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特開2024-62385非長方形の光学材料を含むダイ及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062385
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】非長方形の光学材料を含むダイ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/301 20060101AFI20240430BHJP
   G02B 5/02 20060101ALN20240430BHJP
   G02B 1/04 20060101ALN20240430BHJP
   G02B 5/18 20060101ALN20240430BHJP
【FI】
H01L21/78 L
G02B5/02 A
G02B1/04
G02B5/18
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023146727
(22)【出願日】2023-09-11
(31)【優先権主張番号】17/972,453
(32)【優先日】2022-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】502151820
【氏名又は名称】ヴァイアヴィ・ソリューションズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Viavi Solutions Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(72)【発明者】
【氏名】ヨルク ブス
(72)【発明者】
【氏名】ヤロスロウ ジエバ
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドリー ジョン ワード
(72)【発明者】
【氏名】タッソ アール エム セールス
【テーマコード(参考)】
2H042
2H249
5F063
【Fターム(参考)】
2H042BA15
2H249AA31
5F063AA05
5F063DF06
5F063EE43
(57)【要約】
【課題】欠陥を呈さず、反復的熱サイクル及び/または熱衝撃に対する信頼性に合格することができるダイ及び/またはウエハーを提供する。
【解決手段】ダイが、基板と光学材料とを含み、基板は、互いに反対側にあって対をなすエッジによって規定される表面を有し、光学材料は、非長方形の形状であり、基板の表面上にあり、光学材料は、互いに反対側にあって対をなすエッジにおけるいずれのエッジの全長までも延びない。ウエハーが複数のダイを含むことができる。これらのウエハー及びダイを作製する方法も開示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに反対側にあって対をなすエッジによって規定される表面を有する基板と、
非長方形の形状であり、前記基板の表面上にある光学材料とを具え、
前記光学材料は、前記互いに反対側にあって対をなすエッジにおけるいずれのエッジの全長までも延びないダイ。
【請求項2】
前記非長方形の形状である光学材料が、前記基板の上面との境界面となる平坦な底面と、該平坦な底面と共に三次元形状を形成する1つ以上の面とを有し、前記三次元形状は、ピラミッド形、五角プリズム形、六角プリズム形、七角プリズム形、八角プリズム形、半球形、円柱形、及び円錐形から成るグループから選択される、請求項1に記載のダイ。
【請求項3】
前記光学材料の前記平坦な底面が、前記基板の上面の大部分を覆うが、前記基板の上面全体よりは小さい部分を覆う、請求項2に記載のダイ。
【請求項4】
前記光学材料の前記非長方形の形状が円柱形である、請求項1に記載のダイ。
【請求項5】
前記円柱形の直径が、前記基板の第1の寸法に等しい、請求項4に記載のダイ。
【請求項6】
前記円柱形の直径が、前記基板の第1の寸法未満である、請求項4に記載のダイ。
【請求項7】
前記光学材料が、前記基板の表面上の、単一の非長方形の形状である、請求項1に記載のダイ。
【請求項8】
前記光学材料が、前記基板の表面上の2つ以上の非長方形の形状であり、該2つ以上の非長方形の形状が、前記光学材料内のギャップによって1つずつ分離される、請求項1に記載のダイ。
【請求項9】
前記基板の上面におけるエッジ付近の部分に前記光学材料がない、請求項1に記載のダイ。
