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特開2024-6216通信制御装置、通信制御方法および通信制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006216
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】通信制御装置、通信制御方法および通信制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 45/302 20220101AFI20240110BHJP
【FI】
H04L45/302
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106910
(22)【出願日】2022-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】田山 陽司
(72)【発明者】
【氏名】宮垣 貴之
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030GA11
5K030HA08
5K030HB17
5K030HC09
5K030JA07
5K030KX13
5K030KX29
5K030LB05
(57)【要約】
【課題】複数のネットワークスライスの通信を収容する場合に、パケットが属するネットワークスライスの優先度に応じてパケットを送信することを可能にする。
【解決手段】
通信制御装置は、パケットを受信する受信部と、パケットが属するネットワークスライスと、QoSにおけるクラスとを識別する識別部と、キュー群のいずれかのキューに、パケットの識別結果に従ってパケットを振り分ける振分部と、対応するネットワークスライスにおけるQoSに応じたパケット転送処理を行う複数のデータ転送部と、データ転送部から受信したパケットを、物理ポートを介して送信する送信部と、を備え、データ転送部は、対応するネットワークスライスに対応するキューグループからパケットを取得し、送信部は、スライス優先度がより高いネットワークスライスに対応するデータ転送部から受信したパケットを優先して送信する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理ポートを介してパケットを受信する受信部と、
受信された前記パケットについて、前記パケットが属するネットワークスライスとQoS(Quality of Service)におけるクラスとを識別する識別部と、
複数の前記ネットワークスライスの各々に対応付けられている複数のキューグループを有するキュー群であって、前記QoSにおける複数のクラスの各々に対応する複数のキューが複数の前記キューグループの各々に含まれる前記キュー群のいずれかの前記キューに、前記パケットの識別結果に従って前記パケットを振り分ける振分部と、
複数の前記ネットワークスライスの各々に対応して設けられ、対応する前記ネットワークスライスにおける前記QoSに応じたパケット転送処理を行う複数のデータ転送部と、
前記データ転送部から受信した前記パケットを、物理ポートを介して送信する送信部と、
を備え、
複数の前記データ転送部の各々は、対応する前記ネットワークスライスに対応付けられている前記キューグループの前記キューから前記パケットを取得し、取得した前記パケットに対して前記QoSに応じた前記パケット転送処理を行い、
前記送信部は、複数の前記データ転送部のうち、前記ネットワークスライスの優先度であるスライス優先度がより高い前記ネットワークスライスに対応する前記データ転送部から受信した前記パケットを優先して送信する、
通信制御装置。
【請求項2】
前記送信部は、前記パケットが属する前記ネットワークスライスを識別する際の識別ルール、および、前記ネットワークスライスと前記データ転送部との間の対応関係に基づいて、前記データ転送部の前記スライス優先度を決定する、
請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項3】
前記振分部は、最優先処理パケット用のネットワークスライスに属する前記パケットを、最優先処理パケット用のキューグループのキューに振り分け、
前記送信部は、前記最優先処理パケット用のキューグループからパケットを取得し、取得したパケットを、前記データ転送部から受信したパケットより優先して送信する、
請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項4】
前記受信部、前記識別部、前記振分部および前記送信部は、スマートNIC(Network Interface Card)に含まれ、前記データ転送部は、CPU(Central Processing Unit)に含まれる、
請求項1から請求項3のいずれかに記載の通信制御装置。
【請求項5】
複数の前記データ転送部の各々は、前記スマートNICと前記データ転送部との間の、前記データ転送部ごとに異なるポートに前記パケットを送信し、
前記送信部は、前記データ転送部によって前記パケットが送信された前記ポートによって、前記パケットの送信元の前記データ転送部を識別する、
請求項4に記載の通信制御装置。
【請求項6】
UPF(User Plane Function)である、
請求項1から請求項3のいずれかに記載の通信制御装置。
【請求項7】
物理ポートを介してパケットを受信し、
受信された前記パケットについて、前記パケットが属するネットワークスライスとQoSにおけるクラスとを識別し、
複数の前記ネットワークスライスの各々に対応付けられている複数のキューグループを有するキュー群であって、前記QoSにおける複数のクラスの各々に対応する複数のキューが複数の前記キューグループの各々に含まれる前記キュー群のいずれかの前記キューに、前記パケットの識別結果に従って前記パケットを振り分け、
複数の前記ネットワークスライスの各々に対応して設けられるデータ転送部において、対応する前記ネットワークスライスに対応付けられている前記キューグループの前記キューから前記パケットを取得し、取得した前記パケットに対して前記QoSに応じたパケット転送処理を行い、
複数の前記データ転送部のうち、前記ネットワークスライスの優先度であるスライス優先度がより高い前記ネットワークスライスに対応する前記データ転送部から受信した前記パケットを優先して、前記データ転送部から受信した前記パケットを、物理ポートを介して送信する、
通信制御方法。
【請求項8】
前記パケットが属する前記ネットワークスライスを識別する際の識別ルール、および、前記ネットワークスライスと前記データ転送部との間の対応関係に基づいて、前記データ転送部の前記スライス優先度を決定する、
請求項7に記載の通信制御方法。
【請求項9】
最優先処理パケット用のネットワークスライスに属する前記パケットを、最優先処理パケット用のキューグループのキューに振り分け、
前記最優先処理パケット用のキューグループからパケットを取得し、取得したパケットを、前記データ転送部から受信したパケットより優先して、物理ポートを介して送信する、
請求項7に記載の通信制御方法。
【請求項10】
コンピュータに、
物理ポートを介してパケットを受信する受信機能と、
受信された前記パケットについて、前記パケットが属するネットワークスライスとQoSにおけるクラスとを識別する識別機能と、
複数の前記ネットワークスライスの各々に対応付けられている複数のキューグループを有するキュー群であって、前記QoSにおける複数のクラスの各々に対応する複数のキューが複数の前記キューグループの各々に含まれる前記キュー群のいずれかの前記キューに、前記パケットの識別結果に従って前記パケットを振り分ける振分機能と、
複数の前記ネットワークスライスの各々に対応して設けられ、対応する前記ネットワークスライスにおける前記QoSに応じたパケット転送処理を行う複数のデータ転送機能と、
前記データ転送機能から受信した前記パケットを、物理ポートを介して送信する送信機能と、
