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特開2024-6241金属板修正支援システム、金属板修正支援方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006241
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】金属板修正支援システム、金属板修正支援方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   B21B 38/00 20060101AFI20240110BHJP
   G01N 21/892 20060101ALI20240110BHJP
   B21C 51/00 20060101ALI20240110BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
B21B38/00 F
G01N21/892 B
B21C51/00 P
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106949
(22)【出願日】2022-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】若林 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】分部 咲江
【テーマコード(参考)】
2G051
3C100
【Fターム(参考)】
2G051AA37
2G051AB02
2G051AC04
2G051CA04
2G051DA06
2G051EA14
2G051EA21
2G051EC01
3C100AA29
3C100AA38
3C100AA57
3C100AA70
3C100BB13
3C100BB15
3C100BB27
3C100BB33
3C100BB34
3C100EE10
(57)【要約】
【課題】 欠陥に対する修正結果を出力する。
【解決手段】 本発明における金属板修正支援システムは、製造工程において発生した金属板の欠陥の位置を示す情報と、欠陥の種類とを少なくとも含む欠陥情報を取得する欠陥情報取得手段と、修正対象の金属板のコイルを巻き戻す装置の稼働情報を取得する稼働情報取得手段と、稼働情報と欠陥情報とに基づいて、修正工程において巻き戻されている修正対象の金属板における欠陥の位置を判定する欠陥位置判定手段と、修正対象の金属板における欠陥の位置に関連付けて、欠陥に対する修正指示を出力する指示出力手段と、修正指示に対する修正結果を取得する結果取得手段と、欠陥情報と修正指示とに関連付けて、修正結果を出力する結果出力手段とを含む。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造工程において発生した金属板の欠陥の位置を示す情報と、前記欠陥の種類とを少なくとも含む欠陥情報を取得する欠陥情報取得手段と、
修正対象の前記金属板のコイルを巻き戻す装置の稼働情報を取得する稼働情報取得手段と、
前記稼働情報と前記欠陥情報とに基づいて、修正工程において巻き戻されている修正対象の前記金属板における前記欠陥の位置を判定する欠陥位置判定手段と、
修正対象の前記金属板における前記欠陥の位置に関連付けて、前記欠陥に対する修正指示を出力する指示出力手段と、
前記修正指示に対する修正結果を取得する結果取得手段と、
前記欠陥情報と前記修正指示とに関連付けて、前記修正結果を出力する結果出力手段と
を含む金属板修正支援システム。
【請求項2】
巻き戻されている前記金属板の表面の画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段が取得した画像における前記欠陥の位置と前記欠陥の種類とを判定する欠陥判定手段とをさらに含み、
前記欠陥位置判定手段は、前記欠陥判定手段が判定した前記欠陥の位置と前記欠陥の種類とに基づいて、前記欠陥の位置を判定する
請求項1に記載の金属板修正支援システム。
【請求項3】
前記結果取得手段は、前記修正結果として、音声及び画像の少なくとも一方を取得する
請求項1又は2に記載の金属板修正支援システム。
【請求項4】
前記指示出力手段は、前記修正指示を表示するタイミングに関連付けて、前記修正指示を出力する
請求項1又は2に記載の金属板修正支援システム。
【請求項5】
製造工程において発生した金属板の欠陥の位置を示す情報と、前記欠陥の種類とを少なくとも含む欠陥情報を取得し、
修正対象の前記金属板のコイルを巻き戻す装置の稼働情報を取得し、
前記稼働情報と、前記欠陥情報とに基づいて、修正工程において巻き戻されている修正対象の前記金属板における前記欠陥の位置を判定し、
修正対象の前記金属板における前記欠陥の位置に関連付けて、前記欠陥に対する修正指示を出力し、
前記修正指示に対する修正結果を取得し、
前記欠陥情報と前記修正指示とに関連付けて、前記修正結果を出力する
