(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062208
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】誤入力防止装置、誤入力防止方法及び誤入力防止プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240430BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170062
(22)【出願日】2022-10-24
(71)【出願人】
【識別番号】596043933
【氏名又は名称】株式会社セレモニー
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【弁理士】
【氏名又は名称】福士 智恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100205501
【弁理士】
【氏名又は名称】角渕 由英
(72)【発明者】
【氏名】志賀 司
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】データ入力作業において作業者による誤入力、確認者による誤確認を防ぐことが可能な誤入力防止装置を提供する。
【解決手段】誤入力防止装置1は、作業者によって入力された作業データを取得し、データ入力作業の確認者によってなされた確認結果を取得し、データ入力作業のマスタデータを参照して作業データに含まれる入力内容が正しいか否かを判定し、また確認者による確認結果が正しいか否かを判定する。そして、それぞれの判定結果を通知する。当該通知を行う際には、誤入力防止装置1は、確認者の確認結果を取得する前には、入力内容の判定結果を問わず、当該判定結果を通知しない。そして、確認結果を取得した後に、入力内容が正しくないと判定された場合に判定結果を通知する。また、確認結果を取得した後に、前記第2判定部によって確認結果が正しくないと判定された場合に判定結果を通知する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ入力作業において作業者による誤入力を防止するための誤入力防止装置であって、
前記作業者によって入力された作業データを取得するデータ取得部と、
前記作業データを取得した後に、データ入力作業の確認者による操作によってなされた確認結果を取得する確認結果受け付け部と、
データ入力作業における入力対象情報を含むマスタデータを参照して、前記作業データに含まれる入力内容が正しいか否かを判定する第1判定部と、
前記確認者による前記確認結果が正しいか否かを判定する第2判定部と、
前記第1判定部、前記第2判定部それぞれによる判定結果を通知するユーザ通知部と、を備え、
前記ユーザ通知部は、
前記作業データを取得した後であって前記確認結果を取得する前には、前記第1判定部による判定結果を問わず、該判定結果を通知しないこととし、
前記確認結果を取得した後に、前記第1判定部によって前記入力内容が正しくないものと判定された場合に該判定結果を通知し、
前記確認結果を取得した後に、前記第2判定部によって前記確認結果が正しくないものと判定された場合に該判定結果を通知することを特徴とする誤入力防止装置。
【請求項2】
前記第1判定部によって前記入力内容が正しくないものと判定された誤入力の情報と、前記第2判定部によって前記確認結果が正しくないものと判定された誤確認の情報とをそれぞれ蓄積するデータ蓄積部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の誤入力防止装置。
【請求項3】
前記作業データを取得した後に、前記作業データに含まれる入力内容を書き換えて、該入力内容とは異なるダミー入力内容を提示する入力データ書き換え部を備え、
前記確認結果受け付け部は、前記入力データ書き換え部によって提示された前記ダミー入力内容に基づいてなされた、前記確認者による前記確認結果を取得することを特徴とする請求項1に記載の誤入力防止装置。
【請求項4】
前記入力データ書き換え部によって誤ったダミー入力内容が提示され、前記確認結果受け付け部によって前記誤ったダミー入力内容に基づいて前記確認結果が得られたときに、
前記第2判定部によって前記確認結果が正しいものと判定された場合には、前記入力データ書き換え部が、前記誤ったダミー入力内容を元の前記入力内容に戻し、
前記第2判定部によって前記確認結果が正しくないものと判定された場合には、前記ユーザ通知部が前記判定結果を通知することを特徴とする請求項3に記載の誤入力防止装置。
【請求項5】
前記第1判定部によって前記入力内容が正しくないものと判定された誤入力の情報と、前記第2判定部によって前記確認結果が正しくないものと判定された誤確認の情報とをそれぞれ蓄積するデータ蓄積部を備え、
前記データ取得部は、前記作業者によって利用される作業者端末を通じて前記作業データを取得し、
前記確認結果受け付け部は、前記確認者によって利用される確認者端末を通じて前記確認結果を取得し、
前記入力データ書き換え部は、前記データ蓄積部によって蓄積された前記誤入力の情報及び前記誤確認の情報の少なくとも一方に基づいて所定の前記入力内容を選定し、選定した前記入力内容を書き換えて前記ダミー入力内容を提示し、
前記ユーザ通知部は、
前記第1判定部による前記判定結果を前記作業者端末に向けて通知し、
前記第2判定部による前記判定結果を前記確認者端末に向けて通知することを特徴とする請求項3又は4に記載の誤入力防止装置。
【請求項6】
データ入力作業において作業者による誤入力を防止するコンピュータによって実行される誤入力防止方法であって、
前記コンピュータが、
前記作業者によって入力された作業データを取得するステップと、
前記作業データを取得した後に、データ入力作業の確認者による操作によってなされた確認結果を取得するステップと、
データ入力作業における入力対象情報を含むマスタデータを参照して、前記作業データに含まれる入力内容が正しいか否かを判定する第1判定ステップと、
