(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062223
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】制御方法、情報処理装置、プログラム及び記憶装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/02 20160101AFI20240430BHJP
【FI】
H02J7/02 J
H02J7/02 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170086
(22)【出願日】2022-10-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】横山 晋一
(72)【発明者】
【氏名】雨池 寛
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503CB16
5G503EA01
5G503EA08
5G503FA03
5G503FA06
5G503FA07
5G503GC04
(57)【要約】
【課題】各種情報の報知を行うデバイスの視認性を向上させることができる制御方法、情報処理装置、プログラム及び記憶装置を提供する。
【解決手段】バッテリ交換装置1は、利用者からバッテリ保持部32でバッテリ3を受領する、又は、バッテリ保持部32で保管中のバッテリ3を利用者に提供する。第1バッテリ交換装置1aの統合制御装置は、各バッテリ交換装置1が設置された位置のその時点の明るさ、又は、明るさの推定量に基づいて、各バッテリ保持部32の発光部の発光度合いを制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管装置の制御方法であって、
前記保管装置は、物品を保管する複数の保管部と、前記保管装置の外面に設けられる発光部とを備え、
前記保管装置の利用者から前記保管部で前記物品を受領する、又は、前記保管部で保管中の前記物品を前記保管装置の利用者に提供する授受ステップと、
前記保管装置が設置された位置のその時点の明るさ、又は、明るさの推定量に基づいて、前記発光部の発光度合いを制御する発光ステップと
を有する
ことを特徴とする制御方法。
【請求項2】
前記発光度合いは、前記明るさの推定量に基づいて制御され、
前記明るさの推定量は、
前記時点の属する時間、若しくは、時間帯と、
前記時点の属する月と、
前記保管装置が設置された位置の前記時点が日中、若しくは、夜間の何れかであるかと、
前記保管装置が設置された位置が屋内、若しくは、屋外の何れかであるかと、
前記保管装置が設置された位置の、その時点の天気、若しくは、日照量と、
又は、設置された前記保管装置の、若しくは、配置された前記発光部の向きと、
の少なくともいずれか1つに基づいて求められる
ことを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記発光度合いは、前もって定められた参照情報に基づいて制御され、
前記参照情報は、
前記時点の属する時間、若しくは、時間帯と、
前記時点の属する月と、
前記保管装置が設置された位置の前記時点が日中、若しくは、夜間の何れかであるかと、
前記保管装置が設置された位置が屋内、若しくは、屋外の何れかであるかと、
前記保管装置が設置された位置の、その時点の天気、若しくは、日照量と、
又は、設置された前記保管装置の、若しくは、配置された前記発光部の向きと、
の少なくともいずれか2つをパラメータとして定められる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の制御方法。
【請求項4】
保管装置を制御する制御部を備え、
前記保管装置は、物品を保管する複数の保管部と、前記保管装置の外面に設けられる発光部とを備え、
前記制御部は、
前記保管装置の利用者から前記保管部で前記物品を受領する、又は、前記保管部で保管中の前記物品を前記保管装置の利用者に提供し、
前記保管装置が設置された位置のその時点の明るさ、又は、明るさの推定量に基づいて、前記発光部の発光度合いを制御する
ことを特徴とすることを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
保管装置を制御するコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記保管装置は、物品を保管する複数の保管部と、前記保管装置の外面に設けられる発光部とを備え、
前記コンピュータに、
前記保管装置の利用者から前記保管部で前記物品を受領する、又は、前記保管部で保管中の前記物品を前記保管装置の利用者に提供する授受ステップと、
前記保管装置が設置された位置のその時点の明るさ、又は、明るさの推定量に基づいて、前記発光部の発光度合いを制御する発光ステップと
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムを記憶した
ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御方法、情報処理装置、プログラム及び記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば電動車両及び電源装置等の各種の電力装置で着脱されるバッテリを複数のユーザー同士で共同して利用するサービス、いわゆるバッテリシェアサービスが知られている。バッテリシェアサービスのユーザーは、消耗したバッテリを電力装置から取り外してバッテリステーションに返却するとともに、バッテリステーションから貸し出しを受けた充電済みのバッテリを電力装置に装着することによって、電力装置のバッテリを交換することができる。
このようなバッテリシェアサービスに関する技術として、従来、例えば、複数のバッテリが着脱される複数の保持部と、複数の保持部に対応して設けられる複数の発光部とを備え、交換対象として選定される保持部の位置に応じて複数の発光部の態様を制御するバッテリ交換装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、バッテリシェアサービスに関する技術においては、バッテリステーションでの各種情報を報知する表示デバイス及び灯体の視認性を向上させることが望まれている。しかしながら、例えば、日時、位置及び環境等の要因によって表示デバイス及び灯体の視認性が変化する場合があり、ユーザーにとって眩しい又は暗いなどの視認性の低下が生じると、各種情報の報知を適切に行うことができないという問題が生じる。
【0005】
本発明は、各種情報の報知を行うデバイスの視認性を向上させることができる制御方法、情報処理装置、プログラム及び記憶装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明は以下の態様を採用した。
(1):本発明の一態様に係る制御方法は、保管装置(例えば、実施形態でのバッテリ交換装置1)の制御方法であって、前記保管装置は、物品(例えば、実施形態でのバッテリ3)を保管する複数の保管部(例えば、実施形態でのバッテリ保持部32)と、前記保管装置の外面(例えば、実施形態での内壁面32A)に設けられる発光部(例えば、実施形態での発光部33)とを備え、前記保管装置の利用者から前記保管部で前記物品を受領する、又は、前記保管部で保管中の前記物品を前記保管装置の利用者に提供する授受ステップ(例えば、実施形態でのステップS06からステップS08)と、前記保管装置が設置された位置のその時点の明るさ、又は、明るさの推定量に基づいて、前記発光部の発光度合いを制御する発光ステップ(例えば、実施形態でのステップS21からステップS26、ステップS31からステップS35、ステップS41からステップS47)とを有する。
【0007】
(2):上記(1)に記載の制御方法では、前記発光度合いは、前記明るさの推定量に基づいて制御され、前記明るさの推定量は、前記時点の属する時間、若しくは、時間帯と、前記時点の属する月と、前記保管装置が設置された位置の前記時点が日中、若しくは、夜間の何れかであるかと、前記保管装置が設置された位置が屋内、若しくは、屋外の何れかであるかと、前記保管装置が設置された位置の、その時点の天気、若しくは、日照量と、又は、設置された前記保管装置の、若しくは、配置された前記発光部の向きと、の少なくともいずれか1つに基づいて求められてもよい。
