(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006209
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】ドライバー及び電気光学装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/18 20060101AFI20240110BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20240110BHJP
G09G 3/34 20060101ALI20240110BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20240110BHJP
G02F 1/1347 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
G09G3/18
G09G3/20 623B
G09G3/20 641A
G09G3/20 623R
G09G3/20 620A
G09G3/20 621M
G09G3/34 J
G02F1/133 545
G02F1/133 575
G02F1/1347
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106891
(22)【出願日】2022-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】田中 和顕
【テーマコード(参考)】
2H189
2H193
5C006
5C080
【Fターム(参考)】
2H189AA35
2H189HA16
2H193ZA27
2H193ZA37
2H193ZB51
2H193ZC01
2H193ZD26
2H193ZF33
5C006AA15
5C006AC25
5C006AC26
5C006AF25
5C006BB16
5C006BF04
5C006BF06
5C006BF24
5C006BF46
5C006EA01
5C080AA10
5C080BB01
5C080EE28
5C080EE29
5C080FF08
5C080FF11
5C080JJ01
5C080JJ02
5C080JJ04
5C080JJ06
5C080KK20
5C080KK23
(57)【要約】
【課題】セグメント電極が配置される各領域での輝度の調整等の容易化。
【解決手段】ドライバー10は、液晶パネル100の第1セグメント電極群101、第2セグメント電極群102に接続される第1端子群TG1、第2端子群TG2と、複数の階調レベルに対応した複数のパルス幅信号を含む第1パルス幅信号群GS1と、第1パルス幅信号群GS1とは階調レベルとパルス幅との対応が異なる第2パルス幅信号群GS2を出力する制御回路40と、階調データに応じて第1パルス幅信号群GS1から選択したパルス幅信号に基づく第1セグメント駆動信号群SG1を第1端子群TG1に出力する第1駆動回路51と、階調データに応じて第2パルス幅信号群GS2から選択したパルス幅信号に基づく第2セグメント駆動信号群SG2を第2端子群TG2に出力する第2駆動回路52を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタティック駆動方式で液晶パネルを駆動するドライバーであって、
前記液晶パネルの第1セグメント電極群に接続される第1端子群と、
前記液晶パネルの第2セグメント電極群に接続される第2端子群と、
複数の階調レベルに対応した複数のパルス幅信号を含む第1パルス幅信号群と、前記複数の階調レベルに対応した複数のパルス幅信号を含み且つ前記第1パルス幅信号群とは階調レベルとパルス幅との対応が異なる第2パルス幅信号群とを出力する制御回路と、
前記複数の階調レベルを設定する階調データに応じて前記第1パルス幅信号群から選択したパルス幅信号に基づく第1セグメント駆動信号群を、前記第1端子群に出力する第1駆動回路と、
前記階調データに応じて前記第2パルス幅信号群から選択したパルス幅信号に基づく第2セグメント駆動信号群を、前記第2端子群に出力する第2駆動回路と、
を含むことを特徴とするドライバー。
【請求項2】
請求項1に記載のドライバーにおいて、
前記第1パルス幅信号群における階調レベルとパルス幅との対応を設定する第1階調濃度設定データと、前記第2パルス幅信号群における階調レベルとパルス幅との対応を設定する第2階調濃度設定データを記憶するレジスター部を含み、
前記制御回路は、
前記レジスター部に記憶される前記第1階調濃度設定データに基づいて前記第1パルス幅信号群を出力し、前記レジスター部に記憶される前記第2階調濃度設定データに基づいて前記第2パルス幅信号群を出力することを特徴とするドライバー。
【請求項3】
請求項2に記載のドライバーにおいて、
前記第1階調濃度設定データと前記第2階調濃度設定データを受信するインターフェース回路を含むことを特徴とするドライバー。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のドライバーにおいて、
前記第1駆動回路は、
前記第1パルス幅信号群が入力され、前記第1パルス幅信号群から前記階調データに応じたパルス幅信号を選択する第1選択回路を含み、
前記第2駆動回路は、
前記第2パルス幅信号群が入力され、前記第2パルス幅信号群から前記階調データに応じたパルス幅信号を選択する第2選択回路を含むことを特徴とするドライバー。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のドライバーにおいて、
ドライバーの長辺方向を第1方向としたときに、前記第1駆動回路と前記第2駆動回路は、前記第1方向に沿って配置されることを特徴とするドライバー。
【請求項6】
請求項5に記載のドライバーにおいて、
第1コモン駆動信号を出力する第1コモン駆動回路と、
第2コモン駆動信号を出力する第2コモン駆動回路と、
を含み、
前記第1方向の反対方向を第2方向としたときに、前記第1コモン駆動回路は、前記第1駆動回路の前記第2方向側に配置され、前記第2コモン駆動回路は、前記第2駆動回路の前記第1方向側に配置されることを特徴とするドライバー。
【請求項7】
請求項5に記載のドライバーにおいて、
コモン駆動信号を出力するコモン駆動回路を含み、
前記コモン駆動回路は、前記第1駆動回路と前記第2駆動回路との間に配置されることを特徴とするドライバー。
【請求項8】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のドライバーにおいて、
前記第1駆動回路と前記第2駆動回路は、ドライバーの長辺である第1辺に沿って配置され、
前記制御回路は、前記第1駆動回路又は前記第2駆動回路と、ドライバーの前記第1辺に対向する長辺である第2辺との間に配置されることを特徴とするドライバー。
【請求項9】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のドライバーにおいて、
前記第1セグメント電極群は、前記液晶パネルの第1領域に配置される電極群であり、
前記第2セグメント電極群は、前記液晶パネルの第2領域に配置される電極群であることを特徴とするドライバー。
【請求項10】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のドライバーにおいて、
前記液晶パネルの第3セグメント電極群に接続される第3端子群と、
前記液晶パネルの第4セグメント電極群に接続される第4端子群と、
第3駆動回路と、
第4駆動回路と、
を含み、
前記制御回路は、
前記複数の階調レベルに対応した複数のパルス幅信号を含む第3パルス幅信号群と、前記複数の階調レベルに対応した複数のパルス幅信号を含み且つ前記第3パルス幅信号群とは階調レベルとパルス幅との対応が異なる第4パルス幅信号群とを出力し、
前記第3駆動回路は、
前記階調データに応じて前記第3パルス幅信号群から選択したパルス幅信号に基づく第3セグメント駆動信号群を、前記第3端子群に出力し、
前記第4駆動回路は、
前記階調データに応じて前記第4パルス幅信号群から選択したパルス幅信号に基づく第4セグメント駆動信号群を、前記第4端子群に出力することを特徴とするドライバー。
【請求項11】
請求項10に記載のドライバーにおいて、
前記第1駆動回路、前記第2駆動回路は、ドライバーの長辺である第1辺に沿って配置され、
前記第3駆動回路、前記第4駆動回路は、ドライバーの前記第1辺に対向する長辺である第2辺に沿って配置されることを特徴とするドライバー。
【請求項12】
請求項10に記載のドライバーにおいて、
前記第1セグメント電極群は、前記液晶パネルの第1領域に配置される電極群であり、
前記第2セグメント電極群は、前記液晶パネルの第2領域に配置される電極群であり、
前記第3セグメント電極群は、前記液晶パネルの第3領域に配置される電極群であり、
前記第4セグメント電極群は、前記液晶パネルの第4領域に配置される電極群であることを特徴とするドライバー。
【請求項13】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のドライバーと、
前記液晶パネルと、
前記液晶パネルのバックライトと、
