(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062248
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240430BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170114
(22)【出願日】2022-10-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】大野 允裕
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 雅典
(72)【発明者】
【氏名】吉田 琢也
(72)【発明者】
【氏名】本江 政司
(72)【発明者】
【氏名】大津 一樹
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC20
5L050CC20
(57)【要約】
【課題】車両からアップロードされる車両データに関する処理を実行するクラウドインフラ部分でのCO
2排出量を取得することが可能な技術を提供する。
【解決手段】本開示の一実施形態に係る解析サーバ30は、車両10から送信される車両データを取得し処理を行う車両データ処理装置21の負荷状態に関する情報を取得し、その情報に基づき、車両データ処理装置21の車両データに関する処理による電力使用量を推定する電力使用量推定部3004と、電力使用量推定部3004の推定結果の電力使用量に基づき、車両データ処理装置21の車両データに関する処理によるCO
2排出量を推定するCO
2排出量推定部3006と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両から送信される車両データを取得し処理を行う処理装置の負荷状態に関する情報を取得する第1の取得部と、
前記第1の取得部により取得される情報に基づき、前記処理装置の前記車両データに関する処理による電力使用量を推定する第1の推定部と
前記第1の推定部の推定結果の電力使用量に基づき、前記処理装置の前記車両データに関する処理による二酸化炭素の排出量を推定する第2の推定部と、を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
算出部を備え、
前記処理装置は、複数の前記車両から送信される前記車両データを取得し処理を行い、
前記算出部は、前記第2の推定部の推定結果に基づき、前記処理装置の前記車両データに関する処理による、複数の前記車両の1台当たりの二酸化炭素の排出量を算出する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
複数の前記車両に含まれる同一モデルの前記車両の前記車両データに関する処理のための前記処理装置の使用状況に関する情報を取得する第2の取得部を備え、
前記算出部は、前記第2の取得部により取得される情報と、前記第2の推定部の推定結果とに基づき、前記処理装置の前記車両データに関する処理による、複数の前記車両のうちの同一モデルの前記車両の1台当たりの二酸化炭素の排出量を算出する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
複数の前記車両に含まれる、稼働中の前記車両、及び待機中の前記車両のそれぞれの前記車両データに関する処理のための前記処理装置の使用状況に関する情報を取得する第3の取得部を備え、
前記算出部は、前記第3の取得部により取得される情報と、前記第2の推定部の推定結果とに基づき、前記処理装置の前記車両データに関する処理による、複数の前記車両のうちの稼働中の前記車両、及び待機中の前記車両のそれぞれの1台当たりの二酸化炭素の排出量を算出する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
第4の取得部と、
算出部と、を備え、
前記処理装置は、複数の前記車両から送信される前記車両データを取得し処理を行い、
前記第4の取得部は、複数の前記車両に含まれる、特定の車両の前記車両データに関する処理の前記処理装置の使用状況に関する情報を取得し、
前記算出部は、前記第4の取得部により取得される情報と、前記第2の推定部の推定結果とに基づき、前記処理装置の前記車両データに関する処理による前記特定の車両の二酸化炭素の排出量を算出する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記算出部の算出結果をユーザに通知する通知部を備える、
請求項2乃至5の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
第5の取得部を備え、
前記第1の取得部は、それぞれが前記車両データを取得し処理を行う、複数の前記処理装置のそれぞれの負荷状態に関する情報を取得し、
前記第5の取得部は、複数の前記処理装置のそれぞれのリソースの構成に関する情報を取得し、
前記第1の推定部は、前記第1の取得部により取得される情報と、前記第5の取得部により取得される情報とに基づき、複数の前記処理装置ごとの前記車両データに関する処理による電力使用量を推定する、
請求項1乃至5の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
電力量をその電力量が発電される際の二酸化炭素の排出量に換算する係数を複数記憶する記憶部を備え、
前記第2の推定部は、前記第1の推定部の推定結果と、前記記憶部の複数の前記係数の中から選択される一の前記係数とに基づき、前記処理装置の前記車両データに関する処理による二酸化炭素の排出量を推定する、
請求項1乃至5の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
複数の前記係数は、前記処理装置が設置されている国又は地域、及び前記処理装置のための電力を発電する発電事業者の少なくとも一つに関する複数の区分によって規定される、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
情報処理装置が、車両から送信される車両データを取得し処理を行う処理装置の負荷状態に関する情報を取得する第1の取得ステップと、
前記情報処理装置が、前記第1の取得ステップで取得される情報に基づき、前記処理装置の前記車両データに関する処理による電力使用量を推定する第1の推定ステップと
前記情報処理装置が、前記第1の推定ステップでの推定結果の電力使用量に基づき、前記処理装置の前記車両データに関する処理による二酸化炭素の排出量を推定する第2の推定ステップと、を含む、
情報処理方法。
【請求項11】
情報処理装置に、
車両から送信される車両データを取得し処理を行う処理装置の負荷状態に関する情報を取得する第1の取得ステップと、
前記第1の取得ステップで取得される情報に基づき、前記処理装置の前記車両データに関する処理による電力使用量を推定する第1の推定ステップと
前記第1の推定ステップでの推定結果の電力使用量に基づき、前記処理装置の前記車両データに関する処理による二酸化炭素の排出量を推定する第2の推定ステップと、を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両情報から車両の二酸化炭素(CO2)の排出量を算出する技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば、車両が外部装置と通信可能に接続されることで、車両からアップロードされる車両データが外部装置で処理され、その処理の結果に基づき、車両のユーザに対して各種サービスが提供される場合がある。そのため、車両自体のCO2排出量だけでなく、車両データに関する処理を実行するクラウドインフラ部分で使用される電力に対応するCO2排出量についても考慮されることが望ましい。
【0005】
そこで、上記課題に鑑み、車両からアップロードされる車両データに関する処理を実行するクラウドインフラ部分でのCO2排出量を取得することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示の一実施形態では、
車両から送信される車両データを取得し処理を行う処理装置の負荷状態に関する情報を取得する第1の取得部と、
前記第1の取得部により取得される情報に基づき、前記処理装置の前記車両データに関する処理による電力使用量を推定する第1の推定部と
前記第1の推定部の推定結果の電力使用量に基づき、前記処理装置の前記車両データに関する処理による二酸化炭素の排出量を推定する第2の推定部と、を備える、
情報処理装置が提供される。
【0007】
また、本開示の他の実施形態は、
情報処理装置が、車両から送信される車両データを取得し処理を行う処理装置の負荷状態に関する情報を取得する第1の取得ステップと、
前記情報処理装置が、前記第1の取得ステップで取得される情報に基づき、前記処理装置の前記車両データに関する処理による電力使用量を推定する第1の推定ステップと
前記情報処理装置が、前記第1の推定ステップでの推定結果の電力使用量に基づき、前記処理装置の前記車両データに関する処理による二酸化炭素の排出量を推定する第2の推定ステップと、を含む、
情報処理方法が提供される。
【0008】
また、本開示の更に他の実施形態は、
情報処理装置に、
車両から送信される車両データを取得し処理を行う処理装置の負荷状態に関する情報を取得する第1の取得ステップと、
前記第1の取得ステップで取得される情報に基づき、前記処理装置の前記車両データに関する処理による電力使用量を推定する第1の推定ステップと
前記第1の推定ステップでの推定結果の電力使用量に基づき、前記処理装置の前記車両データに関する処理による二酸化炭素の排出量を推定する第2の推定ステップと、を実行させる、
プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
上述の実施形態によれば、車両からアップロードされる車両データに関する処理を実行するクラウドインフラ部分でのCO2排出量を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】車両のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】解析サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】データ処理システムのハードウェア構成、並びに、車両及び解析サーバの機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図5】車両データ処理構成情報の一例を示す図である。
【
図6】車両データ処理リソース使用情報の一例を示す図である。
【
図8】電力量比率推定部の処理の一例を概略的に示すフローチャートである。
【
図9】電力量比率推定部の推定結果(出力情報)の一例を示す図である。
【
図10】電力使用量推定係数の一例を示す図である。
【
図11】電力使用量推定部の処理の一例を概略的に示すフローチャートである。
【
図12】CO
2排出量推定係数の一例を示す図である。
【
図13】CO
2排出量推定部の処理の一例を概略的に示すフローチャートである。
