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特開2024-62418イベントにおける来場者の行動を分析する方法、プログラム及び情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062418
(43)【公開日】2024-05-09
(54)【発明の名称】イベントにおける来場者の行動を分析する方法、プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0201 20230101AFI20240430BHJP
【FI】
G06Q30/0201
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023183520
(22)【出願日】2023-10-25
(62)【分割の表示】P 2022170160の分割
【原出願日】2022-10-24
(71)【出願人】
【識別番号】517116038
【氏名又は名称】株式会社テクサー
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】朱 強
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB02
5L049BB02
(57)【要約】
【課題】展示会などのイベントにおける来場者の行動に関する情報を営業活動などへ有効に活用できるようにする方法、プログラム及び情報処理装置を提供する。
【解決手段】一の来場者のイベントにおける所定の行動に関する記録をそれぞれ含んだ複数の第1行動記録情報が取得され(ST310)、この複数の第1行動記録情報に基づいて複数の第1関心パラメータが算出され(ST315)、複数の第1関心パラメータに基づいて第1関心指標が算出される(ST320)。第1関心パラメータは、一の対象(出展された商品、サービスなど)に対する一の来場者の関心の度合いに関するパラメータである。第1関心指標は、一の対象に対する一の来場者の関心の度合いを示す指標である。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イベントにおける複数の来場者の行動を分析する情報処理装置が実行する方法であって、
各前記来場者は、前記イベントにおいて複数の対象に関する情報を得ることが可能であり、
各前記来場者の前記イベントにおける少なくとも1つの所定の行動が記録されており、
少なくとも一部の前記所定の行動が、前記対象を目的とする行動であり、
前記情報処理装置が、一の前記来場者の前記イベントにおける少なくとも1つの前記所定の行動に関する記録をそれぞれ含んだ複数の第1行動記録情報を取得する第1情報取得工程と、
前記情報処理装置が、前記第1情報取得工程において取得した複数の前記第1行動記録情報に基づいて複数のパラメータを算出するパラメータ算出工程と、
前記情報処理装置が、前記パラメータ算出工程において算出した複数の前記パラメータに基づいて複数の指標を算出する指標算出工程とを有し、
前記パラメータ算出工程は、前記第1情報取得工程において取得した複数の前記第1行動記録情報に基づいて、少なくとも1つの第1パラメータを前記パラメータとして前記来場者ごとに算出することを含み、
一の前記来場者について算出する一の前記第1パラメータは、一の前記対象に対する当該一の来場者の関心の度合いと、前記イベントにおいて前記対象の情報を得ることに対する当該一の来場者の積極性の度合いとの少なくとも一方に関連する前記パラメータであり、
前記指標算出工程は、前記パラメータ算出工程において前記来場者ごとに算出した少なくとも1つの前記第1パラメータに基づいて、一の前記対象に対する一の前記来場者の関心の度合いをそれぞれ示す複数の第1関心指標と、前記イベントにおいて前記対象の情報を得ることに対する当該一の来場者の積極性の度合いを示す第1積極性指標との少なくとも一方を、前記指標として前記来場者ごとに算出することを含む、
方法。
【請求項2】
前記イベントに参加する複数の参加者が、それぞれ少なくとも1つの前記対象に関連しており、
前記パラメータ算出工程は、前記第1情報取得工程において取得した複数の前記第1行動記録情報に基づいて、少なくとも1つの第2パラメータを前記パラメータとして前記参加者ごとに算出することを含み、
一の前記参加者について算出する一の前記第2パラメータは、当該一の参加者に関連した一の前記対象に対する前記来場者全体の関心の度合いと、当該一の参加者に関連した前記対象の情報を得ること対する前記来場者全体の積極性の度合いとの少なくとも一方に関連する前記パラメータであり、
前記指標算出工程は、前記パラメータ算出工程において前記参加者ごとに算出した少なくとも1つの前記第2パラメータに基づいて、一の前記参加者に関連した各前記対象に対する前記来場者全体の前記関心の度合いを示す少なくとも1つの第2関心指標と、当該一の参加者に関連した前記対象の情報を得ることに対する前記来場者全体の前記積極性の度合いを示す第2積極性指標との少なくとも一方を、前記指標として前記参加者ごとに算出することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各前記対象は、所定の複数のカテゴリにおける1つの前記カテゴリに分類されており、
前記パラメータ算出工程は、前記第1情報取得工程において取得した複数の前記第1行動記録情報に基づいて、少なくとも1つの第3パラメータを前記パラメータとして算出することを含み、
前記第3パラメータは、複数の前記カテゴリの各々に対する前記来場者全体の関心の度合いと、前記イベントにおいて前記対象の情報を得ることに対する前記来場者全体の積極性の度合いとの少なくとも一方に関連する前記パラメータであり、
前記指標算出工程は、前記パラメータ算出工程において算出した少なくとも1つの前記第3パラメータに基づいて、複数の前記カテゴリの各々に対する前記来場者全体の関心の度合いを示す複数の第3関心指標と、前記イベントにおいて前記対象の情報を得ることに対する前記来場者全体の前記積極性の度合いを示す第3積極性指標との少なくとも一方を、前記指標として算出することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
複数の前記第3パラメータの少なくとも一部は、一の前記カテゴリに分類された一群の前記対象に対する前記来場者全体の関心の度合いに関連する前記パラメータである、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1行動記録情報は、一の前記来場者を示す情報と、当該一の来場者によって行われた一の前記所定の行動を示す情報と、当該一の所定の行動が行われた日時に関する情報とを含む、
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記指標算出工程は、少なくとも一部の前記指標を算出する場合、前記パラメータ算出工程において算出した複数の前記パラメータの各々に重み係数を乗じて得られる複数の積の和を前記指標として算出する、
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
一の前記対象に対する一の前記来場者の関心の度合いを関心度と呼び、
前記関心度に関連する前記第1パラメータを第1関心パラメータと呼び、
前記指標算出工程は、前記パラメータ算出工程において算出した複数の前記第1関心パラメータの各々に重み係数を乗じて得られる複数の積の和を前記第1関心指標として算出し、
一の前記第1関心指標を算出する際に複数の前記第1関心パラメータへ乗ぜられる一群の前記重み係数を重み係数群と呼び、
前記情報処理装置が、一の前記対象に対して一の前記来場者が行った少なくとも1つの特定の行動に関する記録をそれぞれ含んだ複数の第2行動記録情報を取得する第2情報取得工程と、
前記情報処理装置が、前記第2情報取得工程において取得した複数の前記第2行動記録情報に基づいて、前記第1関心指標の大きさに応じた指標評価値であって、前記特定の行動の回数及び実施期間の少なくとも一方に応じた値を持つ前記指標評価値を、複数の前記来場者と複数の前記対象との組合せの各々について算出する指標評価値算出工程と、
前記情報処理装置が、複数の前記対象の各々について一の前記重み係数群を算出する重み係数算出工程とを有し、
前記重み係数算出工程は、一の前記対象に対応する一の前記重み係数群を算出する場合、当該一の対象と複数の前記来場者との複数の組み合わせについて算出される複数の前記指標評価値と、当該一の対象と複数の前記来場者との複数の組み合わせについて算出される複数の前記第1関心指標との相関性が高くなるように、当該一の重み係数群を算出することを含む、
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
一の前記対象に対する一の前記来場者の関心の度合いを関心度と呼び、
前記関心度に関連する前記第1パラメータを第1関心パラメータと呼び、
複数の前記対象に対応する複数の学習済みモデルが予め生成されており、
一の前記対象に対応する一の前記学習済みモデルは、当該一の対象と一の前記来場者との組み合わせについて与えられた複数の前記第1関心パラメータから、当該一の対象に対する当該一の来場者の前記関心度を示す前記第1関心指標を推定するように生成されており、
前記指標算出工程は、前記パラメータ算出工程において一の前記対象と一の前記来場者との組み合わせについて算出した複数の前記第1関心パラメータを、当該一の対象に対応する前記学習済みモデルに適用することにより、当該一の対象に対する当該一の来場者の前記関心度を示す前記第1関心指標を推定することを含む、
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
一の前記対象に対応する一の前記学習済みモデルは、当該一の対象について前記来場者により少なくとも1つの特定の行動が行われた回数及び実施期間の少なくとも一方に応じた正解値を持つ前記第1関心指標を推定し、
前記情報処理装置が、一の前記対象に対して一の前記来場者が行った少なくとも1つの前記特定の行動に関する記録をそれぞれ含んだ複数の第2行動記録情報を取得する第2情報取得工程と、
前記第2情報取得工程において取得された複数の前記第2行動記録情報に基づいて、複数の前記対象と複数の前記来場者との複数の組み合わせに対応した複数の前記第1関心指標の正解値を算出する正解値算出工程と、
前記情報処理装置が、複数の前記対象に対応する複数の学習済みモデルを生成するモデル生成工程とを有し、
前記モデル生成工程は、一の前記対象に対応する一の前記学習済みモデルを生成する場合、前記パラメータ算出工程において当該一の対象と複数の前記来場者との複数の組み合わせについて算出した複数組の前記第1関心パラメータの群をそれぞれ説明変数とし、前記正解値算出工程において算出した当該一の対象と複数の前記来場者との複数の組み合わせに対応する複数の前記第1関心指標の正解値をそれぞれ目的変数とし、同一の前記来場者に対応する一の前記説明変数と一の前記目的変数との組み合わせを教師データとして、複数の前記教師データに基づいて当該一の学習済みモデルを生成することを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
