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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062267
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】試験片ボトル保持装置及び検体分析機
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/02 20060101AFI20240430BHJP
【FI】
G01N35/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170146
(22)【出願日】2022-10-24
(71)【出願人】
【識別番号】591029518
【氏名又は名称】テラメックス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000120456
【氏名又は名称】栄研化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 達也
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058BB03
2G058BB07
2G058CB09
2G058CC09
2G058CF01
2G058EA11
2G058GA01
(57)【要約】
【課題】支持部にセットされた試験片ボトルの中に空気中の水分が入り込みにくい試験片ボトル保持装置及び検体分析機を提供する。
【解決手段】試験片を収容する試験片ボトル10がセットされる支持部と、試験片ボトル10が支持部にセットされた状態において、試験片ボトル10の上端に形成された開口10aに当接することにより開口10aを塞ぐことが可能な蓋部13と、蓋部13を開口10aに近接する側へ付勢する付勢部14と、付勢部14の付勢力に抗して蓋部13を開口10aから離間する側へ移動可能な開機構Eと、付勢部14の付勢力により蓋部13が開口10aに当接した際、蓋部13が開口10aの開口面に対して平行でない姿勢である場合に、開口面に対する蓋部13の傾きを吸収する吸収機構Gと、を備える。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験片を収容する試験片ボトルがセットされる支持部と、
前記試験片ボトルが前記支持部にセットされた状態において、前記試験片ボトルの上端に形成された開口に当接することにより前記開口を塞ぐことが可能な蓋部と、
前記蓋部を前記開口に近接する側へ付勢する付勢部と、
前記付勢部の付勢力に抗して前記蓋部を前記開口から離間する側へ移動可能な開機構と、
前記付勢部の付勢力により前記蓋部が前記開口に当接した際、前記蓋部が前記開口の開口面に対して平行でない姿勢である場合に、前記開口面に対する前記蓋部の傾きを吸収する吸収機構と、を備える試験片ボトル保持装置。
【請求項2】
前記吸収機構は、前記支持部にセットされた前記試験片ボトルの前記開口面に対して平行に延びると共に前記蓋部に連結された支持軸と、前記支持軸を支持する軸受部と、を有しており、
前記蓋部は、前記支持軸を中心に揺動可能であり、
前記軸受部は、前記試験片ボトルに対して前記支持軸が径方向に移動することを許容する状態で前記支持軸を支持しており、
前記吸収機構は、前記付勢部の付勢力により前記蓋部が前記開口に当接した際、前記蓋部が前記開口面に対して平行でない姿勢である場合に、前記試験片ボトルに対して前記支持軸が径方向に移動することを許容することにより、前記開口面に対する前記蓋部の傾きを吸収する請求項1に記載の試験片ボトル保持装置。
【請求項3】
前記開機構は、前記支持軸に連結されると共に前記支持軸を中心に揺動可能な操作部と、回転することにより前記操作部を押圧可能なカム機構と、を有しており、
前記操作部が前記カム機構によって押圧されることにより、前記蓋部が、前記付勢部の付勢力に抗して前記開口から離間する側へ移動する請求項2に記載の試験片ボトル保持装置。
【請求項4】
前記蓋部に、前記試験片ボトルの内部空間の除湿を行う除湿部が設けられている請求項1に記載の試験片ボトル保持装置。
【請求項5】
前記蓋部は、前記開機構によって前記開口から離間する側へ移動した状態において、前記試験片ボトルに当接しない請求項1に記載の試験片ボトル保持装置。
【請求項6】
前記蓋部のうち前記開口に当接する部分は弾性体により構成されている請求項1に記載の試験片ボトル保持装置。
【請求項7】
請求項1から6の何れか一項に記載の試験片ボトル保持装置を備える検体分析機であって、
前記支持部を移動させることにより、前記試験片ボトルを、前記試験片ボトルからの前記試験片の取り出しが行われる使用位置と、前記試験片ボトルからの前記試験片の取り出しが行われない退避位置と、の間で移動可能な移動機構と、
前記移動機構及び前記開機構を制御する機構制御部と、を備え、
前記蓋部は、前記試験片ボトルが前記退避位置に位置しているときに前記開口を塞ぐことが可能であるように構成されており、