【
図14】CO
2排出量推定部の推定結果(出力情報)の一例を示す図である。
【
図15】CO
2排出量算出部及びCO
2排出量通知部の処理の第1例を概略的に示すフローチャートである。
【
図16】車両単位処理情報の第1例を示す図である。
【
図17】CO
2排出量算出部の算出結果(出力情報)の第1例を示す図である。
【
図18】CO
2排出量算出部及びCO
2排出量通知部の処理の第2例を概略的に示すフローチャートである。
【
図19】車両単位処理情報の第2例を示す図である。
【
図20】CO
2排出量算出部の算出結果(出力情報)の第2例を示す図である。
【
図21】CO
2排出量算出部及びCO
2排出量通知部の処理の第3例を概略的に示すフローチャートである。
【
図22】車両単位処理情報の第3例を示す図である。
【
図23】CO
2排出量算出部の算出結果(出力情報)の第3例を示す図である。
【
図24】CO
2排出量算出部及びCO
2排出量通知部の処理の第4例を概略的に示すフローチャートである。
【
図25】車両単位処理情報の第4例を示す図である。
【
図26】CO
2排出量算出部の算出結果(出力情報)の第4例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
【0012】
[解析システムの概要]
図1を参照して、解析システム1の概要について説明する。
【0013】
【0014】
図1に示すように、解析システム1は、車両10と、データ処理システム20と、解析サーバ30と、端末装置40とを含む。
【0015】
解析システム1は、解析サーバ30において、データ処理システム20の処理に関する解析を行う。また、解析システム1は、解析サーバ30の表示装置38や端末装置40等を通じて、ユーザに解析結果を提供する。
【0016】
車両10は、通信装置11(
図2参照)を搭載し、所定の通信回線を通じて、データ処理システム20と通信可能に接続され、車両10で取得される各種データ(以下、「車両データ」)をデータ処理システム20に送信(アップロード)する。
【0017】
所定の通信回線は、例えば、基地局を末端とする移動体通信網や通信衛星を利用する衛星通信網を含む。また、所定の通信回線は、WiFiやブルートゥース(登録商標)等の無線通信規格に基づく近距離通信網を含んでもよい。
【0018】
車両データには、例えば、車両10に搭載される各種のセンサ15(
図2参照)で取得されるデータ(以下、「センサデータ」)が含まれる。また、車両データには、例えば、車両10に搭載される各種のECU13(
図2参照)で生成される、車両10の制御データが含まれてもよい。
【0019】
解析システム1に含まれる車両10は、一台であってもよいし複数台であってもよい。以下、解析システム1に含まれる車両10が複数台である前提で説明を進める。
【0020】
データ処理システム20は、車両10からアップロードされる車両データを取得し、車両データに関する各種の処理を行う。
【0021】
例えば、データ処理システム20は、車両データに関する各種の処理を行うことにより、処理の結果を用いて、車両10のユーザに対して各種のサービスを提供する。
【0022】
各種サービスには、例えば、車両10からアップロードされる、車両10の位置情報を表す車両データに基づき、車両10の移動履歴が蓄積されることにより、過去の移動履歴から自動で目的地を設定するナビゲーションサービスが含まれる。また、各種サービスには、例えば、車両10からアップロードされる車両データに基づき、車両10の異常や事故やセキュリティに関する監視を行う監視サービスが含まれてもよい。また、各種サービスには、例えば、車両10からアップロードされる車両データに基づき、後述の端末装置40等を通じて、ユーザに車両10の状態に関する各種の情報を提供する情報提供サービスが含まれてもよい。提供される情報には、例えば、車両10の燃料消費率(燃費)や電力消費率(電費)等が含まれる。
【0023】
解析サーバ30は、所定の通信回線を通じて、データ処理システム20と通信可能に接続され、上述の如く、データ処理システム20の処理に関する解析を行う。
【0024】
所定の通信回線には、例えば、ローカルネットワーク(LAN:Local Area Network)を含む。また、所定の通信回線には、インターネット網、移動体通信網、通信衛星網等の広域ネットワークが含まれてもよい。また、所定の通信回線には、近距離通信回線が含まれてもよい。以下、解析サーバ30と端末装置40との間の通信回線についても同様であってよい。
【0025】
例えば、解析サーバ30は、データ処理システム20の処理状態を解析し、データ処理システム20による車両データに関する処理による電力使用量に対応するCO2排出量を推定する。電力使用量に対応するCO2排出量とは、例えば、電力使用量に対応する電力量を発電する際に排出されるCO2排出量である。
【0026】
端末装置40は、解析システム1のユーザが利用するユーザ端末である。解析システム1のユーザは、例えば、車両10のユーザである。車両10のユーザには、例えば、車両10の所有者(オーナ)やその家族、親しい友人等が含まれる。また、解析システム1のユーザには、データ処理システム20のユーザが含まれていてもよい。データ処理システム20のユーザには、例えば、データ処理システム20のシステム責任者やシステム管理者等が含まれる。
【0027】
端末装置40は、所定の通信回線を通じて、解析サーバ30と通信可能に接続され、解析サーバ30から提供される解析結果に関する情報を取得する。これにより、端末装置
40は、ユーザに対して、視覚的な方法や聴覚的な方法で解析サーバ30の解析結果を通知することができる。また、端末装置40は、所定の通信回線を通じて、解析サーバ30に解析結果に関する情報の配信を要求してもよい。この場合、端末装置40は、ユーザからの入力(要求)に応じて、解析結果に関する情報の配信を要求してもよいし、所定のタイミングに合わせて、自動で解析結果に関する情報の配信を要求してもよい。
【0028】
尚、解析サーバ30に解析結果の配信を要求する機能や解析結果をユーザに提供する機能は、端末装置40に代えて、或いは、加えて、車両10に設けられてもよい。この場合、車両10のユーザは、車両10に搭乗時に、後述の入力装置17を通じて、解析サーバ30の解析結果の提供を要求する入力を行ったり、車両10の表示装置18等を通じて、解析サーバ30から提供される解析結果を確認したりすることができる。
【0029】
[解析システムの構成]
次に、
図1に加えて、
図2~
図13を参照して、解析システム1の構成について説明する。
【0030】
図2は、車両10のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3は、解析サーバ30のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4は、データ処理システム20のハードウェア構成、並びに車両10及び解析サーバ30の機能構成の一例を示す図である。
図5は、車両データ処理構成情報22Aの一例を示す図である。
図6は、車両データ処理リソース使用情報23Aの一例を示す図である。
図7は、電力量比率基礎情報3001Aの一例を示す図である。
図8は、電力量比率推定部3002の処理の一例を概略的に示すフローチャートである。
図9は、電力量比率推定部3002の推定結果(出力情報)の一例を示す図である。
図10は、電力使用量推定係数3003Aの一例を示す図である。
図11は、電力使用量推定部3004の処理の一例を概略的示すフローチャートである。
図12は、CO
2排出量推定係数3005Aの一例を示す図である。
図13は、CO
2排出量推定部3006の処理の一例を概略的に示すフローチャートである。
図14は、CO
2排出量推定部3006の推定結果(出力情報)の一例を示す図である。
【0031】
<車両のハードウェア構成>
例えば、
図2に示すように、車両10は、通信装置11と、ゲートウェイECU12と、ECU13と、センサ15と、入力装置17と、表示装置18と、セントラルECU19と、を含む。
【0032】
通信装置11は、所定の通信回線を通じて、車両10の外部と通信を行う。通信装置11は、例えば、DCM(Data Communication Module)である。通信装置11は、車両10の内部の通信回線を通じて、ゲートウェイECU12やECU13やセントラルECU19等と通信可能に接続される。車両10の内部の通信回線は、例えば、一対一の通信線や車載ネットワークである。車載ネットワークは、例えば、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、FlexRay、車載イーサネット(Ethernet)等である。通信装置11は、例えば、ゲートウェイECU12から指令(要求)に応じて、所定の信号を外部に送信してよい。また、通信装置11により外部から受信される信号は、ゲートウェイECU12に取り込まれる。
【0033】
ゲートウェイECU12は、車両10の外部の通信回線と、車両10の内部の通信回線(例えば、車載ネットワーク)との間のゲートウェイとして機能する。
【0034】
ゲートウェイECU12は、その機能が任意のハードウェア或いは任意のハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ等により実現されてよい。例えば、ゲートウェイECU12は、後述のセントラルECU19と同様のハードウェア構成を有し、補助記憶装置にインストールされるプログラムをメモリ装置にロードしCPU(Central Processing Unit)上で実行することにより、各種機能を実現してよい。以下、ECU13についても同様であってよい。
【0035】
例えば、ゲートウェイECU12は、既知の方法を用いて、通信装置11により外部から受信された信号が正規の送信元からの送信された信号であり、且つ、改ざんがされていない信号であることの認証を行う。正規の送信元とは、予め送信元として登録されている送信元(例えば、データ処理システム20等)や相互通信により予め認証が得られている送信元等を意味する。ゲートウェイECU12は、通信装置11により受信される信号のうち、認証が成功した信号のデータのみを車両10の内部の通信回線を通じて、所定の車載機器(例えば、ECU13やセントラルECU19等)に送信する。
【0036】
また、例えば、ゲートウェイECU12は、車両10の各種機器からの要求に応じて、所定の情報や指令(要求)等の内容を含む信号を生成し、通信装置11を通じて、所定の送信先(例えば、解析サーバ30)に送信する。
【0037】
ECU13は、車両10に一又は複数搭載される。ECU13は、車両10の各種機能に関する制御を行う。例えば、複数のECU13の中には、車両10の動力源としてのエンジンを制御するECU13、車両10の動力源としての電動機(MG:Motor Generator)を制御するECU13、車両10の変速機のシフトポジションを制御するECU13等が含まれる。
【0038】