を実現させ、
複数の前記データ転送機能の各々は、対応する前記ネットワークスライスに対応付けられている前記キューグループの前記キューから前記パケットを取得し、取得した前記パケットに対して前記QoSに応じた前記パケット転送処理を行い、
前記送信機能は、複数の前記データ転送機能のうち、前記ネットワークスライスの優先度であるスライス優先度がより高い前記ネットワークスライスに対応する前記データ転送機能から受信した前記パケットを優先して送信する、
通信制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信制御装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)(登録商標)は、5G(5th generation)の標準化を行っている。5Gシステムは、非特許文献1にも記載されるように、5Gアクセスネットワーク(AN:Access Network)、5Gコアネットワーク(CN:Core Network)、及びユーザ端末(UE:User Equipment)を含む。
【0003】
5Gでは、代表的な利用シナリオとして、mIOT(massive Internet of things)、eMBB(enhanced Mobile Broadband)、及びURLLC(Ultra Reliable Low Latency Communications)などの通信が議論されている。これらの通信は、トラヒック特性が相互に異なっており、全ての通信においてトラヒック要件を同時に満たすことは困難である。たとえば、大容量が求められるeMBBでは、バルク処理によるパケット転送が最適である。しかしながら、バルク処理は、ジッタが発生しやすい。このため、バルク処理によるパケット転送は、URLLCに求められる低遅延かつ高品質を満たすことが難しい。このように異なるトラヒック要求に対して、5Gでは、ネットワークスライスという形で通信を分けて実施することが議論されている。
【0004】
5Gシステムにおいて、異なるトラヒック要件を持つネットワークスライスは複数のネットワークスライスインスタンス(NSI:Network Slice Instance)として分けられる。更に、NSIの特定部分(たとえばアクセスネットワークやコアネットワークなど)は、ネットワークスライスサブネットインスタンス(NSSI:Network Slice Sub-nets Instance)と定義されている。特に、コアネットワークのNSSIは、異なるNSIと共有されず、個別に配備される。
【0005】
コアネットワークのネットワークスライスは、UE、AN、及びCN間でやり取りされるS-NSSAI(Single-Network Slice Selection Assistance Information)をもとにコアネットワークのNF(Network Function)を構成する。NFの構成は、事業者やベンダに依存する。しかしながら、どの構成においても、SMF(Session Management Function)及びUPF(User Plane Function)はネットワークスライスごとに配備されるNFとされている。
【0006】
UPFは、U-Plane(User-Plane)制御(ユーザパケット制御)を担い、U-Plane通信を収容する。UPFは、S-NSSAIを受け取ったAMF(Access and Mobility Management Function)やNSSF(Network Slice Selection Function)などのC-Plane(Control-Plane)によって個別に配備され、アクセスネットワークと接続する。UPFが個別に配備されることで、それぞれのネットワークスライスにおいて、ユーザパケットのQoS(Quality of Service)が実現される。
【0007】
上述のように、UPFは、ネットワークスライスごとに配備される。この場合、CPU(Central Processing Unit)、電源容量および物理空間などのハードウェア/ソフトウェアリソースの分割損が発生し、管理運用コストが増加する。そのようなコストを抑えるために、一つのUPFに、複数のネットワークスライスのU-Plane通信を収容することが考えられる。
【0008】
一つのUPFに複数のネットワークスライスのU-Plane通信を収容する技術として、特許文献1に記載された方法がある。この方法では、UPFが、受信パケットが属するネットワークスライス、およびQoSにおけるクラスを識別する。そして、UPFが、受信パケットをキュー群に振り分ける。このキュー群は、複数のネットワークスライスに対応する複数のキューグループを有する。また、各キューグループがQoSにおける複数のクラスに対応する。そして、複数のデータ転送手段のそれぞれが、対応するキューグループの各クラスに対応するキューから受信パケットを取得し、受信パケットに対してQoSに応じたパケット転送処理を行う。また、特許文献1には、UPFが、スマートNIC(Network Interface Card)とCPUで実現され、また、上述のデータ転送手段がCPUで、キュー群がスマートNICで実現されることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2021-170729号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】3GPP TS 23.501 V16.3.0, “System architecture for the 5G System(5GS)”, 2019/12
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1には、スマートNICでパケットを受信して、受信されたパケットをCPUで転送することが記載されているが、スマートNICがCPUからパケットを受信してUPF外へ送信することについては記載されていない。
【0012】
スマートNICがパケットをUPF外へ送信する場合、スマートNICは、CPUからパケットを受信する。しかし、スマートNICは、CPUから受信したパケットについて、そのパケットが属するネットワークスライスの情報を把握することができない。
【0013】
パケットが属するネットワークスライスの情報は、UPF外からパケットを受信した際にスマートNICにより識別され、キューへの振り分けに使用されている。しかし、パケットは、CPUにより転送される。また、ネットワークスライスの情報がパケットに付与されていないので、スマートNICがCPUからパケットを受信する時点では、スマートNICは、パケットが属するネットワークスライスの情報を把握することができない。
【0014】
そのため、スマートNICは、異なるネットワークスライスに属するパケットであっても、同一優先度が設定されたパケットを同じ優先度でUPF外へ送信するという課題がある。
【0015】
ネットワークスライスのユースケースには、5QI(5G QoS Identifier)が設けられている(非特許文献1を参照)。IETF(Internet Engineering Task Force)では、5QIについて、IP(Internet Protocol)ヘッダが持つDSCP(Differentiated Services Code Point)とのマッピングが議論されている。たとえば、ユーザパケットのL3(Layer 3) IPヘッダに含まれるDSCPが、QoSを表す値の一つとして使用される。たとえば、ネットワークスライスAのパケットのDSCPが、緊急用の最優先処理パケットを示す「EF」であり、別のネットワークスライスBのパケットのDSCPも「EF」であったとする。この場合、二つのパケットの優先度は同じであるため、スマートNICがどちらを先にUPF外に送信するかは保証されない。
【0016】
このように、ネットワークスライスAの優先度とネットワークスライスBの優先度が異なっていても、スマートNICは、同じDSCPが設定されたパケット(パケットの優先度が同じパケット)を、同じ優先度でUPF外へ送信する。
