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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062270
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】波形測定器、表示方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0482 20130101AFI20240430BHJP
   G06F 3/04842 20220101ALI20240430BHJP
   G01R 13/20 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
G06F3/0482
G06F3/04842
G01R13/20 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170150
(22)【出願日】2022-10-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】596157780
【氏名又は名称】横河計測株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(72)【発明者】
【氏名】陳 展鵬
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA12
5E555AA75
5E555BA21
5E555BB21
5E555BC01
5E555CA12
5E555CB13
5E555CB57
5E555CC03
5E555DB11
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザが機能を十分に活用することを可能とするユーザインタフェースを提供する。
【解決手段】本開示に係る波形測定器10は、複数のオブジェクトを表示する表示部13と、表示部13に物体が接触したことを検出するタッチセンサ14と、表示部13の表示を制御する制御部15と、を備える。制御部15は、複数のオブジェクトのうちのいずれかのオブジェクトへの第1の接触操作をタッチセンサ14が検出し、第1の接触操作が継続された状態で表示部13への第2の接触操作をタッチセンサ14が検出し、第1の接触操作が継続された状態で第2の接触操作が終了したことをタッチセンサ14が検出すると、第1の接触操作の対象であるオブジェクトに対して実行可能な機能のリストを含むメニュー画面を第2の接触操作が行われた座標の近傍に表示させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のオブジェクトを表示する表示部と、
前記表示部に物体が接触したことを検出するタッチセンサと、
前記表示部の表示を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記複数のオブジェクトのうちのいずれかのオブジェクトへの第1の接触操作を前記タッチセンサが検出し、
前記第1の接触操作が継続された状態で前記表示部への第2の接触操作を前記タッチセンサが検出し、
前記第1の接触操作が継続された状態で前記第2の接触操作が終了したことを前記タッチセンサが検出すると、
前記第1の接触操作の対象である前記オブジェクトに対して実行可能な機能のリストを含むメニュー画面を前記第2の接触操作が行われた座標の近傍に表示させる、波形測定器。
【請求項2】
請求項1に記載の波形測定器において、
前記制御部は、前記第1の接触操作を前記タッチセンサが検出すると、前記第1の接触操作の対象である前記オブジェクトの表示態様を変化させる、波形測定器。
【請求項3】
請求項1に記載の波形測定器において、
前記制御部は、
前記第2の接触操作が開始してから終了するまでの間に前記第2の接触操作が行われた座標が移動しなかった場合は、前記メニュー画面を前記第2の接触操作が行われた座標の近傍に表示させ、
前記第2の接触操作が行われている座標が移動した場合は、前記表示部が表示する画面に対しズーム操作を実行する、波形測定器。
【請求項4】
請求項1に記載の波形測定器において、
前記オブジェクトは、波形、マーカ、カーソル及び波形表示領域のいずれかである、波形測定器。
【請求項5】
複数のオブジェクトを表示する表示部と、前記表示部に物体が接触したことを検出するタッチセンサと、を備える波形測定器における表示方法であって、
前記複数のオブジェクトのうちのいずれかのオブジェクトへの第1の接触操作を前記タッチセンサが検出し、
