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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062121
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】拡声器遠隔操作システム
(51)【国際特許分類】
   H04R 3/12 20060101AFI20240430BHJP
   H04M 1/60 20060101ALI20240430BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
H04R3/12 A
H04M1/60 A
H04M11/00 301
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169907
(22)【出願日】2022-10-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】511309241
【氏名又は名称】株式会社Wing of Freedom
(74)【代理人】
【識別番号】100194478
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 文彦
(74)【代理人】
【識別番号】100198719
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 良裕
(72)【発明者】
【氏名】益 利光
【テーマコード(参考)】
5D220
5K127
5K201
【Fターム(参考)】
5D220AA12
5D220AA31
5K127BA03
5K127BB24
5K127BB35
5K127CA08
5K127CB16
5K127GD16
5K127JA14
5K127JA32
5K201BA01
5K201BA02
5K201BB08
5K201CC10
5K201EF07
(57)【要約】
【課題】事前に設置した複数の拡声器を選択的に遠隔操作し、所望の拡声器から所望の音声を出力させることが可能な拡声器遠隔操作システムの提供。
【解決手段】拡声器遠隔操作システム1は、複数の拡声器3と、複数の拡声器3を個別に遠隔操作するためのアプリケーションプログラムがインストールされた遠隔操作端末2とを備える。各拡声器3には、自機の動作を制御するコントローラーが設けられている。遠隔操作端末2は、音声を出力させる対象拡声器を選択させる拡声器選択部と、対象拡声器から出力させる対象音声データを選択させる音声データ選択部とを含む操作画面を表示する。遠隔操作端末2は、操作画面を介して対象拡声器及び対象音声データが選択されると、当該対象音声データを当該対象拡声器に送信する。対象拡声器のコントローラーは、当該対象音声データに基づく音声をスピーカーから出力させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡声器遠隔操作システムであって、
ネットワークに接続可能な複数の拡声器と、
前記複数の拡声器を個別に遠隔操作するためのアプリケーションプログラムがインストールされた遠隔操作端末と、
を備え、
前記複数の拡声器の各々には、自機の動作を制御するコントローラーが設けられ、
前記遠隔操作端末には、複数の出力用音声データが記憶されており、
前記遠隔操作端末は、前記アプリケーションプログラムの実行に伴って、
音声を出力させる対象拡声器を前記複数の拡声器の中からユーザーに選択させる拡声器選択部と、前記対象拡声器のスピーカーから出力させる対象音声データを前記複数の出力用音声データの中から前記ユーザーに選択させる音声データ選択部とを含む操作画面を表示し、
前記操作画面を介して前記対象拡声器及び前記対象音声データが選択されると、前記対象音声データを前記対象拡声器に送信し、
前記対象拡声器のコントローラーは、前記対象音声データを前記遠隔操作端末から受信すると、前記対象音声データに基づく音声を前記対象拡声器のスピーカーから出力させることを特徴とする拡声器遠隔操作システム。
【請求項2】
前記複数の拡声器の各々には、カメラが設けられており、
前記遠隔操作端末には、前記カメラで撮影された撮影画像において人物が検出された場合に出力させるための人物検出時音声データが記憶されており、
前記コントローラーは、自機の識別情報と前記カメラによって撮影された撮影画像データとを前記遠隔操作端末に送信し、