【0017】
本発明の目的は、上述した課題を鑑み、複数のネットワークスライスの通信を収容する場合に、パケットが属するネットワークスライスの優先度に応じてパケットを送信することを可能にする通信制御装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の一態様において、通信制御装置は、物理ポートを介してパケットを受信する受信部と、受信された前記パケットについて、前記パケットが属するネットワークスライスとQoSにおけるクラスとを識別する識別部と、複数の前記ネットワークスライスの各々に対応付けられている複数のキューグループを有するキュー群であって、前記QoSにおける複数のクラスの各々に対応する複数のキューが複数の前記キューグループの各々に含まれる前記キュー群のいずれかの前記キューに、前記パケットの識別結果に従って前記パケットを振り分ける振分部と、複数の前記ネットワークスライスの各々に対応して設けられ、対応する前記ネットワークスライスにおける前記QoSに応じたパケット転送処理を行う複数のデータ転送部と、前記データ転送部から受信した前記パケットを、物理ポートを介して送信する送信部と、を備え、複数の前記データ転送部の各々は、対応する前記ネットワークスライスに対応付けられている前記キューグループの前記キューから前記パケットを取得し、取得した前記パケットに対して前記QoSに応じた前記パケット転送処理を行い、前記送信部は、複数の前記データ転送部のうち、前記ネットワークスライスの優先度であるスライス優先度がより高い前記ネットワークスライスに対応する前記データ転送部から受信した前記パケットを優先して送信する。
【0019】
また、本発明の他の態様において、通信制御方法は、物理ポートを介してパケットを受信し、受信された前記パケットについて、前記パケットが属するネットワークスライスとQoSにおけるクラスとを識別し、複数の前記ネットワークスライスの各々に対応付けられている複数のキューグループを有するキュー群であって、前記QoSにおける複数のクラスの各々に対応する複数のキューが複数の前記キューグループの各々に含まれる前記キュー群のいずれかの前記キューに、前記パケットの識別結果に従って前記パケットを振り分け、複数の前記ネットワークスライスの各々に対応して設けられるデータ転送部において、対応する前記ネットワークスライスに対応付けられている前記キューグループの前記キューから前記パケットを取得し、取得した前記パケットに対して前記QoSに応じたパケット転送処理を行い、複数の前記データ転送部のうち、前記ネットワークスライスの優先度であるスライス優先度がより高い前記ネットワークスライスに対応する前記データ転送部から受信した前記パケットを優先して、前記データ転送部から受信した前記パケットを、物理ポートを介して送信する。
【0020】
また、本発明の他の態様において、通信制御プログラムは、コンピュータに、物理ポートを介してパケットを受信する受信機能と、受信された前記パケットについて、前記パケットが属するネットワークスライスとQoSにおけるクラスとを識別する識別機能と、複数の前記ネットワークスライスの各々に対応付けられている複数のキューグループを有するキュー群であって、前記QoSにおける複数のクラスの各々に対応する複数のキューが複数の前記キューグループの各々に含まれる前記キュー群のいずれかの前記キューに、前記パケットの識別結果に従って前記パケットを振り分ける振分機能と、複数の前記ネットワークスライスの各々に対応して設けられ、対応する前記ネットワークスライスにおける前記QoSに応じたパケット転送処理を行う複数のデータ転送機能と、前記データ転送機能から受信した前記パケットを、物理ポートを介して送信する送信機能と、を実現させ、複数の前記データ転送機能の各々は、対応する前記ネットワークスライスに対応付けられている前記キューグループの前記キューから前記パケットを取得し、取得した前記パケットに対して前記QoSに応じた前記パケット転送処理を行い、前記送信機能は、複数の前記データ転送機能のうち、前記ネットワークスライスの優先度であるスライス優先度がより高い前記ネットワークスライスに対応する前記データ転送機能から受信した前記パケットを優先して送信する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、複数のネットワークスライスの通信を収容する場合に、パケットが属するネットワークスライスの優先度に応じてパケットを送信することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第一の実施形態の通信制御装置の構成例を示す図である。
図2】本発明の第一の実施形態の通信制御装置の動作フローの例を示す図である。
図3】本発明の第二の実施形態の通信制御装置を含むシステムの構成例を示す図である。
図4】本発明の第二の実施形態の通信制御装置の構成例を示す図である。
図5】本発明の第二の実施形態の通信制御装置のネットワークスライスの識別に用いられるテーブルの例を示す図である。
図6】本発明の第二の実施形態の通信制御装置のネットワークスライスの識別に用いられるテーブルの別の例を示す図である。
図7】本発明の第二の実施形態の通信制御装置が備えるキューグループの構成例を示す図である。
図8】本発明の第二の実施形態の通信制御装置のデータ転送部とキューグループとの対応関係の例を示す図である。
図9】本発明の第二の実施形態の通信制御装置のデータ転送部とスライス優先度との関係の例を示す図である。
図10】本発明の第二および第三の実施形態の通信制御装置の動作フローの例を示す図である。
図11】本発明の第二および第三の実施形態の通信制御装置の動作フローの例を示す図である。
図12】本発明の第二および第三の実施形態の通信制御装置の動作フローの例を示す図である。
図13】本実施形態の第三の実施形態の通信制御装置の構成例を示す図である。
図14】本発明の各実施形態のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[第一の実施形態]
本発明の第一の実施形態について説明する。第一の実施形態における通信制御装置10の具体的な一例が、後述する第二の実施形態における通信制御装置20および第三の実施形態における通信制御装置30である。
【0024】
図1に、本実施形態の通信制御装置10の構成例を示す。通信制御装置10は、受信部11、識別部12、振分部13、キューグループ14-i(iは1以上N以下の整数)、データ転送部15-i(iは1以上N以下の整数)および送信部16を含む。
【0025】
受信部11は、物理ポートを介してパケットを受信する。
【0026】
識別部12は、受信されたパケットについて、パケットが属するネットワークスライスとQoSにおけるクラスとを識別する。
【0027】
振分部13は、キュー群のいずれかのキューに、パケットの識別結果に従ってパケットを振り分ける。キュー群は、複数のネットワークスライスの各々に対応付けられている複数のキューグループ(14-1~14-N)を有する。また、キューグループの各々は、QoSにおける複数のクラスの各々に対応する複数のキューを含む。
【0028】
複数のデータ転送部(15-1~15-N)は、ネットワークスライスの各々に対応して設けられる。
【0029】
データ転送部15-iは、対応するネットワークスライスに対応付けられているキューグループ14-iのキューからパケットを取得し、取得したパケットに対してQoSに応じたパケット転送処理を行う。
【0030】
送信部16は、データ転送部(15-1~15-N)から受信したパケットを、物理ポートを介して送信する。
【0031】
送信部16は、複数のデータ転送部(15-1~15-N)のうち、スライス優先度がより高いネットワークスライスに対応するデータ転送部から受信したパケットを優先して、データ転送部(15-1~15-N)から受信したパケットの送信を行う。スライス優先度は、ネットワークスライスの優先度である。
