(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006215
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】検出装置、学習装置、検出方法、学習方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20240110BHJP
G01M 17/007 20060101ALI20240110BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20240110BHJP
B60S 5/00 20060101ALN20240110BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
G01M17/007 T
G06Q50/04
B60S5/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106909
(22)【出願日】2022-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】吉田 泰介
(72)【発明者】
【氏名】友岡 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】中村 絢子
(72)【発明者】
【氏名】安藤 泰輔
(72)【発明者】
【氏名】木村 仁
(72)【発明者】
【氏名】長濱 卓範
(72)【発明者】
【氏名】笹尾 幸平
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 亮彦
(72)【発明者】
【氏名】花房 直人
【テーマコード(参考)】
3D026
5L049
【Fターム(参考)】
3D026BA27
5L049AA20
5L049CC03
(57)【要約】
【課題】 不正が行われた可能性のある、自動車の整備を検出できる検出装置等を提供する。
【解決手段】 本開示の一態様に係る検出装置10は、自動車の整備の記録と当該自動車の検査の記録とを受け付ける記録受付部110と、整備の記録と検査の記録とから、不正である可能性のある整備を検出するように学習された検出モデルを使用して、受け付けた前記整備の記録及び前記検査の記録から、不正な可能性のある整備である不正整備候補を検出する検出部120と、検出された前記不正整備候補の情報を出力する出力部130と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の整備の記録と当該自動車の検査の記録とを受け付ける記録受付手段と、
自動車の整備の記録と検査の記録とから、不正である可能性のある整備を検出するように学習された検出モデルを使用して、受け付けた前記整備の記録及び前記検査の記録から、不正な可能性のある整備である不正整備候補を検出する検出手段と、
検出された前記不正整備候補の情報を出力する出力手段と、
を備える検出装置。
【請求項2】
前記検出手段は、前記不正整備候補として検出された整備を行った頻度が不正整備基準を満たす整備者を不正整備者候補として検出し、
前記出力手段は、さらに、検出された前記不正整備者候補の情報を出力する
請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記検出モデルは、前記整備の記録と前記検査の記録とから、不正が行われた可能性のある検査を検出するようにさらに学習され、
前記検出手段は、前記検出モデルを使用して、受け付けた前記整備の記録及び前記検査の記録から、不正が行われた可能性がある検査である不正検査候補を検出し、
前記出力手段は、検出された前記不正検査候補の情報を出力する
請求項1又は2に記載の検出装置。
【請求項4】
前記検出手段は、前記不正検査候補として検出された検査を行った頻度が不正検査基準を満たす検査者を不正検査者候補として検出し、
前記出力手段は、検出された前記不正検査者候補の情報を出力する
請求項3に記載の検出装置。
【請求項5】
自動車の整備の記録と当該自動車の検査の記録と前記整備における不正の有無の記録とを用いて、整備の記録と検査の記録とから、不正である可能性のある整備を検出するように検出モデルを学習する学習手段と、
前記検出モデルの情報を出力するモデル出力手段と、
を備える学習装置。
【請求項6】
前記学習手段は、前記自動車の前記検査における不正の有無の記録をさらに用いて、整備の記録と検査の記録とから、不正である可能性のある検査をさらに検出するように前記検出モデルを学習する
請求項5に記載の学習装置。
【請求項7】
自動車の整備の記録と当該自動車の検査の記録とを受け付け、
自動車の整備の記録と検査の記録とから、不正である可能性のある整備を検出するように学習された検出モデルを使用して、受け付けた前記整備の記録及び前記検査の記録から、不正な可能性のある整備である不正整備候補を検出し、
検出された前記不正整備候補の情報を出力する、
検出方法。
【請求項8】
自動車の整備の記録と当該自動車の検査の記録と前記整備における不正の有無の記録とを用いて、整備の記録と検査の記録とから、不正である可能性のある整備を検出するように検出モデルを学習し、
前記検出モデルの情報を出力する、
学習方法。
【請求項9】
自動車の整備の記録と当該自動車の検査の記録とを受け付ける記録受付処理と、
自動車の整備の記録と検査の記録とから、不正である可能性のある整備を検出するように学習された検出モデルを使用して、受け付けた前記整備の記録及び前記検査の記録から、不正な可能性のある整備である不正整備候補を検出する検出処理と、
検出された前記不正整備候補の情報を出力する出力処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項10】
自動車の整備の記録と当該自動車の検査の記録と前記整備における不正の有無の記録とを用いて、整備の記録と検査の記録とから、不正である可能性のある整備を検出するように検出モデルを学習する学習処理と、
前記検出モデルの情報を出力するモデル出力処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、不正を検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の整備の記録及び車両の検査の電子的な記録の利用方法の例が、特許文献1及び2によって開示されている。
【0003】
特許文献1には、リコール対応の有無と車検実施の有無とを含む情報を用いて、信頼性の高い配送業者の選定を支援するシステムが記載されている。