金属板修正支援方法。
【請求項6】
製造工程において発生した金属板の欠陥を示す情報と、前記欠陥の種類とを少なくとも含む欠陥情報を取得する処理と、
修正対象の前記金属板のコイルを巻き戻す装置の稼働情報を取得する処理と、
前記稼働情報と前記欠陥情報とに基づいて、修正工程において巻き戻されている修正対象の前記金属板における前記欠陥の位置を判定する処理と、
修正対象の前記金属板における前記欠陥の位置に関連付けて、前記欠陥に対する修正指示を出力する処理と、
前記修正指示に対する修正結果を取得する処理と、
前記欠陥情報と前記修正指示とに関連付けて、前記修正結果を出力する処理と
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属板の製造に関し、特に、金属板の修正に関連する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、作業対象物を撮影した画像に基づいて作業指示画像を投影する位置を決定し、決定した位置に作業指示画像を投影する作業支援システムが開示されている。特許文献2には、連続的に搬送される鋼板の表面上の欠陥を検出し、鋼板の搬送方向の下流側において、検出された鋼板の表面上の位置に欠陥に関する情報を重畳表示する鋼板の連続検査装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2020/240918号
【特許文献2】特開2019-148497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
鋼板などの金属板の製造業者は、製造された金属板の欠陥の管理のため、製造工程において発生した欠陥とその修正結果とを関連付けて管理すること望ましい。そのため、製造された金属板の欠陥を管理するための情報として、欠陥とその修正結果とを関連付けて出力するシステムが望まれている。しかし、特許文献1及び2は、修正結果の出力については開示していない。
【0005】
本発明の目的は、金属板の欠陥の管理を容易にする金属板修正支援システムなどを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態における金属板修正支援システムは、製造工程において発生した金属板の欠陥の位置を示す情報と、欠陥の種類とを少なくとも含む欠陥情報を取得する欠陥情報取得手段と、修正対象の金属板のコイルを巻き戻す装置の稼働情報を取得する稼働情報取得手段と、稼働情報と欠陥情報とに基づいて、修正工程において巻き戻されている修正対象の金属板における欠陥の位置を判定する欠陥位置判定手段と、修正対象の金属板における欠陥の位置に関連付けて、欠陥に対する修正指示を出力する指示出力手段と、修正指示に対する修正結果を取得する結果取得手段と、欠陥情報と修正指示とに関連付けて、修正結果を出力する結果出力手段とを含む。
【0007】
本発明の一形態における金属板修正支援方法は、製造工程において発生した金属板の欠陥の位置を示す情報と、欠陥の種類とを少なくとも含む欠陥情報を取得し、修正対象の金属板のコイルを巻き戻す装置の稼働情報を取得し、稼働情報と、欠陥情報とに基づいて、修正工程において巻き戻されている修正対象の金属板における欠陥の位置を判定し、修正対象の金属板における欠陥の位置に関連付けて、欠陥に対する修正指示を出力し、修正指示に対する修正結果を取得し、欠陥情報と修正指示とに関連付けて、修正結果を出力する。
【0008】
本発明の一形態におけるプログラムは、製造工程において発生した金属板の欠陥を示す情報と、欠陥の種類とを少なくとも含む欠陥情報を取得する処理と、修正対象の金属板のコイルを巻き戻す装置の稼働情報を取得する処理と、稼働情報と欠陥情報とに基づいて、修正工程において巻き戻されている修正対象の金属板における欠陥の位置を判定する処理と、修正対象の金属板における欠陥の位置に関連付けて、欠陥に対する修正指示を出力する処理と、修正指示に対する修正結果を取得する処理と、欠陥情報と修正指示とに関連付けて、修正結果を出力する処理とをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に基づけば、金属板の欠陥の管理が容易となるとの効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態にかかる金属板修正支援システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2】金属板修正支援システムを利用する修正システムの一例を、側面図を用いて示す概略図である。
図3】金属板修正支援システムを利用する修正システムの一例を、斜視図を用いて示す概略図である。
図4】金属板修正支援システムの動作の一例を示すフロー図である。
図5】金属板修正支援システムを構成するコンピュータ装置の構成の一例を示すブロック図である。
図6】欠陥を判定する構成を備えた金属板修正支援システムの構成の一例を示すブロック図である。