【請求項10】
前記光学材料が不均一な厚さを有する、請求項1に記載のダイ。
【請求項11】
前記光学材料が、約5ミクロンから約1000ミクロンまでの範囲の公称厚さを有する、請求項1に記載のダイ。
【請求項12】
前記基板が、約50mm×約50mmから約300mm×約300mmまでのサイズを有する、請求項1に記載のダイ。
【請求項13】
前記基板が、約1:1から約10:1までのアスペクト比を有する、請求項1に記載のダイ。
【請求項14】
前記光学材料の前記2つ以上の非長方形の形状が、約2個から約10個までの範囲である、請求項8に記載のダイ。
【請求項15】
複数の、請求項1に記載のダイを具えたウエハーであって、
前記複数のダイが、前記基板の共通の連続面を共用するウエハー。
【請求項16】
前記基板がガラスであり、前記光学材料が、ポリマーまたはゾル-ゲルから選定された光学材料である、請求項15に記載のウエハー。
【請求項17】
前記複数のダイが、ダイシングストリートによって1つずつ分離される、請求項15に記載のウエハー。
【請求項18】
ウエハーを作製する方法であって、
モールドにおける、突出したレリーフパターンを有する部分上に光学材料を配置して、該光学材料の非長方形の形状を、前記パターンの前記突出したレリーフの各々の上に形成するステップと、
前記光学材料に基板を接触させて、約20ミクロンから約200ミクロンまでの範囲の厚さを有する前記光学材料に、非長方形の形状を与えるステップと、
前記モールドを除去するステップと
を含む方法。
【請求項19】
前記光学材料を配置するステップが、前記光学材料の液滴のサイズを制御するステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
請求項18に記載のウエハーを用意するステップと、
前記光学材料の分離された部分間で、前記ウエハーをダイスカットするステップと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は一般に基板及び光学材料を含むダイに関するものであり、基板は、互いに反対側にあって対をなすエッジによって規定される表面を有し、光学材料は非長方形の形状であり、基板の表面上にあり、光学材料は、互いに反対側にあって対をなすエッジにおけるいずれのエッジの全長までも延びない。ウエハーが複数のダイを含むことができる。これらのウエハー及びダイを作製する方法も開示する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
現在のダイサイズのライトディフーザー(光拡散板)は、大部分の場合には円形の、剛体で光学的品質の基板上に、単一で大型のポリマー層で作製される。次に、ウエハーは一般にダイシングライン(ダイスカット用の切り取り線)に沿ってダイスカットされて(サイコロ状に切り取られて)複数のダイが形成され、ダイシングラインは縦横に平行なグリッド(格子)線である。このようにして、各ダイは、ガラス上の、長方形の(各辺の寸法が等しければ正方形の)形状のポリマーになる。
【0003】
ウエハーをダイにするダイスカット中に、ダイのコーナー(隅部)及びエッジ(縁部)が種々の欠陥を呈することがある。これらの欠陥は、ポリマー/ガラスの境界面におけるガラスチップ、ボイド、及びダイシングにより誘発される層間剥離、等を含むことができる。これらの欠陥は、反復的な熱サイクル中のダイの不具合、及び/または熱衝撃に対する信頼性の仕様を満足し損なうことを生じさせ得る。
【0004】
それに加えて、長方形の形状のダイを用いる際に、有効に使用されているものは中心領域のみである、というのは、大部分の入射光ビームは円形であるからである。ディフーザーを通過する最大のビームサイズを以てしても、ダイのコーナー、及びエッジの大部分は、積極的に使用される領域外である。光学的に冗長であり欠陥の形成に寄与するものは、これらの領域、即ちコーナー、及びエッジの大部分である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
必要なものは、上述した欠陥を呈さず、反復的熱サイクル及び/または熱衝撃に対する信頼性に合格することができる、ダイ及び/またはウエハーのような品目である。それに加えて、このダイは、光源からの入射ビームのサイズを収容するように調整することができる寸法を有する非長方形の形状の材料を含むことができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様では、基板及び光学材料を具えたダイを開示し、基板は、互いに反対側にあって対をなすエッジによって規定される表面を有し、光学材料は非長方形の形状であり、基板の表面上にあり、光学材料は、互いに反対側にあって対をなすエッジにおけるいずれのエッジの全長までも延びない。
