(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062229
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20240430BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170092
(22)【出願日】2022-10-24
(71)【出願人】
【識別番号】516280912
【氏名又は名称】アジアクエスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】大嶋 佑一
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA07
5L049AA07
(57)【要約】
【課題】外部の電子署名機関といった大掛かりなものを利用せずとも、簡易かつ低コストで所定ファイルや電子署名等が一意であることを示す技術を確立すること。
【解決手段】電子署名が所定ファイルの所定領域に付される操作がユーザ端末2-Sにおいてなされると、ユニーク情報加工部531は、所定ファイルに含まれる所定領域に表示されるユニーク情報の表示形態(表示位置、傾き、サイズ等)を任意に加工する。ユニーク情報付電子署名記憶制御部532は、任意に加工された表示形態でユニーク情報が所定領域内に表示されることで、所定領域に表示される電子署名が一意であること又は所定ファイルが一意であることを示すように、ユニーク情報及びその表示形態の情報(座標情報等)を、所定ファイルと対応付けてファイルDB71に記憶させる制御を実行する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定ファイルに含まれる所定領域に表示される第1情報の表示形態を任意に加工する任意加工手段と、
前記任意に加工された表示形態で前記第1情報が前記所定領域内に表示されることで、前記所定領域に表示される第2情報が一意であること又は当該所定ファイルが一意であることを示すように、当該第1情報及び当該表示形態の情報を、前記所定ファイルと対応付けて記憶させる制御を実行する記憶制御手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記任意加工手段は、前記所定領域内の任意の1以上の座標を取得し、当該任意の1以上の座標に基づいて、四角形の前記第1情報のサイズを可変決定することで、当該第1情報の前記表示形態として、表示位置、傾き及びサイズを加工する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1情報は、タイムスタンプを含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定領域に表示される前記第2情報は電子署名であり、
前記記憶制御手段は、前記任意に加工された表示形態の前記第1情報と、前記電子署名とが合成されて前記所定領域内に表示されるように、当該第1情報及び当該表示形態の情報並びに当該電子署名を前記所定ファイルと対応付けて記憶する制御を実行する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
情報処理装置が実行する情報処理方法において、
所定ファイルに含まれる所定領域に表示される第1情報の表示形態を任意に加工する任意加工ステップと、
前記任意に加工された表示形態で前記第1情報が前記所定領域内に表示されることで、前記所定領域に表示される第2情報が一意であること又は当該所定ファイルが一意であることを示すように、当該第1情報及び当該表示形態の情報を、前記所定ファイルと対応付けて記憶させる制御を実行する記憶制御ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
所定ファイルに含まれる所定領域に表示される第1情報の表示形態を任意に加工する任意加工ステップと、