前記第1の接触操作が継続された状態で前記表示部への第2の接触操作を前記タッチセンサが検出し、
前記第1の接触操作が継続された状態で前記第2の接触操作が終了したことを前記タッチセンサが検出すると、
前記第1の接触操作の対象である前記オブジェクトに対して実行可能な機能のリストを含むメニュー画面を前記第2の接触操作が行われた座標の近傍に表示させるステップを含む、表示方法。
【請求項6】
複数のオブジェクトを表示する表示部と、前記表示部に物体が接触したことを検出するタッチセンサと、を備える波形測定器に、
前記複数のオブジェクトのうちのいずれかのオブジェクトへの第1の接触操作を前記タッチセンサが検出し、
前記第1の接触操作が継続された状態で前記表示部への第2の接触操作を前記タッチセンサが検出し、
前記第1の接触操作が継続された状態で前記第2の接触操作が終了したことを前記タッチセンサが検出すると、
前記第1の接触操作の対象である前記オブジェクトに対して実行可能な機能のリストを含むメニュー画面を前記第2の接触操作が行われた座標の近傍に表示させるステップを含む動作を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、波形測定器、表示方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示画面をユーザが指で触るタッチ操作を検出し、検出したタッチ操作に応じて各種の動作を行う装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1は、指などによる接触点を検出可能なタッチパネルを備える情報処理装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-130565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
波形測定器にも、ユーザによるタッチ操作に応じて各種の動作を行うことが可能な波形測定器がある。波形測定器において、ユーザが波形などに対して何らかの操作をする際、波形測定器が備えている機能をユーザが十分に活用できていない場合があった。
【0006】
そこで、本開示は、ユーザが機能を十分に活用することを可能とするユーザインタフェースを提供する波形測定器、表示方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
幾つかの実施形態に係る波形測定器は、複数のオブジェクトを表示する表示部と、前記表示部に物体が接触したことを検出するタッチセンサと、前記表示部の表示を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記複数のオブジェクトのうちのいずれかのオブジェクトへの第1の接触操作を前記タッチセンサが検出し、前記第1の接触操作が継続された状態で前記表示部への第2の接触操作を前記タッチセンサが検出し、前記第1の接触操作が継続された状態で前記第2の接触操作が終了したことを前記タッチセンサが検出すると、前記第1の接触操作の対象である前記オブジェクトに対して実行可能な機能のリストを含むメニュー画面を前記第2の接触操作が行われた座標の近傍に表示させる。このような波形測定器によれば、ユーザが機能を十分に活用することを可能とするユーザインタフェースを提供することが可能である。
【0008】
一実施形態に係る波形において、前記制御部は、前記第1の接触操作を前記タッチセンサが検出すると、前記第1の接触操作の対象である前記オブジェクトの表示態様を変化させもよい。これにより、第1の接触操作でどのオブジェクトが選択されているかを容易にユーザに把握させることができる。
【0009】
一実施形態に係る波形において、前記制御部は、前記第2の接触操作が開始してから終了するまでの間に前記第2の接触操作が行われた座標が移動しなかった場合は、前記メニュー画面を前記第2の接触操作が行われた座標の近傍に表示させ、前記第2の接触操作が行われている座標が移動した場合は、前記表示部が表示する画面に対しズーム操作を実行してもよい。これにより、ユーザがズーム操作を意図している場合はズーム操作を実行することができる。
【0010】
一実施形態に係る波形において、前記オブジェクトは、波形、マーカ、カーソル及び波形表示領域のいずれかであってよい。このように、オブジェクトは様々な種類のものであってよい。
【0011】
