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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062164
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】ボーリング機
(51)【国際特許分類】
   B23B 45/14 20060101AFI20240430BHJP
【FI】
B23B45/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169995
(22)【出願日】2022-10-24
(71)【出願人】
【識別番号】595040489
【氏名又は名称】株式会社康和工業
(74)【代理人】
【識別番号】100086184
【弁理士】
【氏名又は名称】安原 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100167634
【弁理士】
【氏名又は名称】扇田 尚紀
(72)【発明者】
【氏名】橋本 太一
(72)【発明者】
【氏名】桑野 靖士
【テーマコード(参考)】
3C036
【Fターム(参考)】
3C036EE13
(57)【要約】
【課題】加工対象面の高精度な加工を実現するボーリング機を提供する。
【解決手段】
作業時には、ワークCに取り付けるベースプレート4と、板状からなり、相互に間隔を空けて平行に、基部でベースプレート4に取り付ける支柱部Bと、先端をワークCの加工対象面に向けて配置されるドリル刃3と、ドリル刃3をその軸回り方向に回転駆動させる駆動部2と、駆動部2の両側面に取り付け駆動部側面表面を覆う板状体からなるスライド板6と、支柱部B間に、内側に少なくとも駆動部を設けた両スライド板6を上下動可能にとりつけることを特徴とするボーリング機A。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業時には、ワークに取り付けるベースプレートと、
板状からなり、相互に間隔を空けて平行に、基部でベースプレートに取り付ける支柱部と、
先端をワークの加工対象面に向けて配置される軸状工具と、
軸状工具をその軸回り方向に回転駆動させる駆動部と、
駆動部の両側面に取り付け駆動部側面表面を覆う板状体からなるスライド板と、
支柱部間に、内側に少なくとも駆動部を設けた両スライド板を上下動可能にとりつけることを特徴とするボーリング機。
【請求項2】
駆動部の上面と下面に、両スライド板間にそれぞれ取り付け駆動部の上面と下面表面を覆う板状体からなるモーターブラケットと、を設けることで、
駆動部の上下両側面を板状体で覆った箱状体で、駆動部を収め、
ベースプレートは、台板を介して、フランジ部であるワークに取り付けることを特徴とする請求項1記載のボーリング機。
【請求項3】
支柱部の基部から先端部にかけて取り付ける縦送りシャフトと、
縦送りシャフトに上下可能に取り付ける、
スライド板とモーターブラケットとで、駆動部を中に収めた箱状体と、を有することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のボーリング機。
【請求項4】
支柱部内側に基部から先端にかけて設置するリニアガイドと、
スライド板のリニアガイド側に取り付け、リニアガイドに沿って移動するガイドと、
を有することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のボーリング機。
【請求項5】
作業時には、ワークに取り付けるベースプレートと、
板状からなり、相互に間隔を空けて平行に、基部でベースプレートに取り付ける支柱部と、
先端をワークの加工対象面に向けて配置される軸状工具と、
軸状工具をその軸回り方向に回転駆動させる駆動部と、
駆動部の両側面に取り付け駆動部側面表面を覆う板状体からなるスライド板と、
支柱部間に、内側に少なくとも駆動部を設けた両スライド板を上下動可能に取り付け、支柱部間に両スライド板を固定してから、両スライド板を上下動する縦送りシャフトを差し込むことを特徴とするボーリング機。