図7】欠陥情報を提供する金属板欠陥判定システムの構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<金属板の欠陥の修正について>
圧延の対象となる薄鋼板は、数百キログラムから数トンもある。また、薄鋼板の送り出し速度は、板厚に影響を与える。そのため、圧延工程を途中で止めることは難しい。そこで、圧延工程で発生した欠陥の修正は、圧延工程において欠陥を検出しておき、圧延工程の後において薄鋼板のコイルを巻き戻し(リコイルし)ながら行われる場合が多い。しかし、薄鋼板のコイルは、一般的に、長さが数百メートルから数キロメートルとなる。そのため、作業員が巻き戻されている金属板を目視で確認する場合、作業員は、コイルの巻き戻しにおいて集中を続けるのが難しく、また、欠陥の情報に基づいて巻き戻している薄鋼板における欠陥の位置を把握することも難しかった。そのため、修正のために巻き戻されている薄鋼板における欠陥の位置の提供が望まれている。
【0012】
また、欠陥には、汚れ、擦り傷、打痕、又は、へこみなど、複数の種類がある。そのため、作業員は、欠陥の種類それぞれに対応した修正を実施する必要がある。さらに、薄鋼板の製品としてのグレードに対応して、修正対象となる欠陥の大きさ、及び、欠陥に対する修正方法が異なる場合もある。そのため、作業員は、例えば、マニュアルなどを参照して、欠陥の種類に対応した修正を実施している。ただし、欠陥の修正作業は、薄鋼板の表面に対する、工具を用いた作業となる。そのため、マニュアルを参照しながらの修正作業は、容易ではない場合が多い。そのため、作業員に対して、修正作業が容易となるような修正指示の提供が望まれている。
【0013】
さらに、下記に記載の通り、欠陥、修正方法、及び、修正結果は、複数となる場合が多い。例えば、修正方法が複数ある場合、修正結果は、修正方法ごとに異なる場合がある。さらに、欠陥には、位置又は大きさの関係で、必ずしも完全に修正できない欠陥がある。つまり、同じ欠陥に対する修正においても、修正結果は、一つに限らず、複数となる場合がある。そのため、欠陥それぞれに関連付けられた修正結果の出力が望まれている。
【0014】
そこで、以下で説明するように、本発明における実施形態は、欠陥に対応した修正方法の出力と、欠陥に対応した修正結果の出力とを実現する。以下、各実施形態について図面を参照して説明する。ただし、実施形態は、各図面の記載に限られるわけではない。また、各図面における同様の構成には、同じ符号を付し、その繰り返しの説明を、省略する場合がある。
【0015】
各実施形態において、修正対象となる金属板の欠陥は、例えば、鋼板の圧延工程において発生した表面上の欠陥である。ただし、金属板は、鋼板に限られず、銅板、又は、アルミ板などの鋼板以外の金属板でもよい。また、修正対象となる欠陥は、例えば、圧延工程などの製造工程において発生した金属板の表面の汚れ、擦り傷、打痕、割れ、又は、へこみであるが、これらには限られない。欠陥に対する修正方法は、例えば、洗浄、研磨、切削、又は、ハンマーなどの打撃工具を用いた変形である。なお、以下、例えば、修正方法の表示など、作業者に対する修正方法の提供を、単に、「修正指示」と呼ぶ。また、修正指示に対する修正結果は、修正指示に対応した作業の実施の結果である。修正結果は、例えば、修正後の欠陥の状態である。なお、欠陥の状態は、例えば、残欠陥無、残欠陥有、又は、修正不能である。残欠陥有は、残欠陥の大きさと種類とを含んでもよい。あるいは、修正結果は、研磨、切削、又は、変形などの修正作業の範囲及び修正量を含んでもよい。ただし、修正指示及び修正結果は、欠陥に対応して適宜決定されればよく、上記に限定されない。なお、以下の説明では、修正の対象となる欠陥が発生した金属板及び製造工程の一例として、薄鋼板及び圧延工程を用いる。つまり、以下の説明における「薄鋼板」及び「圧延工程」は、それぞれ「金属板」及び「製造工程」の一例である。
【0016】
<第1実施形態>
以下、図面を参照して、本発明における第1実施形態について説明する。まず、図面を参照して、第1実施形態にかかる金属板修正支援システム10の構成について説明する。図1は、第1実施形態にかかる金属板修正支援システム10の構成の一例を示すブロック図である。金属板修正支援システム10は、欠陥情報取得部110と、稼働情報取得部120と、欠陥位置判定部130と、指示出力部140と、結果取得部150と、結果出力部160とを含む。
【0017】
