(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062350
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】光学部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
G02B 7/00 20210101AFI20240430BHJP
G02B 3/00 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
G02B7/00 B
G02B7/00 F
G02B3/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072994
(22)【出願日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】P 2022169884
(32)【優先日】2022-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】390002473
【氏名又は名称】TOWA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】坂井 秀行
(72)【発明者】
【氏名】元持 久寿
(72)【発明者】
【氏名】多根 幸伴
【テーマコード(参考)】
2H043
【Fターム(参考)】
2H043AB03
2H043AB10
2H043AB32
2H043AE02
2H043AE24
(57)【要約】
【課題】プレート同士の位置合わせを精度良く行なうことが可能な光学部品の製造方法を提供する。
【解決手段】光学素子部を有するプレートを2枚以上接合して光学部品を製造する光学部品の製造方法であって、互いに直交する2方向に沿って形成された少なくとも2つの第1切欠き部を有する第1プレートの、各第1切欠き部の互いに対向する一対の対向面の両方に位置決め部材を接触させる第1位置決め工程と、互いに直交する2方向に沿って形成された少なくとも2つの第2切欠き部を有する第2プレートの、各第2切欠き部の互いに対向する一対の対向面の両方に前記位置決め部材を接触させる第2位置決め工程と、前記第1プレートと前記第2プレートとを接合する接合工程と、を含む。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学素子部を有するプレートを2枚以上接合して光学部品を製造する光学部品の製造方法であって、
互いに直交する2方向に沿って形成された少なくとも2つの第1切欠き部を有する第1プレートの、各第1切欠き部の互いに対向する一対の対向面の両方に位置決め部材を接触させる第1位置決め工程と、
互いに直交する2方向に沿って形成された少なくとも2つの第2切欠き部を有する第2プレートの、各第2切欠き部の互いに対向する一対の対向面の両方に前記位置決め部材を接触させる第2位置決め工程と、
前記第1プレートと前記第2プレートとを接合する接合工程と、
を含む光学部品の製造方法。
【請求項2】
前記第1位置決め工程の前に、前記第1プレートを複数の第1支柱の上に載置する載置工程を含む、
請求項1に記載の光学部品の製造方法。
【請求項3】
前記光学素子部は、前記第1プレートの下面に形成された複数のレンズを含み、
前記載置工程において、前記第1プレートは、前記レンズと前記第1支柱とが接触するように配置される、
請求項2に記載の光学部品の製造方法。
【請求項4】
前記載置工程において、前記第1プレートは、前記第1支柱とは異なる第2支柱に端面が接触するように載置される、
請求項2又は請求項3に記載の光学部品の製造方法。
【請求項5】
前記第2位置決め工程の後、かつ、前記接合工程の前に、前記第1プレート及び前記第2プレートの上に重りを載せる重り配置工程を含む、
請求項2から請求項4までのいずれか一項に記載の光学部品の製造方法。
【請求項6】
前記光学素子部は、前記プレートの両面にそれぞれ形成された複数のレンズを含む、
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の光学部品の製造方法。
【請求項7】
前記第1プレートの前記第1切欠き部及び前記レンズ、並びに、前記第2プレートの前記第2切欠き部及び前記レンズは、同一の成形型を用いた樹脂成形により形成されている、
請求項6に記載の光学部品の製造方法。
【請求項8】
前記第1プレート及び前記第2プレートのうち少なくとも一方は、前記光学素子部を外側から囲むように形成された環状の第1凸部を有し、
前記接合工程において、前記第1凸部の外側に塗布された接着剤により前記第1プレートと前記第2プレートとが接合される、
請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の光学部品の製造方法。
【請求項9】
前記第1プレート及び前記第2プレートのうち少なくとも一方は、前記第1凸部の外側に形成された第2凸部を有する、
請求項8に記載の光学部品の製造方法。
【請求項10】
前記第2凸部は、前記第1切欠き部及び前記第2切欠き部の周囲に形成された切欠き側凸部を含む、
請求項9に記載の光学部品の製造方法。
【請求項11】
前記第1プレート及び前記第2プレートは、前記光学素子部の外側に形成された溶着用凸部を有し、
前記接合工程において、前記第1プレートに形成された前記溶着用凸部と、前記第2プレートに形成された前記溶着用凸部とがレーザ溶着される、
請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の光学部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学部品の製造方法の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、2枚の両面レンズプレートからなる正立等倍実像光学系と、正立等倍実像光学系の物側焦点面に位置する画像表示素子と、を具備する画像浮上表示装置が開示されている。正立等倍実像光学系の物側焦点面位置に置かれている画像表示素子による画像は、正立等倍実像光学系によって像側焦点面位置に正立等倍の空間像を結ぶ。これによって、画像表示素子による画像が浮き上がっているように視覚させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている正立等倍実像光学系では、2枚の両面レンズプレートに形成されたレンズの光軸にずれが生じた場合、正確な空間像を得ることができない。従って、2枚の両面レンズプレートの位置合わせを精度良く行なう技術が求められる。
【0005】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、プレート同士の位置合わせを精度良く行なうことが可能な光学部品の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、この課題を解決するため、本発明に係る光学部品の製造方法は、光学素子部を有するプレートを2枚以上接合して光学部品を製造する光学部品の製造方法であって、互いに直交する2方向に沿って形成された少なくとも2つの第1切欠き部を有する第1プレートの、各第1切欠き部の互いに対向する一対の対向面の両方に位置決め部材を接触させる第1位置決め工程と、互いに直交する2方向に沿って形成された少なくとも2つの第2切欠き部を有する第2プレートの、各第2切欠き部の互いに対向する一対の対向面の両方に前記位置決め部材を接触させる第2位置決め工程と、前記第1プレートと前記第2プレートとを接合する接合工程と、を含むものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、プレート同士の位置合わせを精度良く行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】(a)光学部品の一例を示した平面図。(b)光学部品の一例を示した側面拡大図。
