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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062430
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】半導体装置及び半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20240501BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
H01L23/12 F
H01L23/12 B
H01L25/08 Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170240
(22)【出願日】2022-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100176599
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100205095
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 啓一
(74)【代理人】
【識別番号】100208775
【弁理士】
【氏名又は名称】栗田 雅章
(72)【発明者】
【氏名】岡田 恵治
(57)【要約】
【課題】本発明の一実施形態では、基板上の配置の自由度を高めることが可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】本発明の実施形態によれば、半導体装置は、基板と、スペーサと、第1部材と、を備える。スペーサは、基板上に設けられ、基板に対向する第1面と、第1面と反対の面である第2面と、第2面となす角度が0度より大きく90度未満である少なくとも一部を有する第3面と、を含む。第1部材は、基板上に設けられ、基板からスペーサに向かう第1方向から見た場合、スペーサと少なくとも一部が重複し、かつスペーサと接しない。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられ、前記基板に対向する第1面と、前記第1面と反対の面である第2面と、前記第2面となす角度が0度より大きく90度未満である少なくとも一部を有する第3面と、を含むスペーサと、
前記基板上に設けられ、前記基板から前記スペーサに向かう第1方向から見た場合、前記スペーサと少なくとも一部が重複し、かつ前記スペーサと接しない第1部材と、
を備える半導体装置。
【請求項2】
前記第1面は前記第2面より小さい請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1方向と交差する第2方向から見た場合、前記スペーサは台形である請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記角度は、30度以上であり90度未満である請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1方向と交差する第2方向から見た場合、前記スペーサは平行四辺形である請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
基板と、
前記基板の上方に設けられ、前記基板に対向する第1面と、前記第1面と反対の面であり、前記第1面より大きい第2面と、前記第1面から前記第2面に向かう第1方向に延伸する第3面と、を含むスペーサと、
前記第1方向から見た場合、前記スペーサと少なくとも一部が重複し、前記スペーサと接しない第1部材と、
を備える半導体装置。
【請求項7】
前記スペーサは、前記第1方向と交差する第2方向から見た場合、L字型又はT字型である請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記スペーサは、前記基板上に設けられ、かつ前記第1面を有する第1スペーサと、前記第1スペーサの上方に設けられ、かつ前記第2面を有する第2スペーサと、を含む請求項6に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1方向において、前記第1スペーサの厚さは前記第2スペーサの厚さよりも大きい請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第2スペーサの前記第3面は、段差又は前記第2面に対して0度より大きく90度未満である角度を有する請求項8に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第1部材は、コンデンサ、金属ワイヤ、及び樹脂のいずれかである請求項1又は請求項6に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記スペーサは、樹脂、シリコン、セラミックス、及び金属のいずれかを含む請求項1又は請求項6に記載の半導体装置。
【請求項13】
第1方向となす角度が0度以上かつ90度未満の第1角度に傾けてスペーサをダイシングするステップと、
前記第1方向となす角度が0度以上かつ90度未満の第2角度に傾けて前記スペーサをさらにダイシングするステップと、
前記第1方向から見た場合に前記基板上に設けられた第1部材と少なくとも一部が重複し、かつ前記第1部材と接しない位置に前記ダイシングされたスペーサを設けるステップと、
を備える半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記ダイシングされたスペーサは、第1面及び、前記基板に対向し、前記第1面より大きい第2面を有する請求項13に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記第1角度は0度より大きく90度未満であり、