前記任意に加工された表示形態で前記第1情報が前記所定領域内に表示されることで、前記所定領域に表示される第2情報が一意であること又は当該所定ファイルが一意であることを示すように、当該第1情報及び当該表示形態の情報を、前記所定ファイルと対応付けて記憶させる制御を実行する記憶制御ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子契約の分野において、契約書のファイルに契約当事者の双方の電子署名を行った場合、電子署名がなされた契約書のファイルが一意であることを示すために、外部の電子署名管理機関が当該電子署名を照合する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電子署名は、電子契約の分野以外の用途、例えば社内の稟議書等のファイルに関係者が承認を示すための用途でも採用されており、このような用途では電子署名管理機関を使うような大掛かりなものではなく、簡易かつ低コストでファイルや電子署名等が一意であることを示す技術を確立したという要望が近年挙げられている。特許文献1を含む従来の技術では、当該要望に応えられない状況である。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、簡易かつ低コストでファイルや電子署名等が一意であることを示す技術を確立することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の情報処理装置は、
所定ファイルに含まれる所定領域に表示される第1情報の表示形態を任意に加工する任意加工手段と、
前記任意に加工された表示形態で前記第1情報が前記所定領域内に表示されることで、前記所定領域に表示される第2情報が一意であること又は当該所定ファイルが一意であることを示すように、当該第1情報及び当該表示形態の情報を、前記所定ファイルと対応付けて記憶させる制御を実行する記憶制御手段と、
を備える。
【0007】
本発明の一態様の情報処理方法及びプログラムの夫々は、上述の本発明の一態様の情報処理システムに対応する情報処理方法及びプログラムの夫々である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡易かつ低コストでファイルや電子署名等が一意であることを示す技術を確立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される本サービスの概要を示すイメージ図である。
【
図2】
図1の本サービスに適用される情報処理システム、即ち、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバを含む情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図2の情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】
図3のサーバの機能的構成の概要を示す機能ブロック図である。
【
図5】
図4のサーバの機能的構成を説明するための図であって、ファイルをアップロードするための画面の一例を示す図である。
【
図6】
図4のサーバの機能的構成を説明するための図であって、ユーザ(電子署名者)のファイルを管理するための画面であって、電子署名がリクエストされた所定ファイルに対してユーザ自身の電子署名を付すための指示をする画面の一例を示す図である。
【
図7】
図4のサーバの機能的構成を説明するための図であって、所定ファイルに電子署名を付したり、電子署名データをアップロードしたりするための電子署名画面の一例を示す図である。
【
図8】
図4のサーバの機能的構成を説明するための図であって、受領対象ファイルの一覧画面の一例を示す図である。
【
図9】
図4の機能的構成を有するサーバにより実行される電子署名処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
【
図10】
図9のステップS7のユニーク情報の表示形態(配置位置、サイズ、傾きの角度)の設定手法の具体的な2つの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0011】
図1は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される本サービスの概要を示すイメージ図である。
【0012】
本サービスでは、
図1(A1)に示すように、例えば稟議書のPDF(登録商標)のファイルF1に含まれる所定領域A1には、上司のサインやスタンプ等の電子署名DSと共に、日時(タイムスタンプ)を示す透明なユニーク情報UJが重畳されて、所定の表示デバイスDに表示される。
同様に、
図1(A2)に示すように、例えば計画書のPDF(登録商標)のファイルF2に含まれる所定領域A2には、担当者のサインやスタンプ等の電子署名DSと共に、日時(タイムスタンプ)を示すユニーク情報UJが重畳されて、所定の表示デバイスDに表示される。
【0013】
ここで、
図1(A1)と
図1(A2)とを比較するに、電子署名DSは同一のものであるが、ユニーク情報UJについては、タイムスタンプの時刻が異なっているのは勿論のこと、所定領域A1,A2の夫々における表示形態が異なっている。