【
図2】(a)成形型の一例を示した側面断面図。(b)下型を示した平面図。
【
図4】組立治具に下プレートを載せた状態を示した斜視図。
【
図5】下プレートの切欠き部に位置決め部材を挿入した状態を示した平面図。
【
図6】下プレートの切欠き部に位置決め部材を挿入した状態を示した斜視図。
【
図7】上プレートの切欠き部に位置決め部材を挿入した状態を示した斜視図。
【
図8】上プレートにクランププレートを載せた状態を示した斜視図。
【
図9】光学部材の製造方法の一例を示したフローチャート。
【
図10】第2実施形態に係るプレートを示した平面図。
【
図11】(a)
図10のA部分の拡大図。(b)X-X断面図。
【
図12】(a)接着剤が塗布された下プレートを示した拡大平面図。(b)接着剤が塗布された下プレートに上プレートが載せられた状態を示した正面断面図。
【
図13】(a)第1変形例に係る光学部品を示した正面断面図。(b)第2変形例に係る光学部品を示した正面断面図。(c)第3変形例に係る光学部品を示した正面断面図。
【
図14】(a)第3実施形態に係るプレートを示した拡大平面図。(b)第3実施形態に係るプレートにレーザが照射される様子を示した正面断面図。
【
図15】第3実施形態に係る光学部材の製造方法の一例を示したフローチャート。
【
図16】(a)第4変形例に係るプレートを示した平面模式図。(b)第5変形例に係るプレートを示した平面模式図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明では、図中に示した矢印U、矢印D、矢印L、矢印R、矢印F及び矢印Bで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、左方向、右方向、前方向及び後方向と定義して説明を行う。また説明の便宜上、図面における各部材の形状、配置、寸法等を適宜誇張して示している場合がある。
【0010】
<光学部品1>
まず、
図1を用いて、本実施形態(第1実施形態)に係る製造方法によって製造される光学部品1について説明する。
【0011】
本実施形態に係る光学部品1は、モニター等の表示装置に映し出された画像を焦点位置に結像させることで、表示装置から浮かび上がった画像を利用者に視認させるものである。光学部品1は、2枚のプレート10を具備する。
【0012】
プレート10は、微小なレンズ11aが連続して配置された光学素子部11を具備するマイクロレンズアレイである。プレート10は、矩形板状に形成される。光学素子部11は、プレート10の外周を除く矩形状の範囲に亘って設定される。光学素子部11の両面には、多数の凸状のレンズ11aが縦横に整列されて形成される。レンズ11aは全て同一形状(図例では、半球状)に形成される。プレート10の両面のレンズ11aは、互いに光軸が一致するように形成される。
【0013】
プレート10の外周部分(光学素子部11の外側)には、位置決めのための切欠き部(左切欠き部12、右切欠き部13及び後切欠き部14)が形成される。切欠き部(左切欠き部12、右切欠き部13及び後切欠き部14)は、矩形のプレートの1つの側面とその側面に隣り合う2つの側面に形成されている。左切欠き部12及び右切欠き部13は、
図1(a)におけるプレート10の左右両側部にそれぞれ形成される。左切欠き部12及び右切欠き部13は、左右方向に沿って延びるように形成される。左切欠き部12及び右切欠き部13は、プレート10の前後方向の幅における中央に位置する。後切欠き部14は、
図1(a)におけるプレート10の後側部に形成される。後切欠き部14は、前後方向に沿って延びるように形成される。すなわち後切欠き部14は、左切欠き部12及び右切欠き部13の延びる方向に対して直交する方向に沿って形成されている。後切欠き部14は、プレート10の左右方向の幅における中央に位置する。本実施形態では、各切欠き部は概ね同一の形状に形成されるため、以下では左切欠き部12に着目してより詳細に説明する。
【0014】
左切欠き部12は、プレート10の左側部を内側(右側)に向かって切り欠くことで、プレート10の左側部から右方へと延びるように形成される。なお、左切欠き部12は、切り欠いて形成する必要はなく、形成方法にかかわらず、プレートの一部を切り欠いた形状の部分であればよい。左切欠き部12には、前後に対向する一対の面(対向面)12a・12bが形成される。一対の対向面12a・12bは、左右に直線状に延びるように形成される。これによって左切欠き部12は、前後方向に一定の幅を有するように形成される。なお以下では、一対の対向面12a・12bが延びる方向(
図1(a)の左右方向)を左切欠き部12の縦方向、一対の対向面12a・12bに直交する方向(
図1(a)の前後方向)を左切欠き部12の幅方向とそれぞれ称する。
【0015】
右切欠き部13及び後切欠き部14は、左切欠き部12と概ね同様の形状に形成される。これによって、右切欠き部13には、前後に対向する一対の対向面が形成される。また、後切欠き部14には、左右に対向する一対の対向面が形成される。
【0016】
このように、左切欠き部12及び右切欠き部13には、左右に直線状に延びる一対の対向面がそれぞれ形成される。また、後切欠き部14には、前後に直線状に延びる一対の対向面が形成される。すなわち、後切欠き部14の対向面は、左切欠き部12及び右切欠き部13の対向面と直交する方向に延びるように形成される。
【0017】
なお、光学部品1に用いられる2枚のプレート10のうち、後述する下プレート10Dの各切欠き部は、本願の第1切欠き部の実施の一形態である。また後述する上プレート10Uの各切欠き部は、本願の第2切欠き部の実施の一形態である。
【0018】
本実施形態に係るプレート10の寸法は、特に限定されないが、例えば縦100~140mm、横130~200mm程度を想定している。またプレート10の厚みは、特に限定されないが、0.5~2mm程度を想定している。また、プレート10に形成される各切欠き部の寸法は、特に限定されないが、例えば縦方向の長さ(切欠き部の深さ)3~9mm、幅2~8mm程度を想定している。
【0019】
本実施形態に係るプレート10は、左右対称な形状となるように形成される。従ってプレート10は表面と裏面を反転させて使用する(光学部品1を製造する)ことも可能である。
【0020】
光学部品1は、上述のように形成された2枚のプレート10の面同士を互いに向き合わせた状態で接合することによって形成される(
図1(b)参照)。この際、2枚のプレート10の相対的な位置を精度良く合わせる必要がある。本実施形態では、一方のプレート10のレンズ11aの光軸と、他方のプレート10のレンズ11aの光軸とを一致させる必要がある。
【0021】
<成形型20>
上述のプレート10は、樹脂成形により製造される。以下では、プレート10を成形するための成形型20について説明する。
【0022】
図2に示す成形型20は、射出成形によってプレート10を製造するためのものである。成形型20は、主として下型20D及び上型20Uを具備する。下型20D及び上型20Uは概ね同様の構成であるため、以下では下型20Dの構成について説明する。
【0023】
下型20Dは、主としてベース部21、キャビティブロック22及び側部ブロック23を具備する。
【0024】
ベース部21は、後述するキャビティブロック22及び側部ブロック23が配置される部分である。ベース部21の上面には、キャビティブロック22等を配置するための凹部が形成される。
【0025】
キャビティブロック22は、樹脂成形品(プレート10)に応じた形状のキャビティCを形成するものである。キャビティブロック22には、成形部22aが形成される。
【0026】
成形部22aは、キャビティCに面して樹脂成形品を所定の形状に形作るための面(樹脂成形面)である。成形部22aは、キャビティブロック22の上面に形成される。成形部22aは、プレート10のレンズ11aの形状に対応した形状(半球状の凹部が整列された形状)を有する。