【0008】
(3):上記(1)又は(2)に記載の制御方法では、前記発光度合いは、前もって定められた参照情報に基づいて制御され、前記参照情報は、前記時点の属する時間、若しくは、時間帯と、前記時点の属する月と、前記保管装置が設置された位置の前記時点が日中、若しくは、夜間の何れかであるかと、前記保管装置が設置された位置が屋内、若しくは、屋外の何れかであるかと、前記保管装置が設置された位置の、その時点の天気、若しくは、日照量と、又は、設置された前記保管装置の、若しくは、配置された前記発光部の向きと、の少なくともいずれか2つをパラメータとして定められてもよい。
【0009】
(4):本発明の一態様に係る情報処理装置(例えば、実施形態での第1バッテリ交換装置1a、管理サーバ装置300)は、保管装置(例えば、実施形態でのバッテリ交換装置1)を制御する制御部(例えば、実施形態での統合制御装置65)を備え、前記保管装置は、物品(例えば、実施形態でのバッテリ3)を保管する複数の保管部(例えば、実施形態でのバッテリ保持部32)と、前記保管装置の外面(例えば、実施形態での内壁面32A)に設けられる発光部(例えば、実施形態での発光部33)とを備え、前記制御部は、前記保管装置の利用者から前記保管部で前記物品を受領する、又は、前記保管部で保管中の前記物品を前記保管装置の利用者に提供し、前記保管装置が設置された位置のその時点の明るさ、又は、明るさの推定量に基づいて、前記発光部の発光度合いを制御する。
【0010】
(5):本発明の一態様に係るプログラムは、保管装置(例えば、実施形態でのバッテリ交換装置1)を制御するコンピュータに実行させるプログラムであって、前記保管装置は、物品(例えば、実施形態でのバッテリ3)を保管する複数の保管部(例えば、実施形態でのバッテリ保持部32)と、前記保管装置の外面に設けられる発光部(例えば、実施形態での発光部33)とを備え、前記コンピュータに、前記保管装置の利用者から前記保管部で前記物品を受領する、又は、前記保管部で保管中の前記物品を前記保管装置の利用者に提供する授受ステップ(例えば、実施形態でのステップS06からステップS08)と、前記保管装置が設置された位置のその時点の明るさ、又は、明るさの推定量に基づいて、前記発光部の発光度合いを制御する発光ステップ(例えば、実施形態でのステップS21からステップS26、ステップS31からステップS35、ステップS41からステップS47)とを実行させる。
【0011】
(6):本発明の一態様に係る記憶装置は、上記(5)に記載のプログラムを記憶する。
【発明の効果】
【0012】
上記(1)によれば、保管装置が設置された位置のその時点の明るさ、又は、明るさの推定量に基づいて、発光部の発光度合いを制御する発光ステップを有することにより、例えば保管装置の周辺の明るさを常時に検出するセンサ等を必要とせずに、発光度合いを適切に設定することができ、各種情報の報知を行うデバイス(発光部等)の視認性を向上させることができる。
【0013】
上記(2)の場合、保管装置が設置された位置のその時点の明るさの推定量を精度良く求めることができる。
上記(3)の場合、参照情報を精度良く設定することができる。
【0014】
上記(4)、(5)及び(6)の少なくともいずれかによれば、保管装置が設置された位置のその時点の明るさ、又は、明るさの推定量に基づいて、発光部の発光度合いを制御することにより、例えば保管装置の周辺の明るさを常時に検出するセンサ等を必要とせずに、発光度合いを適切に設定することができ、各種情報の報知を行うデバイス(発光部等)の視認性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態の管理システムの構成例を示す図。
【
図2】本発明の実施形態の管理システムでのバッテリ交換装置を示す斜視図。
【
図3】本発明の実施形態の管理システムでの制御する側のバッテリ交換装置の電気的構成の一例を示す図。
【
図4】本発明の実施形態の管理システムでの制御される側のバッテリ交換装置の電気的構成の一例を示す図。
【
図5】本発明の実施形態の管理システムでのバッテリ交換ユニットの返却及び貸出の動作を示すフローチャート。
【
図6】本発明の実施形態の管理システムでのバッテリ交換ユニットの待機状態でのバッテリ交換装置の発光部の状態例を示す図。
【
図7】本発明の実施形態の管理システムでのバッテリ交換ユニットの返却及び貸出の動作に伴うバッテリ交換装置の発光部の状態例を示す図。
【
図8】本発明の実施形態の管理システムでの管理サーバ装置及びバッテリ交換ユニットの処理動作を示すシーケンス図。
【
図9】本発明の実施形態の管理システムでの操作パネルの表示デバイス及び発光部の明るさと、月(暦)と、時刻との対応関係の一例を示すマップデータ。
【
図10】本発明の実施形態の第1変形例に係る管理システムでの管理サーバ装置及びバッテリ交換ユニットの処理動作を示すシーケンス図。
【
図11】本発明の実施形態の第2変形例に係る管理システムでの管理サーバ装置及びバッテリ交換ユニットの処理動作を示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態に係る管理システムについて、添付図面を参照しながら説明する。
実施形態の管理システムは、例えば、電動車両及び電源装置等の各種の電力装置で着脱される蓄電装置(例えば、バッテリ等)を複数のユーザー(利用者)同士で共同して利用するサービス、いわゆるバッテリシェアサービスを管理するシステムである。
実施形態の保管装置は、例えば、バッテリシェアサービスの管理システムで利用主体(例えば、ユーザー又は電力装置等)に対してバッテリの供与(提供)及び受領を行うバッテリ交換装置である。
【0017】
(バッテリシェアサービスシステム)
図1は、実施形態の管理システム(バッテリシェアサービスシステム)100の構成例を示す図である。
図1に示すように、実施形態のバッテリシェアサービスシステム100は、例えば、複数のバッテリ3を保持する少なくとも1つのバッテリ交換ユニット200と、管理サーバ装置300とを備える。
バッテリ3の外形は、例えば把手部を有する箱型である。バッテリ3は、交換可能に構成される、いわゆるカセット式の蓄電装置(二次電池)である。
バッテリ交換ユニット200と管理サーバ装置300とは、例えば、有線又は無線の通信網(ネットワーク)NWを介して接続される。ネットワークNWは、例えば、インターネット、移動体通信ネットワーク、LAN(Local Area Network)及びWAN(Wide Area Network)等である。例えばLANは、Ethernet等の所定規格の有線LAN(Local Area Network)又はWi-Fi及びBluetooth(登録商標)等の各種規格の無線LANである。
【0018】
図1に示す一例では、バッテリシェアサービスシステム100は、例えば、4つのバッテリ交換ユニット200、つまり第1バッテリ交換ユニット200-1、第2バッテリ交換ユニット200-2、第3バッテリ交換ユニット200-3及び第4バッテリ交換ユニット200-4を備える。
図1に示す一例では、バッテリ交換ユニット200は、例えば、3つのバッテリ交換装置1、つまり第1バッテリ交換装置1a、第2バッテリ交換装置1b及び第3バッテリ交換装置1cを備える。後述するように、バッテリ交換ユニット200の全てのバッテリ交換装置1のうちのいずれか1つ(例えば、第1バッテリ交換装置1a)は、バッテリ交換ユニット200の全てのバッテリ交換装置1を統合的に制御するための構成を備える。
バッテリ交換ユニット200の各バッテリ交換装置1は、例えば、電力系統に接続された商用電源等の外部の交流電源500に並列的に接続される。
【0019】
