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特開2024-62399自動車の乗員とインターフェースされるべき自動車の要素の温度を調整するための方法および前記要素を備える自動車
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  • 特開-自動車の乗員とインターフェースされるべき自動車の要素の温度を調整するための方法および前記要素を備える自動車 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062399
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】自動車の乗員とインターフェースされるべき自動車の要素の温度を調整するための方法および前記要素を備える自動車
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/00 20060101AFI20240430BHJP
   B60H 1/22 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
B60H1/00 103
B60H1/00 101F
B60H1/00 101E
B60H1/00 101Q
B60H1/22 611D
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023179343
(22)【出願日】2023-10-18
(31)【優先権主張番号】102022000021864
(32)【優先日】2022-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】519463178
【氏名又は名称】フェラーリ エッセ.ピー.アー.
【氏名又は名称原語表記】FERRARI S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via Emilia Est, 1163, 41100 MODENA, Italy
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クレーディ ヴァータ
(72)【発明者】
【氏名】エンリコ ダンジェロ
【テーマコード(参考)】
3L211
【Fターム(参考)】
3L211DA53
3L211DA54
3L211EA03
3L211EA12
3L211EA56
3L211FB05
3L211GA53
3L211GA54
(57)【要約】      (修正有)
【課題】自動車の乗員とインターフェースされるべき自動車の要素の第1の温度を調整するための方法を提供する。
【解決手段】第2の温度のために調整システム(23、24)に対して現在要求されている第2の温度に基づいて前記自動車(1)の内部の第2の温度を調整するステップと、前記自動車(1)の乗員室(3)の外部の第3の外部温度を検出するステップと、前記自動車(1)の前記乗員室(3)の内部の第4の現在温度を検出するステップと、前記要素(15a、15c)の前記第1の温度の現在値を検出するステップと、前記第1、第4、および第5の温度に基づいて第5の温度を処理するステップと、第1の温度を調整するために、要素(15a、15c)と熱量を交換するステップと、を含み、熱量が第5の温度に依存する、方法。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車(1)の乗員とインターフェースされるべき前記自動車(1)の要素(15a、15b、15c)の第1の温度(Tutenza)を調整するための方法であって、
i)前記自動車(1)の乗員室(3)の内部の第2の温度(Tcabina)を、前記第2の温度(Tcabina)自体のための調整システム(23、24)に対して現在要求されている第2の温度(Trichiesta)に基づいて調整するステップと、
ii)前記自動車(1)の乗員室(3)の外部の第4の外部温度(Tout)を検出するステップと、
iii)前記自動車(1)の前記乗員室(3)の内部の前記第2の温度(Tcabina)の現在値を検出するステップと、
iv)前記要素(15a、15b、15c)の第1の温度(Tutenza)の現在値を検出するステップと、
v)前記第1、第2、および第3の温度(Tutenza、Tcabina、Trichiesta)に基づいて第5の温度(Tprev)を処理するステップと、
vi)前記第5の温度(Tprev)に基づいて前記第1の温度(Tutenza)を調整するように前記要素(15a、15b、15c)と熱出力を交換するステップと、を含み、
前記ステップv)が、前記第4の温度(Tout)にも基づいて前記第5の温度(Tprev)を処理するステップvii)を含み、
前記ステップvii)が、以下の式に基づいて前記第5の温度(Tprev)を処理するステップviii)を含み、
【数1】
式中、
RIFは、選択的に設定可能な第6の基準温度であり、
αおよびβは、前記第4の温度(Tout)に依存し、前記第1、第2および第3の温度(Tutenza、Tcabina、Trichiesta)から独立した係数であり、
γは、一定の係数である、ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記ステップvi)が、
ix)個別の動作レベル(L1、L2、L3、L0、L4、L5、L6;オン、オフ)にしたがって前記要素(15a、15b、15c)の加熱手段(23)および冷却手段(24)を制御するステップと、