【0004】
特許文献2には、車両の車検履歴等を含む情報により、車両の売買価格を算定するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-127385号公報
【特許文献2】特開2019-153335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
車両の整備を行う業者及び検査を行う業者に対する監査は、業者の工場等において行われる必要がある。このような監査を効率化するためには、整備及び検査の記録から、不正が行われた可能性のある整備又は検査を絞り込むことが有用である。特許文献1の技術は、リコール対応の有無と車検実施の有無とを含む情報を、信頼性の高い配送業者の選定に使用する技術である。特許文献2の技術は、車両の車検履歴を含む情報を、車両の売買価格の算出に使用する技術である。特許文献1及び2の技術では、例えば車両の整備又は検査における不正を検出することはできない。
【0007】
本開示の目的の1つは、不正が行われた可能性のある、自動車の整備を検出できる検出装置等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る検出装置は、自動車の整備の記録と当該自動車の検査の記録とを受け付ける記録受付手段と、整備の記録と検査の記録とから、不正である可能性のある整備を検出するように学習された検出モデルを使用して、受け付けた前記整備の記録及び前記検査の記録から、不正な可能性のある整備である不正整備候補を検出する検出手段と、検出された前記不正整備候補の情報を出力する出力手段と、を備える。
【0009】
本開示の一態様に係る学習装置は、自動車の整備の記録と当該自動車の検査の記録と前記整備における不正の有無の記録とを用いて、整備の記録と検査の記録とから、不正である可能性のある整備を検出するように検出モデルを学習する学習手段と、前記検出モデルの情報を出力するモデル出力手段と、を備える。
【0010】
本開示の一態様に係る検出方法は、自動車の整備の記録と当該自動車の検査の記録とを受け付け、整備の記録と検査の記録とから、不正である可能性のある整備を検出するように学習された検出モデルを使用して、受け付けた前記整備の記録及び前記検査の記録から、不正な可能性のある整備である不正整備候補を検出し、検出された前記不正整備候補の情報を出力する。
【0011】
本開示の一態様に係る学習方法は、自動車の整備の記録と当該自動車の検査の記録と前記整備における不正の有無の記録とを用いて、整備の記録と検査の記録とから、不正である可能性のある整備を検出するように検出モデルを学習し、前記検出モデルの情報を出力する。
【0012】
本開示の一態様に係るプログラムは、自動車の整備の記録と当該自動車の検査の記録とを受け付ける記録受付処理と、整備の記録と検査の記録とから、不正である可能性のある整備を検出するように学習された検出モデルを使用して、受け付けた前記整備の記録及び前記検査の記録から、不正な可能性のある整備である不正整備候補を検出する検出処理と、検出された前記不正整備候補の情報を出力する出力処理と、をコンピュータに実行させる。
【0013】
本開示の一態様に係るプログラムは、自動車の整備の記録と当該自動車の検査の記録と前記整備における不正の有無の記録とを用いて、整備の記録と検査の記録とから、不正である可能性のある整備を検出するように検出モデルを学習する学習処理と、前記検出モデルの情報を出力するモデル出力処理と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0014】
本開示には、不正が行われた可能性のある、自動車の整備を検出できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本開示の第1の実施形態に係る検出装置の構成の例を表すブロック図である。
【
図2】
図2は、本開示の第1の実施形態に係る検出装置の動作の例を表すフローチャートである。
【
図3】
図3は、本開示の第2の実施形態に係る学習装置の構成の例を表すブロック図である。
【
図4】
図4は、本開示の第2の実施形態に係る学習装置の動作の例を表すフローチャートである。
【
図5】
図5は、本開示の第3の実施形態に係る検出システムの構成の例を表すブロック図である。
【
図6】
図6は、本開示の第3の実施形態に係る学習装置の構成の例を表すブロック図である。
【
図7】
図7は、本開示の第3の実施形態に係る検出装置の構成の例を表すブロック図である。
【
図8】
図8は、本開示の第3の実施形態に係る学習装置の動作の例を表すフローチャートである。
【
図9】
図9は、本開示の第3の実施形態に係る検出装置の動作の例を表すフローチャートである。
【
図10】
図10は、本開示の第3の実施形態に係る検出装置の動作の例を表すフローチャートである。
【
図11】
図11は、本開示の第3の実施形態の変形例に係る検出装置の構成の例を表すブロック図である。
【
図12】
図12は、本開示の実施形態に係る検出装置及び学習装置の各々を実現できる、コンピュータのハードウェア構成の一例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、本開示の実施系他について、図面を使用して詳細に説明する。
【0017】
<第1の実施形態>
まず、本開示の第1の実施形態について、図面を使用して詳細に説明する。
【0018】
<構成>
図1は、本開示の第1の実施形態に係る検出装置10の構成の例を表すブロック図である。
図1に示す例では、本実施形態の検出装置10は、記録受付部110と、検出部120と、出力部130と、を備える。記録受付部110は、自動車の整備の記録と当該自動車の検査の記録とを受け付ける。検出部120は、整備の記録と検査の記録とから、不正である可能性のある整備を検出するように学習された検出モデルを使用して、受け付けた前記整備の記録及び前記検査の記録から、不正な可能性のある整備である不正整備候補を検出する。出力部130は、検出された前記不正整備候補の情報を出力する。
【0019】