前記第2角度は0度より大きく60度以下、又は0度である、請求項13に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記第1角度は、0度より大きく60度以下であり、
前記第2角度は前記第1角度と同じ角度である、請求項15に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置では、基板の主面に半導体チップ及びスペーサが設けられ、スペーサの上方に複数の他の半導体チップが設けられることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5364750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一実施形態では、基板上の配置の自由度を高めることが可能な半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、半導体装置は、基板と、スペーサと、第1部材と、を備える。スペーサは、基板上に設けられ、基板に対向する第1面と、第1面と反対の面である第2面と、第2面となす角度が0度より大きく90度未満である少なくとも一部を有する第3面と、を含む。第1部材は、基板上に設けられ、基板からスペーサに向かう第1方向から見た場合、スペーサと少なくとも一部が重複し、かつスペーサと接しない。
【0006】
本発明の実施形態によれば、半導体装置の製造方法は、第1方向となす角度が0度以上かつ90度未満の第1角度に傾けてスペーサをダイシングするステップと、第1方向となす角度が0度以上かつ90度未満の第2角度に傾けてスペーサをさらにダイシングするステップと、第1方向から見た場合に基板上に設けられた第1部材と少なくとも一部が重複し、かつ第1部材と接しない位置にダイシングされたスペーサを設けるステップと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係る半導体装置の平面図。
図2】第1実施形態に係る半導体装置のII-II線に沿う断面図。
図3】第1実施形態に係るスペーサの製造方法を表す工程図。
図4】第1実施形態に係るスペーサの製造方法を表す工程図。
図5】第1実施形態に係るスペーサの製造方法を表す工程図。
図6】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を表す工程図。
図7】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を表す工程図。
図8】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を表す工程図。
図9】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を表す工程図。
図10】第1実施形態の変形例に係る半導体装置の平面図。
図11】第1実施形態の変形例に係る半導体装置の断面図。
図12】第2実施形態に係る半導体装置の平面図。
図13】第2実施形態に係る半導体装置のXIII-XIII線に沿う断面図。
図14】第3実施形態に係る半導体装置の平面図。
図15】第3実施形態に係る半導体装置のXV-XV線に沿う断面図。
図16】第3実施形態に係るスペーサの製造方法を表す工程図。
図17】第4実施形態に係る半導体装置のXVII-XVII線に沿う断面図。
図18】第4実施形態に係るスペーサの製造方法を表す工程図。
図19】第4実施形態に係るスペーサの製造方法を表す工程図。
図20】第4実施形態に係るスペーサの製造方法を表す工程図。
図21】第4実施形態に係るスペーサの製造方法を表す工程図。
図22】第4実施形態に係るスペーサの製造方法を表す工程図。
図23】第4実施形態に係るスペーサの製造方法を表す工程図。
図24】第4実施形態に係るスペーサの製造方法を表す工程図。
図25】第4実施形態に係るスペーサの製造方法の別の一例を表す工程図。
図26】第4実施形態に係るスペーサの製造方法の別の一例を表す工程図。
図27】第4実施形態に係るスペーサの製造方法の別の一例を表す工程図。
図28】第4実施形態の変形例1に係る半導体装置のXXVIII-XXVIII線に沿う断面図。
図29】第4実施形態の変形例2に係る半導体装置のXXIX-XXIX線に沿う断面図。
図30】第4実施形態の変形例2に係るスペーサの製造方法を表す工程図。
図31】第4実施形態の変形例2に係るスペーサの製造方法を表す工程図。
図32】第5実施形態に係る半導体装置のXXXII-XXXII線に沿う断面図。
図33】第5実施形態に係る半導体装置の製造方法を表す工程図。
図34】第5実施形態に係る半導体装置の製造方法を表す工程図。
図35】第5実施形態の変形例に係る半導体装置の基板の断面図。
図36】第6実施形態の変形例に係る半導体装置のXXXVI-XXXVI線に沿う断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明を実施するための実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図面は模式的なものであり、例えば厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる場合がある。また、実施形態において、実質的に同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0009】
X方向及びY方向は、後述する基板10の主面に沿う方向である。Y方向は、X方向と交差する方向である。Z方向は、X方向及びY方向と交差する方向であり、基板10の厚さ方向である。本実施形態では、Z方向は基板10の主面に対する鉛直方向に対応している。Z方向は、「第1方向」の一例である。X方向は、「第2方向」の一例である。Y方向は、「第3方向」の一例である。本実施形態の説明では、XZ平面における半導体装置1の断面図を例に挙げて説明するが、YZ平面における半導体装置1の断面図に対しても同様の構成とすることができるため、YZ平面における半導体装置1の断面図の説明は省略する。