幾つかの実施形態に係る表示方法は、複数のオブジェクトを表示する表示部と、前記表示部に物体が接触したことを検出するタッチセンサと、を備える波形測定器における表示方法であって、前記複数のオブジェクトのうちのいずれかのオブジェクトへの第1の接触操作を前記タッチセンサが検出し、前記第1の接触操作が継続された状態で前記表示部への第2の接触操作を前記タッチセンサが検出し、前記第1の接触操作が継続された状態で前記第2の接触操作が終了したことを前記タッチセンサが検出すると、前記第1の接触操作の対象である前記オブジェクトに対して実行可能な機能のリストを含むメニュー画面を前記第2の接触操作が行われた座標の近傍に表示させるステップを含む。このような表示方法によれば、ユーザが機能を十分に活用することを可能とするユーザインタフェースを提供することが可能である。
【0012】
幾つかの実施形態に係るプログラムは、複数のオブジェクトを表示する表示部と、前記表示部に物体が接触したことを検出するタッチセンサと、を備える波形測定器に、前記複数のオブジェクトのうちのいずれかのオブジェクトへの第1の接触操作を前記タッチセンサが検出し、前記第1の接触操作が継続された状態で前記表示部への第2の接触操作を前記タッチセンサが検出し、前記第1の接触操作が継続された状態で前記第2の接触操作が終了したことを前記タッチセンサが検出すると、前記第1の接触操作の対象である前記オブジェクトに対して実行可能な機能のリストを含むメニュー画面を前記第2の接触操作が行われた座標の近傍に表示させるステップを含む動作を実行させる。このようなプログラムによれば、ユーザが機能を十分に活用することを可能とするユーザインタフェースを提供することが可能である。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、ユーザが機能を十分に活用することを可能とするユーザインタフェースを提供する波形測定器、表示方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施形態に係る波形測定器の概略構成を示す図である。
図2A】ユーザが人差し指で波形を触る様子を示す図である。
図2B】ユーザが中指で表示部を触る様子を示す図である。
図2C】ユーザの中指が離れてメニュー画面が表示される様子を示す図である。
図3】第1の接触操作の対象が波形である場合のメニュー画面の例を示す図である。
図4】第1の接触操作の対象がマーカである場合のメニュー画面の例を示す図である。
図5】一実施形態に係る波形測定器の動作を示すフローチャートである。
図6】波形測定器の表示部が表示する表示画面の一例を示す図である。
図7】波形表示領域に関連するメニュー画面の一例を示す図である。
図8】波形に関連するメニュー画面の一例を示す図である。
図9】FFT波形に関連するメニュー画面の一例を示す図である。
図10】カーソルに関連するメニュー画面の一例を示す図である。
図11】比較例に係る波形測定器の外観を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(比較例)
最初に比較例に係る波形測定器について説明する。図11は、比較例に係る波形測定器1000の外観を示す図である。
【0016】
図11に示すように、比較例に係る波形測定器1000は、各種の操作ボタンと、波形などを表示する表示部とを備える。表示部は、ユーザが指で触って操作可能なタッチパネルとしての機能を有するものとする。
【0017】
波形測定器1000において、波形測定器1000が表示している波形に対して操作を行う際の一般的な手順を説明する。一例として、波形の色を変更する場合を例に挙げて説明する。
【0018】
ボタン1001が「Display」というボタンであるとする。波形の色を変更するためには、「Display」機能を呼び出す必要があるため、ユーザは、ボタン1001を押す。
【0019】
ボタン1001が押されると、波形測定器1000は、表示部に「表示グループ設定」を表示する。図11に示す例においては、符号1002が「表示グループ設定」を示す。「表示グループ設定」には、「表示グループ#1」、「表示グループ#2」、・・・「表示グループ#n」などが選択肢として表示される。
【0020】
例えば、ユーザが、「表示グループ#1」の部分を指で触ると、「表示グループ#1」に含まれる波形のリストがウィンドウ1003に表示される。
【0021】
ユーザは、ウィンドウ1003に表示されている波形のリストのうち、色を変更しようとしている波形を指で触る。そうすると、選択した波形の色を変更可能なポップアップウィンドウが表示される。
【0022】
ユーザは、ポップアップウィンドウを操作して、波形測定器1000が表示している波形の色を所望に色に変更する。
【0023】