整備の記録は、整備者によって自動車に対して行われた、整備の記録である。整備者は、例えば、自動車の整備を行う、整備工場又は自動車のディーラー等の事業者である。整備の記録は、例えば、整備の対象である自動車の識別子、整備が行われた日時の情報、行われた整備の項目、項目ごとの行われた作業の内容を含む。整備において複数の項目の作業が行われた場合、整備の記録は、複数の項目ごとに作業の内容を含む。作業の内容は、例えば、部品等(オイル等の消耗品を含む)の交換が行われた場合は交換された部品等の情報、部品の調整が行われた場合はその調整の内容の情報、検査が行われた場合はその検査の内容と結果との組み合わせなどの情報を含んでいてよい。整備の記録は、1台の自動車についての1回以上の整備の記録を含んでいてよい。整備の記録は、複数台の自動車の整備の記録を含んでいてよい。整備の記録は、これらの例に限られない。整備の記録は、上述の例以外の情報を含んでいてもよい。整備の記録は、上で例示した情報の少なくとも一部を含んでいなくてもよい。
【0020】
検査の記録は、検査者によって自動車に対して行われた、検査の記録である。検査は、例えば、自動車検査登録制度のもとで行われた検査である。検査は、自動車検査登録制度のもとで行われた検査でなくてもよい。検査者は、例えば、自動車検査登録制度のもとで行う検査の実施を認可された、整備工場等の事業者である。検査の記録は、検査の対象である自動車の識別子と、行われた検査の項目毎の、検査の内容と検査の結果との組み合わせと、を含む情報である。検査の結果は、例えば、測定値とその測定値を使用した合否判定の結果との組み合わせを含んでいてもよい。検査の結果は、例えば、測定値と、その測定が合格と判定される値の範囲の情報と、の組み合わせを含んでいてもよい。
【0021】
検出モデルは、上述のように、整備の記録と検査の記録とから不正である可能性のある整備を検出するように学習された、検出器である。学習の方法は、既存の任意の学習方法のいずれかであってよい。検出器は、例えば、専用の回路、又は、メモリにロードされたプログラムを実行するプロセッサを含むコンピュータによって実現される。
【0022】
検出モデルは、整備の記録と、検査の記録と、その整備における不正の有無の記録とを使用して、整備の記録と検査の記録とから、不正である可能性のある整備を検出するように学習される。整備における不正の有無の記録は、不正を判定する監査者によって、上述の整備の記録に記録されている整備が不正であるか否かが判定された結果を表す。
【0023】
なお、本実施形態の整備における不正の有無の記録では、1つ以上の項目を含む1回の整備において、少なくとも1つの項目に不正が判定された場合に、その整備における不正の有無の情報として、その整備に不正があったことが記録されている。そして、整備における不正の有無の記録において、少なくとも1つの項目に不正が判定された整備は、不正があった整備とみなされる。整備における不正の有無の記録では、整備の項目ごとに不正の有無が記録されていてよい。
【0024】
また、不正な整備と判定される整備(以下、整備の不正と表記)は、例えば、部品等の過剰な交換、不必要な部品等の交換、必要な整備をしないこと等を含む。部品等の過剰な交換は、その部品等の一般的な交換の間隔よりも所定基準以上短い間隔で、その部品などが交換されることである。部品等の過剰な交換は、その部品等の一般的な交換の間隔よりも所定基準以上短い間隔での、その部品などの交換の頻度が、所定頻度を超えることであってもよい。不必要な部品等の交換は、例えば、その部品等の交換の、前回の交換からの間隔が、その部品等の一般的な交換の間隔よりも長く、かつ、その部品等の交換が行われた整備の直前の検査において、その部品等に関する検査が正常であることである。必要な整備をしないことは、例えば、直後の検査において不合格になることである。整備の不正は、例えば、整備の虚偽の記録(行っていない作業を行った作業として記録すること等)を含んでいてもよい。整備の不正は、例えば、基準を満たさない違法部品への部品の交換を行うことであってもよい。整備の不正は、これらの例に限られない。
【0025】
検出モデルは、上述のように、整備の記録と検査の記録とから、整備が不正である可能性の程度を判定するように学習されていてよい。検出モデルの学習に、部品等の交換の推奨される頻度、整備の種類に応じた作業が行われるべき項目の情報等が用いられてもよい。整備の種類は、例えば、定期点検、及び、車検前整備等を含む。そして、検出モデルは、判定した、整備が不正である可能性の程度が、予め与えられた、可能性の程度に対する閾値よりも大きい場合に、その整備を、不正である可能性のある整備として検出するように構成されていてよい。
【0026】
なお、本実施形態では、検出モデルは、少なくとも1つの項目の整備において不正が行われた可能性のある整備を、不正である可能性のある整備として検出する。検出モデルは、例えば、整備の項目ごとに、整備が不正である可能性の程度を判定してよい。そして、検出モデルは、1回の整備における項目のうち、最も不正である可能性が高いことを示す、不正である可能性の程度を、その整備の、整備が不正である可能性の程度としてよい。検出モデルは、例えば、整備が不正である可能性の程度が所定の閾値(以下、不正整備閾値とも表記)を超える整備を、不正である可能性がある整備として検出してよい。検出モデルは、整備が不正である可能性の程度が不正整備閾値を超える項目を、不正である可能性がある項目として検出してもよい。
【0027】
不正な可能性がある整備すなわち不正整備候補の情報は、例えば、整備を行った整備者の情報、整備の内容、判定された整備が不正である可能性の程度等を含んでいてよい。不正整備候補の情報は、例えば、不正整備候補の項目ごとの整備が不正である可能性の程度と、不正整備候補の項目のうち、整備が不正である項目として検出された項目を示す情報とを含んでいてもよい。不正整備候補の情報は、この例に限られない。不正整備候補の情報は、整備に関する他の情報を含んでいてもよい。不正整備候補の情報は、上で例示した情報の少なくとも一部を含んでいなくてもよい。
【0028】
<動作>
次に、本開示の第1の実施形態に係る検出装置10の動作について、図面を使用して詳細に説明する。
【0029】
図2は、本開示の第1の実施形態に係る検出装置10の動作の例を表すフローチャートである。
図2に示す例では、まず、記録受付部110が、整備の記録と整備のご検査の記録とを受け取る(ステップS11)。次に、検出部120が、検出モデルを使用して、整備の記録と検査の記録とから、不正が行われた可能性のある不正整備候補を検出する(ステップS12)。そして、出力部130は、不正整備候補の情報を出力する(ステップS13)。
【0030】
<効果>
本実施形態には、不正が行われた可能性のある、自動車の整備を検出できるという効果がある。その理由は、検出部120が、検出モデルを使用して、自動車の整備の記録と検査の記録とから、不正が行われた可能性のある不正整備候補を検出するからである。
【0031】
<第2の実施形態>
