(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062204
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】コイル部品
(51)【国際特許分類】
H01F 27/29 20060101AFI20240430BHJP
H01F 17/00 20060101ALI20240430BHJP
H01F 27/30 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
H01F27/29 123
H01F17/00 C
H01F27/30 101A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170057
(22)【出願日】2022-10-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】小林 創
(72)【発明者】
【氏名】數田 洋一
(72)【発明者】
【氏名】志賀 悠人
(72)【発明者】
【氏名】田久保 悠一
(72)【発明者】
【氏名】郭 旭冉
(72)【発明者】
【氏名】▲柳▼沼 達
【テーマコード(参考)】
5E070
【Fターム(参考)】
5E070AA01
5E070AB01
5E070CB13
5E070DB02
5E070EA01
(57)【要約】
【課題】素体から端子電極が剥離することを抑制できるコイル部品を提供する。
【解決手段】コイル部品1は、素体2と、コイル5と、第一端子電極3及び第二端子電極4と、を備える。コイル5は、一対の側面2e,2fの対向方向においてコイル軸AXが延在している。第一端子電極3及び第二端子電極4のそれぞれは、端面2a,2bに露出している第一電極部分3A,4Aと、主面2dに露出している第二電極部分3B,4Bと、を有し、一対の側面2e,2fのそれぞれには露出していない。一対の主面2c,2dの対向方向において、第一電極部分3A,4Aの主面2c側の端部3Ab,4Abと主面2dとの間の距離L1は、コイル5において主面2cに最も近接している頂部5Cと主面2dとの間の距離L2よりも長い。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向している一対の端面と、互いに対向している一対の主面と、互いに対向している一対の側面と、を有し、一方の前記主面が実装面である素体と、
前記素体内に配置され、複数のコイル導体によって構成されているコイルと、
前記コイルと電気的に接続されている一対の端子電極と、を備え、
前記コイルは、一対の前記側面の対向方向においてコイル軸が延在しており、
一対の前記端子電極のそれぞれは、前記端面に露出している第一電極部分と、前記第一電極部分の前記実装面側の端部と接続されていると共に前記実装面に露出している第二電極部分と、を有し、一対の前記側面のそれぞれには露出しておらず、
一対の前記主面の対向方向において、前記第一電極部分の少なくとも一部における他方の前記主面側の端部と前記実装面との間の距離は、前記コイルにおいて他方の前記主面に最も近接している頂部と前記実装面との間の距離よりも長い、コイル部品。
【請求項2】
一対の前記端子電極のそれぞれは、前記第一電極部分の他方の前記主面側の端部と接続され、一対の前記主面の前記対向方向において前記第二電極部分と対向して配置されている第三電極部分を有している、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
一対の前記側面の前記対向方向から見た場合における前記端子電極の厚みは、複数の前記コイル導体のそれぞれの幅以下である、請求項1又は2に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記コイルと前記第一電極部分とが接続部によって接続されており、
前記接続部の幅は、複数の前記コイル導体のそれぞれの幅以上である、請求項1又は2に記載のコイル部品。
【請求項5】
一対の前記側面の前記対向方向から見て、前記コイルの外形が円形状を呈している、請求項2に記載のコイル部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル部品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、素体と、素体内に配置されているコイルと、素体に配置されている一対の端子電極と、を備えるコイル部品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一側面は、素体から端子電極が剥離することを抑制できるコイル部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明の一側面に係るコイル部品は、互いに対向している一対の端面と、互いに対向している一対の主面と、互いに対向している一対の側面と、を有し、一方の主面が実装面である素体と、素体内に配置され、複数のコイル導体によって構成されているコイルと、コイルと電気的に接続されている一対の端子電極と、を備え、コイルは、一対の側面の対向方向においてコイル軸が延在しており、一対の端子電極のそれぞれは、端面に露出している第一電極部分と、第一電極部分の実装面側の端部と接続されていると共に実装面に露出している第二電極部分と、を有し、一対の側面のそれぞれには露出しておらず、一対の主面の対向方向において、第一電極部分の少なくとも一部における他方の主面側の端部と実装面との間の距離は、コイルにおいて他方の主面に最も近接している頂部と実装面との間の距離よりも長い。
