(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062370
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】組電池
(51)【国際特許分類】
H01M 50/291 20210101AFI20240430BHJP
H01M 50/342 20210101ALI20240430BHJP
H01M 50/35 20210101ALI20240430BHJP
H01M 50/293 20210101ALI20240430BHJP
【FI】
H01M50/291
H01M50/342 201
H01M50/35 201
H01M50/342 101
H01M50/293
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092513
(22)【出願日】2023-06-05
(31)【優先権主張番号】202211299326.X
(32)【優先日】2022-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】518405050
【氏名又は名称】恵州億緯▲リ▼能股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】EVE ENERGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 38, Huifeng 7th Road, Zhongkai Hi-Tech Zone Huizhou, Guangdong 516006, China
(71)【出願人】
【識別番号】521221180
【氏名又は名称】湖北億緯動力有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】梁 先豫
(72)【発明者】
【氏名】▲ウェイ▼ 雪青
【テーマコード(参考)】
5H012
5H040
【Fターム(参考)】
5H012AA07
5H012BB06
5H012BB08
5H040AA03
5H040AT06
5H040AY04
5H040AY05
5H040AY08
5H040NN03
(57)【要約】
【課題】本発明は電池の技術分野に属し、組電池を開示する。
【解決手段】組電池は、電池箱と前記電池箱内に設けられたセルモジュールを含み、前記電池箱は底板を含み、前記底板内に底部キャビティが設けられ、前記底板の頂面に前記底部キャビティに連通される複数の連通孔が設けられ、前記電池箱の外壁に前記底部キャビティに連通される弁取付孔が設けられ、前記弁取付孔が圧力放出弁を取り付けるために用いられ、前記セルモジュールは頂部ラケットおよびセルアセンブリを含み、前記セルアセンブリが複数のセルを含み、前記セルの防爆弁が前記連通孔と対向に設けられ、前記頂部ラケットが前記セルアセンブリの頂部に設けられ、前記セルアセンブリを前記電池箱に押圧するように、前記頂部ラケットが前記電池箱に接続される。該組電池において、部品数が少なくて、コストを低減することに有利である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池箱と前記電池箱内に設けられたセルモジュール(30)を含む組電池であって、
前記電池箱は、底板(10)を含み、前記底板(10)内に底部キャビティ(110)が設けられ、前記底板(10)の頂面に前記底部キャビティ(110)に連通される複数の連通孔(1111)が設けられ、前記電池箱の外壁に前記底部キャビティ(110)に連通される弁取付孔が設けられ、前記弁取付孔が圧力放出弁(40)を取り付けるために用いられ、
前記セルモジュール(30)は、頂部ラケット(32)およびセルアセンブリを含み、前記セルアセンブリが複数のセル(31)を含み、前記セル(31)の防爆弁が前記連通孔(1111)と正対に設置され、前記頂部ラケット(32)が前記セルアセンブリの頂部に設けられ、前記セルアセンブリを前記電池箱に押圧するように、前記頂部ラケット(32)が前記電池箱に接続される、組電池。
【請求項2】
前記頂部ラケット(32)に複数の回避孔が設けられ、前記回避孔が前記セル(31)と一対一に設けられ、前記セル(31)の頂部の電極は前記回避孔内に差し込んでいる、請求項1に記載の組電池。
【請求項3】
前記頂部ラケット(32)は、ラケット頂板、対向して配置された2枚のラケット側板、および2枚のラケット折板を含み、
前記ラケット頂板が前記セルアセンブリの頂面に設けられ、前記回避孔が前記ラケット頂板に設けられ、
前記ラケット頂板の対向する両側がいずれも前記ラケット側板に接続され、前記ラケット側板が前記ラケット頂板に垂直に接続され、
各前記ラケット側板がいずれも前記ラケット折板に接続され、前記ラケット折板が前記ラケット側板に垂直に接続され、前記ラケット折板が前記電池箱との固定に用いられる、請求項2に記載の組電池。