次に、本開示の第2の実施形態について、図面を使用して詳細に説明する。本開示の第2の実施形態に係る学習装置20は、第1の実施形態の検出モデルの学習を行う装置である。
【0032】
<構成>
図3は、本開示の第2の実施形態に係る学習装置20の構成の例を表すブロック図である。
図3に示す例では、本実施形態の学習装置20は、学習部220と、モデル出力部230と、を備える。学習部220は、自動車の整備の記録と当該自動車の検査の記録と前記整備における不正の有無の記録とを用いて、整備の記録と検査の記録とから、不正である可能性のある整備を検出するように検出モデルを学習する。モデル出力部230は、前記検出モデルの情報を出力する。
【0033】
整備の記録、検査の記録及び不正整備候補の情報は、第1の実施形態の整備の記録、検査の記録及び不正整備候補の情報と同じである。
【0034】
本実施形態の不正の有無の記録は、第1の実施形態の説明における不正の有無の記録と同じである。
【0035】
学習部220は、検出モデルの学習に、部品等の交換の推奨される頻度、整備の種類に応じた作業が行われるべき項目の情報等を用いてもよい。
【0036】
<動作>
図4は、本開示の第2の実施形態に係る学習装置20の動作の例を表すフローチャートである。
図4に示す例では、学習部220は、整備の記録と検査の記録と整備における不正の有無の記録とを使用して、検出モデルを学習する(ステップS21)。そして、モデル出力部230は、検出モデルを出力する(ステップS222)。
【0037】
<効果>
本実施形態には、不正が行われた可能性のある、自動車の整備を検出できるという効果がある。その理由は、学習部220が、自動車の整備の記録とその自動車の検査の記録と前述の整備における不正の有無の記録とを用いて、整備の記録と検査の記録とから、不正である可能性のある整備を検出するように検出モデルを学習するからである。
【0038】
<第3の実施形態>
次に、本開示の第3の実施形態について、図面を使用して詳細に説明する。
【0039】
<構成>
図5は、本開示の第3の実施形態に係る検出システムの構成の例を表すブロック図である。
図5に示す例では、本実施形態の検出システムは、通信可能に互いに接続された、検出装置100と学習装置200とを含む。
【0040】
図6は、本開示の第3の実施形態に係る学習装置200の構成の例を表すブロック図である。
図6に示す例では、学習装置200は、判定結果受付部210と、学習部220と、モデル出力部230とを含む。
【0041】
図7は、本開示の第3の実施形態に係る検出装置100の構成の例を表すブロック図である。
図7に示す例では、検出装置100は、記録受付部110と、検出部120と、出力部130と、モデル受付部140とを含む。
【0042】
<学習装置200>
まず、本実施形態の学習装置200について詳細に説明する。
【0043】
<判定結果受付部210>
判定結果受付部210は、自動車の整備の記録と自動車の検査の記録と整備における不正の有無の記録と検査における不正の有無の記録とを、例えばそれらの記録を記憶するサーバから受け付ける。
【0044】
整備の記録は、第1の実施形態の説明における整備の記録と同様である。ただし、判定結果受付部210によって受け付けられる整備の記録は、様々な自動車の整備の記録を含む。
【0045】
検査の記録は、第1の実施形態の説明における整備の記録と同様である。判定結果受付部210によって受け付けられる検査の記録は、様々な自動車の整備の記録を含む。
【0046】
整備における不正の有無の記録は、第1の実施形態の説明における整備における不正の有無の記録と同様である。上述のように、整備における不正の有無の記録は、不正を判定する監査者によって、整備の記録に記録されている整備が不正であるか否かが判定された結果を表す。判定結果受付部210によって受け付けられる整備における不正の有無の記録は、判定結果受付部210によって受け付けられる整備の記録に記録されている整備における、不正の有無の記録である。
【0047】
監査者によって不正であると判定された整備(すなわち、上述の整備の不正)の例は、第1の実施形態の説明に記載されている例と同じである。
【0048】
検査における不正の有無の記録は、不正を判定する監査者によって、検査の記録に記録されている検査が不正であるか否かが判定された結果を表す。判定結果受付部210によって受け付けられる検査における不正の有無の記録は、判定結果受付部210によって受け付けられる検査の記録に記録されている検査における不正の有無の記録である。
【0049】
監査者によって不正であると判定された検査(すなわち、上述の検査の不正)は、例えば、検査における合格率が、検査前の所定期間以内の整備の有無によらないこと(すなわち、検査前の所定期間以内に整備をしなかった場合の合格率と整備検査前の所定期間以内に整備をした場合の合格率との差が所定閾値よりも小さいこと)を含む。検査の不正は、例えば、検査における合格率が、検査前の所定期間以内の整備の有無によらず、所定合格率閾値よりも大きいことであってもよい。検査の不正は、例えば、検査前の所定期間以内に整備が行われなかった場合の検査における合格率が、所定合格率閾値よりも大きいことであってもよい。検査の不正は、合格した検査後の所定期間以内に、整備(例えば、検査に関係する部品の交換を伴う整備)が行われたことであってもよい。検査の不正は、必要な検査の項目の記録がないことであってもよい。検査の不正は、基準を満たさない違法部品への交換の後の検査の結果が合格であることであってもよい。検査の不正は、これらの例に限られない。
【0050】
本実施形態の検査における不正の有無の記録では、1つ以上の項目を含む1回の検査において、少なくとも1つの項目に不正が判定された場合に、その検査における不正の有無の情報として、その検査に不正があったことが記録されている。そして、検査における不正の有無の記録において、少なくとも1つの項目に不正が判定された検査は、不正があった検査とみなされる。検査における不正の有無の記録では、検査の項目ごとに不正の有無が記録されていてよい。
【0051】
判定結果受付部210が受け付けたこれらの記録において、同一の自動車の、整備の記録と検査の記録と整備における不正の有無の記録と検査における不正の有無の記録とは、互いに関連付けられている。例えば、整備の記録及び検査の記録において、同一の車両に対して同一の識別子が使用されていてよい。そして、整備における不正の有無の記録は、整備の記録に記録されている整備の項目の各々が不正な整備と判定されたか否かを特定できるように生成されている。検査における不正の有無の記録は、検査の記録に記録されている検査の項目の各々が不正な検査と判定されたか否かを特定できるように生成されている。
