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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062082
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 19/00 20060101AFI20240430BHJP
【FI】
F25D19/00 540A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169852
(22)【出願日】2022-10-24
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】守谷 雅秀
(57)【要約】
【課題】圧縮器を良好に配置することが可能な冷蔵庫を提供する。
【解決手段】貯蔵室を形成する本体と、前記本体の開口部を開閉自在に塞ぐ扉と、を備え、前記貯蔵室の冷却に使用する圧縮器を設けた構成を持つ。前記貯蔵室は、上側から第1貯蔵室、第2貯蔵室、および第3貯蔵室の順で設けられた構成を持つ。前記圧縮器の少なくとも一部は、前記第2貯蔵室の後ろに設けられている構成を持つ。前記本体は、前記圧縮器の前側、上側および下側から覆うとともに、断熱材により形成された前断熱壁、上断熱壁、下断熱壁を持つ。前記下断熱壁は、前記前断熱壁および前記上断熱壁より断熱効果が高い。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室を形成する本体と、前記本体の開口部を開閉自在に塞ぐ扉と、を備え、前記貯蔵室の冷却に使用する圧縮器を設けた冷蔵庫であって、
前記貯蔵室は、上側から第1貯蔵室、第2貯蔵室、および第3貯蔵室の順で設けられ、
前記第1貯蔵室、第2貯蔵室、および第3貯蔵室は、それぞれ異なる扉によって室が区切られて設けられ、
前記圧縮器の少なくとも一部は、前記第2貯蔵室の後ろに設けられている冷蔵庫。
【請求項2】
前記本体は、前記圧縮器の前側、上側および下側から覆うとともに、断熱材により形成された前断熱壁、上断熱壁、下断熱壁を有し、
前記下断熱壁は、前記前断熱壁および前記上断熱壁より断熱効果が高い、請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記下断熱壁の厚みは、前記前断熱壁および前記上断熱壁より厚みが大きい、請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記第1貯蔵室は、温度帯が低く、
前記第2貯蔵室は、前記第1貯蔵室より下方に配置され、前記第1貯蔵室より温度帯が高く、
前記第3貯蔵室は、前記第2貯蔵室の下方に配置され、冷凍温度帯に設定可能であり、
前記下断熱壁の厚みは、前記第2貯蔵室と前記第3貯蔵室との間で断熱材により形成される仕切部の厚みよりも大きい、請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記第1貯蔵室は、温度帯が低く、
前記第2貯蔵室は、前記第1貯蔵室の下方に配置され、冷蔵温度帯に設定可能であり、
前記第3貯蔵室は、前記第2貯蔵室の下方に配置され、冷凍温度帯に設定可能であり、
前記上断熱壁の厚みは、前記前断熱壁および前記下断熱壁の厚みよりも小さい、請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記第2貯蔵室と前記第3貯蔵室との間の仕切部は、前記前断熱壁、前記上断熱壁および前記下断熱壁とは別部材である、請求項5に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記第2貯蔵室と前記第3貯蔵室との間の仕切部と、前記前断熱壁、前記上断熱壁および前記下断熱壁のうちいずれかの少なくとも一部と、が前後に重なっている、請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記仕切部と、前記下断熱壁の少なくとも一部と、が前後に重なっている、請求項7に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記断熱材は、発泡断熱材からなる第1断熱材、及び前記第1断熱材より断熱性の高い第2断熱材のうち少なくとも一方が設けられている、請求項2乃至8のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項10】
前記前断熱壁には、前記第2断熱材が設けられている、請求項9に記載の冷蔵庫。
【請求項11】
前記上断熱壁および前記下断熱壁には、前記第1断熱材が設けられている、請求項10に記載の冷蔵庫。