欠陥情報取得部110は、製造工程において発生した金属板の欠陥の位置を示す情報と、欠陥の種類とを少なくとも含む「欠陥情報」を取得する。欠陥の位置を示す情報は、金属板の圧延工程の開始端部など、金属板におけるいずれかの位置から欠陥までの長さを示す情報でもよいが、これに限られない。例えば、一般的に、金属板は、圧延工程において、一定の速度で送り出される。そのため、欠陥の位置は、金属板の送り出し開始時刻と、金属板の送り出し速度と、欠陥の発生時刻とから算出可能である。そこで、欠陥の位置を示す情報は、例えば、金属板の送り出し開始時刻と、金属板の送り出し速度と、欠陥の発生時刻と含む情報でもよい。なお、金属板の送り出し開始時刻及び金属板の送り出し速度は、欠陥が発生した圧延工程を行った圧延装置の稼働情報の一部である。そのため、欠陥の位置を示す情報は、圧延装置の稼働情報を含んでもよい。圧延装置の稼働情報は、さらに、圧延装置の送り出し終了時刻など他の情報を含んでもよい。また、欠陥の判定に画像を用いる場合、欠陥の発生時刻は、判定の用いられる画像の撮影時間(タイムスタンプ)と概ね同じ時刻である。そこで、位置を示す情報は、欠陥の判定に用いられた画像又は画像のタイムスタンプを含んでもよい。なお、例えば、欠陥情報取得部110は、薄鋼板の製造を管理する管理装置から、圧延工程において発生した欠陥情報を取得してもよい。
【0018】
稼働情報取得部120は、修正対象の金属板のコイルを巻き戻す装置の稼働情報を取得する。以下、金属板のコイルを巻き戻す装置を「巻き戻し装置」と呼ぶ。例えば、巻き戻し装置の稼働情報は、以下に限られないが、例えば、巻き戻し装置における、巻き戻し開始時刻と、巻き戻し開始後の各時刻における薄鋼板の送り出し速度とを少なくとも含む情報である。
【0019】
欠陥位置判定部130は、巻き戻し装置の稼働情報と欠陥情報とに基づいて、修正工程において巻き戻されている修正対象の金属板における欠陥の位置を判定する。次に、欠陥位置判定部130における欠陥の位置の判定の一例を説明する。ただし、以下の説明は、欠陥位置判定部130の判定の動作の限定を意図するものではない。
【0020】
欠陥位置判定部130は、欠陥情報における位置を示す情報を基づいて、修正工程において巻き戻されている薄鋼板の欠陥の位置を判定する。ただし、修正工程において巻き戻される薄鋼板のコイルの開始端部は、圧延工程において巻かれた薄鋼板のコイルの終了端部である。つまり、圧延工程と修正工程では、開始端部と終了端部とが入れ替わる。そして、欠陥情報における位置は、圧延工程における位置である。そこで、欠陥位置判定部130は、欠陥情報の含まれる圧延工程における位置を示す情報を、修正工程において巻き戻される薄鋼板の位置に変換する。
【0021】
修正工程において巻き戻される薄鋼板の位置の変換の一例として、欠陥情報における位置を示す情報が、圧延装置の稼働情報と、欠陥の検出時刻とを含む場合について説明する。この場合、圧延装置の稼働情報は、例えば、圧延装置における薄鋼板の送り出し開始時刻、送り出し終了時刻、及び、薄鋼板の送り出し速度を含む情報である。なお、圧延装置は、一般的な圧延工程と同様に、一定の速度で薄鋼板を繰り出したとする。この場合、欠陥位置判定部130は、送り出し開始時刻と、欠陥の検出時刻と、送り出し速度とに基づいて、圧延工程の開始端部から各欠陥までの長さを求める。さらに、欠陥位置判定部130は、圧延装置の送り出し開始時刻と、終了時刻と、送り出し速度とに基づいて、薄鋼板の全体の長さを求める。そして、欠陥位置判定部130は、圧延工程の開始端部から各欠陥までの長さと、薄鋼板の全体の長さとを用いて、圧延工程の終了端部、つまり、修正工程の開始端部から欠陥までの長さを求める。このように、欠陥位置判定部130は、欠陥情報における位置を示す情報に基づいて、巻き戻しにおける欠陥の位置を求める。
【0022】
さらに、欠陥位置判定部130は、巻き戻された薄鋼板の長さを求める。ただし、巻き戻しは、修正を加えながらの工程となる。そのため、巻き戻し装置は、必ずしも一定の速度で薄鋼板を送り出すわけではない。例えば、巻き戻し装置は、欠陥の位置の近傍まで薄鋼板を早送りし、欠陥の近傍で送り速度を下げ、欠陥のところで停止するように動作する。なお、巻き戻し装置は、欠陥位置判定部130が判定した、巻き戻されている薄鋼板における欠陥の位置を用いて動作してもよい。このように、巻き戻し装置が薄鋼板を送り出す速度は、一定ではない。
【0023】
そこで、欠陥位置判定部130は、巻き戻し装置の稼働情報に基づいて、巻き戻された薄鋼板の長さを求める。巻き戻された薄鋼板の長さの求め方の一例として、各時刻における巻き戻し装置の薄鋼板の送り出し速度を用いる場合について説明する。この場合、例えば、欠陥位置判定部130は、巻き戻し開始時刻からの各時刻における薄鋼板の送り出し速度を時間的に積分して、巻き戻された薄鋼板の長さを求めてもよい。
【0024】
そして、欠陥位置判定部130は、巻き戻された薄鋼板の長さと、巻き戻しにおける欠陥の位置とに基づいて、巻き戻されている薄鋼板における欠陥の位置を判定する。
【0025】