【0052】
判定結果受付部210は、自動車の整備の記録と自動車の検査の記録と整備における不正の有無の記録と検査における不正の有無の記録とを、学習部220に送出する。
【0053】
<学習部220>
学習部220は、判定結果受付部210から、自動車の整備の記録と自動車の検査の記録と整備における不正の有無の記録と検査における不正の有無の記録とを受け取る。
【0054】
学習部220は、受け取った、自動車の整備の記録と自動車の検査の記録と整備における不正の有無の記録と検査における不正の有無の記録とを使用して、例えば以下のように、検出モデルを学習する。具体的には、学習部220は、受け取った、自動車の整備の記録と自動車の検査の記録と整備における不正の有無の記録とを用いて、整備の記録と検査の記録とから、不正である可能性のある整備を検出するように検出モデルを学習する。学習部220は、さらに、受け取った、自動車の整備の記録と自動車の検査の記録と検査における不正の有無の記録とを用いて、整備の記録と検査の記録とから、不正である可能性のある検査をさらに検出するように検出モデルを学習する。学習部220は、受け取った、自動車の整備の記録と自動車の検査の記録と整備における不正の有無の記録と検査における不正の有無の記録とを用いて、整備の記録と検査の記録とから、不正である可能性のある整備と不正である可能性のある検査とを検出するように検出モデルを学習してもよい。検出モデルの学習の方法は、既存の機械学習の技術を使用した方法のいずれかであってよい。
【0055】
学習部220は、学習によって、例えば以下で説明するような学習モデルを生成する。
【0056】
本実施形態では、第1の実施形態で説明した検出モデルと同様に、検出モデルは、少なくとも1つの項目の整備において不正が行われた可能性のある整備を、不正である可能性のある整備として検出する。検出モデルは、例えば、整備の項目ごとに、整備が不正である可能性の程度を判定してよい。そして、検出モデルは、1回の整備における項目のうち、最も不正である可能性が高いことを示す、不正である可能性の程度を、その整備の、整備が不正である可能性の程度としてよい。検出モデルは、例えば、整備が不正である可能性の程度が所定の閾値(上述の不正整備閾値)を超える整備を、不正である可能性がある整備として検出してよい。検出モデルは、整備が不正である可能性の程度が不正整備閾値を超える項目を、不正である可能性がある項目として検出してもよい。
【0057】
不正な可能性がある整備すなわち不正整備候補の情報は、例えば、整備を行った整備者の情報、整備の内容、判定された整備が不正である可能性の程度等を含んでいてよい。不正整備候補の情報は、例えば、不正整備候補の項目ごとの整備が不正である可能性の程度と、不正整備候補の項目のうち、整備が不正である項目として検出された項目を示す情報とを含んでいてもよい。不正整備候補の情報は、この例に限られない。不正整備候補の情報は、整備に関する他の情報を含んでいてもよい。不正整備候補の情報は、上で例示した情報の少なくとも一部を含んでいなくてもよい。
【0058】
本実施形態では、検出モデルは、さらに、少なくとも1つの項目の検査において不正が行われた可能性のある検査を、不正である可能性のある検査として検出する。検出モデルは、例えば、検査の項目ごとに、検査が不正である可能性の程度を判定してよい。そして、検出モデルは、1回の検査における項目のうち、最も不正である可能性が高いことを示す、不正である可能性の程度を、その検査の、検査が不正である可能性の程度としてよい。検出モデルは、例えば、検査が不正である可能性の程度が所定の閾値(以下、不正検査閾値とも表記)を超える検査を、不正である可能性がある検査として検出してよい。検出モデルは、検査が不正である可能性の程度が不正検査閾値を超える項目を、不正である可能性がある項目として検出してもよい。
【0059】
不正な可能性がある検査すなわち不正検査候補の情報は、例えば、検査を行った検査者の情報、検査の内容、判定された検査が不正である可能性の程度等を含んでいてよい。不正検査候補の情報は、例えば、不正検査候補の項目ごとの検査が不正である可能性の程度と、不正検査候補の項目のうち、検査が不正である項目として検出された項目を示す情報とを含んでいてもよい。不正検査候補の情報は、この例に限られない。不正検査候補の情報は、検査に関する他の情報を含んでいてもよい。不正検査候補の情報は、上で例示した情報の少なくとも一部を含んでいなくてもよい。
【0060】
学習部220は、学習によって生成した検出モデルの情報を、モデル出力部230に送出する。検出モデルの情報は、例えば、上述のプロセッサを検出モデルとして動作させるのに必要な情報である。検出モデルの情報は、例えば、検出モデルのプログラムモジュールが学習によって得られた検出モデルとして動作するための、学習によって得られた、検出モデルのプログラムモジュールに与えられるパラメータの値)を含む。検出モデルの情報は、検出モデルのプログラムモジュールそのもののデータを含んでいてもよい。
【0061】
<モデル出力部230>
モデル出力部230は、学習部220から、検出モデルの情報を受け取る。モデル出力部230は、受け取った検出モデルの情報を、例えば検出装置100(具体的には、検出装置100のモデル受付部140)に送信する。
【0062】
<検出装置100>
次に、本実施形態の検出装置100について詳細に説明する。
【0063】
<モデル受付部140>
モデル受付部140は、学習装置200(具体的には、学習装置のモデル出力部230)から、検出モデルの情報を受け付ける。モデル受付部140は、受け付けた検出モデルの情報を、検出部120に送出する。
【0064】
<記録受付部110>
記録受付部110は、自動車の整備の記録とその自動車の検査の記録とを受け付ける。記録受付部110は、第1の実施形態の記録受付部110と同じである。記録受付部110は、例えば、検出装置と通信可能に接続された、ユーザが使用する端末装置等から、自動車の整備の記録とその自動車の検査の記録とを受け付けてよい。整備の記録及び検査の記録は、第1の実施形態の整備の記録及び検査の記録と同じである。
【0065】
記録受付部110は、自動車の整備の記録とその自動車の検査の記録とを検出部120に送出する。
【0066】
<検出部120>
検出部120は、モデル受付部140から、上述の検出モデルの情報を受け取る。
【0067】
また、検出部120は、記録受付部110から、自動車の整備の記録とその自動車の検査の記録とを受け取る。