前記遠隔操作端末は、
前記撮影画像データに基づいて人物検出処理を実行し、
前記人物検出処理において人物が検出されると、前記識別情報によって特定される特定拡声器に前記人物検出時音声データを送信し、
前記特定拡声器のコントローラーは、前記人物検出時音声データを前記遠隔操作端末から受信すると、前記人物検出時音声データに基づく音声を前記特定拡声器のスピーカーから出力させることを特徴とする請求項1に記載の拡声器遠隔操作システム。
【請求項3】
前記遠隔操作端末は、前記人物検出処理において人物が検出されたと判定されると、検出された人物を含む静止画像と日時情報とを関連付けて記憶することを特徴とする請求項2に記載の拡声器遠隔操作システム。
【請求項4】
前記コントローラーは、自機の識別情報と電池残量情報とを所定間隔で前記遠隔操作端末に送信し、
前記操作画面は、前記複数の拡声器の各々の電池残量の表示を指示する電池残量表示指示部を含み、
前記遠隔操作端末は、前記電池残量表示指示部を介して電池残量表示指示が受け付けられると、前記複数の拡声器の各々の電池残量を示す画面を表示することを特徴とする請求項1から3のうち何れかに記載の拡声器遠隔操作システム。
【請求項5】
前記複数の拡声器の各々には、GPSセンサーが設けられており、
前記コントローラーは、自機の識別情報と前記GPSセンサーで検出された位置情報とを所定間隔で前記遠隔操作端末に送信し、
前記操作画面は、前記複数の拡声器の各々の位置の表示を指示する位置情報表示指示部を含み、
前記遠隔操作端末は、前記位置情報表示指示部を介して位置情報表示指示が受け付けられると、前記複数の拡声器の各々の位置を地図上にプロットした画面を表示することを特徴とする請求項1から3のうち何れかに記載の拡声器遠隔操作システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、拡声器遠隔操作システムに関し、より詳細には、事前に設置された複数の拡声器を個別に遠隔操作することが可能な拡声器遠隔操作システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マイクやスピーカーを内蔵した手持ち可能なモバイル式の拡声器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、特許文献1には、マイク本体(1)とグリップホルダー(2)とマイク(3)とスピーカー(5)とを有し、手で把握可能な略長円柱形の拡声器が開示されている(特許文献1の図1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-104032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、拡声器の使用態様としては、同一の音声を所定の間隔でスピーカーから繰り返し流す場合や、人が拡声器近傍を通過した際に特定の音声をスピーカーから流す場合など、画一的な音声をスピーカーから出力させたいケースも想定される。
【0005】
上述した特許文献1を含む従来式のモバイル式の拡声器においては、操作者がグリップホルダーを手で把持した状態でマイクロホンに口を近づけて発声することにより、所望の音声が前方に増幅されてスピーカーから出力される構成が採用されている。
【0006】
そのため、上述したような画一的な音声をスピーカーから出力させたい場合であっても、拡声器を使用する現場へ操作者自らが出向き、拡声器を手で把持してマイクロホンに発声する必要があった。
【0007】
そこで、本発明は、事前に設置した複数の拡声器を選択的に遠隔操作し、所望の拡声器から所望の音声を出力させることが可能な拡声器遠隔操作システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、拡声器遠隔操作システムであって、ネットワークに接続可能な複数の拡声器と、前記複数の拡声器を個別に遠隔操作するためのアプリケーションプログラムがインストールされた遠隔操作端末と、を備え、前記複数の拡声器の各々には、自機の動作を制御するコントローラーが設けられ、前記遠隔操作端末には、複数の出力用音声データが記憶されており、前記遠隔操作端末は、前記アプリケーションプログラムの実行に伴って、音声を出力させる対象拡声器を前記複数の拡声器の中からユーザーに選択させる拡声器選択部と、前記対象拡声器のスピーカーから出力させる対象音声データを前記複数の出力用音声データの中から前記ユーザーに選択させる音声データ選択部とを含む操作画面を表示し、前記操作画面を介して前記対象拡声器及び前記対象音声データが選択されると、前記対象音声データを前記対象拡声器に送信し、前記対象拡声器のコントローラーは、前記対象音声データを前記遠隔操作端末から受信すると、前記対象音声データに基づく音声を前記対象拡声器のスピーカーから出力させることを特徴とする拡声器遠隔操作システムを提供している。