【0027】
側部ブロック23は、キャビティCの側部を形成するものである。側部ブロック23は、平面視枠状に形成される。具体的には、側部ブロック23は、平面視中央部にキャビティブロック22を配置可能な貫通孔を有する。側部ブロック23には、突出部23aが形成される。
【0028】
突出部23aは、側部ブロック23の内側に向かって突出する部分である。突出部23aは、プレート10の各切欠き部(左切欠き部12、右切欠き部13及び後切欠き部14)に対応した形状を有する。
【0029】
ベース部21の凹部には側部ブロック23が配置され、この側部ブロック23の内側にさらにキャビティブロック22が配置される。
【0030】
上型20Uは、下型20Dと概ね同様の構成(下型20Dを上下反転させたような構成)を有している。従って、上型20Uの各構成については、下型20Dの対応する構成と同一の符号を付して説明を省略する。
【0031】
上述の下型20D及び上型20Uを上下に向かい合わせに配置することで、プレート10に応じたキャビティCが形成される。また、成形型20には、キャビティCへと樹脂を案内するためのランナ部、ゲート部等(不図示)が形成される。
【0032】
上述のように構成された成形型20を用いた射出成形により、プレート10が製造される。光学部品1を構成する2枚のプレート10は共通の成形型20により製造されるため、同一の形状を有することになる。
【0033】
<組立治具100>
上述のように製造された2枚のプレート10を互いに接合することで、光学部品1を製造することができる。以下では、2枚のプレート10を接合する際に用いられる組立治具100について説明する。
【0034】
図3に示す組立治具100は、主としてベース部110、短支柱120、長支柱130、第1位置決め部材140、第2位置決め部材150、第3位置決め部材160及びクランププレート170(
図8参照)を具備する。
【0035】
ベース部110は、後述する短支柱120及び長支柱130を支持するためのものである。ベース部110は、矩形板状に形成される。
【0036】
図3及び
図5に示す短支柱120は、プレート10を下方から支持するためのものである。短支柱120は、円柱状に形成される。短支柱120は、軸線を上下に向けた状態で、ベース部110の上面に固定される。これによって短支柱120は、ベース部110から上方に突出するように配置される。短支柱120の上端面は、平面状となるように形成される。
【0037】
短支柱120は、ベース部110に複数設けられる。複数の短支柱120の長さ(ベース部110の上面から、短支柱120の上端までの高さ)は、同一となるように形成される。複数の短支柱120は、互いに前後方向及び左右方向に適宜の間隔を空けて配置される。図例では、短支柱120を前後方向に4列、左右方向に4列配置した例を示している。
図5に示すように、短支柱120は、平面視において、プレート10の光学素子部11に対応した範囲に収まるように配置される。なお、短支柱120は、本願の第1支柱の実施の一形態である。
【0038】
図3及び
図5に示す長支柱130は、短支柱120によって支持されるプレート10の大まかな位置決めを行うためのものである。長支柱130は、円柱状に形成される。長支柱130は、軸線を上下に向けた状態で、ベース部110の上面に固定される。これによって長支柱130は、ベース部110から上方に突出するように配置される。
【0039】
長支柱130は、ベース部110に複数(本実施形態では、3つ)設けられる。複数の長支柱130の長さ(ベース部110の上面から、長支柱130の上端までの高さ)は、短支柱120の長さよりも長くなるように形成される。
図5に示すように、3つの長支柱130のうち、2つの長支柱130は、短支柱120の後方に左右に並ぶように配置される。3つの長支柱130のうち、残りの1つの長支柱130は、短支柱120の右方に配置される。3つの長支柱130をプレート10の後端面及び右端面にそれぞれ接触させることで、短支柱120に支持されたプレート10の位置決めを行うことができる。なお、長支柱130は、本願の第2支柱の実施の一形態である。
【0040】
図3及び
図5に示す第1位置決め部材140は、プレート10の左切欠き部12に接触することで、プレート10の位置決めを行うためのものである。第1位置決め部材140は、主として底部141、円柱部142及び接触部143を具備する。
【0041】
底部141は、第1位置決め部材140の下部を形成する部分である。底部141は、円板状に形成される。
【0042】
円柱部142は、底部141から上方に向けて突出するように形成される部分である。円柱部142は、軸線を上下に向けた状態で、底部141の上面に形成される。
【0043】
接触部143は、プレート10と接触する円柱状の部分である。接触部143は、所望の径となるように円柱部142の上端部に加工(切削加工等)を施すことで形成される。接触部143の径は、プレート10の左切欠き部12の幅(対向面12aと対向面12bの間の距離)に応じた径となるように形成される。具体的には、成形型20を用いて製造されたプレート10の左切欠き部12の前後方向の幅を計測し、接触部143が左切欠き部12の対向面12a・12bとそれぞれ点接触するように、接触部143の径が決定される。本実施形態では、左切欠き部12と接触部143のクリアランスが3μm以下となるように、接触部143の径が調整される。このように、プレート10の左切欠き部12の現物に合わせた径となるように接触部143を加工(現合)することによって、プレート10の正確な位置決めを行うことができる。
【0044】
第2位置決め部材150は、プレート10の右切欠き部13に接触することで、プレート10の位置決めを行うためのものである。第2位置決め部材150は、主として底部151、円柱部152及び接触部153を具備する。接触部153の径は、プレート10の右切欠き部13の幅に応じた径となるように形成される。なお、その他の第2位置決め部材150の構成は、第1位置決め部材140と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0045】
第3位置決め部材160は、プレート10の後切欠き部14に接触することで、プレート10の位置決めを行うためのものである。第3位置決め部材160は、主として底部161、円柱部162及び接触部163を具備する。接触部163の径は、プレート10の後切欠き部14の幅に応じた径となるように形成される。なお、その他の第3位置決め部材160の構成は、第1位置決め部材140と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0046】
図8に示すクランププレート170は、2枚のプレート10を接合する際に荷重をかけるための重りである。クランププレート170は、プレート10と同寸又はプレート10よりも一回り小さい板状に形成される。クランププレート170は、プレート10に形成された光学素子部11の反りを矯正し易いように、少なくとも光学素子部11を覆うことができる形状に形成されることが望ましい。クランププレート170は、2枚のプレート10の反りを矯正できる程度の重量に形成される。なお、クランププレート170は、本願の重りの実施の一形態である。
【0047】
<光学部品1の製造方法>
以下では、上述の如く構成された組立治具100を用いた光学部品1の製造方法(2枚のプレート10の接合方法)について説明する。
図9には、光学部品1の製造方法を示したフローチャートを示している。なお、以下の説明では、2枚のプレート10を区別するために、2枚のプレート10をそれぞれ下プレート10D、上プレート10Uと称する場合がある。なお、下プレート10D及び上プレート10Uは、それぞれ本願の第1プレート及び第2プレートの実施の一形態である。
【0048】
まず、上述した2枚のプレート10及び組立治具100を準備する(