前記機構制御部は、前記試験片ボトルが前記使用位置に位置しているとき、所定条件が満たされた場合、前記試験片ボトルが前記退避位置へ移動すると共に前記蓋部が前記開口を塞ぐように、前記移動機構及び前記開機構を制御する検体分析機。
【請求項8】
検体の存否を検知する検知部を備え、
前記所定条件は、前記検知部によって前記検体の存在が検知されないことである請求項7に記載の検体分析機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験片ボトル保持装置及び検体分析機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、試験片を収容する試験片ボトルがセットされる支持部を備える試験片ボトル保持装置が記載されている。この試験片ボトル保持装置における支持部は、試験片ボトルが垂直姿勢から約20~30度傾斜した状態で、セットされた試験片ボトルを支持する。
【0003】
尚、一般に、試験片ボトルの上端には開口が形成されている。ユーザーは、当該開口を通して、試験片ボトルの中の試験片を取り出すことができる。また、試験片ボトルは、当該開口を塞ぐキャップが取り付けられた状態で市販されている。試験片ボトルは、当該キャップが取り外された状態で支持部にセットされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6255198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の試験片ボトル保持装置では、キャップが取り外されて開口が開放された状態の試験片ボトルが支持部にセットされている場合、空気中の水分が開口を通して試験片ボトルの中に入り込みがちである。その結果、試験片ボトルに収容されている試験片の試薬層に、当該水分が作用してしまいがちである。
【0006】
本発明の目的は、支持部にセットされた試験片ボトルの中に空気中の水分が入り込みにくい試験片ボトル保持装置及び検体分析機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る試験片ボトル保持装置の特徴は、試験片を収容する試験片ボトルがセットされる支持部と、前記試験片ボトルが前記支持部にセットされた状態において、前記試験片ボトルの上端に形成された開口に当接することにより前記開口を塞ぐことが可能な蓋部と、前記蓋部を前記開口に近接する側へ付勢する付勢部と、前記付勢部の付勢力に抗して前記蓋部を前記開口から離間する側へ移動可能な開機構と、前記付勢部の付勢力により前記蓋部が前記開口に当接した際、前記蓋部が前記開口の開口面に対して平行でない姿勢である場合に、前記開口面に対する前記蓋部の傾きを吸収する吸収機構と、を備えることにある。
【0008】
本構成によれば、蓋部により、支持部にセットされている試験片ボトルの開口を塞ぐことができる。さらに、吸収機構により、開口の開口面に対する蓋部の傾きが吸収される。これにより、蓋部を、開口面に対して平行な姿勢で、開口に当接させることができる。そのため、蓋部が開口を塞いでいる状態において、蓋部と開口との間に隙間ができにくい。従って、蓋部が開口を塞いでいる状態において、支持部にセットされた試験片ボトルの中に空気中の水分が入り込みにくい。
【0009】
即ち、本構成によれば、支持部にセットされた試験片ボトルの中に空気中の水分が入り込みにくい試験片ボトル保持装置を実現できる。また、本構成による試験片ボトル保持装置を備える検体分析機についても、同様に、支持部にセットされた試験片ボトルの中に空気中の水分が入り込みにくい。
【0010】
さらに、本発明において、前記吸収機構は、前記支持部にセットされた前記試験片ボトルの前記開口面に対して平行に延びると共に前記蓋部に連結された支持軸と、前記支持軸を支持する軸受部と、を有しており、前記蓋部は、前記支持軸を中心に揺動可能であり、前記軸受部は、前記試験片ボトルに対して前記支持軸が径方向に移動することを許容する状態で前記支持軸を支持しており、前記吸収機構は、前記付勢部の付勢力により前記蓋部が前記開口に当接した際、前記蓋部が前記開口面に対して平行でない姿勢である場合に、前記試験片ボトルに対して前記支持軸が径方向に移動することを許容することにより、前記開口面に対する前記蓋部の傾きを吸収すると好適である。
【0011】
本構成によれば、比較的シンプルな構造により、吸収機構を設けることができる。これにより、吸収機構が比較的複雑な構造である場合に比べて、吸収機構のメンテナンス性が良好になりやすい。
【0012】
さらに、本発明において、前記開機構は、前記支持軸に連結されると共に前記支持軸を中心に揺動可能な操作部と、回転することにより前記操作部を押圧可能なカム機構と、を有しており、前記操作部が前記カム機構によって押圧されることにより、前記蓋部が、前記付勢部の付勢力に抗して前記開口から離間する側へ移動すると好適である。
【0013】
本構成によれば、開機構を作動させるための動力源(例えば電気モータ)からの動力によって、カム機構が回転する構成を実現できる。この構成であれば、当該動力源と、支持軸と、が直接的には連結されないため、当該動力源と、支持軸と、の相対的な位置関係の変化が許容される。即ち、支持軸が径方向に移動する際に、当該動力源を支持軸と共に移動させる必要がない。これにより、支持軸が径方向に移動する際に当該動力源を支持軸と共に移動させる必要がある構成に比べて、試験片ボトル保持装置の構造がシンプルになりやすい。