【0006】
本発明の一側面に係るコイル部品では、一対の主面の対向方向において、第一電極部分の少なくとも一部における他方の主面側の端部と実装面との間の距離は、コイルにおいて他方の主面に最も近接している頂部と実装面との間の距離よりも長い。これにより、コイル部品では、素体と端子電極とが接触(当接)する面積を増加させることができる。そのため、コイル部品では、素体と端子電極との接合強度の向上を図ることができる。したがって、コイル部品では、素体から端子電極が剥離することを抑制できる。その結果、コイル部品では、信頼性の低下を抑制できる。
【0007】
(2)上記(1)のコイル部品において、一対の端子電極のそれぞれは、第一電極部分の他方の主面側の端部と接続され、一対の主面の対向方向において第二電極部分と対向して配置されている第三電極部分を有していてもよい。この構成では、素体と端子電極とが接触する面積をより一層増加させることができる。そのため、コイル部品では、素体と端子電極との接合強度の向上をより一層図ることができる。したがって、コイル部品では、素体から端子電極が剥離することを抑制できる。
【0008】
(3)上記(1)又は(2)のコイル部品において、一対の側面の対向方向から見た場合における端子電極の厚みは、複数のコイル導体のそれぞれの幅以下であってもよい。この構成では、端子電極の体積を小さくすることができる。そのため、コイル部品の製造工程において、素体と端子電極との熱収縮率の差に起因して素体にクラックが発生することを抑制できる。
【0009】
(4)上記(1)~(3)のいずれか一つのコイル部品において、コイルと第一電極部分とが接続部によって接続されており、接続部の幅は、複数のコイル導体のそれぞれの幅以上であってもよい。この構成では、端子電極と接続部との接合強度の向上を図ることができる。これにより、コイル部品では、素体から端子電極が剥離することを抑制できる。
【0010】
(5)上記(1)~(4)のいずれか一つのコイル部品において、一対の前記側面の前記対向方向から見て、前記コイルの外形が円形状を呈していてもよい。この構成では、端子電極とコイルとの間の距離を確保できる。そのため、コイル部品では、端子電極とコイルとの間に発生する浮遊容量を小さくすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一側面によれば、素体から端子電極が剥離することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、第一実施形態に係るコイル部品の斜視図である。
【
図4】
図4は、第二実施形態に係るコイル部品の斜視図である。
【
図6】
図6は、第三実施形態に係るコイル部品の斜視図である。
【
図8】
図8は、他の実施形態に係るコイル部品の端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0014】
[第一実施形態]
図1及び
図2を参照して、第一実施形態に係るコイル部品を説明する。
図1は、第一実施形態に係るコイル部品の斜視図である。
図2は、
図1に示すコイル部品の側面図である。
図2では、素体を二点鎖線で示している。
【0015】
図1及び
図2に示されるように、コイル部品1は、素体2と、第一端子電極3及び第二端子電極4と、コイル5と、を備えている。
【0016】
素体2は、直方体形状を呈している。直方体形状には、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状が含まれる。素体2は、外面として、一対の端面2a,2bと、一対の主面2c,2dと、一対の側面2e,2fと、を有している。端面2a,2bは、互いに対向している。主面2c,2dは、互いに対向している。側面2e,2fは、互いに対向している。以下では、端面2a,2bの対向方向を第一方向D1、主面2c,2dの対向方向を第二方向D2、及び、側面2e,2fの対向方向を第三方向D3とする。第一方向D1、第二方向D2、及び第三方向D3は互いに略直交している。
【0017】
端面2a,2bは、主面2c,2dを連結するように第二方向D2に延在している。端面2a,2bは、側面2e,2fを連結するように第三方向D3にも延在している。主面2c,2dは、端面2a,2bを連結するように第一方向D1に延在している。主面2c,2dは、側面2e,2fを連結するように第三方向D3にも延在している。側面2e,2fは、主面2c,2dを連結するように第二方向D2に延在している。側面2e,2fは、端面2a,2bを連結するように第一方向D1にも延在している。
【0018】
主面2dは、実装面であり、たとえばコイル部品1を図示しない他の電子機器(たとえば、回路基材、又は電子部品)に実装する際、他の電子機器と対向する面である。端面2a,2bは、実装面(すなわち主面2d)から連続する面である。
【0019】