【0009】
ここで、前記複数の拡声器の各々には、カメラが設けられており、前記遠隔操作端末には、前記カメラで撮影された撮影画像において人物が検出された場合に出力させるための人物検出時音声データが記憶されており、前記コントローラーは、自機の識別情報と前記カメラによって撮影された撮影画像データとを前記遠隔操作端末に送信し、前記遠隔操作端末は、前記撮影画像データに基づいて人物検出処理を実行し、前記人物検出処理において人物が検出されると、前記識別情報によって特定される特定拡声器に前記人物検出時音声データを送信し、前記特定拡声器のコントローラーは、前記人物検出時音声データを前記遠隔操作端末から受信すると、前記人物検出時音声データに基づく音声を前記特定拡声器のスピーカーから出力させるのが好ましい。
【0010】
また、前記遠隔操作端末は、前記人物検出処理において人物が検出されたと判定されると、検出された人物を含む静止画像と日時情報とを関連付けて記憶するのが好ましい。
【0011】
また、前記コントローラーは、自機の識別情報と電池残量情報とを所定間隔で前記遠隔操作端末に送信し、前記操作画面は、前記複数の拡声器の各々の電池残量の表示を指示する電池残量表示指示部を含み、前記遠隔操作端末は、前記電池残量表示指示部を介して電池残量表示指示が受け付けられると、前記複数の拡声器の各々の電池残量を示す画面を表示するのが好ましい。
【0012】
更に、前記複数の拡声器の各々には、GPSセンサーが設けられており、前記コントローラーは、自機の識別情報と前記GPSセンサーで検出された位置情報とを所定間隔で前記遠隔操作端末に送信し、前記操作画面は、前記複数の拡声器の各々の位置の表示を指示する位置情報表示指示部を含み、前記遠隔操作端末は、前記位置情報表示指示部を介して位置情報表示指示が受け付けられると、前記複数の拡声器の各々の位置を地図上にプロットした画面を表示するのが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、遠隔操作端末に表示された操作画面を介して対象拡声器と当該対象拡声器に出力させる対象音声データがユーザーによって選択されると、当該対象音声データに基づく音声が当該対象拡声器のスピーカーから出力される。そのため、事前に設置した複数の拡声器を選択的に遠隔操作し、所望の拡声器から所望の音声を出力させることが可能である。
【0014】
なお、本発明の拡声器遠隔操作システムのように、事前に設置した複数の拡声器を選択的に遠隔操作し、所望の拡声器から所望の音声を出力させるための構成は、上述した特許文献1には全く記載されていない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る拡声器遠隔操作システムのシステム構成図。
図2】各時間帯とそれに対応する音声データとが紐付けられた音声データテーブルを示す図。
図3】複数の拡声器を選択的に遠隔操作するための拡声器遠隔操作画面の一例を示す図。
図4】拡声器遠隔操作画面を介して拡声器、時間帯及び音声データが選択された状態を示す図。
図5】各拡声器の電池残量を表示する電池残量表示画面の一例を示す図。
図6】地図上に各拡声器の位置をプロットした拡声器位置表示画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<1.実施形態>
本発明の実施形態による拡声器遠隔操作システムについて図1から図6に基づき説明する。なお、本実施形態において、拡声器遠隔操作システムとは、事前に設置された複数の拡声器を遠隔操作するためのシステムをいう。
【0017】
以下では、本発明による拡声器遠隔操作システムの一例として、図1に示す拡声器遠隔操作システム1を例示する。
【0018】
図1に示すように、拡声器遠隔操作システム1は、遠隔操作端末2と、事前に設置された複数の拡声器3(3A,3B,3C…)とを備えて構成される。本実施形態において、複数の拡声器3A,3B,…は、いずれも同様の構成を備えている。そこで、以後の説明において、複数の拡声器3A,3B,3C…を拡声器3と総称する箇所がある。