x)前記第5の温度(Tprev)の値の第1の開または閉範囲(I1、I2、I3、I0、I4、I5、I6;I1*、I2*、I3*、I0*、I4*、I5*、I6*;J1、J2、J1*、J2*)に少なくとも1つのレベル(L1、L2、L3、L0、L4、L5、L6;オン、オフ)を関連付けるステップと、を含む、ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ステップx)が、
xi)前記第5の温度(Tprev)が増加すると、前記第5の温度(Tprev)の値の前記第1の範囲(I1、I2、I3、I0、I4、I5、I6;J1、J2)に少なくとも1つのレベル(L1、L2、L3、L0、L4、L5、L6;オン、オフ)を関連付けるステップと、
xii)前記第5の温度(Tprev)が減少すると、前記少なくとも1つのレベル(L1、L2、L3、L0、L4、L5、L6;オン、オフ)を前記第5の温度(Tprev)*の値の第2の範囲(I1*、I2*、I3*、I0*、I4*、I5*、I6*;J1*、J2*)と関連付けるステップと、を含み、
前記第1の範囲(I1、I2、I3、I0、I4、I5、I6;J1、J2)が、少なくとも1つの第1の終値(Imin、Imax;Tsoglia)を含み、前記第2の範囲(I1*、I2*、I3*、I0*、I4*、I5*、I6*;J1*、J2*)が、前記第1の終値(Imin、Imax;Tsoglia)とは異なる少なくとも1つの第2の終値(I*min、I*max;Tsoglia*)を含む、ことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の範囲(I1、I2、I3、I0、I4、I5)は閉じており、前記第1の終値(Imax)よりも小さい第3の終値(Imin)を含み、
前記第2の範囲(I1*、I2*、I3*、I0*、I4*、I5*)は閉じており、前記第2の終値(I*max)よりも小さい第4の終値(I*min)を含み、
前記第2の終値(I*max)が前記第1の終値(Imax)よりも小さく、
前記第4の終値(I*min)が前記第3の終値(Imax)よりも小さい、
ことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ステップx)が、
xiii)前記要素(15a、15b;15c)によって到達されて維持されるべきそれぞれの第7の目標温度(T1obj、T2obj、T3obj;T4obj)に対応するそれぞれのレベル(L1、L2、L3)にしたがって前記加熱手段(23)を動作させるステップ、および/または
xiv)前記冷却手段(24)のファン(41)のそれぞれの角速度値(ω)に対応するそれぞれのレベル(L4、L5、L6)にしたがって前記冷却手段(24)を動作させるステップ、を含む、ことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記要素(15a、15b、15c)が、第1の座席(15b)、または前記第1の座席(15b)とは異なるかもしくは一致する第2の座席(15a)に関連するステアリングホイール(15c)であり、
xv)前記第1の座席(15b)または前記第2の座席(15b)の前記乗員の有無を検出するステップを含み、
前記ステップvi)が、
xvi)前記第1の座席(15b)上の前記乗員の存在が検出された場合にのみ、前記第1の座席(15b)の前記第1の温度(Tutenza)を調整するステップと、
vii)前記第2の座席(15a)の前記乗員の存在が検出された場合にのみ、前記第2の座席(15a)および前記ステアリングホイール(15c)の前記第1の温度(Tutenza)を調整するステップと、を含む、ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
自動車(1)であって、
乗員室(3)を画定する本体(2)と、
前記乗員室(3)の内部の第1の温度(Tcabina)の調整システム(7)と、
前記乗員室(3)の内部の第1の温度(Tcabina)に対して前記調整システムを制御するように設計され、前記乗員室(3)の内部で要求される第2の温度(Trichiesta)が設定されることができる制御ユニット(20)と、
前記自動車(1)の乗員室(3)の外部の第3の外部温度(Tout)を検出するように構成された第1のセンサ(10)と、
前記自動車(1)の前記乗員室(3)の内部の前記第1の温度(Tcabina)の現在値を検出するように構成された第2のセンサ(14)と、
前記自動車(1)の乗員とインターフェースされるべき少なくとも1つの要素と、
インターフェースされるべき前記要素(15a、15b、15c)の第4の温度(Tutenza)のための調整手段(23、24)であって、熱出力を前記要素(15a、15b、15c)と交換し、前記第4の温度(Tutenza)を調整するために動作されることができる、調整手段(23、24)と、
前記要素(15a、15b、15c)の第4の温度(Tutenza)の現在値を検出するように構成された第3のセンサ(50、51)と、
制御ユニット(20)であって、
前記第4、第1、および第2の温度(Tutenza、Tcabina、Trichiesta)に基づいて第5の温度(Tprev)を処理し、
前記第5の温度(Tprev)に基づいて、前記第4の温度(Tutenza)を調整するように前記調整手段(23、24)に対するコマンドを生成する、ようにプログラムされた制御ユニット(20)と、を備え、
前記制御ユニット(20)が、前記第3の温度(Tout)にも基づいて前記第5の温度(Tprev)を処理するようにプログラムされ、