【0010】
(第1実施形態)
本実施形態に係る半導体装置1は、図1及び図2に示すように、基板10、スペーサ20、半導体チップ30、半導体チップ40、ボンディングワイヤ50、部品60、封止樹脂70、及び外部電極80を備える。
【0011】
基板10上には、スペーサ20、半導体チップ30、及び部品60が設けられる。スペーサ20、半導体チップ30、及び部品60が設けられる面を基板10の主面とする。また、基板10のスペーサ20、半導体チップ30、及び部品60が設けられる面と反対の面に、外部電極80が設けられる。基板10の外部電極80が設けられる面を基板10の裏面とする。
【0012】
スペーサ20は、接着層25を含む。スペーサ20は、接着層25により基板10上に接着される。スペーサ20は、図1に示すように、半導体チップ30の周囲に設けられる。本実施形態では、半導体チップ30とX方向に並ぶ2つのスペーサ20xと、半導体チップ30とY方向に並ぶ2つのスペーサ20yと、合計4つのスペーサ20が設けられる。なお、スペーサ20の数は4つに限定されず、少なくとも一つのスペーサ20が半導体チップ30の周囲に設けられていれば良い。スペーサ20は、例えば、樹脂、シリコン、セラミックス、及び金属のいずれかを含む。本実施形態において、スペーサ20はシリコンを含む。接着層25は、例えばDAF(Die Attach Film)である。
【0013】
スペーサ20は、第1面20a、第2面20b、第3面20c、及び第4面20dを有する。第1面20aは、接着層25に接し、基板10に対向する面である。第2面20bは、第1面20aと反対の面である。また、第2面20bは、第1面20aよりも大きい。言い換えると、第1面20aは第2面20bよりも小さい。また、第1面20a及び第2面20bは略平行である。第3面20cは、第1面20a及び第2面20bと接する面である。また、第3面20cはZ方向に延伸する。第4面20dは、第1面20a及び第2面20bと接し、第3面20cと対向する面である。また、第4面20dは、X方向において第3面20cよりも半導体チップ30から遠い。第4面20dはZ方向に延伸する。また、第3面20cと第2面20bとの二つの面のなす角度θは、0度より大きく90度未満である。第4面20dと第2面20bとの二つの面のなす角度θは、0度より大きく90度未満である。なお、角度θは30度以上であり90度未満であればなお良い。角度θを30度以上とすることにより、スペーサ20の角が欠けてしまう可能性を抑制することができる。さらに、角度θは30度以上であり60度以下であればなお良い。角度θを60度以下とすることにより、第1面20aを第2面20bよりもより小さくすることができる。すなわち、本実施形態において、Y方向から見た場合、スペーサ20は第3面20c及び第4面20dに傾斜を含む台形である。
【0014】
半導体チップ30は、例えば、コントローラチップである。以降コントローラ30と称する。コントローラ30は、基板10上に設けられる。コントローラ30は、半導体チップ40を制御する。本実施形態において、コントローラ30の素子は、例えば基板10と対向する面に設けられる。すなわち、コントローラ30は基板10にフリップチップ実装されている。また、コントローラ30は、図2に示すように、例えば第1部材としての樹脂35により基板10上にさらに固定される。本実施形態において、樹脂35は、実装部品や接続部品を封止する樹脂のフィレット及びブリードである。樹脂35は、例えば、UF(Urea Formaldehyde Resin)、NCP(Non-ConductivePaste)、NCF(Non Crimp Fabric) である。また、樹脂35の少なくとも一部は、Z方向において、基板10とスペーサ20との間に設けられる。本実施形態において、スペーサ20の第3面20c側に設けられた樹脂35の少なくとも一部は、Z方向において、基板10とスペーサ20との間に設けられる。すなわち、Z方向から見た場合、樹脂35の少なくとも一部はスペーサ20と重複する。また、X方向において、樹脂35はスペーサ20とコントローラ30との間に設けられる。樹脂35は、スペーサ20と電気的に独立している。又は、樹脂35はスペーサ20と直接接しない。なお、第1部材としての樹脂35が無くても良い。また第1部材は、樹脂35に限定されず、コンデンサを含む実装部品及び金属ワイヤを含む接続部品であっても良い。例えば、ボンディングワイヤを用いてコントローラ30と基板10とが電気的に接続されている場合、第1部材はボンディングワイヤである。
【0015】
半導体チップ40は、スペーサ20の上方に設けられる。本実施形態では、半導体チップ40がZ方向に四つ積層されているが、スペーサ20の上方に少なくとも一つ設けられていれば良い。また、半導体チップ40は接着層45を含む。半導体チップ40は、接着層45によりスペーサ20又はZ方向下段の半導体チップ40に接着される。接着層45は、半導体チップ40をスペーサ20又はZ方向下段の半導体チップ40に接着するだけでなく、接着時に半導体チップ40にかかるストレスを軽減することが可能である。そのため、接着層45の厚さが大きいほどストレスを軽減することができる。一方で、接着層45の厚さが大きいほど、半導体装置1の厚さが大きくなってしまう可能性がある。本実施形態において、半導体チップ40は、例えばボンディングワイヤ50を用いて基板10及びコントローラ30と電気的に接続される。半導体チップ40は、例えば、NAND型フラッシュメモリのチップである。
【0016】