ここで、表示形態とは、
図1の例では所定領域A1,A2における、サイズ、配置位置、傾きを意味する。その他、
図1の例ではユニーク情報UJは両方とも透明で同一フォントのタイムスタンプであるが、ユニーク情報UJ自体も
図1の例に限定されず、任意の色の任意のフォントのタイムスタンプであってもよいし、タイムスタンプの代わりに写真やイラストで等もよい。この場合、色、フォント、写真やイラストの内容や形状等も表示形態に含まれる。
【0014】
このように、電子署名DSに重畳されるユニーク情報UJの表示形態は毎回ランダムに設定される。即ち、所定ファイル(
図1の例ではファイルF1,F2)に含まれる所定領域(
図1の例では所定領域A1,A2)内に表示されるユニーク情報UJの表示形態が任意に加工される。
その結果、所定ファイルの所定領域に表示されたユニーク情報UJは、他のファイルとは表示形態が異なるようになるので、当該所定領域に表示される電子署名DSが一意であること又は当該所定ファイルが一意であることを適切に示すという効果を奏することができる。なお、以下、このような効果を、「一意効果」と呼ぶ。
【0015】
なお、所定ファイル(
図1の例ではファイルF1,F2)の種類は、特に限定されないが、例えば、PDF(登録商標)、JPEG(登録商標)、PNG(登録商標)、MS Word(登録商標)などを採用することができる。
【0016】
次に、このような
図1の本サービスに適用される情報処理システムの構成について説明する。
図2は、
図1の本サービスに適用される情報処理システム、即ち、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバを含む情報処理システムの構成例を示す図である。
【0017】
図2に示す情報処理システムは、サーバ1と、n(nは1以上の整数値)のユーザ端末2-1乃至2-nとが、インターネット等の所定のネットワークを介して相互に接続されることで構成される。
【0018】
本実施形態におけるサーバ1は、
図1の本サービスの提供者(以下、「サービス提供者」と呼ぶ)によって管理されるサーバである。
ユーザ端末2-1乃至2-nは、
図1の本サービスの提供を受けるn人のユーザの夫々により管理される端末である。
ユーザとしては、例えば、所定ファイルに電子署名をリクエストする者(以下、「リクエスト者」と呼ぶ)、当該所定ファイルに電子署名をする者(以下、「電子署名者」と呼ぶ)、及び、電子署名がなされた所定ファイルを受領する者(以下、「受領者」と呼ぶ)が存在する。
なお、電子署名者がリクエスト者を兼ねたり、受領者がリクエスト者を兼ねる場合も当然あるが、以下説明の便宜上、リクエスト者、電子署名者、及び受領者は、夫々別の1人のユーザであるものとする。そこで以下、ユーザ端末2-R(Rは1乃至nのうち任意の整数値)がリクエスト者により操作され、ユーザ端末2-S(SはRとは異なる1乃至nのうち任意の整数値)が電子署名者により操作され、ユーザ端末2-J(JはR,Sとは異なる1乃至nのうち任意の整数値)が受領者により操作されるものとする。
【0019】
図3は、
図2の情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0020】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0021】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0022】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0023】
入力部16は、各種ハードウェア鉛等で構成され、各種情報を入力する。
出力部17は、各種液晶ディスプレイ等で構成され、各種情報を出力する。
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークを介して他の装置(例えば
図2のユーザ端末2-1乃至2-n)との間で行う通信を制御する。
【0024】
ドライブ20は、必要に応じて設けられる。ドライブ20には磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア30が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア30から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。またリムーバブルメディア30は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0025】