前記制御ユニット(20)が、以下の式に基づいて前記第5の温度(Tprev)を処理するようにプログラムされ、
【数2】
式中、
RIFは、前記乗員によって選択的に設定されることができる第6の温度であり、
αおよびβは、前記第3の温度(Tout)に依存し、前記第4、第1および第2の温度(Tutenza、Tcabina、Trichiesta)から独立した係数であり、
γは、一定の係数である、ことを特徴とする、自動車(1)。
【請求項8】
前記制御ユニット(20)が、前記第5の温度(Tprev)のそれぞれの開範囲(I6、I6*;J1、J1*)または閉範囲(I1、I2、I3、I0、I4、I5;I1*、I2*、I3*、I0*、I4*、I5*)に関連付けられた前記調整手段(23、24)の離散動作レベル(L1、L2、L3、L0、L4、L5、L6;オン、オフ)を記憶する記憶ステージ(21)を備える、ことを特徴とする、請求項7に記載の自動車。
【請求項9】
前記記憶ステージ(21)が、
前記第5の温度(Tprev)が増加するとき、前記第5の温度(Tprev)の値の少なくとも1つの第1の閉範囲(I1、I2、I3、I0、I4、I5)および1つの第1の開範囲(I6)、および
前記第5の温度(Tprev)が減少するとき、前記第5の温度(Tprev)の値の少なくとも1つの第2の閉範囲(I1*、I2*、I3*、I0*、I4*、I5*)および1つの第2の開範囲(I6*)、を記憶するようにプログラムされ、
前記第1の閉範囲(I1、I2、I3、I0、I4、I5)が、少なくとも1つの第1の終値(Imin、Imax)を含み、前記第2の閉範囲(I1*、I2*、I3*、I0*、I4*、I5*)が、前記第1の終値(Imin、Imax)とは異なる少なくとも1つの第2の終値(I*min、I*max)を含み、
前記第1の閉範囲(I1、I2、I3、I0、I4、I5)が、前記第1の終値(Imax)よりも小さい第3の終値(Imin)を含み、
前記第2の閉範囲(I1*、I2*、I3*、I0*、I4*、I5*)が、前記第2の終値(I*max)よりも小さい第4の終値(I*min)をさらに含み、
前記第2の終値(I*max)が前記第1の終値(Imax)よりも小さく、
前記第4の終値(I*min)が前記第3の終値(Imax)よりも小さく、
前記要素(15a、15b、15c)が、座席(15a、15b)である、ことを特徴とする、請求項8に記載の自動車。
【請求項10】
前記記憶ステージ(21)が、
前記第5の温度(Tprev)が増加するとき、前記第5の温度(Tprev)の値の少なくとも1つの第3の開範囲(J1)、および
前記第5の温度(Tprev)が減少するとき、前記第5の温度(Tprev)の値の少なくとも1つの第4の開範囲(J1*)、を記憶するようにプログラムされ、
前記第3の範囲(J1)が、第7の最高温度(Tsoglia)によって画定され、
前記第4の範囲(J1*)が、前記第7の最高温度(Tsoglia*)よりも小さい第8の最高温度(Tsoglia*)によって画定され、
前記要素(15a、15b、15c)が、ステアリングホイール(15c)である、ことを特徴とする、請求項8に記載の自動車。
【請求項11】
前記離散レベル(L1、L2、L3;J1)が、前記調整手段(23;24)の電気抵抗(40;42)の動作レベルであり、前記要素(15a、15b;15c)によって到達されて維持されるべきそれぞれの第9の温度(T1obj、T2obj、T3obj;T4obj)に対応し、
前記離散レベル(L4、L5、L6)が、前記冷却手段(24)のファン(41)の動作レベルであり、前記ファン(41)のそれぞれの角速度値(ω)に対応する、ことを特徴とする、請求項8に記載の自動車。
【請求項12】
前記要素(15a、15b、15c)が、第1の座席(15a)またはステアリングホイール(15c)であり、前記第1の座席(15a、15b)とは異なるかまたは一致する第2の座席(15b)を備え、
前記自動車(1)が、前記第1の座席(15a)の前記乗員の有無を検出するように設計された第4のセンサ(80)と、前記第2の座席(15b)の前記乗員の有無を検出するように設計された第5のセンサ(85)と、をさらに備え、
前記制御ユニット(20)が、
前記第4のセンサ(80)が、使用中に、前記第1の座席(15a)の前記乗員の存在を検出した場合にのみ、前記第1の座席(15a)および前記ステアリングホイール(15c)の前記第4の温度(Tutenza)を調整し、および/または
前記第4のセンサ(85)が、使用中に、前記第2の座席(15b)上の前記乗員の存在を検出した場合にのみ、前記第2の座席(15b)の前記第4の温度(Tutenza)を調整する、ようにプログラムされる、ことを特徴とする、請求項7に記載の自動車。
【請求項13】
手動で操作可能であり、前記加熱手段(23)に動作可能に接続されるインターフェース(12)を備え、
前記インターフェース(12)が、前記要素(15a、15b、15c)の複数の漸進的に増加する第10の温度(T1、T2、T3)が設定されることを可能にするように構成され、前記第10の温度(T1、T2、T3)が、前記要素(15a、15b)によって到達されて維持されるべきそれぞれの第9の温度(T1obj、T2obj、T3obj;T4obj)に等しい、ことを特徴とする、請求項10に記載の自動車。
【請求項14】