【0068】
検出部120は、検出モデルを使用して、受け取った自動車の整備の記録とその自動車の検査の記録とから、不正の可能性がある整備(すなわち、不正整備候補)を検出する。また、検出部120は、検出モデルを使用して、受け取った自動車の整備の記録とその自動車の検査の記録とから、不正の可能性がある検査(以下、不正検査候補とも表記)を検出する。
【0069】
検出部120は、受け取った整備の記録に記録されている整備のうち、不正整備候補として検出された整備を行った件数(頻度とも表記)が所定数(以下、不正整備者閾値)を超える整備者を検出してもよい。不正整備候補として検出された整備を行った件数が不正整備者閾値を超えることを、不正整備基準と表記する。言い換えると、検出部120は、受け取った整備の記録に記録されている整備のうち、不正整備候補として検出された整備を行った件数が不正整備基準を満たす整備者を検出する。
【0070】
検出部120は、さらに、受け取った検査の記録に記録されている検査のうち、不正検査候補として検出された検査を行った件数(頻度とも表記)が所定数(以下、不正検査者閾値)を超える検査者を検出してもよい。不正検査候補として検出された検査を行った件数が不正検査者閾値を超えることを、不正検査基準と表記する。言い換えると、検出部120は、受け取った検査の記録に記録されている検査のうち、不正検査候補として検出された検査を行った件数が不正検査基準を満たす検査者を検出する。
【0071】
検出部120は、検出した不正整備候補の情報を、出力部130に送出する。検出部120は、さらに、検出した不正検査候補の情報を、出力部130に送出する。また、検出部120は、検出した不正整備者候補の情報を、出力部130に送出する。検出部120は、さらに、検出した不正検査者候補の情報を、出力部130に送出する。
【0072】
本実施形態の不正整備候補の情報は、第1の実施形態の不正整備候補の情報と同じである。
【0073】
不正な可能性がある検査すなわち不正検査候補の情報は、例えば、検査を行った検査者の情報、検査の内容、判定された検査が不正である可能性の程度等を含んでいてよい。不正検査候補の情報は、例えば、不正検査候補の項目ごとの検査が不正である可能性の程度と、不正検査候補の項目のうち、検査が不正である項目として検出された項目を示す情報とを含んでいてもよい。不正検査候補の情報は、この例に限られない。不正検査候補の情報は、検査に関する他の情報を含んでいてもよい。不正検査候補の情報は、上で例示した情報の少なくとも一部を含んでいなくてもよい。
【0074】
不正整備者候補の情報は、不正整備者候補として検出された整備者の識別子を含んでいてもよい。不正整備者候補の情報は、不正整備者候補として検出された整備者の、名称、所在地、責任者等の情報を含んでいてもよい。この場合、検出部120は、整備者の識別子、名称、所在地、責者などの情報を予め保持する。
【0075】
不正検査者候補の情報は、不正検査者候補として検出された検査者の識別子を含んでいてもよい。不正検査者候補の情報は、不正検査者候補として検出された検査者の、名称、所在地、責任者等の情報を含んでいてもよい。この場合、検出部120は、検査者の識別子、名称、所在地、責者などの情報を予め保持する。
【0076】
<出力部130>
出力部130は、不正整備候補の情報を、検出部120から受け取る。出力部130は、さらに、不正検査候補の情報を、検出部120から受け取る。また、出力部130は、不正整備者候補の情報を、検出部120から受け取る。出力部130は、さらに、不正検査者候補の情報を、検出部120から受け取る。
【0077】
出力部130は、不正整備候補の情報を出力する。出力部130は、不正検査候補の情報を出力してよい。出力部130は、不正整備者候補の情報を出力してよい。出力部130は、不正検査者候補の情報を出力してよい。出力部130は、これらの情報を、表示装置に出力(すなわち、表示)してもよい。出力部130は、これらの情報を、ユーザが保持する端末装置に出力してもよい。出力部130は、これらの情報を、他の情報処理装置に出力してもよい。出力部130は、これらの情報を、記憶装置に格納してもよい。
【0078】
<動作>
次に、本開示の第3の実施形態の動作について、図面を使用して詳細に説明する。
【0079】
図8は、本開示の第3の実施形態に係る学習装置200の動作の例を表すフローチャートである。
図8に示す例では、判定結果受付部210が、整備の記録と検査の記録と整備における不正の有無の記録と検査における不正の有無の記録とを受け付ける(ステップS201)。整備の記録、検査の記録、整備における不正の有無の記録及び検査における不正の有無の記録は、整備と検査とにおける不正の有無の判定の結果と言える。言い換えると、判定結果受付部210は、整備と検査とにおける不正の有無の判定の結果を受け付ける。
【0080】
次に、学習部220が、整備の記録と検査の記録と整備における不正の有無の記録と検査における不正の有無の記録とを使用して、検出モデルを学習する(ステップS202)。
【0081】
そして、モデル出力部230が、検出モデルを出力する(ステップS203)。具体的には、モデル出力部230は、検出モデルの情報を出力する。
【0082】
図9及び
図10は、本開示の第3の実施形態に係る検出装置100の動作の例を表すフローチャートである。
【0083】
図9に示す例では、まず、記録受付部110が、整備の記録と検査の記録とを受け付ける(ステップS101)。この整備の記録及び検査の記録は、同一の自動車の整備の記録及び検査の記録を含む、である。
【0084】
土に、検出部120が、検出モデルを使用して、整備の記録と検査の記録とから、不正が行われた可能性のある不正整備候補を検出する(ステップS102)。検出部120は、検出した不正整備候補を使用して、不正整備者候補を検出する(ステップS103)。検出部120は、例えば、不正整備候補として検出された整備の回数(言い換えると、頻度)が不正整備者基準を満たす整備者を、不正整備者候補として検出してよい。検出部120は、例えば、不正整備候補として検出された整備の回数が所定の不正整備者閾値よりも大きい整備者を、不正整備者基準を満たす不正整備者候補として検出してよい。
【0085】
検出部120は、検出モデルを使用して、さらに、整備の記録と検査の記録とから、不正が行われた可能性のある不正検査候補を検出する(ステップS104)。検出部120は、検出した不正検査候補を使用して、不正検査者候補を検出する(ステップS105)。検出部120は、例えば、不正検査候補として検出された検査の回数(言い換えると、頻度)が不正検査者基準を満たす検査者を、不正検査者候補として検出してよい。検出部120は、例えば、不正検査候補として検出された検査の回数が所定の不正検査者閾値よりも大きい整備者を、不正検査者基準を満たす不正検査者候補として検出してよい。次に、検出装置100は、