【0014】
さらに、本発明において、前記蓋部に、前記試験片ボトルの内部空間の除湿を行う除湿部が設けられていると好適である。
【0015】
本構成によれば、蓋部によって開口が塞がれた時点で試験片ボトルの中に存在する空気中の水分が、除湿部によって取り除かれる。これにより、当該水分が、試験片ボトルに収容されている試験片の試薬層に作用しにくい。
【0016】
さらに、本発明において、前記蓋部は、前記開機構によって前記開口から離間する側へ移動した状態において、前記試験片ボトルに当接しないと好適である。
【0017】
本構成によれば、蓋部が開機構によって開口から離間する側へ移動した状態において、試験片ボトルの移動が蓋部によって阻害されにくい。
【0018】
例えば、蓋部が開機構によって開口から離間する側へ移動した状態において、ユーザーが試験片ボトルを支持部から取り出す場合、蓋部が試験片ボトルに当接していないため、試験片ボトルの取り出しが蓋部によって阻害されにくい。
【0019】
また、例えば、蓋部が開機構によって開口から離間する側へ移動した状態において、支持部にセットされた状態の試験片ボトルが水平方向に移動可能な構成である場合、蓋部が試験片ボトルに当接していないため、試験片ボトルの水平移動が蓋部によって阻害されにくい。
【0020】
さらに、本発明において、前記蓋部のうち前記開口に当接する部分は弾性体により構成されていると好適である。
【0021】
本構成によれば、蓋部が開口を塞いでいる状態において、蓋部のうち開口に当接する部分が、開口に密着しやすい。これにより、蓋部が開口を塞いでいる状態において、蓋部と開口との間に隙間ができにくい。
【0022】
本発明に係る検体分析機の特徴は、上述の試験片ボトル保持装置のうちの何れかを備える検体分析機であって、前記支持部を移動させることにより、前記試験片ボトルを、前記試験片ボトルからの前記試験片の取り出しが行われる使用位置と、前記試験片ボトルからの前記試験片の取り出しが行われない退避位置と、の間で移動可能な移動機構と、前記移動機構及び前記開機構を制御する機構制御部と、を備え、前記蓋部は、前記試験片ボトルが前記退避位置に位置しているときに前記開口を塞ぐことが可能であるように構成されており、前記機構制御部は、前記試験片ボトルが前記使用位置に位置しているとき、所定条件が満たされた場合、前記試験片ボトルが前記退避位置へ移動すると共に前記蓋部が前記開口を塞ぐように、前記移動機構及び前記開機構を制御することにある。
【0023】
本構成によれば、所定条件が満たされた場合、自動的に、試験片ボトルが退避位置へ移動すると共に、蓋部によって開口が塞がれる。これにより、所定条件を適宜設定すれば、試験片ボトルからの試験片の取り出しが行われない状況となったときに、自動的に、試験片ボトルが退避位置へ移動すると共に、蓋部によって開口が塞がれる構成を実現できる。
【0024】
これにより、試験片ボトルからの試験片の取り出しが行われない状況となったときに、支持部にセットされた試験片ボトルの中に空気中の水分が入り込むことを防ぐため、開口を塞ぐキャップを試験片ボトルに取り付ける必要がない。その結果、検体分析機の運用にかかる労力を軽減できる。
【0025】
さらに、本発明において、検体の存否を検知する検知部を備え、前記所定条件は、前記検知部によって前記検体の存在が検知されないことであると好適である。
【0026】
本構成によれば、検体が存在しない状態となったとき、自動的に、試験片ボトルが退避位置へ移動すると共に、蓋部によって開口が塞がれる。これにより、検体が存在しない状態となったときに、支持部にセットされた試験片ボトルの中に空気中の水分が入り込むことを防ぐため、開口を塞ぐキャップを試験片ボトルに取り付ける必要がない。その結果、検体分析機の運用にかかる労力を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】検体分析機の正面図である。
図2】検体分析機の左側面図である。
図3】検体分析機の内部構造を示す縦断右側面図である。
図4】検体分析機の内部構造を示す横断平面図である。
図5】移動機構等の構成を示す縦断背面図である。
図6】開機構等の構成を示す縦断左側面図である。
図7】吸収機構等の構成を示す縦断左側面図である。
図8】吸収機構等の構成を示す縦断左側面図である。
図9】機構制御部に関する構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。尚、以下の説明においては、特に断りがない限り、図中の矢印Fの方向を「前」、矢印Bの方向を「後」として、図中の矢印Lの方向を「左」、矢印Rの方向を「右」とする。また、図中の矢印Uの方向を「上」、矢印Dの方向を「下」とする。
【0029】
〔検体分析機の全体構成〕
図1に示す検体分析機1は、尿等の液状の検体に含まれるもの(例えば、ブドウ糖及び蛋白質等)の濃度、並びに検体の比重を検査する装置である。図1及び図2に示すように、検体分析機1は、検体搬送装置2、表示部3、警告灯4を備えている。また、図3に示すように、検体分析機1は、検体処理装置6を備えている。