前記確認者による前記確認結果が正しいか否かを判定する第2判定ステップと、
前記第1判定ステップ、前記第2判定ステップそれぞれによる判定結果を通知する通知ステップと、を実行し、
前記通知ステップでは、
前記作業データを取得した後であって前記確認結果を取得する前には、前記第1判定ステップによる判定結果を問わず、該判定結果を通知しないこととし、
前記確認結果を取得した後に、前記第1判定ステップによって前記入力内容が正しくないものと判定された場合に該判定結果を通知し、
前記確認結果を取得した後に、前記第2判定ステップによって前記確認結果が正しくないものと判定された場合に該判定結果を通知することを特徴とする誤入力防止方法。
【請求項7】
データ入力作業において作業者による誤入力を防止する誤入力防止装置としてのコンピュータに、
前記作業者によって入力された作業データを取得する処理と、
前記作業データを取得した後に、データ入力作業の確認者による操作によってなされた確認結果を取得する処理と、
データ入力作業における入力対象情報を含むマスタデータを参照して、前記作業データに含まれる入力内容が正しいか否かを判定する第1判定処理と、
前記確認者による前記確認結果が正しいか否かを判定する第2判定処理と、
前記第1判定処理、前記第2判定処理それぞれによる判定結果を通知するユーザ通知処理と、を実行させ、
前記ユーザ通知処理では、
前記作業データを取得した後であって前記確認結果を取得する前には、前記第1判定処理による判定結果を問わず、該判定結果を通知しないこととし、
前記確認結果を取得した後に、前記第1判定処理によって前記入力内容が正しくないものと判定された場合に該判定結果を通知し、
前記確認結果を取得した後に、前記第2判定処理によって前記確認結果が正しくないものと判定された場合に該判定結果を通知することを特徴とする誤入力防止プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誤入力防止装置、誤入力防止方法及び誤入力防止プログラムに係り、特に、データ入力作業において作業者による誤入力を防止するための誤入力防止装置、誤入力防止方法及び誤入力防止プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、データ入力作業において作業者による誤入力を検出し、当該作業者に通知することや訂正処理を行うことが可能な装置が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
特許文献1に記載の誤入力文字訂正装置では、頻繁に起こる誤入力の文字列の形態を格納した格納手段と、作業者によって入力された文字列と、予め格納された誤入力の文字列とを比較し、入力された文字列が誤入力であるか否かを判定する比較手段と、誤入力であると判定された文字列を正しい文字列に訂正する文字訂正手段と、を備えていることが開示されている。
また、特許文献2に記載の誤入力チェック機能付き装置では、作業者による入力時間と、作業者の過去の平均入力時間との差が所定の閾値よりも大きいとき、誤入力がなされた可能性があるものと判断し、作業者によって利用される表示画面にユーザ通知を行うことが開示されている。
これら装置を利用することで、データ入力作業において作業者による誤入力の防止につなげることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6-195327号公報
【特許文献2】特開2012-33050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、データ入力作業においては、誤入力の防止を図ることを目的として、作業者及びデータ入力作業の確認者(責任者)によるダブルチェックが行われることが多い。
そうしたなかで、特許文献1、2のような装置では、作業者による誤入力を一定程度防止することができるものの、確認者による誤確認(確認ミス、確認漏れ)を防止できるものではなかった。特に、確認者による確認作業はマンネリ化し易く、ダブルチェック機能が果たされず、誤入力を見逃してしまうケースが発生していた。
そのため、作業者による誤入力を防止するとともに、確認者による誤確認を防止することが可能な技術が求められていた。例えば、作業者だけでなく確認者に対しても一定程度の緊張感を持たせることで、入力業務の正確さの維持を図ることが求められていた。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、データ入力作業において作業者による誤入力、確認者による誤確認を防ぐことが可能な誤入力防止装置、誤入力防止方法及び誤入力防止プログラムを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、作業者だけでなく確認者に対しても緊張感を持たせることで、入力業務の正確さの維持を図ることが可能な誤入力防止装置、誤入力防止方法及び誤入力防止プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、本発明の誤入力防止装置によれば、データ入力作業において作業者による誤入力を防止するための誤入力防止装置であって、前記作業者によって入力された作業データを取得するデータ取得部と、前記作業データを取得した後に、データ入力作業の確認者による操作によってなされた確認結果を取得する確認結果受け付け部と、データ入力作業における入力対象情報を含むマスタデータを参照して、前記作業データに含まれる入力内容が正しいか否かを判定する第1判定部と、前記確認者による前記確認結果が正しいか否かを判定する第2判定部と、前記第1判定部、前記第2判定部それぞれによる判定結果を通知するユーザ通知部と、を備え、前記ユーザ通知部は、前記作業データを取得した後であって前記確認結果を取得する前には、前記第1判定部による判定結果を問わず、該判定結果を通知しないこととし、前記確認結果を取得した後に、前記第1判定部によって前記入力内容が正しくないものと判定された場合に該判定結果を通知し、前記確認結果を取得した後に、前記第2判定部によって前記確認結果が正しくないものと判定された場合に該判定結果を通知すること、により解決される。