を含むことを特徴とする電気光学装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライバー及び電気光学装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、スタティック駆動方式で液晶パネルを駆動するドライバーが知られている。従来技術としては例えば特許文献1に開示される技術がある。特許文献1では、液晶パネルのセグメント電極をパルス幅変調方式によりスタティック駆動している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スタティック駆動方式で液晶パネルを駆動する従来のドライバーでは、階調データに基づき第1セグメント駆動信号を出力する第1端子と、階調データに基づき第2セグメント駆動信号を出力する第2端子とで、階調濃度の設定が同じに設定されていた。このため液晶パネルにおいてセグメント電極が配置される各領域での輝度の調整等が難しいという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、スタティック駆動方式で液晶パネルを駆動するドライバーであって、前記液晶パネルの第1セグメント電極群に接続される第1端子群と、前記液晶パネルの第2セグメント電極群に接続される第2端子群と、複数の階調レベルに対応した複数のパルス幅信号を含む第1パルス幅信号群と、前記複数の階調レベルに対応した複数のパルス幅信号を含み且つ前記第1パルス幅信号群とは階調レベルとパルス幅との対応が異なる第2パルス幅信号群とを出力する制御回路と、前記複数の階調レベルを設定する階調データに応じて前記第1パルス幅信号群から選択したパルス幅信号に基づく第1セグメント駆動信号群を、前記第1端子群に出力する第1駆動回路と、前記階調データに応じて前記第2パルス幅信号群から選択したパルス幅信号に基づく第2セグメント駆動信号群を、前記第2端子群に出力する第2駆動回路と、を含むドライバーに関係する。
【0006】
本開示の他の態様は、上記に記載のドライバーと、前記液晶パネルと、前記液晶パネルのバックライトと、を含む電気光学装置に関係する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図9】セグメント駆動信号、コモン駆動信号、液晶素子の駆動信号の波形の例。
【
図10】第1パルス幅信号群に対する階調濃度設定の説明図。
【
図11】第2パルス幅信号群に対する階調濃度設定の説明図。
【
図12】階調レベルに対する階調濃度設定の具体例。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが必須構成要件であるとは限らない。
【0009】
1.ドライバーの構成例
図1に本実施形態のドライバー10の構成例を示す。ドライバー10はスタティック駆動方式で液晶パネル100を駆動する。そして本実施形態の電気光学装置200は、ドライバー10と液晶パネル100を含む。また電気光学装置200はバックライト120を更に含むことができる。
【0010】
液晶パネル100は電気光学パネルである。液晶パネル100はスタティック駆動方式で駆動されるパネルである。具体的には液晶パネル100は、第1ガラス基板と第2ガラス基板と液晶とを含む。液晶は第1ガラス基板と第2ガラス基板の間に封入されている。第1ガラス基板にセグメント電極が設けられ、第2ガラス基板にコモン電極が設けられる。ドライバー10はセグメント電極にセグメント駆動信号を出力する。またドライバー10は、コモン電極にコモン駆動信号を出力してもよい。これにより、セグメント駆動信号とコモン駆動信号の電位差である駆動信号が、セグメント電極とコモン電極の間の液晶に印加される。セグメント電極とコモン電極は透明電極であり、例えばITO(Indium Tin Oxide)である。
【0011】
バックライト120は、例えばLED等の複数の発光素子が設けられ、液晶パネル100の例えば背面側に配置される。この場合に液晶パネル100とバックライト120の間に拡散板を設けてもよい。バックライト120としては、例えばエッジライト型、直下型などの種々の方式のバックライトを採用できる。エッジライト型では液晶パネル100の例えば上辺、下辺、左辺、右辺の少なくとも一辺に複数の発光素子が配列され、この複数の発光素子からの光を、液晶パネル100の背面側に設けられる導光板により導光する。直下型では、液晶パネル100の背面側に、複数の発光素子が例えば格子状又はマトリクス状に配置されたバックライト120が配置される。
【0012】
ドライバー10は、例えばIC(Integrated Circuit)と呼ばれる回路装置である。ドライバー10は、例えば半導体プロセスにより製造されるICであり、半導体基板上に回路素子が形成された半導体チップである。回路装置であるドライバー10は、例えば液晶パネル100のガラス基板に実装される。例えばドライバー10は、セグメント電極が設けられる第1ガラス基板に実装される。或いはドライバー10が回路基板に実装され、その回路基板と液晶パネル100がフレキシブル基板によって接続されてもよい。
【0013】
スタティック駆動方式で液晶パネル100を駆動するドライバー10は、第1端子群TG1、第2端子群TG2、制御回路40、第1駆動回路51、第2駆動回路52を含む。なお本実施形態では、2つの第1駆動回路51、第2駆動回路52と、2つの第1端子群TG1、第2端子群TG2が設けられる場合を主に例にとり説明するが、本実施形態はこれに限定されず、3つ以上の駆動回路と3つ以上の端子群をドライバー10に設けてもよい。
【0014】
第1端子群TG1は液晶パネル100の第1セグメント電極群101に接続される。第2端子群TG2は液晶パネル100の第2セグメント電極群102に接続される。第1端子群TG1、第2端子群TG2は、例えばガラス基板上のセグメント配線を介して第1セグメント電極群101、第2セグメント電極群102に接続される。TG1、TG2の各端子群は複数の端子を含む。端子は回路装置であるドライバー10の例えばパッドである。例えばパッド領域では、絶縁層であるパシベーション膜から金属層が露出しており、この露出した金属層によりドライバー10の端子であるパッドが構成される。なお本実施形態における接続は電気的な接続である。電気的な接続は、電気信号が伝達可能に接続されていることであり、電気信号による情報の伝達が可能となる接続である。電気的な接続は受動素子等を介した接続であってもよい。
【0015】
図2に第1セグメント電極群101、第2セグメント電極群102の例を示す。
図2に示すように、第1セグメント電極群101、第2セグメント電極群102の各々として、液晶パネル100に複数のセグメント電極が設けられる。セグメント電極は、例えば自動車のクラスターパネルの警告等などのアイコンを表示するための電極や、8セグメント表示におけるセグメント電極などである。
【0016】
本実施形態のドライバー10は、例えば自動車又はバイクなどの運転者が、運転のために確認する警告灯、速度メーター又は簡易ナビゲーションなどを表示する液晶パネル100を駆動する回路装置である。但し液晶パネル100の表示内容は、このような警告灯、速度メーター、簡易ナビゲーションには限定されない。また本実施形態のドライバー10は、画像表示用の液晶パネル100のドライバーには限定されず、例えばバックライト120の発光素子からの光のシャッター機能の用途の液晶パネル100のドライバーとしても用いることができる。例えば本実施形態のドライバー10は、車のヘッドライトのオートハイビーム用の液晶パネル100のドライバーなどであってもよい。
【0017】
制御回路40は、複数の階調レベルに対応した複数のパルス幅信号を含む第1パルス幅信号群GS1を出力する。また制御回路40は、複数の階調レベルに対応した複数のパルス幅信号を含み且つ第1パルス幅信号群GS1とは階調レベルとパルス幅との対応が異なる第2パルス幅信号群GS2を出力する。GS1、GS2のパルス幅信号群が含む複数のパルス幅信号は、パルス幅変調であるPWM(Pulse Width Modulation)の駆動に使用される信号である。そして階調レベルは階調データDAにより設定される。また複数の階調レベルの各階調レベルと、GS1、GS2のパルス幅信号群の各パルス幅信号とは、階調濃度設定データにより対応づけられる。制御回路40は例えばロジック回路である。制御回路40は、例えばゲートアレイ等の自動配置配線によるASIC(Application Specific Integrated Circuit)の回路により実現できる。
【0018】
第1駆動回路51、第2駆動回路52は、セグメント駆動回路であり、PWMにより液晶パネル100のセグメント電極を駆動する回路である。そして第1駆動回路51は、複数の階調レベルを設定する階調データDAに応じて第1パルス幅信号群から選択したパルス幅信号に基づく第1セグメント駆動信号群SG1を、第1端子群TG1に出力する。例えば第1駆動回路51は、階調データDAに基づいて第1パルス幅信号群GS1からパルス幅信号を選択する。そして第1駆動回路51は、選択されたパルス幅信号の例えば極性反転、レベルシフト、バッファリングなどを行って、第1セグメント駆動信号群SG1の各セグメント駆動信号を、第1端子群TG1の各端子に出力する。また第2駆動回路52は、階調データDAに応じて第2パルス幅信号群GS2から選択したパルス幅信号に基づく第2セグメント駆動信号群SG2を、第2端子群TG2に出力する。例えば第2駆動回路52は、階調データDAに基づいて第2パルス幅信号群GS2からパルス幅信号を選択する。そして第2駆動回路52は、選択されたパルス幅信号の例えば極性反転、レベルシフト、バッファリングなどを行って、第2セグメント駆動信号群SG2の各セグメント駆動信号を、第2端子群TG2の各端子に出力する。
【0019】
