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特開2024-62394角度付き認識ラインを有するカメラモニタシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062394
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】角度付き認識ラインを有するカメラモニタシステム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20240430BHJP
   B60R 1/25 20220101ALI20240430BHJP
   B60R 1/20 20220101ALI20240430BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
H04N7/18 J
B60R1/25
B60R1/20 100
G08G1/16 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023178158
(22)【出願日】2023-10-16
(31)【優先権主張番号】63/418688
(32)【優先日】2022-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519088568
【氏名又は名称】ストーンリッジ エレクトロニクス アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】シャルマ、 ウトゥカルシュ
(72)【発明者】
【氏名】マ、 リャン
(72)【発明者】
【氏名】ファン、 ニュエン
(72)【発明者】
【氏名】クープライダー、 トロイ
【テーマコード(参考)】
5C054
5H181
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054FC12
5C054FC15
5C054FE14
5C054HA30
5H181AA07
5H181CC04
5H181LL04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】商用トラックで長いトレーラがトラクタによって牽引される場合に、車線変更等の操縦中に、運転者がトレーラ端の位置を正確に観察する方法及びカメラモニタシステム(CMS)を提供する。
【解決手段】車両用のCMSにおいて認識ラインを表示する方法は、車両に隣接する車線マーカを検出すること、隣接する車線マーカに垂直な認識ラインを計算すること及びトレーラ端の位置に関連して認識ラインを表示することを含む。隣接する車線マーカは、車道における破線の車線マーカ又は実線の車線マーカの少なくとも一方である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用のカメラモニタシステムに認識ラインを表示する方法において、
前記車両に隣接する車線マーカを検出するステップと、
前記隣接する車線マーカに垂直な認識ラインを計算するステップと、
トレーラ端の位置に関連して認識ラインを表示するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記隣接する車線マーカは、車道における破線の車線マーカ又は実線の車線マーカの少なくとも一方である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記隣接するラインは、前記トレーラ端の位置を示すトラクタトレーラに直接隣接している、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
カメラによって画像を捕捉するステップを含み、
前記検出するステップは、捕捉された画像に基づいてライン認識アルゴリズムを使用して実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
実世界距離をピクセル距離にマッピングするステップを含み、前記表示するステップは、前記認識ラインを示すために前記ピクセル距離を表示することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記表示するステップは、前記トレーラ端の位置において前記認識ラインを示すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記表示するステップは、前記トレーラ端の位置の後方の距離を示すために、前記トレーラ端の位置の後方に認識ラインを示すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記表示するステップは、前記認識ラインを車道の1つの車線に対応する幅として示すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記隣接する車線マーカは湾曲しており、前記認識ラインは、湾曲した隣接する車線マーカの接線に対して垂直に表示される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
