(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062404
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】断熱層を備えた二重ネックバンド
(51)【国際特許分類】
A41D 13/005 20060101AFI20240430BHJP
A41D 31/06 20190101ALI20240430BHJP
A41D 31/00 20190101ALI20240430BHJP
A41D 23/00 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
A41D13/005 101
A41D31/06
A41D31/00 502F
A41D31/00 502M
A41D23/00 D
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023180415
(22)【出願日】2023-10-19
(31)【優先権主張番号】10-2022-0136997
(32)【優先日】2022-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523397654
【氏名又は名称】シーオーエスエス カンパニーリミテッド
【氏名又は名称原語表記】COSS Co., Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【弁理士】
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100199004
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 洋
(72)【発明者】
【氏名】イ サンゴン
【テーマコード(参考)】
3B211
【Fターム(参考)】
3B211AA01
3B211AB01
3B211AB11
3B211AC01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】断熱層を備えた二重ネックバンド及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る断熱層を備えた二重ネックバンドの製造方法は、蓄熱材が内蔵され、外面に色相を有する内側チューブと、前記内側チューブを収容するように開口部が形成された外側チューブを準備するチューブ準備ステップと、前記外側チューブの内部を外部に露出させて裏返す外側チューブ裏返しステップと、裏返された外側チューブの内部に内側チューブを挿入する内側チューブ挿入ステップと、前記外側チューブと内側チューブとの間に、断熱材を注入する断熱材注入ステップと、前記外側チューブの内部に注入された断熱材が漏れないように封入し、断熱層を形成する外側チューブ封入ステップと、を順次行って製造されることを特徴とする。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄熱材が内蔵され、外面に色相を有する内側チューブと、
前記内側チューブを収容した状態で外見を形成し、ユーザの首に巻き付けられる外側チューブと、
前記外側チューブと内側チューブとの間に、断熱材が充填されて断熱機能を有する断熱層と、を含んで構成される、断熱層を備えた二重ネックバンドにおいて、
前記断熱材が、空気であり、
前記外側チューブが、
TPU(Thermoplastic Polyurethane)からなる第1の層と、PE(Polyethylene)からなる第2の層とが接合された形態を有し、前記第2の層が、第1の層よりも低い気孔率を有することを特徴とする、断熱層を備えた二重ネックバンド。
【請求項2】
前記蓄熱材(H)が、テトラデカン、ヘキサデカン、オクタデカン、ポリマーゲルのうち少なくとも1つを含むように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の断熱層を備えた二重ネックバンド。
【請求項3】
前記外側チューブは、外部から内側チューブが透視されるように構成されることを特徴とする、請求項2に記載の断熱層を備えた二重ネックバンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、断熱層を備えた二重ネックバンド及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、内部に蓄熱材が内蔵された内側チューブと、内側チューブ及び断熱材を収容した状態で密閉されて外見を形成する外側チューブとで構成され、断熱層を備えた二重ネックバンド及びその製造方法に関する。
【0002】
本発明は、外側チューブの少なくとも一部を透明に構成し、内側チューブは、色相を有するように構成して内側チューブが透視できるようにすることで、審美感及びデザイン性を向上させる断熱層を備えた二重ネックバンド及びその製造方法に関する。
【0003】