【請求項12】
少なくとも前記圧縮器、凝縮器及び送風機を一体に組み合わせた圧縮器組付体として形成され、
前記圧縮器組付体は、前記本体の後壁に対して後方から取り付け可能に設けられている、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項13】
前記第3貯蔵室は、冷凍温度帯からなり、
前記第1貯蔵室は、
温度帯が低い冷蔵室と、
前記冷蔵室よりも温度帯が低く、前記第3貯蔵室よりも温度帯が高い特別貯蔵室と、を備え、
前記圧縮器は、前記特別貯蔵室より低い位置で、かつ前記第3貯蔵室より高い位置に設けられている、請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫として、貯蔵室を形成する本体のうち底面に圧縮器を備えているものが主流となっている。圧縮器周辺には断熱が必要である。一番下に冷凍室が配置される冷蔵庫の場合には、冷凍室と圧縮器との間の断熱材の厚みが大きくなるため、冷凍室の容量が小さくなって容積効率が低下していた。また、扉によって区切られた貯蔵室が上下2段に設けられ、貯蔵室の後ろにおいて上下方向の中央部に圧縮器が設けられた冷蔵庫が知られている。しかしながら、近年の冷蔵庫では、貯蔵室が3段以上と一層複数に分かれる傾向にあり、圧縮器を効率よく配置する上で未だ改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-178103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、圧縮器を良好に配置することが可能な冷蔵庫を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の冷蔵庫は、貯蔵室を形成する本体と、前記本体の開口部を開閉自在に塞ぐ扉と、を備え、前記貯蔵室の冷却に使用する圧縮器を設けた構成を持つ。前記貯蔵室は、上側から第1貯蔵室、第2貯蔵室、および第3貯蔵室の順で設けられ、前記第1貯蔵室、第2貯蔵室、および第3貯蔵室は、それぞれ異なる扉によって室が区切られて設けられた構成を持つ。前記圧縮器の少なくとも一部は、前記第2貯蔵室の後ろに設けられている構成を持つ。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態の冷蔵庫の正面図。
図2図1に示された冷蔵庫のF1-F1線に沿う断面図。
図3】冷蔵庫を斜め後方から見た斜視図。
図4図3に示す冷却ユニットの拡大図。
図5】第2実施形態の冷蔵庫の正面図。
図6図5に示された冷蔵庫のF2-F2線に沿う断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(第1実施形態)
以下、実施形態の冷蔵庫を、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
【0008】
本明細書では、冷蔵庫の正面に立つ利用者から冷蔵庫を見た方向を基準に、左右を定義している。また、冷蔵庫から見て冷蔵庫の正面に立つ利用者に近い側を「前」、遠い側を「後ろ」と定義している。本明細書において「幅方向」とは、上記定義における左右方向を意味する。本明細書において「奥行方向」とは、上記定義における前後方向を意味する。本明細書において「幅方向」とは、上記定義における左右方向を意味する。本明細書において「上下方向」とは、冷蔵庫の高さ方向を意味する。
【0009】
図1及び図2を参照し、実施形態の冷蔵庫1について説明する。まず、冷蔵庫1の全体構成について説明する。ただし、冷蔵庫1は、以下に説明する構成の全てを有する必要はなく、いくつかの構成が適宜省略されてもよい。
【0010】
図1は、冷蔵庫1を示す正面図である。図2は、図1中に示された冷蔵庫1のF1-F1線に沿う断面図である。冷蔵庫1は、例えば、本体10と、複数の扉20とを備えている。
【0011】
本体10は、上壁10a、下壁10b、左右の側壁10c,10d、および後壁10e(図2参照)を有する。上壁10aおよび下壁10bは、水平方向に広がる。左右の側壁10c,10dは、下壁10bの左右の端部から上方に起立し、上壁10aの左右の端部に繋がっている。左側壁10cは、後述する野菜室11Bに露出して野菜室11Bの左側面を形成する左側壁部を含む。右側壁10dは、野菜室11Bに露出して野菜室11Bの右側面を形成する右側壁部を含む。後壁10eは、下壁10bの後端部から上方に起立し、上壁10aの後端部に繋がっている。
【0012】