指示出力部140は、修正対象の金属板における欠陥の位置に関連付けて、欠陥に対する修正指示を出力する。例えば、指示出力部140は、予め修正工程の作業位置を保存しておく。そして、指示出力部140は、巻き戻された薄鋼板の長さと、巻き戻されている薄鋼板における欠陥の位置とから、修正工程の作業位置にある欠陥を判定する。そして、指示出力部140は、予め保存した欠陥の種類に対応した修正指示の中から、修正工程の作業位置にある欠陥の種類に対応した修正指示を抽出する。指示出力部140は、薄鋼板のグレードに対応した修正指示を保存してもよい。この場合、指示出力部140は、製造を管理する管理装置などから修正対象の薄鋼板のグレードを取得し、グレードに対応した修正指示を抽出してもよい。あるいは、指示出力部140は、管理装置から修正指示を取得してもよい。この場合、例えば、欠陥情報取得部110は、管理装置から修正指示を含む欠陥情報を取得してもよい。そして、指示出力部140は、例えば、修正工程の作業位置に修正指示を表示するプロジェクターに、欠陥の位置に関連付けて、修正指示を出力する。この場合、プロジェクターは、欠陥の位置に対応させて、修正指示を表示すればよい。なお、修正作業は、金属板の表面での作業となる。そのため、プロジェクターは、例えば、欠陥の周辺など、金属板の表面に、修正指示を表示してもよい。
【0026】
指示出力部140は、プロジェクターの投影範囲に金属板の欠陥発生位置が来るタイミングで、修正指示を表示させてもよい。例えば、指示出力部140は、修正指示を表示するタイミングに関連付けて修正指示を出力してもよい。より詳細には、指示出力部140は、次に説明するように動作してもよい。例えば、指示出力部140は、稼働情報取得部120から取得した巻き戻し装置の稼働情報に基づいて、プロジェクターの表示範囲に欠陥が入るタイミングを求める。そして、指示出力部140は、プロジェクターに、求めたタイミングと、修正指示とを関連付けて出力してもよい。この場合、プロジェクターは、取得したタイミングにおいて、修正指示を表示すればよい。あるいは、指示出力部140は、求めたタイミングにおいて、プロジェクターに修正指示を出力してもよい。この場合、プロジェクターは、取得した修正指示を即時に表示すればよい。なお、薄鋼板の表面は、欠陥のために凹凸が発生している場合がある。そこで、指示出力部140は、修正対象となる薄鋼板の表面上の凹凸に対応して修正指示を適切に表示させるため、プロジェクションマッピングを用いて修正指示を表示するプロジェクターに、修正指示を出力してもよい。あるいは、指示出力部140は、作業員が装着しているヘッドマウントディスプレイに、修正指示を出力してもよい。そして、上記のいずれの場合も、作業員は、出力された修正指示を参照して、欠陥を修正すればよい。
【0027】
結果取得部150は、修正指示に対する修正結果を取得する。ただし、作業員は、欠陥の修正において工具を用いて作業している場合が多い。そのため、作業員は、工具以外の装置を操作することが容易ではない場合がある。そこで、結果取得部150は、作業員の操作を必要としない手段から修正結果を取得してもよい。例えば、結果取得部150は、修正結果として、作業員のヘルメットに取り付けられたマイクから、音声を取得してもよい。結果取得部150は、修正結果として、音声に加え、画像を取得してもよい。例えば、結果取得部150は、修正結果として、作業員のヘルメットに取り付けられたカメラから、修正結果を説明する音声と修正箇所の画像とを取得してもよい。なお、修正箇所の画像は、修正前の画像と修正後の画像とを含んでもよい。このように、結果取得部150は、修正結果として、音声及び画像の少なくとも一方を取得してもよい。なお、結果取得部150は、作業員がタブレットなどの装置を用いて入力した修正結果を取得してもよい。
【0028】
結果出力部160は、欠陥情報と修正指示とに関連付けて、修正結果を出力する。例えば、結果出力部160は、欠陥情報それぞれに対して、欠陥情報とその欠陥情報に対応する修正指示と修正結果とを含む情報を生成し、生成した情報を所定の装置に出力する。例えば、結果出力部160は、薄鋼板の製造の管理装置に、欠陥情報と修正指示と修正結果と含む情報を出力してもよい。あるいは、結果出力部160は、管理装置に接続された記憶装置に、欠陥情報と修正指示と修正結果とを含む情報を保存してもよい。
【0029】
図2は、金属板修正支援システム10を利用する修正システムの一例を、側面図を用いて示す概略図である。図3は、金属板修正支援システム10を利用する修正システムの一例を、斜視図を用いて示す概略図である。図2及び3において、金属板修正支援システム10は、ネットワークを介して、薄鋼板の製造工程の管理装置と、プロジェクターと、作業員のヘルメットに取り付けられたマイクと、巻き戻しリールと巻き取りリールとを備えた巻き戻し装置とに接続されている。金属板修正支援システム10は、管理装置から欠陥情報を取得する。さらに、金属板修正支援システム10は、巻き戻し装置から、稼働情報を取得する。なお、金属板修正支援システム10は、管理装置から、巻き戻し装置の稼働情報を取得してもよい。そして、金属板修正支援システム10は、巻き戻し装置の稼働情報と、欠陥情報とに基づいて、巻き戻されている薄鋼板における欠陥の位置を判定する。そして、金属板修正支援システム10は、薄鋼板の欠陥の位置に修正指示を表示するように、プロジェクターに対して、薄鋼板における欠陥の位置に関連付けて修正指示を出力する。なお、金属板修正支援システム10は、管理装置を介して、プロジェクターに修正指示を出力してもよい。そして、金属板修正支援システム10は、修正結果として、マイクから作業員の音声を取得する。なお、金属板修正支援システム10は、管理装置を介して、作業員の音声を取得してもよい。そして、金属板修正支援システム10は、欠陥情報と修正指示とに関連付けて、修正結果を管理装置に出力する。