イベントにおける複数の来場者の行動を分析する情報処理装置が実行可能な命令を含むプログラムであって、
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載された方法を前記情報処理装置に実行させる前記命令を含んだ
プログラム。
【請求項11】
イベントにおける複数の来場者の行動を分析する情報処理装置であって、
処理部と、
前記処理部が実行可能な命令を含んだプログラムを記憶する記憶部とを有し、
前記プログラムが、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載された方法を行う前記命令を含む、
情報処理装置。
【請求項12】
イベントにおける複数の来場者の行動を分析する情報処理装置であって、
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載された方法を行う手段を備えた
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イベントにおける来場者の行動を分析する方法、プログラム及び情報処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
展示会などにおいて展示ブースに訪れた来場者の情報を自動的に収集して、来場者の来訪履歴のデータベースを作成するシステムが知られている(下記の特許文献を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-243516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献のようなシステムを用いることによって、展示会における各来場者の行動に関する情報(どの展示ブースへ立ち寄ったかなど)を得ることが可能である。展示会における来場者の行動に関する情報は、営業活動やマーケティング活動などへの活用が期待される。しかしながら、これらの情報はそのままでは来場者の行動を表しているに過ぎないため、営業活動などへ有効に活用することが難しいという問題がある。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、展示会などのイベントにおける来場者の行動に関する情報を営業活動などへ有効に活用できるようにする方法、プログラム及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る方法は、イベントにおける複数の来場者の行動を分析する情報処理装置が実行する方法であって、各前記来場者は、前記イベントにおいて複数の対象に関する情報を得ることが可能であり、各前記来場者の前記イベントにおける少なくとも1つの所定の行動が記録されており、少なくとも一部の前記所定の行動が、前記対象を目的とする行動であり、前記情報処理装置が、一の前記来場者の前記イベントにおける少なくとも1つの前記所定の行動に関する記録をそれぞれ含んだ複数の第1行動記録情報を取得する第1情報取得工程と、前記情報処理装置が、前記第1情報取得工程において取得した複数の前記第1行動記録情報に基づいて複数のパラメータを算出するパラメータ算出工程と、前記情報処理装置が、前記パラメータ算出工程において算出した複数の前記パラメータに基づいて複数の指標を算出する指標算出工程とを有し、前記パラメータ算出工程は、前記第1情報取得工程において取得した複数の前記第1行動記録情報に基づいて、少なくとも1つの第1パラメータを前記パラメータとして前記来場者ごとに算出することを含み、一の前記来場者について算出する一の前記第1パラメータは、一の前記対象に対する当該一の来場者の関心の度合いと、前記イベントにおいて前記対象の情報を得ることに対する当該一の来場者の積極性の度合いとの少なくとも一方に関連する前記パラメータであり、前記指標算出工程は、前記パラメータ算出工程において前記来場者ごとに算出した少なくとも1つの前記第1パラメータに基づいて、一の前記対象に対する一の前記来場者の関心の度合いをそれぞれ示す複数の第1関心指標と、前記イベントにおいて前記対象の情報を得ることに対する当該一の来場者の積極性の度合いを示す第1積極性指標との少なくとも一方を、前記指標として前記来場者ごとに算出することを含む、方法である。
【0007】
好適に、前記イベントに参加する複数の参加者が、それぞれ少なくとも1つの前記対象に関連しており、前記パラメータ算出工程は、前記第1情報取得工程において取得した複数の前記第1行動記録情報に基づいて、少なくとも1つの第2パラメータを前記パラメータとして前記参加者ごとに算出することを含み、一の前記参加者について算出する一の前記第2パラメータは、当該一の参加者に関連した一の前記対象に対する前記来場者全体の関心の度合いと、当該一の参加者に関連した前記対象の情報を得ること対する前記来場者全体の積極性の度合いとの少なくとも一方に関連する前記パラメータであり、前記指標算出工程は、前記パラメータ算出工程において前記参加者ごとに算出した少なくとも1つの前記第2パラメータに基づいて、一の前記参加者に関連した各前記対象に対する前記来場者全体の前記関心の度合いを示す少なくとも1つの第2関心指標と、当該一の参加者に関連した前記対象の情報を得ることに対する前記来場者全体の前記積極性の度合いを示す第2積極性指標との少なくとも一方を、前記指標として前記参加者ごとに算出することを含む。
【0008】
好適に、各前記対象は、所定の複数のカテゴリにおける1つの前記カテゴリに分類されており、前記パラメータ算出工程は、前記第1情報取得工程において取得した複数の前記第1行動記録情報に基づいて、少なくとも1つの第3パラメータを前記パラメータとして算出することを含み、前記第3パラメータは、複数の前記カテゴリの各々に対する前記来場者全体の関心の度合いと、前記イベントにおいて前記対象の情報を得ることに対する前記来場者全体の積極性の度合いとの少なくとも一方に関連する前記パラメータであり、前記指標算出工程は、前記パラメータ算出工程において算出した少なくとも1つの前記第3パラメータに基づいて、複数の前記カテゴリの各々に対する前記来場者全体の関心の度合いを示す複数の第3関心指標と、前記イベントにおいて前記対象の情報を得ることに対する前記来場者全体の前記積極性の度合いを示す第3積極性指標との少なくとも一方を、前記指標として算出することを含む。
【0009】
好適に、複数の前記第3パラメータの少なくとも一部は、一の前記カテゴリに分類された一群の前記対象に対する前記来場者全体の関心の度合いに関連する前記パラメータである。
【0010】
好適に、前記第1行動記録情報は、一の前記来場者を示す情報と、当該一の来場者によって行われた一の前記所定の行動を示す情報と、当該一の所定の行動が行われた日時に関する情報とを含む。
【0011】
好適に、前記指標算出工程は、少なくとも一部の前記指標を算出する場合、前記パラメータ算出工程において算出した複数の前記パラメータの各々に重み係数を乗じて得られる複数の積の和を前記指標として算出する。
【0012】
好適に、一の前記対象に対する一の前記来場者の関心の度合いを関心度と呼び、前記関心度に関連する前記第1パラメータを第1関心パラメータと呼び、前記指標算出工程は、前記パラメータ算出工程において算出した複数の前記第1関心パラメータの各々に重み係数を乗じて得られる複数の積の和を前記第1関心指標として算出し、一の前記第1関心指標を算出する際に複数の前記第1関心パラメータへ乗ぜられる一群の前記重み係数を重み係数群と呼び、上記の方法は、前記情報処理装置が、一の前記対象に対して一の前記来場者が行った少なくとも1つの特定の行動に関する記録をそれぞれ含んだ複数の第2行動記録情報を取得する第2情報取得工程と、前記情報処理装置が、前記第2情報取得工程において取得した複数の前記第2行動記録情報に基づいて、前記第1関心指標の大きさに応じた指標評価値であって、前記特定の行動の回数及び実施期間の少なくとも一方に応じた値を持つ前記指標評価値を、複数の前記来場者と複数の前記対象との組合せの各々について算出する指標評価値算出工程と、前記情報処理装置が、複数の前記対象の各々について一の前記重み係数群を算出する重み係数算出工程とを有し、前記重み係数算出工程は、一の前記対象に対応する一の前記重み係数群を算出する場合、当該一の対象と複数の前記来場者との複数の組み合わせについて算出される複数の前記指標評価値と、当該一の対象と複数の前記来場者との複数の組み合わせについて算出される複数の前記第1関心指標との相関性が高くなるように、当該一の重み係数群を算出することを含む。
【0013】
好適に、一の前記対象に対する一の前記来場者の関心の度合いを関心度と呼び、前記関心度に関連する前記第1パラメータを第1関心パラメータと呼び、複数の前記対象に対応する複数の学習済みモデルが予め生成されており、一の前記対象に対応する一の前記学習済みモデルは、当該一の対象と一の前記来場者との組み合わせについて与えられた複数の前記第1関心パラメータから、当該一の対象に対する当該一の来場者の前記関心度を示す前記第1関心指標を推定するように生成されており、前記指標算出工程は、前記パラメータ算出工程において一の前記対象と一の前記来場者との組み合わせについて算出した複数の前記第1関心パラメータを、当該一の対象に対応する前記学習済みモデルに適用することにより、当該一の対象に対する当該一の来場者の前記関心度を示す前記第1関心指標を推定することを含む。
【0014】
好適に、一の前記対象に対応する一の前記学習済みモデルは、当該一の対象について前記来場者により少なくとも1つの特定の行動が行われた回数及び実施期間の少なくとも一方に応じた正解値を持つ前記第1関心指標を推定し、上記の方法は、前記情報処理装置が、一の前記対象に対して一の前記来場者が行った少なくとも1つの前記特定の行動に関する記録をそれぞれ含んだ複数の第2行動記録情報を取得する第2情報取得工程と、前記第2情報取得工程において取得された複数の前記第2行動記録情報に基づいて、複数の前記対象と複数の前記来場者との複数の組み合わせに対応した複数の前記第1関心指標の正解値を算出する正解値算出工程と、前記情報処理装置が、複数の前記対象に対応する複数の学習済みモデルを生成するモデル生成工程とを有し、前記モデル生成工程は、一の前記対象に対応する一の前記学習済みモデルを生成する場合、前記パラメータ算出工程において当該一の対象と複数の前記来場者との複数の組み合わせについて算出した複数組の前記第1関心パラメータの群をそれぞれ説明変数とし、前記正解値算出工程において算出した当該一の対象と複数の前記来場者との複数の組み合わせに対応する複数の前記第1関心指標の正解値をそれぞれ目的変数とし、同一の前記来場者に対応する一の前記説明変数と一の前記目的変数との組み合わせを教師データとして、複数の前記教師データに基づいて当該一の学習済みモデルを生成することを含む。
【0015】