このように、比較例に係る波形測定器1000において、表示されている波形に何らかの操作をする場合、ユーザは以下の(1)~(3)のような手順を実行する。
(1)実行したい操作を起動するためのボタンを押す。
(2)操作対象の波形を選択する。
(3)波形に対して色を変更するなどのような所望の操作を実行する。
【0024】
上述のような操作をすれば、ユーザは、比較例に係る波形測定器1000において波形の色を変更することができる。
【0025】
しかしながら、このような操作をするためには、まず、波形測定器1000が波形の色を変更する機能を有しているということをユーザが知っている必要がある。また、波形の色を変更するためには、「Display」機能を呼び出すためのボタン1001を押す必要があるということをユーザが知っている必要がある。
【0026】
すなわち、そもそも波形の色を変更する機能があるということを知らなければ、ユーザは波形の色を変更しようと考えない。また、波形の色を変更する機能があることを知っていたとしても、「Display」機能を押せば波形の色を変更できるということを知らなければ、ユーザは波形の色を容易に変更することができない。
【0027】
このように、比較例に係る波形測定器1000のような操作手順の場合、波形測定器1000が備えている機能をユーザが十分に活用できない場合がある。
【0028】
波形の色を変更する場合を一例として説明したが、他の機能を実行しようとする場合も同様である。
【0029】
(本開示の波形測定器)
図1は、一実施形態に係る波形測定器10の概略構成を示す図である。図1を参照して、一実施形態に係る波形測定器10の構成及び機能について説明する。
【0030】
波形測定器10は、記憶部11と、入力部12と、表示部13と、タッチセンサ14と、制御部15とを備える。
【0031】
記憶部11は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限定されない。記憶部11は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部11は、波形測定器10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部11は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、各種データなどを記憶していてよい。
【0032】
入力部12は、ユーザの操作に基づく入力情報を取得する1つ以上の入力用インタフェースを含む。例えば、入力部12は、ボタン、ロータリーノブなどを含んでいてよい。
【0033】
表示部13は、情報を表示する1つ以上の出力用インタフェースを含む。表示部13は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)又は有機EL(Electro Luminescent)ディスプレイなどを含んでいてよい。
【0034】
表示部13は、複数のオブジェクトを表示することができる。表示部13が表示するオブジェクトは、例えば、波形、マーカ、カーソル、波形表示領域などであるが、これらに限定されない。
【0035】
タッチセンサ14は、表示部13に物体が接触したことを検出するセンサである。表示部13に接触する物体は、例えば、ユーザの指であるが、これに限定されない。タッチセンサ14は、表示部13への物体の接触を検出することが可能な任意のセンサであってよいが、例えば、静電容量方式、抵抗膜方式などのセンサであってよい。
【0036】
タッチセンサ14は、表示部13に物体が接触したことを検出する際、表示部13のどの座標において物体が接触したかを検出することができる。タッチセンサ14は、検出した情報を制御部15に出力する。
【0037】
タッチセンサ14は、表示部13と一体で構成され、タッチパネルとして機能してもよい。
【0038】
制御部15は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組み合わせを含む。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)などの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。
【0039】
制御部15は、記憶部11に記憶されているプログラム、データなどを読み込み、各種機能を実行する。
【0040】
制御部15は、表示部13の表示を制御することができる。
【0041】
図2A図2Cを参照し、波形測定器10が表示している波形に対してユーザが操作を行う際の手順の一例を説明する。