以上のように本実施形態のドライバー10は、液晶パネル100の第1セグメント電極群101、第2セグメント電極群102に、各々、接続される第1端子群TG1、第2端子群TG2と、第1セグメント電極群101を駆動する第1駆動回路51と、第2セグメント電極群102を駆動する第2駆動回路52と、制御回路40を含む。そして制御回路40は、PWM駆動用のパルス幅信号群として、第1パルス幅信号群GS1と、第1パルス幅信号群とは階調レベルとパルス幅との対応が異なる第2パルス幅信号群GS2を出力する。そして第1駆動回路51は、制御回路40からの第1パルス幅信号群GS1から、階調データDAに応じて選択したパルス幅信号に基づく第1セグメント駆動信号群SG1を、第1端子群TG1に出力して、第1セグメント電極群101を駆動する。また第2駆動回路52は、制御回路40からの第2パルス幅信号群GS2から、階調データDAに応じて選択したパルス幅信号に基づく第2セグメント駆動信号群SG2を、第2端子群TG2に出力して、第2セグメント電極群102を駆動する。
【0020】
このようにすれば、液晶パネル100の第1セグメント電極群101については、階調データDAと第1パルス幅信号群GS1とに基づき生成された第1セグメント駆動信号群SG1により駆動されるようになる。また液晶パネル100の第2セグメント電極群102については、階調データDAと第2パルス幅信号群GS2とに基づき生成された第2セグメント駆動信号群SG2により駆動されるようになる。そして後述に詳細に説明するように、第1パルス幅信号群GS1と第2パルス幅信号群GS2とは、階調データDAにより設定される階調レベルと各パルス幅信号のパルス幅との対応が異なるパルス幅信号群になっている。従って、同じ階調データDAであっても、第1駆動回路51が駆動する第1セグメント電極群101と、第2駆動回路52が駆動する第2セグメント電極群102とで、PWM駆動におけるパルス幅を異ならせることが可能になる。例えば、第1セグメント電極群101の領域と第2セグメント電極群102の領域とで、階調データDAに対する階調濃度の設定を異ならせることが可能になる。従って、第1セグメント電極群101の領域、第2セグメント電極群102の領域の各領域ごとに、階調濃度を調整することが可能になる。
【0021】
2.詳細な構成例
図3に本実施形態のドライバー10の詳細な構成例を示す。
図3では、ドライバー10は、
図1の制御回路40、第1駆動回路51、第2駆動回路52に加えて、インターフェース回路20、データ記憶回路30、発振回路32、コモン駆動回路90が設けられている。
【0022】
インターフェース回路20は、外部の処理装置210とのインターフェースとなる回路であり、処理装置210とドライバー10の間の通信処理を行う。例えばインターフェース回路20は、処理装置210からのコマンドや、階調データ、階調濃度設定データ等の各種のデータを受信する。階調データは、階調レベルを設定するデータであり、表示データとも呼ばれる。インターフェース回路20は、例えばI2C(Inter Integrated Circuit)方式、又はSPI(Serial Peripheral Interface)方式等のシリアルインターフェース回路により実現できる。
【0023】
処理装置210は、例えばドライバー10のホスト装置であり、例えばプロセッサー又は表示コントローラーにより実現される。プロセッサーはCPU又はマイクロコンピューター等である。なお処理装置210は複数の回路部品により構成された回路装置であってもよい。例えば車載電子機器においては、処理装置210はECU(Electronic Control Unit)であってもよい。
【0024】
データ記憶回路30は、階調データなどを記憶する回路であり、例えばRAM等のメモリーにより実現できる。データ記憶回路30は、液晶パネル100の各セグメント電極における階調を設定する階調データを記憶する。この階調データは例えば処理装置210からインターフェース回路20を介して受信されて、データ記憶回路30に記憶される。
【0025】
発振回路32は発振信号を生成し、発振信号に基づくクロック信号を出力する。制御回路40などのドライバー10の各回路は、このクロック信号に基づき動作する。
【0026】
制御回路40はレジスター部42を有する。レジスター部42は、例えばフリップフロップ回路等により実現される。そしてレジスター部42は、各階調レベルに対応する階調濃度設定データを記憶する。
【0027】
コモン駆動回路90は、コモン駆動信号CMを出力して、液晶パネル100のコモン電極を駆動する。例えばドライバー10はコモン駆動信号CMが出力される端子を有し、この端子を介してコモン駆動信号CMが液晶パネル100のコモン電極に出力される。コモン駆動信号CMは、例えば1フレームごとに極性反転される信号である。
【0028】
第1駆動回路51は、データラッチ61、第1選択回路71、出力回路81を含む。第2駆動回路52は、データラッチ62、第2選択回路72、出力回路82を含む。データラッチ61、62は、各々、第1データラッチ、第2データラッチであり、出力回路81、82は、各々、第1出力回路、第2出力回路である。
【0029】
データラッチ61、62は、データ記憶回路30からの階調データDAをラッチする。例えばデータラッチ61、62は、制御回路40からのラッチ信号に基づいて階調データDAをラッチする。
【0030】
第1選択回路71は、第1パルス幅信号群GS1から、データラッチ61にラッチされた階調データDAの階調レベルに応じたパルス幅信号を選択する。そして出力回路81は、選択されたパルス幅信号のバッファリング等を行って、PWM駆動用のセグメント駆動信号を、第1セグメント電極群101の対応するセグメント電極に出力する。第2選択回路72は、第2パルス幅信号群GS2から、データラッチ62にラッチされた階調データDAの階調レベルに応じたパルス幅信号を選択する。そして出力回路82は、選択されたパルス幅信号のバッファリング等を行って、PWM駆動用のセグメント駆動信号を、第2セグメント電極群102の対応するセグメント電極に出力する。
【0031】
図4に第1駆動回路51、第2駆動回路52の具体的な構成例を示す。なお以下では第1駆動回路51、第2駆動回路52を適宜、駆動回路50と総称する。またデータラッチ61、62、第1選択回路71、第2選択回路72、出力回路81、82も、適宜、データラッチ60、選択回路70、出力回路80と総称する。また第1パルス幅信号群GS1、第2パルス幅信号群GS2を適宜、パルス幅信号群GSと総称する。
【0032】
データラッチ60は、ラッチ部LA0~LA7により構成されるラインラッチ回路である。LA0~LA7の各ラッチ部は、ラッチ信号LATに基づいて、RAM等であるデータ記憶回路30からの階調データDAをラッチする。階調データDAは後述の
図6を例にとれば4ビットのデータであり、これにより16レベルの階調レベルの表現が可能になる。例えば第1セグメント電極群101、第2セグメント電極群102の各セグメント電極群が、セグメント電極SEL0~SEL7を有するとする。この場合に、ラッチ部LA0~LA7の各ラッチ部は、セグメント電極SEL0~SEL7の各セグメント電極の階調表示のための階調データDAをラッチする。
【0033】
選択回路70は、ラッチ部LA0~LA7に接続される選択部SL0~SL7を有し、出力回路80は、選択部SL0~SL7に接続される出力部QC0~QC7を有する。そして選択回路70の選択部SL0~SL7の各々は、ラッチ部LA0~LA7の各々にラッチされた階調データDAに基づいて、パルス幅信号群GS[15:0]の中から、階調データDAに対応するパルス幅信号を選択する。そして選択部SL0~SL7の各々は、選択したパルス幅信号を出力部QC0~QC7の各々に出力する。そして出力部QC0~QC7は、選択部SL0~SL7からのパルス幅信号のバッファリング等を行って、セグメント駆動信号SE0~SE7を出力する。これらのセグメント駆動信号SE0~SE7が、第1セグメント駆動信号群SG1、第2セグメント駆動信号群SG2の各セグメント駆動信号群に対応する。
【0034】
図5に出力回路80の構成例を示す。出力回路80の出力部QC0は極性反転回路84、レベルシフター85、出力ドライバー86を含む。出力部QC0の極性反転回路84は、選択部SL0が階調データに応じてパルス幅信号群GS[15:0]の中から選択したパルス幅信号PW0が入力されて、後述の
図9で説明するようなパルス幅信号PW0の極性反転を行う。レベルシフター85は、極性反転後のパルス幅信号PW0の電圧のレベルシフトを行う。出力ドライバー86は、レベルシフト後のパルス幅信号PW0をバッファリングして、セグメント駆動信号SE0として端子TM0に出力する。出力部QC1~QC7も、出力部QC0と同様に極性反転回路84、レベルシフター85、出力ドライバー86を有し、パルス幅信号PW1~PW7が入力されて、出力部QC0と同様の動作を行って、セグメント駆動信号SE1~SE7を端子TM1~TM7に出力する。
図5の端子TM0~TM7が、第1端子群TG1、第2端子群TG2の各端子群に対応する。
【0035】
図6は階調データと階調レベルの関係を示す説明図である。
図6では階調データが4ビットであるため、階調データにより16レベルの階調レベルを表現できる。なお階調データのビット数は4ビットに限定されず、3ビット以下や5ビット以上でもよく、階調レベルの数も16レベルには限定されない。
【0036】
図7は第1パルス幅信号群GS1の波形例であり、
図8は第2パルス幅信号群GS2の波形例である。例えば
図7の第1パルス幅信号群GS1においては、
図6の階調データで設定される階調レベルが1である場合には、パルス幅がW11となるGS1[1]のパルス幅信号が選択される。階調レベルが2である場合には、パルス幅がW12となるGS1[2]のパルス幅信号が選択される。