【0032】
次に、図2に本実施形態の通信制御装置10の動作フローの例を示す。
【0033】
受信部11は、物理ポートを介してパケットを受信する。識別部12は、受信されたパケットについて、パケットが属するネットワークスライスとQoSにおけるクラスとを識別する(ステップS101)。
【0034】
振分部13は、キュー群のいずれかのキューに、パケットの識別結果に従ってパケットを振り分ける(ステップS102)。
【0035】
データ転送部15-iは、対応するネットワークスライスに対応付けられているキューグループ14-iのキューからパケットを取得し(ステップS103)、取得したパケットに対してQoSに応じたパケット転送処理を行う(ステップS104)。
【0036】
送信部16は、データ転送部(15-1~15-N)から受信したパケットを送信する(ステップS105)。送信部16は、スライス優先度がより高いネットワークスライスに対応するデータ転送部から受信したパケットを優先してパケットの送信を行う。スライス優先度は、ネットワークスライスの優先度である。
【0037】
以上で説明したように、本発明の第一の実施形態では、通信制御装置10は、受信部11、識別部12、振分部13、キューグループ14-i、データ転送部15-iおよび送信部16を含む。受信部11は、物理ポートを介してパケットを受信する。識別部12は、受信されたパケットについて、パケットが属するネットワークスライスとQoSにおけるクラスとを識別する。振分部13は、キュー群のいずれかのキューに、パケットの識別結果に従ってパケットを振り分ける。キュー群は、複数のネットワークスライスの各々に対応付けられている複数のキューグループ(14-1~14-N)を有する。キューグループの各々は、QoSにおける複数のクラスの各々に対応する複数のキューを含む。複数のデータ転送部(15-1~15-N)は、ネットワークスライスの各々に対応する。データ転送部15-iは、対応するネットワークスライスに対応付けられているキューグループ14-iのキューからパケットを取得し、取得したパケットに対してQoSに応じたパケット転送処理を行う。送信部16は、データ転送部(15-1~15-N)から受信したパケットを、物理ポートを介して送信する。送信部16は、スライス優先度がより高いネットワークスライスに対応するデータ転送部から受信したパケットを優先してパケットの送信を行う。スライス優先度は、ネットワークスライスの優先度である。
【0038】
このように、通信制御装置10は、スライス優先度がより高いネットワークスライスに対応するデータ転送部から受信したパケットを優先してパケットの送信を行う。そのため、複数のネットワークスライスの通信を収容する場合に、パケットが属するネットワークスライスの優先度に応じてパケットを送信することが可能になる。
【0039】
[第二の実施形態]
次に、本発明の第二の実施形態における通信制御装置20について説明する。
【0040】
図3に、通信制御装置20を含むシステムの構成例を示す。このシステムは、通信制御装置20、UE41、AN42、AMF43、SMF44および及びDN(Data Network)45を含む。本実施形態の通信制御装置20は、UPFに相当する。
【0041】
UE41は、携帯電話機、スマートホン、タブレット、PC(Personal Computer)、IoT(Internet of Things)デバイスなどのユーザ機器を含む。UE41上では、DN45と通信する複数のアプリケーションが動作し得る。AN42は、基地局などを含み、UE41と5Gコアネットワークとを接続する。AMF43は、モビリティ管理を行う。AMF43は、端末レベルの処理、たとえば加入者認証や端末の位置管理を行う。
【0042】
通信制御装置20(UPF)は、5Gコアネットワークの一部を構成する。通信制御装置20は、インターネットなどの外部ネットワークであるDN45とUE41との間のユーザデータ通信を行う。SMF44は、セッション管理を行う。SMF44および通信制御装置20は、ネットワークスライスごとにDN45向けのセッションを確立する。UE41上で動作する複数のアプリケーションは、それぞれのトラヒック要件にあったネットワークスライスに接続する。
【0043】
次に、図4に本実施形態の通信制御装置20の構成例を示す。通信制御装置20は、スマートNIC28およびCPU29を含む。
【0044】
CPU29は、データ転送部25-i(iは1からNの整数)を含む。通信制御装置20は、たとえば、スマートNIC28が搭載された物理サーバとして構成される。通信制御装置20において、データ転送部25-iの機能は、たとえば、サーバ仮想技術を用いて実現される。
【0045】
データ転送部25-iは、i番目のネットワークスライスに対応して設けられる。なお、本実施形態では、ネットワークスライスの数はNである。
【0046】
データ転送部25-iは、SMF44から送信される信号に基づいてパケット転送処理を行う。データ転送部25-iは、対応するネットワークスライスにおいて、QoSに応じたパケット転送処理を行う。データ転送部25-iは、スマートNIC28からパケットを取得し、パケット転送先などを決定する。また、データ転送部25-iは、スマートNIC28を介して、AN42またはDN45にパケットを送信する。データ転送部25-iは、対応するネットワークスライスにおけるQoSに応じたパケット転送処理を行う。パケット転送処理は、たとえば、優先制御や帯域制御などである。
【0047】
スマートNIC28は、受信部21、識別部22、振分部23、キューグループ24-i(iは1からNの整数)、送信部26および物理ポート27を含む。スマートNIC28は、たとえばFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて構成される。スマートNIC28は、他のデバイス、たとえばプロセッサとメモリとを含む半導体デバイスを用いて構成されていてもよい。その場合、識別部22および振分部23は、プロセッサによりメモリから読み出されたプログラムに従って動作することで実現され得る。
【0048】
物理ポート27は、AN42およびDN45からパケットを受信する。また、物理ポート27は、AN42およびDN45にパケットを送信する。物理ポート27は、受信したパケットを受信部21に出力する。また、物理ポート27は、送信部26から受信したパケットをAN42またはDN45に送信する。物理ポート27は、入力ポートと出力ポートとに分かれていてもよい。
【0049】
受信部21は、物理ポート27を介してパケットを受信する。
【0050】
識別部22は、受信部21が受信したパケットを解析して、パケットが属するネットワークスライス、およびQoSにおけるクラスを識別する。識別部22は、たとえば、パケットのうちの特定範囲を参照し、ネットワークスライスを識別する。識別部22は、パケットのL2 (Layer 2) Ethernet(登録商標)フレームに含まれるCoS(Class of Service)値に基づいて、QoSにおけるクラスを識別する。
【0051】
たとえば、識別部22は、パケットがGTP-U(GPRS (General Pack
et Radio Service) Tunneling Protocol for User Plane)パケットの場合、L2 EthernetフレームからGTP-U Extensionまでの範囲を特定範囲として参照し、ネットワークスライスを識別することができる。
【0052】
また、識別部22は、パケットがIPパケットの場合、L2 EthernetフレームからL3 IPヘッダまでの範囲を特定範囲として参照し、ネットワークスライスを識別することができる。
【0053】