本実施形態では、素体2の第一方向D1における長さは、素体2の第二方向D2における長さ及び素体2の第三方向D3における長さよりも長い。素体2の第二方向D2における長さは、素体2の第三方向D3における長さよりも長い。本実施形態では、端面2a,2b、主面2c,2d及び側面2e,2fは、長方形状を呈している。素体2の第一方向D1における長さは、素体2の第二方向D2における長さ、及び素体2の第三方向D3における長さと同等であってもよいし、これらの長さよりも短くてもよい。なお、本実施形態で「同等」とは、等しいことに加えて、予め設定した範囲での微差又は製造誤差などを含んだ値を同等としてもよい。たとえば、複数の値が、当該複数の値の平均値の±5%の範囲内に含まれているのであれば、当該複数の値は同等であると規定する。
【0020】
図3に示されるように、素体2は、第三方向D3に複数の素体層8が積層されて構成されている。素体2は、積層されている複数の素体層8を有している。素体2では、複数の素体層8が積層されている積層方向が、第三方向D3と一致する。一部の素体層8は、後述するように、積層方向で隣り合う素体層8と一体的に形成されている。
【0021】
各素体層8は、たとえば、絶縁性材料を含んでいる。各素体層8は、絶縁性材料として、たとえば、磁性材料を含んでいる。磁性材料としては、たとえば、Ni-Cu-Zn系フェライト材料、Ni-Cu-Zn-Mg系フェライト材料、Ni-Cu系フェライト材料、又は、Fe合金が挙げられる。各素体層8は、絶縁性材料として、たとえば、非磁性材料を含んでいてもよい。非磁性材料としては、ガラスセラミック材料又は誘電体材料が挙げられる。各素体層8は、たとえば、絶縁性材料を含む絶縁体層を焼成する焼成工程を経て形成され、絶縁性材料の焼結体を含んでいてもよい。
【0022】
素体2の外面には、第一凹部6及び第二凹部7が設けられている。具体的には、第一凹部6は、端面2a、主面2c及び主面2dにわたって設けられている。第二凹部7は、端面2b、主面2c及び主面2dにわたって設けられている。
【0023】
第一端子電極3は、素体2の端面2a側に配置されている。第二端子電極4は、素体2の端面2b側に配置されている。第一端子電極3及び第二端子電極4は、第二方向D2で互いに離間している。第一端子電極3は、第一凹部6内に配置されている。第二端子電極4は、第二凹部7内に配置されている。第一端子電極3は、端面2a、主面2c及び主面2dにわたって配置されている。第二端子電極4は、端面2b、主面2c及び主面2dにわたって配置されている。本実施形態では、第一端子電極3の表面は、端面2a、主面2c及び主面2dのそれぞれと略面一である。第二端子電極4の表面は、端面2b、主面2c及び主面2dのそれぞれと略面一である。第一端子電極3及び第二端子電極4は、導電材料(たとえば、Ag及び/又はPd)により構成されている。
【0024】
第一端子電極3は、第三方向D3から見て、チャンネル形状(略U字形状、略C字形状)を呈している。第一端子電極3は、第一電極部分3Aと、第二電極部分3Bと、第三電極部分3Cと、を有している。第一電極部分3Aは、端面2aに配置されている。第二電極部分3Bは、主面2dに配置されている。第三電極部分3Cは、主面2cに配置されている。第二電極部分3Bと第三電極部分3Cとは、第二方向D2において対向して配置されている。
【0025】
第一電極部分3Aと第二電極部分3Bとは、素体2の稜線部において接続されており、互いに電気的に接続されている。具体的には、第一電極部分3Aの第二方向D2における主面2d側の端部3Aaと第二電極部分3Bとが接続されている。第一電極部分3Aと第三電極部分3Cとは、素体2の稜線部において接続されており、互いに電気的に接続されている。具体的には、第一電極部分3Aの第二方向D2における主面2c側の端部3Abと第三電極部分3Cとが接続されている。本実施形態では、第一電極部分3Aと第二電極部分3Bと第三電極部分3Cとは、一体的に形成されている。
【0026】
第一電極部分3Aは、第一方向D1から見て、長方形状を呈している。第一電極部分3Aは、第二方向D2及び第三方向D3のそれぞれに沿って延在している。第二電極部分3Bは、第二方向D2から見て、長方形状を呈している。第二電極部分3Bは、第一方向D1及び第三方向D3のそれぞれに沿って延在している。第三電極部分3Cは、第二方向D2から見て、長方形状を呈している。第三電極部分3Cは、第二方向D2及び第三方向D3のそれぞれに沿って延在している。第一端子電極3は、側面2e,2fに露出していない。すなわち、第一電極部分3A、第二電極部分3B及び第三電極部分3Cと側面2e,2fとの間には、素体2が配置されている。
【0027】
第一端子電極3は、複数の第一電極層10,11,12,13,14,15,16,17(
図3参照)が、第三方向D3において積層されてなる。つまり、第一電極層10~17の積層方向は、第三方向D3である。実際の第一端子電極3では、複数の第一電極層10~17は、その層間の境界が視認できない程度に一体化されている。
【0028】
第二端子電極4は、第三方向D3から見て、チャンネル形状(略U字形状、略C字形状)を呈している。第二端子電極4は、第一電極部分4Aと、第二電極部分4Bと、第三電極部分4Cと、を有している。第一電極部分4Aは、端面2bに配置されている。第二電極部分4Bは、主面2dに配置されている。第三電極部分4Cは、主面2cに配置されている。
【0029】