図8の第2パルス幅信号群GS2においては、階調データで設定される階調レベルが1である場合には、パルス幅がW21となるGS2[1]のパルス幅信号が選択される。階調レベルが2である場合には、パルス幅がW22となるGS2[2]のパルス幅信号が選択される。そして、このようにして階調データの階調レベルにより選択されたパルス幅信号を用いて、PWMによるセグメント電極の駆動が行われるようになる。
【0037】
このように本実施形態では、階調レベル1に対して、第1パルス幅信号群GS1ではGS1[1]のパルス幅W11が対応し、第2パルス幅信号群GS2ではGS2[1]のパルス幅W21が対応しており、階調レベルとパルス幅との対応が異なっている。同様に階調レベル2に対して、第1パルス幅信号群GS1ではGS1[2]のパルス幅W12が対応し、第2パルス幅信号群GS2ではGS2[2]のパルス幅W22が対応しており、階調レベルとパルス幅との対応が異なっている。
【0038】
なお
図7、
図8の第1パルス幅信号群GS1、第2パルス幅信号群GS2の波形は一例にすぎず、階調濃度の設定等により種々の波形のパルス幅信号群を生成できる。
【0039】
図9は、セグメント駆動信号SE、コモン駆動信号CM、液晶の駆動信号VLCの波形例である。正極性期間TPでは、正極性のセグメント駆動信号SEが出力され、負極性期間TNでは、負極性のセグメント駆動信号SEが出力される。セグメント駆動信号SEの極性反転は、
図5の極性反転回路84により行われる。また正極性期間TPでは、負極性のコモン駆動信号CMが出力され、負極性期間TNでは、正極性のコモン駆動信号CMが出力される。これにより液晶パネル100のセグメント電極における液晶に対しては、
図9に示すようにフレームごとに極性反転されたセグメント駆動信号SEの電圧が印加され、焼き付き等が防止される。
【0040】
図10は第1パルス幅信号群GS1に対する階調濃度設定の説明図であり、
図11は第2パルス幅信号群GS2に対する階調濃度の設定の説明図である。
図10では、パラメーターP10~P17により、第1パルス幅信号群GS1の階調レベル1に対する階調濃度が設定される。即ち
図7のGS1[1]のパルス幅信号のパルス幅W11が設定される。またパラメーターP20~P27により、第1パルス幅信号群GS1の階調レベル2に対する階調濃度が設定される。即ち
図7のGS1[2]のパルス幅信号のパルス幅W12が設定される。他の階調レベル3~15についても、パラメーターP30~P157により設定される。例えば
図3の処理装置210が、第1パルス幅信号群GS1の階調濃度を設定するコマンドによりパラメーターP10~P157を設定することで、レジスター部42に対して、第1パルス幅信号群GS1に対する階調濃度設定データが書き込まれることになる。
【0041】
また
図11では、パラメーターP10~P17により、第2パルス幅信号群GS2の階調レベル1に対する階調濃度が設定される。即ち
図8のGS2[1]のパルス幅信号のパルス幅W21が設定される。またパラメーターP20~P27により、第2パルス幅信号群GS2の階調レベル2に対する階調濃度が設定される。即ち
図8のGS2[2]のパルス幅信号のパルス幅W22が設定される。他の階調レベル3~15についても、パラメーターP30~P157により設定される。例えば
図3の処理装置210が、第2パルス幅信号群GS2の階調濃度を設定するコマンドによりパラメーターP10~P157を設定することで、レジスター部42に対して、第2パルス幅信号群GS2に対する階調濃度設定データが書き込まれることになる。
【0042】
図12は階調レベルに対する階調濃度の設定の具体例である。
図12には階調レベル1に対する階調濃度の設定の一例が示されている。階調濃度は、例えば各階調レベルに対してどれだけのパルス幅のパルス幅信号を設定するかを指定する情報であり、例えばPWM駆動におけるパルス幅信号のデューティー比を設定する情報である。
図12では、最大階調レベルの階調濃度を100%としたときの階調レベル1の階調濃度の設定例が示されている。
図7を例にとれば、最大階調レベルである階調レベル15のGS1[15]のパルス幅を100%とした場合に、
図12の階調濃度により、GS1[15]のパルス幅に対する、階調レベル1のGS1[1]のパルス幅W11のパーセンテージが設定される。例えば
図12に示すように(P13、P12、P11、P10)=(0、0、0、0)に設定されると、GS[1]のパルス幅W11は、GS1[15]の100%のパルス幅に対して、1.1%に設定される。(P13、P12、P11、P10)=(0、0、0、1)に設定されると、GS[1]のパルス幅W11は2.2%に設定される。このようにして
図12の階調濃度の設定では、GS[1]のパルス幅W11を、1.1%、2.2%、3.3%・・・・18.9%というように、例えば1.1%の刻みで所望のパルス幅に設定できる。このようにして、他の階調レベルに対するパルス幅の設定である階調濃度も設定できるようになる。そして
図8の第2パルス幅信号群GS2に対しても、
図7の第1パルス幅信号群GS1とは別個に、各階調レベルに対するパルス幅の設定である階調濃度を設定できる。なお
図12のような細かい刻みのパルス幅信号は、制御回路40が、高い周波数のクロック信号に基づき動作するカウンターのカウント処理等により生成できる。
【0043】
以上のように本実施形態では、制御回路40は、
図7に示すように、複数の階調レベルに対応した複数のパルス幅信号を含む第1パルス幅信号群GS1を出力する。また制御回路40は、
図8に示すように、複数の階調レベルに対応した複数のパルス幅信号を含み且つ第1パルス幅信号群GS1とは階調レベルとパルス幅との対応が異なる第2パルス幅信号群GS2を出力する。
【0044】
そして
図4、
図7、
図10、
図12等で説明したように、第1駆動回路51は、複数の階調レベルを設定する階調データに応じて第1パルス幅信号群GS1から選択したパルス幅信号に基づく第1セグメント駆動信号群SG1を、第1端子群TG1に出力する。また
図4、
図8、
図11、
図12等で説明したように、第2駆動回路52は、階調データに応じて第2パルス幅信号群GS2から選択したパルス幅信号に基づく第2セグメント駆動信号群SG2を、第2端子群TG2に出力する。
【0045】
このようにすれば、同じ階調データであっても、第1駆動回路51が駆動する第1セグメント電極群101と、第2駆動回路52が駆動する第2セグメント電極群102とで、PWM駆動におけるパルス幅を異ならせることが可能になる。これにより、第1セグメント電極群101の領域と第2セグメント電極群102の領域とで、階調データに対する階調濃度の設定を異ならせることが可能になる。
【0046】
例えば本実施形態のドライバー10は、電気光学パネルである液晶パネル100のドライバーICであって、パッシブ液晶のセグメント表示タイプの液晶パネル100を、PWM駆動によって階調表示する回路である。そしてドライバー10におけるドライバー出力の階調設定を、RAM等のデータ記憶回路30に記憶された階調データにより設定した同一階調レベルについて、コマンド設定などによる階調濃度の設定を、セグメント電極の駆動回路のまとまったブロックごとに2領域以上に分割して設定できるようにする。
【0047】
例えば従来では、同一の階調データの値で設定された同一の階調レベルを出力するドライバー10の出力端子は、階調濃度の設定がどの出力端子についても同じに設定されていた。このため、バックライト120の光の不均一性により、同じ階調レベル、同じ階調濃度であっても、液晶パネル100上のセグメント電極の配置領域によって輝度が異なることがある場合に、調整が難しいという問題があった。またローカルディミング用に使用された場合に、前面側又は背面側に配置されたTFTパネルなどの表示画像のコントラスト調整において、パネル上の複数の位置で輝度を細かく調整する必要がある場合に、調整が難しいという問題もあった。
【0048】
この点、本実施形態では、同一の階調データの値で設定された階調レベルにおいても、液晶パネル100上のセグメント電極群ごとに、階調濃度の設定を調整できる。例えば従来では、同一の階調レベルに対して同一の階調濃度が設定されるのに対して、本実施形態ではセグメント電極群ごとに階調濃度の設定を調整できる。例えばセグメント電極群ごとに階調濃度を調整したいが、階調データで設定した階調レベルは変更したくない場合においても、階調濃度の設定を、独立して設定したいセグメント電極群ごとに分けて設定することが可能になる。
【0049】
このように本実施形態では、1つのドライバー10のICで、セグメントタイプの液晶パネル100上の複数の領域ごとに、或いは表示画素ごとに、階調データで設定する階調レベルを変更することなく、階調濃度を調整することができる。例えば同じ階調レベルに設定したとしても、表示領域によって部分的に階調濃度を調整できる。また液晶パネル100の個体差や外光などの周囲環境によらずに、階調濃度を合わせるために階調データを変更する必要がなく、表示画像の元となる表示データを変更せずに統一でき、ドライバー10のICに送ることができる。ホスト側の処理装置210で元の表示画像データを調整、処理しなくて済むようになる。またバックライト120の光の不均一性、又は外光などの周囲環境によって、同じ階調レベル、同じ階調濃度であっても、液晶パネル100上の配置場所によって輝度が異なることがある場合に、複数の領域ごとに階調濃度を設定することで輝度の調整が可能となる。またローカルディミング用に使用された場合、前面側又は背面側に配置されたTFTパネルなどの表示画像のコントラスト調整において、パネル上の複数の位置で輝度を細かく調整する必要がある場合に、複数の領域ごとに階調濃度を設定することで輝度の調整が可能となる。