【0019】
遠隔操作端末2は、内蔵メモリ(RAMやROM等)及びオペレーティングシステムを備えたスマートフォンやタブレット端末などによって構成される。
【0020】
遠隔操作端末2には、複数の拡声器3A,3B,3C…を個別に遠隔操作するためのアプリケーションプログラム(以下、単に「遠隔操作アプリAP」とも称する)がインストールされている。遠隔操作アプリAPは、遠隔操作端末2のオペレーティングシステム上で動作するプログラムである。
【0021】
遠隔操作端末2は、表示機能及び操作入力機能を備えたタッチパネルディスプレイ(以下、単にタッチパネルとも称する)を備えている。このタッチパネルには、遠隔操作アプリAPの実行に伴い、後述の拡声器遠隔操作画面GA(図3参照)等が表示される。
【0022】
遠隔操作端末2は、携帯電話ネットワークやWiFiを介してインターネットに接続するためのネットワーク通信機能を備えている。遠隔操作端末2は、ネットワーク通信機能により、インターネットを介して複数の拡声器3に接続されている。
【0023】
拡声器3は、バッテリーを搭載した充電式のポータブル拡声器として構成される。拡声器3は、公知のトランジスタメガホンの一般的機能、すなわち、マイクロホン、増幅回路及びトランペットスピーカー等を備えて構成されている。
【0024】
拡声器3は、上述した一般的機能に加え、携帯電話ネットワークやWiFiを介してインターネットに接続するためのネットワーク通信機能を備えている。これにより、拡声器3は、遠隔操作端末2との間でネットワーク通信可能を行うことが可能である。
【0025】
また、拡声器3には、自機の各種動作を制御するためのコントローラー(不図示)が設けられている。拡声器3のコントローラーは、遠隔操作端末2との間のネットワーク通信を制御したり、トランペットスピーカーからの出力音声を制御したりする。
【0026】
また、拡声器3には、自機周辺を撮影するためのカメラ4(4A,4B,4C…)が設けられている。カメラ4は、上述した拡声器3のコントローラーに接続されている。カメラ4で撮影された撮影画像データ(動画データ)は、拡声器3のコントローラーによって遠隔操作端末2にリアルタイムに送信される。なお、撮影画像データ(動画データ)は、拡声器3を識別する識別情報に関連付けられて送信される。
【0027】
さらに、拡声器3には、自機の位置情報を取得するためのGPSセンサー5(5A,5B,5C…)が設けられている。GPSセンサー5は、上述した拡声器3のコントローラーに接続されている。GPSセンサー5で取得した位置情報(位置座標データ)は、拡声器3のコントローラーによって遠隔操作端末2に所定間隔で送信される。なお、位置情報(位置座標データ)は、拡声器3を識別する識別情報に関連付けられて送信される。
【0028】
遠隔操作端末2の内蔵メモリには、拡声器3から出力させるための複数の音声データが記憶されている。複数の音声データは、遠隔操作端末2の録音機能を用いて事前に録音したものでもよく、あるいは、外部から受信またはダウンロードしたものでもよい。
【0029】
遠隔操作端末2の内蔵メモリには、拡声器3から出力させるための複数の音声データに関し、図2に示す音声データテーブルTBが記憶されている。図2に示すように、音声データテーブルTBは、各時間帯とそれに対応する音声データとを紐づけて記録するデータテーブルである。
【0030】
具体的には、音声データテーブルTBにおいて、ある時間帯(8:00~10:00)とそれに対応する複数の音声データ(V810A.mp3、V810B.mp3、V810C.mp3、…)とが紐付けられて記録されている。
【0031】
また、音声データテーブルTBにおいて、別の時間帯(10:00~12:00)とそれに対応する複数の音声データ(V1012A.mp3、V1012B.mp3、V1012C.mp3、…)とが紐付けられて記録されている。
【0032】
また、遠隔操作端末2には、上述した複数の音声データに加え、カメラ4で撮影された撮影画像から人物が検出された場合に出力させるための人物検出時音声データも記憶されている。
【0033】
図3に示すように、遠隔操作端末2において遠隔操作アプリAPが実行されると、所望の拡声器を遠隔操作するための拡声器遠隔操作画面GAがタッチパネルに表示される。
【0034】
拡声器遠隔操作画面GAには、拡声器選択用プルダウンメニューPM1と、時間帯選択用プルダウンメニューPM2と、音声データ選択用プルダウンメニューPM3とが設けられている。また、拡声器遠隔操作画面GAには、音声出力実行ボタンBT1と、電池残量表示ボタンBT2と、位置情報表示ボタンBT3とが設けられている。