本体10は、本体10の内面を形成する内箱10iと、内箱10iの外側に位置して本体10の外面を形成する外箱10jと、内箱10iと外箱10jとの間に設けられた発泡ウレタンのような発泡断熱材10kとを含み(図2参照)、断熱性を有する。また、図2に示すように、後壁10eにおいて、内箱10iと外箱10jとの間の断熱空間には、板状の真空断熱板55A、55Bが設けられている。真空断熱板55A、55Bは、冷蔵室11Aの背面、および冷凍室の背面の2箇所に配置されている。すなわち、上下に設けられる真空断熱板55A、55Bは、後述する冷却ユニット60を挟んで上下それぞれに配置されている。
【0013】
本体10の内部には、複数の貯蔵室11が設けられている。複数の貯蔵室11は、例えば、冷蔵室11A(第1貯蔵室)、チルド室11Aa(第1貯蔵室)、野菜室11B(第2貯蔵室)、製氷室11C、小冷凍室11D、および主冷凍室11Eを含む。冷蔵室11Aは、例えば、約2℃~6℃である冷蔵温度帯に冷却される。チルド室11Aaは、例えば、約-1℃~+1℃であるチルド温度帯に冷却される。野菜室11Bは、例えば、約3℃~7℃である野菜室温度帯に冷却される。製氷室11C、小冷凍室11D、および主冷凍室11Eは、冷凍室(第3貯蔵室)であり、例えば、約-20℃~-18℃である冷凍温度帯に冷却される。
【0014】
本実施形態では、上部空間に冷蔵室11Aが配置され、冷蔵室11Aの下方に野菜室11Bが配置され、野菜室11Bの下方に製氷室11Cおよび小冷凍室11Dが配置され、製氷室11Cおよび小冷凍室11Dの下方に主冷凍室11Eが配置されている。ただし、貯蔵室11の配置は、上記例に限定されない。本体10は、各貯蔵室11の前面側に、各貯蔵室11に対して食材の出し入れを可能にする開口を有する。野菜室11Bは、貯蔵室の一例である。貯蔵室11の冷蔵室11A、野菜室11B、および冷凍室(小冷凍室11D、主冷凍室11E)は、それぞれが断熱壁によって仕切られ、かつ室毎に異なる扉20が設けられている。すなわち、冷蔵室11A、野菜室11B、および冷凍室(小冷凍室11D、主冷凍室11E)は、それぞれ異なる扉20(後述する冷蔵室扉20Aa,20Ab、野菜室扉20B、製氷室扉20C、小冷凍室扉20D、および主冷凍室扉20E)によって室が区切られて設けられている。
【0015】
チルド室11Aaは、冷蔵室11Aの下部の一画に設けられている。チルド室11Aaは、「特別貯蔵室」の一例である。本明細書で「特別貯蔵室」とは、冷蔵室よりも温度帯が低く、冷凍室よりも温度帯が高い貯蔵室である。「特別貯蔵室」は、チルド室11Aaに限定されず、パーシャル温度帯(約-4℃~-2℃)に冷却されるパーシャル室などでもよい。このため、以下の説明における「チルド室11Aa」は、「特別貯蔵室」または「パーシャル室」と読み替えられてもよい。
【0016】
本体10は、第1仕切部15および第2仕切部16を有する(図2参照)。第1仕切部15および第2仕切部16は、例えば、それぞれ略水平方向に沿う仕切壁である。第1仕切部15は、冷蔵室11Aおよびチルド室11Aaと、野菜室11Bとの間に位置し、冷蔵室11Aおよびチルド室11Aaと、野菜室11Bとの間を仕切っている。例えば、第1仕切部15は、断熱性を有しない仕切壁である。第1仕切部15は、本体10と一体に設けられていてもよく、本体10とは別体に設けられて本体10内に取り付けられていてもよい。第1仕切部15は、冷蔵室11Aまたはチルド室11Aaを通った冷気を野菜室11Bに導く通気孔を有する。一方で、第2仕切部16は、野菜室11Bと、製氷室11Cおよび小冷凍室11Dとの間に位置し、野菜室11Bと、製氷室11Cおよび小冷凍室11Dとの間を仕切っている。第2仕切部16は、例えば本体10と一体に設けられ、断熱性を有する。
【0017】
第1仕切部15および第2仕切部16は、ビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)等の成形断熱材が採用されるが、冷蔵庫1の製造時においてウレタン等の発泡断熱材を仕切部の外殻体内に流し込むことにより製造されてもよい。
【0018】
図1に示すように、複数の貯蔵室11は、複数の扉20によって開閉可能に閉じられる。複数の扉20は、例えば、冷蔵室11Aの開口を閉じる左右の冷蔵室扉20Aa,20Ab、野菜室11Bの開口を閉じる野菜室扉20B、製氷室11Cの開口を閉じる製氷室扉20C、小冷凍室11Dの開口を閉じる小冷凍室扉20D、および主冷凍室11Eの開口を閉じる主冷凍室扉20Eを含む。左右の冷蔵室扉20Aa,20Abは、例えばフレンチ扉(観音開き扉)を構成する。野菜室扉20B、製氷室扉20C、小冷凍室扉20D、および主冷凍室扉20Eの各々は、冷蔵庫1の前側に引き出し可能な引出扉である。
【0019】