【0030】
図4は、金属板修正支援システム10の動作の一例を示すフロー図である。欠陥情報取得部110は、製造工程における金属板の欠陥の位置を示す情報と、欠陥の種類とを少なくとも含む欠陥情報を取得する(ステップS301)。稼働情報取得部120は、巻き戻し装置の稼働情報を取得する(ステップS302)。欠陥位置判定部130は、稼働情報と、欠陥情報とに基づいて、巻き戻されている金属板における欠陥の位置を判定する(ステップS303)。指示出力部140は、金属板における欠陥の位置に関連付けて、欠陥に対する修正指示を出力する(ステップS304)。結果取得部150は、修正指示に対する修正結果を取得する(ステップS305)。結果出力部160は、欠陥情報と修正指示とに関連付けて、修正結果を出力する(ステップS306)。
【0031】
上記の通り、第1実施形態にかかる金属板修正支援システム10は、欠陥情報と、修正指示とに関連付けて、修正結果を出力する。そして、欠陥情報は、製造工程における金属板の欠陥の位置を示す情報と欠陥の種類とを少なくとも含む。その結果、例えば、金属板の製造業者は、欠陥と修正指示とに関連付けられた修正結果を用いて、金属板の欠陥の管理を容易に実行できる。例えば、製造業者は、欠陥と修正指示と修正結果とを用いて、金属板の歩留まり率を算出したり、欠陥の種類又は修正指示それぞれに対する修正率を算出したりできる。そして、これらの値を用いて、製造業者は、例えば、修正工程の改善などを実施できる。このように、金属板修正支援システム10は、金属板の欠陥の管理が容易となる情報を提供し、製造工程、特に修正工程における利便性を向上させることができる。
【0032】
さらに、金属板修正支援システム10は、金属板の欠陥に位置に関連付けて、欠陥に対する修正指示を出力する。つまり、金属板修正支援システム10は、作業員などに対し、金属板の修正工程において、修正指示となる欠陥の位置及び修正方法を提供することができる。その結果、作業員などは、欠陥の位置を把握が容易となり、また、マニュアルなどを参照しなくても、欠陥の修正できる。このように、金属板修正支援システム10は、修正における作業性を向上させることができる。
【0033】
さらに、金属板修正支援システム10は、修正結果として、作業員の音声又は修正結果の画像など、音声及び画像の少なくとも一方を取得してもよい。この場合、作業員は、修正の作業を実行しながらでも、修正結果を登録できる。このように、金属板修正支援システム10は、修正における作業性を向上させることができる。
【0034】
[バリエーション]
ここまで説明した金属板修正支援システム10は、圧延工程において判定された欠陥に対して動作する。しかし、金属板修正支援システム10は、修正のための巻き戻されている金属板において判定された欠陥に対して動作してもよい。この場合、金属板修正支援システム10は、巻き戻されている金属板における欠陥を判定する構成を備えてもよい。図6は、欠陥を判定する構成を備えた金属板修正支援システム11の構成の一例を示すブロック図である。
【0035】
金属板修正支援システム11は、金属板修正支援システム10の構成に加え、画像取得部170と、欠陥判定部180とを含む。画像取得部170は、巻き戻されている金属板の表面の画像を取得する。例えば、画像取得部210は、巻き戻し装置に設置されたカメラ又はライン・センサ・カメラが撮影した、薄鋼板の表面の画像を取得する。欠陥判定部180は、画像取得部170が取得した画像に含まれる金属板における欠陥の位置と種類とを判定する。例えば、欠陥判定部180は、判定手段として、機械学習を用いて生成された判定モデルを用いてもよい。判定モデルは、例えば、圧延工程において発生した欠陥を含む画像と、欠陥を含まない画像とを含む教師データを用いた機械学習を用いて生成されてもよい。なお、判定モデルは、例えば、同じ圧延装置を利用する複数の企業から集めた画像を用いて生成されてもよい。この場合、判定モデルは、その圧延装置を利用する企業に対して、共通サービスとして提供されるモデルでもよい。
【0036】
欠陥情報取得部110及び欠陥位置判定部130は、すでに説明した機能に加え、以下で説明する機能を実現する。欠陥情報取得部110は、欠陥情報として、欠陥判定部180が判定した欠陥の位置と欠陥の種類とを取得する。そして、欠陥位置判定部130は、欠陥判定部180が判定した欠陥の位置と欠陥の種類とに基づいて、欠陥の位置を判定する。例えば、欠陥位置判定部130は、金属板のコイルを巻き戻す装置の稼働情報に基づいて求めた巻き戻された部位の薄鋼板の長さと、欠陥判定部180が画像において判定した欠陥の位置とに基づいて、巻き戻しにおける欠陥の位置を求めてもよい。欠陥位置判定部130は、欠陥情報取得部110を介さず、欠陥判定部180から、欠陥判定部180が判定した欠陥の位置と欠陥の種類とを取得してもよい。