第一電極部分4Aと第二電極部分4Bとは、素体2の稜線部において接続されており、互いに電気的に接続されている。具体的には、第一電極部分4Aの第二方向D2における主面(一方の主面)2d側の端部4Aaと第二電極部分4Bとが接続されている。第一電極部分4Aと第三電極部分4Cとは、素体2の稜線部において接続されており、互いに電気的に接続されている。具体的には、第一電極部分4Aの第二方向D2における主面(他方の主面)2c側の端部4Abと第三電極部分4Cとが接続されている。本実施形態では、第一電極部分4Aと第二電極部分4Bと第三電極部分4Cとは、一体的に形成されている。
【0030】
第一電極部分4Aは、第一方向D1から見て、長方形状を呈している。第一電極部分4Aは、第二方向D2及び第三方向D3のそれぞれに沿って延在している。第二電極部分4Bは、第二方向D2から見て、長方形状を呈している。第二電極部分4Bは、第一方向D1及び第三方向D3のそれぞれに沿って延在している。第三電極部分4Cは、第二方向D2から見て、長方形状を呈している。第三電極部分4Cは、第二方向D2及び第三方向D3のそれぞれに沿って延在している。第二端子電極4は、側面2e,2fに露出していない。すなわち、第一電極部分4A、第二電極部分4B及び第三電極部分4Cと側面2e,2fとの間には、素体2が配置されている。
【0031】
第二端子電極4は、複数の第二電極層20,21,22,23,24,25,26,27(
図3参照)が、第三方向D3において積層されてなる。つまり、第二電極層20~27の積層方向は、第三方向D3である。実際の第二端子電極4では、複数の第二電極層20~27は、その層間の境界が視認できない程度に一体化されている。
【0032】
第一端子電極3及び第二端子電極4には、電解めっき又は無電解めっきが施されることにより、たとえばNi、Sn、Auなどを含むめっき層(不図示)が設けられてもよい。めっき層は、たとえばNiを含み第一端子電極3及び第二端子電極4を覆うNiめっき膜と、Auを含み、Niめっき膜を覆うAuめっき膜と、を有していてもよい。
【0033】
コイル5は、素体2内に配置されている。コイル5の一端は、接続部5Aによって第一端子電極3に接続されている。コイル5の他端は、接続部5Bによって第二端子電極4に接続されている。コイル5の外形は、第三方向D3から見て、円形状を呈している。
【0034】
図3に示されるように、コイル5は、複数のコイル導体30,31,32,33,34,35,36,37を含んで構成されている。複数のコイル導体30~37は、互いに接続されてコイル5を構成している。コイル5のコイル軸AXは、第三方向D3に沿って設けられている。コイル導体30~37は、端面2a,2b、主面2c,2d及び側面2e,2fから離間して配置されている。コイル5は、導電材料(たとえば、Ag及び/又はPd)により構成されている。コイル導体30~37は、所定の幅で形成されている。
【0035】
コイル導体30は、接続部5Aを介して、第一端子電極3に連結されている。接続部5Aは、コイル導体30と同じ層に位置している。コイル導体30の一端が、接続部5Aと接続されている。接続部5Aは、コイル導体30と第一端子電極3の第一電極部分3Aとを連結する。接続部5Aは、第二電極部分3B又は第三電極部分3Cと接続されていてもよい。コイル導体30及び接続部5Aは、一体に形成されている。
【0036】
コイル導体31は、コイル導体30と接続されている。コイル導体30の一部とコイル導体31の一部とは、第三方向D3から見て重なっている。コイル導体32は、コイル導体31と接続されている。コイル導体31の一部とコイル導体32の一部とは、第三方向D3から見て重なっている。コイル導体33は、コイル導体32と接続されている。コイル導体32の一部とコイル導体33の一部とは、第三方向D3から見て重なっている。コイル導体34は、コイル導体33と接続されている。コイル導体33の一部とコイル導体34の一部とは、第三方向D3から見て重なっている。
【0037】
コイル導体35は、コイル導体34と接続されている。コイル導体34の一部とコイル導体35の一部とは、第三方向D3から見て重なっている。コイル導体36は、コイル導体35と接続されている。コイル導体35の一部とコイル導体36の一部とは、第三方向D3から見て重なっている。コイル導体37は、コイル導体36と接続されている。コイル導体36の一部とコイル導体37の一部とは、第三方向D3から見て重なっている。
【0038】
コイル導体37は、接続部5Bを介して、第二端子電極4に連結されている。接続部5Bは、コイル導体37と同じ層に位置している。コイル導体37の一端が、接続部5Bと接続されている。接続部5Bは、コイル導体37と第二端子電極4の第一電極部分4Aとを連結する。接続部5Bは、第二電極部分4B又は第三電極部分4Cと接続されていてもよい。コイル導体37及び接続部5Bは、一体に形成されている。
【0039】
図2に示されるように、第一端子電極3の幅は、コイル導体30~37の幅以下であってもよい。具体的には、第一端子電極3の第一電極部分3Aの幅W1、第二電極部分3Bの幅W2及び第三電極部分3Cの幅W3は、コイル導体30~37の幅W4以下であってもよい(W1,W2,W3≦W4)。第一電極部分3Aの幅W1は、第一方向D1における第一電極部分3Aの厚みである。第一電極部分3Aの幅W1は、第三方向D3から見たときの第一電極部分3Aの厚みとも言える。第二電極部分3Bの幅W2は、第二方向D2における第二電極部分3Bの厚みである。第二電極部分3Bの幅W2は、第三方向D3から見たときの第二電極部分3Bの厚みとも言える。第三電極部分3Cの幅W3は、第二方向D2における第三電極部分3Cの厚みである。第三電極部分3Dの幅W3は、第三方向D3から見たときの第三電極部分3Cの厚みとも言える。本実施形態では、第一電極部分3Aの幅W1、第二電極部分3Bの幅W2及び第三電極部分3Cの幅W3は、同等である(W1=W2=W3)。同様に、第二端子電極4の幅は、コイル導体30~37の幅以下であってもよい。