【0030】
検体搬送装置2は、搬送台5の搬入位置から、検体処理装置6の下方の採取位置を経由し、搬送台5の搬出位置まで、一つまたは複数のスピッツ管7を搬送する。尚、本実施形態において、搬送台5の搬入位置は、検体搬送装置2の上面における左端部である。また、搬送台5の搬出位置は、検体搬送装置2の上面における右端部である。
【0031】
各スピッツ管7には、それぞれ、検体が入れられている。図1及び図2に示すように、各スピッツ管7は搬送台5に立て掛けられた状態で、右方へ搬送される。
【0032】
表示部3は、例えば、液晶ディスプレイにより構成されたタッチパネルであっても良い。表示部3は、各種情報を表示することができる。また、ユーザーは、表示部3をタッチ操作することにより、検体分析機1に所定の処理(例えば、スピッツ管7に入れられた検体の分析を開始させること)を実行させることができる。
【0033】
警告灯4は、例えば、アクリル棒のような透明体により構成されていても良い。警告灯4は、光を発することにより、検体分析機1の運転状況をユーザーに報知する。
【0034】
図3及び図4に示すように、検体分析機1は、試験片ボトル保持装置8及び試験片搬送装置9を備えている。試験片ボトル保持装置8には、試験片ボトル10がセットされる。試験片ボトル10は、一つまたは複数の試験片11を収容している。
【0035】
試験片11は、基部11a及び複数の試薬層11bを有している。基部11aは、細長い板状であり、乳白色のプラスチック製スティックにより構成されている。複数の試薬層11bは、基部11aにおける一方側の面に固定されている。複数の試薬層11bは、基部11aの長手方向に沿って一列に並んでいる。
【0036】
また、検体分析機1は、試験片取り出し装置(図示せず)を備えている。試験片取り出し装置は、試験片ボトル保持装置8にセットされている試験片ボトル10から試験片11を取り出し、試験片搬送装置9の上面における右側部分に載置するように構成されている。
【0037】
試験片搬送装置9は、試験片搬送装置9の上面に載置された試験片11を左方へ搬送するように構成されている。即ち、試験片搬送装置9は、試験片11を支持した状態で、試験片11を搬送する。このように、検体分析機1は、試験片11を支持する試験片搬送装置9を備えている。
【0038】
検体処理装置6は、上述の採取位置に位置するスピッツ管7から検体を採取する。さらに、検体処理装置6は、採取した検体を、試験片搬送装置9の上面に載置された試験片11の各試薬層11bに滴下する。
【0039】
図3に示すように、検体分析機1は、測定機構16を備えている。測定機構16は、試験片搬送装置9の上方に配置されている。測定機構16は、試験片搬送装置9により支持されている試験片11に対する光学測定を行う。より具体的には、測定機構16は、試験片搬送装置9の上面に載置された試験片11(検体が滴下された試薬層11b)を上側から撮像する。
【0040】
また、検体分析機1の前部には、検知部17が設けられている。検知部17は、検知部17の前方にスピッツ管7が存在するか否かを検知する。これにより、検知部17は、検体の存否を検知する。即ち、検体分析機1は、検体の存否を検知する検知部17を備えている。
【0041】
また、図2に示すように、検体分析機1における左部の外装のうち、試験片搬送装置9に対向する位置に、着脱可能なカバーYが設けられている。
【0042】
〔移動機構〕
図5及び図6に示すように、試験片ボトル保持装置8は、支持部20及び移動機構Aを有している。支持部20には、三つのボトル穴20aが形成されている。三つのボトル穴20aは、左右方向に一列に並んでいる。
【0043】
各ボトル穴20aには、試験片ボトル10を一つずつセットすることができる。即ち、支持部20には、試験片ボトル10がセットされる。このように、試験片ボトル保持装置8は、試験片11を収容する試験片ボトル10がセットされる支持部20を備えている。
【0044】
尚、図5に示すように、支持部20には、キャップが取り外された状態の試験片ボトル10がセットされる。試験片ボトル10の上端には、開口10aが形成されている。上述の試験片取り出し装置は、試験片ボトル10の中から、開口10aを通して、試験片11を取り出す。
【0045】
移動機構Aは、支持部20を、図5に実線で示す位置と、仮想線で示す位置と、の間で左右方向に移動可能に構成されている。
【0046】
詳述すると、図5及び図6に示すように、移動機構Aは、レール21、スライド部22、ベルト23、移動用モータ24を有している。レール21は、左右方向に延びている。スライド部22は、レール21に沿って左右方向にスライド移動可能に構成されている。支持部20は、鉛直方向に対して後側へ傾いた姿勢で、スライド部22に固定されている。そのため、支持部20にセットされている試験片ボトル10は、後上がりに傾いた姿勢である。
【0047】
スライド部22は、ベルト23に固定されている。ベルト23は、移動用モータ24によって回転駆動する。
【0048】