なお、図示はしないが、ユーザ端末2-1乃至2-nも
図3に示すハードウェア構成を有している。
【0026】
図4は、
図2の情報処理システムのうち
図3のサーバの機能的構成の概要を示すブロック図である。
【0027】
図4に示すように、サーバ1のCPU11においては、ファイル取得部51と、電子署名登録部52と、電子署名制御部53と、ファイル送信制御部54とが機能する。
電子署名制御部53は、ユニーク情報加工部531と、ユニーク情報付電子署名記憶制御部532とを有している。
記憶部18には、ファイルDB71と、電子署名DB72とが設けられている。
【0028】
ファイル取得部51は、リクエスト者により電子署名がリクエストされた所定ファイルをユーザ端末2-Rから取得して、ファイルDB71に記憶させる。
ファイルDB71は、電子署名がリクエストされている複数のファイルを格納して管理する。
【0029】
図5は、
図4のサーバの機能的構成を説明するための図であって、ファイルをアップロードするための画面の一例を示す図である。
リクエスト者が所定ファイルをアップロードする際には、
図4のファイル取得部51の制御により、
図5の画面がユーザ端末2-Rに表示される。
リクエスト者は、ユーザ端末2-Rを操作して、必要に応じて「Message」の欄にメッセージを入力して、アップロードを所望する所定ファイルのアイコン等をドロップして「Upload Files」の欄にドロップするか「Select Files」のボタンを押下することで、アップロード対象の所定ファイルを選択する。
リクエスト者は、当該所定ファイルに対して電子署名をリクエストする場合には、チェックボックスCBにチェックをし、当該所定ファイルに対して電子署名をリクエストしない場合には、当該チェックボックスCBのチェックを外す。
図5の例では、チェックボックスCBにチェックがなされているので、所定ファイルに対して電子署名がリクエストされていることになる。
次に、リクエスト者が「Submit」のボタンを押下すると、電子署名がリクエストされた所定ファイルがサーバ1にアップロードされる。
【0030】
図4に戻り、これにより電子署名がリクエストされた所定ファイルは、上述したように、ファイル取得部51により取得されて、ファイルDB71に格納される。
【0031】
一方、電子署名者は、ユーザ端末2-Sを操作して、自身のスタンプやサインの画像ファイル等を電子署名データとして、予めアップロードしておくことができる。なお、電子署名データをアップロードする際には、後述の
図7の電子署名画面が用いられる。
この場合、電子署名登録部52は、電子署名データを取得して電子署名DB72に記憶させることで、当該電子署名データの登録をする。
即ち、
図4の例では説明の便宜上電子署名者は1人とされているが、実際には複数の電子署名者が存在するため、電子署名DB72は、これら複数の電子署名者の夫々の電子署名データを格納して管理する。
【0032】
また、電子署名者は、ユーザ端末2-Sを操作して、電子署名がリクエストされた所定ファイルに対して、自身の電子署名を付すことができる。
【0033】
図6は、
図4のサーバの機能的構成を説明するための図であって、ユーザ(電子署名者)のファイルを管理するための画面であって、電子署名がリクエストされた所定ファイルに対してユーザ自身の電子署名を付すための指示をする画面の一例を示す図である。
電子署名者が自身のファイルを確認したい場合には、サーバ1の制御により、
図6の画面がユーザ7端末2-Sに表示される。
電子署名者は、ファイル名が記載されたボタンB1か、「Digital Sign」と記載されたボタンB2を押下することで、当該ファイル名の所定ファイルに対し自身の電子署名を付すことができる。
即ち、ボタンB1又はボタンB2が押下されると、
図4の電子署名制御部53の制御により、
図7に示す電子署名画面がユーザ端末2-Sに表示される。
なお、電子署名者は、ボタンB1又はボタンB2を押下することで、後で何度も電子署名を付すことができる。
【0034】
図7は、
図4のサーバの機能的構成を説明するための図であって、所定ファイルに電子署名を付したり、電子署名データをアップロードしたりするための電子署名画面の一例を示す図である。
電子署名画面の上方には、ボタンBS1、ボタンBS2、及びボタンBS3が配置されている。
ボタンBS1は、所定ファイルに電子署名を付す操作をするためのボタンである。
ボタンBS2は、電子署名データをサーバ1にアップロードするためのボタンである。