管理サーバ装置300は、例えば、直接又はネットワークNWを介して、バッテリシェアサービスシステム100を管理する管理者Paが使用する端末装置T1と通信を行い、バッテリ交換ユニット200の状態に関する所定の情報を端末装置T1に出力する。端末装置T1は、例えば、設置型又は可搬型のパーソナルコンピュータ等である。管理サーバ装置300は、例えば、ネットワークNWを介して、バッテリ交換ユニット200の保守を担当する保安要員Pbが使用する端末装置T2と通信を行い、バッテリ交換ユニット200の状態に関する所定の情報を端末装置T2に出力する。端末装置T2は、例えばスマートフォン及びタブレット端末等の携帯型の端末装置である。
管理サーバ装置300は、ネットワークNWを介して複数のバッテリ交換ユニット200と通信し、複数のバッテリ交換ユニット200を管理する。例えば、管理サーバ装置300は、各バッテリ交換ユニット200からバッテリ交換ユニット200の状態を示す情報(ユニット情報)を受信し、ユニット情報に基づき各バッテリ交換ユニット200の状態を判定及び制御する。
【0020】
実施形態のバッテリシェアサービスシステム100のユーザーは、バッテリ3が着脱される電力装置400を備える。
電力装置400は、例えば、電動車両、電動の移動体、電動の機械、電源装置及び各種の電気機器等である。電動車両は、例えば、バッテリ3の電力によって駆動されるモータを動力源として備える電気自動車、鞍乗り型車両及びキックスケータ、モータと内燃機関との組み合わせによるハイブリッド車両並びにバッテリ3と燃料電池との組み合わせによる燃料電池車両等である。電動の移動体は、例えば、ロボット、飛行体並びに水上及び水中の移動体等である。電動の機械は、例えば、モータを動力源として備える建設機械等である。電源装置は、例えば、バッテリ3の放電及び充電を行う据え置き型又は移動型の電源装置等である。
電力装置400は、例えば、バッテリ3が収容されるバッテリ収容部(図示略)及びバッテリ3が接続される接続部(図示略)等を備える。
【0021】
電力装置400は、例えば、バッテリ3の搭載個数(例えば、装着又は接続の個数等)及び接続形態に関する搭載情報を記憶する記憶部(図示略)を備えてもよい。バッテリ3の接続形態は、例えば、複数のバッテリ3の直列接続、並列接続又は直列及び並列の組み合わせによる接続等である。搭載情報は、例えば、電力装置400でのバッテリ3の搭載個数及び接続形態の情報又はバッテリ3の搭載個数及び接続形態の情報に対応付けられる電力装置400の種別に関する種別識別情報等である。
電力装置400は、例えば、バッテリシェアサービスを利用する際のユーザー認証及びバッテリ3の貸出予約等の処理動作でバッテリ交換ユニット200との間で直接的に各種情報の送受信を行ってもよい。
【0022】
バッテリシェアサービスシステム100のユーザーは、例えば、バッテリシェアサービスを利用する際のユーザー認証等に用いるユーザーデバイスを備える。ユーザーデバイスは、例えば、所定規格の近距離無線通信に対応するIC(Integrated Circuit)チップを搭載する非接触型又は接触型のICカード、スマートフォン及びタブレット端末等である。ユーザーデバイスは、ユーザー情報を記憶する。ユーザー情報は、例えば、各ユーザー又は各電力装置400に対して排他的に割り当てられるユーザーID(IDentifier)等の識別情報及びパスワード等の認証情報と、電力装置400でのバッテリ3の搭載個数及び接続形態に関する搭載情報とを備える。
【0023】
バッテリシェアサービスシステム100のユーザーは、例えば、ネットワークNWを介してバッテリ交換ユニット200及び管理サーバ装置300と接続される通信端末(図示略)を備えてもよい。通信端末は、例えばスマートフォン、タブレット端末及びパーソナルコンピュータ等の携帯情報端末である。通信端末は、例えば、ユーザー又は電力装置400がバッテリシェアサービスを利用する際のユーザー認証及びバッテリ3の貸出予約等の処理動作でユーザーの入力操作又は電力装置400からの入力に応じて各種情報の送受信を行う。
【0024】
(バッテリ)
バッテリ3は、例えば、蓄電部と、バッテリ制御部と、バッテリ接続部とを備える。
蓄電部は、例えば、直列又は並列に接続される複数のバッテリセルを備える。バッテリセルは、例えば、鉛蓄電池、リチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池、ニッケル水素電池及び全固体電池等の二次電池、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ又は二次電池とキャパシタとの組み合わせによる複合電池である。バッテリセルは、充電及び放電を繰り返して行う。
【0025】
バッテリ制御部は、例えば、いわゆるBMU(Battery Management Unit)であり、蓄電部の状態を監視及び制御する。バッテリ制御部は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサによって所定のプログラムが実行されることにより機能するソフトウェア機能部である。ソフトウェア機能部は、CPUなどのプロセッサ、プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)及びタイマーなどの電子回路を備えるECU(Electronic Control Unit)である。なお、バッテリ制御部の少なくとも一部は、LSI(Large Scale Integration)などの集積回路であってもよい。
【0026】
バッテリ制御部は、例えば、バッテリセンサと、バッテリ記憶部とを備える。
バッテリセンサは、例えば、蓄電部の状態を検出する各種のセンサを備える。バッテリセンサは、例えば、電圧センサ、電流センサ及び温度センサ等を備える。バッテリセンサは、例えば、蓄電部の状態に関する電圧、電流及び温度等の各種の検出値の信号を出力する。
バッテリ記憶部は、例えば、バッテリ3に関する情報及び所定のプログラム等を記憶する。バッテリ3に関する情報(バッテリ情報)は、例えば、各バッテリ3に対して排他的に割り当てられるバッテリID(IDentifier)等の識別情報、製造日時、初期状態の容量、バッテリセンサの出力等に基づく蓄電部の状態に関する情報、充電及び放電の履歴、バッテリ交換ユニット200での保管時間及び使用態様の履歴等を備える。
【0027】
バッテリ接続部は、例えば、電力の送受信用の電力線及び情報の送受信用の通信線の各々の接続端子等を備える。バッテリ接続部は、例えば、バッテリ交換ユニット200の後述のバッテリ保持部32に設けられる接続部(図示略)及び電力装置400のバッテリ収容部(図示略)に設けられる接続部(図示略)に接続される。例えば、バッテリ接続部は雌型コネクタであって、バッテリ保持部32及び電力装置400の各接続部は雄型コネクタである。
例えば、バッテリ接続部が電力装置400の接続部(図示略)に接続される状態では、電力装置400と蓄電部との間で電力の授受が行われるとともに、電力装置400からバッテリ3に搭載情報等の情報が送信される。
例えば、バッテリ接続部がバッテリ交換ユニット200の接続部(図示略)に接続される状態では、バッテリ交換ユニット200と蓄電部との間で電力の授受が行われるとともに、バッテリ交換ユニット200からバッテリ3にバッテリ交換装置1及びバッテリ保持部32の各々に関する情報等が送信並びにバッテリ記憶部からバッテリ交換ユニット200及び管理サーバ装置300にバッテリ情報等が送信される。
【0028】
(バッテリ交換装置)
図2は、実施形態の管理システム(バッテリシェアサービスシステム)100でのバッテリ交換装置1(第1バッテリ交換装置1a)を示す斜視図である。なお、
図2に示すように、3次元空間で互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸の各軸方向は、各軸に平行な方向である。例えば、X軸方向はバッテリ交換ユニット200の左右方向(横方向)に平行である。Y軸方向はバッテリ交換ユニット200の前後方向(奥行方向)に平行である。Z軸方向はバッテリ交換ユニット200の上下方向に平行である。例えば、バッテリ交換装置1を使用するユーザーから見て手前側を前、奥側を後ろ、右手側を右、左手側を左としている。
【0029】
図1及び