【0035】
拡声器選択用プルダウンメニューPM1は、音声を出力させる対象拡声器を複数の拡声器3A,3B,3C…の中から選択させるためのプルダウンメニューである。なお、拡声器選択用プルダウンメニューPM1は、本発明に係る拡声器選択部の一例である。
【0036】
時間帯選択用プルダウンメニューPM2は、対象拡声器に音声を出力させる時間帯を複数の時間帯の中から選択させるためのプルダウンメニューである。なお、複数の時間帯とは、図2に示す音声データテーブルに設定された時間帯(8:00~10:00、10:00~12:00、…)に対応する。
【0037】
音声データ選択用プルダウンメニューPM3は、時間帯選択用プルダウンメニューPM2で選択された時間帯に紐付けられた複数の音声データの中から対象拡声器に出力させる音声データを選択させるためのプルダウンメニューである。なお、音声データ選択用プルダウンメニューPM3は、本発明に係る音声データ選択部の一例である。
【0038】
本実施形態において、音声データ選択用プルダウンメニューPM3は、時間帯選択用プルダウンメニューPM2で時間帯が選択されると、有効化する。逆に言えば、時間帯選択用プルダウンメニューPM2で時間帯が選択されるまでの間は、音声データ選択用プルダウンメニューPM3は無効化されている。
【0039】
音声出力実行ボタンBT1は、拡声器選択用プルダウンメニューPM1を介して選択された対象拡声器に、音声データ選択用プルダウンメニューPM3を介して選択された音声データに基づく音声を出力させるためのボタンである。
【0040】
例えば、図4に示すように、拡声器選択用プルダウンメニューPM1において「拡声器A」が選択された場合、遠隔操作端末2は、「拡声器A」に対応する拡声器3Aを対象拡声器として特定する。
【0041】
また、時間帯選択用プルダウンメニューPM2において「8:00~11:00」が選択され、音声データ選択用プルダウンメニューPM3において「注意喚起音声」が選択された場合、遠隔操作端末2は、「8:00~11:00」の「注意喚起音声」に対応する音声データ(V810A.mp3)を対象音声データとして特定する。
【0042】
そして、図4に示す選択状態において、音声出力実行ボタンBT1が選択(タップ操作)されると、遠隔操作端末2は、対象音声データ(V810A.mp3)を対象拡声器(拡声器3A)に送信する。
【0043】
これに対して、対象拡声器(拡声器3A)のコントローラーは、対象音声データ(V810A.mp3)に基づく音声をスピーカーから出力する。
【0044】
次に、カメラ4の撮影画像から人物が検出された場合の処理について説明する。上述したように、各拡声器3(3A,3B,3C…)にはカメラ4が設けられ、カメラ4で撮影された撮影画像データ(動画データ)が遠隔操作端末2にリアルタイムに送信されている。その際、遠隔操作端末2には、撮影画像データ(動画データ)と共に拡声器3の識別情報(拡声器ID)も送信される。
【0045】
遠隔操作端末2は、拡声器3から受信した撮影画像データに基づいて人物検出処理をリアルタイムに実行する。ここで、人物検出処理は、市販の画像解析ソフト(公知の画像処理)等を用いて実行される。
【0046】
人物検出処理において人物が検出されたと判定されると、遠隔操作端末2は、検出された人物を含む静止画像と日時情報とを関連付けて内部メモリに記憶する。
【0047】
また、遠隔操作端末2は、拡声器3から受信した識別情報によって特定される拡声器3(本発明に係る特定拡声器の一例)に人物検出時音声データを送信する。
【0048】
拡声器3のコントローラーは、遠隔操作端末2から人物検出時音声データを受信すると、当該人物検出時音声データに基づく音声を拡声器3のスピーカーから出力させる。
【0049】
次に、拡声器遠隔操作画面GA(図3参照)を介して電池残量表示指示が受け付けられた場合の処理について説明する。上述したように、各拡声器3(3A,3B,3C…)のコントローラーは、自機の識別情報と電池残量情報とを所定間隔で遠隔操作端末2に送信する。
【0050】
拡声器遠隔操作画面GA(図3参照)内の電池残量表示ボタンBT2が選択(タップ操作)されると、遠隔操作端末2は、複数の拡声器3A,3B,3C…の各々の電池残量を示す電池残量表示画面(図5参照)を表示する。図5に示すように、電池残量表示画面には、各拡声器3の最新の電池残量情報が表示される。