本発明は、蓄熱材によって夏だけでなく、冬にも使用可能にした断熱層を備えた二重ネックバンド及びその製造方法に関する。
【0004】
本発明は、外側チューブを密閉する際に内側チューブの一部を併せて接合し、外側チューブの内部で内側チューブの動きを制限することで、偏りを防止し、感情的な不満を最低限に抑える断熱層を備えた二重ネックバンド及びその製造方法に関する。
【0005】
本発明は、断熱材として空気を採択することで、軽量化が可能であり、断熱効率を高め、ふくよかな装着感によって感情的な不満を解消することができる断熱層を備えた二重ネックバンド及びその製造方法に関する。
【0006】
本発明は、異なる素材を積層接合して外側チューブを形成することで、気密性を向上させることができる断熱層を備えた二重ネックバンド及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0007】
例えば、現場作業者やスポーツ選手、受験生または一般人が気温の高い夏季の暑い天気に室内や野外で活動をすると、体から大量の熱が発生し、身体の機能が急速に低下される場合があり、ひいては熱中症になることもある。
【0008】
よって、体からの熱を冷やすためには、冷たい飲用水または氷菓類を摂取するか、あるいは冷房が効いている空間に入ることで解決することができる。
【0009】
しかしながら、体からの熱を冷やすために冷たい飲用水や氷果類を摂取し続けると、むしろ頭痛や腹痛などを誘発する場合があり、冷房の効いた空間をさがすことにも限界がある。
【0010】
一方、気温が高い日に体からの熱を冷やすことのできる他の方法としては、水に濡らしたタオルなどで顔を含む身体部位を拭くことで、気化熱現象によって涼しさを感じることができる。
【0011】
また、ポケットなどに氷を入れて身体と接触させる方法でも、涼しさを感じることができる。
【0012】
しかしながら、そのような方法は、水分が蒸発することによって繰り返しタオルを水に濡らすか、あるいはポケットなどに氷を補充しなければならないため、大変煩わしいだけでなく、周辺から水や氷を容易に見つけることができない環境では、それを活用することができないといった問題点がある。
【0013】
そのため、特許文献1には、
図1のように、首に着用すると冷却媒体によって涼しさを感じることができ、急速冷凍によって再使用ができるだけでなく、携帯及び保管が容易なネックアイスクーリングパッケージが開示されている。
【0014】
また、特許文献2には、
図2のように、携帯及び保管過程における安全性を容易に確保させた温度調節ができるネッククーリングチューブが開示されている。
【0015】
そして、特許文献3には、
図3のように、チューブ本体の表面に水分蒸発による冷却が可能な繊維層を構成することで、高温の環境においてもユーザが着用したとき、自己冷却によるクーリング効果によって体から発生する熱を冷やしてクーリング効果を極大化することができる、ウェアラブルクーリングチューブが開示されている。
【0016】
また、特許文献4には、
図4のように、内部に収容される冷媒物質がどの程度溶けたかを確認することができるネッククーリング装置が開示されている。
【0017】
しかしながら、前記従来技術らは、内蔵された冷媒媒体が単一素材からなっており、使用時間が顕著に短いため、冷却効率が低下するといった問題点がある。
【0018】
また、外部に露出する形で着用する製品であるにもかかわらず、デザイン性に劣り、好ましくない。
【0019】
そして、冷凍室に保管して使用すると、一定の使用温度を示すので、敏感な乳児が用いるには便宜性に劣るといった問題点がある。
【0020】
それだけでなく、チューブの内部全体に冷媒媒体が満たされた構造であって、軽量化が不可能であり、冷媒媒体に含まれた冷気は、チューブを介して外部と近接して接触するため、冷気の損失を誘発して好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】大韓民国登録特許第10-1977325号公報
【特許文献2】大韓民国登録特許第10-1948865号公報
【特許文献3】大韓民国登録特許第10-2306013号公報
【特許文献4】大韓民国公開特許第10-2020-0097644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は、前記従来技術の課題を解決するためのものであって、内部に蓄熱材が内蔵された内側チューブと、内側チューブ及び断熱材を収容した状態で密閉されて外見を形成する外側チューブとで構成され、断熱層を備えた二重ネックバンド及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0023】
本発明は、外側チューブの少なくとも一部を透明に構成し、内側チューブは、色相を有するように構成して内側チューブが透視できるようにすることで審美感及びデザイン性を向上させる断熱層を備えた二重ネックバンド及びその製造方法を提供することを別の目的とする。
【0024】