図2に示すように、バッテリ交換ユニット200は、少なくとも1つのバッテリ交換装置1、例えば、第1バッテリ交換装置1a、第2バッテリ交換装置1b及び第3バッテリ交換装置1cを備える。
図2に示すように、各バッテリ交換装置1の外形は、例えば別個独立に形成される矩形箱型である。
例えば、バッテリ交換装置1の筐体10の前部10Fは、内部と外部との間で貫通する通気孔が形成されたパネル部31と、複数のバッテリ保持部32とを備える。
バッテリ保持部32の外形は、例えば、前方から後方に向かって下方に傾斜しつつ延びるスロット状等であり、バッテリ3が挿入される開口が形成された箱型である。バッテリ保持部32は、例えば、バッテリ3の少なくとも一部(例えば、バッテリ接続部等)を収容又はバッテリ3の少なくとも一部(例えば、把手部等)を露出させるようにしてバッテリ3を保持する。
バッテリ保持部32は、例えば、後述する灯体69の光をユーザーに視認させる一対の発光部33を備える。発光部33は、例えば、灯体69の光を外部に導くライトガイド等を備える。一対の発光部33は、例えば、筐体10の前部10Fから前方に突出するバッテリ保持部32の先端部の左右の内壁面32Aに設けられている。一対の発光部33は、バッテリ保持部32にバッテリ3が保持されている状態でも外部から視認可能な表面(外面:内壁面32A)に設けられている。
【0030】
複数のバッテリ保持部32は、例えば、左右方向に3列及び上下方向に4列に並んで配置される12個のバッテリ保持部32である。12個のバッテリ保持部32は、例えば、第1バッテリ保持部32-0、第2バッテリ保持部32-1、第3バッテリ保持部32-2、…、第10バッテリ保持部32-9、第11バッテリ保持部32-10及び第12バッテリ保持部32-11である。12個のバッテリ保持部32は、例えば、左右方向及び上下方向のうち左右方向での右側から左側に向かう配列を優先しつつ、上下方向での上側から下側に向かう配列によって、右側上端の第1バッテリ保持部32-0から左側下端のバッテリ保持部32-11に向かって順次に配置されている。
複数のバッテリ保持部32に排他的に割り当てられる保持部ID等の識別情報は、例えば、位置に応じた順位を有するように設定される。例えば、12個のバッテリ保持部32の識別情報の順位は、相対的に高い順位から低い順位に向かうように、第1バッテリ保持部32-0と、第2バッテリ保持部32-1と、…、第11バッテリ保持部32-10と、第12バッテリ保持部32-11との順に低下するように設定される。
【0031】
図1に示すように、複数のバッテリ交換装置1は、例えば、左右方向で順次に隣接して一列に並んで配置される。複数のバッテリ交換装置1に排他的に割り当てられる交換装置ID等の識別情報は、例えば通信順序に応じた順位を有するように設定される。例えば、3つのバッテリ交換装置1の識別情報の順位は、相対的に高い順位から低い順位に向かうように、第1バッテリ交換装置1aと、第2バッテリ交換装置1bと、第3バッテリ交換装置1cとの順に低下するように設定される。
3つのバッテリ交換装置1は、例えば、識別情報の順位が最も高い第1バッテリ交換装置1aに対して、他のバッテリ交換装置1が識別情報の順位の高い順から左方向と右方向とに交互に並ぶように配置される。つまり、第1バッテリ交換装置1aに対して、左側に第2バッテリ交換装置1bが隣接して並ぶように配置されるとともに、右側に第3バッテリ交換装置1cが隣接して並ぶように配置される。
例えば、識別情報の順位が最も高い第1バッテリ交換装置1aは、バッテリ交換ユニット200の全てのバッテリ交換装置1を統合的に制御する側であり、識別情報の順位が相対的に低い第2バッテリ交換装置1b及び第3バッテリ交換装置1cは、第1バッテリ交換装置1aによって制御される側である。
【0032】
図2に示すように、全てのバッテリ交換装置1のうち識別情報の順位が最も高い第1バッテリ交換装置1aのみは、例えば、全てのバッテリ交換装置1を統合的に制御するための構成に加えて、パネル部31に設けられる操作パネル34を備える。操作パネル34は、例えば、ユーザーインターフェースである入出力デバイスと、読み取り及び書き込みデバイスとを備える。入出力デバイスは、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示デバイスによるタッチパネルと、音声入力用のマイク及び音出力用のスピーカーとなどである。読み取り及び書き込みデバイスは、例えば、ユーザー認証等に用いられるユーザーデバイスとの間で各種の情報の送受信を行う。操作パネル34は、例えば、統合制御装置65に接続されており、ユーザー等の操作者による入力操作及び音声入力を受け付け、入力操作及び音声入力に応じた信号を統合制御装置65に出力する。操作パネル34は、例えば、全てのバッテリ交換装置1の各バッテリ保持部32でのバッテリ3の受領及び貸し出しの動作に関する各種の情報を提示する。
【0033】
操作パネル34は、例えば、複数のバッテリ保持部32のうち最も左側に配置される第3バッテリ保持部32-2、第6バッテリ保持部32-5、第9バッテリ保持部32-8及び第12バッテリ保持部32-11の上方に配置されている。例えば、第1バッテリ交換装置1aを前方から後方に向かって見た正面図において、第3バッテリ保持部32-2、第6バッテリ保持部32-5、第9バッテリ保持部32-8及び第12バッテリ保持部32-11の各一対の発光部33が並ぶ方向(Z軸方向)の延長線上に操作パネル34が配置されている。例えば、操作パネル34を通る仮想的な鉛直平面上に第3バッテリ保持部32-2、第6バッテリ保持部32-5、第9バッテリ保持部32-8及び第12バッテリ保持部32-11の各々の一対の発光部33が配置されている。
【0034】
図3は、実施形態の管理システム(バッテリシェアサービスシステム)100での制御する側のバッテリ交換装置1(第1バッテリ交換装置1a)の電気的構成(第1電力伝達経路50-C)の一例を示す図である。
図4は、実施形態の管理システム(バッテリシェアサービスシステム)100での制御される側のバッテリ交換装置1(第2バッテリ交換装置1b及び第3バッテリ交換装置1c)の電気的構成(第2電力伝達経路50-S)の一例を示す図である。
図3及び
図4に示すように、制御する側のバッテリ交換装置1である第1バッテリ交換装置1aは、電気的構成として第1電力伝達経路50-Cを備え、制御される側のバッテリ交換装置1である第2バッテリ交換装置1b及び第3バッテリ交換装置1cは、電気的構成として第2電力伝達経路50-Sを備える。
第1電力伝達経路50-C及び第2電力伝達経路50-Sの各々は、筐体10の内部に設けられる電気回路であり、交流電源500と電気的に接続される。
第1電力伝達経路50-C及び第2電力伝達経路50-Sの各々は、例えば、遮断器60と、AC/DC変換器61と、DC/DC変換器群62と、複数のインターフェース基板(I/F基板)63と、筐体制御基板64とを備える。第2電力伝達経路50-Sは、さらに、統合制御装置65を備える。
【0035】
遮断器60は、例えば、外部の交流電源500とAC/DC変換器61との間に接続されている。
AC/DC変換器61は、例えば、交流電力を直流電力に変換するAC-DCコンバータである。AC/DC変換器61は、例えば、遮断器60とDC/DC変換器群62との間に接続されている。AC/DC変換器61は、例えば、交流電源500から入力される交流電力を直流電力に変換して、直流電力をDC/DC変換器群62に出力する。AC/DC変換器61は、例えば、
図3及び
図4中の実線で示される電力線(電源線)P1によってDC/DC変換器群62に接続されている。
【0036】
DC/DC変換器群62は、例えば、複数の充電用DC/DC変換器66-1及び複数の充放電用DC/DC変換器66-2と、複数の冷却用DC/DC変換器67と、制御電源用DC/DC変換器68とを備える。
複数の充電用DC/DC変換器66-1及び複数の充放電用DC/DC変換器66-2の総数は、例えば、複数のバッテリ保持部32と同一個数である。