図9のステップS1)。2枚のプレート10は、上述の成形型20を用いた射出成形によって製造される。また組立治具100の第1位置決め部材140の接触部143(
図5参照)の径は、成形型20で製造されたプレート10の左切欠き部12の幅に応じた径となるように加工される。第2位置決め部材150、第3位置決め部材160についても同様に、それぞれ、右切欠き部13、後切欠き部14の幅に応じた径となるように加工される。
【0049】
なお、繰り返し光学部品1が製造される場合、各位置決め部材の接触部(例えば、第1位置決め部材140の接触部143)の径の調整は、最初に一度だけ行えばよい。例えば同じ成形型20で製造されたプレート10の形状は同一であると考えられるため、各位置決め部材の接触部の径の調整を最初の一度だけにすることで、作業負担の軽減を図ることができる。但し、ロットの異なるプレート10を用いる場合や、異なる成形型20で製造されたプレート10を用いる場合などには、改めて各位置決め部材の接触部の径の調整を行うことが望ましい。
【0050】
次に、下プレート10Dを組立治具100に配置する(
図9のステップS2)。具体的には、
図4及び
図5に示すように、下プレート10Dを短支柱120の上に載せる。この状態で、下プレート10Dの後端面及び右端面を長支柱130に接触させる。これによって、短支柱120上における下プレート10Dの大まかな位置決めを行うことができる。
【0051】
この際、短支柱120は、下プレート10Dの光学素子部11を下方から支持することになる。光学素子部11には微小な半球状のレンズ11aが多数形成されているため、短支柱120の上端面は、複数のレンズ11aの球面上の1点と接触する(点当たりする)ことになる。このように短支柱120は、下プレート10Dのレンズ11aと点当たりした状態で下プレート10Dを支持するため、下プレート10Dの反りやうねり、がたつき等を抑制することができる。
【0052】
次に、下プレート10Dに接着剤を塗布する(
図9のステップS3)。具体的には、下プレート10Dの上面において、光学素子部11以外の部分に接着剤を塗布する。本実施形態では、下プレート10Dの外周に沿う全周に亘って接着剤が塗布される。
【0053】
本実施形態では、接着剤として紫外線硬化型の接着剤を用いることを想定しているが、接着剤の種類は任意に変更することが可能である。但し、後述するように下プレート10Dに対して上プレート10Uの位置合わせを行うために多少の時間が必要なため、硬化(固化)時間を任意に調整可能な接着剤(紫外線硬化型、加熱硬化型、感圧型等)を用いることが好ましい。
【0054】
次に、下プレート10Dの各切欠き部に、位置決め部材をそれぞれ挿入する(
図9のステップS4)。具体的には、
図5及び
図6に示すように、ベース部110の上面に第1位置決め部材140が載せられ、下プレート10Dの左切欠き部12に第1位置決め部材140の接触部143が挿入される。接触部143の径は左切欠き部12の実際の寸法(幅)に合わせて調整されているため、接触部143は、左切欠き部12の前後にある一対の対向面12a・12bの1点とそれぞれ接触する(点当たりする)。なお、この際、接触部143が左切欠き部12の奥の端面(右端面)に接触しないように、第1位置決め部材140の位置が調整される。このように接触部143が左切欠き部12の前後にある一対の対向面12a・12bと接触することで、第1位置決め部材140と下プレート10Dの前後方向への相対移動が規制される。
【0055】
同様に、下プレート10Dの右切欠き部13には、第2位置決め部材150の接触部153が挿入される。第2位置決め部材150が右切欠き部13に挿入されることで、第2位置決め部材150と下プレート10Dの前後方向への相対移動が規制される。また、下プレート10Dの後切欠き部14には、第3位置決め部材160の接触部163が挿入される。第3位置決め部材160が後切欠き部14に挿入されることで、第3位置決め部材160と下プレート10Dの左右方向への相対移動が規制される。
【0056】
このように、互いに直交する2方向に沿って形成された切欠き部(左切欠き部12及び右切欠き部13、並びに、後切欠き部14)に各位置決め部材を挿入することで、下プレート10Dの水平方向の移動(具体的には、前後方向と左右方向の移動)を規制し、位置決めを行うことができる。
【0057】
次に、上プレート10Uの各切欠き部に位置決め部材をそれぞれ挿入する(
図9のステップSS5)。具体的には、
図7に示すように、下プレート10Dの上方に上プレート10Uを運ぶ。その後、上プレート10Uの左切欠き部12に第1位置決め部材140の接触部143を挿入する。同様に、上プレート10Uの右切欠き部13及び後切欠き部14に、それぞれ第2位置決め部材150及び第3位置決め部材160を挿入する。
【0058】
ここで、上プレート10Uと下プレート10Dは同一の成形型20(
図2参照)によって製造されているため、上プレート10U及び下プレート10Dの各切欠き部は同寸法となるように形成されている。このため、下プレート10Dと同様に、上プレート10Uの各切欠き部の一対の対向面は各位置決め部材と接触する。このように上プレート10U及び下プレート10Dの各切欠き部に各位置決め部材を挿入することで、下プレート10Dに対する上プレート10Uの相対的な位置を合わせる(位置決めする)ことができる。本実施形態では、上プレート10Uのレンズ11aの光軸と、下プレート10Dのレンズ11aの光軸とを一致させることができる。
【0059】
次に、
図8に示すように、上プレート10Uにクランププレート170を載せる(
図9のステップS6)。さらに、クランププレート170を上プレート10Uに載せた状態で、クランププレート170及び上プレート10Uを押し下げ、上プレート10Uを下プレート10Dと接触させる。この際、上プレート10Uの下面に形成されているレンズ11aが、下プレート10Dの上面に形成されているレンズ11aと接触する。またこの際、下プレート10Dの上面に塗布された接着剤が上プレート10Uの下面に付着する。
【0060】
次に、接着剤を固化させて、上プレート10Uと下プレート10Dを接合させる(
図9のステップS7)。本実施形態では、紫外線を照射することで、紫外線硬化型の接着剤を固化させることができる。プレート10の上にはクランププレート170が載せられているため、本実施形態ではプレート10の下方から紫外線を照射する。プレート10は短支柱120に載せられているため、短支柱120の隙間を介してプレート10の下方から紫外線を照射することができる。この際、クランププレート170によってプレート10が押さえられているため、プレート10の反りやうねりを矯正しながら上プレート10Uと下プレート10Dを接合させることができる。
【0061】
なお、紫外線の照射方法はこれに限るものではなく、例えばプレート10の上方から紫外線を照射できるように、クランププレート170を透明な素材で形成したり、小さく形成するなど、クランププレート170の形状や材質等を変更してもよい。
【0062】
また、本実施形態では紫外線硬化型の接着剤を用いているため、紫外線を照射して接着剤を固化させたが、他の接着剤を用いる場合には、その接着剤に応じた方法で固化させることができる。
【0063】
次に、クランププレート170を取り外すと共に、各位置決め部材を取り外す(
図9のステップS8)。これによって互いに接合された2枚のプレート10を得ることができる。すなわち、光学部品1を製造することができる。なお、光学部品1は、左切欠き部12、右切欠き部13、後切欠き部14を除去するように外郭を削って最終製品としてもよい。
【0064】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の技術的思想の範囲内で適宜の変更が可能である。
【0065】