【請求項4】
前記電池箱の内壁に水平に延びる支持面(221)が設けられ、前記ラケット折板が前記支持面(221)に固定される、請求項3に記載の組電池。
【請求項5】
前記セルモジュール(30)は前記セルアセンブリを支持するために用いられる底部ラケット(33)をさらに含み、前記底部ラケット(33)が前記底板(10)に設けられ、前記頂部ラケット(32)と前記底部ラケット(33)は前記セルアセンブリを挟むように協働する、請求項1~4のいずれか一項に記載の組電池。
【請求項6】
前記底板(10)は前記底部ラケット(33)により形成される、請求項5に記載の組電池。
【請求項7】
前記セル(31)は、前記底部ラケット(33)および前記頂部ラケット(32)の少なくとも一方に粘着剤で接着して固定される、請求項5に記載の組電池。
【請求項8】
前記底部ラケット(33)に複数の孔(331)が設けられ、前記孔(331)が前記連通孔(1111)と一対一に設けられ、互いに連通される、請求項5に記載の組電池。
【請求項9】
前記底部ラケット(33)には、少なくとも1つの前記孔(331)の周縁を囲んで下方に延びるように位置決めスリーブ(332)が設けられ、前記位置決めスリーブ(332)は、対応する前記連通孔(1111)内に差し込んでいる、請求項8に記載の組電池。
【請求項10】
前記底部ラケット(33)と前記底板(10)との間に粘着剤層(50)が設けられ、前記粘着剤層(50)が前記底部ラケット(33)と前記底板(10)を接着するために用いられる、請求項5に記載の組電池。
【請求項11】
前記電池箱は箱側板(20)をさらに含み、前記箱側板(20)が前記底板(10)に接続され、前記箱側板(20)の内部に前記底部キャビティ(110)に連通される側部キャビティ(211)が設けられ、前記弁取付孔が前記箱側板(20)に設けられ、且つ前記側部キャビティ(211)に連通され、前記側部キャビティ(211)内にグリッド板(212)が設けられ、前記グリッド板(212)が前記弁取付孔と前記底部キャビティ(110)との間に位置する、請求項1~4のいずれか一項に記載の組電池。
【請求項12】
前記グリッド板(212)は板体(2121)を含み、前記板体(2121)に複数のグリッド孔(2122)が設けられる、請求項11に記載の組電池。
【請求項13】
前記箱側板(20)に前記側部キャビティ(211)に連通される差込口が設けられ、前記底板(10)の端部が前記差込口内に挿入される、請求項11に記載の組電池。
【請求項14】
ガイド面(1112)を形成するために前記底板(10)の前記差込口内に差し込んだ一端に面取りが設けられ、前記ガイド面(1112)が上から下まで前記側部キャビティ(211)の内側に向かって斜めに配置される、請求項13に記載の組電池。
【請求項15】
前記底板(10)は順に接続されている第1底板(11)、中間遮断梁(12)および第2底板(13)を含み、前記第1底板(11)内に前記底部キャビティ(110)が形成され、前記底部キャビティ(110)が第1方向に沿って前記第1底板(11)を貫通し、前記側部キャビティ(211)が前記第1底板(11)の前記第1方向に沿う一端に設けられ、前記第1底板(11)の前記第1方向に沿う他端に前記中間遮断梁(12)が接続される、請求項11に記載の組電池。
【請求項16】
前記第1底板(11)はトッププレート(111)、ボトムプレート(112)および前記ボトムプレート(112)と前記トッププレート(111)との間に設けられた補強リブ(113)を含み、前記補強リブ(113)が前記第1方向に沿って延びる、請求項15に記載の組電池。
【請求項17】
前記第2底板(13)は中空構造である、請求項15に記載の組電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電池の技術分野に属し、特に組電池に関する。
【背景技術】
【0002】
組電池は、電池箱と電池箱内に設けられたセルモジュールを含む。既存の組電池において、セルが熱暴走する時に放出された物質および高温ガスを排出するために、パレットと電池箱の底面を間隔を置いて配置することによって圧力放出通路が形成されるのが一般的であるが、この種類の電池箱は、パレットと電池箱の底面を間隔を置いて配置するために、パレットを支える構造を設置する必要があり、部品数が増えることで、組電池の組立てが複雑になり、コストがかかる。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、既存の組電池における部品数が多いという課題を解決することができる組電池を提供することである。
【0004】
上記の目的を実現するために、本発明は以下の技術方案を用いる。
組電池は、電池箱と電池箱内に設けられたセルモジュールを含み、