複数の充電用DC/DC変換器66-1の各々は、例えば、単一方向での降圧の電圧変換を行うDC-DCコンバータである。各充電用DC/DC変換器66-1は、例えば、電力線(電源線)P1によってAC/DC変換器61とバッテリ保持部32の接続部(図示略)との間に接続されている。各充電用DC/DC変換器66-1は、例えば、AC/DC変換器61から入力される直流電力の電圧を降圧して、降圧後の直流電力をバッテリ保持部32の接続部に出力する。
【0037】
複数の充放電用DC/DC変換器66-2の各々は、例えば、双方向での降圧の電圧変換を行うDC-DCコンバータである。各充放電用DC/DC変換器66-2は、例えば、バッテリ3の充電用の第1DC-DCコンバータと、バッテリ3の放電用の第2DC-DCコンバータとを備える。
各充放電用DC/DC変換器66-2の第1DC-DCコンバータは、例えば、電力線(電源線)P1によってAC/DC変換器61とバッテリ保持部32の接続部(図示略)との間に接続されている。各充放電用DC/DC変換器66-2の第2DC-DCコンバータは、例えば、電力線(電源線)P1によってバッテリ保持部32の接続部(図示略)と接続されるとともに、
図3及び
図4中の破線で示される制御電力線(電源線)P2によって、複数のインターフェース基板63、筐体制御基板64及び統合制御装置65に接続されている。
各充放電用DC/DC変換器66-2は、例えば、AC/DC変換器61から入力される直流電力の電圧を降圧して、降圧後の直流電力をバッテリ保持部32の接続部に出力する。
各充放電用DC/DC変換器66-2は、例えば、外部の交流電源500からの電力供給が停止される非通電時等において、バッテリ保持部32の接続部に接続されているバッテリ3の放電によって入力される直流電力の電圧を降圧して、降圧後の直流電力を複数のインターフェース基板63、筐体制御基板64及び統合制御装置65に出力する。これにより、各充放電用DC/DC変換器66-2は、非通電時等であっても、バッテリ交換装置1の稼働に要する電力を確保する。
【0038】
複数の冷却用DC/DC変換器67は、例えば、2つの冷却用DC/DC変換器67である。複数の冷却用DC/DC変換器67は、例えば、電力線(電源線)P1によってAC/DC変換器61と接続されている。複数の冷却用DC/DC変換器67は、例えば、熱交換用のファン及びコンデンサ等を備えて筐体10の内部に設けられる空調装置(CU)等の冷却装置35に接続されている。冷却用DC/DC変換器67は、AC/DC変換器61から供給される直流電力を、冷却装置35に適した電圧の直流電力に変換し、変換後の直流電力を冷却装置35に供給する。
制御電源用DC/DC変換器68は、例えば、電力線(電源線)P1によってAC/DC変換器61と接続されるとともに、制御電力線(電源線)P2によって複数のインターフェース基板63、筐体制御基板64及び統合制御装置65に接続されている。制御用DC/DC変換器68は、AC/DC変換器61から供給される直流電力を、複数のインターフェース基板63、筐体制御基板64及び統合制御装置65に適した電圧の直流電力に変換し、変換後の直流電力を複数のインターフェース基板63、筐体制御基板64及び統合制御装置65に供給する。
【0039】
複数のインターフェース基板63の個数は、例えば、複数のバッテリ保持部32と同一個数である。各インターフェース基板63は、例えば、各バッテリ保持部32の後端部に配置されている。各インターフェース基板63は、
図3及び
図4中の破線で示される制御線(信号線)Sによって、充電用DC/DC変換器66-1又は充放電用DC/DC変換器66-2と、筐体制御基板64と、バッテリ保持部32の接続部と、灯体69とに接続されている。
各インターフェース基板63は、充電用DC/DC変換器66-1又は充放電用DC/DC変換器66-2の電力変換と、灯体69の点灯状態とを制御する。各インターフェース基板63は、例えば、充電用DC/DC変換器66-1又は充放電用DC/DC変換器66-2の電力変換を制御することによって、バッテリ保持部32に保持されるバッテリ3の充電及び放電等の動作を制御する。各インターフェース基板63は、例えば、各バッテリ保持部32でのバッテリ3の受領及び貸し出しに関する動作を制御する。各インターフェース基板63は、例えば、各バッテリ保持部32に設けられる接続部、開閉部材及び固定部材等の可動部位の動作を制御する。可動部位は、例えば、バッテリ交換装置1と電力装置400との間で自動的にバッテリ3を授受する機構等を備えてもよい。各インターフェース基板63は、例えば、バッテリ保持部32の適宜のアクチュエータによって駆動される接続部がバッテリ3のバッテリ接続部に接続されると、バッテリ3との間で各種の情報の送受信を行う。例えば、各インターフェース基板63は、バッテリ3のバッテリ記憶部から取得するバッテリ情報を、筐体制御基板64に出力する。
灯体69は、例えば、LED(Light-Emitting Diode)等である。複数の灯体69の個数は、例えば、複数のバッテリ保持部32と同一個数である。各灯体69の点灯状態は、統合制御装置65から出力されて各バッテリ交換装置1の筐体制御基板64を介して各インターフェース基板63に送信される制御信号に応じて制御される。
【0040】
筐体制御基板64は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサによって所定のプログラムが実行されることにより機能するソフトウェア機能部である。ソフトウェア機能部は、CPUなどのプロセッサ、プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)及びタイマーなどの電子回路を備えるECU(Electronic Control Unit)である。なお、筐体制御基板64の少なくとも一部は、LSI(Large Scale Integration)などの集積回路であってもよい。
【0041】
筐体制御基板64は、例えば、制御線(信号線)Sによって、AC/DC変換器61と、複数のインターフェース基板63と、複数の冷却用DC/DC変換器67と、制御電源用DC/DC変換器68と、音発生器70とに接続されている。筐体制御基板64は、各インターフェース基板63の動作と、各変換器61,67,68の電力変換と、音発生器70の動作とを制御する。筐体制御基板64は、例えば、同時に充電するバッテリ3の個数に応じてAC/DC変換器61の電力変換を制御する。
音発生器70は、例えば、ブザー等である。音発生器70の動作状態は、統合制御装置65から出力されて各バッテリ交換装置1の筐体制御基板64に送信される制御信号に応じて制御される。
【0042】
筐体制御基板64は、
図3及び
図4中の実線で示される通信線Cによって、他のバッテリ交換装置1の筐体制御基板64に接続されている。さらに、第1バッテリ交換装置1aの筐体制御基板64は、通信線Cによって統合制御装置65に接続されている。通信線Cによって接続される複数のバッテリ交換装置1のネットワークトポロジー(接続形態)は、例えば、直列接続のリング型である。例えば、複数のバッテリ交換装置1の通信順序で相対的に高い順位から低い順位に向かうように、第1バッテリ交換装置1aの筐体制御基板64は、第2バッテリ交換装置1bの筐体制御基板64に接続され、第2バッテリ交換装置1bの筐体制御基板64は、第3バッテリ交換装置1cの筐体制御基板64に接続され、第3バッテリ交換装置1cの筐体制御基板64は、第1バッテリ交換装置1aの筐体制御基板64に接続されている。各バッテリ交換装置1の筐体制御基板64は、第1バッテリ交換装置1aの統合制御装置65から受け取る制御指令に基づいて、各バッテリ保持部32及び各バッテリ保持部32のバッテリ3を制御する。
【0043】
統合制御装置65は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサによって所定のプログラムが実行されることにより機能するソフトウェア機能部である。ソフトウェア機能部は、CPUなどのプロセッサ、プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)及びタイマーなどの電子回路を備えるECU(Electronic Control Unit)である。なお、統合制御装置65の少なくとも一部は、LSI(Large Scale Integration)などの集積回路であってもよい。