制御ユニット(20)にロード可能であり、実行されると、請求項1に記載の方法のステップを実施するように設計されたコンピュータ製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2022年10月24日に出願されたイタリア特許出願第102022000021864号の優先権を主張し、その全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、自動車の乗員とインターフェースされるべき自動車の要素の温度を調整する方法に関する。
【0003】
本発明はまた、前記要素を備える自動車に関する。
【背景技術】
【0004】
自動車が知られており、これは基本的に、
-本体を画定する乗員室と、
-自動車の乗員とインターフェースされて自動車内に配置される複数の要素と、
-自動車の乗員によって操作されることができる、自動車の内部の温度のための調和システムと、を備える。
【0005】
「インターフェースされるべき要素」という用語は、乗員室内に収容され、自動車の乗員の身体または身体部分と接触する、したがって熱を交換するように設計された自動車の任意の構成要素を示す。
【0006】
前述のインターフェース可能要素の典型的な例は、座席、ステアリングホイール、中央アームレストまたは安全ベルトである。
【0007】
温度調和システムは、次に、
-乗員室の内部の温度の要求値を入力するように操作されることができるインターフェースと、
-乗員室の内部の温度が要求された温度に達することを可能にするような温度で、乗員室内に空気を入れるように設計された複数の通気口と、を備える。
【0008】
調和システムの作動後、インターフェース可能要素は、要求された温度に直ちに達しない。
【0009】
反対に、インターフェース可能要素の温度の変化は、乗員の身体との熱交換に大きく依存する。
【0010】
例えば、特に高い外部温度の場合、より低い温度を有する乗員は、所与の時間量の間より高い温度に留まる座席から熱を吸収する。
【0011】
この熱交換は、必然的に、自動車の乗員に熱感、ひいては不快感をもたらす。
【0012】
この不快感を軽減するために、製造業者は、選択的に作動させることができる電気抵抗によって前述のインターフェース可能要素を加熱するか、またはファンによってそれらを冷却することを提案した。
【0013】
それにもかかわらず、前記電気抵抗およびファンの作動は、自動車の乗員によって知覚される熱感には決して関連しない。
【0014】
結果として、自動車の乗員によって知覚される熱的快適性に関して大きな改善の余地が存在する。
【0015】
したがって、自動車産業は、自動車の乗員によって知覚される熱的快適性を簡単で迅速且つ自動的に改善する必要がある。
【0016】
さらにまた、自動車産業は、自動車の乗員によって知覚される熱的快適性を損なうことなく、自動車の空調に関連するエネルギー消費を低減する必要がある。
【発明の概要】
【0017】
本発明の目的は、上述した必要性のうちの少なくとも1つを満たすことができる自動車を提供することである。
【0018】
前述の目的は、請求項1に記載の自動車の乗員とインターフェースされるべき自動車の要素の温度を調整する方法に関するものとして、本発明によって達成される。
【0019】
本発明はまた、請求項7に記載の自動車に関する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明は、添付の図面を参照して、非限定的な例として提供される好ましい実施形態の以下の詳細な説明を精読することによって最もよく理解されるであろう。
【0021】
図1】より明確にするために部品を取り除いた、本発明にかかる自動車の斜視図である。
図2】自動車の乗員とインターフェースされるべきいくつかの要素、例えば座席およびステアリングホイールを収容し、より明確にするために部品を取り除いた、図1の自動車の乗員室の前部を概略的に示している。
図3図2のインターフェース可能要素の温度を調整するようにプログラムされた制御ユニットを概略的に示している。
図4図3のいくつかの詳細をより大規模に概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1を参照すると、図面は、基本的に、本体2と、乗員室3と、ステアリングホイール15cと、乗員室3に収容された複数の座席15a、15bとを備える自動車を示している。
【0023】
以下、「上部に」、「下部に」、「前部に」、「後部に」、「左」、「右」およびそれらに類似する表現は、自動車1の通常の走行方向を基準として使用される。
【0024】
自動車1は、さらに、
-乗員室3の内部に配置された複数の通気口9を介して乗員室3の内部の温度Tcabinaよりも高いまたは低い温度の空気を導入することによって、乗員室3の内部の温度を調整するように制御されることができる、調和システム7と、
-調和システム7の制御インターフェース8であって、乗員室3の内部の所望の温度Trichiestaを要求するように動作されることができる制御インターフェース8と、を備える。
【0025】
自動車1は、さらに、
-自動車1の外側の温度Toutを検出するように設計されたセンサ10と、
-乗員室3の内部の温度Tcabinaを検出するように設計されたセンサ14と、を備える。
【0026】
自動車1は、自動車1の乗員とインターフェースされるべき複数の要素をさらに備える。
【0027】
「インターフェースされるべき」という用語は、本明細書の目的のために、乗員が乗員室3の内部にいるときに、要素が乗員と接触し、したがって熱交換することを意味する。
【0028】
インターフェース可能要素のそれぞれは、Tutenzaとして示されるそれぞれの温度を有する。
【0029】