前記電池箱は底板を含み、前記底板内に底部キャビティが設けられ、前記底板の頂面に前記底部キャビティに連通される複数の連通孔が設けられ、前記電池箱の外壁に前記底部キャビティに連通される弁取付孔が設けられ、前記弁取付孔が圧力放出弁を取り付けるために用いられ、
前記セルモジュールは頂部ラケットおよびセルアセンブリを含み、前記セルアセンブリが複数のセルを含み、前記セルの防爆弁が前記連通孔と正対に設置され、前記頂部ラケットが前記セルアセンブリの頂部に設けられ、前記セルアセンブリを前記電池箱に押圧するように、前記頂部ラケットが前記電池箱に接続される。
【0005】
前記組電池の一例として、前記頂部ラケットに複数の回避孔が設けられ、前記回避孔が前記セルと一対一に設けられ、前記セルの頂部の電極は前記回避孔内に差し込んでいる。
【0006】
前記組電池の一例として、前記頂部ラケットは、ラケット頂板、対向して配置された2枚のラケット側板、および2枚のラケット折板を含み、
前記ラケット頂板が前記セルアセンブリの頂面に設けられ、前記回避孔が前記ラケット頂板に設けられ、
前記ラケット頂板の対向する両側がいずれも前記ラケット側板に接続され、前記ラケット側板が前記ラケット頂板に垂直に接続され、
各前記ラケット側板がいずれも前記ラケット折板に接続され、前記ラケット折板が前記ラケット側板に垂直に接続され、前記ラケット折板が前記電池箱との固定に用いられる。
【0007】
前記組電池の一例として、前記電池箱の内壁に水平に延びる支持面が設けられ、前記ラケット折板が前記支持面に固定される。
【0008】
前記組電池の一例として、前記セルモジュールは前記セルアセンブリを支持するために用いられる底部ラケットをさらに含み、前記底部ラケットが前記底板に設けられ、前記頂部ラケットと前記底部ラケットは前記セルアセンブリを挟むように協働する。
【0009】
前記組電池の一例として、前記底板は前記底部ラケットにより形成される。
【0010】
前記組電池の一例として、前記セルは、前記底部ラケットと前記頂部ラケットの少なくとも一方に粘着剤で接着して固定される。
【0011】
前記組電池の一例として、前記底部ラケットに複数の孔が設けられ、前記孔が前記連通孔と一対一に設けられ、互いに連通される。
【0012】
前記組電池の一例として、前記底部ラケットには、少なくとも1つの前記孔の周縁を囲んで下方に延びるように位置決めスリーブが設けられ、前記位置決めスリーブは、対応する前記連通孔内に差し込んでいる。
【0013】
前記組電池の一例として、前記底部ラケットと前記底板との間に粘着剤層が設けられ、前記粘着剤層が前記底部ラケットと前記底板を接着するために用いられる。
【0014】
前記組電池の一例として、前記電池箱は箱側板をさらに含み、前記箱側板が前記底板に接続され、前記箱側板の内部に前記底部キャビティに連通される側部キャビティが設けられ、前記弁取付孔が前記箱側板に設けられ、且つ前記側部キャビティに連通され、前記側部キャビティ内にグリッド板が設けられ、前記グリッド板が前記弁取付孔と前記底部キャビティとの間に位置する。
【0015】
前記組電池の一例として、前記グリッド板は板体を含み、前記板体に複数のグリッド孔が設けられる。
【0016】
前記組電池の一例として、前記箱側板に前記側部キャビティに連通される差込口が設けられ、前記底板の端部が前記差込口内に挿入される。
【0017】
前記組電池の一例として、ガイド面を形成するために前記底板の前記差込口内に差し込んだ一端に面取りが設けられ、前記ガイド面が上から下まで前記側部キャビティの内側に向かって斜めに配置される。
【0018】
前記組電池の一例として、前記底板は順に接続されている第1底板、中間遮断梁および第2底板を含み、前記第1底板内に前記底部キャビティが形成され、前記底部キャビティが第1方向に沿って前記第1底板を貫通し、前記側部キャビティが前記第1底板の前記第1方向に沿う一端に設けられ、前記第1底板の前記第1方向に沿う他端が前記中間遮断梁に接続される。
【0019】
前記組電池の一例として、前記第1底板はトッププレート、ボトムプレートおよび前記ボトムプレートと前記トッププレートとの間に設けられた補強リブを含み、前記補強リブが前記第1方向に沿って延びる。
【0020】
前記組電池の一例として、前記第2底板は中空構造である。
【発明の効果】
【0021】
本願によって提供された組電池において、底板は圧力を放出するために用いられる底部キャビティに直接に成形され、組電池の構造を簡略化し、部品数を低減し、コストを低減することに有利であり、セルアセンブリは頂部ラケットによってセルアセンブリを電池箱内に押圧しているため、固定方式が簡単で、操作が便利で、かつ固定効果がよい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本願によって提供されたセルモジュールが電池箱内に設けられることを示す構造模式図である。
【