【0044】
統合制御装置65は、通信線Cによって第1バッテリ交換装置1aの筐体制御基板64に接続されるとともに、制御線(信号線)Sによって操作パネル34に接続されている。統合制御装置65は、筐体制御基板64及び操作パネル34の動作を制御する。統合制御装置65は、全てのバッテリ交換装置1の筐体制御基板64を統合的に制御する。
統合制御装置65は、例えば、ネットワークNWを介した管理サーバ装置300との通信と、バッテリ交換ユニット200内での複数のバッテリ交換装置1同士の通信とを統括的に制御する。統合制御装置65は、バッテリ交換ユニット200内では、例えば、EtherCAT(登録商標)等の所定規格の通信方式での制御する側である。統合制御装置65がバッテリ交換ユニット200内で制御する通信方式は、例えば、制御する側(第1バッテリ交換装置1a)からのパケットが、全ての制御される側(第2バッテリ交換装置1b及び第3バッテリ交換装置1c)に順番に渡されてから、制御する側に戻されるとともに、各バッテリ交換装置1が、パケット内での各自に割り当てられた領域のみを読み書きする方式である。
【0045】
(管理システムの動作)
以下に、実施形態の管理システム100の処理動作について説明する。
図5は、実施形態の管理システム(バッテリシェアサービスシステム)100でのバッテリ交換ユニット200の返却及び貸出の動作を示すフローチャートである。
図6は、実施形態の管理システム(バッテリシェアサービスシステム)100でのバッテリ交換ユニット200の待機状態でのバッテリ交換装置1の発光部33の状態例を示す図である。
図7は、実施形態の管理システム(バッテリシェアサービスシステム)100でのバッテリ交換ユニット200の返却及び貸出の動作に伴うバッテリ交換装置1の発光部33の状態例を示す図である。
【0046】
図5に示すように、先ず、統合制御装置65は、ユーザーによる利用開始に備えてバッテリ交換ユニット200を待機させる待機状態(営業中)を設定する(ステップS01)。統合制御装置65は、例えば、営業中であること及び交換を開始するための操作内容等の情報を操作パネル34で提示する。統合制御装置65は、営業中の待機状態では、例えば、操作パネル34の表示デバイスを消灯(オフ状態)させるとともに、
図6に示すようにバッテリ3を保持していないバッテリ保持部32(例えば、返却可能なバッテリ保持部32等)の一対の発光部33を所定の点滅状態で発光又は貸出可能なバッテリ3(例えば、満充電のバッテリ3等)を保持するバッテリ保持部32の一対の発光部33を所定の点灯状態で発光させる。
【0047】
例えば、統合制御装置65は、バッテリ交換ユニット200の状態を示すユニット情報及びバッテリ保持部32に保持されているバッテリ3のバッテリ情報等に基づいて、授受可能性情報を取得する。授受可能性情報は、例えば、ユーザー若しくは電力装置400からバッテリ保持部32でバッテリ3を受領することができるか否か、又は、ユーザー若しくは電力装置400にバッテリ3を提供することができるか否かの情報を有する。授受可能性情報は、例えば、ユーザー若しくは電力装置400からバッテリ保持部32で受領することができるバッテリ3の個数、又は、ユーザー若しくは電力装置400に提供することができるバッテリ3の個数である授受可能個数の情報を有する。統合制御装置65は、授受可能性情報に基づいて、各バッテリ保持部32の発光部33を発光させる。
【0048】
図5に示すように、次に、統合制御装置65は、ユーザー情報の入力を検知したか否かを判定する(ステップS02)。例えば、統合制御装置65は、ユーザーの所持するユーザーデバイスが操作パネル34の読み取り及び書き込みデバイスによって検知されたか否かを判定する。
統合制御装置65は、ユーザー情報の入力を検知していない場合(ステップS02のNO側)、処理をエンドに進める。
一方、統合制御装置65は、ユーザー情報の入力を検知した場合(ステップS02のYES側)、処理をステップS03に進める。
【0049】
次に、統合制御装置65は、例えばユーザーデバイスに記憶されているユーザー情報から認証情報及び搭載情報を取得するとともに、ユーザー認証の処理を実行する(ステップS03)。統合制御装置65は、例えば、ユーザーデバイスが検知されてからユーザー認証の処理が完了するまでの間に亘って、全てのバッテリ保持部32の一対の発光部33を消灯させる。
【0050】
次に、統合制御装置65は、ユーザー認証の成功に伴い、例えばユーザーデバイスの搭載情報からバッテリ3の契約個数N、つまり電力装置400でのバッテリ3の搭載個数の情報を取得して、バッテリ3の契約個数Nを操作パネル34で提示する(ステップS04)。統合制御装置65は、例えば、バッテリ3を保持していないバッテリ保持部32の開閉部材を開状態に設定する。統合制御装置65は、例えば、バッテリ3を保持していないバッテリ保持部32の一対の発光部33を、
図7の(a)に示す所定の通常点滅で発光させる。なお、バッテリ交換ユニット200の全体でバッテリ3を保持していないバッテリ保持部32の個数(空きスロット数)は、通常の基準状態で2個に設定されている。
また、統合制御装置65は、例えば、バッテリ3の契約個数Nを操作パネル34で提示する状態にて、ユーザーデバイスが再度検知された場合又は所定時間が経過した場合、処理をエンドに進めることによって、一連の処理の実行をキャンセルしてもよい。
【0051】
図5に示すように、次に、統合制御装置65は、バッテリ3の契約個数Nに応じたループ処理、つまり以下に示すステップS06からステップS09の処理を開始する(ステップS05)。
例えば、統合制御装置65は、上述したように、バッテリ交換ユニット200での空きスロット数が通常の基準状態で2個に設定されている際にバッテリ3の契約個数Nが3個以上の場合、最大で2個単位ずつでのバッテリ3の交換を複数回に亘って繰り返し実行させるようにループ処理を実行する。例えば、統合制御装置65は、バッテリ3の契約個数Nが2個以下の場合、ループ処理を1回だけ実行する。例えば、統合制御装置65は、バッテリ3の契約個数Nが4個の場合、ループ処理を2回だけ実行する。
【0052】
次に、統合制御装置65は、返却指示を操作パネル34で提示する(ステップS06)。例えば、統合制御装置65は、上述したように、バッテリ交換ユニット200での空きスロット数が通常の基準状態で2個に設定されていることにより、最大で2個単位での返却を指示する。
統合制御装置65は、例えば、バッテリ3を保持していないバッテリ保持部32にバッテリ3が挿入されることに伴ってバッテリ3の返却を検知した場合、バッテリ3が返却されたバッテリ保持部32の一対の発光部33を、
図7の(a)に示す所定の通常点滅から(b)に示す所定の返却点滅に切り替えて発光させる。統合制御装置65は、例えば、バッテリ3の返却を検知した場合、バッテリ3が返却されたバッテリ保持部32を備えるバッテリ交換装置1の音発生器70から所定の音を発生させる。
【0053】
図5に示すように、次に、統合制御装置65は、バッテリ保持部32に返却されたバッテリ3からバッテリ情報を取得するとともに、返却バッテリ認証の処理を実行する(ステップS07)。統合制御装置65は、例えば、バッテリ情報の識別情報に基づいて、返却されたバッテリ3が正規品であるか否か等を判定する。統合制御装置65は、例えば、返却バッテリ認証の処理を開始することに伴い、バッテリ保持部32に格納されたバッテリ3を固定部材によって固定する。統合制御装置65は、例えば、返却バッテリ認証の処理の実行に伴い、バッテリ3が格納されたバッテリ保持部32の一対の発光部33を、
図7の(c)に示す所定の格納点灯で発光させる。統合制御装置65は、例えば、返却バッテリ認証の成功等によって返却バッテリ認証の処理を完了した場合、バッテリ3が格納されたバッテリ保持部32の一対の発光部33を、
図7の(c)に示す所定の格納点灯から(d)に示す所定の待機消灯に切り替えて消灯させる。
【0054】
図5に示すように、次に、統合制御装置65は、取出指示を操作パネル34で提示する(ステップS08)。例えば、統合制御装置65は、上述したように、バッテリ交換ユニット200での空きスロット数が通常の基準状態で2個に設定されていることにより、最大で2個単位での取り出しを指示する。