本発明の第2の態様に係るプログラムは、イベントにおける複数の来場者の行動を分析する情報処理装置が実行可能な命令を含むプログラムであって、上記第1の態様に係る方法を前記情報処理装置に実行させる前記命令を含む。
【0016】
本発明の第3の態様に係る情報処理装置は、イベントにおける複数の来場者の行動を分析する情報処理装置であって、処理部と、前記処理部が実行可能な命令を含んだプログラムを記憶する記憶部とを有し、前記プログラムが、上記第1の態様に係る方法を行う前記命令を含む。
【0017】
本発明の第4の態様に係る情報処理装置は、イベントにおける複数の来場者の行動を分析する情報処理装置であって、上記第1の態様に係る方法を行う手段を備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、展示会などのイベントにおける来場者の行動に関する情報を営業活動などへ有効に活用できるようにする方法、プログラム及び情報処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本実施形態に係るシステムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、情報提供サーバの構成の一例を示す図である。
図3図3A図3B図3C及び図3Dは、それぞれ来場者情報、参加者情報、対象情報及びコンテンツ情報に含まれる情報の一例を説明するための図である。
図4図4A図4B及び図4Cは、それぞれ検知装置情報、第1行動記録情報及び第2行動記録情報に含まれる情報の一例を説明するための図である。
図5図5は、本実施形態に係るシステムの動作の概要を説明するための図である。
図6図6は、本実施形態に係るシステムにおける処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図7図7は、本実施形態に係るシステムにおける処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図8図8Aは、第1関心指標を算出する処理の一例を説明するためのフローチャートであり、図8Bは、第1積極性指標を算出する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図9図9Aは、第2関心指標を算出する処理の一例を説明するためのフローチャートであり、図9Bは、第2積極性指標を算出する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図10図10Aは、第3関心指標を算出する処理の一例を説明するためのフローチャートであり、図10Bは、第3積極性指標を算出する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図11図11は、第1関心パラメータに乗ぜられる重み係数を算出する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図12図12は、第1関心指標の算出に用いられる学習済みモデルを生成する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本実施形態に係るシステムの構成の一例を示す図である。図1の例に示すシステムは、インターネットなどの通信ネットワーク9を介して互いに通信可能な情報提供サーバ1、主催者サーバ3、来場者端末装置5、参加者端末装置6、関係者端末装置7、来場者検知装置8A及びID読み取り装置8Bを有する。
情報提供サーバ1は、本発明の情報処理装置の一例である。
【0021】
図1に示すシステムは、展示会やセミナーなどのイベントを訪れた来場者の行動に関する情報を収集して記録する処理や、イベントにおける来場者の行動の対象(出展された商品など)に関連するコンテンツを来場者端末装置5に提供する処理、記録した来場者の行動に関する情報を分析して参加者端末装置6や関係者端末装置7に提供する処理などを行う。
【0022】
[情報提供サーバ1]
情報提供サーバ1は、展示会やセミナーなどのイベントに関する情報を来場者端末装置5や参加者端末装置6などへ提供する処理を行う。例えば情報提供サーバ1は、来場者が操作する来場者端末装置5からの要求に応じてコンテンツ(電子文書、動画データなど)を来場者端末装置5に提供する処理、後述する来場者検知装置8Aなどから来場者の行動に関する情報を収集して記録する処理、記録した来場者の行動に関する情報を後述する参加者端末装置6や関係者端末装置7に提供する処理などを行う。また情報提供サーバ1は、記録した来場者の行動に関する情報を分析して、イベントにおける来場者の行動の対象(出展された商品など)への関心度などを数値化する処理を行う。例えば情報提供サーバ1は、通信ネットワーク9に接続された1台若しくは複数台のコンピュータを含んで構成される。図1の例に示す情報提供サーバ1は、通信部11と、記憶部12と、処理部13を有する。
【0023】
通信部11は、通信ネットワーク9を介して他の装置(主催者サーバ3、来場者端末装置5、参加者端末装置6、関係者端末装置7、来場者検知装置8A、ID読み取り装置8Bなど)と通信を行う。通信部11は、例えばイーサネット(登録商標)や無線LANなどの所定の通信規格に準拠して通信を行う装置(ネットワークインターフェースカードなど)を含む。
【0024】
記憶部12は、処理部13において実行可能な命令を含む1以上のプログラム121や、処理部13による処理の過程で一時的に保存されるデータ、処理部13の処理に利用されるデータ、処理部13の処理の結果として得られたデータなどを記憶する。記憶部12は、例えば、主記憶装置(RAM、ROMなど)と補助記憶装置(フラッシュメモリ、SSD、ハードディスク、メモリカード、光ディスク)を含んでよい。記憶部12は、1つの記憶装置から構成されてもよいし、複数の記憶装置から構成されてもよい。記憶部12が複数の記憶装置から構成される場合、各記憶装置は、コンピュータのバスや他の任意のデータ伝送手段を介して処理部13に接続される。
【0025】
処理部13は、情報提供サーバ1の全体的な動作を統括的に司り、所定の情報処理を実行する。処理部13は、例えば、記憶部12に格納された1以上のプログラム121の命令に応じて処理を実行する1以上のプロセッサ(CPU(central processing unit)、MPU(micro-processing unit)、DSP(digital signal processor)など)を含む。処理部13は、記憶部12に記憶される1以上のプログラム121の命令を1以上のプロセッサが実行することにより、1以上のコンピュータとして動作する。
【0026】
処理部13は、特定の機能を実現するように構成された1以上の専用のハードウェア(ASIC(application specific integrated circuit)、FPGA(field-programmable gate array)など)を含んでもよい。この場合、処理部13は、本実施形態において説明する全ての処理をコンピュータにおいて実行してもよいし、少なくとも一部の処理を専用のハードウェアにおいて実行してもよい。
【0027】
プログラム121は、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体(光ディスク、メモリカード、USBメモリ、その他の非一時的な有形の媒体)に記録されていてもよい。処理部13は、そのような記録媒体に記録された1以上のプログラム121の少なくとも一部を不図示の記録媒体読み取り装置(光ディスク装置など)やインターフェース装置(USBインターフェースなど)により読み込んで、記憶部12に書き込んでもよい。あるいは処理部13は、通信ネットワーク9に接続される他の装置から通信部11により1以上のプログラム121の少なくとも一部をダウンロードして、記憶部12に書き込んでもよい。1以上のプログラム121は、後述する本実施形態に係る処理の少なくとも一部を処理部13において実行させる命令を含んでよい。
【0028】
記憶装置2は、情報提供サーバ1の処理において使用される種々の情報を記憶する。情報提供サーバ1と記憶装置2は、任意の通信路(LAN、専用回線網、インターネットなど)介して通信可能である。例えば記憶装置2は、複数の装置からのアクセスを受け付けるファイルサーバやデータベースサーバなどに含まれていてもよいし、情報提供サーバ1のみアクセス可能な専用の記憶装置でもよい。図1の例において、記憶装置2は、来場者データベース21と、参加者データベース22と、対象データベース23と、コンテンツデータベース24と、検知装置データベース25と、第1行動記録データベース26と、第2行動記録データベース27と、イベントの参加者などによって来場者向けに準備された複数のコンテンツ28を記憶する。以下の説明では、データベースを「DB」と省略して記載する場合がある。
【0029】
来場者DB21は、来場者に関する複数の来場者情報を含む。一の来場者情報は、例えば図3Aに示すように、一の来場者に関する情報として、「来場者ID」と、「登録日時」とを含む。
「来場者ID」は、個々の来場者を識別するための情報であり、一の来場者を示す。
「登録日時」は、来場者情報が登録された日時を示す。
【0030】
参加者DB22は、イベントの参加者(出展者など)に関する複数の参加者情報を含む。一の参加者情報は、例えば図3Bに示すように、一の参加者に関する情報として、「参加者ID」と、「登録日時」と、「参加者登録情報」とを含む。
「参加者ID」は、個々の参加者を識別するための情報であり、一の参加者を示す。
「登録日時」は、参加者情報が登録された日時を示す。
「参加者登録情報」は、参加者に関する情報であり、参加者の名称(会社名など)や住所、連絡先などを含む。
【0031】
対象DB23は、イベントにおける来場者の行動の対象(参加者が提供する商品、サービスなど)に関する複数の対象情報を含む。一の対象情報は、例えば図3Cに示すように、一の対象に関する情報として、「対象ID」と、「対象内容情報」と、「参加者ID」とを含む。
「対象ID」は、個々の対象を識別するための情報であり、一の対象を示す。
「対象内容情報」は、対象(商品、サービスなど)の内容に関する情報であり、例えば対象の名前、型名、種別、対象が属するカテゴリなどを含む。
「参加者ID」は、一の対象に関連する一の参加者(商品やサービスを提供する参加者など)を示す。
【0032】
イベントの来場者は、イベントにおいて、対象DB23に登録された複数の対象(商品、サービスなど)に関する情報を得ることができる。
【0033】
コンテンツDB24は、来場者へ提供されるコンテンツに関する複数のコンテンツ情報を含む。一のコンテンツ情報は、例えば図3Dに示すように、一のコンテンツに関する情報として、「コンテンツID」と、「コンテンツ内容情報」と、「対象ID」と、「参加者ID」と、「コンテンツ格納場所」とを含む。
「コンテンツID」は、個々のコンテンツを識別するための情報であり、一のコンテンツを示す。
「コンテンツ内容情報」は、コンテンツの内容に関する情報であり、例えばコンテンツの名前、種別、データのサイズなどを含む。