ボタンBS3は、電子署名が付された所定ファイルをサーバ1に保存するためのボタンである。
【0035】
電子署名者は、ボタンBS2を押下することで、署名や社印等の画像ファイルを電子署名データとして、サーバ1にアップロードして登録することができる。
即ち上述したように、アップロードされた電子署名データは、
図4の電子署名登録部52により取得されて電子署名DB72に記憶されることで、当該電子署名データが登録される。
なお、電子署名者は、可能であれば、2以上の画像ファイルを電子署名データとして登録することができる。
【0036】
また、電子署名者は、ボタンBS2を押下することで、所定ファイル(
図6のボタンB1に記載されたファイル名のファイル)に電子署名を付すことができる。
具体的には、ボタンBS2が押下されると、電子署名画面に所定ファイルF3が表示される。
この所定ファイルF3には、電子署名者の「Project Assistant Manager」という立場での電子署名DSSが付されるための所定領域ASが含まれているものとする。ボタンBS2が初めて押下された段階では、所定領域ASには、電子署名DSSもユニーク情報UJSも存在しないものとする。
なお、所定ファイルF3には、「Presitdent Director」という立場の他の電子署名者による電子署名DSAが付されるための所定領域AAも含まれており、当該他の電子署名書により当該電子署名DSAが付され、かつ、ユニーク情報UJAも重畳されているものとする。
この場合、電子署名者は、登録済みの1以上の電子署名データの中から所定の1つを選択し、選択した電子署名データを、ことで、電子署名を所定領域ASに付す操作をすることができる。
【0037】
次に、電子署名者は、ボタンBS3を押下することで、電子署名が付された所定ファイルF3をサーバ1に記憶させることができる。
このとき、
図4のサーバ1の電子署名制御部53は、
図7に示すように、ユニーク情報UJSを自動的に所定領域ASに追加する。
【0038】
具体的には例えば、ボタンBS2が押下されて電子署名DSAが所定領域AAに付される操作がなされると、ユニーク情報加工部531は、所定ファイルF3に含まれる所定領域ASに表示されるユニーク情報UJSの表示形態(表示位置、傾き、サイズ等)を任意に加工する。なお、加工の仕方の具体例については、
図10を参照して後述する。
ボタンBS3が押下されると、ユニーク情報付電子署名記憶制御部532は、任意に加工された表示形態でユニーク情報UJSが所定領域AS内に表示される(
図7に示されるように表示される)ことで、所定領域ASに表示される電子署名DSSが一意であること又は所定ファイルF3が一意であることを示すように(即ち上述の一意効果を奏するように)、ユニーク情報UJS及びその表示形態の情報(座標情報等)を、所定ファイルF3と対応付けてファイルDB71に記憶させる制御を実行する。
本例では、ユニーク情報付電子署名記憶制御部532は、
図7に示すように電子署名USSとユニーク情報UJSが所定領域AS内に付加された所定ファイルF3をファイルDB71に上書き(電子署名者の立場からするとアップロード)をする。
また、所定ファイルF3のステータスが、電子署名済(Signed)に変更される。
【0039】
なお、電子署名者は、所定ファイルF3を再度開く場合、電子署名DSSを編集(削除)する必要はなくなる。
また、ボタンBS3が押下されず、セーブがなされずに電子署名画面が閉じられようとすると、アラートが出力される。
【0040】
図4に戻り、ファイル送信制御部54は、このようにして電子署名及びユニーク情報が付された所定ファイル(
図7の例では、電子署名DSS及びユニーク情報UJS並びに電子署名DSA及びユニーク情報UJAが付された所定ファイルF3)を、受領者のユーザ端末U-Jに送信する制御を実行する。
【0041】
ここで、受領者にとって受領の対象となるファイル(以下、「受領対象ファイル」と呼ぶ)は、実際には1つだけではなく複数存在することが多い。さらに、複数の受領対象ファイルの中には、電子署名がリクエストされている種類も存在するし、リクエストされていない種類も存在する。また、電子署名がリクエストされている重量対象ファイルの中にも、電子署名が既に付されている状態(以下「Signed状態」と呼ぶ)のもの、未だ付されていない状態(以下、「NeedSign状態」と呼ぶ)のものも存在する。
受領者が、このような複数の受領対象ファイルの各種各状態を一目で認識できるように、
図8に示すような受領対象ファイルの一覧画面がユーザ端末2-Jに表示される。
【0042】
図8は、