【0008】
上記構成により、データ入力作業において作業者による誤入力、確認者による誤確認を防ぐことが可能な誤入力防止装置を実現できる。
詳しく述べると、誤入力防止装置は、第1判定部、第2判定部それぞれによる判定結果を通知するユーザ通知部を備えているため、作業者に対し誤入力を通知し、また確認者に対し誤確認を通知することができる。そうすることで、作業者及び確認者に注意喚起し、作業者の誤入力、確認者の誤確認の防止につなげることができる。
また、誤入力防止装置(ユーザ通知部)は、確認者による確認結果が得られる前には、作業者による入力内容が正しいか否かの判定結果を敢えて通知しない。そして、確認者による確認結果を取得した後に、作業者の誤入力が発生していた場合に作業者にその旨を通知する。また、確認者の誤確認が発生していた場合に確認者にその旨を通知する。そうすることで、作業者だけでなく確認者に対しても緊張感を持たせることで、入力業務の正確さの維持を図ることができる。
【0009】
このとき、前記第1判定部によって前記入力内容が正しくないものと判定された誤入力の情報と、前記第2判定部によって前記確認結果が正しくないものと判定された誤確認の情報とをそれぞれ蓄積するデータ蓄積部を備えていると良い。
上記のように、誤入力の情報と、誤確認の情報とを蓄積することで、作業者及び確認者がどのようなミスを起こし易いのか把握することができる。そして、当該ミスに対する傾向や対策を図ることができる。
【0010】
このとき、前記作業データを取得した後に、前記作業データに含まれる入力内容を書き換えて、該入力内容とは異なるダミー入力内容を提示する入力データ書き換え部を備え、前記確認結果受け付け部は、前記入力データ書き換え部によって提示された前記ダミー入力内容に基づいてなされた、前記確認者による前記確認結果を取得すると良い。
上記構成により、確認者によるダブルチェックの正確性を試すことができる。つまりは、作業者だけでなく確認者に対してもより緊張感を持たせることができ、入力業務の正確さの維持を図ることができる。
【0011】
このとき、前記入力データ書き換え部によって誤ったダミー入力内容が提示され、前記確認結果受け付け部によって前記誤ったダミー入力内容に基づいて前記確認結果が得られたときに、前記第2判定部によって前記確認結果が正しいものと判定された場合には、前記入力データ書き換え部が、前記誤ったダミー入力内容を元の前記入力内容に戻し、前記第2判定部によって前記確認結果が正しくないものと判定された場合には、前記ユーザ通知部が前記判定結果を通知すると良い。
上記構成により、誤ったダミー入力内容が提示されたときに、確認者による確認結果が正しくなされた場合にはそのままダミー入力内容を元の入力内容に戻すことができる。一方で、確認者による確認結果が正しくなされなかった場合には、確認者にその旨を通知する。そうすることで、入力業務を効率的に進めながら、確認者によるダブルチェックの正確性を試すことができる。
【0012】
このとき、前記第1判定部によって前記入力内容が正しくないものと判定された誤入力の情報と、前記第2判定部によって前記確認結果が正しくないものと判定された誤確認の情報とをそれぞれ蓄積するデータ蓄積部を備え、前記データ取得部は、前記作業者によって利用される作業者端末を通じて前記作業データを取得し、前記確認結果受け付け部は、前記確認者によって利用される確認者端末を通じて前記確認結果を取得し、前記入力データ書き換え部は、前記データ蓄積部によって蓄積された前記誤入力の情報及び前記誤確認の情報の少なくとも一方に基づいて所定の前記入力内容を選定し、選定した前記入力内容を書き換えて前記ダミー入力内容を提示し、前記ユーザ通知部は、前記第1判定部による前記判定結果を前記作業者端末に向けて通知し、前記第2判定部による前記判定結果を前記確認者端末に向けて通知すると良い。
上記のように、入力データ書き換え部が、データ蓄積部によって蓄積された誤入力の情報、誤確認の情報に基づいて所定の入力内容を選定し、選定した入力内容を書き換えてダミー入力内容を提示する。つまりは、誤入力、誤確認の統計情報に基づいて、誤入力防止装置が所定の作業者、所定の入力内容を選定し、誤ったダミー入力内容に置き換えることができる。そうすることで、例えば間違いの多い作業者(確認者)を対象として、また間違いの多い入力内容を対象として、確認者によるダブルチェックの正確性を試すことができる。
【0013】
また前記課題は、本発明の誤入力防止方法によれば、データ入力作業において作業者による誤入力を防止するコンピュータによって実行される誤入力防止方法であって、前記コンピュータが、前記作業者によって入力された作業データを取得するステップと、前記作業データを取得した後に、データ入力作業の確認者による操作によってなされた確認結果を取得するステップと、データ入力作業における入力対象情報を含むマスタデータを参照して、前記作業データに含まれる入力内容が正しいか否かを判定する第1判定ステップと、前記確認者による前記確認結果が正しいか否かを判定する第2判定ステップと、前記第1判定ステップ、前記第2判定ステップそれぞれによる判定結果を通知する通知ステップと、を実行し、前記通知ステップでは、前記作業データを取得した後であって前記確認結果を取得する前には、前記第1判定ステップによる判定結果を問わず、該判定結果を通知しないこととし、前記確認結果を取得した後に、前記第1判定ステップによって前記入力内容が正しくないものと判定された場合に該判定結果を通知し、前記確認結果を取得した後に、前記第2判定ステップによって前記確認結果が正しくないものと判定された場合に該判定結果を通知すること、によっても解決される。
【0014】