「対象ID」は、一のコンテンツに関連する一の対象(商品、サービスなど)を示す。
「参加者ID」は、一のコンテンツに関連する一の参加者(商品やサービスの出展者など)を示す。
「コンテンツ格納場所」は、記憶装置2においてコンテンツ(図2のコンテンツ28)が格納される場所に関する情報であり、例えばコンテンツ28が格納されるディレクトリとファイル名を含む。コンテンツ28の格納場所は、記憶装置2に限らず、通信ネットワーク9に接続された他の装置(データサーバなど)でもよい。
【0034】
検知装置DB25は、イベントの会場に設置された複数の来場者検知装置8Aに関する複数の検知装置情報を含む。一の検知装置情報は、例えば図4Aに示すように、一の来場者検知装置8Aに関する情報として、「検知装置ID」と、「対象ID」と、「参加者ID」と、「検知装置関連情報」とを含む。
「検知装置ID」は、個々の来場者検知装置8Aを識別するための情報であり、一の来場者検知装置8Aを示す。
「対象ID」は、一の来場者検知装置8Aに関連付けられた一の対象を示す。
「参加者ID」は、一の来場者検知装置8Aに関連付けられた一の参加者を示す。
「検知装置関連情報」は、一の来場者検知装置8Aに関連する情報であり、例えば来場者検知装置8Aの名称、型式、製造者名などを含む。
【0035】
第1行動記録DB26は、イベントにおいて一の来場者が行った所定の行動に関する記録をそれぞれ含んだ複数の第1行動記録情報を含む。一の第1行動記録情報は、例えば図4Bに示すように、イベントにおいて一の来場者が行った一の所定の行動に関する情報として、「来場者ID」と、「行動日時」と、「行動種別」と、「行動内容」と、「対象ID」と、「参加者ID」とを含む。
「来場者ID」は、イベントにおいて所定の行動を行った一の来場者を示す。
「行動日時」は、イベントにおいて来場者が所定の行動を行った日時を示す。
「行動種別」は、イベントにおける所定の行動の種別を示す。行動種別には、例えば、イベントの会場の展示場所に行って来場者検知装置8Aに検知される行動、コンテンツの提供を受ける行動(閲覧、ダウンロードなど)、商品やサービスなどの対象に対する評価やコメントを入力する行動、アンケートに回答する行動などが含まれる。
「行動内容」は、「行動種別」により示された所定の行動の内容を示し、例えば、コンテンツのダウンロードを行った場合におけるコンテンツの情報(コンテンツIDなど)を含む。
「対象ID」は、所定の行動の対象(商品、サービスなど)を示す。
「参加者ID」は、所定の行動の対象に関連する参加者を示す。
【0036】
第2行動記録DB27は、一の来場者による特定の行動に関する記録をそれぞれ含んだ複数の第2行動記録情報を含む。来場者による特定の行動は、対象(イベントで出展された商品、サービスなど)への来場者の関心を直接的に示す行動であり、例えば対象について参加者の営業スタッフと来場者が面談することや、来場者が対象を購入することなどが特定の行動に当てはまる。一の第2行動記録情報は、例えば図4Cに示すように、一の来場者が行った一の特定の行動に関する情報として、「来場者ID」と、「行動日時」と、「行動種別」と、「行動内容」と、「対象ID」と、「参加者ID」とを含む。
「来場者ID」は、特定の行動を行った一の来場者を示す。
「行動日時」は、来場者が特定の行動を行った日時を示す。
「行動種別」は、特定の行動の種別を示す。行動種別には、例えば、参加者の営業スタッフと面談を行うこと、対象(商品、サービスなど)を購入することなどが含まれる。
「行動内容」は、「行動種別」により示された特定の行動の内容を示し、例えば、対象(商品、サービスなど)を購入した場合の購入数量などを含む。
「対象ID」は、特定の行動の対象(商品、サービスなど)を示す。
「参加者ID」は、特定の行動の対象に関連する参加者を示す。
【0037】
コンテンツ28は、来場者の行動の対象(出展された商品、サービスなど)に関連する来場者向けのコンテンツであり、例えば文書ファイル、画像ファイル、動画ファイル、コンテンツ用のURLなどを含む。
【0038】
[主催者サーバ3]
主催者サーバ3は、展示会などのイベントの主催者によって運営される装置である。主催者は、各来場者の個人情報を保有する。主催者サーバ3は、例えば、来場者に関する情報(個人情報など)を来場者端末装置5などから取得して記録する処理、参加者に関する情報を参加者端末装置6などから取得して記録する処理などを行う。例えば主催者サーバ3は、情報提供サーバ1の通信部11、記憶部12、処理部13と同様な処理部、記憶部、通信部を備える。
【0039】
[来場者端末装置5]
来場者端末装置5は、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンなどの情報通信機能を備えた装置であり、来場者によって操作される。図1に示すシステムは、複数の来場者に対応した複数の来場者端末装置5を有する。来場者端末装置5は、情報提供サーバ1の通信部11、記憶部12、処理部13と同様な処理部、記憶部、通信部を備えるとともに、ユーザの指示を処理部に入力する入力部(タッチパネル、マウス、キーボードなどの入力装置)、情報を表示する表示部(液晶ディスプレイなどの表示装置)などを備える。また来場者端末装置5は、QRコード(登録商標)やバーコードなどの光学コードを読み取ることが可能なカメラを備える。
【0040】
[参加者端末装置6]
参加者端末装置6は、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンなどの情報通信機能を備えた装置であり、イベントの参加者(出展者など)によって操作される。図1に示すシステムは、複数の参加者に対応した複数の参加者端末装置6を有する。参加者端末装置6は、情報提供サーバ1の通信部11、記憶部12、処理部13と同様な処理部、記憶部、通信部を備えるとともに、ユーザの指示を処理部に入力する入力部(タッチパネル、マウス、キーボードなどの入力装置)、情報を表示する表示部(液晶ディスプレイなどの表示装置)などを備える。
【0041】
[関係者端末装置7]
関係者端末装置7は、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンなどの情報通信機能を備えた装置であり、イベントの開催や運営に係わる関係者(イベントの主催者、運営者など)によって操作される。図1に示すシステムは、複数の関係者に対応した複数の関係者端末装置7を有する。関係者端末装置7は、情報提供サーバ1の通信部11、記憶部12、処理部13と同様な処理部、記憶部、通信部を備えるとともに、ユーザの指示を処理部に入力する入力部(タッチパネル、マウス、キーボードなどの入力装置)、情報を表示する表示部(液晶ディスプレイなどの表示装置)などを備える。
【0042】
[来場者検知装置8A]
来場者検知装置8Aは、イベントが開催される場所に配置された装置であり、来場者を検知してその来場者の情報を情報提供サーバ1に送信する。図1に示すシステムは、複数の来場者検知装置8Aを有する。例えば、来場者検知装置8Aは、イベントにおいて各来場者に配布される携行用の物品(カードなど)に付されたRFIDタグなどデバイスの情報を読み取るリーダー機能(近距離無線通信機能)、読み取った情報(デバイスの識別情報)を情報提供サーバ1へ送信する通信機能(無線LAN、LPWA、LTEなど)を備える。
【0043】
[ID読み取り装置8B]
ID読み取り装置8Bは、イベントの主催者によって各来場者に配布される入場証に印刷された光学コードと、来場者検知装置8Aにおいて来場者の検知に用いられる上述の物品(カードなど)に印刷された光学コードをそれぞれ読み取り、読み取った2つの光学コードの情報を情報提供サーバ1に送信する。この2つの光学コードには、それぞれ識別情報(ID)が含まれている。2つの光学コードに含まれた2つの識別情報(ID)は、情報提供サーバ1において共通の来場者IDに紐づけられる。
【0044】
ここで、上述した構成を有する図1に示すシステムの動作について説明する。図5は、図1に示すシステムの動作の概要を説明するための図である。
【0045】
イベントの主催者は、各来場者に配布される入場証C1を準備する。入場証C1には、予め個々の来場者に割り当てられた識別情報(ID)を含む光学コード(QRコード(登録商標)、バーコードなど)が印刷される。入場証C1には、来場者の名前やイベントの名称、会場名、開催日などが印刷されてもよい。
【0046】
また主催者は、この入場証C1とは別に、イベントの会場で各来場者に配布されるタグ付きカードC2を準備する。このタグ付きカードC2には、固有の識別情報(ID)を含む光学コードが印刷されるとともに、来場者検知装置8Aにおいて読み取り可能なデバイス(RFIDタグなど)が付されている。タグ付きカードC2のデバイスにも、固有の識別情報が記憶される。タグ付きカードC2の光学コードに含まれる識別情報と、デバイスに記憶される識別情報とは一対一に対応しており、両者は同一であってもよい。タグ付きカードC2は、異なるイベントにおいて再利用可能である。
【0047】
主催者は、例えばイベントの会場の入場口で来場者を受け付ける際に、ID読み取り装置8Bを用いて、来場者に渡す入場証C1とタグ付きカードC2のそれぞれに印刷された光学コードを読み取り、読み取った2つの光学コードに含まれる2つの識別情報を情報提供サーバ1に送信する。情報提供サーバ1は、ID読み取り装置8Bから受信した2つの識別情報を共通の来場者IDに紐づける。
【0048】
他方、イベントの参加者(出展者など)は、イベントにおいて印刷物の代わりに来場者へ提供するコンテンツ(PDFファイルの電子文書など)を参加者端末装置6によって情報提供サーバ1に登録する。この際、参加者は、来場者検知装置8Aと対象(参加者が提供する商品、サービスなど)との関連付けを情報提供サーバ1に設定するとともに、コンテンツと対象(参加者が提供する商品、サービスなど)との関連付けを情報提供サーバ1に設定する。
【0049】
参加者は、イベントの会場において、自らが提供する商品やサービスなどの対象に興味を持った来場者を検知するための来場者検知装置8Aを設置する。例えば、参加者は、イベントの会場における自らの展示ブースにおいて、商品やサービスなどの対象を展示する場所の近くに来場者検知装置8Aを設置する。
【0050】
イベントが開催されている間、参加者は、展示ブースなどへの来場者の来訪状況に関する情報(来訪した来場者の数、各来場者検知装置8Aで検知された来場者の数、コンテンツのダウンロード数など)を参加者端末装置6により情報提供サーバ1から随時取得して閲覧する。これにより、参加者は、自らの展示ブースや商品の展示場所などにおける来場者の来訪状況をリアルタイムに把握することができる。また参加者は、イベントの終了後、自らの展示ブースなどに来訪して来場者検知装置8Aに検知された来場者の個人情報や、自らの商品などに関連するコンテンツの提供を受けた来場者の個人情報を、参加者端末装置6により主催者サーバ3から取得することができる。
【0051】