【0040】
接続部5A及び接続部5Bの幅は、コイル導体30~37の幅以上であってもよい。具体的には、接続部5Aの幅W5及び接続部5Bの幅W6は、コイル導体30~37の幅W1以上であってもよい(W5,W6≧W1)。
【0041】
第一端子電極3の第一電極部分3Aの端部3Ab(端面)と主面2dとの間の距離L1は、コイル5の主面2c側の頂部5C(コイル5が主面2cに最も近接している部分)と主面2dとの間の距離L2よりも長い(L1>L2)。すなわち、第一端子電極3の第一電極部分3Aの端部3Ab(端面)は、コイル5の主面2c側の頂部5Cよりも主面2c側に位置している。コイル5の主面2c側の頂部5Cは、第一端子電極3の第一電極部分3Aの端部3Ab(端面)よりも主面2d側に位置している。
【0042】
以上説明したように、本実施形態に係るコイル部品1では、第二方向D2において、第一電極部分3A,4Aの主面2c側の端部3Ab,4Abと主面2dとの間の距離L1は、コイル5において主面2cに最も近接している頂部5Cと主面2dとの間の距離L2よりも長い(L1>L2)。これにより、コイル部品1では、素体2と第一端子電極3及び第二端子電極4とが接触(当接)する面積を増加させることができる。そのため、コイル部品1では、素体2と第一端子電極3及び第二端子電極4との接合強度の向上を図ることができる。したがって、コイル部品1では、素体2から第一端子電極3及び第二端子電極4が剥離することを抑制できる。その結果、コイル部品1では、信頼性の低下を抑制できる。
【0043】
本実施形態に係るコイル部品1では、第一端子電極3及び第二端子電極4のそれぞれは、第一電極部分3A,4Aの主面2c側の端部3Ab,4Abと接続され、第二方向D2において第二電極部分3B,4Bと対向して配置されている第三電極部分3C,4Cを有している。この構成では、素体2と第一端子電極3及び第二端子電極4とが接触する面積をより一層増加させることができる。そのため、コイル部品1では、素体2と第一端子電極3及び第二端子電極4との接合強度の向上をより一層図ることができる。したがって、コイル部品1では、素体2から第一端子電極3及び第二端子電極4が剥離することを抑制できる。
【0044】
本実施形態に係るコイル部品1では、第一端子電極3の第一電極部分3Aの幅W1、第二電極部分3Bの幅W2及び第三電極部分3Cの幅W3は、コイル導体30~37の幅W4以下であってもよい(W1,W2,W3≦W4)。第二端子電極4の幅についても、コイル導体30~37の幅W4以下であってもよい。この構成では、第一端子電極3及び第二端子電極4の体積を小さくすることができる。そのため、コイル部品1の製造工程において、素体2と第一端子電極3及び第二端子電極4との熱収縮率の差に起因して素体2にクラックが発生することを抑制できる。
【0045】
本実施形態に係るコイル部品1では、コイル5と第一端子電極3の第一電極部分3Aとが接続部5Aによって接続されており、コイル5と第二端子電極4の第一電極部分4Aとが接続部5Bによって接続されている。接続部5A,5Bの幅W5,W6は、コイル導体30~37の幅W4以上であってもよい。この構成では、第一端子電極3と接続部5A及び第二端子電極4と接続部5Bとの接合強度の向上を図ることができる。これにより、コイル部品1では、素体2から第一端子電極3及び第二端子電極4が剥離することを抑制できる。
【0046】
本実施形態に係るコイル部品1では、第三方向D3から見て、コイル5の外形が円形状を呈している。この構成では、第一端子電極3及び第二端子電極4が第一電極部分3A,4A、第二電極部分3B,4B及び第三電極部分3C,4Cとコイル5との間の距離を確保できる。そのため、コイル部品1では、第一端子電極3及び第二端子電極4とコイル5との間に発生する浮遊容量を小さくすることができる。
【0047】
[第二実施形態]
図4及び
図5を参照して、第二実施形態に係るコイル部品を説明する。
図4は、第二実施形態に係るコイル部品の斜視図である。
図5は、
図4に示すコイル部品の側面図である。
図6では、素体を二点鎖線で示している。
【0048】
図4及び
図5に示されるように、コイル部品40は、素体41と、第一端子電極42及び第二端子電極43と、コイル5と、を備えている。
【0049】
素体41は、直方体形状を呈している。素体41は、外面として、端面41a,41bと、主面41c,41dと、側面41e,41fと、を有している。端面41a,41bは、互いに対向している。主面41c,41dは、互いに対向している。側面41e,41fは、互いに対向している。以下では、端面41a,41bの対向方向を第一方向D1、主面41c,41dの対向方向を第二方向D2、及び、側面41e,41fの対向方向を第三方向D3とする。
【0050】