また前記課題は、本発明の誤入力防止プログラムによれば、データ入力作業において作業者による誤入力を防止する誤入力防止装置としてのコンピュータに、前記作業者によって入力された作業データを取得する処理と、前記作業データを取得した後に、データ入力作業の確認者による操作によってなされた確認結果を取得する処理と、データ入力作業における入力対象情報を含むマスタデータを参照して、前記作業データに含まれる入力内容が正しいか否かを判定する第1判定処理と、前記確認者による前記確認結果が正しいか否かを判定する第2判定処理と、前記第1判定処理、前記第2判定処理それぞれによる判定結果を通知するユーザ通知処理と、を実行させ、前記ユーザ通知処理では、前記作業データを取得した後であって前記確認結果を取得する前には、前記第1判定処理による判定結果を問わず、該判定結果を通知しないこととし、前記確認結果を取得した後に、前記第1判定処理によって前記入力内容が正しくないものと判定された場合に該判定結果を通知し、前記確認結果を取得した後に、前記第2判定処理によって前記確認結果が正しくないものと判定された場合に該判定結果を通知すること、によっても解決される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の誤入力防止装置、誤入力防止方法及び誤入力防止プログラムによれば、データ入力作業において作業者による誤入力、確認者による誤確認を防ぐことが可能となる。
また、作業者だけでなく確認者に対しても緊張感を持たせることで、入力業務の正確さの維持を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】誤入力防止システムのハードウェア構成図である。
【
図3】誤入力防止システムの機能を説明する図である。
【
図5】誤入力防止方法(その1)の一例を示す処理フロー図である。
【
図6】誤入力防止方法(その2)の一例を示す処理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について
図1~
図6を参照して説明する。
本実施形態の誤入力防止システムSは、ネットワークを介した通信を利用して、データ入力作業において作業者、確認者に注意喚起し、作業者の誤入力、確認者の誤確認の防止につなげることを実現するシステムである。
本システムを利用することで、作業者、確認者に対し緊張感を持たせることができ、入力業務の正確さの維持を図ることができる。つまりは、データ入力作業の精度を高めることができる。
【0018】
誤入力防止システムSは、
図1に示すように、誤入力防止装置1と、誤入力防止装置1とネットワークを通じてそれぞれ接続され、データ入力作業を行う作業者が利用する作業者端末100と、データ入力作業の確認者が利用する確認者端末200と、から主に構成されている。
作業者、確認者(作業確認者)は複数存在しても良い。つまりは、複数の作業者端末100、複数の確認者端末200が存在しても良い。
また、誤入力防止システムSは、誤入力防止装置1のみを備えていても良い。つまりは、誤入力防止装置1の記憶部に誤入力防止プログラムが記憶され、作業者、確認者が誤入力防止装置1を利用してデータ入力作業、データ入力の確認作業を行っても良い。
【0019】
本実施形態の誤入力防止システムSでは、冠婚葬祭(特に葬儀)の業種、業務におけるデータ入力作業を支援するシステムを想定して説明することとする。
なお、誤入力防止システムSは、冠婚葬祭の業種、業務に限られず、あらゆる業種、業務におけるデータ入力作業を支援するシステムとして利用できる。
【0020】
誤入力防止装置1は、
図1、
図2に示すように、作業者端末100、確認者端末200とデータ通信を行うクラウドサーバーである。
誤入力防止装置1は、ネットワークを介して接続される作業者端末100、確認者端末200に対し、データ入力作業の誤入力防止に関するソフトウェアサービスを提供する装置である。
詳しく述べると、誤入力防止装置1は、
図4に示すように、データ入力作業の「マスタデータ(顧客マスタデータ)」と、「作業フォーマットデータ」とを記憶している。そして、作業者端末100(確認者端末200)を通じて作業者(確認者)ごとに「ユーザアカウント」を割り当てて、作業者(確認者)ごとにデータ入力作業に関する表示画面を提示する。そして、データ入力作業の管理を行うとともに、作業者による誤入力、確認者による誤確認を防止する支援を行う(誤入力、誤確認の監視を行う)。
【0021】
「マスタデータ」とは、データ入力作業における入力対象情報を含む基本データ(元となるデータ)であって、誤入力防止装置1又は誤入力防止装置1の管理下にあるデータベースによって一元管理されている。
本実施形態では、「マスタデータ」は、葬儀を依頼する顧客(喪主、喪主関係者、参列者)の属性情報を含む顧客マスタデータである。
「作業フォーマットデータ」とは、作業者によってデータ入力がなされるフォーマットデータであって、誤入力防止装置1又はデータベースによって一元管理されている。
本実施形態では、「作業フォーマットデータ」は、
図4に示すように、葬儀業務に関する各種データであって、具体的には、案内看板データ、供花データ、骨壺刻印データ、会葬礼状データ等が挙げられる。
作業者によって「作業フォーマットデータ」に顧客の属性情報等が入力され、データ保存されることで「作業データ」が作成される。
【0022】
「作業データ」とは、作業者によってデータ入力がなされ、確認者によって確認がなされるデータである。
本実施形態では、「作業データ」は、
図4に示すように、葬儀に関する物品、サービスの情報と、顧客の属性情報とが紐づけられたデータである。
なお、「作業データ」は、マスタデータから自動転記されるものではなく、作業者によって手作業で入力され、確認者によってダブルチェックされるものである。
【0023】
作業者端末100は、
図1、
図2に示すように、作業者によって操作される情報端末であって、具体的には、PC、タブレット端末、スマートフォン等のコンピュータである。
作業者端末100は、誤入力防止装置1と接続され、誤入力防止装置1からソフトウェアサービスの提供を受ける。
詳しく述べると、作業者端末100は、
図2に示すように、誤入力防止装置1によって提示されたデータ入力作業に関する表示画面を表示し、作業者による入力操作を受け付けて「作業データ」を作成する。そして、誤入力防止装置1に向けて「作業データ」を送信する。具体的には、誤入力防止装置1を経由して確認者端末200に向けて「作業データ」を送信する。