来場者は、入場証C1とともに渡されたタグ付きカードC2をイベントの会場で携行する。来場者は、イベントの会場で興味のある対象(イベントの参加者が提供する商品やサービスなど)の展示場所を見つけた場合、その展示場所の近くに設置された来場者検知装置8Aにおいてタグ付きカードC2のデバイス(RFIDタグなど)に記憶される情報を読み取らせる。これにより、タグ付きカードC2のデバイスに記憶される識別情報が情報提供サーバ1に送信される。情報提供サーバ1は、来場者検知装置8Aから受信したタグ付きカードC2の識別情報に基づいて、来場者検知装置8Aが検知した来場者の来場者IDを特定し、その第1行動記録情報(図4B)を第1行動記録DB26に登録する。情報提供サーバ1は、来場者検知装置8Aにより検知された来場者に対して、その来場者検知装置8Aとの関連付けが設定されたコンテンツの提供(閲覧、ダウンロード、メール転送など)を許可する。
【0052】
来場者は、情報提供サーバ1から提供されるイベントでの行動履歴(商品などの展示場所で来場者検知装置8Aに検知された第1行動記録情報)を来場者端末装置5において閲覧し、この行動履歴の中から所望の対象(商品、サービスなど)に関するコンテンツを選択する。来場者端末装置5は、来場者により選択された対象に関するコンテンツを情報提供サーバ1に要求する。この要求に応じた情報提供サーバ1は、来場者により要求されたコンテンツを記憶装置2から読み出して、要求元の来場者端末装置5に提供する処理を行う。すなわち情報提供サーバ1は、要求元の来場者端末装置5においてコンテンツを表示させる処理や、コンテンツを要求元の来場者端末装置5にダウンロードさせる処理を行う。また、情報提供サーバ1は、来場者端末装置5により転送先の電子メールアドレスが指定された場合、記憶装置2から読み出したコンテンツ(若しくはそのダウンロード用のURLなどの情報)を指定された電子メールアドレスに転送する処理を行う。
【0053】
図6は、図1に示すシステムにおける処理の一例を説明するためのフローチャートであり、各種の情報を主催者サーバ3や情報提供サーバ1に登録する処理の例を示す。
【0054】
参加者端末装置6は、主催者サーバ3にアクセスして、展示会などのイベントに参加者として申し込む処理を行う(ST100)。主催者サーバ3は、この申し込み処理において参加者端末装置6から入力した参加者の情報(参加者名など)をデータベースなどに登録する(ST105)。情報提供サーバ1は、この参加者の情報を主催者サーバ3から取得し、取得した情報に基づいて参加者情報(図3B)を生成して、参加者DB22に登録する(ST115)。
【0055】
参加者端末装置6は、情報提供サーバ1にアクセスして、イベントに訪れた来場者の行動の対象となる商品やサービスなどの登録を要求する(ST120)。この要求を受けた情報提供サーバ1は、記憶装置2の対象DB23に登録されていない新たな対象IDを生成するとともに、対象内容情報(商品やサービスの名前、型名、種別、説明文など)を参加者端末装置6から入力する。そして情報提供サーバ1は、これらの情報と参加者IDとを含んだ新規の対象情報(図3C)を生成し、対象DB23に登録する(ST125)。これにより、生成した対象IDは登録済みの対象IDとして記憶装置2に記憶される。
【0056】
参加者端末装置6は、情報提供サーバ1にアクセスして、イベントの来場者に提供するコンテンツの登録を要求する(ST130)。この要求を受けた情報提供サーバ1は、コンテンツDB24に登録されていない新たなコンテンツIDを生成するとともに、コンテンツ内容情報(コンテンツの名前、種別、データのサイズ、説明文など)を参加者端末装置6から入力する。また情報提供サーバ1は、記憶装置2におけるコンテンツの格納場所(ディレクトリ、ファイル名など)を決定する。そして情報提供サーバ1は、これらの情報と参加者IDとを含んだコンテンツ情報(図3D)を生成し、コンテンツDB24に登録する(ST135)。情報提供サーバ1は、参加者端末装置6からコンテンツがアップロードされると、コンテンツ情報において指定されたコンテンツ格納場所にこのコンテンツを格納する(ST140)。
【0057】
参加者端末装置6は、情報提供サーバ1にアクセスして、商品の展示場所などに設置される来場者検知装置8Aと対象(商品、サービスなど)又は参加者との関連付けの設定を要求する(ST145)。この要求を受けた情報提供サーバ1は、参加者の手元に準備された特定の来場者検知装置8Aを指定する情報(検知装置IDなど)と、登録済みの対象(商品、サービスなど)又は参加者を指定する情報(対象ID、参加者IDなど)とを参加者端末装置6から入力する。情報提供サーバ1は、参加者端末装置6によって指定された来場者検知装置8Aの検知装置IDと、参加者端末装置6によって指定された対象の対象ID又は参加者の参加者IDとを関連付ける検知装置情報(図4A)を生成し、検知装置DB25に登録する(ST150)。
【0058】
他方、来場者端末装置5は、主催者サーバ3にアクセスして、展示会などのイベントに来場するための申し込み処理を行う(ST160)。主催者サーバ3は、この申し込み処理において来場者端末装置5から入力した個人情報(来場者の氏名、職業、電子メールアドレスなど)と来場者の識別情報とを含んだ来場者の登録情報を生成し、データベースなどに登録する(ST165)。上述した入場証C1の光学コードは、この来場者の識別情報を含むように形成される。なお、主催者サーバ3において個人情報を登録される来場者の少なくとも一部は、任意の個人情報のリストに基づいてイベントに招待される来場者であってもよい。
【0059】
イベントの会場へ入場する来場者には、ステップST155で登録された来場者の識別情報(ID)を含む光学コードが印刷された入場証C1と、固有の識別情報(ID)を含む光学コードが印刷されたタグ付きカードC2とがそれぞれ渡される。このとき、イベントにおいて受付業務を担当するスタッフは、ID読み取り装置8Bを用いて、入場証C1の光学コードとタグ付きカードC2の光学コードとをそれぞれ読み取り、2つの光学コードに含まれた2つの識別情報(ID)を情報提供サーバ1へ送信する(ST170)。情報提供サーバ1は、ID読み取り装置8Bから受信した2つの識別情報を共通の来場者IDに紐づける。情報提供サーバ1は、この来場者IDを含んだ来場者情報(図3A)を生成し、来場者DB21に登録する(ST175)。
【0060】
図7は、図1に示すシステムにおける処理の一例を説明するためのフローチャートであり、イベントにおける来場者の行動を記録する処理、及び、対象(商品、サービスなど)への直接的な関心を示す来場者の特定の行動を記録する処理の例を示す。
【0061】
商品の展示場所などに設置された来場者検知装置8Aが来場者を検知すると(ST200)、情報提供サーバ1は、来場者検知装置8Aから受信した情報に基づいて第1行動記録情報(図4B)を生成し、第1行動記録DB26に登録する(ST205)。
【0062】
例えば来場者検知装置8Aは、来場者が携行するタグ付きカードC2のデバイス(RFIDタグなど)から読み取った固有の識別情報と、来場者検知装置8Aに割り当てられた検知装置ID(図4A)と、読み取り日時の情報とを含んだ検知情報を生成し、任意のタイミングで情報提供サーバ1に送信する。情報提供サーバ1は、来場者検知装置8Aから受信した検知情報に含まれるタグ付きカードC2のデバイスの識別情報に基づいて、この識別情報と一対一に対応するタグ付きカードC2の光学コードの識別情報に紐づけられた来場者IDを特定する。また情報提供サーバ1は、受信した検知情報に含まれる来場者検知装置8Aの検知装置IDと、検知装置DB25に登録された検知装置情報(図4A)とに基づいて、来場者検知装置8Aに関連付けられた対象(商品、サービスなど)の対象ID又は参加者の参加者IDを特定する。情報提供サーバ1は、特定したこれらの情報に基づいて第1行動記録情報(図4B)を生成する。
【0063】
来場者が、イベントの会場における商品の展示場所などに配置された来場者検知装置8Aにおいて、タグ付きカードC2のデバイスの情報を読み取らせる操作(以下、「被検知操作」と記す場合がある。)を行った場合、情報提供サーバ1は、被検知操作を行った来場者に対して、その商品などに関連付けられたコンテンツの提供を許可する。例えば来場者は、タグ付きカードC2の光学コードを来場者端末装置5のカメラによって読み取り、読み取った光学コードの識別情報を用いて、情報提供サーバ1が提供する来場者の専用ウェブページにログインする。来場者端末装置5は、この専用ウェブページにおいて、来場者への提供が可能なコンテンツの情報を取得し、ディスプレイに表示する。来場者は、ディスプレイに表示される利用可能なコンテンツの中から特定のコンテンツを選択し、指定した方法(閲覧、ダウンロード、メール転送など)で提供するように要求する指示を来場者端末装置5に入力する。来場者端末装置5は、この来場者の指示が入力されると、特定のコンテンツを指定した方法で提供するように情報提供サーバ1へ要求する(ST210)。情報提供サーバ1は、来場者端末装置5からの要求に応じて、選択された特定のコンテンツを指定された方法で来場者に提供するコンテンツ提供処理を実行する(ST215)。例えば情報提供サーバ1は、来場者が操作する来場者端末装置5からの要求に応じて、コンテンツを来場者端末装置5に表示させる処理、コンテンツを来場者端末装置5にダウンロードさせる処理、コンテンツを電子メールにより任意のアドレスへ転送する処理などを行う。
【0064】
情報提供サーバ1は、一の来場者へ一のコンテンツを提供するコンテンツ提供処理が実行された場合、当該来場者へ当該コンテンツが提供されたことを示す情報を含んだ一の第1行動記録情報(図4B)を生成し、第1行動記録DB26に登録する(ST220)。
【0065】
また来場者は、情報提供サーバ1の専用ウェブページにおいて、任意の対象(展示された商品、サービスなど)に対する評価を入力することができる。来場者端末装置5は、例えば「いいね」ボタンの押下などによって対象への評価が入力されると、その評価を情報提供サーバ1に送信する(ST225)。情報提供サーバ1は、一の来場者によって入力された一の対象への評価を受信した場合、当該来場者によって当該対象への評価が入力されたことを示す第1行動記録情報(図4B)を生成し、第1行動記録DB26に登録する(ST230)。
【0066】
さらに来場者は、情報提供サーバ1の専用ウェブページにおいて、参加者やイベント主催者などによって作成されたアンケートに回答することができる。来場者端末装置5は、例えば特定の対象(商品、サービスなど)に対するアンケートへの回答が入力されると、そのアンケートへの回答を情報提供サーバ1に送信する(ST235)。情報提供サーバ1は、一の来場者によって入力された一のアンケートへの回答を受信した場合、当該来場者によって当該アンケートへの回答が入力されたことを示す第1行動記録情報(図4B)を生成し、第1行動記録DB26に登録する(ST240)。
【0067】