センサ15は、車両10に一又は複数搭載される。センサ15は、車両10の状態に関する計測データを出力する。センサ15の出力(計測データ)は、車両10の内部の通信回線を通じて、セントラルECU19に取り込まれる。例えば、複数のセンサ15の中には、車両10の各車輪の車輪速を計測するセンサ15(車輪速センサ)が含まれる。また、例えば、複数のセンサ15の中には、車両10の前後方向や左右方向や上下方向の加速度を計測するセンサ15(加速度センサ)が含まれる。また、例えば、複数のセンサ15の中には、車両10の所定部位の温度を計測するセンサ15(温度センサ)が含まれる。温度センサには、例えば、車両10に搭載される駆動用のバッテリや補機用のバッテリの温度を測定する温度センサや各種機器の冷却水の温度を測定する水温センサや各種機器の潤滑油の油温を測定する油温センサ等が含まれる。また、例えば、複数のセンサ15の中には、車両10の位置を計測するセンサ15(GNSS(Global Navigation Satellite System)センサ)が含まれる。
【0039】
入力装置17は、車両10の室内に設けられ、搭乗者からの各種入力を受け付ける。入力装置17は、例えば、ボタン、トグル、レバー、タッチパネル、タッチパッド等の搭乗者からの操作入力を受け付ける操作入力装置を含む。また、入力装置17は、例えば、マイクロフォン等、車両10の搭乗者の音声入力を受け付ける音声入力装置を含む。また、入力装置17は、例えば、車両10の室内の搭乗者の様子を撮像可能なカメラ等、車両10の搭乗者のジェスチャ入力を受け付けるジェスチャ入力装置を含む。入力装置17で受け付けられる入力の内容を表す入力信号は、車両10の内部の通信回線を通じて、セントラルECU19に取り込まれる。
【0040】
表示装置18は、車両10の室内の運転席から視認し易い場所に設けられ、各種情報画面を表示する。表示装置18は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等である。表示装置18は、車両10の内部の通信回線を通じて、セントラルECU19と通信可能に接続され、セントラルECU19は、表示装置18に制御信号を出力し、表示装置18に所定の情報画面を表示させることができる。
【0041】
セントラルECU19は、例えば、車両10に搭載されるゲートウェイECU12及びECU13を含む各種ECUの上位の制御装置として、各種ECUの動作を統括制御したり、各種ECUで利用される各種データの登録先として機能したりする。
【0042】
セントラルECU19の機能は、任意のハードウェア或いは任意のハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ等により実現される。例えば、
図2に示すように、セントラルECU19は、バスB1で接続される、補助記憶装置19A、メモリ装置19B、CPU19C、及びインタフェース装置19Dを含む。
【0043】
補助記憶装置19Aは、不揮発性の記憶手段であり、インストールされるプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。補助記憶装置19Aは、例えば、フラッシュメモリ等である。
【0044】
メモリ装置19Bは、例えば、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置19AのプログラムをCPU19Cが読み込み可能なようにロードする。メモリ装置19Bは、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)である。
【0045】
CPU19Cは、例えば、メモリ装置19Bにロードされるプログラムを実行し、プログラムの命令に従って、セントラルECU19の各種機能を実現する。
【0046】
インタフェース装置19Dは、例えば、車両10の内部の通信回線に接続するためのインタフェースとして用いられる。インタフェース装置19Dは、接続する通信回線の種類に合わせて、複数の異なる種類のインタフェース装置を含んでよい。
【0047】
セントラルECU19の各種機能を実現するプログラムは、例えば、可搬型の記録媒体19Eによって提供される。この場合、インタフェース装置19Dは、記録媒体19Eからのデータの読み取りや記録媒体19Eへのデータの書き込みのためのインタフェースとして機能する。記録媒体19Eは、例えば、DLC(Data Link Coupler)等の外部接続用のコネクタに着脱可能なケーブルで接続される専用ツールである。また、記録媒体19Eは、例えば、SDメモリカードやUSB(Universal Serial Bus)メモリ等であってもよい。また、プログラムは、所定の通信回線を通じて、車両10の外部の他のコンピュータからダウンロードされ、補助記憶装置19Aにインストールされてもよい。
【0048】
<解析サーバのハードウェア構成>
解析サーバ30の機能は、任意のハードウェア或いは任意のハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ等により実現される。例えば、
図3に示すように、解析サーバ30は、バスB3で接続される、外部インタフェース31、補助記憶装置32、メモリ装置33、CPU34、通信インタフェース36、入力装置37、及び表示装置38を含む。
【0049】
尚、端末装置40についても解析サーバ30と同様のハードウェア構成を有してよい。以下、端末装置40のハードウェア構成の図示や説明を省略する。
【0050】
外部インタフェース31は、記録媒体31Aからデータの読み取りや記録媒体31Aへのデータの書き込みのためのインタフェースとして機能する。記録媒体31Aには、例えば、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、SDメモリカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ等が含まれる。これにより、解析サーバ30は、記録媒体31Aを通じて、処理で利用する各種データを読み込み、補助記憶装置32に格納したり、各種機能を実現するプログラムをインストールしたりすることができる。
【0051】
尚、解析サーバ30は、通信インタフェース36を通じて、外部装置から各種データやプログラムを取得してもよい。
【0052】
補助記憶装置32は、インストールされた各種プログラムを格納すると共に、各種処理に必要なファイルやデータ等を格納する。補助記憶装置32は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)やSSD(Solid State Drive)やフラッシュメモリ等を含む。
【0053】
メモリ装置33は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置32からプログラムを読み出して格納する。メモリ装置33は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)を含む。
【0054】
CPU34は、補助記憶装置32からメモリ装置33にロードされた各種プログラムを実行し、プログラムに従って解析サーバ30に関する各種機能を実現する。
【0055】
高速演算装置35は、CPU34と連動し、相対的に高い速度で演算処理を行う。高速演算装置35は、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等を含む。
【0056】
尚、高速演算装置35は、必要な演算処理の速度によっては、省略されてもよい。
【0057】
通信インタフェース36は、外部機器と通信可能に接続するためのインタフェースとして用いられる。これにより、解析サーバ30は、通信インタフェース36を通じて、例えば、データ処理システム20や端末装置40等の外部機器と通信することができる。また、通信インタフェース36は、接続される機器との間の通信方式等によって、複数の種類の通信インタフェースを有してよい。
【0058】
入力装置37は、ユーザから各種入力を受け付ける。
【0059】
入力装置37は、例えば、ユーザからの機械的な操作入力を受け付ける操作入力装置を含む。操作入力装置は、例えば、ボタン、トグル、レバー、マウス、キーボード等を含む。また、操作入力装置は、例えば、表示装置38に実装されるタッチパネル、表示装置38とは別に設けられるタッチパッド等を含む。
【0060】
また、入力装置37は、例えば、ユーザからの音声入力を受付可能な音声入力装置を含む。音声入力装置は、例えば、ユーザの音声を集音可能なマイクロフォンを含む。
【0061】
また、入力装置37は、例えば、ユーザからのジェスチャ入力を受付可能なジェスチャ入力装置を含む。ジェスチャ入力装置は、例えば、ユーザのジェスチャの様子を撮像可能なカメラを含む。
【0062】
また、入力装置37は、例えば、ユーザからの生体入力を受付可能な生体入力装置を含む。生体入力装置は、例えば、ユーザの指紋や虹彩に関する情報を内包する画像データを取得可能なカメラを含む。
【0063】
表示装置38は、ユーザに向けて、情報画面や操作画面を表示する。表示装置38は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等を含む。
【0064】
<データ処理システムのハードウェア構成>
例えば、
図4に示すように、データ処理システム20は、複数の車両データ処理装置21と、記憶装置22~24とを含む。
【0065】
車両データ処理装置21、及び記憶装置22~24は、それぞれ、解析サーバ30と同様のハードウェア構成を有してよい。以下、車両データ処理装置21、及び記憶装置22~24のハードウェア構成の図示及び説明を省略する。
【0066】
車両データ処理装置21は、車両10からアップロードされる車両データに関する各種の処理を行う。複数の車両データ処理装置21は、互いに同じ処理を行ってもよいし、その少なくとも一部が互いに異なる処理を行ってもよい。車両データに関する処理には、例えば、取得した車両データを加工したり整理したりする処理が含まれる。また、車両データに関する処理には、車両10からアップロードされる車両データを取得(受信)する処理が含まれてもよい。また、車両データ処理装置21は、他の車両データ処理装置21との間で、車両データや車両データに関する処理により得られる加工データのやり取りを行ってもよい。この場合、車両データに関する処理には、車両データ処理装置21が車両データや加工データを他の車両データ処理装置21に送信する処理や他の車両データ処理装置21から車両データや加工データを受信する処理等が含まれてもよい。また、複数の車両データ処理装置21は、全て同じ場所(例えば、同じ施設内)に設置されてもよいし、その少なくとも一部が互いに異なる場所に設置されてもよい。また、互いに異なる場所に設置される2以上の車両データ処理装置21は、全てが同じ国や地域に設置されてもよいし、その少なくとも一部が互いに異なる国や地域に設置されてもよい。
【0067】
記憶装置22には、車両データ処理構成情報22Aが記憶される。
【0068】
車両データ処理構成情報22Aは、車両データ処理装置21ごとの車両データの処理に関するリソースのハードウェア構成を表す情報である。
【0069】
例えば、