図5に、ネットワークスライスの識別に用いられるテーブルの一例を示す。テーブルは、あらかじめ記憶部(不図示)に記憶されている。このテーブルは、ネットワークスライスの番号と振分キーとの対応関係を示す。なお、本実施形態の場合、ネットワークスライスの番号とキューグループの番号は同一である。識別部22は、テーブルを参照し、振分キーとして指定された値又は種別情報をパケットが含む場合、その振分キーに対応するネットワークスライスを、パケットが属するネットワークスライスとして識別する。たとえば、識別部22は、パケットにおいて、L3 IPヘッダに含まれるDSCPが「EF」である場合、パケットは1番目のネットワークスライスのパケットであると識別する。
【0054】
図6に、ネットワークスライスの識別に用いられるテーブルの別の例を示す。この例では、振分キーとして、L2 Ethernetフレームに含まれるVLAN値(VLAN ID(Identifier))と、L3 IPヘッダに含まれるDSCPとが指定されている。この場合、識別部22は、VLAN値とDSCPとの組み合わせに基づいて、ネットワークスライスを識別する。たとえば、識別部22は、パケットにおいて、VLAN ID=5であり、かつDSCP=CS6であった場合、パケットは1番目のネットワークスライスのパケットであると識別する。この例のように、振分キーは、パケットにおける複数のフィールドの値又は種別情報を含んでいてもよい。
【0055】
スマートNIC28において、キューグループ24-iは、i番目のネットワークスライスに対応する。図7に、キューグループ24-iの構成例を示す。
【0056】
キューグループ24-iは、キュー241-ij(jは1からMの整数)を含む。たとえば、キュー241-i1~キュー241-i8は、i番目のネットワークスライスのQoS制御におけるクラス0~7に対応していてもよい。また、キューグループ24-1~キューグループ24-Nをまとめたものは、キュー群242と呼ばれる。
【0057】
振分部23は、識別部22におけるパケットの識別結果に従って、パケットを、キュー群242内のキューのいずれかに振り分ける。振分部23は、たとえば、識別されたネットワークスライス(i番目)に対応するキューグループ24-iに含まれる、識別されたクラスに対応するキュー241-ijに、パケットを格納する。たとえば、パケットが属するネットワークスライスが1番目のネットワークスライスであると識別され、かつ、L2 Ethernetフレームに含まれるCoSの値が「1」であったとする。その場合、振分部23は、キューグループ24-1において、クラス1に対応するキューに受信パケットを格納する。
【0058】
データ転送部25-iは、対応するキューグループ24-iのキューから受信パケットを取得する。たとえば、1番目のネットワークスライスに対応したデータ転送部25-1は、キューグループ24-1に含まれるキュー241-1jから所定のルールに従って受信パケットを取得する。データ転送部25-iは、取得したパケットに対して、QoSに応じたパケット転送処理を行う。データ転送部25-iは、送信部26にパケットを送信する。
【0059】
なお、データ転送部とキューグループとの対応関係は、あらかじめ記憶部(不図示)に記憶されている。
【0060】
送信部26は、データ転送部25-iから受信したパケットを、物理ポート27を介して送信する。送信部26は、同じパケット優先度が設定されているパケットの場合、スライス優先度がより高いネットワークスライスに対応するデータ転送部から受信したパケットを優先して送信する。スライス優先度は、ネットワークスライスの優先度である。パケット優先度は、パケットに設定されている優先度である。
【0061】
送信部26は、スライス優先度を、パケットが属するネットワークスライスを識別する際の識別ルール、および、ネットワークスライスとデータ転送部との間の対応関係に基づいて決定できる。
【0062】
本実施形態の場合、i番目のネットワークスライスは、データ転送部25-iと対応付けられている。ネットワークスライスとデータ転送部25-iとの対応関係は、あらかじめ記憶部に記憶されている。
【0063】
また、送信部26は、パケットが属するネットワークスライスを識別する際の識別ルールを、たとえば、図5に示される、ネットワークスライスの識別に用いられるテーブルを参照することで、把握することができる。
【0064】
図5のテーブルでは、緊急用の最優先処理パケットを示す「EF」に対応するネットワークスライスの番号が「1」となっている。送信部26は、テーブルのキーを確認することにより、ネットワークスライスの番号が「1」から「4」の順にスライス優先度が低くなることを把握することができる。キーとスライス優先度との対応関係は、あらかじめ記憶部に記憶されている。
【0065】
図8に、データ転送部とネットワークスライスとの対応関係の例を示す。この例では、識別情報が「A」であるデータ転送部25-1が、1番目のネットワークスライスに対応付けられていることを示す。
【0066】
図9に、データ転送部のスライス優先度の例を示す。送信部26は、図5のテーブルと、図8の対応関係とを参照することによって、データ転送部のスライス優先度を決定することができる。すなわち、送信部26は、1番目のネットワークスライスに対応するデータ転送部25-1(識別情報「A」)の優先度が最も高いことを把握する。また、送信部26は、4番目のネットワークスライスに対応するデータ転送部25-4(識別情報「D」)の優先度が最も低いことを把握する。そして、送信部26は、図9のように各データ転送部のスライス優先度を決定し、記憶部に記憶させる。なお、図9の例では、スライス優先度の値が小さいほど、スライス優先度が高い。
【0067】
このように、ネットワークスライスの識別に用いられるテーブルに含まれるキーに、スライス優先度を把握できる情報が含まれている場合には、送信部26は、キーに基づいて、スライス優先度を把握することができる。
【0068】
送信部26は、どのデータ転送部25-iからパケットを受信したかを、スマートNIC28とCPU29との間のポートのどのポートにパケットが入力されたかによって、把握することができる。そのため、データ転送部25-iの識別情報は、スマートNIC28とCPU29との間のポートの識別情報であってもよい。送信部26は、同じパケット優先度が設定されたパケットの場合、スライス優先度がより高いデータ転送部25-iから受信したパケットを優先して送信する。
【0069】
なお、ネットワークスライスの識別に用いられるテーブルが図6のテーブルである場合、キーから各ネットワークスライスのスライス優先度を把握することが難しい。このような場合には、あらかじめ、各ネットワークスライスのスライス優先度が記憶部に記憶されているとする。送信部26は、ネットワークスライスのスライス優先度と、ネットワークスライスとデータ転送部との対応関係とに基づいて、データ転送部25-iのスライス優先度を把握することができる。
【0070】
次に、図10から図12に、本実施形態の通信制御装置20の動作フローの例を示す。図10は、受信部21、識別部22および振分部23に関する通信制御装置20の動作フローの例を示す図である。図11は、データ転送部25-iに関する通信制御装置20の動作フローの例を示す図である。図12は、送信部26に関する通信制御装置20の動作フローの例を示す図である。
【0071】
まず、送信部26は、通信制御装置20の初期設定時や運用開始時などの所定のタイミングで、データ転送部25-iの各々のスライス優先度を決定する(図12のステップS201)。送信部26は、パケットが属するネットワークスライスを識別部22が識別する際の識別ルール、および、ネットワークスライスとデータ転送部との間の対応関係に基づいて、データ転送部のスライス優先度を決定することができる。
【0072】
受信部21は、物理ポート27を介してパケットを受信する。識別部22は、受信されたパケットについて、パケットが属するネットワークスライス、およびQoSにおけるクラスを識別する(図10のステップS202)。振分部23は、識別部22における識別結果に従って、受信パケットを、キュー群242内のキューのいずれかに振り分ける(ステップS203)。
【0073】