情報提供サーバ1は、イベントの各参加者に対して、来場者の特定の行動(対象となる商品やサービスなどへの直接的な関心を示す行動)についての問合せを行う(ST245)。例えば情報提供サーバ1は、イベントが終了した後、特定の行動があった来場者についての情報の提供を依頼する電子メールなどをイベントの各参加者に送信する。情報提供サーバ1は、この問合せに対する回答を参加者端末装置6から受信すると(ST250)、受信した回答に基づいて第2行動記録情報(図4C)を生成し、第2行動記録DB27に登録する(ST255)。
【0068】
次に、イベントにおける各来場者の所定の行動を記録した第1行動記録DB26の第1行動記録情報に基づいて、来場者の関心や積極性に関する指標を算出する処理について説明する。
【0069】
以下の説明では、1以上の対象(商品、サービスなど)に対する1以上の来場者の関心の度合いを「関心度」と呼ぶ。また、イベントにおいて1以上の対象の情報を得ることに対する1以上の来場者の積極性の度合いを「積極度」と呼ぶ。
【0070】
情報提供サーバ1は、第1行動記録DB26の第1行動記録情報に基づいて、例えば次の(1)~(6)の指標を算出する。
【0071】
(1)第1関心指標
第1関心指標は、一の対象に対する一の来場者の関心度を示す指標である。情報提供サーバ1は、来場者DB21に登録される複数の来場者と対象DB23に登録される複数の対象との複数の組み合わせについて、それぞれ第1関心指標を算出する。
【0072】
(2)第1積極性指標
第1積極性指標は、イベントにおいて対象(特定の対象に限定されない任意の対象)の情報を得ることに対する一の来場者の積極度を示す指標である。情報提供サーバ1は、来場者DB21に登録される複数の来場者について、それぞれ第1積極性指標を算出する。
【0073】
(3)第2関心指標
第2関心指標は、一の参加者に関連した一の対象に対する来場者全体の関心度を示す指標である。情報提供サーバ1は、対象DB23に登録される複数の対象について、それぞれ第2関心指標を算出する。
【0074】
(4)第2積極性指標
第2積極性指標は、一の参加者に関連した対象(特定の対象に限定されない任意の対象)の情報を得ることに対する来場者全体の積極度を示す指標である。情報提供サーバ1は、参加者DB22に登録される複数の参加者について、それぞれ第2積極性指標を算出する。
【0075】
(5)第3関心指標
第3関心指標は、対象を分類する所定の複数のカテゴリ(商品のカテゴリ、サービスのカテゴリ、技術分野のカテゴリなど)における一のカテゴリに対する来場者全体の関心度を示す指標である。情報提供サーバ1は、対象DB23の対象情報(図3C)が示す対象の複数のカテゴリについて、それぞれ第3関心指標を算出する。
【0076】
(6)第3積極性指標
第3積極性指標は、イベントにおいて対象(特定の対象に限定されない任意の対象)の情報を得ることに対する来場者全体の積極度を示す指標である。
【0077】
情報提供サーバ1は、これらの指標を算出すると、参加者端末装置6や関係者端末装置7からの要求に応じて指標の算出結果を提供する。これにより、イベントの参加者や関係者は、来場者の行動の分析により得られた関心度の指標や積極度の指標を参考にして、営業やマーケティングの戦略を立てることが可能となる。
【0078】
図8Aは、第1関心指標を算出する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
ステップST310は、情報取得工程の一例である。
ステップST315は、パラメータ算出工程の一例である。
ステップST320は、指標算出工程の一例である。
【0079】
情報提供サーバ1は、来場者DB21に登録された最初の一の来場者を選択するとともに(ST300)、対象DB23に登録された最初の一の対象を選択する(ST305)。情報提供サーバ1は、選択した一の来場者と選択した一の対象とに関連する第1行動記録情報を第1行動記録DB26から取得する(ST310)。すなわち情報提供サーバ1は、選択した一の来場者の来場者IDと、選択した一の対象の対象IDとを含む第1行動記録情報を第1行動記録DB26から取得する。
【0080】
情報提供サーバ1は、ステップST310において取得した第1行動記録情報に基づいて、複数の第1関心パラメータを算出する(ST315)。第1関心パラメータは、一の対象に対する一の来場者の関心度に関連したパラメータである。
【0081】
展示会のイベントの場合、情報提供サーバ1は、例えば次に記載するようなパラメータの少なくとも一部を第1関心パラメータとして算出する。
・一の対象に関連するコンテンツの閲覧回数
・一の対象に関連するコンテンツのダウンロードの回数
・一の対象に関連するコンテンツのメール転送の回数
・一の対象に対する評価(ウェブサイトにおける「いいね」ボタンの押下の有無など)
・一の対象に関するアンケートの回答の有無
・一の対象に関するコメントの記入の有無
・一の対象の展示場所に滞在した時間
(例)一の対象の展示場所に設置される来場者検知装置8Aで被検知操作を行った時刻から、次の来場者検知装置8Aで被検知操作を行った時刻までの経過時間
【0082】
情報提供サーバ1は、ステップST315において算出した複数の第1関心パラメータに基づいて、第1関心指標を算出する(ST320)。例えば情報提供サーバ1は、ステップST315において算出した複数の第1関心パラメータの各々に重み係数を乗じて得られる複数の積の和を第1関心指標として算出する。
【0083】
ステップST315において算出した(n+1)個のパラメータ(第1関心パラメータ)を「P0」,「P1」,…,「Pk」,…,「Pn」とし(kは0≦k≦nを満たす整数を示す。)、パラメータPkに乗ぜられる重み係数を「Wk」とし、指標(第1関心指標)を「I」とした場合、指標Iは次の式(1)で表される。
【0084】
【数1】
【0085】
情報提供サーバ1は、次に選択すべき対象があれば(ST325のYes)、その次の対象を選択して(ST330)、ステップST310以降の処理を繰り返す。他方、情報提供サーバ1は、ステップST325において次に選択すべき対象がない場合(ST325のNo)、次に選択すべき来場者があれば(ST335のYes)、その次の来場者を選択して(ST340)、ステップST305以降の処理を繰り返す。ステップST335において次に選択すべき来場者がない場合(ST335のNo)、情報提供サーバ1は第1関心指標の算出処理を終了する。
【0086】
本実施形態によれば、複数の来場者と複数の対象との各組み合わせについて、一の対象に対する一の来場者の関心度を示す第1関心指標が算出される。これにより、注目した対象に対する関心度の高い来場者を見つけ出すことが可能になるため、個々の来場者をターゲットにした営業の戦略を立て易くなる。
【0087】
図8Bは、第1積極性指標を算出する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
ステップST365は、情報取得工程の一例である。
ステップST370は、パラメータ算出工程の一例である。
ステップST375は、指標算出工程の一例である。
【0088】
情報提供サーバ1は、来場者DB21に登録された最初の一の来場者を選択し(ST360)、この選択した来場者に関連する第1行動記録情報を第1行動記録DB26から取得する(ST365)。すなわち情報提供サーバ1は、選択した一の来場者の来場者IDを含む第1行動記録情報を第1行動記録DB26から取得する。
【0089】
情報提供サーバ1は、ステップST365において取得した第1行動記録情報に基づいて、複数の第1積極性パラメータを算出する(ST370)。第1積極性パラメータは、イベントにおいて対象(特定の対象に限定されない任意の対象)の情報を得ることに対する一の来場者の積極度に関連したパラメータである。
【0090】
展示会のイベントの場合、情報提供サーバ1は、例えば次に記載するようなパラメータの少なくとも一部を第1積極性パラメータとして算出する。
・被検知操作を行った対象(来場者検知装置8A)の数
・コンテンツの閲覧回数
・コンテンツのダウンロードの回数
・コンテンツのメール転送の回数
・対象に対する評価の回数
・アンケートに回答した回数
・コメントを記入した回数
・イベントの会場に滞在した時間
(例)最初の被検知操作の時刻から最後の被検知操作の時刻までの経過時間
【0091】
情報提供サーバ1は、ステップST370において算出した複数の第1積極性パラメータに基づいて、第1積極性指標を算出する(ST375)。例えば情報提供サーバ1は、ステップST370において算出した複数のパラメータPk(第1積極性パラメータ)の各々に重み係数Wkを乗じて得られる複数の積の和(式(1))を指標I(第1積極性指標)として算出する。
【0092】
本実施形態によれば、イベントにおいて対象の情報を得ることに対する一の来場者の積極度を示す第1積極性指標が、複数の来場者の各々について算出される。これにより、全来場者の中から積極度の高い来場者を見つけ出すことが可能になるため、個々の来場者をターゲットにした営業の戦略を立て易くなる。
【0093】
図9Aは、第2関心指標を算出する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
ステップST410は、情報取得工程の一例である。
ステップST415は、パラメータ算出工程の一例である。
ステップST420は、指標算出工程の一例である。
【0094】
情報提供サーバ1は、参加者DB22に登録された最初の一の参加者を選択するとともに(ST400)、対象DB23に登録された最初の一の対象を選択する(ST405)。情報提供サーバ1は、選択した一の参加者と選択した一の対象とに関連する第1行動記録情報を第1行動記録DB26から取得する(ST410)。すなわち情報提供サーバ1は、選択した一の参加者の参加者IDと、選択した一の対象の対象IDとを含む第1行動記録情報を第1行動記録DB26から取得する。
【0095】
情報提供サーバ1は、ステップST410において取得した第1行動記録情報に基づいて、複数の第2関心パラメータを算出する(ST415)。第2関心パラメータは、一の参加者に関連した一の対象に対する来場者全体の関心度に関連したパラメータである。
【0096】
展示会のイベントの場合、情報提供サーバ1は、例えば次に記載するようなパラメータの少なくとも一部を第2関心パラメータとして算出する。
・一の対象の来場者検知装置8Aに対して被検知操作を行った来場者の数
(例1)被検知操作を行った全来場者の数
(例2)複数の時間帯の各々において、被検知操作を行った来場者の数
・一の対象に関連するコンテンツを閲覧した来場者の数
・一の対象に関連するコンテンツをダウンロードした来場者の数
・一の対象に関連するコンテンツのメール転送を行った来場者の数
・一の対象に対して評価(「いいね」ボタンの押下)を行った来場者の数
・一の対象に関するアンケートに回答した来場者の数
・一の対象に関するコメントを記入した来場者の数
・一の対象の展示場所に来場者が滞在した時間の平均値
(例)一の対象の展示場所に設置される来場者検知装置8Aで被検知操作を行った時刻から、次の来場者検知装置8Aで被検知操作を行った時刻までの経過時間の平均値