【0037】
なお、稼働情報取得部120、指示出力部140、結果取得部150、及び、結果出力部160は、すでに説明した動作と同様に動作すればよい。
【0038】
このように構成された金属板修正支援システム11は、金属板修正支援システム10が実現する機能に加え、巻き戻されている金属板の欠陥を判定できる。その結果、金属板修正支援システム11は、圧延工程などの製造工程において欠陥を判定されていない金属板における欠陥の修正についても支援を実行できる。
【0039】
[ハードウェア構成]
次に、金属板修正支援システム10及び11のハードウェア構成について、金属板修正支援システム10を用いて説明する。金属板修正支援システム10において、各構成部は、ネットワークを介して接続した複数の装置を用いて、構成されてもよい。例えば、金属板修正支援システム10は、クラウドコンピューティングを利用して構成されてもよい。あるいは、金属板修正支援システム10の各構成部は、ハードウェア回路で構成されてもよい。例えば、金属板修正支援システム10は、金属板の製造業者のオンプレミス環境における、中央処理装置(Central Processing Unit(CPU))とメモリとを含むコンピュータ装置を用いて構成されてもよい。なお、メモリは、例えば、読み取り専用メモリ(Read Only Memory(ROM))と、ランダム・アクセス・メモリ(Random Access Memory(RAM))とを含む。メモリは、さらに、ハードディスク装置などの記憶装置を含んでもよい。コンピュータ装置は、上記構成に加え、さらに、ネットワークインターフェース回路(Network Interface Circuit(NIC))など、他のハードウェアを含んでもよい。より詳細には、金属板修正支援システム10は、コンピュータ装置を構成するハードウェアと、コンピュータ装置において動作するソフトウェアとを用いてを構成されてもよい。あるいは、金属板修正支援システム10は、オンプレミス環境とクラウドコンピューティングとを用いて構成されてもよい。
【0040】
図5は、金属板修正支援システム10を構成するコンピュータ装置600の構成の一例を示すブロック図である。コンピュータ装置600は、CPU610と、ROM620と、RAM630と、記憶装置640と、NIC650とを含む。
【0041】
CPU610は、ROM620及び記憶装置640の少なくとも一方から、プログラムを読み込む。そして、CPU610は、読み込んだプログラムに基づいて、RAM630と、記憶装置640と、NIC650とを制御する。そして、コンピュータ装置600は、これらの構成を制御し、図1に示されている、欠陥情報取得部110と、稼働情報取得部120と、欠陥位置判定部130と、指示出力部140と、結果取得部150と、結果出力部160としての各機能を実現する。このように、コンピュータ装置600は、ハードウェアとソフトウェアと用いて、金属板修正支援システム10としての機能を実現する。
【0042】
CPU610は、各機能を実現する際に、RAM630又は記憶装置640を、プログラムとデータとの一時的な記憶媒体として使用してもよい。また、CPU610は、コンピュータで読み取り可能にプログラムを記憶した記録媒体690が含むプログラムを、図示しない記録媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。あるいは、CPU610は、NIC650を介して、図示しない外部の装置からプログラムを受け取り、RAM630又は記憶装置640に保存して、保存したプログラムを基に動作してもよい。
【0043】
ROM620は、CPU610が実行するプログラム及び固定的なデータを記憶する。ROM620は、例えば、プログラマブルROM(Programmable-ROM(P-ROM))又はフラッシュROMである。RAM630は、CPU610が実行するプログラム及びデータを一時的に記憶する。RAM630は、例えば、ダイナミックRAM(Dynamic-RAM(D-RAM))である。記憶装置640は、コンピュータ装置600が長期的に保存するデータ及びプログラムを記憶する。また、記憶装置640は、CPU610の一時記憶装置として動作してもよい。記憶装置640は、例えば、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、ソリッド・ステート・ドライブ(Solid State Drive(SSD))又はディスクアレイ装置である。
【0044】
ROM620と記憶装置640とは、不揮発性(non-transitory)の記録媒体である。一方、RAM630は、揮発性(transitory)の記録媒体である。そして、CPU610は、ROM620、記憶装置640、又は、RAM630に記憶されているプログラムに基づいて動作可能である。つまり、CPU610は、不揮発性記録媒体、及び、揮発性記録媒体のどちらを用いても動作可能である。