図2】本願によって提供されたセルモジュールが電池箱内に設けられることを示す構造模式図である。
【
図3】本願によって提供された電池箱ことを示す断面図である。
【
図4】本願によって提供された底板と前側板との組立て部ことを示す断面図である。
【
図5】本願によって提供された電池箱の平面図である。
【
図7】本願によって提供された底部ラケットが電池箱内に設けられることを示す断面図である。
【
図8】本願によって提供された底部ラケットが電池箱内に設けられることを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面および実施例と合わせて、さらに詳細に説明する。ここで記載された具体的な実施例は、本発明を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図していないと理解されるものとする。なお、説明の便利上、本発明に関連する構造の一部のみ(全てではない)を図面に示している。
【0024】
本発明の説明において、明示的な規定と限定がない限り、用語「連結」、「接続」、「固定」は、広義に理解されるものとする。例えば、固定な接続であってもよく、着脱可能な接続であってもよく、一体式であってもよいし、機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよいし、直接な接続であってもよく、中間媒体による間接な接続であってもよく、2つの要素の内部の連通であってもよく、2つの要素の間の相互作用であってもよい。本発明における上記用語の具体的な意味は、特定の状況に応じて当業者によって理解され得る。
【0025】
本発明において、明示的な規定と限定がない限り、第2特徴の「上」または「下」にある第1特徴は、第1特徴と第2特徴が直接に接触することを含んでもよく、又は第1特徴と第2特徴が直接に接触せず、それらの間の他の特徴によって接触することを含んでもよい。また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」、「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上および斜め上にあることを含む、又は単に水平方向に第1特徴が第2特徴より高いことを示す。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」、「下面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下および斜め下にあることを含む、又は水平方向に単に第1特徴が第2特徴より低いことを示す。
【0026】
本実施形態の説明において、用語「上」、「下」、「右」等の向きまたは位置関係は、図面に示された向きまたは位置関係に基づいており、単に説明および操作の簡略化のためのものであり、特定の向き、特定の向きの構成および動作を有する装置または要素を示すこと、または示唆することではないため、本発明を限定するものと解釈すべきではない。さらに、用語「第1」、「第2」は、単に説明上に区別するためのものであり、特別な意味を有するものではない。
【0027】
図1と
図2に示すように、本実施例は電池箱および電池箱内に設けられたセルモジュール30を含む組電池を提供し、セルモジュール30はセルアセンブリと頂部ラケット32を含む。セルアセンブリは複数のセル31を含み、各セル31にいずれも防爆弁が設けられ、セル31の爆発を防止するために、防爆弁はセル31が熱暴走した場合に開くことができる。頂部ラケット32がセルアセンブリの頂部に設けられ、頂部ラケット32が電池箱に固定的に接続されることにより、セルアセンブリが電池箱内に押圧され、セルアセンブリの固定は実現される。本実施例において、頂部ラケット32によってセルアセンブリを電池箱内に押圧してセルアセンブリの固定を実現するため、セルアセンブリの固定方式が簡単で、操作しやすくなり、且つセルアセンブリのモジュール化程度が向上し、組電池の組立てが容易になる。
【0028】
さらに、セルモジュール30は底部ラケット33をさらに含み、底部ラケット33がセルアセンブリの底部に設けられ、セルアセンブリを支持するために用いられ、また、セルアセンブリを挟んで固定するために、底部ラケット33と頂部ラケット32はいずれも電池箱に固定的に接続される。
【0029】
セル31が熱暴走する時に噴射された気流と噴射物を電池箱の外に排出するために、電池箱は底板10を含み、底板10の内部に底部キャビティ110が形成され、底板10の頂面に底部キャビティ110に連通される複数の連通孔1111が設けられ、セル31が電池箱内に配置されると、セル31上の防爆弁は連通孔1111と正対して連通することができる。電池箱の外壁には底部キャビティ110に連通される弁取付孔が設けられ、弁取付孔は圧力放出弁40を取り付けるために用いられる。
【0030】