図4のサーバの機能的構成を説明するための図であって、受領対象ファイルの一覧画面の一例を示す図である。
図8に示すように、受領対象ファイルの一覧画面においては、複数の受領ファイルの概要がリスト化されて表示される。
即ち、複数の受領対象ファイル毎に、ファイル(File)、送信者(Sender)、メッセージ(Message)、年月日(Date)、時刻(Time)、電子署名(DigitalSign)、及び、状態(Status)の各項目の情報が夫々表示される。
ファイル(File)の項目において、ファイルのアイコンを示すボタンBJ1が表示される。
電子署名(DigitalSign)の項目において、電子署名がリクエストされている所定ファイルであって電子署名が付されている所定ファイルについては、「Signed状態」を示すマークがボタンBJ2として表示される。一方、電子署名がリクエストされている所定ファイルであるが電子署名が未だ付されていない所定ファイルについては、「NeedSign状態」を示すマークがボタンBJ2として表示される。なお、電子署名がリクエストされていないファイルについては、ボタンBJ2は表示されない。
状態(Status)の項目においては、受領者が既読の状態の場合「Read」を示すマークがボタンBJ3として表示され、受領者が未読の状態の場合「Unread」を示すマークがボタンBJ3として表示される。
受領者は、詳細を閲覧したい受領対象ファイルについての、ボタンBJ1、ボタンBJ2、又はボタンBJ3を押下することで、当該受領対象ファイルの詳細を示す画面(不図示)をユーザ端末2-Jに表示させることができる。
【0043】
以上、
図5乃至
図8の具体例を参照しつつ、
図4を参照してサーバ1の機能的構成の一例について説明した。
次に、
図9を参照して、このような機能的構成を有するサーバ1が実行する処理のうち、電子署名処理の一例について説明する。
電子署名処理とは、電子署名がリクエストされている所定ファイルに対して、電子署名を付すと共に、ユニーク情報を任意に加工して重畳し、当該電子署名及び当該ユニーク情報が付された当該所定ファイルを記憶するまでの一連の処理をいう。
図9は、
図4の機能的構成を有するサーバにより実行される電子署名処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
【0044】
ステップS1において、電子署名制御部53は、電子署名がリクエストされている所定ファイルであるか否かを判定する。
電子署名がリクエストされていない場合、ステップS1においてNOであると判定されて、電子署名処理は終了となる。
これに対して、電子署名がリクエストされている場合、ステップS1においてYESであると判定されて、処理はステップS2に進む。
【0045】
ステップS2において、電子署名制御部53は、電子署名者のユーザ端末2-SのWebブラウザにおいて所定ファイルを開く。例えば電子署名制御部53は、Webブラウザに
図7の電子署名画面を表示させ、当該電子署名画面に
図7に示すように所定ファイルF3を表示させる。
【0046】
電子署名者は、上述したように、登録した1以上の電子署名データから所定の1つを選択する。
すると、ステップS3において、電子署名制御部53は、選択された電子署名データを電子署名DB72から取得する。
【0047】
ステップS4において、電子署名制御部53は、当該電子署名データが示す画像が、適切なサイン画像か否かを判定する。
不適切なサイン画像である場合には、ステップS4においてNOであると判定されて、処理はステップS3に戻され、それ以降の処理が繰り返される。
これに対して、適切なサイン画像である場合、ステップS4においてYESであると判定されて、処理はステップS5に進む。
【0048】
上述したように、電子署名者は、電子署名データを所定ファイルF3の所定領域ASの所定位置にドラッグ アンド ドロップの操作をする。なお、以下、当該所定位置を、「電子署名の挿入指示位置」と呼ぶ。
そこで、ステップS5において、電子署名制御部53のユニーク情報加工部531は、電子署名の挿入指示位置の座標(x1,y1)を取得する。
【0049】
ステップS6において、ユニーク情報加工部531は、ユニーク情報の表示形態(配置位置、サイズ、傾きの角度)を決定するためにランダム関数又は任意の座標を指定して、単一又は複数の座標を生成する。
【0050】
ステップS7において、ユニーク情報加工部531は、ステップS5で取得した電子署名の挿入指示位置の座標(x1,y1)、及びステップS6で生成した単一又は複数の座標に基づいて、ユニーク情報の表示形態(配置位置、サイズ、傾きの角度)を設定する。