例えば、本実施形態では矩形状のプレート10を用いて光学部品1を製造する例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、プレート10の形状は任意に変更することが可能である。例えば、円形状のプレート10を用いて光学部品1を製造することも可能である。
【0066】
また、本実施形態では、両面にレンズ11aが形成されたプレート10を用いて光学部品1を製造する例を示したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、片面のみにレンズ11aが形成された2枚のプレート10を接合することで、両面にレンズ11aが形成された光学部品1を製造することも可能である。
【0067】
また、本実施形態では、同じ成形型20を用いて同一形状に形成された2枚のプレート10を用いて光学部品1を製造する例を示したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、異なる成形型20を用いて同一形状に形成された2枚のプレート10を用いて光学部品1を製造することも可能である。また、互いに異なる形状を有する2枚のプレート10を用いて光学部品1を製造することも可能である。
【0068】
また、本実施形態で示した成形型20の構成は一例であり、プレート10を製造するための成形型20の構成は特に限定するものではなく、成形型20を構成する各部位を分割することや、一体化することも可能である。例えば、本実施形態ではキャビティブロック22に成形部22aを直接形成した例を示したが、成形部22aが形成された部材を別途用意し、キャビティブロック22に取り付ける構成とすることも可能である。
【0069】
また、本実施形態では、2枚のプレート10を接着剤で接合する例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、種々の方法で2枚のプレート10を接合することが可能である。例えば、レーザ溶着により接合したり、ビス等の固定具を用いて接合したりすることも可能である。
【0070】
また、本実施形態で例示した成形型20は一例であり、成形型20の構成は任意に変更することが可能である。
【0071】
また、例えば、接着剤を固化させる(
図9のステップS7)より前に、2枚のプレート10の位置が合っているかどうかを検査する工程を実行することも可能である。検査の方法としては、例えば2枚のプレート10の下方(ベース部110の上面)に目安となるような模様(例えば、図形や目盛線等)を設け、2枚のプレート10を上からのぞきこんだ場合に模様が歪んでいないか確認する方法がある。このような検査を行う場合、上からプレート10をのぞきこめるように、クランププレート170の形状を小さくするなど、任意に変更することが可能である。
【0072】
また、本実施形態では、2枚のプレート10を接合して光学部品1を製造する例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば3枚以上のプレート10を接合することも可能である。
【0073】
また、本実施形態では、プレート10に3つの切欠き部(左切欠き部12、右切欠き部13及び後切欠き部14)を形成した例を示したが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、互いに直交する2方向に沿って形成された少なくとも2つの切欠き部が形成されていれば、切欠き部の個数や位置は限定するものではない。
【0074】
また、本実施形態では、円柱状の短支柱120及び長支柱130を用いた例を示しているが、各支柱の形状は限定するものではない。すなわち、短支柱120は、プレート10を支持することが可能な形状であればよい。また長支柱130は、プレート10の位置決めを行うことが可能な形状であればよい。
【0075】
また、本実施形態で示した光学部品1の製造方法(
図9参照)は一例であり、その手順や内容は任意に変更することが可能である。例えば本実施形態では、クランププレート170を上プレート10Uに載せた状態で、クランププレート170及び上プレート10Uを押し下げ、上プレート10Uを下プレート10Dに接触させたが(ステップS6)、上プレート10Uの各切欠き部に位置決め部材をそれぞれ挿入した時点(ステップS5)で、上プレート10Uを下プレート10Dに接触させてもよい。
【0076】
<第2実施形態>
以下では、第2実施形態に係る光学部品1の製造方法(2枚のプレート10の接合方法)について説明する。
【0077】
第2実施形態に係る光学部品1の製造方法では、
図10及び
図11に示すように、第1凸部15及び第2凸部16が形成されたプレート10が用いられる。以下では、まず第2実施形態に係るプレート10について説明する。
【0078】
なお、第2実施形態に係るプレート10と、第1実施形態に係るプレート10(
図1等参照)との主な相違点は、第2実施形態に係るプレート10に第1凸部15及び第2凸部16が形成されている点である。よって以下では、主に第1凸部15及び第2凸部16について説明を行う。また、第1実施形態に係るプレート10(
図1等参照)と同様の構成については、同様の符号を付して説明を適宜省略する。
【0079】
第1凸部15は、プレート10の表面から突出するように形成された部分である。第1凸部15は、光学素子部11を外側から囲むような環状に形成される。第1凸部15は、光学素子部11よりも一回り大きい矩形状に形成される。第1凸部15は、光学素子部11の全周に亘って切れ目無く形成される。すなわち第1凸部15は、光学素子部11の外側において、連続的に連なるように形成される。第1凸部15は、プレート10に形成された切欠き部(左切欠き部12、右切欠き部13及び後切欠き部14)の内側を通過するように形成される。第1凸部15の高さは、光学素子部11の高さと概ね同一となるように(厳密には、光学素子部11の高さより若干低くなるように)形成される。第1凸部15は、プレート10の両面にそれぞれ形成される。
【0080】
第2凸部16は、プレート10の表面から突出するように形成された部分である。第2凸部16は、第1凸部15の外側に形成される。第2凸部16の高さは、光学素子部11の高さと概ね同一となるように(厳密には、光学素子部11の高さより若干低くなるように)形成される。第2凸部16は、主として切欠き側凸部16a及び外周側凸部16bを具備する。
【0081】
切欠き側凸部16aは、プレート10に形成された切欠き部(左切欠き部12、右切欠き部13及び後切欠き部14)の周囲に形成される。具体的には、切欠き側凸部16aは、切欠き部の一対の面(対向面)に沿うように形成される。一例として、
図11(a)に示す右切欠き部13に着目して説明すると、切欠き側凸部16aは、右切欠き部13の前後に対向する一対の面(対向面)13a・13bに沿って左右に延びるように形成される。さらに切欠き側凸部16aの右端部は、プレート10の右端面に沿って前後に延びるように形成される。このように、切欠き側凸部16aは、切欠き部及びプレート10の端面に沿うような略L字状に形成される。
【0082】
外周側凸部16bは、プレート10の端面に沿って形成される。具体的には、外周側凸部16bは、矩形状に形成されたプレート10の前後及び左右の端面に沿うように形成される。外周側凸部16bは、一部が不連続となるように形成される。具体的には、
図10及び
図11に示すように、外周側凸部16bと切欠き側凸部16aとの間には隙間が設けられることで、切欠き部Nが形成される。また、矩形状に形成されたプレート10の角部(頂点付近)の付近にも、切欠き部Nが形成される。その他、適宜の位置に、切欠き部Nが形成される。
【0083】
なお、第1凸部15及び第2凸部16は、プレート10の上下両面にそれぞれ形成される。プレート10の上下両面は同一の形状に形成されるため、プレート10を上下反転させて使用することも可能である。
【0084】
次に、第2実施形態に係る光学部品1の製造方法の具体的な手順について説明する。なお、第2実施形態に係る光学部品1の製造方法は、基本的には第1実施形態(