第1部材としての部品60は、例えば、コンデンサを含む実装部品、金属ワイヤを含む接続部品、及び実装部品や接続部品を封止する樹脂のフィレット及びブリードである。部品60の少なくとも一部は、Z方向において、基板10とスペーサ20との間に設けられる。本実施形態において、スペーサ20の第4面20d側に設けられた部品60の少なくとも一部は、Z方向において、基板10とスペーサ20との間に設けられる。すなわち、Z方向から見た場合、部品60の少なくとも一部はスペーサ20と重複する。また、X方向において、スペーサ20は、部品60とコントローラ30との間に設けられる。部品60は、スペーサ20と電気的に独立している。又は、部品60はスペーサ20と直接接しない。なお、第1部材としての部品60が無くても良い。また、図1において部品60を二つ図示しているが、部品60の配置や個数はこれに限定されない。
【0017】
封止樹脂70は、基板10、スペーサ20、コントローラ30、半導体チップ40、ボンディングワイヤ50、及び部品60等を封止する樹脂である。また、図2に示す基板10、スペーサ20、コントローラ30、最下段の半導体チップ40に囲まれたスペースSにも封止樹脂70が充填されている。封止樹脂70は、例えば、エポキシ樹脂を含む。封止樹脂70は、例えばMUF(MoldUnder Fill)であっても良い。
【0018】
外部電極80は、基板10の裏面に設けられる。外部電極80の一部は露出されており、半導体装置1の外部と電気的に接続することが可能である。
【0019】
図3から図5を用いて、本実施形態に係るスペーサ20の製造方法を説明する。スペーサ200は、主面200a及び主面200aの反対の面である裏面200bを含む。本実施形態において、スペーサ200はシリコンウェハである。なお、スペーサ200は、スペーサ20と同じ材料であれば良い。すなわち、スペーサ200は、例えば、樹脂、シリコン、セラミックス、及び金属のいずれかを含む。スペーサ200の主面200aに接着層25を設け、図3に示すように、接着層25が加工テーブル100と接するようにスペーサ200を加工テーブル100に載せる。なお、加工テーブル100上にあらかじめ接着層25が設けられ、スペーサ200の主面200aが接着層25と接するようにスペーサ200を加工テーブル100に載せても良い。
【0020】
図4に示すように、ブレード300を角度α傾けてスペーサ200をダイシングする。図5に示すように、ブレード300を角度-α傾けてスペーサ200をダイシングする。以上より、接着層25を含むスペーサ20が完成する。なお、図4及び図5の工程の順序は限定されず、図5の工程の後に図4の工程を行っても良い。
【0021】
なお、第3面20cと第2面20bとの二つの面のなす角度θ及び第4面20dと第2面20bとの二つの面のなす角度θは、ブレード300の傾きに基づき、以下の式が成り立つ。
θ=90-α ・・・(1)
したがって、ブレード300が取り得る角度αによって第3面20c及び第4面20dの第2面20bに対して取り得る角度θは変化する。角度αは、0度より大きく90度未満である。なお、角度αは0度より大きく60度以下であればなお良い。さらに、角度αは30度以上60度以下であればなお良い。
なお、角度α及び角度θは、スペーサ20の製造工程におけるブレード300の傾きの誤差を考慮した角度であっても良い。すなわち、ブレード300の傾き角度αが0度以上5度以下の場合、製造誤差とみなし、角度αは約0度であるとする。したがって、その場合に角度θが0度より大きく90度未満としたときは、実際には角度θは0度より大きく85度未満であることを意味する。
【0022】
図6から図9を用いて、本実施形態に係る半導体装置1の製造方法を説明する。
図6に示すように、基板10上にコントローラ30及び部品60を設ける。コントローラ30は樹脂35により基板10にさらに固定される。続いて、図7に示すように、基板10上にスペーサ20を設ける。例えば、第1面20aの接着層25を基板10に押し付けて、スペーサ20と基板10とを接着させる。これにより、Z方向において、部品60の少なくとも一部の上方に、スペーサ20が設けられる。図8に示すように、複数の半導体チップ40をスペーサ20の上方に設ける。例えば、半導体チップ40の接着層45をスペーサ20又はZ方向下段の半導体チップ40に押し付けて、半導体チップ40と、スペーサ20又はZ方向下段の半導体チップ40と、を接着させる。
【0023】
図9に示すように、半導体チップ40と基板10とを、ボンディングワイヤ50を用いて電気的に接続する。そして、基板10の主面のスペーサ20、コントローラ30、半導体チップ40、ボンディングワイヤ50、及び部品60を封止樹脂70で封止する。また、基板10の裏面に外部電極80を接合する。以上より、図2に示す本実施形態における半導体装置1が完成する。
【0024】
なお、複数の半導体チップ40を設ける工程と、ボンディングワイヤ50を用いて半導体チップ40と基板10とを電気的に接続する工程の順序はこれに限定されない。例えば、最下段の半導体チップ40をスペーサ20の上方に設けた後に、ボンディングワイヤ50を用いて最下段の半導体チップ40と基板10とを電気的に接続し、その後、その他の複数の半導体チップ40を最下段の半導体チップ40の上方に設けても良い。
【0025】
本実施形態によれば、スペーサ20をY方向から見て第3面20c及び第4面20dに傾斜を含む台形にしたことにより、基板10上の配置の自由度を高め、半導体装置1の厚さを薄くし、封止樹脂70の充填率を高めることができる。
【0026】
具体的には、スペーサ20の第1面20aを第2面20bよりも小さくしたことにより、スペーサ20はスペーサ20のX方向に設けられた第1部材との接触を回避しやすくなる。すなわち、Z方向から見た場合、スペーサ20とスペーサ20のX方向に設けられた部品60及び樹脂35とのマージンを小さくすることが可能である。したがって、基板10上の配置の自由度を高められる。例えば、スペーサ20の厚さを50um、ブレードの傾きの角度αを15度(第3面20cと第2面20bとの二つの面のなす角度θは75度)とした場合、第1面10aは第2面20bよりも約26.8um小さくすることができる。また、基板10自体を小さくすることも可能である。