車両用のカメラモニタシステムにおいて、
第1及び第2の視野をそれぞれ提供する第1及び第2のカメラを含む複数のカメラと、
前記第1及び第2の視野の少なくとも一部をそれぞれ描写するように構成される第1及び第2のディスプレイを含む複数のディスプレイと、
前記第1及び第2のディスプレイ及び前記第1及び第2のカメラと通信するコントローラであって、前記第1及び第2のカメラの少なくとも1つによって捕捉された画像に基づいて前記車両に隣接する車線マーカを検出するように構成され、前記隣接する車線マーカに垂直な認識ラインを計算し、かつ前記車両のトレーラ端の位置に関連して前記第1及び第2のディスプレイの少なくとも1つに前記認識ラインを表示するように構成されるコントローラと
を備える、システム。
【請求項11】
前記第1及び第2の視野は、それぞれ車両の左側及び右側を捕捉し、前記第1及び第2の視野の各々は、クラスII及び/又はクラスIVのビューの少なくとも一部を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記隣接する車線マーカは、車道における破線の車線マーカ又は実線の車線マーカの少なくとも一方である、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記隣接するラインは、前記トレーラ端の位置を示すトラクタトレーラに直接隣接している、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記コントローラは、ライン認識アルゴリズムを実行して、捕捉された画像に基づいて前記隣接する車線マーカを識別するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記コントローラは、実世界距離をピクセル距離にマッピングするように構成され、前記認識ラインは、前記ピクセル距離を示す、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記コントローラは、前記トレーラ端の位置において前記第1及び第2のディスプレイの少なくとも1つに前記認識ラインを示すように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
前記コントローラは、前記トレーラ端の位置の後方の距離を示すために、前記トレーラ端の位置の後方に認識ラインを示すように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項18】
前記コントローラは、前記認識ラインを車道の1つの車線に対応する幅として示すように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項19】
前記隣接する車線マーカは湾曲しており、前記コントローラは、湾曲した隣接する車線マーカの接線に対して垂直に前記認識ラインを表示するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、商用トラック又は類似の車両で使用するためのカメラモニタシステム(CMS)に関し、特に、車両位置に関する認識ラインを表示するCMSに関する。
【背景技術】
【0002】
ミラー置換システム、及びミラーのビューを補完するカメラシステムは、車両の運転者が周囲の環境を見る能力を高めるために商用車両に利用されている。カメラ監視システム(CMS)は、1つ以上のカメラを利用して、車両運転者に強化された視野を提供する。いくつかの例では、CMSは、従来のミラーよりも大きな視野をカバーするか、又は従来のミラーを介して完全に得られない視野を含む。
【0003】
典型的なCMSでは、クラスII及びクラスIVのビューを提供するために車両の左右のそれぞれに配置されたカメラアームがある。運転席側及び助手席側の両方のAピラーにディスプレイが設けられ、その側のカメラアームの視野を表示することで、従来のミラーをシミュレートする。
【0004】
商用トラックで長いトレーラがトラクタによって牽引されることがよくある。車線変更等の操縦中に、運転者がトレーラ端の位置を正確に観察することは困難である。このため、運転者がより安全に車両を操作するために、トレーラ端の位置又はトレーラ端の後方の位置を示すために計算された「認識ライン」を表示するCMSを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