図9等参照)と同様であるため、以下では、主に第1実施形態と異なる点について説明を行い、第1実施形態と同様の点については説明を適宜省略する。
【0085】
第2実施形態において、下プレート10Dに接着剤を塗布する場合(
図9のステップS3)、
図12に示すように、第1凸部15の外側に接着剤Gを塗布する。なお、
図12では、下プレート10Dに塗布された接着剤Gをハッチングで示している。
【0086】
この際、第1凸部15及び第2凸部16を、接着剤Gを塗布する際のガイドとして用いることができる。具体的には、接着剤Gを塗布するために用いられる器具(例えば、シリンジ等)を第1凸部15及び第2凸部16に沿って移動させることで、塗布作業を容易に行うことができる。
【0087】
また、第1凸部15及び第2凸部16の高さと、下プレート10Dに塗布された接着剤Gの高さとを比較することで、接着剤Gの塗布量を把握することができるため、接着剤Gの塗布量を容易に調整することができる。
【0088】
また、光学素子部11の周囲に形成された第1凸部15によって、接着剤Gが光学素子部11側へ流れ込むことを防止することができる。これによって、不良品の発生を防止することができる。また、切欠き部(右切欠き部13等)の周囲に形成された切欠き側凸部16aによって、接着剤Gが右切欠き部13等へ流れ出すことを防止することができる。これによって、位置決め部材(第1位置決め部材140、第2位置決め部材150及び第3位置決め部材160)への接着剤Gの付着や、位置決め精度の低下等を防止することができる。
【0089】
接着剤Gが塗布された後に、上プレート10Uの溝(各切欠き部)、下プレート10Dの溝(各切欠き部)に位置決め部材を挿入し(
図9のステップS4,S5)、その後、上プレート10Uにクランププレート170を載せ(
図9のステップS6)、上プレート10Uを下プレート10Dと接触させる。これによって、上プレート10Uの下面に形成されているレンズ11aが、下プレート10Dの上面に形成されているレンズ11aと接触する。
【0090】
この際、上プレート10U及び下プレート10Dに形成された第1凸部15同士が上下方向に対向するように配置される。また、上プレート10U及び下プレート10Dに形成された第2凸部16同士が上下方向に対向するように配置される(
図12(b)参照)。プレート10の内側に形成された第1凸部15に加えて、プレート10の外側に形成された第2凸部16を上下方向に対向するように配置することで、2枚のプレート10が相対的に傾くことを防止することができる。
【0091】
上プレート10Uを下プレート10Dと接触させる際に、下プレート10Dに塗布された接着剤Gが、上プレート10Uと下プレート10Dとの間で押し広げられる。これによって、光学素子部11の周囲の広範囲に接着剤Gを塗布することができ、接着ムラの発生を防止することができる。
【0092】
この際、上プレート10U及び下プレート10Dに形成された第1凸部15によって、接着剤Gが光学素子部11側へ流れ込むことを防止することができる。また切欠き側凸部16aによって、接着剤Gが切欠き部(右切欠き部13等)へ流れ出すことを防止することができる。
【0093】
また、上プレート10U及び下プレート10Dに形成された外周側凸部16bによって、接着剤Gがプレート10の外側へと流れ出すことを防止することができる。これによって、接着剤Gをプレート10内で押し広げることができるため、接着剤Gをプレート10に効率的に塗布することができる。さらに、外周側凸部16bに形成された切欠き部Nによって、余分に塗布された接着剤Gを逃がすことができるため、接着剤Gが光学素子部11側へ流れ込むことを効果的に防止することができる。
【0094】
以上のように、第2実施形態に係るプレート10は、第1凸部15及び第2凸部16によって接着剤Gの流動を制限することで、光学部品1の不良の発生を防止することができる。
【0095】
なお、第2実施形態に係る上プレート10U及び下プレート10Dは同一の形状となるように形成されているため、第1実施形態と同様に、同一の成形型によって製造することができる。これによって、光学部品1を製造するための初期投資を抑えることができる。
【0096】
また、プレート10の上下両面は同一の形状であるため、プレート10を上下反転させて使用することが可能である。このため、例えばプレート10の成形後に反りが発生している場合には、反りの方向に応じた任意の向きでプレート10を使用することで、光学部品1の品質の維持及び向上を図ることができる。
【0097】
以上、本発明の第2実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の技術的思想の範囲内で適宜の変更が可能である。第1実施形態における適宜の変更に加えて、例えば以下のような変形例が可能である。
【0098】
第2実施形態では、第1凸部15及び第2凸部16の高さが、光学素子部11の高さと概ね同一となるように形成された例を示したが、
図13(a)に示す第1変形例のように、第1凸部15及び第2凸部16の高さが、光学素子部11の高さよりも低くなるように形成することも可能である。この場合、上プレート10Uを下プレート10Dに載せると、上プレート10Uのレンズ11aが下プレート10Dのレンズ11aと接触する。このため、上下方向に対向する第1凸部15及び第2凸部16の間には、隙間P1が形成される。この隙間P1は、接着剤Gが流通できない程度に小さく設定されることが好ましい。
【0099】
また、
図13(b)に示す第2変形例のように、第1凸部15及び第2凸部16の高さが、光学素子部11の高さよりも高くなるように形成することも可能である。この場合、上プレート10Uを下プレート10Dに載せると、上下方向に対向する第1凸部15及び第2凸部16同士が接触する。このため、上下方向に対向するレンズ11aの間には、隙間P2が形成される。例えば、光学部品1の設計上、レンズ11aの隙間P2を確保する必要がある場合には、
図13(b)に示す例のように、第1凸部15及び第2凸部16の高さを隙間P2に応じて設定することで、レンズ11aの隙間P2を容易に確保することができる。
【0100】
また、第2実施形態では、上プレート10U及び下プレート10Dを同一形状に形成した例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、上プレート10U及び下プレート10Dを異なる形状に形成することも可能である。例えば、
図13(c)に示す第3変形例のように、第1凸部15及び第2凸部16を、2枚のプレート10のうち、一方のプレート10のみ(
図13(c)では、下プレート10Dのみ)に形成することも可能である。また図示は省略するが、第1凸部15を一方のプレート10に形成し、第2凸部16を他方のプレート10に形成することも可能である。
【0101】
また、第2実施形態では、プレート10の両面に第1凸部15及び第2凸部16を形成した例を示したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、
図13(c)に示す第3変形例の下プレート10Dのように、下プレート10Dの一方の面(上面)にのみ、第1凸部15等を形成することも可能である。
【0102】
また、第2実施形態で例示した第1凸部15及び第2凸部16の形状や配置等(
図10等参照)は一例であり、任意に変更することが可能である。但し、接着剤Gが光学素子部11に流れ込むことを防止する観点から、第1凸部15は、光学素子部11の全周に亘って連続的に連なるように形成されることが望ましい。
【0103】
また、第1凸部15及び第2凸部16は、少なくとも上プレート10U及び下プレート10Dのうち少なくとも一方に形成されていればよい。また、第2凸部16は、必ずしもプレート10に形成する必要はない。
【0104】
<第3実施形態>