本実施例において、底板10を中空構造に設置することによって底部キャビティ110を形成し、圧力放出要求を満たした上で、組電池における部品数を減らし、コストを低減することができる。
【0031】
本実施例において、底板10と底部ラケット33は、2つの別体となる部材である。一部の実施例において、底板10は底部ラケット33により形成され、即ち底板10と底部ラケット33は一体式の同一の構造部材であり、部品数とコストのさらなる低減に有利である。
【0032】
さらに、底部ラケット33が底板10に設けられ、底部ラケット33に複数の孔331が設けられ、セル31が熱暴走する時に噴射された流体が孔331と連通孔1111を介して底部キャビティ110内に入るように、複数の孔331は底板10上の連通孔1111と一対一に設けられて連通する。
【0033】
さらに、頂部ラケット32に複数の回避孔が設けられ、回避孔はセル31と一対一に設けられ、セル31頂部の電極は、回避孔に差し込めるようにバスバーとの接続を容易にする。
【0034】
本実施例において、セル31の頂部と底部はそれぞれ粘着剤によって頂部ラケット32と底部ラケット33に接着固定されることにより、セル31の固定効果をさらに高める。底部ラケット33が粘着剤層50によって底板10に固定されるように、底部ラケット33と底板10との間には、粘着剤層50が設けられる。さらに、底部ラケット33と頂部ラケット32はいずれもネジによって電池箱にさらに固定される。なお、底部ラケット33はネジによって底板10に固定される。
【0035】
頂部ラケット32と電池箱との固定を容易にするために、頂部ラケット32はほぼU型であり、ラケット頂板、対向して設置された2枚のラケット側板および2枚のラケット折板を含む。ラケット側板の頂部がラケット頂板に接続され、ラケット側板の底部がラケット折板に接続される。組み立てる時に、ラケット頂板はセルアセンブリの頂部に粘着剤によって接着され、ラケット側板は上から下まで延びてセルアセンブリの側部を保護し、ラケット折板は電池箱にネジによって固定的に接続される。
【0036】
図1、
図2および
図4に示すように、電池箱は箱側板20をさらに含む。箱側板20は、底板10の周縁に接続され、且つ底板10の周縁を囲んで配置される。箱側板20の内部に底部キャビティ110に連通される側部キャビティ211が設けられ、弁取付孔は側部キャビティ211に連通され、側部キャビティ211内にグリッド板212が設けられ、グリッド板212は圧力放出弁40と底部キャビティ110との間に位置する。
【0037】
本実施例において、セル31が熱暴走する時に噴射された流体は、排出中に、先にグリッド板212を通過して、次に圧力放出弁40によって排出される。グリッド板212は箱側板20の強度を向上させる一方、流体に携帯される炎を緩め、阻害することができ、これにより、炎が圧力放出弁40と直接に接触することを避けられ、圧力放出弁40の耐用年数の向上に有利であり、炎が圧力放出弁40によって電池箱外に噴出することによる隠れた危険を防止することができる。
【0038】
具体的には、
図5と
図6に示すように、グリッド板212は板体2121を含み、板体2121は側部キャビティ211に垂直に設けられ、板体2121に複数のグリッド孔2122が設けられ、気流はグリッド孔2122を通過することができ、板体2121上の本体部分は炎を遮断し、炎が圧力放出弁40と直接に接触することを避けることができる。
【0039】
さらに、気流がスムーズに通過可能にするとともに、炎の遮断にも役立てるように、複数のグリッド孔2122が板体2121の底部に設けられる。
【0040】
具体的には、底板10はほぼ長方形の形状であり、箱側板20は4つの側板を含み、底板10の各側の周縁はいずれも1つの側板に接続される。説明の便宜上、4つの側板はそれぞれ前側板21、後側板23および2枚の左右側板22であり、圧力放出弁40と側部キャビティ211はいずれも前側板21に設けられる。
【0041】
本実施例において、前側板21との固定を実現するとともに底部キャビティ110を側部キャビティ211に連通させるために、前側板21の内側に差込口が設けられ、差込口は側部キャビティ211に連通され、底板10の前端は差込口内に挿入される。
【0042】
好ましくは、前側板21と底板10の前端との間は、溶接によって固定されてもよく、粘着剤による接着によって固定されてもよい。
【0043】
底部キャビティ110内の気流、噴射物及び炎が側部キャビティ211に入り且つ拡散するのを容易にさせるために、
図4に示すように、底板10の差込口内に差し込んだ一端に面取りが設けられてガイド面1112を形成し、ガイド面1112は、上から下まで側部キャビティ211の内側に向かって斜めに配置される。面取りを設けることによって、側部キャビティ211内の空間を増大することができ、そのため、ガス、噴射物および炎は、側部キャビティ211内のあらゆる箇所に十分に拡散することが容易になり、グリッド板212を通過して排出することができる。