また、スペーサ20の第2面20bを第1面20aよりも大きくしたことにより、半導体チップ40をスペーサ20に接着する際に、半導体チップ40へのストレスを軽減させることが可能である。そのため、接着層45の厚さを薄くすることができる。
さらに、スペーサ20の第1面20aを第2面20bよりも小さくしたことにより、スペースSが広がる。したがって、封止樹脂70の充填率を高めることが可能である。
【0027】
なお、本実施形態では、コントローラ30とスペーサ20とが並ぶ方向におけるスペーサ20の第3面20c及び第4面20dについて説明した。しかし、図10に示すように、スペーサ20の第1面20aから第4面20dの全てに接するスペーサ20の第5面及び第6面においても同様の構成であっても良い。すなわち、Z方向から見た場合、第1面20aの四辺が第2面20bの四辺よりもスペーサ20の中央側に位置していても良い。
【0028】
また、本実施形態において、スペーサ20上に半導体チップ40を設けた半導体装置1を説明したが、これに限定されない。図11に示すように、例えば、スペーサ20上にスペーサ90が設けられても良い。スペーサ90は接着層95を含む。スペーサ90は、接着層95によりスペーサ20上に設けられる。接着層95は、接着層45と同様にスペーサ90をスペーサ20に接着するだけでなく、接着時にスペーサ90にかかるストレスを軽減することが可能である。なお、スペーサ90は、例えば、樹脂、シリコン、セラミックス、及び金属のいずれかを含む。スペーサ20とスペーサ90は同じ材料であっても良いし、異なる材料であっても良い。
【0029】
(第2実施形態)
第1実施形態とは、スペーサ20のY方向からみた形状が異なる。
図12及び図13を用いて本実施形態に係る半導体装置1の構成を説明する。本実施形態において、半導体装置1は、スペーサ20の代わりにスペーサ120を備える。また、スペーサ120の基本的な構成はスペーサ20と同様である。ただし、接着層25の代わりに接着層125を含む。また、第1面20a、第2面20b、第3面20c及び第4面20dの代わりに第1面120a、第2面120b、第3面120c及び第4面120dを含む。
【0030】
本実施形態において、第1面120aと第2面120bとは略同じ面積である。第4面120dは、第3面120cと略平行である。第3面120cと第2面120bとの二つの面がなす角度θ及び第4面120dと第1面120aとの二つの面のなす角度θは、0度より大きく90度未満である。なお、角度θは30度以上であり90度未満であればなお良い。すなわち、本実施形態において、Y方向から見た場合、スペーサ120は平行四辺形である。
【0031】
樹脂35の少なくとも一部は、Z方向において、基板10とスペーサ120との間に設けられる。すなわち、Z方向から見た場合、樹脂35の少なくとも一部はスペーサ120と重複する。
【0032】
本実施形態に係るスペーサ120の製造方法は、図3及び図4と同様である。すなわち、図5の工程がないため第1実施形態よりも製造工程が少ない。また、本実施形態に係る半導体装置1の製造方法は、図6から図9と同様である。
【0033】
本実施形態によれば、スペーサ120をY方向から見て平行四辺形にしたことにより、第1実施形態と同様に基板10上の配置の自由度を高め、封止樹脂70の充填率を高めることができる。具体的には、スペーサ120は第3面120c側に設けられた第1部材との接触を回避しやすくなる。したがって、Z方向から見た場合、スペーサ120と樹脂35とのマージンを小さくすることが可能である。さらに、第1実施形態と比較して、スペーサ120の製造工程を減らすことができる。
【0034】
(第3実施形態)
第1実施形態とは、スペーサ20のY方向からみた形状が異なる。
図14及び図15を用いて本実施形態に係る半導体装置1の構成を説明する。本実施形態において、半導体装置1は、スペーサ20の代わりにスペーサ220を備える。また、スペーサ220の基本的な構成はスペーサ20と同様である。ただし、接着層25の代わりに接着層225を含む。また、第1面20a、第2面20b、第3面20c及び第4面20dの代わりに第1面220a、第2面220b、第3面220c及び第4面220dを含む。
【0035】
本実施形態において、第4面220dと第1面220aとの二つの面のなす角度は約90度である。第4面220dと第1面220aとの二つの面のなす角度は約90度である。すなわち、本実施形態において、Y方向から見た場合、スペーサ120は第4面220dに傾斜を含む台形である。
【0036】
樹脂35の少なくとも一部は、Z方向において、基板10とスペーサ20との間に設けられる。すなわち、Z方向から見た場合、樹脂35の少なくとも一部はスペーサ20と重複する。
【0037】
図16を用いて、本実施形態に係るスペーサ220の製造方法を説明する。図3及び図4の工程は第1実施形態と同様である。図4に続いて、図16に示すようにブレード300を傾けず(角度α=0°)にスペーサ220をダイシングする。以上より、スペーサ220が完成する。なお、図4及び図16の工程の順序はこれに限定されず、図16の工程の後に図4の工程を行っても良い。
【0038】
本実施形態によれば、スペーサ220をY方向から見て第4面220dに傾斜を含む台形にしたことにより、第1実施形態と同様に、基板10上の配置の自由度を高め、半導体装置1の厚さを薄くし、封止樹脂70の充填率を高めることができる。
【0039】
具体的には、スペーサ220の第1面220aを第2面220bよりも小さくしたことにより、第3面220c側に設けられた第1部材との接触を回避しやすくなる。すなわち、Z方向から見た場合、スペーサ220と樹脂35とのマージンを小さくすることが可能である。したがって、基板10上の配置の自由度を高められる。例えば、スペーサ20の厚さを50um、ブレード300の傾きの角度αを15度(第3面20cと第2面20bとの二つの面のなす角度θは75度)とした場合、第1面210aは第2面220bよりも約13.4um小さくすることができる。