以上の構成により、移動用モータ24が一方の回転方向(例えば正転方向)で駆動すると、スライド部22と共に支持部20が左方へ移動する。また、移動用モータ24が他方の回転方向(例えば逆転方向)で駆動すると、スライド部22と共に支持部20が右方へ移動する。これにより、移動機構Aは、支持部20を左右方向に移動させる。
【0049】
図5に示すように、支持部20が左右方向に移動することに伴い、支持部20にセットされている試験片ボトル10も左右方向に移動することとなる。以下では、試験片ボトル10の位置について詳述する。
【0050】
図5には、第1位置P1、第2位置P2、第3位置P3、第4位置P4、第5位置P5、第6位置P6が示されている。また、図5に示す例では、支持部20に三つの試験片ボトル10がセットされている。
【0051】
これら三つの試験片ボトル10のうち、最も左側に位置する試験片ボトル10は、支持部20の移動に伴い、第1位置P1と第4位置P4との間で移動する。尚、移動機構Aは、当該試験片ボトル10が、第1位置P1、第2位置P2、第3位置P3、第4位置P4の何れの位置にも停止できるように、支持部20を移動可能である。
【0052】
また、これら三つの試験片ボトル10のうち、中央に位置する試験片ボトル10は、支持部20の移動に伴い、第2位置P2と第5位置P5との間で移動する。尚、移動機構Aは、当該試験片ボトル10が、第2位置P2、第3位置P3、第4位置P4、第5位置P5の何れの位置にも停止できるように、支持部20を移動可能である。
【0053】
また、これら三つの試験片ボトル10のうち、最も右側に位置する試験片ボトル10は、支持部20の移動に伴い、第3位置P3と第6位置P6との間で移動する。尚、移動機構Aは、当該試験片ボトル10が、第3位置P3、第4位置P4、第5位置P5、第6位置P6の何れの位置にも停止できるように、支持部20を移動可能である。
【0054】
図5に示すように、第1位置P1、第2位置P2、第3位置P3は、何れも、退避位置Q1である。退避位置Q1とは、試験片取り出し装置による試験片ボトル10からの試験片11の取り出しが行われない位置である。
【0055】
また、第4位置P4は、使用位置Q2である。使用位置Q2とは、試験片取り出し装置による試験片ボトル10からの試験片11の取り出しが行われる位置である。
【0056】
即ち、移動機構Aは、支持部20を移動させることにより、図5に示す三つの試験片ボトル10を、使用位置Q2と、退避位置Q1と、の間で移動可能である。このように、検体分析機1は、支持部20を移動させることにより、試験片ボトル10を、試験片ボトル10からの試験片11の取り出しが行われる使用位置Q2と、試験片ボトル10からの試験片11の取り出しが行われない退避位置Q1と、の間で移動可能な移動機構Aを備えている。
【0057】
尚、図5に示すように、本実施形態において、試験片ボトル保持装置8は、二つのカバー部12を有している。二つのカバー部12のうちの一方は第5位置P5に対応する位置に配置されており、他方は第6位置P6に対応する位置に配置されている。
【0058】
カバー部12の下方に試験片ボトル10が位置しているとき、当該試験片ボトル10の開口10aが、当該カバー部12によって上側から覆われる。尚、カバー部12を開閉するための装置等は備えられておらず、カバー部12は開閉しない。カバー部12は、一定の姿勢に固定されていても良いし、所定範囲の姿勢変化が許容される状態で設けられていても良い。カバー部12は、後述の蓋部13に比べて簡易的な構造を有している。
【0059】
〔蓋部及び付勢部〕
図5及び図6に示すように、試験片ボトル保持装置8は、複数の蓋部13と、複数の付勢部14と、を有している。特に限定されないが、本実施形態において、蓋部13の個数は三つであり、付勢部14の個数は六つである。
【0060】
三つの蓋部13は、それぞれ、第1位置P1、第2位置P2、第3位置P3に対応する位置に配置されている。また、一つの蓋部13に対して、二つの付勢部14が取り付けられている。
【0061】
蓋部13は、試験片ボトル10が支持部20にセットされた状態において、当該試験片ボトル10の開口10aに当接することにより開口10aを塞ぐことが可能であるように構成されている。このように、試験片ボトル保持装置8は、試験片ボトル10が支持部20にセットされた状態において、試験片ボトル10の上端に形成された開口10aに当接することにより開口10aを塞ぐことが可能な蓋部13を備えている。尚、三つの蓋部13は、互いに同一の構造を有している。
【0062】
また、この構成により、蓋部13は、試験片ボトル10が退避位置Q1に位置しているときに開口10aを塞ぐことが可能であるように構成されている。
【0063】
図6に示すように、蓋部13は、支持軸31に連結されている。尚、蓋部13と支持軸31とは一体的に形成されていても良いし、互いに別体であっても良い。支持軸31は、左右の軸受部32に亘る状態で、左右方向に延びている。これにより、支持軸31は、支持部20にセットされた試験片ボトル10の開口10aの開口面に対して平行に延びている。
【0064】
本実施形態においては、図4に示すように、三つの蓋部13に対応して、三つの支持軸31と、三組の左右の軸受部32と、が設けられている。
【0065】