図9に示す動作を行う。
【0086】
図9に示す例では、検出装置100の出力部130は、不正整備候補の情報を出力する(ステップS106)。出力部130は、さらに、不正整備者候補の情報を出力する(ステップS107)。また、出力部130は、不正検査候補の情報を出力する(ステップS108)。出力部130は、さらに、不正検査者候補の情報を出力する(ステップS109)。
【0087】
<効果>
以上で説明した本実施形態には、第1の実施形態と同じ効果がある。その理由は、第1の実施形態の効果が生じる理由と同じである。
【0088】
本実施形態には、不正な整備を行った可能性のある、自動車の整備者を検出できるという効果もある。その理由は、検出部120が、検出された不正整備候補を使用して、不正な整備を行った可能性のある、自動車の整備者、すなわち、不正検査者候補を検出するからである。
【0089】
本実施形態には、不正が行われた可能性のある、自動車の検査を検出できるという効果もある。その理由は、検出部120が、上述の検出モデルを使用して、整備の記録と検査の記録とから、不正が行われた可能性のある、自動車の検査、すなわち、不正検査候補を検出するからである。
【0090】
本実施形態には、不正な検査を行った可能性のある、自動車の検査者を検出できるという効果もある。その理由は、検出部120が、検出された不正検査候補を使用して、不正な検査を行った可能性のある、自動車の検査者、すなわち、不正検査者候補を検出するからである。
【0091】
<第3の実施形態の変形例>
次に、第3の実施形態の変形例について説明する。
【0092】
図11は、本開示の第3の実施形態の変形例に係る検出装置101の構成の例を表すブロック図である。本変形例の検出装置101は、以下で説明する相違点を除いて、第3の実施形態と同じである。
図11に示す例では、本変形例の検出装置101は、記録受付部110と、検出部120と、出力部130と、判定結果受付部210と、学習部220と、モデル出力部230とを含む。本変形例の検出装置101は、第3の実施形態の検出装置100として動作し、さらに、第3の実施形態の学習装置200としても動作する。
【0093】
モデル出力部230は、検出モデルの情報を、検出部120に送出する。検出部120は、検出モデルの情報を、モデル出力部230から受け取る。
【0094】
以上の点を除いて、本変形例の記録受付部110、検出部120と、出力部130と、判定結果受付部210と、学習部220及びモデル出力部230は、第3の実施形態の記録受付部110、検出部120と、出力部130と、判定結果受付部210と、学習部220及びモデル出力部230と同じである。
【0095】
<他の実施形態>
検出装置10、学習装置20、検出装置100、検出装置101、学習装置200の各々は、メモリにロードされたプログラムを実行するプロセッサを含むコンピュータによって実現できる。検出装置10、学習装置20、検出装置100、検出装置101、学習装置200の各々は、専用のハードウェアによっても実現できる。検出装置10、学習装置20、検出装置100、検出装置101、学習装置200の各々は、前述のコンピュータと専用のハードウェアとの組み合わせによっても実現できる。
【0096】
図12は、検出装置10、学習装置20、検出装置100、検出装置101、学習装置200の各々を実現できる、コンピュータ1000のハードウェア構成の一例を表す図である。
図12に示す例では、コンピュータ1000は、プロセッサ1001と、メモリ1002と、記憶装置1003と、I/O(Input/Output)インタフェース1004とを含む。また、コンピュータ1000は、記憶媒体1005にアクセスすることができる。メモリ1002と記憶装置1003は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクなどの記憶装置である。記憶媒体1005は、例えば、RAM、ハードディスクなどの記憶装置、ROM(Read Only Memory)、可搬記憶媒体である。記憶装置1003が記憶媒体1005であってもよい。プロセッサ1001は、メモリ1002と、記憶装置1003に対して、データやプログラムの読み出しと書き込みを行うことができる。プロセッサ1001は、I/Oインタフェース1004を介して、例えば、他の装置にアクセスすることができる。プロセッサ1001は、記憶媒体1005にアクセスすることができる。記憶媒体1005には、コンピュータ1000を、本開示の実施形態に係る検出装置として動作させるプログラム、又は、本開示の実施形態に係る学習装置として動作させるプログラムが格納されている。
【0097】
プロセッサ1001は、記憶媒体1005に格納されている、コンピュータ1000を、本開示の実施形態に係る検出装置として動作させるプログラムを、メモリ1002にロードする。そして、プロセッサ1001が、メモリ1002にロードされたプログラムを実行することにより、コンピュータ1000は、本開示の実施形態に係る検出装置として動作する。
【0098】
プロセッサ1001は、記憶媒体1005に格納されている、コンピュータ1000を、本開示の実施形態に係る学習装置として動作させるプログラムを、メモリ1002にロードする。そして、プロセッサ1001が、メモリ1002にロードされたプログラムを実行することにより、コンピュータ1000は、本開示の実施形態に係る学習装置として動作する。
【0099】
記録受付部110検出部120、出力部130、モデル受付部140、判定結果受付部210、学習部220、モデル出力部230は、例えば、メモリ1002にロードされたプログラムを実行するプロセッサ1001により実現することができる。記録受付部110検出部120、出力部130、モデル受付部140、判定結果受付部210、学習部220、モデル出力部230の一部又は全部を、各部の機能を実現する専用の回路によって実現することもできる。
【0100】
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0101】
(付記1)
自動車の整備の記録と当該自動車の検査の記録とを受け付ける記録受付手段と、
自動車の整備の記録と検査の記録とから、不正である可能性のある整備を検出するように学習された検出モデルを使用して、受け付けた前記整備の記録及び前記検査の記録から、不正な可能性のある整備である不正整備候補を検出する検出手段と、