【請求項6】
支柱部間に、内側に少なくとも駆動部を設けた箱状物を上下動可能に取り付け、支柱部間に両箱状物を固定してから、箱状物を上下動する縦送りシャフトを差し込むことを特徴とする請求項5記載のボーリング機。
【請求項7】
両方の支柱部内側に基部から先端にかけて2本づつ平行に設置するリニアガイドとガイドで、箱状体を、支柱部Bの基部と先端部間の移動をガイドする請求項5または請求項6のいずれか記載のボーリング機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電所や化学プラントに導入されているタービン、ボイラー、反応器等の配管の端部に設けられたフランジ部の加工に用いられるボーリング機に関する。
【背景技術】
【0002】
発電所や化学プラントに導入されているタービン、ボイラー、反応器等の配管では、その端部にフランジ部が設けられる。フランジ部には、ボルト孔が形成されることがある。
このボルト孔は、フランジ部のシート面からその反対面まで貫通形成されたり、シート面もしくはその反対面に貫通しないように形成されたりする。そして、一方のフランジ部のシート面と他方のフランジ部のシート面とを当接し、フランジ部のシート面からその反対面まで貫通形成されたボルト孔にボルトを挿通して二つのフランジ部をボルトナット締結することで、配管同士の連結がなされる。また、貫通しないように形成されたボルト孔に対してボルト等の各種部品を取り付けたりすることも行われている。
【0003】
発電所や化学プラントに導入されているタービン、ボイラー、反応器等の配管の端部のフランジ部では、配管同士を確実に締結し、かつ、締結された配管のガタツキを抑えるために、シート面の平滑度やボルト孔の位置に高精度が求められる。
特許文献1に記載の「削り取り・加工専用機」は、「取付け台1をケーシング本体2の取付座面2a上に乗せ、植込みボルト3を用いて固定する。」ものである(特許文献1 明細書第6頁第7行~第9行、第1図、第2図 参照)。
しかし、特許文献1に記載の「削り取り・加工専用機」では、「工具19」の先端がその「軸線AX」から外れてしまうので、加工対象面の高精度な加工に向かない(特許文献1 明細書第3頁第5行~第11行、第4頁第5行~第7頁第5行、第1図 参照)。
そこで、発明者は、工具の振動を抑えて加工対象面の高精度な加工を実現するボーリング機を提供するため、先に特許文献2記載の発明を提案した。
【0004】
特許文献2記載の発明は、
「先端を加工対象面に向けて配置される軸状工具と、
前記軸状工具をその軸回り方向に回転駆動させる駆動部と、
操作部と、
前記操作部からの外力に応じて前記軸状工具をその軸線に沿ってスライド移動させるスライド移動部と、
前記軸状工具の軸線上の固定点で前記スライド移動部を保持する保持部と、
を備える加工機。」に係る(特許文献2[請求項1])。
【0005】
あるいは、
「前記スライド移動部は、二つの屈曲アームと、二つの前記屈曲アームの各端部同士を連結する二つの連結部と、二つの前記屈曲アームを連結するネジロッドと、を備えるパンタグラフ式のジャッキを含み、
一方の前記連結部は、前記保持部によって前記固定点で保持され、
前記軸状工具は、他方の前記連結部から延出し、
前記操作部は、前記ネジロッドの端部に設けられる加工機。」に係る(特許文献2[請求項2])。
【0006】
あるいは、
「前記加工対象面は、水平に向けられ、
前記保持部は、前記加工対象面の上に載置される基部と、前記加工対象面に対して離反する方向に前記基部から延び前記固定点を形成する延出部と、を含み、
前記基部には、通気孔が形成されている加工機。」(特許文献2[請求項3])、
からなる。
【0007】
特許文献2記載の発明は、前記保持部を有するとともに、「加工機101を用いて金属円板201にボルト孔を形成する場合、操作者は、四個のローラ108で金属円板201の側面を挟み込むように第1基礎プレート106及び基礎長尺部材107を金属円板201の加工対象面201aに載置する」ものである(特許文献2[0029])。