ここでは、野菜室扉20Bについて詳しく説明する。野菜室扉20Bは、例えば、扉本体21と、レール部材(図示省略)とを含む。扉本体21は、本体10の外部に位置し、冷蔵庫1の前側から野菜室11Bの開口に向かい合う。扉本体21は、野菜室11Bの開口よりも大きな外形を有し、野菜室11Bの開口を開閉可能に閉じる。扉本体21の上端部には、野菜室扉20Bを開くときに利用者が手を掛ける取手が設けられている。レール部材は、扉本体21の内面(後面)に取り付けられ、扉本体21から後方に延びている。レール部材22は、本体10の左側壁部および右側壁部に設けられたレール受け部によって支持されている。これにより、野菜室扉20Bは、本体10に対して冷蔵庫1の前後方向にスライド移動可能である。
【0020】
図2に示すように、冷蔵庫1は、例えば、複数の棚30、複数の容器40、流路形成部品50、冷却ユニット60、および制御基板17を備えている。
【0021】
複数の棚30は、冷蔵室11Aに配置されている。
【0022】
複数の容器40は、チルド室11Aaに収容された第1および第2チルド室容器41,42、野菜室11Bに収容された第1および第2野菜室容器43,44、製氷室11Cに収容された製氷室容器(不図示)、小冷凍室11Dに収容された小冷凍室容器46、および主冷凍室11Eに収容された第1および第2主冷凍室容器47,48を含む。
【0023】
まず、第1および第2チルド室容器41,42について説明する。第1チルド室容器41は、2段式のチルド室容器41,42のうち下側に位置する容器である。第2チルド室容器42は、2段式のチルド室容器41,42のうち上側に位置する容器である。第2チルド室容器42は、第1チルド室容器41の上方に位置する。第1および第2チルド室容器41,42は、それぞれ独立して前方に引き出し可能である。なお、チルド室11Aaに配置されるチルド室容器は、1つだけでもよい。
【0024】
次に、第1および第2野菜室容器43,44について説明する。第1野菜室容器43は、2段式の野菜室容器43,44のうち下側に位置する容器である。第1野菜室容器43は、野菜室扉20Bによって支持され、野菜室扉20Bと一体に冷蔵庫1の前側に引き出し可能である。第1野菜室容器43の前端部43aは、野菜室扉20Bの扉本体21の近くに位置する。一方で、第1野菜室容器43の後端部43bは、第1野菜室容器43が野菜室11Bに収容された状態で、本体10の後壁10eの近くに位置する。
【0025】
第2野菜室容器44は、2段式の野菜室容器43,44のうち上側に位置する容器である。第2野菜室容器44は、第1野菜室容器43の上方に配置されている。冷蔵庫1の前後方向における第2野菜室容器44の寸法は、同方向における第1野菜室容器43の寸法よりも小さい。
【0026】
流路形成部品50は、冷蔵用ダクト51と、冷凍用ダクト52とを含む。冷蔵用ダクト51は、本体10内の冷蔵室11A、11Bに設けられ、後壁10eに沿って鉛直方向に延びている。冷蔵用ダクト51は、本体10の後壁10eの近くに、冷気が流れる通路である第1ダクト空間D1を形成している。本明細書で「ダクト」とは、筒状の部品に限定されず、他の部品(例えば本体10の後壁10e)と協働することで冷気の通路の少なくとも一部を規定する部品を含み得る。例えば、本実施形態の冷蔵用ダクト51は、本体10の後壁10eに取り付けられ、本体10の後壁10eとの間に第1ダクト空間D1を形成する板状のカバー部材である。
【0027】
冷蔵用ダクト51は、冷気吹出口51aおよび冷気戻り口51bを有する。冷気吹出口51aは、不図示の冷蔵用熱交換器により冷却された冷気を冷蔵室11Aの空間やチルド室11Aaに供給する。冷気戻り口51bは、野菜室11Bに開口し、冷蔵室11Aおよび野菜室11Bを通過することで温められた冷気を第1ダクト空間D1に向けて導く。
【0028】
冷蔵用ダクト51は、基礎絶縁を確保可能な厚さ1mm以上の絶縁体から形成されることが好ましい。具体的に冷蔵用ダクト51の材質としては、例えばポリプロピレン(PP)やABS等の樹脂が採用できる。
【0029】
冷凍用ダクト52は、本体10内の冷凍室11C、11D、11Eに設けられ、後壁10eに沿って鉛直方向に延びている。冷凍用ダクト52は、本体10の後壁10eの近くに、冷気Eが流れる通路である第2ダクト空間D2を形成している。冷凍用ダクト52は、冷気吹出口52aおよび冷気戻り口52bを有する。冷気吹出口52aは、製氷室11C、小冷凍室11D、または主冷凍室11Eに開口し、後述する冷凍用冷却器64により冷却された冷気Eを、製氷室11C、小冷凍室11D、または主冷凍室11Eに供給する。冷気戻り口52bは、主冷凍室11Eの下部に開口し、製氷室11C、小冷凍室11D、および主冷凍室11Eのうち1つ以上を通過することで温められた冷気をダクト空間D2に導く。
【0030】