データ転送部25-iは、データ転送部25-iに対応するキューグループ24-iのキューから、パケットを取得する(図11のステップS204)。データ転送部25-iは、取得したパケットに対して、QoSに応じたパケット転送処理を行い、送信部26に送信する(ステップS205)。
【0074】
送信部26は、データ転送部25-iから受信したパケットを、物理ポート27を介して送信する(図12のステップS206)。送信部26は、スライス優先度がより高いネットワークスライスに対応するデータ転送部から受信したパケットを優先して送信する。
【0075】
以上で説明したように、本発明の第二の実施形態では、通信制御装置20は、受信部21、識別部22、振分部23、キューグループ24-i、データ転送部25-iおよび送信部26を含む。受信部21は、物理ポートを介してパケットを受信する。識別部22は、受信されたパケットについて、パケットが属するネットワークスライスとQoSにおけるクラスとを識別する。振分部23は、キュー群のいずれかのキューに、パケットの識別結果に従ってパケットを振り分ける。キュー群は、複数のネットワークスライスの各々に対応付けられている複数のキューグループ(24-1~24-N)を有する。キューグループの各々は、QoSにおける複数のクラスの各々に対応する複数のキューを含む。複数のデータ転送部(25-1~25-N)は、ネットワークスライスの各々に対応する。データ転送部25-iは、対応するネットワークスライスに対応付けられているキューグループ24-iのキューからパケットを取得し、取得したパケットに対してQoSに応じたパケット転送処理を行う。送信部26は、データ転送部(25-1~25-N)から受信したパケットを、物理ポートを介して送信する。送信部26は、スライス優先度がより高いネットワークスライスに対応するデータ転送部から受信したパケットを優先してパケットの送信を行う。スライス優先度は、ネットワークスライスの優先度である。
【0076】
このように、通信制御装置20は、スライス優先度がより高いネットワークスライスに対応するデータ転送部から受信したパケットを優先してパケットの送信を行う。そのため、複数のネットワークスライスの通信を収容する場合に、パケットが属するネットワークスライスの優先度に応じてパケットを送信することが可能になる。
【0077】
また、送信部26は、パケットが属するネットワークスライスを識別する際の識別ルール、および、ネットワークスライスとデータ転送部との間の対応関係に基づいて、データ転送部のスライス優先度を決定してもよい。これにより、送信部26は、パケットが属するネットワークスライスの識別を再度行うことなく、送信部26における優先制御を実現することができる。
【0078】
また、受信部21、識別部22、振分部23および送信部26は、スマートNIC28に含まれ、データ転送部25-iは、CPU29に含まれる。また、複数のデータ転送部25-iの各々は、スマートNIC28とデータ転送部25-iとの間のポートにパケットを送信する。なお、パケットは、データ転送部ごとに異なるポートに送信される。送信部26は、パケットが入力されたポートによって、パケットの送信元のデータ転送部を識別する。これにより、送信部26は、パケットの送信元のデータ転送部を容易に識別し、パケットのスライス優先度を容易に把握することができる。
【0079】
また、通信制御装置20は、UPFである。これにより、通信制御装置20を、たとえば5GのUPFに適用することができる。
【0080】
[第三の実施形態]
次に、本発明の第三の実施形態における通信制御装置30について説明する。
【0081】
まず、図13に本実施形態の通信制御装置30の構成例を示す。通信制御装置30は、スマートNIC38およびCPU39を含む。
【0082】
CPU39は、データ転送部35-1からデータ転送部35-(N-1)を含む。データ転送部35-iは、i番目のネットワークスライスに対応する。本実施形態では、ネットワークスライスの数はNである。また、N番目のネットワークスライスは、最優先処理パケット用のネットワークスライスである。データ転送部35-1からデータ転送部35-(N-1)は、最優先処理パケット用のネットワークスライスを除くネットワークスライスに対応する。
【0083】
データ転送部35-iは、SMF44から送信される信号に基づいてパケット転送処理を行う。データ転送部35-iは、対応するネットワークスライスにおいて、QoSに応じたパケット転送処理を行う。データ転送部35-iは、スマートNIC38からパケットを取得し、パケット転送先などを決定する。また、データ転送部35-iは、スマートNIC38(送信部36)を介して、AN42またはDN45にパケットを送信する。データ転送部35-iは、対応するネットワークスライスにおけるQoSに応じたパケット転送処理を行う。
【0084】
スマートNIC38は、受信部31、識別部32、振分部33、キューグループ34-i(iは1からNの整数)、送信部36および物理ポート27を含む。
【0085】
受信部31は、物理ポート27を介してパケットを受信する。
【0086】
識別部32は、受信部31によって受信されたパケットについて、パケットが属するネットワークスライス、およびQoSにおけるクラスを識別する。
【0087】
スマートNIC38において、キューグループ34-iは、i番目のネットワークスライスに対応する。なお、キューグループ34-Nは、最優先処理パケット用のキューグループである。
【0088】
振分部33は、識別部32におけるパケットの識別結果に従って、パケットを、キューグループ34-1からキューグループ34-Nの中のキューのいずれかに振り分ける。
【0089】
データ転送部35-iは、対応するキューグループ34-iのキューから受信パケットを取得する。データ転送部35-iは、取得したパケットに対して、QoSに応じたパケット転送処理を行う。データ転送部35-iは、送信部36にパケットを送信する。
【0090】
なお、データ転送部とキューグループとの対応関係は、あらかじめ記憶部に記憶されている。ただし、キューグループ34-Nは、送信部36に直接接続されているので、データ転送部に対応付けられていない。
【0091】
送信部36は、データ転送部35-iから受信したパケットを、物理ポート27を介して送信する。送信部36は、スライス優先度がより高いネットワークスライスに対応するデータ転送部から受信したパケットを優先して送信する。また、送信部36は、キューグループ34-Nからパケットを取得して、取得したパケットを、物理ポート27を介して送信する。このとき、送信部36は、データ転送部35-iから受信したパケットより優先して、キューグループ34-Nからパケットを取得して、取得したパケットを送信する。データ転送部35-iのスライス優先度については、第二の実施形態と同様なので、説明を省略する。
【0092】
このように、最優先処理パケット用のキューグループ34-Nを設け、最優先処理パケットについてはCPU39を経由させないで送信部36が送信することで、最優先処理パケットをより低遅延で送信することが可能になる。
【0093】
しかし、データ転送部35-iから送信部36に到着するパケットと、キューグループ34-Nから送信部36に到着するパケットとが混在する場合、CPU39を経由するパケットの経路よりCPU39を経由しないパケットの経路が短い。そのため、送信部36へのパケットの到着順が入れ替わる可能性がある。そして、送信部36へのパケットの到着順が入れ替わることによって、帯域が不足する可能性がある。帯域が不足した場合に、どのパケットに破棄や遅延が発生するかは、通常、予測できない。そのため、最優先処理パケットに破棄や遅延が発生する可能性がある。
【0094】
本実施形態の送信部36は、キューグループ34-Nから受信したパケットを、データ転送部25-iから受信したパケットより優先して送信する。そのため、データ転送部35-iから送信部36に到着するパケットと、キューグループ34-Nから送信部36に到着するパケットとが混在する場合であっても、最優先処理パケットに破棄や遅延が発生する可能性を低減することができる。