【0040】
(第4実施形態)
第1実施形態とは、スペーサ20のY方向からみた形状が異なる。
図17を用いて本実施形態に係る半導体装置1の構成を説明する。本実施形態において、半導体装置1は、スペーサ20の代わりにスペーサ320を備える。また、スペーサ320の基本的な構成はスペーサ20と同様である。ただし、接着層25の代わりに接着層325を含む。また、第1面20a、第2面20b、第3面20c及び第4面20dの代わりに第1面320a、第2面320b、第3面320c及び第4面320dを含む。本実施形態において、第3面320cと第1面320aとの二つの面のなす角度は約90度である。第3面320c及と第1第2面320bとの二つの面のなす角度は約90度である。第4面320dと第1面320aとの二つの面のなす角度は約90度である。第4面320d及と第1第2面320bとの二つの面のなす角度は約90度である。
【0041】
また、スペーサ320は、第1部分320i及び第2部分320iiを含む。第1部分320iは、Z方向において基板10側に位置する。第1部分320iのX方向の長さは、第1面320aのX方向の長さと同じである。第2部分320iiは、第1部分320i上に位置する。第2部分320iiのX方向の長さは、第2面320bのX方向の長さと同じである。したがって、第1部分320iの方が第2部分320iiよりも、X方向の長さが短い。また、X方向において、第1部分320iのコントローラ30から一番遠い辺までの距離は、第2部分320iiのコントローラ30から一番遠い辺までの距離と略同じである。したがって、Y方向から見た場合、スペーサ320はL字型である。言い換えると、第3面320cは段差を有する。また、第1部分320iの厚さh1は第2部分320iiの厚さh2よりも大きい(h1>h2)。第1部分320iの厚さh1の方が第2部分320iiの厚さh2よりも大きいことにより、より樹脂35を回避しやすくなる。本実施形態において、例えば第1部分320iの厚さh1と第2部分320iiの厚さh2の比率は2:1である。
【0042】
樹脂35の少なくとも一部は、Z方向において、基板10とスペーサ320との間に設けられる。すなわち、Z方向から見た場合、樹脂35の少なくとも一部はスペーサ20と重複する。
【0043】
図18から図27を用いて本実施形態に係るスペーサ320の製造方法を二つ説明する。まず図18から図24を用いて、本実施形態に係るスペーサ320の一つ目の製造方法を説明する。図18に示すように、スペーサ200の主面200aがZ方向負側に位置するように配置する。図19に示すように、ダイシングブレード300でスペーサ200の裏面200bから所定の厚さをダイシングする。
【0044】
続いて、裏面200bに保護テープ400を設ける。保護テープ400が設けられたスペーサ200の主面200aと裏面200bをZ方向において反転させる。図20に示すように、ホイール302でスペーサ200の主面200aを研削する。この時、図19でダイシングした位置に少なくとも一部が重なる厚さまでスペーサ200を研削する。図21に示すように、ダイシングブレード300よりX方向の幅が広いダイシングブレード304で、スペーサ200を主面200aから約3分の2の厚さまでダイシングする。図21においてダイシングする厚さは、第1部分320iの厚さh1と第2部分320iiの厚さh2の比率に基づく。
【0045】
図22に示すように、保護テープ400を除去し、スペーサ200の主面200aに接着層325及びダイシングテープ500を順に設ける。接着層325及びダイシングテープ500を貼付したスペーサ200をZ方向において反転させる。続いて、図23に示すように、ダイシングテープ500側から接着層325及びダイシングテープ500と共にスペーサ200をピックアップ装置600により突き上げて個片化する。以上より、図24に示すような接着層325を含むスペーサ320が完成する。なお、一つ目の製造方法では、ダイシングテープ500および接着層325をピックアップ装置600で突き上げて個片化しているため、接着層325は断面がなめらかではない。
【0046】
続いて図25から図27を用いて、本実施形態に係るスペーサ320の二つ目の製造方法を説明する。なお、本実施形態に係るスペーサ320の一つ目の製造方法と図18から図20までは同様である。
図25に示すように、スペーサ200の主面200aに接着層325を設ける。続いて、図示しないダイシングブレード304で、スペーサ200及び接着層325を主面200aから約3分の2の厚さまでダイシングする。そして図26に示すように、接着層325上にダイシングテープ500を設け、裏面200bの保護テープ400を除去する。なお、裏面200bの保護テープ400を取り除くタイミングは接着層325上にダイシングテープ500を貼付する前であっても良い。
【0047】
続いてスペーサ200の主面200aと裏面200bをZ方向において反転させる。ダイシングテープ500側からスペーサを図示しないピックアップ装置600で突き上げて個片化し、図27に示すような接着層325を含むスペーサ320が完成する。二つ目の製造方法では、接着層325をダイシングブレード304によりダイシングするため、接着層325の断面は一つ目の製造方法と比較してなめらかである
【0048】
本実施形態によれば、第1部分320iの方が第2部分320iiよりも小さく、Y方向から見た場合に第3面320cが段差を有する形状にしたことにより、第3実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、本実施形態に係るスペーサ320の製造方法ではブレード300、304を傾ける必要がない。したがって角度をつけることができないブレード300、304であっても製造可能である。
【0049】
(変形例1)