冷却ユニット60(圧縮器組付体)は、野菜室11Bの後側に配置されており、圧縮器61により圧縮された冷媒が第1ダクト空間D1及び第2ダクト空間D2に供給され、冷蔵室11A、野菜室11B、および製氷室11C、小冷凍室11D、および主冷凍室11Eを冷却する冷却サイクルに使用される。
【0031】
図3は、冷蔵庫1を斜め後方から見た斜視図であって、冷却ユニット60を組み付ける状態の図である。図3に示すように、冷却ユニット60は、例えば、圧縮器61、凝縮器62、冷却ファン63(送風機)を備えている。すなわち圧縮器61は、野菜室11Bの後ろに設けられている。圧縮器61は、貯蔵室11のうち冷蔵室11Aよりも温度帯が低く、冷凍室11Cよりも温度帯が高いチルド室11Aaよりも下方となる位置で、かつ冷蔵室11Aより上方となる位置に設けられている(図2参照)。
【0032】
冷却ユニット60には、幅方向に延びる板状の支持板67が設けられている。支持板67の上面には、圧縮器61、凝縮器62、および冷却ファン63が一体に組み合わされて構成されている。冷却ユニット60は、後壁10eにおける野菜室11Bの背面の位置で後側に開口部を有する収容部10hに組み付けられている。すなわち、冷却ユニット60は、収容部10hに後方から容易に組み付け可能に設けられている。
【0033】
図4は、図3に示す冷却ユニット60の拡大図である。図2及び図4に示すように、後壁10eは、圧縮器61の前側、上側および下側から覆うとともに、内部に発泡ウレタン等の発泡断熱材56(第1断熱材)を充填させて備えた前断熱壁101、上断熱壁102、および下断熱壁103を有する。前断熱壁101、上断熱壁102、および下断熱壁103は、幅方向から見て後側に開口部を有するコ字型の収容部10hを形成されている。
【0034】
前断熱壁101、上断熱壁102、および下断熱壁103は、一体でも別体であってもよい。そして、下断熱壁103の下面103aの高さは、第2仕切部16の下面16aの高さと略一致している。第2仕切部16は、下断熱壁103の前部103b(および/又は前断熱壁101の下部)から前方に向けて延在している。なお、本実施形態では、第2仕切部16と下断熱壁103とが別体で設けられているが、下断熱壁103が第2仕切部16の一部であってもよい。下断熱壁103の下面103aの高さは、第2仕切部16の下面16aの高さと略一致している必要はなく、例えば、下断熱壁103の下面103aよりも高い位置(例えば、前断熱壁101の前部101a)から、第2仕切部16が延びる構成を採用することも可能である。この場合、第2仕切部16の下面16aが下断熱壁103の下面103aよりも高く位置することになる。このように、仕切部16と、前断熱壁101、上断熱壁102および下断熱壁103のうちいずれかの少なくとも一部と、が前後に重なっている構成とすることが好ましい。
【0035】
下断熱壁103は、前断熱壁101および上断熱壁102より断熱効果が高くなっている。図4に示すように、下断熱壁103を形成する発泡断熱材56Cの厚みt3は、前断熱壁101を形成する発泡断熱材56Aの厚みt1および上断熱壁102を形成する発泡断熱材56Bの厚みt2よりも大きい。また、下断熱壁103の発泡断熱材56Cの断熱率は、野菜室11Bと冷凍室11C、11D、11Eとの間の第2仕切部16の断熱率よりも大きい。
【0036】
また、下断熱壁103の発泡断熱材56の厚みt3は、第2仕切部16に設けられる発泡断熱材57(第1断熱材)の厚みt4よりも大きい。また、下断熱壁103の発泡断熱材56Cの断熱率は、第2仕切部16の断熱率よりも大きい。本実施形態では、厚みの大小と断熱効果とが比例しているが、これに限定されることはない。要は、上述したように、下断熱壁103が前断熱壁101および上断熱壁102より断熱効果が高くなっていればよく、例えば下断熱壁103の厚みt3が前断熱壁101の厚みt1および上断熱壁102の厚みt2と同じ又は薄くても、下断熱壁103の断熱効果が前断熱壁101および上断熱壁102の断熱効果よりも高くなっていればよいのである。
【0037】
少なくとも前断熱壁101には、真空断熱材が設けられていない。また、上断熱壁102および下断熱壁103にも真空断熱材が設けられていない。なお、前断熱壁101、上断熱壁102、下断熱壁103のうちいずれかに真空断熱材(第2断熱材)を設けるようにしてもよい。ここで、「真空断熱材」とは、VIP(Vacuum Insulation Panel)とも呼ばれ、例えば、袋を形成する外包材、および減圧状態で前記外包材に密閉して収容された芯材を含む断熱材である。芯材は、例えば、グラスウールのような繊維素材、または発泡体のような多孔質体である。さらに、真空断熱材に代えて、エアロゲル、キセロゲル、またはクライオゲルのうち1つ以上を含む特定断熱材(第2断熱材)を採用することも可能である。