【0045】
NIC650は、図示しない外部の装置と、ネットワークを介したデータのやり取りを中継する。NIC650は、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(Local Area Network(LAN))カード又はハブである。さらに、NIC650は、有線に限らず、無線を用いてもよい。
【0046】
このように構成されたコンピュータ装置600は、金属板修正支援システム10における各構成の動作を実行して、金属板修正支援システム10の機能を実現する。
【0047】
[金属板欠陥判定システム]
金属板修正支援システム10及び11の説明の参考として、図面を参照して、欠陥情報の情報源の一例である金属板欠陥判定システム20を説明する。例えば、以下で説明する金属板欠陥判定システム20は、薄鋼板の製造を管理する管理装置に接続されて、欠陥情報を管理装置に出力する。この場合、欠陥情報取得部110は、その管理装置から欠陥情報を取得すればよい。図7は、欠陥情報を提供する金属板欠陥判定システム20の構成の一例を示すブロック図である。金属板欠陥判定システム20は、画像取得部210と、欠陥判定部220と、稼働情報取得部230と、欠陥情報生成部240と、欠陥情報出力部250とを含む。
【0048】
画像取得部210は、圧延された薄鋼板の表面の画像を取得する。例えば、画像取得部210は、圧延装置に設置されたカメラ又はライン・センサ・カメラが撮影した圧延後の薄鋼板の表面の画像を取得する。欠陥判定部220は、画像における欠陥の位置と種類とを判定する。例えば、欠陥判定部220は、欠陥判定部180と同様に、判定モデルを用いて、画像における欠陥の位置と種類とを判定してもよい。さらに、欠陥判定部220は、欠陥の検出時刻を取得する。例えば、欠陥判定部220は、欠陥の検出時刻として、欠陥の判定に用いた画像のタイムスタンプを取得する。稼働情報取得部230は、圧延装置の稼働情報を取得する。圧延装置の稼働情報は、以下に限られないが、例えば、圧延装置の稼働開始時刻及び終了時刻と、圧延装置における薄鋼板の繰り出し速度とを含む。
【0049】
欠陥判定部220が判定した欠陥の位置は、画像における欠陥の位置である。しかし、実際に望まれる欠陥の位置は、圧延後の薄鋼板における位置である。そこで、欠陥情報生成部240は、欠陥判定部220が画像において判定した欠陥の位置と、稼働情報取得部230が取得した圧延装置の稼働情報とに基づいて、圧延後の薄鋼板における欠陥の位置を示す情報を生成する。そして、欠陥情報生成部240は、薄鋼板における欠陥の位置を示す情報と、欠陥の種類とを少なくとも含む欠陥情報を生成する。
【0050】
例えば、一般的に、圧延装置は、ある程度の一定の速度で薄鋼板を圧延する。つまり、圧延装置のおける圧延開始時刻と、圧延装置における薄鋼板の繰り出し速度と、欠陥を検出した時刻とから、薄鋼板の圧延工程の開始端部から欠陥までの長さを求めることができる。そこで、欠陥情報生成部240は、薄鋼板における欠陥の位置を示す情報として、画像における欠陥の位置に加え、欠陥の検出に用いた画像の取得時刻と、圧延装置の圧延開始時刻と、圧延装置における金属板の送り出し速度とを含む情報を生成する。つまり、欠陥情報生成部240は、金属板の欠陥の位置を示す情報として、圧延装置の稼働情報を含む欠陥情報を生成する。なお、薄鋼板における欠陥の位置を示す情報は、圧延装置の圧延終了時刻を含んでもよい。
【0051】
欠陥情報生成部240は、欠陥の検出時刻と、圧延装置の圧延開始時刻と、圧延装置における金属板の送り出し速度とを用いて、薄鋼板における圧延工程の開始端部から欠陥までの長さを算出してもよい。そして、欠陥情報生成部240は、欠陥の位置を示す情報として、薄鋼板における圧延工程の開始端部から欠陥までの長さを含む欠陥情報を生成してもよい。
【0052】
欠陥情報出力部250は、欠陥情報を出力する。例えば、欠陥情報出力部250は、圧延工程を含む薄鋼板の製造を管理する管理装置に欠陥情報を出力する。
【0053】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0054】
10 金属板修正支援システム
11 金属板修正支援システム
20 金属板欠陥判定システム
110 欠陥情報取得部
120 稼働情報取得部
130 欠陥位置判定部
140 指示出力部
150 結果取得部
160 結果出力部
170 画像取得部
180 欠陥判定部
210 画像取得部
220 欠陥判定部
230 稼働情報取得部
240 欠陥情報生成部
250 欠陥情報出力部
600 コンピュータ装置
610 CPU
620 ROM
630 RAM
640 記憶装置
650 NIC
690 記録媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7