【0051】
次に、拡声器遠隔操作画面GA(図3参照)を介して拡声器位置表示指示が受け付けられた場合の処理について説明する。上述したように、各拡声器3(3A,3B,3C…)には自機の位置情報を取得するためのGPSセンサー5が設けられ、GPSセンサー5で取得した位置情報(位置座標データ)が遠隔操作端末2に所定間隔で送信される。
【0052】
拡声器遠隔操作画面GA(図3参照)内の位置情報表示ボタンBT3が選択(タップ操作)されると、遠隔操作端末2は、複数の拡声器3A,3B,3C…の各々の位置を地図上にプロットした拡声器位置表示画面(図6参照)を表示する。図6に示すように、拡声器位置表示画面には、各拡声器3の最新の位置情報がマップ上に表示される。なお、地図データは、遠隔操作端末2に予め記憶されたデータも用いてもよく、あるいは、ネットワークを介して最新のデータをダウンロードとして用いてもよい。
【0053】
上述した実施形態によれば、遠隔操作端末2に表示された拡声器遠隔操作画面GAを介して対象拡声器とそれに出力させる対象音声データがユーザーによって選択され、対象拡声器に対象音声データが送信される。そして、対象拡声器のスピーカーから対象音声データに基づく音声が出力される。そのため、事前に設置した複数の拡声器3(3A,3B,3C…)を選択的に遠隔操作し、所望の拡声器から所望の音声を出力させることが可能である。
【0054】
また、上述した実施形態によれば、カメラ4の撮影画像データを用いて人物検出処理が実行される。人物検出処理で人物が検出されると、人物検出時音声データに基づく音声が特定の拡声器のスピーカーから出力される。その結果、人物検出時のみ音声が自動出力されるため、従来に比べて、特定の拡声器のバッテリー消費を低減することが可能である。
【0055】
また、上述した実施形態によれば、人物検出処理において人物が検出されたと判定されると、検出された人物を含む静止画像と日時情報とが関連付けられて遠隔操作端末2の内部メモリに記憶される。そのため、検出された人物を必要に応じて事後的に確認することが可能である。
【0056】
また、上述した実施形態によれば、図5に示す電池残量表示画面を介して各拡声器3の電池残量を確認できるので、充電を要する拡声器3を遠隔操作端末2で確認することができる。
【0057】
また、上述した実施形態によれば、図6に示す拡声器位置表示画面を介して各拡声器3の位置を遠隔操作端末2で把握することが可能である。
【0058】
<2.変形例>
本発明による拡声器遠隔操作システムは上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。
【0059】
例えば、上述した実施形態では、図2に示すように、各時間帯とそれに対応する音声データとが紐付けられている場合を例示したが、これに限定されない。時間帯と音声データを必ずしも紐づける必要はない。その場合、図3に示す拡声器遠隔操作画面GAの時間帯選択用プルダウンメニューPM2を無くし、音声データ選択用プルダウンメニューPM3において記憶されている全音声データを選択できるようにすればよい。
【符号の説明】
【0060】
1 拡声器遠隔操作システム
2 遠隔操作端末
3 拡声器
4 カメラ
5 センサー
AP 遠隔操作アプリ
BT1 音声出力実行ボタン
BT2 電池残量表示ボタン
BT3 位置情報表示ボタン
GA 拡声器遠隔操作画面
PM1 拡声器選択用プルダウンメニュー
PM2 時間帯選択用プルダウンメニュー
PM3 音声データ選択用プルダウンメニュー
TB 音声データテーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-02-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡声器遠隔操作システムであって、
ネットワークに接続可能な複数の拡声器と、
前記複数の拡声器を個別に遠隔操作するためのアプリケーションプログラムがインストールされた遠隔操作端末と、
を備え、
前記複数の拡声器の各々には、自機の動作を制御するコントローラーが設けられ、
前記遠隔操作端末には、複数の出力用音声データが記憶されており、
前記遠隔操作端末は、前記アプリケーションプログラムの実行に伴って、
音声を出力させる対象拡声器を前記複数の拡声器の中からユーザーに選択させる拡声器選択部と、前記対象拡声器のスピーカーから出力させる対象音声データを前記複数の出力用音声データの中から前記ユーザーに選択させる音声データ選択部とを含む操作画面を表示し、