インターフェース可能要素の非限定的な例は、座席15a、15bおよびステアリングホイール15cであり、これについては一般性を失うことなく以下の説明で参照する。
【0030】
インターフェース可能要素のさらなる例は、自動車1の安全ベルトまたは中央アームレストまたはマットまたはドアパネルである。
【0031】
特に、座席15aは、ステアリングホイール15cの反対側の前方に配置され、座席15bは、自動車1の残りの前後の座席である。
【0032】
自動車1は、さらに、
-制御ユニット20と、
-各座席15a、15bの温度Tutenzaを調整するために、制御ユニット20によって制御される調整システム23と、
-ステアリングホイール15cの温度Tutenzaを調整するために、制御ユニット20によって制御される調整システム24と、を備える。
【0033】
自動車1は、有利には、
-各座席15a、15bおよびステアリングホイール15cの現在の温度Tutenzaを検出するように構成された複数のセンサ50、51と、
-制御ユニット20であって、
各座席15a、15bおよびステアリングホイール15cについて、温度Tutenza、Tcabina、Trichiestaに基づいて温度Tprevを処理し、
温度Tprevに基づいて、各座席15a、15bおよびステアリングホイール15cについて、座席15a、15bおよびステアリングホイール15cの温度Tutenzaを調整するようにシステム23、24のためのそれぞれのコマンドを生成する、ようにプログラムされる制御ユニット20と、を備える。
【0034】
より詳細には、制御ユニット20は、第2の温度Toutにも基づいて温度Tprevを処理するようにプログラムされる。
【0035】
より具体的には、制御ユニット20は、以下の式に基づいて、
温度Tprevを処理するようにプログラムされる。
【数1】
式中、
-TRIFは、乗員によって選択的に設定されることができる温度であり、
-αおよびβは、温度Toutに依存し、温度Tutenza、Tcabina、Trichiestaに依存しない係数であり、
-γは、一定の係数である。
【0036】
本明細書に示す特定の場合では、Trifは、摂氏22度である。
【0037】
パラメータα、βおよびγならびに温度Toutに対するそれらの推移は、制御ユニット20(図3)の記憶ステージ21に記憶される。
【0038】
図3に示すように、各温度値Toutについて、係数αは、係数βよりも小さく、係数βは、係数γよりも小さい。
【0039】
温度Toutおよび温度Toutの増加に関して、係数βの推移は、
-下向き凹面を有する減少セグメントβ1、
-上向き凹面を有する増加セグメントβ2、
-下向き凹面を有する増加セグメントβ3、および
-下向き凹面を有する減少セグメントβ4、を含む。
【0040】
温度Toutおよび温度Toutの増加に関して、係数αの推移は、
-一定のセグメントα1、
-下向き凹面を有する減少セグメントα2、
-セグメントα1の値よりも大きい値を有し、上向き凹面を有する増加セグメントα3、および
-最初に増加し、次いで減少し、セグメントα1の値よりも大きい値を有し、下向き凹面を有するセグメントα4、を含む。
【0041】
同じ温度Toutが与えられると、係数βは、係数αよりも大きい。
【0042】
より詳細には、システム23は、各座席15a、15b(図2)について、
-座席15a、15bの内部に収容され、座席15a、15bを加熱するのに適した熱出力を生成するために温度Tprevに応じて制御ユニット20によって動作されることができる複数の加熱要素30、例えば電気抵抗40と、
-座席15a、15b内に収容され、新鮮な空気流を座席15a、15b内に搬送し、座席15a、15bを冷却するために、温度Tprevに応じて制御ユニット20によって動作されることができる複数の冷却要素31、例えばファン41と、を備える。
【0043】
システム23は、制御ユニット20とは無関係に加熱要素30を制御するために手動で選択されることができるインターフェース12(図2に概略的にのみ示されている)をさらに備える。
【0044】
インターフェース12は、加熱要素30に動作可能に接続され、座席15a、15bの複数の、本明細書に示す特定の場合には3つの、徐々に増加する所望の温度T1、T2、T3を設定するように構成される。
【0045】
特に、インターフェース12上で温度T1、T2、T3が選択されると、加熱要素30は、座席15a、15b、15cの温度Tutenzaが座席15a、15bのそれぞれの所望の温度値T1、T2、T3に達するように動作される。
【0046】
図3および図4に示す特定の場合には、制御ユニット20は、加熱要素30を複数の、本明細書に示す特定の場合には3つの個別の動作レベルL1、L2、L3に設定するようにプログラムされる。
【0047】
各レベルL1、L2、L3は、座席15a、15bのそれぞれの漸進的に増加する目標温度T1obj、T2obj、T3objに対応する。
【0048】
より正確には、制御ユニット20は、座席15a、15bの温度Tutenzaが対応する目標温度T1obj、T2obj、T3objと同じになるような温度および時間で加熱要素30の電気抵抗40を動作させる。
【0049】
制御ユニット20は、座席15a、15bの温度Tutenzaの現在値を受信し、温度Tutenzaの現在値を所望の温度T1obj、T2obj、T3objと同じにするように、フィードバックモードで加熱要素30の電気抵抗40を活性化/非活性化するようにさらにプログラムされる。
【0050】