【0007】
他の態様では、ウエハーを作製する方法を開示し、この方法は:モールドにおける、突出したレリーフ(浮き彫り)パターンを有する部分上に光学材料を配置して、光学材料の非長方形の形状を、上記パターンの各突出したレリーフ上に形成するステップと;この光学材料に基板を接触させて、約20ミクロンから約200ミクロンまでの範囲の厚さを有する光学材料に非長方形の形状を与えるステップと;モールドを除去するステップとを含む。
【0008】
種々の好適例の追加的な特徴及び利点は、部分的に、以下に続く記載中に説明し、部分的に、この説明より明らかになり、あるいは種々の好適例の実施によって学習することができる。種々の好適例の目的及び他の利点は、本明細書中の記載中に特に指摘する要素及び組合せによって実現され達成される。
【0009】
本発明の特徴を、限定されない例として以下の図面中に図示し、これらの図面では、同様な番号は同様な要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一態様によるウエハーを示す図である。
図2図2Aは、本発明の一態様によるダイの上面図である。図2Bは、ダイの断面を示す図である。
図3】2つ以上の非長方形の光学材料を有する複数のダイを示す図である。
図4図4A及び4Bは、比較例のウエハーを示す図である。
図5図5Aは、比較例のダイの上面図である。図5Bは、図5Aの比較例のダイの断面を示す図である。
図6図6Aは、図4の比較例のウエハーからのダイ切出し後廃棄物の上面図である。図6Bは、図6Aの比較例のダイ切出し後廃棄物の断面を示す図である。
図7】本発明の一態様による、光源及びダイを含むシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明の詳細な説明
簡単のため、そして説明目的で、本発明は、その例を主に参照することによって説明する。以下の説明では、本発明の完全な理解をもたらすために、多数の具体的詳細を説明する。しかし、本発明を、これらの具体的詳細に限定されることなしに実施することができることは、容易に理解される。他の例では、本発明を不必要なほど曖昧にしないように、一部の方法及び構造は詳細に説明していない。
【0012】
それに加えて、添付した図面中に示す要素は追加的構成要素を含むことができ、これらの図面中に記載する構成要素の一部は、本発明の範囲から逸脱することなしに除去及び/または修正することができる。更に、図面中に示す要素は、原寸に比例して描いていないことがあり、従って、これらの要素は、図面中に示すものとは異なるサイズ及び/または形状を有することがある。
【0013】
以上の一般的説明及び以下の詳細な説明は例示的であり、説明のために過ぎず、本発明の教示の種々の実施形態の説明を提供することを意図していることを理解するべきである。広範で多様な実施形態において、本明細書中には、ダイ28、ウエハー26、及びダイ28とウエハー26を作製する方法を開示する。ダイ28は基板10と光学材料12とを具え、基板10は、互いに反対側にあって対をなすエッジによって規定される表面を有し、光学材料12は非長方形の形状であり、基板10の表面上にある。光学材料12は、互いに反対側にあって対をなすエッジにおけるいずれのエッジの全長までも延びない。
【0014】
ウエハー26をダイスカットして、非長方形の形状の光学材料を有する複数のダイ28にすることにより、生じる欠陥を最小限にすることができる。ダイ28内に存在する欠陥が少ないほど、光学材料12と基板10との境界面22における層間剥離を低減することもできる。ダイ28上のこれらの欠陥を低減または解消することによって、ダイ28は、改善された熱衝撃に対する信頼性及び改善された熱サイクル中の性能を呈することができるはずである。
【0015】
それに加えて、光学材料12の非長方形の形状を、例えば光源30及びライトシェーピング(光整形)光学素子(例えば、ディフーザー)から入射する入射ビーム32の断面に一致するように設計することができる。このようにして、ダイ28の空間利用を改善して物理的寸法を低減することができる。
【0016】