【0042】
図2Aは、波形測定器10の表示部13が、オブジェクトとして2つの波形101及び波形102を表示している様子を示している。また、図2Aにおいて、ユーザは、人差し指で波形102を触っている。
【0043】
以後、表示部13をユーザが触る操作を「接触操作」とも称する。接触操作は、一般的に、「タップ」、「タッチ」などと称される操作である。
【0044】
タッチセンサ14は、表示部13への接触操作を検出すると、接触操作があった座標の情報を制御部15に出力する。制御部15は、タッチセンサ14から取得した座標の情報に基づいて、ユーザが波形102への接触操作を行ったと判定する。
【0045】
図2Aに示す状態においては、ユーザは、人差し指以外では表示部13を触っていない。このように、表示部13の他の部分が触られていない状態におけるユーザの接触操作を、以後、「第1の接触操作」と称する。
【0046】
図2Bは、ユーザが人差し指で波形102を触った状態を継続したまま、さらに、中指で表示部13を触った様子を示している。このような、第1の接触操作が継続された状態において、ユーザが表示部13の他の部分を触る操作を、以後、「第2の接触操作」と称する。
【0047】
タッチセンサ14は、第1の接触操作が継続された状態で表示部13への第2の接触操作を検出すると、第2の接触操作があった座標の情報を制御部15に出力する。
【0048】
図2Cは、図2Bで示している状態の後に、ユーザが人差し指で波形102を触った状態を継続したまま、中指を表示部13から離したときの様子を示している。なお、図2Cは、ユーザの手の図示を省略している。
【0049】
タッチセンサ14は、第1の接触操作が継続された状態で第2の接触操作が終了したことを検出すると、第2の接触操作が終了したことを示す情報を制御部15に出力する。なお、第2の接触操作が終了したとは、第2の接触操作において表示部13に接触していた物体が表示部13から離れたことを意味する。
【0050】
制御部15は、第1の接触操作が継続された状態で第2の接触操作が終了したとの情報をタッチセンサ14から取得すると、図2Cに示すように、第2の接触操作が行われた座標の近傍に、メニュー画面103を表示させる。図2Cに示す例においては、ユーザの中指が表示部13を触っていた辺りがメニュー画面103の左上の角部になるようにメニュー画面103が表示されている。
【0051】
メニュー画面103は、第1の接触操作の対象であるオブジェクトに対して実行可能な機能のリストを含む。図2Cにおいては、第1の接触操作の対象が波形102であるので、メニュー画面103は、波形102に対して実行可能な機能のリストを含む。
【0052】
メニュー画面103がどのような機能のリストを含むかは、第1の接触操作の対象であるオブジェクトに依存する。
【0053】
このように、波形測定器10が表示しているオブジェクトに対してユーザが操作を行う際、ユーザは、まず第1の接触操作によってオブジェクトを選択し、その後、第2の接触操作を行ってから第2の接触操作を終了する。そうすると、オブジェクトに対して実行可能な機能のリストを含むメニュー画面が表示される。
【0054】
このように、オブジェクトを選択した後に、オブジェクトに対して実行可能な機能のリストを含むメニュー画面が表示されることにより、ユーザは、オブジェクトに対して所望の操作を容易に行うことができる。
【0055】
例えば、波形の色を変更したい場合、比較例に係る波形測定器1000においては、「Display」というボタンを押すと波形の色を変更できるということを知らなければ波形の色を変更することができない。これに対し、一実施形態に係る波形測定器10においては、第2の接触操作を終了すると表示されるメニュー画面に、色を変更するための機能が表示されるので、ユーザは容易に波形の色を変更することができる。
【0056】
また、一実施形態に係る波形測定器10においては、第2の接触操作を終了すると、オブジェクトに対して実行可能な機能のリストを含むメニュー画面が表示される。このとき、メニュー画面には、ユーザが存在を知らなかった機能がメニュー画面に表示される場合がある。そうすると、それまで存在を知らなかった便利な機能をユーザが使用するきっかけとなる場合がある。
【0057】
図3に、第1の接触操作の対象が波形である場合のメニュー画面の例を示す。
【0058】
図3は、波形測定器10の表示部13が、オブジェクトとして波形201を表示している様子を示している。図3においては、波形201に対して、座標202において第1の接触操作が行われている。また、座標203において第2の接触操作が行われている。