【0008】
更に、発明者は、先に特許文献3記載の発明を提案した。
特許文献3記載の発明は、
「支柱部と、
支柱部下部に取り付けるとともに、作業時には、中空ドーナツ状からなるワークの中心円内に取り付ける回転盤と、
支柱部に取り付けた先端をワークの加工対象面に向けて配置される軸状工具と、
前記軸状工具をその軸回り方向に回転駆動させる駆動部と、
回転盤の周囲に設けられ、ワークの中心円内面に押圧することでワークと固定可能に、移動機構により伸縮自在である固定部と、
を備える加工機。」からなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実開昭61―205710号公報
【特許文献2】特開2011―189475号公報
【特許文献3】特開2017―243976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1記載の発明は、「取付穴25」に「植込ボルト」を取り付けて、「ケーシング本体2」に「取付台1」を固定するものであって、「取付穴25」、「植込ボルト」を必須とするものであった。
特許文献2記載の発明は、「加工機101」を、ワークである「金属円板201」に外付けで取り付けて作業するものであって、中空ドーナツ状からなるワークの中心円内に加工機を取り付けて作業するものではない。
特許文献3記載の発明は、軸状工具、駆動部、ともに、むき出しで支柱部に取り付けられていた。そのため、軸状工具や駆動部に汎用品を用いることは想定していない。
【0011】
本発明は、支柱部に取り付けた先端をワークの加工対象面に向けて配置される軸状工具あるいは、前記軸状工具をその軸回り方向に回転駆動させる駆動部の周りを、板状体で覆い、支柱部間に、内側に少なくとも駆動部を設けた両スライド板を上下動可能にとりつけることで、少なくとも駆動部を支柱部に円滑に上下動可能に取り付けることで、軸状工具や駆動部に汎用品を用いることを可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のボーリング機は、
作業時には、ワークに取り付けるベースプレートと、
板状からなり、相互に間隔を空けて平行に、基部でベースプレートに取り付ける支柱部と、
先端をワークの加工対象面に向けて配置される軸状工具と、
軸状工具をその軸回り方向に回転駆動させる駆動部と、
駆動部の両側面に取り付け駆動部側面表面を覆う板状体からなるスライド板と、
支柱部間に、内側に少なくとも駆動部を設けた両スライド板を上下動可能にとりつけることを特徴とするボーリング機、
からなる。
【0013】
本発明のボーリング機は、更に、
駆動部の上面と下面に、両スライド板間にそれぞれ取り付け駆動部の上面と下面表面を覆う板状体からなるモーターブラケットと、を設けることで、
駆動部の上下両側面を板状体で覆った箱状体で、駆動部を収め、
ベースプレートは、台板を介して、フランジ部であるワークに取り付けることを特徴とするボーリング機、
からなる。
【0014】
本発明のボーリング機は、更に、
支柱部の基部から先端部にかけて取り付ける縦送りシャフトと、
縦送りシャフトに上下可能に取り付ける、
スライド板とモーターブラケットとで、駆動部を中に収めた箱状体と、を有することを特徴とするボーリング機、
からなる。
【0015】
本発明のボーリング機は、更に、
支柱部内側に基部から先端にかけて設置するリニアガイドと、
スライド板のリニアガイド側に取り付け、リニアガイドに沿って移動するガイドと、
を有することを特徴とするボーリング機、
からなる。
【0016】
本発明のボーリング機は、
作業時には、ワークに取り付けるベースプレートと、
板状からなり、相互に間隔を空けて平行に、基部でベースプレートに取り付ける支柱部と、
先端をワークの加工対象面に向けて配置される軸状工具と、
軸状工具をその軸回り方向に回転駆動させる駆動部と、
駆動部の両側面に取り付け駆動部側面表面を覆う板状体からなるスライド板と、