検出された前記不正整備候補の情報を出力する出力手段と、
を備える検出装置。
【0102】
(付記2)
前記検出手段は、前記不正整備候補として検出された整備を行った頻度が不正整備基準を満たす整備者を不正整備者候補として検出し、
前記出力手段は、さらに、検出された前記不正整備者候補の情報を出力する
付記1に記載の検出装置。
【0103】
(付記3)
前記検出モデルは、前記整備の記録と前記検査の記録とから、不正が行われた可能性のある検査を検出するようにさらに学習され、
前記検出手段は、前記検出モデルを使用して、受け付けた前記整備の記録及び前記検査の記録から、不正が行われた可能性がある検査である不正検査候補を検出し、
前記出力手段は、検出された前記不正検査候補の情報を出力する
付記1又は2に記載の検出装置。
【0104】
(付記4)
前記検出手段は、前記不正検査候補として検出された検査を行った頻度が不正検査基準を満たす検査者を不正検査者候補として検出し、
前記出力手段は、検出された前記不正検査者候補の情報を出力する
付記3に記載の検出装置。
【0105】
(付記5)
自動車の整備の記録と当該自動車の検査の記録と前記整備における不正の有無の記録とを用いて、整備の記録と検査の記録とから、不正である可能性のある整備を検出するように検出モデルを学習する学習手段と、
前記検出モデルの情報を出力するモデル出力手段と、
を備える学習装置。
【0106】
(付記6)
前記学習手段は、前記自動車の前記検査における不正の有無の記録をさらに用いて、整備の記録と検査の記録とから、不正である可能性のある検査をさらに検出するように前記検出モデルを学習する
付記5に記載の学習装置。
【0107】
(付記7)
自動車の整備の記録と当該自動車の検査の記録とを受け付け、
自動車の整備の記録と検査の記録とから、不正である可能性のある整備を検出するように学習された検出モデルを使用して、受け付けた前記整備の記録及び前記検査の記録から、不正な可能性のある整備である不正整備候補を検出し、
検出された前記不正整備候補の情報を出力する、
検出方法。
【0108】
(付記8)
前記不正整備候補として検出された整備を行った頻度が不正整備基準を満たす整備者を不正整備者候補として検出し、
さらに、検出された前記不正整備者候補の情報を出力する
付記7に記載の検出方法。
【0109】
(付記9)
前記検出モデルは、前記整備の記録と前記検査の記録とから、不正が行われた可能性のある検査を検出するようにさらに学習され、
前記検出モデルを使用して、受け付けた前記整備の記録及び前記検査の記録から、不正が行われた可能性がある検査である不正検査候補を検出し、
検出された前記不正検査候補の情報を出力する
付記7又は8に記載の検出方法。
【0110】
(付記10)
前記不正検査候補として検出された検査を行った頻度が不正検査基準を満たす検査者を不正検査者候補として検出し、
検出された前記不正検査者候補の情報を出力する
付記9に記載の検出方法。
【0111】
(付記11)
自動車の整備の記録と当該自動車の検査の記録と前記整備における不正の有無の記録とを用いて、整備の記録と検査の記録とから、不正である可能性のある整備を検出するように検出モデルを学習し、
前記検出モデルの情報を出力する、
学習方法。
【0112】
(付記12)
前記自動車の前記検査における不正の有無の記録をさらに用いて、整備の記録と検査の記録とから、不正である可能性のある検査をさらに検出するように前記検出モデルを学習する
付記11に記載の学習方法。
【0113】
(付記13)
自動車の整備の記録と当該自動車の検査の記録とを受け付ける記録受付処理と、
自動車の整備の記録と検査の記録とから、不正である可能性のある整備を検出するように学習された検出モデルを使用して、受け付けた前記整備の記録及び前記検査の記録から、不正な可能性のある整備である不正整備候補を検出する検出処理と、
検出された前記不正整備候補の情報を出力する出力処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【0114】
(付記14)
前記検出処理は、前記不正整備候補として検出された整備を行った頻度が不正整備基準を満たす整備者を不正整備者候補として検出し、
前記出力処理は、さらに、検出された前記不正整備者候補の情報を出力する
付記13に記載のプログラム。
【0115】
(付記15)
前記検出モデルは、前記整備の記録と前記検査の記録とから、不正が行われた可能性のある検査を検出するようにさらに学習され、
前記検出処理は、前記検出モデルを使用して、受け付けた前記整備の記録及び前記検査の記録から、不正が行われた可能性がある検査である不正検査候補を検出し、
前記出力処理は、検出された前記不正検査候補の情報を出力する
付記13又は14に記載のプログラム。
【0116】
(付記16)
前記不正検査候補として検出された検査を行った頻度が不正検査基準を満たす検査者を不正検査者候補として検出し、
検出された前記不正検査者候補の情報を出力する
付記15に記載のプログラム。
【0117】
(付記17)
自動車の整備の記録と当該自動車の検査の記録と前記整備における不正の有無の記録とを用いて、整備の記録と検査の記録とから、不正である可能性のある整備を検出するように検出モデルを学習する学習処理と、
前記検出モデルの情報を出力するモデル出力処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【0118】
(付記18)
前記学習処理は、前記自動車の前記検査における不正の有無の記録をさらに用いて、整備の記録と検査の記録とから、不正である可能性のある検査をさらに検出するように前記検出モデルを学習する
付記17に記載のプログラム。
【0119】
以上、実施形態を参照して本開示発明を説明したが、本開示発明は上記実施形態に限定されるものではない。本開示発明の構成や詳細には、本開示発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0120】
10 検出装置
20 学習装置
100 検出装置
101 検出装置
110 記録受付部
120 検出部
130 出力部
140 モデル受付部
200 学習装置
210 判定結果受付部
220 学習部
230 モデル出力部
1000 コンピュータ
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 記憶装置
1004 I/Oインタフェース
1005 記憶媒体