【0038】
図2に示すように、冷凍室11C,11D、11Eの背面には、圧縮器61の下方の位置に冷凍用冷却器64及び冷却ファン66が配置されている。冷凍用冷却器64は、第2ダクト空間D2に配置されている。冷凍用冷却器64は、圧縮器61により圧縮された冷媒が供給され、第2ダクト空間D2を流れる冷気を冷却する。冷却ファン66が駆動されると、冷凍用冷却器64により冷却された冷気が冷気吹出口52aから冷凍室(製氷室11C、小冷凍室11D、主冷凍室11E)に供給される。また、冷蔵庫1の後方下部には、蒸発皿65が設けられている。
【0039】
図1に示す制御基板17は、冷蔵庫1の全体を統括的に制御する。例えば、制御基板17は、複数の貯蔵室11に設けられた温度センサ(図示省略)の検出結果に基づき、冷却ユニット60、圧縮器の動作を制御する。制御基板17は、湿気を避けることができる場所に配置することが好ましい。本実施形態では、冷蔵室11Aの上方における後側の外箱10j上に配置されている。
【0040】
次に、冷蔵庫1の動作および作用について説明する。
【0041】
本実施形態に係る冷蔵庫1によれば、貯蔵室11を形成する本体10と、本体10の開口部を開閉自在に塞ぐ扉20と、を備え、貯蔵室11の冷却に使用する圧縮器61を設けている。貯蔵室11は、上側から冷蔵室11A、野菜室11B、および冷凍室11C、11D、11Eの順で設けられている。冷蔵室11A、野菜室11B、および冷凍室11C、11D、11Eは、それぞれ異なる扉20によって室が区切られて設けられている。圧縮器61の少なくとも一部は、野菜室11Bの後ろに設けられている。
【0042】
一般的に、冷蔵室と圧縮器を備える機械室との温度差は、冷凍室と機械室との温度差よりも小さくなる。野菜室11Bの後ろに配置されている圧縮器61により圧縮された冷媒は、冷却器を通過する際に気化することで冷却器の温度が下がり第1ダクト空間D1内及び第2ダクト空間D2内の空気が冷却される。第1ダクトD1を通過する冷気は、冷蔵室11Aおよび野菜室11Bを冷却する。このとき、冷蔵室11Aおよび野菜室11Bを通過する冷気は、圧縮器61を覆う断熱壁(前断熱壁101、上断熱壁102、下断熱壁103)に接して流動する。そして、第2ダクトD2を通過する冷気は、冷凍室11C、11D、11Eを冷却する。このとき、冷凍室11C、11D、11Eを通過する冷気は、圧縮器61を覆う断熱壁(前断熱壁101、上断熱壁102、下断熱壁103)に直接的に接することなく流動する。
【0043】
このように、上下方向に3つの貯蔵室11(上から冷蔵室11A、野菜室11B、冷凍室11C、11D、11E)を備えた冷蔵庫1では、上下方向中央に位置する野菜室11B(第2貯蔵室)の後ろに圧縮器61が配置されるので、圧縮器61周囲の断熱壁(前断熱壁101、上断熱壁102、下断熱壁103)の断熱厚を薄くすることができる。そのため、圧縮器61の手前に位置する貯蔵室(野菜室11B)の容量の減少量を小さく抑えることができ、かつ本体10の後ろに圧縮器61を備えていない下部の貯蔵室(ここでは冷凍室11C、11D、11E)の容量効率を大きく確保することができる。このように本実施形態では、上下方向に設けられる3つの貯蔵室のうち一番下の貯蔵室(冷凍室)を有効に使用することができる。
【0044】
また、本実施形態では、本体10の上下方向中央に位置する野菜室11Bの後ろに圧縮器61が配置されるので、重心が高くなることを抑制しつつ、最下段の貯蔵室11(ここでは冷凍室11C、11D、11Eの容量を容易に大きくすることができる。そのため、本実施形態の冷蔵庫1では、圧縮器61が冷蔵庫の天井面に設けられる場合のように冷蔵庫の重心が高い位置になりすぎることを抑えることができ、冷蔵庫の転倒の可能性を低減できる。
【0045】
また、本実施形態では、本体10は、圧縮器61の前側、上側および下側から覆うとともに、発泡断熱材56により形成された前断熱壁101、上断熱壁102、下断熱壁103を有する。下断熱壁103は、前断熱壁101および上断熱壁102より断熱効果が高い。
【0046】
下断熱壁の下方の貯蔵室は圧縮器の熱がこもりやすくなっている。本実施形態では、圧縮器61の下部の冷凍温度帯に接する下断熱壁103の断熱効果を高くすることで、圧縮器61の熱が冷凍室11C、11D、11Eに伝わり難くなり、冷凍室11C、11D、11Eに熱がこもるという不具合を解消できる。
【0047】
本実施形態に係る冷蔵庫1によれば、下断熱壁103の厚みは、前断熱壁101および上断熱壁102より厚みが大きい。
【0048】