また、作業者端末100は、「作業データ」に含まれる入力内容が正しくないものと判定された場合に、誤入力防止装置1から「誤入力通知データ」を受信する。そして、「誤入力通知データ」を表示画面に表示する。
そうすることで、作業者に対し所定のデータ入力作業に誤入力があったことを注意喚起し、次回以降の誤入力防止につながるようにフィードバックできる。
【0024】
確認者端末200は、
図1、
図2に示すように、確認者によって操作される情報端末であって、具体的には、PC、タブレット端末、スマートフォン等のコンピュータである。
確認者端末200は、誤入力防止装置1と接続され、誤入力防止装置1からソフトウェアサービスの提供を受ける。
詳しく述べると、確認者端末200は、
図2に示すように、ユーザログインによって、誤入力防止装置1によって提示されたデータ入力作業に関する表示画面を表示する。そして、誤入力防止装置1から「作業データ」を受信し、所定の作業者によって作成された入力内容を表示する。そして確認者による操作を受け付けて「確認結果データ」を作成し、誤入力防止装置1に向けて「確認結果データ」を送信する。
また、確認者端末200は、「確認結果データ」に含まれる確認結果が正しくないものと判定された場合に、誤入力防止装置1から「誤確認通知データ」を受信する。そして、「誤確認通知データ」を表示画面に表示する。
そうすることで、確認者に対し所定のデータ入力作業に誤確認があったことを注意喚起し、次回以降の誤確認防止につながるようにフィードバックできる。
【0025】
上記構成により、誤入力防止装置1は、データ入力作業において作業者だけでなく確認者に対しても緊張感を持たせることができ、データ入力業務の正確さの維持を図ることが可能なサービスを提供できる。以下、より詳しく説明する。
【0026】
<誤入力防止システムのハードウェア構成>
誤入力防止装置1は、
図2に示すように、データの演算・制御処理装置としてのCPUと、記憶装置としてのROM、RAM、及びHDD(SSD)と、ホームネットワーク又はインターネットを通じて情報データの送受信を行う通信用インタフェースと、を有するコンピュータである。
誤入力防止装置1の記憶装置には、コンピュータとして必要な機能を果たすメインプログラムに加えて、誤入力防止プログラムが記憶されており、これらプログラムがCPU(プロセッサ)によって実行されることにより、誤入力防止装置1の機能が発揮されることになる。なお、これらプログラムは、CPU(プロセッサ)を実装した半導体集積回路又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)によって実行されても良い。
作業者端末100、確認者端末200についても同様のハードウェア構成を備えたコンピュータである。
【0027】
<誤入力防止システムの機能>
誤入力防止装置1は、
図3に示すように、機能面から説明すると、「マスタデータ(顧客マスタデータ)」、「作業フォーマットデータ」、「作業データ」、「確認結果データ」のほか、各種プログラム及び各種データを記憶しておく記憶部10と、データ取得部11と、データ出力部12と、確認結果受け付け部13と、第1判定部14と、第2判定部15と、データ蓄積部16と、ユーザ通知部17と、入力データ書き換え部18と、通信部19と、を主な構成要素として備えている。
これらは、CPU(プロセッサ)、ROM、RAM、HDD、通信用インタフェース、及び各種プログラム等によって構成されている。
【0028】
作業者端末100は、各種プログラム(各種データ)を記憶しておく記憶部110と、誤入力防止装置1との間で
図2に示す各種データを送受信する通信部111と、誤入力防止装置1から提供されるウェブページを画面表示する表示部112と、ユーザ操作の入力を受け付けて操作処理を実行する操作実行部113と、を主な構成要素として備えている。
【0029】
確認者端末200は、各種プログラム(各種データ)を記憶しておく記憶部210と、誤入力防止装置1との間で
図2に示す各種データを送受信する通信部211と、誤入力防止装置1から提供されるウェブページを画面表示する表示部212と、ユーザ操作の入力を受け付けて操作処理を実行する操作実行部213と、を主な構成要素として備えている。
【0030】
<<記憶部に記憶されるデータ>>
「マスタデータ」は、
図4に示すように、データ入力作業における入力対象情報(顧客の属性情報)を含む顧客マスタデータであって、記憶部10に一元管理されて記憶される。
例えば、マスタデータは、葬儀を依頼する顧客から紙媒体で受け付けた顧客の属性情報を電子化することで作成される。なお、マスタデータは、顧客から直接電子データを受け付けることで作成されても良い。
マスタデータには、顧客の属性情報として顧客の氏名と、顧客の住所、電話番号及びメールアドレスと、顧客の写真(映像)とが紐づけられて格納されている。
上記マスタデータを参照することで、誤入力防止装置1は、作業者によって入力された入力内容が正しいか否かを判定し、また確認者によってなされた確認結果が正しいか否かを判定する処理を行うことができる。
また、誤入力防止装置1を通じて上記マスタデータを参照することで、作業者端末100、確認者端末200は、マスタデータに含まれる入力対象情報(顧客の属性情報)を画面表示することができる。
【0031】
「作業フォーマットデータ」は、
図4に示すように、作業者によってデータ入力がなされるフォーマットデータであって、記憶部10に一元管理されて記憶されている。
例えば、作業フォーマットデータは、案内看板データ、供花データ、骨壺刻印データ、会葬礼状データ等の元データである。
上記作業フォーマットデータを取得することで、作業者端末100は、各種作業フォーマットデータに含まれる内容を画面表示し、作業者の入力操作を受け付けて顧客の属性情報が入力された「作業データ」を生成できる。
【0032】
「作業データ」は、作業者によってデータ入力がなされ、確認者によって確認がなされるデータである。