図28を用いて第4実施形態の変形例1を説明する。変形例1において、第2部分320iiの第3面320cと第2面320bとの二つの面のなす角度は0度より大きく90度未満である。すなわち、第3面320cは少なくとも一部に斜面を含む。
【0050】
変形例1に係るスペーサ320は、例えば、3Dプリンタを用いて製造する。製造方法はこれに限定されず、スペーサ320の型にスペーサ320の材料を流し込んで製造しても良い。
【0051】
(変形例2)
図29を用いて第4実施形態の変形例2を説明する。変形例2において、Y方向から見た場合、第2部分320iiの第3面320cは複数の段差を有する。
【0052】
図30及び図31を用いて、変形例2に係るスペーサ320の製造方法を説明する。第4実施形態と同様に図18に示すようにスペーサ200を配置する。そして図30に示すように、ダイシングブレード306を用いてダイシングを行う。続いて、図31に示すように、ダイシングプレード306よりもX方向の幅が小さいダイシングブレード308を用いてダイシングを行う。ダイシングする厚さは、図30に示したダイシングの工程より厚い。以上のように、ダイシングする回数が増える度にダイシングする厚さは厚く、ダイシングブレードのX方向の幅は小さくして繰り返しダイシングを行うことにより、図29に示すスペーサ320が完成する。なお、図30及び図31の製造方法に限定されない。同じ幅のダイシングブレードを用いて、ダイシングする厚さとダイシングするX方向の位置を変えて繰り返しダイシングしても良い。また、X方向の長さが異なる複数のスペーサを積層し第2部分320iiを形成しても良い。変形例2に係るスペーサ320を変形例1と同様の方法で製造しても良い。
【0053】
(第5実施形態)
第1実施形態とは、スペーサ20の構造が異なる。具体的には、スペーサが面積の異なる複数のスペーサを含む。
図32を用いて本実施形態に係る半導体装置1の構成を説明する。本実施形態において、半導体装置1は、スペーサ20の代わりにスペーサ420を備える。スペーサ420の基本的な構成はスペーサ20と同様である。ただし、スペーサ420は、第1面20a、第2面20b、第3面20c及び第4面20dの代わりに第1面420a、第2面420b、第3面420c及び第4面420dを含む。
【0054】
本実施形態において、スペーサ420は、第1スペーサ422及び第2スペーサ424を含む。第2スペーサ424の面積は、第1スペーサ422の面積よりも大きい。第1スペーサ422及び第2スペーサ424の基本的な構成はスペーサ20と同様である。ただし、第1スペーサ422及び第2スペーサ424は、接着層25の代わりにそれぞれ接着層425を含む。また、第1スペーサ422は、第1面20a、第2面20b、第3面20c及び第4面20dの代わりに第1面422a、第2面422b、第3面422c及び第4面422dを含む。第2スペーサ424は、第1面20a、第2面20b、第3面20c及び第4面20dの代わりに第1面424a、第2面424b、第3面424c及び第4面424dを含む。
【0055】
本実施形態において、第1面420aは第1面422a及び第1面424aを有する。第2面420bは第2面422b及び第2面424bを有する。第3面420cは第3面422c及び第3面424cを有する。第4面420dは第4面422d及び第4面424dを有する。
また、本実施形態において、第3面422c及び第3面424cは、第1面420a及び第2面420bに対して約90度である。第4面422d及び第4面424dは、第1面420a及び第2面420bに対して約90度である。
【0056】
本実施形態において、第2スペーサ424は、第1スペーサ422の上方に設けられる。また、第1スペーサ422の厚さh3は第2スペーサ424の厚さh4よりも大きい(h3>h4)。本実施形態において、第1スペーサ422の厚さh3と第2スペーサ424の厚さh4の比率は、例えば2:1である。また、X方向において、第1スペーサ422のコントローラ30から一番遠い辺までの距離は、第2スペーサ424のコントローラ30から一番遠い辺までの距離と略同じである。なお、本実施形態ではスペーサ420が第1スペーサ422及び第2スペーサ424の二つのスペーサを含むが、三つ以上のスペーサを含んでいても良い。スペーサ420が三つ以上のスペーサを含む場合、少なくとも二つのスペーサの面積が異なっていれば良い。また、Z方向において、少なくとも二つのスペーサのうち基板10から遠いスペーサの面積の方が大きい。
【0057】
樹脂35の少なくとも一部は、Z方向において、基板10とスペーサ420との間に設けられる。すなわち、Z方向から見た場合、樹脂35の少なくとも一部はスペーサ20と重複する。
【0058】
図33及び図34を用いて本実施形態に係る半導体装置1の製造方法を説明する。
図6と同様に、基板10上にコントローラ30及び部品60を設ける。コントローラ30は樹脂35により基板10にさらに固定される。続いて、図33に示すように、基板10上に第1スペーサ422を設ける。例えば、第1面422aの接着層425を基板10に押し付けて、第1スペーサ422と基板10とを接着させる。図33に示すように、第1スペーサ422の上方に第2スペーサ424を設ける。例えば、第1面424aの接着層425を第1スペーサ422に押し付けて、第2スペーサ424と第1スペーサ422とを接着させる。その後、第1実施形態の図8以降の工程と同様にして、図32に示す本実施形態に係る半導体記憶装置1が完成する。
【0059】
本実施形態によれば、スペーサ420が第1スペーサ422、及び第1スペーサ422の上方に設けられ、第1スペーサ422よりも面積が大きい第2スペーサ424を含むことにより、第3実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態に係る第1スペーサ422及び第2スペーサ424はブレード300を傾けて製造する必要がなく、同様の工程で製造することが可能である。さらに、第4実施形態と比較して、ブレード300及びブレード302といった複数種類のブレードを用いる必要がないため製造工程を減らすことができる。