以下では、第3実施形態に係る光学部品1の製造方法について説明する。
【0105】
第3実施形態に係る光学部品1の製造方法では、
図14に示すように、第2実施形態と同様に、第1凸部15及び第2凸部16が形成されたプレート10が用いられる。また、第3実施形態に係る光学部品1の製造方法は、接着剤を用いてプレート10を接合するのではなく、レーザ溶着によってプレート10を接合する点で第1実施形態及び第2実施形態と異なる。そこで以下では、第1実施形態に係る光学部品1の製造方法(
図9参照)と異なる工程(ステップ)について説明を行い、その他の工程については説明を適宜省略する。
【0106】
第3実施形態においては、下プレート10Dを組立治具100に配置した後で(
図15のステップS2)、下プレート10Dに接着剤を塗布することなく、下プレート10Dの各切欠き部に、位置決め部材をそれぞれ挿入する(
図15のステップS4)。その後、上プレート10Uの各切欠き部に位置決め部材をそれぞれ挿入し(
図15のステップSS5)、上プレート10Uにクランププレート170を載せる(
図15のステップS6)。
【0107】
ここで、第3実施形態では上方から照射されるレーザによってプレート10を接合する(
図14(b)参照)。このため、第3実施形態では、上方から照射されるレーザを阻害しないように、光透過性を有する材料(例えば、ガラス等)により形成されたクランププレート170が用いられる。なお、上方から照射されるレーザを阻害しない位置にクランププレート170が配置される場合や、下方からプレート10にレーザが照射される場合には、必ずしも光透過性を有するクランププレート170を用いる必要はない。
【0108】
次に、
図14(b)に示すように、上方からレーザを照射し、上プレート10Uと下プレート10Dとをレーザ溶着する(
図15のステップS17)。ここで、レーザ溶着を行う場合、
図14に示すように、レーザを第1凸部15及び第2凸部16に沿って照射することで、上プレート10Uに形成された第1凸部15等と、下プレート10Dに形成された第1凸部15等とが溶着される。なお、
図14(a)には、レーザの照射位置の一例を破線Wで示している。このように、上下に対向するように配置された第1凸部15及び第2凸部16を溶着することで、上プレート10Uと下プレート10Dとを接合することができる。
【0109】
ここで、第3実施形態では、波長の長いレーザ(例えば、波長が2μmのレーザ)を用いている。波長の長いレーザを用いることで、透明なプレート10にレーザ光を吸収させ、溶着を行うことができる。なお、波長の短いレーザ(例えば、波長が1μmのレーザ)を用いる場合には、例えば溶着部分(第1凸部15及び第2凸部16同士が対向する面)に予めカーボン等の光吸収材を塗布することで、プレート10の溶着が可能となる。
【0110】
次に、クランププレート170を取り外すと共に、各位置決め部材を取り外す(
図15のステップS8)。これによって互いに接合された2枚のプレート10を得ることができる。すなわち、光学部品1を製造することができる。
【0111】
以上のように、第3実施形態では、レーザ溶着によってプレート10を接合するため、接着剤を用いる場合とは異なり、接着剤が光学素子部11に流れ込んだり、接着ムラが発生したりすることを防止することができる。また、接着剤を固化させる時間が不要となるため、光学部品1の製造時間の短縮を図ることができる。また、接着剤の劣化によりプレート10同士が分離するおそれがなくなる。
【0112】
特に第3実施形態では、第1凸部15同士をレーザ溶着するため、第2実施形態に比べて光学素子部11に近い位置でプレート10同士を均等に接合することができる。これによって、精度の高い光学部品1を製造することができる。また第3実施形態では、切欠き側凸部16a同士をレーザ溶着するため、第2実施形態に比べて右切欠き部13等に近い位置でプレート10同士を均等に接合することができる。これによって、プレート10の位置決めをより精度良く行なうことができる。
【0113】
また第3実施形態では、第1凸部15だけでなく、第2凸部16(外周側凸部16b等)同士をレーザ溶着するため、より強固にプレート10同士を接合することができる。また、外周側凸部16bに切欠き部Nを設けることで、レーザ溶着を行う際の熱をプレート10の外部へと放出することができ、プレート10の異常(変形等)の発生を抑制することができる。
【0114】
以上、本発明の第3実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の技術的思想の範囲内で適宜の変更が可能である。第1実施形態、第2実施形態における適宜の変更に加えて、例えば以下のような変形例が可能である。
【0115】
第3実施形態では、第2実施形態と同様の第1凸部15及び第2凸部16が形成されたプレート10を用いて、この凸部同士をレーザ溶着する例を示したが、本発明はこれに限るものではない。すなわち本発明は、プレート10同士を接合できるものであれば、凸部の形状や配置等は限定しない。
【0116】
例えば、
図14に示した例では、光学素子部11を周囲から囲む第1凸部15と、第1凸部15の外側に配置された第2凸部16と、を示したが、
図16(a)に示す第4変形例のように、光学素子部11を周囲から囲む凸部17のみをプレート10に形成することも可能である。
【0117】
また、
図16(a)に示す第4変形例では、光学素子部11の全周に亘って連続的に連なるように形成された凸部17を示したが、
図16(b)に示す第5変形例のように、不連続な凸部18をプレート10に形成することも可能である。
【0118】
また、第3実施形態についても、第2実施形態と同様に、プレート10の形状(凸部の高さ、各プレート10の凸部の有無等)は任意に変更することが可能である(
図13参照)。
【0119】
<付記>
本開示の第1側面の光学部品1の製造方法は、
光学素子部11を有するプレート10を2枚以上接合して光学部品1を製造する光学部品1の製造方法であって、
互いに直交する2方向に沿って形成された少なくとも2つの第1切欠き部(左切欠き部12及び右切欠き部13、並びに、後切欠き部14)を有する第1プレート(下プレート10D)の、各第1切欠き部の互いに対向する一対の対向面の両方に位置決め部材(第1位置決め部材140、第2位置決め部材150及び第3位置決め部材160)を接触させる第1位置決め工程(
図9のステップS4)と、
互いに直交する2方向に沿って形成された少なくとも2つの第2切欠き部(左切欠き部12及び右切欠き部13、並びに、後切欠き部14)を有する第2プレート(上プレート10U)の、各第2切欠き部の互いに対向する一対の対向面の両方に前記位置合わせ用部材を接触させる第2位置決め工程(
図9のステップ5)と、
前記第1プレートと前記第2プレートとを接合する接合工程(
図9のステップS7)と、
を含む。
本開示の第1側面の光学部品1の製造方法によれば、プレート10同士の位置合わせを精度良く行うことができる。すなわち、2つのプレート10に形成された切欠き部の一対の対向面に位置決め部材を接触させることで、2つのプレート10の相対的な位置決めを行うことができる。また、比較的容易に位置決めを行うことができるため、作業負担を軽減することができる。
【0120】
第1側面に従う第2側面の光学部品1の製造方法は、
前記第1位置決め工程の前に、前記第1プレートを複数の第1支柱(短支柱120)の上に載置する載置工程(
図9のステップS2)を含む。
本開示の第2側面の光学部品1の製造方法によれば、第1プレートの下方(短支柱120の隙間)にスペースを確保することができる。これによって、下方から紫外線を照射したり、プレート10の確認をしたりすることができるため、作業性を向上させることができる。
【0121】
第2側面に従う第3側面の光学部品1の製造方法において、
前記光学素子部11は、前記第1プレートの下面に形成された複数のレンズ11aを含み、