支柱部間に、内側に少なくとも駆動部を設けた両スライド板を上下動可能に取り付け、支柱部間に両スライド板を固定してから、両スライド板を上下動する縦送りシャフトを差し込むことを特徴とするボーリング機、
からなる。
【0017】
本発明のボーリング機は、更に、
支柱部間に、内側に少なくとも駆動部を設けた箱状物を上下動可能に取り付け、支柱部間に両箱状物を固定してから、箱状物を上下動する縦送りシャフトを差し込むことを特徴とするボーリング機、
からなる。
【0018】
本発明のボーリング機は、更に、
両方の支柱部内側に基部から先端にかけて2本づつ平行に設置するリニアガイドとガイドで、箱状体を、支柱部Bの基部と先端部間の移動をガイドするボーリング機、
からなる。
【発明の効果】
【0019】
支柱部間に、内側に少なくとも駆動部を設けた両スライド板を上下動可能にとりつけ、
両側面は板状からなるスライド板で覆われているため、駆動部表面が凹凸していても、支柱部間をスムーズに上下動することができる。そのため、軸状工具や駆動部に汎用品を用いることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】この発明の実施例にかかるボーリング機の一部組み立て斜視図である。
図2】この発明の実施例にかかるボーリング機の一部組み立て斜視図である。
図3】この発明の実施例にかかるボーリング機の一部組み立て斜視図である。
図4】この発明の実施例にかかるボーリング機の一部組み立て斜視図である。
図5】この発明の実施例にかかるボーリング機の一部組み立て斜視図である。
図6】この発明の実施例にかかるボーリング機のワークへの取り付け状態をあらわす一部組み立て斜視図である。
図7】この発明の実施例にかかるボーリング機のワークへの取り付け状態をあらわす正面図である。
図8】この発明の実施例にかかるボーリング機のワークへの取り付け状態をあらわす斜視図である。
図9】この発明の実施例にかかるボーリング機のワークへの取り付け状態をあらわす斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
この発明の実施例にかかるボーリング機の実施の一形態を、図1ないし図9に基づいて説明する。この発明の実施の形態は、発電所や化学プラントに導入されているタービン、ボイラー、反応器等の配管からなるワークCの端部に設けられるフランジ部Dとなる金属円板に対して、切削を行ってボルト孔D1を形成するためのボーリング機への適用例である。
図1に図示されるAは、この発明に係るボーリング機である。図6乃至図9に図示するCは、ワークである。ワークCは、金属製円盤であり、フランジ部D表面が加工対象面である。ワークCは、発電所タービン室にある大型バルブ(MSV)などである。
ボーリング機Aは、支柱部Bと、軸状工具としてのドリル刃3と、ドリル刃3の駆動部としてのコーナードリル2、縦送り手動ハンドルである主ギアシャフトカバー53と、ベースプレート4、天板1、平行に設けた2本の縦送りシャフト81と、2本の縦送りシャフト81間を、ギアカバー55でつなぎ、全体としてコ字状とした縦送り機構H他を有する。
【0022】
図1図4図5乃至図9に図示するBは、ボーリング機Aにおける支柱部である。支柱部Bは、板状、フレーム状からなる。支柱部Bは、剛性の高い金属素材に例えばジュラルミンによって形成される。
支柱部Bは、2枚の板状からなり、相互に間隔を空けて平行に取り付ける。
支柱部Bの上部間には、天板1をかけ渡して固定する。
4は、ベースプレートである。ベースプレート4は、全体として長円状からなる。支柱部Bは、基部でベースプレート4に取り付ける。
ベースプレート4は、作業時には、台板Eを介して、ボルトでフランジ部であるワークCに取り付ける。
ボーリング機Aは、金属製からなるワークCの一方の平面(加工対象面)であるフランジ部Dに固定して、この平面に対して切削加工を行う。
【0023】
軸状工具としてのドリル刃3は、コーナードリル2の下面に取り付け、下方に延出し、先端をワークの加工対象面に向けて配置する。
ドリル刃3の駆動部としてのコーナードリル2は、この実施例ではエア駆動によりドリル刃3をその軸回り方向に回転駆動させる。駆動部2は、油圧モータからなり、油圧で回転してもよい。