例えば、「作業データ」は、葬儀に関する物品・サービスの情報と、顧客の属性情報とが紐づけられたデータである。
上記作業データを参照することで、誤入力防止装置1は、作業者によって入力された入力内容が正しいか否かを判定する処理を行うことができる。
【0033】
「確認結果データ」は、確認者による操作を受け付けて生成される確認結果を示すデータである。
詳しく述べると、「確認結果データ」は、所定の作業者によってなされた所定の入力内容に対して、正しいことを示す「OK」又は正しくないことを示す「NG」の確認結果を記録したデータである。
上記確認結果データを参照することで、誤入力防止装置1は、確認者によってなされた確認結果が正しいか否かを判定する処理を行うことができる。
【0034】
<<誤入力、誤確認の判定>>
データ取得部11は、作業者端末100から、作業者によって入力された「作業データ」を取得する。
そして、データ出力部12は、確認者端末200に向けて当該「作業データ」を送信する。
そして、確認結果受け付け部13は、確認者端末200から、確認者による操作によって生成された「確認結果データ」を取得する。
なお、「作業データ」、「確認結果データ」は、種別ごとに、また作業者、確認者ごとに分類、管理されて記憶部10に記憶される。
【0035】
第1判定部14は、「マスタデータ」を参照して、「作業データ」に含まれる入力内容が正しいか否かを判定する。
第1判定部14は、作業者端末100から「作業データ」を取得した後に誤入力に関する判定を行っているが、特に限定されず、確認者端末200から「確認結果データ」を取得した後に誤入力に関する判定を行っても良い。
【0036】
第2判定部15は、「マスタデータ」を参照して、「確認結果データ」に含まれる確認結果が正しいか否かを判定する。
第2判定部15は、確認者端末200から「確認結果データ」を取得した後に、誤確認に関する判定を行う。
データ蓄積部16は、第1判定部14によって入力内容が正しくないものと判定された誤入力の情報と、第2判定部15によって確認結果が正しくないものと判定された誤確認の情報とをそれぞれ蓄積する。誤入力の情報、誤確認の情報は、種別ごとに、また作業者、確認者ごとに分類されて蓄積される。
これら誤入力の情報、誤確認の情報を蓄積することで、作業者及び確認者がどのようなミスを起こし易いのかをシステムが統計的に把握できる。
【0037】
<<誤入力、誤確認の通知>>
ユーザ通知部17は、第1判定部14、第2判定部15それぞれによる判定結果を通知する。
詳しく述べると、ユーザ通知部17は、第1判定部14によって入力内容が正しくないものと判定された場合に、誤入力の情報を含む「誤入力通知データ」を作業者端末100に向けて送信する。作業者端末100は、「誤入力通知データ」を受信し、誤入力の情報を含む通知内容を表示画面に表示する。
また、ユーザ通知部17は、第2判定部15によって確認結果が正しくないものと判定された場合に、誤確認の情報を含む「誤確認通知データ」を確認者端末200に向けて送信する。確認者端末200は、「誤確認通知データ」を受信し、誤確認の情報を含む通知内容を表示画面に表示する。
【0038】
より詳しく述べると、ユーザ通知部17は、「作業データ」を取得した後であっても、「確認結果(確認結果データ)」を取得する前には、第1判定部14による判定結果を問わず、当該判定結果を敢えて通知しないこととしている。
そして、ユーザ通知部17は、「確認結果」を取得した後に、第1判定部14によって入力内容が正しくないものと判定された場合に、当該判定結果を作業者(作業者端末100)に通知する。
また、ユーザ通知部17は、「確認結果」を取得した後に、第2判定部15によって確認結果が正しくないものと判定された場合に、当該判定結果を確認者(確認者端末200)に通知する。
そうすることで、作業者だけでなく確認者に対しても緊張感を持たせることができる。つまりは、
図4に示すように、確認者のダブルチェックを終えたタイミングで誤入力防止システムS(誤入力防止装置1)による結果通知(答え合わせ)がなされる。そのため、作業者だけでなく確認者に対してもシステムが監視することになる(システムが、作業者及び確認者に注意喚起する)。
【0039】
<<誤った入力内容への書き換え>>
入力データ書き換え部18は、作業者端末100から「作業データ」を取得した後に、「作業データ」に含まれる入力内容を書き換えて、当該入力内容とは異なるダミー入力内容を、確認者端末200に提示する。
具体的には、入力データ書き換え部18は、正しい入力内容を書き換えて、誤ったダミー入力内容を確認者端末200の表示画面に提示する。
そして、確認結果受け付け部13は、上記ダミー入力内容に基づいてなされた、確認者による「確認結果(確認結果データ)」を取得する。
上記のように、作業者による入力内容が正しいにも関わらず、敢えて正しい入力内容を書き換えて、誤ったダミー入力内容を確認者に提示することで、確認者によるダブルチェックの正確性を試すことができる。つまりは、確認者に対して緊張感を持たせることができる。
【0040】
詳しく述べると、入力データ書き換え部18は、データ蓄積部16によって蓄積された「誤入力の情報」及び「誤確認の情報」に基づいて所定の入力内容を選定し、選定した入力内容を書き換えてダミー入力内容を提示する。
つまりは、誤入力、誤確認の統計情報に基づいて、入力データ書き換え部18が所定の作業者、所定の入力内容を選定し、誤ったダミー入力内容に置き換えることができる。
そうすることで、間違いの多い作業者(確認者)を対象として、また間違いの多い入力内容を対象として、確認者によるダブルチェックの正確性を試すことができる。
【0041】
なお、入力データ書き換え部18は、「誤入力の情報」のみに基づいて、又は「誤確認の情報」のみに基づいて所定の作業者による所定の入力内容を選定しても良い。あるいは、「誤入力の情報」、「誤確認の情報」及びその他の情報に基づいて所定の作業者による所定の入力内容を選定しても良い。
例えば、「誤入力の情報」を利用することで、誤入力が比較的多い作業者、誤入力が比較的少ない作業者、また誤入力が比較的多い入力内容(入力文字)をシステムが把握することができる。