図5に示すように、車両データ処理構成情報22Aは、複数(本例では、所定数N)の車両データ処理装置21ごとのリソース世代及びリソースボリュームを含む。所定数Nは、2以上の整数を意味する。リソース世代は、車両データ処理装置21の車両データの処理に関するリソース、具体的には、CPUの世代を表す正の整数値である。リソース世代は、その数値が大きいほど、新しいことを意味し、より高い省電力性能を有する。リソースボリュームは、車両データ処理装置21の車両データの処理に関するリソース(CPU)の容量を表す。本例では、リソースボリュームは、車両データの処理に使用されるCPUのコア数で規定される。
【0070】
図4に戻り、記憶装置23には、車両データ処理リソース使用情報23Aが記憶される。
【0071】
車両データ処理リソース使用情報23Aは、複数(本例では、所定数N)の車両データ処理装置21の車両データの処理に関するリソースの使用負荷状態を表す情報である。
【0072】
例えば、
図6に示すように、車両データ処理リソース使用情報23Aは、複数(本例では、所定数N)の車両データ処理装置21ごとの時間区分当たりのCPUの使用率(負荷率)を含む。本例では、時間区分は、正時を基準とする1時間で規定される。時間区分当たりのCPUの使用率は、例えば、時間区分でのCPUの使用率の平均値である。
【0073】
記憶装置24には、車両データ処理ログ24Aが記憶される。
【0074】
車両データ処理ログ24Aは、車両データ処理装置21ごとの車両データに関する処理のログであり、車両データ処理装置21で逐次実施される車両データに関する処理に応じて、記憶装置24に蓄積される形で記録される。例えば、車両データ処理ログ24Aは、対象の車両データ処理装置21のID(Identification)等の識別情報、処理対象の車両データに対応する車両10のID等の識別情報、処理の内容を表す情報、処理の実施日時を表す情報等を含むレコードデータである。
【0075】
尚、記憶装置22~24の機能は、車両データ処理装置21により実現されてもよい。この場合、全ての車両データ処理装置21の何れか一つの車両データ処理装置21により実現されてもよいし、全ての車両データ処理装置21のうちの2以上の車両データ処理装置21によって分散して実現されてもよい。
【0076】
<車両の機能構成>
図4に示すように、車両10のセントラルECU19は、例えば、機能部として、車両データ取得部191と、車両データ送信部192とを含む。車両データ取得部191及び車両データ送信部192の機能は、例えば、補助記憶装置19Aにインストールされるプログラムをメモリ装置19BにロードしCPU19Cで実行することにより実現される。
【0077】
車両データ取得部191は、所定の処理周期ごとに、各種のECU13やセンサ15等から取り込まれる車両データを取得する。処理周期は、ECU13の制御データやセンサ15のセンサデータの出力周期と同じ或いはそれより長くなるように設定される。
【0078】
車両データ送信部192は、車両データ取得部191により取得される車両データをゲートウェイECU12及び通信装置11を通じて、データ処理システム20(車両データ処理装置21)に送信する。
【0079】
尚、上述の如く、解析サーバ30に解析結果の配信を要求する機能や解析結果をユーザに提供する機能が車両10に設けられてもよい。この場合、例えば、セントラルECU19は、ゲートウェイECU12及び通信装置11を通じて、解析サーバ30に解析結果の配信を要求する機能部、及び解析結果を取得(受信)する機能部や解析結果を表示装置18に表示させる機能部等を含む。
【0080】
<解析サーバの機能構成>
図4に示すように、解析サーバ30は、機能部として、記憶部3001と、電力量比率推定部3002と、記憶部3003と、電力使用量推定部3004と、記憶部3005と、CO
2排出量推定部3006と、記憶部3007とを含む。また、解析サーバ30は、機能部として、車両単位処理情報出力部3008と、CO
2排出量算出部3009と、CO
2排出量通知部3010とを含む。電力量比率推定部3002、電力使用量推定部3004、CO
2排出量推定部3006、車両単位処理情報出力部3008、CO
2排出量算出部3009、及びCO
2排出量通知部3010の機能は、例えば、補助記憶装置32にインストールされるプログラムをメモリ装置33にロードし、CPU34で実行することにより実現される。記憶部3001,3003,3005,3007の機能は、例えば、補助記憶装置32に規定される記憶領域により実現される。
【0081】
記憶部3001には、電力量比率基礎情報3001Aが記憶される。
【0082】
電力量比率基礎情報3001Aは、車両データ処理装置21ごとのCPUコア(1つ)当たりの電力量比率を推定するための基礎情報である。電力量比率は、基準のリソース(CPUコア)の電力使用量に対する比較対象のCPUコアの電力使用量の比率を意味する。
【0083】
例えば、
図7に示すように、電力量比率基礎情報3001Aは、リソース世代(CPUの世代)と電力量比率との関係を表す。本例では、リソース世代が"11"の場合を基準として、電力量比率が規定されている。また、本例では、リソース世代が不明の場合についても、相対的に高い値("1.2")で電力量比率が規定されている。これにより、車両データ処理装置21のリソース世代が不明の場合であっても、車両データ処理装置21のCPUコア当たりの電力量比率を推定(概算)することができる。
【0084】
図4に戻り、電力量比率推定部3002は、車両データ処理構成情報22Aと、電力量比率基礎情報3001Aとに基づき、車両データ処理装置21ごとのCPUコア(1つ)当たりの電力量比率を推定する。
【0085】
例えば、電力量比率推定部3002は、
図8のフローチャートの処理を実行することにより、車両データ処理装置21ごとのCPUコア(1つ)当たりの電力量比率を推定する。
【0086】
図8のフローチャートは、例えば、車両データ処理リソース使用情報23Aと同じ時間区分が切り替わるたびに実行される。
【0087】
図8に示すように、ステップS102にて、電力量比率推定部3002は、複数の車両データ処理装置21のそれぞれの車両データ処理に関するリソースのハードウェア構成を表す情報、即ち、車両データ処理構成情報22Aを記憶装置22から取得する。具体的には、電力量比率推定部3002は、記憶装置23に対して車両データ処理構成情報22Aの送信を要求する信号を送信することにより、記憶装置22から送信される車両データ処理構成情報22Aを取得してよい。また、電力量比率推定部3002は、電力量比率基礎情報3001Aを記憶部3001から取得する。
【0088】
電力量比率推定部3002は、ステップS102の処理が完了すると、ステップS104に進む。
【0089】
ステップS104にて、電力量比率推定部3002は、車両データ処理構成情報22Aと、電力量比率基礎情報3001Aとに基づき、車両データ処理装置21ごとの単位リソース(CPUコア)当たりの電力量比率、及びリソースボリュームを推定する。具体的には、電力量比率推定部3002は、車両データ処理構成情報22Aに規定される車両データ処理装置21ごとのリソース世代に対応する電力量比率を電力量比率基礎情報3001Aの中から抽出してよい。これにより、電力量比率推定部3002は、車両データ処理装置21ごとのCPUコア当たりの電力量比率を推定することができる。また、電力量比率推定部3002は、車両データ処理構成情報22Aに規定される車両データ処理装置21ごとのリソースボリュームを抽出する。これにより、電力量比率推定部3002は、車両データ処理装置21ごとのリソースボリューム(CPUコア数)を推定することができる。
【0090】
電力量比率推定部3002は、ステップS104の処理が終了すると、ステップS106に進む。
【0091】
ステップS106にて、電力量比率推定部3002は、車両データ処理装置21ごとの単位リソース(CPUコア)当たりの電力量比率、及びリソースボリュームを出力する(
図9参照)。
【0092】
電力量比率推定部3002は、ステップS106の処理が終了すると、今回のフローチャートの処理を終了する。
【0093】
図4に戻り、記憶部3003には、電力使用量推定係数3003Aが記憶される。電力使用量推定係数3003Aは、基準のリソースの使用負荷の状態に応じた電力使用量を表す係数である。
【0094】
例えば、
図10に示すように、電力使用量推定係数3003Aは、基準のリソース(CPUコア)の使用率(負荷率)に関する複数の区分ごとに規定され、複数の区分ごとの基準のリソース(CPUコア)の電力使用量を表す。
【0095】
図4に戻り、電力使用量推定部3004は、電力量比率推定部3002の出力情報と、電力使用量推定係数3003Aと、車両データ処理リソース使用情報23Aとに基づき、車両データ処理装置21ごとの単位時間当たりの電力使用量を推定する。単位時間は、例えば、1時間である。
【0096】
例えば、電力使用量推定部3004は、
図11のフローチャートの処理を実行することにより、車両データ処理装置21ごとの単位時間当たりの電力使用量を推定する。
【0097】
図11のフローチャートは、例えば、電力量比率推定部3002から推定結果(出力情報)が出力されると、実行される。
【0098】
図11に示すように、ステップS202にて、電力使用量推定部3004は、車両データ処理装置21ごとの単位リソース当たりの電力量比率、リソースボリューム、及び電力使用量推定係数3003Aを取得する。複数の車両データ処理装置21のそれぞれの単位リソース当たりの電力量比率、及びリソースボリュームは、電力量比率推定部3002の推定結果(出力情報)に相当する。また、電力使用量推定係数3003Aは、記憶部3003から取得される。
【0099】
電力使用量推定部3004は、ステップS202の処理が完了すると、ステップS204に進む。
【0100】
ステップS204(第1の取得ステップの一例)にて、電力使用量推定部3004は、対象の時間区分に対応する車両データ処理リソース使用情報23Aを記憶装置23から取得する。対象の時間区分は、例えば、最新の時間区分の一つ前の時間区分である。具体的には、電力使用量推定部3004は、記憶装置23に対して車両データ処理リソース使用情報23Aの送信を要求する信号を送信することにより、記憶装置23から送信される車両データ処理リソース使用情報23Aを取得してよい。
【0101】
電力使用量推定部3004は、ステップS204の処理が完了すると、ステップS206に進む。
【0102】
ステップS206(第1の推定ステップの一例)にて、電力使用量推定部3004は、ステップS202,S204で取得した情報に基づき、車両データ処理装置21ごとの単位時間当たりの電力使用量を推定する。具体的には、電力使用量推定部3004は、車両データ処理装置21ごとに、車両データ処理リソース使用情報23Aに規定されるリソースの使用率に対応する電力使用量推定係数3003A、単位リソース当たりの電力量比率、及びリソースボリュームを乗算する。これにより、電力使用量推定部3004は、車両データ処理装置21ごとの単位時間当たりの電力使用量を推定することができる。
【0103】
電力使用量推定部3004は、ステップS206の処理が完了すると、ステップS208に進む。
【0104】