【0050】
また
図3に示すように本実施形態のドライバー10はレジスター部42を含む。なお
図3ではレジスター部42は制御回路40に設けられているが、制御回路40以外の回路ブロックにレジスター部42が設けられてもよい。そしてレジスター部42は、
図7の第1パルス幅信号群GS1における階調レベルとパルス幅との対応を設定する第1階調濃度設定データを記憶する。第1階調濃度設定データは、例えば
図10、
図12で説明されるようなデータである。またレジスター部42は、
図8の第2パルス幅信号群GS2における階調レベルとパルス幅との対応を設定する第2階調濃度設定データを記憶する。第2階調濃度設定データは、例えば
図11、
図12で説明されるようなデータである。
【0051】
そして制御回路40は、レジスター部42に記憶される第1階調濃度設定データに基づいて、例えば
図7に示すような第1パルス幅信号群GS1を出力する。また制御回路40は、レジスター部42に記憶される第2階調濃度設定データに基づいて、
図8に示すような第2パルス幅信号群GS2を出力する。
【0052】
このようにすれば、制御回路40は、レジスター部42に記憶された第1階調濃度設定データ、第2階調設定データを用いて、階調レベルとパルス幅との対応が互いに異なる第1パルス幅信号群GS1、第2パルス幅信号群GS2を、各々、第1駆動回路51、第2駆動回路52に出力できるようになる。そして第1駆動回路51が、階調データと第1パルス幅信号群GS1に基づいて、第1セグメント駆動信号群SG1を第1セグメント電極群101に出力し、第2駆動回路52が、階調データと第2パルス幅信号群GS2に基づいて、第2セグメント駆動信号群SG2を第1セグメント電極群101に出力できるようになる。これにより、第1セグメント電極群101の領域と第2セグメント電極群102の領域とで、階調データに対する階調濃度の設定を異ならせることが可能になる。
【0053】
また
図3に示すようにドライバー10はインターフェース回路20を含み、インターフェース回路20は、第1階調濃度設定データと第2階調濃度設定データを受信する処理を行う。例えば外部の処理装置210が、
図10、
図11、
図12で説明したような第1階調濃度設定データと第2階調濃度設定データを送信し、インターフェース回路20が受信する。例えば処理装置210が、
図10、
図11、
図12のパラメーターP10~P157等を設定するための階調濃度設定のコマンドを送信することで、インターフェース回路20は、第1階調濃度設定データ、第2階調濃度設定データを受信する。そして受信された第1階調濃度設定データ、第2階調濃度設定データはレジスター部42に記憶される。
【0054】
このようにすれば、制御回路40は、インターフェース回路20を介して受信した第1階調濃度設定データ、第2階調濃度設定データに基づいて、第1パルス幅信号群GS1、第2パルス幅信号群GS2を生成して第1駆動回路51、第2駆動回路52に出力できるようになる。そして第1駆動回路51、第2駆動回路52が、各々、階調データと第1パルス幅信号群GS1、階調データと第2パルス幅信号群GS2に基づいて、第1セグメント駆動信号群SG1、第2セグメント駆動信号群SG2を第1セグメント電極群101、第2セグメント電極群102に出力できるようになる。
【0055】
また
図3、
図4に示すように、第1駆動回路51は、第1パルス幅信号群GS1が入力され、第1パルス幅信号群GS1から階調データに応じたパルス幅信号を選択する第1選択回路71を含む。また第2駆動回路52は、第2パルス幅信号群GS2が入力され、第2パルス幅信号群GS2から階調データに応じたパルス幅信号を選択する第2選択回路72を含む。例えば第1選択回路71は、制御回路40からの第1パルス幅信号群GS1の中から、データラッチ61に記憶される階調データに対応するパルス幅信号を選択して、出力回路81に出力する。また第2選択回路72は、制御回路40からの第2パルス幅信号群GS2の中から、データラッチ62に記憶される階調データに対応するパルス幅信号を選択して、出力回路82に出力する。
【0056】
このようにすれば第1駆動回路51は、第1選択回路71が第1パルス幅信号群GS1から階調データに応じたパルス幅信号を選択することで、第1パルス幅信号群GS1から選択したパルス幅信号に基づく第1セグメント駆動信号群SG1を、出力できるようになる。また第2駆動回路52は、第2選択回路72が第2パルス幅信号群GS2から階調データに応じたパルス幅信号を選択することで、第2パルス幅信号群GS2から選択したパルス幅信号に基づく第2セグメント駆動信号群SG2を、出力できるようになる。これによりドライバー10は、第1セグメント電極群101に対しては、第1パルス幅信号群GS1から階調データに応じて選択されたパルス幅信号に基づく第1セグメント駆動信号群SG1を出力できるようになる。またドライバー10は、第2セグメント電極群102に対しては、第2パルス幅信号群GS2から階調データに応じて選択されたパルス幅信号に基づく第2セグメント駆動信号群SG2を出力できるようになる。
【0057】
3.レイアウト配置例
次にドライバー10の種々のレイアウト配置例について説明する。
図13にドライバー10の第1レイアウト配置例を示す。
図13に示すように、ドライバー10は、長辺である第1辺SD1と、第1辺SD1に対向する長辺である第2辺SD2と、短辺である第3辺SD3と、第3辺SD3に対向する短辺である第4辺SD4を有する。第1辺SD1、第2辺SD2、第3辺SD3、第4辺SD4は、ドライバー10の半導体チップの4つの端辺である。そしてドライバー10の長辺方向を第1方向DR1とし、第1方向DR1の反対方向を第2方向DR2としている。またドライバー10の短辺方向を第3方向DR3とし、第3方向DR3の反対方向を第4方向DR4としている。
【0058】
そして
図13では、ドライバー10の長辺方向を第1方向DR1としたときに、第1駆動回路51と第2駆動回路52は、第1方向DR1に沿って配置される。例えば第1駆動回路51と第2駆動回路52は、その長手方向が第1方向DR1に沿うように配置される。具体的には第1駆動回路51と第2駆動回路52は、ドライバー10の長辺である第1辺SD1に沿って配置される。そして
図1の第1端子群TG1は、ドライバー10の第1辺SD1と第1駆動回路51との間に配置され、第2端子群TG2は、第1辺SD1と第2駆動回路52との間に配置される。即ち、第1端子群TG1、第2端子群TG2が、ドライバー10のパッドとして、第1辺SD1と第1駆動回路51、第2駆動回路52との間に配置される。
【0059】
このようにすれば、第1駆動回路51からの第1セグメント駆動信号群SG1の配線を、液晶パネル100の第1領域に配置される第1セグメント電極群101にショートパスで接続することが可能になる。また第2駆動回路52からの第2セグメント駆動信号群SG2の配線を、液晶パネル100の第2領域に配置される第2セグメント電極群102にショートパスで接続することが可能になる。そして第1駆動回路51は、第1パルス幅信号群GS1に基づく第1セグメント駆動信号群SG1により、第1領域の第1セグメント電極群101を駆動し、第2駆動回路52は、第2パルス幅信号群GS2に基づく第2セグメント駆動信号群SG2により、第2領域の第2セグメント電極群102を駆動できるようになる。
【0060】
また
図13に示すように、第1駆動回路51には制御回路40からの第1パルス幅信号群GS1の配線が接続される。そして、この第1パルス幅信号群GS1の配線は、第1駆動回路51の配置領域において第1方向DR1に沿って配線される。また第2駆動回路52には制御回路40からの第2パルス幅信号群GS2の配線が接続される。そして、この第2パルス幅信号群GS2の配線は、第2駆動回路52の配置領域において第1方向DR1に沿って配線される。
【0061】
このように
図13では、第1パルス幅信号群GS1と第2パルス幅信号群GS2とが、制御回路40から左側の第1駆動回路51と右側の第2駆動回路52に対して、別配線により接続されている。そして左側の第1駆動回路51と右側の第2駆動回路52とで、同一の階調データに対して独立に階調濃度を設定できるようになっている。
【0062】
また
図13に示すようにドライバー10は、第1コモン駆動信号を出力するコモン駆動回路91と、第2コモン駆動信号を出力するコモン駆動回路92を含む。
図13ではコモン駆動回路91、92は、各々、第1コモン駆動回路、第2コモン駆動回路である。またコモン駆動回路91が出力する第1コモン駆動信号と、コモン駆動回路92が出力する第2コモン駆動信号は、例えば同一波形の信号であり、
図9のコモン駆動信号CMに示すような波形の信号である。第1コモン駆動信号の配線と第2コモン駆動信号の配線は、例えば液晶パネル100において短絡されていてもよい。そしてドライバー10の長辺方向を第1方向DR1とし、第1方向DR1の反対方向を第2方向DR2としたときに、コモン駆動回路91は、第1駆動回路51の第2方向DR2側に配置され、コモン駆動回路92は、第2駆動回路52の第1方向DR1側に配置される。例えば第1駆動回路51、第2駆動回路52は、コモン駆動回路91とコモン駆動回路92の間に配置される。例えばコモン駆動回路91、第1駆動回路51、第2駆動回路52、コモン駆動回路92は、ドライバー10の第1辺SD1に沿って、この順に配置される。
【0063】