【0059】
そして、第2の接触操作が終了したときに、座標203の近傍にメニュー画面204が表示されている。
【0060】
図3に示す例においては、メニュー画面204には、波形201に対して実行可能な機能として、「Input」及び「Color」が表示されている。
【0061】
ユーザは、「Input」と表示されている部分を操作することによって、波形201の表示のオン/オフを切り替えることができる。また、ユーザは、「Color」と表示されている部分を操作することによって、波形201の色を変更することができる。
【0062】
図4に、第1の接触操作の対象がマーカである場合のメニュー画面の例を示す。
【0063】
図4は、波形測定器10の表示部13が、オブジェクトとして、波形301及びマーカ302~305を表示している様子を示している。図4においては、マーカ304に対して、座標306において第1の接触操作が行われている。また、座標307において第2の接触操作が行われている。
【0064】
そして、第2の接触操作が終了したときに、座標307の近傍にメニュー画面308が表示されている。
【0065】
図4に示す例においては、メニュー画面308には、マーカ304に対して実行可能な機能として、「Trace」及び「Position」が表示されている。
【0066】
ユーザは、「Trace」と表示されている部分を操作することによって、どの波形にマーカを置くかを切り替えることができる。また、ユーザは、「Position」と表示されている部分を操作することによって、マーカ304のX軸の位置を変更することができる。
【0067】
図5に示すフローチャートを参照して、波形測定器10の動作を説明する。
【0068】
ステップS101:制御部15は、表示部13が表示しているオブジェクトに対してタッチセンサ14が第1の接触操作を検出したかを常時判定している。第1の接触操作を検出していない場合(ステップS101のNo)、制御部15は、ステップS101の処理を繰り返す。第1の接触操作を検出した場合(ステップS101のYes)、制御部15は、ステップS102に進む。
【0069】
なお、ステップS101において、第1の接触操作を検出した場合、制御部15は、第1の接触の対象であるオブジェクトの表示態様を変化させた上で、ステップS102に進んでもよい。制御部15が第1の接触の対象であるオブジェクトの表示態様を変化させることにより、ユーザは、どのオブジェクトが選択されているかを容易に把握することができる。制御部15は、第1の接触の対象であるオブジェクトを強調するため、オブジェクトの色を変更したり、オブジェクトの表示を濃くしたり、オブジェクトの背景色を変更したりしてよい。
【0070】
ステップS102:制御部15は、第1の接触操作を検出すると、タッチセンサ14が第1の接触操作の終了を検出したかを判定する。第1の接触操作が終了した場合(ステップS102のYes)、制御部15は、処理を終了しステップS101に戻る。第1の接触操作が終了していない場合(ステップS102のNo)、制御部15は、ステップS103に進む。
【0071】
ステップS103:制御部15は、第1の接触操作が継続された状態で、タッチセンサ14が表示部13への第2の接触操作を検出したかを判定する。第2の接触操作を検出しない場合(ステップS103のNo)、制御部15は、ステップS102に戻る。第2の接触操作を検出した場合(ステップS103のYes)、制御部15は、ステップS104に進む。
【0072】
ステップS104:制御部15は、タッチセンサ14から取得する第2の接触操作の座標の情報に基づいて、第2の接触操作が行われている座標が移動したか否かを判定する。第2の接触操作が行われている座標が移動している場合(ステップS104のYes)、制御部15は、ステップS105に進む。第2の接触操作が行われている座標が移動していない場合(ステップS104のNo)、制御部15は、ステップS106に進む。
【0073】
ステップS105:制御部15は、ユーザが表示部13に対して行っている操作がズーム操作であると判定し、表示部13が表示する画面に対しズーム操作を実行する。ズーム操作が終了すると、制御部15は、処理を終了しステップS101に戻る。
【0074】
ステップS106:制御部15は、第1の接触操作が継続された状態で、タッチセンサ14が表示部13への第2の接触操作が終了したことを検出したかを判定する。第2の接触操作が終了していない場合(ステップS106のNo)、制御部15は、ステップS104に戻る。第2の接触操作が終了している場合(ステップS106のYes)、制御部15は、ステップS107に進む。