それに加えて、ウエハー26及び/またはダイ28を作製する方法は、改善された効率を呈することができる、というのは、非長方形の形状が、複製プロセス中に光学材料12を堆積させる方法に対応するからである。このようにして、光学材料12に増加した厚さ及び寸法を与えて、光学材料12のコストの低減を生じさせることができる。
【0017】
図1に、複数のダイ28を含むウエハー26を示す。複数のダイ28は、基板10の共通の連続面を共用する。ダイ28は、基板のみの領域、例えばダイシングストリート14によって1つずつ分離することができる。ダイシングストリート14は、2つ以上のダイ28間に延びる仮想的な線とすることができ、そしてウエハー26をダイスカットするためのガイド(案内線)とすることができる。ダイシングストリート14は、グリッド(格子)パターンを形成する複数の平行な横線及び縦線とすることができる。ウエハー26をダイシングストリート14に沿ってダイスカットして、2つ以上のダイ28を生成することができ、そして任意で、光学材料12なしのダイ切出し後廃棄物24、または基板10の小片を生成することができる。例えば、図1では、行1及び列1を、基板10における光学材料12外の(光学材料12の全くない)領域とすることができる。
【0018】
基板10は、円形のウエハー、または特殊な場合には正方形のウエハーとすることができる。基板10は、ガラス、半導体材料、及びポリマーのような、所望のスペクトル領域内で光学的に透明な材料である。1つの態様では、基板10がガラスである。基板10は、直径約100mmから約300mmまでの範囲のサイズを有することができ、あるいは、形状が正方形であれば、約50mm×約50mm~約300mm×約300mmの範囲のサイズを有することができる。大部分の場合には、基板の厚さは約0.2mmから約1.0mmまでの範囲である。ダイのレベルでは、基板10は、約0.5mm×約0.5mmから約50mm×約50mmまでの範囲のサイズを有することができる。基板10のサイズは、顧客の仕様に応じることができ、そして第1の寸法(例えば、長さ)及び第2の寸法(例えば、幅)によって規定することができる。ダイのレベルでは、基板10は、約1:1から約10:1までのアスペクト比(長さ対幅の比)を有することができる。基板10は、互いに反対側にあって対をなすエッジ20によって規定される上面のような表面を有することができる。このようにして、基板10は長方形または正方形にすることができる。
【0019】
図2A及び2Bは、図1のウエハー26をダイシングストリート14に沿ってダイスカットした際に形成されたダイ26を示す。ダイ28は、基板10と光学材料12とを具えることができ、基板10は、互いに反対側にあって対をなすエッジ20によって規定される表面を有し、光学材料12は非長方形の形状であり、基板10の表面上にあり、光学材料12は、互いに反対側にあって対をなすエッジ20におけるいずれのエッジの全長までも延びない。図2Aに示すように、光学材料12は、基板10の表面上で単一の非長方形の形状にすることができる。図2Bに示すように、光学材料12は、互いに反対側にあって対をなすエッジにおけるいずれのエッジの全長までも延びない。1つの態様では、基板10の上面におけるエッジ付近の部分22は、光学材料12なしにすることができる。このようにして、ダイスカット中に光学材料12と基板10との境界面22に欠陥が発生する可能性が減少する。
【0020】
光学材料12は、UV(ultraviolet:紫外線)硬化ポリマー、有機/無機ホストゲスト系、及び有機/無機ハイブリッド系から選定した光学的品質の媒体を含むことができる。UV硬化ポリマーの非限定的な例は、フリーラジカル硬化型アクリレート、カチオン硬化型エポキシ、UV架橋ポリマー、及び熱架橋ポリマーを含む。有機/無機ホストゲスト系は、種々の材料のナノ粒子の分散を利用して、屈折率を所望レベルに設定することができる。有機/無機ハイブリッド系は、ゾル-ゲル、オルモシル(ormosils)、及びポリマーガラスを含むことができる。1つの態様では、光学材料12を、ポリマー及びゾル-ゲルから選定することができる。
【0021】
光学材料12は、平坦な底面が基板10の上面との境界面になるような非長方形の形状で存在することができる。光学材料12は、平坦な底面と共に三次元形状を形成する1つ以上の面を有することができ、この三次元形状は、ピラミッド形、五角プリズム形、六角プリズム形、七角プリズム形、八角プリズム形、半球形、円柱形、及び円錐形から成るグループから選択される。光学材料12の非長方形の形状は、光源30からの入射ビーム32の形状に基づいて選択することができる。