ここで、ステップS5で取得される電子署名の挿入指示位置は、電子署名者のその都度の操作によりランダムに変更される位置である。また、ステップS6で生成される単一又は複数の座標も、その都度ランダムに変化するものである。したがって、このようなランダムに変化する座標を用いて設定されるユニーク情報の表示形態(配置位置、サイズ、傾きの角度)も、その都度ランダムに変化するもの、即ち一意を示すものになる。
【0051】
なお、ステップS7のユニーク情報の表示形態(配置位置、サイズ、傾きの角度)の設定手法は、特に限定されず、各種各様な手法を採用することができる。
図10は、このようなステップS7のユニーク情報の表示形態(配置位置、サイズ、傾きの角度)の設定手法の具体的な2つの例を示す図である。
図10(A)は、ステップS6において単一の座標(x2,y2)が生成された場合の設定手法の一例を示している。即ち、
図10(A)の例では、座標(x1,y1)に対して対角となる座標(x2,y2)が生成され、座標(x1,y1)と座標(x2,y2)により、ユニーク情報UJの表示形態(配置位置、サイズ、傾きの角度)が設定される。
これに対して、
図10(B)は、ステップS6において2つの座標(x2,y2)及び座標(x3,y3)が生成された場合の設定手法の一例を示している。即ち、
図10(B)の例では、座標(x1,x2)、座標(x2,y2)、及び座標(x3,y3)の3点により、ユニーク情報UJの表示形態(配置位置、サイズ、傾きの角度)が設定される。
【0052】
図9に戻り、電子署名画面のボタンBS3(
図7)が押下されると、処理はステップS7からステップS8に進む。
ステップS8において、ユニーク情報付電子署名記憶制御部532は、スッテプS3で取得された電子署名データにより示される電子署名と、ステップS7で設定された表示形態のユニーク情報とを結合する。
ステップS9において、ユニーク情報付電子署名記憶制御部532は、ステップS7で設定された表示形態のユニーク情報(座標情報等)と所定ファイルの情報の夫々を、ファイルDB71に保存する。
おれにより、電子署名処理は終了となる。
【0053】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0054】
例えば、表示形態が任意(ランダム)に加工されるユニーク情報は、上述の実施形態では電子署名と共に用いられたが、特にこれに限定されず、電子署名以外の情報と共に用いられてもよいし、単独で用いられてもよい。
単独の場合、所定ファイルの任意の領域を所定領域として、表示形態が任意(ランダム)に加工されたユニーク情報を付すことができる。
【0055】
また、
図2に示す情報処理システムの構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
例えば上述の実施形態では、1つのサーバ1が用いられているが、特にこれに限定されず、2つ以上のサーバに分散されてもよい。
【0056】
また、
図3に示すハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0057】
また、
図4に示す機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは、特に
図4の例に限定されない。
【0058】
また、機能ブロックの存在場所も、
図4に限定されず、任意でよい。例えばサーバ1側の機能ブロックの少なくとも一部を、
図2に示すユーザ端末2-1乃至2-n又はその他の図示せぬ装置に設けてもよいし、その逆でもよい。
そして、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体との組み合わせで構成してもよい。
換言すると、上述の電子署名処理は、ユーザ端末2-SがWebブラウザを用いて通信をすることで主にサーバ1が実行する処理とされたが、専用のアプリケーションプログラムをユーザ端末2-Sにインストールして(機能ブロックの少なくとも一部をユーザ端末2-Sに移譲して)主にユーザ端末2-Sが実行する処理としてもよい。
【0059】
各機能ブロックの処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0060】