この場合には、圧縮器61の下部の冷凍温度帯に接する下断熱壁103の厚みを前断熱壁101および上断熱壁102に比べて大きくすることで、圧縮器61の熱が冷凍室11C、11D、11Eに伝わり難くなり、冷凍室11C、11D、11Eに熱がこもるという不具合を解消できる。
【0049】
本実施形態に係る冷蔵庫1によれば、下断熱壁103の厚みは、野菜室11Bと冷凍室11C、11D、11Eとの間で発泡断熱材57により形成される第2仕切部16の厚みt4よりも大きい。
【0050】
この場合には、圧縮器61の下部の冷凍温度帯に接する下断熱壁103の発泡断熱材56Cの厚みt3のみを大きくすることで、冷凍室11C、11D、11Eに対する断熱効果を発揮することができる。一方、圧縮器61に直接接しない第2仕切部16の発泡断熱材57の厚みt4は下断熱壁103よりも薄くすることができ、冷蔵室11A、野菜室11Bの容量を大きく減少させることなく配置することができる。また、圧縮器61の下部側の下断熱壁103の厚みt3を厚くすることで、圧縮器61の大きな重量を支持し得る剛性を確保でき、かつ圧縮器61の振動を十分に吸収することができる。さらに、下断熱壁103が第1仕切部15よりも厚いので、製造時の発泡断熱材の充填時に冷蔵庫1の背面から厚さの大きな下断熱壁103を介して第1仕切部15側に発泡断熱材が流れやすく、確実な充填を行うことができる。
【0051】
例えば、上下の冷気通路を確保しつつ、仕切部に発泡断熱材を充填する際には、以下の方法を採用できる。つまり、発泡ウレタン等の発泡断熱材を充填することにより第2仕切部16を製造する場合には、充填時において第2仕切部16と下断熱壁103との間の隙間に、第2仕切部16と下断熱壁103とを連通し、充填される発泡ウレタンで互いに接続される充填部と、第2仕切部16の上下の室同士を連通する冷気通路を形成する筒状部材と、を設けておく。そして、下断熱壁103を通過させながら前記充填部を通じて第2仕切部16に発泡ウレタンを流し込むことで第2仕切部16と充填部を発泡ウレタンにより製造することができ、かつ筒状部材を設けることで冷気通路も確保することができ、仕切部16の下方から上方(冷蔵室11A側)への冷気の流れを担保することができる。
【0052】
本実施形態に係る冷蔵庫1によれば、断熱材は、発泡ウレタンからなる発泡断熱材、及び発泡断熱材より断熱性の高い第2断熱材(真空断熱材又は特定断熱材)のうち少なくとも一方が設けられている。例えば、本実施形態に係る冷蔵庫1によれば、前断熱壁101には、第2断熱材である真空断熱材又は特定断熱材が設けられていてもよい。
【0053】
この場合には、製造時において、上断熱壁102と下断熱壁103には冷蔵庫1の背面から発泡断熱材の充填することができる。
【0054】
本実施形態に係る冷蔵庫1によれば、上断熱壁102および下断熱壁103には、発泡断熱材が設けられている。
【0055】
この場合には、製造時において、上断熱壁102と下断熱壁103には冷蔵庫1の背面から発泡断熱材を充填することができる。
【0056】
本実施形態に係る冷蔵庫1によれば、少なくとも圧縮器61、凝縮器62及び冷却ファン63を一体に組み合わせた冷却ユニット60として形成される。冷却ユニット60は、本体10の後壁10eに対して後方から取り付け可能に設けられている。
【0057】
この場合には、冷蔵庫1に設けられる圧縮器61等はパイプの溶接が必要であるため、本実施形態のように予め圧縮器61、凝縮器62及び冷却ファン63を一体に組み合わせてユニット化することでライン上での取り付け作業や溶接作業を低減することができ、作業効率を向上させることができる。
【0058】
本実施形態に係る冷蔵庫1によれば、圧縮器61は、貯蔵室11のうち冷蔵室11Aよりも温度帯が低く、冷凍室11C、11D、11Eよりも温度帯が高いチルド室11Aaよりも低い位置で、かつ冷凍室11C、11D、11Eより高い位置に設けられている。
【0059】
この場合には、チルド室11Aaを備えた冷蔵室11Aと、冷凍室11C、11D、11Eとの間に野菜室11Bを配置し、野菜室11Bの背面に圧縮器61を配置することができる。すなわち、本実施形態のように比較的、小容量で野菜室11Bを設ける場合に好適である。
【0060】
また、冷蔵室11Aの下方に配置される冷凍室が上下方向中央に位置する貯蔵室として設けられ、さらに冷凍室の下方に野菜室が配置される冷蔵庫にも適用可能である。この場合には、冷凍室の背面に圧縮器61を配置することができる。すなわち、比較的、小容量となる冷凍室を設ける場合に好適である。
【0061】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、圧縮器を良好に配置することが可能な冷蔵庫を提供することができる。