【0022】
図2A及び2Bに示すように、光学材料12の平坦な底面は、基板10の上面の大部分、但し全体よりは小さい部分を覆うことができる。本明細書中に用いる「大部分」とは、50%よりも大きいことを意味するものと理解するべきである。1つの態様では、光学材料12が、基板10の表面の50%超から100%未満まで;例えば55%超~95%以下を覆い;追加的な例として、65%超~90%以下を覆う。他の態様では、光学材料12が、基板10の1つ以上のエッジ20またはコーナーまで延びない。このようにして、光学材料12のコストを低減することができ、ダイスカットにより欠陥が形成される可能性を低減することができる。
【0023】
1つの態様では、光学材料12が、円柱形のような非長方形の形状である。この円柱の直径は、基板10の第1の寸法に等しい。他の態様では、この円柱の直径が基板10の第1の寸法未満である。基板10の第1の寸法は、長さまたは幅とすることができる。例えば、光学材料12は、基板10の第1の寸法に等しい値から基板10の第1の寸法の5%までの範囲のサイズで存在することができる。光学材料12の非長方形の形状は、入射ビーム32のサイズに一致するサイズにすることができる。
【0024】
図3に示すように、ダイ28は、2つ以上の非長方形の形状で基板10の表面上に存在する光学材料12を含むことができる。これら2つ以上の非長方形の形状は、光学材料12内のギャップによって1つずつ分離することができる。これらのギャップは基板10のみの領域にすることができる。これら2つ以上の非長方形の形状は、同じ形状にすることができ、あるいは異なる形状の組合せにすることができる。1つの態様では、光学材料12の2つ以上の非長方形の形状が、ダイ28内で約2個から約10個までの範囲である。
【0025】
1つの態様では、光学材料12が基板10上に不均一な厚さで存在することができる。光学材料12の上面は、微小構造または回折格子を含むことができる。この態様では、光学材料の厚さが2つの成分、即ちベースラインの厚さと公称厚さ(呼び厚さ)とを含むことができる。光学材料12のベースラインの厚さは、約0ミクロンから約500ミクロンまで、例えば約0.5ミクロンから約480ミクロンまで、追加的な例として約5ミクロンから約450ミクロンまでの範囲にすることができる。光学材料の公称厚さは、ベースラインの厚さと、微小構造または回折格子の高さとを含むことができる。公称厚さは、約5ミクロンから約1000ミクロンまで;例えば約10ミクロンから約900ミクロンまで;追加的な例として約20ミクロンから約200ミクロンまでの範囲にすることができる。
【0026】
ベースラインの厚さ及び公称厚さの値は、選択した波長における基板10の屈折率、ライトディフーザー、格子、レンズ、導波路、プリズム、等のようなライトシェーピング光学素子を作製するために用いる光学媒体の屈折率、といった少数の変数によって決定することができる。これらの値は、光学材料12と基板10との間の機械的応力を制御する必要性、及び光学材料12の具体的な光学機能性に基づいて決定することもできる。
【0027】
図7に示すような、光源30を含むシステムも開示し、光源30は入射光32を発光し、入射光32はダイ28によって受光することができる。
【0028】
ウエハー26を作製する方法も開示し、この方法は、モールドにおける、突出したレリーフパターンを有する部分上に光学材料12を配置して、光学材料12の非長方形の形状を、上記パターンの各突出したレリーフ上に形成するステップと;光学材料12に基板10を接触させて、約20ミクロンから約1000ミクロンまでの範囲の厚さを有する光学材料12に非長方形の形状を与えるステップと;モールドを除去するステップとを含む。光学材料12の円形の液滴が広がることを可能にする、液体の自然な流動力学により、光学材料12の直径及び厚さを制御することが可能になる。特に、光学材料12を配置するステップは、光学材料12の液滴のサイズを制御するステップを含むことができる。
【0029】
ダイ28を作製する方法は、ウエハー26を用意するステップと;ウエハー28を、例えば光学材料12の分離された部分間の1つ以上のダイシングストリートに沿ってダイスカットするステップとを含むことができる。1つの態様では、ダイシングストリート14は、基板10のみの領域にすることができ、即ち光学材料12がない。
【0030】