また例えば、「誤確認の情報」を利用することで、誤確認が比較的多い確認者、誤確認が比較的少ない確認者、また誤確認が比較的少ない入力内容(入力文字)をシステムが把握することができる。
【0042】
なお、入力データ書き換え部18による上記選定処理については、誤入力、誤確認の統計情報に基づいてAI(人工知能)が実行しても良い。
そうすることで、例えば間違いの多い確認者を対象として、確認者によるダブルチェックの正確性を試すことができる。
【0043】
入力データ書き換え部18によって誤ったダミー入力内容が提示され、確認結果受け付け部13によって誤ったダミー入力内容に基づいて確認結果が得られた後には、下記の通り、確認者へのフィードバックがなされる。
具体的には、第2判定部15によって確認結果が正しいものと判定された場合には、入力データ書き換え部18が、誤ったダミー入力内容を元の入力内容に戻す。つまりは、確認者によるダブルチェックが正しいことから、ユーザ通知部17は、確認者(確認者端末200)に通知することはない。
一方で、第2判定部15によって確認結果が正しくないものと判定された場合には、ユーザ通知部17が、確認者(確認者端末200)に誤確認の判定結果を通知する。そして、入力データ書き換え部18は、誤ったダミー入力内容を元の入力内容に戻す。
そうすることで、確認者によるダブルチェックの正確性を試しながら、入力業務を効率的に進めることができる。
【0044】
上記誤入力防止装置1であれば、データ入力作業において作業者による誤入力、確認者による誤確認を防ぐことができる。また、作業者だけでなく確認者に対しても緊張感を持たせて、入力業務の正確さの維持を図ることができる。
【0045】
<誤入力防止方法>
次に、誤入力防止装置1によって実行される誤入力防止プログラム(誤入力防止方法)の主な処理について、
図5、
図6に基づいて説明する。
本実施形態に係る上記プログラムは、記憶部10を備えた誤入力防止装置1の機能的な構成要素として、上述したデータ取得部11と、データ出力部12と、確認結果受け付け部13と、第1判定部14と、第2判定部15と、データ蓄積部16と、ユーザ通知部17と、入力データ書き換え部18と、通信部19と、を実現させるプログラムである。そして、誤入力防止装置1のプロセッサ(CPU)がこの誤入力防止プログラムを実行する。
【0046】
図5に示す「誤入力防止方法」の処理フローでは、まず、データ取得部11が、作業者端末100から、作業者によって入力された「作業データ」を取得するステップ1(S1)から始まる。
なお、誤入力防止装置1は、作業者(作業者端末100)のユーザログインに伴って、作業者端末100にデータ入力作業に関する表示画面を提示した状態となっている。
【0047】
そして、ステップ2で、第1判定部14が、「マスタデータ」を参照して「作業データ」に含まれる入力内容が正しいか否かを判定する。
そして、入力内容が正しい場合には(ステップ2:Yes)、続いて確認結果受け付け部13が、確認者端末200から、確認者による操作によって生成された「確認結果データ」を取得する(ステップ3)。
つまり、ステップ3以降に進むケースとしては、誤入力防止装置1が、作業者の入力内容が正しいと判定したケースである。
【0048】
そして、ステップ4で、第2判定部15が、「マスタデータ」を参照して「確認結果データ」に含まれる確認結果が正しいか否かを判定する。
そして、確認結果が正しい場合には(ステップ4:Yes)、ユーザ通知部17は、誤入力及び誤確認がなかったものとして作業者及び確認者に通知することはしない。
そして、このときのデータ入力作業においては、
図5のプロセスを終了する。つまりは、作業者、確認者による間違いがなく、データ入力作業が終了したことを意味する。言い換えれば、第1段階、第2段階ともにエラーが発生しなかったケースである。
【0049】
確認結果が正しくない場合には(ステップ4:Nо)、データ蓄積部16が、誤確認の情報を蓄積する。誤確認の情報は、種別ごとに、また確認者ごとに分類されて蓄積される。
そして、ステップ6で、ユーザ通知部17は、誤確認の情報(誤確認通知データ)を確認者端末200に向けて送信し、確認者に注意喚起する。なお、確認者端末200は、「誤確認通知データ」を受信し、誤確認の情報を表示画面に表示する。
つまりは、ステップ5、6に進むケースとしては、誤入力防止装置1が、作業者の入力内容は正しいが、確認者の確認結果が誤っていると判定したケースである。言い換えれば、第1段階ではエラーが発生せず、第2段階でエラー(誤確認)が発生したケースである。
【0050】
一方で、ステップ2で、入力内容が正しくない場合には(ステップ2:Nо)、ステップ7に進み、データ蓄積部16が、誤入力の情報を蓄積する。誤入力の情報は、種別ごとに、また確認者ごとに分類されて蓄積される。
そして、ステップ8で、確認結果受け付け部13が、確認者端末200から「確認結果データ」を取得する。
つまり、ステップ7以降に進むケースとしては、誤入力防止装置1が、作業者の入力内容が誤っていると判定したケースである。
【0051】
そして、ステップ9で、第2判定部15が、「マスタデータ」を参照して「確認結果データ」に含まれる確認結果が正しいか否かを判定する。
そして、確認結果が正しい場合には(ステップ9:Yes)、ステップ10に進み、ユーザ通知部17は、誤入力の情報(誤入力通知データ)を作業者端末100に向けて送信し、作業者に注意喚起する。なお、作業者端末100は、「誤入力通知データ」を受信し、誤入力の情報を表示画面に表示する。
つまりは、ステップ9、10に進むケースとしては、誤入力防止装置1が、作業者の入力内容が誤っており、確認者の確認結果が正しいと判定したケースである。言い換えれば、第1段階でエラー(誤入力)が発生し、第2段階ではエラーが発生しなかったケースである。
そして、ステップ11で誤入力防止装置1は、データ入力作業を確認者へ差し戻す。具体的には、作業者端末100に向けて差し戻し通知を送信し、作業者にデータ入力作業のやり直しを命じる(ステップ1に戻る)。
【0052】