1つの例示的な実施形態では、車両用のカメラモニタシステムにおいて認識ラインを表示する方法は、車両に隣接する車線マーカを検出すること、隣接する車線マーカに垂直な認識ラインを計算すること、及びトレーラ端の位置に関連して認識ラインを表示することを含む。
【0006】
上記のいずれかのさらなる実施形態において、前記隣接する車線マーカは、車道における破線の車線マーカ又は実線の車線マーカの少なくとも一方である。
【0007】
上記のいずれかのさらなる実施形態において、前記隣接するラインは、前記トレーラ端の位置を示すトラクタトレーラに直接隣接している。
【0008】
上記のいずれかのさらなる実施形態において、前記方法は、カメラによって画像を捕捉するステップを含み、前記検出するステップは、捕捉された画像に基づいてライン認識アルゴリズムを使用して実行される。
【0009】
上記のいずれかのさらなる実施形態において、前記方法は、実世界距離をピクセル距離にマッピングするステップを含み、前記表示するステップは、前記認識ラインを示すために前記ピクセル距離を表示することを含む。
【0010】
上記のいずれかのさらなる実施形態において、前記表示するステップは、前記トレーラ端の位置において前記認識ラインを示すことを含む。
【0011】
上記のいずれかのさらなる実施形態において、前記表示するステップは、前記トレーラ端の位置の後方の距離を示すために、前記トレーラ端の位置の後方に認識ラインを示すことを含む。
【0012】
上記のいずれかのさらなる実施形態において、前記表示するステップは、前記認識ラインを前記車道の1つの車線に対応する幅として示すことを含む。
【0013】
上記のいずれかのさらなる実施形態において、前記隣接する車線マーカは湾曲しており、前記認識ラインは、湾曲した隣接する車線マーカの接線に対して垂直に表示される。
【0014】
別の例示的な実施形態において、車両用のカメラモニタシステムは、第1及び第2の視野をそれぞれ提供する第1及び第2のカメラを含む複数のカメラを含む。複数のディスプレイは、前記第1及び第2の視野の少なくとも一部をそれぞれ描写するように構成される第1及び第2のディスプレイを含む。コントローラは、前記第1及び第2のディスプレイ及び前記第1及び第2のカメラと通信する。前記コントローラは、前記第1及び第2のカメラの少なくとも1つによって捕捉された画像に基づいて前記車両に隣接する車線マーカを検出するように構成される。前記コントローラは、前記隣接する車線マーカに垂直な認識ラインを計算し、前記車両のトレーラ端の位置に関連して前記第1及び第2のディスプレイの少なくとも1つに前記認識ラインを表示するように構成される。
【0015】
上記のいずれかのさらなる実施形態では、前記第1及び第2の視野は、それぞれ車両の左側及び右側を捕捉する。前記第1及び第2の視野のそれぞれは、クラスII及び/又はクラスIVのビューの少なくとも一部を含む。
【0016】
上記のいずれかのさらなる実施形態において、前記隣接する車線マーカは、車道における破線の車線マーカ又は実線の車線マーカの少なくとも1つである。
【0017】
上記のいずれかのさらなる実施形態において、前記隣接するラインは、前記トレーラ端の位置を示すトラクタトレーラに直接隣接している。
【0018】
上記のいずれかのさらなる実施形態において、前記コントローラは、ライン認識アルゴリズムを実行して、捕捉された画像に基づいて前記隣接する車線マーカを識別するように構成される。
【0019】
上記のいずれかのさらなる実施形態において、前記コントローラは、実世界距離をピクセル距離にマッピングするように構成され、前記認識ラインは、前記ピクセル距離を示す。
【0020】
上記のいずれかのさらなる実施形態において、前記コントローラは、前記トレーラ端の位置において前記第1及び第2のディスプレイの少なくとも1つに前記認識ラインを示すように構成される。
【0021】
上記のいずれかのさらなる実施形態において、前記コントローラは、前記トレーラ端の位置の後方の距離を示すために、前記トレーラ端の位置の後方に認識ラインを示すように構成される。
【0022】
上記のいずれかのさらなる実施形態において、前記コントローラは、前記認識ラインを前記車道の1つの車線に対応する幅として示すように構成される。
【0023】
上記のいずれかのさらなる実施形態において、前記隣接する車線マーカは湾曲しており、前記コントローラは、湾曲した隣接する車線マーカに接する線に対して垂直に前記認識ラインを表示するように構成される。
【0024】