ステップS208にて、電力使用量推定部3004は、車両データ処理装置21ごとの単位時間当たりの電力使用量の推定結果を出力する。
【0105】
電力使用量推定部3004は、ステップS208の処理が完了すると、今回のフローチャートの処理を終了する。
【0106】
図4に戻り、記憶部3005には、CO
2排出量推定係数3005Aが記憶される。CO
2排出量推定係数3005Aは、電力使用量をCO
2排出量に換算するための係数である。
【0107】
例えば、
図12に示すように、複数のCO
2排出量推定係数3005Aが規定される。例えば、複数のCO
2排出量推定係数3005Aは、国や地域に関する複数の区分により規定される。国や地域ごとに、電源構成が異なり、その結果、電源構成によって同じ電力量を発電する際のCO
2排出量に差異が生じるからである。本例(
図12)では、日本の2つの地域区分ごとに、CO
2排出量推定係数3005Aが規定されている。また、複数のCO
2排出量推定係数は、発電事業者に関する複数の区分により規定されてもよい。発電事業者によって電源構成が異なり、その結果、電源構成によって同じ電力量を発電する際のCO
2排出量に差異が生じるからである。また、複数のCO
2排出量推定係数3005Aは、国や地域、及び発電事業者の双方に関する区分により規定されてもよい。
【0108】
図4に戻り、CO
2排出量推定部3006は、電力使用量推定部3004の推定結果と、CO
2排出量推定係数3005Aとに基づき、車両データ処理装置21ごとの単位時間当たりのCO
2排出量を推定する。
【0109】
例えば、CO
2排出量推定部3006は、
図13のフローチャートの処理を実行することにより、車両データ処理装置21ごとの単位時間当たりのCO
2排出量を推定する。
【0110】
図13のフローチャートは、例えば、電力使用量推定部3004から推定結果が出力されると、実行される。
【0111】
図13に示すように、ステップS302にて、CO
2排出量推定部3006は、複数の車両データ処理装置21のそれぞれに対応するCO
2排出量推定係数3005Aを記憶部3005から取得する。例えば、CO
2排出量推定部3006は、車両データ処理装置21ごとの設置される国や地域、及び供給電力の発電事業者の少なくとも一方に合わせて、複数の車両データ処理装置21のそれぞれに対応するCO
2排出量推定係数3005Aを選択的に取得する。
【0112】
CO2排出量推定部3006は、ステップS302の処理が完了すると、ステップS304に進む。
【0113】
ステップS304にて、CO2排出量推定部3006は、電力使用量推定部3004から出力された、車両データ処理装置21ごとの単位時間当たりの電力使用量の推定結果を取得する。
【0114】
CO2排出量推定部3006は、ステップS304の処理が完了すると、ステップS306に進む。
【0115】
ステップS306(第2の推定ステップの一例)にて、CO2排出量推定部3006は、ステップS302,S304で取得した情報に基づき、車両データ処理装置21ごとの単位時間当たりのCO2排出量を推定する。具体的には、CO2排出量推定部3006は、複数の車両データ処理装置21ごとに、単位時間当たりの電力使用量の推定値に、CO2排出量係数を乗じることにより、単位時間当たりのCO2排出量を推定することができる。
【0116】
CO2排出量推定部3006は、ステップS306の処理が完了すると、ステップS308に進む。
【0117】
ステップS308にて、CO
2排出量推定部3006は、車両データ処理装置21ごとの単位時間当たりのCO
2排出量の推定結果を出力する(
図14参照)。
【0118】
CO2排出量推定部3006は、ステップS308の処理が完了すると、今回のフローチャートの処理を終了する。
【0119】
図4に戻り、記憶部3007には、CO
2排出量推定部3006から出力されるCO
2排出量推定部3006にから出力される、車両データ処理装置21ごとの単位時間当たりのCO
2排出量の推定結果を表すCO
2排出量情報3007Aが記憶される。例えば、CO
2排出量情報3007Aには、車両データ処理装置21ごとの単位時間当たりのCO
2排出量の推定結果を含むレコードデータが時系列で記録されている。
【0120】
車両単位処理情報出力部3008は、車両データ処理ログ24Aを取得し、車両データ処理ログ24Aに基づき、車両単位処理情報を出力する。車両単位処理情報は、車両10の単位で見たときの車両データ処理装置21における車両データの処理に関する情報である。車両単位処理情報は、例えば、車両データ処理装置21ごとの一の時間区分で処理された車両データに対応する車両10の台数の情報である(
図16参照)。また、車両単位処理情報は、車両データ処理装置21ごとに、一の時間区分で処理された車両データに対応する車両10のうちの同一の車両モデルごとの車両10の台数及び車両データの処理に要した時間を規定した情報であってもよい(
図19参照)。車両モデルは、車両10の車種の世代を意味する。例えば、2台の車両10が同じ車種で型式が同じの場合、互いに同一の車両モデルである一方、2台の車両10が同じ車種であっても、型式が異なる場合、互いに異なる車両モデルである。また、車両単位処理情報は、車両データ処理装置21ごとに、一の時間区分で処理された車両データのうちの特定の車両10の車両データに関する処理に要した時間に関する情報であってもよい(
図22参照)。また、車両単位処理情報は、車両データ処理装置21ごとに、一の時間区分で処理された車両データに対応する車両10のうちの同一の車両モデルごと且つ稼働状態及び待機状態の別での台数及び車両データの処理に要した時間を規定した情報であってもよい(
図25参照)。車両10の稼働状態は、車両10が起動(アクセサリスイッチ或いはイグニッションスイッチがオン)された状態を意味し、車両10の待機状態は、車両10が停止(アクセサリスイッチ或いはイグニッションスイッチがオフ)された状態を意味する。
【0121】
CO
2排出量算出部3009は、CO
2排出量情報3007Aと、車両単位処理情報出力部3008から出力される車両単位処理情報とに基づき、車両データ処理装置21ごとの車両10の単位での単位時間当たりのCO
2排出量を算出する。車両10の単位での単位時間当たりのCO
2排出量は、例えば、単位時間当たりのCO
2排出量を車両10の1台当たりに換算したCO
2排出量である。つまり、車両10の単位での単位時間当たりのCO
2排出量は、例えば、一の時間区分で処理された車両データに対応する車両10についての車両10の1台当たり且つ単位時間当たりのCO
2排出量である(
図17参照)。また、車両10の単位での単位時間当たりのCO
2排出量は、単位時間当たりのCO
2排出量を、単位時間で処理された車両データに対応する車両10のうちの同一の車両モデルごとの車両10の1台当たりに換算したCO
2排出量であってもよい。つまり、車両10の単位での単位時間当たりのCO
2排出量は、一の時間区分で処理された車両データに対応する車両10のうちの同一の車両モデルごとの車両10の1台当たり且つ単位時間当たりのCO
2排出量であってもよい(
図20参照)。また、車両10の単位での単位時間当たりのCO
2排出量は、特定の車両10の車両データの処理による単位時間当たりのCO
2排出量であってもよい(
図23参照)。また、車両10の単位での単位時間当たりのCO
2排出量は、単位時間で処理された車両データに対応する車両10のうちの同一の車両モデルごと且つ稼働状態及び待機状態の別での車両10の1台当たり且つ単位時間当たりのCO
2排出量であってもよい(
図26参照)。
【0122】
例えば、CO2排出量算出部3009は、入力装置37や端末装置40を通じたユーザからの要求に応じて、車両データ処理装置21ごとの車両10の単位での単位時間当たりのCO2排出量を算出する。
【0123】
CO2排出量通知部3010は、CO2排出量算出部3009により算出される車両10の単位での単位時間当たりのCO2排出量を、表示装置38や端末装置40を通じてユーザに通知する。
【0124】
[CO
2排出量算出部及びCO
2排出量通知部の処理の詳細]
次に、
図15~
図26を参照して、CO
2排出量算出部3009及びCO
2排出量通知部3010の処理の詳細について説明する。
【0125】
<第1例>
図15は、CO
2排出量算出部3009及びCO
2排出量通知部3010の処理の第1例を概略的に示すフローチャートである。
図16は、車両単位処理情報の第1例を示す図である。
図17は、CO
2排出量算出部3009の算出結果(出力情報)の第1例を示す図である。
【0126】
図15のフローチャートは、例えば、入力装置37や端末装置40を通じてユーザから受け付けられる、クラウドインフラ部分での車両10の1台当たりのCO
2排出量の通知の要求に応じて実行される。また、上述の如く、解析サーバ30に解析結果の配信を要求する機能や解析結果をユーザに提供する機能が車両10に設けられてもよい。この場合、
図15のフローチャートは、特定の車両10の入力装置17を通じてユーザから受け付けられる、クラウドインフラ部分での車両10の1台当たりのCO2排出量の通知の要求に応じて実行されてもよい。
【0127】
図15に示すように、ステップS402にて、CO
2排出量算出部3009は、CO
2排出量情報3007Aから対象の時間区分での車両データ処理装置21ごとの単位時間当たりのCO
2排出量を取得する。対象の時間区分は、例えば、ユーザからの通知の要求で指定される。時間区分は、例えば、正時を基準とする1時間で規定される。
【0128】
CO2排出量算出部3009は、ステップS402の処理が完了すると、ステップS404に進む。
【0129】
ステップS404にて、CO
2排出量算出部3009は、車両単位処理情報出力部3008から出力される、対象の時間区分での車両単位処理情報を取得する。本例では、車両単位処理情報は、車両データ処理装置21ごとの対象の時間区分で処理された車両データに対応する車両10の台数の情報である(
図16参照)。
【0130】
CO2排出量算出部3009は、ステップS404の処理が完了すると、ステップS406に進む。
【0131】
ステップS406にて、CO
2排出量算出部3009は、ステップS402,S404で取得した情報に基づき、対象の時間区分での車両データ処理装置21ごとの車両10の1台当たり且つ単位時間当たりのCO
2排出量を算出する(
図17参照)。具体的には、CO
2排出量算出部3009は、対象の時間区分での対象の車両データ処理装置21の単位時間当たりのCO
2排出量を、対象の時間区分での対象の車両データ処理装置21により処理された車両データに対応する車両10の台数で除算する。これにより、CO
2排出量算出部3009は、対象の時間区分での対象の車両データ処理装置21の車両10の1台当たり且つ単位時間当たりのCO
2排出量を算出することができる。
【0132】
CO2排出量算出部3009は、ステップS406の処理が完了すると、CO2排出量通知部3010を呼び出し、CO2排出量通知部3010は、ステップS408を実行する。
【0133】