素体41の外面には、第一凹部44及び第二凹部45が設けられている。具体的には、第一凹部44は、端面41a及び主面41dにわたって設けられている。第二凹部45は、端面41b及び主面41dにわたって設けられている。
【0051】
第一端子電極42は、素体41の端面41a側に配置されている。第二端子電極43は、素体41の端面41b側に配置されている。第一端子電極42及び第二端子電極43は、第二方向D2で互いに離間している。第一端子電極42は、第一凹部44内に配置されている。第二端子電極43は、第二凹部45内に配置されている。第一端子電極42は、端面41a及び主面41dにわたって配置されている。第二端子電極43は、端面41b及び主面41dにわたって配置されている。本実施形態では、第一端子電極42の表面は、端面41a及び主面41dのそれぞれと略面一である。第二端子電極43の表面は、端面41b及び主面41dのそれぞれと略面一である。第一端子電極42及び第二端子電極43は、導電材料(たとえば、Ag及び/又はPd)により構成されている。
【0052】
第一端子電極42は、第三方向D3から見て、L字形状を呈している。第一端子電極42は、第一電極部分42Aと、第二電極部分42Bと、を有している。第一電極部分42Aは、端面41aに配置されている。第二電極部分42Bは、主面41dに配置されている。
【0053】
第一電極部分42Aと第二電極部分42Bとは、素体41の稜線部において接続されており、互いに電気的に接続されている。具体的には、第一電極部分42Aの第二方向D2における主面41d側の端部42Aaと第二電極部分42Bとが接続されている。本実施形態では、第一電極部分42Aと第二電極部分42Bとは、一体的に形成されている。
【0054】
第一電極部分42Aは、第一方向D1から見て、長方形状を呈している。第一電極部分42Aは、第二方向D2及び第三方向D3のそれぞれに沿って延在している。第二電極部分42Bは、第二方向D2から見て、長方形状を呈している。第二電極部分42Bは、第一方向D1及び第三方向D3のそれぞれに沿って延在している。第一端子電極42は、側面41e,41fに露出していない。すなわち、第一電極部分42A及び第二電極部分42Bと側面41e,41fとの間には、素体41が配置されている。
【0055】
第二端子電極43は、第三方向D3から見て、L字形状を呈している。第二端子電極43は、第一電極部分43Aと、第二電極部分43Bと、を有している。第一電極部分43Aは、端面41bに配置されている。第二電極部分43Bは、主面41dに配置されている。
【0056】
第一電極部分43Aと第二電極部分43Bとは、素体41の稜線部において接続されており、互いに電気的に接続されている。具体的には、第一電極部分43Aの第二方向D2における主面2d側の端部43Aaと第二電極部分43Bとが接続されている。本実施形態では、第一電極部分43Aと第二電極部分43Bとは、一体的に形成されている。
【0057】
第一電極部分43Aは、第一方向D1から見て、長方形状を呈している。第一電極部分43Aは、第二方向D2及び第三方向D3のそれぞれに沿って延在している。第二電極部分43Bは、第二方向D2から見て、長方形状を呈している。第二電極部分43Bは、第一方向D1及び第三方向D3のそれぞれに沿って延在している。第二端子電極43は、側面41e,41fに露出していない。すなわち、第一電極部分43A及び第二電極部分43Bと側面41e,41fとの間には、素体41が配置されている。
【0058】
コイル5は、素体2内に配置されている。コイル5の一端は、接続部5Aによって第一端子電極42に接続されている。コイル5の他端は、接続部5Bによって第二端子電極43に接続されている。コイル5の外形は、第三方向D3から見て、円形状を呈している。
【0059】
図6に示されるように、第一端子電極42の幅は、コイル導体30~37(
図3参照)の幅以下であってもよい。具体的には、第一端子電極42の第一電極部分42Aの幅W11及び第二電極部分42Bの幅W12は、コイル導体30~37の幅W1以下であってもよい(W11,W12≦W1)。本実施形態では、第一電極部分42Aの幅W11及び第二電極部分42Bの幅W12は、同等である(W11=W12)。同様に、第二端子電極43の幅は、コイル導体30~37の幅以下であってもよい。
【0060】
第一端子電極42の第一電極部分42Aの端部42Aa(端面)と主面41dとの間の距離L11は、コイル5の主面41c側の頂部5C(コイル5が主面2cに最も近接している部分)と主面41dとの間の距離L12よりも長い(L11>L12)。すなわち、第一端子電極42の第一電極部分42Aの端部42Aa(端面)は、コイル5の主面41c側の頂部5Cよりも主面41c側に位置している。言い換えれば、コイル5の主面41c側の頂部5Cは、第一端子電極42の第一電極部分42Aの端部42Aa(端面)よりも主面2d側に位置している。
【0061】
以上説明したように、本実施形態に係るコイル部品40では、第二方向D2において、第一電極部分42A,43Aの主面41c側の端部42Ab,43Abと主面41dとの間の距離L11は、コイル5において主面41cに最も近接している頂部5Cと主面41dとの間の距離L12よりも長い(L11>L12)。これにより、コイル部品40では、素体41と第一端子電極42及び第二端子電極43とが接触(当接)する面積を増加させることができる。そのため、コイル部品40では、素体41と第一端子電極42及び第二端子電極43との接合強度の向上を図ることができる。したがって、コイル部品40では、素体41から第一端子電極42及び第二端子電極43が剥離することを抑制できる。その結果、コイル部品40では、信頼性の低下を抑制できる。