このようなプログラムを含む記録媒体は、各ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される、リムーバブルメディアにより構成されるだけではなく、装置本体に予め組み込まれた状態で各ユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0061】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に添って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0062】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば
図2のサーバ1)は、
所定ファイル(例えば
図1の所定ファイルF1,F2や
図7の所定ファイルF3)に含まれる所定領域(例えば電子署名枠等の
図1の所定領域A1,A2や
図7の所定領域AS)に表示される第1情報(例えばタイムスタンプ、写真やイラスト等の画像からなる
図1のユニーク情報UJや
図7のユニーク情報UJS)の表示形態(表示位置、傾き、サイズ、形状等)を任意に加工する任意加工手段(例えば
図4のユニーク情報加工部531)と、
前記任意に加工された表示形態で前記第1情報が前記所定領域内に表示されることで、前記所定領域に表示される第2情報(例えば
図1の電子署名DSや
図7の電子署名DSS)が一意であること又は当該所定ファイルが一意であることを示すように、当該第1情報及び当該表示形態の情報(座標情報等)を、前記所定ファイルと対応付けて記憶させる制御を実行する記憶制御手段(例えば
図4のユニーク情報付電子署名記憶制御部532)と、
を備える情報処理装置であれば足りる。
【0063】
これにより、所定ファイルに含まれる所定領域内に表示される第1情報の表示形態(表示位置、傾き、サイズ、形状等)がランダム(任意)に加工されるので(その結果、他のファイルとは表示形態が異なるようになるので)、当該所定領域に表示される第2情報(例えば電子署名)が一意であること又は当該所定ファイルが一意であることを適切に示すことができる。即ち、上述の一意効果を奏することができる。
即ち、外部の電子署名機関といった大掛かりなものを利用せずとも、簡易かつ低コストで所定ファイルや電子署名等の第2情報が一意であることを示す技術の確立が可能になる。
【0064】
前記加工手段は、前記所定領域内の任意の1以上の座標を取得し、当該任意の1以上の座標に基づいて、四角形の前記第1情報のサイズを可変決定する(例えば
図10(A)、(B)参照)ことで、当該第1情報の前記表示形態として、表示位置、傾き及びサイズを加工する、
ことができる。
【0065】
これにより、電子署名者(ユーザ)は、所定領域内で任意の1以上の座標を指定する(上述の例では
図9の電子署名の挿入指示位置の座標(x1,y1)を指定する)という簡便な操作をするだけで、一効果を容易に奏させることができる。
【0066】
また、前記第1情報は、タイムスタンプを含む(例えば
図1のユニーク情報UJや
図7のユニーク情報UJS参照)、
ようにすることができる。
【0067】
このように第1情報タイムスタンプを含むことで、一意効果を奏することのみならず、所定ファイル又は所定領域に表示される情報(例えば電子署名)についての時刻の証明もすることが可能になる。
【0068】
また、前記所定領域に表示される前記第2情報は電子署名(例えば
図1の電子署名DSや
図7の電子署名DSS)であり、
前記記憶制御手段は、前記任意に加工された表示形態の前記第1情報と、前記電子署名とが合成されて前記所定領域内に表示される(例えば
図1や
図7参照)ように、当該第1情報及び当該表示形態の情報並びに当該電子署名を前記所定ファイルと対応付けて記憶する制御を実行する、
ようにすることができる。
【0069】
これにより、所定ファイルに対して電子署名がリクエストされているときに、当該電子署名に対して、任意に加工された表示形態の第1情報(例えば
図1のユニーク情報UJや
図7のユニーク情報UJS)を合成して表示させることで、当該電子署名が一意であることを適切に示すことができる。即ち、電子署名に対して一意効果を適切に奏することができる。
【符号の説明】
【0070】
1:サーバ、2-1乃至2-n、2―R、2-S、2-J:ユーザ端末、11:CPU、12:ROM、13:RAM、14:バス、15:入出力インターフェース、16:入力部、17:出力部、18:記憶部、19:通信部、20:ドライブ、30:リムーバブルメディア、51:ファイル取得部、52:電子署名登録部52、53:電子署名制御部53、54:ファイル送信制御部、71:ファイルDB、72:電子署名DB、531:ユニーク情報加工部、532:ユニーク情報付電子署名記憶制御部、F1、F2、F3:所定ファイル、A1、A2、AS、AA:所定領域、DS、DSS、DSA:電子署名、UJ、UJS、UJA:ユニーク情報