先ず、統合制御装置65は、例えば、貸出待ち又は貸出準備中のバッテリ3を保持しているバッテリ保持部32において、バッテリ3を固定部材によって固定するとともに、一対の発光部33を、
図7の(e)に示す所定の準備消灯で消灯させる。
次に、統合制御装置65は、例えば、貸出可能なバッテリ3を保持しているバッテリ保持部32において、固定部材によるバッテリ3の固定を解除するとともに、一対の発光部33を、
図7の(e)に示す所定の準備消灯から(f)に示す所定の貸出点滅に切り替えて発光させる。
次に、統合制御装置65は、例えば、貸出可能なバッテリ3のバッテリ保持部32からの抜き去りを検知した場合、バッテリ3が抜去されたバッテリ保持部32の一対の発光部33を、
図7の(f)に示す所定の貸出点滅から(g)に示す所定の抜去点滅に切り替えて発光させる。なお、所定の抜去点滅は、例えば、バッテリ3の契約個数Nに応じた最後の抜き去りバッテリ3に対しては、他の抜き去りバッテリ3に対する場合とは異なる点滅状態に設定されてもよい。
次に、統合制御装置65は、例えば、貸出可能なバッテリ3が抜き去られたバッテリ保持部32の一対の発光部33を、
図7の(g)に示す所定の抜去点滅から(a)に示す返却待ちの所定の通常点滅又は(h)に示す交換完了の所定の待機消灯に切り替える。
【0055】
次に、統合制御装置65は、バッテリ3の契約個数Nに応じてループ処理を継続するか否かを判定する(ステップS09)。例えば、統合制御装置65は、バッテリ3の契約個数Nに対応する交換が完了したか否かを判定する。
統合制御装置65は、ループ処理を継続する場合(ステップS09のYES側)、処理をステップS06に戻す。
一方、統合制御装置65は、ループ処理を継続しない場合(ステップS09のNO側)、処理をステップS10に進める。
【0056】
次に、統合制御装置65は、バッテリ3の契約個数Nに対応する交換が完了したことを操作パネル34で報知する(ステップS10)。
次に、統合制御装置65は、バッテリ交換ユニット200の状態等に応じて、営業中、営業外及び営業不可のいずれかに対応する待機状態を設定し(ステップS11)、処理をエンドに進める。
【0057】
図8は、実施形態の管理システム(バッテリシェアサービスシステム)100での管理サーバ装置300及びバッテリ交換ユニット200の処理動作を示すシーケンス図である。
図9は、実施形態の(バッテリシェアサービスシステム)100での操作パネル34の表示デバイス及び発光部33の明るさと、月(暦)と、時刻との対応関係の一例を示すマップデータである。
図8に示すように、先ず、管理サーバ装置300は、日時と、バッテリ交換ユニット200の経緯度と、バッテリ交換ユニット200の屋内設置又は屋外設置となどの情報を取得する(ステップS21)。
【0058】
次に、管理サーバ装置300は、取得した情報に基づき、バッテリ交換ユニット200の経緯度及び屋内設置又は屋外設置に対応した明るさマップを作成する(ステップS22)。
図9に示すように、バッテリ交換ユニット200の経緯度及び屋内設置又は屋外設置に対応して作成される明るさマップは、例えば、バッテリ交換ユニット200の全ての発光部33又は灯体69の光度(発光度合い)及び操作パネル34の表示デバイスの輝度(発光度合い)と、日時との対応関係を示す。
図9に示す明るさマップの一例では、日時は、例えば、月(暦)及び1時間単位の時刻である。発光部33又は灯体69の光度及び操作パネル34の輝度は、例えば、相対的に大きな値の「H」と相対的に小さな値の「L」とである。明るさマップは、例えば、バッテリ交換ユニット200が設置された位置(例えば、場所及び設置環境等を含む)のその時点(例えば、発光部33又は灯体69と操作パネル34との各々が発光する時点等)の明るさ(例えば、照度及び日照量等)、又は、明るさの推定量に基づいて作成される。その時点の明るさは、例えば、過去の観測によって得られたデータ等であり、明るさの推定量は、例えば、過去の観測によって得られたデータ等に基づく所定の推定によって得られるデータ等である。
図8に示すように、次に、管理サーバ装置300は、明るさマップをバッテリ交換ユニット200に送信する(ステップS23)。
【0059】
次に、バッテリ交換ユニット200の統合制御装置65は、明るさマップを取得する(ステップS24)。
次に、統合制御装置65は、現在時刻を取得する(ステップS25)。
次に、統合制御装置65は、現在時刻に対応する発光部33又は灯体69の光度及び操作パネル34の輝度を明るさマップから検索し、発光部33又は灯体69と操作パネル34との明るさを設定する(ステップS26)。そして、統合制御装置65は、上述したステップS25及びステップS26の処理を繰り返し実行する。
【0060】
上述したように、実施形態の管理システム(バッテリシェアサービスシステム)100によれば、バッテリ交換ユニット200が設置された位置のその時点の明るさ、又は、明るさの推定量に基づいて、発光部33の発光度合いを制御することにより、各種情報の報知を行うデバイス(例えば、発光部33及び操作パネル34等)の視認性を向上させることができる。例えばバッテリ交換ユニット200の周辺の明るさを常時に検出するセンサ等を必要とせずに、デバイスの発光度合いを適切に設定することができる。
管理サーバ装置300は、明るさマップを作成してバッテリ交換ユニット200に送信することにより、例えば明るさに関する指令値を随時に送信する場合に比べて、通信量及び通信頻度の増大を抑止することができる。
【0061】
(変形例)
以下、実施形態の変形例について説明する。なお、上述した実施形態と同一部分については、同一符号を付して説明を省略又は簡略化する。
上述した実施形態では、管理サーバ装置300は、明るさマップをバッテリ交換ユニット200に送信するとしたが、これに限定されない。
図10は、実施形態の第1変形例に係る管理システム(バッテリシェアサービスシステム)100での管理サーバ装置300及びバッテリ交換ユニット200の処理動作を示すシーケンス図である。
図10に示すように、第1変形例では、先ず、管理サーバ装置300は、現在の日時と、バッテリ交換ユニット200の経緯度と、バッテリ交換ユニット200の屋内設置又は屋外設置となどの情報を取得する(ステップS31)。
【0062】
次に、管理サーバ装置300は、取得した情報に基づき、現在の日時、バッテリ交換ユニット200の経緯度及び屋内設置又は屋外設置に対応した明るさ、つまりバッテリ交換ユニット200の全ての発光部33又は灯体69の光度(発光度合い)及び操作パネル34の表示デバイスの輝度(発光度合い)を設定する(ステップS32)。
次に、管理サーバ装置300は、設定した明るさの情報をバッテリ交換ユニット200に送信する(ステップS33)。
【0063】
次に、バッテリ交換ユニット200の統合制御装置65は、明るさの情報を取得する(ステップS34)。
次に、統合制御装置65は、取得した明るさの情報に応じて、発光部33又は灯体69と操作パネル34との明るさを設定する(ステップS35)。
なお、管理サーバ装置300は、上述したステップS31からステップS33の処理を繰り返し実行する。
【0064】
図11は、実施形態の第2変形例に係る管理システム(バッテリシェアサービスシステム)100での管理サーバ装置300及びバッテリ交換ユニット200の処理動作を示すシーケンス図である。
図11に示すように、第2変形例では、先ず、管理サーバ装置300は、日時と、バッテリ交換ユニット200の経緯度と、バッテリ交換ユニット200の屋内設置又は屋外設置となどの情報を取得する(ステップS41)。
次に、管理サーバ装置300は、バッテリ交換ユニット200の経緯度に対応した月毎の日出及び日没の時刻を取得する(ステップS42)。
次に、管理サーバ装置300は、月毎の日出及び日没の時刻と、バッテリ交換ユニット200の屋内設置又は屋外設置との情報をバッテリ交換ユニット200に送信する(ステップS43)。
【0065】
次に、バッテリ交換ユニット200の統合制御装置65は、月毎の日出及び日没の時刻と、屋内設置又は屋外設置との情報を取得する(ステップS44)。