ステップS408にて、CO2排出量通知部3010は、対象の時間区分での車両データ処理装置21ごとの車両10の1台当たり且つ単位時間当たりのCO2排出量をユーザに通知する。例えば、CO2排出量通知部3010は、対象の時間区分での車両データ処理装置21ごとの車両10の1台当たり且つ単位時間当たりのCO2排出量を表示装置38に表示させる。また、CO2排出量通知部3010は、対象の時間区分での車両データ処理装置21ごとの車両10の1台当たり且つ単位時間当たりのCO2排出量のデータを端末装置40に送信してもよい。また、CO2排出量通知部3010は、対象の時間区分での車両データ処理装置21ごとの車両10の1台当たり且つ単位時間当たりのCO2排出量のデータを車両10に送信してもよい。これにより、CO2排出量通知部3010は、表示装置38や端末装置40や表示装置18を通じて、対象の時間区分での車両データ処理装置21ごとの車両10の1台当たり且つ単位時間当たりのCO2排出量をユーザに通知することができる。
【0134】
CO2排出量通知部3010は、ステップS408の処理が完了すると、今回のフローチャートの処理を終了する。
【0135】
このように、本例では、解析サーバ30は、車両データ処理装置21ごとの車両10の1台当たり且つ単位時間当たりのCO2排出量を算出し、ユーザに通知することができる。
【0136】
<第2例>
図18は、CO
2排出量算出部3009及びCO
2排出量通知部3010の処理の第2例を概略的に示すフローチャートである。
図19は、車両単位処理情報の第2例を示す図である。
図20は、CO
2排出量算出部3009の算出結果(出力情報)の第2例を示す図である。
【0137】
図18のフローチャートは、例えば、入力装置37や端末装置40を通じてユーザから受け付けられる、クラウドインフラ部分での同一の車両モデルごとの車両10の1台当たりのCO
2排出量の通知の要求に応じて実行される。また、上述の如く、解析サーバ30に解析結果の配信を要求する機能や解析結果をユーザに提供する機能が車両10に設けられてもよい。この場合、
図18のフローチャートは、特定の車両10の入力装置17を通じてユーザから受け付けられる、クラウドインフラ部分での同一の車両モデルごとの車両10の1台当たりのCO2排出量の通知の要求に応じて実行されてもよい。
【0138】
図18に示すように、ステップS502にて、CO
2排出量算出部3009は、CO
2排出量情報3007Aから対象の時間区分での車両データ処理装置21ごとの単位時間当たりのCO
2排出量を取得する。
【0139】
CO2排出量算出部3009は、ステップS502の処理が完了すると、ステップS504に進む。
【0140】
ステップS504にて、CO
2排出量算出部3009は、車両単位処理情報出力部3008から出力される、対象の時間区分での車両単位処理情報を取得する。本例では、車両単位処理情報は、車両データ処理装置21ごとに、対象の時間区分で処理された車両データに対応する車両10のうちの車両モデルごとの車両10の台数及び車両データの処理に要した時間を規定した情報である(
図19参照)。
【0141】
CO2排出量算出部3009は、ステップS504の処理が完了すると、ステップS506に進む。
【0142】
ステップS506にて、CO
2排出量算出部3009は、ステップS502,S504で取得した情報に基づき、車両データ処理装置21ごとに、対象の時間区分での車両モデルごとの車両10の1台当たり且つ単位時間当たりCO
2排出量を算出する(
図20参照)。具体的には、CO
2排出量算出部3009は、対象の時間区分での対象の車両データ処理装置21の単位時間当たりのCO
2排出量に、対象の車両モデルの車両10の車両データの処理に要した時間の対象の時間区分の長さに対する比率を乗算する。そして、CO
2排出量算出部3009は、乗算結果を、対象の時間区分で対象の車両データ処理装置21により処理された車両データに対応する車両10のうちの対象の車両モデルの車両10の台数で除算する。これにより、CO
2排出量算出部3009は、対象の時間区分で対象の車両データ処理装置21により処理された車両データに対応する車両10のうちの対象の車両モデルの車両10の1台当たり且つ単位時間当たりのCO
2排出量を算出することができる。
【0143】
CO2排出量算出部3009は、ステップS506の処理が完了すると、CO2排出量通知部3010を呼び出し、CO2排出量通知部3010は、ステップS508を実行する。
【0144】
ステップS508にて、CO2排出量通知部3010は、車両データ処理装置21ごとに、対象の時間区分での車両モデルごとの車両10の1台当たり且つ単位時間当たりCO2排出量をユーザに通知する。例えば、CO2排出量通知部3010は、車両データ処理装置21ごとに、対象の時間区分での車両モデルごとの車両10の1台当たり且つ単位時間当たりCO2排出量を表示装置38に表示させる。また、CO2排出量通知部3010は、車両データ処理装置21ごとに規定される、対象の時間区分での車両モデルごとの車両10の1台当たり且つ単位時間当たりCO2排出量のデータを端末装置40に送信してもよい。また、CO2排出量通知部3010は、車両データ処理装置21ごとに規定される、対象の時間区分での車両モデルごとの車両10の1台当たり且つ単位時間当たりCO2排出量のデータを車両10に送信してもよい。これにより、CO2排出量通知部3010は、表示装置38や端末装置40や表示装置18を通じて、車両データ処理装置21ごとに、対象の時間区分での車両モデルごとの車両10の1台当たり且つ単位時間当たりCO2排出量をユーザに通知することができる。
【0145】
CO2排出量通知部3010は、ステップS508の処理が完了すると、今回のフローチャートの処理を終了する。
【0146】
このように、本例では、解析サーバ30は、車両データ処理装置21ごとに、車両モデルごとの車両10の1台当たり且つ単位時間当たりのCO2排出量を算出し、ユーザに通知することができる。
【0147】
<第3例>
図21は、CO
2排出量算出部3009及びCO
2排出量通知部3010の処理の第3例を概略的に示すフローチャートである。
図22は、車両単位処理情報の第3例を示す図である。
図23は、CO
2排出量算出部3009の算出結果(出力情報)の第3例を示す図である。
【0148】
図21のフローチャートは、例えば、入力装置37や端末装置40を通じてユーザから受け付けられる、クラウドインフラ部分での特定の車両10の車両データに関する処理によるCO
2排出量の通知の要求に応じて実行される。また、上述の如く、解析サーバ30に解析結果の配信を要求する機能や解析結果をユーザに提供する機能が車両10に設けられてもよい。この場合、
図21のフローチャートは、特定の車両10の入力装置17を通じてユーザから受け付けられる、クラウドインフラ部分での当該車両10の車両データに関する処理によるCO2排出量の通知の要求に応じて実行されてもよい。
【0149】
図21に示すように、ステップS602にて、CO
2排出量算出部3009は、CO
2排出量情報3007Aから対象の時間区分での車両データ処理装置21ごとの単位時間当たりのCO
2排出量を取得する。
【0150】
CO2排出量算出部3009は、ステップS602の処理が完了すると、ステップS604に進む。
【0151】
ステップS604にて、CO
2排出量算出部3009は、車両単位処理情報出力部3008から出力される、対象の時間区分での車両単位処理情報を取得する。本例では、車両単位処理情報は、車両データ処理装置21ごとに、対象の時間区分で処理された車両データのうちの特定の車両10の車両データに関する処理に要した時間に関する情報である(
図22参照)。
【0152】
CO2排出量算出部3009は、ステップS604の処理が完了すると、ステップS606に進む。
【0153】
ステップS606にて、CO
2排出量算出部3009は、ステップS602,S604で取得した情報に基づき、対象の時間区分での車両データ処理装置21ごとの特定の車両10の車両データに関する処理による単位時間当たりのCO
2排出量を算出する(
図23参照)。具体的には、CO
2排出量算出部3009は、対象の時間区分での対象の車両データ処理装置21の単位時間当たりのCO
2排出量に、特定の車両10の車両データに関する処理に要した時間の対象の時間区分の長さに対する比率を乗算する。これにより、CO
2排出量算出部3009は、対象の車両データ処理装置21について、対象の時間区分での特定の車両10の車両データに関する処理による単位時間当たりのCO
2排出量を算出することができる。
【0154】
CO2排出量算出部3009は、ステップS606の処理が完了すると、CO2排出量通知部3010を呼び出し、CO2排出量通知部3010は、ステップS608を実行する。
【0155】
ステップS608にて、CO2排出量通知部3010は、対象の時間区分での車両データ処理装置21ごとの特定の車両10の車両データに関する処理による単位時間当たりのCO2排出量をユーザに通知する。具体的には、CO2排出量通知部3010は、対象の時間区分での車両データ処理装置21ごとの特定の車両10の車両データに関する処理によるCO2排出量を表示装置38に表示させる。また、CO2排出量通知部3010は、対象の時間区分での車両データ処理装置21ごとの特定の車両10の車両データに関する処理によるCO2排出量を端末装置40に送信してもよい。また、CO2排出量通知部3010は、対象の時間区分での車両データ処理装置21ごとの特定の車両10の車両データに関する処理によるCO2排出量を車両10に送信してもよい。これにより、CO2排出量通知部3010は、表示装置38や端末装置40や表示装置18を通じて、対象の時間区分での車両データ処理装置21ごとの特定の車両10の車両データに関する処理によるCO2排出量をユーザに通知することができる。
【0156】
CO2排出量通知部3010は、ステップS608の処理が完了すると、今回のフローチャートの処理を終了する。
【0157】
このように、本例では、解析サーバ30は、車両データ処理装置21ごとの特定の車両10の車両データに関する処理による単位時間当たりのCO2排出量を算出し、ユーザに通知することができる。
【0158】
<第4例>
図24は、CO
2排出量算出部3009及びCO
2排出量通知部3010の処理の第4例を概略的に示すフローチャートである。
図25は、車両単位処理情報の第4例を示す図である。
図26は、CO
2排出量算出部3009の算出結果(出力情報)の第4例を示す図である。
【0159】
図24のフローチャートは、例えば、入力装置37や端末装置40を通じてユーザから受け付けられる、クラウドインフラ部分での同一の車両モデルごと且つ稼働状態及び待機状態の別での車両10の1台当たりのCO
2排出量の通知の要求に応じて実行される。また、上述の如く、解析サーバ30に解析結果の配信を要求する機能や解析結果をユーザに提供する機能が車両10に設けられてもよい。この場合、
図24のフローチャートは、特定の車両10の入力装置17を通じてユーザから受け付けられる、クラウドインフラ部分での同一の車両モデルごと且つ稼働状態及び待機状態の別での車両10の1台当たりのCO2排出量の通知の要求に応じて実行されてもよい。
【0160】
図24に示すように、ステップS702にて、CO