特に、レベルL1、L2、L3に関連する目標温度T1obj、T2obj、T3objは、インターフェース12によって選択されることができるそれぞれの温度T1、T2、T3に等しい。
【0051】
同様に、制御ユニット20は、冷却要素31を複数の、本明細書に示す特定の場合には3つの個別の動作レベルL4、L5、L6に設定するようにプログラムされる。
【0052】
換言すれば、制御ユニット20は、冷却要素31のファン41を互いに異なる角速度ωのそれぞれのレベルに到達させて、それぞれの座席15a、15bから熱量を除去するようにプログラムされる。
【0053】
本明細書に示される特定の場合では、レベルL1、L3は、それぞれ、座席15a、15bの目標温度T1obj、T3objの最大値および最小値に対応する。
【0054】
レベルL2は、座席15a、15bの目標温度T2objの中間値に相当する。
【0055】
レベルL4、L6は、それぞれ、ファン41の角速度ωの最大値および最小値に対応し、したがって、それぞれの座席15a、15bから冷却要素31によって吸収される熱出力のそれぞれの最大値および最小値に対応する。
【0056】
レベルL5は、ファン41の角速度ωのレベルL4、L6に関連する値の間の中間値に対応し、したがって、それぞれの座席15a、15bから冷却要素31によって吸収される熱出力のそれぞれの中間値に対応する。
【0057】
制御ユニット20は、加熱要素30および冷却要素31が停止され、その結果、相対的な座席15a、15bと熱出力を交換しないレベルL0にシステム23を維持するようにさらにプログラムされる。
【0058】
システム23がレベルL0にあるとき、座席15a、15bの温度Tutenzaは、座席15a、15bの乗員の快適さの状態に対応する。
【0059】
要約すると、最大加熱の状態からそれぞれの座席15a、15bの最大冷却の状態まで、制御ユニットは、システム23をレベルL1、L2、L3、L4、L5、L6に漸進的に設定する。
【0060】
システム24は、ステアリングホイール15cの内部に収容され、ステアリングホイール15cを加熱するのに適した熱流を生成するために温度Tprevに応じて制御ユニット20によって動作されることができる複数の加熱要素32、例えば電気抵抗42を備える。
【0061】
要約すると、制御ユニット20は、温度Tprevに応じて、
-加熱要素32が作動されるオン状態、または
-加熱要素32が停止されるオフ状態に、システム24を設定するようにプログラムされる。
【0062】
記憶ステージ21は、マップ25を記憶する。
【0063】
記憶ステージ21には、目標温度T1obj、T2obj、T3obj、T4objも記憶される。
【0064】
マップ25は、
-温度値Tprevの値を漸進的に増加させる場合、システム23のそれぞれの動作レベルL1、L2、L3、L0、L4、L5、L6を有する温度Tprevの値の閉範囲I1、I2、I3、I0、I4、I5および開範囲I6、ならびに
-温度Tprevの値を漸進的に増加させる場合、システム23のそれぞれの動作レベルL1、L2、L3、L0、L4、L5、L6を有する温度Tprevの値の閉範囲I1*、I2*、I3*、I0*、I5*および開範囲I6*、に関連する。
【0065】
各レベルL1、L2、L3、L0、L4、L5、L6に対応する範囲I1、I2、I3、I0、I4、I5、I6は、同一のレベルL1、L2、L3、L0、L4、L5、L6に対応する範囲I1*、I2*、I3*、I0*、I5*、I6*に関連付けられる。
【0066】
特に、各範囲I1、I2、I3、I0、I4、I5は、温度Tprevのそれぞれの最大および最小値IMINおよびIMAXによって区切られる(図4)。
【0067】
同様に、各範囲I1*、I2*、I3*、I0*、I4*、I5*は、温度Tprevのそれぞれの最大および最小値I*MINおよびI*MAXによって区切られる。
【0068】
最大値IMAX;各範囲I1、I2、I3、I4、I0、I5のI*MAX;I1*、I2*、I3*、I0*、I4*、I5*は、相対範囲I2、I3、I0、I4、I5、I6の最小値IMIN、I*MINに対応し、I2*、I3*、I0*、I4*、I5*、I6*は、すぐに高い温度値Tprevと関連付けられる。
【0069】
範囲I6、I6*は、温度Tprevのそれぞれの最小値IMIN、I*MINによって区切られ、上部が開いている、すなわち、それぞれの最小値IMIN、I*MINよりも大きい温度Tprevの値に達する。
【0070】
特に、範囲I1、I2、I3、I4、I0、I5、I6は同じ幅を有し、これは、範囲I1*、I2*、I3*、I0*、I4*、I5*、I6*の幅と同じである。
【0071】
換言すれば、最大値IMAXと最小値IMINとの差は、各間隔I1、I2、I3、I4、I0、I5について一定であり、各範囲I1*、I2*、I3*、I0*、I4*、I5*の最大値I*MAXと最小値I*MAXとの差と同じである。
【0072】
各範囲I1、I2、I3、I4、I0、I5の最大値IMAXは、対応する範囲I1*、I2*、I3*、I0*、I4*、I5*の最大値I*MAXよりも大きい。
【0073】
各範囲I1、I2、I3、I4、I0、I5、I6の最小値IMINは、対応する範囲I1*、I2*、I3*、I0*、I4*、I5*、I6*の最小値I*MINよりも大きい。
【0074】
各範囲I1、I2、I3、I4、I0、I5の最大値IMAXと対応する範囲I1*、I2*、I3*、I0*、I4*、I5*の最大値I*MAXとの差は一定であり、各範囲I1、I2、I3、I4、I0、I5、I6の最小値IMINと対応する範囲I1*、I2*、I3*、I0*、I4*、I5*、I6*の最小値I*MINとの差と同じである。