【0095】
次に、本実施形態の通信制御装置30の動作フローについて説明する。本実施形態の通信制御装置30の動作フローは、第二の実施形態(図10から図12)と同様である。ただし、図12のステップS206において、送信部36は、データ転送部35-iから受信したパケットより優先して、キューグループ34-Nからパケットを取得して、取得したパケットを送信する。
【0096】
以上で説明したように、本発明の第三の実施形態では、通信制御装置30は、受信部31、識別部32、振分部33、キューグループ34-i、データ転送部35-iおよび送信部36を含む。受信部31は、物理ポートを介してパケットを受信する。識別部32は、受信されたパケットについて、パケットが属するネットワークスライスとQoSにおけるクラスとを識別する。振分部33は、キュー群のいずれかのキューに、パケットの識別結果に従ってパケットを振り分ける。キュー群は、複数のネットワークスライスの各々に対応付けられている複数のキューグループ(34-1~34-N)を有する。キューグループの各々は、QoSにおける複数のクラスの各々に対応する複数のキューを含む。複数のデータ転送部(35-1~35-N)は、ネットワークスライスの各々に対応する。データ転送部35-iは、対応するネットワークスライスに対応付けられているキューグループ34-iのキューからパケットを取得し、取得したパケットに対してQoSに応じたパケット転送処理を行う。送信部36は、データ転送部(35-1~35-N)から受信したパケットを、物理ポートを介して送信する。送信部36は、スライス優先度がより高いネットワークスライスに対応するデータ転送部から受信したパケットを優先してパケットの送信を行う。スライス優先度は、ネットワークスライスの優先度である。
【0097】
このように、通信制御装置30は、スライス優先度がより高いネットワークスライスに対応するデータ転送部から受信したパケットを優先してパケットの送信を行う。そのため、複数のネットワークスライスの通信を収容する場合に、パケットが属するネットワークスライスの優先度に応じてパケットを送信することが可能になる。
【0098】
また、振分部33は、最優先処理パケット用のネットワークスライスに属するパケットを、最優先処理パケット用のキューグループのキューに振り分ける。また、送信部36は、最優先処理パケット用のキューグループ34-Nからパケットを取得し、取得したパケットを、データ転送部から受信したパケットより優先して送信する。これにより、最優先処理パケットをより低遅延で送信することが可能になる。また、最優先処理パケットに破棄や遅延が発生する可能性を低減することができる。
【0099】
[ハードウェア構成例]
上述した本発明の各実施形態における通信制御装置(10、20、30)を、一つの情報処理装置(コンピュータ)を用いて実現するハードウェア資源の構成例について説明する。なお、通信制御装置は、物理的または機能的に少なくとも二つの情報処理装置を用いて実現してもよい。また、通信制御装置は、専用の装置として実現してもよい。また、通信制御装置の一部の機能のみを情報処理装置を用いて実現してもよい。
【0100】
図14は、本発明の各実施形態の通信制御装置を実現可能な情報処理装置のハードウェア構成例を概略的に示す図である。情報処理装置90は、通信インタフェース91、入出力インタフェース92、演算装置93、記憶装置94、不揮発性記憶装置95およびドライブ装置96を含む。
【0101】
たとえば、図1の受信部11は、通信インタフェース91で実現することが可能である。識別部12、振分部13およびデータ転送部15-iは、演算装置93で実現することが可能である。キューグループ14-iは、記憶装置94で実現することが可能である。送信部16は、通信インタフェース91および演算装置93で実現することが可能である。
【0102】
通信インタフェース91は、各実施形態の通信制御装置が、有線あるいは/および無線で外部装置と通信するための通信手段である。なお、通信制御装置を、少なくとも二つの情報処理装置を用いて実現する場合、それらの装置の間を通信インタフェース91経由で相互に通信可能なように接続してもよい。
【0103】
入出力インタフェース92は、入力デバイスの一例であるキーボードや、出力デバイスとしてのディスプレイ等のマンマシンインタフェースである。
【0104】
演算装置93は、汎用のCPU(Central Processing Unit)やマイクロプロセッサ等の演算処理装置や複数の電気回路によって実現される。演算装置93は、たとえば、不揮発性記憶装置95に記憶された各種プログラムを記憶装置94に読み出し、読み出したプログラムに従って処理を実行することが可能である。
【0105】
記憶装置94は、演算装置93から参照可能な、RAM(Random Access Memory)等のメモリ装置であり、プログラムや各種データ等を記憶する。記憶装置94は、揮発性のメモリ装置であってもよい。
【0106】
不揮発性記憶装置95は、たとえば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、等の、不揮発性の記憶装置であり、各種プログラムやデータ等を記憶することが可能である。
【0107】
ドライブ装置96は、たとえば、後述する記録媒体97に対するデータの読み込みや書き込みを処理する装置である。
【0108】
記録媒体97は、たとえば、光ディスク、光磁気ディスク、半導体フラッシュメモリ等、データを記録可能な任意の記録媒体である。
【0109】
本発明の各実施形態は、たとえば、図14に例示した情報処理装置90により通信制御装置を構成し、この通信制御装置に対して、上記各実施形態において説明した機能を実現可能なプログラムを供給することにより実現してもよい。
【0110】
この場合、通信制御装置に対して供給したプログラムを、演算装置93が実行することによって、実施形態を実現することが可能である。また、通信制御装置のすべてではなく、一部の機能を情報処理装置90で構成することも可能である。
【0111】
さらに、上記プログラムを記録媒体97に記録しておき、通信制御装置の出荷段階、あるいは運用段階等において、適宜上記プログラムが不揮発性記憶装置95に格納されるよう通信制御装置を構成してもよい。なお、この場合、上記プログラムの供給方法は、出荷前の製造段階、あるいは運用段階等において、適当な治具を利用して通信制御装置内にインストールする方法を採用してもよい。また、上記プログラムの供給方法は、インターネット等の通信回線を介して外部からダウンロードする方法等の一般的な手順を採用してもよい。
【0112】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0113】
(付記1)
物理ポートを介してパケットを受信する受信部と、
受信された前記パケットについて、前記パケットが属するネットワークスライスとQoS(Quality of Service)におけるクラスとを識別する識別部と、
複数の前記ネットワークスライスの各々に対応付けられている複数のキューグループを有するキュー群であって、前記QoSにおける複数のクラスの各々に対応する複数のキューが複数の前記キューグループの各々に含まれる前記キュー群のいずれかの前記キューに、前記パケットの識別結果に従って前記パケットを振り分ける振分部と、
複数の前記ネットワークスライスの各々に対応して設けられ、対応する前記ネットワークスライスにおける前記QoSに応じたパケット転送処理を行う複数のデータ転送部と、
前記データ転送部から受信した前記パケットを、物理ポートを介して送信する送信部と、
を備え、
複数の前記データ転送部の各々は、対応する前記ネットワークスライスに対応付けられている前記キューグループの前記キューから前記パケットを取得し、取得した前記パケットに対して前記QoSに応じた前記パケット転送処理を行い、