【0062】
[第三実施形態]
図6及び
図7を参照して、第三実施形態に係るコイル部品を説明する。
図6は、第三実施形態に係るコイル部品の斜視図である。
図7は、
図6に示すコイル部品の側面図である。
図7では、素体を二点鎖線で示している。
【0063】
図6及び
図7に示されるように、コイル部品50は、素体51と、第一端子電極52及び第二端子電極53と、コイル5と、を備えている。
【0064】
素体51は、直方体形状を呈している。素体51は、外面として、端面51a,51bと、主面51c,51dと、側面51e,51fと、を有している。端面51a,51bは、互いに対向している。主面51c,51dは、互いに対向している。側面51e,51fは、互いに対向している。以下では、端面51a,51bの対向方向を第一方向D1、主面51c,51dの対向方向を第二方向D2、及び、側面51e,51fの対向方向を第三方向D3とする。
【0065】
素体51の外面には、第一凹部54及び第二凹部55が設けられている。具体的には、第一凹部54は、端面51a及び主面51dにわたって設けられている。第二凹部55は、端面51b及び主面51dにわたって設けられている。
【0066】
第一端子電極52は、素体51の端面51a側に配置されている。第二端子電極53は、素体51の端面51b側に配置されている。第一端子電極52及び第二端子電極53は、第二方向D2で互いに離間している。第一端子電極52は、第一凹部54内に配置されている。第二端子電極53は、第二凹部55内に配置されている。第一端子電極52は、端面52a及び主面52dにわたって配置されている。第二端子電極53は、端面52b及び主面51dにわたって配置されている。本実施形態では、第一端子電極52の表面は、端面51a及び主面51dのそれぞれと略面一である。第二端子電極53の表面は、端面51b及び主面51dのそれぞれと略面一である。
【0067】
第一端子電極52は、第三方向D3から見て、チャンネル形状(略U字形状、略C字形状)を呈している。第一端子電極52は、第一電極部分52Aと、第二電極部分52Bと、第三電極部分52Cと、を有している。第一電極部分52Aは、端面51aに配置されている。第二電極部分52Bは、主面51dに配置されている。第三電極部分52Cは、素体51内に配置されている。
【0068】
第一電極部分52Aと第二電極部分52Bとは、素体51の稜線部において接続されており、互いに電気的に接続されている。具体的には、第一電極部分52Aの第二方向D2における主面51d側の端部52Aaと第二電極部分52Bとが接続されている。第一電極部分52Aと第三電極部分52Cとは、互いに電気的に接続されている。具体的には、第一電極部分52Aの第二方向D2における主面51c側の端部52Abと第三電極部分52Cとが接続されている。本実施形態では、第一電極部分52Aと第二電極部分52Bと第三電極部分52Cとは、一体的に形成されている。
【0069】
第一電極部分52Aは、第一方向D1から見て、長方形状を呈している。第一電極部分52Aは、第二方向D2及び第三方向D3のそれぞれに沿って延在している。第二電極部分52Bは、第二方向D2から見て、長方形状を呈している。第二電極部分52Bは、第一方向D1及び第三方向D3のそれぞれに沿って延在している。第三電極部分52Cは、第二方向D2から見て、長方形状を呈している。第三電極部分52Cは、第二方向D2及び第三方向D3のそれぞれに沿って延在している。第一端子電極52は、側面2e,2fに露出していない。すなわち、第一電極部分52A、第二電極部分52B及び第三電極部分52Cと側面51e,51fとの間には、素体51が配置されている。
【0070】
第二端子電極53は、第三方向D3から見て、チャンネル形状(略U字形状、略C字形状)を呈している。第二端子電極53は、第一電極部分53Aと、第二電極部分53Bと、第三電極部分53Cと、を有している。第一電極部分53Aは、端面51bに配置されている。第二電極部分53Bは、主面51dに配置されている。第三電極部分53Cは、素体51内に配置されている。
【0071】
第一電極部分53Aと第二電極部分53Bとは、素体51の稜線部において接続されており、互いに電気的に接続されている。具体的には、第一電極部分53Aの第二方向D2における主面51d側の端部53Aaと第二電極部分53Bとが接続されている。第一電極部分53Aと第三電極部分53Cとは、互いに電気的に接続されている。具体的には、第一電極部分53Aの第二方向D2における主面51c側の端部53Abと第三電極部分53Cとが接続されている。本実施形態では、第一電極部分53Aと第二電極部分53Bと第三電極部分53Cとは、一体的に形成されている。
【0072】
第一電極部分53Aは、第一方向D1から見て、長方形状を呈している。第一電極部分53Aは、第二方向D2及び第三方向D3のそれぞれに沿って延在している。第二電極部分53Bは、第二方向D2から見て、長方形状を呈している。第二電極部分53Bは、第一方向D1及び第三方向D3のそれぞれに沿って延在している。第三電極部分53Cは、第二方向D2から見て、長方形状を呈している。第三電極部分53Cは、第二方向D2及び第三方向D3のそれぞれに沿って延在している。第二端子電極53は、側面51e,51fに露出していない。すなわち、第一電極部分53A、第二電極部分53B及び第三電極部分53Cと側面51e,51fとの間には、素体51が配置されている。