【0097】
情報提供サーバ1は、ステップST415において算出した複数の第2関心パラメータに基づいて、第2関心指標を算出する(ST420)。例えば情報提供サーバ1は、ステップST370において算出した複数のパラメータPk(第2関心パラメータ)の各々に重み係数Wkを乗じて得られる複数の積の和(式(1))を指標I(第2関心指標)として算出する。
【0098】
情報提供サーバ1は、次に選択すべき対象があれば(ST425のYes)、その次の対象を選択して(ST430)、ステップST410以降の処理を繰り返す。他方、情報提供サーバ1は、ステップST425において次に選択すべき対象がない場合(ST425のNo)、次に選択すべき参加者があれば(ST435のYes)、その次の参加者を選択して(ST440)、ステップST405以降の処理を繰り返す。ステップST435において次に選択すべき参加者がない場合(ST435のNo)、情報提供サーバ1は第2関心指標の算出処理を終了する。
【0099】
本実施形態によれば、複数の対象の各々について、一の対象に対する来場者全体の関心度を示す第2関心指標が算出される。これにより、各対象に対する来場者の全体的な関心度の傾向を把握することが可能になるため、個々の対象についての営業戦略やマーケティング戦略を立て易くなる。
【0100】
図9Bは、第2積極性指標を算出する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
ステップST465は、情報取得工程の一例である。
ステップST470は、パラメータ算出工程の一例である。
ステップST475は、指標算出工程の一例である。
【0101】
情報提供サーバ1は、参加者DB22に登録された最初の一の参加者を選択し(ST460)、この選択した参加者に関連する第1行動記録情報を第1行動記録DB26から取得する(ST465)。すなわち情報提供サーバ1は、選択した一の参加者の参加者IDを含む第1行動記録情報を第1行動記録DB26から取得する。
【0102】
情報提供サーバ1は、ステップST465において取得した第1行動記録情報に基づいて、複数の第2積極性パラメータを算出する(ST470)。第2積極性パラメータは、一の参加者に関連した対象(特定の対象に限定されない任意の対象)の情報を得ることに対する来場者全体の積極度に関連したパラメータである。
【0103】
展示会のイベントの場合、情報提供サーバ1は、例えば次に記載するようなパラメータの少なくとも一部を第2積極性パラメータとして算出する。
・一の参加者の対象(来場者検知装置8A)に対して被検知操作を行った来場者の数
(例1)被検知操作を行った全来場者の数
(例2)複数の時間帯の各々において、被検知操作を行った来場者の数
・一の参加者のコンテンツを閲覧した来場者の数
・一の参加者のコンテンツをダウンロードした来場者の数
・一の参加者のコンテンツについてメール転送を行った来場者の数
・一の参加者の対象に対して評価(「いいね」ボタンの押下)を行った来場者の数
・一の参加者によるアンケートに回答した来場者の数
・一の参加者の対象に関するコメントを記入した来場者の数
・一の参加者の展示場所に来場者が滞在した時間の平均値
(例)一の対象の展示場所に設置される来場者検知装置8Aで被検知操作を行った時刻から、次の来場者検知装置8Aで被検知操作を行った時刻までの経過時間の平均値
・一の参加者の対象(来場者検知装置8A)に対して被検知操作を行った来場者がイベントの会場に滞在した時間の平均値
(例)最初の被検知操作の時刻から最後の被検知操作の時刻までの経過時間の平均値
【0104】
情報提供サーバ1は、ステップST470において算出した複数の第2積極性パラメータに基づいて、第2積極性指標を算出する(ST475)。例えば情報提供サーバ1は、ステップST470において算出した複数のパラメータPk(第2積極性パラメータ)の各々に重み係数Wkを乗じて得られる複数の積の和(式(1))を指標I(第2積極性指標)として算出する。
【0105】
本実施形態によれば、複数の参加者の各々について、一の参加者に関連した対象(商品、サービスなど)の情報を得ることに対する来場者全体の積極度を示す第2積極性指標が算出される。これにより、一の参加者に関連した対象に対する来場者の全体的な積極度の傾向を把握することが可能になるため、参加者ごとに対象の全体についての営業戦略やマーケティング戦略を立て易くなる。
【0106】
図10Aは、第3関心指標を算出する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
ステップST505は、情報取得工程の一例である。
ステップST510は、パラメータ算出工程の一例である。
ステップST515は、指標算出工程の一例である。
【0107】
情報提供サーバ1は、対象を分類する複数のカテゴリの1つを選択し(ST500)、選択したカテゴリに関連する第1行動記録情報を第1行動記録DB26から取得する(ST505)。すなわち情報提供サーバ1は、選択したカテゴリに分類されることが対象情報(図3C)に登録されている対象を特定し、特定した対象の対象IDを含む第1行動記録情報を第1行動記録DB26から取得する。
【0108】
情報提供サーバ1は、ステップST505において取得した第1行動記録情報に基づいて、複数の第3関心パラメータを算出する(ST510)。第3関心パラメータは、一のカテゴリに対する来場者全体の関心度に関連するパラメータである。少なくとも一部の第3関心パラメータは、一のカテゴリに分類された一群の対象に対する来場者全体の関心度に関連する。
【0109】
展示会のイベントの場合、情報提供サーバ1は、例えば次に記載するようなパラメータの少なくとも一部を第3関心パラメータとして算出する。
・一のカテゴリの対象(来場者検知装置8A)に対して被検知操作を行った来場者の数
(例1)被検知操作を行った全来場者の数
(例2)複数の時間帯の各々において、被検知操作を行った来場者の数
・一のカテゴリのコンテンツを閲覧した来場者の数
・一のカテゴリのコンテンツをダウンロードした来場者の数
・一のカテゴリのコンテンツについてメール転送を行った来場者の数
・一のカテゴリの対象に対して評価(「いいね」ボタンの押下)を行った来場者の数
・一のカテゴリの対象に関するアンケートに回答した来場者の数
・一のカテゴリの対象に関するコメントを記入した来場者の数
・一のカテゴリの対象の展示場所に来場者が滞在した時間の平均値
(例)一の対象の展示場所に設置される来場者検知装置8Aで被検知操作を行った時刻から、次の来場者検知装置8Aで被検知操作を行った時刻までの経過時間の平均値
・一のカテゴリの対象(来場者検知装置8A)に対して被検知操作を行った来場者がイベントの会場に滞在した時間の平均値
(例)最初の被検知操作の時刻から最後の被検知操作の時刻までの経過時間の平均値
・一のカテゴリに分類される対象を出展した参加者の数
【0110】
情報提供サーバ1は、ステップST510において算出した複数の第3関心パラメータに基づいて、第3関心指標を算出する(ST515)。例えば情報提供サーバ1は、ステップST510において算出した複数のパラメータPk(第3関心パラメータ)の各々に重み係数Wkを乗じて得られる複数の積の和(式(1))を指標I(第3関心指標)として算出する。
【0111】
本実施形態によれば、対象(商品、サービスなど)を分類する複数のカテゴリの各々について、カテゴリに対する来場者の関心度を示す第3関心指標が算出される。これにより、各カテゴリに対する来場者の関心度を把握できるため、イベントの主催者は、どのようなイベントを開催するかについての方針を立て易くなる。
【0112】
図10Bは、第3積極性指標を算出する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
ステップST560は、情報取得工程の一例である。
ステップST565は、パラメータ算出工程の一例である。
ステップST570は、指標算出工程の一例である。
【0113】
情報提供サーバ1は、第1行動記録DB26に登録された複数の第1行動記録情報を取得し(ST560)、取得した複数の第1行動記録情報に基づいて、イベントにおける来場者全体の積極度に関する第3積極性パラメータを算出する(ST565)。
【0114】
展示会のイベントの場合、情報提供サーバ1は、例えば次に記載するようなパラメータの少なくとも一部を第3積極性パラメータとして算出する。
・イベントにおいて被検知操作を行った来場者の数
(例1)被検知操作を行った全来場者の数
(例2)複数の時間帯の各々において、被検知操作を行った来場者の数
・コンテンツを閲覧した来場者の数
・コンテンツをダウンロードした来場者の数
・コンテンツについてメール転送を行った来場者の数
・対象に対して評価(「いいね」ボタンの押下)を行った来場者の数
・アンケートに回答した来場者の数
・対象に関するコメントを記入した来場者の数
・展示場所に来場者が滞在した時間の平均値
(例)一の対象の展示場所に設置される来場者検知装置8Aで被検知操作を行った時刻から、次の来場者検知装置8Aで被検知操作を行った時刻までの経過時間の平均値
・来場者がイベントの会場に滞在した時間の平均値
(例)最初の被検知操作の時刻から最後の被検知操作の時刻までの経過時間の平均値
・イベントに出展した参加者の数
【0115】
情報提供サーバ1は、ステップST565において算出した複数の第3積極性パラメータに基づいて、第3積極性指標を算出する(ST570)。例えば情報提供サーバ1は、ステップST565において算出した複数のパラメータPk(第3積極性パラメータ)の各々に重み係数Wkを乗じて得られる複数の積の和(式(1))を指標I(第3積極性指標)として算出する。
【0116】
本実施形態によれば、イベントにおける来場者全体の積極度を示す第3積極性指標が算出されるため、イベントの主催者は、どのようなイベントを開催するかについての方針を立て易くなる。
【0117】
以上説明したように、本実施形態によれば、来場者の関心度や積極度に関する指標が第1行動記録情報に基づいて算出されるため、展示会などのイベントにおける来場者の行動に関する情報を営業活動などへ有効に活用することができる。
【0118】
次に、式(1)に基づいて第1関心指標(I)を求める際に用いられる重み係数(W0,…,Wk,…Wn)の算出方法の一例について、図11のフローチャートを参照して説明する。
ステップST610は、本発明における第2情報取得工程の一例である。
ステップST615は、本発明における指数評価値算出工程の一例である。
ステップST645は、本発明における重み係数算出工程の一例である。
【0119】
情報提供サーバ1は、来場者DB21に登録された最初の一の来場者を選択するとともに(ST600)、対象DB23に登録された最初の一の対象を選択する(ST605)。情報提供サーバ1は、選択した一の来場者と選択した一の対象とに関連する第2行動記録情報(図4C)を第2行動記録DB27から取得する(ST610)。すなわち情報提供サーバ1は、選択した一の来場者の来場者IDと、選択した一の対象の対象IDとを含む第2行動記録情報を第2行動記録DB27から取得する。