本発明は、蓄熱材によって夏だけでなく、冬にも使用可能にした断熱層を備えた二重ネックバンド及びその製造方法を提供することをまた別の目的とする。
【0025】
本発明は、外側チューブを密閉する際に内側チューブの一部を併せて接合し、外側チューブの内部で内側チューブの動きを制限することで、偏りを防止し、感情的な不満を最低限に抑える断熱層を備えた二重ネックバンド及びその製造方法を提供することをさらに別の目的とする。
【0026】
本発明は、断熱材として空気を採択することで、軽量化が可能であり、断熱効率を高め、ふくよかな装着感によって感情的な不満を解消することができる断熱層を備えた二重ネックバンド及びその製造方法を提供することをさらに別の目的とする。
【0027】
本発明は、異なる素材を積層接合して外側チューブを形成することで、気密性を向上させることができる断熱層を備えた二重ネックバンド及びその製造方法を提供することをさらに別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明に係る断熱層を備えた二重ネックバンドは、蓄熱材が内蔵され、外面に色相を有する内側チューブと、前記内側チューブを収容した状態で外見を形成し、ユーザの首に巻き付けられる外側チューブと、前記外側チューブと内側チューブとの間に、断熱材が充填されて断熱機能を有する断熱層と、を含んで構成されることを特徴とする。
【0029】
前記断熱材は、空気であることを特徴とする。
【0030】
前記外側チューブは、TPU(Thermoplastic Polyurethane)からなる第1の層と、PE(Polyethylene)からなる第2の層とが接合された形態を有し、前記第2の層は、第1の層よりも低い気孔率を有することを特徴とする。
【0031】
本発明に係る断熱層を備えた二重ネックバンドの製造方法は、蓄熱材が内蔵され、外面に色相を有する内側チューブと、前記内側チューブを収容するように開口部が形成された外側チューブを準備するチューブ準備ステップと、前記外側チューブの内部を外部に露出させて裏返す外側チューブ裏返しステップと、裏返された外側チューブの内部に内側チューブを挿入する内側チューブ挿入ステップと、前記外側チューブと内側チューブとの間に、断熱材を注入する断熱材注入ステップと、前記外側チューブの内部に注入された断熱材が漏れないように封入し、断熱層を形成する外側チューブ封入ステップと、を順次行って製造されることを特徴とする。
【0032】
前記チューブ準備ステップにおいて、前記外側チューブは、両端部を除く残りの部位のみに開口部が形成されることを特徴とする。
【0033】
前記チューブ準備ステップにおいて、前記開口部は、外側チューブの外側部に形成され、内側部は、超音波接着式で接合されることを特徴とする。
【0034】
前記外側チューブ裏返しステップにおいて、裏返された外側チューブは、外側部に開口部が形成され、超音波接着式で接着された内側部は、外側チューブの内部へ収容されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0035】
本発明に断熱層を備えた二重ネックバンド及びその製造方法は、内部に蓄熱材が内蔵された内側チューブと、内側チューブ及び断熱材を収容した状態で密閉されて外見を形成する外側チューブとで構成された断熱層を備える。
【0036】
従って、断熱層の形成によって重さを顕著に減らすことができ、蓄熱材の熱吸収を遅らせて冷感持続時間が増加するといった利点がある。
【0037】
また、本発明においては、外側チューブの少なくとも一部を透明に構成し、内側チューブは色相を有するように構成して内側チューブが透視できるようにすることで、審美感及びデザイン性を向上することができる。
【0038】
そして、蓄熱材によって夏だけでなく、冬にも使用できるので、使用の便宜性及び購入意欲を高めることができる。
【0039】
また、外側チューブを密閉する際に、内側チューブの一部を併せて接合し、外側チューブの内部で内側チューブの動きを制限することで、偏りを防止し、感情的な不満を最低限に抑えることができる。
【0040】
また、断熱材として空気を採択することで、軽量化が可能であり、断熱効率が増大され、ふくよかな装着感によって感情的な不満を解消することができる。
【0041】
それだけでなく、異なる素材を積層接合して外側チューブを形成することで、気密性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】特許文献1に開示されているネックアイスクーリングパッケージの構造を示した斜視図である。
【
図2】特許文献2に開示されている温度調節が可能なネッククーリングチューブの構造を示した斜視図である。
【
図3】特許文献3に開示されているウェアラブルクーリングチューブの構造を示した斜視図である。
【
図4】特許文献4に開示されているネッククーリング装置の構造を示した斜視図である。
【
図5】本発明に係る断熱層を備えた二重ネックバンドの外見を示した実物写真である。
【
図6】本発明に係る断熱層を備えた二重ネックバンドの内部構造を示した概要図である。
【