【0062】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態による冷蔵庫1Aを示す正面図である。図6は、図1中に示された冷蔵庫1AのF2-F2線に沿う断面図である。第2実施形態による冷蔵庫1Aの貯蔵室11は、チルド室11Aaおよび野菜室11Bを内蔵した冷蔵室11Aと、冷蔵室11Aの下方に配置され本体10の背面の上下方向中央部に位置する第1冷凍室(製氷室11C、小冷凍室11D)と、第1冷凍室の下方に配置された第2冷凍室(中冷凍室11F、主冷凍室11E)と、を備えている。野菜室11Bは、冷蔵室11Aの下方に配置されている。中冷凍室11Fは、製氷室11Cおよび小冷凍室11Dと主冷凍室11Fとの間に配置されている。第1仕切部18は、冷蔵室11Aと、製氷室11Cおよび小冷凍室11Dとの間に配置されている。第2仕切部19は、製氷室11Cおよび小冷凍室11Dと、中冷凍室11Fとの間に配置されている。
【0063】
図6に示すように、圧縮器61を備えた冷却ユニット60は、製氷室11Cおよび小冷凍室11Dの後方に配置されている。圧縮器61は、前断熱壁101、上断熱壁102、および下断熱壁103によって囲まれる収容部10hに収容されている。上断熱壁102の発泡断熱材56Bの厚みt2は、前断熱壁101および下断熱壁103の発泡断熱材56A,56Cの厚みt1、t3よりも小さい。
【0064】
そのため、圧縮器61の上部の冷蔵温度帯に接する上断熱壁102の発泡断熱材56Bの厚さのみを薄くすることで、冷凍室11C、11D、11E、11Fに対する断熱効果を発揮し、かつ冷蔵室11Aの容量を大きく減少させることなく配置することができる。また、圧縮器61の下部側の下断熱壁103の厚さを大きくすることで、圧縮器61の大きな重量を支持し得る剛性を確保でき、かつ圧縮器61の振動を十分に吸収することができる。
【0065】
第2仕切部19は、前断熱壁101、上断熱壁102および下断熱壁103とは別部材である。そのため、第2仕切部19は、真空断熱材58(第2断熱材)のみ、あるいは真空断熱材と発泡断熱材の組み合わせによる断熱性の高い断熱構造にすることができる。
【0066】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0067】
上述した、実施形態では、本体10の後壁10eに、圧縮器61の前側、上側および下側から覆うとともに、内部に発泡断熱材56を備えた前断熱壁101、上断熱壁102、下断熱壁103を有しているが、圧縮器61の収容部10hの形状や構成はこれに限定されることはない。また、本実施形態では、下断熱壁103の発泡断熱材56Cの厚みが前断熱壁101および上断熱壁102の発泡断熱材56A、56Cの厚みよりも大きい寸法に設定しているが、このような厚み寸法であることに制限されることはない。さらに、下断熱壁103の発泡断熱材56Cの厚みは、野菜室11Aと冷凍室との間の第1仕切部15に設けられる発泡断熱材57の厚みよりも大きい寸法であることにも制限されることはない。
【0068】
また、本実施形態では、圧縮器61の下方に冷凍用冷却器64を設けた構成であるが、圧縮器61の上下に冷却器を設ける構成であってもよい。
【0069】
また、本実施形態では、圧縮器61、凝縮器62及び冷却ファン63(送風機)を一体に組み合わせた冷却ユニット60を圧縮器組付体として形成しているが、このように圧縮器61をユニット化することに限定されることはない。
【0070】
本体10の背面の上下方向中央部に設けられる圧縮器61の前側に位置する貯蔵室11として、第1実施形態では野菜室11B、第2実施形態では製氷室11C及び小冷凍室11Dとしているが、これらの貯蔵室11であることに限定されることはなく、例えば、チルド室11Aaのみを備えた冷蔵室11Aの下部背面に圧縮器61が配置される構成であってもよい。
【0071】
さらに、冷蔵庫の貯蔵室の構成、区画などは、本実施形態に限定されることはない。
【符号の説明】
【0072】
1、1A…冷蔵庫、10…本体、10e…後壁、10h…収容部、11…貯蔵室、11A…冷蔵室(貯蔵室、第1貯蔵室)、11Aa…チルド室(第1貯蔵室)、11B…野菜室(貯蔵室、第2貯蔵室)、11C…製氷室(貯蔵室、第3貯蔵室)、11D…小冷凍室(貯蔵室、第3貯蔵室)、11E…主冷凍室(貯蔵室、第3貯蔵室)、11F…中冷凍室(貯蔵室)、15…第1仕切部、16…第2仕切部、101…前断熱壁、102…上断熱壁、103…下断熱壁、20…扉、56、56A~56C…発泡断熱材(第1断熱材)、57…発泡断熱材(第2断熱材)、58…真空断熱材(第2断熱材)、60…冷却ユニット(圧縮器組付体)、61…圧縮器、62…凝縮器、63…冷却ファン(送風機)、64…冷凍用冷却器。
図1
図2
図3
図4
図5
図6