左の軸受部32は、蓋部13の左端部に対応する位置に設けられている。右の軸受部32は、蓋部13の右端部に対応する位置に設けられている。そして、支持軸31は、左右の軸受部32に支持されている。蓋部13は、支持軸31を中心に、上下に揺動可能である。
【0066】
図7に示すように、蓋部13のうち開口10aに当接する部分には、弾性部13aが設けられている。弾性部13aは、弾性体(例えばゴム等)により構成されている。このように、蓋部13のうち開口10aに当接する部分は弾性体により構成されている。
【0067】
付勢部14は、蓋部13を開口10aに近接する側へ付勢するように構成されている。このように、試験片ボトル保持装置8は、蓋部13を開口10aに近接する側へ付勢する付勢部14を備えている。
【0068】
尚、図6に示すように、本実施形態において、付勢部14は、蓋部13のうち、前後方向における中央部13bに取り付けられている。これにより、付勢部14は、蓋部13のうち、前後方向における中央部13bを、開口10aに近接する側へ付勢するように構成されている。
【0069】
〔開機構〕
図5及び図6に示すように、試験片ボトル保持装置8は、開機構Eを備えている。開機構Eは、付勢部14の付勢力に抗して蓋部13を開口10aから離間する側へ移動可能に構成されている。即ち、試験片ボトル保持装置8は、付勢部14の付勢力に抗して蓋部13を開口10aから離間する側へ移動可能な開機構Eを備えている。以下では、開機構Eについて詳述する。
【0070】
開機構Eは、カム用モータ33、ベルト34、カム機構35、アーム部36(本発明に係る「操作部」に相当)を有している。
【0071】
図6に示すように、アーム部36は、支持軸31に連結されている。本実施形態においては、三つの支持軸31(図4参照)に対応して、三つのアーム部36が設けられている。アーム部36は、支持軸31から下側へ延びている。尚、アーム部36と支持軸31とは一体的に形成されていても良いし、互いに別体であっても良い。アーム部36は、支持軸31を中心に、前後に揺動可能である。
【0072】
図6に示すように、カム機構35は、カム軸35a及びカム部材35bを有している。カム部材35bは、カム軸35aに固定されている。また、カム部材35bは、アーム部36に当接している。
【0073】
尚、本実施形態では、図4に示すように、一つのカム軸35aに、三つのカム部材35bが固定されている。三つのカム部材35bは、三つのアーム部36に対応して設けられている。
【0074】
図6に示すように、カム部材35bは、側面視(カム軸35aの軸芯方向視)で円形の形状を有している。尚、本発明はこれに限定されず、カム部材35bは、側面視で円形でない形状(例えば卵型の形状)を有していても良い。
【0075】
カム用モータ33の駆動力は、ベルト34を介して、カム軸35aに伝達される。これにより、カム軸35aとカム部材35bとは一体的に回転する。また、側面視において、カム軸35aの位置は、カム部材35bの中心位置からずれている。そのため、側面視におけるカム軸35aの軸芯位置からカム部材35bとアーム部36との当接位置までの距離(以下、「有効距離」と呼称する)は、カム軸35aの回転に伴って、第1距離D1と第2距離D2との間で周期的に増減する。尚、第1距離D1は、「有効距離」の最大値である。また、第2距離D2は、「有効距離」の最小値である。
【0076】
以上の構成により、カム機構35は、回転することによってアーム部36を後側へ押圧可能である。このように、開機構Eは、支持軸31に連結されると共に支持軸31を中心に揺動可能なアーム部36と、回転することによりアーム部36を押圧可能なカム機構35と、を有している。
【0077】
上述の「有効距離」が増大すると、図6に示すように、アーム部36がカム機構35によって押圧されることとなる。アーム部36がカム機構35によって押圧されることにより、蓋部13が、付勢部14の付勢力に抗して開口10aから離間する側へ移動することとなる。
【0078】
上述の「有効距離」が第1距離D1であるとき、蓋部13は、試験片ボトル10に当接しない。このように、蓋部13は、開機構Eによって開口10aから離間する側へ移動した状態において、試験片ボトル10に当接しない。
【0079】
また、上述の「有効距離」が減少していくに伴って、付勢部14の付勢力により、アーム部36が前側へ押し返される。そして、「有効距離」が第2距離D2となると、蓋部13によって開口10aが塞がれた状態となる。
【0080】
〔吸収機構〕
図6から図8に示すように、試験片ボトル保持装置8は、吸収機構Gを備えている。吸収機構Gは、付勢部14の付勢力により蓋部13が開口10aに当接した際、蓋部13が開口10aの開口面に対して平行でない姿勢である場合に、開口10aの開口面に対する蓋部13の傾きを吸収するように構成されている。即ち、試験片ボトル保持装置8は、付勢部14の付勢力により蓋部13が開口10aに当接した際、蓋部13が開口10aの開口面に対して平行でない姿勢である場合に、開口面に対する蓋部13の傾きを吸収する吸収機構Gを備えている。以下では、吸収機構Gについて詳述する。
【0081】