【0075】
ステップS107:制御部15は、第1の接触操作の対象であるオブジェクトに対して実行可能な機能のリストを含むメニュー画面を、第2の接触操作が行われた座標の近傍に表示させる。メニュー画面に対するユーザの処理が終了すると、制御部15は、処理を終了しステップS101に戻る。
【0076】
(メニュー画面の例)
図6図10を参照して、第2の接触操作が終了したときに表示されるメニュー画面のいくつかの例について説明する。
【0077】
図6は、表示部13に表示されている表示画面の例である。図6に示す表示画面の例においては、表示部13は、波形表示領域401、波形表示領域402、波形403、波形404、カーソル405及びカーソル406などを、オブジェクトとして表示している。
【0078】
波形表示領域401は、横軸が時間の波形を表示している矩形の領域である。波形表示領域402は、横軸が周波数の波形を表示している矩形の領域である。
【0079】
波形403は、横軸が時間の波形である。波形404は、波形403に対してFFT(Fast Fourier Transform)解析を行った波形である。
【0080】
カーソル405及びカーソル406は、波形表示領域401において、X軸(時間軸)に関する値を測定するためのカーソルである。
【0081】
図7は、第1の接触操作において波形表示領域401をユーザが触った場合に、第2の接触操作が終了したときに表示されるメニュー画面の例である。
【0082】
なお、波形表示領域401内をユーザが触った場合であっても、波形403、カーソル405、カーソル406などをユーザが触った場合は、波形403、カーソル405、カーソル406などが優先される。すなわち、波形403、カーソル405、カーソル406などをユーザが触った場合は、波形403、カーソル405、カーソル406などに関するメニュー画面が表示される。
【0083】
図7に示すメニュー画面は、波形表示領域401に対して実行可能な機能のリストを含む。
【0084】
「表示分割数」は、波形表示領域401をいくつの領域に分割するかを設定する機能である。図6に示す例においては、波形表示領域401は、1つの領域として表示されている。
【0085】
「グリッド」は、波形表示領域401にグリッドを表示させるか否かを切り替える機能である。
【0086】
「輝度」は、波形表示領域401の明るさを設定する機能である。
【0087】
「トレースラベル」は、トレースラベルを表示させるか否かを切り替える機能である。
【0088】
「表示グループ設定」は、波形表示領域401に表示させる波形グループを設定する機能である。
【0089】
図8は、第1の接触操作において波形403をユーザが触った場合に、第2の接触操作が終了したときに表示されるメニュー画面の例である。
【0090】
図8に示すメニュー画面は、波形403に対して実行可能な機能のリストを含む。
【0091】
「入力」は、波形403を表示させるか否かを切り替える機能である。
【0092】
「カラー」は、波形403の色を設定する機能である。
【0093】
「サンプルレート」は、波形403を測定する際のサンプリング周波数を設定する機能である。
【0094】
「Measure Item」は、波形403に対して各種演算をする機能である。ユーザが「Measure Item」を触ると、波形403に対して実行可能な演算のリストがポップアップウィンドウで表示される。波形403に対して実行可能な演算は、例えば、最大値の算出、最小値の算出、平均値の算出などである。
【0095】
「Auto Scale」は、波形403の全体を波形表示領域401に表示させるようにする機能である。
【0096】
図9は、第1の接触操作において波形404をユーザが触った場合に、第2の接触操作が終了したときに表示されるメニュー画面の例である。
【0097】
図9に示すメニュー画面は、FFT波形である波形404に対して実行可能な機能のリストを含む。
【0098】
「Mode」は、波形404を表示させるか否かを切り替える機能である。
【0099】
「Type」は、FFTを実行する際のタイプを切り替える機能である。
【0100】
「Sub Type」は、FFTを実行する際のサブタイプを切り替える機能である。
【0101】
「Source」は、FFTを実行する対象とする波形を切り替える機能である。
【0102】
「Center」は、波形表示領域402の中心の座標を設定する機能である。
【0103】
「Sensitivity」は、波形表示領域402において縦軸の1区間の量を設定する機能である。