前記載置工程において、前記第1プレートは、前記レンズ11aと前記第1支柱とが接触するように配置される。
本開示の第3側面の光学部品1の製造方法によれば、第1支柱がレンズ11aの球面上の1点と接触する(点当たりする)ことになるため、第1プレートの反りやうねり、がたつき等を抑制することができる。
【0122】
第2又は第3側面に従う第4側面の光学部品1の製造方法は、
前記載置工程において、前記第1プレートは、前記第1支柱とは異なる第2支柱(長支柱130)に端面が接触するように載置される。
本開示の第4側面の光学部品1の製造方法によれば、第2支柱によって第1プレートの大まかな位置決めを行うことができる。これによって、第1プレートを正常な位置に配置することができ、作業性を向上させることができる。
【0123】
第2から第4側面のいずれかに従う第5側面の光学部品1の製造方法は、
前記第2位置決め工程の後、かつ、前記接合工程の前に、前記第1プレート及び前記第2プレートの上に重り(クランププレート170)を載せる重り配置工程(
図9のステップS6参照)を含む。
本開示の第5側面の光学部品1の製造方法によれば、プレート10の反りやうねりを矯正することができる。
【0124】
第1から第5側面のいずれかに従う第6側面の光学部品1の製造方法において、
前記光学素子部11は、前記プレート10の両面にそれぞれ形成された複数のレンズ11aを含む。
本開示の第6側面の光学部品1の製造方法によれば、両面にレンズ11aが形成されたプレート10同士の位置合わせを精度良く行うことができる。
【0125】
第6側面に従う第7側面の光学部品1の製造方法において、
前記第1プレートの前記第1切欠き部及び前記レンズ11a、並びに、前記第2プレートの前記第2切欠き部及び前記レンズ11aは、同一の成形型20を用いた樹脂成形により形成されている。
本開示の第7側面の光学部品1の製造方法によれば、同じ成形型20を用いて2枚のプレート10を製造することで、両者の寸法を同一にすることができ、プレート10同士の位置合わせを精度良く行うことができる。また、レンズ11aと各切欠き部の相対的な位置関係が一定となるため、複数のプレート10のレンズ11aの光軸を精度良く一致させることができる。
【0126】
第1から第7側面のいずれかに従う第8側面の光学部品1の製造方法において、
前記第1プレート及び前記第2プレートのうち少なくとも一方は、前記光学素子部11を外側から囲むように形成された環状の第1凸部15を有し、
前記接合工程(
図9のステップS7)において、前記第1凸部15の外側に塗布された接着剤により前記第1プレートと前記第2プレートとが接合される。
本開示の第8側面の光学部品1の製造方法によれば、接着剤が光学素子部11に流れ込むことを防止することができる。
【0127】
第8側面に従う第9側面の光学部品1の製造方法において、
前記第1プレート及び前記第2プレートのうち少なくとも一方は、前記第1凸部15の外側に形成された第2凸部16を有する。
本開示の第9側面の光学部品1の製造方法によれば、第2凸部16によって接着剤の流動を制限することで、光学部品1の不良の発生を防止することができる。また、第1凸部15に加えて第2凸部16を形成することで、2枚のプレート10が相対的に傾くことを防止することができる。
【0128】
第9側面に従う第10側面の光学部品1の製造方法において、
前記第2凸部16は、前記第1切欠き部及び前記第2切欠き部の周囲に形成された切欠き側凸部16aを含む。
本開示の第10側面の光学部品1の製造方法によれば、位置決め部材(第1位置決め部材140、第2位置決め部材150及び第3位置決め部材160)への接着剤Gの付着や、位置決め精度の低下等を防止することができる。
【0129】
本開示の第1から第7側面のいずれかに従う第11側面の光学部品1の製造方法において、
前記第1プレート及び前記第2プレートは、前記光学素子部11の外側に形成された溶着用凸部(第1凸部15及び第2凸部16)を有し、
前記接合工程(
図15のステップS17)において、前記第1プレートに形成された前記溶着用凸部と、前記第2プレートに形成された前記溶着用凸部とがレーザ溶着される。
本開示の第11側面の光学部品1の製造方法によれば、接着剤を用いる場合とは異なり、接着剤が光学素子部11に流れ込んだり、接着ムラが発生したりすることを防止することができる。また、接着剤を固化させる時間が不要となるため、光学部品1の製造時間の短縮を図ることができる。
【符号の説明】
【0130】
1 光学部品
10 プレート
11 光学素子部
11a レンズ
12 左切欠き部
13 右切欠き部
14 後切欠き部
15 第1凸部
16 第2凸部
16a 切欠き側凸部
16b 外周側凸部
20 成形型
100 組立治具
120 短支柱
130 長支柱
140 第1位置決め部材
150 第2位置決め部材
160 第3位置決め部材
170 クランププレート
【手続補正書】
【提出日】2023-04-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学素子部を有するプレートを2枚以上接合して光学部品を製造する光学部品の製造方法であって、
互いに直交する2方向に沿って形成された少なくとも2つの第1切欠き部を有する第1プレートの、各第1切欠き部の互いに対向する一対の対向面の両方に位置決め部材を接触させる第1位置決め工程と、
互いに直交する2方向に沿って形成された少なくとも2つの第2切欠き部を有する第2プレートの、各第2切欠き部の互いに対向する一対の対向面の両方に前記位置決め部材を接触させる第2位置決め工程と、
前記第1プレートと前記第2プレートとを接合する接合工程と、
を含む光学部品の製造方法。
【請求項2】
前記第1位置決め工程の前に、前記第1プレートを複数の第1支柱の上に載置する載置工程を含む、
請求項1に記載の光学部品の製造方法。
【請求項3】
前記光学素子部は、前記第1プレートの下面に形成された複数のレンズを含み、
前記載置工程において、前記第1プレートは、前記レンズと前記第1支柱とが接触するように配置される、
請求項2に記載の光学部品の製造方法。
【請求項4】
前記載置工程において、前記第1プレートは、前記第1支柱とは異なる第2支柱に端面が接触するように載置される、
請求項2に記載の光学部品の製造方法。
【請求項5】
前記第2位置決め工程の後、かつ、前記接合工程の前に、前記第1プレート及び前記第2プレートの上に重りを載せる重り配置工程を含む、
請求項2に記載の光学部品の製造方法。
【請求項6】
前記光学素子部は、前記プレートの両面にそれぞれ形成された複数のレンズを含む、
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の光学部品の製造方法。
【請求項7】
前記第1プレートの前記第1切欠き部及び前記レンズ、並びに、前記第2プレートの前記第2切欠き部及び前記レンズは、同一の成形型を用いた樹脂成形により形成されている、
請求項6に記載の光学部品の製造方法。
【請求項8】
前記第1プレート及び前記第2プレートのうち少なくとも一方は、前記光学素子部を外側から囲むように形成された環状の第1凸部を有し、
前記接合工程において、前記第1凸部の外側に塗布された接着剤により前記第1プレートと前記第2プレートとが接合される、
請求項1に記載の光学部品の製造方法。
【請求項9】
前記第1プレート及び前記第2プレートのうち少なくとも一方は、前記第1凸部の外側に形成された第2凸部を有する、
請求項8に記載の光学部品の製造方法。
【請求項10】
前記第2凸部は、前記第1切欠き部及び前記第2切欠き部の周囲に形成された切欠き側凸部を含む、
請求項9に記載の光学部品の製造方法。
【請求項11】
前記第1プレート及び前記第2プレートは、前記光学素子部の外側に形成された溶着用凸部を有し、
前記接合工程において、前記第1プレートに形成された前記溶着用凸部と、前記第2プレートに形成された前記溶着用凸部とがレーザ溶着される、
請求項1に記載の光学部品の製造方法。