このようにすれば、第1駆動回路51により駆動される第1セグメント電極群101に対向するコモン電極に対して、コモン駆動回路91からの第1コモン駆動信号を、ショートパスの配線で供給することが可能になる。また第2駆動回路52により駆動される第2セグメント電極群102に対向するコモン電極に対して、コモン駆動回路92からの第2コモン駆動信号を、ショートパスでの配線で供給することが可能になる。これにより液晶パネル100での効率的な配線や配線経路の簡素化を図れるようになり、配線の寄生抵抗や寄生容量による悪影響の低減等も可能になる。
【0064】
また
図13では、コモン駆動信号を出力するコモン駆動回路93を含み、コモン駆動回路93は、第1駆動回路51と第2駆動回路52との間に配置される。例えば第1駆動回路51の第1方向DR1側にコモン駆動回路93が配置され、コモン駆動回路93の第1方向DR1側に第2駆動回路52が配置される。具体的には第1駆動回路51、コモン駆動回路93、第2駆動回路52が、ドライバー10の第1辺SD1に沿って、この順で配置される。コモン駆動回路93は例えば第3コモン駆動回路であり、コモン駆動信号として第3コモン駆動信号を出力する。第3コモン駆動信号は、第1コモン駆動信号、第2コモン駆動信号と例えば同一波形の信号である。第3コモン駆動信号の配線と第1コモン駆動信号、第2コモン駆動信号の配線は、例えば液晶パネル100において短絡されていてもよい。
【0065】
このようにコモン駆動回路93を第1駆動回路51と第2駆動回路52との間に配置することで、第1駆動回路51により駆動される第1セグメント電極群101に対向するコモン電極や、第2駆動回路52により駆動される第2セグメント電極群102に対向するコモン電極に対して、コモン駆動回路93からのコモン駆動信号を、ショートパスの配線で供給することが可能になる。これにより液晶パネル100での効率的な配線や配線経路の簡素化を図れるようになる。
【0066】
また第1駆動回路51と第2駆動回路52は、ドライバー10の長辺である第1辺SD1に沿って配置され、制御回路40は、第1駆動回路51又は第2駆動回路52と、ドライバー10の第1辺SD1に対向する長辺である第2辺SD2との間に配置される。例えば第1駆動回路51又は第2駆動回路52の第4方向DR4側であって、第2辺SD2の第3方向DR3側に、制御回路40が配置される。例えば
図13では、第1駆動回路51及び第2駆動回路52と第2辺SD2との間に、制御回路40が配置されている。制御回路40は、例えばその長辺方向が第1方向DR1に沿うようにドライバー10に配置される。なお制御回路40とドライバー10の第2辺SD2との間に、他の回路や、パッドである端子が配置されていてもよい。
【0067】
このような配置にすれば、第1パルス幅信号群GS1を制御回路40から第1駆動回路51にショートパスの経路で配線したり、第2パルス幅信号群GS2を制御回路40から第2駆動回路52にショートパスの経路で配線することが可能になる。これによりドライバー10の効率的なレイアウト配線やレイアウト配置が可能になる。例えば第1パルス幅信号群GS1や第2パルス幅信号群GS2は配線の本数が多い。このため、制御回路40と第1駆動回路51、第2駆動回路52との配置関係が適切でないと、第1パルス幅信号群GS1や第2パルス幅信号群GS2の配線領域が原因となって、ドライバー10のレイアウト面積が増加してしまうおそれがある。この点、第1駆動回路51と第2駆動回路52を第1辺SD1に沿って配置し、制御回路40を第1駆動回路51や第2駆動回路52と第2辺SD2との間に配置すれば、当該配線領域が原因となるレイアウト面積の増加を抑制することが可能になる。
【0068】
図14にドライバー10の第2レイアウト配置例を示す。
図14が
図13と異なるのは、
図13では第1駆動回路51と第2駆動回路52の間にコモン駆動回路93が設けられているのに対して、
図14では、このようなコモン駆動回路93が設けられていない点である。このようにコモン駆動回路のレイアウト配置としては種々の変形実施が可能である。
【0069】
図15にドライバー10の第3レイアウト配置例を示す。第3レイアウト配置例では、第1駆動回路51がドライバー10の第1辺SD1に沿って配置されると共に第2辺SD2に沿って配置される。例えば第1駆動回路51の第1回路部分が第1辺SD1に沿って配置され、第1駆動回路51の第2回路部分が第2辺SD2に沿って配置される。また第2駆動回路52がドライバー10の第1辺SD1に沿って配置されると共に第2辺SD2に沿って配置される。例えば第2駆動回路52の第1回路部分が第1辺SD1に沿って配置され、第2駆動回路52の第2回路部分が第2辺SD2に沿って配置される。そしてコモン駆動回路93は、第1駆動回路51の第1回路部分と第2駆動回路52の第1回路部分の間に配置される。即ち第1駆動回路51の第1回路部分、コモン駆動回路93、第2駆動回路52の第1回路部分が、この順で第1辺SD1に沿って配置される。またコモン駆動回路91、92は、第1駆動回路51の第2回路部分と第2駆動回路52の第2回路部分の間に配置される。即ち第1駆動回路51の第2回路部分、コモン駆動回路91、コモン駆動回路92、第2駆動回路52の第2回路部分が、この順で第2辺SD2に沿って配置される。そして制御回路40からの第1パルス幅信号群GS1は第1駆動回路51の第1回路部分及び第2回路部分に配線され、制御回路40からの第2パルス幅信号群GS2は第2駆動回路52の第1回路部分及び第2回路部分に配線される。
【0070】
図16にドライバー10の第4レイアウト配置例を示す。第4レイアウト配置例では、第1駆動回路51、第2駆動回路52、第3駆動回路53、第4駆動回路54がドライバー10に設けられている。例えば第1駆動回路51、第2駆動回路52、第3駆動回路53、第4駆動回路54が、第1方向DR1に沿って配置されており、具体的にはドライバー10の第1辺SD1に沿って配置される。例えばコモン駆動回路91、第1駆動回路51、第2駆動回路52、コモン駆動回路93、第3駆動回路53、第4駆動回路54、コモン駆動回路92が、この順で第1辺SD1に沿って配置される。そして制御回路40は、第1駆動回路51、第2駆動回路52、第3駆動回路53、第4駆動回路54に、各々、第1パルス幅信号群GS1、第2パルス幅信号群GS2、第3パルス幅信号群GS3、第4パルス幅信号群GS4を出力している。
【0071】
即ち本実施形態のドライバー10は、液晶パネル100の第3セグメント電極群に接続される第3端子群と、液晶パネル100の第4セグメント電極群に接続される第4端子群と、第3駆動回路53と、第4駆動回路54を更に含むことができる。不図示の第3セグメント電極群は、例えば第3駆動回路53とドライバー10の第1辺SD1との間に配置され、不図示の第4セグメント電極群は、例えば第4駆動回路54とドライバー10の第1辺SD1との間に配置される。
【0072】
そして制御回路40は、複数の階調レベルに対応した複数のパルス幅信号を含む第3パルス幅信号群GS3と、複数の階調レベルに対応した複数のパルス幅信号を含み且つ第3パルス幅信号群GS3とは階調レベルとパルス幅との対応が異なる第4パルス幅信号群GS4とを出力する。そして第3駆動回路53は、階調データに応じて第3パルス幅信号群GS3から選択したパルス幅信号に基づく第3セグメント駆動信号群を、第3端子群に出力する。また第4駆動回路54は、階調データに応じて第4パルス幅信号群GS4から選択したパルス幅信号に基づく第4セグメント駆動信号群を、第4端子群に出力する。第3駆動回路53、第4駆動回路54の構成、動作は、第1パルス幅信号群GS1、第2パルス幅信号群GS2の代わりに第3パルス幅信号群GS3、第4パルス幅信号群GS4が供給される点を除いては、第1駆動回路51、第2駆動回路52と同様の構成、動作であるため、詳細な説明は省略する。
【0073】
このように
図16では、第1駆動回路51、第2駆動回路52に加えて、第3駆動回路53、第4駆動回路54をドライバー10に更に設けている。このようにすれば、同じ階調データであっても、第1駆動回路51が駆動する第1セグメント電極群101と、第2駆動回路52が駆動する第2セグメント電極群102と、第3駆動回路53が駆動する第3セグメント電極群と、第4駆動回路54が駆動する第4セグメント電極群との間で、PWM駆動におけるパルス幅を異ならせることが可能になる。これにより、第1セグメント電極群101の領域と、第2セグメント電極群102の領域と、第3セグメント電極群の領域と、第4セグメント電極群の領域とで、階調データに対する階調濃度の設定を異ならせることが可能になる。
【0074】
そして
図16では、第1パルス幅信号群GS1と第2パルス幅信号群GS2と第3パルス幅信号群GS3と第4パルス幅信号群GS4とが、制御回路40から、左側の第1駆動回路51及び第2駆動回路52と、右側の第3駆動回路53及び第4駆動回路54に対して、別配線により接続されている。そして第1駆動回路51、第2駆動回路52、第3駆動回路53、第4駆動回路54とで、同一の階調データに対して独立に階調濃度を設定できるようになっている。
【0075】
図17にドライバー10の第5レイアウト配置例を示す。
図17が
図16と異なるのは、
図17では第1駆動回路51と第2駆動回路52の間にコモン駆動回路93が設けられていない点である。このように第1駆動回路51~第4駆動回路54を設けた場合にも、コモン駆動回路のレイアウト配置としては種々の変形実施が可能である。
【0076】
図18にドライバー10の第6レイアウト配置例を示す。
図18では、第1駆動回路51、第2駆動回路52は、ドライバー10の長辺である第1辺SD1に沿って配置され、第3駆動回路53、第4駆動回路54は、ドライバー10の第1辺SD1に対向する長辺である第2辺SD2に沿って配置される。例えば