前記送信部は、複数の前記データ転送部のうち、前記ネットワークスライスの優先度であるスライス優先度がより高い前記ネットワークスライスに対応する前記データ転送部から受信した前記パケットを優先して送信する、
通信制御装置。
【0114】
(付記2)
前記送信部は、前記パケットが属する前記ネットワークスライスを識別する際の識別ルール、および、前記ネットワークスライスと前記データ転送部との間の対応関係に基づいて、前記データ転送部の前記スライス優先度を決定する、
付記1に記載の通信制御装置。
【0115】
(付記3)
前記振分部は、最優先処理パケット用のネットワークスライスに属する前記パケットを、最優先処理パケット用のキューグループのキューに振り分け、
前記送信部は、前記最優先処理パケット用のキューグループからパケットを取得し、取得したパケットを、前記データ転送部から受信したパケットより優先して送信する、
付記1に記載の通信制御装置。
【0116】
(付記4)
前記受信部、前記識別部、前記振分部および前記送信部は、スマートNIC(Network Interface Card)に含まれ、前記データ転送部は、CPU(Central Processing Unit)に含まれる、
付記1から付記3のいずれかに記載の通信制御装置。
【0117】
(付記5)
複数の前記データ転送部の各々は、前記スマートNICと前記データ転送部との間の、前記データ転送部ごとに異なるポートに前記パケットを送信し、
前記送信部は、前記データ転送部によって前記パケットが送信された前記ポートによって、前記パケットの送信元の前記データ転送部を識別する、
付記4に記載の通信制御装置。
【0118】
(付記6)
UPF(User Plane Function)である、
付記1から付記3のいずれかに記載の通信制御装置。
【0119】
(付記7)
物理ポートを介してパケットを受信し、
受信された前記パケットについて、前記パケットが属するネットワークスライスとQoSにおけるクラスとを識別し、
複数の前記ネットワークスライスの各々に対応付けられている複数のキューグループを有するキュー群であって、前記QoSにおける複数のクラスの各々に対応する複数のキューが複数の前記キューグループの各々に含まれる前記キュー群のいずれかの前記キューに、前記パケットの識別結果に従って前記パケットを振り分け、
複数の前記ネットワークスライスの各々に対応して設けられるデータ転送部において、対応する前記ネットワークスライスに対応付けられている前記キューグループの前記キューから前記パケットを取得し、取得した前記パケットに対して前記QoSに応じたパケット転送処理を行い、
複数の前記データ転送部のうち、前記ネットワークスライスの優先度であるスライス優先度がより高い前記ネットワークスライスに対応する前記データ転送部から受信した前記パケットを優先して、前記データ転送部から受信した前記パケットを、物理ポートを介して送信する、
通信制御方法。
【0120】
(付記8)
前記パケットが属する前記ネットワークスライスを識別する際の識別ルール、および、前記ネットワークスライスと前記データ転送部との間の対応関係に基づいて、前記データ転送部の前記スライス優先度を決定する、
付記7に記載の通信制御方法。
【0121】
(付記9)
最優先処理パケット用のネットワークスライスに属する前記パケットを、最優先処理パケット用のキューグループのキューに振り分け、
前記最優先処理パケット用のキューグループからパケットを取得し、取得したパケットを、前記データ転送部から受信したパケットより優先して、物理ポートを介して送信する、
付記7に記載の通信制御方法。
【0122】
(付記10)
通信制御装置の通信制御方法であり、
前記通信制御装置は、スマートNICとCPUとを備え、
前記データ転送部は、前記CPUに含まれる、
付記7から付記9のいずれかに記載の通信制御方法。
【0123】
(付記11)
複数の前記データ転送部の各々は、前記スマートNICと前記データ転送部との間の、前記データ転送部ごとに異なるポートに前記パケットを送信し、
前記データ転送部によって前記パケットが送信された前記ポートによって、前記パケットの送信元の前記データ転送部を識別する、
付記10に記載の通信制御方法。
【0124】
(付記12)
UPFの通信制御方法である、
付記7から付記9のいずれかに記載の通信制御方法。
【0125】
(付記13)
コンピュータに、
物理ポートを介してパケットを受信する受信機能と、
受信された前記パケットについて、前記パケットが属するネットワークスライスとQoSにおけるクラスとを識別する識別機能と、
複数の前記ネットワークスライスの各々に対応付けられている複数のキューグループを有するキュー群であって、前記QoSにおける複数のクラスの各々に対応する複数のキューが複数の前記キューグループの各々に含まれる前記キュー群のいずれかの前記キューに、前記パケットの識別結果に従って前記パケットを振り分ける振分機能と、
複数の前記ネットワークスライスの各々に対応して設けられ、対応する前記ネットワークスライスにおける前記QoSに応じたパケット転送処理を行う複数のデータ転送機能と、
前記データ転送機能から受信した前記パケットを、物理ポートを介して送信する送信機能と、
を実現させ、
複数の前記データ転送機能の各々は、対応する前記ネットワークスライスに対応付けられている前記キューグループの前記キューから前記パケットを取得し、取得した前記パケットに対して前記QoSに応じた前記パケット転送処理を行い、
前記送信機能は、複数の前記データ転送機能のうち、前記ネットワークスライスの優先度であるスライス優先度がより高い前記ネットワークスライスに対応する前記データ転送機能から受信した前記パケットを優先して送信する、
通信制御プログラム。
【0126】
(付記14)
前記送信機能は、前記パケットが属する前記ネットワークスライスを識別する際の識別ルール、および、前記ネットワークスライスと前記データ転送機能との間の対応関係に基づいて、前記データ転送機能の前記スライス優先度を決定する、
付記13に記載の通信制御プログラム。
【0127】
(付記15)
前記振分機能は、最優先処理パケット用のネットワークスライスに属する前記パケットを、最優先処理パケット用のキューグループのキューに振り分け、
前記送信機能は、前記最優先処理パケット用のキューグループからパケットを取得し、取得したパケットを、前記データ転送機能から受信したパケットより優先して送信する、
付記13に記載の通信制御プログラム。
【0128】
(付記16)
通信制御装置の通信制御プログラムであり、
前記通信制御装置は、スマートNICとCPUを備え、
前記データ転送機能は、前記CPUに含まれる、
付記13から付記15のいずれかに記載の通信制御プログラム。
【0129】
(付記17)
複数の前記データ転送機能の各々は、前記スマートNICと前記CPUとの間の、前記データ転送機能ごとに異なるポートに前記パケットを送信し、
前記送信機能は、前記データ転送機能によって前記パケットが送信された前記ポートによって、前記パケットの送信元の前記データ転送機能を識別する、
付記16に記載の通信制御プログラム。
【0130】
(付記18)
UPFの通信制御プログラムである、
付記13から付記15のいずれかに記載の通信制御プログラム。
【0131】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0132】
10、20、30 通信制御装置
11、21、31 受信部
12、22、32 識別部
13、23、33 振分部
14-i、24-i、34-i キューグループ
15-i、25-i、35-i データ転送部
16、26、36 送信部
241-ij キュー
242 キュー群
90 情報処理装置
91 通信インタフェース
92 入出力インタフェース
93 演算装置
94 記憶装置
95 不揮発性記憶装置
96 ドライブ装置
97 記録媒体
図1
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