【0060】
(変形例)
図35を用いて第5実施形態の変形例を説明する。変形例において、基板10は少なくとも1つのスペーサを含む。具体的には、基板10は第1スペーサ422を含む。すなわち、第1スペーサ422は、基板10の一部である。したがってスペーサ420は基板10の一部及び第2スペーサ424を含む。第1スペーサ422は、例えば基板10と同じ材料である。なお、第1スペーサ422は基板10に含まれていればよく、基板10のその他の部分と材料が異なっていても良い。
【0061】
(第6実施形態)
第1実施形態とは、スペーサ20の構造が異なる。具体的には、スペーサが面積の異なる複数のスペーサを含む。
図36を用いて本実施形態に係る半導体装置1の構成を説明する。本実施形態において、半導体装置1は、スペーサ20の代わりにスペーサ520を備える。スペーサ520の基本的な構成はスペーサ20と同様である。ただし、スペーサ520は、第1面20a、第2面20b、第3面20c及び第4面20dの代わりに第1面520a、第2面520b、第3面520c及び第4面520dを含む。
【0062】
本実施形態において、スペーサ520は、第1スペーサ522及び第2スペーサ524を含む。第2スペーサ524の面積は、第1スペーサ522の面積よりも大きい。第1スペーサ522及び第2スペーサ524の基本的な構成はスペーサ20と同様である。ただし、第1スペーサ522及び第2スペーサ524は、接着層25の代わりにそれぞれ接着層525を含む。また、第1スペーサ522は、第1面20a、第2面20b、第3面20c及び第4面20dの代わりに第1面522a、第2面522b、第3面522c及び第4面522dを含む。第2スペーサ524は、第1面20a、第2面20b、第3面20c及び第4面20dの代わりに第1面524a、第2面524b、第3面524c及び第4面524dを含む。
【0063】
本実施形態において、第1面520aは第1面522a及び第1面524aを有する。第2面520bは第2面522b及び第2面524bを有する。第3面520cは第3面522c及び第3面524cを有する。第4面520dは第4面522d及び第4面524dを有する。
また、本実施形態において、第3面522c及び第3面524cは、第1面520a及び第2面520bに対して約90度である。第4面522d及び第4面524dは、第1面520a及び第2面520bに対して約90度である。
【0064】
本実施形態において、第2スペーサ524は、第1スペーサ522の上方に設けられる。また、第1スペーサ522の厚さh5は、第2スペーサ524の厚さh6よりも大きい(h5>h6)。第1スペーサ522の厚さh5は、部品60の厚さh7よりも大きい(h5>h7)。本実施形態において、第1スペーサ522の厚さh5と第2スペーサ524の厚さh6の比率は、例えば2:1である。また、X方向において、第1スペーサ522のコントローラ30から一番遠い辺までの距離は、第2スペーサ524のコントローラ30から一番遠い辺までの距離より短い。X方向において、第1スペーサ522のコントローラ30から一番近い辺までの距離は、第2スペーサ524のコントローラ30から一番近い辺までの距離より長い。したがって、Y方向から見た場合、スペーサ520はT字型である。なお、Y方向から見た場合、第2スペーサ524は第1スペーサ522よりもX方向両側の長さが長ければよく、T字型に限定されない。
【0065】
なお、本実施形態ではスペーサ520が第1スペーサ522及び第2スペーサ524の二つのスペーサを含むが、三つ以上のスペーサを含んでいても良い。スペーサ520が三つ以上のスペーサを含む場合、少なくとも二つのスペーサの面積が異なっていれば良い。また、Z方向において、少なくとも二つのスペーサのうち基板10から遠いスペーサの面積の方が大きい。また、Y方向から見た場合、少なくとも二つのスペーサのうち、基板10から遠いスペーサは、基板10に近いスペーサよりもX方向両側の長さが長い。
【0066】
本実施形態において、第1部材の少なくとも一部は、Z方向において、基板10とスペーサ520との間に設けられる。すなわち、Z方向から見た場合、樹脂35の少なくとも一部及び部品60の少なくとも一部はスペーサ520と重複する。
【0067】
本実施形態に係る半導体装置1の製造方法は第5実施形態と同様である。
【0068】
本実施形態によれば、Y方向から見た場合、第2スペーサ524が第1スペーサ522よりもX方向両側の長さが長い形状にしたことにより、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態に係る第1スペーサ522及び第2スペーサ524はブレード300を傾けて製造する必要がなく、同様の工程で製造することが可能である。さらに、第4実施形態と比較して、ブレード300及びブレード302といった複数種類のブレードを用いる必要がないため製造工程を減らすことができる。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0070】
1・・・半導体装置、10・・・基板、20、90、120、200、220、320、420、520・・・スペーサ、25、45、95、125、225、325、425、525・・・接着層、422、522・・・第1スペーサ、424、524・・・第2スペーサ、30・・・コントローラ(半導体チップ)、35・・・樹脂、40・・・半導体チップ、50・・・ボンディングワイヤ、60・・・部品、70・・・封止樹脂、80・・・外部電極、100・・・加工テーブル、300、304、306、308・・・ダイシングブレード、302・・・ホイール、400・・・保護テープ、500・・・ダイシングテープ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36