図7】本発明に係る断熱層を備えた二重ネックバンドの内部構造を示した
図6のA-A‘部の断面図である。
【
図8】本発明に係る断熱層を備えた二重ネックバンドの内部構造を示した
図6のB-B‘部の断面図である。
【
図9】本発明に係る断熱層を備えた二重ネックバンドの製造方法を示した工程順序図である。
【
図10】本発明に係る断熱層を備えた二重ネックバンドの製造方法における一ステップである、チューブ準備ステップにおいて準備された内側チューブと外側チューブの様子を示した実物写真である。
【
図11】本発明に係る断熱層を備えた二重ネックバンドの製造方法における一ステップである、外側チューブ裏返しステップによって内外が裏返された外側チューブを示した実物写真である。
【
図12】本発明に係る断熱層を備えた二重ネックバンドの製造方法における一ステップである、内側チューブ挿入ステップによって内側チューブが挿入された様子を示した実物写真である。
【
図13】本発明に係る断熱層を備えた二重ネックバンドにおいて外側チューブと内側チューブの他の実施形態の結合構造を示した断面図である。
【
図14】本発明に係る断熱層を備えた二重ネックバンドの他の実施形態の外見を示した実物写真である。
【
図15】本発明に係る断熱層を備えた二重ネックバンドの他の実施形態の内部構造を示した
図14のC-C‘部の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、添付の
図5を参照し、本発明に係る断熱層160を備えた二重ネックバンド(以下、「二重ネックバンド100」と称する)の構成を説明する。
【0044】
図5には、本発明に係る断熱層160を備えた二重ネックバンド100の外見を示した実物写真が示されている。
【0045】
これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に用いられた用語や単語は、通常的且つ辞書的な意味で解釈されてはならず、発明者は、己のその発明を最善の方法で説明するために、用語の概念を適切に定義することができるという原則に即して、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されなければならない。
【0046】
従って、本明細書に記載されている実施形態と図面に示された構成は、本発明の好ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的思想を全て代弁するものではないので、本出願時点においてそれらを代替することができる様々な均等物と変形例があり得ることを理解しなければならない。
【0047】
図面のように、本発明による二重ネックバンド100は、冷凍室に保管してから取り出し、首に巻き付けることで、体の熱を冷やすように使用することができ、冬には暖かく暖めた状態で首に巻き付けて使用することができる。
【0048】
すなわち、前記二重ネックバンド100は、内部に蓄熱材(
図6の図面符号Hを参照)が内蔵され、外面に色相を有した内側チューブ120によって、冷たくまたは暖かく使用可能であり、前記蓄熱材Hは、二重ネックバンド100の使用時期と用途に応じて様々に用いることのできるものである。
【0049】
前記蓄熱材Hは、テトラデカン、ヘキサデカン、オクタデカンのうち少なくとも1つを含むように構成し、ユーザに長時間冷感を供給することができるように構成してもよい。
【0050】
そして、前記蓄熱材Hは、ポリマーゲルを採択して、冷感または温気を選択的に提供するように使用することができる。
【0051】
前記内側チューブ120の外側には、外側チューブ140が備えられる。前記外側チューブ140は、二重ネックバンド100の外見を形成し、ユーザの首に巻き付けられたときに実際に接触する部位であって、リング状であり、一部が開口されている。
【0052】
よって、開口された部位を広げてユーザの首に巻き付けることができ、内部に内蔵された内側チューブ120の蓄熱材Hによって冷感または温気が提供される。
【0053】
前記外側チューブ140は、内部が透視されるように構成される。それは、外側チューブ140の内部に内蔵された内側チューブ120が二重ネックバンド100の外部から見えるようにして、審美感を与えるためである。
【0054】
本発明の実施形態において、前記外側チューブ140は完全に透明ではなく、一部透視できるように構成し、
図5のように、前記外側チューブ140の内部から紫色の内側チューブ120が映ることを確認することができる。
【0055】
前記外側チューブ140と内側チューブ120との間には、断熱層(
図6の図面符号160を参照)が備えられる。
【0056】
以下、添付の
図6ないし
図8を参照し、二重ネックバンド100の詳細構成を説明する。
【0057】
図6には、本発明に係る断熱層160を備えた二重ネックバンド100の内部構造を示した概要図が示されており、
図7には、本発明に係る断熱層160を備えた二重ネックバンド100の内部構造を示した
図6のA-A‘部の断面図が示されており、