【0024】
6は、スライド板である。スライド板6は、ドリル刃3と駆動部2の両側面に取り付け駆動部側面表面を覆う板状体からなる。
スライド板6には、取り付けた支柱部Bの基部と先端部方向に表面から凹状にガイド用溝61を設ける。
7は、モーターブラケットである。モーターブラケット7は、板状体からなる。モーターブラケット7は、ドリル刃3と駆動部2の上面と下面に、両スライド板6間にそれぞれ取り付け、駆動部2の上面と下面表面を覆う。モーターブラケット7を設けることで、ドリル刃3と駆動部2の上下両側面を、スライド板6とモーターブラケット7で囲まれた箱状体Gで覆う。箱状体Gは、上下面と両側面を設けた箱状体とすることで、強度を増すことができる。
箱状体Gで、スライド板6とモーターブラケット7の板状体で駆動部2を収める。
【0025】
支柱部B間に、内側にドリル刃3の駆動部2としてのコーナードリル2を設けた両スライド板6を有する箱状体Gを上下動可能にとりつける。
81は、縦送りシャフトである。縦送りシャフト81は、支柱部Bの基部から先端部にかけて取り付ける。縦送りシャフト81の周囲にはネジを設ける。
82は、リニアガイドである。リニアガイド82は、両方の支柱部B内側に基部から先端にかけて2本づつ平行に設置する。
83は、ガイドである。ガイド83は、リニアガイド82に基部と先端方向にスライド可能に取り付けリニアガイド82に沿って移動する。更にガイド83は、スライド板6に設けたガイド用溝61に嵌合して固定する。
スライド板6を有する箱状体Gは、縦送りシャフト81に基部と先端との間をリニアガイド82に沿って上下移動可能に取り付ける。
【0026】
91は、縦送りシャフト取付部である。縦送りシャフト取付部91は、支柱部Bの先端から基部まで縦送りシャフト81を挿入可能な凹状に設ける。縦送りシャフト取付部91内面にはネジを設ける。縦送りシャフト取付部91に、縦送りシャフト81を挿入し、主ギアシャフトカバー53を回転することで、縦送りシャフト取付部91内面に設けたネジと、縦送りシャフト81外周に設けたネジを螺合する。
リニアガイド82とガイド83で、箱状体Gは、支柱部Bの基部と先端部間の移動をガイドする。
【0027】
51は、主ギアである。主ギア51は、ピニオンギアからなる。
52は、縦送りシャフトギアである。縦送りシャフトギア52は、各縦送りシャフト81の先端側に取り付ける。縦送りシャフトギア52は、主ギア51の回動により回動可能に、主ギア51に噛合わせる。
53は、主ギアシャフトカバーである。主ギアシャフトカバー53は、天板1上から主ギア51を覆うように取り付ける。主ギアシャフトカバー53は、縦送りシャフトギアカバー54より大きく設け、縦送り手動ハンドルを構成する。
【0028】
54は、縦送りシャフトギアカバーである。縦送りシャフトギアカバー54は、縦送りシャフトギア52を覆うように取り付ける。
55は、ギアカバーである。ギアカバー55は、主ギア51、両方の縦送りシャフトギア52を覆うとともに、上から主ギアシャフトカバー53、縦送りシャフトギアカバー54を取り付ける。
縦送りシャフト81、リニアガイド82、ガイド83、縦送りシャフトギア52、主ギア51、主ギアシャフトカバー53、縦送りシャフトギアカバー54、ギアカバー55で、縦送り機構Hを、構成する。平行に設けた2本の縦送りシャフト81と、2本の縦送りシャフト81間を、ギアカバー55でつなぎ、全体としてコ字状とする。
【0029】
主ギアシャフトカバー53を回動することで、主ギア51は回動し、主ギア51の回動に伴い、縦送りシャフトギア52は回動する。
縦送りシャフトギア52が回動することで、各縦送りシャフト81は、回動する。各縦送りシャフト81の回動により、各縦送りシャフト81間にとりつけた箱状体Gは、支柱部Bの基部と先端部との間を、上下に移動可能である。箱状体Gが上下動することで、ドリル刃3は上下に移動可能である。
【0030】
箱状体Gが支柱部Bの先端方向に移動することで、軸状工具としてのドリル刃3はワークC方向に移動し、孔開け作業を行う。箱状体Gが上下運動をすることによりボーリング機Aで機械加工が行える。