【0075】
このようにして、範囲I1、I2、I3、I4、I0、I5、I6は、対応する範囲I1*、I2*、I3*、I0*、I4*、I5*、I6*に対して一定値だけオフセットされる。
【0076】
特に、制御ユニット20は、ステアリングホイール15cの温度Tutenzaを目標温度T4objと同じにするような温度および時間で加熱要素32を動作させる。
【0077】
制御ユニット20は、センサ51から、ステアリングホイール15cの温度Tutenzaの現在値を受信し、フィードバックによって加熱要素32を作動/停止させるようにさらにプログラムされる。
【0078】
記憶ステージ21は、マップ26および目標温度T4objを記憶する。
【0079】
マップ26は、特に(図3)、
-温度Tprevの値が漸進的に増加する場合、システム24のオン動作レベルにおける温度Tsoglia以下である温度Tprevの値の開範囲J1;および
-温度値Tprevの値が漸進的に減少する場合、システム24のオフ動作レベルで値Tsoglia*以下である温度Tprevの値の開範囲J1*、に関連する。
【0080】
特に、温度Tsoglia*は、温度Tsogliaよりも低い。
【0081】
自動車1は、さらに、
-座席15a上の乗員の存在を検出するように構成されたセンサ80と、
-座席15b上の乗員の存在を検出するように構成されたセンサ85と、を備える(図2)。
【0082】
制御ユニット20は、センサ80、85に接続され、
-相対センサ80、85が乗員の存在を検出した場合にのみ、座席15a、15bに関連するシステム23を動作させ、
-センサ80が乗員の存在を検出した場合にのみ、ステアリングホイール15cに関連するシステム24を動作させる、ようにプログラムされる。
【0083】
使用中、センサ10は、自動車1の乗員室3の外部の外部温度Toutを検出し、センサ14は、乗員室3の内部の温度Tcabinaの現在値を検出する。
【0084】
センサ50、51は、座席15a、15bおよびステアリングホイール15cの現在の温度Tutenzaを検出する。
【0085】
乗員は、調和システム7のインターフェース8を介して、乗員室3の内部の温度Trichiestaを設定する。
【0086】
したがって、調和システム7は、本発明の理解のために必要であるとは考えられない公知の方法で、温度Tcabinaよりも高いまたは低い温度の空気を供給して、温度Trichiestaに基づいて乗員室3の内部の温度Tcabinaを調整する。
【0087】
センサ80が座席15a上の乗員室3の乗員の存在を検出した場合、制御ユニット20は、座席15aの温度を調整するシステム23およびステアリングホイール15cの温度を調整するシステム24を動作させる。
【0088】
一方、センサ80が座席15a上の乗員の存在を検出しない場合、制御ユニットは、座席15aの温度を調整するためのシステム23を残し、システム24は非作動とされる。
【0089】
同様に、センサ80が座席15bのうちの1つに乗員室3の乗員が存在することを検出した場合、制御ユニット20は、前記座席15bの温度を調整するためのシステム23を動作させる。
【0090】
一方、センサ80が座席15bのいずれかの乗員の存在を検出しない場合、制御ユニットは、前記座席15bの温度を調整するためのシステム23を非作動にする。
【0091】
より詳細には、制御ユニット20は、温度Toutに基づいてパラメータα、βの値を処理する。
【0092】
さらにまた、制御ユニット20は、以下の式にしたがって、温度Tprevを温度Tutenza、TcabinaおよびTrichiestaに基づいて処理する。
【数2】
制御ユニット20は、さらに、温度Tprevの増減時間推移を検出する。
【0093】
温度Tprevが経時的に増加する場合、制御ユニット20は、温度Tprevを範囲I1、I2、I3、I0、I4、I5、I6のうちの1つと関連付け、温度Tprevが温度Tsogliaよりも低いか高いかを評価する。
【0094】
温度Tprevが経時的に増加する場合、制御ユニット20は、温度Tprevを範囲I1*、I2*、I3*、I0*、I4*、I5*、I6*のうちの1つと関連付け、温度TprevがTsoglia*よりも低いか高いかを評価する。
【0095】
制御ユニット20は、範囲I1、I2、I3、I0、I4、I5、I6に関連付けられたレベルL1、L2、L3、L0、L4、L5、L6を識別し、I1*、I2*、I3*、I0*、I4*、I5*、I6*は、温度Tprevに対応する。
【0096】
制御ユニット20は、座席15a、15bに関連するシステム23に、識別されたレベルがL1、L2、L3である場合には加熱要素30を動作させ、識別されたレベルがL4、L5、L6である場合には冷却要素31を動作させる。
【0097】
識別されたレベルがL1、L2、L3である場合、制御ユニット20は、座席15a、15bの温度Tutenzaを目標温度T1obj、T2obj、T3objと同じにするのに必要な温度および時間で加熱要素30の抵抗40を動作させる。これは、Tprevの漸進的増加を決定する。
【0098】
温度Tout、TcabinaおよびTutenzaの変動に続いて、レベルL10に達するまで、以下のレベルL2、L3が漸進的に識別される。この時点で、制御ユニット20は、座席15a、15bの温度Tutenzaが座席15a、15bの乗員の快適さの状態に対応するため、加熱要素30または冷却要素31を動作させないようにシステム23に指示する。
【0099】