図8には、本発明に係る断熱層160を備えた二重ネックバンド100の内部構造を示した
図6のB-B’部の断面図が示されている。
【0058】
先ず、
図6のように、前記二重ネックバンド100は、内部に蓄熱材Hが満たされた状態で密閉された内側チューブ120が備えられ、前記内側チューブ120は、リング状を有しつつ下部が開放されている。そして、前記内側チューブ120は、人体に無害なTPU(Thermoplastic Polyurethane)素材で製造し、馬蹄状のシート2枚を重ね、端部のみを超音波融着した。
【0059】
そして、超音波融着されて突出した突出部(
図7の図面符号Nを参照)は、外側部の内周面に損傷を引き起こす可能性があるので、前記内側チューブ120は、内外を裏返し、突出部Nが内部に位置した状態で蓄熱材Hを注入し、その後、注入孔が密封される。
【0060】
前記外側チューブ140は、内側チューブ120と類似した形状を有し、内側チューブ120よりも大きく構成されることで、内部に内側チューブ120及び断熱材Iが同時に満たされるように構成される。
【0061】
前記外側チューブ140の内部に満たされる断熱材Iは、本発明の実施形態において空気が適用され、湿度を下げて乾燥した空気がより好ましい。
【0062】
前記外側チューブ140もまた内側チューブ120のように馬蹄状のシート2枚を重ね、端部のみを超音波融着して製造され、超音波融着によって突出された融着部Wは、ユーザの肌に擦れなどを加える可能性があるので、
図7のように、融着部が内側に位置するように裏返した状態で断熱材Iを満たすことが好ましい。
【0063】
前記外側チューブ140の外側には遮蔽部180が備えられる。前記遮蔽部180は、外側チューブ140の内部に断熱材Iを充填した後、断熱材Iが外部に漏れないように断絶する機能を果たすものであって、前記遮蔽部180は、超音波融着式で適用される。
【0064】
そして、前記遮蔽部180が位置した部位は、外側チューブ140の内部に断熱材Iを満たした後、最後に融着されるところであって、外側チューブ140から見るとき、外側に突出された仕上げ部(
図8の図面符号F)が形成される。
【0065】
よって、前記遮蔽部180は、製造業者の商号やロゴ、簡略な機能などを記載したTAGを併せて融着することで、仕上げ部Fが外部に露出されないように構成することができる。
【0066】
以下、添付の
図9ないし
図12を参照し、前記二重ネックバンド100の製造方法を説明する。
【0067】
図9は、本発明に係る断熱層160を備えた二重ネックバンド100の製造方法を示した工程順序図であり、
図10は、本発明に係る断熱層160を備えた二重ネックバンド100の製造方法における一ステップである、チューブ準備ステップS100で準備された内側チューブ120と外側チューブ140の様子を示した実物写真であり、
図11は、本発明に係る断熱層160を備えた二重ネックバンド100の製造方法における一ステップである、外側チューブ裏返しステップS200によって内外が裏返された外側チューブ140を示した実物写真であり、
図12は、本発明に係る断熱層160を備えた二重ネックバンド100の製造方法における一ステップである、内側チューブ挿入ステップS300によって内側チューブ120が挿入された様子を示した実物写真である。
【0068】
先ず、
図9のように前記二重ネックバンド100は、蓄熱材Hが内蔵された内側チューブ120と、開口部(
図10の図面符号O)が形成された外側チューブ140とを準備するチューブ準備ステップS100と、前記外側チューブ140の内部を外部に露出させて裏返す外側チューブ裏返しステップS200と、裏返された外側チューブ140の内部に内側チューブ120を挿入する内側チューブ挿入ステップS300と、前記外側チューブ140と内側チューブ120との間に断熱材Iを注入する断熱材注入ステップS400と、前記外側チューブ140の内部に注入された断熱材Iが漏れないように封入し、断熱層160を形成する外側チューブ封入ステップS500と、を順次行って製造される。
【0069】
前記チューブ準備ステップS100は、
図10のように、内側チューブ120と外側チューブ140とをそれぞれ準備する工程であって、前記内側チューブ120は、蓄熱材Hが満たされた状態で内部が密封されている。
【0070】
そして、前記外側チューブ140は、馬蹄状のシート2枚を重ねた後、内側円弧全体と下端部、そして外側円弧の下部の一部のみを超音波融着して接合する。
【0071】
よって、前記チューブ準備ステップS100で準備された外側チューブ140は、
図10から見るとき、上部外側部が開口され、内部を開放できるように準備される。
【0072】
前記チューブ準備ステップS100で内側チューブ120と外側チューブ140とが準備されれば、外側チューブ裏返しステップS200が実施される。前記外側チューブ裏返しステップS200は、2重で形成された外側チューブ140の内部が外部に露出されるように内外を裏返す工程であって、外側チューブ裏返しステップS200が実施された外側チューブ140は、