支柱部B間に、内側に少なくとも駆動部2を設けた箱状物Gを上下動可能に取り付け、支柱部間に箱状物Gを固定してから、箱状物Gを上下動する縦送りシャフトを、ギアカバー55上から、差し込む。
支柱部B間に、コーナードリル(駆動部)2を内部に設け、両スライド板6を有する箱状物Gを上下動可能に取り付ける。支柱部B間に箱状物Gを固定してから、主ギア51を動かして、箱状物Gを上下動する縦送りシャフトを、ギアカバー55上から、差し込む。
【0031】
両側面は板状からなるスライド板6で覆われているため、駆動部2表面が凹凸していても、支柱部B間をスムーズに上下動することができる。そのため、駆動部2に汎用品、市販品を用いることが可能となる。
【0032】
ボーリング機Aは、金属製からなるワークCの一方の平面(加工対象面)であるフランジ部Dに固定して、この平面に対して切削加工を行う。
作業時における、ボーリング機AのワークCへの固定は、台板Eを介して、ボーリング機Aのベースプレート4を固定しておこなう。固定は、ボルトを、フランジ部であるワークCに設けたボルト孔D1に、取り付けておこなう。
操作者は、ワークCに形成しようとするボルト孔の深さに応じた距離だけ主ギア51を動かし、ワークCにボルト孔を貫通形成したり、このワークCにボルト孔を形成したりする。このとき、ドリル刃3は、加工対象面から反力を受ける。
図6に図示するD2は試作材である。ボルト孔D1にボルトが入っていて抜けなくなったときに、ボルトを抜いて抜けたところにダミーとして試作材D3を入れる。
【0033】
なお、上記の説明では、金属円板に対して切削を行ってボルト孔を形成するためのボーリング機への適用例を示したが、本発明は、ドリル刃3を用いたボーリング機のみならず、様々なボーリング機に適用できる。例えば、ドリル刃3に代えて、エンドミル、リーマ、タップ等の切削工具を用いても良い。また、ボルト孔のみならず他の用途に用いられる孔部を金属円板に形成するボーリング機に本発明を適用しても良い。
【0034】
支柱部B間に、コーナードリル(駆動部)2を内部に設け、両スライド板6を有する箱状物Gを上下動可能に取り付ける。支柱部B間に箱状物Gを固定してから、主ギア51を動かして、箱状物Gを上下動する縦送りシャフトを、ギアカバー55上から、差し込んでボーリング機Aを組み立てる。
平行に設けた2本の縦送りシャフト81と、2本の縦送りシャフト81間を、ギアカバー55でつなぎ、全体としてコ字状とした縦送り機構Hの、縦送りシャフト81をボーリング機A本体に差し込むことで、安定して差し込める。
【0035】
他方、操作者は、ワークCに形成しようとするボルト孔の深さに応じた距離だけ主ギア51を動かし位置調整をして、ワークCにボルト孔を貫通形成して、このワークCにボルト孔を形成したりする。
そのため、同様の操作で、組み立てとドリル操作を行い、ボーリング機Aの組み立てが容易となり、併せて、コーナードリル(駆動部)2の位置調整が容易である。
ケース箱状物Cのボーリング機Aへの取り付け組み立てと、ドリル操作を主ギアシャフトカバー(縦送り手動ハンドル)53でおこなうことができる。
【0036】
この発明の実施例に係るボーリング機Aでは、発電所や化学プラントに導入されているタービン、ボイラー、反応器等の配管の端部に設けるフランジ部に限らず、場所を問わず穴あけをし、ねじ切りをおこなうことが可能である。
【符号の説明】
【0037】
A ボーリング機
B 支柱部
C ワーク
H 縦送り機構
1 天板
2 コーナードリル(駆動部)
3 ドリル刃(軸状工具)
4 ベースプレート
41 ベースプレート側ガイド
51 主ギア
52 縦送りシャフトギア
53 主ギアシャフトカバー(縦送り手動ハンドル)
54 縦送りシャフトギアカバー
55 ギアカバー
6 スライド板
7 モーターブラケット
81 縦送りシャフト
82 リニアガイド
83 ガイド

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9