次に、統合制御装置65は、現在時刻を取得する(ステップS45)。
次に、統合制御装置65は、月毎の日出及び日没の時刻に基づき、現在時刻に対応する昼夜を判定する(ステップS46)。
次に、統合制御装置65は、判定した昼夜に応じた明るさ、つまり発光部33又は灯体69の光度(発光度合い)及び操作パネル34の輝度(発光度合い)を設定する(ステップS47)。発光部33又は灯体69の光度及び操作パネル34の輝度は、例えば、昼間に対して設定される相対的に大きな値の「H」と、夜間に対して設定される相対的に小さな値の「L」とである。そして、統合制御装置65は、上述したステップS45からステップS47の処理を繰り返し実行する。
【0066】
上述した実施形態及び各変形例では、発光部33又は灯体69と操作パネル34との明るさは、相対的に大きな値の「H」と相対的に小さな値の「L」とであるとしたが、これに限定されない。明るさを指定する値は、3つ以上の異なる値であってもよい。例えば、夜間に対して相対的に小さな値の「L」が設定され、屋内設置での昼間に対して相対的に大きな値の「H」が設定され、屋外設置での昼間に対して相対的に「L」と「H」との間の値である「M」が設定されてもよい。
【0067】
上述した実施形態及び各変形例では、発光部33又は灯体69と操作パネル34との明るさは、日時と、経緯度と、屋内設置又は屋外設置となどの情報に基づいて設定されるとしたが、これに限定されない。
発光部33又は灯体69と操作パネル34との明るさ(発光度合い)は、バッテリ交換ユニット200が設置された位置のその時点の明るさ、又は、明るさの推定量に基づいて制御されてもよい。明るさの推定量は、例えば、その時点の属する時間(例えば、1時間毎の時)又は時間帯と、その時点の属する月(暦)と、バッテリ交換ユニット200が設置された位置のその時点が日中又は夜間の何れかであるかの情報との、少なくともいずれか1つに基づいて求められてもよい。明るさの推定量は、例えば、バッテリ交換ユニット200が設置された位置が屋内又は屋外の何れかであるかの情報と、バッテリ交換ユニット200が設置された位置のその時点での天候又は天気と、バッテリ交換ユニット200が設置された位置のその時点での照度又は日照量との、少なくともいずれか1つに基づいて求められてもよい。明るさの推定量は、例えば、バッテリ交換ユニット200の向き(例えば、方位等)と、発光部33及び操作パネル34の向き(例えば、方位等)との、少なくともいずれか1つに基づいて求められてもよい。
【0068】
発光部33又は灯体69と操作パネル34との明るさ(発光度合い)は、予め定められた参照情報(例えば、マップデータ及びテーブルデータ等)に基づいて制御されてもよい。参照情報は、例えば、その時点の属する時間又は時間帯と、その時点の属する月(暦)と、バッテリ交換ユニット200が設置された位置のその時点が日中又は夜間の何れかであるかの情報との、少なくともいずれか1つに基づいて求められてもよい。参照情報は、例えば、バッテリ交換ユニット200が設置された位置が屋内又は屋外の何れかであるかの情報と、バッテリ交換ユニット200が設置された位置のその時点での天候又は天気と、バッテリ交換ユニット200が設置された位置のその時点での照度又は日照量との、少なくともいずれか1つに基づいて求められてもよい。参照情報は、例えば、バッテリ交換ユニット200の向き(例えば、方位等)と、発光部33及び操作パネル34の向き(例えば、方位等)との、少なくともいずれか1つに基づいて求められてもよい。参照情報は、例えば、上述した複数のパラメータ(検索キー)のうちの少なくともいずれか2つによって定められてもよい。
【0069】
さらに、発光部33又は灯体69と操作パネル34との明るさ(発光度合い)は、バッテリ交換ユニット200が設置された位置の国及び地域等に応じて設定されてもよい。
さらに、発光部33又は灯体69と操作パネル34との明るさ(発光度合い)は、バッテリ保持部32の発光部33と操作パネル34との相対位置又は相対距離に応じて変更されてもよい。
【0070】
上述した実施形態では、発光部33は、バッテリ保持部32に設けられるとしたが、これに限定されず、例えば、バッテリ保持部32の近傍等に設けられてもよい。
【0071】
上述した実施形態では、統合制御装置65によって実行される処理の少なくともいずれか1つは、管理サーバ装置300に備えられる制御装置によって実行されてもよい。
【0072】
上述した実施形態では、バッテリ交換ユニット200での複数のバッテリ交換装置1のネットワークトポロジー(接続形態)はリング型であるとしたが、これに限定されず、例えばライン型、ツリー型及びスター型等の他の接続形態であってもよい。
【0073】
上述した実施形態では、第1バッテリ交換装置1aは、バッテリ交換ユニット200の全てのバッテリ交換装置1を統合的に制御するための構成(例えば、統合制御装置65等)を備えるとしたが、これに限定されない。例えば、全てのバッテリ交換装置1を統合的に制御するための構成は、バッテリ交換装置1とは別体に設けられてもよい。
【0074】
上述した実施形態では、DC/DC変換器群62は、複数の充電用DC/DC変換器66-1及び複数の充放電用DC/DC変換器66-2を備えるとしたが、これに限定されず、複数の充電用DC/DC変換器66-1のみ又は複数の充放電用DC/DC変換器66-2のみを備えてもよい。
【0075】
上述した実施形態では、統合制御装置65は、ステップS02に示すユーザー入力検知にて、ユーザーの所持するユーザーデバイスが操作パネル34の読み取り及び書き込みデバイスによって検知されたか否かを判定するとしたが、これに限定されない。
例えば、統合制御装置65は、ユーザーデバイスの検知無し又は検知前にユーザーが直接にバッテリ3をバッテリ保持部32に返却することを許容してもよい。統合制御装置65は、ユーザーによって返却されるバッテリ3から取得するバッテリ情報に基づき、バッテリID等の識別情報に対応付けられているユーザー情報から認証情報及び搭載情報を取得してもよい。この場合、統合制御装置65は、ステップS06からステップS09のループ処理の初回実行時での返却指示の処理(ステップS06)を省略してもよい。
【0076】
なお、本発明におけるバッテリ交換ユニット200及び管理サーバ装置300の機能の全て又は一部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりバッテリ交換ユニット200及び管理サーバ装置300が行う処理の全て又は一部を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(又は表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM及びCD-ROM等の可搬媒体、並びにコンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワーク又は電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバ又はクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0077】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、又は、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)又は電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0078】
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0079】
1…バッテリ交換装置(保管装置)、1a…第1バッテリ交換装置(情報処理装置)、10…筐体、32…バッテリ保持部(保管部)、32A…内壁面(外面)、33…発光部、34…操作パネル、64…筐体制御基板、65…統合制御装置、100…バッテリシェアサービスシステム(管理システム)、200…バッテリ交換ユニット、300…管理サーバ装置(情報処理装置)、400…電力装置、500…交流電源。