前記操作画面を介して前記対象拡声器及び前記対象音声データが選択されると、前記対象音声データを前記対象拡声器に送信し、
前記対象拡声器のコントローラーは、前記対象音声データを前記遠隔操作端末から受信すると、前記対象音声データに基づく音声を前記対象拡声器のスピーカーから出力させ
前記複数の拡声器の各々には、カメラが設けられており、
前記遠隔操作端末には、前記カメラで撮影された撮影画像において人物が検出された場合に出力させるための人物検出時音声データが記憶されており、
前記コントローラーは、自機の識別情報と前記カメラによって撮影された撮影画像データとを前記遠隔操作端末に送信し、
前記遠隔操作端末は、
前記撮影画像データに基づいて人物検出処理を実行し、
前記人物検出処理において人物が検出されると、前記識別情報によって特定される特定拡声器に前記人物検出時音声データを送信し、
前記特定拡声器のコントローラーは、前記人物検出時音声データを前記遠隔操作端末から受信すると、前記人物検出時音声データに基づく音声を前記特定拡声器のスピーカーから出力させることを特徴とする拡声器遠隔操作システム。
【請求項2】
前記遠隔操作端末は、前記人物検出処理において人物が検出されたと判定されると、検出された人物を含む静止画像と日時情報とを関連付けて記憶することを特徴とする請求項1に記載の拡声器遠隔操作システム。
【請求項3】
拡声器遠隔操作システムであって、
ネットワークに接続可能な複数の拡声器と、
前記複数の拡声器を個別に遠隔操作するためのアプリケーションプログラムがインストールされた遠隔操作端末と、
を備え、
前記複数の拡声器の各々には、自機の動作を制御するコントローラーが設けられ、
前記遠隔操作端末には、複数の出力用音声データが記憶されており、
前記遠隔操作端末は、前記アプリケーションプログラムの実行に伴って、
音声を出力させる対象拡声器を前記複数の拡声器の中からユーザーに選択させる拡声器選択部と、前記対象拡声器のスピーカーから出力させる対象音声データを前記複数の出力用音声データの中から前記ユーザーに選択させる音声データ選択部とを含む操作画面を表示し、
前記操作画面を介して前記対象拡声器及び前記対象音声データが選択されると、前記対象音声データを前記対象拡声器に送信し、
前記対象拡声器のコントローラーは、前記対象音声データを前記遠隔操作端末から受信すると、前記対象音声データに基づく音声を前記対象拡声器のスピーカーから出力させ、
前記コントローラーは、自機の識別情報と電池残量情報とを所定間隔で前記遠隔操作端末に送信し、
前記操作画面は、前記複数の拡声器の各々の電池残量の表示を指示する電池残量表示指示部を含み、
前記遠隔操作端末は、前記電池残量表示指示部を介して電池残量表示指示が受け付けられると、前記複数の拡声器の各々の電池残量を示す画面を表示することを特徴とする拡声器遠隔操作システム。
【請求項4】
拡声器遠隔操作システムであって、
ネットワークに接続可能な複数の拡声器と、
前記複数の拡声器を個別に遠隔操作するためのアプリケーションプログラムがインストールされた遠隔操作端末と、
を備え、
前記複数の拡声器の各々には、自機の動作を制御するコントローラーが設けられ、
前記遠隔操作端末には、複数の出力用音声データが記憶されており、
前記遠隔操作端末は、前記アプリケーションプログラムの実行に伴って、
音声を出力させる対象拡声器を前記複数の拡声器の中からユーザーに選択させる拡声器選択部と、前記対象拡声器のスピーカーから出力させる対象音声データを前記複数の出力用音声データの中から前記ユーザーに選択させる音声データ選択部とを含む操作画面を表示し、
前記操作画面を介して前記対象拡声器及び前記対象音声データが選択されると、前記対象音声データを前記対象拡声器に送信し、
前記対象拡声器のコントローラーは、前記対象音声データを前記遠隔操作端末から受信すると、前記対象音声データに基づく音声を前記対象拡声器のスピーカーから出力させ、
前記複数の拡声器の各々には、GPSセンサーが設けられており、
前記コントローラーは、自機の識別情報と前記GPSセンサーで検出された位置情報とを所定間隔で前記遠隔操作端末に送信し、
前記操作画面は、前記複数の拡声器の各々の位置の表示を指示する位置情報表示指示部を含み、
前記遠隔操作端末は、前記位置情報表示指示部を介して位置情報表示指示が受け付けられると、前記複数の拡声器の各々の位置を地図上にプロットした画面を表示することを特徴とする拡声器遠隔操作システム。