【0031】
比較例1-従来のウエハー16を図4A及び4Bに示す。ウエハー16は円形の形状の基板10を含み、基板10は一般にガラスである。ポリマーのような光学材料12を基板上に堆積させた。製造プロセス中に、ウエハー16をダイシングストリート14に沿ってダイスカットし、ダイシングストリート14は縦横に平行なグリッド線である。ダイスカットにより複数のダイ18及びダイ切出し後廃棄物24を作り出し、ダイ18は顧客の仕様に基づいて形成され、ダイ切出し後廃棄物24は顧客の仕様を満足しない。図5A及び5Bに示すように、ダイ18は長方形の形状の光学材料12であり、基板10の各エッジ20(即ち、長方形には4つのエッジが存在する)の全長まで延びる。ダイ18は、反復的な熱サイクル中に、ガラスチップ、ボイド、及びダイシングにより誘発される層間剥離のような欠陥を呈した。
【0032】
ダイ切出し後廃棄物24は、顧客の仕様を満足しない、ポリマーの不均一性を有し得る、及び/または光学材料12と基板10との境界面に形成される欠陥、等のような種々の理由で、当業者がダイ18と考えない。図4Aを参照し、ダイシングストリート14を基準として用いれば、ダイ切出し後廃棄物24は、最上行全体、最下行全体、左側列全体、右側列全体、並びに行2、列2と7、行2、列1と8、等を含む。図4Bを参照すれば、ダイ切出し後廃棄物は存在しない、というのは、ダイシングライン14が、基板10上の光学材料12の形状を最適化するように配置されているからである。図6A及び6Bに示すように、ダイ切出し後廃棄物24は、互いに反対側にあって対をなすエッジ20によって規定される表面を有する基板10と、基板10の表面上の、非長方形の形状の光学材料12とを含み、非長方形の形状の光学材料12は、互いに反対側にあって対をなすエッジにおけるあらゆるエッジの全長まで延びる。理解を容易にするために、図6A及び6Bでは、非長方形の形状の光学材料12が、基板10のエッジ20の左側及び下側の全長に延びる。ダイスカット及び熱サイクルにより、光学材料12と基板10との境界面に欠陥も形成される。
【0033】
例1-本明細書中に説明し、図1に示すウエハー26。ウエハー26は、(好適には)円形(または正方形)の形状の基板10を含み、基板10は一般にガラスである。ポリマーのような光学材料12を基板10上に堆積させた。製造プロセス中に、ウエハー26をダイシングストリート14に沿ってダイスカットし、ダイシングストリート14は縦横に平行なグリッド線である。ダイスカットにより、本明細書中に開示する複数のダイ28を作り出し、ダイ28は顧客の仕様に基づいて形成されている。図2A及び2Bに示すように、ダイ28は、互いに反対側にあって対をなすエッジ20によって規定される表面を有する基板10と;光学基板10の表面上の非長方形の形状の光学材料12とを含み、非長方形の形状の光学材料12は、互いに反対側にあって対をなすエッジにおけるいずれのエッジの全長までも延びない。ダイ28は、ダイスカットプロセス自体の結果としても、反復的な熱サイクル後の結果としても、ガラス-光学材料の境界面22上に、ガラスチップ、ボイド、及びダイシングにより誘発される層間剥離のような欠陥を呈さなかった。
【0034】
以上の説明より、本発明の教示は種々の形態で実現することができることを、当業者は理解することができる。従って、これらの教示は、その特定の実施形態及び例に関連して説明してきたが、本発明の教示の真の範囲は、そのように限定されるべきでない。本明細書中の教示の範囲から逸脱することなしに、種々の変更及び修正を加えることができる。
【0035】
開示する範囲は広義に解釈するべきである。本開示は、本明細書中に開示する装置、活動、及び機械的動作を実現するための等価物、手段、システム、及び方法を開示することを意図している。開示する装置、品目、方法、手段、機械的要素またはメカニズムの各々について、本開示は、本明細書中に開示する多数の態様、メカニズム、及び装置を実施するための等価物、手段、システム、及び方法も、その開示中に包含し、教示することを意図している。本願の特許請求の範囲も同様に広義に解釈するべきである。本明細書中の本発明の説明は、その多数の実施形態において、事実上の例示に過ぎず、従って、本発明の要点から逸脱しない変形例は、本発明の範囲内であることを意図している。こうした変形例は、本発明の精神及び範囲からの逸脱として考えるべきでない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】