【0073】
コイル5は、素体2内に配置されている。コイル5の一端は、接続部5Aによって第一端子電極52に接続されている。コイル5の他端は、接続部5Bによって第二端子電極53に接続されている。コイル5の外形は、第三方向D3から見て、円形状を呈している。
【0074】
図7に示されるように、第一端子電極52の幅は、コイル導体30~37(
図3参照)の幅以下であってもよい。具体的には、第一端子電極52の第一電極部分52Aの幅W21、第二電極部分52Bの幅W22及び第三電極部分52Cの幅W23は、コイル導体30~37の幅W4以下であってもよい(W21,W22,W23≦W4)。本実施形態では、第一電極部分52Aの幅W21、第二電極部分52Bの幅W22及び第三電極部分52Cの幅W23は、同等である(W21=W22=W23)。同様に、第二端子電極53の幅は、コイル導体30~37の幅以下であってもよい。
【0075】
第一端子電極52の第一電極部分52Aの端部52Ab(端面)と主面51dとの間の距離L21は、コイル5の主面51c側の頂部5C(コイル5が主面2cに最も近接している部分)と主面51dとの間の距離L22よりも長い(L21>L22)。すなわち、第一端子電極52の第一電極部分52Aの端部52Ab(端面)は、コイル5の主面51c側の頂部5Cよりも主面51c側に位置している。コイル5の主面51c側の頂部5Cは、第一端子電極52の第一電極部分52Aの端部52Ab(端面)よりも主面51d側に位置している。
【0076】
以上説明したように、本実施形態に係るコイル部品50では、第二方向D2において、第一電極部分52A,53Aの主面51c側の端部52Ab,53Abと主面51dとの間の距離L21は、コイル5において主面51cに最も近接している頂部5Cと主面51dとの間の距離L22よりも長い(L21>L22)。これにより、コイル部品50では、素体51と第一端子電極52及び第二端子電極53とが接触(当接)する面積を増加させることができる。そのため、コイル部品50では、素体51と第一端子電極52及び第二端子電極53との接合強度の向上を図ることができる。したがって、コイル部品50では、素体51から第一端子電極52及び第二端子電極53が剥離することを抑制できる。その結果、コイル部品50では、信頼性の低下を抑制できる。
【0077】
本実施形態に係るコイル部品50では、第一端子電極52及び第二端子電極53の第三電極部分52C,53Cは、素体51内に配置されている。これにより、コイル部品50では、素体51と第一端子電極52及び第二端子電極53との接合強度の向上をより一層図ることができる。したがって、コイル部品50では、素体51から第一端子電極52及び第二端子電極53が剥離することをより一層抑制できる。
【0078】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0079】
上記実施形態では、第一端子電極3及び第二端子電極4の第一電極部分3A,4Aが、第一方向D1から見て長方形状を呈している形態を一例に説明した。しかし、
図8に示されるように、コイル部品60では、第一端子電極61(第二端子電極)は、凹状を呈していてもよい。この構成では、第二方向D2、素体2の端面2aに配置されている第一電極部分61Aの少なくとも一部における主面2c側の端部と主面2dとの間の距離が、コイル5において主面2cに最も近接している頂部と主面2dとの間の距離よりも長くなる。このように、第一電極部分61Aの少なくとも一部において、主面2c側の端部と主面2dとの間の距離が、コイル5において主面2cに最も近接している頂部と主面2dとの間の距離よりも長くなっていればよい。
【0080】
上記実施形態では、第一端子電極3及び第二端子電極4の第一電極部分3A,4A、第二電極部分3B,4B及び第三電極部分3C,4Cが素体2の外面(端面2a,2b、主面2c,2d)と面一である形態を一例に説明した。しかし、第一端子電極3及び第二端子電極4の第一電極部分3A,4A、第二電極部分3B,4B及び第三電極部分3C,4Cは、素体2の外面から突出していてもよい。
【0081】
上記実施形態では、コイル5の外形が円形状である形態を一例に説明した。しかし、コイル5の外形はその他の形状であってもよい。また、コイル5を構成するコイル導体の数は、上述した値に限られない。
【符号の説明】
【0082】
1,40,50,60…コイル部品、2,41,51…素体、2a,2b,41a,41b,51a,51b,52a,52b…端面、2c,2d,41c,41d,51c,51d,52d…主面、2e,2f,41e,41f,51e,51f…側面、3A,4A,42A,43A,52A,53A,61A…第一電極部分、3Aa,4Aa,42Aa,43Aa,52Aa,53Aa…端部、3Ab,4Ab,42Aa,43Ab,52Ab,53Ab…端部、3B,4B,42B,43B,52B,53B…第二電極部分、3C,3D,4C,52C,53C…第三電極部分、5…コイル、5A,5B…接続部、5C…頂部、30,31,32,33,34,35,36,37…コイル導体、AX…コイル軸。