本開示は、添付の図面と併せて考慮した場合に、以下の詳細な説明を参照することによってさらに理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1A】少なくともクラスII及びクラスIVのビューを提供するために使用されるカメラモニタシステム(CMS)を備えた商用トラックの概略正面図である。
図1B】クラスII、クラスIV、クラスV及びクラスVIのビューを提供するカメラミラーシステムを備えた商用トラックの概略上面図である。
図2】ディスプレイを含む車両運転室の概略上部図である。
図3】少なくとも1つのディスプレイ上に認識ラインを生成する方法を示すフローチャートである。
図4】開示された方法によるディスプレイ上に認識ラインを描写する図である。
【0026】
上述の段落の実施形態、例示及び代替物、請求項、又は以下の記載及び図面は、それらの様々な態様又はそれぞれの個別の特徴のいずれかを含めて、独立して、又は任意の組み合わせで採用されてもよい。1つの実施形態に関連して記述された特徴は、そのような特徴に互換性がない場合を除き、全ての実施形態に適用可能である。各種図面内の同様の参照番号及び記号は、同様の要素を示している。
【発明を実施するための形態】
【0027】
商用車両10の概略図を図1A及び図1Bに示す。車両10は、トレーラ14を牽引するための車両運転室又はトラクタ12を含む。車両運転室12及び/又はトレーラ14はどのような構成でもよいことを理解するべきである。本開示では商用トラックが企図されているが、本発明は他の種類の車両にも適用することができる。車両10にはカメラモニタシステム(CMS)15(図2)が組み込まれており、これには運転席及び助手席側のカメラアーム16a、16bが車両運転室12の外側に取り付けられている。必要に応じて、カメラアーム16a、16bには、それらと一体化した従来のミラーも含まれ得るが、いくつかの例では、CMS15を使用してミラーを完全に置換することもできる。追加の例では、各側に複数のカメラアームが含まれてもよく、各アームは1つ以上のカメラ及び/又はミラーを収容する。各アーム16a、16bは、CMS15の様々な特徴を提供するように構成される電子機器、例えば、コントローラを囲むハウジングも提供してもよい。
【0028】
各カメラアーム16a、16bは、例えば運転室12に固定されたベースを含む。旋回アームはベースによって支持されており、それに対して関節接続されてもよい。少なくとも1つの後向きカメラ20a、20bがカメラアーム16a、16b内にそれぞれ配置されている。車外カメラ20a、20bはそれぞれ、商用トラック業界で法的に規定されたビューであるクラスIIビュー及びクラスIVビュー(図1b)の少なくとも1つをそれぞれ含む車外視野FOVEX1、FOVEX2を提供する。車両10の所与の側のクラスIIビューは、車両10の同じ側のクラスIVビューのサブセットである。必要に応じて、これらのビューを提供するために、各カメラアーム16a、16bに複数のカメラが使用されてもよい。例えば、クラスII及びクラスIVのビューは欧州のR46法で定義されており、米国及びその他の国でも商用トラックに対して同様の運転者視認性要件を定めている。「クラス」ビューへの言及は、限定することを意図したものではなく、特定のカメラによってディスプレイに提供されるビューのタイプの例示として意図されている。
【0029】
第1及び第2の映像ディスプレイ又はモニタ18a、18bは、Aピラー19a、19b(全般にAピラー19)上の又はその近くの車両運転室12内の運転席側及び助手席側のそれぞれに配置され、車両10のそれぞれの側にクラスII及びクラスIVのビューを表示し、これは車外カメラ20a、20bによって捕捉された車両10に沿った後面側のビューを提供する。
【0030】
クラスV及び/又はクラスVIのビューの映像も必要な場合、これらのビューを提供するために、車両10の前面又はその近くにカメラハウジング16c及びカメラ20cが配置されてもよい(図1b)。フロントガラスの上部中心付近の運転室12内に配置された第3のディスプレイ18cを使用して、車両10の前方に向かうクラスV及びクラスVIのビューを運転者に表示することができる。ディスプレイ18a、18b、18c(概して、ディスプレイ18)は、運転席26に運転者/操作者が着席する運転室22内の運転者領域24に向いている。特定のディスプレイにストリームされるビューの位置、サイズ及び(複数の)視野は、本開示に記載された構成とは異なり得るが、それでも本開示の発明を含んでいる。
【0031】
クラスVIIIのビューの映像が必要な場合、カメラハウジングを車両10の側面及び後部に配置して、車両10のクラスVIIIゾーンの一部又は全てを含む視野を提供することができる。このような例では、第3のディスプレイ18cは、クラスVIIIのビューを表示する1つ以上のフレームを含み得る。代替的に、第1、第2及び第3のディスプレイ18a、18b、18cの近くに追加のディスプレイを追加して、クラスVIIIのビューを提供する専用のディスプレイを提供することもできる。