図11のような形態になり、
図10と類似した形態を有する。
【0073】
但し、前記チューブ準備ステップS100において準備された外側チューブ140は、超音波融着作業によって外側方向に突出した融着部が残っているが、外側チューブ裏返しステップS200を実施すると、融着部は、外側チューブ140の内側に位置するようになり、ユーザの首に巻き付けて使用する際に感情的な不満が起こるのを防ぐことができる。
【0074】
前記外側チューブ裏返しステップS200の後には、内側チューブ挿入ステップS300が実施される。すなわち、
図12のように、前記外側チューブ140の開口部Oによって内部に内側チューブ120を挿入する。
【0075】
そのとき、前記外側チューブ140で超音波融着された下の部分は、内側チューブ120の両端部をそれぞれ収容して離脱を防止するようになり、外側チューブ140の内側円弧部分もまた超音波融着された状態である。
【0076】
その後、前記開口部Oの一部をもう少し融着し、断熱材Iが注入される部分のみを残しておいた状態で、断熱材注入ステップS400が実施される。前記断熱材注入ステップS400において、前記外側チューブ140の内部には空気が満たされ、そのような空気は、湿度の低い状態で注入されることで結氷などが防止される。
【0077】
前記断熱材注入ステップS400の後には、外側チューブ封入ステップS500が実施される。実際の工程においては、断熱材注入ステップS400が完了すると同時に、前記外側チューブ封入ステップS500を実施するようになり、前記外側チューブ封入ステップS500が完了すれば、
図5のように内側チューブ120が内蔵された外側チューブ140が形成されてもよく、前記外側チューブ140の内部には断熱材Iによって断熱層160が形成される。
【0078】
一方、前記二重ネックバンド100は、
図13のように、内側チューブ120と外側チューブ140の結合構造を変更して実施してもよい。
【0079】
図13は、本発明に係る断熱層160を備えた二重ネックバンド100において、外側チューブ140と内側チューブ120の別の実施形態の結合構造を示した断面図であって、前述の実施形態において、前記内側チューブ120は、外側チューブ140の内部に結合されていない状態で挿入されているが、他の実施形態において、内側チューブ120は、外側チューブ140と一部が結合された状態で構成される。
【0080】
すなわち、前記内側チューブ120の外側に延長部128を一体に備え、延長部128が仕上げ部F及び遮蔽部180と併せて超音波融着されるように構成してもよい。
【0081】
よって、前記内側チューブ120は、外側チューブ140の内部で隔離距離が変更されずに一定の距離を維持するようになり、断熱層160の機能を効率的に発揮することができる。
【0082】
そのような本発明の範囲は、前述した実施形態に限定されず、前記のような技術範囲内で、当業界における当業者であれば、本発明に基づく他の多くの変形が可能であるだろう。
【0083】
例えば、本発明の実施形態において、外側チューブ140は、透明な素材を適用して内側チューブ120が透視されるように構成したが、
図14及び
図15のように、変更して実施することもできる。
【0084】
図14は、本発明に係る断熱層160を備えた二重ネックバンド100の他の実施形態の外見を示した実物写真であり、
図15は、本発明に係る断熱層160を備えた二重ネックバンド100の他の実施形態の内部構造を示した
図14のC-C‘部の縦断面図であって、
図14のように外側バンドが必ず透明である必要はなく、
図15のように外側チューブ140は複数の層が接合された形態に変更することもできる。
【0085】
より具体的に、前記外側チューブ140は、内部に断熱材Iを収容しており、外部に漏れないように低い気孔率を有するように構成されることが好ましい。
【0086】
そのため、前記外側チューブ140は、
図15のように、第1の層142と第2の層144とが接着された形態を有し、外側に位置した第2の層が第1の層よりも低い気孔率を有するように構成することで、断熱材Iの漏れを最低限に抑えることができる。
【0087】
本発明の実施形態において、前記第1の層は、TPU(Thermoplastic Polyurethane)が採択され、第2の層は、PE(Polyethylene)が適用され、空気の漏れを最低限に抑えるために、前記第2の層が第1の層よりも厚く形成されることが好ましい。
【0088】
そして、前記第1の層と第2の層との間には、それらの付着状態を維持させるための接着部材を介在させてもよい。
【符号の説明】
【0089】
100 断熱層を備えた二重ネックバンド
120 内側チューブ
128 延長部
140 外側チューブ
160 断熱層
180 遮蔽部
F 仕上げ部
H 蓄熱材
I 断熱材
N 突出部
O 開口部
S100 チューブ準備ステップ
S200 外側チューブ裏返しステップ
S300 内側チューブ挿入ステップ
S400 断熱材注入ステップ
S500 外側チューブ封入ステップ
W 融着部