ステップ9で、確認結果が正しくない場合には(ステップ9:Nо)ステップ12に進み、データ蓄積部16が誤確認の情報を蓄積する。
そして、ステップ13で、ユーザ通知部17は、誤確認の情報を確認者端末200に向けて送信し、確認者に注意喚起する。そして、ステップ10に進む(ステップ10以降は上述の通りである)。
つまりは、ステップ16、17に進むケースとしては、誤入力防止装置1が、作業者の入力内容が誤っており、確認者の確認結果も誤っていると判定したケースである。言い換えれば、第1段階、第2段階ともにエラー(誤入力、誤確認)が発生したケースである。
なお、ユーザ通知部17は、同じタイミングで作業者及び確認者に対し注意喚起しても良い。または、作業者、確認者の順に、作業者及び確認者に対し注意喚起しても良い。
【0053】
上記の誤入力防止プログラムの処理フローにより、作業者による誤入力、確認者による誤確認を防ぐことができる。また、作業者だけでなく確認者に対しても緊張感を持たせて、入力業務の正確さの維持を図ることができる。
【0054】
次に、
図6に示す「誤入力防止方法2」の処理フローについて説明する。
当該フローでは、
図5に示す処理フローと比較して、ステップ103、ステップ106の処理が追加された点が主に異なっている。
そのため、ステップ101~108について説明し、ステップ109~113については説明を省略する。
【0055】
図6に示す処理フローでは、まず、データ取得部11が、作業者端末100から、作業者によって入力された「作業データ」を取得するステップ101から始まる。
そして、ステップ102で、第1判定部14が、「マスタデータ」を参照して「作業データ」に含まれる入力内容が正しいか否かを判定する。入力内容が正しい場合には(ステップ102:Yes)、ステップ103に進む。
【0056】
そして、ステップ103で、入力データ書き換え部18が、「作業データ」に含まれる入力内容を書き換えて、当該入力内容とは異なるダミー入力内容を提示する。
具体的には、入力データ書き換え部18は、「作業データ」に含まれる入力内容を書き換えて「ダミー作業データ」を生成し、「ダミー作業データ」を確認者端末200に送信する。なお、確認者端末200は、「ダミー作業データ」を受信し、ダミー作業内容を表示画面に表示する。
上記のように、作業者の入力内容が正しいにも関わらず、敢えて誤ったダミー入力内容を確認者に提示することで、確認者によるダブルチェックの正確性を試すことができる。
【0057】
そして、ステップ104で、確認結果受け付け部13が、上記ダミー入力内容に基づいてなされた、確認者による「確認結果データ」を取得する。
つまり、確認者はダミー入力内容を確認し、当該確認結果を報告したことになる。
【0058】
そして、ステップ105で、第2判定部15が、「マスタデータ」を参照して「確認結果データ」に含まれる確認結果が正しいか否かを判定する。
そして、確認結果が正しい場合には(ステップ105:Yes)、ユーザ通知部17は、誤入力及び誤確認がなかったものとして作業者及び確認者に通知することはしない。
一方で、確認結果が正しくない場合には(ステップ105:Nо)、データ蓄積部16が、誤確認の情報を蓄積する。そして、ステップ108で、ユーザ通知部17は、誤確認の情報を確認者端末200に向けて送信し、確認者に注意喚起する。
つまりは、ステップ107、108に進むケースとしては、確認者が、ダミー入力内容を正しく確認できなかった(間違いに気づかなかった)ことを意味する。
【0059】
そして、ステップ106で、入力データ書き換え部18が、誤ったダミー入力内容を元の正しい入力内容に戻す処理を行う。
そうすることで、確認者によるダブルチェックの正確性を試しながら、入力業務を効率的に進めることができる。
そして、
図6のプロセスを終了する(データ入力作業を終了する)。なお、ステップ109~113の処理については、
図5のプロセスと同様のため、説明を省略する。
【0060】
上記の処理フローにより、作業者による入力内容が正しいにも関わらず、敢えて誤ったダミー入力内容を確認者に提示することで、確認者によるダブルチェックの正確性を試すことができる。つまりは、確認者に対してより緊張感を持たせることができる。
【0061】
<その他の実施形態>
上記実施形態では、入力データ書き換え部18が、作業者による正しい入力内容を書き換えて、誤ったダミー入力内容を確認者(確認者端末200)に提示しているが、特に限定されるものではない。
例えば、入力データ書き換え部18は、作業者による誤った入力内容を書き換えて、正しいダミー入力内容を確認者に提示しても良い。あるいは、作業者による入力内容を書き換えて、一部空欄にしたダミー入力内容を確認者に提示しても良い。
このように、様々な書き換えパターンを提示することで、確認者によるダブルチェックの正確性を試すことができる。
【0062】
上記実施形態では、誤入力防止装置1が読み取り可能な記録媒体に誤入力防止プログラムが記憶されており、誤入力防止装置1が当該プログラムを読み出して実行することによって処理が実行される。ここで誤入力防止装置1が読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。
そのほか、誤入力防止装置1となるコンピュータを利用して専用ソフトウェアを起動させて、ウェブブラウザ上で誤入力防止プログラムが実行されても良い。
【0063】
上記実施形態では、主として本発明に係る誤入力防止装置、誤入力防止方法及び誤入力防止プログラムに関して説明した。
ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0064】
S 誤入力防止システム
1 誤入力防止装置
10 記憶部
11 データ取得部
12 データ出力部
13 確認結果受け付け部
14 第1判定部
15 第2判定部
16 データ蓄積部
17 ユーザ通知部
18 入力データ書き換え部
19 通信部
100 作業者端末
110 記憶部
111 通信部
112 表示部
113 操作実行部
200 確認者端末(責任者端末)
210 記憶部
211 通信部
212 表示部
213 操作実行部