同様に、識別されたレベルがL6、L5、L4である場合、対応するレベルのファン41の角速度ωを有する冷却要素31のファン41の作動は、座席15a、15bの温度Tutenzaの減少、したがってTprevの漸進的減少を決定する。
【0100】
温度Tout、TcabinaおよびTutenzaの変動に続いて、レベルL10に達するまで、以下のレベルL5、L4が漸進的に識別される。この時点で、制御ユニット20は、座席15a、15bの温度Tutenzaが座席15a、15bの乗員の快適さの状態に対応するため、加熱要素30または冷却要素31を動作させないようにシステム23に指示する。
【0101】
ステアリングホイール15cを参照すると、温度Tprevが温度Tsogliaよりも低い場合、温度Tprevを増加させる場合、または温度Tsoglia*よりも低い場合、温度Tprevを減少させる場合、制御ユニット20は、システム24をオン状態に設定し、加熱要素32の抵抗42が作動される。
【0102】
より具体的には、制御ユニット20は、ステアリングホイール15cの温度Tutenzaを対応する目標温度T4objと同じにするのに必要な温度および時間で加熱要素30の抵抗42を動作させる。
【0103】
これは、温度Tprevを増加させる場合には温度Tprevが温度Tsoglia、または温度Tprevを減少させる場合には温度Tsoglia*を超えるまで、ステアリングホイール15cの温度Tutenza、したがって温度Tprevの増加を決定する。
【0104】
この時点で、制御ユニット20は、ステアリングホイール15cの温度Tutenzaが相対快適値に対応するため、システム24を、加熱要素32が停止されるオフ状態に設定する。
【0105】
上記の開示は、本発明によって得ることができる明らかな利点を明らかにする。
【0106】
特に、制御ユニット20は、
-温度Tutenza、Tcabina、Trichiestaに基づいて温度Tprevを処理し、
-システム23、24に、温度Tprevに基づいて座席15a、15bおよび/またはステアリングホイール15cを加熱/冷却させる、ようにプログラムされる。
【0107】
このようにして、座席15a、15bおよびステアリングホイール15cの温度Tutenzaは、温度Tprevに基づいて、したがって、乗員室3の乗員によって要求される温度Trichiestaおよび前記乗員によって知覚される温度Tcabina、Tutenzaにも基づいて調整される。
【0108】
これは、説明の冒頭で特定された既知の解決策と比較して、乗員の快適さを大幅に向上させる。
【0109】
制御ユニット20は、センサ80、85がそれぞれの座席15a、15b上の乗員の存在を検出したときにのみシステム23、24を動作させるようにさらにプログラムされる。
【0110】
これは、自動車1の空調に関連するエネルギー消費を減少させ、それにもかかわらず、自動車1の乗員によって知覚される熱的快適性を最大化する。
【0111】
各範囲I1、I2、I3、I4、I0、I5の最大値IMAXは、対応する範囲I1*、I2*、I3*、I0*、I4*、I5*の最大値I*MAXよりも大きい。
【0112】
各範囲I2、I3、I4、I0、I5、I6の最小値IMINは、対応する範囲I2*、I3*、I0*、I4*、I5*、I6*の最小値I*MINよりも大きい。
【0113】
同様に、範囲J1の温度Tsogliaは、間隔J1*の温度Tsogliaよりも大きい。
【0114】
このようにして、マップ25、26は、図4に固定ヒステリシスとして示されている、温度Tprevの減少に関する範囲I1、I2、I3、I4、I0、I5、I6、J1と、温度Tprevの減少に関する対応する範囲I1*、I2*、I3*、I0*、I4*、I5*、I6*、J1*との間の一定の偏差を特徴とする。
【0115】
前記ヒステリシスは、センサ10、15、50、51の起こり得るヒステリシス誤差を補償する。
【0116】
レベルI1、I2、I3に関連する目標温度T1obj、T2obj、T3objは、手動インターフェース12によって選択されることができる座席15a、15bのそれぞれの温度T1、T2、T3と同一である。
【0117】
このようにして、制御ユニット20は、座席15a、15b上の乗員がインターフェース12に手動で作用することによって得るものと実質的に同じ快適感を与えるように加熱要素30を自動的に制御する。
【0118】
最後に、本発明にかかる方法および自動車1には、添付の特許請求の範囲に記載された保護の範囲を超えることなく、変形および変更を施すことができる。
【0119】
特に、ステアリングホイール15c、より一般的には、座席15a、15b以外の、乗員室3の乗員と接触する任意の要素の温度を調整するためのシステム24は、システム23と同様とすることができ、システム23と同様に制御ユニット20によって制御されることができる。
【0120】
換言すれば、システム24は、それぞれ加熱要素30および冷却要素31と同様の加熱要素および冷却要素を備えることができる。制御ユニット20は、レベルL1、L2、L3、L0、L4、L5、L6と同様の複数の個別のレベルにしたがってシステム24の加熱要素および冷却要素を制御するようにプログラムされることができる。記憶ステージ21は、マップ25と同様に、システム24の加熱要素および冷却要素を制御するためのマップを含むことができる。
【0121】
加熱要素30は、電気抵抗40以外であってもよく、冷却要素31は、ファン41以外であってもよい。
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】