図18では、第1駆動回路51、コモン駆動回路93、第2駆動回路52が、この順でドライバー10の第1辺SD1に沿って配置される。また第3駆動回路53、コモン駆動回路91、コモン駆動回路92、第4駆動回路54が、この順でドライバー10の第2辺SD2に沿って配置される。制御回路40は、第1駆動回路51及び第2駆動回路52が配置される第1辺SD1側の第1配置領域と、第3駆動回路53及び第4駆動回路54が配置される第2辺SD2側の第2配置領域と間の、第3配置領域に配置される。
【0077】
このようにすれば、第1パルス幅信号群GS1に基づく第1セグメント駆動信号群SG1と、第2パルス幅信号群GS2に基づく第2セグメント駆動信号群SG2については、第1駆動回路51及び第2駆動回路52により、ドライバー10の第1辺SD1側から出力できるようになる。一方、第3パルス幅信号群GS3に基づく第3セグメント駆動信号群と、第4パルス幅信号群GS4に基づく第4セグメント駆動信号群については、第3駆動回路53及び第4駆動回路54により、ドライバー10の第2辺SD2側から出力できるようになる。
【0078】
次に液晶パネル100でのパネル配線例について説明する。
図19は、
図13のドライバー10の第1レイアウト配置に対応する第1パネル配線例である。
図19では、ドライバー10の第1駆動回路51からのセグメント駆動信号線LS1は、ドライバー10から液晶パネル100の第1領域AR1に配線される。
図1の第1セグメント電極群101は、液晶パネル100の第1領域AR1に配置される電極群である。またドライバー10の第2駆動回路52からのセグメント駆動信号線LS2は、ドライバー10から液晶パネル100の第2領域AR2に配線される。
図1の第2セグメント電極群102は、液晶パネル100の第2領域AR2に配置される電極群である。
【0079】
また
図19では、コモン駆動信号線LC1、LC2、LC3が、各々、コモン駆動回路91、92、93から液晶パネル100に配線されている。なおコモン駆動信号線LC1、LC2、LC3の全てを液晶パネル100に接続してもよいし、コモン駆動信号線LC1、LC2、LC3のうちの1本又は2本だけを液晶パネル100に接続してもよい。以下で説明する
図20~
図24でも同様である。
【0080】
図20は、
図14のドライバー10の第2レイアウト配置に対応する第2パネル配線例である。
図14では第1駆動回路51と第2駆動回路52の間にコモン駆動回路が設けられていないため、
図20においても
図19のコモン駆動信号線LC3は配線されていない。
【0081】
図21は、
図15のドライバー10の第3レイアウト配置に対応する第3パネル配線例である。
図15では、第1駆動回路51、第2駆動回路52が、ドライバー10の第1辺SD1に沿って配置されると共に第2辺SD2に沿っても配置されている。これにより第1駆動回路51からのセグメント駆動信号線LS1は、ドライバー10の第1辺SD1と第2辺SD2の両方から液晶パネル100の第1領域AR1に配線される。また第2駆動回路52からのセグメント駆動信号線LS2は、ドライバー10の第1辺SD1と第2辺SD2の両方から液晶パネル100の第2領域AR2に配線される。
【0082】
このように
図19、
図20、
図21では、第1駆動回路51により駆動される第1セグメント電極群101は、液晶パネル100の第1領域AR1に配置される電極群であり、第2駆動回路52により駆動される第2セグメント電極群102は、液晶パネル100の第2領域AR2に配置される電極群である。このようにすれば、液晶パネル100の第1領域AR1と第2領域AR2とで、階調データに対するセグメント電極群の階調濃度の設定を異ならせることが可能になる。従って、第1領域AR1、第2領域AR2の各領域ごとに、個別に階調濃度を設定できるようになる。この結果、バックライト120の光の不均一性又は外光などの周囲環境によって、同じ階調レベルであっても、液晶パネル100上の各領域によって輝度が異なることがある場合にも、各領域ごとに階調濃度を設定することで輝度の調整が可能となる。
【0083】
図22は、
図16のドライバー10の第4レイアウト配置に対応する第4パネル配線例である。
図22では、ドライバー10の第1駆動回路51、第2駆動回路52、第3駆動回路53、第4駆動回路54からのセグメント駆動信号線LS1、LS2、LS3、LS4は、各々、ドライバー10から液晶パネル100のAR1、AR2、AR3、AR4の各領域に配線される。第1領域AR1、第2領域AR2、第3領域AR3、第4領域AR4には、各々、第1セグメント電極群101、第2セグメント電極群102、第3セグメント電極群、第4セグメント電極群が配置されている。また
図22では、コモン駆動信号線LC1、LC2、LC3が、各々、コモン駆動回路91、92、93から液晶パネル100に配線されている。
【0084】
図23は、
図17のドライバー10の第5レイアウト配置に対応する第5パネル配線例である。
図17では第1駆動回路51及び第2駆動回路52と、第3駆動回路53及び第4駆動回路54との間に、コモン駆動回路93が設けられていないため、
図23においても
図22のコモン駆動信号線LC3は配線されていない。
【0085】
図24は、
図18のドライバー10の第6レイアウト配置に対応する第6パネル配線例である。
図18では、第1駆動回路51、第2駆動回路52が、ドライバー10の第1辺SD1に沿って配置され、第3駆動回路53、第4駆動回路54が、ドライバー10の第2辺SD2に沿って配置される。これにより第1駆動回路51、第2駆動回路52からのセグメント駆動信号線LS1、LS2は、ドライバー10の第1辺SD1から液晶パネル100の第1領域AR1、第2領域AR2に配線される。また第3駆動回路53、第4駆動回路54からのセグメント駆動信号線LS3、LS4は、ドライバー10の第2辺SD2から液晶パネル100の第3領域AR3、第4領域AR4に配線される。これにより、第1駆動回路51~第4駆動回路54からの多数のセグメント駆動信号を、ドライバー10の第1辺SD1及び第2辺SD2の両方の長辺を利用して、液晶パネル100に配線できるようになる。
【0086】
このように
図22、
図23、
図24では、第1駆動回路51により駆動される第1セグメント電極群101は、液晶パネル100の第1領域AR1に配置される電極群であり、第2駆動回路52により駆動される第2セグメント電極群102は、液晶パネル100の第2領域AR2に配置される電極群である。また第3駆動回路53により駆動される第3セグメント電極群は、液晶パネル100の第3領域AR3に配置される電極群であり、第4駆動回路54により駆動される第4セグメント電極群は、液晶パネル100の第4領域AR4に配置される電極群である。このようにすれば、液晶パネル100の第1領域AR1と第2領域AR2と第3領域AR3と第4領域AR4とで、階調データに対するセグメント電極群の階調濃度の設定を異ならせることが可能になる。従って、第1領域AR1、第2領域AR2、第3領域AR3、第4領域AR4の各領域ごとに、個別に階調濃度を設定できるようになる。この結果、バックライト120の光の不均一性又は外光などの周囲環境によって、同じ階調レベルであっても、液晶パネル100上の各領域によって輝度が異なることがある場合にも、各領域ごとに階調濃度を設定することで輝度の調整が可能となる。
【0087】
図25、
図26は本実施形態の電気光学装置200の構成例を示す図である。
図25では、セグメントタイプの液晶パネル100の背面側にバックライト120が設けられている。バックライト120はエッジライト型であってもよいし、直下型であってもよい。
図25の電気光学装置200によれば、通常のセグメント画像の階調表示が可能になる。この電気光学装置200は車やバイクなどのクラスターメーターなどとして利用できる。
【0088】
図26では、TFTタイプの液晶パネル130の背面側にセグメントタイプの液晶パネル100が配置される。或いはTFTタイプの液晶パネル130の前面側にセグメントタイプの液晶パネル100が配置してもよい。バックライト120には、例えば格子状にLED等の複数の発光素子が配置されている。そしてバックライト120の光の透過光量を制御して、TFTタイプの液晶パネル130の表示の表示品質等を調整する。
【0089】
以上に説明したように、本実施形態のドライバーは、スタティック駆動方式で液晶パネルを駆動するドライバーであって、液晶パネルの第1セグメント電極群に接続される第1端子群と、液晶パネルの第2セグメント電極群に接続される第2端子群を含む。またドライバーは、複数の階調レベルに対応した複数のパルス幅信号を含む第1パルス幅信号群と、複数の階調レベルに対応した複数のパルス幅信号を含み且つ第1パルス幅信号群とは階調レベルとパルス幅との対応が異なる第2パルス幅信号群とを出力する制御回路を含む。更にドライバーは、複数の階調レベルを設定する階調データに応じて第1パルス幅信号群から選択したパルス幅信号に基づく第1セグメント駆動信号群を、第1端子群に出力する第1駆動回路と、階調データに応じて第2パルス幅信号群から選択したパルス幅信号に基づく第2セグメント駆動信号群を、第2端子群に出力する第2駆動回路を含む。
【0090】