2排出量算出部3009は、CO
2排出量情報3007Aから対象の時間区分での車両データ処理装置21ごとの単位時間当たりのCO
2排出量を取得する。
【0161】
CO2排出量算出部3009は、ステップS702の処理が完了すると、ステップS704に進む。
【0162】
ステップS704にて、CO
2排出量算出部3009は、車両単位処理情報出力部3008から出力される、対象の時間区分での車両単位処理情報を取得する。本例では、車両単位処理情報は、車両データ処理装置21ごとに、対象の時間区分で処理された車両データに対応する車両10のうちの同一の車両モデルごと且つ稼働状態及び待機状態の別での台数及び車両データの処理に要した時間を規定した情報である(
図25参照)。
【0163】
CO2排出量算出部3009は、ステップS704の処理が完了すると、ステップS706に進む。
【0164】
ステップS706にて、CO
2排出量算出部3009は、ステップS702,S704で取得した情報に基づき、車両データ処理装置21ごとに、対象の時間区分での車両モデルごと且つ稼働状態及び待機状態の別での車両10の1台当たり且つ単位時間当たりCO
2排出量を算出する(
図26参照)。具体的には、CO
2排出量算出部3009は、対象の時間区分での対象の車両データ処理装置21の単位時間当たりのCO
2排出量に、対象の車両モデル且つ稼働状態の車両10の車両データの処理に要した時間の対象の時間区分の長さに対する比率を乗算する。そして、CO
2排出量算出部3009は、乗算結果を、対象の時間区分で対象の車両データ処理装置21により処理された車両データに対応する車両10のうちの対象の車両モデル且つ稼働状態の車両10の台数で除算する。これにより、CO
2排出量算出部3009は、対象の時間区分で対象の車両データ処理装置21により処理された車両データに対応する車両10のうちの対象の車両モデル且つ稼働状態の車両10の1台当たり且つ単位時間当たりのCO
2排出量を算出することができる。また、同様の方法で、CO
2排出量算出部3009は、対象の時間区分で対象の車両データ処理装置21により処理された車両データに対応する車両10のうちの対象の車両モデル且つ待機状態の車両10の1台当たり且つ単位時間当たりのCO
2排出量を算出することができる。
【0165】
CO2排出量算出部3009は、ステップS706の処理が完了すると、CO2排出量通知部3010を呼び出し、CO2排出量通知部3010は、ステップS708を実行する。
【0166】
ステップS708にて、CO2排出量通知部3010は、車両データ処理装置21ごとに、対象の時間区分での車両モデルごと且つ稼働状態及び待機状態の別での車両10の1台当たり且つ単位時間当たりCO2排出量をユーザに通知する。例えば、CO2排出量通知部3010は、車両データ処理装置21ごとに、対象の時間区分での車両モデルごと且つ稼働状態及び待機状態の別での車両10の1台当たり且つ単位時間当たりCO2排出量を表示装置38に表示させる。また、CO2排出量通知部3010は、車両データ処理装置21ごとに規定される、対象の時間区分での車両モデルごと且つ稼働状態及び待機状態の別での車両10の1台当たり且つ単位時間当たりCO2排出量のデータを端末装置40に送信してもよい。また、CO2排出量通知部3010は、車両データ処理装置21ごとに規定される、対象の時間区分での車両モデルごと且つ稼働状態及び待機状態の別での車両10の1台当たり且つ単位時間当たりCO2排出量のデータを車両10に送信してもよい。これにより、CO2排出量通知部3010は、表示装置38や端末装置40や表示装置18を通じて、車両データ処理装置21ごとに、対象の時間区分での車両モデルごと且つ稼働状態及び待機状態の別での車両10の1台当たり且つ単位時間当たりCO2排出量をユーザに通知することができる。
【0167】
CO2排出量通知部3010は、ステップS708の処理が完了すると、今回のフローチャートの処理を終了する。
【0168】
このように、本例では、解析サーバ30は、車両データ処理装置21ごとに、車両モデルごと且つ稼働状態及び待機状態の別での車両10の1台当たり且つ単位時間当たりのCO2排出量を算出し、ユーザに通知することができる。
【0169】
[他の実施形態]
次に、他の実施形態について説明する。
【0170】
上述の実施形態は、適宜、その内容が組み合わせられてもよいし、変更や変形が加えられてもよい。
【0171】
例えば、上述の実施形態において、データ処理システム20に含まれる車両データ処理装置21は、1つであってもよい。
【0172】
例えば、上述の実施形態やその変形例において、車両データ処理装置21は、他の装置を経由して、車両データを取得してもよい。
【0173】
また、上述の実施形態やその変形例において、車両データ処理構成情報22Aは、解析サーバ30の中の補助記憶装置32等に予め登録(記憶)されていてもよい。
【0174】
また、上述の実施形態やその変形例において、CO2排出量算出部3009は、車両データ処理装置21ごとに、単位時間で処理された車両データに対応する車両10のうちの稼働状態及び待機状態の別での車両10の1台当たり且つ単位時間当たりのCO2排出量を算出してもよい。この場合、車両単位処理情報出力部3008は、車両単位処理情報として、一の時間区分で処理された車両データに対応する車両10のうちの稼働状態の車両10及び待機状態の車両10の別での台数及び車両データの処理に要した時間を規定した情報を出力する。
【0175】
また、上述の実施形態やその変形例において、記憶部3003には、電力使用量推定係数3003Aに代えて、車両データ処理装置21ごとの使用率(負荷率)に応じた電力消費量に関する情報が記憶されていてもよい。例えば、車両データ処理装置21ごとの使用率(負荷率)に応じた電力消費量に関する情報は、車両データ処理装置21ごとの実際のリソースのハードウェア構成が反映され、データ処理システム20から解析サーバ30に予め提供(送信)される。また、車両データ処理装置21ごとの使用率(負荷率)に応じた電力消費量に関する情報は、全ての車両データ処理装置21として一括で或いは車両データ処理装置21ごとに予測されるリソースのハードウェア構成に応じて推測された情報であってもよい。この場合、電力使用量推定部3004は、車両データ処理装置21ごとの使用率(負荷率)に応じた電力消費量に関する情報と、車両データ処理リソース使用情報23Aとに基づき、車両データ処理装置21ごとの単位時間当たりの電力使用量を推定することができる。そのため、記憶部3001及び電力量比率推定部3002は、省略される。
【0176】
また、上述の実施形態やその変形例において、CO2排出量推定係数3005Aは、1つだけ規定されていてもよい。つまり、記憶部3005には、1つのCO2排出量推定係数3005Aのみが記憶されていてもよい。例えば、複数の車両データ処理装置21が同じ場所に設置され、同じ発電事業者からの電力で駆動されている場合や車両データ処理装置21が1つの場合、CO2排出量推定係数3005Aは、一義的に規定されうるからである。また、車両データ処理装置21の設置される国や地域の電源構成や車両データ処理装置21に供給される電力を発電する発電事業者の電源構成が不明の場合、中央値や平均値に相当する1つのCO2排出量推定係数3005Aが用いられうるからである。
【0177】
また、上述の実施形態やその変形例において、CO2排出量通知部3010は、CO2排出量推定部3006により推定される車両データ処理装置21の車両データの処理による単位時間当たりのCO2排出量をユーザに通知してもよい。即ち、CO2排出量通知部3010は、CO2排出量情報3007Aをユーザに通知してもよい。
【0178】
また、上述の実施形態やその変形例において、CO2排出量通知部3010に代えて或いは加えて、CO2排出量情報3007AやCO2排出量算出部3009の算出結果のデータを端末装置40に送信することによりユーザに提供する機能部が設けられてもよい。
【0179】
また、上述の実施形態やその変形例において、CO2排出量通知部3010に代えて或いは加えて、CO2排出量情報3007AやCO2排出量算出部3009の算出結果のデータを用いて、更なる解析を行う機能部が設けられてもよい。
【0180】
また、上述の実施形態やその変形例において、電力使用量推定部3004は、データ処理システム20におけるクラウドインフラ部分(車両データ処理装置21による処理)での電力使用量だけでなく、データ処理システム20における車両10との間の通信部分での電力使用量を推定してもよい。データ処理システム20における車両10との間の通信部分には、データ処理システム20において、車両10からの車両データを受信するための通信ハードウェアが含まれる。また、車両データ処理装置21が車両データを直接受信しない態様の場合、データ処理システム20における車両10との間の通信部分には、車両10から車両データを受信するための処理を行う部分が含まれてもよい。例えば、電力使用量推定部3004は、車両10とデータ処理システム20との間の通信に関するログと、データ処理システム20における車両10との間の通信部分の電力消費に関する基礎情報とに基づき、データ処理システム20における車両10との間の通信部分での単位時間当たりの電力使用量を推定する。車両10とデータ処理システム20との間のログには、例えば、通信対象の車両10のID等の識別情報、及び通信のデータ量等が記録される。この場合、CO2排出量推定部3006は、CO2排出量推定係数3005Aに基づき、データ処理システム20における車両10との間の通信部分での単位時間当たりのCO2排出量を推定してよい。また、この場合、CO2排出量算出部3009は、車両10とデータ処理システム20との間の通信に関するログ等に基づき、データ処理システム20における車両10との間の通信部分での単位時間当たり且つ車両10の1台当たりのCO2排出量を推定してよい。同様に、CO2排出量算出部3009は、車両10とデータ処理システム20との間の通信に関するログ等に基づき、データ処理システム20における車両10との間の通信部分での車両モデルごとの車両10の1台当たり且つ単位時間当たりのCO2排出量を推定してもよい。同様に、CO2排出量算出部3009は、車両10とデータ処理システム20との間の通信に関するログ等に基づき、データ処理システム20における車両10との間の通信部分での特定の車両に関する通信による単位時間当たりのCO2排出量を推定してもよい。同様に、CO2排出量算出部3009は、車両10とデータ処理システム20との間の通信に関するログ等に基づき、データ処理システム20における車両10との間の通信部分での稼働状態及び待機状態の別での車両10の1台当たり且つ単位時間当たりのCO2排出量を推定してもよい。同様に、CO2排出量算出部3009は、車両10とデータ処理システム20との間の通信に関するログ等に基づき、データ処理システム20における車両10との間の通信部分での車両モデルごとの車両10の1台当たり且つ単位時間当たりのCO2排出量を推定してもよい。
【0181】
