処理を開始する)ことが可能となるため、停車時の早い段階で第2検出処理を開始することができる。このため、第2検出処理が完了して第2検出処理の結果が通知されるまでの時間を短縮することができ、ユーザビリティが向上する。
【0112】
(2) (1)に記載の制御装置であって、
前記駐車候補位置検出部は、
前記第2検出処理を開始した後に、前記移動速度が所定速度以上になったことと、前記移動体の移動距離が所定距離以上になったことと、の少なくともいずれかに基づいて前記第2検出処理を停止し、
前記第2検出処理の停止に基づいて前記第1検出処理を再開する、
制御装置。
【0113】
(2)によれば、第2検出処理中における移動体の移動速度又は移動距離に基づいて第1検出処理を再開することが可能となるため、ユーザビリティがさらに向上する。
【0114】
(3) (2)に記載の制御装置であって、
前記駐車候補位置検出部は、
前記移動体の移動中に前記移動体の移動速度が第1速度以下になったことに基づいて前記第1検出処理を停止し、
前記第2検出処理を開始した後に、前記移動速度が前記第1速度より高い第2速度以上になったことに基づいて前記第2検出処理を停止する、
制御装置。
【0115】
(3)によれば、第2速度を第1速度よりも高くすることで移動速度の小さな変動に応じて第2検出処理が停止するのを防止することができる。
【0116】
(4) (2)又は(3)に記載の制御装置であって、
前記駐車候補位置検出部は、
前記第1検出処理を再開した後に、前記移動体の停止に基づいて前記第1検出処理を停止し、
前記第1検出処理の停止に基づいて前記第2検出処理を再開する、
制御装置。
【0117】
(4)によれば、移動速度が所定速度以下になったことに基づく第2検出処理は既に実行済みであるため、第1検出処理を再開した後は、第1検出処理を停止して第2検出処理を再開するための移動速度を引き上げなくてもユーザビリティは確保されている。
【0118】
(5) (1)から(4)のいずれかに記載の制御装置であって、
前記受付部は、
前記第1検出処理に基づいて前記未登録の駐車候補位置が検出された場合、前記未登録の駐車候補位置を表示して前記駐車位置の選択を前記ユーザから受け付け、
前記第2検出処理に基づいて前記登録済みの駐車候補位置が検出された場合、前記登録済みの駐車候補位置を表示して前記駐車位置の選択を前記ユーザから受け付ける、
制御装置。
【0119】
(5)によれば、検出された駐車候補位置が表示されるのでユーザにとって駐車位置を選択しやすい。
【0120】
(6) (5)に記載の制御装置であって、
前記受付部は、前記第1検出処理に基づいて前記未登録の駐車候補位置が検出され、かつ前記第2検出処理に基づいて前記登録済みの駐車候補位置が検出された場合、前記未登録の駐車候補位置及び前記登録済みの駐車候補位置を異なる態様で表示する、
制御装置。
【0121】
(6)によれば、表示された未登録の駐車候補位置と登録済の駐車候補位置をユーザが容易に区別することが可能になる。
【0122】
(7) (1)から(6)のいずれかに記載の制御装置であって、
前記ユーザにより選択された前記駐車位置に前記移動体を駐車させるための駐車制御を行う駐車制御部(駐車制御部58)をさらに備える、
制御装置。
【0123】
(7)によれば、ユーザが選択した駐車位置に移動体を駐車させることができる。
【0124】
(8) (1)から(7)のいずれかに記載の制御装置であって、
前記第1検出処理は、駐車枠の検出と、空き駐車スペースの検出と、の少なくともいずれかに基づいて前記未登録の駐車候補位置を検出する処理であり、
前記第2検出処理は、前記ユーザが過去に前記登録済みの駐車候補位置を登録した際の前記認識データの特徴点と、現在の前記認識データの特徴点と、の比較に基づいて前記登録済みの駐車候補位置を検出する処理である、
制御装置。
【0125】
(8)によれば、未登録の駐車候補位置と登録済みの駐車候補位置をそれぞれ正確に検出することができる。
【0126】
(9) 移動体の外界の認識データを取得する外界認識部と、前記認識データに基づいて前記移動体の駐車候補位置の検出を行う駐車候補位置検出部と、前記駐車候補位置のうち前記移動体の駐車位置の選択を前記移動体のユーザから受け付ける受付部と、を備える、移動体の制御装置による制御方法であって、
前記制御装置のプロセッサが、
未登録の駐車候補位置を検出する第1検出処理と、登録済みの駐車候補位置を検出する第2検出処理と、を実行可能とし、
前記ユーザによる操作に基づいて前記第1検出処理を開始し、
前記移動体の移動中に前記移動体の移動速度が所定速度以下になったことに基づいて前記第1検出処理を停止し、
前記第1検出処理の停止に基づいて前記第2検出処理を開始する、
制御方法。
【0127】
(9)によれば、登録済みの駐車候補位置を検出する第2検出処理を開始する移動速度を引き上げる(移動体の移動中に第2検出処理を開始する)ことが可能となるため、停車時の早い段階で第2検出処理を開始することができる。このため、第2検出処理が完了して第2検出処理の結果が通知されるまでの時間を短縮することができ、ユーザビリティが向上する。
【0128】
(10) 移動体の外界の認識データを取得する外界認識部と、前記認識データに基づいて前記移動体の駐車候補位置の検出を行う駐車候補位置検出部と、前記駐車候補位置のうち前記移動体の駐車位置の選択を前記移動体のユーザから受け付ける受付部と、を備える、移動体の制御装置の制御プログラムであって、
前記制御装置のプロセッサに、
未登録の駐車候補位置を検出する第1検出処理と、登録済みの駐車候補位置を検出する第2検出処理と、を実行可能とし、
前記ユーザによる操作に基づいて前記第1検出処理を開始し、
前記移動体の移動中に前記移動体の移動速度が所定速度以下になったことに基づいて前記第1検出処理を停止し、
前記第1検出処理の停止に基づいて前記第2検出処理を開始する、
処理を実行させるための制御プログラム。
【0129】
(10)によれば、登録済みの駐車候補位置を検出する第2検出処理を開始する移動速度を引き上げる(移動体の移動中に第2検出処理を開始する)ことが可能となるため、停車時の早い段階で第2検出処理を開始することができる。このため、第2検出処理が完了して第2検出処理の結果が通知されるまでの時間を短縮することができ、ユーザビリティが向上する。
【符号の説明】
【0130】
10 車両(移動体)
52 演算部(制御装置)
55 外界認識部
56 駐車候補位置検出部
57 受付部
58 駐車制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18