本実施形態によれば、液晶パネルの第1セグメント電極群については、階調データと第1パルス幅信号群とに基づき生成された第1セグメント駆動信号群により駆動されるようになる。また液晶パネルの第2セグメント電極群については、階調データと第2パルス幅信号群とに基づき生成された第2セグメント駆動信号群により駆動されるようになる。そして第1パルス幅信号群と第2パルス幅信号群とは、階調データにより設定される階調レベルと各パルス幅信号のパルス幅との対応が異なるパルス幅信号群になっている。従って、同じ階調データであっても、第1駆動回路が駆動する第1セグメント電極群と、第2駆動回路が駆動する第2セグメント電極群とで、PWM駆動におけるパルス幅を異ならせることが可能になり、セグメント電極が配置される各領域での輝度の調整等の容易化を図れるようになる。
【0091】
また本実施形態では、第1パルス幅信号群における階調レベルとパルス幅との対応を設定する第1階調濃度設定データと、第2パルス幅信号群における階調レベルとパルス幅との対応を設定する第2階調濃度設定データを記憶するレジスター部を含んでもよい。そして制御回路は、レジスター部に記憶される第1階調濃度設定データに基づいて第1パルス幅信号群を出力し、レジスター部に記憶される第2階調濃度設定データに基づいて第2パルス幅信号群を出力してもよい。
【0092】
このようにすれば、制御回路は、レジスター部に記憶された第1階調濃度設定データ、第2階調設定データを用いて、階調レベルとパルス幅との対応が互いに異なる第1パルス幅信号群、第2パルス幅信号群を、各々、第1駆動回路、第2駆動回路に出力できるようになる。
【0093】
また本実施形態では、第1階調濃度設定データと第2階調濃度設定データを受信するインターフェース回路を含んでもよい。
【0094】
このようにすれば、制御回路は、インターフェース回路を介して受信した第1階調濃度設定データ、第2階調濃度設定データに基づいて、第1パルス幅信号群、第2パルス幅信号群を生成して第1駆動回路、第2駆動回路に出力できるようになる。
【0095】
また本実施形態では、第1駆動回路は、第1パルス幅信号群が入力され、第1パルス幅信号群から階調データに応じたパルス幅信号を選択する第1選択回路を含み、第2駆動回路は、第2パルス幅信号群が入力され、第2パルス幅信号群から階調データに応じたパルス幅信号を選択する第2選択回路を含んでもよい。
【0096】
このようにすれば第1駆動回路、第2駆動回路は、各々、第1選択回路、第2選択回路が第1パルス幅信号群、第2パルス幅信号群から階調データに応じたパルス幅信号を選択することで、第1セグメント駆動信号群、第2セグメント駆動信号群を出力できるようになる。
【0097】
また本実施形態では、ドライバーの長辺方向を第1方向としたときに、第1駆動回路と第2駆動回路は、第1方向に沿って配置されてもよい。
【0098】
このようにすれば、第1駆動回路、第2駆動回路からの第1セグメント駆動信号や、第2セグメント駆動信号の配線を、液晶パネルの第1領域に配置される第1セグメント電極群や、第2領域に配置される第2セグメント電極群にショートパスで接続することが可能になる。
【0099】
また本実施形態では、第1コモン駆動信号を出力する第1コモン駆動回路と、第2コモン駆動信号を出力する第2コモン駆動回路とを含んでもよい。そして第1方向の反対方向を第2方向としたときに、第1コモン駆動回路は、第1駆動回路の第2方向側に配置され、第2コモン駆動回路は、第2駆動回路の第1方向側に配置されてもよい。
【0100】
このようにすれば、第1駆動回路、第2駆動回路により駆動される第1セグメント電極群、第2セグメント電極群に対向するコモン電極に対して、各々、第1コモン駆動回路からの第1コモン駆動信号、第2コモン駆動回路からの第2コモン駆動信号をショートパスの配線で供給することが可能になる。
【0101】
また本実施形態では、コモン駆動信号を出力するコモン駆動回路を含み、コモン駆動回路は、第1駆動回路と第2駆動回路との間に配置されてもよい。
【0102】
このようにすれば、第1駆動回路により駆動される第1セグメント電極群に対向するコモン電極や、第2駆動回路により駆動される第2セグメント電極群に対向するコモン電極に対して、コモン駆動回路からのコモン駆動信号を、ショートパスの配線で供給することが可能になる。
【0103】
また本実施形態では、第1駆動回路と第2駆動回路は、ドライバーの長辺である第1辺に沿って配置され、制御回路は、第1駆動回路又は第2駆動回路と、ドライバーの第1辺に対向する長辺である第2辺との間に配置されてもよい。
【0104】
このようにすれば、第1パルス幅信号群を制御回路から第1駆動回路にショートパスの経路で配線したり、第2パルス幅信号群を制御回路から第2駆動回路にショートパスの経路で配線することが可能になる。
【0105】
また本実施形態では、第1セグメント電極群は、液晶パネルの第1領域に配置される電極群であり、第2セグメント電極群は、液晶パネルの第2領域に配置される電極群であってもよい。
【0106】
このようにすれば、液晶パネルの第1領域と第2領域とで、階調データに対するセグメント電極群の階調濃度の設定等を異ならせることが可能になる。
【0107】
また本実施形態では、液晶パネルの第3セグメント電極群に接続される第3端子群と、液晶パネルの第4セグメント電極群に接続される第4端子群と、第3駆動回路と、第4駆動回路と、を含んでもよい。そして制御回路は、複数の階調レベルに対応した複数のパルス幅信号を含む第3パルス幅信号群と、複数の階調レベルに対応した複数のパルス幅信号を含み且つ第3パルス幅信号群とは階調レベルとパルス幅との対応が異なる第4パルス幅信号群とを出力してもよい。また第3駆動回路は、階調データに応じて第3パルス幅信号群から選択したパルス幅信号に基づく第3セグメント駆動信号群を、第3端子群に出力し、第4駆動回路は、階調データに応じて第4パルス幅信号群から選択したパルス幅信号に基づく第4セグメント駆動信号群を、第4端子群に出力してもよい。
【0108】
このようにすれば、同じ階調データであっても、第1駆動回路が駆動する第1セグメント電極群と、第2駆動回路が駆動する第2セグメント電極群と、第3駆動回路53が駆動する第3セグメント電極群と、第4駆動回路54が駆動する第4セグメント電極群との間で、PWM駆動におけるパルス幅を異ならせることが可能になる。
【0109】
また本実施形態では、第1駆動回路、第2駆動回路は、ドライバーの長辺である第1辺に沿って配置され、第3駆動回路、第4駆動回路は、ドライバーの第1辺に対向する長辺である第2辺に沿って配置されてもよい。
【0110】
このようにすれば、第1パルス幅信号群に基づく第1セグメント駆動信号群と、第2パルス幅信号群に基づく第2セグメント駆動信号群については、第1駆動回路及び第2駆動回路により、ドライバーの第1辺側から出力できるようになる。一方、第3パルス幅信号群に基づく第3セグメント駆動信号群と、第4パルス幅信号群に基づく第4セグメント駆動信号群については、第3駆動回路及び第4駆動回路により、ドライバーの第2辺側から出力できるようになる。
【0111】
また本実施形態では、第1セグメント電極群は、液晶パネルの第1領域に配置される電極群であり、第2セグメント電極群は、液晶パネルの第2領域に配置される電極群であり、第3セグメント電極群は、液晶パネルの第3領域に配置される電極群であり、第4セグメント電極群は、液晶パネルの第4領域に配置される電極群であってもよい。
【0112】
このようにすれば、液晶パネル100の第1領域と第2領域と第3領域と第4領域とで、階調データに対するセグメント電極群の階調濃度の設定等を異ならせることが可能になる。
【0113】
また本実施形態の電気光学装置は、上記に記載のドライバーと、液晶パネルと、液晶パネルのバックライトと、を含んでもよい。
【0114】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本開示の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本開示の範囲に含まれる。またドライバー、電気光学装置、液晶パネル等の構成及び動作等も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0115】
10…ドライバー、20…インターフェース回路、30…データ記憶回路、32…発振回路、40…制御回路、42…レジスター部、50…駆動回路、51…第1駆動回路、52…第2駆動回路、53…第3駆動回路、54…第4駆動回路、60、61、62…データラッチ、70…選択回路、71…第1選択回路、72…第2選択回路、80、81、82…出力回路、84…極性反転回路、85…レベルシフター、86…出力ドライバー、90、91、92、93…コモン駆動回路、100…液晶パネル、101…第1セグメント電極群、102…第2セグメント電極群、120…バックライト、130…液晶パネル、200…電気光学装置、210…処理装置、AR1…第1領域、AR2…第2領域、AR3…第3領域、AR4…第4領域、CM…コモン駆動信号、DA…階調データ、DR1…第1方向、DR2…第2方向、DR3…第3方向、DR4…第4方向、GS…パルス幅信号群、GS1…第1パルス幅信号群、GS2…第2パルス幅信号群、GS3…第3パルス幅信号群、GS4…第4パルス幅信号群、LA0~LA7…ラッチ部、LAT…ラッチ信号、LC1、LC2、LC3…コモン駆動信号線、LS1、LS2、LS3、LS4…セグメント駆動信号線、PW0~PW7…パルス幅信号、QC0~QC7…出力部、SD1…第1辺、SD2…第2辺、SD3…第3辺、SD4…第4辺、SE…セグメント駆動信号、SE0~SE7…セグメント駆動信号、SG1…第1セグメント駆動信号群、SG2…第2セグメント駆動信号群、SL0~SL7…選択部、TG1…第1端子群、TG2…第2端子群、TM0~TM7…端子、TN…負極性期間、TP…正極性期間、VLC…駆動信号、W11、W12、W21、W22…パルス幅