【0032】
図2を参照すると、各ディスプレイ18a、18b(必要に応じてそれ以外も)は、例えば、ブラケットによってそれぞれのAピラー19(すなわち、19a、19b)に取り付けられるか、又は車両トリムに統合されるハウジングを含む。スクリーン28(すなわち、28a、28b)は、運転者に面するハウジングの前方に取り付けられる。スクリーン28は、TFT、LCD、LED、OLED及びその他のような任意の適切なスクリーンとすることができる。
【0033】
トレーラの比較的長い長さのため、車線変更等の操作中に、運転者がトレーラ端の位置を正確に観察することは困難である。このため、運転者がより安全に車両を操作するために、トレーラ端の位置又はトレーラ端の後方の位置を示すように計算された「認識ライン」を、ディスプレイ18a、18bの少なくとも1つに提供することが望ましい。認識ラインを作成して表示する方法100を図3に示す。一般に、この方法は、車両に隣接する車線マーカを検出するステップ(ブロック102)、隣接する車線マーカに垂直な認識ラインを計算するステップ(ブロック104)、及びトレーラ端の位置に関連して認識ラインを表示するステップ(ブロック106)を含む。
【0034】
図4を参照すると、ディスプレイ18a、18bのうちの1つのスクリーン28が、車道40における車両及びそのトレーラを示している。典型的な車道40は、走行車線を定義する隣接する車線マーカ42を含む。一例では、隣接する車線マーカ42は、その車線に入ることが許容されることを伝達するか、又は運転者に他の情報を伝達し得る塗装された破線等の個別の離散的なマーキング44を含む。
【0035】
ラインマーカ42は、1つ以上のカメラ20によって捕捉された画像の画像処理を用いて識別され得る。ライン認識アルゴリズムを用いてライン又は車線マーカを検出するための一例の技術は、2021年10月19日に出願され、その全体が本明細書に組み込まれている“CAMERA MIRROR SYSTEM DISPLAY FOR COMMERCIAL VEHICLES INCLUDING SYSTEM FOR IDENTIFYING ROAD MARKINGS”という名称の米国出願番号17/504,648に開示されている。
【0036】
隣接する車線マーカに垂直な認識ラインを計算すること(ブロック104)は、車両上の関心位置、例えばトレーラ端を基準にして実行される。トレーラ端は、トレーラ端の後方の距離、例えば、許容可能な車両の追い抜き/追い越し距離に対応する距離を示すために使用される認識ラインを決定するためにも使用される。次に、関心の位置は、垂直認識ラインが計算される車線マーカ上のポイントを決定するために使用される。隣接する車線マーカが湾曲している場合、認識ラインは隣接する車線マーカの接線から垂直に計算される。隣接する車線マーカは、車両に直接隣接する線である必要はなく、縁石及び/又は路肩に基づいて、車線の反対側にあってもよい。
【0037】
トレーラ端48等の関心の位置については、様々な技術を用いてトレーラ端を識別してもよい。トレーラ端48は、例えば、トレーラの車輪46を識別することによって少なくとも部分的に決定され得る。トレーラ端を決定して認識ラインを表示する例示的な技術は、2022年3月31日に出願され、その全体が本明細書に組み込まれている“DYNAMIC LONGITUDINAL AND LATERAL ADJUSTMENT OF AWARENESS LINES FOR COMMERCIAL VEHICLE CAMERA MIRROR SYSTEM”という名称の仮出願番号63/325,788に開示されている。しかしながら、この開示された技術は、認識ラインをディスプレイ上に水平に表示する。
【0038】
関心の位置からの垂直線が決定されると、この垂直線は、現実世界の距離からピクセル距離にマッピングされ、この仮想線がどのようにディスプレイ18上に有用な認識ラインとして運転者に示されるべきかを決定する。一例では、車道の1つの隣接する車線の幅58に対応する線として認識ラインを表示することが望ましい。
【0039】
この例では、複数の認識ライン50が表示される。例えば、第1の認識ライン52はトレーラ端48に対応し、第2の認識ライン54はトレーラ端48の後方の第1の距離に対応し、第3の認識ライン56はトレーラ端48及び第2の認識ライン54の後方に対応する。認識ライン50は車線幅58に対応するように表示されるので、認識ライン50は表示画像の消失点方向において小さくなる。
【0040】