【0104】
図10は、第1の接触操作においてカーソル405をユーザが触った場合に、第2の接触操作が終了したときに表示されるメニュー画面の例である。
【0105】
図10に示すメニュー画面は、カーソル405に対して実行可能な機能のリストを含む。
【0106】
「トレース」は、カーソル405の対象となる波形を設定する機能である。
【0107】
「位置」は、カーソル405の位置を設定する機能である。
【0108】
「カーソルジャンプ」は、カーソル405をどこにジャンプさせるかを設定する機能である。例えば、ズーム波形を選択すると、カーソル405は、ズーム波形にジャンプする。
【0109】
「カーソル値読み方」は、カーソル405が、どのデータから値を読み取るかを設定する機能である。表示部13が表示する波形403には全てのデータが表示されているのではなく圧縮されたデータが表示されている。「カーソル値読み方」によって、圧縮前のデータから読み取るか、圧縮後のデータから読み取るかを選択することができる。
【0110】
「輝度」は、カーソル405の明るさを設定する機能である。
【0111】
以上のような一実施形態に係る波形測定器10によれば、波形測定器10が有する機能をユーザが十分に活用することを可能とするユーザインタフェースを提供することができる。より具体的には、波形測定器10の制御部15は、複数のオブジェクトのうちのいずれかのオブジェクトへの第1の接触操作をタッチセンサ14が検出し、第1の接触操作が継続された状態で表示部13への第2の接触操作をタッチセンサ14が検出し、第1の接触操作が継続された状態で第2の接触操作が終了したことをタッチセンサ14が検出すると、第1の接触操作の対象であるオブジェクトに対して実行可能な機能のリストを含むメニュー画面を第2の接触操作が行われた座標の近傍に表示させる。このように、一実施形態に係る波形測定器10は、波形などのオブジェクトに対してユーザが第1の接触操作を行った後に、第1の接触操作の対象であるオブジェクトに対して実行可能な機能のリストを含むメニュー画面を表示する。そのため、ユーザは、何らかの操作を行いたいオブジェクトに対して容易に操作を行うことができる。また、メニュー画面には、第1の接触操作の対象であるオブジェクトに対して実行可能な機能のリストが含まれているので、ユーザが存在を知らなかった便利な機能をユーザが使用するきっかけとなる場合がある。
【0112】
また、例えば、メニュー画面を表示させる他の例として、オブジェクトを長押しするとメニュー画面が表示されるという方式も考えられる。しかしながら、長押しの場合は、以下の欠点が考えられる。
(1)長押しされていることを認識するためには時間がかかる。
(2)通常のタップ操作を長押しと誤認識する場合がある。
(3)メニュー画面が表示される場所に自由度がない。
これに対し、一実施形態に係る波形測定器10は、以下のように長押しの欠点を解消している。
(1)第1の接触操作及び第2の接触操作のいずれも短時間で認識できる。
(2)第2の接触操作が行われなければメニュー画面を表示しないため誤認識しにくい。
(3)第2の接触操作を行う位置は任意であるため、所望の場所にメニュー画面を表示させることができる。
【0113】
本開示は、その精神又はその本質的な特徴から離れることなく、上述した実施形態以外の他の所定の形態で実現できることは当業者にとって明白である。従って、先の記述は例示的であり、これに限定されない。開示の範囲は、先の記述によってではなく、付加した請求項によって定義される。あらゆる変更のうちその均等の範囲内にあるいくつかの変更は、その中に包含される。
【0114】
例えば、上述した各構成部の配置及び個数等は、上記の説明及び図面における図示の内容に限定されない。各構成部の配置及び個数等は、その機能を実現できるのであれば、任意に構成されてもよい。
【0115】
例えば、上述した実施形態において、制御部15が実行する機能は、いくつかの複数のブロックによって実行されてよい。例えば、制御部15は、タッチセンサ14が検出した接触操作の座標に基づいてどのような操作が表示部13行われたかを解析する解析部と、表示部13の表示を制御する表示制御部と、その他の機能を実行する制御部とに分かれて構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0116】
10 波形測定器
11 記憶部
12 入力部
13 表示部
14 タッチセンサ
15 制御部
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11