【0120】
情報提供サーバ1は、ステップST610において取得した複数の第2行動記録情報に基づいて、第1関心指標(一の対象に対して一の来場者が持つ関心度を示す指標)の大きさに応じた指標評価値を算出する(ST615)。指標評価値は、一の対象について一の来場者が行った特定の行動(対象への来場者の関心を直接的に示す行動)の回数や、特定の行動が実施された期間に応じた値を持つ。
【0121】
例えば、情報提供サーバ1は、一の来場者が一の対象(商品など)を購入した場合、指標評価値を所定の最大値とし、一の来場者が一の対象について営業スタッフと1回以上面談したが購入に至っていない場合、指標評価値を最大値より小さい中間値とし、これらの行動(購入、面談)が無かった場合、指標評価値をゼロとする。この場合、情報提供サーバ1は、イベントの開催日から営業スタッフとの面談日までの期間の長さに応じて、中間値を変化させてもよい。
【0122】
情報提供サーバ1は、次に選択すべき対象があれば(ST620のYes)、その次の対象を選択して(ST625)、ステップST610以降の処理を繰り返す。他方、情報提供サーバ1は、ステップST620において次に選択すべき対象がない場合(ST620のNo)、次に選択すべき来場者があれば(ST630のYes)、その次の来場者を選択して(ST635)、ステップST605以降の処理を繰り返す。ステップST630において次に選択すべき来場者がない場合(ST630のNo)、情報提供サーバ1は、重み係数を算出する処理(ST640~ST655)に移行する。
【0123】
ここでは、第1関心指標(I)を求める際に用いられる一群の第1関心パラメータ(P0,…,Pk,…Pn)を「第1関心パラメータ群」と呼び、第1関心パラメータ群に乗ぜられる一群の重み係数(W0,…,Wk,…Wn)を「重み係数群」と呼ぶ。情報提供サーバ1は、ステップST640~ST655の処理において、対象ごとに1つの重み係数群を算出する。すなわち情報提供サーバ1は、同じ1つの対象について異なる来場者の第1関心指標を算出する場合、この1つの対象について算出した同一の重み係数群を用いて第1関心指標を算出する。
【0124】
まず情報提供サーバ1は、対象DB23に登録された最初の一の対象を選択し(ST640)、選択した一の対象に対応する第1関心指標について、第1関心パラメータ群(P0,…,Pk,…Pn)に乗ぜられる重み係数群(W0,…,Wk,…Wn)を算出する(ST645)。
【0125】
情報提供サーバ1は、ステップST640で選択した一の対象に対応する一の重み係数群を算出する場合、当該一の対象と複数の来場者との複数の組み合わせについて算出される複数の指標評価値(ST615)と、当該一の対象と複数の来場者との複数の組み合わせについて算出される複数の第1関心指標(ST320)との相関性が高くなるように、重み係数群を算出する。すなわち情報提供サーバ1は、一の対象についての指標評価値が大きい(関心度が高い)来場者ほど、その来場者について算出される第1関心指標の値も大きくなる(高い関心度を示す)ように重み係数群を算出する。
【0126】
例えば、一の対象についてK人の来場者の指標評価値が算出され(ST615)、これと同一の対象についてK人の来場者の第1関心パラメータ群が算出されたものとする(ST315)。この場合、情報提供サーバ1は、K人の来場者について算出されたK個の第1関心パラメータPkと、K人の来場者について算出されたK個の指標評価値との相関係数ρkに基づいて、第1関心パラメータPkに乗ぜられる重み係数Wkを算出してもよい。相関係数ρkは、K個の第1関心パラメータPkとK個の指標評価値との共分散Ck、K個の第1関心パラメータPkの標準偏差σk、及び、K個の指標評価値の標準偏差σを用いて、ρk=Ck/(σk×σ)により計算される。例えば情報提供サーバ1は、相関係数ρkに比例した重み係数Wkを算出してもよい。これにより、指標評価値と第1関心パラメータPkとの相関性が高いほど、第1関心パラメータPkに乗ぜられる重み係数Wkが大きくなるため、式(1)により算出される第1関心指標Iの値も、指標評価値との相関性が高くなる。
【0127】
情報提供サーバ1は、次に選択すべき対象があれば(ST650のYes)、その次の対象を選択して(ST655)、ステップST645以降の処理を繰り返す。他方、情報提供サーバ1は、ステップST650において次に選択すべき対象がない場合(ST650のNo)、重み係数の算出処理を終了する。
【0128】
本実施形態によれば、来場者による特定の行動(対象への来場者の関心を直接的に示す行動)の記録に基づいて重み係数(W0,…,Wk,…Wn)が算出されるため、より精度の高い第1関心指標を算出することができる。
【0129】
(変形例)
次に、本実施形態に係る情報提供サーバ1の一変形例について説明する。
この変形例において、情報提供サーバ1は、予め生成された学習済みモデルを用いて第1関心指標を算出する。すなわち、この変形例では、複数の対象の各々について一の学習済みモデルが予め生成される。一の対象に対応する一の学習済みモデルは、当該一の対象と一の来場者との組み合わせについて与えられた第1関心パラメータ群から、当該一の対象に対する当該一の来場者の関心度を示す第1関心指標を推定するように生成されている。
【0130】
情報提供サーバ1は、図8AのステップST320において、この学習済みモデルを用いて第1関心指標を算出する。すなわち、情報提供サーバ1は、ステップST315において一の対象と一の来場者との組み合わせについて算出された第1関心パラメータ群を、この一の対象に対応する学習済みモデルに適用することにより、当該一の対象に対する当該一の来場者の関心度を示した第1関心指標を推定する。
【0131】
図12は、この変形例において、複数の対象に対応する複数の学習済みモデルを生成する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
ステップST710は、本発明における第2情報取得工程の一例である。
ステップST715は、本発明における正解値算出工程の一例である。
ステップST745は、本発明におけるモデル生成工程の一例である。
【0132】
情報提供サーバ1は、来場者DB21に登録された最初の一の来場者を選択するとともに(ST700)、対象DB23に登録された最初の一の対象を選択する(ST705)。情報提供サーバ1は、選択した一の来場者と選択した一の対象とに関連する第2行動記録情報(図4C)を第2行動記録DB27から取得する(ST710)。すなわち情報提供サーバ1は、選択した一の来場者の来場者IDと、選択した一の対象の対象IDとを含む第2行動記録情報を第2行動記録DB27から取得する。
【0133】
情報提供サーバ1は、ステップST610において取得した複数の第2行動記録情報に基づいて、第1関心指標の正解値を算出する(ST715)。第1関心指標の正解値は、一の対象について値を持つ。一の対象に対応する学習済みモデルは、この一の対象について一の来場者が行った特定の行動(対象への来場者の関心を直接的に示す行動)の回数や、特定の行動が実施された期間に応じた正解値を持つ第1関心指標を推定する。情報提供サーバ1は、学習済みモデルにおいて推定されるべきこの正解値を第2行動記録情報に基づいて算出する。
【0134】
情報提供サーバ1は、次に選択すべき対象があれば(ST720のYes)、その次の対象を選択して(ST725)、ステップST710以降の処理を繰り返す。他方、情報提供サーバ1は、ステップST720において次に選択すべき対象がない場合(ST720のNo)、次に選択すべき来場者があれば(ST730のYes)、その次の来場者を選択して(ST735)、ステップST705以降の処理を繰り返す。ステップST730において次に選択すべき来場者がない場合(ST730のNo)、情報提供サーバ1は、学習済みモデルを生成する処理(ST740~ST755)に移行する。
【0135】
情報提供サーバ1は、対象DB23に登録された最初の一の対象を選択し(ST740)、選択した一の対象に対応する学習済みモデルを生成する(ST745)。
【0136】
ここで、一の対象に対応する一の学習済みモデルを生成する場合、ステップST315(図8A)において当該一の対象と複数の来場者との複数の組み合わせについて算出した複数組の第1関心パラメータ群をそれぞれ説明変数と呼び、ステップST715において算出した当該一の対象と複数の来場者との複数の組み合わせに対応する複数の第1関心指標の正解値をそれぞれ目的変数と呼び、同一の来場者に対応する一の説明変数と一の目的変数との組み合わせを教師データと呼ぶ。この場合、情報提供サーバ1は、複数の教師データ(説明変数(第1関心パラメータ群)と目的変数(第1関心指標の正解値)との組み合わせ)に基づいて、当該一の対象に対応する学習済みモデルを生成する。学習済みモデルの生成には、公知の教師あり機械学習アルゴリズム(線形回帰、ロジスティック回帰、サポートベクターマシン、決定木、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク、ナイーブベイズなど)を用いることができる。
【0137】
情報提供サーバ1は、次に選択すべき対象があれば(ST750のYes)、その次の対象を選択して(ST755)、ステップST745以降の処理を繰り返す。他方、情報提供サーバ1は、ステップST650において次に選択すべき対象がない場合(ST750のNo)、学習済みモデルの生成処理を終了する。
【0138】
本実施形態によれば、来場者による特定の行動(対象への来場者の関心を直接的に示す行動)の記録に基づいて、第1関心指標を推定する学習済みモデルが生成されるため、より多くの第1行動記録情報及び第2行動記録情報を収集することにより、精度の高い第1関心指標を算出することが可能となる。
【0139】
なお、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、種々のバリエーションを含んでいる。
【0140】
例えば、上述した実施形態では情報提供サーバ1において来場者の行動記録を収集する処理と行動記録を分析して関心度や積極度を数値化する処理が行われているが、本発明はこの例に限定されない。本発明の他の実施形態では、来場者の行動記録を収集する処理と行動記録を分析する処理とを別のコンピュータ(情報処理装置)において実行させてもよい。
【符号の説明】
【0141】
1…情報提供サーバ、11…通信部、12…記憶部、121…プログラム、13…処理部、2…記憶装置、21…来場者DB、22…参加者DB、23…対象DB、24…コンテンツDB、25…検知装置DB、26…第1行動記録DB、27…第2行動記録DB、28…コンテンツ、3…主催者サーバ、5…来場者端末装置、6…参加者端末装置、7…関係者端末装置、8A…来場者検知装置、8B…ID読み取り装置、9…通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12