(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062311
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】入浴剤、「おふろ酢」の製造方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/9789 20170101AFI20240430BHJP
A61K 8/99 20170101ALI20240430BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20240430BHJP
A61K 8/36 20060101ALI20240430BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61K8/99
A61K8/34
A61K8/36
A61Q19/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022180627
(22)【出願日】2022-10-24
(71)【出願人】
【識別番号】502166662
【氏名又は名称】熊谷 照男
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 照男
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA031
4C083AA111
4C083AC101
4C083AC241
4C083CC25
4C083DD23
4C083EE13
4C083FF01
4C083FF04
(57)【要約】
【課題】 ビタミンC、カリウム、タンニン(ポリフェノール)等の薬効成分が皮膚から吸収され、脂漏性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、あせも、湿疹、あれ症等の肌症状の緩和、及び腰痛、肩こり、疲労回復等につながる薬理的温熱効果を備えた入浴剤「おふろ酢」の製造方法の提供。
【解決手段】 柿果実のヘタを取り、ヘタを外した痕にアルコールを吹きかけ、冷凍処理して軟化や渋抜きされた柿果実を、ペクチナーゼ処理した後、処理液量の3分の1量の食酢を酸度1.5%になるように加え、更に培養素液に全体総量の5%になるようにアルコールを加え、種酢を添加して、30~32℃の室温で培養液が酸度5%になるまで静置培養して、スターター兼種酢となる培養液を得る。
ついで、ヨモギを熱湯で湯がいた後、天日干しして乾燥したヨモギに20倍量の水を加え、沸騰から弱火で1時間加熱処理後、常温になるまで冷却して濾布で濾過して濾液を得る。
得た処理濾液に、全体総量の5%になるようにアルコールを添加、並びに、スターターを兼ねた種酢を加えて、バイオリアクタ―で通気培養して得る入浴剤「おふろ酢」の製造方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヨモギの熱水抽出液に培養スターター兼種酢として、静置培養法で得た柿果実酢を加え、全体総量のアルコール濃度が5%の値となるようアルコールを添加、調整した培養液を、バイオリアクタ―で通気培養してなることを特徴とする、入浴剤「おふろ酢」の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脂漏性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、あせも、湿疹、あれ症等の肌症状の緩和、並びに腰痛、肩こり、疲労回復等に効能がある入浴剤「おふろ酢」の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
温浴効果を高める効果のある梅酢を濃縮、乾燥してうめ抽出物を含有する塩を得て、これを入浴剤にする方法が紹介されている。(特許文献1参照)。また、主原料としてタンポポの花とアロエの葉の刻片、はっか、塩、酒、砂糖、よもぎの刻片との混合物を、所定の時間浸水したのち、所定の時間乾燥して成る酢を有効成分とする入浴剤(特許文献2参照)公開されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-226256号公報
【特許文献2】特開昭63-287716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常の醸造酢は、米、穀物、果実などを原料とする従来法の静置培養法、アルコールと酢酸菌を添加する静置培養法、並びにアルコール添加の速醸法により得られる水溶性の食酢が主であり、薬理的な温熱効果を求める入浴剤としての醸造酢は無かった。
本発明は、上記培養法等で得られる醸造酢を入浴剤として提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記の課題を達成するため、柿果実を素材として仕込んだ静置培養法で得る醸造酢を、更に野草のヨモギを主原料とする抽出液に、スターター及び種酢として加え、バイオリアクタ―で通気培養して得る醸造酢を、脂漏性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、あせも、湿疹、あれ症等の肌症状の緩和、及び腰痛、肩こり、疲労回復等に薬理的な温熱効果を備えた入浴剤「おふろ酢」として提供する製造方法である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の柿果実および野草のヨモギを主原料とする醸造酢の入浴剤「おふろ酢」は、身体を温める温浴作用のほか、清浄作用など物理的に働く効果や、ビタミンC、カリウム、タンニン(ポリフェノール)等の薬効成分が皮膚から吸収され、肌の機能が健康になる薬理的効果がある入浴剤「おふろ酢」として提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[第1工程]
柿果実のヘタを取り、ヘタの外した痕に35度以上のアルコールを吹きかけて密閉袋に入れ、数日間、直射日光を避けた常温の場所に保管する。
【0008】
前記処理した柿果実を、脱渋と柿果実の軟化目的のため、-20℃以下に冷えた冷凍庫に入れ冷凍保管する。
【0009】
前記冷凍処理した柿果実を常温解凍し、柿が保持する含有成分の溶出を容易にする目的に柿を破砕する。
【0010】
前記破砕処理した、柿果実に同量の水を加え、85℃で10分加熱殺菌し、40℃になるまで冷却し、ペクチナーゼを添加して4時間処理して搾汁する。
【0011】
前記処理液を85℃で10分加熱し酵素処理して40℃になるまで冷却し、処理液量の3分の1量の食酢を酸度1.5%になるように加え培養素液とする。
【0012】
前記の培養素液に全体総量の5%になるようにアルコールを加え、スターターを兼ねた種酢を添加して、30~32℃の室温で培養液が酸度5%になるまで静置培養する。
【0013】
前記の培養液が酸度5%以上になった醸造酢を「おふろ酢」のスターター兼種酢とする。
【0014】
[第2工程]
天然に自生しているヨモギを山より採取して1本ずつ手摘みをし、熱湯で湯がいた後、天日干しして乾燥したヨモギに20倍量の水を加え、沸騰から弱火で1時間加熱処理後、常温になるまで冷却して濾布で濾過して濾液を得る。
【0015】
前記の処理濾液に全体総量の5%になるようにアルコールを添加して調整、並びに、[第1工程]で得たスターターを兼ねた種菌を加えて、バイオリアクタ―で通気培養する。
【0016】
本発明の工程で培養を終えた、柿果実および野草のヨモギを主原料とする醸造酢でつくった入浴剤「おふろ酢」には、ビタミンC、カリウム、タンニン(ポリフェノール)等の薬効成分が皮膚から吸収され、脂漏性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、あせも、湿疹、あれ症等の肌症状の緩和、及び腰痛、肩こり、疲労回復等につながる薬理的温熱効果を備えた入浴剤「おふろ酢」として提供できる。