上述の支持軸31及び軸受部32は、吸収機構Gに含まれている。即ち、吸収機構Gは、支持部20にセットされた試験片ボトル10の開口10aの開口面に対して平行に延びると共に蓋部13に連結された支持軸31と、支持軸31を支持する軸受部32と、を有している。
【0082】
図6から図8に示すように、軸受部32には、軸受部32を左右方向に貫通する孔部32aが形成されている。支持軸31は、孔部32aに挿入されている。これにより、支持軸31は、軸受部32に支持されている。
【0083】
孔部32aは、側面視における支持軸31の外形(大きさ)に対して、上下方向に余裕のある形状を有している。これにより、支持軸31は、軸受部32に対して径方向に移動可能である。より具体的には、支持軸31は、軸受部32に対して上下方向に移動可能である。
【0084】
この構成により、軸受部32は、試験片ボトル10に対して支持軸31が径方向に移動することを許容する状態で支持軸31を支持している。
【0085】
以下では、図7及び図8を参照して、蓋部13によって試験片ボトル10の開口10aが塞がれる際の吸収機構Gの作用について説明する。
【0086】
図7では、開機構Eによって開口10aから離間する側へ移動した状態の蓋部13が、実線で示されている。この状態において、上述の「有効距離」は、第1距離D1である。以下では、この状態を「全開状態」と呼称する。
【0087】
また、図7では、蓋部13が開口10aの開口面に対して平行でない姿勢で開口10aにおける所定箇所10bに当接した状態の蓋部13が、仮想線で示されている。以下では、この状態を「片当たり状態」と呼称する。尚、図8において仮想線で示されている蓋部13も、「片当たり状態」である。
【0088】
また、図8では、蓋部13が開口10aの開口面に対して平行な姿勢で開口10aに当接した状態の蓋部13が、実線で示されている。この状態において、上述の「有効距離」は、第2距離D2である。以下では、この状態を「全閉状態」と呼称する。
【0089】
蓋部13によって試験片ボトル10の開口10aが塞がれる際には、まず、図7に示すように、蓋部13が支持軸31を中心に下側へ揺動する。これにより、蓋部13は、全開状態から片当たり状態に変化する。このとき、支持軸31は、孔部32aの下端部に当接したままで回転する。即ち、このとき、支持軸31は径方向に移動しない。
【0090】
次に、図8に示すように、蓋部13は、所定箇所10bに当接したままで、蓋部13の後端部が下側へ移動するように姿勢変化する。これにより、蓋部13は、片当たり状態から全閉状態に変化する。このとき、支持軸31は、孔部32aの下端部から離間し、上側へ移動する。即ち、このとき、支持軸31は径方向に移動する。このように、試験片ボトル10に対する支持軸31の径方向への移動が許容されることにより、開口10aの開口面に対する蓋部13の傾きが吸収される。
【0091】
即ち、吸収機構Gは、付勢部14の付勢力により蓋部13が開口10aに当接した際、蓋部13が開口10aの開口面に対して平行でない姿勢である場合に、試験片ボトル10に対して支持軸31が径方向に移動することを許容することにより、当該開口面に対する蓋部13の傾きを吸収する。
【0092】
〔機構制御部及び除湿部〕
図9に示すように、検体分析機1は、機構制御部18及び除湿部19を備えている。図7及び図8に示すように、除湿部19は、蓋部13に設けられている。本実施形態において、除湿部19は、電力により駆動する除湿素子により構成されている。尚、当該除湿素子は、例えば、公知の電気分解方式の除湿素子であっても良い。
【0093】
除湿部19は、試験片ボトル10の内部空間の除湿を行うように構成されている。即ち、蓋部13に、試験片ボトル10の内部空間の除湿を行う除湿部19が設けられている。
【0094】
図9に示すように、機構制御部18は、検知部17による検知結果を示す情報を取得するように構成されている。また、機構制御部18は、当該情報に基づいて、移動用モータ24、カム用モータ33、除湿部19を制御するように構成されている。
【0095】
尚、機構制御部18は、マイクロコンピュータ等の物理的な装置であっても良いし、ソフトウェアにおける機能部であっても良い。例えば、機構制御部18に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、それらプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、機構制御部18に対応するプロセスが実行される構成であっても良い。
【0096】
ここで、機構制御部18は、移動用モータ24を制御することにより、移動機構Aを制御する。また、機構制御部18は、カム用モータ33を制御することにより、開機構Eを制御する。即ち、検体分析機1は、移動機構A及び開機構Eを制御する機構制御部18を備えている。
【0097】
尚、機構制御部18は、移動機構Aを制御して試験片ボトル10を移動させる場合、全ての蓋部13を全開状態とした状態で、移動機構Aを制御するように構成されている。
【0098】
機構制御部18は、試験片ボトル10が使用位置Q2に位置しているとき、所定条件が満たされた場合、試験片ボトル10が退避位置Q1へ移動すると共に蓋部13が開口10aを塞ぐように、移動機構A及び開機構Eを制御するように構成されている。本実施形態において、当該所定条件は、検知部17によって検体の存在が検知されないことである。