また、上述の実施形態やその変形例において、電力使用量推定部3004は、複数の車両データ処理装置21の相互間で車両データや加工データの通信を行う通信部分(ハードウェア)での電力使用量を推定してもよい。上述の如く、複数の車両データ処理装置21の相互間で、車両データや加工データのやり取りが行われる場合があるからである。また、例えば、複数の車両データ処理装置21の少なくとも一部が地理的に異なる場所にある状況下では、複数の車両データ処理装置21の通信部分での電力使用量に対応するCO2排出量も考慮された方が好ましいからである。この場合、例えば、記憶装置22には、車両データ処理装置21ごとの、他の車両データ処理装置21との間の車両データの通信に関するリソースのハードウェア構成を表す情報(車両データ通信構成情報)が記憶される。同様に、記憶装置23には、車両データ処理装置21ごとの通信のためのハードウェアリソースの使用負荷状態を表す情報(通信リソース使用情報)が記憶されてよい。記憶装置24には、車両データ処理装置21ごとの、他の車両データ処理装置21との間の車両データや加工データの通信に関するログ(車両データ通信ログ)が記憶されてよい。車両データ通信ログには、例えば、通信対象のデータに対応する車両10のID等の識別情報、送信元及び受信元の車両データ処理装置21のID等の識別情報、及び通信量等が含まれる。例えば、電力使用量推定部3004は、車両データ処理装置21ごとの通信部分の電力消費に関する基礎情報に基づき、複数の車両データ処理装置21の通信部分での単位時間当たりの電力使用量を推定する。この場合、CO2排出量推定部3006は、CO2排出量推定係数3005Aに基づき、複数の車両データ処理装置21の相互間で車両データや加工データの通信を行う通信部分での単位時間当たりのCO2排出量を推定してよい。また、この場合、CO2排出量算出部3009は、車両データ通信ログ等に基づき、複数の車両データ処理装置21の相互間で車両データや加工データの通信を行う通信部分での単位時間当たり且つ車両10の1台当たりのCO2排出量を推定してよい。同様に、CO2排出量算出部3009は、車両データ通信ログ等に基づき、複数の車両データ処理装置21の相互間で車両データや加工データの通信を行う通信部分での車両モデルごとの車両10の1台当たり且つ単位時間当たりのCO2排出量を推定してもよい。同様に、CO2排出量算出部3009は、データ処理システム20との間の通信に関するログ等に基づき、複数の車両データ処理装置21の相互間で車両データや加工データの通信を行う通信部分での特定の車両に関する通信による単位時間当たりのCO2排出量を推定してもよい。同様に、CO2排出量算出部3009は、データ処理システム20との間の通信に関するログ等に基づき、複数の車両データ処理装置21の相互間で車両データや加工データの通信を行う通信部分での稼働状態及び待機状態の別での車両10の1台当たり且つ単位時間当たりのCO2排出量を推定してもよい。同様に、CO2排出量算出部3009は、データ処理システム20との間の通信に関するログ等に基づき、データ処理システム20の通信部分での車両モデルごとの車両10の1台当たり且つ単位時間当たりのCO2排出量を推定してもよい。
【0182】
また、上述の実施形態やその変形例において、解析サーバ30の機能は、複数の情報処理装置(サーバ)により分散して実現されてもよい。
【0183】
[作用]
次に、本実施形態に係る情報処理装置の作用について説明する。
【0184】
本実施形態では、情報処理装置は、第1の取得部と、第1の推定部と、第2の推定部と、を備える。情報処理装置は、例えば、解析サーバ30である。第1の取得部及び第1の推定部は、例えば、電力使用量推定部3004である。第2の推定部は、例えば、CO2排出量推定部3006である。具体的には、第1の取得部は、車両から送信される車両データを取得し処理を行う処理装置の負荷状態に関する情報を取得する。車両は、例えば、車両10である。処理装置は、例えば、車両データ処理装置21である。処理装置の負荷状態に関する情報は、例えば、車両データ処理リソース使用情報23Aである。また、第1の推定部は、第1の取得部により取得される情報に基づき、処理装置の車両データに関する処理による電力使用量を推定する。そして、第2の推定部は、第1の推定部の推定結果の電力使用量に基づき、処理装置の車両データに関する処理による二酸化炭素(CO2)の排出量を推定する。
【0185】
これにより、情報処理装置は、車両からアップロードされる車両データに関する処理を実行するクラウドインフラ部分でのCO2排出量を取得することができる。
【0186】
また、本実施形態では、情報処理装置は、算出部を備えてもよい。算出部は、例えば、CO2排出量算出部3009である。具体的には、処理装置は、複数の車両から送信される車両データを取得し処理を行ってよい。そして、算出部は、第2の推定部の推定結果に基づき、処理装置の車両データに関する処理による、複数の車両の1台当たりの二酸化炭素の排出量を算出してもよい。
【0187】
これにより、情報処理装置は、車両の1台当たりに換算したクラウドインフラ部分でのCO2排出量を取得することができる。
【0188】
また、本実施形態では、情報処理装置は、第2の取得部を備えてもよい。第2の取得部は、例えば、車両単位処理情報出力部3008である。具体的には、第2の取得部は、複数の車両に含まれる同一モデルの車両の車両データに関する処理のための処理装置の使用状況に関する情報を取得してよい。そして、算出部は、第2の取得部により取得される情報と、第2の推定部の推定結果とに基づき、処理装置の車両データに関する処理による、複数の車両のうちの同一モデルの車両の1台当たりの二酸化炭素の排出量を算出してもよい。
【0189】
これにより、情報処理装置は、同一モデルの車両の1台当たりに換算したクラウドインフラ部分でのCO2排出量を取得することができる。
【0190】
また、本実施形態では、情報処理装置は、第3の取得部を備えてもよい。第3の取得部は、例えば、車両単位処理情報出力部3008である。複数の車両に含まれる、稼働中の車両、及び待機中の車両のそれぞれの車両データに関する処理のための処理装置の使用状況に関する情報を取得してよい。そして、算出部は、第3の取得部により取得される情報と、第2の推定部の推定結果とに基づき、処理装置の車両データに関する処理による、複数の車両のうちの稼働中の車両、及び待機中の車両のそれぞれの1台当たりの二酸化炭素の排出量を算出してもよい。
【0191】
これにより、情報処理装置は、稼働中の車両及び待機中の車両のそれぞれの1台当たりに換算したクラウドインフラ部分でのCO2排出量を取得することができる。
【0192】
また、本実施形態では、情報処理装置は、第4の取得部と、算出部と、を備えてもよい。第4の取得部は、例えば、車両単位処理情報出力部3008である。算出部は、例えば、CO2排出量算出部3009である。具体的には、処理装置は、複数の車両から送信される車両データを取得し処理を行ってよい。また、第4の取得部は、複数の車両に含まれる、特定の車両の車両データに関する処理の処理装置の使用状況に関する情報を取得してよい。そして、算出部は、第4の取得部により取得される情報と、第2の推定部の推定結果とに基づき、処理装置の車両データに関する処理による特定の車両の二酸化炭素の排出量を算出してもよい。
【0193】
これにより、情報処理装置は、特定の車両の車両データの処理によるクラウドインフラ部分でのCO2排出量を取得することができる。
【0194】
また、本実施形態では、情報処理装置は、通知部を備えてもよい。通知部は、例えば、CO2排出量通知部3010である。具体的には、通知部は、算出部の算出結果をユーザに通知してよい。
【0195】
これにより、情報処理装置は、クラウドインフラ部分での車両の単位でのCO2排出量をユーザに通知することができる。
【0196】
また、本実施形態では、情報処理装置は、第5の取得部を備えてもよい。第5の取得部は、例えば、電力量比率推定部3002である。具体的には、第1の取得部は、それぞれが車両データを取得し処理を行う、複数の処理装置のそれぞれの負荷状態に関する情報を取得してよい。また、第5の取得部は、複数の処理装置のそれぞれのリソースの構成に関する情報を取得してよい。そして、第1の推定部は、第1の取得部により取得される情報と、第5の取得部により取得される情報とに基づき、複数の処理装置ごとの車両データに関する処理による電力使用量を推定してもよい。
【0197】
これにより、情報処理装置は、複数の処理装置ごとのリソースの構成に応じて、複数の処理装置ごとの電力使用量を推定することができる。そのため、情報処理装置は、複数の処理装置ごとの電力使用量の推定精度を向上させることができる。よって、情報処理装置は、クラウドインフラ部分でのCO2排出量の推定精度を向上させることができる。
【0198】
また、本実施形態では、情報処理装置は、記憶部を備えてもよい。記憶部は、例えば、記憶部3005である。具体的には、第2の記憶部は、電力量をその電力量が発電される際の二酸化炭素の排出量に換算する係数を複数記憶してよい。係数は、例えば、CO2排出量推定係数3005Aである。そして、第2の推定部は、第1の推定部の推定結果と、記憶部の複数の係数の中から選択される一の係数とに基づき、処理装置の車両データに関する処理による二酸化炭素の排出量を推定してもよい。
【0199】
これにより、情報処理装置は、例えば、処理装置に供給される電力がどのような電源構成で発電されているかを考慮して、複数の係数の中から一の係数を選択することができる。そのため、情報処理装置は、クラウドインフラ部分でのCO2排出量の推定精度を向上させることができる。
【0200】
また、本実施形態では、上述の複数の係数は、処理装置が設置されている国又は地域、及び処理装置のための電力を発電する発電事業者の少なくとも一つに関する複数の区分によって規定されてもよい。
【0201】
これにより、情報処理装置は、処理装置が設置されている国或いは地域や処理装置のための電力を発電する発電事業者に合わせて、複数の係数の中から一の係数を選択することができる。そのため、情報処理装置は、処理装置が設置されている国或いは地域や処理装置のための電力を発電する発電事業者の電源構成に合わせて、処理装置の車両データの処理によるCO2排出量を推定することができる。よって、情報処理装置は、クラウドインフラ部分でのCO2排出量の推定精度を向上させることができる。
【0202】
以上、実施形態について詳述したが、本開示はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された要旨の範囲内において、種々の変形・改良が可能である。
【符号の説明】
【0203】
1 解析システム
10 車両
20 データ処理システム
21 車両データ処理装置
22 記憶装置
22A 車両データ処理構成情報
23 記憶装置
23A 車両データ処理リソース使用情報
24 記憶装置
24A 車両データ処理ログ
30 解析サーバ
3001 記憶部
3001A 電力量比率基礎情報
3002 電力量比率推定部
3003 記憶部
3003A 電力使用量推定係数
3004 電力使用量推定部
3005 記憶部
3005A CO2排出量推定係数
3006 CO2排出量推定部
3007 記憶部
3007A CO2排出量情報
3008 車両単位処理情報出力部
3009 CO2排出量算出部
3010 CO2排出量通知部