【0044】
好ましくは、前側板21の内部には、前側板21の強度を高めるための複数の筋板が設けられる。
【0045】
さらに、底板10は順に接続された第1底板11、中間遮断梁12および第2底板13を含み、第1底板11内に底部キャビティ110が形成され、底部キャビティ110は第1方向に沿って第1底板11を貫通し、第1底板11の第1方向に沿う一端は前側板21に接続され、第1底板11の第一方向に沿う他端は中間遮断梁12に接続される。なお、第1方向は前後方向である。
【0046】
本実施例において、底部空洞110は第1方向に沿って第1底板11を貫通するため、第1底板11の加工に便利であり、第1底板11は押出、プレスまたはダイカスト法を利用して一体構造に成形されてもよく、強度を向上させ、加工コストを低減することに有利である。第1底板11の一端は、中間遮断梁12に接続され、底部空洞110の片側の開口を塞げるため、底部キャビティ110に入った流体および炎が所定方向に側部キャビティ211内に向かって流れられ、所定方向に圧力を放出することを実現することができる。
【0047】
さらに、
図3と
図7に示すように、第1底板11はトッププレート111、ボトムプレート112およびボトムプレート112とトッププレート111との間に設けられた補強リブ113を含み、連通孔1111がトッププレート111に設けられ、補強リブ113が第1方向に延びる。セル31はトッププレート111に取り付けられ、トッププレート111は孔付き板であるため、強度が弱い。補強リブ113を設置することによって、第1底板11の強度を向上させるだけでなく、組電池が外部の砕石衝撃に抵抗する能力を高めることにも有利である。
【0048】
好ましくは、補強リブ113の数および寸法は、シミュレーションまたは試験条件に従って調整されてもよい。
【0049】
好ましくは、第2底板13は中空構造である。第2底板13には、電池管理システムおよび電池熱管理システムなどの組電池における他の要素を配置してもよい。第2底板13を中空構造に設置することにより、第2底板13内の空気は断熱作用を果たし、組電池の作動時に発生する熱量が外部部品の作動と安全に影響することを避けられる。第2底板13の上方の構造から熱を放出するために、第2底板13の中に冷却媒体を注入してもよい。
【0050】
ラケット折板と電池箱との固定を容易にするために、
図8に示すように、電池箱における2枚の左右側板22の内壁には、水平に延びる支持面221が設けられ、ラケット折板は支持面221に当接され、且つネジによって固定される。
【0051】
本実施例において、底部ラケット33は、底部ラケット33が安定的に電池箱の底板10に置かれるように、平板構造とされる。
【0052】
底部ラケット33が底板10上で移動しないように、
図8と
図9に示すように、底部ラケット33には、少なくとも1つの孔331の周縁を囲んで下方に延びるように位置決めスリーブ332が設けられ、位置決めスリーブ332は対応する連通孔1111内に差し込んでいる。位置決めスリーブ332と連通孔1111との協働によって、底部ラケット33と底板10との位置決めを実現でき、底板10での底部ラケット33の位置ずれを回避でき、底部ラケット33と底板10の位置決め精度を向上させることに有利である。
【0053】
さらに、底部ラケット33には、少なくとも2つの孔331に対応して位置決めスリーブ332が設置され、これにより、底板10での底部ラケット33の偏向を制限でき、底部ラケット33と底板10との固定効果を向上させることに有利である。
【0054】
本発明の上記実施例は、単に本発明を明確化するためになされた例示に過ぎず、本発明の実施形態を限定するものではないことは明らかである。当業者には、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な明白な変形、再修正、及び置換が可能である。ここでは必ずしもすべての実施形態を網羅する必要はない。本発明の精神及び原則の範囲内でなされたあらゆる修正、同等置換及び改良等は、特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0055】
10 底板
11 第1底板
110 底部キャビティ
111 トッププレート
1111 連通孔
1112 ガイド面
112 ボトムプレート
113 補強リブ
12 中間遮断梁
13 第2底板
20 箱側板
21 前側板
211 側部キャビティ
212 グリッド板
2121 板体
2122 グリッド孔
22 左右側板
221 支持面
23 後側板
30 セルモジュール
31 セル
32 頂部ラケット
33 底部ラケット
331 孔
332 位置決めスリーブ
40 圧力放出弁
50 粘着剤層