【0099】
例えば、三つの試験片ボトル10が、図5に示した第4位置P4、第5位置P5、第6位置P6に位置しており、検体搬送装置2により搬送されている複数のスピッツ管7について、検体の分析が順番に行われている状況であるとする。この状況において、全てのスピッツ管7の分析が完了すると、検知部17によって検体の存在が検知されない状態となる。これにより、検知部17から、検体の存在が検知されないことを示す情報が、機構制御部18に送られる。
【0100】
機構制御部18は、当該情報に基づいて、移動機構Aを制御し、三つの試験片ボトル10を、図5に示した第1位置P1、第2位置P2、第3位置P3へ移動させる。さらに、機構制御部18は、当該情報に基づいて、開機構Eを制御し(より具体的には、上述の「有効距離」が、図6に示した第2距離D2となるようにカム用モータ33を制御し)、各蓋部13を全閉状態とする。さらに、機構制御部18は、当該情報に基づいて、各蓋部13の除湿部19を駆動させる。
【0101】
尚、本発明はこれに限定されず、上述の所定条件は、いかなる条件であっても良い。例えば、上述の所定条件は、検体分析機1がスリープモード(あるいは電源オフの状態)に切り替えられたことであっても良いし、何らかの異常が生じたことであっても良い。
【0102】
また、本実施形態においては、図5に示すように、第4位置P4(使用位置Q2)に対して一方側(左側)に各蓋部13が配置されており、且つ、第4位置P4(使用位置Q2)に対して他方側(右側)に各カバー部12が配置されている。即ち、蓋部13とカバー部12とは、使用位置Q2に対して一方側と他方側とに振り分けて配置されている。
【0103】
以上で説明した構成によれば、蓋部13により、支持部20にセットされている試験片ボトル10の開口10aを塞ぐことができる。さらに、吸収機構Gにより、開口10aの開口面に対する蓋部13の傾きが吸収される。これにより、蓋部13を、開口面に対して平行な姿勢で、開口10aに当接させることができる。そのため、蓋部13が開口10aを塞いでいる状態において、蓋部13と開口10aとの間に隙間ができにくい。従って、蓋部13が開口10aを塞いでいる状態において、支持部20にセットされた試験片ボトル10の中に空気中の水分が入り込みにくい。
【0104】
即ち、以上で説明した構成によれば、支持部20にセットされた試験片ボトル10の中に空気中の水分が入り込みにくい試験片ボトル保持装置8を実現できる。また、以上で説明した構成による試験片ボトル保持装置8を備える検体分析機1についても、同様に、支持部20にセットされた試験片ボトル10の中に空気中の水分が入り込みにくい。
【0105】
〔その他の実施形態〕
(1)試験片ボトル10が、使用位置Q2と、退避位置Q1と、の間で移動できないように構成されていても良い。例えば、退避位置Q1が存在していなくても良い。この場合、蓋部13は、使用位置Q2に位置する試験片ボトル10の開口10aを塞ぐことが可能であるように構成されていても良い。
【0106】
(2)蓋部13のうち開口10aに当接する部分は、弾性体以外のいかなる素材により構成されていても良い。
【0107】
(3)蓋部13は、開機構Eによって開口10aから離間する側へ移動した状態において、試験片ボトル10の何れかの部位に当接していても良い。
【0108】
(4)除湿部19が設けられていなくても良い。
【0109】
(5)開機構Eの構造は、上記実施形態における構造に限定されない。開機構Eは、付勢部14の付勢力に抗して蓋部13を開口10aから離間する側へ移動可能である限りにおいて、いかなる構造であっても良い。
【0110】
(6)吸収機構Gの構造は、上記実施形態における構造に限定されない。吸収機構Gは、付勢部14の付勢力により蓋部13が開口10aに当接した際、蓋部13が開口10aの開口面に対して平行でない姿勢である場合に、当該開口面に対する蓋部13の傾きを吸収するように構成されている限りにおいて、いかなる構造であっても良い。
【0111】
(7)検体分析機1は、尿を分析する装置に限定されない。検体分析機1は、尿以外の体液(例えば、血液、唾液、髄液等)を分析する装置であっても良い。
【0112】
尚、上述の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能である。また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明は、試験片ボトル保持装置及び検体分析機に利用可能である。
【符号の説明】
【0114】
1 :検体分析機
8 :試験片ボトル保持装置
10 :試験片ボトル
10a :開口
11 :試験片
13 :蓋部
14 :付勢部
17 :検知部
18 :機構制御部
19 :除湿部
20 :支持部
31 :支持軸
32 :軸受部
35 :カム機構
36 :アーム部(操作部)
A :移動機構
E :開機構
G :吸収機構
Q1 :退避位置
Q2 :使用位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9