ハードウェアアーキテクチャに関しては、このようなコンピュータ装置には、ローカルインターフェイスを介して通信可能に結合されるプロセッサ、メモリ、及び1つ以上の入出力(I/O)装置インターフェースが含まれ得る。ローカルインターフェイスには、例えば、1つ以上のバス及び/又はその他の有線又は無線接続が含まれ得るが、これに限定されない。ローカルインターフェイスには、簡略化のために省略されているが、コントローラ、バッファ(キャッシュ)、ドライバ、リピータ、及び通信を可能にする受信機等の追加の要素が含まれてもよい。さらに、ローカルインターフェイスには、前述の構成要素間の適切な通信を可能にするためのアドレス、制御、及び/又はデータ接続が含まれてもよい。
【0041】
コントローラ30は、ソフトウェア、特にメモリに記憶されたソフトウェアを実行するためのハードウェア装置であってもよい。コントローラ30は、カスタムメイド又は市販のプロセッサ、中央処理装置(CPU)、コントローラに関連するいくつかのプロセッサの中の補助プロセッサ、(マイクロチップ又はチップセットの形式の)半導体ベースのマイクロプロセッサ、又は汎用的にソフトウェア命令を実行するための任意の装置であり得る。
【0042】
メモリは、揮発性メモリ素子(例えば、ランダムアクセスメモリ(DRAM、SRAM、SDRAM、VRAM等のRAM))及び/又は不揮発性メモリ素子(例えば、ROM、ハードドライブ、テープ、CD-ROM等)の任意の1つ又は組み合わせを含み得る。さらに、メモリは、電子、磁気、光学、及び/又は他のタイプの記憶媒体を組み込んでもよい。メモリは、様々な構成要素が互いに遠隔に配置されるが、プロセッサからアクセスすることができる分散アーキテクチャを有してもよい。
【0043】
メモリ内のソフトウェアには、1つ以上の別個のプログラムが含まれてもよく、それぞれに、論理関数を実装するための実行可能命令の順序付きリストが含まれる。ソフトウェアとして具現化されたシステム構成要素は、ソースプログラム、実行可能プログラム(オブジェクトコード)、スクリプト、又は実行される命令のセットを含むその他の任意のエンティティとして構築されてもよい。ソースプログラムとして構築された場合、プログラムはコンパイラ、アセンブラ、インタプリタ等を介して翻訳されるが、これらはメモリ内に含まれても含まれなくてもよい。
【0044】
(複数の)システムI/Oインターフェースに結合され得る本開示の入出力装置は、例えば、キーボード、マウス、スキャナ、マイク、カメラ、モバイル装置、近接装置等の入力装置を含み得るが、これらに限定されない。さらに、出力装置、例えば、プリンタ、ディスプレイ等を含み得るが、これらに限定されない。最後に、入出力装置は、例えば、変調器/復調器(モデム、すなわち、別の装置、システム、又はネットワークにアクセスするため)、無線周波数(RF)又は他のトランシーバ、電話インターフェース、ブリッジ、ルータ等の入力及び出力の両方として通信する装置をさらに含み得るが、これらに限定されない。
【0045】
コントローラ30が動作しているとき、プロセッサは、メモリ内に格納されたソフトウェアを実行し、メモリとの間でデータを通信し、ソフトウェアに応じてコンピュータ装置の動作を全般的に制御するように構成されてもよい。メモリ内のソフトウェアは、全体又は一部がプロセッサによって読み取られ、多くの場合プロセッサ内でバッファされてから実行される。
【0046】
開示された方法は、少なくとも以下の2つの利点を提供する。(1)認識ラインは、車線メーカの検出結果によって隣接する車線に限定され、(2)認識ラインは車線マーカに対して垂直に示される。表示された認識ラインは、ディスプレイに表示されるので、運転者がトレーラ端の近くのトラックの死角にある物体の距離を正確に推定するのに役立ち、操縦時のより良い判断に役立つ。
【0047】
また、例示された実施形態では特定の構成要素の配置が開示されているが、他の配置も本開示から利益を得られることも理解するべきである。特定のステップシーケンスが示され、説明され、請求項に記載されているが、特に示されていない限り、ステップは任意の順序で実行されてもよく、分離又は結合されてもよく、それでも本発明の利益を得られることを理解するべきである。
【0048】
異なる例示は図示された特定の構成要素を有しているが、本発明の実施形態は、それらの特定の組み合わせに限定されない。ある例示のいくつかの構成要素又は機能を、別の例示の機能又は構成要素と組み合わせて使用することもできる。
【0049】
例示的な実施形態が開示されてきたが、当業者であれば、所定の修正が請求項の範囲内に入ることを認識するであろう。そのため、以下の請求項については、その真の範囲及び内容を判断するように検討されるべきである。
図1A
図1B
図2
図3
図4
【外国語明細書】